JP2008238738A - 管路橋更生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンホールを利用したり、立坑を掘削せず、施工スペースを節約しつつ、更に、管路橋を切断することなく、管路橋を更生する。
【解決手段】着脱管12を取り外すことにより本管11の一端側に開口部を形成させ、気密性材料からなる中空筒状の内面水密層21と、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂が不織布に含浸され、内面水密層21を被覆する樹脂含浸層22と、樹脂含浸層22を被覆する外装保護層23とを有する可撓性筒状体2を開口部から導入し、本管11の軸方向に沿って可撓性筒状体2を配置し、内面水密層内21に気体又は液体を圧入することにより、外装保護層23を本管の内面に対して圧着させ、樹脂含浸層22に対して内面水密層内より加熱又は光を照射し、硬化性樹脂を硬化させることにより本管11の内面に対して可撓性筒状体2を固着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水管橋やガス管橋等の管路橋の更生方法に関するものである。
一般に、道路や建築物等の下部の地中には、水道管やガス管等の多くの既設管路が埋設されている。これらの既設管路は、使用年数に伴い腐食、劣化等が進行するため、漏水、ガス漏れの防止、或いは衛生環境の保全のため、定期的に管路内の補修、更生工事をする必要がある。
従来においては、このような既設管路の更生工事をするための方法として、例えば、特許文献1に示すような既設管路の更生方法が提案されている。この既設管路の更生方法では、熱硬化性樹脂を含浸したライナーを、既設管内に挿入して引き込んだのち、ライナー内部に内圧を与えて膨張させ、さらに加熱等してライナーを硬化させることによって、既設管路内にライナーを固定するものである。これにより、既設管を取り替えることなく、既設管を再利用することが可能となる。
また、例えば特許文献2に示すように、ライナーを既設管内に挿入するにあたり、ライナー内に流体圧を作用させライナーを既設管内に反転させることによって挿入配置する方法も提案されている。
特開平11−230412号公報 特開昭63−254028号公報
ところで、地中に埋設された既設管路である埋設管のみならず、地表に露出された水管橋やガス管橋等の管路橋を更生しなければならない場合も当然に生じる。特に地表に露出されている管路橋は、天候等による影響を受けやすく埋設管より腐食が進行しやすいため、頻繁に更生工事を行う必要がある。
図9は、管路橋101に対して、上述した特許文献1の開示技術を適用した場合の構成を示すものである。管路橋101は、埋設管111a、111bを接続するものであり、その両端部が橋台114上で支持部113によって支持されている。特に、この管路橋101と埋設管111a、111bとは、各々の設置標高が異なることから、高度を調整するために曲管112を介して接続されている。
管路橋101内にライナー102を導入しようとする場合、管路橋101内にライナー102を導入するための導入口と、ライナー102を牽引するためのワイヤー121を相通するための到達口とが必要となり、この到達口より予めワイヤー121を管路橋101内を介して導入口にまで挿通させておく。これらの導入口と到達口とは、管路橋101周囲に管路橋101に連通している図示しないマンホールがあれば、このマンホールを導入口としてライナー102を管路橋101内にまで引っ張り込む。また、管路橋101周囲にマンホールが無い場合、管路橋101周囲に立坑115を掘削し、導入口116a及び到達口116bを設ける。
このような従来の既設管路の更生方法においては、管路橋101を更生しようとする際に、管路橋101周囲のマンホールを利用するか、又は立坑115を掘削する必要が生じていた。一般に、マンホールの周囲や埋設管の上部には、一般道路が敷設されているため、更生工事に際して利用しようとするマンホール周囲の道路に対して交通規制を行う必要があり、これによって、交通障害が生じていた。特に、管路橋の周囲にマンホールが無い場合は、立坑を掘削及び埋立を行う必要があるため、更に長期間に渡って交通障害が生じていたのに加え、工事費及び工程数が増大するといった問題が生じていた。
また、導入口116aからライナー102を管路橋101内にまで導入するためには、曲管112を介してライナー102を引き込む必要があった。このため、特許文献1に開示された技術では、ライナー102を引き込む際に、ライナー102が曲管112に引っかかり作業性が低下し、更には、ライナー102が曲管112内において摩擦されることにより損傷するなどの問題が生じていた。
更にまた、仮にマンホールや立坑115を用いることなく導入口を設ける場合、管路橋101の一端側を切断し開口部を設け、そこからライナー102を引き込むことも考えられる。しかしながら、このように管路橋101を切断する場合は、切断した箇所に対して修復を行うに際して溶接を行う必要がある。このようにして設けられた溶接部は、内面防食を行うことができないため、定期的な補修を要することになるという問題が生じる。
特に、特許文献2に開示の技術では、ライナー102内に流体圧を作用させるためには、ライナー102の導入口周囲において大規模な櫓等を設置する必要がある。このため、管路橋101を切断して導入口を設け、橋台114上にそのような大規模な櫓等を設置しての作業は、大きな危険を伴っていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、管路橋を更生するにおいて、マンホールを利用したり、立坑を掘削せず、施工スペースを節約しつつ、更に、管路橋を切断することなく、管路橋を更生することが可能な管路橋更生方法を提供することにある。
本発明者は、上述した問題点を解決するために、着脱管を取り外すことにより本管の一端側に開口部を形成させ、気密性材料からなる中空筒状の内面水密層と、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂が不織布に含浸され、内面水密層を被覆する樹脂含浸層と、樹脂含浸層を被覆する外装保護層とを有する可撓性筒状体を開口部から導入し、本管の軸方向に沿って可撓性筒状体を配置し、内面水密層内に気体又は液体を圧入することにより、外装保護層を本管の内面に対して圧着させ、樹脂含浸層に対して内面水密層内より加熱又は光を照射し、硬化性樹脂を硬化させることにより本管の内面に対して可撓性筒状体を固着させる管路橋更生方法を発明した。
即ち、本願請求項1に係る管路橋更生方法は、中空管状の本管と、少なくとも本管の一端側に取り付けられた本管から着脱自在な着脱管とを有する管路橋を更生する管路橋更生方法において、着脱管を取り外すことにより本管の一端側に開口部を形成させる取り外し工程と、気密性材料からなる中空筒状の内面水密層と、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂が不織布に含浸され、内面水密層を被覆する樹脂含浸層と、樹脂含浸層を被覆する外装保護層とを有する可撓性筒状体を開口部から導入し、本管の軸方向に沿って可撓性筒状体を配置する配置工程と、内面水密層内に気体又は液体を圧入することにより、外装保護層を本管の内面に対して圧着させる圧入工程と、樹脂含浸層に対して内面水密層内より加熱又は光を照射し、硬化性樹脂を硬化させることにより本管の内面に対して可撓性筒状体を固着させる硬化工程とを有することを特徴とする。
本願請求項2に係る管路橋更生方法は、請求項1に係る発明において、配置工程で、可撓性筒状体の前端部を、開口部から本管内を介して本管の他端側にまで牽引することにより可撓性筒状体を配置することを特徴とする。
本願請求項3に係る管路橋更生方法は、請求項2に係る発明において、配置工程で、短手方向に折り畳まれている可撓性筒状体の前端部を牽引することを特徴とする。
本願請求項4に係る管路橋更生方法は、請求項1に係る発明において、配置工程で、可撓性筒状体が長手方向に折り畳まれることにより折り返し部が形成され、可撓性筒状体の後端部が本管の一端側に保持され、本管の他端側に向けて折り返し部を内側から押圧することにより、折り返し部を本管の軸方向に沿って順次移動させ、可撓性筒状体を配置することを特徴とする。
本願請求項5に係る管路橋更生方法は、請求項4に係る発明において、配置工程で、短手方向に更に折り畳まれている可撓性筒状体の折り返し部を押圧することを特徴とする。
本願請求項6に係る管路橋更生方法は、請求項1から5のうちいずれか1項記載の発明において、圧入工程より前に、配置した可撓性筒状体の外装保護層のうち本管の一端側及び他端側に位置する外装保護層を可撓性筒状体から剥離する剥離工程を更に有し、圧入工程で、剥離された外装保護層が被覆していた樹脂含浸層を本管の内面に対して圧着させることを特徴とする。
本願請求項7に係る管路橋更生方法は、請求項1から6のうちいずれか1項記載の発明において、圧入工程で、外装保護層の一部を予め剥離させることにより樹脂含浸層を露出させ、本管と本管から分枝される分枝管との連結口の周囲に位置する本管の内面に対して、露出させた樹脂含浸層を圧着させることを特徴とする。
本願請求項8に係る管路橋更生方法は、請求項7に係る発明において、圧入工程より前に、分枝管の内径より小さい外径の中空筒状の型枠管を分枝管内に挿入し、圧入工程と硬化工程との間に、分枝管の内壁と型枠管の外壁との間に形成される間隙に硬化性樹脂を充填し、分枝管樹脂層を形成させる充填工程を更に有し、硬化工程で、分枝管樹脂層を構成する硬化性樹脂を樹脂含浸層に含浸される硬化性樹脂とともに硬化させることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明では、本管の切断、溶接を伴うことなく更生が完了するため、従来に生じていた本管内の溶接部からの内面腐食を防止でき、長期間にわたり管路橋の品質、性能を維持することが可能となる。更に、本発明においては、従来のように曲管内を介してライナーを本管にまで導入する必要がないため、ライナーの配置をよりスムーズに行うことができ、更にはライナーが曲管内における摩擦抵抗により伸長することも無いため、ライナーの強度、品質を維持した状態で管路橋の更生を行うことが可能となる。さらにまた、本発明においては、ライナーの配置工程において、マンホールを利用したり、埋設管を切断するための立坑を掘削する必要が無いため、交通障害が生じることなく更生を行うことができる事に加え、工事工程が削減されることから工期及び工事費を節約できる。
更に、上述した請求項6に係る本発明では、本管の両端側の外装保護層を剥離するだけの簡易な方法で、本管内面を容易に密封状体にすることができ、本管内面の腐食の進行を抑制することが可能となる。更にまた、これにより、管口保護処理のために止水部材や接続部材等を取付ける工程が削減でき、管路橋を早期に復旧させることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の管路橋更生方法が適用される管路橋1の構成図を示している。この管路橋1は、本管11と、本管11の一端側、又は両端側に取付けられた本管11から着脱自在な着脱管12と、本管11の両端を橋台14上で支持させるための支持部13とから構成される。
管路橋1は、単一又は複数の管体によって構成された橋であり、離れた箇所に位置する埋設管31aと埋設管31bとを河川、谷等の障害Wを間に跨いで接続することを可能とする。通常、管路橋1と埋設管31とは、両管の設置標高が異なるため、両管の高度を調整するために曲管32を介して接続されている。この管路橋1は、例えば、生活用水、工場用水、ガス等の各種の流体等を本管11内を介して搬送するため、或いは通信ケーブル、電力ケーブル等の各種のケーブル等を本管11内を介して敷設するために用いられる。この管路橋1は、例えば、水管橋、ガス管橋、又は一般橋梁に併設されている管路等によって具体化される。
本管11は、中空断面を有する管体であり、ステンレス管、アルミ管、鋼管、コンクリート管等や、塩ビ管、ポリエチレン管の樹脂管によって具体化される。また、本管11は、4フッ化エチレン樹脂等のテフロン(登録商標)によって構成されるテフロン管によっても具体化される。本管11は、断面円形で構成される場合のみならず、断面角型等いかなる断面形状で構成されていてもよい。また、この本管11は、直線状の管体として構成される場合に加え、例えば湾曲した形状の管体として構成されていてもよい。
着脱管12は、通常、管路橋1の本管11の両端側又は一端側に設けられているものであり、切断、溶接を要することなく、本管11より容易に着脱することが可能なものである。着脱管12は、例えば、伸縮管、フランジ付管又はメカニカル継手管等によって具体化される。
本発明を適用した管路橋更生方法は、例えば図1(b)に示されるようなライナー2を本管11内に導入することによって行われる。ライナー2は、例えば図2(a)、(b)に示されるように、中空筒状の内面水密層21と、内面水密層21を被覆する樹脂含浸層22と、樹脂含浸層22を被覆する外装保護層23との少なくとも3層を有する可撓性の筒状体として構成される。
ライナー2は、管路橋1の更生用に限定されるものではなく、地中の埋設管31や、建築物内の配管等の導管に対して更生工事を行う場合にも適用される。また、ライナー2は、全体として可撓性を有するため、本管11の断面形状に制限されること無く、本管11を更生することを可能とする。
内面水密層21は、不透過性、伸縮性及び可撓性を備えた材料で構成され、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン等によって具体化される。このため、内面水密層21を介しては、各種流体が漏出、透過することが防止される。
樹脂含浸層22は、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂が不織布に含浸されて構成される。樹脂含浸層22に含浸させる硬化性樹脂は、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂として一般に使用されている材質であれば、いかなる公知の材質を用いるようにしてもよく、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等によって具体化される。また、この硬化性樹脂は、管路橋1内部で流動する気体又は液体の性質、量に応じて、特定の材質からなる硬化性樹脂を用いるようにしてもよい。
外装保護層23は、可撓性、伸縮性を備えた材質から構成され、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム又は繊維等によって具体化される。また、外装保護層23は、ある程度の磨耗強度を備えた材質で構成されていてもよく、これにより、磨耗破壊に対する耐性を備えるようにしてもよい。
また、外装保護層23は、ライナー2の軸方向の引張り弾性率が高い材料を内部に含むようにしてもよい。これにより、ライナー2に対して牽引等することによって引張応力を与えた場合に、ライナー2の軸方向への伸びを抑えることができる。更にこれにより、ライナー2を牽引等しても塑性変形しにくくなるため、ライナー2の厚みを確保しつつライナー2を牽引等することが可能となる。
なお、ライナー2は、各層間の密着性を高めるため、例えば、エポキシ樹脂系接着剤等で接着されていてもよい。また、ライナー2は、強度を向上させるために、各層の厚みを調整したり、又は各層を複数層重ね合わせるようにして構成されていてもよい。更に、ライナー2の強度を向上させるために、内面水密層21、樹脂含浸層22若しくは外装保護層23の内部、又は各層間に、ポリエステル、炭素繊維等の繊維又は織布等からなる図示しない補強材を含有させるようにしてもよい。
次に本発明を適用した管路橋更生方法の工程について図3を用いて詳細に説明する。
まず、ステップS11の取り外し工程においては、埋設管31a、31b内を流動している流体が本管11内に流入するのを防止するために、管路橋1に通じる埋設管31a、31b、又は曲管32内部に止水栓35を設置する。そして、その後に、本管11の両端側に取付けられている着脱管12a、12bは、本管11より取り外され、本管11の両端側に開口部15である導入口15a及び到達口15bがそれぞれ形成される。これにより、ライナー2を本管11内に導入するための導入口15aが設けられる。
次に、ステップS12の配置工程に移行する。この配置工程においては、まず、到達口15bから導入口15aにむけて本管11内を介してワイヤー33が挿通される。このワイヤー33は、ライナー2を導入口15aから到達口15bにまで牽引するためのものであり、一端側がワイヤー33を巻き取るためのウインチ34に装着され、他端側がライナー2の前端部2aに装着される。そして、その後に、ライナー2は、ウインチ34を作動させてワイヤー33を巻き取ることにより、導入口15aから到達口15bにまで本管11内を介して牽引される。これにより、ライナー2は、本管11内の軸方向に沿って導入口15aから到達口15bにまで配置されることになる。
このステップS12の配置工程においては、あくまでライナー2を導入口15aから導入して更生の対象である本管11内の軸方向に沿って配置できればよい。即ち、例えば本管11の内径が十分に大きい場合等には、ライナー2をワイヤー33により牽引することに代えて、本管11内に人間が入り込んでライナー2を導入口15aから導入して直接配置するようにしてもよい。
また、このステップS12の配置工程においては、外装保護層23の表面に予め液体や粉体等から構成される滑材を塗布しておいてもよい。これにより、ライナー2は、本管11内を牽引される際に、外装保護層23表面と本管11内面との間における摩擦抵抗が減少するため、牽引作業をより円滑に行うことが可能となる。また、摩擦抵抗を減少させつつ牽引することができるため、ライナー2が牽引方向に伸長されるのを抑制でき、更には、ライナー2の厚み、品質を確保しつつ施工延長を長くすることが可能となる。
更にまた、このステップS12の配置工程においては、予め短手方向に折り畳まれているライナー2の前端部を牽引することにより本管11内に配置するようにしてもよい。これにより、ライナー2を牽引する際に、外装保護層23が本管11内面と接触する領域が減少するため、より牽引作業を円滑に行うことができる。更に、ライナー2が牽引方向に伸長されるのを更に抑制でき、ライナー2全体の強度が向上することになる。なお、ライナー2は、短手方向に複数回折り畳まれていてもよい。
次に、ステップS13の剥離工程に移行し、ライナー2は、本管11の一端側及び他端側に位置する外装保護層23が剥離され、当該外装保護層23が被覆していた樹脂含浸層22aが露出される。このステップS13においては、例えば図4(a)に示すように、ライナー2を本管11内面に圧着させた際に、本管11端部の管口11aを跨ぐ範囲に位置する外装保護層23を剥離して樹脂含浸層22aを露出させることが望ましい。これにより、本剥離工程を開口部15周囲で容易に行うことが可能となるとともに、外装保護層23が剥離されていることを確実に視認しつつ作業を行うことが可能となる。
なお、ステップS13の剥離工程は、ステップS14の圧入工程の前ならいかなる段階においても行ってよい。しかしながら、ステップS12の配置工程より前に剥離工程を実行すると、露出した樹脂含浸層22が配置工程において本管11内を牽引する際の摩擦抵抗により損傷してしまうため、ステップS12の配置工程の後に行うことが望ましい。また、ステップS13の剥離工程は、必ずしも行う必要は無いが、この場合、ライナー2を本管11内に配置した場合に本管11の両端部に位置する外装保護層23を予め剥離しておく必要がある。
次に、ステップS14の圧入工程に移行する。この圧入工程においては、ライナー2の一端側から内面水密層21内に気体又は液体を圧入し、内面水密層21とともに、内面水密層21を被覆する樹脂含浸層22及び外装保護層23を一体的に膨張させ、外装保護層23外面を本管11内面に対して圧着させる。即ち、ライナー2は、例えば図2(b)に示すように、本管11内面と密着する形状になる。
このステップS14の圧入工程においては、外装保護層23のみでなく、剥離工程において露出された樹脂含浸層22aも本管11内面に対して圧着させることが望ましい。これにより、樹脂含浸層22aより本管11内面に対して硬化性樹脂が滲出して両面間の密着性を向上させることが可能となり、ひいては、圧着させている外装保護層23外面と本管11内面との間の密封性が向上する。
なお、例えば図4(b)に示すように、本管11より分枝された分枝管16がある場合は、剥離工程において以下のように外装保護層23を剥離しておくことが望ましい。即ち、分枝管16がある場合には、ライナー2を本管11に対して圧着させた場合に本管11から分枝される分枝管16の連結口17周囲に位置する外装保護層23を予め剥離し、樹脂含浸層22bを露出させる。そして、圧入工程においては、連結口17周囲に位置する本管11内面に対して、樹脂含浸層22aとともに露出させた樹脂含浸層22bも圧着させる。これにより、連結口17周囲の本管11内面と樹脂含浸層22bとの密着性も向上し、ひいては、本管11に分枝管16がある場合であっても、圧着させている外装保護層23外面と本管11内面との間の密封性が向上する。
因みに、外装保護層23内に、ライナー2の軸方向の引張り弾性率が高い材料を含めていた場合、本圧入工程において、ライナー2が膨張することによって軸方向に過度に伸びることを抑えることができ、ライナー2の厚さを確保しつつ本工程を実行することができる。
また、ライナー2は、本圧入工程においてライナー2内部より加圧される圧力に応じて、各層の厚さを調整するようにしてもよい。
次に、ステップS15の硬化工程に移行する。この硬化工程では、樹脂含浸層22に対して内面水密層21内より加熱又は光を照射することにより、樹脂含浸層22内の硬化性樹脂を硬化させる。ここで、樹脂含浸層22内に含浸させた硬化性樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、内面水密層21内に流入させている液体又は気体を加熱するか、加熱された他の液体を更に流入するか、又は内面水密層21内に加熱された蒸気を圧入させることによって、硬化性樹脂を硬化させる。また、樹脂含浸層22内に含浸させた硬化性樹脂が光硬化性樹脂の場合は、予め内面水密層21内に図示しない光照射装置を挿入させておき、光照射装置から樹脂含浸層に対して光を照射することにより硬化性樹脂を硬化させる。
この硬化工程を行うことにより、ライナー2は、圧着工程において本管11内に圧着された形状を保持しつつ、本管11内に固着されることになる。ここで、樹脂含浸層22は、ライナー2を本管11内面に圧着させた形状を維持する型枠として機能する。
特に、上述した剥離工程を行っていた場合は、この硬化工程により、圧着させている外装保護層23外面と本管11内面との間の密封性を保持したまま、ライナー2を固着させることが可能となる。
最後に、ステップS16の後処理工程に移行する。後処理工程においては、本管11の両端側の外側に向けて突出しているライナー2の余り部分を切除した後、取り外し工程に置いて取付けた止水栓35を撤去し、着脱管12を再度取り付ける。また、ライナー2の端部が開口していない場合は、ライナー2の実用化のため、この後処理工程において、端部を開口させる。これにより、本発明の管路橋更生方法の全工程が終了する。
なお、この後処理工程においては、着脱管12が劣化、腐食等によって損傷している際に、着脱管を新しいものに取り替えるようにしてもよい。これにより、本管11とともに着脱管の性能、品質も向上し、管路橋1全体の品質が向上する。
また、この後処理工程においては、余り部分を切除したライナー2の両端部に対して、パテ等を用いて本管11内面と摺り付ける管口処理を施してもよい。これにより、ライナー2の両端部は、管路橋1内に流入してくる各種流体の流れを阻害しなくなる。
ライナー2は、本発明の全工程終了後において、本管11内面と外装保護層23外面との間での密閉性を保持しつつ埋設管31からの各種流体等を搬送することにより、本管11内面の腐食、劣化を防止するものである。更に、内面水密層21は、本発明の全工程終了後において埋設管31から流入してくる各種流体がその内部で流動することを可能とするものである。更にまた、管路橋1が、本管11内を介して各種ケーブル等を敷設するために用いられている場合、内面水密層21は、本管11内にケーブルを敷設する際にケーブルの挿入抵抗の低減に寄与するとともに、ライナー2外部から内面水密層21内への浸水を防止することを可能とする。
このようにして一連の工程を終えた後には、本管11を取り替えることなく、管路橋1を再度利用することが可能となる。この場合に、ライナー2は、埋設管31a、31bから流入してくる各種流体を内面水密層21内で流動させ、更に、本管11内面に各種流体が流入しないように本管11内面と外装保護層23外面との間の密閉性を保持することを可能とする。
特に、本発明を適用した管路橋更生方法は、管路橋1を構成する本管11の切断、溶接を伴うことなく更生が完了するため、従来に生じていた本管内の溶接部からの内面腐食を防止でき、長期間にわたり管路橋1の品質、性能を維持することが可能となる。更に、本発明においては、従来のように曲管32内を介してライナー2を本管11にまで導入する必要がないため、ライナー2の配置をよりスムーズに行うことができ、更にはライナー2が曲管32内における摩擦抵抗により伸長することも無いため、ライナー2の強度、品質を維持した状態で管路橋1の更生を行うことが可能となる。さらにまた、本発明においては、ライナー2の配置工程において、マンホールを利用したり、埋設管31を切断するための立坑を掘削する必要が無いため、交通障害を発生させることなく更生を行うことができる事に加え、工事工程が削減されることから工期及び工事費を節約することが可能となる。
更に、上述した剥離工程を行うことにより、本管11の両端側の外装保護層23を剥離するだけの簡易な方法で、本管11内面を容易に密封状態にすることができ、本管11内面の腐食の進行を抑制することが可能となる。更にまた、これにより、管口処理のために止水部材や接続部材等を取付ける工程が削減できるとともに、管路橋1を更生するために要する工期を削減でき、ひいては、管路橋1の利用をより早く再開できることが可能となる。
因みに、本実施形態では、管路橋1の本管11のみ更生が可能となるため、管路橋1が本管11より分枝された分枝管16を有する場合に、例えば非特許文献(財団法人 下水道新技術推進機構「下水道管きょの修繕工法 インシチュフォーム−LL工法」P44−48)に開示されているいわゆるトップハットを利用して分枝管16を更生する技術を併用し、分枝管の更生も併せて行うようにしてもよい。
また、管路橋1の本管11に腐食や孔食が見られる場合には、予め腐食等している箇所に対して本管11外面より鋼板等を溶接等して取り付け補強をしたものに対して、本発明を適用するようにしてもよい。これにより、本管外面から溶接を行い、本管11内面の塗装が溶接熱で劣化しても、ライナー2により本管11内面が保護されることになる。
本発明を適用した管路橋更生方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の第2の実施の形態として下記に説明するような配置装置41を用いてライナー2を本管11内に配置するようにしてもよい。
配置装置41は、ステップS12の配置工程においてライナー2を本管11内の軸方向に沿って配置する際に用いられる。この配置装置41は、例えば図5(a)に示すように、両端側にワイヤー33が取り付けられた棒状の車軸42と、車軸42の両端側に設けられた、配置装置41を移動可能とする滑車43とから構成される。
ステップS12の配置工程においては、まず、到達口15bから本管11内を介して導入口15aにむけて、ワイヤー33が取り付けられた配置装置41を挿通させる。このとき、ワイヤー33は、一端側に配置装置41が取り付けられ、他端側にウインチ34が取り付けられる。
次に、例えば図5(b)に示すように、ライナー2を長手方向に折り畳むことによりライナー2に折り返し部46を形成させて、ライナー下部2cの上面に対してライナー上部2dを載置させるようにする。そして、挿通させておいた配置装置41の車軸42を折り返し部46内面に対して引っ掛ける。この後に、ライナー2の後端部2bを本管11の導入口15aに保持したまま、ウインチ34を作動させてワイヤー33とともに、配置装置41を本管11の到達口15bにむけて牽引する。これにより、配置装置41は、例えば図5(b)及び図5(c)に示すように、折り返し部46を導入口15aから到達口15bに向けて押圧し、折り返し部46が到達口15bに向けて順次移動することになり、ライナー2が本管11内の軸方向に沿って配置されることになる。なお、配置装置41を用いてライナー2を本管11内に配置した後は、上述したステップS13の剥離工程と同様の工程を経ることにより、管路橋1の更生が完了する。
このように、配置装置41を用いてライナー2を配置することにより、先に配置されたライナー下部2cの上面をライナー上部2dが滑っていくため、ライナー2を直接本管11との間で摩擦させること無く配置させることが可能となる。また、これにより、ライナー2を直接牽引する場合に比べて、容易に牽引することが可能となり、更には、ライナー2の伸びが減少し、ライナー2の品質を確保しつつ施工延長を長くすることが可能となる。
なお、配置装置41を用いてライナー2を配置する場合、ライナー2に上述した滑材を塗布しておくことにより、さらに容易にライナー2を本管11内に配置することが可能となる。また、上述したようにライナー2を長手方向に折り畳む前に予めライナー2を短手方向に複数回折り畳んでいてもよい。
本発明を適用した管路橋更生方法の第3の実施の形態として、下記に説明するような先端保護層24及び袋体25を用いるようにしてもよい。
本実施形態において例えば図6に示すように、ライナー2の前端部2aは、開口されており、樹脂含浸層22及び内面水密層21が開口された外装保護層23より突出された形状により構成される。これにより、ライナー2の前端部2aにおいて、樹脂含浸層22aが露出されて構成される。また、ライナー2の内面水密層21内には、例えば図6に示すように、風船状の袋体25が予め挿入されて用いられる。更に、突出された樹脂含浸層22の外周面には、先端保護層24が取り付けられて構成される。なお、先端保護層24には、ライナー2を牽引するためのワイヤー33と図示しない先端保護層24を剥離する剥離ワイヤーとが取り付けられ、更に袋体25には、補助ワイヤー37が取り付けられている。これらのワイヤー33、剥離ワイヤー及び補助ワイヤー37は、曲管32から埋設管31を介して挿通されて、図示しないウインチに対して取り付けられている。この図示しないウインチは、埋設管31内に設けられていてもよいし、埋設管31に接続されているマンホール周囲に設けられていてもよい。
この先端保護層24は、外装保護層23と同様の材質から構成され、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム又は繊維等によって具体化される。この先端保護層24は、ステップS12の配置工程でライナー2の前端部2aを牽引する際に、露出された樹脂含浸層22aを保護するものである。
この袋体25は、可撓性及び気密性のあるものであればいかなる材質で構成されていてもよく、例えばシリコンチューブ、ポリエステル補強ポリエチレンチューブ、ゴム風船等によって具体化される。
本実施形態においては、ステップS13の剥離工程において、図示しない剥離ワイヤーを引張ることにより、ライナー2の前端部2aを露出させる。次に、ステップS14の圧入工程においては、この袋体25の内部に気体又は液体を圧入させることによってライナー2を本管11内面に圧着させる。これにより、外装保護層23及びライナー2の前端部2aの露出された樹脂含浸層22aが本管11内面に対して圧着される。そして、この後のステップS15の硬化工程において、この袋体25は、内部に加熱された気体又は液体を流入させたり、内部に予め挿入しておいた図示しない光照射装置により樹脂含浸層22に光を照射させたりすることにより、ライナー2を本管11内に対して固着させる。なお、この後に、袋体25は、その一端口に取り付けられた補助ワイヤー37を牽引することにより除去されるようにしてもよいし、図示しないライナー2の後端部2bを開口して、そこから直接牽引することにより除去するようにしてもよい。
本実施形態においては、先端保護層24を用いて上述する動作を行うことにより、本管11の一端側にしか着脱管12が設けられていない場合であっても、本管11の他端側の管口処理を容易に行うことが可能となる。即ち、本管11の他端側に着脱管12が設けられていない場合、例えば図1(b)に示すような、到達口15bが無いため、ライナー2の前端部2aを本管11の外部から剥離することができないことになる。しかしながら、本実施形態においては、剥離工程において先端保護層24を剥離ワイヤーを引張るのみの単純な操作により、遠隔地より容易に樹脂含浸層22aを露出させることが可能となる。これにより、圧入工程において、本管11の他端側に対しても樹脂含浸層22aを本管11内面に圧着させることができ、管口処理が容易に行われることになる。
また、本管11の他端側に着脱管12が設けられていない場合、圧入工程においてライナー2内より十分な圧力を加えるためには、本管11内部のみならず、埋設管31及び曲管32内にまで気体又は液体を圧入させる必要がある。しかしながら、袋体25を用いることにより、圧入工程において、袋体25内部にのみ気体又は液体を圧入させれば足りるようになる。これにより、圧入工程において、ライナー2を本管11内面に圧着させるために必要となる気体又は液体の量が削減でき、ひいては、工事費用等を削減できる。
ちなみに、本実施形態において用いられた袋体25は、管路橋1の両端側に着脱管12が取り付けられている場合に用いてもよいのは勿論である。また、本実施例において用いられた先端保護層24も同様に、管路橋1の両端側に着脱管12が取り付けられている場合に用いてもよいのは勿論である。
また、本発明を適用した管路橋更生方法の第4の実施形態として、本管11に分枝される分枝管16がある場合には、後述する型枠管51を用いることにより管路橋1を更生するようにしてもよい。
本実施形態においては、例えば図7に示すように、本管11より分枝される分枝管16内に型枠管51を挿入する。この型枠管51は、分枝管16の内径より小さい外径の中空筒状で構成される。この型枠管51は、型枠管51の一端側51aに取付けられた押さえ板52と、型枠管51の外周において外周面に略垂直となるように取り付けられたスペーサー53と、型枠管51の他端側51b内面に嵌装された閉塞板54とを備えている。
押さえ板52は、板状の形状をしており、鋼板等によって具体化される。また、スペーサー53は、型枠管51を分枝管16内に挿入した後に、型枠管51の位置を固定するために用いられ、型枠管51と同様の材料によって具体化される。また、閉塞板54は、例えばFRP板等によって具体化され、これにより、閉塞板54に対して容易に開口を穿孔することが可能となる。
本実施形態における管路橋更生方法の工程について説明する。なお、本実施形態における各工程は、上述したステップS11〜S16のステップと並行して行う。
まず、ステップS11の取り外し工程において、分枝管16の一端側16aに図示しない取付弁が取り付けられている場合は、取付弁を分枝管16より取り外す。次のステップS12の配置工程においては、上述したステップS12と同様の作業を行い、ライナー2を本管11内に配置させる。そして、ステップS13の剥離工程においては、例えば図4(b)に示すように、本管11の両端部に位置する外装保護層23に加え、ライナー2を本管11に対して圧着させた際に連結口17の周囲に位置する外装保護層23を剥離し、樹脂含浸層22a及び樹脂含浸層22bを露出させる。
ここで、ステップS14の圧入工程より前に、型枠管51を分枝管16内に挿入し、固定しておく。そして、ステップS14の圧入工程では、例えば図8(a)に示すように、ライナー2内に気体又は液体等を圧入することによってライナー2を膨張させ、外装保護層23と、露出させた樹脂含浸層22a及び樹脂含浸層22bとを本管11内面に対して圧着させる。ここで、圧入工程において、押さえ板52を型枠管51の取付けられている方向に押圧することにより、連結口17を介して膨張するライナー2によって押圧される型枠管51を、位置が動かないように保持することが可能となる。
この圧入工程において、型枠管51内に閉塞板54を挿入しておくことにより、ライナー2が他端側51bの型枠管51内を通して膨張することが防止される。即ち、型枠管51の他端側51bを連結口17付近に固定しておいた場合、圧入工程において、ライナー2が分枝管16内にまで膨張しなくなる。これによって、連結口17周囲に位置するライナー2の厚さを維持でき、ひいては、連結口17周囲に位置するライナー2の品質、強度を保持したままライナー2を本管11内面に固着させることができる。
次に、ステップS14の圧入工程からステップS15の硬化工程までの間に、分枝管16内面と型枠管51外面との間に形成される間隙に対して、樹脂含浸層22に含浸されている硬化性樹脂と同様の材質であって液状の樹脂を充填させ、例えば図8(b)に示すように、分枝管樹脂層55を形成させる。この分枝管樹脂層55を形成させる充填工程において、型枠管51は、分枝管樹脂層55を形成するための型枠として用いられている。
そして、ステップS15の硬化工程において、分枝管樹脂層55を樹脂含浸層22とともに硬化させることにより、型枠管51を分枝管樹脂層55とともに分枝管16内面に対して固着させる。この工程において、分枝管16が短い場合等は、同工程において加熱される本管11の熱伝導により、分枝管16及び分枝管樹脂層55も加熱されて、ライナー2とともに硬化されることになる。
なお、光硬化性樹脂を用いている場合には、型枠管51内に図示しない光照射装置を導入し、光を分枝管樹脂相55に対して照射することにより分枝管樹脂層55を固着させる。更に、また、分枝管樹脂相55の加熱が不十分な場合には、型枠管51内に加熱液体を流入させたり、ライナー2内に穴を穿孔させて型枠管51内にも連結口17を介して加熱液体が流入させたりするようにしてもよい。これにより、分枝管16が極端に長い場合であったり、管路橋1周囲の環境が低温度下にある場合であっても、分枝管樹脂層55を十分に硬化させることができる。
なお、分枝管樹脂層55を形成する硬化性樹脂は、樹脂含浸層22に含浸されている硬化性樹脂と同様のものでなくてもよく、本硬化工程における硬化条件等に応じて適宜選定してよい。
そして最後に、ステップS16の後処理工程において、分枝管16を実用化させるため、例えば図8(c)に示すように型枠管51内の一端側51bからライナー2内にむけて穿孔し、連結口17周囲を開口させる。そして、この後、押さえ板52を取り外し、図示しない空気弁を再度取付けることにより分枝管16を復旧させる。このとき、型枠管51は、撤去してもよいし残置してもよい。分枝管長が長い場合や、曲がりくねった分枝管である場合は、残置することにより大幅に施工工程が削減できる。また、このとき、空気弁を劣化度合いにより新しいものを取り付けるようにしてもよい。
この一連の工程を行うことにより、管路橋1は、分枝管樹脂層55と樹脂含浸層22とを同時に一体的に硬化させるため、両層間において継ぎ目が生じることなく硬化され、ひいては、本管11内と外装保護層23との間の密閉性が向上する。また、本管11と分枝管16との更生を同時に行うことができるため、工程期間の削減にも効果がある。更に、分枝管16の管外から型枠管51を挿入し、液状の樹脂を充填する施工であるため、分枝管の口径や分枝角度に制限されることなく更生を行うことが可能となる。
なお、この型枠管51は、空気弁、圧力計、温度計等の計器を取り付けるための図示しない継手部を含むようにしてもよい。このような図示しない継手部を含む型枠管51を用いることにより、全工程終了後において、型枠管51は、各種計器をそのまま使用することが可能となる。
本発明を適用した管路橋更生方法を説明するための正面図である。 ライナーの具体的な構成例を示す図である。 本発明を適用した管路橋更生方法の工程を示すフローチャートである。 剥離工程において外装保護層を剥離する範囲について説明するための図である。 本発明を適用した管路橋更生方法の他の実施例を説明するための図である。 本発明を適用した管路橋更生方法の他の実施例を説明するための図である。 分枝管を更生するために使用される型枠管について説明するための図である。 型枠管を用いて分枝管を更生する工程について説明するための図である。 従来技術について説明するための図である。
符号の説明
1 管路橋
2 ライナー
11 本管
12 着脱管
13 支持部
14 橋台
15 開口部
16 分枝管
17 連結口
21 内面水密層
22 樹脂含浸層
23 外装保護層
24 先端保護層
25 袋体
31 埋設管
32 曲管
33 ワイヤー
34 ウインチ
35 止水栓
37 補助ワイヤー
41 配置装置
42 車軸
43 滑車
46 折り返し部
51 型枠管
52 押さえ板
53 スペーサー
54 閉塞板
55 分枝管樹脂層

Claims (8)

  1. 中空管状の本管と、少なくとも上記本管の一端側に取付けられた上記本管から着脱自在な着脱管とを有する管路橋を更生する管路橋更生方法において、
    上記着脱管を取り外すことにより上記本管の一端側に開口部を形成させる取り外し工程と、
    気密性材料からなる中空筒状の内面水密層と、加熱又は光の照射により硬化する硬化性樹脂が不織布に含浸され、上記内面水密層を被覆する樹脂含浸層と、上記樹脂含浸層を被覆する外装保護層とを有する可撓性筒状体を上記開口部から導入し、上記本管の軸方向に沿って上記可撓性筒状体を配置する配置工程と、
    上記内面水密層内に気体又は液体を圧入することにより、上記外装保護層を上記本管の内面に対して圧着させる圧入工程と、
    上記樹脂含浸層に対して上記内面水密層内より加熱又は光を照射し、上記硬化性樹脂を硬化させることにより上記本管の内面に対して上記可撓性筒状体を固着させる硬化工程とを有すること
    を特徴とする管路橋更生方法。
  2. 上記配置工程では、上記可撓性筒状体の前端部を、上記開口部から上記本管内を介して上記本管の他端側にまで牽引することにより上記可撓性筒状体を配置すること
    を特徴とする請求項1記載の管路橋更生方法。
  3. 上記配置工程では、短手方向に折り畳まれている上記可撓性筒状体の前端部を牽引すること
    を特徴とする請求項2記載の管路橋更生方法。
  4. 上記配置工程では、上記可撓性筒状体が長手方向に折り畳まれることにより折り返し部が形成され、上記可撓性筒状体の後端部が上記本管の一端側に保持され、上記本管の他端側に向けて上記折り返し部を内側から押圧することにより、上記折り返し部を上記本管の軸方向に沿って順次移動させ、上記可撓性筒状体を配置すること
    を特徴とする請求項1記載の管路橋更生方法。
  5. 上記配置工程では、短手方向に更に折り畳まれている上記可撓性筒状体の上記折り返し部を押圧すること
    を特徴とする請求項4記載の管路橋更生方法。
  6. 上記圧入工程より前に、上記配置した可撓性筒状体の外装保護層のうち上記本管の一端側及び他端側に位置する上記外装保護層を上記可撓性筒状体から剥離する剥離工程を更に有し、
    上記圧入工程では、上記剥離された外装保護層が被覆していた樹脂含浸層を上記本管の内面に対して圧着させること
    を特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の管路橋更生方法。
  7. 上記圧入工程では、上記外装保護層の一部を予め剥離させることにより樹脂含浸層を露出させ、上記本管と上記本管から分枝される分枝管との連結口の周囲に位置する上記本管の内面に対して、上記露出させた樹脂含浸層を圧着させること
    を特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項記載の管路橋更生方法。
  8. 上記圧入工程より前に、上記分枝管の内径より小さい外径の中空筒状の型枠管を上記分枝管内に挿入し、
    上記圧入工程と上記硬化工程との間に、上記分枝管の内壁と上記型枠管の外壁との間に形成される間隙に上記硬化性樹脂を充填し、分枝管樹脂層を形成させる充填工程を更に有し、
    上記硬化工程では、上記分枝管樹脂層を構成する硬化性樹脂を上記樹脂含浸層に含浸される硬化性樹脂とともに硬化させること
    を特徴とする請求項7記載の管路橋更生方法。
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