JP7116573B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents
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Description
上述したような従来のサイドエアバッグ装置では全方位の衝突には対応することが困難である。
なお、図1(a)~(b)は本発明の一実施形態である乗員保護装置1を示す概略図であり、図1(a)は乗員保護装置1を示す正面図であり、図1(b)は乗員保護装置1を示す平面図である。図2は、図1に示した第1エアバッグ2の展開駆動を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
特に図1(b)に示すように、第1エアバッグ2は、シートバック102の側方から前方に延在して乗員Pの側方に位置する基端部21と、基端部21より第1エアバッグ2の先端側であって、基端部21からシート100の幅方向内側に向かって延在し、乗員Pの前方に位置する先端部22とを有する。本実施形態で示した第1エアバッグ2は、本発明において展開軌道がシートの幅方向内側に変位する一方のエアバッグの一例である。
第1エアバッグ2は、布製の袋体であり、展開前にはシートバック102内に配置されて成る第1収容部71に折り畳まれて収容される。第1エアバッグ2は全体形状として略板状である。第1エアバッグ2が展開する際には、第1収容部71に付設されて成る第1インフレータ81から発生するガスが第1エアバッグ2内に圧入されることで、第1エアバッグ2が第1収容部71外に膨出し、更にシートバック102のシート表面を開裂させて車室内空間へ展開することとなる。
なお、本実施形態における第1エアバッグ2は展開部位がシート100のシート表面に設定されているが、本発明においてはシートにおける複数の周辺部材のいずれか、具体的には適宜の内装材のいずれかから第1エアバッグが展開することとしても良い。
第2エアバッグ3は、シートクッション101の側方から上方に延在し、乗員Pの下肢の側方で立ち上がるように展開している。本実施形態で示した第2エアバッグ3は、本発明において上記一方のエアバッグをシートの幅方向内側に変位させる他方のエアバッグの一例である。
第2エアバッグ3は、布製の袋体であり、展開前にはシートクッション101内に配置されて成る第2収容部72に折り畳まれて収容される。第2エアバッグ3は全体形状として略三角柱形状である。第2エアバッグ3が展開する際には、第2収容部72に付設されて成る第2インフレータ82から発生するガスが第2エアバッグ3内に圧入されることで、第2エアバッグ3が第2収容部72外に膨出し、更にシートクッション101のシート表面を開裂させて車室内空間へ展開することとなる。
なお、本実施形態における第2エアバッグ3は展開部位がシート100のシート表面に設定されているが、本発明においてはシートの周辺部材のいずれか、具体的には適宜の内装材のいずれかから第2エアバッグが展開することとしても良い。
テーパ部31は、第1エアバッグ2におけるシート表面からの膨出方向に向かって、本実施形態であればシートバック102からの膨出方向である前方に向かって、シート100の幅方向内側に傾斜して成る傾斜面部である。テーパ部31は、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3の展開の際に、第2エアバッグ3における第1エアバッグ2との当接部位に形成される。
図1(b)に示すように、第1エアバッグ2は、第1エアバッグ2の展開方向がテーパ部31によってシート100の幅方向内側に案内される。
ここで、第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3の展開軌道が交差する形態としては、例えば第1エアバッグ2及び第2エアバッグ3を展開したときに相互に当接する形態であれば良い。つまり、第1エアバッグ2がシートバック102から前方に膨出するシート100の幅方向における領域と、第2エアバッグ3がシートクッション101から上方に膨出するシート100の幅方向における領域とが、少なくとも一部が重畳している。
衝突の検知は、例えば車両に搭載される加速度センサなどによって自車両に作用する衝撃を検知することで、衝突が発生したと判別することができる。
また、衝突可能性の検知は、例えば車両に搭載される車外監視用カメラ、監視用センサなどによる他車両又は障害物の監視結果と、自車両の走行速度、方向などのパラメータとを併せることで、自車両に他車両又は障害物が接触し得る可能性を導出する。更に、導出結果が適宜のしきい値を超えているか否かによって衝突可能性の高低を判別することができる。
検知手段4としては、例えば車載カメラ、監視用センサ、加速度センサなどと、監視結果の解析のための演算処理装置とを組合せて用いることができる。
計時手段5としては、例えば時間の計測を行うタイマ部材と車載用の演算処理装置であるECUなどとを組合せて用いることができる。
制御手段6としては、例えば車載用の演算処理装置であるECUなどを用いることができる。
なお、検知手段4の検知結果では衝突の発生が無いと検知手段4が判別した場合は、衝突に備える必要が無く、第1インフレータ81及び第2インフレータ82を駆動させる必要も無いので、本制御フローを完了する(ステップS1のNO)。また、他車両若しくは障害物が自車両に接近していないことで衝突の可能性が無い場合、又は、他車両若しくは障害物が自車両に接近しているが上記リスクが適宜のしきい値を超えていないことで衝突の可能性が低い場合にも、同様に本制御フローを完了する(ステップS1のNO)。
検知手段4の判別結果は制御手段6に出力される。
なお、制御手段6は、本工程で第2インフレータ82に対して駆動信号を出力した旨の電気信号を、計時手段5に対して出力する。制御手段6からの信号入力がなされた計時手段5は、第2インフレータ82の駆動開始からの経過時間を計測し始める。
本工程で用いる所定の時間しきい値は、第2エアバッグ3の展開途中となる時間に設定されても良く、展開が完了している時間に設定されていても良い。
なお、上記経過時間が所定の時間しきい値を超えていない場合は、本工程を繰り返し実行する(ステップS3のNO)。
計時手段5の判別結果は制御手段6に出力される。
この形態では、シートクッション101から展開した第2エアバッグ3が乗員Pの下肢の側方及び上方を囲んだ状態になるので、結果としてシート100の構成のみで前方衝突、側方衝突、後方衝突及び斜め衝突などの様々な衝突形態での乗員Pの下肢に対する保護性能を確保することが可能となる。
なお、図3(a)~(b)は、本発明の他の実施形態に係る乗員保護装置11において第1エアバッグ2と第2エアバッグ301との位置関係を概略的に示す模式図であり、図3(c)は第1エアバッグ2と第2エアバッグ301とを展開させた乗員保護装置11を示す平面図である。図4は、図3に示した第1エアバッグ2及び第2エアバッグ301の展開駆動を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
また、第1エアバッグ2は第2エアバッグ301よりシート100の幅方向内側で展開する。なお、エアバッグの位置関係は、例えばシート100の幅方向における第1エアバッグ2及び第2エアバッグ301のそれぞれの厚みの中心線(図3(a)~(b)に一点鎖線で図示)の位置関係で表すことができる。つまり、図3に示す実施形態では、第1エアバッグ2におけるシート100の幅方向に沿った厚みの中心線Aが、第2エアバッグ301におけるシート100の幅方向に沿った厚みの中心線Bより、シート100の幅方向内側に位置している。
なお、制御手段6は、本工程で第1インフレータ81に対して駆動信号を出力した旨の電気信号を、計時手段5に対して出力する。制御手段6からの信号入力がなされた計時手段5は、第1インフレータ81の駆動開始からの経過時間を計測し始める。
本工程で用いる所定の時間しきい値は、第1エアバッグ2の展開途中となる時間に設定されても良く、展開が完了している時間に設定されていても良い。
なお、上記経過時間が所定の時間しきい値を超えていない場合は、本工程を繰り返し実行する(ステップS31のNO)。
計時手段5の判別結果は制御手段6に出力される。
Claims (7)
- 乗員が着座するシートにおけるシートバックの側方から前方に展開することが可能な第1エアバッグと、
前記第1エアバッグより下方に配置され、前記シートバックの側方から前側上方に展開、又はシートクッションの側方から上方に展開することが可能な第2エアバッグと、
前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグの展開駆動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第2エアバッグの展開を開始し、前記第2エアバッグが所定の展開量に達した後に前記第1エアバッグを展開させ、展開中の第1エアバッグを第2エアバッグに接触させることで第1エアバッグの展開方向を前記シートの幅方向に変位させる、
車両の乗員保護装置。 - 乗員が着座するシートにおけるシートバックの側方から前方に展開することが可能な第1エアバッグと、
前記第1エアバッグより下方に配置され、前記シートバックの側方から前側上方に展開、又はシートクッションの側方から上方に展開することが可能な第2エアバッグと、
前記第2エアバッグ及び前記第1エアバッグの展開駆動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記第1エアバッグの展開を開始し、前記第1エアバッグが所定の展開量に達した後に前記第2エアバッグを展開させ、展開中の第2エアバッグを第1エアバッグに接触させることで第2エアバッグの展開方向を前記シートの幅方向に変位させる、
車両の乗員保護装置。 - 前記第1エアバッグは、シート表面を介して展開され、又は、前記シートの周辺部材のいずれかから展開され、
前記第2エアバッグは、前記シート表面を介して展開され、又は、前記第1エアバッグが展開する前記周辺部材若しくは前記シートの他の周辺部材のいずれかから展開される、
請求項1又は2に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグは前記シート表面を介して展開される、
請求項3に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記第1エアバッグ及び前記第2エアバッグのうち前記シートの幅方向内側に変位する一方のエアバッグは、
他方のエアバッグと前記シートの幅方向で一部が重畳し、
前記他方のエアバッグより前記シートの幅方向内側で展開する、
請求項1~4のいずれかに記載の車両の乗員保護装置。 - 前記他方のエアバッグは、前記一方のエアバッグとの当接部位に形成されて成る案内手段を有し、
前記一方のエアバッグは、前記一方のエアバッグの展開方向が前記案内手段によって前記シートの幅方向内側に案内される、
請求項5に記載の車両の乗員保護装置。 - 前記案内手段は、前記一方のエアバッグにおけるシート表面からの膨出方向に向かって前記シートの幅方向内側に傾斜して成るテーパ部を有する、
請求項6に記載の車両の乗員保護装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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2018
- 2018-03-30 JP JP2018068590A patent/JP7116573B2/ja active Active
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