以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置について説明する。画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録材として用いられるシートに画像を形成する。記録材として用いられるシートには、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、並びに布が含まれる。
図1は、画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1において、画像形成装置100は、画像形成装置の本体であるプリンタ100Aと、プリンタ100Aの上部に設けられた画像読取装置(以下、「イメージリーダ」という。)100Bとを備える。イメージリーダ100Bは、例えば、プラテンガラス上に載置された原稿画像を読み取り、読み取った画像データを、ビデオ信号としてプリンタ100Aのスキャナユニットに送信する。
プリンタ100Aは、カラー画像を形成するプロセスユニット120と、記録材であるシートSを収容するシート収容部150と、シート収容部150のシートSを搬送するシート搬送系と、を備えている。
画像形成手段としてのプロセスユニット120は、水平方向に沿って並設された複数の画像形成ステーションY,M,C,Kを備えている。画像形成ステーションY~Kは、それぞれイエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の画像を形成する。画像形成ステーションY~Kは、現像に用いるトナーの色を除いて実質的に同じ構成である。即ち、各画像形成ステーションY~Kは、回転自在に軸支された感光体である感光ドラム123を備えた電子写真ユニットであり、感光ドラム123を像担持体としてドラム表面にトナー像を形成する。各画像形成ステーションY~Kには、電子写真プロセスの各工程を実行するため、感光ドラム123の外周面にそれぞれ対向するように一次帯電装置、スキャナユニット122、折り返しミラー、現像装置及びクリーニング装置が配置されている。現像装置は、それぞれ対応するトナー補給部に接続されている。
プロセスユニット120の下方には、各画像形成ステーションY~Kの感光ドラム123と当接するように無端状の中間転写ベルト130が配置されている。また、中間転写ベルト130を挟んで4つの感光ドラム123とそれぞれ対向するように4つの一次転写ローラが配置され、各一次転写ローラと感光ドラム123とのニップ部として一次転写部Ty,Tm,Tc,Tkが形成される。
中間転写ベルト130は、感光ドラム123と同様にトナー像を担持する像担持体として機能する中間転写体である。中間転写ベルト130は、例えば、駆動ローラ、テンションローラ及び二次転写対向ローラによって回転可能に張架されている。二次転写対向ローラと対向するように二次転写ローラが配置され、二次転写ローラと二次転写対向ローラとのニップ部として二次転写部Teが形成されている。
中間転写ベルト130の下方に、シートSを二次転写部Teまで搬送するシート搬送部と、シートSを収容するシート収容部150が配置されている。シート収容部150は、それぞれ複数枚のシートを積載可能な上カセット150a及び下カセット150bを備えている。上カセット150a及び下カセット150bに対しては、それぞれ同一サイズの定型シートを積載してもよいし、異なるサイズの定型シートを積載してもよい。
画像形成装置100には、上カセット150a及び下カセット150bの他に、給送デッキ250及び手差しトレイ210が設けられている。手差しトレイ210は、一時的に使用する数十枚程度の比較的少ない枚数のシートに画像を形成する際に好適に使用される。プリンタ100Aに連結して使用される形態のシート給送装置である給送デッキ250は、例えば、A3、A4などの定型シートの他に、定型サイズよりも給送方向の長さが長い長尺シートを多数枚積載することができる。ユーザは、定型シート以外のシートに画像を形成する場合、シート収容部150に収容されているシートとは異なるサイズのシートに画像を形成する場合、もしくは大量のシートに画像を形成する場合等に、給送デッキ250を使用する。給送デッキ250の詳細については、後述する。
シート搬送部は、主として供給パス131と排出パス231とによって構成されている。供給パス131は、上カセット150a、下カセット150b、給送デッキ250又は手差しトレイ210からのシートSを二次転写部Teまで搬送する搬送パスである。排出パス231は、画像形成後のシートSをプリンタ100Aの外部に搬送する搬送パスである。
供給パス131には、上カセット150a及び下カセット150bにそれぞれ対応するピックアップローラ151a及び151bと、搬送ローラ対153,154,155と、レジストレーションローラ161と、が設けられている。シートSの搬送方向におけるレジストレーションローラ161の上流側には、レジストレーションセンサ160が配置されている。レジストレーションセンサ160は、レジストレーションローラ161に当接して一旦停止したシートSの搬送を再開して中間転写ベルト130の画像をシートSに転写するタイミングを決定するために用いられる。また、レジストレーションセンサ160は、搬送されるシートSのサイズを検知可能なサイズ検知手段としても機能する。レジストレーションセンサ160は、1枚のシートSの先端(搬送方向の下流端)を検知したとき及び後端(搬送方向の上流端)を検知したときに信号を出力する。後述するCPU301は、レジストレーションセンサ160の出力信号とシートSの搬送速度とを用いてシートSの搬送方向における長さを検出することができる。
なお、プリンタ100Aと給送デッキ250とは、デッキ供給パス132によって接続されている。デッキ供給パス132は、搬送ローラ対154の上流側で供給パス131と接続しており、給送デッキ250から給送されるシートSを供給パス131に搬入する。
一方、排出パス231には定着装置170が設けられ、定着装置170の下流側で排出パス231に反転パス230が接続されている。また、反転パス230には、両面搬送パス235が接続されている。排出パス231と反転パス230との接続部には、反転フラップ172が配置されている。反転フラップ172は、定着装置170から排出されたシートSの搬送先を振り分ける。
排出パス231は、反転パス230との接続部の下流側で上排出パス181と下排出パス180に分岐しており、分岐部には、反転フラップ190が配置されている。反転フラップ190は、シートSの搬送先を上排出パス181と下排出パス180に振り分ける。上排出パス181は、シートSを上排出トレイ196に排出する。また、下排出パス180は、シートSを下排出トレイ200に排出する。排出パス231、反転パス230、両面搬送パス235、上排出パス181及び下排出パス180には、それぞれ搬送ローラ対又は排出ローラ対が設けられている。各ローラは、外周面がゴム等の高い摩擦係数の部材で巻かれたゴムローラとして構成されている。
画像形成装置100の上部には、ユーザインターフェースとしての表示操作部310が設けられている。表示操作部310は、画像を表示する液晶パネルと、印刷開始ボタン及びテンキー等のボタン並びにタッチパネルとを備えた、ユーザの入力操作を受付ける入力手段及びユーザに情報を提示する表示手段として機能する。CPU301は、表示操作部310に表示する情報の内容を制御し、ユーザによって入力された情報を受信することで、画像形成装置100の機能や使用条件等に関する設定や、画像形成ジョブを実行する際の設定(印刷設定)を行う。
なお、上述のプロセスユニット120は画像形成手段の一例であり、モノクロ方式の電子写真ユニットであってもよく、またインクジェット方式など他のプリント方式であってもよい。
(給送デッキ)
次に、給送デッキ250の構成について説明する。図2は、給送デッキ250の概略構成を示す断面図である。給送デッキ250は、ケーシング250Aと、多数枚のシートSを収容する箱状の収納庫506と、収納庫内に昇降可能に取り付けられた第1リフト板507a及び第2リフト板507bと、シートSを給送するデッキ供給パス132と、を備えている。シート収納手段に相当する収納庫506は、ケーシング250Aに対して引き出し及び押し入れ可能に構成されている。収納庫506の内側に配置される第1リフト板507a及び第2リフト板507bは、シート給送方向V1に並ぶように配置されている。
第1支持部に相当する第1リフト板507aは、収納庫506におけるシート給送方向V1の下流側(例えば図中左側半分)をカバーし、リフト機構530によって昇降可能に構成されている。リフト機構530は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bを昇降させる昇降手段に相当する。リフト機構530は、第1リフト板507aを吊り下げて支持するワイヤ530aと、ワイヤ530aが懸け回される複数のプーリ530bと、ワイヤ530aの一端が固定されたワイヤプーリ530cとを備えている。ワイヤプーリ530cは収納庫506に設けられたリフタモータM500によって回転駆動され、ワイヤ530aを介して第1リフト板507aを上下方向(鉛直方向)に移動させる。第1リフト板507aは、収納庫506の底位置(第1下限位置)と、ピックアップローラ501に当接する給送位置(上限位置)との間で昇降可能である。
第2支持部に相当する第2リフト板507bは、収納庫506におけるシート給送方向V1の上流側(例えば図中右側半分)をカバーする。第2リフト板507bは、第1リフト板507aに設けられた支持アーム507cに支持された状態で、第1リフト板507aの昇降動作に伴って所定範囲内で昇降する。すなわち、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609によって制限されており、第2リフト板507bは、メカストッパ609より上方の範囲でのみ昇降可能に構成されている。また、第2リフト板507bの上限位置は、第1リフト板507aと同じく給送位置である。従って、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609より下方の位置に移動可能な第1リフト板507aの昇降範囲よりも狭い。第2リフト板507bは、第1リフト板507aのシート積載面(上面)の長さを延長する延長リフト板として機能する。
第2リフト板507bの下降限界位置(下限位置)は、長尺シートの最大積載量を規定するリフト板位置であり、例えば、基準となる厚さのシート(例えば普通紙)で1000枚の長尺シートを積載可能な位置である。以下、第2リフト板507bの下限位置、つまりメカストッパ609に当接して支持される所定位置を第2リフト板507bのホームポジション又は長尺シート下限位置とする。収納庫506には、第2リフト板507bがホームポジションにあるか否かを検知する延長リフタHPセンサ607が設けられている。延長リフタHPセンサ607は、第2リフト板507bがホームポジションにある場合にONとなり、第2リフト板507bがホームポジションにない場合にOFFとなる。
なお、第2リフト板507bをホームポジションよりも下方に移動可能に構成した場合、ユーザが1000枚以上の長尺シートを載置する可能性がある。この場合、例えば給送デッキ250の必要強度やリフタモータM500の要求性能が上がることにより、装置の大型化、重量化やコスト増といった課題が生じるため、あえてメカストッパ609によって第2リフト板507bの下降限界を設けている。第2リフト板507bのホームポジションは、各リフト板507a,507bの強度、収納庫506の強度、リフト機構530の能力等を考慮して規定されている。しかしながら、第2リフト板507bのホームポジションや長尺シートの最大積載量は上述したものに限らず、また、製品出荷後に使用環境に応じてホームポジションを変更可能な構成とすることもできる。
非長尺シートは、リフト板507a,507bのうち第1リフト板507aのみによって支持される。なお、非長尺シートとは、所定サイズ(例えばA3)以下の定型サイズの他、第1リフト板507aのみによって支持される任意のサイズのシートを含むものとする。第1リフト板507aは、単独で、例えば3500枚程度の非長尺シートを積載することができる。所定長さよりも長い長尺シートは、2枚のリフト板507a,507bの両方に跨って載置される。2分割された2つの第1リフト板507a及び第2リフト板507bによって、大量の非長尺シートを積載可能な状態と長尺シートを積載可能な状態とを切替えて使用することが可能な構成が実現されている。
収納庫506には、シートSの位置を規制するシート規制手段として、後端規制部材であるシート仕切板500が設けられている。シート仕切板500は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面に直交し、上下方向に延びる板状部材であり、シート給送方向V1に沿って移動可能である。シート仕切板500は、シートサイズに応じてユーザが手動で動かすことで位置決めされる。非長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を第1リフト板507aの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとするシートの後端位置に合わせる。長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を図中右側に向かって第2リフト板507bの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとする長尺シートの後端位置に合わせる。
収納庫506の底部の略中央部に、シート仕切板500の位置に関する情報を検知する検知手段(位置検知手段)として、シート仕切板延長センサ606が設けられている。シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500が検知位置を超えて図中右側に移動した場合にONとなり、シート仕切板500が検知位置を超えて図中左側に移動した場合にOFFとなる。言い換えると、シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500の規制面が非長尺シートの後端位置を規制する非長尺領域A1(第1領域)に位置するか、長尺シートの後端位置を規制する長尺領域A2(第2領域)に位置するかを検知可能である。これによって、画像形成装置100はユーザが使用する予定のシートSの後端が第2リフト板507bにかかるか否か、換言すれば長尺シートを使用する予定であるか否かを判断することができる。
本実施形態において、非長尺領域A1と長尺領域A2とは、第1リフト板507aの積載面と第2リフト板507bの積載面の継ぎ目の位置を境界として隣接するものとして説明する。しかしながら、シート規制手段が非長尺シートに対応する規制位置と長尺シートに対応する規制位置とのどちらにあるかを区別可能な構成であれば、積載面の継ぎ目とシート仕切板延長センサ606の信号が切換わる位置が一致する必要はない。また、検知手段として、ボリュームセンサ等を用いてシート規制手段の位置を直接的に検知可能な構成を用いてもよい。さらに、第2リフト板507bの積載面から突出するフラグにより第2リフト板507bの上のシートの有無を検知するセンサを検知手段として用いるなど、収納庫506のシートが長尺シートであるか否かを直接的に検知する構成としてもよい。
第1リフト板507a及び第2リフト板507bの上方に形成される空間(シート収容部)の最上部には、シート有無センサ601及びリフト給送位置センサ602が配置されている。シート検知手段の一例であるシート有無センサ601は、第1リフト板507aの上にシートSがあるか否かを検出し、シートSを検知するとONとなり、シートSを検出しない場合にOFFとなる。シート有無センサ601としては、例えばシートの上面に当接して押圧されることで揺動するフラグを検出する遮光型光電センサを使用可能であり、第1リフト板507aの切欠き部など第1リフト板507aを検知しない位置にフラグが配置される。
リフト給送位置センサ602は、第1リフト板507aに支持されるシートSの上面(最上位シートの上面)及び第1リフト板507aを検出する。これによって、第1リフト板507aが給送位置にあるか否か、つまり第1リフト板507aに積載されたシートSの上面が、ピックアップローラ501によって給送可能な位置にあるかどうかが判断される。画像形成動作中、CPU301は、リフト給送位置センサ602を監視しており、リフト給送位置センサ602がOFFになった場合、ONになるまでリフタモータM500を駆動する。これにより、第1リフト板507aに支持されたシートSの上面高さが一定に保たれる。
また、シート有無センサ601がOFFの状態でリフト給送位置センサ602がONになったとき、シートが積載されていない状態の第1リフト板507aが給送位置に到達したことが分かる。なお、リフト給送位置センサ602は、第1リフト板507aの上限位置を規定するものであれば、例えば第1リフト板507aのシートが積載されない部分を検出して、シートの有無に関わらず第1リフト板が上限高さにあること検知可能な構成としてもよい。
収納庫506の上部に設けられた、給送デッキ側のデッキ供給パス132には、シートSを給送するシート給送手段としてピックアップローラ501、フィードローラ502及びリタードローラ503からなる給送ユニット505が設けられている。ピックアップローラ501は、第1リフト板507aに積載されたシートSの上面に当接し、最上位のシートSをシート給送方向V1に送り出す。フィードローラ502はピックアップローラ501と共にシートSを搬送する。リタードローラ503は、フィードローラ502に当接し、シート給送方向V1に逆らう方向の駆動力をトルクリミッタを介して入力されている。なお、給送ユニット505はシート給送手段の一例であり、例えば給送ベルトにシートSを吸着して給送するベルト給送方式の給送ユニットを用いてもよい。
プリンタ側のデッキ供給パス132には、搬送ローラ対504及び給送センサ603が設けられている。搬送ローラ対504は給送ユニット505からシートSを受取り、プリンタ100Aの供給パス131に搬送する(図1参照)。
収納庫506には、第1リフト板507aの昇降動作を制御するための検知構成として、リフト高さ位置センサ605及びリフト中継位置センサ610が設けられている。リフト高さ位置センサ605は、第2リフト板507bの下降を制限する上述のメカストッパ609とシート給送方向V1において対向する側面に、メカストッパ609と同じ高さに設けられている。リフト高さ位置センサ605は、シートの有無に関わらず、第1リフト板507aの高さ位置を監視し、第1リフト板507aを検出した場合にONとなり、第1リフト板507aを検出しない場合にOFFとなる。即ち、リフト高さ位置センサ605がONになった状態では、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に位置していることが分かる。
第1支持部の高さ位置を検知する高さ位置検知手段としてのリフト高さ位置センサ605は、収納庫506のシート給送方向V1における下流側の壁面に配置されており、延長リフタHPセンサ607は、上流側の壁面に配置されている。リフト高さ位置センサ605と延長リフタHPセンサ607が共にONの場合は、第1リフト板507aが第2リフト板507bと同じ高さにあって、1つのシート積載面を形成している状態である。第1リフト板507aと第2リフト板507bが同じ高さになることにより、長尺シートを積載する準備が整えられる。一方、本実施形態の場合は、第1リフト板507aが第2リフト板507bより上方に位置する場合を考慮する必要がないため、延長リフタHPセンサ607がOFFのときは第1リフト板507aが長尺シート下限位置より上方に位置することになる。従って、リフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONとなるのは、第1リフト板507aが第2リフト板507bよりも下方に位置している場合である。この場合は、2枚のリフト板507a,507bに段差があり、仮に長尺シートが積載されると第1リフト板507aの方にずり落ちるため長尺シートを積載することができない状態である。
シート検知手段の他の例であるリフト中継位置センサ610は、シート有無センサ601の検知位置より下方の検知位置で、第1リフト板507aに支持されたシートSの上面を検知する。リフト中継位置センサ610の検知位置は、シート有無センサ601の検知位置から長尺シート下限位置の区間に設定され、例えば、区間の中間付近、或いは基準となる厚さのシートで150枚分の高さだけ長尺シート下限位置から離間した位置に設定される。リフト中継位置センサ610は、収納庫506に非長尺シートSが補充される場合に、第1リフト板507aの高さ位置の制御に用いられる。
収納庫506の底部には、第1支持部が自身の昇降範囲における下限位置にあることを検知可能な底位置センサ604が設けられている。底位置センサ604は、第1リフト板507aが収納庫506の底部にあればONとなり、第1リフト板507aが収納庫506の底部になければOFFとなる。
収納庫506は、ケーシング250Aから引き出されてシートSのセット作業や交換作業が可能な開状態と、ケーシング250Aに収容された閉状態との間で開閉可能である。収納庫506の前面には、収納庫506を開状態とするための操作具として、収納庫開ボタン510が設けられており、ユーザによる収納庫開ボタン510の押下があった場合に給送デッキ250と収納庫506の固定が解除される。すなわち、収納庫506をケーシング250Aにロックするラッチ部材が解除され、収納庫506を手前に引き出すことが可能な状態になる。収納庫506には収納庫開閉センサ608が設けられており、収納庫開閉センサ608は、収納庫506が手前に引き出されている状態であるか否かを検知する。収納庫506が手前に引き出されている場合、収納庫開閉センサ608がONになり、収納庫506が手前に引き出されていない場合、換言すれば収納庫506がケーシング250Aに収容されている場合、収納庫開閉センサ608はOFFになる。
収納庫開ボタン510の付近の外部から視認可能な位置には、給送デッキ250の動作状態を表示する表示灯として、リフト板状態通知のためのLED511が配置されている。LED511は、例えば、非長尺シートが収納庫506に収納されているときは消灯し、長尺シートが収納庫506に収納されているときは点灯するように制御される。また、LED511は、後述するように2枚のリフト板507a,507bの位置合わせ動作においてエラーが発生し、収納庫506に収納されたシートを取り除くことをユーザに促すことを通知するために使用される。当該通知により、ユーザは、リフト板507a,507bの高さが合っていないこと、収納庫506に収納されたシートを取り除く動作をする必要があることを知ることができる。即ちLED511は、ユーザに収納庫506に収納されたシートに関する情報を通知する機能を有する。
(制御構成)
次に、このような給送デッキ250を備えた画像形成装置100の制御構成について説明する。図3は、図1の画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU(中央演算装置)301、ROM(読み取り専用メモリ)302及びRAM(ランダムアクセスメモリ)303を含むCPU回路部300を備えている。CPU301は、アドレスバス又はデータバスによってROM302及びRAM303に接続されている。
CPU回路部300は、表示操作部310及びプリンタ制御部304と接続されている。プリンタ制御部304は、画像信号制御部308に接続されると共に、該画像信号制御部308を介して外部I/F309と接続されている。また、プリンタ制御部304は、シート搬送部305、画像形成部306及び収納庫制御部311とそれぞれ接続されている。CPU回路部300は、プリンタ制御部304及び収納庫制御部311と協働して、画像形成装置100の各部の動作を制御する制御手段として機能する。なお、画像信号制御部308は、CPU回路部300と直接にも接続されている。
CPU301は、画像形成装置100の全体を制御する制御プログラムを実行可能である。ROM302は、制御プログラムを格納する。RAM303には、制御に用いるデータが書き込まれる。プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいて画像形成部306に対して画像を形成するための指示を出す。画像形成部306は、入力されたビデオ信号に基づいてシートSに画像を形成する。また、プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいてシート搬送部305を制御してシートの給送、搬送等を行わせる。画像信号制御部308は、プリント動作時に、外部I/F309を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、処理後のデジタル画像信号をビデオ信号に変換してRAM303に格納する。表示操作部310は、画像形成を行う際のカラーモードの選択、シート情報の入力、コピースタート等のユーザからの指示を受け付け、また、画像形成装置の状態、警告メッセージ、ユーザの操作ガイダンス等を表示する。
収納庫制御部311は、リフタモータM500、収納庫開ボタン510及びLED511、並びに給送デッキ250に設けられた上述のセンサ群(601,602,604,605,606,607,608,610)に接続されている。収納庫制御部311は、給送デッキ250に設けられたセンサ群からの情報を受け付ける。そして、収納庫制御部311は、CPU301からの指示に基づいてリフタモータM500を制御することで、収納庫506に収納されたシートの位置及び2枚のリフト板507a,507bの位置を制御する。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置100による画像形成動作について説明する。画像形成装置100のプリンタ100Aに対し、給送デッキ250からシートSを供給して画像形成を行うことを要求するプリントジョブが投入されたとする。リフタモータM500はワイヤプーリ530cを回転させてワイヤ530aを巻き付けることにより、第1リフト板507aを上昇させる。プロセスユニット120によるトナー像の形成準備が整うと、給送ユニット505の駆動源となる給送モータの駆動が開始する。これによって、ピックアップローラ501及びフィードローラ502の駆動が開始され、合わせて搬送ローラ対504が回転駆動されることで、収納庫506のシートSが1枚ずつデッキ供給パス132を経て供給パス131に搬入される。
このとき、ピックアップローラ501で2枚以上のシートSが送り出され、フィードローラ502とリタードローラ503との分離ニップ部に挟まれると、2枚目以降のシートSの進入がリタードローラ503によって阻止される。そして、1枚目の最上位のシートSのみが搬送ローラ対504側へ搬送される。シートSの給送動作が正常に行われたか否かは給送センサ603を用いて監視される。
供給パス131に搬入されたシートSは、搬送ローラ対154,155等によって二次転写部Teまで搬送される(図1参照)。二次転写部Teまで搬送されたシートSの位置は、レジストレーションセンサ160で監視される。また、シートSのサイズは、レジストレーションセンサ160がシートSの先端及び後端を検知した信号に基づいて、又は表示操作部310を介してユーザによって入力されたシートサイズに基づいて決定される。
シートSが二次転写部Teに到着するタイミングに合わせてプロセスユニット120によって画像形成動作が開始される。すなわち、プロセスユニット120の各画像形成ステーションY~Kにおいて、感光ドラム123の表面が一様に帯電された後、スキャナユニット122から照射されるレーザ光によってドラム表面上に静電潜像が形成される。感光ドラム123に担持された静電潜像は、現像装置から供給されるトナーによって現像される。このトナー像は、一次転写部Ty~Tkに一次転写電圧が印加されることによって、順次中間転写ベルト130へ転写され、カラー画像を形成する。中間転写ベルト130に形成されたトナー像は、中間転写ベルト130の回転によって二次転写部Teまで移動する。
一方、レジストレーションセンサ160によって先端部が検知されたシートSは、レジストレーションローラ161に当接して停止する。このときシートSは、レジストレーションローラ161に先端を突き当てた状態で所定量搬送されることによってループ形状(撓み)を形成して斜行が補正される。斜行が補正されたシートSは、レジストレーションセンサ160に先端部が到達した時刻とレジループ形成に要した時間を考慮して、シートSの先端と、中間転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部Teで一致するように搬送が再開される。
二次転写部Teに到達したシートSと中間転写ベルト130上のトナー像に対し、二次転写ローラから転写電圧が印加される。これによって、トナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置170へ搬送される。定着装置170に搬入されたシートSは、加熱ローラ及び加圧ローラによって加熱及び加圧されることによってトナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、プリンタ100Aの出口に向けて搬送される。
なお、トナー像が転写されたシートSの先端が定着装置170の上流側に配置された搬送センサ171に到達した際、プリントジョブの指示に従ってシートの搬送先が反転パス230又は排出パス231のいずれかに切り替えられる。シートSの両面に画像を形成する両面プリントジョブの場合、シートSは反転パス230に搬入され、表面と裏面とを入替えた状態で、再度、二次転写部Teへ向けて搬送され、裏面に画像を形成される。片面プリントジョブもしくは両面プリントジョブの裏面印刷の場合、シートSは排出パス231に搬入される。
排出パス231へ搬入されたシートSは、搬送ローラ対232によって搬送され、プリントジョブの指示に従って位置決めされた反転フラップ190に案内されて下排出パス180又は上排出パス181へ搬入される。排出指定先が下排出トレイ200である場合、シートSは下排出パス180へ搬入され、排出指定先が上排出トレイ196である場合、シートSは上排出パス181へ搬入される。また、プリンタ100Aに、画像形成されたシートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置が連結されている場合、シートSは下排出パス180からシート処理装置に受け渡される。
以下、実施例1に係る給送デッキ250について、収納庫506を開閉する操作が行われた場合の動作について説明する。
(収納庫を開く場合)
まず、給送デッキ250の収納庫506を開く操作が行われた場合に、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの昇降動作を制御するための処理(リフト板移動処理)について説明する。図4は、収納庫が開かれた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、収納庫開ボタン510が押下された場合に開始される。なお、以降のフローチャートの各工程は、特に断らない限り、CPU回路部300のCPU301がROM302に格納されたプログラムに従って実行するものとして説明する。ただし、CPU301からの指示に基づいてプリンタ制御部304や収納庫制御部311が実質的な処理を担当する場合も含むものとする。
電源が投入された後、CPU301は、ステップS401として常時、収納庫開ボタン510が押下されたか否か監視しながら待機している。収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301は以下で説明するステップS402~S410の処理により、リフタモータM500の駆動を制御する。
まず、ステップS402でCPU301は、シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出したか否か判定する。シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出しない場合、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にある場合、非長尺シートが収納される可能性が高いと考えられる。そこで、CPU301は、ステップS403~S406の処理を実行して非長尺シートの積載に備える。
まず、ステップS403でCPU301は底位置センサ604がOFFになっているか否か判定する。底位置センサ604がOFFである場合、第1リフト板507aは底位置にない(第1リフト板507aの下降余地がある)ことが分かる。従って、CPU301はステップS404でリフタモータM500を第1リフト板507aが下降する方向に駆動開始する。その後、ステップS405で底位置センサ604がONになったことを確認すると、ステップS406でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止して処理を終了する。一方、ステップS403の判定結果がNOである場合、CPU301は第1リフト板507aが既に底位置にあってこれ以上下降できないと判断し、処理を終了する。
一方、ステップS402でシート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出した場合、つまりシート仕切板500が長尺領域A2にある場合、長尺シートがセットされる可能性が高いと考えられる。この場合、CPU301はステップS407~S410の処理を実行して長尺シートの積載に備える。
まず、ステップS407で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がOFFであるか確認する。リフト高さ位置センサ605がOFFのとき、リフト板507a,507bを長尺シート下限位置まで下降させるため、ステップS408でCPU301はリフタモータM500を第1リフト板507aが下降する方向に駆動開始する。その後、ステップS409でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS410でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止し、処理を終了する。このとき、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面が長尺シート下限位置に揃った状態、つまり長尺シートを載置する準備が整った状態である。一方、ステップS407でリフト高さ位置センサ605がONであった場合、各リフト板507a,507bが既に長尺シート下限位置にあることになる。この場合、CPU301はリフト板507a,507bを下降させる必要がないと判断し、リフタモータM500を駆動せずに処理を終了する。
以上のリフト板移動処理に並行して収納庫506のロックが解除されるため、ユーザが収納庫506をケーシング250Aから引き出し可能な状態になる。つまり、CPU301は、収納庫開ボタン510の操作を受付けて収納庫506を開くと共に、上述の処理により、シート仕切板500の位置に応じた目標位置までリフト板507a,507bを下降させる。
(シートの交換)
ところで、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に移動できる一方で、収納庫506に長尺シートを積載しようとするときには2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が揃っている必要がある。ただし、安全性を確保するため、リフト板の上昇は収納庫506が閉じた状態で行うものとする。従って、非長尺シートを長尺シートに交換する手順として、収納庫506を開いて非長尺シートを取り除き、シート仕切板500を長尺領域A2に移動させた状態で収納庫506を一度閉じる仕様とした。すなわち、シート仕切板500が長尺領域A2にある状態で収納庫506が閉じられると、第1リフト板507aを長尺シート下限位置まで上昇させて第2リフト板507aと高さが揃える動作(位置合わせ動作)が実行される。その後、ユーザが再び収納庫506を開いて長尺シートをセットし、収納庫506を閉じることで、長尺シートを給送可能な状態となる。
ここで、ユーザが非長尺シートを取り除く工程を忘れて、非長尺シートが第1リフト板507aの上に残ったままの状態でシート仕切板500を長尺領域A2に移動させて収納庫506を閉じることが考えられる。このとき、シートの積載量が多い場合(例えば、上述の構成例で1000枚を超える場合)、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達する前にシートの上面が収納庫506の天井部に衝突する等して、位置合わせに失敗する可能性がある。
そこで、本実施例では、リフト板507a,507bの位置合わせが必要な状態で収納庫506が閉じられた場合に、位置合わせ動作を正常に完了できるか否かをシート有無センサ601を用いて検知する。そして、位置合わせ動作の続行に支障があることを検知した場合、リフタモータM500の駆動を停止して第1リフト板507aの上昇を停止させると共に、エラーの発生及びユーザにシートを取り除く事を促すことをユーザに通知する構成とした。
(収納庫を閉じた場合)
以下、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。図5は、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが非長尺シートを長尺シートに交換するために収納庫506を一度閉じた場合、及びユーザが非長尺シート又は長尺シートを給送させるために収納庫506を閉じた場合に実行される。
電源が供給されている状態のとき、CPU301は、常時、ステップS501として収納庫506が閉じられたことを表すイベントの発生を監視している。具体的には、CPU301は、収納庫開閉センサ608がONからOFFに変化した場合に開いていた状態の収納庫506が閉じられたと判断する。収納庫506が閉じられたとき、CPU301はステップS502でリフト給送位置センサ602がOFFであるか否かを判定する。リフト給送位置センサ602がONのとき、これ以上第1リフト板507aを上昇させることができないので、CPU301は処理を終了する。
ステップS502の判定の結果、リフト給送位置センサ602がOFFのとき、CPU301は、ステップS503でリフタモータM500を制御して第1リフト板507aの上昇を開始させる。そして、CPU301は、ステップS504,S505により、シートを給送位置まで上昇させる動作(リフトアップ動作)を行うか、リフト板507a,507bの高さ位置を揃える動作(位置合わせ動作)を行うかの判定を行う。
まず、CPU301は、ステップS504でリフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONか否かを判定する。この判定結果がYESとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS403~S406の処理が実行された場合、つまり第2リフト板507bが長尺シート下限位置にあり、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に位置する場合である。ステップS504の判定結果がYESのとき、CPU301は、さらにステップS505でシート仕切板延長センサ606がONか否か、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にあるか長尺領域A2にあるかを確認する。
ステップS505の判定結果がYESとなるのは、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合である。つまり、ステップS504,S505の判定結果がいずれもYESとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、ユーザがシート仕切板500を長尺領域A2に移動させて収納庫506を閉じた場合である。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせが必要であると判断する。
位置合わせ動作の場合、CPU301はステップS506でシート有無センサ601の検知信号を監視しながら、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達するまでリフタモータM500の駆動を継続する。つまり、CPU301はステップS507でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS509でリフタモータM500の駆動を停止させる。すると、図7(a)に示すように第1リフト板507aが長尺シート下限位置で停止するため、ユーザが収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を開くことで長尺シートをセット可能な状態となる。
ここで、リフト高さ位置センサ605がONになる前にシート有無センサ601がONになった場合は(S506のYES)、図7(b)に示すように、これ以上第1リフト板507aを上昇させることができず、位置合わせ動作を完了できない場合に相当する。この場合、収納庫制御部311から位置合わせ不可通知が発行され、プリンタ制御部304を介してCPU回路部300に通知が伝送される(ステップS508)。すると、図6に示すように、CPU301は報知処理として、メッセージ600を表示操作部310に表示させる。メッセージ600は、リフト板507a,507bの位置合わせができないこと、収納庫506に収納されたシートを取り除くことをユーザに伝えるメッセージである。また、CPU301は、ステップS509でリフタモータM500の駆動を停止させ、処理を終了する。図6のメッセージ600が表示された後、ユーザが収納庫506を開いて非長尺シートを取り除いてから収納庫506を閉じると、再び位置合わせ動作が行われる。
一方、ステップS505の判定結果がNOとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、ユーザがシート仕切板500を長尺領域A2に移動することなく収納庫506を閉じた場合である。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせを行う必要はなく、シートを給送位置に移動可能であると判断する。また、ステップS504の判定結果がNOとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS407~S410の処理が実行された場合、つまり2枚のリフト板507a,507bが長尺シート下限位置にあって高さが揃っている場合である。このように収納庫506を閉じる時点で各リフト板507a,507bの高さが揃っている場合、セットされているのが長尺シートか非長尺シートかに関わらず、CPU301はシートを給送位置に移動可能であると判断する。
これらの場合、リフタモータM500はシート有無センサ601又はリフト給送位置センサ602のいずれかがONになるまで駆動される(ステップS510,S512)。第1リフト板507aの上にシートが支持されている場合(図8(a)又は(b))、リフト給送位置センサ602がOFFの状態でシート有無センサ601がONに切り替わる。この場合(ステップS510のYES)、ステップS511で収納庫制御部311がリフタモータM500の駆動時間からシートの残量を算出してプリンタ制御部304に残量を通知すると共に、ステップS509でリフタモータM500の駆動が停止される。プリンタ制御部304から通知を受け取ったCPU301は、表示操作部310におけるシート残量の表示内容として、算出されたシート残量に基づく情報を設定する。
第1リフト板507aの上にシートが支持されてない場合(図8(c)又は(d))、シート有無センサ601がOFFのままでリフト給送位置センサ602がONに切り替わる。この場合(ステップS512のYES)、ステップS513で収納庫制御部311が収納庫506にシートが無いことを表すシート無し通知をプリンタ制御部304に対して発行すると共に、ステップS509でリフタモータM500の駆動が停止される。プリンタ制御部304から通知を受け取ったCPU301は、表示操作部310におけるシート残量の表示内容として、給送可能なシートがないことを表す情報を設定する。
(本実施例の効果)
以上説明したように、本実施例では、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの位置合わせ動作を行う場合に、シート有無センサ601の検知結果に基づいて第1リフト板507aの上昇を続行することの可否を判断する。そして、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達する前にシート有無センサ601がONになった場合、リフタモータM500の駆動が停止され、エラー及び収納庫のシートに関する情報を報知するメッセージ600が表示される。言い換えると、位置合わせ動作において、第1支持部が第2支持部の下限位置に到達する前にシート検知手段がシートを検知した場合、位置合わせ動作は中断されて報知処理(S508)が実行される。なお、本実施例では収納庫のシートに関する情報として、ユーザにシートを取り除く指示を示す例を挙げたがこれに限られるものではない。収納庫506にシートが収納されていないことをユーザに確認させる表示を示しても良い。
これにより、ユーザが非長尺シートを取り除く手順を忘れてシート仕切板500を長尺領域A2に移動させて収納庫506を閉じた場合であっても、シートが収納庫506の天井部に衝突する等の不都合が生じる前に第1リフト板507aの上昇が停止する。そして、表示操作部310に表示するメッセージにより、ユーザに非長尺シートを取り除いて長尺シートへの交換手順をやり直すことを促すことができる。
また、本実施例では、位置合わせ動作の途中でシート有無センサ601がONにならない限り、第1リフト板507aに非長尺シートが積載されていても位置合わせ動作が正常に完了する(図7(a)参照)。つまり、第1リフト板507aに位置合わせ動作の障害とならない程度の少数の非長尺シートが積載されている場合は、位置合わせ動作の完了を優先させている。この場合、ユーザは位置合わせ動作の終了後に収納庫506を開いて、非長尺シートを取り除くと共に長尺シートをセットして収納庫506を閉じることで、給送デッキ250は長尺シートを給送可能な状態となる。従って、シートの積載量に関わらず、第1リフト板507aの上にシートが存在する場合に一律で位置合わせ動作を実行しない構成に比べて、ユーザの操作負担を軽減することができる。
次に、第2の実施例(実施例2)に係るシート給送装置について、図9~図15を用いて説明する。本実施例に係るシート給送装置は、リフト板の昇降制御にシート有無センサ601ではなくリフト中継位置センサ610を用いる点、及び位置合わせ不可の通知にLED511を用いる点が実施例1と異なっている。その他の構成は実施例1と同様であるため、実施例1と共通する要素には実施例1と同じ符号を付して説明を省略する。
(収納庫を開く場合)
まず、給送デッキ250の収納庫506を開く操作が行われた場合に、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの昇降動作を制御するための処理(リフト板移動処理)について、図9のフローチャートに沿って説明する。
給送デッキ250に電源が投入された後、CPU301は、ステップS901として常時、収納庫開ボタン510が押下されたか否か監視しながら待機している。収納庫開ボタン510が押下された場合、ステップS902でCPU301は、シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出したか否か判定する。シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出しない場合、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にある場合、CPU301はステップS903~S906,S911の処理を実行して非長尺シートの積載に備える。ステップS902でシート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出した場合、つまりシート仕切板500が長尺領域A2にある場合、CPU301はステップS907~S910の処理を実行して長尺シートの積載に備える。ただし、ステップS907~S910の処理内容は、図4のステップS407~S410の処理内容と同様であるため、説明を省略する。
ステップS903でCPU301は底位置センサ604がOFFになっているか否か判定する。底位置センサ604がOFFである場合、第1リフト板507aは底位置にない(第1リフト板507aの下降余地がある)ことが分かる。従って、CPU301はステップS904でリフタモータM500を第1リフト板507aが下降する方向に駆動開始する。その後、CPU301は、ステップS911,S905でリフト中継位置センサ610及び底位置センサ604の検知信号を監視しながらリフタモータM500の駆動を継続する。
第1リフト板507aの下降に伴って、シートの上面がリフト中継位置センサ610の検知位置を通過すると、リフト中継位置センサ610の出力がONからOFFに変化する(ステップS911のYES)。この場合、ステップS906でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止して処理を終了する。また、リフト中継位置センサ610がONからOFFになったことを検知する前に、底位置センサ604がONになったことを確認すると(ステップS905のYES)、ステップS906でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止して処理を終了する。なお、ステップS903の判定結果がNOである場合、CPU301は第1リフト板507aが既に底位置にあってこれ以上下降できないと判断し、処理を終了する。
ここで、リフト中継位置センサ610の検知位置をシートの上面が通過した際にリフタモータM500の駆動を停止させるのは、ユーザによるシートのセット作業を容易にするためである。つまり、シートが少ない状態のとき、第1リフト板507aが底位置にあるとユーザは収納庫506の上方から底部に向かって深く手を差し入れる必要がある。一方、本実施例のようにリフト中継位置センサ610の検知位置にシートの上面があれば、深く手を差し入れることなくシートをセットすることができる。また、第1リフト板507aを底位置まで下降させないことで、収納庫を閉じた後に第1リフト板507aが給送位置まで上昇して給送動作を開始可能となるまでの待ち時間を短縮する効果もある。
なお、リフト中継位置センサ610の検知結果に基づいてリフタモータM500の駆動が停止された状態で図9の処理が完了した後、第1リフト板507aにシートが補充されると、リフト中継位置センサ610はOFFからONに切替わる。この場合、CPU301は再度、リフタモータM500の駆動を開始し、リフト中継位置センサ610がOFFとなる位置又は底位置センサ604がONとなる位置まで第1リフト板507aを下降させる。
(収納庫を閉じた場合)
次に、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。図10は、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。
電源が供給されている状態のとき、CPU301は、常時、ステップS1001として収納庫506が閉じられたことを表すイベントの発生を監視している。収納庫506が閉じられた場合、CPU301はステップS1002,S1003により、シートを給送位置まで上昇させる動作(ステップS1005)を行うか、各リフト板の高さ位置を揃える位置合わせ動作(ステップS1004)を行うかの判定を行う。
まず、CPU301は、ステップS1002でシート仕切板延長センサ606の検知結果から、シート仕切板500が非長尺領域A1にあるか長尺領域A2にあるかを確認する。シート仕切板500が非長尺領域A1にあるとき、リフト板の位置合わせを行う必要はないと判断し、CPU301はステップS1005の給送位置移動制御を実行する。シート仕切板500が長尺領域A2にあるとき、CPU301はさらにステップS1003でリフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONか否かを判定する。上述した通り、第1リフト板507aが第2リフト板507bより上方に移動することはないから、これらのセンサ605,607のON、OFFは図13(a)~(c)に示す3通りのいずれかである。ただし、黒塗りの三角形はセンサがONであることを表し、白抜きの三角形はセンサがOFFであることを表す。
ステップS1003の判定結果がYESとなるのは、図13(b)の場合、つまり第2リフト板507bが長尺シート下限位置にあり、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に位置する場合である。言い換えると、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、ユーザがシート仕切板500を長尺領域A2に移動させた状態で収納庫506を閉じた場合である。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせが必要であると判断し、ステップS1004の位置合わせ制御を実行する。一方、ステップS1003の判定結果がNOの場合、リフト板507a,507bの高さは既に揃っているから、CPU301は位置合わせの必要がないと判断してステップS1005の給送位置移動制御を実行する。
(給送位置移動制御)
図10の給送位置移動制御の処理内容について、図11のフローチャートに沿って説明する。なお、以下の処理内容は、実施例1におけるリフトアップ動作(図5のステップS504又はステップS505がNOの場合の動作)と実質的に等価である。
まず、ステップS1101でCPU301は、リフト給送位置センサ602がONであるか否かを判断する。ONである場合、第1リフト板507aがこれ以上上昇できない位置にあると判断できるため、ステップS1106へ進む。リフト給送位置センサ602がOFFである場合、第1リフト板507aは上昇可能と判断し、CPU301はS1102でリフタモータM500の駆動を開始し、第1リフト板507aの上昇を開始させる。
その後、ステップS1103,S1104によりシート有無センサ601又はリフト給送位置センサ602のいずれかがONになったことを確認すると、CPU301はステップS1105でリフタモータM500の駆動を停止させる。第1リフト板507aの上にシートが支持されている場合、リフト給送位置センサ602がOFFの状態でシート有無センサ601がONに切り替わる(ステップS1103のYES)。また、第1リフト板507aの上にシートが支持されていない場合、シート有無センサ601がOFFのままでリフト給送位置センサ602がONに切り替わる(ステップS1104のYES)。
最後に、ステップS1106で、シートの有無、及びシート有の場合はその残量を表す通知が収納庫制御部311から発行され、プリンタ制御部304を介してCPU回路部300に伝送される。シートの残量は、実施例1と同様に、リフタモータM500の駆動時間に基づいて算出されるものとする。CPU301は通知された情報に基づいて、表示操作部310に表示される、給送デッキ250のシート残量を表す情報の内容を決定する。
以上の給送位置移動制御により、シートが有る場合は最上位シートが給送位置に移動すると共に、CPU回路部300に対してシート残量が通知されて給送デッキ250からシートを給送可能な状態となる。一方、第1リフト板507aの上にシートが無い場合はCPU回路部300に対してシート無し通知が送信され、給送デッキ250からシートが給送されることはない。
(リフト板の位置合わせ制御)
次に、図10におけるステップS1004のリフト板の位置合わせ制御について、図12のフローチャートを用いて説明する。上述した通り、この制御が開始されるのは、シート仕切板延長センサ606がON、リフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONの場合である。この場合において、図14(a)は第1リフト板507aにシートが積載されていない状態、図14(b)は第1リフト板507aにシートが積載されている状態を表している。
位置合わせ制御が開始されると、ステップS1201でCPU301は第1リフト板507aが上昇する方向にリフタモータM500を駆動開始し、リフト中継位置センサ610の検知信号を監視する。この後、ステップS1202でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、CPU301はステップS1203でLED511を点灯させると共に、ステップS1206でリフタモータM500の駆動を停止させる。すると、図15(a)に示すように第1リフト板507aが長尺シート下限位置で停止するため、ユーザが収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を開くことで長尺シートをセット可能な状態となる。また、LED511の点灯により、ユーザは長尺シートをセットする準備が整ったことを認識する。これ以降、リフト板507a,507bの高さが揃っている間はLED511の点灯状態が維持される。また、ユーザがシート仕切板500を非長尺領域A1に移動させることで非長尺シートを積載可能な状態に遷移すると、LED511は消灯する。
ここで、リフト高さ位置センサ605がONになる前に、それより上方のリフト中継位置センサ610がONになった場合(ステップS1204のYES)、第1リフト板507aにシートSが積載されていることが確定する(図15(b))。この場合、シートの積載が原因で位置合わせ動作を完了できない可能性が高いため、位置合わせ動作を中断する判断が下される。そして、ステップS1205でCPU301はLED511を点滅させる動作(報知処理)を行うことで、リフト板507a,507bの位置合わせができないことをユーザに報知する。また、CPU301は、ステップS1206でリフタモータM500の駆動を停止させ、処理を終了する。LED511が点滅状態になった後、ユーザが収納庫506を開いて非長尺シートを取り除いてから収納庫506を閉じると、再び位置合わせ動作が行われる。なお、LED511が点滅状態になった場合の操作方法を案内するシール512等の表示部を給送デッキ250の見やすい位置(例えばケーシング250Aの天面)に設けると好適である。操作方法の案内の例として、収納庫506に収納されたシートを取り除くように促す案内を示すことが挙げられる。なお、当該案内をシール512に示すのではなく、画像形成装置100の操作マニュアルに示すようにしても良い。
図15(c)に示すように、第1リフト板507aに積載されているシートが少量の状態で(つまり長尺シート下限位置からリフト中継位置センサ610の検知位置までの距離より積載高さが低い状態で)、位置合わせ動作が開始される場合もある。この場合、リフト中継位置センサ610がONになる前にリフト高さ位置センサ605がONになる(ステップS1202のYES)から、位置合わせ動作は正常に終了する。
なお、ここでは位置合わせ動作が正常に終了した場合にLED511が第1の表示状態である点灯状態になり、位置合わせ動作が中断された場合に第2の表示状態である点滅状態になるものとして説明した。しかし、点灯と点滅の切換え以外でも、例えばLEDの発光色を変化させることで表示状態を変更してもよい。また、ステップS1204でリフト中継位置センサ610がONになる前から(例えば位置合わせ動作の開始時から)LED511の点滅を開始させておくことにしてもよい。この場合、位置合わせ動作が正常に終了した場合は点灯状態に切換え、位置合わせ動作が中断された場合は点滅状態を継続させるようにすればよい。つまり、報知処理を実行していない所定のタイミングにおいて表示灯を第1の表示状態とする構成において、報知処理を実行する場合は表示灯を第1の表示状態とは異なる第2の表示状態とするものであればよい。
(本実施例の効果)
このように、本実施例では、シート検知手段としてリフト中継位置センサ610を用いることで、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの位置合わせ動作の続行可否を判断している。そして、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達する前にリフト中継位置センサ610がONになった場合、位置合わせ動作が中断されてリフタモータM500の駆動が停止される。これにより、ユーザが非長尺シートを取り除く手順を忘れて収納庫506を閉じた場合であっても、シートが収納庫の天井部に衝突する等の不都合が生じる前に第1リフト板507aの上昇を停止させることができる。そして、LED511の表示により、ユーザに非長尺シートを取り除いて長尺シートへの交換手順をやり直すことを促すことができる。
また、本実施例では、位置合わせ動作の途中でリフト中継位置センサ610がONにならない限り、第1リフト板507aに非長尺シートが積載されていても位置合わせ動作が正常に完了する。つまり、第1リフト板507aに位置合わせ動作の障害とならない程度の少数の非長尺シートが積載されている場合は位置合わせ動作の完了を優先することで、実施例1と同様に、ユーザの操作負担を軽減することができる。
ここで、リフト中継位置センサ610の検知位置がシート有無センサ601の検知位置より低いことから、第1リフト板507aに同量のシートが積載されている場合、本実施例の方が実施例1に比べて早く位置合わせ動作の続行可否が判定される。このため、ユーザが非長尺シートを取り除く工程を忘れている場合には、より早いタイミングでユーザにその旨を通知して適切な対応をとるように促すことができる。
(その他の実施形態)
上記実施例1,2では、第1リフト板507aに積載されたシートの上面を検知するシート検知手段により、位置合わせ動作の続行可否を判断している。しかしながら、第1支持部に支持されたシートの有無を判別可能なシート検知手段を有する構成であれば、位置合わせ動作を正常に実行可能であるか否かを判定することができる。例えば、第1リフト板507aの積載面から突出し、シートに押圧することで退避するフラグを設けると共に、フラグを検知する光電センサを第1リフト板507aに配置することが考えられる。この場合、位置合わせ動作の開始条件が満たされていても、センサによって第1リフト板507aにシートが積載されていることを検知したときは第1リフト板507aを上昇させずにエラーを通知すればよい。つまり、本技術は、位置合わせ動作の開始後に中断するか位置合わせ動作を開始しないかに関わらず、シート検知手段によってシートを検知した場合に第1支持部の上昇を規制する。
また、上記実施例では、位置合わせ動作が中断された場合に、表示操作部310に表示されるメッセージ(実施例1)又はLEDの点滅(実施例2)によりユーザにエラーの発生を報知している。これらはエラーの発生をユーザに報知する手段の一例であり、例えば音声を用いてエラーの発生を報知してもよい。また、複数の報知方法を組み合わせて用いても構わない。また、シート給送装置がユーザに対する報知手段を備える場合に限らず、報知処理として、例えばシート給送装置に接続されたコンピュータのモニターに情報を表示させる信号を送信する構成としてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。