JP7113730B2 - 管路の補修システムおよび補修方法 - Google Patents
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Description
ここで、ライニング材を内側から加温する方法として、高温の空気を使用する方法(特許文献1参照)や、高温の蒸気を使用する方法(特許文献2、3参照)などが提案されている。
また、過熱水蒸気の循環設備が不要となるので、補修システムを小型化できるから、運搬や設置が容易となり、狭隘な場所であっても効率的に施工できる。
また、従来のように、高温の水を用いてライニング材を加温した場合(温水加熱)、排水処理が必要となることがあり、高温の蒸気を用いてライニング材を加温した場合(蒸気加熱)、ドレン処理が必要となることがある。しかし、本発明では、過熱水蒸気によりライニング材を加温したので、温水加熱による排水処理や蒸気加熱によるドレン処理が不要となる。
そこで、この発明によれば、コンプレッサより低温の加圧空気を過熱水蒸気送出装置の内部に供給することで、管路の基端側において、管路内部の過熱水蒸気の温度が上昇するのを抑制し、ライニング材やこのライニング材の内面皮膜フィルムの溶解を防止できる。また、管路の基端側の内部圧力や内部温度を調節できるから、管路を確実に補修できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る管路の補修システム1により補修された管路10の側面図である。図2は、管路の補修システム1の構成を示す図である。
管路の補修システム1は、図1に示すように、コンクリート製の筒状の管路10の内周面を全長に亘ってライニング材2で覆うことで、傷んだ管路10を補修するものである。この管路の補修システム1は、図2に示すように、管路10の基端側(一端側)に接続された筒状の基端ソケット20と、この基端ソケット20に接続された過熱水蒸気送出装置21と、過熱水蒸気送出装置21および基端ソケット20に接続されたコンプレッサ22と、管路10の先端側(他端側)に接続された筒状の先端ソケット23と、先端ソケット23の先端に接続された所定長さを有する筒状の弾性部材24と、を備える。
過熱水蒸気送出装置21は、基端ソケット20を通して管路10内に加圧した過熱水蒸気を送出するものである。
コンプレッサ22と過熱水蒸気送出装置21とは、配管26で接続されている。また、コンプレッサ22と基端ソケット20とは、配管27で接続されている。コンプレッサ22は、過熱水蒸気よりも低温の加圧空気を、配管26を通して過熱水蒸気送出装置21に送出したり、配管27を通して基端ソケット20に送出したりするものである。
先端ソケット23は、管路10の先端側から先端に向かうに従って内径が小さくなる筒状である。先端ソケット23の先端側には、先端ソケット23内を通過する過熱水蒸気の流量を調節する仕切弁25が設けられている。
ステップS1では、管路10の内部にライニング材2を未加熱の状態で配置する。
ステップS2では、過熱水蒸気送出装置21から基端ソケット20を通して管路10内に加圧した過熱水蒸気を送出することで、図4に示すように、この過熱水蒸気によりライニング材2を内側から管路10の内周面に押し付けつつ加熱し、管路10の内周面に密着させた状態で硬化させる。このとき、コンプレッサ22を適宜駆動することにより、管路10の基端側の内部圧力や内部温度を調節する。また、仕切弁25の開度を適宜調整して、先端ソケット23を通過する過熱水蒸気の流量を調節して、管路10の先端側の内部圧力や内部温度を調節する。
管路10内を通り抜けた過熱水蒸気は、先端ソケット23および弾性部材24を通って、排出される。このとき、先端ソケット23の先端から排出される過熱水蒸気による騒音を弾性部材24が吸収して消音する。
(1)ライニング材2を管路10に密着した状態で硬化させることで、管路10の補修箇所がライニング材2によって覆われることとなり、管路10の内周面がすり磨き作用によってこれ以上削り取られたり、管路10の内周面のコンクリートが化学的に侵食されたりするのを防止して、管路10の断面の減少や鉄筋の腐食を抑制できる。
また、加圧した過熱水蒸気によりライニング材に熱を加えたので、エネルギー消費量を抑制して、ライニング材を効率良く迅速に加熱できる。
また、過熱水蒸気の循環設備が不要となるので、補修システム1を小型化できるから、運搬や設置が容易となり、狭隘な場所であっても効率的に施工できる。
20…基端ソケット 21…過熱水蒸気送出装置 22…コンプレッサ
23…先端ソケット 24…弾性部材 25…仕切弁 26、27…配管
Claims (2)
- ライニング材を用いてコンクリート製の筒状の管路を補修する補修システムであって、
前記管路の基端側に接続された基端ソケットと、
当該基端ソケットに接続されて加圧した過熱水蒸気を送出する過熱水蒸気送出装置と、
前記過熱水蒸気送出装置に接続されて過熱水蒸気よりも低温の加圧空気を送出するコンプレッサと、
前記管路の先端側に接続されて先端に向かうに従って内径が小さくなる筒状の先端ソケットと、
前記先端ソケットの先端に接続されて所定長さを有する筒状の弾性部材と、を備え、
前記先端ソケットには、当該先端ソケットの流量を制御する仕切弁が設けられ、
前記管路の内周面の補修箇所に熱硬化性を有する繊維複合樹脂製の筒状のライニング材が未加熱で配置された状態で、前記コンプレッサにより前記管路の基端側の内部圧力および内部温度を調節しながら、前記過熱水蒸気送出装置から加圧した過熱水蒸気を送るとともに、前記仕切弁の開度を調整して前記先端ソケットを通過する過熱水蒸気の流量を調節することで、当該過熱水蒸気により前記ライニング材が内側から前記管路の内周面に押し付けられつつ加熱され、当該管路の内周面に密着した状態で硬化することを特徴とする管路の補修システム。 - 請求項1に記載の補修システムを用いて、コンクリート製の筒状の管路を補修する方法であって、
当該管路の内周面の所定箇所に、熱硬化性を有する繊維複合樹脂製の未加熱状態の筒状のライニング材を配置する工程と、
前記コンプレッサにより前記管路の基端側の内部圧力および内部温度を調節しながら、前記管路内に過熱水蒸気送出装置から加圧した過熱水蒸気を送るとともに、前記仕切弁の開度を調整して前記先端ソケットを通過する過熱水蒸気の流量を調節することで、当該過熱水蒸気により前記ライニング材を内側から前記管路の内周面に押し付けつつ加熱し、当該管路の内周面に密着させた状態で硬化させる工程と、を備えることを特徴とする管路の補修方法。
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