JP2017190046A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグが、シート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制する。【解決手段】乗員保護装置10は、自動車Vに設けられ、シートクッション12Cに対するシートバック12Bの傾斜角度を変更可能とされると共に、シートバック12Bの上端部にヘッドレスト12Hが設けられた車両用シート12と、ヘッドレスト12Hに収納され、乗員PFの頭部HFに対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開する多方位エアバッグ30と、シートバック12Bの傾斜角度を検出する角度センサ56と、シートバック12Bの傾斜角度が予め設定された設定角度以上の状態では多方位エアバッグ30の膨張展開を禁止するECU52と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、乗員保護装置に関する。
下記特許文献1に記載された自動車のエアバッグ装置では、シートバックの上方に突出するガス供給パイプがシートバックに固定されている。このガス供給パイプには、バッグ(エアバッグ)が取り付けられている。このエアバッグは、衝突時にガス供給パイプを通じてガスが供給され、乗員の頭部を前方及び左右両側方から取り囲むように膨張展開する。
特開2000−344044号公報
上記構成のエアバッグ装置では、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が大きい状態でエアバッグが膨張展開すると、シート後方の障害物(例えば、シート後方の座席に着座した乗員)にエアバッグが干渉する虞がある。
本発明は上記事実を考慮し、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグが、シート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる乗員保護装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る乗員保護装置は、車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、前記傾斜角度を検出する角度センサと、前記傾斜角度が予め設定された設定角度以上の状態では前記エアバッグの膨張展開を禁止する制御装置と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方に膨張展開するエアバッグが、車両用シートのヘッドレスト又はシートバックに収納されている。この発明によれば、制御装置は、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が予め設定された設定角度以上の状態ではエアバッグの膨張展開を禁止する。これにより、エアバッグがシート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる。
請求項2に記載の発明に係る乗員保護装置は、車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、前記傾斜角度を検出する角度センサと、衝突センサを用いて前記車両の衝突を検知又は予知した場合、前記傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件として前記エアバッグを膨張展開させる制御装置と、を備えている。
請求項2に記載の発明では、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方に膨張展開するエアバッグが、車両用シートのヘッドレスト又はシートバックに収納されている。この発明によれば、制御装置は、衝突センサを用いて車両の衝突を検知又は予知した場合、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件としてエアバッグを膨張展開させる。つまり、この制御装置は、車両の衝突を検知又は予知した場合でも、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が設定角度以上の状態ではエアバッグを膨張展開させない。これにより、エアバッグがシート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる。
請求項3に記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項1又は請求項2において、前記シートバックの前記傾斜角度を変更する自動リクライニング機構を備え、前記制御装置は、衝突センサを用いて前記車両の衝突を予知した際に前記傾斜角度が前記設定角度以上である場合、前記自動リクライニング機構を作動させて前記傾斜角度を前記設定角度未満としてから前記エアバッグを膨張展開させる。
請求項3に記載の発明によれば、制御装置が車両の衝突を予知した際にシートクッションに対するシートバックの傾斜角度が設定角度以上である場合でも、自動リクライニング機構が作動されて上記傾斜角度が設定角度未満とされてからエアバッグが膨張展開される。これにより、エアバッグがシート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制しつつ、乗員の頭部をエアバッグによって保護することができる。
請求項4に記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項1又は請求項2において、前記シートバックの前記傾斜角度を変更する自動リクライニング機構を備え、前記制御装置は、衝突センサを用いて前記車両の衝突を予知した際に前記傾斜角度が前記設定角度以上である場合、前記自動リクライニング機構の作動により前記傾斜角度を前記設定角度未満とするのに要する時間Tと、衝突発生までの残り時間TTCとを比較し、TTC≧Tである場合、前記自動リクライニング機構を作動させて前記傾斜角度を前記設定角度未満としてから前記エアバッグを膨張展開させる一方、TTC<Tである場合、前記自動リクライニング機構を作動させない。
請求項4に記載の発明によれば、制御装置が車両の衝突を予知した際にシートクッションに対するシートバックの傾斜角度が設定角度以上である場合、制御装置は、自動リクライニング機構により上記傾斜角度を設定角度未満とするのに要する時間Tと、衝突発生までの残り時間TTCとを比較する。そして、制御装置は、TTC≧Tである場合、自動リクライニング機構を作動させて上記傾斜角度を設定角度未満としてからエアバッグを膨張展開させる。これにより、請求項3に係る発明と同様の効果が得られる。
一方、制御装置は、TTC<Tである場合、自動リクライニング機構を作動させない。この場合、上記傾斜角度が設定角度以上である状態が維持されるので、エアバッグが膨張展開されない。つまり、衝突発生までの残り時間が短く、シートバックを衝突発生までに設定角度の位置へ移動させることができない場合、自動リクライニング機構が作動されず、エアバッグが膨張展開されない。したがって、シートバックの移動が不十分な状態でエアバッグが膨張展開することを防止できる。
請求項5に記載の発明に係る乗員保護装置は、車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、前記傾斜角度を検出する角度センサと、前記車両用シートの後方に障害物が存在するか否かを検出する障害物検出センサと、衝突センサを用いて前記車両の衝突を検知又は予知した際に前記障害物が検出されていない場合、前記エアバッグを膨張展開させる一方、前記衝突を検知又は予知した際に前記障害物が検出されている場合、前記傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件として前記エアバッグを膨張展開させる制御装置と、を備えている。
請求項5に記載の発明では、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方に膨張展開するエアバッグが、車両用シートのヘッドレスト又はシートバックに収納されている。そして、この車両用シートの後方に障害物(例えば、シート後方の座席に着座した乗員)が存在するか否かが障害物検出センサによって検出される。この発明によれば、制御装置は、衝突センサを用いて車両の衝突を検知又は予知した際に上記障害物が検出されていない場合、エアバッグを膨張展開させる。この場合、車両用シートの後方に障害物が存在していないため、膨張展開するエアバッグがシート後方の障害物と干渉することを防止できる。
一方、制御装置は、衝突を検知又は予知した際に障害物が検出されている場合、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件としてエアバッグを膨張展開させる。つまり、この制御装置は、車両の衝突を検知又は予知した際に車両用シートの後方に障害物が存在する場合、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度が設定角度以上の状態ではエアバッグを膨張展開させない。これにより、エアバッグがシート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る乗員保護装置では、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグが、シート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置が適用された自動車のキャビン内を車両左側から見た側面図であり、同乗員保護装置が備える多方位エアバッグが膨張展開した状態の図である。 同乗員保護装置が備える車両用シートのシートバックがシートクッションに対して大きく傾斜した状態を示す図1に対応した側面図である。 同車両用シートの対座状態を示す側面図である。 同多方位エアバッグの膨張展開状態を示す正面図である。 (A)は、図1の5A−5A線に沿った切断面を示す断面図であり、(B)は、図1の5B−5B線に沿った切断面を示す断面図である。 第1実施形態に係る乗員保護装置が備える乗員保護ECUによる制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る乗員保護装置が適用された自動車のキャビン内を車両左側から見た側面図である。 第2実施形態に係る乗員保護装置が備える乗員保護ECUによる制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る乗員保護装置が備える乗員保護ECUによる制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る乗員保護装置が適用された自動車のキャビン内を車両左側から見た側面図である。 第4実施形態に係る乗員保護装置が備える乗員保護ECUによる制御フローを示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
本発明の第1実施形態に係る乗員保護装置10について、図1〜図6に基づいて説明する。なお、各図においては符号を適宜省略している場合がある。また、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印INは、それぞれ乗員保護装置10が適用された車両である自動車Vの前方向、上方向、車両幅方向内方を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向(車両幅方向)の左右を示すものとする。
図1〜図3には、乗員保護装置10が適用された自動車VのキャビンC内が側面図にて示されている。これらの図に示されるように、乗員保護装置10は、車両用シートとしてのフロントシート12と、多方位エアバッグ装置20と、制御装置である乗員保護ECU52と、衝突センサ54と、角度センサ56とを備えている。以下、上記各構成要素について具体的に説明する。
(フロントシート及びその周辺の構成)
フロントシート12は、本実施形態では自動車Vの運転席とされており、キャビンC内の前部に配置されている。このフロントシート12は、乗員PFが着座するシートクッション12Cと、乗員PFの背凭れを成すシートバック12Bと、乗員PFの頭部HFを支持するヘッドレスト12Hとを含んで構成されている。
シートクッション12Cは、周知のシートスライド機構13及びターンテーブル14を介してキャビンCのフロアFに連結されている。シートスライド機構13は、例えば手動式とされており、図示しないロック解除レバーを操作することにより、フロアFに対するシートクッション12Cの前後位置を変更可能とされている。ターンテーブル14は、例えば手動式とされており、図示しないロック解除レバーを操作することにより、シートクッション12Cすなわちフロントシート12を、車両上下方向の軸回りに回転可能とされている。このターンテーブル14は、フロントシート12が車両前方を向く前向き状態(図1及び図2図示状態)と、フロントシート12が車両後方を向く対座状態(図3図示状態)とを取り得る構成になっている。
シートクッション12Cの後端部には、周知のリクライニング機構15を介してシートバック12Bの下端部が連結されている。このリクライニング機構15は、例えば手動式とされており、図示しないロック解除レバーを操作することにより、シートクッション12Cに対するシートバック12Bの傾斜角度(リクライニング角度)を変更可能とされている。このシートバック12Bの上端部には、ヘッドレスト12Hが連結されている。なお、シートスライド機構13、ターンテーブル14及びリクライニング機構15は手動式に限らず、電動式であっても良い。
フロントシート12の車両前方には、インストルメントパネル16やフロントウインドシールドガラス17等(図3以外では図示省略)が配設されている。また、フロントシート12の車両後方には、後方座席としてのリヤシート18(図1及び図2参照:図3では図示省略)が配置されている。このリヤシート18は、乗員PR(以下、「後席乗員PR」と称する)が着座するシートクッション18Cと、後席乗員PRの背凭れを成すシートバック18Bと、後席乗員PRの頭部HRを支持するヘッドレスト18Hとを含んで構成されている。フロントシート12及びリヤシート18には、乗員PF及び後席乗員PRを拘束するための3点式シートベルト装置12S、18Sが配設されている。
(多方位エアバッグ装置の構成)
多方位エアバッグ装置20は、フロントシート12の乗員PFを各種形態の衝突から保護するための装置であり、フロントシート12のヘッドレスト12Hに設けられている。多方位エアバッグ装置20は、図1〜図5に適宜示されるように、多方位エアバッグ30と、インフレータ32とを有している。多方位エアバッグ30及びインフレータ32は、モジュール化され、ヘッドレスト12Hの後部に設けられたエアバッグケース50内に収容されている。このエアバッグケース50は、ヘッドレスト12Hの本体部を構成するヘッドレスト本体19のシート後方側に取り付けられている。
図1及び図3〜図5に示されるように、多方位エアバッグ30は、乗員PFの頭部HFを前方、左右両側方及び上方から覆う(囲む)ように膨張展開される一体の袋体として構成されている。具体的には、多方位エアバッグ30は、頭部HFに対する左右両側でかつ上方を含む領域に間隔をあけて膨張展開する左右一対のフレームダクト35と、頭部HFを前方から保護する前展開部36と、頭部HFを左右両側方から保護する一対の横展開部38と、頭部HFを上方から保護する上展開部48とを含んで構成されている。
フレームダクト35は、頭部HFに対するシート幅方向の両側にそれぞれ設けられて一対を成しており、それぞれ側面視で下向きに開口する略U字状に膨張展開される構成になっている。具体的には、フレームダクト35は、膨張展開状態における側面視で、ヘッドレスト12Hに沿って上下に延びる後ダクト35Rと、後ダクト35Rの上端から前方に延びる上ダクト35Uと、上ダクト35Uの前端から垂下される前ダクト35Fとを含んでいる。このフレームダクト35は、インフレータ32からのガスを前展開部36、横展開部38及び上展開部48に導く機能を備えている。
前展開部36は、頭部HFの前方で展開される部分を含む前膨張部40と、前膨張部40を複数の膨張部に区画する非膨張部42とを含んで構成されている。この実施形態では、前膨張部40は、それぞれ上下方向を長手方向としてシート幅方向と隣接して膨張展開される一対の上下膨張部40Aと、一対の上下膨張部40Aの下方に位置する下膨張部40Lとを含んで構成されている。下膨張部40L内は、フレームダクト35の前ダクト35F内と連通されており、一対の上下膨張部40A内は下膨張部40L内と連通されている。一対の上下膨張部40Aは、頭部HFの前方(正面)で膨張展開される構成とされており、下膨張部40Lは、乗員PFの胸部B及び肩部Sの前方で膨張展開される構成とされている。
非膨張部42は、一対の上下膨張部40Aをシート幅方向に区画する非膨張部42Aと、各上下膨張部40Aとフレームダクト35の前ダクト35Fとの間に介在される非膨張部42Bとを含んで構成されている。この実施形態では、非膨張部42Aは上下に延びる線状のシームにて構成され、非膨張部42Bは上下に延びる環(無端)状のシームにて囲まれた部分として構成されている。
横展開部38は、頭部HFの側方で膨張展開される横膨張部44と、横膨張部44を複数の膨張部に区画する非膨張部46とを含んで構成されている。横膨張部44内は、フレームダクト35の前ダクト35F内と連通されている。この実施形態では、膨張展開状態の横展開部38は、フレームダクト35によって後方、上方、前方の三方から囲まれており、側面視で略矩形状を成している。また、横展開部38は、側面視で頭部HFのほぼ全体にラップする大きさ(面積)を有している。この横展開部38の横膨張部44は、非膨張部46を構成するシームにおける下向きに開口する逆U字状を成すU字状シーム46Aによって、フレームダクト35と仕切られている。また、非膨張部46は、横膨張部44の下縁からU字状シーム46Aの開口内まで延びる前後一対の縦シーム46Bを含んで構成されている。
左右の横展開部38は、多方位エアバッグ30の膨張展開状態で、それぞれの横膨張部44の下端44Bが乗員PFの肩部S上に接触するようになっている。この横膨張部44の下端44Bの肩部Sに対する接触によって、膨張展開状態の多方位エアバッグ30の乗員PF(の頭部HF)に対する上下方向の位置が決まる構成である。この位置決め状態で多方位エアバッグ30は、通常の着座姿勢をとる乗員PFに対して、前展開部36、左右の横展開部38、及び後述する上展開部48の何れも頭部HFと接触しない(隙間が形成される)構成とされている。
上展開部48は、シート幅方向を長手方向として頭部HFの上方で膨張展開される展開部である。また、上展開部48には、図示しない非膨張部であるシームが設けられており、このシームによって上展開部48のシート上下方向の厚みが制限されている。この上展開部48内は、フレームダクト35の上ダクト35U内と連通されている。
以上のように構成された多方位エアバッグ30は、一例として、OPW(One Piece Wovenの略)により一体の袋体として形成されている。この多方位エアバッグ30は、通常時には、折り畳まれた状態でエアバッグケース50内に収納されている(図1参照)。なお、例えば2枚の織物の周縁を縫い合わせる方法(Cut & Sew)にて多方位エアバッグ30を一体の袋体として形成しても良い。
図2及び図3に示されるように、インフレータ32は、多方位エアバッグ30と共にエアバッグケース50内に設けられている。このインフレータ32は、ここではシリンダ型のインフレータとされており、シート幅方向を長手方向として配置されている。このインフレータ32は、燃焼式又はコールドガス式のものであり、前述した後ダクト35Rの下端に接続されている。これにより、インフレータ32から発生するガスが多方位エアバッグ30内に供給される構成になっている。
(乗員保護ECU、衝突センサ、角度センサの構成)
乗員保護ECU52(以下、単に「ECU52」と称する)は、例えばキャビンCの前部の車両幅方向中央側に配置された図示しないセンタコンソールの下方でキャビンCのフロアFに取り付けられており、自動車Vの中央部付近に配設されている。このECU52には、多方位エアバッグ装置20のインフレータ32が電気的に接続されている。また、このECU52には、衝突センサ54が電気的に接続されている。
ECU52は、衝突センサ54からの信号に基づいて、自動車Vに対する各種形態の衝突を検知又は予知(予測)可能とされている。衝突センサ54は、車外の状況を撮影する車外カメラを含んで構成されている。なお、衝突センサ54は、ミリ波レーダやレーザレーダを含んで構成されたものでも良い。
上記の車外カメラには、例えば、ウインドシールドガラスの上部における車幅方向中央付近に設けられた図示しないステレオカメラが含まれている。そして、このステレオカメラによって車両の前方側を撮影し、車両への衝突体を検出するようになっている。また、ステレオカメラによって検出された衝突体までの距離や車両と衝突体との相対速度などを測定し、測定データをECU52へ出力するようになっている。そして、ECU52は、ステレオカメラからの測定データに基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。
また、衝突センサ54は、一例として、左右のフロントサイドメンバに配置された左右の加速度センサ(フロントサテライトセンサ)と、ECU52内に実装された加速度センサ(フロアセンサ)と、フロントサイドドア及びリヤサイドドア内に配設された圧力センサ又は加速度センサ(ドア内センサ)と、Bピラー内及びCピラー内に配設された加速度センサ(ピラー内センサ)と、を含んで構成されている。さらに、衝突センサ54は、自動車Vのロールオーバ(の不可避)を検出するロールオーバセンサを含んで構成されている。なお、本実施形態において「衝突」には、ロールオーバが含まれている。
また、ECU52は、フロントシート12のリクライニング機構15に設けられた角度センサ56と電気的に接続されている。角度センサ56は、シートクッション12Cに対するシートバック12Bの傾斜角度θ(以下、単に「シートバック12Bの傾斜角度θ」と称する)を検出可能とされており、検出したデータをECU52へ出力するようになっている。このシートバック12Bの傾斜角度θは、例えば車両上下方向に対する傾斜角度として計測される。この角度センサ56としては、例えばポテンショメータやロータリエンコーダ等の角度計測機器を用いることができるが、これに限定されない。例えば、角度センサ56としては、シートバック12Bの傾斜角度θに応じてON、OFFするスイッチ、シートバック12Bを撮影するカメラ等を適用することができる。
上記のECU52は、シートバック12Bの傾斜角度θが予め設定された設定角度θ1以上の状態ではインフレータ32の作動すなわち多方位エアバッグ30の膨張展開を禁止する構成になっている。また、このECU52は、衝突センサ54を用いて自動車Vの衝突を検知又は予知(本実施形態では予知)した場合、シートバック12Bの傾斜角度θが予め設定された設定角度θ1未満であることを条件として、インフレータ32を作動させる構成になっている。なお、本実施形態において、インフレータ32がECU52によって作動されるタイミングは、ECU52が、衝突センサ54に含まれる加速度センサ等を用いて自動車Vの衝突を検知したときとされている。
上記の設定角度θ1は、フロントシート12の前向き状態(図1及び図2参照)において、多方位エアバッグ30を後席乗員PR(障害物)と干渉させずに安全に膨張展開させることができる限界の角度として設定されている。つまり、この設定角度θ1は、膨張展開過程の多方位エアバッグ30と後席乗員PRとの間に安全な距離が確保されるように設定されている。
また、上記の設定角度θ1は、フロントシート12の対座状態(図3参照)において、多方位エアバッグ30をインストルメントパネル16やフロントウインドシールドガラス17等(何れも障害物)と干渉させずに膨張展開させることができる限界の角度として設定されている。なお、本実施形態では、フロントシート12の前向き状態及び対座状態において設定角度θ1が同一に設定されているが、これに限らず、上記前向き状態及び対座状態において設定角度θ1が異なる構成にしても良い。その場合、例えばターンテーブル14に配設された回転位置センサやスイッチ等を用いて、ECU52がフロントシート12の回転位置を検出する構成になる。
また、本実施形態では、フロントシート12が前向き状態及び対座状態を取り得る構成とされているが、これに限らず、フロントシート12が車両幅方向を向く横向き状態を取り得る構成にしても良い。その場合、上記の設定角度θ1は、フロントシート12の横向き状態において、多方位エアバッグ30を図示しないサイドガラス等と干渉させずに膨張展開させることができる限界の角度として設定される。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について、図6に示されるECU52の制御フローを参照しつつ説明する。なお、図6では、多方位エアバッグ30を「多方位AB」と記載している。
先ずステップS10では、ECU52は、衝突センサ54の出力に基づき、自動車Vに衝突の可能性があるか否かを判断する。肯定判断の場合はステップS12に進み、否定判断の場合はステップS10での処理を繰り返す。
ステップS12では、ECU52は、角度センサ56からの信号に基づき、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満であるか否かを判断する。肯定判断の場合はステップS14に進み、否定判断の場合は制御(プログラム:以下同じ)が終了される。
ステップS14では、ECU52は、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満であると判断したため、インフレータ32に作動信号を出力し、多方位エアバッグ30を膨張展開させる。
このように、本実施形態では、ECU52は、自動車Vの衝突を予知した場合でも、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上の状態では多方位エアバッグ30の膨張展開を禁止する。これにより、多方位エアバッグ30がフロントシート12の後方の障害物と干渉することを防止又は抑制できる。
つまり、例えば自動車Vが自動運転によって走行している場合、フロントシート12の乗員PFは運転する必要がないため、図2に示されるようにシートバック12Bを車両後方に大きく傾斜させて着座することが考えられる。この状態で多方位エアバッグ30が膨張展開すると、後席乗員PRに多方位エアバッグ30が干渉する可能性があるが、本実施形態ではこれを回避することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、前記第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図7には、本発明の第2実施形態に係る乗員保護装置60が適用された自動車VのキャビンC内が車両左側から見た側面図にて示されている。また、図8には、乗員保護装置60が備えるECU52の制御フローがフローチャートにて示されている。なお、図7では、フロアF、シートスライド機構13、ターンテーブル14、ECU52及び衝突センサ54の図示を省略している。この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされているが、以下の点が異なっている。
この実施形態では、フロントシート12には、前記第1実施形態に係るリクライニング機構15の代わりに、自動リクライニング機構としての電動リクライニング機構62が設けられている。この電動リクライニング機構62は、シートバック12Bの傾斜角度θをモータ62Aの駆動力によって変更可能とされている。このモータ62Aは、ECU52に電気的に接続されている。
ECU52は、衝突センサ54を用いて自動車Vの衝突を予知した際に、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上である場合、モータ62Aを作動させて傾斜角度θを設定角度θ1未満としてから多方位エアバッグ30を膨張展開させる。以下、図8に示されるフローチャートを用いてECU52の制御フローについて説明する。
この図8に示される制御フローでは、第1実施形態に係る制御フローに対して、ステップS16、18、20が追加されている。この制御フローでは、ステップS12での判断が否定された場合、すなわちシートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上であるとECU52が判断した場合、ステップS16に移行する。
ステップS16では、ECU52は、電動リクライニング機構62のモータ62Aを作動させてシートバック12Bを起立方向(図7の矢印A方向)へ移動させる。このステップS16での処理が完了すると、ステップS18に進む。
ステップS18では、ECU52は、角度センサ56からの信号に基づき、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満になったか否かを判断する。肯定判断の場合はステップS20に進み、否定判断の場合はステップS16での処理を継続する。
ステップS20では、ECU52は、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満になったと判断したため、モータ62Aを停止させる。このステップS20での処理が完了すると、ECU52は、前述したステップS14に進み、インフレータ32に作動信号を出力する。これにより、多方位エアバッグ30が膨張展開される。
この実施形態では、上述したように、ECU52が自動車Vの衝突を予知した際にシートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上である場合でも、電動リクライニング機構62が作動されて傾斜角度θが設定角度θ1未満とされてから多方位エアバッグ30が膨張展開される。これにより、多方位エアバッグ30がシート後方の障害物と干渉することを防止又は抑制しつつ、乗員PFの頭部HFを多方位エアバッグ30によって保護することができる。
また例えば、シートバック12Bが大きく傾斜した状態で多方位エアバッグ30が膨張展開したとしても、シートバック12Bが傾斜した側とは反対側で衝突が発生した場合には、衝突の衝撃によって乗員PFが衝突側へ移動し、頭部HFが多方位エアバッグ30から抜けてしまうことが考えられる。この点、本実施形態では、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満とされてから多方位エアバッグ30が膨張展開されるため、乗員PFの頭部HFを多方位エアバッグ30によって適切に保護することができる。
<第3の実施形態>
図9には、本発明の第3実施形態に係る乗員保護装置が備えるECU52の制御フローがフローチャートにて示されている。この実施形態は、前記第2実施形態と基本的に同様の構成とされているが、以下の点が異なっている。
この実施形態では、ECU52は、衝突センサ54を用いて自動車Vの衝突を予知した際に、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上である場合、次のように制御する。すなわち、ECU52は、電動リクライニング機構62の作動により傾斜角度θを設定角度θ1未満とするのに要する時間Tと、衝突発生までの残り時間TTC(time to collision)とを比較する。そして、TTC≧Tであると判断した場合、ECU52は、電動リクライニング機構62を作動させて傾斜角度θを設定角度θ1未満としてから多方位エアバッグ30を膨張展開させる。一方、TTC<Tであると判断した場合、ECU52は、電動リクライニング機構62を作動させない構成になっている。以下、図9に示されるフローチャートを用いてECU52の制御フローについて説明する。
この図9に示される制御フローでは、第2実施形態に係る制御フローに対して、ステップS22が追加されている。この制御フローでは、ステップS12での判断が否定された場合、すなわちシートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上であるとECU52が判断した場合、ステップS22に移行する。
ステップS22では、ECU52は、電動リクライニング機構62により傾斜角度θを設定角度θ1未満とするのに要する時間Tと、衝突発生までの残り時間TTCとを比較する。肯定判断の場合は前述したステップS16に進み、否定判断の場合は制御が終了される。
ステップS22での判断が肯定されてステップS16に進んだ場合、第2実施形態と同様に、ステップS16〜S20での処理が実施され、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満とされた後、ステップS14においてインフレータ32が作動され、多方位エアバッグ30が膨張展開される。
この実施形態では、上述したように、ECU52は、TTC≧Tである場合、電動リクライニング機構62を作動させて傾斜角度θを設定角度θ1未満としてから多方位エアバッグ30を膨張展開させる。これにより、第2実施形態と同様の効果が得られる。
一方、ECU52は、TTC<Tである場合、電動リクライニング機構62を作動させない。この場合、傾斜角度θが設定角度θ1以上の状態が維持されるため、多方位エアバッグ30が膨張展開されない。つまり、衝突発生までの残り時間が短く、シートバック12Bを衝突発生までに設定角度θ1の位置へ移動させることができない場合、電動リクライニング機構62が作動されず、多方位エアバッグ30が膨張展開されない。したがって、シートバック12Bの移動が不十分な状態で多方位エアバッグ30が膨張展開することを防止できる。
<第4の実施形態>
図10には、本発明の第4実施形態に係る乗員保護装置70が適用された自動車VのキャビンC内が車両左側から見た側面図にて示されている。また、図11には、乗員保護装置70が備えるECU52の制御フローがフローチャートにて示されている。なお、図10では、フロアF、シートスライド機構13、ターンテーブル14、ECU52及び衝突センサ54の図示を省略している。この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされているが、以下の点が異なっている。
この実施形態は、障害物検出センサとしての着座センサ72を備えている。この着座センサ72は、リヤシート18のシートクッション18Cに配設されており、ECU52と電気的に接続されている。この着座センサ72は、フロントシート12の車両後方に障害物が存在するか否か(ここではシートクッション18Cに後席乗員PRが着座しているか否か)を、荷重等に基づいて検出する構成になっている。この実施形態では、着座センサ72は、シートクッション18Cに後席乗員PRが着座している場合、ECU52にON信号を出力し、着座していない場合、ECU52にOFF信号を出力する構成になっている。
なお、障害物検出センサは、着座センサ72に限定されない。例えば、障害物検出センサは、シートバック18B及びヘッドレスト18Hの少なくとも一方に設けられた静電容量センサを含んだ構成であっても良いし、シートベルト装置18Sのバックルに設けられたバックルセンサを含んだ構成であっても良い。また例えば、障害物検出センサは、リヤシート18を撮影可能な車内カメラを含み、後席乗員PR以外の障害物(大きな荷物等)を検出可能とされた構成であっても良い。
ECU52は、衝突センサ54を用いて自動車Vの衝突を予知した際に着座センサ72がOFF信号を出力している場合、シートバック12Bの傾斜角度θに関わらず、多方位エアバッグ30を膨張展開させる。一方、ECU52は、衝突を検知又は予知した際に着座センサ72がON信号を出力している場合、傾斜角度θが設定角度θ1未満であることを条件として多方位エアバッグ30を膨張展開させる。以下、図11に示されるフローチャートを用いてECU52の制御フローについて説明する。
この図11に示される制御フローは、第1実施形態に係る制御フローにおいて、ステップS12の代わりにステップS24が設定されると共に、ステップS26が追加された構成になっている。この制御フローでは、ステップS10での判断が否定された場合、すなわち自動車Vの衝突が予知された場合、ステップS24に移行する。
ステップS24では、ECU52は、着座センサ72の出力に基づいて、リヤシート18に後席乗員PRが着座しているか否かを判断する。否定判断の場合は前述したステップS14に進み、肯定判断の場合はステップS26に進む。
ステップS26では、ECU52は、前述したステップS12と同様の処理を実施する。すなわち、ECU52は、角度センサ56からの信号に基づき、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満であるか否かを判断する。肯定判断の場合はステップS14に進み、否定判断の場合は制御が終了される。
この実施形態では、ECU52は、自動車Vの衝突を予知した際に着座センサ72が後席乗員PRを検出していない場合、多方位エアバッグ30を膨張展開させる。この場合、フロントシート12の車両後方に後席乗員PRが存在していないため、膨張展開する多方位エアバッグ30が後席乗員PRと干渉することを防止できる。
一方、ECU52は、衝突を予知した際に着座センサ72が後席乗員PRを検出している場合、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1未満であることを条件として多方位エアバッグ30を膨張展開させる。つまり、ECU52は、衝突を予知した際にフロントシート12の車両後方に後席乗員PRが存在する場合、シートバック12Bの傾斜角度θが設定角度θ1以上の状態では多方位エアバッグ30の膨張展開を禁止する。これにより、多方位エアバッグ30が後席乗員PRと干渉することを防止又は抑制できる。
(実施形態の補足説明)
前記各実施形態では、ヘッドレスト12Hがシートバック12Bの上端部に連結された構成にしたが、これに限らず、ヘッドレスト12Hがシートバック12Bの上端部に一体に設けられた構成にしても良い。また、前記各実施形態では、多方位エアバッグ30がヘッドレスト12Hに収容された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、多方位エアバッグ30の一部又は全部がシートバック12Bの上端部に収容された構成としても良い。
また、前記各実施形態では、乗員保護装置10、60、70がフロントシート12を含んで構成された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明に係る乗員保護装置はリヤシートを含んだ構成にしても良いし、3列以上のシートレイアウトの2列目以降の座席を含んだ構成にしても良い。
また、前記各実施形態では、多方位エアバッグ30が、左右一対のフレームダクト35と、前展開部36と、左右一対の横展開部38と、上展開部48とを備えた構成にしたが、本発明はこれに限らず、多方位エアバッグ30の構成は適宜変更可能である。例えば、上展開部48が省略された構成にしても良い。
また、前記第1及び第4実施形態では、ステップS10においてECU52が自動車Vの衝突を予知する構成にしたが、これに限らず、ステップS10においてECU52が自動車Vの衝突を検知する構成にしても良い。
また、前記第2及び第3実施形態では、ステップS20において電動リクライニング機構62が停止された後に、ステップS14においてインフレータ32が作動される(多方位エアバッグ30が膨張展開される)構成にしたが、これに限るものではない。すなわち、インフレータ32が作動された後で、電動リクライニング機構62が停止される構成にしても良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変形して実施可能であることは言うまでもない。
10 乗員保護装置
12 フロントシート(車両用シート)
12B シートバック
12C シートクッション
12H ヘッドレスト
30 多方位エアバッグ
52 乗員保護ECU(制御装置)
54 衝突センサ
56 角度センサ
60 乗員保護装置
62 電動リクライニング機構
70 乗員保護装置
72 着座センサ(障害物検出センサ)
PF 乗員
HF 頭部
V 自動車(車両)
θ シートバックの傾斜角度
θ1 設定角度

Claims (5)

  1. 車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、
    前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、
    前記傾斜角度を検出する角度センサと、
    前記傾斜角度が予め設定された設定角度以上の状態では前記エアバッグの膨張展開を禁止する制御装置と、
    を備えた乗員保護装置。
  2. 車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、
    前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、
    前記傾斜角度を検出する角度センサと、
    衝突センサを用いて前記車両の衝突を検知又は予知した場合、前記傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件として前記エアバッグを膨張展開させる制御装置と、
    を備えた乗員保護装置。
  3. 前記シートバックの前記傾斜角度を変更する自動リクライニング機構を備え、
    前記制御装置は、衝突センサを用いて前記車両の衝突を予知した際に前記傾斜角度が前記設定角度以上である場合、前記自動リクライニング機構を作動させて前記傾斜角度を前記設定角度未満としてから前記エアバッグを膨張展開させる請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記シートバックの前記傾斜角度を変更する自動リクライニング機構を備え、
    前記制御装置は、衝突センサを用いて前記車両の衝突を予知した際に前記傾斜角度が前記設定角度以上である場合、前記自動リクライニング機構の作動により前記傾斜角度を前記設定角度未満とするのに要する時間Tと、衝突発生までの残り時間TTCとを比較し、TTC≧Tである場合、前記自動リクライニング機構を作動させて前記傾斜角度を前記設定角度未満としてから前記エアバッグを膨張展開させる一方、TTC<Tである場合、前記自動リクライニング機構を作動させない請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置。
  5. 車両に設けられ、シートクッションに対するシートバックの傾斜角度を変更可能とされると共に、前記シートバックの上端部にヘッドレストが設けられた車両用シートと、
    前記ヘッドレスト又は前記シートバックに収納され、乗員の頭部に対して少なくとも前方及び左右両側方へ膨張展開するエアバッグと、
    前記傾斜角度を検出する角度センサと、
    前記車両用シートの後方に障害物が存在するか否かを検出する障害物検出センサと、
    衝突センサを用いて前記車両の衝突を検知又は予知した際に前記障害物が検出されていない場合、前記エアバッグを膨張展開させる一方、前記衝突を検知又は予知した際に前記障害物が検出されている場合、前記傾斜角度が予め設定された設定角度未満であることを条件として前記エアバッグを膨張展開させる制御装置と、
    を備えた乗員保護装置。
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