(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図3は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面200Aを前面側に有する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域(「遊技部」ともいう)10が形成されている。この遊技領域10は、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれ、打ち込まれた遊技球が流下可能な領域とされている。
また、遊技機用枠3には、遊技領域10を視認するための窓部51が設けられた開閉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該開閉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、開閉枠50を閉鎖したときに窓部51を通して遊技領域10を透視できるようになっている。また、開閉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、窓部51の下方には遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技盤2は、図3及び図9に示すように、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材(透過性部材)にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b(図3参照)等が設けられた盤面板200と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材205と、から主に構成されている。本実施の形態の遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。特別図柄の変動表示(可変表示)とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。変動表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5A,5X,5Yが設けられている。演出表示装置5A,5X,5Yは、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5Aの表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して(例えば、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して)、例えば3つといった複数の変動表示部となる「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄)が変動表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5Aの表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。また、図1に示すように、演出表示装置5Aの表示領域には、後述する可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)がいずれの位置にあっても遊技に関する特定遊技情報(例えば、小図柄、第4図柄、右打ち表示、保留表示などのうちの少なくとも一つ)を表示する特定遊技情報表示領域5Zを備えている。小図柄は、第1特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第1小図柄と、第2特図ゲームに対応して可変表示され演出図柄よりも小さい第2小図柄とが含まれる。小図柄は、常時表示されるものや所定期間のみ表示されるものであってもよい。第4図柄は、現在変動表示(可変表示)中の状態であるのか否かを示す図柄である。右打ち表示は、遊技者に対して、遊技球が遊技領域の10の右側に発射されるよう打球操作ハンドルの操作を促す表示である。この実施の形態では、演出表示装置5Aの表示領域の一部を特定遊技情報表示領域5Zとしているが、演出表示装置5X,5Yの少なくとも一方の表示領域に特定遊技情報表示領域5Zを備えるようにしてもよい。また、遊技盤2に特定遊技情報表示装置(例えば、LED、ランプ、7セグメントLED、液晶表示装置など)を備えるようにしてもよい。
演出表示装置5X,5Yは、演出表示装置5Aよりも表示画面の横幅が略半分とされ、演出表示装置5Aの左右側に、後述するように移動及び回動可能に設けられている。本実施の形態では、主に中央の演出表示装置5Aにて演出図柄の変動表示や各種演出が行われ、演出表示装置5X,5Yにて演出表示装置5Aに関連する演出が行われるようになっているが、演出表示装置5Aに替えて演出図柄の変動表示が行われたり、演出表示装置5Aとは別個の演出も行われたりすることがある。
また、これら演出表示装置5A,5X,5Yは、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、本実施の形態では、演出表示装置5X,5Yの一部は盤面板200を通して視認できるようになっている。また、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠52が設けられている。
演出表示装置5A,5X,5Yの表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。つまり、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像の表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
演出表示装置5Aの下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5Yの下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの右側方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の右側方位置には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。つまり、普図保留表示器25Cは、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技盤2には、遊技領域側発光部品が配置されている。この遊技領域側発光部品としては、例えばセンター飾り枠52に設けられた図示省略の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bに設けられた図示省略の発光部品(LED)などがある。また、遊技盤2は、その表面の少なくとも一部(例えば導光領域)を発光させるための発光部品(LED)を備えるようにしてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右下部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の演出用LED9が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿ともいう)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。
遊技機用枠3の下部箇所には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における遊技機用枠3の下部内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
遊技機用枠3の左右上部位置には、図1に示すように、パチンコ遊技機1の筐体よりも外側に進出動作可能な枠役物装置800L、800Rが設けられている。枠役物装置800L、800Rは、演出用可動体(役物)としての外部可動体810を、遊技機用枠3の表面より外側に向けて突出させた原点位置(後述する図23(B)参照)から、さらに外側の各進出位置(例えば、低進出位置、中進出位置、後述する図23(C)に示す高進出位置など)に突出可能な第8駆動機構850(図2参照)を備えている。また、パチンコ遊技機1の輸送時などにおいて、外部可動体810は、後述するように輸送時位置(後述する図23(A)参照)に退避可能である。枠役物装置800L、800Rは、左右対称に構成されている点を除けば、基本的に同じ構成となっているが、互いに異なる構造を有するものであってもよい。また、枠役物装置800L、800Rは、外部可動体810が原点位置、各進出位置、輸送時位置にあることを検出可能な位置検出器860(図2参照)を備えている。なお、位置検出器860は、外部可動体810が原点位置にあることを少なくとも検出できるものであればよい。
また、枠役物装置800L、800Rは、外部可動体810の進出に関する異常を検知するための検知手段としての役物センサ820L、820Rを備えている。例えば、役物センサ820L、820Rは、外部可動体810の近傍(周囲)に存在する物体(例えば遊技者の身体の一部、遊技者の所有物、遊技店の設備等の物体)を検出するセンサである。具体的には、役物センサ820L、820Rは、枠役物装置800L、800Rにおける外部可動体810の先端部分と外部可動体810の周囲箇所とにそれぞれ配置された導電性のパッド部821を備える。パッド部821は、例えば、外部可動体810の先端部分やその周囲箇所の表面に導電性を有するメッキ塗装を施すことにより形成されている。また、パッド部821を導電性部材としてもよい。パッド部821に物体が接触したことによる静電容量の変化を検出することにより、パッド部821への物体の接触が検知可能となっている。これにより、進出させる外部可動体810が物体に接触するおそれがあることや、物体接触により外部可動体810の進出に障害が生じることなどの異常を検知することができる。
また、パチンコ遊技機1の背面側の上部左右箇所には、外部可動体810を輸送時位置Pt(図23(A)参照)に固定するために操作される図示しない操作部がそれぞれ設けられている。この操作部は、パチンコ遊技機1が設置された遊技店の遊技店員やパチンコ遊技機1の製造会社の社員等の遊技機関係者による操作が可能な態様で設けられている。言い換えれば、操作部は、遊技機関係者ではない遊技者が接触(アクセス)できない位置に設けられている。例えば、外部可動体810を輸送時位置Ptに固定するときには、操作部が固定側に操作され、外部可動体810の固定を解除するときには、操作部が解除側に操作される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5A,5X,5Y、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5A,5X,5Yにおける表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、演出表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、演出表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。LED制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、演出用LED9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
演出表示装置5Aは、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して演出表示装置5Aに供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。また、演出表示装置5X,5Yは、演出表示装置5Aとのサイズの違いや後述するように可動することなどの違いはあるものの、表示構成に関しては演出表示装置5Aと同様に構成されている。
演出表示装置5Aの演出図柄表示エリア5L,5C,5Rや演出表示装置5X,5Yの演出図柄表示エリアでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、演出図柄の変動表示の表示結果(可変表示結果)となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
次に、図3に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。
図3に示すように、外枠60は、上板61、下板62、左側板63及び右側板64により縦長四角枠状に形成されている。上板61及び下板62は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板63及び右側板64は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠60の開口下部には幕板65が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠60の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠3の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠3は、外枠60の左側辺付近を中心として該外枠60の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
遊技機用枠3には、遊技盤2の背面側に設けられる各種部品や装置を被覆する裏カバー70(図9参照)が挿入可能な大きさを有する開口部(図示略)が形成されている。また、開口部の左側上下位置には、係止凹部(図示略)が設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具(図示略)が設けられている。よって、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の背面の裏カバー70を開口部に挿入し、該遊技盤2の左端部を係止凹部(図示略)に差し込んだ状態で右端部を盤押え金具(図示略)で係止することにより、遊技機用枠3に遊技盤2を取付けできるようになっている。また、盤押え金具の係止状態を解除すれば遊技盤2を遊技機用枠3から容易に取外すことができる。
次に、窓部51を構成する窓部ユニット51Aについて、図4〜図9に基づいて説明する。図4は、(A)は窓部ユニットを示す正面図、(B)は窓部ユニットを示す背面図である。図5は、(A)は窓部ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は窓部ユニットを斜め後から見た状態を示す斜視図である。図6は、窓部ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図7は、窓部ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図8は、筒状部を示す縦断面図である。図9は、開閉枠及び遊技機用枠の内部構造を示す縦断面図である。
図4〜図7に示すように、窓部ユニット51Aは、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され、盤面板200の開口2cに対応する位置に孔部270が形成された第2透過体260と、を有する。
第1透過体250は、透明なガラス材からなる前透過板251からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により筒状に形成された第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部と、から構成されている。第2筒状体253は、第1筒状体252の内部に背面側の開口から嵌合可能に設けられ、第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口は前透過板251よりも若干小さく形成されており、第1筒状体252の背面側の開口から前透過板251を挿入し、そのさらに背面側から第2筒状体253を嵌合することで、前透過板251の周縁部が第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持されるようになっている。
第1筒状体252は、筒状部と、該筒状部における後側の開口周縁部から周囲に広がるように形成された板状のフランジ部256と、を有している。また、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施され、メッキ加工により補強されている。
第2筒状体253は、後側の開口周縁部に複数形成された取付孔にネジN1を取付け、該ネジN1を第1筒状体252の後側の開口周縁部に複数形成されたネジ孔に螺入することにより第1筒状体252に一体化されて筒状部を構成するとともに、これら第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部により挟持された前透過板251も一体化されて第1透過体250を構成する。なお、前透過板251の周縁部と第1筒状体252及び第2筒状体253各々の前側の開口周縁部とは接着剤等を介して接合される。
第1筒状体252及び第2筒状体253は、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも長寸となるように形成されていることで、特に図9に示すように縦断面視略三角状をなしており、前透過板251は、下方に向けて後側に傾斜する、つまり、上端が前側に傾倒する傾倒姿勢をなすように配置されている。
窓部51の下方位置には、前述した上皿90が設けられている。上皿90は上方が開放しており、遊技を行うための遊技球を投入可能としているため、上皿90の上方に第1透過体250が突出していると遊技球の投入の邪魔になってしまう。また、第1透過体250は、上皿90を形成する部材よりも前方に突出するように設けられている。よって、前透過板251は、上端が上皿90を形成する部材の前端よりも前方に位置するとともに、下端が上皿90よりも後側に位置するように、上方から下方に向けて後側に傾斜するように配設される。
本実施の形態では、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、下壁部の前後長さ寸法が上壁部の前後長さ寸法に比べて極端に短いが、本発明はこれに限定されるものではなく、上壁部と下壁部の前後長さ寸法はほぼ同じであってもよいし、上壁部の前後長さ寸法が下壁部の前後長さ寸法よりも短寸となっていてもよい。また、前透過板251の全周縁に沿うように設けられる筒状部でなくても、前透過板251の周縁の一部に沿うアーチ状部であってもよい。
また、図6〜図8に示すように、第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所には、前後方向に延設される凸条部254Aや凹条部254Bからなる補強構造部254が形成されている。また、第1筒状体252にネジN1のネジ孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや、第2筒状体253にネジN1の取付孔を形成するために内周面に形成される凸条部255Aや外周面に形成される凹条部255Bなども補強構造部254として機能している。このように第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所に補強構造部254が形成されることで、筒状部の外周面に凹凸部が形成されて強度が向上する。
また、このような凹凸部と前述したように外周面に施されたメッキ加工とにより、筒状部の外周面に装飾部が設けられている。本実施の形態では、補強用の凹凸部とメッキ加工とにより装飾部が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、外周面を着色したり絵柄を設けたりするなどして装飾部を構成してもよい。
第2透過体260は、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材からなり、孔部270が形成された後透過板261からなる板状部と、非透光性の合成樹脂材により枠状に形成された枠体262と、から構成されている。後透過板261は、枠体262の開口262Aを閉鎖するように枠体262の背面に接着剤等を介して固着される。
このように構成された第1透過体250と第2透過体260とは、第1筒状体252のフランジ部256に形成された複数の取付孔に前側から取付けたネジN2を、枠体262に形成されたネジ孔に螺入することにより一体化されて一の窓部ユニット51Aを形成する。窓部ユニット51Aは、図3に示すように、遊技機用枠3を開放する開放位置にある開閉枠50の背面側に、該開閉枠50の開口(図示略)を閉鎖するように取付けられる。
窓部ユニット51Aは、開閉枠50に対し着脱可能とされ、機種変更等に応じて交換できるようになっている。具体的には、開閉枠50の背面に突設された係止ピンを枠体262に形成された係止孔に挿通した状態で、枠体262に設けられた係止フックを係止ピンに係止することで取付けられている。
窓部ユニット51Aを開閉枠50の背面に取付けた状態で、開閉枠50を開放位置から閉鎖位置まで回動して遊技機用枠3の前面を閉鎖すると、図9に示すように、後透過板261が、遊技盤2の盤面板200の前方に所定の隙間を隔てて該盤面板200に対しほぼ平行に配置され、盤面板200と後透過板261との間に、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成される。
また、図8に示すように、後透過板261は、パチンコ遊技機1を正面(遊技者側)から見たときに、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bにより囲まれる遊技領域10全域を前方から覆うように配置されるとともに、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cに対応する位置に配置される。
本実施の形態では、遊技領域10とは、遊技球が流下可能な領域、つまり、盤面板200の遊技盤面200Aにおいてガイドレール2bに囲まれた領域のうち開口2cを除く領域と、開口2cに対応する領域、つまり、演出表示装置5A,5X,5Yや後述する各種可動体が遊技者から視認可能に設けられる領域と、を含む(図8において斜線で示す領域)。また、開口2cにはセンター飾り枠52が設けられていることで、遊技球が開口2c内に流入することが規制されている。
また、本実施の形態では、孔部270は、盤面板200に形成された開口2cとは、形状が異なるとともに大きさも小さく、かつ、該開口2cに対応する位置に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部270とほぼ同形に形成されていてもよいし、一部が開口2cの外側に位置するようになっていてもよい。
よって、このように構成される遊技領域10は、窓部51を構成する前透過板251と後透過板261とを透して、パチンコ遊技機1の前方である遊技者側から視認(透視)できるようになっている(図4(A)にて網線領域で示す窓部51参照)。図9に示すように、後透過板261と遊技盤面200Aとは互いに平行をなすように起立状態で設置されるのに対し、前透過板251は、上方から下方に向けて漸次後側に傾斜するように、後透過板261に対し傾斜する前傾姿勢で配置されるため、後透過板261に対する上方の離間寸法L1よりも下方の離間寸法L2の方が離間寸法L1よりも短寸とされている。
板状部としての前透過板251と、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253と、からなる第1透過体250は、第2透過体260を構成する後透過板261に対し前方に突出する凸状に形成されており、窓部ユニット51Aを開閉枠50に取付けた状態において、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部が、開閉枠50の開口に背面側から挿入され前方に突出するように設けられる。
よって、遊技盤面200Aとともに遊技領域10を形成する後透過板261は開閉枠50の前後方向の板厚寸法内に収める一方、筒状部は開閉枠50の前面に対し前方に突出するように設けることで、開閉枠50の前後寸法を長寸化することなく、前透過板251を後透過板261から極力前方に離して配置することができる。これにより、前透過板251と後透過板261との間に広い空間部Sを形成することができる。
また、第1筒状体252及び第2筒状体253の上壁部は、前方に向けて下方に傾斜するように形成され、パチンコ遊技機1の前上方からの外光を遊技領域10に入りにくくしているため、遊技領域10の上部の前方が上壁部にて隠されてしまうが、遊技者の目線位置は上壁部よりも下方に位置するため、見上げれば視認可能である。
また、パチンコ遊技機1にあっては、例えば、前透過板251に磁石を押しつけるなどして磁気センサを誤作動させて不正に入賞を発生させたり、遊技領域10を流下する遊技球を磁力により不正に誘導するといった不正行為が行われる可能性があるが、前透過板251と後透過板261との離間寸法L1,L2を長くすることで、後透過板261の板厚を増大させることなく、前透過板251を遊技領域10から極力遠ざけて磁石の磁力による影響を減衰させることができるので、磁石による不正行為を好適に抑制することができる。また、不正な磁気を感知する磁石センサを搭載した遊技機にあっては、磁石センサでは検知できない範囲における前透過板251と後透過板261との離間寸法を長くすることで、上記不正行為を好適に抑制することが可能となるとともに、磁石センサの配置数を軽減することができる。
次に、図10〜図18に基づいて、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rを有する可動体ユニットについて説明する。図10は、動作待機形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図11は、第1動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図12は、第2動作形態の可動体ユニットを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図13は、動作待機形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図14は、第1動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図15は、第2動作形態の可動体ユニットを正面から見た概略図である。図16は、動作待機形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図17は、第1動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。図18は、第2動作形態の可動体ユニットを側面から見た概略図である。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
なお、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、以下に説明する第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rによる可動体演出や、これら可動体とスピーカ8L,8R、及び演出用LED9等とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラ31A等の操作手段を操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、演出制御基板12から出力される駆動制御指令としての可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づいて、動作(例えば、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作)が可能である。
図10〜図18に示すように、可動体ユニットは、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5A,5X,5Yとの間に設けられ、演出表示装置5A,5X,5Yを支持する裏カバー70に固定されるベース部材700と、該ベース部材700に対し移動可能に設けられた第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rと、を有する。ベース部材700は、上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部により四角枠状に形成され、各上辺部、左側辺部、右側辺部、下辺部が演出表示装置5Aの表示画面の各辺に沿うように配設され、中央の開口を介して演出表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている。この可動体ユニットは、後述するように動作待機形態、第1動作形態、第2動作形態に変化可能である。
第1演出可動体300は、ベース部材700の上辺部から斜め下方に向けて延びるレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられるスライド板301と、スライド板301の先端に回動軸305を介して回動可能に軸支される本体部302と、本体部302に対し突出及び収納動作可能に取付けられる第1突出部303及び第2突出部304と、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)と、から主に構成されている。
第1演出可動体300は、第1駆動モータ311やギヤ等から成る第1駆動機構310により、遊技盤2の上方側に配置される原点位置である第1待機位置(図13及び図16参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第1演出位置(図14及び図17参照)と、にレール701に沿って移動可能となっている。第1駆動機構310は、第1演出可動体300の位置を検出する第1待機位置センサ及び第1演出位置センサを備えている。
第1演出可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って前後方向に移動可能に取付けられているので、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させることができる。つまり、第1演出可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とが加速進出手段を構成する。また、加速性をさらに高めるために、スライド板301とレール701との摺動抵抗がより低い材料、形状にしてもよい。また、さらに摺動抵抗を低下させるために潤滑油などを塗るようにしてもよい。また、第1演出可動体300の加速を支援する図示省略しない加速支援手段(例えば、バネ部材など)を備えるようにしてもよい。例えば、バネ部材が自然長よりも縮められた付勢状態から、自然長に戻ろうとするバネ力により、第1演出可動体300の加速を支援することができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
本体部302は、略六面体を成しており、左右方向を向く回動軸305に対して固着されている。以降、本体部302において、通常状態(動作待機形態)で正面を向く面を面A、上方を向く面を面Bとして説明する。
回動軸305は、図示しない第2駆動モータやギヤ等から成る第2駆動機構320により回動するようになっており、本体部302の面Aが正面を向き、面Bが上方を向く回動待機状態(図13及び図16参照)と、面Aが斜め前方側上方を向き、面Bが後方側を向く第1回動状態(図14及び図17参照)と、面Aが斜め前方側下方を向き、面Bが斜め前方側上方を向く第2回動状態(図15及び図18参照)と、に本体部302の回動状態を切換え可能となっている。第2駆動機構320は、第1演出可動体300の回動状態を検出する回動待機位置センサ、第1回動位置センサ及び第2回動位置センサを備えている。
第1突出部303は、第3駆動モータ331や図示しないギヤ及びラック等から成る第3駆動機構330により、本体部302に内蔵される第1収納状態(図13、図15及び図16、図18参照)と、本体部302の面Aから外方へ突出する第1突出状態(図14及び図17参照)と、に切換え可能となっている。第1収納状態にあっては、第1突出部303全体が本体部302内に収納されており、該本体部302から外部に突出しないようになっている。第3駆動機構330は、第1突出部303の状態を検出する第1突出位置センサ及び第1収納位置センサを備えている。
第2突出部304は、第4駆動モータ341や図示しないギヤ及びラック等から成る第4駆動機構340により、本体部302に一部内蔵される第2収納状態(図13、図14及び図16、図17参照)と、本体部302の面Bから外方へ突出する第2突出状態(図15及び図18参照)と、に切換え可能となっている。第2収納状態にあっては、第1突出部303の一部が本体部302の面Bよりも外方に突出しているが、前記回動待機状態や第1回動状態において面Bの背面側に配置されているため、遊技者(正面側)から目立たなくなっている。第4駆動機構340は、第2突出部304の状態を検出する第2突出位置センサ及び第2収納位置センサを備えている。
第2演出可動体400は、ベース部材700の下辺部に取付けられており、図示しない第5駆動モータやギヤ及びラック等から成る第5駆動機構410により、遊技盤2の下方側に配置される第2待機位置(図13、図15及び図16、図18参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第2演出位置(図14及び図17参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。第2演出可動体400は、第2演出位置において上端が前方側に倒れるように傾斜している。第5駆動機構410は、第2演出可動体400の位置を検出する第2待機位置センサ及び第2演出位置センサを備えている。
第3演出可動体500L,500Rは、ベース部材700の下辺部の左右両側に取付けられており、第6駆動モータ511L,511Rや図示しない回動アーム、ギヤ等から成る第6駆動機構510L,510Rにより、遊技盤2の下方側に配置される第3待機位置(図13、図15及び図16、図18参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第3演出位置(図14及び図17参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。詳しくは、前記回動アームは、前後方向に延びる図示しない軸を中心として回動するようになっており、各第3演出可動体500L,500Rは、第3待機位置において第2待機位置における第2演出可動体400の左右両側から離間した位置に配置され、第3演出位置において第2演出位置における第2演出可動体400の左右両側に近接した位置に配置される。第3演出可動体500L,500Rは、第3演出位置において上端が前方側に倒れるように傾斜している。第6駆動機構510L,510Rは、第3演出可動体500L,500Rの位置を検出する第3待機位置センサ及び第3演出位置センサを備えている。
第4演出可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側に取付けられており、図示しない第7駆動モータやギヤ及びラック等から成る第7駆動機構610L,610Rにより、遊技盤2の上方側に配置される第4待機位置(図13及び図14参照)と、遊技盤2の中央側に配置される第4演出位置(図15参照)と、の間で上下方向に移動可能となっている。詳しくは、各第4演出可動体600L,600Rは、ベース部材700の上辺部の左右両側から中央部に向けて互いに近接するように移動するようになっており、各第4演出可動体600L,600Rは、第4待機位置において第1待機位置における第1演出可動体300の左右両側から離間した位置に配置され、第4演出位置において第1演出位置における第1演出可動体300の左右両側に近接した位置に配置される。第7駆動機構610L,610Rは、第4演出可動体600L,600Rの位置を検出する第4待機位置センサ及び第4演出位置センサを備えている。
図10に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1演出可動体300が第1待機位置(原点位置)、第2演出可動体400が第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rが第3待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1演出可動体300は、回動待機状態であるとともに、第1突出部303及び第2突出部304は、第1収納状態及び第2収納状態となっている。このとき、各可動体は、遊技盤2の開口2cの周縁側に配置されるため、遊技者(正面側)から演出表示装置5A,5X,5Yの表示画面を視認できるようになっている(図13参照)。例えば、図1に示すように、第1演出可動体300の第1待機位置(原点位置)は、第1演出可動体300が演出表示装置5Aに重複しない位置であると言える。なお、第1演出可動体300の第1待機位置(原点位置)はこれに限定されず、例えば、第1演出可動体300が演出表示装置5Aの一部に重複する位置としてもよい。また、図16に示すように、第1待機位置(原点位置)にある第1演出可動体300の前面側の一部分のみが、後透過板261の孔部270を介して、僅かに第1透過体250と第2透過体260との間に進入しているが、進入しないようにしてもよい。
また、図11に示すように、可動体ユニットの第1動作形態にあっては、第1演出可動体300が第1演出位置、第2演出可動体400が第2演出位置、第3演出可動体500L,500Rが第3演出位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に配置されており、第1演出可動体300は、第1回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1突出状態となり、第2突出部304は、第2収納状態となっている。このとき、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第1突出部303が演出表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、所定の形状を成す構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図14参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第2演出可動体400や第3演出可動体500L,500Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、図12に示すように、可動体ユニットの第2動作形態にあっては、第1演出可動体300が第1演出位置、第2演出可動体400が第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rが第3待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4演出位置に配置されており、第1演出可動体300は、第2回動状態であるとともに、第1突出部303は、第1収納状態となり、第2突出部304は、第2突出状態となっている。このとき、第1演出可動体300、第4演出可動体600L,600R及び第2突出部304が演出表示装置5A,5X,5Yの前面側に配置され、第1動作形態とは異なる形状の構造物を構成するように互いに接触または近接することにより合体する(図15参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第4演出可動体600L,600Rを合体可能に移動させる制御が可能である。
また、第1動作形態において第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、これら第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている(図17、図18参照)。
よって、第1演出可動体300と、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rとは、合体したときに第1制御における第1演出可動体300の移動方向、つまり、前後方向の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
次に、演出制御用CPU120による可動体ユニットの動作制御の一例について図13〜図19を用いて説明する。図19は、可動体演出における各可動体及び演出用LEDの動作の一例を示すタイミングチャートである。
図13及び図16に示すように、可動体ユニットの動作待機形態にあっては、第1演出可動体300は、第1待機位置において、本体部302の面A側(前側)の一部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側、つまり前側に位置している(特に、図13及び図16の実線部分参照)。
本実施の形態における可動体演出では、図19に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出の開始条件が成立する(例えば、可動演出の実行中における操作手段(例えば、演出ボタンやスティックコントローラ31Aなど)の操作受付期間中に操作手段の操作を検出したときや、操作有効期間が終了して可動体の実行タイミングとなったときなど)と、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rを動作させる。演出用LED9は、第1発光態様により発光演出を行う。
詳しくは、第1演出可動体300は、第1駆動機構310により第1待機位置から第1演出位置に向けて斜め下方向に移動する(図13及び図16の矢印1参照)。図13及び図16の仮想線部分に示すように、第1演出可動体300が第1演出位置に移動した際には、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置し、本体部302が第1待機位置よりも前方側に配置される。つまり、演出制御用CPU120は、第1待機位置にある第1演出可動体300を、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第1制御を実行可能である。また、第2演出可動体400は第2演出位置、第3演出可動体500L,500Rは第3演出位置に向けて移動する。
第1演出可動体300、第2演出可動体400、及び第3演出可動体500L,500Rが所定位置まで移動すると、図示しない第1演出位置センサ、第2演出位置センサ、第3演出位置センサにより検出され、演出制御用CPU120は、前記第1演出位置センサ、第2演出位置センサ、第3演出位置センサが各可動体を検出したことに基づいて、第1演出可動体300が第1回動状態となるように回動軸305を右側面視反時計回りに回動させる(第1回転、図14及び図17の矢印2参照)。演出制御用CPU120は、第1演出可動体300が第1回動位置センサに検出されたことに基づいて第1演出可動体300の第1回動を停止させる。このとき、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rの前端側が前方側に傾倒(図14及び図17の矢印3参照)し、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが合体する。回動するときでも、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置している。
次いで、演出制御用CPU120は、演出用LED9を第2発光態様により発光させるとともに、第3駆動機構330により第1突出部303を前記第1突出位置センサに検出されるまで本体部302の面Aから外方へ突出させ第1突出状態とする。前述のように第1演出可動体300の第1回動状態にあっては、本体部302の面Aが斜め前方側上方を向いているため、第1突出部303は斜め前上方に向けて突出する(図14及び図17の矢印4参照)。すなわち、第1突出部303は、本体部302の移動方向(斜め下方向)に対し交差する方向に移動する。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第1突出部303を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御を実行可能である。これら第1制御と第2制御とを実行することにより、可動体ユニットは第1動作形態に変化する。
このように、第1演出可動体300は、本体部302が斜め前方下側に移動した後、第1突出部303が前透過板251と後透過板261との間に形成された空間部Sで斜め前方側上方に突出するため、後透過板261に接触させることなく、第1突出部303の移動動作を好適に見せることができる。また、第1動作形態や第2動作形態に変化する際においても、前透過板251に接触することはない。
また、本体部302の前側の所定部が後透過板261よりも前側の空間部Sに位置する第1動作形態においては、第1突出部303が第1突出状態に変化していることで、図14に示すようにパチンコ遊技機1の前側から見たときに、第1突出部303は本体部302の周囲に広がるように移動、つまり、突出することで、本体部302の一部が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、第1突出部303が本体部302の周囲に広がるように第1突出状態に変化した後においても、パチンコ遊技機1の前側から見たときに第1突出部303は孔部270に対応する領域外へ突出する、つまり、遊技球の遊技領域10側へせり出すことがないので、第1突出部303により遊技球の視認が阻害されることはない。
また、可動体ユニットの第1動作形態の際には、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第1突出部303が所定の形状を成す構造物を構成する。詳しくは、第1演出可動体300の下方には、第2演出可動体400が当接または近接するように配置され、第1演出可動体300の左右には、第3演出可動体500L,500Rが当接または近接するように配置されることで、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300の支持手段となり、互いに支え合うようになるため、第1突出部303の突出動作や該突出動作後の第1演出可動体300の揺れ等が抑制され、姿勢を安定させることができる。
また、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rの大部分は、第1演出可動体300と合体したときに、後透過板261よりも遊技領域10側(背面側)に配置されるため、合体して構成される構造物に奥行き感を生じさせることができる。
また、演出用LED9の第2発光態様は、第1発光態様よりも輝度が低下しているため、可動体ユニットが第1動作形態時(第2制御時)において、演出用LED9の光により各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
次に、演出制御用CPU120は、可動体ユニットの第1動作形態の状態が所定時間経過したことに基づいて、第1突出部303を前記第1収納位置センサに検出されるまで移動させて第1収納状態とするとともに、前記第2待機位置センサ及び第3待機位置センサに検出されるまで第2演出可動体400を第2待機位置、第3演出可動体500L,500Rを第3待機位置に移動させる(図15及び図18の矢印5参照)。次いで、第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300の回動動作に干渉しない位置に到達した後に、第1演出可動体300が第2回動状態となるように回動軸305を右側面視時計回りに回動させる(第2回転、図15及び図18の矢印6参照)とともに、演出用LED9を第3発光態様により発光させる。演出制御用CPU120は、第1演出可動体300が第2回動位置センサに検出されたことに基づいて第1演出可動体300の第2回動を停止させる。
そして、第2突出部304を前記第2突出位置センサに検出されるまで突出させて第2突出状態とする(図15及び図18の矢印7参照)とともに、第4演出可動体600L,600Rを前記第4演出位置センサに検出されるまで第4演出位置に向けて移動させる(図15及び図18の矢印7参照)。つまり、演出制御用CPU120は、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第2突出部304を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御を実行可能である。これら第1制御と第2制御とを実行することにより、可動体ユニットは第2動作形態に変化する。このとき、演出用LED9を第4発光態様により発光させる。
また、本体部302の前側の所定部が後透過板261よりも前側の空間部Sに位置する第2動作形態においては、第2突出部304が第2突出状態に変化していることで、図15に示すようにパチンコ遊技機1の前側から見たときに、第2突出部304は本体部302の周囲に広がるように移動、つまり、突出することで、本体部302の一部が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、第2突出部304が本体部302の周囲に広がるように第2突出状態に変化した後においても、パチンコ遊技機1の前側から見たときに第2突出部304は孔部270に対応する領域外へ突出する、つまり、遊技球の流下領域へせり出すことがないので、第1突出部303により遊技球の視認が阻害されることはない。
可動体ユニットの第2動作形態の際には、第1演出可動体300、第4演出可動体600L,600R及び第2突出部304が第1動作形態とは異なる形状の構造物を構成するように合体する。詳しくは、第1演出可動体300の左右には、第4演出可動体600L,600Rが当接または近接するように配置されることで、第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300の支持手段となり、互いに支え合うようになるため、第2突出部304の突出動作や該突出動作後の第1演出可動体300の揺れ等が抑制され、姿勢を安定させることができる。
また、第4演出可動体600L,600Rの大部分は、第1演出可動体300と合体したときに、後透過板261よりも遊技領域10側(背面側)に配置されるため、合体して構成される構造物に奥行き感を生じさせることができる(図12参照)。
また、演出用LED9の第4発光態様は、第1発光態様及び第3発光態様よりも輝度が低下しているため、可動体ユニットが第2動作形態時(第2制御時)において、演出用LED9の光により各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
可動体ユニットの第2動作形態が所定時間経過することにより各可動体による演出動作が終了すると、演出制御用CPU120は、第2突出部304を前記第2収納位置センサに検出されるまで移動させて第2収納状態とするととともに、前記第1待機位置センサ及び第4待機位置センサに検出されるまで第1演出可動体300を第1待機位置、第4演出可動体600L,600Rを第4待機位置に向けて移動させる(収納動作)。このとき、演出用LED9を第5発光態様により発光させる。第1演出可動体300が第1待機位置、第4演出可動体600L,600Rが第4待機位置に移動すると、可動体ユニットによる可動体演出が完了する。
なお、演出用LED9による第1発光態様〜第5発光態様は、可動体の各種動作態様に応じて異なる態様となっていればよい。発光態様とは、例えば、発光する色、輝度、点灯または点滅、点滅速度等含む。
次いで、演出用LED9及び可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRによる発光演出における演出効果について図20を用いて説明する。図20は、(A)は演出用LED及び可動体LEDの発光態様を側方から見た概略図、(B)は演出用LED及び可動体LEDの発光態様を上方から見た概略図である。
図20(A)(B)に示されるように、開閉枠50の前面における第1透過体250の周囲に配置される演出用LED9は、第1透過体250に向けて光を照射するが、第1透過体250(第1筒状体252)の外周面にはメッキ加工が施されているため、演出用LED9からの光は、反射されて第1透過体250内に入り込まないようになっている。さらに、演出用LED9からの光以外の周囲の外光R(例えば、遊技店の室内光などの光や隣接する遊技機からの光など)も同様に第1透過体250内に入り込まないようになっている。
つまり、各可動体及び遊技領域10の視認性が低下することを防止できるとともに、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRの発光演出に影響を与えないようにできる。また、第1透過体250の周囲が照射されることにより、各可動体の周囲を囲うように目立たせることができるとともに、当該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者だけでなく周囲にも演出をアピールすることができる。
また、可動体LEDは、正面側(遊技者側)を向く本体部302に取付けられる可動体LED350A、第2突出部304に取付けられる可動体LED350Bと、側面側を向く可動体LED350CL,350CRと、背面側(遊技領域10側)を向くそれぞれ光を可動体LED350DL,350DRと、から成る(発光手段)。可動体LED350A,350Bによる正面側への光は前透過板251を介して前方側に照射され、可動体LED350DL,350DRによる背面側への光は遊技領域10(遊技領域10を流下する遊技球、入賞口や誘導通路など)を照射するようになっている。なお、可動体LED350CL,350CRの側面側への光は、第1透過体250に向けて照射されるが、第1透過体250(第2筒状体253)の内周面にはメッキ加工が施されているため、可動体LED350CL,350CRの光は、前方側へ反射される。つまり、正面側に対して光を集めて演出効果を高めることができるとともに、演出用LED9の発光演出に影響を与えないようにすることができる。
次いで、演出表示装置5X,5Yにおける表示装置演出の一例を、図21を用いて説明する。図21は、(A)は演出表示装置の通常時を示す待機状態を示す概略図、(B)は演出表示装置の第1動作状態を示す概略図、(C)は演出表示装置の第2動作状態を示す概略図である。
図21(A)に示すように、演出表示装置の通常時には、演出表示装置5X,5Yが演出表示装置5Aの左右両側に配置される待機状態となっている。この待機状態にあっては、待機状態は、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態で配置されている。
なお、演出表示装置5X,5Yの上下には、演出表示装置5X,5Yの移動を案内する図示しないレール部材(案内手段)がそれぞれ配設されている。このレール部材は、演出表示装置5Aの前面側の位置で前後方向に延びる部分と、前後の部分の両端部から左右に離れる方向に延びる部分と、から構成されており、演出表示装置5X,5Yは、レール部材に対して上下方向の回動軸を中心に回動可能に取付けられている。このように演出表示装置5X,5Yは、図示しないレール部材や駆動モータ等からなる表示装置駆動機構900により移動及び回動可能に設けられている。
演出制御用CPU120は、表示装置演出の所定の開始条件が成立すると、図21(B)に示すように、演出表示装置5X,5Yを演出表示装置5Aの前方側の位置に近づけるように移動させた後、孔部270を介して後透過板261の背面側の位置から前面側の位置に移動させ、演出表示装置5X,5Yを第1動作状態に変化させる。つまり、演出制御用CPU120は、後透過板261の背面側の位置で待機状態の演出表示装置5X,5Yを、該演出表示装置5X,5Yの所定部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第3制御を実行可能である。
演出表示装置5X,5Yは、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態のまま後透過板261よりも前透過板251側の位置に移動するため、遊技者から表示部が視認しやすい状態を保ちながら演出表示装置5X,5Yの移動を好適に見せることができる。
演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも前透過板251側の位置まで移動すると、図21(C)に示すように、演出制御用CPU120は、演出表示装置5X,5Yを互いに離間する方向に移動させるとともに、図示しない回動モータにより演出表示装置5X,5Yの表示部が左右方向の外側を向くように回動させる。つまり、演出制御用CPU120は、第3制御を実行した後、前記第3制御における移動方向(前後方向)に対し交差する方向(左右方向)に移動させる第4制御を実行可能である。これら第3制御と第4制御とを実行することにより、演出表示装置5X,5Yは第2動作状態に変化する。
また、演出表示装置5X,5Yの表示部は、第2動作状態において左右方向の外側を向くため、表示部の表示内容を遊技者以外にも視認可能とすることができる。なお、演出表示装置5X,5Yの移動を案内するレール部材は、待機状態から第1動作状態に変化する際、また第1動作状態から第2動作状態に変化する際において、演出表示装置5X,5Yと後透過板261との接触を防止する接触防止手段として機能しているため、演出表示装置5X,5Yまたは後透過板261が破損することを防止できる。
次に、後透過板261と第1演出可動体300との関係性について図22を用いて説明する。図22は、可動体ユニットの第2動作形態において開閉枠を開放した状態を示す概略図である。
図22に示すように、後透過板261の孔部270は、第1演出可動体300よりも大きく形成されている。より詳しくは、開閉枠50を開閉動作する際には、開閉枠50のヒンジ部分(上下方向の回動軸)を中心として孔部270も回動する。可動体ユニットの第2動作形態における第1演出可動体300は、可動体ユニットの各動作形態において最も突出している可動体であり、該第1演出可動体300の前側の部分(開閉枠50の閉鎖状態において孔部270よりも前透過板251側に配置される部分)は、孔部270の回動領域Z内に配置されている。
したがって、開閉枠50を開閉動作しても後透過板261が第1演出可動体300に対して接触することがない。これによれば、例えば、可動体ユニットの動作中、つまり、第1制御や第2制御の実行中に動作エラー等が発生し、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
(遊技の進行や演出の進行など)
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、遊技球が遊技領域10に向けて発射される。遊技領域10を流下した遊技球が通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行されている、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、開始条件の成立により実行される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「3」、「7」などの特図)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」などの特図)が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態である。特図ゲームでの変動表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。
演出表示装置5Aの演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5Aまたは演出表示装置5X,5Yの表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、演出図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、演出表示装置5Aまたは演出表示装置5X,5Yの表示領域にて、演出図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出表示される(演出図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。実施の形態では、後述する図24(B)に示すように、「非確変」には、大当り中に昇格演出(失敗)が実行される非確変大当りと、昇格演出自体を実行しない非確変大当りの2種類があり、「確変」には、大当り中に昇格演出(成功)が実行される確変大当りと、昇格演出自体を実行しない確変大当りの2種類がある。昇格演出は、確変昇格演出のことであり、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)において実行され、確変大当りへの昇格に成功又は失敗したことを表示する演出である。大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」のときには、同一の演出図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(失敗)が実行される。大当り種別が「確変(昇格演出成功)」のときには、同一の演出図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(成功)が実行される。なお、確変昇格演出は、7ラウンド以外のラウンドや複数ラウンドにわたって実行されるものや、ファンファーレ演出、エンディング演出などに実行されるものであってもよい。また、昇格演出は、ラウンド継続を報知するラウンド昇格演出などであってもよい。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されることや、演出図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定演出図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。このため、時短制御が行われる状態(時短状態)は、通常状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り遊技状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。このため、確変制御が行われる状態(確変状態)は、通常状態に比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、例えば、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図24(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
変動パターン指定コマンド81XX(H)、表示結果指定コマンド8CXX(H)、図柄確定指定コマンド8F00(H)、当り開始指定コマンドA0XX(H)、当り終了指定コマンドA3XX(H)、第1始動入賞指定コマンドB100(H)、第2始動入賞指定コマンドB200(H)、大入賞口入賞指定コマンドB300(H)が予め用意されている。「XX」はEXTデータである。表示結果指定コマンド8CXX(H)の「XX」には、可変表示結果に対応する数値が設定される(例えば、図24(B)に示すように、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」、「非確変大当り(昇格演出失敗)」なら「02」、「確変大当り」なら「03」、「確変大当り(昇格演出成功)」なら「04」など)。
(特別図柄プロセス処理)
図25は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104または遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
CPU103は、S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。例えば、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。
第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納されている。以下、決定テーブルについて同じ)と、に基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)の方が、非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)よりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と、大当り種別決定テーブルと、に基づいて、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。実施の形態では、「非確変」、「非確変(昇格演出失敗)」、「確変」、「確変(昇格演出成功)」のいずれかを決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される(他の決定などについても同じ)。
第1特図ゲームを実行するための処理でも、上記第2特図ゲームを実行するための処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定(大当り種別の決定を含む)などを行う。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、演出図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
実施の形態では、図26に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、B3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示器4A又は第2特別図柄表示器4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
S114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
(演出制御基板12の動作)
図27(A)は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
S51のあと、電源投入時の可動体初期化処理を行う(S51A)。図27(B)に示す電源投入時の可動体初期化処理(S51A)において、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグをオフにリセットし(S551)、第2可動体デッドエンドフラグをオフにリセットする(S552)。第1可動体デッドエンドフラグは、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作の禁止の有無を示すフラグである。第2可動体デッドエンドフラグは、第2可動体(例えば外部可動体810など)の演出動作の禁止の有無を示すフラグである。なお、第1可動体デッドエンドフラグ及び第2可動体デッドエンドフラグについては、パチンコ遊技機1の電源断時にバックアップされないことから、S551、S552を敢えて設けないようにしてもよい。S552のあと、演出制御用CPU120は、電源供給されたことにもとづく可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)のイニシャル動作が実行される(S553)。イニシャル動作としては、ショートイニシャル動作とロングイニシャル動作とがある。ショートイニシャル動作は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)と第2可動体(外部可動体810)とをそれぞれ原点位置(初期位置、待機位置など)に復帰させる初期動作のことである。ロングイニシャル動作は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)と第2可動体(外部可動体810)とをそれぞれ原点位置(初期位置、待機位置など)に復帰させた後に動作確認(例えば第1演出可動体300であれば、第1透過体250と第2透過体260との間に進出した進出位置(図17、図18に示す進出位置や、後述する図38に示す変形例1の第1位置P1、第2位置P2)に移動させた後に原点位置に戻す動作の確認、外部可動体810であれば、図23(B)に示す原点位置から図23(C)に示す進出位置に移動させた後に図23(B)に示す原点位置に戻す動作の確認)をする初期動作のことである。本実施の形態のパチンコ遊技機1では、例えばロングイニシャル動作を実行するように設定されている。なお、ショートイニシャル動作を実行するように設定されていてもよい。
電源投入時の可動体初期化処理(S51A)では、演出制御用CPU120は、可動体のイニシャル動作の実行直前やイニシャル動作の実行中において、開閉枠50が開放されたとしても、可動体のイニシャル動作が停止されることなく実行される。具体的には、演出制御用CPU120は、S51Aの処理の実行中やその実行直前において、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチ(例えばドアセンサなど)がオンになったとしても、可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作が停止されることなく実行されるように可動体の各駆動機構(第1演出可動体300についての第1〜第4駆動機構310、320、330、340、第2演出可動体400についての第5駆動機構410、第3演出可動体500L,500Rについての第6駆動機構510L,510R及び第4演出可動体600L,600Rについての第7駆動機構610L,610R)を制御する(S553)。
これによれば、電源投入時の可動体のイニシャル動作中に開閉枠50が開放されても、可動体のイニシャル動作を停止させないので、電源投入時における開閉枠50の開放に邪魔されることなく、可動体の動作を確認できる。例えば、遊技機出荷前の工場検査時における可動体の動作チェックをスムーズに行うことができる。また、開閉枠50の開閉動作確認と、電源投入時の可動体のイニシャル動作とを同時に行うことができ、検査効率を向上させることができる。上述したように可動体の動作が確認されていることから、好適に可動体を制御できる。なお、演出制御用CPU120は、開閉枠50が開放されると、S553において、外部可動体810についてはその動作を停止又は原点位置に復帰させるように第8駆動機構850(図2参照)を制御するようにしてもよい。この場合には、開閉枠50が開放されると、進出位置にある外部可動体810が原点位置に復帰などするので、進出位置にある外部可動体810が、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することを防止することができる。
なお、S553では、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作において原点位置に復帰できなかったエラー回数が累計カウント可能となっており、第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作において原点位置に復帰できなかったエラー回数も累計カウント可能となっている。なお、第1可動体については、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rごとにそれぞれのエラー回数が累計カウント可能となっているが、設定された一部の可動体のみ(例えば、第1演出可動体300のみ)のエラー回数が累計カウント可能としてもよい。
このS553のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)のイニシャル動作のエラー回数が「3」に到達しているか否かを判定する(S554)。第1可動体のエラー回数が「3」に到達している場合には(S554;Yes)、第1可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットする(S555)。第1可動体のエラー回数が「3」に到達していない場合(S554;No)、又は、S555のあとには、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作のエラー回数が「10」に到達しているか否かを判定する(S556)。第2可動体のエラー回数が「10」に到達している場合には(S556;Yes)、第2可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットする(S557)。第2可動体のエラー回数が「10」に到達していない場合(S556;No)、又は、S557のあとには、本処理を終了する。
なお、S554では、第1可動体のエラー回数が「3」に到達しているか否かを判定しているが、第1可動体のエラー回数が「1」である場合、つまり、第1可動体のイニシャル動作で原点復帰できない場合には、第1可動体を即デッドエンド(動作禁止)としてもよい。また、S556では、第2可動体のエラー回数が「10」に到達しているか否かを判定しているが、第2可動体のエラー回数が「1」である場合、つまり、第2可動体のイニシャル動作で原点復帰できない場合には、第2可動体を即デッドエンド(動作禁止)としてもよい。
図27(A)に戻って、S51Aのあと、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5A,5X,5Yの表示および動作制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
次いで、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを監視する第2可動体監視処理を行う(S56A)。図28に示す第2可動体監視処理(S56A)において、演出制御用CPU120は、第2可動体デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S401)。第2可動体デッドエンドフラグがオンであれば(S401;Yes)、本処理を終了する。なお本実施の形態では、第2可動体デッドエンドフラグがオン状態である場合には、後述する図35に示す代替演出パターンが設定され(S505A)、可動体演出パターンが設定されないことから、第2可動体(外部可動体810)による演出動作を完全に禁止することになるが、一部の演出動作を容認するようにしてもよい。つまり、一部の演出動作を制限するようにしてもよい。例えば、演出動作の範囲、内容、態様などの少なくとも一部を制限すればよい。すなわち、「第2可動体の演出動作を制限する」については、第2可動体(外部可動体810)の演出動作を完全に禁止すること、演出動作の一部を制限することが含まれる。
一方、第2可動体デッドエンドフラグがオンでなければ(S401;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出パターンが設定されているか否かを判定する(S402)。つまり、第2可動体(外部可動体810)が動作することを含む可動体演出パターンが、後述する図35に示すS505において設定されている場合には(S402;Yes)、本処理を終了する。
一方、可動体演出パターンが設定されていない場合には(S402;No)、演出制御用CPU120は、特殊期間(例えば10秒)のカウント中であるか否かを判定する(S402A)。特殊期間(例えば10秒)のカウント中でない場合には(S402A;No)、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンであるか否かを判定する(S402B)。
一方、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンでない場合には(S402B;No)、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達したか否かを判定する(S403)。この第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値は、パチンコ遊技機1の電源投入の際における第2可動体(外部可動体810)のイニシャル動作処理(S553)が終了した時点から計時が開始される。また、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値は、第2可動体(外部可動体810)の演出動作が終了した時点から改めて計時が開始される。つまり、第2可動体(外部可動体810)の演出動作中は、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が計時されない。第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達していなければ(S403;No)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達していれば(S403;Yes)、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S404)。例えば、演出制御用CPU120は、位置検出器860(図2参照)からの検出信号に基づいて、外部可動体810が原点位置にあるか否かが判定可能である。図29(C)に示すように、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達してS404において外部可動体810が原点位置にあるか否かを判定するタイミングが、監視タイミングに対応する。なお、監視タイマ値は「0」にリセットされ、次の1分の計時を開始する。第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば(S404;Yes)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S404;No)、第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S405)。図29(C)に示すように、特殊期間内において、第2可動体(外部可動体810)の原点位置への復帰処理が実行される。S405のあと、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S406)。第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば(S406;Yes)、本処理を終了する。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S406;No)、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にないといった第2エラーのカウント値である第2エラーカウント値に「1」をインクリメントする(S407)。図29(C)に示す特殊期間における復帰処理で第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰しなかった場合にエラー回数に「1」が加算される。このように、特別期間毎(1分毎)に、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かが監視されるようになっている。
なお、S403では、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達しているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、第2可動体(外部可動体810)の監視タイマ値が1分に到達すると第2到達フラグをオン状態にセットし、第2到達フラグがオンか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、監視タイマが1分を越えて計時することを防止できる。
S407のあと、演出制御用CPU120は、監視タイミング(例えば1分到達時)から特殊期間(例えば10秒)が経過したことを示す特殊期間到達フラグがオン状態であるか否かを判定する(S408)。特殊期間到達フラグがオンでなければ(S408;No)、特殊期間(例えば10秒)のカウントを開始する(S410)。特殊期間(例えば10秒)のカウント中である場合(S402A;Yes)、又は、S410のあとには、特殊期間(例えば10秒)に到達したか否かを判定する(S411)。特殊期間(例えば10秒)に到達していなければ(S411;No)、本処理を終了する。一方、特殊期間(例えば10秒)に到達していれば(S411;Yes)、特殊期間到達フラグをオン状態にセットする(S412)。
なお、図28のS410〜S412の期間、つまり、特殊期間(例えば10秒)において第2可動体(外部可動体810)の原点復帰処理を継続して(又は繰り返して)実行するようにしてもよい。また、図28のS410〜S412の期間、つまり、特殊期間(例えば10秒)において第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰した場合には、エラー報知(S414)を実行しないようにしてもよい。この場合には、特殊期間(例えば10秒)のカウントも「0」にリセットされる。
S412のあと、又は、後述するS419のあと、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にないエラー状態であることを示す第2可動体原点位置エラー状態フラグをオン状態にセットし(S413)、図29(C)に示すように例えば30秒間のエラー報知を実行する(S414)。このエラー報知としては、例えば、遊技機用枠3に設けられたエラーランプの点灯(例えば赤色点灯)と、演出表示装置5Aの表示画面の例えば隅部における第2可動体(外部可動体810)のエラー表示とが実行される。なお、このエラーランプの点灯又はエラー表示の一方のみを実行してもよいし、エラーランプの点灯とエラー表示とのうちの少なくとも一方に替えてあるいはそれとともにエラー報知音をスピーカ8L,8Rから出力するようにしてもよい。なお、エラー報知中(S414)において第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰した場合には、かかるエラー報知(S414)を途中で中止するようにしてもよい。
特殊期間到達フラグがオンである場合(S408;Yes)、第2可動体原点位置エラー状態フラグがオンである場合(S402B;Yes)、又は、S414のあと、演出制御用CPU120は、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定する(S415)。エラー報知開始から1分経過していなければ(S415;No)、本処理を終了する。一方、エラー報知開始から1分経過していれば(S415;Yes)、つまり、図29(C)に示すように例えば60秒間のエラー状態の後に、第2可動体原点位置エラー状態フラグをオフ状態にリセットし(S416)、第2可動体(外部可動体810)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S417)。図29(C)に示すように、エラー状態(60秒間)の後に、第2可動体(外部可動体810)の原点位置への復帰処理が実行される。S417のあと、演出制御用CPU120は、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあるか否かを判定する(S418)。第2可動体(外部可動体810)が原点位置になければ(S418;No)、第2エラーカウント値に「1」をインクリメントし(S419)、S413に進む。図29(C)に示すように例えばエラー状態(60秒間)の後における復帰処理で第2可動体(外部可動体810)が原点位置に復帰しなかった場合にエラー回数に「1」が加算される。一方、第2可動体(外部可動体810)が原点位置にある場合(S418;Yes)、特殊期間到達フラグをオフ状態にリセットし(S420)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Aのあと、第2可動体デッドエンド処理を実行する(S56B)。図29(A)に示す第2可動体デッドエンド処理(S56B)において、演出制御用CPU120は、第2エラーカウント値は「10」であるか否かを判定する(S431)。第2エラーカウント値は「10」でない場合(S431;No)、本処理を終了する。一方、第2エラーカウント値は「10」である場合(S431;Yes)、第2可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットし(S432)、第2エラーカウント値を「0」にリセットし(S433)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Bのあと、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを監視する第1可動体監視処理を行う(S56C)。図30に示す第1可動体監視処理(S56C)において、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグがオン状態であるか否かを判定する(S461)。第1可動体デッドエンドフラグがオンであれば(S461;Yes)、本処理を終了する。なお本実施の形態では、第1可動体デッドエンドフラグがオン状態である場合には、後述する図35に示す代替演出パターンが設定され(S505A)、可動体演出パターンが設定されないことから、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)による演出動作を完全に禁止することになるが、一部の演出動作を容認するようにしてもよい。つまり、一部の演出動作を制限するようにしてもよい。例えば、演出動作の範囲、内容、態様などの少なくとも一部を制限すればよい。また、演出可動体の種類毎に演出動作を制限するようにしてもよい。すなわち、「第1可動体の演出動作を制限する」については、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作を完全に禁止すること、演出動作の一部を制限することが含まれる。
一方、第1可動体デッドエンドフラグがオンでなければ(S461;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出パターンが設定されているか否かを判定する(S462)。つまり、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作することを含む可動体演出パターンが、後述する図35に示すS505において設定されている場合には(S462;Yes)、本処理を終了する。
一方、可動体演出パターンが設定されていない場合には(S462;No)、演出制御用CPU120は、特定期間(例えば10秒)のカウント中であるか否かを判定する(S462A)。特定期間(例えば10秒)のカウント中でない場合には(S462A;No)、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンであるか否かを判定する(S462B)。
一方、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンでない場合には(S462B;No)、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達したか否かを判定する(S463)。この第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値は、パチンコ遊技機1の電源投入の際における第1可動体(例えば第1演出可動体300など)のイニシャル動作処理(S553)が終了した時点から計時が開始される。また、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作が終了した時点から改めて計時が開始される。つまり、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の演出動作中は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が計時されない。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達していなければ(S463;No)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達していれば(S463;Yes)、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S464)。例えば、演出制御用CPU120は、図示しない位置検出センサからの検出信号に基づいて、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かが判定可能である。なお、監視タイマ値は「0」にリセットされ、次の10分の計時を開始する。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあれば(S464;Yes)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S464;No)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S465)。S465のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S466)。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあれば(S466;Yes)、本処理を終了する。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S466;No)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にないといった第1エラーのカウント値である第1エラーカウント値に「1」をインクリメントする(S467)。このように、所定期間毎(10分毎)に、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かが監視されるようになっている。
なお、S463では、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達しているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の監視タイマ値が10分に到達すると第1到達フラグをオン状態にセットし、第1到達フラグがオンか否かを判定するようにしてもよい。この場合には、監視タイマが10分を越えて計時することを防止できる。
S467のあと、演出制御用CPU120は、監視タイミング(例えば10分到達時)から特定期間(例えば10秒)が経過したことを示す特定期間到達フラグがオン状態であるか否かを判定する(S468)。特定期間到達フラグがオンでなければ(S468;No)、特定期間(例えば10秒)のカウントを開始する(S470)。特定期間(例えば10秒)のカウント中である場合(S462A;Yes)、又は、S470のあとには、特定期間(例えば10秒)に到達したか否かを判定する(S471)。特定期間(例えば10秒)に到達していなければ(S471;No)、本処理を終了する。一方、特定期間(例えば10秒)に到達していれば(S471;Yes)、特定期間到達フラグをオン状態にセットする(S472)。
なお、図30のS470〜S472の期間、つまり、特定期間(例えば10秒)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)の原点復帰処理を継続して(又は繰り返して)実行するようにしてもよい。また、図30のS470〜S472の期間、つまり、特定期間(例えば10秒)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰した場合には、エラー報知(S474)を実行しないようにしてもよい。この場合には、特定期間(例えば10秒)のカウントも「0」にリセットされる。
S472のあと、又は、後述するS479のあと、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にないエラー状態であることを示す第1可動体原点位置エラー状態フラグをオン状態にセットし(S473)、例えば30秒間のエラー報知を実行する(S474)。このエラー報知としては、例えば、遊技機用枠3に設けられたエラーランプの点灯(例えば赤色点灯)と、演出表示装置5Aの表示画面の例えば隅部における第1可動体(例えば第1演出可動体300など)のエラー表示とが実行される。なお、このエラーランプの点灯又はエラー表示の一方のみを実行してもよいし、エラーランプの点灯とエラー表示とのうちの少なくとも一方に替えてあるいはそれとともにエラー報知音をスピーカ8L,8Rから出力するようにしてもよい。なお、エラー報知中(S474)において第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置に復帰した場合には、かかるエラー報知(S474)を途中で中止するようにしてもよい。
特定期間到達フラグがオンである場合(S468;Yes)、第1可動体原点位置エラー状態フラグがオンである場合(S462B;Yes)、又は、S474のあと、演出制御用CPU120は、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定する(S475)。S475では、エラー報知開始から1分経過したか否かを判定しているがこれに限定されない。例えば、S415に示す第2可動体(例えば、外部可動体810など)でのタイミング(エラー報知開始から1分経過)よりも短いタイミングとしてもよい。第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)は遊技者に触れられることがないので、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)についての状況の改善、変化などに期待ができないから、必要最小限の時間(タイミング)とすることができる。エラー報知開始から1分経過していなければ(S475;No)、本処理を終了する。一方、エラー報知開始から1分経過していれば(S475;Yes)、第1可動体原点位置エラー状態フラグをオフ状態にリセットし(S476)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)を原点位置に復帰させる処理を実行する(S477)。S477のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にあるか否かを判定する(S478)。第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置になければ(S478;No)、第1エラーカウント値に「1」をインクリメントし(S479)、S473に進む。。一方、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が原点位置にある場合(S478;Yes)、特定期間到達フラグをオフ状態にリセットし(S480)、本処理を終了する。
図27(A)に戻って、S56Cのあと、第1可動体デッドエンド処理を実行する(S56D)。図29(B)に示す第1可動体デッドエンド処理(S56D)において、演出制御用CPU120は、第1エラーカウント値は「3」であるか否かを判定する(S481)。第1エラーカウント値は「3」でない場合(S481;No)、本処理を終了する。一方、第1エラーカウント値は「3」である場合(S481;Yes)、第1可動体デッドエンドフラグをオン状態にセットし(S482)、第1エラーカウント値を「0」にリセットし(S483)、本処理を終了する。
次いで、演出制御用CPU120は、異常又はエラーが発生している場合には、異常等報知を実行する報知制御処理を実行し(S57)、この後、S52に移行する。図31に示すように報知制御処理では、例えば、開閉枠50の開放を検知可能な図示しない扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。例えば、主基板11には、開閉枠50の開放を検出するための扉開放検出スイッチ(図示略)が接続されている。扉開放検出スイッチは、開閉枠50の開放時にオンとなり、閉鎖時にオフとなる。なお、扉開放検出スイッチは、開閉枠50の閉鎖時にオンとなり、開放時にオフとなるものであってもよい。この場合は、S61については扉開放検出スイッチがオフであるか否かを判定するとすればよい。主基板11は、扉開放検出スイッチにより開閉枠50の開放を検出したことに基づいて、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放中指定コマンドを演出制御基板12に送信する。このため、主基板11からの扉開放中指定コマンドを受信している場合には、扉開放検出スイッチがオンであると判定することができる。
扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)の少なくとも一方が動作中であるか否かを判定する(S62)。例えば、図示しない位置検出センサにより第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。なお、動作中の判定方法についてはこれに限定されない。例えば、第1演出可動体300が進出位置(なお、進出位置が複数ある場合には各進出位置)にあれば動作中と判定してもよい。また、第1駆動機構310、第2駆動機構320、第3駆動機構330及び第4駆動機構340(図2参照)のうちの少なくとも何れかが駆動動作中である場合には動作中と判定してもよい。また、位置検出器860(図2参照)により第2可動体(外部可動体810)が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方が動作中であれば(S62;Yes)、可動体動作時の扉開放報知(第1開放報知)が実行される(S63)。一方、第1演出可動体300及び外部可動体810の何れもが動作中でない場合には(S62;No)、通常時の扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知とは異なる態様としている。例えば、可動体動作時の扉開放報知は、通常時の扉開放報知に比べて報知音が大きいあるいは報知画像や報知発光が目立つ態様としている。また、可動体動作時の扉開放報知は、可動体が動作中である旨の報知(例えば「可動体が動作中!」や「動作中の可動体に注意!」の報知画像を表示したりやその内容を音声出力したりするなど)を有するものであり、通常時の扉開放報知はその旨を有さないものとしてもよい。また、可動体動作時の扉開放報知は、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)の種類毎に応じた報知としてもよい。例えば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作中であれば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)が動作中である旨の報知とし、第2可動体(外部可動体810)が動作中であれば、第2可動体(外部可動体810)が動作中である旨の報知とし、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)が動作中であれば、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)が動作中である旨の報知とすればよい。
このように第1開放報知であれば、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作中における開閉枠50の開放であることを報知でき、動作中の第1演出可動体300や外部可動体810を考慮しつつ開閉枠50の開放に対処することができる。また、第2開放報知であれば、第1演出可動体300及び外部可動体810が動作していないときの開閉枠50の開放であることを報知でき、第1演出可動体300及び外部可動体810を気にせず開閉枠50の開放に対処することができる。このため、開閉枠50の開放報知の際に、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作有無に応じた適切な処置を実行できる。なお、可動体動作時の扉開放報知と通常時の扉開放報知とを区別せずに同一の報知としてもよい。
S63のあとには、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を制限する(S64)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止し、外部可動体810の動作を停止して原点位置に復帰させる。S64では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作中(例えば、第1演出可動体300が、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の実行中、あるいは、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の実行中など)に開閉枠50が開放される(扉開放検出スイッチ(図示略)がオンとなる)と、第1演出可動体300の動作を停止させる処理を実行する。このため、開閉枠50が開放されているときに第1演出可動体300が前記の動作(第1演出可動体300の進出動作や後退動作など)することによる不具合(例えば、第1演出可動体300による挟み込みや、第1演出可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1演出可動体300や第2透過体260など)の損傷など)を防止できる。これにより、開閉枠50が開放された際の第1演出可動体300による不具合を防止できる。また、外部可動体810の動作中に開閉枠50が開放される(扉開放検出スイッチ(図示略)がオンとなる)と、外部可動体810を原点位置に復帰させる。このため、開閉枠50が開放されているときに外部可動体810が進出動作することや進出状態のままであることによって、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することを防止することができる。これにより、開閉枠50が開放された際の外部可動体810による不具合を防止できる。なお、図31に示すようにS63のあとにS64を実行しているが、S64のあとにS63を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作制限を実行できる。
また、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づいて、可動体の動作の停止させることが可能であり、可動体動作コマンドの受信(所定条件の成立)に基づく可動体の動作制御(例えば、第1演出可動体300が、図17、図18に示す進出位置や後述する図38に示す変形例1の第2位置P2へ向かう進出動作の制御や、図16に示す原点位置や第2位置P2から第1位置P1などへ向かう後退動作の制御など)よりも、開閉枠50が開放されたことを少なくとも含む特定条件の成立に基づく可動体の動作制御(例えば、第1演出可動体300などを停止させる制御など)を優先して該可動体の動作制御を実行可能である。このため、開閉枠50が開放されているときに可動体が動作すること、開閉枠50が開放されてから可動体が動作すること、可動体の動作後に開閉枠50が開放されて該可動体が復帰動作すること等による不具合(例えば、第1演出可動体300による挟み込みや、第1演出可動体300自体やその関連部品または扉部材側の部品(第1演出可動体300や第2透過体260など)の損傷など、外部可動体810が進出動作することや進出状態のままであることによって、隣のパチンコ遊技機1やその関連部品、遊技者などに接触することなど)を防止できる。これにより、扉部材が開放された際の可動体による不具合を防止できる。なお、特定条件は、開閉枠50が開放されたこと(開閉枠50の開放が検知されたこと、開閉枠50の開放エラーの発生など)を少なくとも含むとしているが、これに限定されるものではない。特定条件は、例えば、振動モータ異常エラー、役物初回起動エラー、磁石エラー(磁気検出エラー)、振動検出異常、不正入賞エラー、RAMクリア、開閉枠50の開放などのうちの少なくとも一つを含むものであってもよい。また、所定条件としては、可動体動作コマンドの受信に限定されない。例えば、可動体演出の実行設定、可動体演出の実行タイミングとなっていること、イニシャル動作コマンドの受信、客待ちデモ指定コマンドの受信など動作の契機となる条件であってもよい。
なお、S64では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方の動作中に開閉枠50が開放されると、図31に示すように、第1演出可動体300が動作中であればその動作を停止させ、外部可動体810が動作中であれば原点位置に復帰させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S64において、外部可動体810の動作を停止させ、第1演出可動体300などを原点位置に復帰させるとしたり、第1演出可動体300などの動作を継続させるとしたりしてもよい。また、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、開閉枠50が開放されると、演出制御用CPU120は、S64において、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、原点位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1演出可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rとしてもよい。この構成によれば、可動体の動作中に開閉枠50が開放されると、対象可動体(第1演出可動体300)の動作を停止させるが、特定可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)の動作中に開閉枠50が開放されたとしても、特定可動体は、第1透過体250と第2透過体260との間に位置する動作を行わない可動体であるので、特定可動体についてはその動作を停止させずに継続させることができる(あるいは 、原点位置等に戻すことができる)。これにより、可動体に応じた制御を行うことができる。つまり、可動体の種類(可動体、特定可動体のいずれであるか)に応じた制御を行うことができる。
また、演出制御用CPU120は、S64において、第1演出可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
なお、第1演出可動体300の動作を制限する(S64)例として、第1演出可動体300を原点位置に復帰させる制御を行うようにしてもよい。これによれば、例えば、可動体演出において第1制御や第2制御を実行しているときに、第1演出可動体300の動作異常が発生して該第1演出可動体300が第1演出位置などで動かなくなったり、遊技領域10内で球詰まりが生じたりするなどして、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、開閉枠50を開放する際に第1演出可動体300が後透過板261と接触しない位置(例えば、待機位置等)に向けて退避するため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
一方、S65のあとには、可動体の動作を禁止する(S66)。例えば、S66では、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)を禁止し、外部可動体810の進出動作を禁止する。なお、図31に示すようにS65のあとにS66を実行しているが、S66のあとにS65を実行するようにしてもよい。この場合には、いち早く可動体動作禁止を実行できる。
なお、S66において、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S66において、対象可動体(少なくとも外部可動体810)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S66において、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S66)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。なお、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
一方、扉開放検出スイッチがオンでないとき(S61;No)、S64のあと、又は、S66のあとには、本処理は終了する。
<別例1の報知制御処理(S57)>
なお、図32(A)に示すように、別例1の報知制御処理(S57)において、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)ようにしてもよい。図32(A)に示す別例1の報知制御処理(S57)では、演出制御用CPU120は、例えば、扉閉鎖フラグがオンであるか否かを判定する(S60)。扉閉鎖フラグは、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示すフラグである。扉閉鎖フラグがオンでなければ(S60;No)、扉開放検出スイッチがオンであるか否かを判定する(S61)。このS61〜S66については、前述した図31と同じであるため、ここでの説明を省略する。S64のあと、又は、S66のあとには、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放フラグをオンにセットする(S67)。つまり、開閉枠50が開放されたことにより、扉開放検出スイッチがオンとなった(S61;Yes)ため、扉開放フラグをオンにセットする(S67)。
一方、扉開放検出スイッチがオンでなければ(S61;No)、つまり、開閉枠50の閉鎖状態であれば、扉開放フラグがオンであるか否かを判定する(S61A)。扉開放フラグがオンであれば(S61A;Yes)、扉開放フラグをオフにリセットし(S61B)、扉閉鎖フラグをオンにセットする(S61C)。つまり、開放状態となっていた開閉枠50が閉鎖状態になったことを示す扉閉鎖フラグが、オンにセットされる。
一方、扉閉鎖フラグがオンであれば(S60;Yes)、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(例えばショートイニシャル動作)を実行する(S60A)。演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、開閉枠50の閉鎖時に第1演出可動体300のショートイニシャル動作を実行する。S60Aのあと、扉閉鎖フラグをオフにリセットする(S60B)。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61A;No)、S61Cのあと、S67のあと、又は、S60Bのあとには、本処理は終了する。これにより、開閉枠50の閉鎖時に、第1演出可動体300を確実に原点位置に復帰させることができる。このため、第1演出可動体300を原点位置から動作させることができ、好適に第1演出可動体300を制御できる。
なお、演出制御用CPU120は、開閉枠50の閉鎖時に第1演出可動体300が原点位置にある場合には、ショートイニシャル動作を実行しないようにしてもよい。このように、既に原点位置にある第1演出可動体300については、不要なショートイニシャル動作を実行しなくて済む。このため、原点位置にない第1演出可動体300についてのみショートイニシャル動作を実行することができ、適切なイニシャル動作を実行することができる。
なお、開閉枠50の閉鎖時に可動体のイニシャル動作(S60A)を、例えばロングイニシャル動作としてもよい。
なお、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1演出可動体300に限らず、全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)についてイニシャル動作(ショートイニシャル動作、ロングイニシャル動作の何れであってもよい)が実行されるようにしてもよい。さらに、S60Aにおいて、全ての可動体のうち、原点位置にある可動体についてのイニシャル動作を行わないようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する突出役物(第1演出可動体300)及び第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない非突出役物(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)の何れも原点位置に戻すようにしているが、突出役物及び非突出役物のうちの一方について原点位置に戻すようにしてもよい。また、演出制御用CPU120は、S60Aにおいて、全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R、外部可動体810)についてイニシャル動作を所定の順番(イニシャル動作用として設定された順番や、可動体演出のときと同じ順番など)で行うようにしてもよい。所定の順番でイニシャル動作を行うことにより、適切なイニシャル動作を実行することができる。また、各可動体のイニシャル動作に優先順位を設定してもよい。イニシャル動作の優先順位としては、例えば、突出役物(第1演出可動体300、外部可動体810)を非突出役物(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)よりも優先して実行するとしたり、その逆の優先順としたりしてもよい。
<別例2の報知制御処理(S57)>
なお、図32(B)に示すように、別例2の報知制御処理(S57)において、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を、検出手段の検出結果によって動作させる(S64A、S64B)ようにしてもよい。この検出手段としては、扉開放検出スイッチ(図示略)、プッシュボタン31B、遊技者以外の遊技場関係者が操作可能な関係者専用の操作ボタン(図示略)のうちの少なくとも一つとすればよい。関係者専用の操作ボタン(図示略)は、例えば、開閉枠50が開放されることで露出するボタンとすることで、遊技場関係者のみが操作可能とすることができる。ここでは、検出手段は、前記の関係者専用の操作ボタンであるとする。別例2の報知制御処理におけるS61〜S66は、前述した図31と同じであるため、ここでのその説明を省略する。S64のあと、演出制御用CPU120は、例えば、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定する(S64A)。演出制御用CPU120は、関係者専用の操作ボタンの操作有りのときには(S64A;Yes)、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を動作させる(S64B)。関係者専用の操作ボタンが操作されている期間において第1演出可動体300が動作するようにしてもよいし、関係者専用の操作ボタンが1回操作されれば第1演出可動体300が動作するようにしてもよい。一方、関係者専用の操作ボタンの操作がなければ(S64A;No)、本処理はそのまま終了する。これにより、安全を確認してから第1演出可動体300を動作させる(例えば、停止した第1演出可動体300を、原点位置に復帰させたり、第1位置に動作(例えば格納など)させたり、第2位置に動作(例えば進出など)させたりする)ことができる。なお、可動体としては第1演出可動体300に限定されるものではなく、開閉枠50が開放されることで動作が停止された全ての可動体(第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600R)を個別に動作させたり、これら全部を同時に動作させたりしてもよい。なお、S64Aでは、関係者専用の操作ボタンの操作の有無を判定しているが、遊技場関係者の動作を検出する赤外線センサなどにおいて遊技場関係者の動作の有無を判定してもよい。遊技場関係者の動作が検出された場合には、開閉枠50が開放されることで動作が停止された第1演出可動体300を動作させる(S64B)ようにしてもよい。なお、外部可動体810については、開閉枠50が開放されると、動作を停止させる場合には、進出状態の外部可動体810を、検出手段の検出結果によって復帰動作や進出動作をさせる(S64A、S64B)ようにしてもよい。
<別例3の報知制御処理(S57)>
なお、図33(A)に示すように、別例3の報知制御処理(S57)において、可動体演出を有する変動パターンであるか否かに基づいて可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。別例3の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、図33(A)に示すように、例えば、扉開放検出スイッチ(図示略)がオンであるか否かを判定する(S61)。扉開放検出スイッチがオンであれば(S61;Yes)、扉開放報知(第2開放報知)が実行される(S65)。S65のあと、可動体演出を有する変動パターンであるか否かを判定する(S65A)。後述する図35(A)に示す可動体演出設定処理のS505において、可動体演出パターンが設定されている場合には、可動体演出を有する変動パターンであると判定され(S65A;Yes)、そうでない場合には可動体演出を有する変動パターンでないと判定される(S65A;No)。可動体演出を有する変動パターンであれば(S65A;Yes)、第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方が動作中であるか否かを判定する(S65B)。例えば、第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300が動作中であれば(S65B;Yes)、第1演出可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止する。また、外部可動体810が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。外部可動体810が動作中であれば(S65B;Yes)、外部可動体810の動作を制限する(S65C)。例えば、外部可動体810を原点位置に復帰させる。
なお、S65Cでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作中に開閉枠50が開放されると、第1演出可動体300の動作を停止させているが、これに限定されない。例えば、演出制御用CPU120は、S65Cにおいて、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R、外部可動体810のうちの少なくとも一つが動作中に開閉枠50が開放されると、これら全ての可動体の動作を停止させたり、動作中の可動体のみ動作を停止させたりするようにしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、対象可動体については動作を停止し、非対象可動体(特定可動体)については動作を継続(あるいは 、原点位置等に戻すように)してもよい。例えば、対象可動体は、外部可動体810と、第1透過体250と第2透過体260との間に進出する第1演出可動体300とし、非対象可動体(特定可動体)は、第1透過体250と第2透過体260との間に進出しない第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rとしてもよい。
また、S65Cにおいて、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作を停止させているが、その動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)するなどとしてもよい。また、動作の範囲、速度、加速度などを、開閉枠50が開放されていないときの動作に比べて限定した範囲、異なる速度(遅い速度)、異なる加速度(小さい加速度)などとしてもよい。
一方、第1演出可動体300が動作中でなければ(S65B;No)、可動体の動作を禁止する(S65D)。例えば、S65Dでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)と外部可動体810の進出動作とを禁止する。つまり、可動体演出を有する変動パターンについての可変表示の開始(演出図柄の変動表示の開始)から可動体演出による可動体動作が開始(実行)されるまでの期間、該可動体動作の終了から可変表示が確定表示(確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)が停止表示)されるまでの期間についても、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する。これによれば、可変表示の開始(変動表示の開始)から可動体動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、可動体動作終了後から図柄確定までの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、可動体演出を有する変動パターンでないとき(S65A;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。
なお、S65Dにおいて、演出制御用CPU120は、例えば、全ての可動体(対象可動体、非対象可動体の全て)の動作を禁止するようにしてもよい。また、S65Dにおいて、対象可動体(第1演出可動体300、外部可動体810)のみ動作を禁止し、非対象可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)の動作は禁止せずに許可するようにしてもよい。つまり、開閉枠50が開放された状態であっても、非対象可動体については、その動作期間になると動作させるようにしてもよい。また、S65Dにおいて、動作の内容を制限するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300の第2動作(突出)は禁止(停止)するが、第1動作(非突出)は継続(実行)してもよい。
また、演出制御用CPU120は、例えば、可動体の動作禁止(S65D)については、開閉枠50が閉鎖されると、直ちに上記動作禁止を解除して可動体の動作を可能としている。なお、開閉枠50の閉鎖から所定期間経過後や、実行中の可変表示が終了した時点で、上記禁止を解除して可動体の動作を可能としてもよい。
上述した別例3の報知制御処理(図33(A)参照)によれば、S65Aを備えているので、可動体動作演出を含む変動パターンの場合(S65A;Yes)のみ開閉枠50による可動体の動作停止判断処理(S65C)や動作禁止判断処理(S65D)を行い、それ以外の変動パターンではかかる停止判断処理を行わないようにすることができ、処理効率を向上させることができる。
<別例4の報知制御処理(S57)>
なお、図33(B)に示すように、別例4の報知制御処理(S57)において、客待ちデモ指定コマンドに基づいて客待ちデモンストレーション時における可動体の動作制限(S65C)や可動体の動作禁止(65D)とするようにしてもよい。このS61、S65C、S65Dについては、前述した図33(A)と同じであるため、ここでの説明を省略する。別例4の報知制御処理では、演出制御用CPU120は、S65のあと、主基板11からの客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S65E)。客待ちデモ指定コマンドは、例えば演出表示装置5A、5X、5Yの画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)と該デモ画面表示とともに可動体を動作させるデモ演出などを指定する演出制御コマンドである。客待ちデモ指定コマンドを受信していれば(S65E;Yes)、客待ちデモ演出において第1演出可動体300及び外部可動体810の少なくとも一方がデモ動作中(可動体デモ動作中)であるか否かを判定する(S65F)。例えば、第1演出可動体300が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。第1演出可動体300がデモ動作中であれば(S65F;Yes)、第1演出可動体300の動作を制限する(S65C)。例えば、第1演出可動体300の動作を停止する。また、外部可動体810が原点位置にあれば、動作中でないと判定され、原点位置になければ動作中であると判定される。外部可動体810が動作中であれば(S65F;Yes)、外部可動体810の動作を制限する(S65C)。例えば、外部可動体810を原点位置に復帰させる。
一方、第1演出可動体300がデモ動作中でなければ(S65F;No)、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する(S65F)。例えば、S65Fでは、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の動作(例えば、第1動作ACT1や第2動作ACT2など)及び外部可動体810の動作を禁止する。つまり、デモ画面表示の開始から第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作が開始(実行)されるまでの期間、該第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間についても、第1演出可動体300及び外部可動体810の動作を禁止する。これによれば、デモ画面表示の開始から第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作開始までの期間において開閉枠50が開放となると、可動体動作をそもそも実行しないとすることができる。また、第1演出可動体300及び外部可動体810のデモ動作の終了からデモ画面表示が終了されるまでの期間においても可動体動作を実行しないとすることができる。コマンド化けやノイズによる可動体動作コマンドの出力に起因する想定外の可動体(特に付勢による役物)動作を未然に防止できる。一方、扉開放フラグがオンでないとき(S61;No)、客待ちデモ指定コマンドを受信していないとき(S65E;No)、S65Cのあと、又は、S65Dのあとには、本処理は終了する。なお、図33(B)に示す別例4の報知制御処理(S57)における可動体としては、第1演出可動体300のみに限定されるものではなく、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rのうちの少なくとも一つとしてもよい。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
例えば、特定された演出制御コマンドに応じてその受信フラグをセットしたり、各格納領域に格納したりする。各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて演出表示装置5Aの第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示画像の数を増減させてもよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(演出図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して演出表示装置5A,5X,5Yに画像を表示させたり、駆動制御データに従った駆動制御指令を表示装置駆動機構900に伝送して演出表示装置5X,5Yを駆動させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をLED制御基板14に伝送して演出用LED9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図34(A)は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。
次にS170〜S175の処理を説明する。S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かを判定する。当該判定は、例えば変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かによって判定すればよい。当該コマンドを受信している場合、演出プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理は終了する。当該コマンドを受信していない場合、本処理はそのまま終了する。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図34(B)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出図柄の可変表示結果としての確定演出図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定演出図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定演出図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定演出図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定演出図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。さらに、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄のうち演出表示装置5Aの画面上における「中」の演出図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定演出図柄を決定する。例えば中確定演出図柄の図柄番号が左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定演出図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定演出図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定演出図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定演出図柄を決定するときには、左確定演出図柄及び右確定演出図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定演出図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)演出図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、演出表示装置5Aの画面上における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す演出図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す演出図柄)のいずれを確定演出図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、演出表示装置5Aにおいて大当りを想起させるが確変状態を想起させないような演出図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定演出図柄となるものを決定する。これにより、確定演出図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
S321のあと、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。なお、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かなどに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322のあと、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323のあと、演出制御用CPU120は、例えばスーパーリーチAのリーチ演出の場合に可動体を動作させる可動体演出設定処理(S323A)を実行する。
図35(A)に示す可動体演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチAの変動パターンであるかを判定する(S501)。スーパーリーチAの変動パターンであると判定された場合(S501;Yes)には、可動体演出の有無及び種類を決定する(S502)。詳しくは、S502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図35(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定する。
図35(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「動作パターンPTA−1(図11に示す第1動作形態)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「動作パターンPTA−2(図11に示す第1動作形態となった後に図12に示す第2動作形態)」が30%の確率で決定される。なお、「動作パターンPTA−1」は、例えば、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態となり、外部可動体810が進出動作する動作パターンである。また、「動作パターンPTA−2」は、例えば、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態となった後に図12に示す第2動作形態となり、外部可動体810が進出動作する動作パターンである。なお、動作パターンPTA−1と動作パターンPTA−2とで外部可動体810の進出位置を異なるようにしてもよい。例えば、動作パターンPTA−1では外部可動体810が第1進出位置に進出し、動作パターンPTA−2では外部可動体810が第1進出位置よりも進出した第2進出位置に進出するとしてもよい。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「動作パターンPTA−1(第1動作形態)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「動作パターンPTA−2(第1動作形態後に第2動作形態)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「動作パターンPTA−2(第1動作形態後に第2動作形態)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図12に示す第2動作形態に動作する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「動作パターンPTA−1(図11に示す第1動作形態)」が実行されるため、第1演出可動体300が図11に示す第1動作形態に動作する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なおここでは、動作パターンPTA−2は、第1動作形態となった後に第2動作形態を行うものとしているが、これに限定されない。例えば、動作パターンPTA−2は、図12に示す第2動作形態のみを行うものとしてもよい。
なお、スーパーリーチAの変動パターンに限らず、スーパーリーチBの変動パターンにおいて可動体演出が実行可能であるとしてもよい。また、スーパーリーチの変動パターンには、擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、可動体演出の決定については、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
図35(A)に示すS502のあと、可動体演出が有りに決定されたか否かを判定する(S503)。可動体演出が有りに決定された場合(S503;Yes)には、可動体演出の実行有りを示す可動体演出フラグをオン状態にセットする(S504)。S504のあと、演出制御用CPU120は、第1可動体デッドエンドフラグと第2可動体デッドエンドフラグのうち少なくとも一方がオン状態であるか否かを判定する(S504A)。第1可動体デッドエンドフラグ及び第2可動体デッドエンドフラグの何れもオン状態でない場合には(S504A;No)、S502で決定された種類の可動体演出に対応する可動体演出パターンを設定する(S505)。つまり、S502において決定された動作パターンPTA−1又はPTA−2を設定する。一方、第1可動体デッドエンドフラグと第2可動体デッドエンドフラグのうち少なくとも一方がオン状態であれば(S504A;Yes)、可動体演出パターンに替わる演出パターンであって、第1可動体(例えば第1演出可動体300など)及び第2可動体(外部可動体810)を動作させない代替演出パターンを設定する(S505A)。S501にてスーパーリーチ変動パターンでないと判定された場合(S501;No)、S503にて可動体演出が無しの場合(S503;No)、S505のあと、又は、S505Aのあとには、可動体演出設定処理を終了する。
図34(B)に戻って、S323Aの処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、演出表示装置5Aの画面上にて演出図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、演出表示装置5Aの表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。
S325のあとには、演出図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留記憶表示エリア5Dの第1保留表示や第2保留記憶表示エリア5Uの第2保留表示などを更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留記憶表示エリア5Dにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留記憶表示エリア5Uにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図34(A)に戻って、S172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。図36に示す可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、演出制御用CPU120は、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図34(B)に示すS323の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、LED制御基板14などに対して伝送させる。これにより、演出表示装置5A,5X,5Yの画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、演出用LED9を点灯、点滅又は消灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343のあとには、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。S347のあとには、演出制御用CPU120は、可動体演出フラグがオンであるか否かを判定する(S347A)。可動体演出フラグがオンである場合には(S347A;Yes)、スティックコントローラ31A等の操作が有効である操作有効期間であるか否かを判定する(S347B)。操作有効期間である場合には(S347B;Yes)、スティックコントローラ31Aの操作があったか否かを判定する(S347C)。スティックコントローラ31Aの操作があった場合には(S347C;Yes)、操作フラグをオン状態にセットする(S347D)。S347Bにて操作有効期間ではないと判定されたときや(S347B;No)、S347Cにてスティックコントローラ31Aの操作がないと判定されたときや(S347C;No)、S347Dのあとには、可動体演出期間であるか否かを判定する(S347E)。可動体演出期間である場合には(S347E;Yes)、操作フラグがオンであるか否かを判定する(S347F)。操作フラグがオンである場合には(S347F;Yes)、可動体演出パターンに設定されているか否かを判定する(S347J)。可動体演出パターンに設定されている場合には(S347J;Yes)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)。一方、可動体演出パターンに設定されていない場合には(S347J;No)、操作フラグがオンでない場合には(S347F;No)、可動体演出に替わる代替演出実行処理が行われる(S347H)。なお、可動体演出パターンに設定されている場合には(S347J;Yes)、操作フラグがオンでない場合でも(S347F;No)、可動体演出実行処理が行われる(S347G)ようにしてもよい。
S347Aにて可動体演出フラグがオンではないと判定されたときや(S347A;No)、S347Eにて可動体演出期間ではないと判定されたときや(S347E;No)、S347Gのあとや、S347Hのあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、演出図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、演出図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させる。そして、S350のあとには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。S351のあとには、可動体演出フラグと操作フラグとをオフ状態にリセットする(S351A)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
S174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を演出表示装置5A,5X,5Yの画面上に表示させることや、演出表示装置5X,5Yを動作させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、LED制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により演出用LED9を点灯、消灯等させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。当り中処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。エンディング処理においては、演出表示装置5A,5X,5Yにおいて、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
次に、本実施の形態における可動体演出及び表示装置演出を含む複合演出の一例を、図37を用いて説明する。図37は、(A)〜(F)は複合演出の流れの一例を示す説明図である。
先ず、図37(A)に示すように、例えば、所定の図柄変動表示中においてリーチ状態が成立した後、図37(B)に示すように、演出表示装置5X,5Yを演出表示装置5Aの前方側の位置に近づくように移動し、演出表示装置5X,5Yにスーパーリーチ演出等に発展したことを示す表示が実行される。
その後、図37(C)に示すように、演出表示装置5X,5Yが互いに接触して1つの表示部を形成するとともに、該表示部に遊技者に対して操作手段を操作するよう促す操作促進画像が表示される。
遊技者が操作手段の操作受付期間中に該操作手段を操作すると、図37(D)に示すように、演出表示装置5X,5Yが待機位置に移動するとともに、本実施の形態における可動体演出の開始条件が成立したとして可動体演出が実行され、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが演出動作して可動体ユニットが動作待機形態から第1動作形態に変化する。このとき、各可動体が演出表示装置5Aの表示部の前方に重畳して演出表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。また、外部可動体810の進出動作が実行される。
可動体ユニットの第1動作形態が所定時間経過すると、図37(E)に示すように、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500Rが収納されるとともに、第1演出可動体300及び第4演出可動体600L,600Rが演出動作して可動体ユニットが第1動作形態から第2動作形態に変化する。このときにも、各可動体が演出表示装置5Aの表示部の前方に重畳して演出表示装置5Aの表示部が遊技者から視認困難となる。また、可動体演出の実行中(例えば、図37(D)に示すように可動体ユニットが動作待機形態から第1動作形態に変化するとき、可動体ユニットが第1動作形態のとき、図37(E)に示すように第2動作形態に変化するときなど)には、遊技領域側発光部品(例えば、センター飾り枠52の発光部品(LED)、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bの発光部品(LED)、遊技盤2の表面の少なくとも一部を発光させるための発光部品(LED)の少なくとも一つ)を消灯または該可動体演出を実行していないときよりも低い輝度で発光させている。これにより、可動体演出を目立たせることができ、可動体演出に遊技者を注視させることができる。よって、演出の効果を向上させることができる。
次いで、可動体ユニットの第2動作形態が所定時間経過すると、第1演出可動体300及び第4演出可動体600L,600Rの収納動作が実行され、外部可動体810が原点位置に復帰され、可動体演出が終了する。そして、スーパーリーチ演出が実行され、このスーパーリーチ演出の実行後に、例えば大当りの場合には、演出表示装置5Aに大当りを示す図柄を揃えて(例えば、7−7−7等)を表示するとともに、演出表示装置5X,5Yにエフェクト画像(例えば、キャラクタや文字等)を表示する。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、第1条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば3回に到達したこと)にもとづいて第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の演出動作を制限し、第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えば、原点復帰の動作回数であれば10回に到達したこと)にもとづいて第2可動体(例えば、外部可動体810など)の演出動作を制限するので、適切な可動体の制御を行うことができる。
なお、第1条件(例えば、第1確認条件)の成立としては、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の原点復帰の動作回数であれば3回に到達したこと以外に、3回以外の回数への到達としてもよい。また、第1条件(例えば、第1確認条件)の成立としては、原点復帰の動作期間の到達などとしてもよい。この原点復帰の動作期間であれば30秒に到達したことなどとしてもよいし、30秒以外の時間に到達としてもよい。また、この実施の形態では、第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)が原点位置にないときの原点復帰の累積動作回数としているが、原点復帰の連続動作回数としてもよいし、原点復帰の累積動作期間、原点復帰の連続動作期間などとしてもよい。また、第2条件(例えば、第2確認条件)の成立としては、第2可動体(例えば、外部可動体810など)の原点復帰の動作回数であれば10回に到達したこと以外に、10回以外の回数への到達としてもよい。また、第2条件(例えば、第2確認条件)の成立としては、原点復帰の動作期間の到達などとしてもよい。この原点復帰の動作期間であれば100秒に到達したことなどとしてもよいし、100秒以外の時間に到達としてもよい。また、この実施の形態では、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が原点位置にないときの原点復帰の累積動作回数としているが、原点復帰の連続動作回数としてもよいし、原点復帰の累積動作期間、原点復帰の連続動作期間などとしてもよい。
例えば、遊技者が接触可能な第2可動体(例えば、外部可動体810など)についても、遊技者が接触不可能な第1可動体(例えば、第1演出可動体300など)の第1確認条件と同じ条件で動作を制限すると、徒に可動体の動作が制限されることになり、適切な可動体の制御を行うことができない虞がある。そこで、第2可動体については、遊技者の接触により原点位置に復帰できないこともあり得ることから、第1確認条件よりも緩い第2確認条件(言い換えれば、第1確認条件を包含する条件であって閾値が拡張された条件)で原点位置に復帰しない場合に、第2可動体の演出動作を制限するので、第2可動体が第1可動体の第1確認条件に律せられることがなく、第1可動体、第2可動体のそれぞれの環境を考慮して可動体の制御を行うことができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)の所定動作(例えば、初期化動作及び演出動作のうちの少なくとも一方の動作など)後、特別期間毎(例えば、1分毎など)に第2可動体が原点位置にあるか否かの監視を行うので、遊技者が接触可能な第2可動体を確実に原点位置から動作させることができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が進出位置にある場合、または、動作中である場合に、扉部材(例えば、開閉枠50など)が開放されると、第2可動体を原点位置に動作させるので、扉部材の開放によって、進出位置または動作中の第2可動体が他の構成物(隣の遊技機や関連機器など)や人などに接触することを防止できる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、第2可動体(例えば、外部可動体810など)が原点位置に復帰できない期間が特殊期間(例えば、10秒など)となると、エラー状態に移行するので、第2可動体の状態を把握することができ、エラー状態に応じた対応をとることができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、エラー状態になった後に、第2可動体(例えば、外部可動体810など)を原点位置に動作させることを含む初期化動作(例えばイニシャル動作)を実行するので、エラー状態となった第2可動体を適切に復帰処理を実行することができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、エラー状態になった回数であるエラー回数が特定回数に到達すると、第2可動体の演出動作を制限するので、第2可動体がエラー状態であることの蓋然性を好適に判断でき、エラー状態にある第2可動体の演出動作を制限することができる。これにより、適切な可動体の制御を行うことができる。
また、本体(例えば、遊技機用枠3など)に対して開閉可能な扉部材(例えば、開閉枠50など)と、前記扉部材に設けられた透過部材(例えば、窓部51)と、動作可能な第3可動体(例えば、第1演出可動体300など)と、少なくとも前記第3可動体の動作を制御する可動体制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、を備え、前記透過部材は、第1透過部材(例えば、第1透過体250)と、該第1透過部材よりも前記本体側に設けられた第2透過部材(例えば、第2透過体260)と、を有し、前記可動体制御手段は、前記第3可動体を、第1位置から、前記第1透過部材と前記第2透過部材との間の第2位置に向かって動作させることが可能であり(例えば、S323A、S172の処理を実行する演出制御用CPU120により、図38に示すように第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間の第2位置P2に向かう第2動作ACT2が実行可能であるなど)、前記第3可動体の動作中に前記扉部材が開放されると、該第3可動体の動作を停止させる処理を実行する(例えば、S64の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、扉部材が開状態となった際の可動体による不具合を防止できる。なお、第3可動体は、例えば、第1演出可動体300としているが、これとは別の可動体としてもよい。
また、窓部51は、第1透過体250と、該第1透過体250よりも遊技領域10側に配置され孔部270が形成された第2透過体260と、を有し、第1透過体250と第2透過体260との間に形成された空間部Sに孔部270を介して第1演出可動体300の少なくとも一部が進入可能であり、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第1演出位置に移動する第2動作が実行可能である。つまり、第1演出可動体300が図16に示す第1待機位置(原点位置)から、図17または図18に示す第1演出位置に一気に進入させることができ、驚きのある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
また、第1演出可動体300を第1透過体250と第2透過体260との間に加速させて進出させる加速進出手段(1可動体300のスライド板301とベース部材700のレール701とで構成される)を備えるので、第1演出可動体300のスライド板301が、ベース部材700のレール701に沿って斜め下方向に加速させて進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、ベース部材700のレール701は、斜め下向き直線状の経路(下向き案内経路部)を有する案内部材としているので、斜め下向きのレール701に沿って第1演出可動体300のスライド板301が下向きに案内されることで、第1演出可動体300を加速させて第2位置P2に進出させることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。なお、レール701の一部に、下向き以外の部分を有していてもよい。
また、第1演出可動体300は、演出表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である図16に示す第1待機位置(原点位置)から、図17または図18に示す第1演出位置に動作可能である。例えば、原点位置の第1演出可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置にあった第1演出可動体300が突然に第1演出位置に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第1待機位置にある第1演出可動体300を、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第1制御と、該第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第1突出部303を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させたり、第1制御を実行した後、本体部302の面A側(前側)の所定部(前半分)の一部である第2突出部304を、前記第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる第2制御と、を行うことが可能である。この構成によれば、第1演出可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも第1透過体250側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、遊技者によりインパクトを与えることができるため、演出の効果を向上させることができる。
具体的には、第1演出可動体300を第1透過体250側へ移動させる第1制御だけでなく、第1制御を行った後、第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、本体部302の一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)が拡張して第1演出可動体300が拡大しているように見えるため、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、後透過板261は、遊技盤面200Aとの間を遊技球が流下可能となるように盤面板200の前側に対向して配置され、遊技盤面200Aとの間に遊技球の流下領域を形成するものであるため、孔部270は、遊技領域10において遊技球の流下領域に対応しない演出領域(盤面板200に形成された開口2c)に対応する位置に形成される。つまり、遊技球の流下領域を確保する必要があるので孔部270を大きくするには限界があり、また、第1演出可動体300を孔部270に通過させるためには、第1演出可動体300を孔部270よりも大きくすることはできない。
よって、本発明のように、第1演出可動体300を前側へ移動させる第1制御を行った後、本体部302の所定部の少なくとも一部(例えば、第1突出部303や第2突出部304)を、第2透過体260よりも前側で第1制御における移動方向(前下方向)とは異なる方向(前上方向)に移動させる第2制御を行うことにより、孔部270を必要以上に大きくすることなく、しかも後透過板261よりも前側の遊技者に近い位置にて、第1演出可動体300を正面(遊技者側)から見たときに本体部302の一部が拡張しているように見せることができるため、遊技者により迫力ある演出を提供することができる。
また、演出制御用CPU120は、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向(前上方向)に移動させる。このようにすることで、第2制御における第1演出可動体300の第1突出部303や第2突出部304の移動(突出動作)を好適に見せることができる。
また、第2制御において、本体部302の所定部(前半分)の一部である第1突出部303や第2突出部304を、第1制御における移動方向(前下方向)に対し交差する方向であって、かつ、前透過板251に沿う方向である前上方向に移動させるため、正面から見たときに、第1突出部303や第2突出部304を、本体部302の周囲に拡張するように、かつ、遊技者側に向けて移動させることができるため、より迫力ある演出を提供することができる。
第1演出可動体300は、第2制御において遊技領域10とは反対方向(前側)へ移動する、すなわち、第1制御及び第2制御により漸次前方側にせり出すように移動するため、迫力のある演出を行うことができる。
また、第1演出可動体300は、第1制御により、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前下方に下降しながら前側に移動するため、水平に移動するものに比べて、遊技者側に向けて移動してくる様子を分かりやすくすることができる。また、前方への移動時に本体部302の面Aだけでなく面Bも視認できるようになるため、本体部302を大きく見せることができる。
また、第1動作形態において、第1演出可動体300を支持する第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rや、第2動作形態において、第1演出可動体300を支持する第4演出可動体600L,600Rなどの支持手段を備える。このようにすることで、第1演出可動体300の動作時や動作後の姿勢を安定させることができる。
より詳しくは、第1演出可動体300は、遊技盤2の背面側に設けられたベース部材700に動作可能に支持されており、盤面板200と後透過板261とを介して前側に移動するため、後透過板261の手前までしか移動しない従来の可動体に比べて移動距離が長くなるため、ガイドレール等を介して安定して支持させることも考えられるが、後透過板261よりも前側までガイドレール等を設けると、可動体演出の非実行時において、ガイドレール等により後方の遊技領域10の一部が見え難くなるなど、視認性が低下する虞がある。よって、このように他の第4演出可動体600L,600Rなどにより演出動作時にのみ支持されるようにすることで、可動体演出の非実行時における遊技領域10の視認性の低下を防止することができる。
また、第1演出可動体300とは異なる関連可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)を備え、演出制御用CPU120は、第1制御を行った後に、第1演出可動体300に第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rなどを合体可能に移動させる制御が可能である。このようにすることで、合体により第1演出可動体300と第2可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)とが互いに支え合うため、移動後の姿勢を安定させることができる。
具体的には、可動体ユニットの第1動作形態及び第2動作形態において、第1演出可動体300とは異なる関連可動体(第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R)が、第1演出可動体300の周辺位置で当接または近接するように配置されるため、第1突出部303及び第2突出部304の突出動作や該突出動作後に該第1演出可動体300が揺れたりしても、互いに支え合い、姿勢を安定させることができる。
また、第1動作形態において第2演出可動体400及び第3演出可動体500L,500Rが第1演出可動体300と合体したときや、第2動作形態において第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、これら第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rは、後透過板261よりも後側に配置されるようになっている。このようにすることで、第1演出可動体300と第2可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)とは、合体したときに第1制御における第1演出可動体300の移動方向(前後方向)の異なる位置に位置するため、奥行き感を生じさせることができる。
また、窓部51は、遊技領域10を開閉可能であり(図3参照)、第1演出可動体300は、窓部51を開閉する際に第2透過体260に接触しない(図21参照)。このようにすることで、第1演出可動体300や第2透過体260の破損を防止できる。
具体的には、第1演出可動体300の前側の部分(開閉枠50の閉鎖状態において孔部270よりも前透過板251側に配置される部分)は、孔部270の回動領域Z内に配置されているため、開閉枠50を開閉動作しても後透過板261が第1演出可動体300に対して接触することがない。これによれば、例えば、可動体ユニットの動作中、つまり、第1制御や第2制御の実行中に動作エラー等が発生して第1演出可動体300が第1演出位置にて停止したままとなり、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や第1演出可動体300が破損することを防止できる。
なお本実施の形態では、第1演出可動体300は、可動体演出において第1制御や第2制御の実行中であっても孔部270の回動領域Z内に配置されているため、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉枠50を開閉する際に第2透過体に接触しないようになっていればよい。
また、第1演出可動体300には、第1制御を行った後に、第1透過体250以外に向けて光を照射可能な発光手段(例えば、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DR等)が設けられている。このようにすることで、遊技者だけでなく周囲にも演出をアピールすることができる。
具体的には、第1演出可動体300の移動演出だけでなく、可動体LED350A、可動体LED350B、可動体LED350CL,350CR、及び可動体LED350DL,350DRの発光演出も行うことができるため、広範囲に演出をアピールすることができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rの動作に応じて演出用LED9の発光態様を第1〜第5発光態様に変化させることが可能である。このようにすることで、第1演出可動体300の移動を好適に演出することができる。
また、演出制御用CPU120は、演出用LED9を第1発光態様にて発光させた後、該第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させる制御を行う。このようにすることで、第1演出可動体300などの透視性の低下を抑制することができる。
具体的には、第1発光態様で第1制御を行った後、可動体ユニットが第1動作形態時(第2制御時)において、第1発光態様よりも輝度が低い第2発光態様にて発光させるため、第1演出可動体300が拡大しているように見える演出である第2制御時に、演出用LED9の光によりハレーション等が起こり、各可動体の視認性の低下を抑制することができる。
また、遊技領域10を形成するための遊技盤2を有する遊技機用枠3と、遊技機用枠3に対し開閉可能に設けられ窓部51を有する開閉枠50と、開閉枠50における窓部51以外の領域に設けられる開閉扉側発光部品としての演出用LED9と、演出用LED9の発光制御を行う発光制御手段としての演出制御用CPU120とを備え、演出用LED9は、第1制御が行われた後に第1演出可動体300に向けて光を照射可能に設けられている。このようにすることで、第1演出可動体300を光により目立たせることができる。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、第2透過体260には孔部270が形成されているが、これに限定されない。例えば、第2透過体260には、第1演出可動体300が進入可能な大きさの切欠部が形成されているものであってもよい。
(変形例1)
上記実施の形態では、第1演出可動体300は、第1駆動機構310により第1待機位置(原点位置)から第1演出位置に向けて斜め下方向に移動する(図13及び図16の矢印1参照)ようにしているが、これに限定されない。図38に示す変形例1のように、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能としてもよい。つまり、第1演出可動体300が図38に示すように二段階動作するようにしてもよい。例えば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1待機位置(原点位置P0)から真下の第1位置P1に移動する第1動作ACT1(例えば、垂下方向への移動)が可能である。さらに、第1演出可動体300は、第1位置P1から遊技者側に向かって、第1透過体250と第2透過体260との間に後透過板261の孔部270を介して進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2(例えば、水平方向への移動)が可能である。
また、第1演出可動体300は、図38に示すように、演出表示装置5A(表示手段)に重畳しない位置(あるいは、一部が表示手段に重畳する位置であってもよい)である原点位置P0から第1位置P1または第2位置P2に動作可能である。例えば、原点位置P0の第1演出可動体300は、遊技者から見えないまたは見え難くなっており、原点位置P0にあった第1演出可動体300が突然に第1位置P1または第2位置P2に出現してくるので、遊技者に驚きを与えることができる。このため、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。
さらに、第1演出可動体300は、図39(A)に示すように、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)は第1速度V1で実行される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)は第2速度V2で実行される。第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも大きい。例えば、第1速度V1、V2は最大速度、平均速度などとしてもよい。詳しくは、変形例1のS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(A)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(A)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTB−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTB−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1によれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも大きいとしている。このため、遊技者にとって遠い第1位置P1の動作速度よりも、遊技者に近い第2位置P2の動作速度の方が速いので、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、第2動作ACT2の動作速度(第2速度V2)は第1動作ACT1の動作速度(第1速度V1)よりも小さいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300が後透過板261の孔部270または切欠部を介して進入するときの動作速度が遅くなっているので、第2動作ACT2における第1演出可動体300の振動など(進行方向とは異なる方向の振動など)が低減され、第1演出可動体300が孔部270または切欠部に接触することを抑制できる。このため、第1演出可動体300の第2動作ACT2による故障を低減することができる。
なお、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作速度、動作範囲、動作経路及び動作方向のうちの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。なお、この変形例1では、図39に示すように第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作速度が異なっており、図38に示すように第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作方向も異なっている。例えば、動作範囲については、第2動作ACT2の方が第1動作ACT1よりも動作範囲が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。また、動作経路については、第2動作ACT2の方が第1動作ACT1よりも動作経路が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。また、動作方向については、第2動作ACT2は第1動作ACT1とは異なる方向によりも動作経路が大きいとしたり、その逆に小さくしたりしてもよい。
また、図39(B)に示す変形例1Aのように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の発光態様が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)は第1発光態様(例えば輝度I1)で実行される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)は第2発光態様(例えば輝度I2)で実行される。第2動作ACT2の輝度I2は第1動作ACT1の輝度I1よりも小さい。詳しくは、変形例1AのS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1Aによれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の発光態様が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の第2発光態様(例えば輝度I2)は第1動作ACT1の第1発光態様(例えば輝度I1)よりも小さいとしている。このため、第1演出可動体300が遊技者側に近づいたときの眩しさを低減することができる。
なお、第2動作ACT2の第2発光態様(例えば輝度I2)は第1動作ACT1の第1発光態様(例えば輝度I1)よりも大きいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300が遊技者側に近づいたときの方が眩しくすることができ、インパクトのある発光演出を提供することができる。
なお、変形例1Aでは、第1演出可動体300の発光手段(例えば、可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRなど)の第1発光態様と第2発光態様として輝度が異なるとしているが、光量、発光色、点滅間隔、発光シーケンス(例えば可動体LED350A、350B、350CL,350CR、350DL,350DRが点灯する順番など)などの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。
また、図39(C)に示す変形例1Bのように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う音出力手段(例えば、スピーカ8L,8Rなど)の演出音が異なるようにしてもよい。第1動作ACT1(原点位置P0から第1位置P1への移動)では、第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音が出力される。第2動作ACT2(第1位置P1から第2位置P2への移動)では、第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音が出力される。第2動作ACT2の音量Vo2は第1動作ACT1の音量Vo1よりも大きい。詳しくは、変形例1BのS502の処理では、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図39(C)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンとを決定すればよい。
図39(C)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2動作パターンPTC−2(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)」の可動体演出が実行され易くなっており、第1演出可動体300が図38に示す第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1動作パターンPTC−1(第1動作ACT1のみ)」が実行されるため、第1演出可動体300が図38に示す第1動作ACT1を実行する可動体演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
変形例1Bによれば、第1演出可動体300は、第1透過体250と第2透過体260との間に進入しない第1位置P1に動作する第1動作ACT1と、第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作する第2動作ACT2と、が実行可能である。特に、第2動作ACT2では、第1演出可動体300が第1透過体250と第2透過体260との間に進入する第2位置P2に動作するので、遊技者に対して迫力のある可動体演出を提供することができる。また、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで動作に伴う(例えば、スピーカ8L,8Rなど)の演出音が異なる。このため、多様性のある可動体演出を提供することができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。
例えば、第2動作ACT2の第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音は第1動作ACT1の第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音よりも大きいとしている。このため、第1演出可動体300の遊技者に近い第2動作を演出音によって盛り上げることができる。このため、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、第2動作ACT2の第2演出音態様(例えば音量Vo2)の演出音は第1動作ACT1の第1演出音態様(例えば音量Vo1)の演出音よりも小さいとしてもよい。この場合には、第1演出可動体300の遊技者に近い第2動作を、あえて演出音による演出を弱めることで、第1演出可動体300の第2動作ACT2自体に注目させることができる。例えば、静寂効果によって第1演出可動体300の第2動作ACT2に注視させることができる。このため、迫力のある可動体演出を提供できる。
なお、この変形例1Bでは、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作に伴う演出音の音量が異なるとしているが、これに限定されない。第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、動作に伴う演出音の音量、音程、テンポ、楽曲、メロディなどのうちの少なくとも一つが異なるようにしてもよい。一例として、楽曲が異なる例としては、第1動作ACT1の第1演出音態様は例えば楽曲Aが所定音量で再生され、第2動作ACT2の第2演出音態様は例えば楽曲Bが所定音量(楽曲Aのときと同じ音量)で再生されるようにしてもよい。また、楽曲及び音量が異なる例としては、第1動作ACT1の第1演出音態様は例えば楽曲Aが第1音量で再生され、第2動作ACT2の第2演出音態様は例えば楽曲Bが第2音量(楽曲Aのときの第1音量とは異なる音量)で再生されるようにしてもよい。
図39(A)〜(C)に示すように、第1演出可動体300は、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2を実行する場合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2を実行せずに原点位置P0に戻る場合とがあり、第1動作ACT1と第2動作ACT2とで、有利状態に制御される期待度(例えば、大当り期待度など)が異なるので、可動体演出に遊技者を注視させることができる。これにより、演出の効果を向上させることができる。例えば、第1動作ACT1よりも第2動作ACT2の方が、期待度が高い場合には、第2動作ACT2が第1動作ACT1よりも遊技者に近い位置での動作演出となることと相まって、可動体演出の効果を高めることができる。
また、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、図40(A)に示すように、変動開始から変動停止までの複数のタイミングにおいて各種の予告演出が実行可能となっている。これらの予告演出としては、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、有利なリーチに発展するか否かを示唆するリーチ発展予告、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出などがある。上記実施の形態や変形例の可動体演出をこれらの予告演出において実行するようにしてもよい。
リーチ発展予告時の可動体演出の決定例としては、図40(B)に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出の動作パターンを決定すればよい。なお、可動体演出を実行するか否かと、実行ありの場合にはその動作パターンを決定するようにしてもよい。図40(B)に示すように、スーパーリーチ変動パターンの場合は、「第1動作ACT1のみ」が30%の確率で決定され、「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」が70%の確率で決定される。スーパーリーチに発展する場合には、「第1動作ACT1のみ」の可動体演出よりも「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」の可動体演出が実行され易くなっており、可動体演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
リーチ発展予告時の可動体演出は、例えば、図41(A1)に示すように、ノーマルリーチ演出が開始され、スティックコントローラ31Aの操作を促進する操作促進画像が表示される。遊技者がスティックコントローラ31Aを操作すると、図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルを用いて第1動作ACT1に決定された場合には、図41(A2)に示すように、第1演出可動体300が第1動作ACT1(図38に示す第1演出可動体300が原点位置P0から第1位置P1に移動)を行う。図40(B)に示す可動体演出決定用テーブルを用いて第2動作ACT2に決定された場合には、図41(A2)に示す第1演出可動体300が第1動作ACT1を行った後、図41(A3)に示すように第2動作ACT2(図38に示す第1演出可動体300が遊技者側に向かって第2位置P2進出)を行う。そして、図41(A4)に示すように、スーパーリーチ発展が表示され、第1演出可動体300が原点位置P0に復帰する。なお、第1動作ACT1のみの場合には、スーパーリーチに発展しないとしてもよい。また、図40(B)に示す決定例には、第1演出可動体300が動作せずにリーチ発展を示すリーチ発展パターンを選択可能に備えるようにしてもよい。
大当り予告時の可動体演出の決定例としては、図40(C)に示すように、演出制御用CPU120は、可動体演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図40(C)に示す可動体演出決定用テーブルとを用いて、可動体演出の動作パターンを決定すればよい。また、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、可動体演出が実行されない。つまり、第1演出可動体300が動作せず、原点位置P0に止まったままとなる。一方、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「第1動作ACT1後に第2動作ACT2」の可動体演出が実行される。図38に示すように第1演出可動体300が第1動作ACT1した後に第2動作ACT2を実行する可動体演出について、大当りの期待感を持つことができ、第1演出可動体300が動作すれば(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)大当りとなることを知る(大当り確定予告)ことができ、遊技の興趣が向上する。
大当り予告時の可動体演出は、例えば図41(B1)に示すように、スーパーリーチ演出が開始され、煽り演出においてスティックコントローラ31Aの操作を促進する操作促進画像が表示される。遊技者がスティックコントローラ31Aを操作すると、図41(B2)に示すように、第1演出可動体300が第1動作ACT1(図38に示す第1演出可動体300が原点位置P0から第1位置P1に移動)を行う。そして、図40(C)に示すスーパーリーチ(大当り)の場合には、図41(B3)に示すように第1演出可動体300が第2動作ACT2(図38に示す第1演出可動体300が遊技者側に向かって第2位置P2進出)を行う。そして、図41(B4)に示すように、大当り表示がされ、第1演出可動体300が原点位置P0に復帰する。一方、図40(C)に示すスーパーリーチ(ハズレ)の場合には、第1演出可動体300が動作せず、図41(B5)に示すように、第1演出可動体300が原点位置P0に止まったままで、ハズレ表示がされる。つまり、大当り予告時の可動体演出では、第1演出可動体300が動作すれば(第1動作ACT1後に第2動作ACT2)大当りとなることを知る(大当り確定予告)ことができる。
なお、図41(B1)では、第1演出可動体300が原点位置P0にあるときにスティックコントローラ31Aを操作しているが、図41(B2)に示すように第1演出可動体300が第1位置P1に移動した後、スティックコントローラ31Aの操作に基づいて第1演出可動体300の第2動作ACT2を実行させる動作演出が実行可能としてもよい。例えば、図40(C)に示す「動作せず」を「第1動作のみ」とすればよい。この場合には、遊技者の動作の検出に基づいて第1演出可動体300が第2動作ACT2を実行するという動作演出を提供することができる。つまり、第1位置P1にある第1演出可動体300が第2位置P2に移動するのか否かに遊技者を注視させることができ、遊技者を遊技に参加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、変動表示(可変表示)における第1タイミングと第2タイミングとで、第1動作ACT1のみが実行される実行割合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2が実行される実行割合とが異なるようにしてもよい。例えば図40(A)に示すリーチ発展予告の実行タイミング(第1タイミング)と、図40(A)に示す大当り予告の実行タイミング(第2タイミング)とで、第1動作ACT1のみが実行される実行割合と、第1動作ACT1の実行後に第2動作ACT2が実行される実行割合とが異なるようにしている。この場合には、遊技の興趣を向上させることができる。また、所定予告(例えばリーチ発展予告)における複数のタイミングで両実行割合が異なるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第2制御で移動する本体部302の一部が、本体部302内から突出動作する第1突出部303や第2突出部304である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体において、第1制御により孔部を介して第2透過体よりも第1透過体側に位置する部分(所定部)またはその一部が、第2制御において第1制御での移動方向と異なる方向に移動できればよい。つまり、第2制御において動作する部分は、突出動作するものに限られず、スライド移動や回動などにより移動できるものであってもよい。また、可動体の所定部の移動方向は、第1制御における可動体の移動方向と異なれば、例えば、左右、上下、斜め方向等自由に変更することができる。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300が第1演出位置まで移動したときに、本体部302の所定部(前半部)のみが後透過板261よりも前側に位置するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1演出可動体300全体が後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体の一例である第1演出可動体300は、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前下方にスライド移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1待機位置から第1演出位置へ向けて前側に水平に移動するものでもよいし、前上方、前左方、前右方等に移動するものでもよい。つまり、後透過板261の後側から前側に向けて移動可能に設けられていればよい。また、前側に移動するものであればスライド移動ではなく、回動により前側に移動するものでもよい。
また、前記実施の形態では、可動体の一例である第1演出可動体300は、第1待機位置において前部が後透過板261よりも前側に位置するように配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1待機位置において全体が後透過板261よりも後側に位置するように配置されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300のみが第1演出位置まで移動したときに、本体部302の所定部が後透過板261よりも前側に位置する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R、第4演出可動体600L,600Rといった複数の可動体が、演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第1演出可動体300は、演出表示装置5Aの上方位置に配置されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体の配置位置は任意に変更可能である。
また、前記実施の形態では、演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するように動作する可動体の一例として、演出用の可動役物である第1演出可動体300を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600R等を演出位置まで移動したときに所定部が後透過板261よりも前側に位置するように動作する可動体として適用してもよいし、これらとは別個に設けた演出用の可動体でもよい。さらに、このように演出制御基板12に接続される演出用の可動役物に限らず、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなど主基板11に接続される各種表示装置や、普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7等を可動体として適用してもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての第1演出可動体300は、少なくとも一部(後半部)が遊技盤2の背面側に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤面板200の遊技盤面200Aよりも前側に設けられているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、可動体とは異なる関連可動体(例えば、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rなど)を、可動体を支持する支持手段とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動体自体や可動体を動作させる駆動機構等を適宜タイミングで固定するロック機構等を支持手段としてもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体したときにおいて、後透過板261よりも後側に配置される形態を例示したが、例えば、可動体を前後に伸縮自在に構成し、後透過板261よりも後側の位置から後透過板261よりも前側の位置まで伸長するようにすることで奥行き感を生じさせるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第2演出可動体400、第3演出可動体500L,500R及び第4演出可動体600L,600Rが第1演出可動体300と合体した後に第2制御により第1突出部303や第2突出部304が突出する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合体と同時または合体前に第1突出部303や第2突出部304が突出したり移動したりするようにしてもよい。
また、以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10を視認するための窓部51を備え、窓部51は、第1透過体250と、第1透過体250よりも前記遊技領域10側に配置される第2透過体260と、を有し、第1透過体250は、板状部としての前透過板251と筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とを有してなり、前記筒状部は、補強構造部254を有する。
このように、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253を有することにより、開閉枠50の板厚を大きくしなくても板状部としての第1透過板251と後透過板261とを離して配置できるので演出効果が向上するとともに、第1透過体250の筒状部が補強されているため、第1透過体250の板状部である前透過板251と後透過板261との間に形成される空間部Sの周囲を覆う筒状部から不正部材が進入されるといった不正行為を防止できる。
より詳しくは、第1筒状体252及び第2筒状体253からなる筒状部は、開閉枠50の開口から前方に突出するように遊技者から視認可能に設けられていることで、ガラス板からなる前透過板251を避けて筒状部から不正部材などを進入させる不正行為が行われる可能性が高いが、上記のように補強構造部254が複数個所に設けられていることで、筒状部の強度が向上するため、筒状部を撓ませて前透過板251との間に隙間を生じさせたり、穴をあけたりするなどして不正部材を進入させるといった不正行為を抑制できる。
また、補強構造部254は、前透過板251から第2透過体260に向けて延設される凹凸状部(例えば、凸条部254A,255Aや凹条部254B,255Bなど)であることで、筒状部を好適に補強することができる。より詳しくは、前後方向の強度が向上するので、前透過板251が叩かれるなど外力が加えられたときの衝撃により第1筒状体252や第2筒状体253が破損することを抑制できる。
また、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253は非透光性の合成樹脂材により筒状に形成されている。また、第1筒状体252の外周面と、第2筒状体253の内周面にはメッキ加工が施されていることで、周囲の光(例えば、外光や隣接する遊技機からの光など)が入り込んで遊技領域10の視認性が低下することを防止できる。
また、第1筒状体252や第2筒状体253の周方向の複数個所に補強構造部254が形成されることで、筒状部の外周面に凹凸部が形成され、このような凹凸部と外周面に施されたメッキ加工とにより、筒状部の外周面に装飾部が設けられていることで、外観体裁を向上させることができる。
また、窓部51の下方に、遊技球を貯留可能な貯留部としての上皿90を備え、前透過板251は、下方に向けて遊技領域10側に傾斜するように設けられていることで、上皿90へ遊技球を投入する際に第1透過体250が邪魔になることを回避できる。
また、第1透過体250と第2透過体260とは、分離可能に一体化されている。具体的には、図6及び図7に示すように、第1透過体250と第2透過体260とは、ネジN2を取付けることで一体化され、ネジN2を取外すことで分離できるようになっている。
このようにすることで、例えば、前透過板251と後透過板261とのうち一方に傷が付いたり、経年劣化したりすることで遊技領域10の視認性が低下したり、あるいは破損するなどして交換が必要になった場合、第1透過体250と第2透過体260とを分離することで一方のみを部分的に交換することができるため、交換時のコストを低減することができる。特に、機種によって孔部270の形状や位置等が異なる後透過板261を有する第2透過体260だけを交換可能とし、第1透過体250は複数の機種に共通して使用することが可能となる。
また、前記実施の形態では、第2透過体260を構成する後透過板261に形成される孔部270は、盤面板200に形成された開口2cに対応する位置、つまり、遊技球の流下領域以外の領域(演出領域)に対応する位置に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも一部が遊技球の流下領域に対応する位置に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第2透過体260を構成する後透過板261に孔部270が形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、後透過板261に切欠部が形成されていてもよい。具体的には、例えば、遊技領域10を視認可能とするために、後透過板261は遊技領域10とほぼ同形に形成されるものであるが、その周縁の一部に切欠部を形成し、該切欠部を介して可動体を後透過板261よりも前側に位置するまで前側へ移動させることができるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、孔部270は1個所にのみ設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、孔部や切欠部は複数個所に形成されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250は、透過性部材からなる板状部としての前透過板251と筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とを有しており、第1筒状体252及び第2筒状体253は非透過性部材にて構成されている、つまり、第1透過体250の一部が非透過性部材からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1筒状体252及び第2筒状体253も透過性部材にて構成されていてもよい。すなわち、第1透過体250は、板状部または筒状部の少なくとも一部が透過性部材にて構成されていればよい。
また、前記実施の形態では、第2透過体260は、後透過板261と枠体262とを有しており、枠体262は非透過性部材にて構成されている、つまり、第2透過体260の一部が非透過性部材からなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、枠体262も透過性部材にて構成されていてもよい。すなわち、第2透過体260は、少なくとも一部が透過性部材にて構成されていればよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250を構成する筒状部として、第1筒状体252及び第2筒状体253を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筒状部は、前透過板251と後透過板261との間に形成される空間部Sの側周面を閉鎖する壁部にて構成されていれば完全な筒状でなくてもよく、例えば、アーチ状に形成された側壁部にて構成されていてもよい。詳しくは、筒状部は側面視略四角形状となるが、側面視三角形状になっていてもよい。
また、前記実施の形態では、第1透過体250を構成する板状部としての前透過板251と、筒状部としての第1筒状体252及び第2筒状体253とは、それぞれ別部材を一体に組付けることにより構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板状部及び筒状部を、透過性を有する合成樹脂材により一体成型により形成するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、筒状部を第1筒状体252と第2筒状体253、つまり、複数の部材により構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単一の部材にて構成してもよい。
また、前記実施の形態では、前透過板251はガラス材、第1筒状体252及び第2筒状体253は非透光性の合成樹脂材、後透過板261は透光性を有する合成樹脂材にて構成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前透過板251を透光性を有する合成樹脂材にて構成してもよいし、後透過板261をガラス材にて構成してもよい。また、第1筒状体252や第2筒状体253を、透光性を有する合成樹脂材にて構成してもよい。
また、以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域10を視認するための窓部51と、動作可能に設けられた演出表示装置5X,5Yと、演出表示装置5X,5Yを制御するための演出制御用CPU120と、を備え、窓部51は、第1透過体250と該第1透過体250よりも前記遊技領域10側に配置され孔部270が形成された第2透過体260と、を有し、演出制御用CPU120は、後透過板261の背面側の位置で待機状態の演出表示装置5X,5Yを、該演出表示装置5X,5Yの所定部が後透過板261の孔部270を介して後透過板261よりも前透過板251側に位置するまで前側に移動させる第3制御を実行可能である。
このようにすることで、演出表示装置5X,5Yの所定部を第2透過体260の後透過板261よりも第1透過体250側に位置するまで移動させることが可能であることにより、遊技者によりインパクトを与えることができるため、演出の効果を向上させることができる。
また、演出表示装置5X,5Yは、表示部が中央側を向くように若干傾斜した状態のまま後透過板261よりも前透過板251側の位置に移動することが可能である。このようにすることで、演出表示装置5X,5Yの移動を好適に見せることができる。
また、演出制御用CPU120は、前記第3制御を実行した後、演出表示装置5X,5Yを、前記第3制御における移動方向(前後方向)に対し交差する方向(左右方向)に移動させる第4制御を実行可能である。このようにすることで、表示部の表示内容を遊技者以外にも視認可能とすることができる。
また、前述したように、後透過板261は、遊技盤面200Aとの間を遊技球が流下可能となるように盤面板200の前側に対向して配置され、遊技盤面200Aとの間に遊技球の流下領域を形成するものであるため、孔部270は、遊技領域10において遊技球の流下領域に対応しない演出領域(盤面板200に形成された開口2c)に対応する位置に形成される。つまり、遊技球の流下領域を確保する必要があるので孔部270を大きくするには限界があり、また、演出表示装置5X,5Yを孔部270に通過させるためには、演出表示装置5X,5Yを孔部270よりも大きくすることはできない。
よって、本発明のように、演出表示装置5X,5Yを前側へ移動させる第3制御を行った後、演出表示装置5X,5Yの所定部の少なくとも一部(本実施の形態では全体)を、第2透過体260よりも前側で第1制御における移動方向(前方向)とは異なる方向(左右方向)に移動させる第4制御を行うことにより、孔部270を必要以上に大きくすることなく、しかも後透過板261よりも前側の遊技者に近い位置にて、演出表示装置5X,5Yの表示部を見せることができるため、遊技者により迫力ある演出を提供することができる。
また、左右の演出表示装置5X,5Yを孔部270を介して前側に移動させるために、一旦中央寄りに移動させてから孔部270を通過させるので、孔部270を必要以上に大きくすることなく演出表示装置5X,5Yを通過可能とすることができる。そして、孔部270を通過した後、さらに演出表示装置5X,5Yを左右方向へ移動させることができるため、孔部270の位置に制限されることなく、所望の位置(例えば、中央の演出表示装置5Aの視認を妨げない、あるいは隠蔽する位置など)にて、表示部に表示した画像を見せることができる。また、移動後は、演出表示装置5X,5Yの後方に演出表示装置5Aが位置するので、奥行き感を生じさせることができる。
また、第3制御を実行することにより演出表示装置5X,5Yの表示部が遊技領域10よりも前側に配置されるので、例えば、左打ちや右打ちなどの報知だけでなく、所定位置に設けられた入賞領域に向けて遊技球を狙って打ち出させる報知画像などを、遊技領域10の前側から、かつ、狙い箇所の近くで表示することができる。
また、演出表示装置5X,5Yの移動を案内するレール部材(図示略)は、待機状態から第1動作状態に変化する際、また第1動作状態から第2動作状態に変化する際において、演出表示装置5X,5Yと後透過板261との接触を防止する接触防止手段として機能している。このようにすることで、演出表示装置5X,5Yと第2透過体260の後透過板261とが接触して破損することを防止することができる。
また、前記実施の形態では、表示装置の一例として、演出図柄の変動表示が可能な演出表示装置5Aの側方に補助的に設けられる演出表示装置5X,5Yを適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示装置は、演出表示装置5Aを対象としてもよいし、演出表示装置5A,5X,5Yとは別個に設けた演出用の表示装置(例えば、可動体などに搭載される表示装置など)であってもよい。また、このように演出制御基板12に接続される演出用の表示装置に限らず、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなど主基板11に接続される各種表示装置であってもよい。
また、前記実施の形態では、第3制御において、演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも前側まで移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、このような演出表示装置5X,5Yの移動に応じて、表示画面の表示態様を変化させる(例えば、演出表示装置5X,5Yの前方への移動に応じて画像を拡大したり、図柄やキャラクタを動かしたり、背景色を変化させたりするなど)表示制御を行うことで、表示装置の移動と表示画像の変化とによって演出効果を向上させることが可能となる。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yを第1動作状態に変化させたときに、演出表示装置5X,5Y全体が後透過板261よりも前側に位置するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5X,5Yの所定部(例えば、表示部)のみが後透過板261よりも前側に位置するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第4制御において、演出表示装置5X,5Yを左右方向に移動させた後、表示部が外側方を向くように回動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5X,5Yの表示部が前透過板251に沿うように回動させるようにしてもよく、このようにすることで、表示部をより遊技者側に近づけることが可能となる。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yは、前後左右方向に略平行に移動可能に設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3制御において前後方向に向けて上方または下方に傾斜するように移動させてもよい。また、第4制御において、上方または下方に移動させるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yのみが後透過板261よりも前側まで移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5Aや他の表示装置が後透過板261よりも前側に移動するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体としての演出表示装置5X,5Yは、非動作状態において遊技盤2の背面側に設けられている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤面板200の遊技盤面200Aよりも前側に設けられているものであってもよい。
また、前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yは、第4制御の実行後、正面から見たときに遊技領域10における遊技球の流下領域に対応する位置に配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4制御の実行後、正面から見たときに遊技領域10における遊技球の流下領域に対応する位置以外(演出領域に対応する位置)、つまり、孔部270に対応する領域内で演出表示装置5X,5Yを移動させるようにすることが好ましい。
また、このようにすることで、図22にて可動体を一例として説明したように、例えば、演出表示装置5X,5Yの動作中、つまり、第3制御や第4制御の実行中に動作エラー等が発生し、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できるため、後透過板261や演出表示装置5X,5Yが破損することを防止できる。
前記実施の形態では、演出表示装置5X,5Yを孔部270に対応する領域内で移動させるため、後透過板261に接触することなく開閉枠50を開放できる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開閉枠50を開閉する際に第2透過体に接触しないようになっていればよい。
例えば、主基板11に、開閉枠50の開放を検出するための扉開放検出スイッチ(図示略)を接続するとともに、主基板11は、扉開放検出スイッチにより開閉枠50の開放を検出したことに基づいて、開閉枠50が開放されたことを示す扉開放中指定コマンドを演出制御基板12に送信するようにする。そして、演出制御用CPU120は、第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合演出表示装置5X,5Yを待機位置へ移動させる制御を行うようにしてもよい。
これによれば、例えば、演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに、演出表示装置5X,5Yの動作異常が発生して該演出表示装置5X,5Yが後透過板261の前側で動かなくなったり、遊技領域10内で球詰まりが生じたりするなどして、開閉枠50を開放してメンテナンスを行う必要が生じた場合であっても、開閉枠50を開放する際に演出表示装置5X,5Yが後透過板261と接触しない位置(例えば、待機位置等)に向けて退避するため、後透過板261や演出表示装置5X,5Yが破損することを防止できる。
さらに、開閉枠50を開放する際に、球詰まりにより数珠繋ぎ状態で滞留していた遊技球が落下したとしても、第3制御により後透過板261よりも前側、つまり、遊技領域10よりも前側に移動していた演出表示装置5X,5Yが待機位置側へ退避することにより、落下した遊技球が演出表示装置5X,5Yに衝突することを回避できるため、遊技球との衝突により演出表示装置5X,5Yが破損したり、遊技球が演出表示装置5X,5Yとの衝突により跳ねて盤面板200の開口2cを介して盤面板200の背面側に進入してしまうことを防止できる。
また、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の第1制御や第2制御、または演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合、第1演出可動体300や演出表示装置5X,5Yを待機位置へ移動させるだけでなく、実行中の演出表示を中断して、少なくとも第1演出可動体300や演出表示装置5X,5Yが後透過板261よりも後側に移動するまで、開閉枠50の開放を規制する報知(例えば、「開閉枠を開放しないでください」なる音声を出力したり演出表示装置5X,5Yなどにメッセージを表示したりする)を行うようにしてもよい。
また、開閉枠50を閉鎖状態にロックするためのロック機構等を設け、演出制御用CPU120は、第1演出可動体300の第1制御や第2制御、または演出表示装置5X,5Yの第3制御や第4制御を実行しているときに扉開放中指定コマンドを受信した場合、ロック機構によりロックして開閉枠50の開放を規制するようにしてもよい。
また、開閉枠50の開放により可動体が停止した履歴を残すようにしてもよい。また、可動体の動作中に開閉枠50が開放されたことを報知するようにしてもよい。これらによれば、可動体の故障や不正行為があった可能性を遊技店側に知らせることができる。
また、可動体の動作範囲において停止禁止範囲を有する可動体の場合には、該可動体が停止禁止範囲にあるときに開閉枠50となっても停止可能範囲までは可動体が動作するようにしてもよい。また、モータ駆動による可動体と、バネ付勢による可動体とを備え、開閉枠50が開放されると、モータ駆動による可動体については動作停止されるが、バネ付勢による可動体については動作停止されないものであってもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施の形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
スロットマシンの場合、本発明の遊技領域とは、例えば、リール等の変動表示装置による図柄の変動表示が実行される可変表示領域などが該当する。また、本発明の表示装置とは、上記のような図柄の変動表示装置(例えば、リールや液晶表示器など)が該当する。
実施の形態では、検出手段としてコントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の検出手段やタッチパネルなどの接触式の検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
識別情報(特図、演出図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(演出図柄、普通図柄についても同様)。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。