以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視可能な状態で保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15を有する上皿ユニット15aが共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ遊技機10の下部)には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18を有する下皿ユニット18a及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作することにより、上球皿15に貯留されている遊技球が遊技盤13の遊技領域13aに発射されるようになっている。なお、遊技領域13aに向けて発射される遊技球は、発射装置19の操作量に応じて発射の強弱が設定される。
遊技盤13の前面には、発射装置19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路21が形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域13aが形成される。そして、誘導路21の下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤13の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域13a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域13bとされている。
遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)23が装着されている。表示枠体23の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口23aが形成されており、当該セット口23aに整合して表示枠体23には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段及び予告手段としての演出表示装置H2が装着されている。演出表示装置H2には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための演出用の図柄となる飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体23の下方には、表示手段としての特別図柄表示装置H1が配置されている。本実施形態の特別図柄表示装置H1は、7セグメントLED式の表示装置とされている。特別図柄表示装置H1には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。なお、特別図柄表示装置H1の図柄変動ゲームは、大当り(当り)か否かの大当り抽選(当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置H1では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される。このとき、特別図柄表示装置H1と演出表示装置H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置H1には、複数種類の特別図柄の中から1つの特別図柄が表示されるようになっている。本実施形態における複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る大当り図柄と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。また、本実施形態において演出表示装置H2には、各列毎に、[1]〜[9]までの数字図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置H1の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置H2の表示内容に注目し、該演出表示装置H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
本実施形態では、全列(本実施形態では3列)の飾り図柄を同一種類の飾り図柄で形成した図柄組み合わせを、大当り抽選の抽選結果が大当りの場合に演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄による大当り(当り)の図柄組み合わせ(飾り図柄による大当り図柄)としている。例えば、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせは、[111]、[777]などである。なお、本実施形態において、全列が[7]の数字図柄による図柄組み合わせ([777])が、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせとされている。その一方で、本実施形態では、全列が[1]〜[6],[8],[9]のうち何れかの数字図柄による図柄組み合わせが、確変大当り及び非確変大当りの何れの可能性もあることを認識し得る図柄組み合わせとされている。なお、「確変」は、「確率変動」を略示したものであり後に詳しく説明する。
一方、全列の飾り図柄を同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、大当り抽選の抽選結果がはずれの場合に演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(飾り図柄によるはずれ図柄)としている。全列の飾り図柄が同一種類とならない場合には、全列の飾り図柄の全てが異なる場合や複数列(2列)の飾り図柄が同一種類で1列の飾り図柄の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせは、[123]、[115]、[767]などである。
そして、演出表示装置H2には、特別図柄表示装置H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置H1の特別図柄による図柄と、演出表示装置H2の飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄に対応した飾り図柄による図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。
また、本実施形態において、演出表示装置H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
図1及び図2に示すように、表示枠体23の下方であって、特別図柄表示装置H1の左横には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示装置24が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口26と下始動入賞口27)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示装置24は、第1保留ランプ24aと、第2保留ランプ24bと、第3保留ランプ24cと、第4保留ランプ24dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留ランプの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ24aのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが消灯している。
表示枠体23の下方であって、特別図柄表示装置H1の右横には、発光型の普通図柄表示装置H3が配置されている。本実施形態の普通図柄表示装置H3は、7セグメントLED式の表示装置とされている。普通図柄表示装置H3には、複数種類の図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において普通図柄表示装置H3の普通図柄変動ゲームでは、1列の普通図柄を導出する。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根28の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、普図当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで普図当り図柄として[7]の数字からなる普通図柄が表示されるとともに、普図当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として[−(バー)]の符号からなる普通図柄が表示される。
また、表示枠体23の下方であって、普通図柄表示装置H3の右横には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示装置25が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の左方に配置される普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示装置25は、第1保留ランプ25aと、第2保留ランプ25bと、第3保留ランプ25cと、第4保留ランプ25dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示装置25は、保留ランプの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ25aのみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが消灯している。
また、表示枠体23の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口26aを有する入球検知手段としての上始動入賞口26と遊技球の入球口27aを有する入球検知手段としての下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口26は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根28を備えており、開閉羽根28が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根28が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口26と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する入球検知手段としての始動口センサSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。上始動入賞口26と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口27は開閉羽根28が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球しやすい状態とされる一方で、開閉羽根28が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口27の下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29を備えた入賞手段(可変入賞装置)としての大入賞口(特別電動役物)30が配設されている。そして、大当り遊技(当り遊技)が付与されると、大入賞口扉29の開動作によって大入賞口30が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。すなわち、大入賞口30は、常には大入賞口扉29によって入球を許容し得ない閉状態とされており、大当り遊技が付与されることによって不利な閉状態から遊技球の入球が許容される有利な開状態に変化する。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、大当り抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されてから大入賞口扉29の閉動作により大入賞口30が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口30は、規定入球個数の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体23の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート31が配設されている。普通図柄作動ゲート31の奥方には、該普通図柄作動ゲート31へ入球し通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3(図5に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート31は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口30よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口32が形成されている。アウト口32を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率が低確率である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。本実施形態では、確変状態が付与されていない通常確率の状態が低確率抽選状態であり、確変状態が高確率抽選状態となる。確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態において確変状態は、予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起されやすくなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(大当り抽選の低確率状態を付与する)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、96種類の特別図柄の大当り図柄のうち、60種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、36種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート31の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(普図当りの当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する時短状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されている場合と時短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口27の開閉羽根28は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、時短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、0.3(秒))経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、時短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1.4(秒))が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根28は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回、又は10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、時短状態が付与される前記回数は、大当り遊技の種類に応じて変化する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の図柄変動ゲームにおいて、図柄の変動開始から図柄の変動停止(一旦停止表示)までを1回とする変動サイクルを複数回、連続して実行可能とされた特殊変動演出としての連続予告演出(以下、単に「擬似連」と示す場合がある)を実行可能に構成されている。連続予告演出は、演出表示装置H2と特別図柄表示装置H1で行われる1回の図柄変動ゲームにおいて、演出表示装置H2のみで演出として表現される。1回の図柄変動ゲームは、図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動開始によって開始し、図柄の変動が停止した後に図柄が確定停止表示されることによって終了する。この1回の図柄変動ゲームは、1球の始動保留球に対応して実行されるものである。すなわち、連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、内部制御において1回の図柄変動ゲームを、恰も複数回の図柄変動ゲームが連続して行われているかのように擬似的に演出表現してなされるものである。
本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な連続予告演出では、連続予告演出を構成する変動サイクル毎に、新たな変動サイクルが開始されること及び当該変動サイクルの終了後に新たな変動サイクルが開始される可能性があることを遊技者に報知する報知演出が実行されるようになっている。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の図柄変動ゲーム中に1回の変動サイクルが実行される連続予告演出、1回の図柄変動ゲームにおいて2回の変動サイクルが実行される連続予告演出、1回の図柄変動ゲームにおいて3回の変動サイクルが実行される連続予告演出、及び1回の図柄変動ゲームにおいて4回の変動サイクルが実行される連続予告演出の4種類の連続予告演出を実行可能となっている。そして、本実施形態の連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、当該ゲームを構成する変動サイクルの実行回数によって大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)が表示されるか否かの可能性となる大当り信頼度(大当り期待度)が変化するように構成されている。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合には大当り抽選に当選していない場合と比較して変動サイクルの実行回数が多い連続予告演出を伴って図柄変動ゲームが行われやすくなっている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置H2(画像表示部GH)で行われる飾り図柄による1回の図柄変動ゲームにおいて、報知演出を伴う変動サイクルの回数が増加するのに従って、当該図柄変動ゲームにおいて大当りの図柄組み合わせが導出される可能性が高くなる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な連続予告演出は、1回の図柄変動ゲームで実行される変動サイクルの回数に応じて当該図柄変動ゲームが大当りとなる可能性(大当り信頼度)を遊技者に報知するようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の図柄変動ゲームにおいて該ゲームにおける大当りか否かの可能性(すなわち、大当り信頼度)を示唆する予告演出を、連続予告演出の変動サイクル毎に実行可能に構成されている。この予告演出は、内部抽選で大当りが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されて大当りとなる。その一方で、予告演出は、内部抽選ではずれが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されずにはずれとなる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づいた大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りを付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において96種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B、及び図柄Cの3種類に分類される。そして、図柄Aには31種類の大当り図柄が、図柄Bには29種類の大当り図柄が、図柄Cには36種類の大当り図柄がそれぞれ振分けられている。
図柄A,Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当り遊技である。以下、図柄A,Bに基づく大当り遊技を「確変大当り遊技」と示す。確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口30を「1回」開放させるように設定されている。
そして、図柄Aに基づく確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで時短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで時短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。その一方で、図柄Bに基づく確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数とする図柄変動ゲームが終了する迄の間、時短状態を付与するようになっている。
また、図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)大当り遊技である。以下、図柄Cに基づく大当りを「非確変大当り遊技」と示す。また、非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口30を「1回」開放させるように設定されている。また、非確変大当り遊技では、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数とする図柄変動ゲームが終了する迄の間、時短状態を付与するようになっている。
また、図柄A〜Cに基づく各大当り遊技では、オープニング演出が行われるオープニング時間として10秒、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として25秒、及びエンディング演出が行われるエンディング時間として10秒が、図3に示すように、それぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、図3に示す1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置H2で行われる演出として、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である期待度の異なる複数の示唆演出(示唆演出モード)を実行可能に構成されている。本実施形態では、示唆演出として、通常モードMA、高確率示唆モードMB、及び高確率確定モードMCの3種類の示唆演出モードが備えられており、何れかの示唆演出が行われるようになっている。高確率示唆モードMB、及び高確率確定モードMCは、大当り遊技終了を契機として開始される示唆演出とされている。
高確率確定モードMCは、図柄Aに基づく確変大当り遊技終了後にのみ行われる示唆演出となっており、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であることを報知する確変状態確定演出として位置付けられている。高確率確定モードMCは、図柄Aに基づく確変大当り遊技終了後、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、行われる。
一方、高確率示唆モードMBは、図柄Bに基づく確変大当り遊技終了後、及び図柄Cに基づく非確変大当り遊技終了後の何れの場合にも行われる示唆演出となっている。このため、確変示唆モードMBは、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合と、低確率状態である場合の何れの可能性もある確変潜伏演出とされている。高確率示唆モードMBは、図柄B,Cに基づく各大当り遊技終了後、時短状態を付与する上限回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、行われる。また、本実施形態では、高確率示唆モードMB中において、大当りが生起されること無く、時短状態を付与する上限回数の図柄変動ゲームが終了すると、最終回の図柄変動ゲームが終了したことを契機として通常モードMAに移行されるようになっている。このため、図柄Bに基づく確変大当り遊技の終了後、時短状態が付与されている間に大当り抽選で当選しなかった場合には、確変状態が付与されたまま通常モードMAに移行されることになる。したがって、本実施形態において、通常モードMAは、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合と、低確率状態である場合の何れの場合の可能性もある確変潜伏演出となる。なお、通常モードMAに対する確変状態への期待度は、大当り遊技終了後に確変状態が付与された場合、時短状態が終了する迄の間(即ち、高確率示唆モードMB滞在中)に大当り抽選で当選する可能性が高いことから、高確率示唆モードMBと比較して低くなる可能性が高い。
また、各示唆演出モード中の演出表示装置H2(画像表示部GH)には、遊技状態報知画像がそれぞれ画像表示されるようになっている。具体的に言えば、通常モードMA時には、遊技状態報知画像としての通常背景G1が画像表示されるようになっているとともに、高確率確定モードMC時には、遊技状態報知画像としての高確率確定背景G3が画像表示されるようになっている。また、高確率示唆モードMB時には、遊技状態報知画像としての高確率示唆背景G2が画像表示されるようになっている。これらの通常背景G1、高確率示唆背景G2、及び高確率確定背景G3が画像表示されることにより、遊技者は、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である期待度を把握し得る。なお、各背景G1〜G3は、図柄の背面に映し出される画像である。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図5にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。これらのサブ統括制御基板36、表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38が、副制御装置となる。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ(装飾ランプ16)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)、及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36、表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。
また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口センサSW1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口センサSW2と、普通図柄作動ゲート31を通過した遊技球を検知するゲートセンサSW3が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置H1と、普通図柄表示装置H3と、特別図柄保留記憶表示装置24と、普通図柄保留記憶表示装置25が接続されている。
また、主制御基板35(主制御用RAM35c)には、電源遮断時(停電時や電源OFF時)に主制御基板35がバックアップ処理を実行するためのバックアップ用電源39が接続されている。バックアップ用電源39は、キャパシタなどからなる。バックアップ処理では、電源遮断によりパチンコ遊技機10の各種構成部材及び各種制御基板に供給されるべき電源電圧値(例えば、DC30V)が予め定められた規定電圧値(例えば、DC20V)に降下した際に、その時点における大当り抽選の抽選確率が低確率状態及び高確率状態の何れであるか、時短状態が付与されているか否かなどの遊技状態に関する各種制御情報が主制御用RAM35cに記憶保持させられるようになっている。このバックアップ処理については、後に詳細に説明する。本実施形態では、バックアップ用電源39により電源遮断後も制御情報を記憶保持可能な主制御用RAM35cが記憶保持手段となる。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普図当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。特別図柄用の大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとなる場合に特別図柄表示装置H1に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用CPU35aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターン(変動態様)を示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。
図6には、本実施形態の主制御用ROM35bに記憶された複数種類の変動パターンのうち、一部の変動パターンが示されている。なお、以下の説明において、変動パターンP2A及び変動パターンP2Bを単に「変動パターンP2」、変動パターンP3A及び変動パターンP3Bを単に「変動パターンP3」・・・変動パターンP9A及び変動パターンP9Bを単に「変動パターンP9」というようにそれぞれ略示する場合がある。
変動パターンには、図6に示すように、大当り演出用の変動パターンP2B,P3B,P5B〜P9B、はずれリーチ演出用の変動パターンP2A,P3A,P5A〜P9A、及びはずれ演出用の変動パターンP1,P4がある。大当り演出用の変動パターンP2B,P3B,P5B〜P9Bに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP2A,P3A,P5A〜P9Aに基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。変動パターンP1,P4に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置H2の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせ(リーチ状態)が形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行なわれる演出である。
以下、各変動パターンP1〜P9について、図6にしたがって詳しく説明する。なお、図6に示す「擬似連」とは、1回の図柄変動ゲーム中に行われる連続予告演出を構成する変動サイクル数を示している。
変動パターンP1,P4は、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動を図柄停止順序にしたがって停止させる「通常変動」の演出であって、リーチ演出を経ることなくはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、変動パターンP2A,P5A,P7Aは、図柄変動ゲームの開始後にリーチ状態を形成し、リーチ演出としてノーマルリーチを行い、当該リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるはずれリーチ演出である。なお、ノーマルリーチ演出は、リーチ形成後に、最終図柄停止列を所定時間の間、変動させるなどの態様で行われる。また、変動パターンP2B,P5B,P7Bは、図柄変動ゲームの開始後にリーチ状態を形成し、リーチ演出としてノーマルリーチを行い、当該リーチ演出を経て大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させる大当り演出である。
また、変動パターンP3A,P6A,P8A,P9Aは、図柄変動ゲームの開始後にリーチ状態を形成し、リーチ演出としてスーパーリーチを行い、当該リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるはずれリーチ演出である。なお、スーパーリーチ演出は、リーチ形成後に、ノーマルリーチを経由し、リーチ演出を発展させて行われる演出であって、例えば、キャラクタ(以下、「キャラ」と略示する場合がある)などを登場させ、当該キャラクタの動作によって最終図柄停止列の図柄を導出するなどの態様で行われる。また、変動パターンP3B,P6B,P8B,P9Bは、図柄変動ゲームの開始後にリーチ状態を形成し、リーチ演出としてスーパーリーチを行い、当該リーチ演出を経てはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるはずれリーチ演出である。通常、パチンコ遊技機では、通常変動の大当り信頼度よりもノーマルリーチの大当り信頼度の方が高く設定されているとともに、ノーマルリーチの大当り信頼度よりもスーパーリーチの大当り信頼度の方が高く設定されており、大当り抽選に当選した場合には通常変動を特定可能な変動パターン<ノーマルリーチを特定可能な変動パターン<スーパーリーチを特定可能な変動パターンの順でその選択率が高められている。
また、本実施形態において変動パターンP1〜P3は、1回の図柄変動ゲーム中に1回の変動サイクルが実行される連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定している。変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームでは、1回の変動サイクルとして、報知演出を伴って図柄が変動開始されるとともに各変動パターンP1〜P3に対応付けられた演出内容による表示演出(通常変動、ノーマルリーチ、及びスーパーリーチ演出)がそれぞれ行われ、最終的に一旦停止表示された所定の飾り図柄による図柄組み合わせ(はずれ又は大当り)が確定停止表示されるようになっている。なお、1回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームと、何れの連続予告演出も伴わない図柄変動ゲームとは、報知演出が行われない点を除いて略同一の表示演出が展開される図柄変動ゲームとなる。すなわち、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームは、報知演出を伴わない1回の変動サイクルのみで構成されていると把握することも可能である。このため、変動パターンP1〜P3に基づく図柄変動ゲームでは、報知演出が行われるものの、実際には2回目の変動サイクルが実行されることなく図柄変動ゲームが終了されることになるため、当該変動サイクルの終了後に新たな変動サイクルが開始されない点において、所謂「ガセ」の連続予告演出となる。また、変動パターンP1〜P3では、1回の変動サイクル中に予告演出が実行される可能性がある変動パターンとされている。
また、変動パターンP4〜P6は、1回の図柄変動ゲーム中に2回の変動サイクルが実行される連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定している。変動パターンP7、P8は、1回の図柄変動ゲーム中に3回の変動サイクルが実行される連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定している。変動パターンP9は、1回の図柄変動ゲーム中に4回の変動サイクルが実行される連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定している。変動パターンP4〜P9に基づく図柄変動ゲームでは、最終回より前の変動サイクル毎に、報知演出を伴って図柄が変動開始されるとともに飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示されるようになっている。そして、変動パターンP4〜P9に基づく図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルにおいて、報知演出を伴って図柄が変動開始されるとともに各変動パターンP4〜P9に対応付けられた演出内容による表示演出(通常変動、ノーマルリーチ、及びスーパーリーチ演出)がそれぞれ行われ、最終的に一旦停止表示された所定の飾り図柄による図柄組み合わせ(はずれ又は大当り)が確定停止表示されるようになっている。また、変動パターンP4〜P9では、連続予告演出を構成する各変動サイクル中に予告演出が実行される可能性がある変動パターンとされている。
本実施形態では、変動サイクルの実行回数が多い連続予告演出を特定する変動パターンほど、当該連続予告演出を特定する変動パターンが選択される選択率全体に対して、大当り抽選で当選した場合の選択率が高くなるように設定されている。このため、連続予告演出としての大当り信頼度は、1回の変動サイクルからなる連続予告演出<2回の変動サイクルからなる連続予告演出<3回の変動サイクルからなる連続予告演出<4回の変動サイクルからなる連続予告演出の順に高くなる(上昇する)ようになっている。
本実施形態では、変動パターンP1〜P9が連続予告演出を伴う図柄変動ゲームの変動態様を特定可能な特殊変動パターンとなる。なお、本実施形態において変動パターンP1〜P3は、1回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定していることから、特殊変動パターンとして位置づけられている。また、変動パターンP8,P9が、変動サイクルの実行回数の多い連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な第1特殊変動パターンとなり、変動パターンP1〜P6が変動サイクルの実行回数が少ない連続予告演出を伴う図柄変動パターンを特定可能な第2特殊変動パターンとなる。なお、本実施形態では、変動パターンP7が変動パターンP8と同一となる3回の変動サイクルからなる連続予告演出を特定可能な変動パターンとされているものの、同時にスーパーリーチ演出よりも大当り信頼度を低く設定されたノーマルリーチ演出を特定していることから、便宜上第2特殊変動パターンとして位置付けられている。また、通常変動より大当り信頼度を高く設定されたスーパーリーチを特定する変動パターンP3,P6,P8,P9が、大当り抽選で当選した場合に選択されやすい特定の変動パターンとなる。そして、本実施形態では、各変動パターンP1〜P9を記憶する主制御用ROM35bが、変動パターン記憶手段となる。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがあり、確変状態時の大当り判定値の数は、非確変状態時の大当り判定値の数よりも多く設定されている。また、普通図柄の普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄用の普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。普図当り判定値は、遊技状態が非時短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、遊技状態が時短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがあり、時短状態時の普図当り判定値の数は非時短状態時の普図当り判定値の数よりも多く設定されている。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。統括制御用ROM36bには、主制御基板35から出力される各種の制御コマンド(制御信号)に基づいて図柄変動ゲームで実行させる各種遊技演出の具体的な演出内容を決定するための各種振分けテーブルが記憶されている。
また、統括制御用RAM36cには、各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。また、統括制御用CPU36aは、予告モード振分け用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。予告モード振分け用乱数は、複数種類用意されており、統括制御用CPU36aが図柄変動ゲーム中に実行させる具体的な演出内容を選択する際に用いる乱数である。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、表示制御基板37について説明する。
表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置H2が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景(通常背景G1、高確率示唆背景G2、高確率確定背景G3など)、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。
まず、主制御用CPU35aが実行するメイン処理について説明する。メイン処理において主制御用CPU35aは、タイマ割込み処理の割込みを禁止するとともに、電源投入時に必要な各種設定を行う。次に、主制御用CPU35aは、パチンコ遊技機10の電源断時に主制御用RAM35cに設定されるバックアップフラグを確認し、当該バックアップフラグが正常か否かを判定する。すなわち、正常にバックアップの処理が行われている否かを判定する。バックアップフラグが正常と判定した主制御用CPU35aは、主制御用CPU35aのチェックサムを算出し、当該算出したチェックサムが電源遮断時に算出したチェックサムの値と一致するか否かを判定する。主制御用CPU35aは、バックアップフラグが異常な場合、又は電源投入時に算出したチェックサムの値が電源遮断時に算出したチェックサムの値と一致しない場合には主制御用RAM35cに記憶されているバックアップデータを消去し、初期値に基づきパチンコ遊技機10を起動させる。その一方で、主制御用CPU35aは、バックアップフラグが正常で、且つ電源投入時に算出したチェックサムの値が電源遮断時に算出したチェックサムの値と一致した場合には前記バックアップデータの設定値に基づきパチンコ遊技機10を起動させる。
主制御用CPU35aは、バックアップデータに基づきパチンコ遊技機10を起動させる場合、まず電源断前のスタックポインタを復帰させる。次に、主制御用CPU35aは、サブ統括制御基板36に対して電源断時の遊技状態(確変状態や時短状態などを含む)に復帰させるための制御コマンド(確変状態を指示するための高確率指定コマンドや時短状態を指示するための時短作動コマンドなど)を送信する。次に、主制御用CPU35aは、割込みのインターバルタイマを設定(例えば、4m秒)するとともに、電源断前のレジスタを復帰する。次に、主制御用CPU35aは、電源断前に割込みが許可されていたか否かを判定する。主制御用CPU35aは、電源断前に割込みが許可されていた場合には割込み許可を設定するとともに、電源断前に割込みが許可されていなかった場合には割込みを許可しないことにより、割込みの許可/不許可(禁止)を電源断前の状態に復帰させる。そして、主制御用CPU35aは、電源断前のアドレスを設定し、その設定したアドレスへ戻る。
一方、バックアップデータを消去し、初期値に基づきパチンコ遊技機10を起動させる場合、まず、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの初期化時の処理を行う。先ず、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの全記憶領域を0(零)クリアする。次に、主制御用CPU35aは、スタックポインタを初期値化するとともに、主制御用RAM35cに初期値を設定する。次に、主制御用CPU35aは、電源投入初期時のコマンドを送信し、割込みのインターバルタイマ(例えば、4(m秒))を設定する。
次に、主制御用CPU35aが実行するバックアップ処理(電源断発生時処理)を説明する。
主制御用CPU35aは、図示しない電源監視回路から電源電圧値が規定電圧値に降下したことを示す電源断信号を入力したことを契機として全使用レジスタを主制御用RAM35cに退避する。次に、主制御用CPU35aは、スタックポインタの値を保存するとともに、主制御用RAM35cのチェックサムを算出して保存する。次に、主制御用CPU35aは、バックアップフラグを設定するとともに、アクセスを禁止する。その後、主制御用CPU35aは、電源断になるまで無限ループを実行する。電源断後は、バックアップ用電源39から主制御用RAM35cへ電源が供給され、電源断時における主制御用RAM35cの記憶内容(各種制御フラグなど)がバックアップデータとして記憶保持される。
次に、主制御用CPU35aが実行するタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、パチンコ遊技機10の起動後、所定の制御周期(例えば、4m秒)毎に繰り返し実行する処理であり、このタイマ割込み処理にて各種遊技に係る処理を実行する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口26又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の大当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特別図柄用の大当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当り遊技を付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定時において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶された確変フラグの値を参照し、当該確変フラグに設定された値に基づいて遊技状態が確変状態であるか、通常状態であるかを把握するようになっている。具体的に言えば、確変フラグには、確変状態を付与しない(大当り抽選の抽選確率を低確率状態とする)ことを示す値として「0」が設定される一方、確変状態を付与する(大当り抽選の抽選確率を高確率状態とする)ことを示す値として「1」が設定されるようになっている。そして、主制御用CPU35aは、遊技状態が通常状態(低確率状態)である場合(確変フラグ=「0」)には、低確率用の大当り判定値と特別図柄用の大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態(高確率状態)である場合(確変フラグ=「1」)には、高確率用の大当り判定値と特別図柄用の大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定(特別図柄用の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄用乱数に基づき大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値と特別図柄から特定される大当り遊技の種類をもとに変動パターンを選択し、決定する。
具体的に言えば、主制御用CPU35aは、特別図柄が確変大当り遊技に対応する大当りの図柄Aの場合、確変大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄が確変大当り遊技に対応する大当りの図柄B、及び非確変大当り遊技に対応する大当りの図柄Cの場合、各図柄B,Cに対応する大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。なお、本実施形態では、図柄Bに基づく確変大当り遊技の当選時と図柄Cに基づく非確変大当り遊技の当選時に選択可能な変動パターンを、同一変動パターンに設定している。これにより、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄Bに基づく確変大当り遊技の当選時及び図柄Cに基づく非確変大当り遊技の当選時にそれぞれ行われる図柄変動ゲームの変動内容から、大当り遊技の終了後に確変状態と時短状態の何れが付与されるのかが判別し得ないようになっている。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれリーチ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。一方、前記判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれ演出の当選時に選択可能な変動パターンの中から一つの変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
また、主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートセンサSW3が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている普通図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(普通図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、普通図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、普通図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の普通図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、普通図柄用の普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を普通図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(普通図柄用の保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普通図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した普図当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定を行う。普図当り判定において主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに記憶された時短フラグの値を参照し、当該時短フラグに設定された値に基づいて遊技状態が時短状態であるか、非時短状態であるかを把握するようになっている。本実施形態では、時短状態を付与しないことを示す数値として「0」が設定される一方、時短状態を付与することを示す値として「1」の数値が設定されるようになっている。そして、主制御用CPU35aは、遊技状態が非時短状態である場合(時短フラグ=「0」)には低確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が時短状態である場(時短フラグ=「1」)には、高確率用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置H3の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、非時短状態の場合には変動時間として「10(秒)」を設定し、時短状態の場合には変動時間として非時短状態よりも短い時間となる「1(秒)」を設定する。これにより、時短状態時に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非時短時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
また、主制御用CPU35aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。また、主制御用CPU35aは、各大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口30を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉29のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉29が開動作される。また、主制御用CPU35aは、各大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、大入賞口30に配設されたカウントスイッチ(図示しない)からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、各大当り遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口30を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉29のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉29が閉動作される。
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの状態移行判定の判定結果に基づき、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与し、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、図柄A,Bに基づく確変大当り遊技に当選している場合、前記状態移行判定が肯定判定される。そして、主制御用CPU35aは、図柄Aに基づく大当り遊技終了後、遊技状態を確変状態及び時短状態とするべく、主制御用RAM35cの確変フラグに「1」を設定するとともに、時短フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU35aは、図柄Bに基づく大当り遊技終了後、遊技状態を確変状態及び時短状態とするべく、主制御用RAM35cの確変フラグに「1」を設定するとともに、時短フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU35aは、図柄A,Bに基づく大当り遊技終了後、高確率指定コマンドと時短作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、図柄Cに基づく大当り遊技の終了後、遊技状態を時短状態とすべく、主制御用RAM35cの確変フラグに「0」を設定するとともに、時短フラグに「1」を設定する。そして、主制御用CPU35aは、時短作動コマンドのみを出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄Aに基づく大当り遊技の終了後、時短フラグに「1」を設定すると、時短状態を付与する回数(時短回数)を示す値(情報)として「10000」を主制御用RAM35cの所定領域に設定する。同様に主制御用CPU35aは、図柄B,Cに基づく大当り遊技の終了後、時短フラグに「1」を設定すると、時短状態を付与する回数(時短回数)を示す値(情報)として「100」を主制御用RAM35cの所定領域に設定する。主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが終了する毎に、主制御用RAM35cの所定領域に設定した時短回数を示す値を1減算して更新する。そして、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに設定された時短回数を示す値を1減算して更新した結果、当該時短回数を示す値が「0(零)」になると、時短状態を終了させるべく時短フラグに「0」を設定するとともに、時短終了コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、確変状態を付与した場合、当該確変状態の終了時に、確変終了コマンドを出力する。
また、主制御用CPU35aは、普図当りとなる普通図柄変動ゲームの終了後、開閉羽根28を開放させるための開放信号と開閉羽根28を閉鎖させるための閉鎖信号を出力し、開閉羽根28の開放態様を制御する。開放信号及び閉鎖信号は、開閉羽根28のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根28が開動作されるとともに、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、開閉羽根28が閉動作される。そして、主制御用CPU35aは、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根28の開放態様を制御する。具体的に言えば、非時短状態において主制御用CPU35aは、開閉羽根28を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、時短状態において主制御用CPU35aは、開閉羽根28を第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分、開放させるように制御する。
また、主制御用CPU35aは、開閉羽根28の開放中に下始動入賞口27に入球した遊技球の数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、このカウントした遊技球の数が入球上限個数(本実施形態では8個)に達した場合、その時点で閉鎖信号を出力して開閉羽根28を閉動作させ、普図当りに基づく開閉羽根28の開放制御を終了する。普図当りに基づく開閉羽根28の開放制御を終了した主制御用CPU35aは、その終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の普通図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、開閉羽根28の開放制御の終了時点の普通図柄用の保留記憶数が「0」の場合、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、普通図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
本実施形態では、遊技盤13に配設した始動領域(上始動入賞口26と下始動入賞口27)への遊技球の入球を契機に、大当り抽選(大当り判定)を行う主制御用CPU35aが、当り抽選手段となる。また、本実施形態では、大当り抽選の抽選結果に基づき、変動パターンを決定する主制御用CPU35aが、変動パターン決定手段となる。また、本実施形態では、大当り抽選に当選した際に特別図柄の大当り図柄を決定し、当該特別図柄の大当り図柄に応じて確変フラグ及び時短フラグを設定する主制御用CPU35aが、抽選確率状態決定手段、及び状態制御手段となる。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置H2に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。同様に、統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドに対応した演出指示コマンドを表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変大当り遊技に対応する大当り図柄Aの場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する(本実施形態では[777])。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、確変大当り遊技に対応する大当り図柄B、及び非確変大当り遊技に対応する大当り図柄Cの場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変大当り及び非確変大当りの何れに当選したかを判別不能な図柄組み合わせを決定する(本実施形態では[111]〜[666],[888],[999])。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンドや時短作動コマンドを入力すると、確変状態や時短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、確変終了コマンドや時短終了コマンドを入力するまでの間、統括制御用RAM36cに前記情報を継続的に設定し、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態や時短状態であることを把握している。
そして、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された大当り図柄(特別図柄)の種類や、主制御用CPU35aから入力した高確率指定コマンド及び時短作動コマンドに基づき、前述した複数種類の示唆演出モード(示唆演出)の中から1つの示唆演出モードを設定するようになっている。具体的に説明すると、統括制御用CPU36aは、図柄Aに基づく確変大当り遊技が終了すると、図柄Aに基づく確変大当り遊技終了後の示唆演出モードとして高確率確定モードMCを設定するようになっている。また、統括制御用CPU36aは、図柄B,Cに基づく各大当り遊技の終了後の示唆演出モードとして高確率示唆モードMBを設定するようになっている。また、統括制御用CPU36aは、図柄B,Cに基づく各大当り遊技の終了後、又は高確率示唆モードMBを設定した後において、主制御用CPU35aから時短終了コマンドを入力すると、示唆演出モードとして通常モードMAを設定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、電源投入時に主制御用CPU35aから高確率指定コマンド及び時短作動コマンドを入力した場合、及び時短作動コマンドのみを入力した場合には、初期示唆演出モードとして必ず高確率示唆モードMBを設定するようになっている。なお、電源投入時に主制御用CPU35aから時短作動コマンドが出力される場合として、図柄Aに基づく大当り遊技終了後であって次の大当りに当選する迄の間、及び図柄B,Cに基づく大当り遊技終了後、100回の図柄変動ゲームが終了する迄の間において、電源遮断に伴って正常なバックアップ処理が行われるとともに、電源投入時に電源遮断時の遊技状態が復元された場合がある。換言すれば、統括制御用CPU36aは、高確率確定モードMC及び高確率示唆モードMBの何れかの示唆演出モード中に電源遮断が行われると、電源投入時において高確率指定コマンドを入力したか否かに関係なく時短作動コマンドを入力したことのみに基づいて、必ず高確率示唆モードMBを設定するようになっている。このため、電源投入時に高確率示唆モードMBが設定された場合であっても、遊技状態が確変状態とされているのか単に時短状態とされているだけなのかを遊技者が判別できない。
一方、統括制御用CPU36aは、電源投入時に高確率指定コマンドのみを入力した場合、及び高確率指定コマンド及び時短作動コマンドの何れも入力しない場合には、必ず通常モードMAを設定するようになっている。なお、電源投入時に主制御用CPU35aから時短作動コマンドが出力されない場合として、図柄B,Cに基づく各大当り遊技の終了後であって100回の図柄変動ゲームの終了した後など、時短状態が付与されていない状態において、電源遮断に伴って正常なバックアップ処理が行われるとともに、電源投入時に電源遮断時の遊技状態が復元された場合がある。換言すれば、統括制御用CPU36aは、電源遮断時において通常モードMA中に電源遮断が行われると、電源投入時に主制御用CPU35aから時短作動コマンドを入力しないことに基づいて、必ず通常モードMAを設定するようになっている。このため、電源投入時に通常モードMAが設定された場合であっても、遊技状態が確変状態である可能性が零ではなく、確変状態が付与されているのか単に時短状態が付与されているだけなのかを遊技者が判別できないようになっている。なお、前述したようにサブ統括制御基板36には、主制御基板35のようにバックアップ機能が搭載されていない。このため、本実施形態の統括制御用CPU36aは、電源投入後、主制御用CPU35aから出力された高確率指定コマンドや時短作動コマンドのみに基づき確変状態や時短状態であることを把握するようになっている。
そして、示唆演出モードを設定した統括制御用CPU36aは、設定した示唆演出モードを示す情報(制御フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶させるとともに、対応するモード指定コマンド(制御コマンド)を生成して表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に所定のタイミングで出力する。
次に、変動パターンP1〜P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した際、統括制御用CPU36aが連続予告演出を構成する各変動サイクル中に実行させる予告演出の演出内容を決定するための制御内容を、図7〜図10にしたがって説明する。
最初に、統括制御用CPU36aが予告演出の演出内容を選択するために選択する演出モードとしての予告モードついて説明する。
図7に示すように、本実施形態では、統括制御用CPU36aが選択可能な予告モードとして、5種類の予告モードが設定されている。予告モードには、連続予告演出を構成する変動サイクル中に行う予告演出(演出)の演出内容が対応付けられている。本実施形態の予告モードには、変動パターンP1〜P9のうち何れの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合でも選択可能な通常予告モードA〜Dと、変動パターンP6,P8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合にのみ選択可能な専用予告モードYとがある。
即ち、通常予告モードA〜Dは、1回の変動サイクル〜4回の変動サイクルからなる連続予告演出のうち何れの連続予告演出を伴う図柄変動ゲームが指定された場合であっても選択可能な予告モードとなる。換言すれば、1回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームが指定された場合には、通常予告モードA〜Dのみが選択可能となる。その一方で、専用予告モードYは、2回以上の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームが指定された場合のみに選択可能な予告モードとなる。
そして、通常予告モードAにはセリフ予告YAが、通常予告モードBにはセリフ予告YBが、通常予告モードCにはステップアップ予告YCが、通常予告モードDにはステップアップ予告YDがそれぞれ対応付けられている(以下、ステップアップ予告を単に「SU予告」と示す)。また、専用予告モードYにはキャラ予告YYが対応付けられている。このため、通常予告モードA〜Dに対応付けられた予告演出の演出内容(セリフ予告YA,YB、及びSU予告YC,YD)は、1回の変動サイクル〜4回の変動サイクルからなる連続予告演出の何れの場合であっても出現する可能性のある予告演出となる。その一方で、専用予告モードYに対応付けられた予告演出の演出内容(キャラ予告YY)は、2回以上の変動サイクルからなる連続予告演出の場合にのみ出現する可能性がある予告演出となる。即ち、キャラ予告YYは、2回以上の変動サイクルからなる連続予告演出専用の予告演出となる。
本実施形態では、セリフ予告YA,YBとして、連続予告演出を構成する変動サイクル中において所定のセリフ(例えば「アツイ」や「激アツ」など)を演出表示装置H2に表示する態様で行われる予告演出である。また、SU予告YC,YDは、連続予告演出を構成する変動サイクル中において複数種類の画像を順次遊技者に提示されるように演出表示装置H2に表示する態様で行われる予告演出である。そして、キャラ予告YYは、所定のキャラクタを演出表示装置H2に表示する態様で行われる予告演出である。なお、キャラ予告YYでは、所定のキャラクタ(落雷をイメージさせるキャラクタなど)の表示と同時に背景画像の切替え(チェンジ)が行われるようになっている。
本実施形態では、通常予告モードA〜Dが第1演出モードとなり、専用予告モードYが第2演出モードとなる。
次に、統括制御用CPU36aが予告モードA〜D,Yを選択する制御内容について説明する。
統括制御用CPU36aは、電源投入時において初期予告モードとして、通常予告モードA〜Dの中から1つの通常予告モードを選択するようになっている。具体的に説明すると、先ず、統括制御用CPU36aは、確変状態が付与されたことを示す情報が統括制御用RAM36cに設定されているか否かに基づいて、遊技状態が確変状態(大当り抽選の抽選確率が高確率状態)であるか否かを把握する。前述したように、この確変状態が付与されたことを示す情報は、主制御用CPU35aから高確率指示コマンドを入力したことを契機として統括制御用RAM36cに設定される情報となっている。続けて、遊技状態を把握した統括制御用CPU36aは、図8(a)に示す予告モード振分けテーブルTAを参照して初期予告モードを選択する。この予告モード振分けテーブルTAは、サブ統括制御基板36の統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTAでは、大当り抽選の抽選確率(遊技状態)毎に区分して、通常予告モードA〜Dに対し全部で101個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、大当り抽選の抽選確率が低確率状態(通常状態)である場合では、通常予告モードAには40個、通常予告モードBには35個、通常予告モードCには15個、通常予告モードDには11個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。一方、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である場合では、通常予告モードAには11個、通常予告モードBには15個、通常予告モードCには35個、通常予告モードDには40個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、大当り抽選の抽選確率が低確率状態の場合、統括制御用CPU36aは、電源投入時の初期予告モードとして予告モードC,Dよりも予告モードA,Bを選択しやすくなっている。その一方で、大当り抽選の抽選確率が高確率状態の場合、統括制御用CPU36aは、電源投入時の初期予告モードとして予告モードA,Bよりも予告モードC,Dを選択しやすくなっている。初期予告モードを選択した統括制御用CPU36aは、当該選択した通常予告モードに対応する情報(制御フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶する。
また、統括制御用CPU36aは、予め定めた再選択条件(移行条件)が成立したことを契機として新たな通常予告モードを再選択するようになっている。本実施形態では、再選択条件として、統括制御用CPU36aが通常予告モードを選択してから所定回数の図柄変動ゲームが実行されたこと(第1再選択条件)、及び主制御用CPU35aから所定の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力したこと(第2再選択条件)が設定されている。以下、統括制御用CPU36aが通常予告モードを再選択する制御について詳しく説明する。
まず、統括制御用CPU36aが通常予告モードを選択してから所定回数の図柄変動ゲームが実行されたこと(第1再選択条件)を契機に通常予告モードを再選択する制御について説明する。
図7に示すように、各通常予告モードA〜Dには、各通常予告モードを選択してから継続して選択状態を維持する(滞在する)期間として、図柄変動ゲームの実行回数(規定回数)がそれぞれ予め定められている。通常予告モードAには規定回数として5回が設定されており、通常予告モードBには規定回数として10回が設定されており、通常予告モードCには規定回数として5回が設定されており、通常予告モードDには規定回数として15回が設定されている。
そして、統括制御用CPU36aは、通常予告モード選択後に行われた図柄変動ゲームの実行回数を計数するようになっている。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームが終了する毎(全図柄停止コマンドを入力する毎)に、統括制御用RAM36cに記憶した計数回数に1加算して更新記憶する。そして、統括制御用CPU36aは、更新後の計数回数が選択されている通常予告モードの規定回数に達したか否かを判定するようになっている。更新後の計数回数が選択されている通常予告モードの規定回数に達していない場合、統括制御用CPU36aは、通常予告モードの再選択を行わないで、現在選択している通常予告モードの選択状態を維持する(継続して滞在する)。
一方、更新後の計数回数が選択されている通常予告モードの規定回数に達している場合、統括制御用CPU36aは、図8(b)に示す予告モード振分けテーブルTBを参照して通常予告モードの再選択を実行する。予告モード振分けテーブルTBは、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTBでは、大当り抽選の抽選確率(遊技状態)毎に区分して、通常予告モードA〜Dに対し全部で251個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すれば、大当り抽選の抽選確率が低確率状態(通常状態)である場合では、通常予告モードAには101個、通常予告モードBには100個、通常予告モードCには30個、通常予告モードDには20個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。一方、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である場合では、通常予告モードAには10個、通常予告モードBには15個、通常予告モードCには100個、通常予告モードDには126個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、大当り抽選の抽選確率が低確率状態の場合、統括制御用CPU36aは、予告モードC,Dよりも予告モードA,Bを新たな通常予告モードとして再選択しやすくなっている。その一方で、大当り抽選の抽選確率が高確率状態の場合、統括制御用CPU36aは、予告モードA,Bよりも予告モードC,Dを新たな通常予告モードとして再選択しやすくなっている。通常予告モードを再選択した統括制御用CPU36aは、当該新たに選択した通常予告モードに対応する情報(制御フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶する。そして、通常予告モードを再選択した統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cに記憶した計数回数に「0(零)」を設定するようになっている。
以上のように、統括制御用CPU36aは、規定回数として「5回」が設定された通常予告モードA,Cを選択(再選択)した場合、5回目の図柄変動ゲームが終了したことを契機として新たな通常予告モードを再選択することになる。また、統括制御用CPU36aは、規定回数として「10回」が設定された通常予告モードBを選択した場合、10回目の図柄変動ゲームが終了したことを契機として新たな通常予告モードを再選択することになる。また、統括制御用CPU36aは、規定回数として「15回」が設定された通常予告モードDを選択した場合、15回目の図柄変動ゲームが終了したことを契機として新たな通常予告モードを再選択することになる。
次に、統括制御用CPU36aが主制御用CPU35aから特定の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力したこと(第2再選択条件)を契機に通常予告モードを再選択する制御について説明する。
統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから変動パターンP2,P3,P5〜P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドの入力を契機として、図8(c)に示す予告モード振分けテーブルTCを参照して通常予告モードの再選択を実行する。なお、前述したように、変動パターンP2,P5,P7は、ノーマルリーチ演出を特定可能な変動パターンであり、特定の変動パターンP3,P6,P8,P9はスーパーリーチ演出を特定可能な変動パターンである。予告モード振分けテーブルTCは、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTCでは、各変動パターンP2,P3,P5〜P9で特定されるリーチ演出に設定された大当り信頼度に応じて、通常予告モードA〜Dに対し全部で251個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが、大当り信頼度が低く設定されたノーマルリーチ演出を特定する変動パターンP2,P5,P7である場合では、通常予告モードAには90個、通常予告モードBには70個、通常予告モードCには50個、通常予告モードDには41個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。一方、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが、大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出を特定する特定の変動パターンP3,P6,P8,P9である場合では、通常予告モードAには41個、通常予告モードBには50個、通常予告モードCには70個、通常予告モードDには90個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、統括制御用CPU36aは、大当り信頼度が低いノーマルリーチ演出を特定する変動パターンP2,P5,P7を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、予告モードC,Dよりも予告モードA,Bを新たな通常予告モードとして再選択しやすくなっている。その一方で、統括制御用CPU36aは、大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出を特定する特定の変動パターンP3,P6,P8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、予告モードA,Bよりも予告モードC,Dを新たな通常予告モードとして再選択しやすくなっている。そして、通常予告モードを再選択した統括制御用CPU36aは、当該新たに選択した通常予告モードに対応する情報(制御フラグなど)を統括制御用RAM36cに更新記憶する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1選択条件の他に第2選択条件を定めることにより、通常予告モードA〜Dが再選択される契機を増加させるようになっている。なお、統括制御用CPU36aは、変動パターンP1,P4を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合には、当該変動パターンの入力に基づく通常予告モードの再選択を行わないようになっている。したがって、統括制御用CPU36aは、変動パターンP1,P4を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、選択中の通常予告モードの選択状態を維持する。
そして、統括制御用CPU36aは、2回以上の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンP4〜P9が指定された場合、通常予告モードA〜Dのうち現在選択している通常予告モード(以下、単に「選択通常予告モード」と示す)及び専用予告モードYのうち何れの予告モードを、連続予告演出の変動サイクル中に行う予告演出の演出内容を決定するための予告モードとするか決定する。なお、図9及び図10において「通常予告モードA〜D」は、選択通常予告モードを示している。
具体的に説明すると、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4〜P7を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、図9に示す予告モード振分けテーブルTD1を参照して選択通常予告モード及び専用予告モードYの何れかを選択する。予告モード振分けテーブルTD1は、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTD1では、変動パターンP4〜P7に対応付けて、選択通常予告モードと専用予告モードYに対し全部で101個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、予告モード振分けテーブルTD1において、変動パターンP6では、選択通常予告モードに86個、専用予告モードYに15個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。変動パターンP4,P5,P7では選択通常予告モードに101個、専用予告モードYに0個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4〜P7が指定された場合、専用予告モードYと比較して選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)を選択しやすくなっている。特に、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4,P5,P7が指定された場合、必ず選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)を選択するようになっている。なお、統括制御用CPU36aは、1回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンP1〜P3が指定された場合、必ず選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)を決定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドの入力が、電源投入後において最初の入力であるか否かを判定するようになっている。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの所定領域に設定された連続予告フラグの値を参照するとともに、当該連続予告フラグの値が「0」である場合、今回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドが電源投入後において最初の入力であると判定する。なお、連続予告フラグには、電源投入時において初期値として「0」が設定されるようになっているとともに、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドの入力を契機として選択通常予告モードを選択した場合には「1」が、専用予告モードYを選択した場合には「2」が設定される。そして、連続予告フラグの値が「0」である場合、統括制御用CPU36aは、図10(a)に示す予告モード振分けテーブルTD2を参照して選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)及び専用予告モードYの何れかを選択する。予告モード振分けテーブルTD2は、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTD2では、各変動パターンP8,P9に対応付けて、選択通常予告モードと専用予告モードYに対し全部で101個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、予告モード振分けテーブルTD2において、変動パターンP8,P9には、選択通常予告モードに20個、専用予告モードYに81個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、統括制御用CPU36aは、電源投入後において最初に変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)と比較して専用予告モードYを選択しやすくなっている。そして、予告モードを選択した統括制御用CPU36aは、選択した予告モードの種類に対応する値を連続予告フラグに設定するようになっている。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、選択通常予告モードを選択した場合には「1」を、専用予告モードYを選択した場合には「2」を設定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドの入力時において、連続予告フラグの値が「1」である場合、図10(b)に示す予告モード振分けテーブルTD3を参照して選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)及び専用予告モードYの何れかを選択する。予告モード振分けテーブルTD3は、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTD3では、各変動パターンP8,P9に対応付けて、選択通常予告モードと専用予告モードYに対し全部で101個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、予告モード振分けテーブルTD3において、変動パターンP8,P9には、選択通常予告モードに20個、専用予告モードYに81個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、統括制御用CPU36aは、前回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力時において選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)を選択した場合、今回の変動パターン指定コマンドの入力時には選択通常予告モードと比較して専用予告モードYを選択しやすくなっている。そして、予告モードを選択した統括制御用CPU36aは、選択した予告モードの種類に対応する値を連続予告フラグに設定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドの入力時において、連続予告フラグの値が「2」である場合、図10(c)に示す予告モード振分けテーブルTD4を参照して選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)及び専用予告モードYの何れかを選択する。予告モード振分けテーブルTD4は、統括制御用ROM36bに記憶されている。予告モード振分けテーブルTD4では、各変動パターンP8,P9に対応付けて、選択通常予告モードと専用予告モードYに対し全部で101個ある予告モード振分け用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。具体的に説明すると、予告モード振分けテーブルTD4において、変動パターンP8,P9には、選択通常予告モードに81個、専用予告モードYに20個の予告モード振分け用乱数の値が振分けられている。以上のような予告モード振分け用乱数の振り分け態様から、統括制御用CPU36aは、前回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力時において専用予告モードYを選択した場合、今回の変動パターン指定コマンドの入力時には専用予告モードYと比較して選択通常予告モードを選択しやすくなっている。そして、何れかの予告モードを選択した統括制御用CPU36aは、選択した予告モードの種類に対応する値を連続予告フラグに設定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、連続予告演出を構成する各変動サイクル中において予告演出を行わせるか否かを乱数などに基づき決定する予告実行判定を実行する。この予告実行判定が否定の場合、統括制御用CPU36aは、連続予告演出を構成する全ての変動サイクル中に予告演出を実行させないことを決定する。一方、予告実行判定が肯定判定の場合、統括制御用CPU36aは、連続予告演出を構成する全ての変動サイクル中に予告演出を実行させることを決定する。また、統括制御用CPU36aは、大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出を特定する変動パターンP3,P6,P8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力している場合、その他の変動パターンP1,P2,P4,P5,P7を指定する変動パターン指定コマンドを入力している場合と比較して予告実行判定で肯定判定しやすくなっている。即ち、高い大当り信頼度となるスーパーリーチ演出が行われる図柄変動ゲームでは、予告演出が出現しやすくなっている。
そして、予告実行判定で肯定判定した統括制御用CPU36aは、通常予告モードA〜D及び専用予告モードYの何れかを再選択した場合、当該再選択した予告モードに対応付けられた予告演出の演出内容を連続予告演出の変動サイクル中に行う予告演出の演出内容として選択する。具体的に説明すると、統括制御用CPU36aは、専用予告モードYを選択した場合にはキャラ予告YYを選択する。また、統括制御用CPU36aは、選択通常予告モードとされた通常予告モードAを選択した場合にはセリフ予告YAを、選択通常予告モードとされた通常予告モードBを選択した場合にはセリフ予告YBを選択する。また、統括制御用CPU36aは、選択通常予告モードとされた通常予告モードCを選択した場合にはSU予告YCを、選択通常予告モードとされた通常予告モードDを選択した場合にはSU予告YDを選択する。また、予告実行判定で肯定判定した統括制御用CPU36aは、変動パターンP1,P4を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、通常予告モードの再選択を行うことなく、既に選択されている通常予告モードを選択通常予告モードとし、当該通常予告モードに対応付けられた演出内容を、連続予告演出を構成する変動サイクル中に行う予告演出の演出内容として選択する。一方、予告実行判定で否定判定した統括制御用CPU36aは、予告モードの選択状態に拘わらず予告演出の演出内容として「予告演出なし」を決定する。
そして、統括制御用CPU36aは、各変動パターンP1〜P9に基づき、図柄変動ゲームで実行させる連続予告演出の変動サイクル数を把握するようになっている。また、統括制御用CPU36aは、各変動パターンP1〜P9が指定されると、把握した変動サイクル数に基づき、報知演出選択テーブルを参照して各変動サイクル中に行う報知演出の演出内容を決定するようになっている。この報知演出選択テーブルは、統括制御用ROM36bに記憶されている。報知演出選択テーブルでは、1回の図柄変動ゲーム中に実行され得る1回目〜4回目の変動サイクルに対して、各変動サイクルで実行させる報知演出の演出内容がそれぞれ対応付けられている。具体的に説明すると、1回の図柄変動ゲームにおける、1回目の変動サイクルには背景画像を青色に点滅させる演出内容が、2回目の変動サイクルには背景画像を黄色に点滅させる演出内容が、3回目の変動サイクルには背景画像を赤色に点滅させる演出内容が、4回目の変動サイクルには背景画像を桃色に点滅させる演出内容が、それぞれ対応付けられている。例えば、統括制御用CPU36aは、3回の変動サイクルからなる連続予告演出を特定する変動パターンが指定された場合、1回目〜3回目の変動サイクルにおける報知演出の演出内容として、それぞれ青色、黄色、赤色に背景画像を点滅させる演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームにおける変動サイクル数(1回〜4回)及び変動サイクル中に行わせる報知演出や予告演出の演出内容を特定すると、統括制御用CPU36aは、最初の変動サイクルの開始時(すなわち、図柄変動ゲーム開始時)に、1回目の変動サイクルの演出内容を特定し、当該変動サイクルを実行させる変動サイクル指定コマンドを出力する。また、統括制御用CPU36aは、1回目の変動サイクル中に行わせる予告演出の演出内容を指定する予告パターン指定コマンドを変動サイクル指定コマンドと共に出力するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、1回目の変動サイクル指定コマンド出力時からの経過時間の計測を開始する。その後、統括制御用CPU36aは、1回目の変動サイクルの演出時間を経過した場合には、2回目の変動サイクルの演出内容を特定し、当該変動サイクルを実行させる変動サイクル指定コマンドを出力する。また、統括制御用CPU36aは、2回目の変動サイクル中に行わせる予告演出の演出内容を指定する予告パターン指定コマンドを変動サイクル指定コマンドと共に出力するようになっている。以降、統括制御用CPU36aは、特定された変動サイクルの実行回数分、同様の処理を繰り返す。
本実施形態では、通常予告モードA〜D及び専用予告モードYの中から予告モードを選択する統括制御用CPU36aが、予告モード選択手段及び演出モード選択手段となる。また、選択した予告モードに対応付けられた予告演出の演出内容を選択し、選択した予告演出の演出内容を指定する予告パターン指定コマンドを表示制御用CPU37aに出力する統括制御用CPU36aが、予告制御手段(演出内容選択手段)となる。また、通常予告モード選択後に行われた図柄変動ゲームの実行回数を計数する統括制御用CPU36aが計数手段となる。また、更新後の計数回数が、選択中の通常予告モードに設定された規定回数に達しているか否かを判定する統括制御用CPU36aが、判定手段となる。また、予告実行判定を行う統括制御用CPU36aが予告実行判定手段となる。また、本実施形態において、通常予告モードC,Dが特定予告モードとなる。
次に、表示制御基板37が実行する制御内容及び演出表示装置H2における演出態様について説明する。
表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(ゲーム用の表示パターン)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aから変動サイクル指定コマンドを入力すると、入力した変動サイクル指定コマンドにより指定された演出内容で変動サイクルを実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、変動サイクル指定コマンドと共に予告パターン指定コマンドを入力すると、入力した予告パターン指定コマンドにより指定された予告演出の演出内容で、変動サイクル中に、予告演出を実行させるように演出表示装置H2(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、変動サイクル指定コマンドに基づき変動サイクルを開始させる毎に、当該変動サイクル指定コマンドで指定された演出内容の報知演出を演出表示装置H2(画像表示部GH)に表示させるようになっている。このため、演出表示装置H2(画像表示部GH)では、1回の図柄変動ゲームにおいて1回目の変動サイクルには図柄の変動開始とともに背景画像が青色に点滅され、2回目の変動サイクルには図柄の変動開始とともに背景画像が黄色に点滅され、3回目の変動サイクルには図柄の変動開始とともに背景画像が赤色に点滅され、さらに4回目の変動サイクルには図柄の変動開始とともに背景画像が桃色に点滅される。即ち、本実施形態では、1回の図柄変動ゲームにおいて変動サイクルが繰り返し実行される毎に報知演出の演出内容が変化していくようになっている。このため、本実施形態では、変動サイクルの増加に伴う大当り信頼度の上昇のみならず、報知演出の演出内容を変化させていくことで、遊技者により強い期待感を抱かせることができるようになっている。
表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aから、オープニングコマンドに対応した演出指示コマンドを入力すると当該演出指示コマンドで指定される演出態様でオープニング演出が行われるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。表示制御用CPU37aは、ラウンドコマンドに対応した演出指示コマンドを入力すると当該演出指示コマンドで指定された演出態様でラウンド演出が行われるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、エンディングコマンドに対応した演出指示コマンドを入力すると当該演出指示コマンドで指定された演出態様でエンディング演出が行われるように演出表示装置H2の表示内容を制御する。
なお、表示制御用CPU37aは、図柄Bに基づく大当り遊技中と、図柄Cに基づく大当り遊技中に行われるオープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出が、それぞれ同一の演出態様で行われるように演出表示装置H2の表示内容を制御するようになっている。また、特別図柄の大当り図柄として図柄B,Cが決定された場合、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせとして、[1]〜[6],[8],[9]の数字図柄による大当りの図柄組み合わせが統括制御用CPU36aにより指定される。したがって、本実施形態では、これらの飾り図柄による大当りの図柄組み合わせが演出表示装置H2に確定停止表示された場合であっても、確変大当りであるのか非確変大当りであるのかを判別不能となっている。なお、前述したように、図柄B,Cに基づく各大当り遊技終了後には、何れも同一回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、時短状態が付与される。このため、図柄B,Cに基づく各大当り遊技では、大当りとなった図柄変動ゲームにおける図柄の変動態様、確定停止表示された飾り図柄の図柄組み合わせの種類、大当り遊技中の演出態様や大入賞口扉29の動作態様のみならず、大当り遊技終了後における演出態様や、開閉羽根の動作態様や普図当り抽選の抽選確率からも、確変状態が付与されたのか否かを遊技者が判別不能となっている。
また、表示制御用CPU37aは、高確率確定モードMCを指示するモード指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHに「高確率確定モードMCに突入!」からなる文字画像を表示して遊技者に高確率確定モードMCに移行したことを認識させるとともに、背景画像を「高確率確定背景G3」に切り替える。また、表示制御用CPU37aは、高確率示唆モードMBを指示するモード指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHに「高確率示唆モードMBに突入!」からなる文字画像を表示して遊技者に高確率示唆モードMBに移行したことを認識させるとともに、背景画像を「高確率示唆背景G2」に切り替える。また、表示制御用CPU37aは、表示制御用CPU37aは、通常モードMA(通常背景G1)を指示するモード指定コマンドを入力すると、画像表示部GHの背景画像を「通常背景G1」に切り替える。
本実施形態では、演出表示装置H2(画像表示部GH)に表示する図柄変動ゲームの変動態様を制御する表示制御用CPU37aがゲーム制御手段となる。また、連続予告演出を構成する変動サイクル中に予告演出が行われるように表示制御用CPU37a(画像表示部GH)を制御制御する表示制御用CPU37aが統括制御用CPU36aと共に予告制御手段を構成する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括制御用CPU36aは、規定回数の図柄変動ゲームが実行される毎に通常予告モードを再選択するとともに、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)の場合には通常予告モードC,Dを選択しやすく構成した。このため、図柄変動ゲームが規定回数行われる毎に行われる通常予告モードA〜Dの再選択において、通常予告モードC,Dが選択される割合が増加することになる。このため、電源投入後において大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)に制御されている場合には、図柄変動ゲームにおいて通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)が、その他の演出内容の予告演出(セリフ予告YA,YB)と比較して出現しやすくなる。このため、遊技店の営業開始時などの電源投入後において、所定期間に亘って遊技を継続して行うことで、その間に実行され得る図柄変動ゲームでの予告演出の出現頻度から、パチンコ遊技機10の遊技状態(確変状態か否か)を遊技者に推測させることが可能となる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、図柄変動ゲームにおける予告演出の出現頻度によって、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である可能性を示唆し、電源投入後から遊技者の遊技を継続して行なう意欲を高めることができる。
(2)統括制御用CPU36aは、電源投入後において初期予告モードを選択する際にも、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)の場合には通常予告モードC,Dを選択しやすく構成した。このため、電源投入後、最初に実行される図柄変動ゲームから通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)が、その他の演出内容の予告演出(セリフ予告YA,YB)と比較して出現しやすくなる。このため、電源投入から所定期間に亘って遊技を継続して行うことで、その間に実行され得る図柄変動ゲームでの予告演出の出現頻度から、大当り抽選の抽選確率(確変状態か否か)を遊技者に推測させることが可能となる。したがって、電源投入後から遊技者の遊技を継続して行なう意欲を高めることができる。
(3)統括制御用CPU36aは、各通常予告モードA〜Dに設定された規定回数の図柄変動ゲームが実行される毎に行う予告モードの再選択の他、変動パターンP2,P3,P5〜P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合にも通常予告モードの再選択を行うようにした。このため、通常予告モードが移行される契機を増加させるとともに、大当り抽選の抽選確率が高確率状態の場合、図柄変動ゲームにおいて通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)を出現しやすくできる。したがって、図柄変動ゲームでの予告演出の出現頻度から大当り抽選の抽選確率(確変状態か否か)を遊技者に推測させやすくできる。
(4)統括制御用CPU36aは、予告実行判定を行うとともに当該予告実行判定で肯定判定した場合に予告演出を行わせるようにした。このため、図柄変動ゲーム(変動サイクル中)において、予告演出が実行される状況と実行されない状況を作り出すことができる。そして、統括制御用CPU36aは、スーパーリーチ演出を特定する変動パターンP3,P6,P8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力している場合に予告実行判定で肯定判定しやすく構成されている。このため、主制御用CPU35aにより変動パターンP3,P6,P8,P9が決定された場合には図柄変動ゲーム(変動サイクル)中に予告演出が出現しやすくなる。すなわち、電源投入後において大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である場合には、通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)が出現しやすくなる。したがって、図柄変動ゲームでの予告演出の出現頻度から大当り抽選の抽選確率(確変状態か否か)を遊技者に推測させやすくできる。
(5)また、統括制御用CPU36aは、大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出を特定する変動パターンP3,P6,P8,P9、換言すれば大当り抽選で当選した場合に選択されやすい変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合に、通常予告モードを再選択するようにした。このため、通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)は、大当り抽選で当選した場合に出現しやすくなる。このため、通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)は、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)であることへの期待度が高くなると同時に、図柄変動ゲームにおいて大当りを認識できる図柄が表示されることへの期待度(大当り信頼度)が高くなる。したがって、図柄変動ゲームにおいて、通常予告モードC,Dに対応付けられた演出内容の予告演出(SU予告YC,YD)が出現した場合、大当りへの期待が高まるとともに、仮に当該図柄変動ゲームで大当りとならなかった場合でも、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)であることへの期待を遊技者に抱かせることができる。
(6)統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、前回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンド入力時において選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)が選択されたときには専用予告モードYを選択しやすくした。その一方で、前回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンド入力時において専用予告モードYが選択されたときには選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)が選択されやすくなる。このため、選択通常予告モードとなり得る通常予告モードA〜Dに対応付けられた演出内容の予告演出(セリフ予告YA,YB、SU予告YC,YD)が変動サイクル中に行われる連続予告演出、及び専用予告モードYに対応付けられた演出内容の予告演出(キャラ予告YY)が変動サイクル中に行われる連続予告演出のうち、何れかの連続予告演出に出現頻度が偏ってしまうことを抑制できる。また、選択通常予告モード(通常予告モードA)及び専用予告モードYの何れかが連続して選択されることを抑制できるため、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)に対応付けられた演出内容、及び専用予告モードYに対応付けられた演出内容の何れかの演出内容の予告演出を伴う連続予告演出が連続して出現することを抑制できる。したがって、連続予告演出が単調となることを抑制し、遊技者の興趣を高めることができる。
(7)統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、連続予告フラグの値を参照し、前回の変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンド入力時において選択した予告モードと異なる予告モードを選択しやすく構成した。このため、3回以上の変動サイクルからなる連続予告演出及び大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出が行われる図柄変動ゲームにおいて、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)に対応付けられた演出内容の予告演出を伴う連続予告演出と、専用予告モードYに対応付けられた演出内容の予告演出を伴う連続予告演出の出現頻度が偏ってしまうことが抑制されるのと同時に、何れかの演出内容の予告演出を伴う連続予告演出が連続して出現することが抑制される。その一方で、統括制御用CPU36aは、変動パターンP4〜P7を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、前回の変動パターンP1〜P9を指定する変動パターン指定コマンド入力時において選択した予告モードに拘わらず、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)を選択しやすくなっている。このため、2回の変動サイクルからなる連続予告演出が行われる図柄変動ゲームや、3回の変動サイクルからなる連続予告演出及びノーマルリーチ演出が行われる図柄変動ゲームにおいて、通常予告モードA〜Dに対応付けられた演出内容の予告演出を伴う連続予告演出の出現頻度が高くなる一方、専用予告モードYに対応付けられた演出内容の予告演出を伴う連続予告演出の出現頻度が低くなる。すなわち、専用予告モードYに対応付けられた演出内容による連続予告演出を伴う図柄変動ゲーム全体に対して、大当りを認識可能な図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームの割合を相対的に高めることができる。したがって、大当りを認識可能な図柄が確定停止表示される可能性の高い図柄変動ゲームにおいて、各演出内容による連続予告演出の出現頻度の偏り、及び同一の演出内容の予告演出を伴う連続予告演出が連続して出現することを抑制しつつも、専用予告モードYに対応付けられた演出内容の予告演出を伴う連続予告演出に対する大当り信頼度を高めることができる。したがって、連続予告演出が単調となることを抑制し、遊技者の興趣を高めることができる。
(8)統括制御用CPU36aは、変動パターンP8,P9を指定する変動パターン指定コマンドの入力が、電源投入後において最初の入力である場合、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)と比較して専用予告モードYを選択しやすくした。このため、電源投入後から専用予告モードYに対応付けた演出内容による連続予告演出を伴う図柄変動ゲームが行われやすくなり、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
(9)専用予告モードYは、2回以上(複数回)の変動サイクルを実行する連続予告演出を伴う図柄変動ゲームの変動態様を特定可能な変動パターンP6,P8,P9を入力した場合にのみ選択可能に構成した。このため、専用予告モードYに対応付けられた演出内容の予告演出を、複数回の変動サイクルを実行する連続予告演出でのみ実行される専用の演出として位置付けることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 本実施形態において、確変・非確変15ラウンド大当りの他に、確変2ラウンド大当りと小当りとを設け、当該確変2ラウンド大当りと小当りを契機として移行される高確率示唆モードを別途設けてもよい。小当りは、大当り抽選ではずれとなった場合に行われる小当り抽選で当選した場合に付与される。この場合、確変2ラウンド大当りと小当り当選時における演出表示装置H2の表示態様(図柄変動ゲームで確定停止表示させる図柄組み合わせや、大当り遊技中における遊技演出)や大入賞口扉29の動作態様から、確変2ラウンドラウンド大当りと小当りの何れに当選したか判別不能となるように構成する。そして、確変2ラウンドラウンド大当り遊技及び小当り遊技の終了後に高確率示唆モードMBを設定した後、所定の移行条件の成立を契機として通常モードMAに移行させることによって、大当り抽選の抽選確率が高確率状態か否かを判別不能な確変潜伏状態を作り出すことができる。また、この場合、小当りに代えて非確変2ラウンド大当りを用いるようにしてもよい。
○ 本実施形態において、統括制御用CPU36aは、変動パターンP2,P3,P5〜P9を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、図8(c)に示す予告モード振分けテーブルTCを参照して新たな通常予告モードA〜Dを再選択するようにしたが、異なる変動パターンが指定された場合に再選択するように構成してもよい。例えば、大当り演出用の変動パターンP2B,P3B,P5B〜P9Bが指定された場合に再選択するようにしたり、大当り演出用(ノーマルリーチ演出)の変動パターンP2B,P5B,P7B、及びスーパーリーチ演出の変動パターンP3,P6,P8,P9が指定された場合に再選択するようにしたりしてもよい。また、変動パターンP1や、変動パターンP4が指定された場合に新たな通常予告モードA〜Dを再選択するようにしてもよい。このように構成しても、通常予告モードA〜Dが再選択される契機を増加させることができる。
○ 本実施形態において、統括制御用CPU36aは、変動パターンP7が指定された場合、図9に示す予告モード振分けテーブルTD1を参照して選択通常予告モード及び専用予告モードYの何れかを選択するようにしたが、変動パターンP8,P9が指定された場合と同様の処理によって予告モードを選択するようにしてもよい。具体的に説明すると、図9に示す予告モード振分けテーブルTD1において変動パターンP7の対応付けをせず、図10(a)〜(c)に示す予告モード振分けテーブルTD2〜TD4において変動パターンP8,P9と同様に予告モード振分け用乱数の値を振分けるとよい。このように構成することで、3回以上の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンが指定された場合には、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)及び専用予告モードYの選択割合の偏りを抑制しつつ、連続して選択されることを抑制できる。その一方で、2回の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンが指定された場合には、選択通常予告モード(通常予告モードA〜D)が選択される割合を高めることができる。同様に、統括制御用CPU36aは、変動パターンP8を指定された場合、図9に示す予告モード振分けテーブルTD1を参照して予告モードを選択するようにしてもよい。また、統括制御用CPU36aは、2回以上の変動サイクルからなる連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンP4〜P9の全て、あるいは1回〜4回の連続予告演出を伴う図柄変動ゲームを特定可能な変動パターンP1〜P9の全てについて、予告モード振分けテーブルTD2〜TD4を参照して予告モードを選択するように構成してもよい。
○ 実施形態において、通常モードMAにおける通常背景G1を複数種類設けても良い。すなわち、演出ステージを複数有するパチンコ遊技機において、通常モードMAへの移行時に演出ステージを選択し、当該ステージの画像を通常背景G1として画像表示しても良い。
○ 本実施形態において、高確率示唆モードを2種類以上に設定し、高確率状態の期待度をさらに細分化しても良い。この場合、各高確率示唆モードが設定される割合に対して図柄Bに基づく確変大当り遊技の終了後に設定される割合を複数段階に振分けることで、各高確率示唆モードに対する確変状態への期待度を変化させることができる。
○ 本実施形態において、通常予告モードA〜D毎に設定した選択状態を維持する規定回数は、異なる規定回数としてよい。また、全ての通常予告モードA〜Dに対して同一の規定回数を設定してもよい。
○ 本実施形態において、所定の移行条件の成立を契機として、高確率示唆モードMBと高確率確定モードMCとの間を移行できるように構成してもよい。
○ 本実施形態において、統括制御用CPU36aは予告実行判定を行うように構成したが、予告実行判定を行わないで常に予告演出を実行するように構成してもよい。また、各通常予告モードA〜D及び専用予告モードYに対して「予告演出なし」の演出内容をそれぞれ対応付けるとともに、統括制御用CPU36aにより「予告演出なし」の演出内容が選択された場合には予告演出を行わないとともに、「予告演出なし」の演出内容以外の演出内容(セリフ予告YA,YB、SU予告YC,YDなど)が選択された場合に変動サイクル中に予告演出を行わせるように構成してもよい。
○ 本実施形態において、統括制御用CPU36aは、連続予告演出を構成する各変動サイクルに対して予告演出を行わせるか否かの予告実行判定を個別に行うようにしてもよい。このように構成することで、変動サイクル毎に予告演出が行われる場合と行われない場合とを作り出すことができる。
○ 本実施形態において、連続予告演出を構成する変動サイクルを開始させる毎に、連続予告演出が開始されることを遊技者に認識させる報知演出を行うようにしたが、各変動サイクル内であれば図柄の変動中、図柄の変動停止直前などに行うようにしてもよい。また、報知演出を変動サイクル毎に行わないようにしてもよいが、変動サイクルの区切りを遊技者に認識させる観点から報知演出を行うほうが好ましい。
○ 本実施形態において、主制御用CPU35aにより、連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームを特定する変動パターンが決定された場合、予告演出が当該連続予告演出を伴わない図柄変動ゲーム中にも実行されるように構成してもよい。この場合、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aから連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームを特定する変動パターンを入力した場合、変動パターンP1〜P3を入力した場合と同様の制御を行うように構成すればよい。このように構成することで、統括制御用CPU36aは、連続予告演出を伴う図柄変動ゲームが指示された場合、及び連続予告演出を伴わない図柄変動ゲームを指示された場合で共通の通常予告モードA〜Dを用いて予告演出の演出内容を選択することができる。
○ 本実施形態において、予告演出及び報知演出を演出表示装置H2(画像表示部GH)に所定の画像を表示させることにより行ったが、音声・ランプ制御基板38の制御に基づきスピーカ17による音声出力や装飾ランプ16による発光装飾により行ってもよいし、これらを組み合わせて行ってもよい。この場合、音声・ランプ制御基板38が予告制御手段として機能し、スピーカ17及び装飾ランプ16が予告手段として機能し得る。
○ 本実施形態において、通常予告モードA〜D及び専用予告モードYに対して、複数種類の予告演出の演出内容を対応付けてもよい。この場合、乱数を用いて各予告モードに対応付けられた演出内容から1つ又は複数の演出内容を選択するようにする。
○ 本実施形態において、大当り抽選の確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にのみ選択可能な予告モードを設けてもよい。具体的には、図8(a)〜(c)に示す予告モード振分けテーブルTA〜TCにおいて、低確率状態(低確率)である場合には0個の予告モード振分け用乱数の値を振分け、高確率状態(高確率)である場合には1個以上の予告モード振分け用乱数の値を振分けた予告モードを設ければよい。このように構成することで、大当り抽選の確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にのみ出現する高確率状態確定の予告演出を設けることができる。また。逆に、大当り抽選の確率状態が低確率状態(確変状態)の場合にのみ選択可能な予告モードを設けてもよい。具体的には、図8(a)〜(c)に示す予告モード振分けテーブルTA〜TCにおいて、低確率状態(低確率)である場合には1個以上の予告モード振分け用乱数の値を振分け、高確率状態(高確率)である場合には0個の予告モード振分け用乱数の値を振分けた予告モードを設ければよい。このように構成することで、大当り抽選の確率状態が低確率状態(通常状態)の場合にのみ出現する低確率状態確定の予告演出を設けることができる。
○ 本実施形態において、統括制御用CPU36aは、予告モード振分けテーブルTB,TCに基づく通常予告モードA〜Dの再選択を継続して実行するように構成したが、電源投入から所定期間が経過する迄の間にのみ実行し、当該所定期間の経過後には異なる選択割合で通常予告モードA〜Dを再選択するように構成してもよい。具体的に説明すると、まず、予告モード振分けテーブルTB,TCに加えて、これら予告モード振分けテーブルTB,TCとは異なる予告モード振分け用乱数の振分け態様とした2段階目の予告モード振分けテーブルTB2,TC2を統括制御用ROM36bに記憶させておく。この2段階目の予告モード振分けテーブルTB2,TC2では、予告モード振分けテーブルTB,TCと比較して、大当り抽選の抽選確率が高確率状態の場合と低確率状態の場合の各確率状態において通常予告モードA〜Dが均等に選択されるように振分けられている。そして、統括制御用CPU36aは、電源投入されると、今回の電源投入後に大当り抽選で当選していないことを示す演出判定フラグに「1」を設定する。この演出判定フラグは、統括制御用RAM36cの所定領域に設定する。また、統括制御用CPU36aは、大当り抽選に当選したことを契機として演出判定フラグに「0」を設定するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、演出判定フラグに「1」が設定されている場合には、予告モード振分けテーブルTB,TCに基づき通常予告モードA〜Dを選択する一方で、演出判定フラグに「0」が設定されている場合には、2段階目の予告モード振分けテーブルTB2,TC2に基づき通常予告モードA〜Dを選択するようにする。このように構成することで、電源投入してから大当り抽選に当選する迄の間には、大当り抽選の確率状態が高確率状態(確変状態)の場合、通常予告モードC,Dに対応付けられた予告演出(SU予告YC,YD)が通常予告モードA,Bに対応付けられた予告演出(セリフ予告YA,YB)と比較して出現し易い一方で、最初の大当り遊技終了後には、大当り抽選の確率状態に拘わらず通常予告モードA〜Dに対応付けられた予告演出の出現頻度の差異が少なくなる。したがって、この変更例(別例)によれば、電源投入から最初の大当り遊技が行なわれる迄の間、図柄変動ゲームにおける予告演出の出現頻度によって、大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)である可能性を示唆する一方で、最初の大当り遊技の終了後には予告演出の出現頻度から大当り抽選の抽選確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判断し難くできる。このため、電源投入後から遊技者の遊技を継続して行なう意欲を高めることができる。また、本変更例(別例)において、大当り抽選に当選することを契機として通常予告モードA〜Dを再選択するための予告モード振分けテーブルを予告モード振分けテーブルTB,TCから第2段階の予告モード振分けテーブルTB,TCへ切替えるようにしたが、異なる条件で予告モード振分けテーブルを切替えるようにしてもよい。例えば、統括制御用CPU36aが電源投入からの経過時間を計測するとともに電源投入から予め定めた規定時間が経過したことを契機としたり、統括制御用CPU36aが電源投入後に行われた図柄変動ゲームの回数を計数するとともに予め定めた規定回数の図柄変動ゲームが終了したりしたことを契機として、予告モード振分けテーブルを切替えるように構成してもよい。
○ 本実施形態において、サブ統括制御基板36の処理を表示制御基板37で行うように構成しても良い。また、実施形態において、サブ統括制御基板36の処理を主制御基板35で行うように構成しても良い。これらの場合、サブ統括制御基板36は、省略しても良いし、実施形態と同様に装備されていても良い。
○ 本実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。