この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図11は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1及び図2はプリント回路板の例を示す斜視図、図3から図5はプリント回路板が備えるプリント配線板の例を示す図、図6は図2のA-A断面を示す図、図7及び図8はプリント回路板における電極幅の例を説明する図、図9はプリント回路板における電極間のはんだ接合例を説明する図、図10はプリント回路板における電極形状の例を示す図、図11は電極間のはんだ接合で歪が生じた例を説明する図である。
理解を容易にするため、図1及び図2に示すようにx軸、y軸及びz軸を設定する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交する。
本実施の形態に係るプリント回路板1は、例えばプリント配線板2、電子部品3、プリント配線板4及び電子部品5を備える。電子部品3は、プリント配線板2に設けられる。電子部品5は、プリント配線板4に設けられる。例えば、プリント配線板2は、プリント配線板4より大きい。プリント配線板4は、プリント配線板2に直交するように設けられる。
図3は、プリント配線板2の例を示す図である。プリント配線板2は、例えば絶縁基板6、複数の電極7、パッド8、複数の電極9、パッド10、及びランド11~14を備える。
絶縁基板6は、例えば厚さが一定の板状である。絶縁基板6に表面6a及び表面6bが形成される。電子部品3は、表面6a側に配置される。表面6bは、表面6aが向く方向とは反対の方向を向く面である。x軸は、表面6a及び表面6bに平行である。y軸は、表面6a及び表面6bに平行である。z軸は、表面6a及び表面6bに直交する。
絶縁基板6に、取付孔15、取付孔16及び取付孔17が形成される。取付孔15、取付孔16及び取付孔17は、プリント配線板4をプリント配線板2に取り付けるための孔である。取付孔15、取付孔16及び取付孔17は、絶縁基板6を貫通する。取付孔15は、x軸方向の幅よりy軸方向の幅の方が大きい長孔である。同様に、取付孔16は、x軸方向の幅よりy軸方向の幅の方が大きい長孔である。取付孔17は、x軸方向の幅よりy軸方向の幅の方が大きい長孔である。取付孔15、取付孔16及び取付孔17は、y軸方向に一直線状に配置される。取付孔15は、取付孔16及び取付孔17の間に配置される。
本実施の形態では、プリント配線板2が9個の電極7を備える例を示す。プリント配線板2が備える電極7の個数は9個に限定されない。以下の説明では、電極7を個別に特定する場合に符号7a~7iを付す。電極7a~7iは、絶縁基板6の表面6bに設けられる。電極7a~7iは、絶縁基板6に形成されたプリント回路の一部を構成する。
電極7a~7iは、y軸方向に一直線状に配置される。電極7a~7iは、取付孔15の縁に配置される。例えば、電極7aは、一列に並んだ電極7a~7iの中で端に配置される。電極7bは電極7aに隣接する。電極7cは電極7bに隣接する。以下同様に、例えば電極7hは電極7gに隣接する。そして、電極7iは電極7hに隣接する。電極7iは、一列に並んだ電極7a~7iの中で端に配置される。
パッド8は、絶縁基板6の表面6bに設けられる。パッド8は、絶縁基板6に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。例えば、パッド8は、電極7a~7iに電気的に接続されていなくてもよい。電極7a~7iとパッド8とはy軸方向に一列に並ぶ。パッド8は、電極7iに隣接する。電極7iは、電極7hとパッド8との間に配置される。
パッド8は、例えばはんだ溜まり部、複数の隣接部及び終端部を備える。隣接部は、はんだ溜まり部から電極7i側に直線状に延びる。隣接部は、電極7iとはんだ溜まり部との間に配置される。終端部は、はんだ溜まり部から隣接部が延びる方向とは反対の方向に延びる。例えば、終端部のx軸方向の幅は、電極7iから離れるに従って小さくなる。
本実施の形態では、プリント配線板2が9個の電極9を備える例を示す。プリント配線板2が備える電極9の個数は9個に限定されない。以下の説明では、電極9を個別に特定する場合に符号9a~9iを付す。電極9a~9iは、絶縁基板6の表面6bに設けられる。電極9a~9iは、絶縁基板6に形成されたプリント回路の一部を構成する。
電極9a~9iは、y軸方向に一直線状に配置される。電極9a~9iは、取付孔15の縁に配置される。電極9a~9iは、取付孔15を間に挟んで電極7a~7iに対向するように配置される。例えば、電極9aは、一列に並んだ電極9a~9iの中で端に配置される。電極9aは、取付孔15を間に挟んで電極7aに対向するように配置される。電極9bは、電極9aに隣接する。電極9bは、取付孔15を間に挟んで電極7bに対向するように配置される。以下同様に、例えば電極9hは電極9gに隣接する。電極9hは、取付孔15を間に挟んで電極7hに対向するように配置される。そして、電極9iは電極9hに隣接する。電極9iは、取付孔15を間に挟んで電極7iに対向するように配置される。電極9iは、一列に並んだ電極9a~9iの中で端に配置される。
パッド10は、絶縁基板6の表面6bに設けられる。パッド10は、絶縁基板6に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。例えば、パッド10は、電極9a~9iに電気的に接続されていなくてもよい。電極9a~9iとパッド10とはy軸方向に一列に並ぶ。パッド10は、電極9iに隣接する。電極9iは、電極9hとパッド10との間に配置される。
電極9及びパッド10の配置は、電極7及びパッド8の配置と同様である。パッド10の形状は、パッド8の形状と同様である。パッド10は、例えばはんだ溜まり部、複数の隣接部及び終端部を備える。隣接部は、はんだ溜まり部から電極9i側に直線状に延びる。隣接部は、電極9iとはんだ溜まり部との間に配置される。終端部は、はんだ溜まり部から隣接部が延びる方向とは反対の方向に延びる。例えば、終端部のx軸方向の幅は、電極9iから離れるに従って小さくなる。
ランド11~14は、絶縁基板6の表面6bに設けられる。ランド11~14は、絶縁基板6に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。ランド11及びランド12は、取付孔16の縁に配置される。ランド12は、ランド11とによって取付孔16を挟むように配置される。ランド13及びランド14は、取付孔17の縁に配置される。ランド14は、ランド13とによって取付孔17を挟むように配置される。ランド11及びランド13は、一部が電極7a~7i及びパッド8と一直線状になるように配置される。ランド12及びランド14は、一部が電極9a~9i及びパッド10と一直線状になるように配置される。
図4及び図5は、プリント配線板4の例を示す図である。図4に示すように、プリント配線板4は、例えば絶縁基板18、複数の電極19、パッド20、ランド21及びランド22を備える。
絶縁基板18は、例えば厚さが一定の板状である。絶縁基板18に表面18a及び表面18bが形成される。図4は、プリント配線板4を絶縁基板18の表面18a側から見た図である。電子部品5は、例えば表面18a側に配置される。表面18bは、表面18aが向く方向とは反対の方向を向く面である。y軸は、表面18a及び表面18bに平行である。z軸は、表面18a及び表面18bに平行である。x軸は、表面18a及び表面18bに直交する。
絶縁基板18は、例えば接続部23a、接続部23b及び接続部23cを備える。接続部23a、接続部23b及び接続部23cは、例えば切欠き18c及び切欠き18dが形成されることによって絶縁基板18に備えられる。接続部23aは、取付孔15を貫通し、絶縁基板6の表面6bから突出する。接続部23bは、取付孔16を貫通し、絶縁基板6の表面6bから突出する。接続部23cは、取付孔17を貫通し、絶縁基板6の表面6bから突出する。
本実施の形態では、プリント配線板4が9個の電極19を備える例を示す。プリント配線板4が備える電極19の個数は9個に限定されない。以下の説明では、電極19を個別に特定する場合に符号19a~19iを付す。電極19a~19iは、絶縁基板18の表面18aに設けられる。具体的に、電極19a~19iは、接続部23aの表面18aに設けられる。電極19a~19iは、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成する。
電極19a~19iは、y軸方向に一直線状に配置される。電極19a~19iは、絶縁基板18の縁に配置される。具体的に、電極19a~19iは、接続部23aに配置される。例えば、電極19aは、一列に並んだ電極19a~19iの中で端に配置される。電極19bは、電極19aに隣接する。電極19cは、電極19bに隣接する。以下同様に、例えば電極19hは電極19gに隣接する。そして、電極19iは電極19hに隣接する。電極19iは、一列に並んだ電極19a~19iの中で端に配置される。
パッド20は、絶縁基板18の表面18aに設けられる。具体的に、パッド20は、接続部23aの表面18aに設けられる。パッド20は、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。例えば、パッド20は、電極19a~19iに電気的に接続されていなくてもよい。電極19a~19iとパッド20とはy軸方向に一列に並ぶ。パッド20は、電極19iに隣接する。電極19iは、電極19hとパッド20との間に配置される。
電極19及びパッド20の配置は、電極7及びパッド8の配置と同様である。パッド20の形状は、パッド8の形状と同様である。パッド20は、例えばはんだ溜まり部、複数の隣接部及び終端部を備える。隣接部は、電極19iに隣接する部分を含む。隣接部は、はんだ溜まり部から電極19i側に直線状に延びる。隣接部は、電極19iとはんだ溜まり部との間に配置される。例えば、はんだ溜まり部から3本の隣接部が電極19i側に延びる。
終端部は、はんだ溜まり部から隣接部が延びる方向とは反対の方向に延びる。はんだ溜まり部は、隣接部と終端部との間に配置される。例えば、終端部は三角形状である。終端部のz軸方向の幅は、電極19iから離れるに従って小さくなる。
ランド21及びランド22は、絶縁基板18の表面18aに設けられる。具体的に、ランド21は、接続部23bの表面18aに設けられる。ランド22は、接続部23cの表面18aに設けられる。ランド21及びランド22は、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。
ランド21は、電極19aとによって切欠き18cを挟むように配置される。ランド21は、一部が電極19a~電極19i及びパッド20と一直線状になるように配置される。ランド22は、パッド20とによって切欠き18dを挟むように配置される。ランド22は、一部が電極19a~電極19i及びパッド20と一直線状になるように配置される。
図5は、プリント配線板4を表面18aの裏面である表面18b側から見た図である。プリント配線板4のうち、表面18b側の構成は表面18a側の構成と同様である。すなわち、プリント配線板4は、例えば複数の電極25、パッド26、ランド27及びランド28を備える。
本実施の形態では、プリント配線板4が9個の電極25を備える例を示す。プリント配線板4が備える電極25の個数は9個に限定されない。以下の説明では、電極25を個別に特定する場合に符号25a~25iを付す。電極25a~25iは、絶縁基板18の表面18bに設けられる。具体的に、電極25a~25iは、接続部23aの表面18bに設けられる。電極25a~25iは、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成する。
電極25a~25iは、y軸方向に一直線状に配置される。電極25a~25iは、絶縁基板18の縁に配置される。具体的に、電極25a~25iは、接続部23aに配置される。例えば、電極25aは、一列に並んだ電極25a~25iの中で端に配置される。
電極25aは、取付孔15を間に挟んで電極19aに対向するように配置される。電極25bは、電極25aに隣接する。電極25bは、取付孔15を間に挟んで電極19bに対向するように配置される。以下同様に、例えば電極25hは電極25gに隣接する。電極25hは、取付孔15を間に挟んで電極19hに対向するように配置される。そして、電極25iは電極25hに隣接する。電極25iは、取付孔15を間に挟んで電極19iに対向するように配置される。電極25iは、一列に並んだ電極25a~25iの中で端に配置される。
パッド26は、絶縁基板18の表面18bに設けられる。具体的に、パッド26は、接続部23aの表面18bに設けられる。パッド26は、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。例えば、パッド26は、電極25a~25iに電気的に接続されていなくてもよい。電極25a~25iとパッド26とはy軸方向に一列に並ぶ。パッド26は、電極25iに隣接する。電極25iは、電極25hとパッド26との間に配置される。
電極25及びパッド26の配置は、電極7及びパッド8の配置と同様である。パッド26の形状は、パッド8の形状と同様である。パッド26は、例えばはんだ溜まり部、複数の隣接部及び終端部を備える。隣接部は、電極25iに隣接する部分を含む。隣接部は、はんだ溜まり部から電極25i側に直線状に延びる。隣接部は、電極25iとはんだ溜まり部との間に配置される。例えば、はんだ溜まり部から3本の隣接部が電極25i側に延びる。
終端部は、はんだ溜まり部から隣接部が延びる方向とは反対の方向に延びる。はんだ溜まり部は、隣接部と終端部との間に配置される。例えば、終端部は三角形状である。終端部のz軸方向の幅は、電極25iから離れるに従って小さくなる。
ランド27及びランド28は、絶縁基板18の表面18bに設けられる。具体的に、ランド27は、接続部23bの表面18bに設けられる。ランド28は、接続部23cの表面18bに設けられる。ランド27及びランド28は、絶縁基板18に形成されたプリント回路の一部を構成しなくてもよい。
ランド27は、電極25aとによって切欠き18cを挟むように配置される。ランド27は、一部が電極25a~電極25i及びパッド26と一直線状になるように配置される。ランド28は、パッド26とによって切欠き18dを挟むように配置される。ランド28は、一部が電極25a~電極25i及びパッド26と一直線状になるように配置される。
以上のように構成されたプリント配線板2及びプリント配線板4により、次のようにしてプリント回路板1が構成される。すなわち、まず、プリント配線板4をプリント配線板2に対して直交するように配置する。この時、接続部23aを取付孔15に通し、接続部23aを絶縁基板6の表面6bから突出させる。接続部23bを取付孔16に通し、接続部23bを絶縁基板6の表面6bから突出させる。接続部23cを取付孔17に通し、接続部23cを絶縁基板6の表面6bから突出させる。
この状態において、図2に示すように、絶縁基板18の電極19a~19iは、絶縁基板6に設けられた電極7a~7iに隣接するように配置される。図6は、図2のA-A断面を示す図である。図6に示すように、電極7aは絶縁基板6の表面6bに設けられる。電極19aは、絶縁基板6に設けられた電極7aに隣接するように配置される。そして、電極19aと電極7aとの間にはんだ24が設けられる。電極19aは、はんだ24によって電極7aに接合される。
また、電極19bは、電極7bに隣接するように配置される。電極19b及び電極7bを含む断面は、図6に示す断面と同様である。電極19bと電極7bとの間にはんだ24が設けられる。電極19bは、はんだ24によって電極7bに接合される。なお、電極19bと電極19aとは、はんだ24によって接続されていない。電極7bと電極7aとは、はんだ24によって接続されていない。
他の電極19c~19iと電極7c~7iとについても同様に、それぞれの対がはんだによって接合される。
絶縁基板18のランド21は、絶縁基板6のランド11に隣接するように配置される。ランド21及びランド11を含む断面は、図6に示す断面と同様である。ランド21とランド11との間にはんだ24が設けられる。ランド21は、はんだ24によってランド11に固定される。また、絶縁基板18のランド22は、絶縁基板6のランド13に隣接するように配置される。ランド22及びランド13を含む断面は、図6に示す断面と同様である。ランド22とランド13との間にはんだ24が設けられる。ランド22は、はんだ24によってランド13に固定される。
さらに、この状態において、絶縁基板18の電極25a~25iは、絶縁基板6に設けられた電極9a~9iに隣接するように配置される。具体的に例えば、電極25aは、絶縁基板6に設けられた電極9aに隣接するように配置される。図6に示すように、電極25aと電極9aとの間にはんだ29が設けられる。電極25aは、はんだ29によって電極9aに接合される。図6に示すように、電極9aは絶縁基板6の表面6bに設けられる。
また、電極25bは、電極9bに隣接するように配置される。電極25b及び電極9bを含む断面は、図6に示す断面と同様である。電極25bと電極9bとの間にはんだ29が設けられる。電極25bは、はんだ29によって電極9bに接合される。なお、電極25bと電極25aとは、はんだ29によって接続されていない。電極9bと電極9aとは、はんだ29によって接続されていない。
他の電極25c~25iと電極9c~9iとについても同様に、それぞれの対がはんだによって接合される。
絶縁基板18のランド27は、絶縁基板6のランド12に隣接するように配置される。ランド27及びランド12を含む断面は、図6に示す断面と同様である。ランド27とランド12との間にはんだ29が設けられる。ランド27は、はんだ29によってランド12に固定される。また、絶縁基板18のランド28は、絶縁基板6のランド14に隣接するように配置される。ランド28及びランド14を含む断面は、図6に示す断面と同様である。ランド28とランド14との間にはんだ29が設けられる。ランド28は、はんだ29によってランド14に固定される。
以上のように構成された実施の形態1に係るプリント回路板1において、絶縁基板6は第1絶縁基板の一例である。この第1絶縁基板である絶縁基板6には、取付孔15が形成されている。ここで、y軸方向を第1方向、x軸方向を第2方向とすれば、第2方向は第1方向に直交している。そして、取付孔15は、第1方向の幅より第2方向の幅の方が大きい長孔である。また、絶縁基板6の表面6bは、第1絶縁基板の第1表面である。
この実施の形態1に係るプリント回路板1において、絶縁基板18は第2絶縁基板の一例である。第2絶縁基板である絶縁基板18は、取付孔15を貫通して第1表面である表面6bから突出する接続部23aを有している。絶縁基板6の電極7及び電極9は、前述した第1表面である表面6bに設けられた第1電極の一例である。そして、第1電極である電極7及び電極9は、取付孔15のx軸方向すなわち第2方向に沿った縁部に配置されている。
絶縁基板18の電極19及び電極25は、接続部23aに設けられた第2電極の一例である。第2電極である電極19及び電極25は、はんだによって第1電極すなわち電極7及び電極9に接合される。
そして、第2電極である電極19及び電極25のx軸方向すなわち第2方向の幅は、第1電極である電極7及び電極9のx軸方向すなわち第2方向の幅より小さい。第2電極である電極19及び電極25の幅と第1電極である電極7及び電極9の幅との関係について、図7及び図8を参照しながら詳しく説明する。図7及び図8では、第1電極として電極7を、第2電極として電極19を例として示している。
取付孔15のx軸方向の幅をAとし、接続部23aのx軸方向の幅をBとする。接続部23aを取付孔15内に挿入しやすくするため、接続部23aの幅Bよりも取付孔15の幅Aを大きくする必要がある。すなわち、BはA未満(B<A)である。また、電極7のx軸方向の幅をaとし、電極19のx軸方向の幅をbとする。前述したように、第2電極である電極19のx軸方向の幅は、第1電極である電極7のx軸方向の幅より小さい。すなわち、b<aである。加えて、この実施の形態1においては、A、B、a及びbは次の(1)式の関係をみたしている。
b≦a-A+B ・・・ (1)
前述したように、取付孔15の幅Aよりも接続部23aの幅Bの方が小さい。このため、図7に示すように、取付孔15内における接続部23aの位置が、x軸方向に最大で(A-B)だけずれる可能性がある。一方、電極19の幅は電極7の幅より(a-b)だけ小さい。A、B、a及びbが上記(1)式の関係を満たしているため、取付孔15内における接続部23aの位置のずれの最大量(A-B)と電極19の幅と電極7の幅との差(a-b)は次の(2)式の関係を満たす。
A-B≦a-b ・・・ (2)
したがって、取付孔15内のどの位置に接続部23aが挿入されても、電極7に対して電極19がはみ出ることがないようにすることができる。この際、特に図8に示すように、接続部23aが取付孔15内におけるx軸方向の中央に配置された場合に、電極19と電極7のx軸方向における中心同士が同じ位置にくるようにするとよい。
このようにすることで、図9に示すように、取付孔15内における接続部23aの位置がずれ、電極19の中心位置と電極7の中心位置とにずれが生じても、電極7に対して電極19がはみ出ることがない。このため、電極7と電極19とを接合するはんだ24の形状が歪になることを抑制でき、ひいては、はんだ付け不良の発生を抑制できる。
次に、図3に示すプリント配線板2と図4及び図5に示すプリント配線板4とをはんだによって接合する方法について説明する。
まず、プリント配線板4をプリント配線板2に対して直交するように配置する。この時、接続部23aを取付孔15に通し、接続部23aを絶縁基板6の表面6bから突出させる。接続部23bを取付孔16に通し、接続部23bを絶縁基板6の表面6bから突出させる。接続部23cを取付孔17に通し、接続部23cを絶縁基板6の表面6bから突出させる。
次に、表面6bを下向きにし、フローはんだ付け装置の搬送装置にプリント配線板2を固定する。プリント配線板4は、接続部23a~23cがプリント配線板2から下方に突出するようにプリント配線板2に立てた状態で配置される。フローはんだ付け装置では、溶融はんだがノズルから上方に向けて噴出される。プリント配線板2及びプリント配線板2に支持されたプリント配線板4は、搬送装置によって搬送されることにより、ノズルの上方を横切るように通過する。プリント配線板2がノズルの上方を通過する際に、プリント配線板2の下面がノズルから噴流する溶融はんだに浸る。また、プリント配線板4のうちプリント配線板2の下面から突出する部分がノズルから噴流する溶融はんだに浸る。
プリント配線板2は、電極7aが電極7iより先にノズルからの溶融はんだに浸るように配置される。図1及び図2に示す例であれば、プリント配線板2は、搬送装置によって-y方向に搬送される。すなわち、電極7hの次に電極7iが溶融はんだに浸り、電極7iの後にパッド8が溶融はんだに浸る。また、プリント配線板4は、電極19aが電極19iより先にノズルからの溶融はんだに浸るように配置される。すなわち、電極19hの次に電極19iが溶融はんだに浸り、電極19iの次にパッド20が溶融はんだに浸る。
例えば、電極7aと電極19aとがノズルからの溶融はんだに浸ることにより、電極7aと電極19aとの間にはんだ24が設けられる。同様に、電極7hと電極19hとがノズルからの溶融はんだに浸ることにより、電極7hと電極19hとの間にはんだ24が設けられる。電極7iと電極19iとがノズルからの溶融はんだに浸ることにより、電極7iと電極19iとの間にはんだ24が設けられる。
本実施の形態に示す例では、電極7a~7iは、搬送装置による搬送方向に一列に並ぶように配置される。このため、電極7a~7iは、電極7aから順にノズルからの溶融はんだに浸る。パッド8は、電極7iの次にノズルからの溶融はんだに浸る。電極7a~7iがノズルからの溶融はんだから離れる順番も同様である。すなわち、電極7a~7iは、電極7aから順にノズルからの溶融はんだから離れる。パッド8は、電極7iの次にノズルからの溶融はんだから離れる。
電極7iの隣にパッド8が設けられていないと、溶融はんだが電極7iから離れる際に、必要量以上のはんだが電極7iに残ってしまう。これにより、電極7hと電極7iとの間にいわゆるブリッジが発生してしまう。すなわち、電極7hと電極7iとがはんだによって接続されてしまう。電極7iの隣にパッド8が設けられることにより、電極7iに残るはんだを必要量に抑え、余分なはんだをパッド8に導くことができる。すなわち、電極7hと電極7iとの間にブリッジが発生することを防止できる。
また、プリント配線板2から下方に突出した接続部23aの第2電極である電極19及び電極25に対して、溶融はんだが下からに上に向けて噴出される。このため、第1電極(電極7及び電極9)と第2電極(電極19及び電極25)とにまたがって付着した溶融はんだは、重力の影響により第1電極より下方にある第2電極の方により多く溜まりやすい。この際、第1電極の溶融はんだが第2電極の方へと引っ張られて、はんだに偏りが生じてしまう。そこで、第2電極の幅を第1電極の幅より小さくすることで、第2電極に溜まる溶融はんだの量を相対的に少なくし、はんだの偏りを抑制できる。
ここで、第1電極、すなわちプリント配線板2の表面6bに設けられる電極7及び電極9の形状は、図10に示すようにするとよい。すなわち、表面6bに対する平面視において、電極7及び電極9の取付孔15とは反対側の形状は、角を切り欠くか、又は、弧状とするとよい。図10の(a)は、電極7及び電極9の形状を、取付孔15と反対側の角を切り欠いたものにした例である。図10の(b)は、電極7及び電極9の取付孔15とは反対側の形状を、弧状にした例である。このようにすることで、フローはんだ付け過程においてはんだ噴流からプリント回路板1が離脱するとき、はんだの表面張力により、電極7及び電極9のはんだを過剰にはんだ槽側に取られることなく、安定した量のはんだを電極7及び電極9に保持することができる。