以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の撮像装置の第1の実施形態である業務用のデジタルビデオカメラを正面側から見た斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のデジタルビデオカメラ101は、カメラ本体103の正面側に、不図示のレンズユニットが交換可能に装着されるマウント部102が設けられている。カメラ本体103の上面部には、ユーザが把持する把持部を有するハンドル部104がねじ部材105等により着脱可能に締結されている。ここで、ハンドル部104は、本発明のアクセサリの一例に相当し、カメラ本体103は、本発明の装置本体の一例に相当する。
図2(a)は図1に示すデジタルビデオカメラ101のカメラ本体103からハンドル部104を模式的に分離した状態を示す斜視図、図2(b)は図2(a)に示すハンドル部104の向きを逆にした状態を示す斜視図である。
図2に示すように、カメラ本体103の上面部には、2つのアクセサリ取付部107が光軸方向に互いに離間して設けられている。また、ハンドル部104には、2つのアクセサリ取付部107に締結される手回し用の操作ダイアルを有する第1ねじ部材105と六角穴付きボルト等の第2ねじ部材106が2つのアクセサリ取付部107に対応して互いに離間して設けられている。第1ねじ部材105及び第2ねじ部材106は、本発明の一対の締結部材の一例に相当する。
図2(a)では、ハンドル部104の第1ねじ部材105をカメラ本体103の光軸方向の正面側のアクセサリ取付部107に締結する場合を示している。図2(b)では、ハンドル部104の第2ねじ部材106をカメラ本体103の光軸方向の正面側のアクセサリ取付部107に締結する場合を示している。なお、第2ねじ部材106を締め付ける六角レンチ等の工具がない状況等では、第1ねじ部材105のみを用いて簡易的にハンドル部104をカメラ本体103に締結することも可能である。
図3(a)はカメラ本体103のアクセサリ取付部107の領域を示す斜視図、図3(b)はハンドル部104をカメラ本体103のアクセサリ取付部107に対向する側から見た斜視図である。
図3(a)に示すように、カメラ本体103側の2つのアクセサリ取付部107には、それぞれねじ穴201及びねじ穴201の周囲に形成された凹凸状の一方の第1嵌合部202が設けられている。2箇所のねじ穴201の内周部には、第1ねじ部材105及び第2ねじ部材106のねじ軸の雄ねじ部に対応する例えばM6程度の雌ねじ部が形成されている。第1ねじ部材105及び第2ねじ部材106がそれぞれカメラ本体103側の2箇所のねじ穴201に螺合されて締め付けられ、これにより、ハンドル部104がカメラ本体103に締結される。ねじ穴201は、本発明の締結部の一例に相当する。
第1嵌合部202は、例えば光軸方向に延びる凸条を光軸と直交するアクセサリ取付部107の幅方向に例えば0.5~1.5mmピッチで複数並設して構成されている。第1嵌合部202の複数の凸条は、頂点が略90°の断面直角二等辺三角形状に形成され、複数の凸条の互いに隣り合う凸条の間には、凸条と同一の断面形状の凹条が形成される。
図3(b)に示すように、ハンドル部104のカメラ本体103側のアクセサリ取付部107に対向する面側には、第1ねじ部材105のねじ軸が挿通する第1ねじ挿通穴203及び第2ねじ部材106のねじ軸が挿通する第2ねじ挿通穴205が形成されている。第1ねじ挿通穴203の周囲には、カメラ本体103側の第1嵌合部202と同一構成の凹凸状の他方の第2嵌合部204が設けられている。第1ねじ部材105及び第2ねじ部材106を締め付けてハンドル部104をカメラ本体103に締結する際、カメラ本体103側の第1嵌合部202の凸条及び凹条にそれぞれハンドル部104の第2嵌合部204の凹条及び凸条が嵌合される。
第2ねじ挿通穴205と第1ねじ挿通穴203を結ぶ方向の第2ねじ挿通穴205の前後には、受けリブ206が設けられている。受けリブ206は、ハンドル部104をカメラ本体103に締結する際に、ハンドル部104にカメラ本体103側の第1嵌合部202の凸条が接触して傷等が付くのを防ぐ目的で設けられている。
カメラ本体103側の光軸方向の2箇所の第1嵌合部202で取り付け誤差が生じた場合、2箇所の第1嵌合部202同士の平行が保たれない可能性がある。その場合、ハンドル部104側に第2嵌合部204を2箇所設けると、いずれか一方の第2嵌合部204がカメラ本体103側の第1嵌合部202と凹凸嵌合せずに乗り上がってしまう不具合を生じる。
そのため、ハンドル部104には、第1ねじ挿通穴203の周囲にのみに凹凸状の第2嵌合部204を設け、第2ねじ挿通穴205の周囲には、カメラ本体103側の第1嵌合部202を避けた位置に受けリブ206を設けている。受けリブ206は、カメラ本体103側の第1嵌合部202を避けた位置でカメラ本体103の上面部に当接するように第2ねじ挿通穴205と第1ねじ挿通穴203を結ぶ方向の第2ねじ挿通穴205の前後に1つずつ合計2つ配置されている。
受けリブ206は、カメラ本体103の上面部に当接した位置が、第2嵌合部204とカメラ本体103側の第1嵌合部202とが凹凸嵌合した位置とカメラ本体103の高さ方向で略同一レベルになるように設けられている。
カメラ本体103側の第1嵌合部202とハンドル部104側の第2嵌合部204との凹凸嵌合による接触では、従来のような平面どうしの接触に比べて大きな摩擦力を得ることができる。このため、ハンドル部104に対してねじ部材105,106による締結を緩める回転方向に力が加わっても、ねじ部材105,106による締結が緩むのを抑制することができる。
特に、前述したように、第1ねじ部材105のみで簡易的にハンドル部104をカメラ本体103に締結することが可能である。この場合、第1ねじ部材105の操作ダイアルを手で回す締結力だけでは、平面どうしを接触させたものでは摩擦力が小さく、ハンドル部104に回転方向の力が加わった際に第1ねじ部材105による締結に緩みが生じやすい。
これに対し、本実施形態のようにカメラ本体103側の第1嵌合部202とハンドル部104側の第2嵌合部204との凹凸嵌合による接触では、第1ねじ部材105の操作ダイアルを手で回す小さな締結力で大きな摩擦力を得ることができる。このため、ハンドル部104に対して第1ねじ部材105による締結を緩める回転方向に力が加わっても、第1ねじ部材105による締結状態が緩むのを抑制することができる。
図4(a)はデジタルビデオカメラ101を正面側から見て右側の部分側面図、図4(b)は図4(a)のA-A線断面拡大図である。
図4(b)に示すように、ハンドル部104をカメラ本体103に締結した状態では、第1嵌合部202の凹条の頂点と第2嵌合部204の凸条の頂点が第1ねじ部材105の中心線301と一致する位相で配置されている。これにより、図2(b)に示すように、カメラ本体103に対してハンドル部104を180°回転させて逆向きに取り付けて第1ねじ部材105で締結しても、第1嵌合部202と第2嵌合部204とを凹凸嵌合させることができる。
以上説明したように、本実施形態では、カメラ本体103のアクセサリ取付部107に締結されたハンドル部104の緩みを抑制することができるので、ハンドル部104を把持して運搬する際に安定した運搬が可能となる。
なお、本実施形態では、複数の断面直角二等辺三角形状の凸条を並設した嵌合部202,204どうしを凹凸嵌合により接触させてハンドル部104をカメラ本体103に締結しているが、これに限定されない。即ち、当該接触部分の凹凸嵌合構造は、小さな締結力で大きな摩擦力を得ることができれば、他の嵌合構造であってもよい。
また、本実施形態では、ハンドル部104側の第2ねじ挿通穴205の周囲のカメラ本体103側の第1嵌合部202を避けた位置に受けリブ206を設けたが、これに限定されない。例えば、ハンドル部104側の第1ねじ挿通穴203及び第2ねじ挿通穴205の周囲にそれぞれ第2嵌合部204を設け、カメラ本体103側に1つの第1嵌合部202と受けリブ206を設けてもよい。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る撮像システムの模式的な上面図である。この撮像システムは、本体ユニット100、レンズ鏡筒1及びアクセサリ群を有する。本体ユニット100は、撮像装置本体2(以下、装置本体2と略記する)とハンドル4とから成る。ハンドル4は装置本体2に着脱可能である。アクセサリ群は、画像を表示する表示パネルユニット3(以下、表示パネル3と略記する)、ヒンジユニット5、信号ケーブル6を含む。以降、撮像システムの左右方向・上下方向については、撮影者から見た方向で呼称する(図5、図8(a)参照)。
図6は、アクセサリ群を本体ユニット100から外した撮像システムの分解上面図である。本体ユニット100にハンドル4は必須でない。従って、ヒンジユニット5は装置本体2に連結可能であってもよい。図7は、本体ユニット100からハンドル4を外し、装置本体2にアクセサリ群を装着した撮像システムの上面図である。
レンズ鏡筒1は、装置本体2に着脱可能であり、レンズ11を有する。装置本体2において、撮像素子12はレンズ11によって結像する光学情報を電気信号に変換し、フレキシブル基板21を経由して基板22に転送する。基板22は、撮像素子12から送られた電気信号を表示パネル3に送ってスルー画として表示させたり、記録部23に送って記録させたりする。電源供給部24は、上記処理を実施するための電源を供給する。撮影者(ユーザ)は、ハンドル4を把持することで、撮影時に本体ユニット100を支えたり、非撮影時に本体ユニット100を持ち運んだりすることが可能である。ヒンジユニット5は、本体ユニット100に対して表示パネル3を回動自在に連結可能である。ヒンジユニット5は、3つの回動軸(回動軸511a;第1の回動軸)、(回動軸512a;第2の回動軸)、(回動軸513a;第3の回動軸)による3自由度を備え、表示パネル3の姿勢(位置や向き)を変えることができる。ヒンジユニット5は、公知のネジ締結などによってハンドル4や表示パネル3と着脱可能である。信号ケーブル6は表示パネル3と装置本体2とに対して着脱可能であり、両者を電気的に接続可能である。両者が信号ケーブル6で接続されると信号通信及び電力供給が可能となる。なお、装置本体2とアクセサリ群とを、ヒンジユニット5内部に通した配線により電気的に接続しても良い。
図8(a)、(b)、(c)はそれぞれ、第2の配置、第1の配置、第3の配置とした撮像システムの斜視図である。これら第1~第3の配置(第1~第3の回動位置)は代表的な配置であり、各配置で回動軸512a周りの表示パネル3の回動位置が異なる。表示パネル3の表示部31はタッチパネル機能を有しており、撮影者はタッチパネルに指を接触させることで、撮影操作や設定変更などの操作を行うことができる。まず、第2の配置(図8(a))は、本体ユニット100のハンドル4の横(左側方)で表示パネル3の表示部31を撮影者側に対向させた、撮影用の配置である。第1の配置(図8(b))は、表示部31がハンドル4の横(左側方)に位置し且つハンドル4に対向する、収納位置である。第3の配置(図8(c))は、表示部31を撮影者から見て左側に向けた配置であり、撮影者以外のユーザが装置の設定や画角などを表示部31を見て確認するのに適した撮影用の配置である。
図9(a)、(b)はそれぞれ、アクセサリ群、ヒンジサブユニット57の分解斜視図である。説明のため、図9(a)ではハンドル4も併記してある。ヒンジユニット5は、公知のネジ締結によってハンドル4に対して分離及び連結が可能である。ヒンジユニット5は、ベースユニット56とヒンジサブユニット57とから成り、これらが公知のネジ締結によって連結されている(図9(a))。ヒンジサブユニット57は、一定の回転トルクを備える回動軸部材511、512、513の他、腕部52、53、54、55を有する。回動軸部材511、512、513のそれぞれの回動中心が、回動軸511a、512a、513aの軸中心に相当する。腕部54は腕部55に対し回動軸511aの周りに回動可能である。腕部53は腕部54に対し回動軸512aの周りに回動可能である。腕部52は腕部53に対し回動軸513aの周りに回動可能である。腕部53は凸部531(第2係合部)を有する。
腕部52は、表示パネル3に対して着脱可能である。ベースユニット56及び腕部55が、本体ユニット100に対して着脱可能な第1の部材となる。腕部54は、回動軸511aを介して腕部55に対して回動自在な第2の部材となる。腕部53は、回動軸512aを介して腕部54(第2の部材)に対して回動自在な第3の部材となる。アクセサリ群を装置本体2に装着した状態では、回動軸511aはレンズ11の光軸に略平行であり、回動軸513aは表示パネル3の長手方向に略平行である。回動軸512aは回動軸511aと回動軸513aの両方に対して常に略直交する。ユーザは、図4(b)の第1配置から、表示パネル3を、回動軸512aを中心としてA方向(上方から見て時計方向)に回動させることで第2の配置へ遷移させることが可能である。
図10(a)は、第2の配置におけるヒンジユニット5及び表示パネル3を底面側から見た斜視図である。図10(b)は、第2の配置におけるヒンジユニット5及び表示パネル3の底面図である。
ところで、回動軸511aと回動軸512aのそれぞれを中心とする回動動作に関し、表示パネル3及び腕部52は一体に回動する「回動体」となり得る。なお、回動軸512aを中心とする第1の配置から第2の配置の方向への回動動作に関しては、上記回動体と共に腕部53も一体に回動する。回動軸511aを中心とする回動位置は、第1、第2、第3の配置のいずれも共通し、これを「所定の回動位置」と称する。所定の回動位置は、回動軸512aの軸線方向が上下方向に平行となる回動位置である。
ベースユニット56の下面には、凸部531と対応する凸部561(第1係合部)が設けられる。第2の配置において、凸部531の当接面532は、凸部561の当接面562に対向当接する。すなわち、表示パネル3を含む回動体が、回動軸511aを中心とする所定の回動位置にあるまま第1の配置から第3の配置の方向へ回動する途中で凸部561に凸部531が当接する。それにより回動体は第3の配置の方向への回動が規制され、且つ第2の配置で位置決めされる。凸部531は回転ストッパとして機能し、第2の配置において表示パネル3が撮影者側から荷重Fを受けても腕部53が容易に回動してしまうことが回避される。荷重Fは例えば、表示部31へのタッチ操作や、表示パネル3に装着した外付けファインダ7に顔を押しあてた場合などに発生する荷重である。図11に、表示パネル3に外付けファインダ7を装着した状態を示す。
第2の配置から第3の配置に遷移させるには、凸部531の当接面532と凸部561の当接面562との係合を解除する必要がある。図12(a)は、第2の配置から腕部54をB方向に約45°回動させた表示パネル3を、被写体側から見た(図11の矢印F’方向)図である。図12(b)は、図12(a)の矢印C方向から見た回動軸部材512近傍の図である。図12(a)に示すように、ユーザは、腕部54を回動軸511aを中心にB方向(被写体側から見て反時計方向であり、表示パネル3の自由端部が上方に変位する方向)に回動させる。すると、凸部531と凸部561との係合が解除され、回動軸512aを中心に腕部53を回動させることが可能となる。その後、図12(b)に示すように、ユーザは、腕部53を回動軸512aを中心にA方向(回動軸512a周りの回動に関し、第3の配置の方向)に回動させると、表示パネル3が腕部53とともにE方向に回動し、図13に示す位置に遷移する。ユーザは、図13の位置まで腕部53を回動させた後、腕部54を回動軸511aを中心に図13のB方向と反対の矢印B’方向に回動させることで、第3の配置(図8(c))に遷移させることができる。すなわち、表示パネル3が第2の配置にあるとき、回動軸511aを中心とする回動位置を所定の回動位置から一旦、B方向へ変化させることで、凸部531と凸部561との係合を解除して、表示パネル3を第3の配置へ遷移させることが可能である。これにより、簡単な操作で、第2の配置での固定と固定解除の操作が可能となる。
図14は、第3の配置にあるヒンジユニット5及び表示パネル3を底面側から見た斜視図である。凸部561には、下面側への突出高さが徐々に変化するテーパ面を成す勾配563が形成されている。回動軸512a周りに関し、勾配563は、当接面562の反対側に形成される。すなわち、凸部561において、表示パネル3が所定の回動位置にあるまま第1の配置から第3の配置の方向へ回動するときに、凸部531と当接する側とは反対側に、勾配563は形成される。
ユーザが、第3の配置において腕部53を回動軸512aを中心にA方向と反対の矢印A’方向に回動させると、凸部531が勾配563に倣いつつ腕部54が回動軸511aを中心にB方向に回動し、凸部531が凸部561を乗り越える。すなわち、表示パネル3が所定の回動位置にあるまま第3の配置から第1の配置の方向へ回動する途中で凸部531が凸部561と係合した場合は、テーパ面である勾配563の作用によって表示パネル3が付勢される。つまり、回動軸511aを中心とする、凸部531、561の係合が解除される回動方向へ表示パネル3が付勢される。これにより、ユーザが意図して腕部54を回動軸511aを中心に回動操作しなくても、第3の配置から第2の配置または第1の配置へ容易に遷移させることが可能となる。
このように、3軸回動機構により、表示パネル3は、各種の姿勢をとることが可能で、自由度が高い。また、撮影に適した第2の配置での安定保持が可能となると共に、第2の配置から第3の配置への遷移、第3の配置から第2の配置への遷移も容易となる。
次に、図15~図19で、ヒンジサブユニット57の詳細構成及び組立方法を説明する。図15は、ヒンジサブユニット57に内蔵されるヒンジプレートユニット58の分解斜視図である。ヒンジプレートユニット58は、板金部材524、534、544、554が、対応する回動軸部材によって回動自在に加締め(カシメ)られることにより構成される。板金部材534は、平面部5341と平面部5342とを有して略L字形に構成される。平面部5341は回動軸512aに直交し、回動軸部材512の一端部5121側において回動軸512a周りに回動可能である。平面部5342は回動軸513aに直交し、回動軸部材513の一端部5131側において回動軸513a周りに回動可能である。
板金部材544は、平面部5441と平面部5442とを有して略L字形に構成される。平面部5441は回動軸511aに直交し、回動軸部材511の一端部5111側において回動軸511a周りに回動可能である。平面部5442は回動軸512aに直交し、回動軸部材512の一端部5122側において回動軸512a周りに回動可能である。平面部5341と平面部5442とは略平行に対向して配置される。板金部材554は平面部5541を有する。平面部5541は回動軸511aに直交し、回動軸部材511の他端5112側において回動軸511a周りに回動可能である。平面部5541は平面部5441に略平行に対向して配置される。板金部材524は、平面部5241を有する。平面部5241は回動軸513aに直交し、回動軸部材513の他端5132側において回動軸513a周りに回動可能である。平面部5241は平面部5342に略平行に対向して配置される。
ヒンジサブユニット57は、ヒンジプレートユニット58に対して複数のカバー部材を組み付けて構成される。図16~図19で、カバーの組み付けの態様を説明する。図16は、板金部材524にカバー526を組み付ける様子を示す斜視図である。カバー526は回動軸513aの軸線に沿って矢印D方向から組み付けられる。
図17は、板金部材544にカバー545及びカバー546を組み付ける様子を示す斜視図である。図17(a)は組み付け前、図17(b)、(c)は組み付け後の様子を示す。図18(a)、(b)は、板金部材534にカバー535及びカバー536を組み付ける様子を示す斜視図である。図18(a)は組み付け前、図18(b)は組み付け後の様子を示す。また図18(c)は組み付け後の回動軸部材512近傍の断面図である。図19は、板金部材554にカバー555及びカバー556を組み付ける様子を示す図である。図19(a)は組み付け前の様子を示す斜視図であり、図19(b)は組み付け後の回動軸部材511近傍の断面図である。図20は、カバー526を組み付けられた板金部材524にカバー525を組み付ける様子を示す図である。図20(a)は組みつけ前の様子を示す斜視図であり、図20(b)は組み付け後の回動軸部材513近傍の断面図である。
まず、図17(a)に示すように、作業者は、回動軸511aの軸線に沿って回動軸部材511の一端部5111側からカバー545を組み付ける。次に作業者は、回動軸511aの軸線に沿って回動軸部材511の他端5112側からカバー546を組み付ける。カバー545は、回動軸部材511の一端部5111及び回動軸部材512の一端部5122並びに板金部材544をほぼ完全に被覆する。カバー545は、それぞれ略半円筒形状の半円筒部5451、5452を有する。半円筒部5451は、平面部5441と平面部5541とで挟まれた回動軸部材511の中間部5113(回動軸511aの軸線方向における中間部)を覆う(図17(b))。半円筒部5452は、平面部5442と平面部5341とで挟まれた回動軸部材512の中間部5123(回動軸512aの軸線方向における中間部)を覆う(図17(c))。一方、カバー546は、それぞれ略半円筒形状の半円筒部5461、5462を有する。半円筒部5461は、回動軸部材511の中間部5113を覆う(図17(b))。半円筒部5462は、回動軸部材512の中間部5123を覆う(図17(c))。半円筒部5451と半円筒部5461との接合部である境界K1は、中間部5113の周囲に位置する(図19(b))。半円筒部5452と半円筒部5462との接合部である境界K2は、中間部5123の周囲に位置する(図18(c))。
また、図18(a)に示すように、作業者は、回動軸513aの軸線に沿って回動軸部材513の一端部5131側からカバー535を組み付ける。次に作業者は、回動軸513aの軸線に沿って回動軸部材513の他端5132側からカバー536を組み付ける。カバー535は、回動軸部材512の一端部5121(図15)及び回動軸部材513の一端部5131並びに板金部材534をほぼ完全に被覆する。カバー535は、それぞれ略半円筒形状の半円筒部5351、5352を有する。半円筒部5351は、平面部5342と平面部5241とで挟まれた回動軸部材513の中間部5133(回動軸513aの軸線方向における中間部)を覆う(図18(b))。半円筒部5352は、回動軸部材512の中間部5123を覆う。一方、カバー536はそれぞれ略半円筒形状の半円筒部5361、5362を有する。半円筒部5361は、回動軸部材513の中間部5133を覆う(図18(b))。半円筒部5362は、回動軸部材512の中間部5123(図17(c))を覆う。半円筒部5351と半円筒部5362との接合部である境界K3は、中間部5133の周囲に位置する(図20(b))。半円筒部5352と半円筒部5362との接合部である境界K4は、中間部5123の周囲に位置する(図18(c))。
また、図19(a)に示すように、作業者は、回動軸511aの軸線に直交する方向からカバー555を組み付ける。次に作業者は、板金部材554に対し、カバー555の反対側からカバー556を組み付ける。図19(b)に示すように、カバー555とカバー556とは中間部5113を覆う。また、図20(a)に示すように、作業者は、回動軸513aの軸線に沿ってカバー526とは反対側からカバー525を組み付ける。図20(b)に示すように、カバー525とカバー526とは中間部5133を覆う。
このような方法でヒンジサブユニット57を組み立てることによって、カバー境界線を腕部と腕部との中間に配置することができ、外観品位を向上させることができる。例えば、中間部5113の周囲の位置で、境界K1に近接してカバー555及びカバー556が組み付けられるため(図19(b))、境界K1が目立たず外観が向上する。また、中間部5123の周囲の位置で境界K2と境界K4とが近接するため(図18(c))、境界K2及び境界K4が目立たず外観が向上する。また、中間部5133の周囲の位置で、境界K3に近接してカバー525及びカバー526が組み付けられるため(図20(b))、境界K3が目立たず外観が向上する。また例えば、カバー545とカバー546とのカバー合わせと、カバー555とカバー556とのカバー合わせが、中間部5113の周囲に配置されるため、カバー合わせが目立たず外観が向上する(図19(b))。また、カバー525とカバー526とのカバー合わせと、カバー535とカバー536とのカバー合わせが、中間部5133の周囲に配置されるため、カバー合わせが目立たず外観が向上する(図20(b))。
本実施の形態によれば、表示パネル3が、回動軸511aを中心とする所定の回動位置にあるまま第1の配置から第3の配置の方向へ回動する途中で凸部561に凸部531が当接する。凸部531は回転ストッパとして機能し、表示パネル3の第3の配置の方向への回動を規制して第2の配置で位置決めする。これにより、表示パネル3の回動位置を第2の配置で安定して固定できる。その後、ユーザは、回動軸511aを中心とする表示パネル3の回動位置を、所定の回動位置からB方向(図12)へ変化させることで凸部531と凸部561との係合を解除し、表示パネル3を第3の配置へ遷移させることが可能である。よって、簡単な操作で、表示パネル3の第2の配置での固定と固定解除の操作を可能とすることができる。
また、表示パネル3が所定の回動位置にあるまま第3の配置から第1の配置の方向へ回動する際、テーパ面である勾配563の作用によって、凸部531が凸部561を乗り越え、凸部531、561の係合が解除される。これにより、表示パネル3を第3の配置から第2の配置または第1の配置へ遷移させる操作が容易となる。
また、半円筒部5451と半円筒部5461との境界K1は回動軸511aの軸線方向における中間部5113に位置し、半円筒部5452と半円筒部5462との境界K2は回動軸512aの軸線方向における中間部5123に位置する。これにより、カバー間の境目が目立たず外観が向上する。
なお、凸部561はベースユニット56の下面に設けられるとしたが、これに限らず、本体ユニット100または本体ユニット100に固定された部分であればどこに設けてもよく、例えば、ハンドル4に設けてもよい。
なお、勾配563を凸部561に形成したが、勾配563に相当するテーパ面は、凸部531または凸部561の少なくとも一方に設けてもよい。その場合、テーパ面は、凸部531または凸部561において、表示パネル3が第1の配置から第3の配置の方向へ回動するときに互いに当接する側とは反対側に形成される。
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態に係る撮像システムの斜視図である。装置本体2及び表示パネル3の構成は第1の実施の形態のものと同じである。ヒンジユニット5は、第1の実施の形態に対し、腕部52、53に代えて腕部82、83を有し、その他の部分の構成は、第1の実施の形態のものと同じである。腕部82、腕部83にはそれぞれ、クランプ部材88、89が設けられている点が、腕部52、53と異なる。クランプ部材88、89の構成は共通であるので、代表してクランプ部材88について説明する。
図22は、クランプ部材88を示す図である。クランプ部材88は、略U字形状部を有する主部881と、主部881に対して撓むことが可能な係止部882とを有する。クランプ部材88は、円筒形状を含む棒状部材61等を安定して保持することが可能である。クランプ部材88は、棒状部材61の軸心方向が回動軸部材513(回動軸513a)の軸線方向と略平行となるように棒状部材61を保持できる。回動軸513aの軸線方向に直交する方向において、回動軸513aの中心位置からクランプ部材88の軸心位置までの距離は、回動軸513aの中心位置からクランプ部材89の軸心位置までの距離と略等しい。従って、腕部82、83の相対的な回動位置を合わせてクランプ部材88、89の軸心を一致させれば、クランプ部材88、89は共通の棒状部材61を保持可能である。
図21では、表示パネル3が第2の配置となっている。この位置で、クランプ部材88、89は互いに同軸の位置関係で隣接する。クランプ部材88、89が互いに同軸関係となった状態で、両者に棒状部材61を保持させれば、回動軸513aを中心とする腕部82と腕部83との相対的な回動を規制できる。本実施の形態では、図23に示すように、第2の配置において、棒状部材61の代わりに信号ケーブル6の可撓部をクランプ部材88、89に同時に保持させることにより、腕部82の回動を抑制できる。このようにすると、表示パネル3に、垂直方向から荷重を受けても、容易に腕部82が回動してしまうことがない。また、図23に示すように、表示パネル3に外付けファインダ7などのアクセサリを装着した場合でも、アクセサリの質量による表示パネル3の意図しない回動を防ぐことが可能である。
本実施の形態によれば、簡単な操作で、表示パネル3の第2の配置での固定と固定解除の操作を可能とすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、クランプ部材88、89に共通の棒状部材を保持させることで表示パネル3の回動を規制できる。しかも、信号ケーブル6を保持させるという通常の操作で、部品点数を増やすことなく表示パネル3の回動を規制でき、信号ケーブル6の扱いの煩わしさも軽減される。
なお、本実施の形態では腕部82、83間の回動規制を例にとったが、これらに限らない。従って、回動体に含まれる構成要素、例えば表示パネル3から本体ユニット100までの間に介在する複数の回動部材のうち、所定の回動軸に関して相対的に回動関係となる第1回動部材、第2回動部材にクランプ部材88、89を設けてもよい。例えば、腕部53、54間、腕部54、55間に上記構成を適用してもよい。図21~図23で示した例では、複数の回動軸のうち回動軸513aが所定の回動軸であり、第1、第2回動部材が腕部82、83であり、第1、第2保持部がクランプ部材88、89である。なお、回動規制用に棒状部材61を別途用意してもよい。
なお、簡単な操作で、表示パネル3の第2の配置での固定と固定解除の操作を可能とするという効果を得る観点に限れば、ヒンジユニット5は、少なくとも2つの回動軸を有する構成であればよい。なお、少なくとも2つの回動軸のそれぞれを中心として回動可能に本体ユニット100に連結される回動体としては、表示パネル3に限らず、他のアクセサリであってもよい。
なお、上記説明した撮像システムの一部または全部を左右対称に構成したものを本発明の撮像システムとしてもよい。
(第4の実施形態)
図24は、本発明の第4の実施形態に係る撮像システムの模式的な上面図である。この撮像システムは、本体ユニット100、レンズ鏡筒1及びアクセサリ群を有する。本体ユニット100は、撮像装置本体2(以下、装置本体2と略記する)とハンドル4とから成る。ハンドル4は装置本体2に着脱可能である。アクセサリ群は、画像を表示する表示パネルユニット(以下、表示パネル3と略記する)、ヒンジユニット5、信号ケーブル6を含む。以降、撮像システムの左右方向・上下方向については、撮影者から見た方向で呼称する(図24、図29(b)参照)。
レンズ鏡筒1は、装置本体2に着脱可能であり、光軸A(撮像光軸)を有するレンズ11を有する。装置本体2において、撮像素子12はレンズ11によって結像する光学情報を電気信号に変換し、フレキシブル基板21を経由して基板22に転送する。基板22は、撮像素子12から送られた電気信号を表示パネル3に送ってスルー画像として表示させたり、記録部23に送って記録させたりする。電源供給部24は、上記処理を実施するための電源を供給する。撮影者(ユーザ)は、ハンドル4を把持することで、撮影時に本体ユニット100を支えたり、非撮影時に本体ユニット100を持ち運んだりすることが可能である。ヒンジユニット5は、本体ユニット100に対して表示パネル3を回動自在に連結可能である。ヒンジユニット5は、3つの回動軸(回動軸511a;第1の回動軸)、(回動軸512a;第2の回動軸)、(回動軸513a;第3の回動軸)による3自由度を備え、表示パネル3の姿勢(位置や向き)を変えることができる。ヒンジユニット5は、公知のネジ締結などによってハンドル4や表示パネル3と着脱可能である。信号ケーブル6は表示パネル3と装置本体2とに対して着脱可能であり、両者を電気的に接続可能である。両者が信号ケーブル6で接続されると信号通信及び電力供給が可能となる。信号ケーブル6は、可撓性のある可撓部61を有し、可撓部61の両端部には、表示パネル3、装置本体2に対する着脱時に撮影者により把持される把持部62、63が設けられる。
図25(a)、(b)、(c)はそれぞれ、アクセサリ群、ヒンジサブユニット57、ベースユニット56の分解斜視図である。説明のため、図25(a)、(c)ではハンドル4も併記してある。
ヒンジユニット5は、公知のネジ締結によってハンドル4に対して分離及び連結が可能である。ヒンジユニット5は、ベースユニット56とヒンジサブユニット57とから成り、これらが公知のネジ締結によって連結されている(図25(a))。ハンドル4は、固定部41及び指掛け部42を備える。図25(a)、(b)に示すように、ヒンジサブユニット57は、一定の回転トルクを備える回動軸部材511、512、513の他、腕部52、53、54、55を有する。回動軸部材511、512、513のそれぞれの回動中心が、回動軸511a、512a、513aの軸中心に相当する。腕部54は腕部55に対し回動軸511aの周りに矢印R1方向に回動可能である。腕部53は腕部54に対し回動軸512aの周りに矢印R2方向に回動可能である。腕部52は腕部53に対し回動軸513aの周りに矢印R3方向に回動可能である。
ベースユニット56は、固定ネジ561、板金部材562、外装カバー564、外装カバー565、位置決め部材566及びクランプ部材567から成り(図25(c))、ハンドル4に着脱可能である。ベースユニット56はハンドル4に設けられた固定部41に固定ネジ561で締結される。板金部材562にはスリット形状563が形成され、ベースユニット56はスリット長さLの範囲でハンドル4に対して位置調整が可能である。クランプ部材567は後述するように可撓部61を挟持する。
腕部52は、表示パネル3に対して着脱可能である。ベースユニット56及び腕部55が、本体ユニット100に対して着脱可能な第1の部材となる。腕部54は、回動軸511aを介して腕部55に対して回動自在な第2の部材となる。腕部53は、回動軸512aを介して腕部54(第2の部材)に対して回動自在な第3の部材となる。腕部52は、回動軸513aを介して腕部53(第3の部材)に対して回動自在な第4の部材となる。
図26で、表示パネル3を詳細に説明する。図26(a)、(b)はそれぞれ、表示部側、背面側から見た表示パネル3の斜視図である。表示パネル3は表示部31を有する。表示部31の表面に表示面が設けられる。図26(c)は表示パネル3を短手方向から見た図、図26(d)、(e)は、表示パネル3の正面図である。表示部31に垂直な方向から見た表示パネル3の形状は、概ね矩形、特に長方形であり、矩形の辺に相当する側面351、352、353、354を有する。側面353、351がそれぞれ、表示パネル3の長手方向における第1の端部、第2の端部であり、これらが1組の対辺となる。すなわち、第2の端部(側面351)は第1の端部(側面353)とは反対側の端部である。また、側面352、側面354がそれぞれ、表示パネル3の短手方向における各端部であり、これらが1組の対辺となる。側面351、353と側面352、354とは垂直である。
側面353には、ヒンジユニット5を結合するための結合部として固定部331が設けられる(図26(b))。固定部331により、公知の図示しないネジを用いて、ヒンジユニット5の腕部52に対して表示パネル3を着脱可能である。本実施の形態では、カメラなどの三脚固定部で用いられる1/4インチネジが用いられる。固定部331は、表示パネル3の短手方向における、側面353の略中央に設けられる。また、側面354には、固定部331と同形状の固定部332が側面354に露出するように設けられる(図26(b))。
表示パネル3の背面32において側面351の近傍に、信号ケーブル6を接続するための接続部として凸部38が、背面32から突出するように設けられる(図26(b)、(c))。凸部38は、信号ケーブル6が挿抜される接続端子34を有する。接続端子34に対する信号ケーブル6の挿抜方向は、表示パネル3の背面32に略平行である。接続端子34に接続された信号ケーブル6は、背面32に沿って固定部331のある方向(側面353側)へ延伸する(図28(a)も参照)。また、表示パネル3の背面32における側面353の近傍には、表示パネル3の厚み方向に盛り上がる盛上部321が形成されている。接続端子34からの信号ケーブル6の引き出し方向は、信号ケーブル6が盛上部321を避けて延伸するように、背面32に対して勾配36を有している(図26(c))。勾配36は鋭角である。
固定部331は、盛上部321の内部に形成され、固定部331は、表示部31に垂直な方向から見て表示部31と重なる(図26(c)~(e))。すなわち、固定部331は、表示部31に面直な方向の投影で表示部31と重なるように配置される。これにより、表示パネル3の長手方向の小型化に寄与している。凸部38において、接続端子34と反対側の側面381に、操作子として表示反転キー37が設けられる(図26(a))。ユーザが表示反転キー37を押すと、表示部31の表示を180°回動させることができる(図26(d)と図26(e)参照)。表示部31はタッチパネル機能を有しており、さらに、表示部31には操作キー群313が設けられている。撮影者はタッチパネルに指を接触させたり操作キー群313を押したりすることで、撮影操作や設定変更などの操作を行うことができる。
図27(a)、(b)は、表示パネル3の分解斜視図である。表示パネル3において、表示部31側から、主として、表示部31、外装カバー315、表示モジュール311、バックライト314、表示モジュール保持部材316、回路基板39、接続端子34、背面側外装カバー322の順に配置される。表示モジュール311、表示部31、操作キー群313、バックライト314はそれぞれ、回路基板39に実装されるコネクタ393、394、395、396に接続される。
図28(a)は、信号ケーブル6を接続した表示パネル3の背面図である。図28(b)、(c)はそれぞれ、背面側外装カバー322を非図示とした表示パネル3の斜視図、背面図である。信号ケーブル6は、接続端子34から引き出されて固定部331のある側、すなわち側面353に向かって延伸するように配設される(図28(a))。
表示パネル3には回路基板39が内蔵されている。回路基板39は、撮像素子12から送られた電気信号をスルー画像として表示させたり、表示パネル3のタッチパネル、操作キー群313または表示反転キー37からの入力信号を装置本体2に送信するための処理を行ったりする。回路基板39に実装された素子391が、これらの諸処理の大部分を実行する。従って、素子391は、表示パネル3内の部品や素子の中で消費電力が最大となる要素であり、主発熱部である。コネクタ392~396は、表示パネル3の厚み方向における素子391よりも表示部31に近い側に配置される。表示部31のタッチパネル、操作キー群313、表示反転キー37からの入力信号は、それぞれコネクタ394、395、396から素子391に入力されて諸処理を実行された後、コネクタ392から接続端子34へ出力される。
コネクタ392には、接続端子34のワイヤ341が接続される。撮像素子12から送られた電気信号は、コネクタ392から回路基板39に入って素子391に入力され、諸処理を実行された後、コネクタ393を経由して表示モジュール311に送られる。接続端子34は、表示パネル3の短手方向における中央位置Bの近傍に配置される。素子391は、背面側外装カバー322を挟んで、接続端子34を含む凸部38及び信号ケーブル6の把持部62に対向する位置に配置・実装される。
素子391は表示パネル3内の素子の中で消費電力が最大であるため、背面側外装カバー322の温度分布は、素子391を背面32に面直な方向に投影した領域が最も高温となる。ここで、凸部38及び信号ケーブル6と素子391とは、表示部31に垂直な方向から見て重なる(図28(a))。すなわち、温度が相対的に高くなる可能性のある領域に対して表示部31に面直な方向の投影で重なるように、凸部38及び信号ケーブル6の把持部62が配置されている。これにより、撮影中に撮影者が温度が相対的に高くなる可能性のある領域に触れ難い構成となっており、撮影者の不快感が抑制される。
次に、図29~図32を用いて、装置本体2に対する表示パネル3の代表的な配置形態(姿勢)を説明する。図29、図30、図31、図32はそれぞれ、表示パネル3を第1の撮影位置、第2の撮影位置、第1の収納位置、第2の収納位置とした撮像システムの図である。図29~図32では、ヒンジユニット5はハンドル4と表示パネル3とに対して固定され、表示パネル3は信号ケーブル6を介して装置本体2に電気的に接続されている。
まず、第1の撮影位置は、本体ユニット100のハンドル4の横(左側方)で表示パネル3の表示部31を撮影者側に対向させた配置である。図29(a)、(b)、(c)はそれぞれ、本体ユニット100の斜視図、光軸Aに沿って被写体側から見た図、上面図である。可撓部61は、ヒンジユニット5に設けられたクランプ部材567に保持され、それにより可撓部61がレンズ鏡筒1に接触したり画角内に入ったりすることが回避される。回動軸511aは光軸Aに略平行であり、回動軸513aは表示パネル3の長手方向に略平行である。回動軸513aは、側面351と側面353とに略直交し且つ表示部31(の表示面)に略平行である。回動軸512aは回動軸511aと回動軸513aの両方に対して常に略直交する。
図29(c)に示すように、信号ケーブル6は側面353に向かって背面32に略平行に延伸する。従って、例えば仮に背面32に垂直方向に信号ケーブル6を延伸させた場合(符号612で示す)のように、可撓部61が表示パネル3から突出せず、可撓部61の占有領域が小さくて済む。
図30(a)、(b)はそれぞれ、第2の撮影位置における本体ユニット100の斜視図、光軸Aに沿って被写体側から見た図である。第2の撮影位置では、表示パネル3はハンドル4の上方に位置する。第1の撮影位置から、腕部54を回動軸511aを中心として図30(b)に示すC方向(被写体側から見て反時計方向)に180°回動させると第2の撮影位置に遷移する。
図29(b)に示すように、上下方向において、本体ユニットの上端位置(ハンドル4の上面43)と回動軸511aの中心位置との距離をL1とする。また、表示パネル3が第1の撮影位置に位置するとき、上下方向において、表示パネル3の上端位置(ここでは側面352)と回動軸511aの中心位置との距離をL2とする。ここで、距離L1は距離L2と略等しく、略一致する(L1≒L2)。従って、回動軸511aを中心に表示パネル3を180°回動させて第2の撮影位置としたとき、表示パネル3の下端位置(ここでは側面352)をハンドル4の上端位置(上面43)に近接させることができる(図30(b))。これにより、上下方向における撮像システム全体の小型化が図られている。なお、上下方向において、ヒンジユニット5のベースユニット56の上端とハンドル4の上面43の位置は略等しい。
撮影者は、簡単な単一操作にて、第1の撮影位置と第2の撮影位置とに表示パネル3を遷移させることができる。また、回動軸511a周りの回動に関し、側面351は自由端部となる。この自由端部の近傍に接続端子34が配置されたので、可撓部61の占有領域が小さくて済む。仮に接続端子34が他の位置(例えば、図30(b)に符号342で示す位置)に配置された場合は、可撓部61が表示パネル3から突出し(図30(b)に符号613で示す)、可撓部61の占有領域が大きくなると共に可撓部61が扱い難くなってしまう。
ところで、板金部材562のスリット形状563(図2(c))の長さLの範囲でヒンジサブユニット57を移動させることで、第1、第2の撮影位置において左右方向におけるハンドル4と表示パネル3との相対的位置を調整できる。例えば、第2の撮影位置において左右方向におけるハンドル4の中心44と表示部31の長手方向における表示部31の中心317とを略一致させることが可能である。ハンドル4の中心44は光軸Aと一致するよう設計されている。従って、撮影者はハンドル4の把持位置と光軸Aと表示部31の中心317とを略一致させた配置で撮影が可能となる。
なお、図29(b)に示すように、表示パネル3が第1の撮影位置にあるとき、回動軸511aは、表示パネル3の上端位置(ここでは側面352)より上に位置し、左右方向において側面353よりも光軸Aに近い側に位置する。また、表示パネル3が第1の撮影位置にあるとき、左右方向において回動軸512aは回動軸511aよりも光軸Aに近い側に位置する。また、図29(c)に示すように、3つの回動軸部材については、被写体側から回動軸部材513、512、511の順に位置する。
図31(a)、(b)、(c)はそれぞれ、第1の収納位置における本体ユニット100の斜視図、左側面図、左側面図である。第1の収納位置では、表示パネル3はハンドル4の上方に位置し、且つ表示部31がベースユニット56及びハンドル4に対向する。第2の撮影位置(図30)から、腕部52を、回動軸513aを中心として図31(b)に示すD方向(左方から見て時計方向)に回動させると第1の収納位置に遷移する。仮に、背面32に対して垂直方向に信号ケーブル6を延伸させた場合、可撓部61が大きく突出する(図31(b)に符号614で示す)。しかし、本実施の形態では信号ケーブル6は背面32と略平行に側面353に向かって延伸している。そのため、回動軸513aを中心に信号ケーブル6が回動する際の可撓部61の占有領域が小さくて済む。
なお、回動軸511a、512a、513aはそれぞれ一定のトルクを持ち、任意の位置で表示パネル3を保持できる。従って、図31(c)に示すように、第2の撮影位置と第1の収納位置との間で表示パネル3を保持することも可能であり、そのようにして指掛け部42を露出させることで、撮影者が手でハンドル4を把持して持ち運びし易い。
図32(a)、(b)はそれぞれ、第2の収納位置における本体ユニット100の斜視図、上面図である。第2の収納位置では、表示部31がハンドル4の横(左側方)に位置し、且つハンドル4に対向する。第1の撮影位置(図29)から、腕部53を、回動軸512aを中心として図32(b)に示すE方向(上方から見て反時計方向)に回動させると第2の収納位置に遷移する。仮に、背面32に対して垂直方向に信号ケーブル6を延伸させた場合、可撓部61が表示パネル3から大きく突出する(図32(b)に符号615で示す)。しかし、本実施の形態では信号ケーブル6は背面32と略平行に側面353に向かって延伸している。そのため、回動軸512aを中心に信号ケーブル6が回動する際の可撓部61の占有領域が小さくて済む。
また、回動軸512a周りの回動に関し、側面351は自由端部となる。この自由端部の近傍に接続端子34が配置されたので、可撓部61の占有領域が小さくて済む。例えば、仮に接続端子34が他の位置(図32(b)に符号343で示す位置)に配置された場合、可撓部61が表示パネル3から突出し(図32(b)に符号616で示す)、可撓部61の占有領域が大きくなると共に可撓部61が扱い難くなってしまう。
本実施の形態によれば、凸部38の接続端子34に接続された信号ケーブル6が、表示パネル3の背面32に沿って固定部331のある方向(側面353側)へ延伸するよう配設される。これにより、表示パネル3の回動時における信号ケーブル6の占有領域を小さくすると共に信号ケーブル6を扱い易くすることができる。また、接続端子34に対する信号ケーブル6の挿抜方向は背面32に略平行であるので、表示パネル3の厚み方向に関する占有領域を小さくすることができる。なお、信号ケーブル6が盛上部321を避けて延伸するように、信号ケーブル6の引き出し方向は背面32に対して勾配36を有するので、盛上部321と信号ケーブル6との干渉は回避される。
また、固定部331は、表示部31に垂直な方向から見て表示部31と重なるので、表示パネル3の長手方向の長さを短くできる。なお、この観点からは、固定部331の少なくとも一部が表示部31と重なる構成であってもよい。
また、距離L1は距離L2と略等しいので(図29(b))、第2の撮影位置(図30)において表示パネル3の下端位置をハンドル4の上端位置に近接可能にし、撮像システムを上下方向にコンパクトにすることができる。
また、ユーザは、表示パネル3を、回動軸511aを中心として回動させることで、本体ユニット100の側方(第1の撮影位置)と上方(第2の撮影位置)とに遷移可能であるので、回動操作が単一で簡単である。
また、凸部38及び信号ケーブル6と素子391とは、表示部31に垂直な方向から見て重なるので、高熱部分に身体が触れにくくすることができる。なお、この観点からは、高温となる領域と、凸部38、信号ケーブル6の可撓部61、信号ケーブル6の把持部62のいずれかの要素との少なくとも一部分同士が、表示部31に面直な方向の投影で重なる構成とすればよい。また、主発熱部は信号を処理するための素子391に限定されない。
なお、表示パネル3の回動時における信号ケーブル6の占有領域を小さくすると共に信号ケーブル6を扱い易くするという効果を得る観点に限れば、ヒンジユニット5は、少なくとも1つの回動軸を有する構成であればよい。
なお、上記説明した撮像システムの一部または全部を左右対称に構成したものを本発明の撮像システムとしてもよい。例えば、第1の撮影位置、第1の収納位置では、表示パネル3は本体ユニット100のハンドル4の左側方に位置するとしたが、右側方に位置する構成としてもよい。
なお、本体ユニット100にハンドル4は必須でない。従って、ヒンジユニット5は装置本体2に連結可能であってもよい。なお、アクセサリ群の例としては、表示パネル3に限らず、照明ユニットなどの使用時に外装カバーの温度上昇を伴うアクセサリ類にも本発明を適用可能である。
(第5の実施形態)
次に、図33乃至図39を参照して、本発明の第5の実施形態に係る撮像システムについて説明する。なお、上記第4の実施形態と重複する部分については、符号を流用して説明する。
図33は、本発明の第5の実施形態に係る撮像システムの分解斜視図である。図34は、装置本体2を上部から見た斜視図である。図35は、ハンドル4を下部から見た斜視図である。図36は、ヒンジベース56の複数の谷形状部5691とネジ穴5692を示す斜視図である。図37は、ヒンジサブユニット57は腕部55に設けた複数の山形状部551とネジ部552を示す斜視図である。図38は、表示パネルユニット3を取り付けたヒンジサブユニット57を装置本体2に直接取り付けた状態を示す斜視図である。図39は、図38の状態から表示パネル3を開閉方向に180°回動させるとともに、回転方向に180°回転させた状態を示す斜視図である。
本実施形態の撮像システムは、図33に示すように、ネジ締結によって、装置本体2、ハンドル4、ベースユニット56、ヒンジサブユニット57および表示パネル3が分離合体可能である。図34及び図35に示すように、ハンドル4は、ハンドル下部45に設けた複数の山形状部451と装置本体2の上部25に設けた複数の谷形状部251が係合して、装置本体2に対して位置決めされ、ネジ部441をネジ穴252に締結することで固定される。
また、図36及び図37に示すように、ヒンジサブユニット57は、腕部55に設けた複数の山形状部551とヒンジベース56に設けた複数の谷形状部5691が係合して、ヒンジベース56に対して位置決めされ、ネジ部552をネジ穴5692に締結される。これにより、ヒンジサブユニット57がヒンジベース56に固定される。ここで、山形状部451と山形状部551は同じ形状であり、ヒンジサブユニット57を装置本体2に対して位置決めし、ネジ部552で締結して取り付けることが可能である。
図38は、表示パネル3を取り付けたヒンジサブユニット57を装置本体2に直接取り付けた状態を示しており、信号ケーブル6は、表示パネル3とヒンジサブユニット57の姿勢に合わせて、柔軟に配置することが可能である。
また、図39は、図38の状態から、回転軸513aを中心に腕部52を180°回転させ、回転軸512aを中心に腕部53を180°回転させた状態を示している。このように、表示パネル3およびヒンジサブユニット57を装置本体2に直接取り付けた場合でも、様々な配置が可能である。その他の構成、及び作用効果は、上記第4の実施形態と同様である。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。