JP7111135B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関する。
従来のタイヤの中には、雪道や凍った路面での走行性能である氷雪性能や、濡れた路面での走行性能であるウェット性能の向上等を目的として、トレッド部に形成する切り込みである、いわゆるサイプが形成されているものがある。このようなサイプを有するタイヤの中には、所望の性能を得るために、サイプの形状を長手方向にジグザグ形状にする等、サイプの形状を工夫しているものがある。
例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤでは、サイプは、タイヤ周方向に屈曲してタイヤ幅方向に連なる屈曲部を形成し、且つ、屈曲部においてタイヤ径方向に振幅を持ったジグザグ形状を形成し、タイヤ周方向の振幅をサイプの底側ほど小さくすることにより、制駆動時とコーナリング時のタイヤ性能を向上すると共に、金型からの離型性の改善を図っている。また、特許文献2に記載された空気入りタイヤでは、屈曲部においてタイヤ径方向に振幅を持ったサイプにおける屈曲部のタイヤ径方向の振幅を、トレッド面側の部位よりもサイプ底側の部位で大きくすることにより、制駆動時のタイヤ性能とコーナリング時のタイヤ性能を向上させている。
特開2006-96324号公報 特開2005-126055号公報
ここで、トレッド部にサイプを配置することによってタイヤの氷雪性能を確保した場合でも、トレッド部が摩耗することにより溝深さが浅くなると、陸部の剛性が高くなるため、氷雪性能は低下する傾向にある。このため、サイプにより氷雪性能を確保するタイヤでは、トレッド部の摩耗が進行した際における氷雪性能の確保という点で改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、トレッド部の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することのできるタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤは、タイヤ周方向に延びる周方向主溝と、前記周方向主溝により区画される陸部と、前記陸部に配置されるサイプと、を備え、前記サイプは、前記サイプの長手方向に延びつつ前記サイプの幅方向に振幅することによりジグザグ形状で形成され、且つ、振幅の大きさが前記サイプの深さ方向における位置に応じて変化すると共に、振幅の大きさが最大となる部分である最大振幅部の、前記サイプの深さ方向における前記サイプの開口部からの深さが、前記サイプの最大深さの30%以上となる位置に位置することを特徴とする。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプの前記最大振幅部は、前記開口部からの深さが、前記サイプの最大深さの30%以上60%以下の範囲内となる位置に位置することが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプの最大深さは、前記周方向主溝の深さの70%以上110%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記開口部の位置での振幅が、サイプ底での振幅より大きくなっていることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記サイプ底の位置での振幅が0mm以上1.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記サイプの長手方向に延びつつ前記サイプの幅方向に振幅すると共に、前記サイプの深さ方向に向かいつつ前記サイプの幅方向に振幅するジグザグ形状で形成されることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、厚みが一定であることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記開口部の位置での振幅が0.3mm以上1.3mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記最大振幅部における振幅が0.5mm以上1.5mm以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤにおいて、前記サイプは、前記最大振幅部における振幅が、前記開口部の位置での振幅に対して105%以上150%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係るタイヤは、トレッド部の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することができる、という効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図2は、図1に示すサイプの平面図である。 図3は、図2のC-C断面図である。 図4は、図3のE-E断面図である。 図5は、図2のF-F矢視図である。 図6は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、サイプが二次元サイプで形成される場合の説明図である。 図7は、実施形態に係る空気入りタイヤの変形例であり、周方向主溝の数が異なる空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図8は、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係るタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明では、本発明に係るタイヤの一例として、空気入りタイヤ1を用いて説明する。タイヤの一例である空気入りタイヤ1は、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。
また、以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。また、以下の説明では、タイヤ子午断面とは、タイヤ回転軸を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向、つまり車両装着時の方向が指定されている。即ち、本実施形態に係るに示す空気入りタイヤ1は、車両装着時に車両の内側に向く側が車両装着方向内側となり、車両装着時に車両の外側に向く側が車両装着方向外側となる。なお、車両装着方向内側及び車両装着方向外側の指定は、車両に装着した場合に限らない。例えば、リム組みした場合に、タイヤ幅方向において、車両の内側及び外側に対するリムの向きが決まっているため、空気入りタイヤ1は、リム組みした場合、タイヤ幅方向において、車両装着方向内側及び車両装着方向外側に対する向きが指定される。また、空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向を示す装着方向表示部(図示省略)を有する。装着方向表示部は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸によって構成される。例えば、ECER30(欧州経済委員会規則第30条)が、車両装着状態にて車両装着方向外側となるサイドウォール部に装着方向表示部を設けることを義務付けている。また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、主に乗用車に用いられる空気入りタイヤ1になっている。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面12を示す平面図である。図1において、符号Tは、空気入りタイヤ1の接地端を示している。接地端Tは、空気入りタイヤ1を規定リムに装着して規定内圧を付与するとともに静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときの空気入りタイヤ1と平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
空気入りタイヤ1のトレッド部10は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部10の表面は、空気入りタイヤ1を装着する車両(図示せず)が走行した際に路面と接触する面となるトレッド面12として形成されている。
空気入りタイヤ1は、トレッド面12に、タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝20と、周方向主溝20により区画される複数の陸部30と、各陸部30に配置される複数のラグ溝300と、各陸部30に配置される複数のサイプ4とを備える。ここで、周方向主溝とは、タイヤ周方向に延在してJATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、一般に、5.0mm以上の溝幅および6.5mm以上の溝深さを有する。ラグ溝とは、周方向主溝と交差する方向(タイヤ幅方向)に延在する横溝であり、一般に1.0mm以上の溝幅および3.0mm以上の溝深さを有する。
また、サイプとは、トレッド面に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を規定リムにリム組みし、規定内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部の変形によって互いに接触するものをいう。本実施形態では、サイプ4は、溝幅が0.4mm以下になっており、トレッド面12からの最大深さが2.0mm以上7.0mm以下の範囲内になっている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド面12にサイプ4が設けられたスタッドレスタイヤとして構成されている。このため、周方向主溝20には、ウェアインジケータの他に、溝深さがトレッド部10の摩耗によって空気入りタイヤ1の未使用時の溝深さの50%になったことを示す、プラットフォームが配置されている。
トレッド面12に配置される周方向主溝20は、本実施形態では、4本の周方向主溝21~24がタイヤ幅方向にそれぞれ所定の間隔で設けられている。4本の周方向主溝21~24は、図1に示すように、タイヤ赤道面CLを境として2本の周方向主溝21、22は車両装着方向内側に、2本の周方向主溝23、24は車両装着方向外側にそれぞれ設けられている。ここで、車両装着方向内側及び車両装着方向外側は、空気入りタイヤ1を車両に装着する際における空気入りタイヤ1の向きとして規定される。また、タイヤ幅方向最外側の2本の周方向主溝21、24をショルダー主溝、タイヤ幅方向内側の2本の周方向主溝22、23をセンター主溝と定義する。
本実施形態では、ショルダー主溝21、24は、それぞれストレート形状を有している。これに対して、センター主溝22、23は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅するジグザグ状に形成されている。特に、車両装着方向内側のセンター主溝22は、タイヤ赤道面CL側の溝壁がストレート形状である一方、接地端T側の溝壁がタイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅するジグザグ状に形成されている。なお、周方向主溝の数は、上記に限るものではなく、トレッド面12に3本あるいは5本以上の周方向主溝が配置されてもよい。
また、周方向主溝20により区画される陸部30は、本実施形態では、トレッド面12に配置される4本の周方向主溝21~24により、タイヤ周方向に延在する5列の陸部31~35が区画形成されている。5列の陸部31~35は、ショルダー主溝21、24によってタイヤ幅方向外側にそれぞれ区画された陸部31、35をショルダー陸部と定義する。また、ショルダー主溝21、24によってタイヤ幅方向内側にそれぞれ区画された陸部32、34をセカンド陸部と定義する。これらセカンド陸部32、34は、それぞれ上記した周方向主溝21、24を挟んでショルダー陸部31、35に隣り合う。また、センター主溝22、23の間に区画された陸部33をセンター陸部と定義する。このセンター陸部33はタイヤ赤道面CL上に延在して設けられている。
なお、本実施形態では、単一のセンター陸部33のみが存在するが、5本以上の周方向主溝を備える構成では、複数のセンター陸部が形成される。また、3本の周方向主溝を備える構成では、センター陸部がセカンド陸部を兼ねてもよい。
このように形成される陸部30に配置されるラグ溝300として、本実施形態では、タイヤ幅方向において異なる位置に配置される6種類のラグ溝311、321、322、331、341、351を有している。詳しくは、タイヤ幅方向両側のショルダー陸部31、35は、ラグ溝300としてそれぞれ複数のラグ溝311、351を備える。これらラグ溝311、351は、それぞれショルダー主溝21、24に一方の端部が開口し、タイヤ幅方向外側に延在して、接地端Tを跨いだ領域で他方の端部が終端している。ショルダー陸部31、35には、それぞれ複数のラグ溝311、351がタイヤ周方向に繰り返し設けられている。このため、ショルダー陸部31、35は、これらのラグ溝311、351によりそれぞれ複数のブロックB(ショルダーブロック)に区画されている。これらブロックBには、それぞれタイヤ周方向に延在する周方向細溝312、352と、タイヤ幅方向に延在する複数のサイプ4とが設けられている。このうち、周方向細溝312、352はストレート状に形成されている。
また、車両装着方向内側のセカンド陸部32は、ラグ溝300として2種類かつ複数のラグ溝321、322と、タイヤ幅方向に延在する複数のサイプ4とを備える。ラグ溝321(第1ラグ溝)は、一方の端部が上記したラグ溝311の一方の端部と対向してショルダー主溝21に開口し、他方の端部がセカンド陸部32の内部で終端する。また、ラグ溝322(第2ラグ溝)は、一方の端部がセンター主溝22に開口すると共に、他方の端部がセカンド陸部32の内部で終端する。本実施形態では、ラグ溝322の一方の端部は、ジグザグ形状のセンター主溝22における接地端T側に突出した角部に開口している。したがって、ラグ溝321、322は、セカンド陸部32を横断しないセミクローズド構造を有する。また、これらラグ溝321、322は、タイヤ周方向に千鳥状(互い違い)に配置され、それぞれタイヤ周方向における同一方向に傾斜して延在するとともに、タイヤ幅方向にそれぞれオーバーラップしている。このため、セカンド陸部32は、ラグ溝321、322によりタイヤ周方向で分断されずタイヤ周方向に連続するリブRとして形成される。
センター陸部33は、ラグ溝300として複数のラグ溝331を備える。ラグ溝331は、2本のセンター主溝22、23の間でタイヤ幅方向に延びて形成され、センター主溝22、23に両端部がそれぞれ開口している。本実施形態では、ラグ溝331の一方の端部は、ジグザグ形状のセンター主溝23におけるタイヤ赤道面CL側に突出した角部に開口し、センター主溝23の短尺部の延在方向に沿って延在している。また、ラグ溝331は、センター主溝23のジグザグを形成する上記角部に対して1つ置きに設けられている。センター陸部33は複数のラグ溝331により、複数のブロックBに区画されており、各ブロックBにはタイヤ幅方向に延在する複数のサイプ4が設けられている。
車両装着方向外側のセカンド陸部34は、ラグ溝300として複数のラグ溝341を備える。ラグ溝341は、隣り合うセンター主溝23とショルダー主溝24との間でタイヤ幅方向に延びて形成され、一端がセンター主溝23に開口し、他端がショルダー主溝24に開口している。本実施形態では、ラグ溝341の一方の端部は、ジグザグ形状のセンター主溝23における接地端T側に突出した角部に開口し、他方の端部は、上記したラグ溝351の一方の端部と対向してショルダー主溝24に開口している。セカンド陸部34は、複数のラグ溝341により、複数のブロックBに区画されている。これらブロックBには、それぞれ周方向細溝342とタイヤ幅方向に延在する複数のサイプ4とが設けられている。このうち、周方向細溝342は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅するジグザグ状に形成されている。
なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、従来の空気入りタイヤと同様の子午断面形状を有する。ここで、空気入りタイヤの子午断面形状とは、タイヤ赤道面CLと垂直な平面上に現れる空気入りタイヤの断面形状をいう。本実施形態の空気入りタイヤ1は、図示は省略するが、タイヤ子午断面視で、タイヤ径方向内側から外側に向かって、ビード部、サイドウォール部、ショルダー部及びトレッド部10を有する。そして、空気入りタイヤ1は、例えば、タイヤ子午断面視で、トレッド部10から両側のビード部まで延在して一対のビードコアの周りで巻回されたカーカス層と、上記カーカス層のタイヤ径方向外側に順次形成された、ベルト層及びベルト補強層とを備える。
陸部30に配置される各サイプ4は、タイヤ幅方向に近い角度で延在して形成されている。即ち、サイプ4は、タイヤ幅方向に対するタイヤ周方向への傾斜角度が、0°以上45°以下の範囲内になっている。この場合におけるサイプ4の延在方向の角度は、サイプ4の延在方向における両端を通る直線の角度になっている。このように、タイヤ幅方向に近い角度で延在するサイプ4は、端部が陸部30内で終端していてもよく、周方向主溝20等の溝に端部が開口していてもよい。
図2は、図1に示すサイプ4の平面図である。なお、図2は、図1に示すサイプ4の形態についての概要を示す模式図になっている。陸部30に配置されるサイプ4は、サイプ4の長手方向に延びつつ、サイプ4の幅方向に繰り返し屈曲して振幅することにより、ジグザグ形状で形成されている。この場合におけるサイプ4の長手方向は、サイプ4の延在方向になっており、サイプ4の幅方向は、サイプ4の長手方向に対して平面視において直交する方向になっている。換言すると、サイプ4は、サイプ4の幅方向に振幅しつつ、サイプ4の長手方向に延びることにより、サイプ4の深さ方向にサイプ4を見た平面視において、ジグザグ形状で形成されている。なお、サイプ4は、サイプ4の長手方向における全域がジグザグ形状になっていなくてもよく、直線状に延びる部分を有していてもよい。
図3は、図2のC-C断面図である。本実施形態では、サイプ4は、サイプ4の長手方向に延びつつサイプ4の幅方向に振幅すると共に、サイプ4の深さ方向に向かいつつサイプ4の幅方向に振幅するジグザグ形状で形成される、いわゆる三次元サイプになっている。つまり、サイプ4は、サイプ4の長手方向を法線方向とする断面視(サイプ4の幅方向、且つ、深さ方向を含む断面視)、及びサイプ4の深さ方向を法線方向とする断面視(サイプ4の幅方向、且つ、長手方向を含む断面視)の双方にて、サイプ4の幅方向に振幅をもつ屈曲形状の壁面を有するサイプ4になっている。
長手方向と深さ方向との双方で幅方向に振幅して形成されるサイプ4は、長手方向に延びつつ幅方向に振幅する際の振幅の大きさが、サイプ4の深さ方向における位置に応じて変化している。詳しくは、サイプ4の振幅は、サイプ4におけるトレッド面12への開口部41の位置での振幅、及びサイプ底42の位置での振幅よりも、サイプ4の深さ方向における中腹での振幅の方が大きくなっている。つまり、サイプ4は、長手方向に延びつつ幅方向に振幅する際の振幅の大きさが最大となる部分である最大振幅部45が、サイプ4の深さ方向における中腹に位置している。
なお、ここでいうサイプ4の開口部41は、空気入りタイヤ1の未使用の状態、つまり、トレッド部10が摩耗していない状態における、トレッド面12への開口部41になっている。
このように、サイプ4の振幅の大きさが最大となる部分である最大振幅部45は、サイプ4の深さ方向におけるサイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置している。具体的には、サイプ4の最大振幅部45は、開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上60%以下の範囲内となる位置に位置している。この場合におけるサイプ4の最大深さDsは、空気入りタイヤ1の未使用の状態における、サイプ4の開口部41からサイプ底42までの、サイプ4の深さ方向における最大深さになっている。
図4は、図3のE-E断面図である。深さ方向における中腹に最大振幅部45を有するサイプ4は、最大振幅部45における振幅Xpが、開口部41の位置での振幅Xaに対して105%以上150%以下の範囲内になっている。この場合における振幅は、サイプ4の壁面同士の距離の中心、或いは、サイプ4の厚み方向における中心を通る中心線CSにおける振幅の大きさになっている。つまり、この場合における振幅は、サイプ4の深さ方向における位置が同じ位置で、振幅するサイプ4が有する複数の屈曲部43のうちサイプ4の幅方向において互いに反対方向に突出する屈曲部43同士の、中心線CSで測定するサイプ4の幅方向における距離になっている。
本実施形態では、サイプ4は、最大振幅部45における振幅Xpが0.5mm以上1.5mm以下の範囲内になっており、開口部41の位置での振幅Xaが0.3mm以上1.3mm以下の範囲内になっている。また、サイプ4は、開口部41の位置での振幅Xaが、サイプ底42での振幅Xbより大きくなっている。本実施形態では、サイプ4のサイプ底42の位置での振幅Xbは、0mm以上1.0mm以下の範囲内になっている。サイプ4の振幅の大きさは、サイプ底42の位置での振幅Xbが最も小さくなっており、サイプ底42の位置では、サイプ4は振幅していなくてもよい。このように、サイプ4の深さ方向において変化するサイプ4の振幅は、開口部41から最大振幅部45に向かうに従って徐々に大きくなり、最大振幅部45からサイプ底42に向かうに従って徐々に小さくなっている。
サイプ4は、このようにサイプ4の深さ方向における位置に応じて振幅の大きさが変化する一方で、サイプ4の対向する壁面同士の距離である厚みWsは、深さ方向における位置に関わらず一定になっている。例えば、サイプ4は、開口部41の位置での厚みWsと、最大振幅部45の位置での厚みWsとが、実質的に同じ大きさになっている。
図5は、図2のF-F矢視図である。なお、図5は、サイプ4と周方向主溝20との深さの関係を示す模式図になっている。また、図5は、端部が陸部30で終端するサイプ4について図示しているが、サイプ4は、端部が周方向主溝20に開口していてもよい。サイプ4は、空気入りタイヤ1の未使用の状態における最大深さDsが、サイプ4が配置される陸部30を区画する周方向主溝20の深さDgに近い深さとなって形成されている。本実施形態では、サイプ4の最大深さDsは、周方向主溝20の深さDgの70%以上110%以下の範囲内になっている。なお、サイプ4の最大深さDsは、好ましくは周方向主溝20の深さDgに対して、75%以上85%以下の範囲内であるのがより好ましい。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、空気入りタイヤ1をリムホイールにリム組みし、内部に空気を充填してインフレートした状態で車両に装着する。その際に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されているため、指定されている方向で車両に装着する。即ち、サイドウォール部に付された装着方向表示部によって指定されている方向で車両に装着する。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド部10のトレッド面12のうち下方に位置するトレッド面12が路面に接触しながら空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面12と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。
また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面12と路面との間の水が周方向主溝20やラグ溝300等の溝やサイプ4に入り込み、これらの溝でトレッド面12と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、トレッド面12は路面に接地し易くなり、トレッド面12と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
また、雪上路面を走行する際には、空気入りタイヤ1は路面上の雪をトレッド面12で押し固めると共に、路面上の雪が周方向主溝20やラグ溝300に入り込むことにより、これらの雪も溝内で押し固める状態になる。この状態で、空気入りタイヤ1に駆動力や制動力が作用したり、車両の旋回によってタイヤ幅方向への力が作用したりすると、溝内の雪に対して作用するせん断力である、いわゆる雪柱せん断力が、空気入りタイヤ1と雪との間で発生する。雪上路面を走行する際には、この雪柱せん断力によって空気入りタイヤ1と路面との間で抵抗が発生することにより、駆動力や制動力を路面に伝達することができ、スノートラクション性を確保することができる。これにより、車両は雪上路面での走行が可能になる。
また、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向主溝20やラグ溝300、サイプ4のエッジ効果も用いて走行する。つまり、雪上路面や氷上路面を走行する際には、周方向主溝20のエッジやラグ溝300のエッジ、サイプ4のエッジが雪面や氷面に引っ掛かることによる抵抗も用いて走行する。その際に、サイプ4は、長手方向に延びつつサイプ4の幅方向に振幅するジグザグ形状で形成されているため、サイプ4が直線状に形成されている場合と比較してエッジ成分を長くすることができる。これにより、サイプ4のエッジ効果を高めることができる。
また、氷上路面を走行する際には、氷上路面の表面の水をサイプ4で吸水し、氷上路面とトレッド面12との間の水膜を除去することにより、氷上路面とトレッド接地面3は接触し易くなる。これにより、トレッド面12は、摩擦力やエッジ効果によって氷上路面との間の抵抗が大きくなり、空気入りタイヤ1を装着した車両の走行性能を確保することができる。
車両の走行時は、これらのように、トレッド面12が路面に接地した際における摩擦力や、溝やサイプ4のエッジによるエッジ効果、路面上の雪が溝に入り込んだ際の雪柱せん断力により、走行性能を確保することができるが、トレッド部10は、ゴム材により形成されている。このため、空気入りタイヤ1を装着した車両の使用を継続することにより、空気入りタイヤ1の使用距離が長くなった場合、トレッド部10は使用距離に応じて徐々に摩耗をする。トレッド部10が摩耗した場合、トレッド部10に配置される周方向主溝20等の溝深さが浅くなるため、周方向主溝20等の溝により区画される陸部30は、剛性が高くなる。
陸部30の剛性が高くなった場合、陸部30の接地時に陸部30は変形し難くなるため、陸部30の接地面、即ち、トレッド面12は、路面に沿った形状に変形し難くなる。この場合、陸部30を区画する周方向主溝20やラグ溝300のエッジや、陸部30に配置されるサイプ4のエッジが路面に効率良く接地し難くなるため、雪上路面や氷上路面を走行する際におけるエッジ効果を、効果的に発揮し難くなる虞がある。このため、トレッド部10の摩耗が進行した際には、氷上路面の走行時における走行性能である氷上性能や、雪上路面の走行時における走行性能である雪上性能を、効果的に確保し難くなる虞がある。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、陸部30に配置されるサイプ4は、平面視においてジグザグ形状で形成されていると共に、ジグザグの振幅の大きさがサイプ4の深さ方向における位置に応じて変化している。このため、サイプ4は、平面視における実際の長さ、即ち、厚み方向における中心線CSに沿った実際の長さが、サイプ4の深さ方向における位置に応じて変化している。
さらに、サイプ4は、ジグザグの振幅の大きさが最大となる最大振幅部45の、サイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置になっている。このため、サイプ4は、平面視における実際の長さが、開口部41の位置での長さよりも、サイプ4の開口部41からサイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置する最大振幅部45の位置での長さの方が長くなっている。このため、トレッド部10の摩耗が進行することにより、陸部30に配置されるサイプ4の最大振幅部45付近が露出した場合、サイプ4は、中心線CSに沿った実際の長さが、サイプ4の開口部41における中心線CSに沿った実際の長さよりも長くなる。これにより、最大振幅部45付近が露出したサイプ4は、エッジ成分が、空気入りタイヤ1の未使用時のエッジ成分よりも増加する。
このため、トレッド部10が摩耗することによって陸部30の剛性が高くなり、トレッド面12が路面に沿った形状に変形し難くなる状態であっても、空気入りタイヤ1の未使用時と比較してサイプ4のエッジ成分が増加することにより、サイプ4のエッジの、路面への引っ掛かり易さを確保することができる。従って、雪上路面や氷上路面を走行する際における、サイプ4のエッジ成分によるエッジ効果を確保することができ、トレッド部10の摩耗が進行した際における、氷上性能や雪上性能を確保することができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することができる。
また、サイプ4の最大振幅部45は、開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上60%以下の範囲内となる位置に位置しているため、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるエッジ効果を、より確実に確保することができる。つまり、サイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの60%を超える位置に最大振幅部45が位置する場合は、サイプ4に最大振幅部45を設けても、トレッド部10が摩耗した際に最大振幅部45付近が露出し難くなる虞がある。この場合、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4の長さが、サイプ4の開口部41における長さと比較して長くなり難くなり、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分が、効果的に増加し難くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上60%以下の範囲内となる位置に最大振幅部45が位置する場合は、トレッド部10の摩耗した際に、最大振幅部45付近が露出し易くなる。これにより、サイプ4は、トレッド部10の摩耗が進行した際における長さが、サイプ4の開口部41における長さと比較して長くなり易くなるため、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分を、効果的に増加させることができる。従って、トレッド部10の摩耗が進行した状態で雪上路面や氷上路面を走行する際における、サイプ4のエッジ成分によるエッジ効果をより確実に確保することができ、トレッド部10の摩耗時における氷上性能や雪上性能を、より確実に確保することができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を、より確実に抑制することができる。
また、サイプ4の最大深さDsが、周方向主溝20の深さDgの70%以上110%以下の範囲内であるため、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分によるエッジ効果を、より確実に得ることができ、さらに、摩耗進行時のサイプ4のエッジ成分を、効果的に増加させることができる。つまり、サイプ4の最大深さDsが、周方向主溝20の深さDgの70%未満である場合は、サイプ4の最大深さDsが浅過ぎるため、トレッド部10の摩耗が進行した際に、サイプ4が早期に消滅し易くなる虞がある。この場合、トレッド部10の摩耗が進行した際に、サイプ4のエッジ成分によるエッジ効果を得難くなる虞があり、トレッド部10の摩耗が進行した際における氷上性能や雪上性能を、確保し難くなる虞がある。また、サイプ4の最大深さDsが、周方向主溝20の深さDgの110%より大きい場合は、サイプ4の最大深さDsが深過ぎるため、サイプ4の開口部41からの最大振幅部45の深さDpもサイプ4の最大深さDsに伴って深くなり過ぎる虞がある。この場合、トレッド部10が摩耗した際に最大振幅部45付近が露出し難くなるため、トレッド部10の摩耗の進行時におけるサイプ4の長さが長くなり難くなり、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分が、効果的に増加し難くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の最大深さDsが、周方向主溝20の深さDgの70%以上110%以下の範囲内である場合は、トレッド部10の摩耗した際にサイプ4が早期に消滅することを抑制でき、さらに、トレッド部10の摩耗した際に、最大振幅部45付近が露出し易くなるようにすることができる。これにより、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分によるエッジ効果を、より確実に得ることができ、さらに、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4の長さをより確実に長くすることができるため、摩耗進行時のサイプ4のエッジ成分を、効果的に増加させることができる。
また、サイプ4の最大深さDsが、周方向主溝20の深さDgの70%以上110%以下の範囲内である場合は、トレッド部10の摩耗の進行により、周方向主溝20に配置されるプラットフォームが露出するまでの摩耗量と、最大振幅部45付近が露出するまでの摩耗量とを同程度にすることができる。これにより、トレッド部10の摩耗が進行することによって周方向主溝20に配置されるプラットフォームが露出するタイミングと同程度のタイミングで、サイプ4の最大振幅部45付近を露出させることができ、サイプ4のエッジ成分を増加させることができる。従って、空気入りタイヤ1における、氷雪路面での走行性能を確保して使用することのできる寿命付近で、サイプ4のエッジ成分を増加させることができ、トレッド部10の摩耗が進行することによって陸部30の剛性が高くなった際の氷上性能や雪上性能を、より確実に確保することができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を、より確実に抑制することができる。
また、サイプ4は、開口部41の位置での振幅Xaが、サイプ底42での振幅Xbより大きくなっているため、トレッド部10の摩耗が進行することによる、周方向主溝20に配置されるプラットフォームの露出後のサイプ4の長さを短くすることができる。これにより、トレッド部10の摩耗が、空気入りタイヤ1の氷雪路面での走行性能を確保する必要がある摩耗量以上まで進行した際における、サイプ4の長さを短くすることができる。従って、トレッド部10の摩耗が、空気入りタイヤ1において氷雪路面での走行性能を確保する必要がある摩耗量以上まで進行した際には、陸部30の剛性を高めることができ、陸部30に大きな荷重が作用し易い、乾燥した路面での走行性能を確保することができる。
また、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaが、サイプ底42での振幅Xbよりも大きくなっているため、空気入りタイヤ1の加硫成形時に、サイプ4を成形したブレード(図示省略)をサイプ4から引き抜く際に、引き抜き易くすることができる。これらの結果、乾燥した路面での走行性能であるドライ性能を確保すると共に、空気入りタイヤ1の加硫成形時にサイプ4を成形するブレードの、サイプ4からの抜け性を確保することができる。
また、サイプ4は、サイプ底42の位置での振幅Xbが0mm以上1.0mm以下の範囲内であるため、サイプ4を成形したブレードのサイプ4からの抜け性を確保すると共に、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制することができる。つまり、サイプ底42の位置での振幅Xbが、1.0mmより大きい場合は、サイプ底42の位置での振幅Xbが大き過ぎるため、空気入りタイヤ1の加硫成形時に、サイプ4を成形したブレードをサイプ4から引き抜く際における抜け性が低下し易くなる虞がある。また、サイプ底42の位置での振幅Xbが、1.0mmより大きい場合は、サイプ底42の位置での振幅Xbが大き過ぎるため、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部30に大きな荷重が作用した際に、陸部30が変形し易くなるため、操縦安定性を確保し難くなる虞がある。
これに対し、サイプ底42の位置での振幅Xbが、0mm以上1.0mm以下の範囲内である場合は、サイプ4を成形したブレードのサイプ4からの抜け易さを確保すると共に、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制することができる。この結果、より確実に、サイプ4を成形するブレードのサイプ4からの抜け性を確保すると共に、ドライ性能を確保することができる。
また、サイプ4は、平面視においてジグザグ形状で形成されるのみでなく、サイプ4の深さ方向に向かいつつサイプ4の幅方向に振幅する、いわゆる三次元サイプになっているため、サイプ4によって陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制することができる。即ち、陸部30に配置されるサイプ4が、三次元サイプで形成されることにより、陸部30に作用する荷重によって陸部30が変形してサイプ4の壁面同士が接触した際に、壁面同士が互いに支え合い易くすることができる。これにより、陸部30が大きく変形することを抑制することができるため、陸部30が変形することよって接地面積が低下することを抑制することができると共に、サイプ4のエッジによるエッジ効果を、より確実に得ることができる。この結果、より確実に氷雪性能を向上させることができる。
また、サイプ4は、厚みWsが一定であるため、トレッド部10の摩耗が進行した際に、サイプ4の厚みWsの変化に伴って陸部30の接地面積が変化することを抑制できる。このため、例えば、サイプ4の厚みWsが、開口部41における厚みWsよりも、サイプ4の深さ方向における中腹の位置での厚みWsやサイプ底42での厚みWsの方が厚い場合、トレッド部10の摩耗が進行した際に、陸部30の接地面積が低減する虞がある。この場合、陸部30の接地面積が低減するのに伴い、路面との間の摩擦力も低下するため、摩擦力による走行性能も低下し易くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の厚みWsが一定である場合は、トレッド部10の摩耗が進行した際に、陸部30の接地面積が低減することを抑制できるため、路面との間の摩擦力が低下することに起因する走行性能の低下を抑制することができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を、より確実に抑制することができる。
また、サイプ4は、開口部41の位置での振幅Xaが、0.3mm以上1.3mm以下の範囲内であるため、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、トレッド部10の摩耗が進行していない状態でのエッジ効果を、効果的に得ることができる。つまり、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaが、0.3mm未満である場合は、開口部41の位置での振幅Xaが小さ過ぎるため、開口部41の位置でのサイプ4の長さを確保し難くなる虞がある。この場合、開口部41の位置でのサイプ4のエッジ成分を確保し難くなるため、トレッド部10の摩耗が進行していない状態でのエッジ効果を、効果的に得難くなる虞がある。また、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaが、1.3mmより大きい場合は、開口部41の位置での振幅Xaが大き過ぎるため、開口部41の位置でのサイプ4の長さが長くなり過ぎて、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部30に大きな荷重が作用した際に、陸部30が大きく変形することにより接地面積が低減し易くなるため、陸部30の接地面積が低減するのに伴い路面との間の摩擦力が低下し、摩擦力による走行性能も低下し易くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaが、0.3mm以上1.3mm以下の範囲内である場合は、陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、開口部41の位置でのサイプ4の長さを確保することができる。これにより、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、開口部41の位置でのサイプ4のエッジ成分をより確実に確保することができ、トレッド部10の摩耗が進行していない状態でのエッジ効果を、効果的に得ることができる。この結果、トレッド部10の摩耗が進行していない状態における氷雪性能を、より確実に確保することができる。
また、サイプ4は、最大振幅部45における振幅Xpが、0.5mm以上1.5mm以下の範囲内であるため、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるエッジ効果を、より確実に高めることができる。つまり、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、0.5mm未満である場合は、最大振幅部45における振幅Xpが小さ過ぎるため、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さを確保し難くなる虞がある。この場合、サイプ4の最大振幅部45のエッジ成分を増加させ難くなるため、トレッド部10の摩耗が進行することにより最大振幅部45付近が露出した場合でも、サイプ4のエッジによるエッジ効果を高め難くなる虞がある。また、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、1.5mmより大きい場合は、最大振幅部45における振幅Xpが大き過ぎるため、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さが長くなり過ぎて、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部30に大きな荷重が作用した際に、陸部30が大きく変形することにより接地面積が低減し易くなるため、陸部30の接地面積が低減するのに伴い路面との間の摩擦力が低下し、摩擦力による走行性能も低下し易くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、0.5mm以上1.5mm以下の範囲内である場合は、陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さを確保することができる。これにより、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、最大振幅部45の位置でのサイプ4のエッジ成分をより確実に確保することができ、トレッド部10の摩耗が進行した際に、サイプ4のエッジによるエッジ効果を、より確実に高めることができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を、より確実に抑制することができる。
また、サイプ4は、最大振幅部45における振幅Xpが、開口部41の位置での振幅Xaに対して105%以上150%以下の範囲内であるため、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるエッジ効果を、より確実に高めることができる。つまり、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaに対して105%未満である場合は、開口部41の位置での振幅Xaに対して最大振幅部45における振幅Xpが小さ過ぎるため、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さを確保し難くなる虞がある。この場合、サイプ4の最大振幅部45のエッジ成分を増加させ難くなるため、トレッド部10の摩耗が進行することにより最大振幅部45付近が露出した場合でも、サイプ4のエッジによるエッジ効果を高め難くなる虞がある。また、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaに対して150%より大きい場合は、開口部41の位置での振幅Xaに対して最大振幅部45における振幅Xpが大き過ぎるため、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さが長くなり過ぎて、サイプ4が配置される陸部30の剛性が低くなり過ぎる虞がある。この場合、陸部30に大きな荷重が作用した際に、陸部30が大きく変形することにより接地面積が低減し易くなるため、陸部30の接地面積が低減するのに伴い路面との間の摩擦力が低下し、摩擦力による走行性能も低下し易くなる虞がある。
これに対し、サイプ4の最大振幅部45における振幅Xpが、サイプ4の開口部41の位置での振幅Xaに対して105%以上150%以下の範囲内である場合は、陸部30の剛性が低くなり過ぎることを抑制しつつ、最大振幅部45の位置でのサイプ4の長さを確保することができる。これにより、陸部30が大きく変形して接地面積が低減することによる路面との間の摩擦力の低下を抑制しつつ、最大振幅部45の位置でのサイプ4のエッジ成分をより確実に確保することができ、トレッド部10の摩耗が進行した際に、サイプ4のエッジによるエッジ効果を、より確実に高めることができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を、より確実に抑制することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、陸部30に配置されるサイプ4は、三次元サイプの形態で形成されているが、サイプ4は三次元サイプ以外の形態で形成されていてもよい。図6は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、サイプ4が二次元サイプで形成される場合の説明図である。陸部30に配置されるサイプ4は、例えば、図6に示すように、サイプ4の深さ方向に向かいつつサイプ4の幅方向に振幅していなくてもよい。つまり、サイプ4は、サイプ4の深さ方向に向かいつつサイプ4の幅方向には振幅しないが、サイプ4の長手方向に延びつつサイプ4の幅方向には振幅する、いわゆる二次元サイプであってもよい。ここでいう二次元サイプは、サイプ4の長手方向を法線方向とする任意の断面視(サイプ4の幅方向、且つ、深さ方向を含む断面視)にて、振幅しない壁面を有するサイプ4をいう。
なお、図6は、サイプ4の長手方向に見たサイプ4の断面図になっているが、図6に示すサイプ4は、サイプ4の深さ方向に見た開口部41の位置での形態と最大振幅部45の位置での形態とが、それぞれ図2、図4と同様の形態になっている。二次元サイプとして形成される、図6に示すサイプ4は、平面視におけるジグザグ形状の振幅の大きさが、サイプ4の深さ方向における位置に応じて変化すると共に、最大振幅部45の、サイプ4の深さ方向におけるサイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置している。
これにより、図6に示すサイプ4は、平面視における実際の長さが、開口部41の位置での長さより、サイプ4の開口部41からサイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置する最大振幅部45の位置での長さを長くすることができるため、トレッド部10の摩耗が進行した際におけるサイプ4のエッジ成分を増加させることができる。従って、トレッド部10の摩耗が進行し、陸部30の剛性が高くなってトレッド面12が路面に沿った形状に変形し難くなる状態における、サイプ4のエッジの、路面への引っ掛かり易さを確保することができるため、氷上性能や雪上性能を確保することができる。この結果、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することができる。
また、上述した実施形態では、トレッド面12に配置される周方向主溝20は4本になっているが、トレッド面12に配置される周方向主溝20は4本以外であってもよい。図7は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例であり、周方向主溝20の数が異なる空気入りタイヤ1Aのトレッド面12を示す平面図である。トレッド面12に配置される周方向主溝20は、例えば、図7に示すように、5本の周方向主溝21A~25Aが配置されていてもよい。5本の周方向主溝21A~25Aは、図7に示すように、タイヤ赤道面CLを境として2本の周方向主溝21A、22Aは車両装着方向内側に、2本の周方向主溝23A、24Aは車両装着方向外側に、1本の周方向主溝25Aはタイヤ赤道面CLの近傍にそれぞれ設けられている。上述した実施形態と同様に、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝21A、24Aをショルダー主溝、ショルダー主溝よりもタイヤ幅方向内側の周方向主溝22A、23Aをセカンド主溝と定義する。さらに、周方向主溝25Aをセンター主溝と定義する。
図7に示す変形例では、トレッド面12Aには5本の周方向主溝21A~25Aにより区画される陸部30として、タイヤ周方向に延在する6つの陸部31~36が区画形成されている。図7に示す変形例では、2本のセカンド主溝22A、23Aとセンター主溝25Aとにより、センター陸部33に加え、上記実施形態に対して新たにセンター陸部36が形成されている。このセンター陸部36は、ラグ溝300として複数のラグ溝361を備える。ラグ溝361は、セカンド主溝22Aとセンター主溝25Aの間でタイヤ幅方向に延びて形成され、これらセカンド主溝22A及びセンター主溝25Aに両端部がそれぞれ開口している。センター陸部36は複数のラグ溝361により、複数のブロックBに区画されており、各ブロックBにはタイヤ幅方向に延在する複数のサイプ4が設けられている。
図7に示す変形例においても、陸部30に配置されるサイプ4は、平面視においてジグザグ形状で形成されていると共に、ジグザグの振幅の大きさがサイプ4の深さ方向における位置に応じて変化しており、最大振幅部45の、サイプ4の深さ方向におけるサイプ4の開口部41からの深さDpが、サイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置している。これにより、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することができる。
また、周方向主溝20やラグ溝300等の溝の配置形態によりトレッド面12に表れる、いわゆるトレッドパターンは、上述した実施形態や変形例以外のパターンであってもよい。また、陸部30に配置される複数のサイプ4は、全てのサイプ4が、平面視におけるジグザグ形状の振幅の大きさがサイプ4の深さ方向における位置に応じて変化する形態でなくてもよい。また、陸部30に配置される複数のサイプ4は、三次元サイプと二次元サイプとが混在していてもよい。
また、上述した実施形態や変形例は、適宜組み合わせてもよい。また、上述した実施形態では、本発明に係るタイヤの一例として空気入りタイヤ1を用いて説明したが、本発明に係るタイヤは、空気入りタイヤ1以外であってもよい。本発明に係るタイヤは、例えば、気体を充填することなく使用することができる、いわゆるエアレスタイヤであってもよい。
[実施例]
図8は、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、氷上路面での制動性能である氷上制動と、雪上路面での制動性能である雪上制動と、乾燥した路面での制動性能であるドライ制動と、サイプを成形したブレードのサイプからの抜け性とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが195/65R15 91Qサイズの空気入りタイヤ1を、リムサイズ15×6.5JのJATMA標準のリムホイールにリム組みし、排気量が1800ccの前輪駆動の評価車両に試験タイヤを装着して、空気圧を前輪250kPa、後輪240kPaに調整して評価車両で走行をすることにより行った。
各試験項目の評価方法は、氷上制動は、試験タイヤを装着した評価車両で、氷上路面のテストコースで制動試験を行い、制動距離の逆数を、後述する従来例1を100とする指数で表すことにより評価した。氷上制動は、指数が大きいほど氷上路面での制動距離が短く、氷上制動についての性能が優れていることを示している。なお、氷上制動は、指数が97以上であれば、従来例1に対して氷上制動の低下が抑制されているものとする。
また、雪上制動は、試験タイヤを装着した評価車両で、雪上路面のテストコースで制動試験を行い、制動距離の逆数を、後述する従来例1を100とする指数で表すことにより評価した。雪上制動は、指数が大きいほど雪上路面での制動距離が短く、雪上制動についての性能が優れていることを示している。なお、雪上制動は、指数が97以上であれば、従来例1に対して雪上制動の低下が抑制されているものとする。
また、ドライ制動は、試験タイヤを装着した評価車両で、ドライ路面のテストコースで制動試験を行い、制動距離の逆数を、後述する従来例1を100とする指数で表すことにより評価した。ドライ制動は、指数が大きいほど乾燥した路面での制動距離が短く、ドライ制動についての性能が優れていることを示している。なお、ドライ制動は、指数が97以上であれば、従来例1に対してドライ制動の低下が抑制されているものとする。
これらの氷上制動と、雪上制動と、ドライ制動とについては、トレッド部が摩耗していない新品時の試験タイヤと、周方向主溝の深さの約50%に相当する、4mm摩耗時の試験タイヤとで、それぞれ試験を行った。
また、抜け性は、試験タイヤを1000本加硫成形し、サイプを成形したブレードをサイプから引き抜いた際に、ブレードの損傷やサイプの損傷等の抜け不良が発生した数を数え、抜け不良の数の逆数を、後述する従来例1を100とする指数で表すことにより評価した。抜け性は、指数が大きいほどサイプからのブレードの抜け不良が発生し難く、抜け性についての性能が優れていることを示している。なお、抜け性は、指数が97以上であれば、従来例1に対して抜け性の低下が抑制されているものとする。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例1、2の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1~4、6~9と、参考例5との11種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例1は、平面視においてジグザグ形状で形成されるサイプの振幅の最大振幅部が、開口部に位置しており、開口部からサイプ底に向かうに従って振幅が小さくなっている。また、従来例2は、サイプが振幅しておらず、サイプの形状が平板状になっている。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1~4、6~9は、全て最大振幅部45が、サイプ4の深さ方向における中腹、即ち、サイプ4の開口部41からの深さDpがサイプ4の最大深さDsの30%以上となる位置に位置している。さらに、実施例1~4、6~と、参考例5に係る空気入りタイヤ1は、サイプ4の開口部41、中腹、サイプ底42のそれぞれの位置での振幅の大きさや、サイプ4の開口部41からの最大振幅部45の深さDp、サイプ4の形状が三次元形状であるか否か、サイプ4の厚みWs、サイプ4の最大深さDsが、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図8に示すように、実施例1~4、6~9に係る空気入りタイヤ1は、4mm摩耗時の氷上制動と雪上制動とのいずれの性能も従来例1に対して低下することを極力抑制することができ、且つ、4mm摩耗時の氷上制動と雪上制動とを合わせた総合的な性能を、従来例1よりも向上させることができることが分かった。つまり、実施例1~4、6~9に係る空気入りタイヤ1は、トレッド部10の摩耗時における氷雪性能の低下を抑制することができる。
1 空気入りタイヤ
4 サイプ
10 トレッド部
12 トレッド面
20 周方向主溝
30 陸部
41 開口部
42 サイプ底
43 屈曲部
45 最大振幅部
300 ラグ溝

Claims (9)

  1. タイヤ周方向に延びる周方向主溝と、
    前記周方向主溝により区画される陸部と、
    前記陸部に配置されるサイプと、
    を備え、
    前記サイプは、厚みが一定であり、
    前記サイプは、前記サイプの長手方向に延びつつ前記サイプの幅方向に振幅することによりジグザグ形状で形成され、且つ、振幅の大きさが前記サイプの深さ方向における位置に応じて変化すると共に、振幅の大きさが最大となる部分である最大振幅部の、前記サイプの深さ方向における前記サイプの開口部からの深さが、前記サイプの最大深さの30%以上となる位置に位置することを特徴とするタイヤ。
  2. 前記サイプの前記最大振幅部は、前記開口部からの深さが、前記サイプの最大深さの30%以上60%以下の範囲内となる位置に位置する請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記サイプの最大深さは、前記周方向主溝の深さの70%以上110%以下の範囲内である請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記サイプは、前記開口部の位置での振幅が、サイプ底での振幅より大きくなっている請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記サイプは、前記サイプ底の位置での振幅が0mm以上1.0mm以下の範囲内である請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記サイプは、前記サイプの長手方向に延びつつ前記サイプの幅方向に振幅すると共に、前記サイプの深さ方向に向かいつつ前記サイプの幅方向に振幅するジグザグ形状で形成される請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記サイプは、前記開口部の位置での振幅が0.3mm以上1.3mm以下の範囲内である請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記サイプは、前記最大振幅部における振幅が0.5mm以上1.5mm以下の範囲内である請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記サイプは、前記最大振幅部における振幅が、前記開口部の位置での振幅に対して105%以上150%以下の範囲内である請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤ。
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