JP2008114824A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ周方向に延びる主溝内に偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤのウエット性能を向上させつつ、気柱管共鳴音が大きくなるのを抑制する。
【解決手段】空気入りタイヤのトレッド部に形成された主溝11内に、溝底から突出し、突出端が隣接する陸部21、22の踏面21T、22Tに対してタイヤ半径方向内側に位置する、偏摩耗犠牲用突出部として機能する突条30を形成する。突条30上に複数の突起35を所定の間隔で形成し、突起35が形成された突起部31を、タイヤ荷重負荷転動時に路面に滑り接触させつつ、突条30の他の部分を、路面に接触しないように形成して非接触部32にする。突条30の非接触部32により主溝11内の空洞を大きくして排水性能を高め、かつ突起部31で主溝11内の気柱管を分断する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トレッド部のタイヤ周方向に延びる主溝内に偏摩耗犠牲用突出部(BCR、Braking-Force Control Rib)を有する空気入りタイヤに関し、特に、ウエット性能と静粛性とを向上させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのトレッド部に形成される代表的なトレッドパターンとして、従来、タイヤ周方向に延びる複数の主溝により区画して複数の陸部を形成したリブパターンや、これら陸部を、主溝に交差する方向に延びる複数本の横溝等により分断してブロック状に区画したブロックパターンが知られている。これらは、排水性能が高く操縦安定性能等に優れるため、例えばトラックやバス等の重荷重用タイヤや乗用車用タイヤ等、空気入りタイヤに広く採用されている。
ところが、このようなトレッドパターンを備えた空気入りタイヤでは、各陸部の主溝に沿うエッジ部付近から摩耗が進展し、その端部が局部的(選択的)に摩耗する等、各陸部の主溝側の端部に偏摩耗が発生することがある。この偏摩耗は、主に、タイヤの荷重負荷転動時に発生するブレーキングフォース(ブレーキ力)が陸部のエッジ部付近に集中する結果、その付近の負担が他に比べて増加して、より早期に摩耗等して発生するものであり、特にタイヤ幅方向最外側(ショルダ部側)のショルダ陸部で生じ易い傾向がある。
そこで、従来、空気入りタイヤの主溝内に、偏摩耗の犠牲となる偏摩耗犠牲用突出部(リブ)を設け、これに、主溝の周辺で発生する偏摩耗を負担させて、陸部側の偏摩耗を抑制することが広く行われている(特許文献1参照)。
図5は、この従来の空気入りタイヤの要部を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。
この空気入りタイヤ100は、図示のように、トレッド部101にタイヤ周方向に延びる複数本(図ではタイヤ赤道面CLを挟んだ両側に2本ずつ)の主溝102、103と、それらにより区画された複数の陸部110、111、112と、タイヤ幅方向最外側の主溝103内に配置された、その溝底からタイヤ半径方向外側に向かって突出し、主溝103に沿ってタイヤ周方向に延びる突条105と、を備えている。この空気入りタイヤ100では、主溝103内の突条105を、そのタイヤ半径方向外側の頂部(外周面)が、隣接する陸部111、112の踏面に対してタイヤ半径方向内側に位置し、かつタイヤの荷重負荷転動時には路面と接触するように形成して、上記した偏摩耗犠牲用突出部にしている。
即ち、突条105は、荷重負荷転動時に、隣接する陸部111、112の踏面よりも低い接地圧で路面に接地するため、その外周面が接地面内で路面に引きずられながら滑り接触する。その結果、突条105に、車両の進行方向とは逆方向の大きな力(ブレーキングフォース)が発生し、それに伴い、周囲の陸部111、112のエッジ部付近で発生するブレーキングフォースが低下して、主溝103の周囲で発生するブレーキングフォースが突条105に集中する。このように、突条105が、陸部111、112のエッジ部付近に代わってブレーキングフォースの多くを負担して摩耗する一方、陸部111、112のエッジ部付近の負担が低減して、その摩耗が減少する。
この空気入りタイヤ100は、以上のようにして突条105(偏摩耗犠牲用突出部)を、隣接する陸部111、112の偏摩耗を抑制するための犠牲として摩耗させ、これにより陸部111、112側で摩耗が進展するのを抑制して、その摩耗寿命やタイヤ性能の低下等を防止している。
しかしながら、この従来の空気入りタイヤ100では、突条105の形成に伴い、主溝103内の空隙(空洞)の容積が減少するため、その排水性能が低下して、湿潤路面等におけるタイヤ性能であるウエット性能が低下することがある。一方、これに対処するために、突条105の頂部と隣接する陸部111、112の踏面との間のタイヤ半径方向の距離をできるだけ大きくしたり、或いは、主溝103の溝幅に対する突条105の幅を狭くした場合には、主溝103内の空洞の容積が増加して排水性能は向上するものの、その空洞部分から発生するタイヤノイズが大きくなって、空気入りタイヤ100の静粛性が低下する恐れがある。
このタイヤノイズは、主に、トレッド部101の主溝103部分が接地する際に、路面との間に形成される主溝103内の管状の空洞(気柱管)における共鳴現象で発生するため、気柱管共鳴音と呼ばれており、このような偏摩耗犠牲用突出部(突条105)が形成された主溝103では、主溝103内の空洞が大きくなるほど増大する傾向がある。従って、この従来の空気入りタイヤ100では、排水性能の向上と気柱管共鳴音の低減とを両立できず、高いウエット性能と充分な静粛性とを共に確保するのは難しい。
特開平10−6715号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、タイヤ周方向に延びる主溝内に偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤのウエット性能を向上させつつ、気柱管共鳴音が大きくなるのを抑制して充分な静粛性を確保することである。
請求項1の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝により区画された複数の陸部とを備え、少なくとも1本の前記主溝内に、該主溝の溝底から突出し、該突出端が隣接する前記陸部の踏面に対してタイヤ半径方向内側に位置する偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤであって、前記偏摩耗犠牲用突出部が、タイヤの荷重負荷転動時に路面と滑り接触する複数の突起部、及び該突起部間の前記荷重負荷転動時に路面に接触しない非接触部からなり、前記主溝に沿って連続して延びる突条であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記複数の突起部が、前記荷重負荷転動時の接地面内に少なくとも1つ存在するよう前記突条に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記突条は、前記突起部のタイヤ半径方向外側の頂部と前記隣接する陸部の踏面との間のタイヤ半径方向の距離が1.5〜3.5mmであり、前記非接触部のタイヤ半径方向外側の頂部と前記隣接する陸部の踏面との間のタイヤ半径方向の距離が4.0〜10.0mmであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向最外側の前記主溝内に前記突条を有することを特徴とする。
本発明によれば、タイヤ周方向に延びる主溝内に偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤのウエット性能を向上させつつ、気柱管共鳴音が大きくなるのを抑制して充分な静粛性を確保することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えば重荷重用タイヤや乗用車用タイヤ等の空気入りタイヤであり、一対のタイヤビード部に配置されたビードコアや、その間に渡ってトロイダル状に延びる少なくとも一層のカーカス層、トレッド部のカーカス層の外周側に配置されたベルト層、及び所定のトレッドパターンが形成されたトレッドゴムを備える等、公知の空気入りタイヤの構造を有する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1のトレッドパターンを展開して示す平面図であり、そのタイヤ周方向の一部を模式的に示す。
空気入りタイヤ1は、図示のように、トレッド部2に、タイヤ周方向(図では上下方向)に例えば直線状に、又はジグザグ状や波状に屈曲等(ここではジグザグ状)して延びる複数本(ここでは4本)の主溝10、11と、それらにより区画されたタイヤ周方向に延在する複数(ここでは5列)の陸部20、21、22と、を備えている。また、この空気入りタイヤ1は、各主溝10、11、12に交差する方向に延びる横溝12、13、14と、タイヤ周方向に近い方向に延びる連結溝15及び細溝16とを、それぞれ複数本ずつ備えており、それらにより、各陸部20、21、22をタイヤ周方向やタイヤ幅方向(図では左右方向)等に分断してブロック状に区画している。
主溝10、11は、タイヤ赤道面CLを挟んで配置された2本の中央側主溝10と、中央側主溝10とトレッド部2のタイヤ幅方向外側端(トレッド端)TEとの間にそれぞれ配置された2本の外側主溝11とからなり、それぞれタイヤ赤道面CLを挟んで所定の略対称なタイヤ幅方向位置に配置されている。これら各主溝10、11は、要求されるタイヤ性能等に応じて、例えばタイヤ周方向に対して交互に逆方向に傾斜した略直線状又は湾曲状部分等からなる所定形状で屈曲しつつタイヤ周方向に延びるジグザグ状に形成されるが、ここでは、略直線状部分からなるジグザグ状に形成されている。また、各主溝10、11は、外側主溝11が僅かに幅広に形成されているが、そのタイヤ半径方向の深さやジグザグ(振幅)の幅、ピッチ等が略同一又は同程度に形成されており、互いに位相(ジグザグの頂点位置)をタイヤ周方向に所定の距離だけずらせて配置されている。
陸部20、21、22は、2本の中央側主溝10間に配置されたタイヤ赤道面CL上に位置するセンタ陸部20と、中央側主溝10と外側主溝11との間に配置された2列の中間陸部21と、外側主溝11とトレッド端TEとの間に配置されたタイヤ幅方向最外側(ショルダ部側)に位置する2列のショルダ陸部22と、からなる。これら各陸部20、21、22は、タイヤ幅方向のエッジ部及び溝壁が、それらを区画する各主溝10、11の形状等に対応してジグザグ状に、タイヤ幅方向に屈曲しながらタイヤ周方向に延びるように形成されており、センタ陸部20と中間陸部21はタイヤ幅方向の両側(各主溝10、11側)が、ショルダ陸部22はタイヤ幅方向内側(外側主溝11側)のみが、それぞれジグザグ状に形成されている。また、これら各陸部20、21、22は、タイヤ幅方向の最大幅(主溝10、11方向に突出する凸部間の幅、又は凸部とトレッド端TE間の幅)が、中間陸部21、ショルダ陸部22、センタ陸部20の順に広くなっている。
このセンタ陸部20には、複数本の略直線状に延びる横溝12、連結溝15、及び細溝16が、タイヤ周方向に順次繰り返し配置されている。横溝12は、一方の中央側主溝10に開口する一端部からタイヤ幅方向に傾斜して延び、他方の中央側主溝10まで横断せずに、他端部がセンタ陸部20内のタイヤ赤道面CLを超えた位置で終端している。これら複数本の横溝12は、センタ陸部20内でタイヤ周方向に沿って両中央側主溝10側に交互に、互い違いに略等間隔で配置されている。また、これら複数本の横溝12は、それぞれセンタ陸部20の両タイヤ幅方向エッジ部の凹部で各中央側主溝10に開口し、そこからタイヤ幅方向に比較的近い略同一方向に延びるように形成されている。連結溝15と細溝16は、タイヤ赤道面CL付近でタイヤ周方向に沿って交互に配置され、それぞれ隣接する横溝12の各終端部側に開口して横溝12同士を連結しつつ、タイヤ周方向に傾斜して延びている。また、連結溝15と細溝16は、タイヤ周方向に比較的近い略同一方向に延びるとともに、連結溝15が横溝12と同程度の溝幅に、細溝16が各溝12、15よりも狭い溝幅に、それぞれ形成されている。
これら各溝12、15、16は、全体として互いに連通してセンタ陸部20をタイヤ幅方向に分断し、さらに、この各分断部をタイヤ周方向に分断して、センタ陸部20を平面視略同一形状の複数のブロック状部分(以下、ブロックという)20Bに区画している。なお、この複数のブロック20Bは、各溝12、15、16の配置に対応して、センタ陸部20内で、タイヤ赤道面CLを挟んだ両側でタイヤ周方向に配列し、かつ、この各列間でタイヤ周方向に沿って交互に配置されている。
一方、中間陸部21には、タイヤ幅方向に傾斜して略直線状に延びる1種類の横溝13が、タイヤ周方向に所定の間隔で複数本形成されている。横溝13は、タイヤ幅方向に比較的近い角度に形成され、両端部が、それぞれ中間陸部21を挟む中央側主溝10及び外側主溝11に開口して、中間陸部21をタイヤ幅方向に横断している。また、この横溝13は、中間陸部21の両タイヤ幅方向エッジ部の各凹部に開口して、略タイヤ幅方向に対向する凹部同士を連結し、これにより、中間陸部21をタイヤ周方向に分断して、平面視略同一形状のタイヤ周方向に配列された複数のブロック21Bに区画している。
同様に、ショルダ陸部22には、略タイヤ幅方向に略直線状に延びる1種類の横溝14が、タイヤ周方向に所定の間隔で複数本形成されている。横溝14は、両端部が、それぞれショルダ陸部22を挟む外側主溝11及びトレッド端TEに開口して、ショルダ陸部22をタイヤ幅方向に横断している。また、この横溝14は、トレッド端TE側の一端部側の溝幅がトレッド端TEに向かって徐々に広がるように形成されるとともに、外側主溝11側の他端部がショルダ陸部22の各凹部に開口し、これにより、ショルダ陸部22をタイヤ周方向に分断して、平面視略同一形状のタイヤ周方向に配列された複数のブロック22Bに区画している。
本実施形態の空気入りタイヤ1では、これら各ブロック20B、21B、22Bの主溝10、11側及びトレッド端TE側のエッジ部に、それらの内部で終端する1本又は複数本のサイプ19を、例えば主溝10、11方向に突出する凸部の先端等の所定位置に配置している。
また、この空気入りタイヤ1は、少なくとも1本の主溝10、11内に、各陸部20、21、22から独立する上記した偏摩耗犠牲用突出部を有するが、本実施形態では、タイヤ幅方向最外側の両ショルダ陸部22を区画する外側主溝11内に、偏摩耗犠牲用突出部として機能する突条30を形成している。突条30は、外側主溝11に沿って連続して延び、その形状に合わせてジグザグ状に屈曲しつつ、タイヤ幅方向両側の各陸部21、22から独立してタイヤ周方向に延びるように形成されている。以下、この突条30(偏摩耗犠牲用突出部)について、より詳細に説明する。
図2は、図1のX領域を拡大して突条30等を模式的に示す斜視図であり、図3は、図2のY方向から見た突条30等の側面図である。
突条30は、図示のように、外側主溝11の溝底11Mの略中央部からタイヤ半径方向外側(図では上側)に向かって突出し、その突出端が、隣接する中間陸部21及びショルダ陸部22の踏面(外周面)21T、22Tに対して、タイヤ半径方向内側(図3参照)に位置する高さに形成されている。また、突条30は、そのタイヤ半径方向外側の頂部(外周面)(図2参照)が、各陸部21、22の踏面21T、22Tと略平行な平面状に、かつ両側面が、対向する外側主溝11の両溝壁と所定の距離を隔てて略平行に形成され、その長手方向と直行する断面形状が略矩形状に形成されている。
更に、この突条30は、外周面上に、タイヤ半径方向外側に向かって部分的に所定の高さ突出(図3のH)する突起35を、タイヤ周方向に所定の間隔(ここでは略等間隔)で複数有している。突起35は、タイヤ半径方向外側に向かって長さが徐々に縮小する側面視略台形形状に、かつ、そのタイヤ半径方向外側の面が、タイヤの荷重負荷転動時に路面に引きずられて滑り接触するように形成されている。突条30は、この突起35が形成された突起部31のタイヤ半径方向外側の頂部(以下、頂部という)と、隣接する各陸部21、22の踏面21T、22Tとの間のタイヤ半径方向の距離(図3のS)が、路面に滑り接触可能な所定値に形成されるとともに、突起部31以外の部分が、荷重負荷転動時に路面に接触しない非接触部32になっている。
即ち、突条30の非接触部32は、その頂部と踏面21T、22Tとの間のタイヤ半径方向の距離(図3のF)が、突起部31の前記距離Sよりも大きくなるように、突起部31の頂部に対して、タイヤ半径方向内側に所定の段差Hをつけて形成されている。従って、突条30は、荷重負荷転動時に路面に滑り接触する複数の突起部31及び、各突起部31の間に位置する荷重負荷転動時に路面に接触しない非接触部32からなり、それらが長手方向(タイヤ周方向)に、それぞれ所定長さで交互に配置されている。
なお、この空気入りタイヤ1では、複数の突起部31を、タイヤの荷重負荷転動時の接地面内に少なくとも1つ存在するように、タイヤ周方向に所定の略等間隔で突条30に配置している。また、各陸部21、22の踏面21T、22Tに対する、突条30の突起部31及び非接触部32の頂部の上記した各距離S及びFを、それぞれ1.5〜3.5mm、及び4.0〜10.0mmに形成している。
以上説明した本実施形態の空気入りタイヤ1では、外側主溝11内に配置した突条30の突起部31を、荷重負荷転動時に路面に滑り接触させて上記した偏摩耗犠牲用突出部として機能させ、隣接する陸部21、22のエッジ部付近に発生すべき摩耗を、突起部31に負担させている。これにより、空気入りタイヤ1の使用に伴い、突起部31が犠牲となって摩耗する反面、陸部21、22のエッジ部付近の偏摩耗を低減することができる等、空気入りタイヤ1の耐偏摩耗性を高めることができ、各陸部21、22側で摩耗が進展するのを抑制して、タイヤ性能や摩耗寿命が低下等するのを防止できる。
また、この空気入りタイヤ1では、突条30の突起部31以外の部分を路面に接触しない非接触部32にして、外側主溝11内に、比較的容積の大きな空隙(空洞)を確保したため、その排水性能が増大してウエット性能を高めることができる。同時に、タイヤ接地時に外側主溝11内に形成される気柱管は、各突起部31によりタイヤ周方向に分断されるため、その内部で共鳴現象が生じるのを防止することもでき、上記した気柱管共鳴音を低減することができる。その結果、外側主溝11部分から発生するタイヤノイズが低下するため、空気入りタイヤ1の静粛性を向上させることができる。
従って、この空気入りタイヤ1によれば、排水性能の向上と気柱管共鳴音の低減とを両立させて達成することができ、偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤ1のウエット性能を向上させつつ、気柱管共鳴音が大きくなるのを抑制して充分な静粛性を確保することができる。また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向最外側の外側主溝11に突条30を形成し、特に偏摩耗が生じ易いショルダ陸部22のエッジ部に沿って突条30を配置したため、空気入りタイヤ1の耐偏摩耗性を効果的に高めることができる。
ここで、本実施形態の空気入りタイヤ1では、路面と滑り接触する突起部31を突条30に断続的に配置したため、タイヤの使用開始時から摩耗初期においては、全体として路面に滑り接触する偏摩耗犠牲用突出部に比べて、路面と滑り接触する面積が小さくなり、それに応じて偏摩耗を抑制する効果も低くなる。しかしながら、この場合でも、各陸部21、22のエッジ部に偏摩耗が生じるのを充分に抑制できるとともに、トレッド部2の摩耗が進行して突起部31(突起35)が摩耗すると、突条30の全体が路面に接触するようになり、偏摩耗犠牲用突出部としての本来の偏摩耗抑制効果が発揮される。
なお、突起部31を、荷重負荷転動時の接地面内に少なくとも1つ存在するように各突条30に配置した場合には、接地時の外側主溝11内の気柱管が確実に分断されて気柱管共鳴音を低減する効果が発揮されるため、各突条30の突起部31は、そのように配置するのが望ましい。
また、突条30は、隣接する各陸部21、22の踏面21T、22Tに対する、突起部31及び非接触部32のそれぞれの頂部の上記した各距離S及びF(図3参照)を、1.5〜3.5mm、及び4.0〜10.0mmに形成するのがより望ましい。まず、突起部31の距離Sを1.5〜3.5mmの範囲にするのは、この距離Sが1.5mmに満たないと、突起部31の頂部が、路面に対して滑り接触ではなく完全に接地してしまい、偏摩耗犠牲用突出部としての機能が発揮されない恐れがあり、逆に、3.5mmを超えると、新品時に突起部31の頂部が路面に接地しない恐れがある、即ち、3.5mmあれば、新品時に僅かではあっても確実に接地するため、気柱管の分断機能が発揮されるからである。一方、非接触部32の距離Fを4.0〜10.0mmの範囲にするのは、この距離Fが4.0mm以上あれば、新品時でも非接触部32の頂部が接地することなく排水溝としての機能が確実に発揮されるとともに、10.0mm以下にしているのは、その頂部が接地するようになることで発揮される上記した突条30の本来の機能である全体としての偏摩耗抑制効果を、摩耗中期以前より発揮させるようにするためである。
加えて、突条30(偏摩耗犠牲用突出部)は、例えば中央側主溝10内や、全ての主溝10、11内、又は、タイヤ赤道面CLを挟んだ一方側の主溝10、11内に形成してもよく、或いは、いずれか1本の主溝10、11内に形成してもよい。このようにした場合でも、その周囲の偏摩耗を抑制できる等、上記した各効果を得ることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、突条30に側面視略台形形状(図3参照)の複数の突起35を形成したが、各突起35は、例えば側面視略矩形状に形成したり、或いは、非接触部32との境界部を側面視円弧状等の曲面状に形成する等、他の形状に形成してもよい。更に、本実施形態は、ジグザグ状の主溝10、11と他の各溝12〜16を有する空気入りタイヤ1を例に採り説明したが、例えばタイヤ周方向に直線状や波状に延びる主溝を有するタイヤや、横溝等を有しないタイヤ等、他のトレッドパターンのタイヤの主溝内に、その形状に応じた同様の突条30を形成してもよい。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明したトレッドパターン(図1参照)を備えた実施例の空気入りタイヤ1(以下、実施品という)と、その突条30に突起35を設けずに、従来の偏摩耗犠牲用突出部の形状に形成した従来例の空気入りタイヤ(以下、従来品という)、及び比較例の空気入りタイヤ(以下、比較品という)とを試作して、以下の条件でウエット性能試験と騒音試験を行った。これらタイヤは、いずれもJATMA YEAR BOOK(2006、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ11R22.5のトラック及びバス用ラジアルプライタイヤであり、突条30以外は全て略同一に形成した。
図4は、従来品と比較品の各突条30付近を模式的に示す、その長手方向に直交する方向の断面図である。
従来品と比較品は、図示のように、各突条30を、その頂部(外周面)に段差を形成せずに長手方向に沿って略一定の所定高さに形成した。従来品(図4A参照)の突条30は、その頂部と隣接する各陸部21、22の踏面21T、22Tとの間のタイヤ半径方向距離D1を2.5mmに形成し、比較品(図4B参照)の突条30は、その頂部と踏面21T、22Tとの間のタイヤ半径方向距離D2を、より大きい6.0mmに形成した。
一方、実施品の突条30は、踏面21T、22Tに対して、非接触部32の頂部の前記距離F(図3参照)を6.0mmに、突起部31の頂部の前記距離Sを2.5mmに形成し、突起35の高さH(各頂部間の段差)を3.5mmに形成した。実施品では、この突起35を、突条30にタイヤ周方向に略等間隔で12個配置した。
ウエット性能試験は、各タイヤを、7.50×22.5のリムに内圧900kPaで装着し、2−D・4(前輪が2輪の1軸、後輪が駆動複2輪及び複2輪の2軸)の車両に取り付けて行った。試験は、各タイヤへの荷重が一定になるようにしてウエット路面における発進加速度を測定し、その測定結果を従来品の測定値を基準にして比較してウエット性能を評価した。
また、騒音試験は、各タイヤを、7.50×22.5の試験リムに内圧900kPaで装着して、室内ドラム試験装置のドラム上で荷重2500kg、速度60km/hの条件で回転させて行った。試験は、各タイヤ回転時の630〜800Hzの騒音レベルを測定し、その測定結果を、従来品を基準にして比較して騒音(静粛性)を評価した。
表1に、これら各試験結果を示すが、ウエット路面発進加速度は、従来品の加速度を100とした指数で表し、その値が大きいほど発進加速度が大きく、ウエット性能に優れることを示している。また、騒音レベルは、従来品の基準に対する騒音レベルdB(A)(デシベルA)で表し、その値が大きいほど騒音レベルが高く、静粛性が低いことを示している。
Figure 2008114824
試験の結果、表1に示すように、ウエット路面での発進加速度は、従来品の100に対して、比較品では115、実施品では113と、ともに大きくなっており、これらではウエット性能が大きく向上したことが分かった。一方、騒音レベルは、比較品の+6dB(A)に対して、実施品では+2dB(A)であり、実施品では騒音レベルを低く抑えることができた。
以上の結果から、本発明により、タイヤ周方向に延びる主溝内に偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤのウエット性能を向上させつつ、気柱管共鳴音が大きくなるのを抑制して充分な静粛性を確保できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを展開して示す平面図である。 図1のX領域を拡大して模式的に示す斜視図である。 図2のY方向から見た側面図である。 従来品と比較品の各突条付近を模式的に示す長手方向に直交する方向の断面図である。 従来の空気入りタイヤの要部を模式的に示すタイヤ幅方向の断面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・トレッド部、10・・・中央側主溝、11・・・外側主溝、11M・・・溝底、12・・・横溝、13・・・横溝、14・・・横溝、15・・・連結溝、16・・・細溝、19・・・サイプ、20・・・センタ陸部、20B・・・ブロック、21・・・中間陸部、21B・・・ブロック、21T・・・踏面、22・・・ショルダ陸部、22B・・・ブロック、22T・・・踏面、30・・・突条、31・・・突起部、32・・・非接触部、35・・・突起、CL・・・タイヤ赤道面、TE・・・トレッド端。

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に延びる複数本の主溝と、該主溝により区画された複数の陸部とを備え、少なくとも1本の前記主溝内に、該主溝の溝底から突出し、該突出端が隣接する前記陸部の踏面に対してタイヤ半径方向内側に位置する偏摩耗犠牲用突出部を有する空気入りタイヤであって、
    前記偏摩耗犠牲用突出部が、タイヤの荷重負荷転動時に路面と滑り接触する複数の突起部、及び該突起部間の前記荷重負荷転動時に路面に接触しない非接触部からなり、前記主溝に沿って連続して延びる突条であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記複数の突起部が、前記荷重負荷転動時の接地面内に少なくとも1つ存在するよう前記突条に配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記突条は、前記突起部のタイヤ半径方向外側の頂部と前記隣接する陸部の踏面との間のタイヤ半径方向の距離が1.5〜3.5mmであり、前記非接触部のタイヤ半径方向外側の頂部と前記隣接する陸部の踏面との間のタイヤ半径方向の距離が4.0〜10.0mmであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向最外側の前記主溝内に前記突条を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
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