JP2019123615A - シート給送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺シートと非長尺シートの交換を容易に行うことができるシート給送装置を提供する。【解決手段】シート給送装置は、シートを支持する第1支持部(507a)と、シート給送方向(V1)において第1支持部より上流でシートを支持する第2支持部(507b)と、第1支持部及び第2支持部を昇降させる昇降手段(530)と、を備える。またシート給送装置は、シート収納手段(506)に収納されるシートのサイズに関する情報を検知する検知手段(606)を備える。シート給送装置は、シート収納手段が開く場合に、検知手段の検知結果に応じて第1支持部を第2支持部より下方まで移動な第1モードと、検知手段の検知結果に関わらず第1支持部及び第2支持部の高さを揃った状態とする第2モードを実行可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、シートを給送するシート給送装置に関する。
近年、画像形成装置に用いられる記録材の多様化に伴い、シート給送方向の長さが一般的な定型サイズの長さ(例えばA3の長辺長さ)よりも長いシート(以下、「長尺シート」という。)を大量かつ連続して処理できる画像形成装置の需要が高まっている。特許文献1には、給紙トレイに長尺紙を積載するためのオプション装置を取り付け可能な給紙装置が記載されている。この給紙装置は、オプション装置を取り付けていない状態では給紙トレイを筐体から引き出すことができるが、オプション装置を取り付けた場合、給紙トレイの底板にオプション装置の延長板が固定される。このため、底板と延長板とが固定されている間は給紙トレイの引き出し動作を規制するロック機構を設けることで、装置の破損を防いでいる。
特開2016−653号公報
しかしながら、上記文献に記載された技術では、装置の破損を防止することはできるものの、非長尺紙と長尺紙の交換作業が煩雑であった。つまり、非長尺紙を用いて画像を形成した後、長尺紙を用いて画像を形成する場合には、底板に延長板を固定して延長する作業を行う必要があった。また、長尺紙を用いて画像を形成した後、非長尺紙を用いて画像を形成する場合には、一度固定した延長板を取り外す作業を行う必要があった。
そこで、本発明は、長尺シートと非長尺シートの交換を容易に行うことができるシート給送装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るシート給送装置は、シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、シートを支持する第1支持部と、前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部より上流でシートを支持する第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部を昇降させる昇降手段と、前記シート収納手段に収納されるシートのサイズに関する情報を検知する検知手段と、前記昇降手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズに対応する状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部を前記第2支持部より下方に移動させ、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートのサイズに対応する状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第1モードと、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記検知手段の検知結果に関わらず、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第2モードと、を含む複数のモードのいずれかを実行可能である、ことを特徴とする。
本発明の他の態様に係るシート給送装置は、シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、シートを支持する第1支持部と、前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部より上流でシートを支持する第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部を昇降させる昇降手段と、前記シート収納手段に収納されるシートのサイズに関する情報を入力可能な入力手段と、前記昇降手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記入力手段を介して、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズが入力されている状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部を前記第2支持部より下方に移動させ、前記入力手段を介して、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートのサイズが入力されている状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第1モードと、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記入力手段を介して入力されているシートのサイズに関わらず、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第2モードと、を含む複数のモードのいずれかを実行可能である、ことを特徴とする。
本発明によれば、長尺シートと非長尺シートの交換を容易に行うことができる。
本開示に係る画像形成装置の概略図。 本開示に係る給送デッキの概略図。 画像形成装置の制御構成を示すブロック図。 実施例1に係る給送デッキの積載モードの選択画面を示す画像図。 実施例1に係る積載モード選択処理の内容を示すフローチャート。 実施例1に係る積載モード選択処理の実行中に表示される画面を表す画像図。 実施例1に係る積載モード選択処理の実行中に表示される画面を表す画像図。 実施例1において収納庫を開く操作が行われた場合のリフト板移動処理の内容を示すフローチャート。 実施例1において収納庫を閉じる操作が行われた場合のリフト板移動処理の内容を示すフローチャート。 実施例2に係るシートサイズの設定画面を示す画像図。 実施例2において収納庫を開く操作が行われた場合のリフト板移動処理の内容を示すフローチャート。 実施例2において収納庫を閉じる操作が行われた場合のリフト板移動処理の内容を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置について説明する。画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録材として用いられるシートに画像を形成する。記録材として用いられるシートには、印刷用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、並びに布が含まれる。
図1は、画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1において、画像形成装置100は、画像形成装置の本体であるプリンタ100Aと、プリンタ100Aの上部に設けられた画像読取装置(以下、「イメージリーダ」という。)100Bとを備える。イメージリーダ100Bは、例えば、プラテンガラス上に載置された原稿画像を読み取り、読み取った画像データを、ビデオ信号としてプリンタ100Aのスキャナユニットに送信する。
プリンタ100Aは、カラー画像を形成するプロセスユニット120と、記録材であるシートSを収容するシート収容部150と、シート収容部150のシートSを搬送するシート搬送系と、を備えている。
プロセスユニット120は、水平方向に沿って並設された複数の画像形成ステーションY,M,C,Kを備えている。画像形成ステーションY〜Kは、それぞれイエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の画像を形成する。画像形成ステーションY〜Kは、現像に用いるトナーの色を除いて実質的に同じ構成である。即ち、各画像形成ステーションY〜Kは、回転自在に軸支された感光体である感光ドラム123を備えた電子写真ユニットであり、感光ドラム123を像担持体としてドラム表面にトナー像を形成する。各画像形成ステーションY〜Kには、電子写真プロセスの各工程を実行するため、感光ドラム123の外周面にそれぞれ対向するように一次帯電装置、スキャナユニット122、折り返しミラー、現像装置及びクリーニング装置が配置されている。現像装置は、それぞれ対応するトナー補給部に接続されている。
プロセスユニット120の下方には、各画像形成ステーションY〜Kの感光ドラム123と当接するように無端状の中間転写ベルト130が配置されている。また、中間転写ベルト130を挟んで4つの感光ドラム123とそれぞれ対向するように4つの一次転写ローラが配置され、各一次転写ローラと感光ドラム123とのニップ部として一次転写部Ty,Tm,Tc,Tkが形成される。
中間転写ベルト130は、感光ドラム123と同様にトナー像を担持する像担持体として機能する中間転写体である。中間転写ベルト130は、例えば、駆動ローラ、テンションローラ及び二次転写対向ローラによって回転可能に張架されている。二次転写対向ローラと対向するように二次転写ローラが配置され、二次転写ローラと二次転写対向ローラとのニップ部として二次転写部Teが形成されている。
中間転写ベルト130の下方に、シートSを二次転写部Teまで搬送するシート搬送部と、シートSを収容するシート収容部150が配置されている。シート収容部150は、それぞれ複数枚のシートを積載可能な上カセット150a及び下カセット150bを備えている。上カセット150a及び下カセット150bに対しては、それぞれ同一サイズの定型シートを積載してもよいし、異なるサイズの定型シートを積載してもよい。
画像形成装置100には、上カセット150a及び下カセット150bの他に、給送デッキ250及び手差しトレイ210が設けられている。手差しトレイ210は、一時的に使用する数十枚程度の比較的少ない枚数のシートに画像を形成する際に好適に使用される。プリンタ100Aに連結して使用される形態のシート給送装置である給送デッキ250は、例えば、A3、A4などの定型シートの他に、定型サイズよりも給送方向の長さが長い長尺シートを多数枚積載することができる。ユーザは、定型シート以外のシートに画像を形成する場合、シート収容部150に収容されているシートとは異なるサイズのシートに画像を形成する場合、もしくは大量のシートに画像を形成する場合等に、給送デッキ250を使用する。給送デッキ250の詳細については、後述する。
シート搬送部は、主として供給パス131と排出パス231とによって構成されている。供給パス131は、上カセット150a、下カセット150b、給送デッキ250又は手差しトレイ210からのシートSを二次転写部Teまで搬送する搬送パスである。排出パス231は、画像形成後のシートSをプリンタ100Aの外部に搬送する搬送パスである。
供給パス131には、上カセット150a及び下カセット150bにそれぞれ対応するピックアップローラ151a及び151bと、搬送ローラ対153,154,155と、レジストレーションローラ161と、が設けられている。シートSの搬送方向におけるレジストレーションローラ161の上流側には、レジストレーションセンサ160が配置されている。レジストレーションセンサ160は、レジストレーションローラ161に当接して一旦停止したシートSの搬送を再開して中間転写ベルト130の画像をシートSに転写するタイミングを決定するために用いられる。また、レジストレーションセンサ160は、搬送されるシートSのサイズを検知可能なサイズ検知手段としても機能する。レジストレーションセンサ160は、1枚のシートSの先端(搬送方向の下流端)を検知したとき及び後端(搬送方向の上流端)を検知したときに信号を出力する。後述するCPU301は、レジストレーションセンサ160の出力信号とシートSの搬送速度とを用いてシートSの搬送方向における長さを検出することができる。
なお、プリンタ100Aと給送デッキ250とは、デッキ供給パス132によって接続されている。デッキ供給パス132は、搬送ローラ対154の上流側で供給パス131と接続しており、給送デッキ250から給送されるシートSを供給パス131に搬入する。
一方、排出パス231には定着装置170が設けられ、定着装置170の下流側で排出パス231に反転パス230が接続されている。また、反転パス230には、両面搬送パス235が接続されている。排出パス231と反転パス230との接続部には、反転フラップ172が配置されている。反転フラップ172は、定着装置170から排出されたシートSの搬送先を振り分ける。
排出パス231は、反転パス230との接続部の下流側で上排出パス181と下排出パス180に分岐しており、分岐部には、反転フラップ190が配置されている。反転フラップ190は、シートSの搬送先を上排出パス181と下排出パス180に振り分ける。上排出パス181は、シートSを上排出トレイ196に排出する。また、下排出パス180は、シートSを下排出トレイ200に排出する。排出パス231、反転パス230、両面搬送パス235、上排出パス181及び下排出パス180には、それぞれ搬送ローラ対又は排出ローラ対が設けられている。各ローラは、外周面がゴム等の高い摩擦係数の部材で巻かれたゴムローラとして構成されている。
画像形成装置100の上部には、ユーザインターフェースとしての表示操作部310が設けられている。表示操作部310は、画像を表示する液晶パネルと、印刷開始ボタン及びテンキー等のボタン並びにタッチパネルとを備えた、ユーザの入力操作を受付ける入力手段及びユーザに情報を提示する出力手段として機能する。CPU301は、表示操作部310に表示する情報の内容を制御し、ユーザによって入力された情報を受信することで、画像形成装置100の機能や使用条件等に関する設定や、画像形成ジョブを実行する際の設定(印刷設定)を行う。
なお、上述のプロセスユニット120は画像形成手段の一例であり、モノクロ方式の電子写真ユニットであってもよく、またインクジェット方式など他のプリント方式であってもよい。
(給送デッキ)
次に、給送デッキ250の構成について説明する。図2は、給送デッキ250の概略構成を示す断面図である。給送デッキ250は、ケーシング250Aと、多数枚のシートSを収容する箱状の収納庫506と、収納庫内に昇降可能に取り付けられた第1リフト板507a及び第2リフト板507bと、シートSを給送するデッキ供給パス132と、を備えている。シート収納手段に相当する収納庫506は、ケーシング250Aに対して引き出し及び押し入れ可能に構成されている。収納庫506の内側に配置される第1リフト板507a及び第2リフト板507bは、シート給送方向V1に並ぶように配置されている。
第1支持部に相当する第1リフト板507aは、収納庫506におけるシート給送方向V1の下流側(例えば図中左側半分)をカバーし、リフト機構530によって昇降可能に構成されている。リフト機構530は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bを昇降させる昇降手段に相当する。リフト機構530は、第1リフト板507aを吊り下げて支持するワイヤ530aと、ワイヤ530aが懸け回される複数のプーリ530bと、ワイヤ530aの一端が固定されたワイヤプーリ530cとを備えている。ワイヤプーリ530cは収納庫506に設けられたリフタモータM500によって回転駆動され、ワイヤ530aを介して第1リフト板507aを上下方向(鉛直方向)に移動させる。
第2支持部に相当する第2リフト板507bは、収納庫506におけるシート給送方向V1の上流側(例えば図中右側半分)をカバーする。第2リフト板507bは、第1リフト板507aに設けられた支持アーム507cに支持された状態で、第1リフト板507aの昇降動作に伴って所定範囲内で昇降する。すなわち、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609によって制限されており、第2リフト板507bは、メカストッパ609より上方の範囲でのみ昇降可能に構成されている。従って、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609より下方の位置に移動可能な第1リフト板507aの昇降範囲よりも狭い。第2リフト板507bは、第1リフト板507aのシート積載面(上面)の長さを延長する延長リフト板として機能する。
第2リフト板507bの下降限界位置(下死点)は、長尺シートの最大積載量を規定するリフト板位置であり、例えば、基準となる厚さのシート(例えば普通紙)で1000枚の長尺シートを積載可能な位置(長尺シート下限位置)である。以下、第2リフト板507bの下限位置、つまりメカストッパ609に当接して支持される所定位置を第2リフト板507bのホームポジションとする。収納庫506には、第2リフト板507bがホームポジションにあるか否かを検知する延長リフタHPセンサ607が設けられている。延長リフタHPセンサ607は、第2リフト板507bがホームポジションにある場合にONとなり、第2リフト板507bがホームポジションにない場合にOFFとなる。
なお、第2リフト板507bをホームポジションよりも下方に移動可能に構成した場合、ユーザが1000枚以上の長尺シートを載置する可能性がある。この場合、例えば給送デッキ250の必要強度やリフタモータM500の要求性能が上がることにより、装置の大型化、重量化やコスト増といった課題が生じるため、あえてメカストッパ609によって第2リフト板507bの下降限界を設けている。第2リフト板507bのホームポジションは、各リフト板507a,507bの強度、収納庫506の強度、リフト機構530の能力等を考慮して規定されている。しかしながら、第2リフト板507bのホームポジションや長尺シートの最大積載量は上述したものに限らず、また、製品出荷後に使用環境に応じてホームポジションを変更可能な構成とすることもできる。
非長尺シートは、第1リフト板507aに載置される。なお、非長尺シートとは、所定サイズ(例えばA3)以下の定型サイズの他、第1リフト板507aのみによって支持される任意のサイズのシートを含むものとする。第1リフト板507aは、単独で、例えば3000枚程度の非長尺シートを積載することができる。所定長さよりも長い長尺シートは、第1リフト板507aと第2リフト板507bに跨って載置される。2分割された2つの第1リフト板507a及び第2リフト板507bによって、大量の非長尺シートを積載可能な状態と長尺シートを積載可能な状態とを切替えて使用することが可能な構成が実現されている。
収納庫506には、シートSの後端の位置を規制する後端規制手段として、シート仕切板500が設けられている。シート仕切板500は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面に直交し、上下方向に延びる板状部材であり、シート給送方向V1に沿って移動可能である。シート仕切板500は、シートサイズに応じてユーザが手動で動かすことで位置決めされる。非長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を第1リフト板507aの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとするシートの後端位置に合わせる。長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を図中右側に向かって第2リフト板507bの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとする長尺シートの後端位置に合わせる。
収納庫506の底部の略中央部に、シート仕切板500の位置に関する情報を検知する検知手段として、シート仕切板延長センサ606が設けられている。シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500が検知位置を超えて図中右側に移動した場合にONとなり、シート仕切板500が検知位置を超えて図中左側に移動した場合にOFFとなる。言い換えると、シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500の規制面が非長尺シートの後端位置を規制する非長尺領域A1(第1領域)に位置するか、長尺シートの後端位置を規制する長尺領域A2(第2領域)に位置するかを検知可能である。これによって、画像形成装置100はユーザが使用する予定のシートSの後端が第2リフト板507bにかかるか否か、換言すれば長尺シートを使用する予定であるか否かを判断することができる。
本実施形態において、非長尺領域A1と長尺領域A2とは、第1リフト板507aの積載面と第2リフト板507bの積載面の継ぎ目の位置を境界として隣接するものとして説明する。しかしながら、後端規制手段が非長尺シートに対応する規制位置と長尺シートに対応する規制位置とのどちらにあるかを区別可能な構成であれば、積載面の継ぎ目とシート仕切板延長センサ606の信号が切換わる位置が一致する必要はない。また、第2リフト板507bの積載面から突出するフラグにより第2リフト板507bの上のシートの有無を検知するセンサを検知手段として用いるなど、収納庫506のシートが長尺シートであるか否かを直接的に検知する構成としてもよい。
第1リフト板507a及び第2リフト板507bの上方に形成される空間(シート収容部)の最上部には、シート有無センサ601及びリフト給送位置センサ602が配置されている。シート有無センサ601は、第1リフト板507aの上にシートSがあるか否かを検出し、シートSを検知するとONとなり、シートSを検出しない場合にOFFとなる。リフト給送位置センサ602は、第1リフト板507aに支持されるシートSの上面(最上位シートの上面)を検出する。これによって、第1リフト板507aが給送位置にあるか否か、つまり第1リフト板507aに積載されたシートSの上面が、ピックアップローラ501によって給送可能な位置にあるかどうかが判断される。画像形成動作中、CPU301は、リフト給送位置センサ602を監視しており、リフト給送位置センサ602がOFFになった場合、ONになるまでリフタモータM500を駆動する。これにより、第1リフト板507aに支持されたシートSの上面高さが一定に保たれる。
収納庫506の上部に設けられた、給送デッキ側のデッキ供給パス132には、シートSを給送するシート給送手段としてピックアップローラ501、フィードローラ502及びリタードローラ503からなる給送ユニット505が設けられている。ピックアップローラ501は、第1リフト板507aに積載されたシートSの上面に当接し、最上位のシートSをシート給送方向V1に送り出す。フィードローラ502はピックアップローラ501と共にシートSを搬送する。リタードローラ503は、フィードローラ502に当接し、シート給送方向V1に逆らう方向の駆動力をトルクリミッタを介して入力されている。なお、給送ユニット505はシート給送手段の一例であり、例えば給送ベルトにシートSを吸着して給送するベルト給送方式の給送ユニットを用いてもよい。
プリンタ側のデッキ供給パス132には、搬送ローラ対504及び給送センサ603が設けられている。搬送ローラ対504は給送ユニット505からシートSを受取り、プリンタ100Aの供給パス131に搬送する(図1参照)。
収納庫506には、第1リフト板507aの昇降動作を制御するための検知構成として、リフト高さ位置センサ605及び中継センサ610が設けられている。高さ検知手段に相当するリフト高さ位置センサ605は、第2リフト板507bの下降を制限する上述のメカストッパ609とシート給送方向V1において対向する側面に、メカストッパ609と同じ高さに設けられている。リフト高さ位置センサ605は、第1リフト板507aの高さ位置を監視し、第1リフト板507aを検出した場合にONとなり、第1リフト板507aを検出しない場合にOFFとなる。即ち、リフト高さ位置センサ605がONになった状態では、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に位置していることが分かる。
リフト高さ位置センサ605は、収納庫506のシート給送方向V1における下流側の壁面に配置されており、延長リフタHPセンサ607は、上流側の壁面に配置されている。収納庫506にシートSが入っていない状態で、リフト高さ位置センサ605と延長リフタHPセンサ607が共にONの場合は、第1リフト板507aが第2リフト板507bと同じ高さにあって、1つのシート積載面を形成している状態である。第1リフト板507aと第2リフト板507bが同じ高さになることにより、長尺シートを積載する準備が整えられる。一方、本実施形態の場合、リフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONとなるのは、第1リフト板507aが第2リフト板507bよりも下方に位置している場合である。この場合は、第1リフト板507aと第2リフト板507bに段差があり、長尺シートを積載することができない状態である。
シート高さ検知手段に相当する中継センサ610は、リフト給送位置センサ602の検知位置より下方の検知位置で、第1リフト板507aに支持されたシートSの上面を検知する。中継センサ610の検知位置は、リフト給送位置センサ602の検知位置から長尺シート下限位置の間に設定され、例えば、基準となる厚さのシートで150枚分の高さだけ長尺シート下限位置から離間した位置に設定される。中継センサ610は、収納庫506に非長尺シートSが補充される場合に、第1リフト板507aの高さ位置の制御に用いられる。
収納庫506の底部には、底部検知手段に相当する底位置センサ604が設けられている。底位置センサ604は、第1リフト板507aが収納庫506の底部にあればONとなり、第1リフト板507aが収納庫506の底部になければOFFとなる。
収納庫506は、ケーシング250Aから引き出されてシートSのセット作業や交換作業が可能な開状態と、ケーシング250Aに収容された閉状態との間で開閉可能である。収納庫506の前面には、収納庫506を開状態とするための操作具として、収納庫開ボタン510が設けられており、ユーザによる収納庫開ボタン510の押下があった場合に給送デッキ250と収納庫506の固定が解除される。すなわち、収納庫506をケーシング250Aにロックするラッチ部材が解除され、収納庫506を手前に引き出すことが可能な状態になる。収納庫506には収納庫開閉センサ608が設けられており、収納庫開閉センサ608は、収納庫506が手前に引き出されている状態であるか否かを検知する。収納庫506が手前に引き出されている場合、収納庫開閉センサ608がONになり、収納庫506が手前に引き出されていない場合、換言すれば収納庫506がケーシング250Aに収容されている場合、収納庫開閉センサ608はOFFになる。
(制御構成)
次に、このような給送デッキ250を備えた画像形成装置100の制御構成について説明する。図3は、図1の画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU(中央演算装置)301、ROM(読み取り専用メモリ)302及びRAM(ランダムアクセスメモリ)303を含むCPU回路部300を備えている。CPU301は、アドレスバス又はデータバスによってROM302及びRAM303に接続されている。また、CPU回路部300は不揮発性の記憶装置であるHDD(ハードディスクドライブ)611と接続されている。
CPU回路部300は、表示操作部310及びプリンタ制御部304と接続されている。プリンタ制御部304は、画像信号制御部308に接続されると共に、該画像信号制御部308を介して外部I/F309と接続されている。また、プリンタ制御部304は、シート搬送部305、画像形成部306及び収納庫制御部311とそれぞれ接続されている。なお、画像信号制御部308は、CPU回路部300と直接にも接続されている。
制御手段の一例であるCPU301は、画像形成装置100の全体を制御する制御プログラムを実行可能である。ROM302は、制御プログラムを格納する。RAM303には、制御に用いるデータが書き込まれる。プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいて画像形成部306に対して画像を形成するための指示を出す。画像形成部306は、入力されたビデオ信号に基づいてシートSに画像を形成する。また、プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいてシート搬送部305を制御してシートの給送、搬送等を行わせる。画像信号制御部308は、プリント動作時に、外部I/F309を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、処理後のデジタル画像信号をビデオ信号に変換してRAM303に格納する。表示操作部310は、画像形成を行う際のカラーモードの選択、シート情報の入力、コピースタート等のユーザからの指示を受け付け、また、画像形成装置の状態、警告メッセージ等を表示する。
収納庫制御部311は、リフタモータM500、収納庫開ボタン510、延長リフタHPセンサ607、底位置センサ604、収納庫開閉センサ608、シート有無センサ601、リフト給送位置センサ602、及び中継センサとそれぞれ接続されている。また、収納庫制御部311は、リフト高さ位置センサ605、シート仕切板延長センサ606とそれぞれ接続されている。収納庫制御部311は、給送デッキ250に設けられたセンサ群からの情報を受け付ける。そして、収納庫制御部311は、CPU301からの指示に基づいてリフタモータM500を制御する。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置100による画像形成動作について説明する。画像形成装置100のプリンタ100Aに対し、給送デッキ250からシートSを供給して画像形成を行うことを要求するプリントジョブが投入されたとする。リフタモータM500はワイヤプーリ530cを回転させてワイヤ530aを巻き付けることにより、第1リフト板507aを上昇させる。プロセスユニット120によるトナー像の形成準備が整うと、給送ユニット505の駆動源となる給送モータの駆動が開始する。これによって、ピックアップローラ501及びフィードローラ502の駆動が開始され、合わせて搬送ローラ対504が回転駆動されることで、収納庫506のシートSが1枚ずつデッキ供給パス132を経て供給パス131に搬入される。
このとき、ピックアップローラ501で2枚以上のシートSが送り出され、フィードローラ502とリタードローラ503との分離ニップ部に挟まれると、2枚目以降のシートSの進入がリタードローラ503によって阻止される。そして、1枚目の最上位のシートSのみが搬送ローラ対504側へ搬送される。シートSの給送動作が正常に行われたか否かは給送センサ603を用いて監視される。
供給パス131に搬入されたシートSは、搬送ローラ対154,155等によって二次転写部Teまで搬送される(図1参照)。二次転写部Teまで搬送されたシートSの位置は、レジストレーションセンサ160で監視される。また、シートSのサイズは、レジストレーションセンサ160がシートSの先端及び後端を検知した信号に基づいて、又は表示操作部310を介してユーザによって入力されたシートサイズに基づいて決定される。
シートSが二次転写部Teに到着するタイミングに合わせてプロセスユニット120によって画像形成動作が開始される。すなわち、プロセスユニット120の各画像形成ステーションY〜Kにおいて、感光ドラム123の表面が一様に帯電された後、スキャナユニット122から照射されるレーザ光によってドラム表面上に静電潜像が形成される。感光ドラム123に担持された静電潜像は、現像装置から供給されるトナーによって現像される。このトナー像は、一次転写部Ty〜Tkに一次転写電圧が印加されることによって、順次中間転写ベルト130へ転写され、カラー画像を形成する。中間転写ベルト130に形成されたトナー像は、中間転写ベルト130の回転によって二次転写部Teまで移動する。
一方、レジストレーションセンサ160によって先端部が検知されたシートSは、レジストレーションローラ161に当接して停止する。このときシートSは、レジストレーションローラ161に先端を突き当てた状態で所定量搬送されることによってループ形状(撓み)を形成して斜行が補正される。斜行が補正されたシートSは、レジストレーションセンサ160に先端部が到達した時刻とレジループ形成に要した時間を考慮して、シートSの先端と、中間転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部Teで一致するように搬送が再開される。
二次転写部Teに到達したシートSと中間転写ベルト130上のトナー像に対し、二次転写ローラから転写電圧が印加される。これによって、トナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置170へ搬送される。定着装置170に搬入されたシートSは、加熱ローラ及び加圧ローラによって加熱及び加圧されることによってトナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、プリンタ100Aの出口に向けて搬送される。
なお、トナー像が転写されたシートSの先端が定着装置170の上流側に配置された搬送センサ171に到達した際、プリントジョブの指示に従ってシートの搬送先が反転パス230又は排出パス231のいずれかに切り替えられる。シートSの両面に画像を形成する両面プリントジョブの場合、シートSは反転パス230に搬入され、表面と裏面とを入替えた状態で、再度、二次転写部Teへ向けて搬送され、裏面に画像を形成される。片面プリントジョブもしくは両面プリントジョブの裏面印刷の場合、シートSは排出パス231に搬入される。
排出パス231へ搬入されたシートSは、搬送ローラ対232によって搬送され、プリントジョブの指示に従って位置決めされた反転フラップ190に案内されて下排出パス180又は上排出パス181へ搬入される。排出指定先が下排出トレイ200である場合、シートSは下排出パス180へ搬入され、排出指定先が上排出トレイ196である場合、シートSは上排出パス181へ搬入される。また、プリンタ100Aに、画像形成されたシートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置が連結されている場合、シートSは下排出パス180からシート処理装置に受け渡される。
(給送デッキの積載モード)
ところで、第1リフト板507aが第2リフト板507bの下降限界位置より下方に移動できる一方で、収納庫506に長尺シートを積載しようとする場合、2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が揃っている必要がある。ここで、収納庫506が開いた状態で第1リフト板507aを上昇させると、図2に示す第1リフト板507aと第2リフト板507bとの隙間にシートSが挟まって故障が発生する可能性がある。この問題に対処するため、非長尺シートが除去された後に収納庫506を閉じる動作をユーザに要請し、収納庫506が閉じた状態で第1リフト板507aを上昇させることが考えられる。ユーザは、第1リフト板507aの高さ位置が第2リフト板507bと揃うまで待機し、その後、収納庫506を開くことで長尺シートをセットすることができる。しかしながら、この手順ではシート交換作業の途中で収納庫506の開閉動作が要求されることになり、非長尺シートと長尺シートとを頻繁に交換する状況では利便性が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、非長尺シートの積載量を優先する第1モード(積載量優先モード)と、非長尺シートと長尺シートとを容易に交換可能な第2モード(シート交換優先モード)とを設けている。シート交換優先モードでは、収納庫506を開く操作を行っても、第1リフト板507aが第2リフト板507bの下降限界位置よりも下方に移動せず、2枚のリフト板507a,507bが1枚の板であるかのように振舞う。このモードでは、ユーザは収納庫506を一度開閉するだけで、非長尺シートを長尺シートに交換することができる。以下、このようなモードの切換えが可能な実施例について説明する。
図4は、第1の実施例(実施例1)に係る給送デッキ250の動作を切り替えるための積載モード選択画面403を表す画像図である。この画面403は、例えば表示操作部310のホーム画面からユーザ設定画面を呼び出して積載モードの選択を行うための操作を行うことで表示操作部310に表示される。
積載量優先ボタン401は給送デッキ250を積載量優先モードにするためのボタンである。ユーザが積載量優先モードを選択すると、第1リフト板507aが収納庫506の底部まで降下可能となり、非長尺シートを最大限に積載可能となる。シート交換優先ボタン402はシート交換優先モードにするためのボタンである。ただし、画面上は「用紙交換優先」と表示されている。ユーザがシート交換優先モードを選択すると、第1リフト板507a及び第2リフト板507bはメカストッパ609を下限として1枚の板であるかのように動作する。
給送デッキ250の積載モードを積載量優先モード又はシート交換優先モードに設定するための処理について、図5に沿って説明する。なお、フローチャートの各工程は、画像形成装置100のCPU301がROM302に格納されたプログラムを読み出して実行するものとして説明するが、例えば収納庫制御部311が一部又は全部の工程を実行することも可能である。即ち、シート給送装置に設けられる制御手段とは、シートが収納される部分(給送デッキ250)に搭載されるものに限らず、これに接続される部分(本実施例ではプリンタ100A)に搭載されるものを含み、かつ複数箇所に分散していてもよいものとする。
ユーザによる表示操作部310の操作により積載モードの選択画面の表示が要求されると、ステップS501でCPU301は表示操作部310に図4に示す積載モード選択画面403を表示させる。ステップS502で、CPU301は表示操作部310で積載モード選択画面403の積載量優先ボタン401又はシート交換優先ボタン402のどちらが押下されたかを判定する。
ステップS502でシート交換優先ボタン402が押下されたと判断した場合、ステップS503〜S506で収納庫506のシートをユーザに除去させるための処理が行われる。まず、ステップS503でCPU301は、プリンタ制御部304及び収納庫制御部311を介して収納庫開閉センサ608の状態を取得し、収納庫の開閉状態を判断する。ステップS503で収納庫開閉センサ608がONである、すなわち収納庫506が開いていると判断した場合、ユーザにシートを取り除き収納庫を閉めることを促すため、ステップS504でCPU301は表示操作部310に図6に示す画面61を表示させる。この画面61により、シートを取り除いて収納庫を閉めることを促すメッセージ62を表示させた状態で、CPU301は収納庫が閉じられるまで待機する。
図5のステップS503で収納庫開閉センサ608がOFFである、すなわち収納庫が閉まっていると判断した場合、ステップS505でCPU301はプリンタ制御部304及び収納庫制御部311を介しシート有無センサ601の状態を判断する。ステップS505でシート有無センサ601がONである、すなわち第1リフト板507aの上にシートSがあると判断した場合、ユーザにシートを取り除くことを促すため、ステップ506でCPU301は表示操作部310に図7に示す画面を表示する。この画面701により、収納庫を開いてシートを取り除くことを促すメッセージ702を表示させた状態で、CPU301は収納庫が開かれた後に閉じられるまで待機する。
図5のステップS505でシート有無センサ601がOFFである、すなわち第1リフト板507aの上にシートがないと判断した場合、ステップS507でCPU301は表示操作部310に図4の積載モード選択画面403を表示させる。このとき、ステップS502で選択された積載モードのボタンをハイライトする。また、CPU301は選択された積載モードをHDD611に記憶させて処理を終了する。
なお、ステップS502で積載量優先ボタン401が押下されたと判断した場合、CPU301はシートの除去を要求することなく処理を終了する。これは、シート交換優先モードでは2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が常に揃っていることが要求される一方で、積載量優先モードでは収納庫506を開閉する度に高さ位置を揃える必要があるか判断されるためである。
(収納庫を開いた場合のリフト板移動処理)
次に、給送デッキ250の収納庫506を開閉した場合に、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの昇降動作を制御するためのリフト板移動処理について説明する。図8は、収納庫が開かれた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。このリフト板移動処理は、収納庫開ボタン510が押下された場合に開始され、CPU回路部300のCPU301がROM302に格納されたリフト板移動処理プログラムに従って実行する。
図8において、給送デッキ250に電源が投入された後、CPU301は、常時、収納庫開ボタン510が押下されたか否か判定し、押下されるまで待機する(ステップS801)。収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301は以下で説明するステップS802〜S816の処理により、リフタモータM500の駆動を制御する。
まず、ステップS802でCPU301は、シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出したか否か判定する。シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出した場合は、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合、つまり長尺シートを収納する準備操作が行われたことになり、長尺シートの収納が想定される。一方、ステップS802の判定の結果、シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出しなかった場合、ステップS803でCPU301は給送デッキ250の積載モードを判定する。すなわち、CPU301はHDD611から積載モードの設定情報を読み込み、積載モードが積載量優先モードかシート交換優先モードかを判断する。
ステップS802,S803の判定の結果、シート仕切板500の位置が長尺領域A2になく、かつユーザが積載量優先モードを選択している場合、長尺シートの収納は想定されず、非長尺シートが収納される可能性が高いと考えられる。そこで、CPU301は、非長尺シートの積載に備えるステップS804〜S808の実行を開始する。
まず、ステップS804でCPU301は底位置センサ604がOFFになっているか否か判定する。ステップS804の判定の結果、底位置センサ604がOFFである場合、第1リフト板507aは底位置にない(第1リフト板507aの下降余地がある)ことが分かる。従って、ステップS804の判定結果がYESである場合に、CPU301はステップS805でリフタモータM500を制御して第1リフト板507aが下降する方向に駆動を開始する。一方、ステップS804の判定結果がNOである場合、CPU301は第1リフト板507aが既に底位置にあってこれ以上下降できないと判断し、処理を終了する。
ステップS805で第1リフト板507aの下降を開始させた後、CPU301は、ステップS806,S807で中継センサ610及び底位置センサ604の出力信号を監視する。第1リフト板507aの下降に伴って、シートの上面が中継センサ610の検知位置を通過すると、中継センサ610の出力がONからOFFに変化する(ステップS806のYES)。この場合、中継センサ610の出力が変化した時点で、ステップS808でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止させ処理を終了する。また、中継センサ610がONのままであっても、底位置センサ604がOFFからONになった場合(S807のYES)、第1リフト板507aが収納庫の底部に到達したことになる。この場合も、ステップS808でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止させ、処理を終了する。以上のステップS804〜S808により、ユーザが第1リフト板507aに非長尺シートを積載するための準備が整う。
ここで、中継センサ610の検知位置にシートの上面がある状態でリフタモータM500の駆動を停止させるのは、収納庫を閉じた後に第1リフト板507aが給送位置まで上昇し、画像形成動作を開始可能となるまでの待ち時間を短縮するためである。すなわち、非長尺シートの積載量が最大積載量より少ない場合、第1リフト板507aが必ず底位置まで下降する構成に比べて第1リフト板507aが給送位置に到達するまでの移動距離が小さく抑えられる。
また、中継センサ610の検知結果に基づいてリフタモータM500の駆動が停止された状態で図8の処理が完了した後、第1リフト板507aにシートが補充されると、中継センサ610はOFFからONに切替わる。この場合、CPU301は再度、リフタモータM500の駆動を開始し、中継センサ610がOFFとなる位置又は底位置センサ604がONとなる位置まで第1リフト板507aを下降させる。ただし、変形例として、中継センサ610を設けずに、積載量優先モードにおいて収納庫が開いたときは第1リフト板507aを収納庫の底部まで移動させる構成(ステップS806を省略した構成)としてもよい。
一方、ステップS802,S803の判定の結果、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合、又はユーザがシート交換優先モードを選択している場合、CPU301は長尺シートに備える必要があると判断する。この場合、CPU301は長尺シートを積載可能な状態を実現するステップS810〜S816の実行を開始する。
まず、ステップS810で、CPU301はリフタモータM500を制御して第1リフト板507aの下降方向へ駆動を開始させる。第1リフト板507aの下降を開始させた後、ステップS811で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がONになったか否かを判定する。ステップS811の判定の結果、所定時間内にリフト高さ位置センサ605がONになった場合、ステップS812でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止した後、処理を終了する。このとき、第1リフト板507aは、リフト高さ位置センサ605の位置に停止し、第2リフト板507bもリフト高さ位置センサ605の位置と同じ高さである延長リフタHPセンサ607の位置に停止する。この状態は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面が同じ高さ(長尺シート下限位置)にあって、長尺シートを載置する準備が整った状態である。
一方、ステップS811の判定の結果、リフト高さ位置センサ605がONにならない状態で、第1リフト板507aの下降開始から所定時間が経過した場合(ステップS813のYES)、CPU301はタイムアウト状態と判断する。この所定時間は、リフト高さ位置センサ605の上方にあった第1リフト板507aがリフト高さ位置センサ605の位置まで下降するのに十分な時間である。タイムアウト状態のとき、何らかの事情により、第1リフト板507aがリフト高さ位置センサ605よりも下方にあると考えられる。この場合、第1リフト板507aの下降を継続すると、第1リフト板507aと第2リフト板507bの間に段差が生じてしまう。
そこで、ステップS813の判定の結果、タイムアウト状態となっている場合、ステップS812でCPU301はリフタモータM500を制御して第1リフト板507aの下降を停止し、上昇する方向への駆動を開始させる。ステップ813で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がONになるまで第1リフト板507aが上昇する方向へのリフタモータM500の駆動を継続する。そして、リフト高さ位置センサ605がONになった時点で、CPU301は、リフタモータM500の駆動を停止し(ステップS814)、処理を終了する。これにより、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面が同じ高さにあって、長尺シートを載置する準備が整った状態となる。
以上のリフト板移動処理が終了すると、収納庫506のロックが解除され、ユーザが収納庫506をケーシング250Aから引き出し可能な状態になる。つまり、CPU301は、収納庫開ボタン510の操作を受付けた後、図8のリフト板移動処理が終了するまでは収納庫506のロックを継続し、処理終了後にロックを解除する。
(収納庫を閉じた場合のリフト板移動処理)
次に、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。図9は、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。このリフト板移動処理は、給送デッキ250の積載モードに関わらず、収納庫506が閉じられた場合に実行される。例えば、長尺シートを用いて画像形成を行おうとするユーザが収納庫506を開いて非長尺シートを取り除き、シート仕切板500を長尺領域A2に移動させた後、収納庫を閉じた際に実行される。また、図5を用いて説明した給送デッキ250の積載モードをシート交換優先モードにした状態で、ユーザが収納庫506を開いてシートを取り除き、非長尺シート又は長尺シートをセットして収納庫506を閉じた場合にも実行される。このリフト板移動処理は、CPU回路部300のCPU301がROM302に格納されたリフト板移動処理プログラムに従って実行する。
図9において、給送デッキ250に電源が供給されている状態のとき、CPU301は、常時、ステップS901として収納庫506が閉じられたことを表すイベントの発生を監視して待機する。具体的には、CPU301は、収納庫開閉センサ608がONからOFFに変化した場合に開いていた状態の収納庫506が閉じられたと判断する。ステップS901の判定の結果、収納庫506が閉じられたと判断した場合、CPU301はステップS902に処理を進める。CPU301は、ステップS902でリフト給送位置センサ602がOFFであるか否か、換言すれば、第1リフト板507aに積載されたシートを給送ユニット505が直ちに給送可能な位置にあるか否かを判定する。ステップS902の判定の結果、リフト給送位置センサ602がONのとき(ステップS902のNO)、これ以上第1リフト板507aを上昇させる必要はないので、CPU301は処理を終了する。
ステップS902の判定の結果、リフト給送位置センサ602がOFFのとき(ステップS902のYES)、CPU301は、ステップS903でリフタモータM500を制御して第1リフト板507aの上昇を開始させる。そしてCPU301は、ステップS904〜S906で、第1リフト板507aを給送位置まで上昇させる動作(ステップS909)を行うか、第1リフト板507aの高さ位置を第2リフト板507bに揃える動作(ステップS907)を行うかの判定を行う。
まず、CPU301は、ステップS904でリフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONか否かを判定する。この判定結果がYESとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS804〜S808の処理が実行された場合である。つまり、第2リフト板507bが下降限界位置にあり、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に位置する場合である。一方、判定結果がNOとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS810〜S816の処理が実行された場合である。つまり、第1リフト板507a及び第2リフト板507bがいずれも長尺シート下限位置にあって高さが揃っている場合である。
ステップS904の判定結果がNOのとき、つまり収納庫506を閉じる時点で第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さが揃っているとき、セットされているのが長尺シートか非長尺シートかに関わらず、シートの給送を開始可能である。そこで、ステップS909でCPU301はリフト給送位置センサ602がONとなるまでリフタモータM500の駆動を継続させる。CPU301は、リフト給送位置センサ602がONになって第1リフト板507aが給送位置に到達したことを確認すると(ステップS909のYES)、リフタモータM500の駆動を停止して処理を終了する。
ステップS904の判定結果がYESのとき、つまり第1リフト板507aと第2リフト板507bの高さ位置が異なる場合、ステップS905で、CPU301はシート仕切板500の位置情報を確認する。すなわち、CPU301は、シート仕切板延長センサ606がONか否か、換言すれば、シート仕切板500が非長尺領域A1にあるか長尺領域A2にあるかを確認する。シート仕切板500が長尺領域A2にあるとき、CPU301はリフト板507a,507bの高さ位置を揃える必要があると判断してステップS907に進む。また、ステップS905の判定結果がNOの場合、ステップS906でCPU301はHDD611に格納されている給送デッキ250の積載モードを判定する。ステップS906でシート交換優先モードと判定した場合、CPU301はリフト板507a,507bの高さ位置を揃える必要があると判断してステップS907へ進む。ステップS906で積載量優先モードと判定した場合、CPU301は給送動作を開始可能な状態であると判断してステップS909へ進む。
ここで、給送デッキ250が既にシート交換優先モードとなっている状態で収納庫506が開かれた場合、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃った状態が維持されるようにリフタモータM500の駆動が制御される。(図8のステップS812,S816参照)。この場合、通常は収納庫506が閉じられる時点でも第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃っているため、ステップS904の判定結果はNO(リフト高さ位置センサ605がON)となる。従って、ステップS907が実行されるのは、基本的に次の2つのケースである。
(1a)積載量優先モードが設定されている状態でユーザが収納庫506を開き、シート仕切板500を非長尺領域A1から長尺領域A2に移動させた状態で収納庫506を閉じた場合(ステップS905のYES)。
(1b)ユーザが図4の積載モード選択画面でシート交換優先モードを選択し、画面表示に従って収納庫506を開いて非長尺シートを取り除いた後、収納庫506を閉じた場合(ステップS906の「シート交換優先」)。
これらのケース(1a)、(1b)は、ユーザは長尺シートをセットするために収納庫506を一度閉じて待機している状態であり、第1リフト板507aを第2リフト板507bと揃う高さ位置まで移動させる必要がある。そこで、ステップS907で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がONとなるまでリフタモータM500の駆動を継続させる。CPU301は、リフト高さ位置センサ605がONになって第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃ったことを確認すると(ステップS907のYES)、リフタモータM500の駆動を停止させて処理を終了する。
一方、ステップS906が実行され、かつその判定結果が「積載量優先」となるのは、次の場合である。
(1c)積載量優先モードが設定され、かつシート仕切板500が非長尺領域A1にある状態でユーザが収納庫506を開き(ステップS804〜S808の実行条件)、シート仕切板500を長尺領域A2に移動させることなく(ステップS905のNO)、収納庫506を閉じた場合。
この場合、ユーザは長尺シートの使用を予定していないと考えられる。従って、CPU301は、ステップS909でリフト給送位置センサ602がONになるまで、第1リフト板507aを上昇させて、第1リフト板507a上の非長尺シートを給送できる体制を整える。CPU301は、リフト給送位置センサ602がONになったことを確認すると、ステップS908でリフタモータM500の駆動を停止させて処理を終了する。
(本実施例の効果)
以上説明したように、本実施例では、収納庫開ボタン510が押下された場合に、給送デッキ250の積載モードに応じて第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置の制御方法が切換わる。
積載量優先モードにおいて、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫開ボタン510が押下されたとき(ステップS802のNOかつステップS803で「積載量優先」)、第1リフト板507aは長尺シート下限位置より下方に移動する(ステップS805〜S808)。シート仕切板500が非長尺領域A1のときは非長尺シートの使用が想定されるから、このような制御により、第1リフト板507aを長尺シート下限位置で停止させる場合に比べて大量の非長尺シートを積載することができる。
積載量優先モードにおいて、収納庫506に収納されている非長尺シートを長尺シートに交換する場合、ユーザは、まず収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を開く(1回目の開き操作)。このとき、第1リフト板507aは長尺シート下限位置より下方に移動する(ステップS805〜S808)。ユーザが非長尺シートを除去し、シート仕切板500を非長尺領域A1から長尺領域A2に移動させて収納庫506を閉じると、図9のリフト板移動処理により、2枚のリフト板507a,507bの高さ位置を揃える動作(図9のステップS907)が行われる。この状態で再びユーザが収納庫開ボタン510を押下すると、図8のリフト板移動処理により、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃った状態で収納庫506が引き出される(2回目の開き操作、ステップS810〜S816)。これにより、ユーザは長尺シートを収納庫506に収納することができる。長尺シートをセットした状態でユーザが収納庫506を閉じると、図9のリフト板移動処理により、第1リフト板507a及び第2リフト板507bが給送位置まで上昇し(ステップS909)、シートの給送を開始可能な状態となる。
このように、非長尺シートと長尺シートをあまり頻繁に交換しない場合、ユーザは積載量優先モードを選択することで、非長尺シートを続けて使用する場合に大量のシートを収納庫506に収納することができる。これによりシートの補充回数が少なくなり、画像形成装置100の利便性向上に寄与する。
一方、シート交換優先モードにおいて、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫開ボタン510が押下されたとき(ステップS802のNOかつステップS803で「シート交換優先」)、第1リフト板507aは長尺シート下限位置まで下降して停止する(ステップS810〜S816)。第1リフト板507aの高さ位置をこのように制御することで、積載量優先モードに比べて積載量が制限されるものの、ユーザは第1リフト板507aに非長尺シートを積載することができる。
シート交換優先モードにおいて、収納庫506に収納されている非長尺シートを長尺シートに交換する場合、ユーザは、まず収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を開く。このとき、第1リフト板507aは長尺シート下限位置まで下降して停止し、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃った状態となる(ステップS810〜S816)。このため、ユーザは非長尺シートを除去してシート仕切板500を非長尺領域A1から長尺領域A2に移動させ、収納庫506を閉じることなく長尺シートをセットすることができる。長尺シートをセットした状態でユーザが収納庫506を閉じると、図9のリフト板移動処理により、第1リフト板507a及び第2リフト板507bが給送位置まで上昇し(ステップS909)、シートの給送を開始可能な状態となる。
このように、非長尺シートと長尺シートを頻繁に交換することが予想される場合、ユーザはシート交換優先モードを選択することで、リフト板507a,507bの位置を揃えるための収納庫506の開閉操作を行うことなくシートの交換が可能となる。即ち、積載量優先モードでは非長尺シートから長尺シートへの交換作業において収納庫506の開閉操作を2回行う必要があるところ、シート交換優先モードでは1回の開閉操作で足りる。これによりシートの交換作業が簡単になり、画像形成装置100の利便性向上に寄与する。
なお、収納庫506に収納されているシートを「長尺シートから非長尺シートに」交換する場合、積載量優先モードかシート交換優先モードかを問わず、収納庫506の開閉動作は1回で足りる。即ち、収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を引き出した後、シート仕切板500を長尺領域A2から非長尺領域A1に移動させ、非長尺シートをセットして収納庫506を閉じればよい。
また、積載量優先モードにおいて、一度シート仕切板500が非長尺領域A1から長尺領域A2に移動した状態で収納庫506が閉じられた後は、2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が揃った状態が維持される。つまり、シート仕切板500を非長尺領域A1に移動させない限り、収納庫506を開閉しても第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃った状態が維持される。このため、長尺シートを続けて使用する場合には、長尺シートの交換又は補充を行う場合であっても収納庫506の開閉操作は1回で足りる。
次に、第2の実施例(実施例2)に係るシート給送装置について、図10〜図12を用いて説明する。本実施例に係るシート給送装置は、入力手段に相当する表示操作部310を介して入力されたシートサイズの情報に基づいて、ユーザが使用しようとするシートが長尺シートか否かを判断する点が実施例1と異なっている。その他の構成は実施例1と同様であるため、実施例1と共通する要素には実施例1と同じ符号を付して説明を省略する。
図10は、表示操作部310に表示される給送デッキ250に関するシートサイズの設定画面1001を表している。この設定画面1001は、給送デッキ250のシート情報(シートのサイズや種類といった属性情報)を設定するため、例えばユーザが表示操作部310のホーム画面から給送デッキ250を表すボタンを選択することで表示操作部310に表示される。
設定画面1001には、収納庫506に収納されるシートのサイズを自動的に選択することを指示する自動ボタン1002や、シートが長尺シートであることを明示的に選択する長尺サイズボタン1003が含まれる。また、設定画面1001には、シートのシート給送方向の長さ(X)及び幅方向の長さ(Y)を表示操作部310のテンキー等を用いて数値入力可能な入力欄1004が表示される。
自動ボタン1002が押下された場合、サイズ検知センサ612(図3参照)の検知信号により、画像形成装置100のCPU301は収納庫506に収納されているシートのサイズを自動的に取得する。サイズ検知センサ612とは、シート仕切板500のシート給送方向の位置を検知するセンサ、及びシートの幅方向の端部位置を規制するサイド規制板の位置を検知するセンサ等を指す。例えば、シート仕切板500が、収納庫506のシート給送方向下流側の壁面から210mmの位置の近傍にあり、サイド規制板の幅が297mmの前後あれば、CPU301はシートサイズをA4サイズと認識する。
一方、ユーザが、長尺サイズボタン1003を押下した場合、CPU301は、入力欄1004に入力された値をシートサイズとして認識する。図示した構成例では、入力欄1004にシート給送方向の長さとして457.3mm以上の値を入力する場合、長尺サイズボタン1003を選択することが要求される。
自動ボタン1002が選択された状態、又は長尺サイズボタン1003が選択され、入力欄1004に適切な数値が入力された状態でOKボタン1005が押下されると、給送デッキ250のシートサイズが設定される。即ち、画像形成装置100のCPU301は、入力されたサイズをRAM303等の記憶部に記憶させる。
以下、本実施例において収納庫506が開閉した場合のリフト板移動処理について、図11及び図12のフローチャートを用いて説明する。ただし、実施例1と同じ内容の処理については説明を省略する。また、図4に示す選択画面403により、給送デッキ250の積載モードとして積載量優先モード及びシート交換モードのいずれかが予め選択されているものとする。
(収納庫を開いた場合のリフト板移動処理)
図11は、収納庫が開かれた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。給送デッキ250に電源が投入された後、CPU301は、ステップS1101として常時、収納庫開ボタン510が押下されたか否か判定し、押下されるまで待機する。収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301はRAM303に記憶されている給送デッキ250についてのシート情報を取得し、ステップS1102で現在のシートサイズの設定が長尺シートであるか否かを判定する。
ステップS1102の判定結果が長尺シートの場合、ユーザは長尺シートを収納しようとしていることが想定される。一方、ステップS1102の判定結果が非長尺シートの場合、ステップS1103でCPU301はHDD611から積載モードの設定情報を読み込み、積載モードが積載量優先モードかシート交換優先モードかを判断する。
ステップS1102,S1103の判定の結果、給送デッキ250について設定されたシートサイズが非長尺シートであり、かつユーザが積載量優先モードを選択している場合、長尺シートの収納は想定されず、非長尺シートが収納される可能性が高い。そこで、CPU301は、非長尺シートの積載に備えるステップS1104〜S1108の処理を実行する。ただし、ステップS1104〜S1108の処理内容は図8のステップS804〜S808と同じであるため説明を省略する。これにより、中継センサ610及び底位置センサ604の検知結果に応じて、第1リフト板507aが長尺シート下限位置より下方に移動する。ユーザは収納庫506を引き出すことで、大量の非長尺シートをセットすることができる。
一方、ステップS1103までの処理により、給送デッキ250について設定されたシートサイズが長尺シートである場合、又はユーザがシート交換優先モードを選択している場合、CPU301は長尺シートに備える必要があると判断する。この場合、CPU301は長尺シートを積載可能な状態とするステップS1110〜S1116の処理を実行する。ただし、ステップS1110〜S1116の処理内容は図8のステップS810〜S816と同じであるため説明を省略する。これにより、リフト高さ位置センサ605の検知結果がONとなる位置まで第1リフト板507aが移動して停止し、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置は長尺シート下限位置で揃った状態となる。そして、ユーザは収納庫506を引き出すことで、長尺シートをセットすることができる。
(収納庫を閉じた場合のリフト板移動処理)
次に、収納庫が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。図12は、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。このリフト板移動処理は、給送デッキ250に電源が供給されている状態のときは、常時、実行されている。
ステップS1201〜ステップS1204の処理内容は図9のステップS901〜S904と同様である。即ち、収納庫が閉じられたイベントをCPU301が検知した場合、既にシートの上面が給送位置にある場合(ステップS1202のNO)を除き、第1リフト板507aの上昇動作が開始される(ステップS1203)。そして、収納庫506を閉じた時点でリフト板507a,507bの高さ位置が揃っていた場合(S1204のNO)、積載モードに関わらず、第1リフト板507a及び第2リフト板507bは給送位置まで上昇する(ステップS1209)。
ステップS1204の判定結果がYESのとき、つまり収納庫506を閉じた時点で第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さが揃っていないとき、ステップS1205で、CPU301は給送デッキ250についてのシート情報を確認する。ステップS1205の判定結果がYESのとき、つまり給送デッキ250について設定されたシートサイズが長尺シートのとき、CPU301はリフト板507a,507bの高さ位置を揃える必要があると判断してステップS1207に進む。また、ステップS1205の判定結果がNOのとき、つまり給送デッキ250について設定されたシートサイズが非長尺シートのとき、CPU301はステップ1206で積載モードを確認する。ステップS1206でシート交換優先モードと判定した場合、CPU301はリフト板507a,507bの高さ位置を揃える必要があると判断してステップS1207へ進む。ステップS1206で積載量優先モードと判定した場合、CPU301は給送動作を開始可能な状態であると判断してステップS1209へ進む。
ここで、ステップS1207が実行されるのは、基本的に次の2つのケースである。
(2a)積載量優先モードが設定された状態でユーザが収納庫506を開いた後、給送デッキ250のシートサイズの設定を非長尺シートから長尺シートに変更して収納庫506を閉じた場合(ステップS1205のYES)。
(2b)ユーザが図4の積載モード選択画面でシート交換優先モードを選択し、画面表示に従って収納庫506を開いて非長尺シートを取り除いた後、収納庫506を閉じた場合(ステップS1206の「シート交換優先」)。
これらのケース(2a)、(2b)は、ユーザは長尺シートをセットするために収納庫506を一旦閉じて待機している状態であり、第1リフト板507aを第2リフト板507bと揃う高さ位置まで移動させる必要がある。そこで、ステップS1207で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がONとなるまでリフタモータM500の駆動を継続させる。CPU301は、リフト高さ位置センサ605がONになって第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置が揃ったことを確認すると(ステップS1207のYES)、リフタモータM500の駆動を停止させて処理を終了する。
一方、ステップS1206が実行され、かつその判定結果が「積載量優先」となるのは、次の場合である。
(2c)積載量優先モードが設定され、かつ給送デッキ250のシートサイズの設定が非長尺シートである状態でユーザが収納庫506を開き(ステップS1104〜S1108の実行条件)、シートサイズの設定を変更することなく(ステップS1205のNO)、収納庫506を閉じた場合。
この場合、ユーザは長尺シートの使用を予定していないと考えられる。従って、CPU301は、ステップS1209でリフト給送位置センサ602がONになるまで、第1リフト板507aを上昇させて、第1リフト板507a上の非長尺シートを給送できる体制を整える。CPU301は、リフト給送位置センサ602がONになったことを確認すると、ステップS1208でリフタモータM500の駆動を停止させて処理を終了する。
(本実施例の効果)
以上説明したように、本実施例においても、収納庫開ボタン510が押下された場合に、給送デッキ250の積載モードに応じて第1リフト板507a及び第2リフト板507bの高さ位置の制御方法が切換わる。収納庫506を開く操作が行われた場合に、ユーザが長尺シートを使用する予定があるかどうかの情報源として、表示操作部310を介して入力されたシートサイズの情報を用いる他は、実施例1と同様の処理が行われる。従って、本実施例の構成によっても、積載量優先モードとシート交換優先モードの使い分けを可能とすることで画像形成装置100の利便性を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上の各実施例1,2では、収納庫開ボタン510が操作された場合のリフト板507a,507bの昇降動作の制御方法が異なる2つのモードが、図4の選択画面を介して予め選択されているものとして説明した。しかしながら、収納庫506を開く操作を行う時点でモードが決定される構成としてもよい。例えば、収納庫開ボタン510を押下する回数によって第1リフト板507aの降下位置が変化する構成とすることが考えられる。この場合、収納庫開ボタン510が1回だけ押下された場合は第1リフト板507aを長尺シート下限位置で停止させ、収納庫開ボタン510が複数回押下された場合は第1リフト板507aを底位置まで下降させるようにすればよい。
このような構成により、長尺シートから非長尺シートに交換する場合、及び非長尺シートから長尺シートに交換する場合のそれぞれにおいて、ユーザは収納庫開ボタン510の操作方法を適宜選択することでシート交換作業をスムーズに行うことができる。また、収納庫開ボタン510の押下回数に限らず、長押しの有無によってモードを決定したり、2種類の収納庫開ボタンを設けて押下されたボタンに応じてモードを決定したりする構成としてもよい。
なお、実施例1で説明した方法と実施例2で説明した方法とを組み合わせて用いてもよい。すなわち、シート仕切板延長センサ606の検知結果と表示操作部310を介して入力されたシートサイズの情報との両方から、ユーザに長尺シートを使用する意図があるかどうかを判断する構成である。これにより、ユーザの意図をより正確に判断して、収納庫506を開く操作が行われた場合におけるリフト板507a,507bの高さ位置を制御することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100,250…シート給送装置(画像形成装置、給送デッキ)/120…画像形成手段(プロセスユニット)/250A…ケーシング/301…制御手段(CPU)/310…入力手段(表示操作部)/500…後端規制手段(シート仕切板)/505…シート給送手段(給送ユニット)/506…シート収納手段(収納庫)/507a…第1支持部(第1リフト板)/507b…第2支持部(第2リフト板)/510…操作具(収納庫開ボタン)/530…昇降手段(リフト機構)/604…底部検知手段(底位置センサ)/606…検知手段(シート仕切板延長センサ)/609…ストッパ(メカストッパ)/610…シート高さ検知手段(中継センサ)/A1…第1領域(非長尺領域)/A2…第2領域(長尺領域)

Claims (11)

  1. シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、
    前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、
    前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、シートを支持する第1支持部と、
    前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部より上流でシートを支持する第2支持部と、
    前記第1支持部及び前記第2支持部を昇降させる昇降手段と、
    前記シート収納手段に収納されるシートのサイズに関する情報を検知する検知手段と、
    前記昇降手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズに対応する状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部を前記第2支持部より下方に移動させ、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートのサイズに対応する状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第1モードと、
    前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記検知手段の検知結果に関わらず、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第2モードと、
    を含む複数のモードのいずれかを実行可能である、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記シート収納手段に収納されたシートの前記シート給送方向における上流端の位置を規制する後端規制手段をさらに備え、
    前記検知手段は、前記後端規制手段の位置に関する情報を検知する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記検知手段は、前記後端規制手段が、前記シート給送方向において、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートの位置を規制する第1領域と、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方に支持されるシートの位置を規制する第2領域と、のどちらにあるかを検知する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のシート給送装置。
  4. 前記第2支持部が上下方向における所定位置より下方に移動することを規制するストッパを備え、
    前記制御手段は、
    前記第1モードにおいて前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記検知手段の検知結果に応じて前記第1支持部を前記所定位置より下方に移動させることが可能であり、
    前記第2モードにおいて前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部を前記所定位置に移動させて停止させる、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  5. 前記昇降手段は、前記第1支持部を昇降させ、
    前記第1支持部が前記所定位置より上方に位置するとき、前記第2支持部は前記第1支持部に支持された状態で昇降する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載のシート給送装置。
  6. 前記第1支持部に支持されるシートの上面が、前記シート給送手段によって給送される際の位置より下方の位置にあることを検知するシート高さ検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1モードにおいて、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズに対応する状態で前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部に支持されるシートの上面が前記シート高さ検知手段によって検知される位置まで前記第1支持部を下降させる、
    ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記第1支持部が、前記シート収納手段の底部に到達したことを検知する底部検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記第1モードにおいて、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズに対応する状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部が前記底部検知手段によって検知される位置まで前記第1支持部を下降させる、
    ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記第1モードにおいて前記シート収納手段が開かれた後、前記検知手段の検知結果が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズに対応する状態から、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートのサイズに対応する状態に変化した場合、前記シート収納手段が閉じられた後に前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置を揃える動作を行う、
    ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  9. 前記シート収納手段を引き出し可能に収容するケーシングと、
    前記シート収納手段を前記ケーシングから引き出し可能な状態とするための操作具と、を備え、
    前記制御手段は、前記シート収納手段が前記ケーシングに収容されている状態で前記操作具が操作された場合に、前記検知手段の検知結果に基づいて前記昇降手段により前記第1支持部及び前記第2支持部を移動させる動作を開始する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  10. シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、
    前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、
    前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、シートを支持する第1支持部と、
    前記シート収納手段に昇降可能に設けられ、前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部より上流でシートを支持する第2支持部と、
    前記第1支持部及び前記第2支持部を昇降させる昇降手段と、
    前記シート収納手段に収納されるシートのサイズに関する情報を入力可能な入力手段と、
    前記昇降手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記入力手段を介して、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートのサイズが入力されている状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部を前記第2支持部より下方に移動させ、前記入力手段を介して、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートのサイズが入力されている状態で、前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第1モードと、
    前記シート収納手段を開く操作が行われた場合、前記入力手段を介して入力されているシートのサイズに関わらず、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が揃った状態とする第2モードと、
    を含む複数のモードのいずれかを実行可能である、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  11. 前記シート給送手段によって給送されるシートに画像を形成する画像形成手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート給送装置。
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