JP2019123618A - シート給送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート収納手段が閉じた状態で予備的な動作を行うシート給送装置の利便性を向上する。【解決手段】シート給送装置は、開閉可能なシート収納手段と、シートを支持する第1支持部及び第2支持部とを備え、シート収納手段が閉じられた場合に、昇降手段により第1支持部及び第2支持部の上下方向の位置を合わせる位置合わせ動作を実行である。位置合わせ動作の実行中は、規制手段により、シート収納手段を開くことが規制された状態が維持される(S507)。位置合わせ動作の終了後に、規制手段を規制状態から解除状態へ切換可能となる(S511)。【選択図】図5
Description
本発明は、シートを給送するシート給送装置に関する。
プリンタ、複写機、及び複合機等の画像形成装置は、記録材として用いられるシートを給送するシート給送装置を備えている。ユーザは、シート給送装置に設けられたカセットやデッキ等の収納部を開くことで、シートの補充や交換が可能となる。特許文献1には、給紙トレイを施錠するソレノイドを有し、パスワード入力により認証された正当な使用者以外の者が転写紙を持ち出したり交換したりすることを規制する画像形成装置が記載されている。
ところで、シートをセットしたり給送したりするための予備的な動作として、シート給送装置の収納部が閉じている状態で、シートを支持するための部材やシートを移動させるための部材を動かす場合がある。例えば、長尺シートに対応するためにそれぞれ昇降可能な2つの支持部をシート給送方向に並べて配置した構成において、長尺シートを使用する前に支持部の高さを揃える位置合わせ動作を行う構成が検討されている。また、他の例として、収納部内の複数個所にシートを積載可能であり、給送ユニットによって給送可能な所定位置に積載されたシートが枯渇すると、移動機構によって予備のシートを所定位置に移動させる構成が考えられる。
しかしながら、シートを支持するリフト板を上昇させる動作のように、収納部が開いている状態では実行できない、又は実行すべきでない動作が存在する。従って、予備的な動作の実行中に収納部を開く操作が行われた場合に、動作が完了していない状態で収納部が開いてしまい、結果としてユーザを煩わせてしまう可能性があった。例えば、上述の位置合わせ動作の途中で収納部が開くと、支持部の高さに段差があるため長尺シートをセットすることができず、ユーザは収納部を閉じた後、位置合わせ動作が再開して完了するまで待たされることになる。
このような事情に鑑み、本発明は、シート給送装置の利便性を向上することを目的とする。
本発明の一態様に係るシート給送装置は、シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、前記シート収納手段が開くことを規制する規制状態と、前記シート収納手段が開くことを許容する解除状態とに切換え可能な規制手段と、前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、前記シート収納手段に収納されたシートを支持する第1支持部と、前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部の上流に配置され、前記シート収納手段に収納されたシートを前記第1支持部と共に支持する第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段と、前記第1支持部と前記第2支持部の上下方向の位置が異なる状態で前記シート収納手段が閉じられた場合に、前記昇降手段により、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置を合わせる位置合わせ動作を実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記位置合わせ動作の実行中は前記規制手段を前記規制状態とし、前記位置合わせ動作の終了後に、前記規制手段を前記規制状態から前記解除状態へ切換可能となる、ことを特徴とする。
本発明の他の態様に係るシート給送装置は、シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、前記シート収納手段が開くことを規制する規制状態と、前記シート収納手段が開くことを許容する解除状態とに切換え可能な規制手段と、前記シート収納手段に設けられ、シートが積載される第1積載部と、前記シート収納手段に設けられ、前記第1積載部に積載されたシートとは別のシートが積載される第2積載部と、前記第1積載部に積載されたシートを給送するシート給送手段と、前記第2積載部に積載されたシートを前記第1積載部に移動させる移動手段と、前記第1積載部にシートが積載されていない場合に、前記シート収納手段が閉じている状態で前記移動手段により前記第2積載部から前記第1積載部にシートを移動させるシート移動動作を実行可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記シート移動動作の実行中は前記規制手段を前記規制状態とし、前記シート移動動作の終了後に前記規制手段を前記規制状態から前記解除状態へ切換えることが可能となる、ことを特徴とする。
本発明によれば、シート給送装置の利便性を向上することができる。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像形成装置について説明する。画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及び複合機を含み、外部PCから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録材として用いられるシートに画像を形成する。記録材として用いられるシートには、用紙及び封筒等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、並びに布が含まれる。
図1は、画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。図1において、画像形成装置100は、画像形成装置の本体であるプリンタ100Aと、プリンタ100Aの上部に設けられた画像読取装置(以下、「イメージリーダ」という。)100Bとを備える。イメージリーダ100Bは、例えば、プラテンガラス上に載置された原稿画像を読み取り、読み取った画像データを、ビデオ信号としてプリンタ100Aのスキャナユニットに送信する。
プリンタ100Aは、カラー画像を形成するプロセスユニット120と、記録材であるシートSを収容するシート収容部150と、シート収容部150のシートSを搬送するシート搬送系と、を備えている。
画像形成手段としてのプロセスユニット120は、水平方向に沿って並設された複数の画像形成ステーションY,M,C,Kを備えている。画像形成ステーションY〜Kは、それぞれイエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の画像を形成する。画像形成ステーションY〜Kは、現像に用いるトナーの色を除いて実質的に同じ構成である。即ち、各画像形成ステーションY〜Kは、回転自在に軸支された感光体である感光ドラム123を備えた電子写真ユニットであり、感光ドラム123を像担持体としてドラム表面にトナー像を形成する。各画像形成ステーションY〜Kには、電子写真プロセスの各工程を実行するため、感光ドラム123の外周面にそれぞれ対向するように一次帯電装置、スキャナユニット122、折り返しミラー、現像装置及びクリーニング装置が配置されている。現像装置は、それぞれ対応するトナー補給部に接続されている。
プロセスユニット120の下方には、各画像形成ステーションY〜Kの感光ドラム123と当接するように無端状の中間転写ベルト130が配置されている。また、中間転写ベルト130を挟んで4つの感光ドラム123とそれぞれ対向するように4つの一次転写ローラが配置され、各一次転写ローラと感光ドラム123とのニップ部として一次転写部Ty,Tm,Tc,Tkが形成される。
中間転写ベルト130は、感光ドラム123と同様にトナー像を担持する像担持体として機能する中間転写体である。中間転写ベルト130は、例えば、駆動ローラ、テンションローラ及び二次転写対向ローラによって回転可能に張架されている。二次転写対向ローラと対向するように二次転写ローラが配置され、二次転写ローラと二次転写対向ローラとのニップ部として二次転写部Teが形成されている。
中間転写ベルト130の下方に、シートSを二次転写部Teまで搬送するシート搬送部と、シートSを収容するシート収容部150が配置されている。シート収容部150は、それぞれ複数枚のシートを積載可能な上カセット150a及び下カセット150bを備えている。上カセット150a及び下カセット150bに対しては、それぞれ同一サイズの定型シートを積載してもよいし、異なるサイズの定型シートを積載してもよい。
画像形成装置100には、上カセット150a及び下カセット150bの他に、給送デッキ250及び手差しトレイ210が設けられている。手差しトレイ210は、一時的に使用する数十枚程度の比較的少ない枚数のシートに画像を形成する際に好適に使用される。プリンタ100Aに連結して使用される形態のシート給送装置である給送デッキ250は、例えば、A3、A4などの定型シートの他に、定型サイズよりも給送方向の長さが長い長尺シートを多数枚積載することができる。ユーザは、定型シート以外のシートに画像を形成する場合、シート収容部150に収容されているシートとは異なるサイズのシートに画像を形成する場合、もしくは大量のシートに画像を形成する場合等に、給送デッキ250を使用する。給送デッキ250の詳細については、後述する。
シート搬送部は、主として供給パス131と排出パス231とによって構成されている。供給パス131は、上カセット150a、下カセット150b、給送デッキ250又は手差しトレイ210からのシートSを二次転写部Teまで搬送する搬送パスである。排出パス231は、画像形成後のシートSをプリンタ100Aの外部に搬送する搬送パスである。
供給パス131には、上カセット150a及び下カセット150bにそれぞれ対応するピックアップローラ151a及び151bと、搬送ローラ対153,154,155と、レジストレーションローラ161と、が設けられている。シートSの搬送方向におけるレジストレーションローラ161の上流側には、レジストレーションセンサ160が配置されている。レジストレーションセンサ160は、レジストレーションローラ161に当接して一旦停止したシートSの搬送を再開して中間転写ベルト130の画像をシートSに転写するタイミングを決定するために用いられる。また、レジストレーションセンサ160は、搬送されるシートSのサイズを検知可能なサイズ検知手段としても機能する。レジストレーションセンサ160は、1枚のシートSの先端(搬送方向の下流端)を検知したとき及び後端(搬送方向の上流端)を検知したときに信号を出力する。後述するCPU301は、レジストレーションセンサ160の出力信号とシートSの搬送速度とを用いてシートSの搬送方向における長さを検出することができる。
なお、プリンタ100Aと給送デッキ250とは、デッキ供給パス132によって接続されている。デッキ供給パス132は、搬送ローラ対154の上流側で供給パス131と接続しており、給送デッキ250から給送されるシートSを供給パス131に搬入する。
一方、排出パス231には定着装置170が設けられ、定着装置170の下流側で排出パス231に反転パス230が接続されている。また、反転パス230には、両面搬送パス235が接続されている。排出パス231と反転パス230との接続部には、反転フラップ172が配置されている。反転フラップ172は、定着装置170から排出されたシートSの搬送先を振り分ける。
排出パス231は、反転パス230との接続部の下流側で上排出パス181と下排出パス180に分岐しており、分岐部には、反転フラップ190が配置されている。反転フラップ190は、シートSの搬送先を上排出パス181と下排出パス180に振り分ける。上排出パス181は、シートSを上排出トレイ196に排出する。また、下排出パス180は、シートSを下排出トレイ200に排出する。排出パス231、反転パス230、両面搬送パス235、上排出パス181及び下排出パス180には、それぞれ搬送ローラ対又は排出ローラ対が設けられている。各ローラは、外周面がゴム等の高い摩擦係数の部材で巻かれたゴムローラとして構成されている。
画像形成装置100の上部には、ユーザインターフェースとしての表示操作部310が設けられている。表示操作部310は、画像を表示する液晶パネルと、印刷開始ボタン及びテンキー等のボタン並びにタッチパネルとを備えた、ユーザの入力操作を受付ける入力手段及びユーザに情報を提示する表示手段として機能する。CPU301は、表示操作部310に表示する情報の内容を制御し、ユーザによって入力された情報を受信することで、画像形成装置100の機能や使用条件等に関する設定や、画像形成ジョブを実行する際の設定(印刷設定)を行う。
なお、上述のプロセスユニット120は画像形成手段の一例であり、モノクロ方式の電子写真ユニットであってもよく、またインクジェット方式など他のプリント方式であってもよい。
(給送デッキ)
次に、第1の実施形態(実施例1)に係る給送デッキ250の構成について説明する。図2は、給送デッキ250の概略構成を示す断面図である。給送デッキ250は、ケーシング250Aと、多数枚のシートSを収容する箱状の収納庫506と、収納庫内に昇降可能に取り付けられた第1リフト板507a及び第2リフト板507bと、シートSを給送するデッキ供給パス132と、を備えている。シート収納手段に相当する収納庫506は、ケーシング250Aに対して引き出し及び押し入れ可能に構成されている。収納庫506の内側に配置される第1リフト板507a及び第2リフト板507bは、シート給送方向V1に並ぶように配置されている。
次に、第1の実施形態(実施例1)に係る給送デッキ250の構成について説明する。図2は、給送デッキ250の概略構成を示す断面図である。給送デッキ250は、ケーシング250Aと、多数枚のシートSを収容する箱状の収納庫506と、収納庫内に昇降可能に取り付けられた第1リフト板507a及び第2リフト板507bと、シートSを給送するデッキ供給パス132と、を備えている。シート収納手段に相当する収納庫506は、ケーシング250Aに対して引き出し及び押し入れ可能に構成されている。収納庫506の内側に配置される第1リフト板507a及び第2リフト板507bは、シート給送方向V1に並ぶように配置されている。
第1支持部に相当する第1リフト板507aは、収納庫506におけるシート給送方向V1の下流側(例えば図中左側半分)をカバーし、リフト機構530によって昇降可能に構成されている。リフト機構530は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bを昇降させる昇降手段に相当する。リフト機構530は、第1リフト板507aを吊り下げて支持するワイヤ530aと、ワイヤ530aが懸け回される複数のプーリ530bと、ワイヤ530aの一端が固定されたワイヤプーリ530cとを備えている。ワイヤプーリ530cは収納庫506に設けられたリフタモータM500によって回転駆動され、ワイヤ530aを介して第1リフト板507aを上下方向(鉛直方向)に移動させる。第1リフト板507aは、収納庫506の底位置(第1下限位置)と、ピックアップローラ501に当接する給送位置(上限位置)との間で昇降可能である。
第2支持部に相当する第2リフト板507bは、収納庫506におけるシート給送方向V1の上流側(例えば図中右側半分)をカバーする。第2リフト板507bは、第1リフト板507aに設けられた支持アーム507cに支持された状態で、第1リフト板507aの昇降動作に伴って所定範囲内で昇降する。すなわち、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609によって制限されており、第2リフト板507bは、メカストッパ609より上方の範囲でのみ昇降可能に構成されている。また、第2リフト板507bの上限位置は、第1リフト板507aと同じく給送位置である。従って、第2リフト板507bの昇降範囲は、メカストッパ609より下方の位置に移動可能な第1リフト板507aの昇降範囲よりも狭い。第2リフト板507bは、第1リフト板507aのシート積載面(上面)の長さを延長する延長リフト板として機能する。
第2リフト板507bの下降限界位置(第2下限位置)は、長尺シートの最大積載量を規定するリフト板位置であり、例えば、基準となる厚さのシート(例えば普通紙)で1000枚の長尺シートを積載可能な位置(長尺シート下限位置)である。以下、第2リフト板507bの下限位置、つまりメカストッパ609に当接して支持される所定位置を第2リフト板507bのホームポジション又は長尺シート下限位置とする。収納庫506には、第2リフト板507bがホームポジションにあるか否かを検知する延長リフタHPセンサ607が設けられている。延長リフタHPセンサ607は、第2リフト板507bがホームポジションにある場合にONとなり、第2リフト板507bがホームポジションにない場合にOFFとなる。
なお、第2リフト板507bをホームポジションよりも下方に移動可能に構成した場合、ユーザが1000枚以上の長尺シートを載置する可能性がある。この場合、例えば給送デッキ250の必要強度やリフタモータM500の要求性能が上がることにより、装置の大型化、重量化やコスト増といった課題が生じるため、あえてメカストッパ609によって第2リフト板507bの下降限界を設けている。第2リフト板507bのホームポジションは、各リフト板507a,507bの強度、収納庫506の強度、リフト機構530の能力等を考慮して規定されている。しかしながら、第2リフト板507bのホームポジションや長尺シートの最大積載量は上述したものに限らず、また、製品出荷後に使用環境に応じてホームポジションを変更可能な構成とすることもできる。
非長尺シートは、リフト板507a,507bのうち第1リフト板507aのみによって支持される。なお、非長尺シートとは、所定サイズ(例えばA3)以下の定型サイズの他、第1リフト板507aのみによって支持される任意のサイズのシートを含むものとする。第1リフト板507aは、単独で、例えば3500枚程度の非長尺シートを積載することができる。所定長さよりも長い長尺シートは、2枚のリフト板507a,507bの両方に跨って載置される。2分割された2つの第1リフト板507a及び第2リフト板507bによって、大量の非長尺シートを積載可能な状態と長尺シートを積載可能な状態とを切替えて使用することが可能な構成が実現されている。
収納庫506には、シートSの位置を規制するシート規制手段として、後端規制部材であるシート仕切板500が設けられている。シート仕切板500は、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面に直交し、上下方向に延びる板状部材であり、シート給送方向V1に沿って移動可能である。シート仕切板500は、シートサイズに応じてユーザが手動で動かすことで位置決めされる。非長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を第1リフト板507aの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとするシートの後端位置に合わせる。長尺シートを使用する場合、ユーザは、シート仕切板500を図中右側に向かって第2リフト板507bの載置面と交差する位置へ移動させて、セットしようとする長尺シートの後端位置に合わせる。
収納庫506の底部の略中央部に、シート仕切板500の位置に関する情報を検知する検知手段(位置検知手段)として、シート仕切板延長センサ606が設けられている。シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500が検知位置を超えて図中右側に移動した場合にONとなり、シート仕切板500が検知位置を超えて図中左側に移動した場合にOFFとなる。言い換えると、シート仕切板延長センサ606は、シート仕切板500の規制面が非長尺シートの後端位置を規制する非長尺領域A1(第1領域)に位置するか、長尺シートの後端位置を規制する長尺領域A2(第2領域)に位置するかを検知可能である。これによって、画像形成装置100はユーザが使用する予定のシートSの後端が第2リフト板507bにかかるか否か、換言すれば長尺シートを使用する予定であるか否かを判断することができる。
本実施形態において、非長尺領域A1と長尺領域A2とは、第1リフト板507aの積載面と第2リフト板507bの積載面の継ぎ目の位置を境界として隣接するものとして説明する。しかしながら、シート規制手段が非長尺シートに対応する規制位置と長尺シートに対応する規制位置とのどちらにあるかを区別可能な構成であれば、積載面の継ぎ目とシート仕切板延長センサ606の信号が切換わる位置が一致する必要はない。また、検知手段として、ボリュームセンサ等を用いてシート規制手段の位置を直接的に検知可能な構成を用いてもよい。さらに、第2リフト板507bの積載面から突出するフラグにより第2リフト板507bの上のシートの有無を検知するセンサを検知手段として用いるなど、収納庫506のシートが長尺シートであるか否かを直接的に検知する構成としてもよい。
第1リフト板507a及び第2リフト板507bの上方に形成される空間(シート収容部)の最上部には、シート有無センサ601及びリフト給送位置センサ602が配置されている。シート検知手段の一例であるシート有無センサ601は、第1リフト板507aの上にシートSがあるか否かを検出し、シートSを検知するとONとなり、シートSを検出しない場合にOFFとなる。シート有無センサ601としては、例えばシートの上面に当接して押圧されることで揺動するフラグを検出する遮光型光電センサを使用可能であり、第1リフト板507aの切欠き部など第1リフト板507aを検知しない位置にフラグが配置される。
リフト給送位置センサ602は、第1リフト板507aに支持されるシートSの上面(最上位シートの上面)及び第1リフト板507aを検出する。これによって、第1リフト板507aが給送位置にあるか否か、つまり第1リフト板507aに積載されたシートSの上面が、ピックアップローラ501によって給送可能な位置にあるかどうかが判断される。画像形成動作中、CPU301は、リフト給送位置センサ602を監視しており、リフト給送位置センサ602がOFFになった場合、ONになるまでリフタモータM500を駆動する。これにより、第1リフト板507aに支持されたシートSの上面高さが一定に保たれる。
また、シート有無センサ601がOFFの状態でリフト給送位置センサ602がONになったとき、シートが積載されていない状態の第1リフト板507aが給送位置に到達したことが分かる。なお、リフト給送位置センサ602は、第1リフト板507aの上限位置を規定するものであれば、例えば第1リフト板507aのシートが積載されない部分を検出して、シートの有無に関わらず第1リフト板が上限高さにあること検知可能な構成としてもよい。
収納庫506の上部に設けられた、給送デッキ側のデッキ供給パス132には、シートSを給送するシート給送手段としてピックアップローラ501、フィードローラ502及びリタードローラ503からなる給送ユニット505が設けられている。ピックアップローラ501は、第1リフト板507aに積載されたシートSの上面に当接し、最上位のシートSをシート給送方向V1に送り出す。フィードローラ502はピックアップローラ501と共にシートSを搬送する。リタードローラ503は、フィードローラ502に当接し、シート給送方向V1に逆らう方向の駆動力をトルクリミッタを介して入力されている。なお、給送ユニット505はシート給送手段の一例であり、例えば給送ベルトにシートSを吸着して給送するベルト給送方式の給送ユニットを用いてもよい。
プリンタ側のデッキ供給パス132には、搬送ローラ対504及び給送センサ603が設けられている。搬送ローラ対504は給送ユニット505からシートSを受取り、プリンタ100Aの供給パス131に搬送する(図1参照)。
収納庫506には、第1リフト板507aの昇降動作を制御するための検知構成として、リフト高さ位置センサ605が設けられている。リフト高さ位置センサ605は、第2リフト板507bの下降を制限する上述のメカストッパ609とシート給送方向V1において対向する側面に、メカストッパ609と同じ高さに設けられている。リフト高さ位置センサ605は、シートの有無に関わらず、第1リフト板507aの高さ位置を監視し、第1リフト板507aを検出した場合にONとなり、第1リフト板507aを検出しない場合にOFFとなる。即ち、リフト高さ位置センサ605がONになった状態では、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に位置していることが分かる。
リフト高さ位置センサ605は、収納庫506のシート給送方向V1における下流側の壁面に配置されており、延長リフタHPセンサ607は、上流側の壁面に配置されている。リフト高さ位置センサ605と延長リフタHPセンサ607が共にONの場合は、第1リフト板507aが第2リフト板507bと同じ高さにあって、1つのシート積載面を形成している状態である。第1リフト板507aと第2リフト板507bが同じ高さになることにより、長尺シートを積載する準備が整えられる。一方、本実施形態の場合、は第1リフト板507aが第2リフト板507bより上方に位置する場合を考慮する必要がないため、延長リフタHPセンサ607がOFFのときは第1リフト板507aが長尺シート下限位置より上方に位置することになる。従って、リフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONとなるのは、第1リフト板507aが第2リフト板507bよりも下方に位置している場合である。この場合は、2枚のリフト板507a,507bに段差があり、仮に長尺シートが積載されると第1リフト板507aの方にずり落ちるため長尺シートを積載することができない状態である。
収納庫506の底部には、底部検知手段に相当する底位置センサ604が設けられている。底位置センサ604は、第1リフト板507aが収納庫506の底部にあればONとなり、第1リフト板507aが収納庫506の底部になければOFFとなる。
収納庫506は、ケーシング250Aから引き出されてシートSのセット作業や交換作業が可能な開状態と、ケーシング250Aに収容された閉状態との間で開閉可能である。給送デッキ250には、収納庫506が開くことを規制可能な規制手段として、収納庫開閉ソレノイド611(図3参照)が設けられている。収納庫開閉ソレノイド611は、収納庫制御部311の指令信号によって作動するアクチュエータであり、収納庫506に係合することで収納庫506の引き出しを規制するラッチのような係合部材を移動させる。つまり、CPU301は、収納庫開閉ソレノイド611の通電状態を制御することで、収納庫506が開くことを規制する状態(規制状態)と、収納庫506の引き出しを許容する状態(解除状態)とに切換可能である。
収納庫506の前面には、収納庫506を開くための操作具として、収納庫開ボタン510が設けられている。ユーザによる収納庫開ボタン510の押下があった場合、後述の制御方法に従って、必要に応じて収納庫開閉ソレノイド611が解除状態となる。収納庫開ボタン510は、ボタンの押圧を検知するスイッチ510a(図3参照)と、表示灯であるLED510bとによって構成されている。なお、収納庫506とケーシング250Aとの間に設けられたバネ等の付勢手段により、収納庫開閉ソレノイド611が解除状態になった際に収納庫506が自動的にある程度開くように構成される。
また、給送デッキ250には、開閉検知手段としての収納庫開閉センサ608が設けられている。収納庫開閉センサ608は、収納庫506が手前に引き出されている状態(開状態)と、収納庫506がケーシング250Aの所定位置に収容された状態(閉状態)との間の遷移を検知する。収納庫506が手前に引き出されている場合、収納庫開閉センサ608がONになり、収納庫506が手前に引き出されていない場合、換言すれば収納庫506がケーシング250Aに収容されている場合、収納庫開閉センサ608はOFFになる。収納庫開閉センサ608がONからOFFに切り換わると、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611を規制状態に切換えて収納庫506を閉じた状態にロックする。
(制御構成)
次に、このような給送デッキ250を備えた画像形成装置100の制御構成について説明する。図3は、図1の画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU(中央演算装置)301、ROM(読み取り専用メモリ)302及びRAM(ランダムアクセスメモリ)303を含むCPU回路部300を備えている。CPU回路部300は、プリンタ制御部304及び収納庫制御部311と協働して、画像形成装置100の各部の動作を制御する制御手段として機能する。CPU301は、アドレスバス又はデータバスによってROM302及びRAM303に接続されている。
次に、このような給送デッキ250を備えた画像形成装置100の制御構成について説明する。図3は、図1の画像形成装置100の制御構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、CPU(中央演算装置)301、ROM(読み取り専用メモリ)302及びRAM(ランダムアクセスメモリ)303を含むCPU回路部300を備えている。CPU回路部300は、プリンタ制御部304及び収納庫制御部311と協働して、画像形成装置100の各部の動作を制御する制御手段として機能する。CPU301は、アドレスバス又はデータバスによってROM302及びRAM303に接続されている。
CPU回路部300は、表示操作部310及びプリンタ制御部304と接続されている。プリンタ制御部304は、画像信号制御部308に接続されると共に、該画像信号制御部308を介して外部I/F309と接続されている。また、プリンタ制御部304は、シート搬送部305、画像形成部306及び収納庫制御部311とそれぞれ接続されている。なお、画像信号制御部308は、CPU回路部300と直接にも接続されている。
CPU301は、画像形成装置100の全体を制御する制御プログラムを実行可能である。ROM302は、制御プログラムを格納する。RAM303には、制御に用いるデータが書き込まれる。プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいて画像形成部306に対して画像を形成するための指示を出す。画像形成部306は、入力されたビデオ信号に基づいてシートSに画像を形成する。また、プリンタ制御部304は、CPU301からの指示に基づいてシート搬送部305を制御してシートの給送、搬送等を行わせる。画像信号制御部308は、プリント動作時に、外部I/F309を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、処理後のデジタル画像信号をビデオ信号に変換してRAM303に格納する。表示操作部310は、画像形成を行う際のカラーモードの選択、シート情報の入力、コピースタート等のユーザからの指示を受け付け、また、画像形成装置の状態、警告メッセージ等を表示する。
収納庫制御部311は、リフタモータM500、収納庫開閉ソレノイド611及び収納庫開ボタン510、並びに給送デッキ250に設けられた上述のセンサ群(601,602,604,605,606,607,608)に接続されている。収納庫制御部311は、給送デッキ250に設けられたセンサ群からの情報を受け付ける。そして、収納庫制御部311は、CPU301からの指示に基づいてリフタモータM500を制御することで、収納庫506に収納されたシートの位置及び2枚のリフト板507a,507bの位置を制御する。
(画像形成動作)
次に、画像形成装置100による画像形成動作について説明する。画像形成装置100のプリンタ100Aに対し、給送デッキ250からシートSを供給して画像形成を行うことを要求するプリントジョブが投入されたとする。リフタモータM500はワイヤプーリ530cを回転させてワイヤ530aを巻き付けることにより、第1リフト板507aを上昇させる。プロセスユニット120によるトナー像の形成準備が整うと、給送ユニット505の駆動源となる給送モータの駆動が開始する。これによって、ピックアップローラ501及びフィードローラ502の駆動が開始され、合わせて搬送ローラ対504が回転駆動されることで、収納庫506のシートSが1枚ずつデッキ供給パス132を経て供給パス131に搬入される。
次に、画像形成装置100による画像形成動作について説明する。画像形成装置100のプリンタ100Aに対し、給送デッキ250からシートSを供給して画像形成を行うことを要求するプリントジョブが投入されたとする。リフタモータM500はワイヤプーリ530cを回転させてワイヤ530aを巻き付けることにより、第1リフト板507aを上昇させる。プロセスユニット120によるトナー像の形成準備が整うと、給送ユニット505の駆動源となる給送モータの駆動が開始する。これによって、ピックアップローラ501及びフィードローラ502の駆動が開始され、合わせて搬送ローラ対504が回転駆動されることで、収納庫506のシートSが1枚ずつデッキ供給パス132を経て供給パス131に搬入される。
このとき、ピックアップローラ501で2枚以上のシートSが送り出され、フィードローラ502とリタードローラ503との分離ニップ部に挟まれると、2枚目以降のシートSの進入がリタードローラ503によって阻止される。そして、1枚目の最上位のシートSのみが搬送ローラ対504側へ搬送される。シートSの給送動作が正常に行われたか否かは給送センサ603を用いて監視される。
供給パス131に搬入されたシートSは、搬送ローラ対154,155等によって二次転写部Teまで搬送される(図1参照)。二次転写部Teまで搬送されたシートSの位置は、レジストレーションセンサ160で監視される。また、シートSのサイズは、レジストレーションセンサ160がシートSの先端及び後端を検知した信号に基づいて、又は表示操作部310を介してユーザによって入力されたシートサイズに基づいて決定される。
シートSが二次転写部Teに到着するタイミングに合わせてプロセスユニット120によって画像形成動作が開始される。すなわち、プロセスユニット120の各画像形成ステーションY〜Kにおいて、感光ドラム123の表面が一様に帯電された後、スキャナユニット122から照射されるレーザ光によってドラム表面上に静電潜像が形成される。感光ドラム123に担持された静電潜像は、現像装置から供給されるトナーによって現像される。このトナー像は、一次転写部Ty〜Tkに一次転写電圧が印加されることによって、順次中間転写ベルト130へ転写され、カラー画像を形成する。中間転写ベルト130に形成されたトナー像は、中間転写ベルト130の回転によって二次転写部Teまで移動する。
一方、レジストレーションセンサ160によって先端部が検知されたシートSは、レジストレーションローラ161に当接して停止する。このときシートSは、レジストレーションローラ161に先端を突き当てた状態で所定量搬送されることによってループ形状(撓み)を形成して斜行が補正される。斜行が補正されたシートSは、レジストレーションセンサ160に先端部が到達した時刻とレジループ形成に要した時間を考慮して、シートSの先端と、中間転写ベルト130上のトナー像の先端とが二次転写部Teで一致するように搬送が再開される。
二次転写部Teに到達したシートSと中間転写ベルト130上のトナー像に対し、二次転写ローラから転写電圧が印加される。これによって、トナー像がシートSに転写される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置170へ搬送される。定着装置170に搬入されたシートSは、加熱ローラ及び加圧ローラによって加熱及び加圧されることによってトナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、プリンタ100Aの出口に向けて搬送される。
なお、トナー像が転写されたシートSの先端が定着装置170の上流側に配置された搬送センサ171に到達した際、プリントジョブの指示に従ってシートの搬送先が反転パス230又は排出パス231のいずれかに切り替えられる。シートSの両面に画像を形成する両面プリントジョブの場合、シートSは反転パス230に搬入され、表面と裏面とを入替えた状態で、再度、二次転写部Teへ向けて搬送され、裏面に画像を形成される。片面プリントジョブもしくは両面プリントジョブの裏面印刷の場合、シートSは排出パス231に搬入される。
排出パス231へ搬入されたシートSは、搬送ローラ対232によって搬送され、プリントジョブの指示に従って位置決めされた反転フラップ190に案内されて下排出パス180又は上排出パス181へ搬入される。排出指定先が下排出トレイ200である場合、シートSは下排出パス180へ搬入され、排出指定先が上排出トレイ196である場合、シートSは上排出パス181へ搬入される。また、プリンタ100Aに、画像形成されたシートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置が連結されている場合、シートSは下排出パス180からシート処理装置に受け渡される。
以下、本実施例に係る給送デッキ250について、収納庫506を開閉する操作が行われた場合の制御内容について説明する。
(収納庫を開く場合)
まず、給送デッキ250の収納庫506を開く操作が行われた場合に、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの昇降動作を制御するための処理(リフト板移動処理)について説明する。図4は、収納庫が開かれた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、収納庫開ボタン510が押下された場合に開始される。なお、以降のフローチャートの各工程は、特に断らない限り、CPU回路部300のCPU301がROM302に格納されたプログラムに従って実行するものとして説明する。ただし、CPU301からの指示に基づいてプリンタ制御部304や収納庫制御部311が実質的な処理を担当する場合も含むものとする。
まず、給送デッキ250の収納庫506を開く操作が行われた場合に、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの昇降動作を制御するための処理(リフト板移動処理)について説明する。図4は、収納庫が開かれた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、収納庫開ボタン510が押下された場合に開始される。なお、以降のフローチャートの各工程は、特に断らない限り、CPU回路部300のCPU301がROM302に格納されたプログラムに従って実行するものとして説明する。ただし、CPU301からの指示に基づいてプリンタ制御部304や収納庫制御部311が実質的な処理を担当する場合も含むものとする。
電源が投入された後、CPU301は、ステップS401として常時、収納庫開ボタン510が押下されたか否か監視しながら待機している。収納庫開ボタン510が押下された場合、ステップS402でCPU301は収納庫開閉ソレノイド611に対して指令信号を発して、収納庫506のロックを解除する。また、CPU301は以下で説明するステップS403〜S411の処理により、リフタモータM500の駆動を制御する。
まず、ステップS403でCPU301はシート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出したか否か判定する。シート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出しない場合、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にある場合、非長尺シートが収納される可能性が高いと考えられる。そこで、CPU301は、ステップS404〜S407の処理を実行して非長尺シートの積載に備える。
ステップS404でCPU301は底位置センサ604がOFFになっているか否か判定する。底位置センサ604がOFFである場合、第1リフト板507aは底位置にない(第1リフト板507aの下降余地がある)ことが分かる。従って、CPU301はステップS405でリフタモータM500を第1リフト板507aが下降する方向に駆動開始する。その後、ステップS406で底位置センサ604がONになったことを確認すると、ステップS407でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止して処理を終了する。一方、ステップS404の判定結果がNOである場合、CPU301は第1リフト板507aが既に底位置にあってこれ以上下降できないと判断し、処理を終了する。
一方、ステップS403でシート仕切板延長センサ606がシート仕切板500を検出した場合、CPU301はステップS408〜S411の処理を実行して長尺シートの積載に備える。ステップS408で、CPU301はリフト高さ位置センサ605がOFFであるか確認する。リフト高さ位置センサ605がOFFのとき、リフト板507a,507bを長尺シート下限位置まで下降させるため、ステップS409でCPU301はリフタモータM500を第1リフト板507aが下降する方向に駆動開始する。その後、ステップS410でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS411でCPU301はリフタモータM500の駆動を停止し、処理を終了する。このとき、第1リフト板507a及び第2リフト板507bの積載面が長尺シート下限位置に揃った状態、つまり長尺シートを載置する準備が整った状態である。一方、ステップS408でリフト高さ位置センサ605がONであった場合、各リフト板507a,507bが既に長尺シート下限位置にあることになる。この場合、CPU301はリフト板507a,507bを下降させる必要がないと判断し、リフタモータM500を駆動せずに処理を終了する。
(シートの交換)
ところで、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に移動できる一方で、収納庫506に長尺シートを積載しようとするときには2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が揃っている必要がある。ただし、安全性を確保するため、リフト板の上昇は収納庫506が閉じた状態で行うものとする。従って、非長尺シートを長尺シートに交換する手順として、収納庫506を開いて非長尺シートを取り除き、シート仕切板500を長尺領域A2に移動させた状態で収納庫506を一度閉じる仕様とした。すなわち、シート仕切板500が長尺領域A2にある状態で収納庫506が閉じられると、第1リフト板507aが長尺シート下限位置まで上昇して第2リフト板507aと高さが揃える動作(位置合わせ動作)が実行される。その後、ユーザが再び収納庫506を開いて長尺シートをセットし、収納庫506を閉じることで、長尺シートを給送可能な状態となる。
ところで、第1リフト板507aが第2リフト板507bより下方に移動できる一方で、収納庫506に長尺シートを積載しようとするときには2枚のリフト板507a,507bの高さ位置が揃っている必要がある。ただし、安全性を確保するため、リフト板の上昇は収納庫506が閉じた状態で行うものとする。従って、非長尺シートを長尺シートに交換する手順として、収納庫506を開いて非長尺シートを取り除き、シート仕切板500を長尺領域A2に移動させた状態で収納庫506を一度閉じる仕様とした。すなわち、シート仕切板500が長尺領域A2にある状態で収納庫506が閉じられると、第1リフト板507aが長尺シート下限位置まで上昇して第2リフト板507aと高さが揃える動作(位置合わせ動作)が実行される。その後、ユーザが再び収納庫506を開いて長尺シートをセットし、収納庫506を閉じることで、長尺シートを給送可能な状態となる。
ここで、位置合わせ動作の途中に収納庫開ボタン510が操作されることも考えられる。このとき、収納庫開ボタン510の操作により直ちに収納庫開閉ソレノイド611が規制状態から解除状態に切換わる構成であると、収納庫506が開いた状態での第1リフト板507aの上昇を避けるため、位置合わせ動作は中断されることになる。その結果、長尺シートをセットするには、ユーザが収納庫506を閉じ、位置合わせ動作が再度行われるのを待ってから収納庫506を開く必要があり、ユーザが煩わしさを感じる可能性がある。
(収納庫を閉じた場合)
そこで、本実施例では、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が操作されたとしても、位置合わせ動作が終了するまでは収納庫506がロックされた状態が維持される構成とした。以下、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。
そこで、本実施例では、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が操作されたとしても、位置合わせ動作が終了するまでは収納庫506がロックされた状態が維持される構成とした。以下、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理について説明する。
図5は、収納庫506が閉じられた際のリフト板移動処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、ユーザが非長尺シートを長尺シートに交換するために収納庫506を一度閉じた場合、及びユーザが非長尺シート又は長尺シートを給送させるために収納庫506を閉じた場合に実行される。
電源がONのとき、CPU301は、常時、ステップS501として収納庫506が閉じられたことを表すイベントの発生を監視している。具体的には、CPU301は、収納庫開閉センサ608がONからOFFに変化した場合に開いていた状態の収納庫506が閉じられたと判断する。収納庫506が閉じられたとき、CPU301はステップS502でリフト給送位置センサ602がOFFであるか否か、換言すれば、第1リフト板507aに支持されたシートの上面又は第1リフト板507a自身が給送位置にあるか否かを判定する。リフト給送位置センサ602がONのとき、これ以上第1リフト板507aを上昇させることができない(図6(d)又は図7(d))ので、CPU301は処理を終了する。
ステップS502の判定の結果、リフト給送位置センサ602がOFFのとき、CPU301は、ステップS503,S504でリフトアップ動作を行うか位置合わせ動作を行うかの判定を行う。リフトアップ動作とは、最上位のシートが給送位置に到達するようにリフト板507a,507bを上昇させる動作である。位置合わせ動作とは、長尺シートのセットに備えるため、リフト板507a,507bの高さ位置を揃える動作である。
まず、CPU301は、ステップS503でリフト高さ位置センサ605がOFF、かつ延長リフタHPセンサ607がONか否かを判定する。この判定結果がYESとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS404〜S407の処理が実行された場合、つまり第2リフト板507bが長尺シート下限位置にあり、第1リフト板507aがそれより下方に位置する場合である。(図6(a)又は図7(a)参照。)この場合、CPU301は、さらにステップS504でシート仕切板延長センサ606がONか否か、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にあるか長尺領域A2にあるかを確認する。
ステップS504の判定結果がYESとなるのは、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合である。つまり、ステップS503,S504の判定結果がいずれもYESとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、仕切板が長尺領域A2に動かされた状態で収納庫506が閉じられた場合(図7(a))である。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせが必要であると判断する。
1.位置合わせ動作
位置合わせ動作の場合、CPU301はステップS505でリフタモータM500の駆動を開始させると共に、収納庫開ボタン510のLED510bを点滅させる。リフタモータM500の駆動は、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達するまで継続される。つまり、CPU301はステップS508でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS509でリフタモータM500の駆動を停止させる。また、このときCPU301はLED510bの点滅を終了させて点灯状態とする。これにより、図7(b)に示すように第1リフト板507aが長尺シート下限位置で停止するため、ユーザが収納庫開ボタン510を操作して収納庫506を開くことで、長尺シートをセット可能な状態となる。
位置合わせ動作の場合、CPU301はステップS505でリフタモータM500の駆動を開始させると共に、収納庫開ボタン510のLED510bを点滅させる。リフタモータM500の駆動は、第1リフト板507aが長尺シート下限位置に到達するまで継続される。つまり、CPU301はステップS508でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS509でリフタモータM500の駆動を停止させる。また、このときCPU301はLED510bの点滅を終了させて点灯状態とする。これにより、図7(b)に示すように第1リフト板507aが長尺シート下限位置で停止するため、ユーザが収納庫開ボタン510を操作して収納庫506を開くことで、長尺シートをセット可能な状態となる。
ここで、位置合わせ動作(ステップS505〜S509)の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合の動作について説明する。ステップS506において、収納庫開ボタン510が押下されると、スイッチ510aが作動することにより、CPU301は収納庫506を開くことを指示する指令信号(Open指示)を受け取る。しかし、この場合、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611を解除状態に切換えることなく、ステップS507でOpen指示を保留状態とする。
そして、位置合わせ動作の終了後、つまりリフタモータM500の駆動停止後に、保留状態のOpen指示が存在することを確認した場合(ステップS510のYES)、ステップS511でCPU301は収納庫開閉ソレノイド611を解除状態とする。このとき、CPU301は、リフタモータM500の駆動停止後に収納庫開ボタン510が押下されていない場合であっても、保留状態のOpen指示があるときは収納庫開閉ソレノイド611を規制状態から解除状態に切換える。これによって自動的に収納庫506が開くため、ユーザは収納庫506を引き出して長尺シートをセットすることができる。
なお、ステップS510で保留状態のOpen指示が存在しない場合、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611が規制状態、かつ収納庫開ボタン510のLED510bを点灯させた状態でOpen指示の入力を待機する。その後、収納庫開ボタン510が押下されてOpen指示が発生すると、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611を解除状態に切換えて収納庫506を開く。
2.リフトアップ動作
上記ステップS503の判定結果がNOとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS408〜S411の処理が実行された場合、つまり2枚のリフト板507a,507bが長尺シート下限位置にあって高さが揃っている場合である(図7(b))。このように収納庫506を閉じる時点で各リフト板507a,507bの高さが揃っている場合、セットされているのが長尺シートか非長尺シートかに関わらず、CPU301はシートを給送位置に移動可能であると判断する。また、ステップS504の判定結果がNOとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、ユーザがシート仕切板500を長尺領域A2に移動することなく収納庫506を閉じた場合である(図6(a))。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせを行う必要はなく、シートを給送位置に移動可能であると判断する。
上記ステップS503の判定結果がNOとなるのは、収納庫506が開かれた際にステップS408〜S411の処理が実行された場合、つまり2枚のリフト板507a,507bが長尺シート下限位置にあって高さが揃っている場合である(図7(b))。このように収納庫506を閉じる時点で各リフト板507a,507bの高さが揃っている場合、セットされているのが長尺シートか非長尺シートかに関わらず、CPU301はシートを給送位置に移動可能であると判断する。また、ステップS504の判定結果がNOとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある状態で収納庫506が開かれた後、ユーザがシート仕切板500を長尺領域A2に移動することなく収納庫506を閉じた場合である(図6(a))。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせを行う必要はなく、シートを給送位置に移動可能であると判断する。
これらの場合、給送ユニット505によるシートの給送を開始可能な状態とするため、リフトアップ動作が実行される。CPU301はステップS512で第1リフト板507aが上昇する方向にリフタモータM500の駆動を開始する(図6(c)及び図7(c))。その後、ステップS513でリフト給送位置センサ602がONになったことを確認すると、CPU301はステップS514でリフタモータM500の駆動を停止させる。
リフタモータM500の駆動が停止した後の処理は、シート有無センサ601の検知結果によって変化する。第1リフト板507aの上にシートが支持されている場合、第1リフト板507aが給送位置に到達する前にリフト給送位置センサ602及びシート有無センサ601がシートを検知してONになる。この場合、CPU301は給送可能なシートがあると判断する。一方、第1リフト板507aの上にシートが支持されていない場合、シート有無センサ601がOFFのままでリフト給送位置センサ602が第1リフト板507aを検知してONになる(図6(d)又は図7(d))。この場合、CPU301は収納庫506にシートが収納されていないと判断し、シートが無いことを表す情報を表示操作部310に表示させる等の必要な処理を行う。
ここで、リフトアップ動作の実行中(ステップS512〜S514)に収納庫開ボタン510が押下された場合の動作について説明する。この場合、収納庫開ボタン510が押下されてCPU301がOpen指示を受け取ると、リフトアップ動作は停止され、ステップS513のループに割り込む形で図4の処理が開始される。そして、ステップS402で収納庫開閉ソレノイド611が規制状態から解除状態に切り換わることで、収納庫506が開く。また、仕切板延長センサ606の位置に応じてリフト板507a,507bが下降する(ステップS403〜S411)。このように、リフトアップ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301はOpen指示を保留せずに収納庫506のロックを解除する。
(本実施例の効果)
このように本実施例では、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301がOpen指示を保留し、位置合わせ動作が完了するまでは収納庫開閉ソレノイド611の規制状態が維持される。言い換えると、位置合わせ動作の実行中は、規制手段としての収納庫開閉ソレノイド611によりシート収納手段を開く動作が規制され、位置合わせ動作の終了後にシート収納手段を開く動作が許容される。これにより、位置合わせ動作が未完了の状態でシート収納手段が開くことで再度の位置合わせ動作を行うための操作をユーザに要求する状況を回避することができる。つまり、本実施例によれば、長尺シートをセットするための準備動作である位置合わせ動作を開始した場合、原則、位置合わせ動作が完了した状態でのみシート収納手段が開くため、非長尺シートから長尺シートへの交換作業をスムーズに進めることができる。
このように本実施例では、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合、CPU301がOpen指示を保留し、位置合わせ動作が完了するまでは収納庫開閉ソレノイド611の規制状態が維持される。言い換えると、位置合わせ動作の実行中は、規制手段としての収納庫開閉ソレノイド611によりシート収納手段を開く動作が規制され、位置合わせ動作の終了後にシート収納手段を開く動作が許容される。これにより、位置合わせ動作が未完了の状態でシート収納手段が開くことで再度の位置合わせ動作を行うための操作をユーザに要求する状況を回避することができる。つまり、本実施例によれば、長尺シートをセットするための準備動作である位置合わせ動作を開始した場合、原則、位置合わせ動作が完了した状態でのみシート収納手段が開くため、非長尺シートから長尺シートへの交換作業をスムーズに進めることができる。
また、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合、位置合わせ動作の終了後に収納庫開ボタン510が押下されていない場合であっても、自動的に収納庫506が開く構成とした。これにより、収納庫開ボタン510の再度の押下を必要とする構成に比べて非長尺シートから長尺シートへの交換作業が容易になる。特に、長尺シートはユーザが両手を使用しないと安定して把持することが難しい場合が多く、長尺シートをセットする際はユーザの両手が塞がった状態となりがちである。本実施例の構成によれば、位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510を押下して収納庫506を開く動作を予約し、実際に収納庫506が開くまでに長尺シートを把持して待機することも可能となる。
また、給送デッキ250の外部から視認可能な収納庫開ボタン510のLED510bの表示状態を、位置合わせ動作の実行中は第1の表示状態に相当する「点滅」とし、位置合わせ動作の完了後は第2の表示状態に相当する「点灯」とした。これにより、ユーザは位置合わせ動作が完了したか否かを容易に把握することができる。
(変形例)
上述の制御方法におけるLED510bの「点滅」、「点灯」は第1及び第2の表示状態の一例であり、シート給送装置の外部から位置合わせ動作の実行中の状態と完了後の状態を区別可能な任意の表示方法に置き換え可能である。例えば2色のLEDを用いて発光色を変化させても構わない。なお、表示灯を用いた報知方法に限らず、ブザー音や音声によって位置合わせ動作の実行中であることをユーザに報知してもよい。また、例えば表示操作部310に位置合わせ動作の実行中は収納庫506を開くことができない旨のメッセージを表示させてもよい。
上述の制御方法におけるLED510bの「点滅」、「点灯」は第1及び第2の表示状態の一例であり、シート給送装置の外部から位置合わせ動作の実行中の状態と完了後の状態を区別可能な任意の表示方法に置き換え可能である。例えば2色のLEDを用いて発光色を変化させても構わない。なお、表示灯を用いた報知方法に限らず、ブザー音や音声によって位置合わせ動作の実行中であることをユーザに報知してもよい。また、例えば表示操作部310に位置合わせ動作の実行中は収納庫506を開くことができない旨のメッセージを表示させてもよい。
本実施例において、操作具である収納庫開ボタン510が押下された場合に収納庫開閉ソレノイド611による収納庫506のロックが解除されるものとして説明した。しかしながら、規制手段によるシート収納手段のロックを解除するための構成としては、ボタン以外の操作具(例えばレバー)によるものの他、例えば表示操作部310に収納庫506を開くためのソフトキーを表示させる構成であってもよい。
また、本実施例では、位置合わせ動作の進捗とシート収納手段の開閉可否とを連動させるインターロック機能を、制御手段による収納庫開閉ソレノイド611の制御によって実現している。しかし、例えばリフト板507a,507bの動作や位置を検知するセンサ(例えばリフト高さ位置センサ605)の検出信号を入力とし、収納庫開閉ソレノイド611の通電/遮断を出力とする論理回路によっても本実施例と同様の動作が実現可能である。
また、本実施例では、リフトアップ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合、直ちに収納庫開閉ソレノイド611が解除状態となって収納庫506が開き、その後リフト板507a,507bが下降するものとして説明した。しかしながら、リフトアップ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合もOpen指示が保留される構成としてもよい。例えば、最上位シートがピックアップローラ501から十分離間するまでリフト板507a,507bを下降させてから収納庫開閉ソレノイド611を解除状態とすることが考えられる。
次に、第2の実施形態(実施例2)に係るシート給送装置について、図8〜図10を用いて説明する。本実施例に係るシート給送装置を構成する給送デッキ250bは、第2リフト板507bの昇降範囲に実施例1のような制限がなく、第1リフト板507aとは独立に昇降可能である点で実施例1と異なっている。その他の実施例1と共通する要素には実施例1と同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施例の収納庫506には実施例1のメカストッパ609に相当する部材は設けられておらず、第2リフト板507bは収納庫506の底位置まで移動可能である。第2リフト板507bは、第1リフト板507aのための第1リフト機構530(第1昇降手段)とは別に設けられた第2リフト機構531(第2昇降手段)により、第1リフト板507aとは独立に昇降可能である。第2リフト機構531は、リフタモータM501を駆動源として、第2リフト板507bに連結されたワイヤを巻取り又は繰出しすることで第2リフト板507bを昇降させる。収納庫506の底部であって、シート給送方向V1において第1リフト板507aの底位置センサ604と対向する位置には、第2リフト板507bが底位置にあることを検知する延長リフタ底位置センサ610が配置されている。
以下、本実施例における収納庫506を閉じた場合の動作について、図9を用いて説明する。なお、本実施例において、シート仕切板500が非長尺領域A1にある場合は、原則として第2リフト板507bが収納庫506の底位置で静止しているものとする。収納庫開ボタン510が押下されたときの第1リフト板507aの動作は、実施例1と同様であるものとする(図4参照)。
電源がONのとき、CPU301は、常時、ステップS901として収納庫506が閉じられたことを表すイベントの発生を監視している。収納庫506が閉じられたとき、CPU301はステップS902でリフト給送位置センサ602がOFFであるか否かを判定する。リフト給送位置センサ602がONのとき、これ以上第1リフト板507aを上昇させることができない(図11(d)又は図12(d))ので、CPU301は処理を終了する。
ステップS902でリフト給送位置センサ602がOFFのとき、CPU301は、ステップS903,S904において、リフトアップ動作を行うか位置合わせ動作を行うかの判定を行う。
まず、CPU301は、ステップS903で底位置センサ604がOFF、かつ延長リフタ底位置センサ610がONか否かを判定する。この判定結果がYESとなるのは、第2リフト板507bが底位置にあり、かつ第1リフト板507aが底位置より上方に位置する場合である(図11(a)〜(c)又は図12(a))。この場合、CPU301は、さらにステップS904でシート仕切板延長センサ606がONか否か、つまりシート仕切板500が非長尺領域A1にあるか長尺領域A2にあるかを確認する。
ステップS904の判定結果がYESとなるのは、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合である(図12(a))。つまり、ステップS903,S904の判定結果がいずれもYESとなるのは、シート仕切板500が長尺領域A2にあるにも関わらずリフト板507a,507bの高さが揃っていない場合である。この場合、CPU301はリフト板507a,507bの位置合わせが必要であると判断する。
ステップS903,S904のいずれかの判定結果がNOとなるのは、シート仕切板500が非長尺領域A1にある場合(図11(a)〜(c))又はリフト板507a,507bの高さが既に揃っている場合(図12(b)、(c))である。これらの場合、最上位のシートを給送位置まで上昇させるリフトアップ動作(ステップS911〜S913)が実行される。本実施例におけるリフトアップ動作の制御内容は、実施例1と同様である。ただし、シート仕切板500が長尺領域A2にある場合、第2リフタモータM501が第1リフタモータM500と同期して駆動ON、OFFされる。また、シート仕切板500が非長尺領域A1にある場合、第2リフト板507bが底位置にある状態のまま第1リフト板507aが上昇する。
位置合わせ動作の場合、CPU301はステップS905a,S905b,S905cの処理を並列的に実行し、2枚のリフト板507a,507bをそれぞれ底位置より上方の目標位置に合わせる。目標位置とは、例えば実施例1における長尺シート下限位置と同じ位置に設定される。本実施例では、第2リフト板507bを昇降させる第2リフタモータM501が追加されているため、実施例1のように長尺シートの積載量に制限を課す必要性は薄い。しかし、底位置より上方の目標位置で位置合わせすることにより、底位置で位置合わせする場合に比べて、ユーザは収納庫506に深く手を差し入れることなく容易に長尺シートをセットすることが可能となる。
図10(a)に示すように、第1リフト板507aの位置制御において、CPU301はステップS1011で第1リフタモータM500の駆動を開始させ、第1リフト板507aが目標位置に到達するように第1リフタモータM500を制御する。つまり、CPU301はステップS1012でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS1015で第1リフタモータM500の駆動を停止させる。また、ステップS1013で、リフト高さ位置センサ605がONになる前にリフト給送位置センサ602がONになったことを確認した場合、第1リフト板507aが既に目標位置より上方にあることが分かる。この場合、CPU301はステップS1014で第1リフト板507aが下降する方向に第1リフタモータM500を駆動する。そして、ステップS1012でリフト高さ位置センサ605がONになったことを確認すると、ステップS1015で第1リフタモータM500の駆動を停止させる。これにより、第1リフト板507aが目標位置に到達する。
図10(b)に示すように、第2リフト板507bの位置制御において、CPU301はステップS1021で第2リフト板507bが上昇する方向に第2リフタモータM501の駆動を開始させる。その後、CPU301はステップS1022で延長リフタHPセンサ607がONになったことを確認すると、ステップS1023で第2リフタモータM501の駆動を停止させる。これにより、第2リフト板507bが目標位置に到達する。
また、図10(c)に示すように、第1及び第2リフト板507a,507bの位置制御に並行して、CPU301はOpen指示の管理を行っている。すなわち、各リフト板の位置制御(ステップS905a,S905b)が終了する前に収納庫開ボタン510が押下され、ステップS1031でOpen指示を受信した場合、CPU301はステップS1032でOpen指示を保留状態とする。
そして、位置合わせ動作の終了後、つまりリフタモータM500,M501の駆動停止後に、保留状態のOpen指示があることを確認した場合(ステップS906のYES)、ステップS907でCPU301は収納庫開閉ソレノイド611を解除状態とする。これによって自動的に収納庫506が開くため、ユーザは収納庫506を引き出して長尺シートをセットすることができる。なお、ステップS907で保留状態のOpen指示が存在しない場合、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611を規制状態としたままでOpen指示の入力を待機する。その後、収納庫開ボタン510が押下されてOpen指示が発生すると、CPU301は収納庫開閉ソレノイド611を解除状態に切換えて収納庫506を開く。
このように、本実施例でも位置合わせ動作の実行中に収納庫開ボタン510が押下された場合はOpen指示が保留され、位置合わせ動作の終了後に自動的に収納庫506が開く。これにより、実施例1と同様に、非長尺シートから長尺シートへの交換作業をスムーズに進めることができる。
次に第3の実施形態(実施例3)に係るシート給送装置について、図13及び図14を用いて説明する。図13に示すように、本実施例に係るシート給送装置を構成する給送デッキ250cは、収納庫506の内部における複数個所にシートを積載可能であり、図中左側のスペースが給送積載部、図中右側のスペースが予備積載部として使用される。給送ユニット505は給送積載部に積載されたシートS1を給送可能であり、予備積載部に積載された予備のシートS2はそのままでは給送できないが、給送積載部まで移動することで給送可能となる。
給送積載部に積載されたシートS1は、第1積載部としてのリフト板707によって支持される。リフト板707は、実施例1と同様のリフト機構530により、収納庫506の底位置と、給送位置(リフト給送位置センサ602の検知位置)との間で昇降可能である。
予備積載部に積載されたシートS2は、リフト板707ではなく、収納庫506の底部に第2積載部として設けられた支持台708に支持される。収納庫506には、シートS2のシート給送方向V1における上流側の側面に当接する移動ガイド704と、移動ガイド704を移動させる移動機構705が設けられている。シートを移動させる移動手段としての移動機構705は、移動モータM700と、移動モータM700の動力を移動ガイド704に伝達するワイヤ706とを備える。移動機構705は、移動ガイド704をシート給送方向V1に引っ張ることで予備のシートS2を給送積載部に移動させる。
給送デッキ250cには、実施例1と同様のシート有無センサ601、リフト給送位置センサ602及び収納庫開閉センサ608の他に、給送積載部センサ701、移動中検知センサ702及び予備積載部センサ703が設けられている。給送積載部センサ701は、リフト板707が底位置にある状態で、リフト板707の上のシートの有無を検知可能である。移動中検知センサ702は、予備積載部から給送積載部へ向けてシートが移動中であるか否かを検知する。予備積載部センサ703は、予備積載部にシートS2が積載されているか否かを検知する。
給送デッキ250cの動作について、図14(a)〜(e)を用いて説明する。図14(a)に示すように、給送積載部にシートS1があるとき、リフトアップ動作によりシートS1の最上位シートが給送位置まで上昇した状態で、給送ユニットによりシートS1が給送される。全てのシートS1が給送されると、シート有無センサ601がONからOFFに変化する。
図14(b)に示すように予備積載部センサ703がONであれば、CPU301はリフト板707を底位置まで下降させると共に、予備のシートS2を給送積載部に移動させる動作(シート移動動作)を開始する。すなわち、図14(c)に示すように、移動機構705によって移動ガイド704を図中左側へ移動させ、シートS2をリフト板707の上に移動させる。シートS2が移動している間、移動中検知センサ702はONとなり、シートS2が収納庫506のシート給送方向V1における下流側の壁面に当接して停止するとOFFに変化する(図14(d))。また、シートS2の移動に伴って、予備積載部センサ703はONからOFFになり、給送積載部センサ701はOFFからONになる。その後、図14(e)に示すように、リフト板707によってシートS2が再びリフトアップされることで、給送ユニットによりシートS2の給送が行われる。また、移動ガイド704はシート給送方向V1の上流側に移動して元の位置に戻る。このように、予備のシートS2を自動的に給送積載部に移動させる構成により、収納庫506のシート容量を増大させ、シートの補給回数を低減することが可能となる。
ここで、シートS2が予備積載部から給送積載部に向かって移動中の状態(図14(c))では、収納庫506を開いたとしても、移動中のシートS2が障害となって給送積載部及び予備積載部のいずれにもシートをセットできない可能性がある。そこで、本実施例では、移動中検知センサ702がONの状態で収納庫開ボタン510が押下されてもOpen指示が保留され、移動中検知センサ702がOFFになった後に収納庫506が自動的に開く構成とする。これにより、シートS2の給送積載部への移動が完了した状態で収納庫506が開くため、ユーザは予備積載部にシートを補給することができる。すなわち、本実施例では、シートを給送するための予備的な動作として収納庫506が閉じた状態でシートを移動させる構成において、シートの移動が完了するまでは収納庫506が開くことを規制することで、利便性を向上させることが可能である。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100,250…シート給送装置(画像形成装置、給送デッキ)/120…画像形成手段(プロセスユニット)/250A…ケーシング/301…制御手段(CPU)/500…シート規制手段(シート仕切板)/505…シート給送手段(給送ユニット)/506…シート収納手段(収納庫)/507a…第1支持部(第1リフト板)/507b…第2支持部(第2リフト板)/510…操作具(収納庫開ボタン)/510b…表示灯(収納庫開ボタンのLED)/530,531…昇降手段、第1昇降手段、第2昇降手段(リフト機構)/601…シート検知手段(シート有無センサ)/606…位置検知手段(シート仕切板延長センサ)/608…開閉検知手段(収納庫開閉センサ)/609…ストッパ(メカストッパ)/611…規制手段(収納庫開閉ソレノイド)/707…第1積載部(リフト板)/708…第2積載部(支持台)/A1…第1領域(非長尺領域)/A2…第2領域(長尺領域)
Claims (12)
- シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、
前記シート収納手段が開くことを規制する規制状態と、前記シート収納手段が開くことを許容する解除状態とに切換え可能な規制手段と、
前記シート収納手段に収納されたシートを給送するシート給送手段と、
前記シート収納手段に収納されたシートを支持する第1支持部と、
前記シート給送手段のシート給送方向において前記第1支持部の上流に配置され、前記シート収納手段に収納されたシートを前記第1支持部と共に支持する第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部の少なくとも一方を昇降させる昇降手段と、
前記第1支持部と前記第2支持部の上下方向の位置が異なる状態で前記シート収納手段が閉じられた場合に、前記昇降手段により、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置を合わせる位置合わせ動作を実行可能な制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記位置合わせ動作の実行中は前記規制手段を前記規制状態とし、前記位置合わせ動作の終了後に、前記規制手段を前記規制状態から前記解除状態へ切換可能となる、
ことを特徴とするシート給送装置。 - 前記シート収納手段を開く際に操作される操作具をさらに備え、
前記制御手段は、前記位置合わせ動作の実行中に前記操作具が操作されても、少なくとも前記位置合わせ動作の実行中は、前記規制手段の前記規制状態から前記解除状態への切換えを行わず、前記位置合わせ動作の終了後に前記操作具が操作された場合、前記規制手段を前記解除状態とする、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。 - 前記制御手段は、前記位置合わせ動作の実行中に前記操作具が操作された場合、その後に前記操作具が操作されない場合であっても、前記位置合わせ動作の終了後に前記規制手段を前記解除状態とする、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。 - 上下方向において、前記シート給送手段が前記第1支持部に支持されたシートに当接する給送位置にシートがあることを検知可能なシート検知手段を備え、
前記制御手段は、
前記シート収納手段が閉じられた場合に、前記第1支持部に支持された最上位のシートが前記給送位置に到達するように前記第1支持部を上昇させるリフトアップ動作を実行可能であり、
前記リフトアップ動作の実行中に前記操作具が操作された場合、前記第1支持部に支持された最上位のシートが前記給送位置に到達する前の状態で、前記規制手段を前記解除状態とする、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のシート給送装置。 - シート給送装置の外部から視認可能な表示灯をさらに備え、
前記制御手段は、
前記位置合わせ動作の実行中は、前記表示灯を第1の表示状態とし、
前記位置合わせ動作の終了後に、前記表示灯を前記第1の表示状態とは異なる第2の表示状態とする、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記シート収納手段に収納されたシートの前記シート給送方向における上流端の位置を規制するシート規制手段と、
前記シート規制手段の前記シート給送方向における位置に関する情報を検知可能な位置検知手段であって、前記シート規制手段が、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部のみによって支持されるシートを規制する第1領域にあるか、前記第1支持部及び前記第2支持部の両方によって支持されるシートを規制する第2領域にあるかを検知可能な位置検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1支持部及び前記第2支持部の上下方向の位置が異なり、かつ前記シート規制手段が前記第2領域にある状態で前記シート収納手段が閉じられた場合に、前記位置合わせ動作を実行する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記第1支持部が昇降可能な範囲の下限位置より上方に設けられ、前記第2支持部の下方への移動を規制するストッパをさらに備え、
前記昇降手段は、前記第1支持部及び前記第2支持部のうち前記第1支持部にのみ連結され、前記第1支持部が前記ストッパより上方に位置する場合、前記第2支持部が前記第1支持部に支持された状態で前記第1支持部及び前記第2支持部を昇降させる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記第1支持部及び前記第2支持部は、互いに独立に昇降可能に設けられ、
前記昇降手段は、前記第1支持部を昇降させる第1昇降手段と、前記第2支持部を昇降させる第2昇降手段と、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - シートを収納する、開閉可能なシート収納手段と、
前記シート収納手段が開くことを規制する規制状態と、前記シート収納手段が開くことを許容する解除状態とに切換え可能な規制手段と、
前記シート収納手段に設けられ、シートが積載される第1積載部と、
前記シート収納手段に設けられ、前記第1積載部に積載されたシートとは別のシートが積載される第2積載部と、
前記第1積載部に積載されたシートを給送するシート給送手段と、
前記第2積載部に積載されたシートを前記第1積載部に移動させる移動手段と、
前記第1積載部にシートが積載されていない場合に、前記シート収納手段が閉じている状態で前記移動手段により前記第2積載部から前記第1積載部にシートを移動させるシート移動動作を実行可能な制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記シート移動動作の実行中は前記規制手段を前記規制状態とし、前記シート移動動作の終了後に前記規制手段を前記規制状態から前記解除状態へ切換えることが可能となる、
ことを特徴とするシート給送装置。 - 前記シート収納手段が開いた開状態と、前記シート収納手段が閉じた閉状態と、を検知可能な開閉検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記開閉検知手段が前記開状態から前記閉状態への遷移を検知した場合に、前記規制手段を前記解除状態から前記規制状態に切換える、
ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記シート収納手段を引き出し可能に収容するケーシングをさらに備え、
前記規制手段は、前記規制状態において前記シート収納手段の引き出しを規制し、前記解除状態において前記シート収納手段の引き出しを許容するように、前記制御手段からの指令信号に基づいて作動するソレノイドを含む、
ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート給送装置。 - 前記シート給送手段によって給送されるシートに画像を形成する画像形成手段を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシート給送装置。
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JP2021038045A (ja) * | 2019-09-02 | 2021-03-11 | 富士ゼロックス株式会社 | シート収容装置、給紙装置、画像形成システム |
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