JP7109472B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、低燃費性を向上した、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。そのため、タイヤトレッド等、タイヤ部材に使用するタイヤ用ゴム組成物として、tanδが低く、低発熱性に優れたものが望まれている。なお、低発熱性は低転がり抵抗性、さらには低燃費化につながる性能である。
また、省エネルギーという観点からは、タイヤそのものの生産にかかる資源の使用量の削減も含まれる。低発熱性に加えて、耐摩耗性も改善できる技術の開発が望まれている。例えば特許文献1では、ゴム成分とカーボンブラックとの相互作用を向上させることを目的として、天然ゴムを含むエラストマーに、カーボンブラック及び特定のヒドラジド化合物を配合したゴム組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、低発熱性が十分達成できておらず、更なる改善が必要であった。
特表2014-501827号公報
低燃費性に優れたタイヤ用ゴム組成物と該タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤが望まれる。
天然ゴムと、充填材と親和性を有する官能基を1種以上有する変性ジエン系重合体を含むゴム成分と、カーボンブラックを含む充填材と、分散剤を含有することで、その分散効果が高められていることにより、低発熱性に優れたタイヤ用ゴム組成物および、そのタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
すなわち本発明は次の(1)~(8)に存する。
(1) 天然ゴム、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して30~80質量部の充填材を含有し、前記充填材中にカーボンブラックを含有し、以下の式(I)で示される化合物を含む、タイヤ用ゴム組成物。
Figure 0007109472000001

(式中、Aは、アリール基であり、少なくとも2つの極性基を有し、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基であり、さらに、該置換基は、O、S及びN原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。)
(2) 前記ゴム成分100質量部に対して、前記式(I)で示される化合物を0.1~10質量部含有する、(1)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 前記充填材中における、カーボンブラックが占める割合が、60質量%以上である(1)又は(2)に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 前記ゴム成分は、前記天然ゴムを60~90質量%、前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体を10~40質量%含有する、(1)~(3)のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 前記カーボンブラックの水素放出量が0.37質量%以上である、(1)~(4)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6) 前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体が、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体である、(1)~(5)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(7) 前記変性共役ジエン系重合体が変性ポリブタジエンである、(1)~(6)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(8) 前記充填材中にシリカを含有し、充填材中のシリカの含有割合が10~40質量%である、(1)~(7)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(9) (1)~(8)のいずれか1つに記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
(1)により、天然ゴム相、変性共役ジエン系重合体ゴム相ともに、充填材、特にカーボンブラックの分散が良好であり、低発熱性に優れたタイヤ用ゴム組成物が得られる。
(2)~(5)、(8)により、低発熱性を実現するための、配合組成が具体的に示される。
(6)~(7)により、低発熱性を実現するための、具体的な変性共役ジエン系共重体が具体的に示される。
(9)により、低発熱性に優れたタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤが得られる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、変性共役ジエン系重合体相では、共役ジエン系重合体に導入された変性基により、天然ゴム相では、分散剤の配合により充填材、特にカーボンブラックの良好な分散を実現し、低発熱性に優れたタイヤ用ゴム組成物として得られたものである。
<<ゴム成分>>
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴムと変性共役ジエン重合体を含む。前記ゴム成分は天然ゴムを好適には60~90質量%、さらに好適には70~90質量%含む。また、前記ゴム成分は変性共役ジエン重合体を好適には10~40質量%、さらに好適には10~30質量%含む。
ゴム成分中の天然ゴム含有量を、好適には60質量%以上、さらに好適には70質量%以上とすることで、優れた低発熱性と耐摩耗性を得ることができる。天然ゴムは、末端、主鎖や側鎖に極性官能基を導入して得られた、変性天然ゴムを用いてもよい。
一方、ゴム成分中の変性共役ジエン共重合体ゴム含有量を、好適には10質量%以上とすることで、安定した充填材の分散性が実現できる。
<<変性共役ジエン系重合体>>
本発明に係る変性共役ジエン系重合体は、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する。
炭素及び水素以外の原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、半金属原子及び金属原子から選ばれる1種以上の原子が好ましい。ここで、半金属原子としては、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン及びテルルから選ばれる1種以上の原子が好ましく、ホウ素、ケイ素及びゲルマニウムから選ばれる1種以上の原子がより好ましく、ケイ素が特に好ましい。金属原子としては、スズ、チタン、ジルコニウム、ビスマス及びアルミニウムから選ばれる1種以上の原子が好ましく、スズ及びチタンから選ばれる1種以上の原子がより好ましく、スズが特に好ましい。
炭素及び水素以外の原子を有する官能基は、炭素及び水素以外の原子を有する化合物の残基である。炭素及び水素以外の原子を有する化合物が変性剤として共役ジエン系重合体の活性末端と反応して変性共役ジエン系重合体を形成してもよい。また、炭素及び水素以外の原子を有する化合物としてを窒素含有化合物がアルカリ金属と反応させ、アニオン重合の重合開始剤を形成し、共役ジエン系重合体の開始末端に窒素含有化合物残基を有する変性共役ジエン系重合体を形成してもよい。
共役ジエン系重合体の活性末端と反応する変性剤としては、以下の、スズ化合物、窒素及びケイ素含有化合物、酸素及びケイ素含有化合物、硫黄及びケイ素含有化合物及び窒素含有化合物から選ばれる1種以上の変性剤が挙げられる。
スズ化合物としては、四塩化スズ及びトリブチル塩化スズから1種以上選ばれるスズ化合物が好適に例示される。
上記窒素原子を含む変性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、変性官能基として下記一般式(II)で表される置換アミノ基、下記一般式(III)で表される環状アミノ基、などが挙げられる。
Figure 0007109472000002

(式中、R11は、1~12個の炭素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基、又はアラルキル基である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、又はイソブチル基が好ましく、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましく、アラルキル基としては、3-フェニル-1-プロピル基が好ましい。各々のR11は、同種のものであっても異種のものであってもよい。)
Figure 0007109472000003

(式中、R12基は、3~16個のメチレン基を有する、アルキレン基、置換アルキレン基、オキシ-アルキレン基又はN-アルキルアミノ-アルキレン基である。ここで、置換アルキレン基は、一置換から八置換されたアルキレン基を含む。置換基の例としては、1~12個の炭素原子を有する、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基が挙げられる。ここで、アルキレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、及びドデカメチレン基が好ましく、置換アルキレン基としては、ヘキサデカメチレン基が好ましく、オキシアルキレン基としては、オキシジエチレン基が好ましく、N-アルキルアミノ-アルキレン基としては、N-アルキルアザジエチレンが好ましい。)
上記一般式(II)で表される置換アミノ基の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジイソブチルアミノ基等の置換アミノ基が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記一般式(III)で表される環状アミノ基の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、環状アミノ基として、
1-アザシクロヘプタン-1-イル基、すなわちヘキサメチレンイミノ基、
2-(2-エチルヘキシル)ピロリジル基、
3-(2-プロピル)ピロリジル基、3,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピペリジル基、4-フェニルピペリジル基、7-デシル-1-アザシクロトリデカン-1-イル基、
3,3-ジメチル-1-アザシクロテトラデカン-1-イル基、
4-ドデシル-1-アザシクロオクタン-1-イル基、
4-(2-フェニルブチル)-1-アザシクロオクタン-1-イル基、
3-エチル-5-シクロヘキシル-1-アザシクロヘプタン-1-イル基、
4-ヘキシル-1-アザシクロヘプタン-1-イル基、9-イソアミル-1-アザシクロヘプタデカン-1-イル基、2-メチル-1-アザシクロヘプタデセ-9-エン-1-イル基、
3-イソブチル-1-アザシクロドデカン-1-イル基、
2-メチル-7-t-ブチル-1-アザシクロドデカン-1-イル基、
5-ノニル-1-アザシクロドデカン-1-イル基、
8-(4’-メチルフェニル)-5-ペンチル-3-アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン-3-イル基、
1-ブチル-6-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル基、
8-エチル-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル基、
1-プロピル-3-アザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル基、
3-(t-ブチル)-7-アザビシクロ[4.3.0]ノナン-7-イル基、
1,5,5-トリメチル-3-アザビシクロ[4.4.0]デカン-3-イル基、などが挙げられる。環状アミノ基は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ケイ素原子を含む変性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、下記一般式(IV)で表されるカップリング剤を用いて形成される、ケイ素-炭素結合を有する変性官能基、などが挙げられる。
上記共役ジエン系重合体とケイ素とを、ケイ素-炭素結合を介して化学的に結合させることにより、ゴム組成物と充填剤との親和性を高め、ゴム組成物に良好な耐摩耗性及び高補強性を付与できる点で好ましい。
一般的に、ケイ素は、単にゴム組成物中に混合された場合、その重合体との親和性の低さに起因して、ゴム組成物の補強性等は低い。しかしながら、共役ジエン系重合体とケイ素とを、ケイ素-炭素結合を介して化学的に結合させることにより、ゴム組成物と充填剤との親和性を高め、ゴム組成物に良好な耐摩耗性及び高補強性を付与することができる。
Figure 0007109472000004

(式中、Zはケイ素であり、R13はそれぞれ独立して、1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~20個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6~20個の炭素原子を有するアリール基、及び7~20個の炭素原子を有するアラルキル基からなる群から選択される。R14はそれぞれ独立して塩素又は臭素である。a1は0~3の整数、a2は1~4の整数であり、且つa1+a2=4である。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基、及び2-エチルヘキシルが好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。アラルキル基としては、ネオフィル基が好ましい。各々のR13は、同種のものであっても異種のものであってもよい。各々のR14は、同種のものであっても異種のものであってもよい。)
ケイ素を用いたカップリング剤の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロカルビルオキシシラン化合物、SiCl(四塩化ケイ素)、(R13)SiCl、(R13SiCl、(R13SiCl、などが挙げられる。
ケイ素を用いたカップリング剤の中でも、ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、シリカに対して高い親和性を有する観点から好ましい。
前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物を挙げることができる。
Figure 0007109472000005

一般式(V)中、n1+n2+n3+n4=4、但し、n2は1~4の整数であり、n1、n3及びn4は0~3の整数である。Aは、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、イソシアナート基、チオイソシアナート基、エポキシ基、チオエポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、ケトン基、チオケトン基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、アミド基、カルボン酸エステル基、チオカルボン酸エステル基、カルボン酸エステルの金属塩、チオカルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基である。n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、Aは、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であってもよい。R21は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。R23は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。R22は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。R22は、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していてもよく、n2が2以上の場合には、互いに同一もしくは異なっていてもよい。或いは、複数のR22は、一緒になって環を形成してもよい。R24は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
前記加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基又は前記加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert-ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
なお、「炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基」とは、「炭素数1~20の一価の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数3~20の一価の脂環式炭化水素基」をいう。二価の炭化水素基の場合も同様である。
さらに、前記一般式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 0007109472000006

一般式(VI)中、p1+p2+p3=2、但し、p2は1~2の整数、p1及びp3は0~1の整数である。Aは、NRa或いは、硫黄であり、Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert-ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。R25は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。R26は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、いずれも窒素原子及び/又はケイ素原子を含有していてもよく、p2が2の場合には、2つのR26は、互いに同一もしくは異なり、或いは、一緒になって環を形成してもよい。R27は、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子である。R28は、炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。
さらに、前記一般式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VII)又は(VIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 0007109472000007

一般式(VII)中、q1+q2=3、但し、q1は0~2の整数、q2は1~3の整数である。R31は炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。R32及びR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。R34は炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。q1が2の場合には同一でも異なっていてもよい。R35は炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には複数のR35は同一でも異なってもよい。
Figure 0007109472000008

一般式(VIII)中、r1+r2=3、但し、r1は1~3の整数であり、r2は0~2の整数である。R36は炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基である。R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。r1が2以上の場合には複数のR37は同一でも異なっていてもよい。R38は炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。r2が2の場合には2つのR38は同一でも異なっていてもよい。
また、本発明で用いる変性剤は、下記一般式(IX)又は(X)で表される複数の窒素原子を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 0007109472000009

前記一般式(IX)中、TMSはトリメチルシリル基を表す。R40はトリメチルシリル基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。R41は炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基である。R42は炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。
Figure 0007109472000010

前記一般式(X)中、TMSはトリメチルシリル基である。R43及びR44はそれぞれ独立して炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。R45は炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。複数のR45は、同一でも異なっていてもよい。
また、前記一般式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(XI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 0007109472000011

前記一般式(XI)中、s1+s2=3、但し、s1は0~2の整数であり、s2は1~3の整数である。TMSはトリメチルシリル基を表す。R46は炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。R47及びR48はそれぞれ独立して炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。複数のR47又はR48は、同一でも異なっていてもよい。
さらに、本発明で用いる変性剤は、下記一般式(XII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 0007109472000012

前記一般式(XII)中、Xはハロゲン原子を表す。R49は炭素数1~20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の二価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。R50及びR51はそれぞれ独立して加水分解性基又は炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。或いは、R50及びR51は結合して二価の有機基を形成していてもよい。R52及びR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、炭素数1~20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6~18の一価の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である。R50及びR51としては、加水分解性基であることが好ましい。加水分解性基として、トリメチルシリル基又はtert-ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
一般式(XII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては
1-トリメチルシリル-2,2-ジメトキシ-1-アザ-2-シラシクロペンタン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン及び
N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシランから選ばれる保護された第一級アミノ基を有するシラン化合物が好適に例示され、
N-メチル-N-トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン、
N-メチル-N-トリメチルシリルアミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン、
N-トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン-2-イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、
N-トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン-2-イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、
N-トリメチルシリル(ピロリジン-2-イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N-トリメチルシリル(ピロリジン-2-イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N-トリメチルシリル(ピペリジン-2-イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、N-トリメチルシリル(ピペリジン-2-イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、N-トリメチルシリル(イミダゾール-2-イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン、
N-トリメチルシリル(イミダゾール-2-イル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、
N-トリメチルシリル(4,5-ジヒドロイミダゾール-5-イル)プロピル(メチル)ジメトキシシラン及び
N-トリメチルシリル(4,5-ジヒドロイミダゾール-5-イル)プロピル(メチル)ジエトキシシランから選ばれる保護された第二級アミノ基を有するシラン化合物が好適に例示される。
また、酸素及びケイ素含有化合物としては、
2-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
2-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、
(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン及び
2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランから1種以上選ばれるエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が好適に例示される。硫黄及びケイ素含有化合物としては、上記エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物のエポキシ基をチオエポキシ基に置換した置き換えたチオエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が好適に例示される。窒素含有化合物としては、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン及び4-ジメチルアミノベンジリデンアニリンから1種以上選ばれる化合物が好適に例示される。
炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体は、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体であることが好ましい。
発明に係る変性共役ジエン系重合体を形成する変性前の共役ジエン系重合体は、共役ジエン系単量体1種を重合してなる共役ジエン系単独重合体でも良いし、単量体2種以上を重合してなる共役ジエン系共重合体でも良い。共役ジエン系共重合体としては、共役ジエン系単量体2種以上を重合してなるものであっても良いし、共役ジエン系単量体1種以上と芳香族ビニル化合物1種以上とを共重合してなるものであっても良い。
共役ジエン系単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの中で、1,3-ブタジエン、イソプレン及び2,3-ジメチル-1,3-ブタジエンが特に好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロへキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレンなどが挙げられる。芳香族ビニル化合物の中で、スチレンが特に好ましい。
発明に係る変性共役ジエン系重合体を形成する変性前の共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエンゴム;BR、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム;SBR、ポリイソプレンゴム;IR、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴム;IBR、スチレン-イソプレン共重合体ゴム;SIRなどの共役ジエン系重合体が好ましい。タイヤトレッド性能向上の観点からポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムがより好ましく、ポリブタジエンゴムが特に好ましい。
発明に係る共役ジエン系重合体の重合方法としては、アニオン重合でもよいし、配位重合でもよい。
共役ジエン系重合体をアニオン重合により得る場合、重合開始剤としては、アルカリ金属化合物が用いられるが、リチウム化合物が好ましい。
重合開始剤のリチウム化合物としては、特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウム及びリチウムアミド化合物が好ましく用いらる。前者のヒドロカルビルリチウムを用いる場合には、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
上記ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2~20のヒドロカルビル基を有するものが好ましい。例えばヒドロカルビルリチウムとしてエチルリチウム、n-プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-オクチルリチウム、n-デシルリチウム、フェニルリチウム、2-ナフチルリチウム、2-ブチル-フェニルリチウム、4-フェニル-ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロベンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応性生物などが挙げられる。ヒドロカルビルリチウムの中で、特にn-ブチルリチウムが好適である。
また、例えばリチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ-2-エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム-N-メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドなどが挙げられる。リチウムアミド化合物の中で、カーボンブラックに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、リチウムヘキサメチレンイミド及びリチウムピロリジドがより好適である。
重合開始剤として、リチウムヘキサメチレンイミドを用いると、共役ジエン系重合体の開始末端に、炭素及び水素以外の原子を有する官能基として、窒素含有化合物残基であるヘキサメチレンイミノ基を有する変性共役ジエン系重合体が得られるので、さらに好ましい。
本発明において、共役ジエン系重合体の開始末端に窒素含有化合物残基を有し、かつ共役ジエン系重合体の活性末端にスズ化合物残基、窒素及びケイ素含有化合物残基、酸素及びケイ素含有化合物残基、硫黄及びケイ素含有化合物残基及び窒素含有化合物残基から選ばれる1種以上の化合物残基を有する変性共役ジエン系重合体は、転がり抵抗をより低減し、より改良する観点から、さらに好ましい。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3~8のものが好ましく、例えばプロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、シス-2-ブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、1-へキセン、2-へキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭化水素系溶剤を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン-スチレン共重合体におけるミクロ構造としてブタジエン部分の1,2結合、イソプレン重合体における3,4結合の増加など、あるいは共役ジエン化合物-芳香族ビニル化合物共重合体における単量体単位の組成分布の制御、例えばブタジエンースチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位の組成分布のランダム化などの作用を有する化合物のことである。
このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイサーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ランダマイサーとしてジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2-ビス(2-テトラヒドロフリル)-プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、1,2-ジピぺリジノエタンなどのエーテル類及び三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム-tert-アミレート、カリウム-tert-ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム-tert-アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、リチウム化合物1mol当たり、好ましくは0.01~1000mol当量の範囲で選択される。
この重合反応における温度は、好ましくは0~150℃、より好ましくは20~130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができる。通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができる。例えば高い圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
一方、希土類金属化合物を重合開始剤として、配位重合で当該変性共役ジエン系重合体を製造する場合は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分を組み合わせて用いるのが更に好ましい。
上記配位重合に用いる(a)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等の化合物から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β-ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等の希土類金属化合物が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等のルイス塩基が挙げられる。上記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムである希土類元素が好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(a)成分として、具体的には、ネオジムトリ-2-エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn-ブトキシド等の希土類金属化合物が挙げられる。これら(a)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記配位重合に用いる(b)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R60 Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R60 AlH又はR60AlHで表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、R60は、それぞれ独立して炭素数1~30の炭化水素基である)、炭素数1~30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。具体的には、該有機アルミニウム化合物として、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(b)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
上記配位重合に用いる(c)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等の化合物から選択される。かかる(c)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル、塩化t-ブチル、臭化ベンジル、臭化t-ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等の化合物が挙げられる。これら(c)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記の(a)、(b)、(c)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(a)成分又は(c)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。上記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(a)成分は単量体100g当たり0.001~0.5ミリモル(mmol)である。また、モル比で(b)成分/(a)成分は5~1,000、(c)成分/(a)成分は0.5~10が好ましい。
上記配位重合における重合温度は、-80~150℃の範囲が好ましく、-20~120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができる。反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様である。反応に使用する原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
当該変性共役ジエン系重合体としては、有機アルカリ金属化合物、特にアルキルリチウムを用いてアニオン重合してなるものが好ましい。
上記配位重合による共役ジエン重合体は、前記重合工程によって得られた重合体を、変性剤を用いて変性させて、末端変性共役ジエン重合体を得る。この末端変性工程は、前記重合工程と同じ反応系で行ってもよい。すなわちワンポットの反応で行ってもよい。
前記末端変性工程に用いられる変性剤は、活性有機金属部位を有している重合体に対して、該活性有機金属部位と置換反応又は付加反応を行いうる官能基を有し、かつ該活性有機金属部位を失活させるような活性プロトンを含まない化合物を反応させることによって重合体に官能基が付与される。又はカップリングによる分子量上昇が施される。
代表的な変性剤としては、アザシクロプロパン基、ケトン基,カルボキシル基、チオカルボキシル基、炭酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸金属塩、酸ハロゲン化物、ウレア基、チオウレア基、アミド基、チオアミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、ハロゲン化イソシアノ基、エポキシ基、チオエポキシ基、イミン基、及びM-Z結合(ただしMはSn、Si、Ge,P、Zはハロゲン原子)の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を含み、且つ前記活性有機金属部位を失活させるような活性プロトン及びオニウム塩を含まないものが好ましい。
さらに、具体的には、前記変性剤は、下記(d)~(q)の化合物の中から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
化合物(d)は、下記一般式(XIII)で表される化合物である。
Figure 0007109472000013

上記式中、X~Xは水素原子、あるいはハロゲン原子、カルボニル基、チオカルボニル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、エポキシ基、チオエポキシ基、ハロゲン化シリル基、ヒドロカルビルオキシシリル基及びスルホニルオキシ基の中から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ活性プロトン及びオニウム塩を含まない一価の官能基を示す。X~Xは互いに同一でも異なっていてもよく、X~Xの少なくとも1つは水素原子ではない。
61~R65は、それぞれ独立に単結合又は炭素数1~18の二価の炭化水素基を示す。この二価の炭化水素基としては、例えば炭素数1~18のアルキレン基、炭素数2~18のアルケニレン基、炭素数6~18のアリーレン基、炭素数7~18のアラルキレン基などの二価の炭化水素基が挙げられる。二価の炭化水素基の中で、炭素数1~18のアルキレン基、特に炭素数1~10のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などのアルキレン基が挙げられる。
また、X~X及びR61~R65のいずれかを介して複数のアジリジン環が結合していてもよい。
また、化合物(d)は、前記一般式(XIII)において、X=水素原子及びR61=単結合を同時に満たさないものであることが好ましい。
前記一般式(XIII)で表される変性剤としては、例えば
1-アセチルアジリジン、1-プロピオニルアジリジン、1-ブチリルアジリジン、
1-イソブチリルアジリジン、1-バレリルアジリジン、1-イソバレリルアジリジン、1-ピバロイルアジリジン、1-アセチル-2-メチルアジリジン、
2-メチル-1-プロピオニルアジリジン、1-ブチリル-2-メチルアジリジン、
2-メチル-1-イソブチリルアジリジン、2-メチル-1-バレリルアジリジン、
1-イソバレリル-2-メチルアジリジン、2-メチル-1-ピバロイルアジリジン、
エチル3-(1-アジリジニル)プロピオネート、
プロピル3-(1-アジリジニル)プロピオネート、
ブチル3-(1-アジリジニル)プロピオネート、
エチレングリコールビス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、
トリメチロールプロパントリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、
エチル3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート、プロピル
3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート、
ブチル3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート、
エチレングリコールビス[3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート]、
トリメチロールプロパントリス[3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、
ネオペンチルグリコールビス[3-(2-メチル-1-アジリジニル)プロピオネート]、ジ(1-アジリジニルカルボニル)メタン、
1,2-ジ(1-アジリジニルカルボニル)エタン、
1,3-ジ(1-アジリジニルカルボニル)プロパン、
1,4-ジ(1-アジリジニルカルボニル)ブタン、
1,5-ジ(1-アジリジニルカルボニル)ペンタン、
ジ(2-メチル-1-アジリジニルカルボニル)メタン、
1,2-ジ(2-メチル-1-アジリジニルカルボニル)エタン、
1,3-ジ(2-メチル-1-アジリジニルカルボニル)プロパン、
1,4-ジ(2-メチル-1-アジリジニルカルボニル)ブタンなどの変性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、化合物(e)としては、R66 n11M’Z 4-n11又はM’Z 、M’Z で表される、ハロゲン化有機金属化合物又は金属ハロゲン化物が挙げられる。
(式中、R66は同一又は異なり、炭素数1~20の炭素原子を含む炭化水素基をあらわす。M’はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子を表す。Zはハロゲン原子をあらわす。n11は0~3の整数である)。
上記式中、M’がスズ原子の場合には、化合物(e)としては、例えば
トリフェニルスズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリイソプロピルスズクロリド、トリヘキシルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、ジフェニルスズジクロリド、
ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、
フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド、
四塩化スズなどの化合物が挙げられる。
また、上記式中、M’がケイ素原子の場合には、化合物(e)としては、例えば
トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、
トリブチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、フェニルクロロシラン、
ヘキシルトリジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、
メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素などの化合物が挙げられる。
さらに、上記式中、M’がゲルマニウム原子の場合には、化合物(e)としては、例えばトリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、
ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド、
四塩化ゲルマニウムなどの化合物が挙げられる。さらに、上記式中、M’がリン原子の場合には、化合物(e)としては、例えば三塩化リンなどの化合物が挙げられる。
また、前記化合物(e)として、下記式で表されるエステル基、又はカルボニル基を分子中に含んだ、有機金属化合物を変性剤として使用することもできる。
67 n11M’(-R68-COOR694-n11
67 n11M’(-R68-COR694-n11
(式中、R67~R68は同一又は異なり、炭素数1~20の炭素原子を含む炭化水素基、R69は炭素数1~20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよい。M’はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子を表す。Zはハロゲン原子を表す。n11は0~3の整数である)
なお、これらの化合物(e)は、任意の割合で併用してもよい。
化合物(f)は、ヘテロクムレン化合物であり、分子中に、Y=C=Y’結合を有する変性剤である。
上記式中、Yは炭素原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子、Y’は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子である。ここで、化合物(f)のうち、Yが炭素原子、Y’が酸素原子の場合、ケテン化合物である。Yが炭素原子、Y’が硫黄原子の場合、チオケテン化合物である。Yが窒素原子、Y’が酸素原子の場合、イソシアナート化合物である。Yが窒素原子、Y’が硫黄原子の場合、チオイソシアナート化合物である。Y及びY’がともに窒素原子の場合、カルボジイミド化合物である。Y及びY’がともに酸素原子の場合、二酸化炭素である。Yが酸素原子、Y’が硫黄原子の場合、硫化カルボニルである。Y及びY’がともに硫黄原子の場合、二硫化炭素である。しかしながら、化合物(f)は、前記Y及びY’の組み合わせに限定されるものではない。
このうち、ケテン化合物としては、例えばエチルケテン、ブチルケテン、フェニルケテン、トルイルケテンなどのケテン化合物が挙げられる。
チオケテン化合物としては、例えばエチレンチオケテン、ブチルチオケテン、フェニルチオケテン、トルイルチオケテンなどのチオケテン化合物が挙げられる。
イソシアナート化合物としては、例えばフェニルイソシアナート、
2,4-トリレンジイソシアナート、2,6-トリレンジイソシアナート、
ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなどのイソシアナート化合物が挙げられる。
チオイソシアナート化合物としては、例えばフェニルチオイソシアナート、
2,4-トリレンジチオイソシアナート、ヘキサメチレンジチオイソシアナートなどのチオイソシアナート化合物が挙げられる。
カルボジイミド化合物としては、例えばN,N’-ジフェニルカルボジイミド、
N,N’-エチルカルボジイミドなどのカルボジイミド化合物が挙げられる。
化合物(g)は、下記一般式(XIV)で表される結合を有するヘテロ3員環化合物である。
Figure 0007109472000014

(式中、Y’は、酸素原子又は硫黄原子である)
ここで、(g)成分のうち、例えばY’が、酸素原子の場合、エポキシ化合物であり、硫黄原子の場合、チイラン化合物である。ここで、エポキシ化合物としては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化天然ゴムのエポキシ化合物などが挙げられる。また、チイラン化合物としては、例えばチイラン、メチルチイラン、フェニルチイランなどのチイラン化合物が挙げられる。
化合物(h)は、ハロゲン化イソシアノ化合物である。
該ハロゲン化イソシアノ化合物は、下記一般式で表される結合を有する。
>N=C-X結合
(式中、Xはハロゲン原子である。)
化合物(h)であるハロゲン化イソシアノ化合物としては、例えば
2-アミノ-6-クロロピリジン、2,5-ジブロモピリジン、
4-クロロ-2-フェニルキナゾリン、2,4,5-トリブロモイミダゾール、
3,6-ジクロロ-4-メチルピリダジン、3,4,5-トリクロロピリダジン、
4-アミノ-6-クロロ-2-メルカプトピリミジン、
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン、
2-アミノ-4,6-ジクロロピリミジン、
6-クロロ-2,4-ジメトキシピリミジン、2-クロロピリミジン、
2,4-ジクロロ-6-メチルピリミジン、
4,6-ジクロロ-2-(メチルチオ)ピリミジン、
2,4,5,6-テトラクロロピリミジン、
2,4,6-トリクロロピリミジン、2-アミノ-6-クロロピラジン、
2,6-ジクロロピラジン、
2,4-ビス(メチルチオ)-6-クロロ-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン、
2-ブロモ-5-ニトロチアゾール、2-クロロベンゾチアゾール、
2-クロロベンゾオキサゾールなどのハロゲン化イソシアノ化合物が挙げられる。
化合物(k)は、R70-(COOH)m11 、R71(COZm11 、R72-(COO-R73)、R74-OCOO-R75、R76-(COOCO-R77m11、又は下記一般式(XV)で表される、カルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物である。
Figure 0007109472000015

(式中、R70~R78は同一又は異なり、炭素数1~50の炭素原子を含む炭化水素基、Zはハロゲン原子、m11は1~5の整数である)。
ここで、化合物(k)におけるカルボン酸としては、例えば酢酸、ステアリン酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、アクリル酸、メタアクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸、ポリメタアクリル酸エステル化合物又はポリアクリル酸化合物の全あるいは部分加水分解物などのカルボン酸が挙げられる。
前記化合物(k)における酸ハロゲン化物としては、例えば酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、ブタン酸クロリド、イソブタン酸クロリド、オクタン酸クロリド、アクリル酸クロリド、安息香酸クロリド、ステアリン酸クロリド、フタル酸クロリド、マレイン酸クロリド、オキサリン酸クロリド、ヨウ化アセチル、ヨウ化ベンゾイル、フッ化アセチル、フッ化ベンゾイルなどの酸ハロゲン化物が挙げられる。
前記化合物(k)におけるエステル化合物としては、例えば酢酸エチル、ステアリン酸エチル、アジピン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラオクチル、メリット酸ヘキサエチル、酢酸フェニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレートなどのエステル化合物が、また、炭酸エステル化合物としては、例えば炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジフェニルなどの酸エステル化合物が挙げられる。酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水ヘプタン酸、無水安息香酸、無水ケイ皮酸などの分子間の酸無水物や、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、スチレン-無水マレイン酸共重合体などの分子内の酸無水物が挙げられる。
なお、化合物(k)に挙げた化合物は、本発明の目的を損なわない範囲で、カップリング剤分子中に、例えばエーテル基、3級アミノ基などの非プロトン性の極性基を含むものであっても構わない。また、化合物(k)は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。さらに、化合物(k)は、フリーのアルコール基、フェノール基を含む化合物を不純物として含むものであってもよい。また、化合物(k)は、単独若しくはこれらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。
化合物(m)は、R79 k2M”(OCOR804-k2、R81 M”(OCO-R82-COOR834-k2、又は下記一般式(XVI)で表される、カルボン酸の金属塩である。
Figure 0007109472000016

(式中、R79~R85は同一又は異なり、炭素数1~20の炭素原子を含む炭化水素基、M”はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子、k2は0~3の整数である)。
ここで、化合物(m)におけるR79 k2M”(OCOR804-k2としては、例えば
トリフェニルスズラウレート、トリフェニルスズ-2-エチルヘキサノエート、
トリフェニルスズナフテート、トリフェニルスズアセテート、
トリフェニルスズアクリレート、トリ-n-ブチルスズラウレート、
トリ-n-ブチルスズ-2-エチルヘキサノエート、トリ-n-ブチルスズナフテート、
トリ-n-ブチルスズアセテート、トリ-n-ブチルスズアクリレート、
トリ-t-ブチルスズラウレート、トリ-t-ブチルスズ-2-エチルヘキサノエート、
トリ-t-ブチルスズナフテート、トリ-t-ブチルスズアセテート、
トリ-t-ブチルスズアクリレート、トリイソブチルスズラウレート、
トリイソブチルスズ-2-エチルヘキサノエート、トリイソブチルスズナフテート、
トリイソブチルスズアセテート、トリイソブチルスズアクリレート、
トリイソプロピルスズラウレート、トリイソプロピルスズ-2-エチルヘキサノエート、
トリイソプロピルスズナフテート、トリイソプロピルスズアセテート、
トリイソプロピルスズアクリレート、トリヘキシルスズラウレート、
トリヘキシルスズ-2-エチルヘキサノエート、トリヘキシルスズアセテート、
トリヘキシルスズアクリレート、トリオクチルスズラウレート、
トリオクチルスズ-2-エチルヘキサノエート、トリオクチルスズナフテート、
トリオクチルスズアセテート、トリオクチルスズアクリレート、
トリ-2-エチルヘキシルスズラウレート、
トリ-2-エチルヘキシルスズ-2-エチルヘキサノエート、
トリ-2-エチルヘキシルスズナフテート、トリ-2-エチルヘキシルスズアセテート、トリ-2-エチルヘキシルスズアクリレート、
トリステアリルスズラウレート、トリステアリルスズ-2-エチルヘキサノエート、
トリステアリルスズナフテート、トリステアリルスズアセテート、
トリステアリルスズアクリレート、トリベンジルスズラウレート、
トリベンジルスズ-2-エチルヘキサノエート、トリベンジルスズナフテート、
トリベンジルスズアセテート、トリベンジルスズアクリレート、
ジフェニルスズジラウレート、ジフェニルスズ-2-エチルヘキサノエート、
ジフェニルスズジステアレート、ジフェニルスズジナフテート、
ジフェニルスズジアセテート、ジフェニルスズジアクリレート、
ジ-n-ブチルスズジラウレート、ジ-n-ブチルスズジ-2-エチルヘキサノエート、
ジ-n-ブチルスズジステアレート、ジ-n-ブチルスズジナフテート、
ジ-n-ブチルスズジアセテート、ジ-n-ブチルスズジアクリレート、
ジ-t-ブチルスズジラウレート、ジ-t-ブチルスズジ-2-エチルヘキサノエート、
ジ-t-ブチルスズジステアレート、ジ-t-ブチルスズジナフテート、
ジ-t-ブチルスズジアセテート、ジ-t-ブチルスズジアクリレート、
ジイソブチルスズジラウレート、ジイソブチルスズジ-2-エチルヘキサノエート、
ジイソブチルスズジステアレート、ジイソブチルスズジナフテート、
ジイソブチルスズジアセテート、ジイソブチルスズジアクリレート、
ジイソプロピルスズジラウレート、ジイソプロピルスズ-2-エチルヘキサノエート、
ジイソプロピルスズジステアレート、ジイソプロピルスズジナフテート、
ジイソプロピルスズジアセテート、ジイソプロピルスズジアクリレート、
ジヘキシルスズジラウレート、ジヘキシルスズジ-2-エチルヘキサノエート、
ジヘキシルスズジステアレート、ジヘキシルスズジナフテート、
ジヘキシルスズジアセテート、ジヘキシルスズジアクリレート、
ジ-2-エチルヘキシルスズジラウレート、
ジ-2-エチルヘキシルスズ-2-エチルヘキサノエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズジステアレート、
ジ-2-エチルヘキシルスズジナフテート、ジ-2-エチルヘキシルスズジアセテート、ジ-2-エチルヘキシルスズジアクリレート、ジオクチルスズジラウレート、
ジオクチルスズジ-2-エチルヘキサノエート、ジオクチルスズジステアレート、
ジオクチルスズジナフテート、ジオクチルスズジアセテート、
ジオクチルスズジアクリレート、ジステアリルスズジラウレート、
ジステアリルスズジ-2-エチルヘキサノエート、ジステアリルスズジステアレート、
ジステアリルスズジナフテート、ジステアリルスズジアセテート、
ジステアリルスズジアクリレート、ジベンジルスズジラウレート、
ジベンジルスズジ-2-エチルヘキサノエート、ジベンジルスズジステアレート、
ジベンジルスズジナフテート、ジベンジルスズジアセテート、
ジベンジルスズジアクリレート、フェニルスズトリラウレート、
フェニルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、フェニルスズトリナフテート、
フェニルスズトリアセテート、フェニルスズトリアクリレート、
n-ブチルスズトリラウレート、n-ブチルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、
n-ブチルスズトリナフテート、n-ブチルスズトリアセテート、
n-ブチルスズトリアクリレート、t-ブチルスズトリラウレート、
t-ブチルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルスズトリナフテート、
t-ブチルスズトリアセテート、t-ブチルスズトリアクリレート、
イソブチルスズトリラウレート、イソブチルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、
イソブチルスズトリナフテート、イソブチルスズトリアセテート、
イソブチルスズトリアクリレート、イソプロピルスズトリラウレート、
イソプロピルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、イソプロピルスズトリナフテート、
イソプロピルスズトリアセテート、イソプロピルスズトリアクリレート、
ヘキシルスズトリラウレート、ヘキシルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、
ヘキシルスズトリナフテート、ヘキシルスズトリアセテート、
ヘキシルスズトリアクリレート、オクチルスズトリラウレート、
オクチルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、オクチルスズトリナフテート、
オクチルスズトリアセテート、オクチルスズトリアクリレート、
2-エチルヘキシルスズトリラウレート、
2-エチルヘキシルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、
2-エチルヘキシルスズトリナフテート、2-エチルヘキシルスズトリアセテート、
2-エチルヘキシルスズトリアクリレート、ステアリルスズトリラウレート、
ステアリルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、ステアリルスズトリナフテート、
ステアリルスズトリアセテート、ステアリルスズトリアクリレート、
ベンジルスズトリラウレート、ベンジルスズトリ-2-エチルヘキサノエート、
ベンジルスズトリナフテート、ベンジルスズトリアセテート、
ベンジルスズトリアクリレートなどのカルボン酸の金属塩が挙げられる。
また、化合物(m)におけるR81 k2M”(OCO-R82-COOR834-k2としては、例えばジフェニルスズビスメチルマレエート、
ジフェニルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジフェニルスズビスオクチルマレエート、ジフェニルスズビスオクチルマレエート、
ジフェニルスズビスベンジルマレエート、
ジ-n-ブチルスズビスメチルマレエート、
ジ-n-ブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-n-ブチルスズビスオクチルマレエート、
ジ-n-ブチルスズビスベンジルマレエート、
ジ-t-ブチルスズビスメチルマレエート、
ジ-t-ブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-t-ブチルスズビスオクチルマレエート、
ジ-t-ブチルスズビスベンジルマレエート、ジイソブチルスズビスメチルマレエート、ジイソブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジイソブチルスズビスオクチルマレエート、ジイソブチルスズビスベンジルマレエート、
ジイソプロピルスズビスメチルマレエート、
ジイソプロピルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジイソプロピルスズビスオクチルマレエート、
ジイソプロピルスズビスベンジルマレエート、ジヘキシルスズビスメチルマレエート、
ジヘキシルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジヘキシルスズビスオクチルマレエート、
ジヘキシルスズビスベンジルマレエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスメチルマレエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスオクチルマレエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスベンジルマレエート、
ジオクチルスズビスメチルマレエート、
ジオクチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジオクチルスズビスオクチルマレエート、ジオクチルスズビスベンジルマレエート、
ジステアリルスズビスメチルマレート、
ジステアリルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジステアリルスズビスオクチルマレエート、ジステアリルスズビスベンジルマレエート、
ジベンジルスズビスメチルマレエート、
ジベンジルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジベンジルスズビスオクチルマレエート、ジベンジルスズビスベンジルマレエート、
ジフェニルスズビスメチルアジペート、ジフェニルスズビス-2-エチルヘキサノエート、ジフェニルスズビスオクチルアジペート、ジフェニルスズビスベンジルアジペート、
ジ-n-ブチルスズビスメチルアジペート、
ジ-n-ブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-n-ブチルスズビスオクチルアジペート、
ジ-n-ブチルスズビスベンジルアジペート、
ジ-t-ブチルスズビスメチルアジペート、
ジ-t-ブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-t-ブチルスズビスオクチルアジペート、
ジ-t-ブチルスズビスベンジルアジペート、
ジイソブチルスズビスメチルアジペート、
ジイソブチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジイソブチルスズビスオクチルアジペート、ジイソブチルスズビスベンジルアジペート、ジイソプロピルスズビスメチルアジペート、
ジイソプロピルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジイソプロピルスズビスオクチルアジペート、
ジイソプロピルスズビスベンジルアジペート、ジヘキシルスズビスメチルアジペート、
ジヘキシルスズビス-2-エチルヘキサノエート、ジヘキシルスズビスメチルアジペート、ジヘキシルスズビスベンジルアジペート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスメチルアジペート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスオクチルアジペート、
ジ-2-エチルヘキシルスズビスベン-エチルヘキシルスズビスベンジルアジペート、
ジオクチルスズビスメチルアジペート、ジオクチルスズビス-2-エチルヘキサノエート、ジオクチルスズビスオクチルアジペート、ジオクチルスズビスベンジルアジペート、
ジステアリルスズビスメチルアジペート、
ジステアリルスズビス-2-エチルヘキサノエート、
ジステアリルスズビスオクチルアジペート、ジステアリルスズビスベンジルアジペート、ジベンジルスズビスメチルアジペート、ジベンジルスズビス-2-エチルヘキサノエート、ジベンジルスズビスオクチルアジペート、ジベンジルスズビスベンジルアジペートなどのカルボン酸の金属塩が挙げられる。
さらに、上記式(XVI)で表される化合物としては、
例えばジフェニルスズマレエート、ジ-n-ブチルスズマレエート、
ジ-t-ブチルスズマレエート、ジイソブチルスズマレエート、
ジイソプロピルスズマレエート、ジヘキシルスズマレエート、
ジ-2-エチルヘキシルスズマレエート、ジオクチルスズマレエート、
ジステアリルスズマレエート、ジベンジルスズマレエート、ジフェニルスズアジペート、
ジ-n-ブチルスズアジペート、ジ-t-ブチルスズアジペート、
ジイソブチルスズアジペート、ジイソプロピルスズアジペート、
ジヘキシルスズジアセテート、ジ-2-エチルヘキシルスズアジペート、
ジオクチルスズアジペート、ジステアリルスズアジペート、ジベンジルスズアジペートなどのカルボン酸の金属塩が挙げられる。
化合物(n)は、N-置換アミノケトン、N-置換アミノチオケトン、N-置換アミノアルデヒド、N-置換アミノチオアルデヒド又は分子中に-C-(=Q)-N<結合(Qは酸素原子又は硫黄原子を表す)を有する化合物である。
前記化合物(n)としては、
4-ジメチルアミノアセトフェノン、4-ジエチルアミノアセトフェノン、
1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、
1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン、
4-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、
4-ジフェニルアミノベンゾフェノン、
4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、等のN-置換アミノケトン類及び対応するN-アミノチオケトン化合物;4-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のN-置換アミノアルデヒド化合物及び対応するN-置換アミノチオアルデヒド化合物;分子中に-C-(=Q)-N<結合(Qは酸素原子又は硫黄原子を表す)を有する化合物、例えば、
N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム、
N-メチル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、
N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-フェニル-5-メチル-2-ピロリドン、
N-メチル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン、
N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、
N-メチル-ω-カプロラクタム、N-フェニル-ω-カプロラクタム、
N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、等のN-置換ラクタム化合物及び対応するN―置換チオラクタム化合物;1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチルー2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のN-置換環状尿素化合物及び対応するN-置換環状チオ尿素化合物等が挙げられる。
化合物(p)は、N≡C-結合を有する化合物である。ここで、N≡C-結合を有する化合物とは、一般式R-CNで表される有機シアノ化合物、具体的には、2-シアノピリジン、3-シアノピリジン、アクリロニトリル等の有機シアノ化合物;ケトン、アルデヒド、エポキシに代表される求電子化合物、具体的には、ベンズアルデヒド、ベンゾフェノン、4-4’-ビス(ジエチルアミノ)ペンゾフェノン、3-グリシドシプロピルトリメトチシシラン、アリルグリシジルエーテルである求電子化合物;ビニル基を有する有機化合物、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、スチレン、ビニルナフタレン、リン酸ビニル、ビニル酢酸エーテル、ピバロイル酸ビニル、ビニルトリメチルシラン、トリエトキシビニルシラン等のビニル化合物が挙げられる。
前記化合物(q)は、下記一般式(XVII)で表される、リン酸残基を有する化合物である。
Figure 0007109472000017

(一般式(XVII)中、R91及びR92は、それぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数3~20の一価の脂環式炭化水素基及び一価の炭素数6~20の芳香族炭化水素基から選ばれる一価の炭化水素基、又は、水素原子である。)
より具体的には、例えば下記一般式(XVIII)で表されるリン酸残基が挙げられる。
Figure 0007109472000018
以上の化合物(d)~(q)は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもでき、化合物(d)~(q)以外の変性剤と組み合わせて用いることもできる。
本発明における共役ジエン重合体は、アニオン重合及び配位重合のいずれの場合においても、重合反応後に重合活性末端と上述の変性剤とを変性反応させて、変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
変性反応の温度は、20℃以上で行うことが好ましいが、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができ、30~120℃がさらに好ましい範囲として挙げられる。反応温度が低くなると重合体の粘度が上昇しすぎる、反応物の分散性が悪くなる傾向がある。一方、反応温度が高くなると、重合活性部位が失活し易くなる傾向がある。
なお、変性剤の使用量は、共役ジエン系重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25~3.0molの範囲が好ましく、0.5~1.5molの範囲が更に好ましい。
アニオン重合や配位重合を適宜使い分けることで、1,2-重合、シス-1,4-重合、トランス-1,4-重合の何れか、及びその存在比を変化させることができる。また、本発明で用いる変性ジエン系重合体は、アニオン重合や配位重合に、変性剤を反応させる末端変性によるものだけではなく、グラフト重合により、充填材との親和性の高い極性基を導入した変性ジエン系重合体であってもよい。
更に、ゴム成分には、他のゴム材料として、ポリイソプレンゴム;IR、ブタジエンゴム;BRといったジエン系ゴムや、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム;SBR、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム;NBR、クロロプレンゴム;CR、ブチルゴム;IIR、エチレン-プロピレンージエン共重合体ゴム;EPDMといったゴム、また、それらゴム成分の末端や主鎖に、極性官能基を導入して変性ゴムを適宜含有させてもよい。
<<充填材>>
本発明には、上記ゴム成分に加えて、ゴム成分100質量部に対し、30~80質量部の充填材を含む。また、充填材中に占めるカーボンブラックの割合は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、上限は、特に限定されない。充填材中に占めるカーボンブラックの割合が、60質量%以上であることで、一般式(I)で表される化合物と反応によって生じた分散性改良幅を最大化することができる。
上記、充填材はゴム成分100質量部に対して、30質量部以上で、必要な補強効果が得られ、80質量部以下で発熱性を適切な範囲に抑え、バランスのとれた性能を得ることができる。40~70質量部含むことがより好ましく、45~65質量部が更に好ましい。
用いられるカーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独、または混合して使用することができる。また、特定物性を有するカーボンブラックを用いると好適である。特に窒素吸着比表面積;NSA:35~150m/g、CTAB吸着比表面積:30~200m/g、DBP吸油量:40~180mL/100g、水素放出量:0.37質量%以上であることが好ましい。
前記窒素吸着比表面積;NSAはJIS K 6217-2:2001に基づき測定される。DBP吸収量は、JIS K 6217-4:2008に記載の方法により測定され、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート;DBPの体積mLで表示される。前記CTAB吸着比表面積とは、カーボンブラックの微細孔を含まない外部表面積を、カーボンブラックにCTAB;セチルトリメチルアンモニウムブロミドを吸着させたときの比表面積で示したものであり、JIS K 6217-3に準拠して測定することができる。また、前記水素放出率は、(1)カーボンブラック試料を105℃の恒温乾燥機中で1時間乾燥し、デシケータ中で室温:23℃まで冷却する。(2)スズ製のチューブ状サンプル容器に約10mgを精秤し、圧着・密栓する。(3)ガスクロマトグラフ装置を使用して、アルゴン気流下、2000℃で15分間加熱したときの水素ガス発生量を測定する手順で測定する。放出水素の質量%で表示される。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積;NSAが35m/g以上で、トレッド用ゴム組成物として好適な引張強さを発現できる。NSAが150m/g以下で、ゴム組成物中での分散性を充分に確保でき、ゴム組成物の耐摩耗性等の性能が好適である。NSAが50~150m/gであることがより好ましく、60~150m/gであることがさらに好ましい。
カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が、上記範囲内であると、ゴム組成物を十分に補強することができ、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができる点で有利である。CTAB吸着比表面積は60~120m/gであることがより好ましい。
カーボンブラックのDBP吸収量が40mL/100g以上であることで、タイヤ用ゴム組成物として好適な引張強さを発現することができ、180mL/100g以下であることで、好適な伸びを確保することができる。DBP吸収量は70~175mL/100gであることがより好ましい。
カーボンブラックの水素放出率が0.37質量%以上で、ゴム組成物中でのカーボンブラックのポリマー補強性を好適に確保することができ、ゴム組成物の耐摩耗性及び耐カット性が向上し、かつ発熱性も小さく抑えられる。また、水素放出率が、0.40質量%以上であることがより好ましい。水素放出率には特に上限はないが、装置的な制約による製造し易さの観点から、該水素放出率の上限は、通常0.60質量%程度である。
また、充填材には、シリカを含んでもよく、充填材に占める割合が10~40質量%であることが好ましい。
シリカとしては、例えば湿式シリカ、すなわち含水ケイ酸、乾式シリカ、すなわち無水ケイ酸、さらにケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムといったものも含めて挙げられる。シリカの中でも、湿式シリカを好適に使用できる。前記湿式シリカのBET比表面積は40~350m/gであるのが好ましく、150~300m/gであるのがより好ましく、200~250m/gであるのが更に好ましい。また、CTAB吸着比表面積が、40~300m/gであることが好ましい。BET比表面積やCTAB吸着比表面積が前記範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET比表面積が80~300m/gの範囲にあるシリカが更に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ(株)社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、エボニック社製、商品名「ウルトラジルVN3」といった市販品を用いることができる。前記シリカは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、一般式(I)で表される化合物である分散剤を配合することにより得られる。
Figure 0007109472000019

式中、Aは、アリール基であり、少なくとも2つの極性基を有し、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基であり、さらに、該置換基は、O、S及びN原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。
式(I)の、Aは、アリール基である。ここで、該アリール基は、任意の位置に少なくとも2つの極性基を有し、前記極性基は同じであっても、異なっていてもよく、前記極性基の位置については、前記芳香環中のどこであってもよい。
また、式(I)のR及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である。さらに、これらの置換基については、O、S及びN原子のうちの一種以上を含んでいてもよい。なお、R及びRがアシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である場合、すなわち炭化水素基を含む置換基である場合には、その炭素数は1~18が好適であり、1~12がさらに好適であり、1~6であることが特に好適である。また、炭化水素基部分は直鎖、分枝、環状のいずれであってもよい。
上記式(I)で表される化合物については、Aで示されたアリール基がカーボンブラック等の充填材と高い親和性を有し、且つ、ヒドラジド骨格を有する部分がゴム成分と高い親和性を有する。それゆえにゴム組成物中に配合されることで、ゴム成分と充填材との化学的相互作用を大きく向上させることができる。それによって、充填材同士の擦れ合いに起因したヒステリシスを低減できる結果、従来に比べて極めて優れた低発熱性を得ることができる。加えて、充填材の分散性向上によって、よりすぐれた補強性についても実現できる。
また、ゴム成分と充填材との化学的相互作用が大きく向上した結果、ゴム組成物の低発熱性を維持しつつ、耐スコーチ性が高まる。すなわちスコーチ時間が長くなるため、加工性についても向上が可能となる。
ここで、前記式(I)で表される化合物中のAで示したアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。前記アリール基では、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。すなわちアリール基としての炭素数は6~14が好適であり、6~10が特に好適である。優れた充填材との親和性を示すため、より優れた低発熱性を実現でき、芳香環の数を減らせるため、コスト的にも有利であり、実用性の点でも優れる。
また、前記式(I)で表される化合物中のAで示したアリール基の有する極性基の数は、2つ以上であることが好ましい。芳香環中に2つ以上の極性基を有することで、カーボンブラック等の充填材と高い親和性を得ることができるためである。2つ未満の場合には、充填材との親和性が十分に得られず、ゴム組成物の低発熱性を低下させる恐れがある。
また、前記極性基の種類については、特に限定はされず、例えば、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、スズ含有基、アルコキシシリル基、アルキルアミノ基、ニトロ基等の極性基が挙げられる。極性基が炭化水素基を含む置換基である場合には、その炭素数は1~18であり、1~12が好適であり、1~6であることが特に好適である。また、炭化水素基部分は直鎖、分枝、環状のいずれであってもよい。特に極性基の中でも、前記極性基は、少なくとも1つがヒドロキシル基、アミノ基又はニトロ基であることが好ましく、ヒドロキシル基であることがより好ましく、少なくとも2つがヒドロキシル基であることが特に好ましい。さらに優れた充填材との親和性を示し、ゴム組成物の低発熱性をより向上できるためである。
また、前記式(I)で表される化合物においてAにつながるヒドラジド基については、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子、アシル基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される少なくとも一種の置換基となる。なお、これらの置換基は、O、S及びN原子のうちの一種以上を含むものであってもよい。
さらに、R及びRについては、上述した置換基の中でも、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、R及びRがいずれも水素原子であることがより好ましい。ゴム成分と高い親和性を有し、より優れた低発熱性及び加工性が得られるためである。
ここで、上述した式(I)で表される化合物のいくつかの代表例を、以下に示す。
2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジド
Figure 0007109472000020

2,3-ジヒドロキシベンゾヒドラジド
Figure 0007109472000021

2,4-ジヒドロキシベンゾヒドラジド
Figure 0007109472000022

2,5-ジヒドロキシベンゾヒドラジド
Figure 0007109472000023
また、前記式(I)で表される化合物の分子量については、200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましい。天然ゴムの各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
また、前記式(I)で表される化合物の融点については、80℃以上、250℃未満であることが好ましく、80~200℃であることがより好ましい。前記ヒドラジド化合物の融点を低くすることで、天然ゴムの各分子との親和性が高くなり、より優れた低発熱性を得ることができ、耐摩耗性についても高めることができるからである。
なお、本発明のゴム組成物における前記式(I)で表される化合物の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがさらに好ましい。前記含有量を前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上とすることで、所望の低発熱性及び加工性が得られ、10質量部以下とすることで、耐摩耗性や、強度等の他の物性を良好に維持できるためである。
前記式(I)で表される化合物を含むことによって、高い効率でゴム成分と充填材、特にカーボンブラックとのカップリング効果が得られ、ゴム組成物における充填材、特にカーボンブラックの分散性を高めることができる。充填材、特にカーボンブラックの分散性が高められたゴム組成物は、優れた低発熱性及び耐摩耗性の実現が可能となる。分散剤は、カーボンブラックを配合した際に、より効果を生じることから、充填材成分としてカーボンブラックを含むことが望ましい。
上記述べてきたように、充填材、特にカーボンブラックを均一に分散させるために、分散剤を用いているが、無機充填材についても、その分散を向上させるために、分散剤があれば適宜用いてもよい。ことに、無機充填材として、シリカを用いる場合、従来より種々のシランカップリング剤が多数知られている。
本発明に用いられるシランカップリング剤は、下記一般式(XIX)~(XXI)で表わされる化合物からなる群から、少なくとも1種選択される化合物であることが好ましい。
以下、下記一般式(XIX)~(XXI)を順に説明する。
Figure 0007109472000024


式中、R101は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖、環状又は分枝のアルキル基、炭素数2~8の直鎖又は分枝のアルコキシアルキル基及びシラノール基から選ばれる置換基であり、R102は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖、環状又は分枝のアルキル基であり、R103は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖又は分枝のアルカンジイル基である。p及びrは共に3である場合はなく、同一でも異なっていてもよく、各々平均値として0~3である。硫黄鎖、すなわちスルフィド鎖の硫黄数qは平均値として2~6である。
上記一般式(XIX)で表わされるシランカップリング剤の具体例として、
ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、
ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、
ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
ビス(3-メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、
ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、
ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、
ビス(3-モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、
ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、
ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、
ビス(3-モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、
ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、
ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、
ビス(2-モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィドといったシランカップリング剤が挙げられる。
Figure 0007109472000025

式中、R104は-Cl、-Br、各々水素原子又は炭素数1~18の一価の炭化水素基で置換されたR109O-アルコキシ基、R109C(=O)O-カルボキシル基、R109110C=NO-オキシマト基、R109110CNO-、NR109110-アミノ基、及びシロキシ鎖長2~5のポリシロキシ基-(OSiR109110(OSiR109110111)から選択される一価の基である。以上において、R109110は各々水素原子又は炭素数1~18の一価の炭化水素基であり、hは平均値として1~4である。R105はR109、水素原子又は炭素数1~18の一価の炭化水素基であり、R106はR104、R105、水素原子又は-[O(R112O)]1/2-基である。なお、R112は炭素数1~18のアルカンジイル基、jは1~4の整数である。R107は炭素数1~18の二価の炭化水素基であり、R108は炭素数1~18の一価の炭化水素基である。x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
上記一般式(XX)において、R108、R109、R110及びR111は同一でも異なっていても良く、好ましくは各々炭素数1~18の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、R105が炭素数1~18の一価の炭化水素基である場合は、直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。R112は直鎖、環状又は分枝のアルカンジイル基であることが好ましく、特に直鎖状のものが好ましい。R107は例えば直鎖状、枝分かれ状のいずれであっても良い炭素数1~18のアルカンジイル基、炭素数2~18のアルケンジイル基、環上に低級アルキル基のような置換基を有していてもよい、炭素数5~18のシクロアルカンジイル基、炭素数6~18のシクロアルキルアルカンジイル基、炭素数6~18のアレーンジイル基、炭素数7~18のアリールアルカンジイル基である二価の炭化水素基を挙げることができる。このR107としては、炭素数1~6のアルカンジイル基が好ましく、特に直鎖状アルカンジイル基、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基である二価の炭化水素基を好ましく挙げることができる。
上記一般式(XX)におけるR105、R108、R109、R110及びR111の炭素数1~18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、1-プロピル基、2-プロピル基、1-ブチル基、2-メチル-1-プロピル基、2-ブチル基、2-メチル-2-プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基である一価の炭化水素基が挙げられる。
上記一般式(XX)におけるR112の例としては、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、オクタンジイル基、デカンジイル基、ドデカンジイル基である一価の炭化水素基が挙げられる。
前記一般式(III)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、
3-ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、
3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、
3-デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、
3-ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、
2-ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、
2-オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、
2-デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、
2-ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、
3-ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、
3-オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、
3-デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、
3-ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、
2-ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、
2-オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、
2-デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、
2-ラウロイルチオエチルトリメトキシシランといったシランカップリング剤を挙げることができる。これらの内、Momentive Performance Materials社製、商標「NXTシラン」である3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
Figure 0007109472000026

式中、R113は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖、環状又は分枝のアルキル基、炭素数2~8の直鎖又は分枝のアルコキシアルキル基及びシラノール基から選ばれる置換基であり、R114は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖、環状又は分枝のアルキル基であり、R115は複数ある場合には同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1~8の直鎖又は分枝のアルカンジイル基である。R116は一般式(-S-R117-S-)、(-R118-Sm1-R119-)及び(-R120-Sm2-R121-Sm3-R122-)から選ばれる二価の基であり、R117~R122は各々炭素数1~20の二価の炭化水素基、二価の芳香族基、並びに硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基から選ばれる二価の置換基であり、m1、m2及びm3は各々平均値として1以上4未満を満たしているものであり、複数あるkは同一でも異なっていてもよく、各々平均値として1~6であり、s及びtは各々平均値として0~3である。但しs及びtの双方が3であることはない。
上記一般式(XXI)で表わされるシランカップリング剤の具体例は、いずれも平均組成式で表すものとして、
(CO)SiC12Si(OC
(CO)SiC1020Si(OC
(CO)SiC12Si(OC
(CO)SiC12Si(OC
(CO)SiCSC1212SCSi(OC
(CO)SiCSC122.512SCSi(OC
(CO)SiCSC1212SCSi(OC
(CO)SiCSC1212SCSi(OC
(CO)SiCSC10201020SCSi(OC
(CO)SiC12Si(OC
(CO)SiC1212Si(OC
(CO)SiCSC121212SCSi(OCで表されるシランカップリング剤が好適に挙げられる。式中Cは(CHを表す。Cは(CHを表す。C12は(CHを表す。C1020は(CH10を表す。それぞれ、炭素数2、3、6、10の直鎖アルカンの両末端から水素を1つずつ除いた直鎖アルカンジイル基を表す。なお、平均組成であるとは、硫黄鎖長にばらつきがあり、平均化されていることをさす。
なお、上記一般式(XXI)で表わされるシランカップリング剤は、例えば特開2006-167919号公報に記載された方法で製造できる。また、市販品が広く利用できる。
上記、シランカップリング剤の含有量については、シランカップリング剤の種類などにより異なるが、シリカに対して、好ましくは2~25質量%の範囲であることが好ましく、2~20質量%の範囲であることがより好ましく、5~18質量%であることが特に好ましい。含有量が2質量%以上であれば、カップリング剤としての効果が充分に発揮され、また、25質量%以下であればゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがない。
その他、亜鉛華、プロセスオイル、ステアリン酸といった通常ゴム組成物に用いるゴム薬品を配合してもよい。さらに最終製品であるタイヤとするには、硫黄架橋を行う。加硫剤として用いる硫黄は、粉末硫黄、硫黄華、脱酸硫黄、ゴム状硫黄、高分子硫黄といった各種硫黄を用いることができる。ゴム成分100質量部に対し、1~10質量部、好ましくは1~7質量部、特に好ましくは2~5質量部の範囲で配合することができる。
また、加硫剤の配合に伴い、加硫の進行を制御するために加硫促進剤を配合することができ、M;2-メルカプトベンゾチアゾール、DM;ジベンゾチアゾリルジスルフィド及びCZ;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドのようなチアゾール化合物加硫促進剤、TT;テトラメチルチウラムスルフィド、TOT;テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィドのようなチウラム化合物加硫促進剤、並びにDPG;ジフェニルグアニジンのようなグアニジン化合物加硫促進剤といった加硫促進剤を挙げることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記各成分を、例えば、バンバリーミキサー、ニーダーといった機器により混練して、製造することができ、成型・加硫を経て、トレッド部のような各種タイヤ用ゴム部材として好適に使用できる。
上記述べてきたゴム成分に加える配合成分について、成分同士の反応性、親和性や、また反応に影響を及ぼす温度といった条件を考慮して、それぞれの成分を添加する段階を適宜選択することが好ましい。
ゴム成分に充填材や式(I)の化合物を加えて混練する場合に、必ずしも同時である必要はない。ゴム成分に充填材、次いで式(I)の化合物、又は、ゴム成分に式(I)の化合物、次いで充填材といったように、充填材と式(I)の化合物とは異なる混練段階で投入してもよい。
上記の場合をそれぞれ考察すると、ゴム成分の内、変性ジエン系重合体ゴムは、予め充填材、特にカーボンブラックとの親和性が大きくなるような官能基が導入されているため、充填材の分散効果に優れている。まずは、ゴム成分と充填材間の相互作用による、分散効果をできる限り利用して、混練を行うのが好ましい。
一方、ゴム成分の内、天然ゴムについては、そのままでは充填材の分散性を上げるのは難しい。よって、式(I)の化合物の作用を受けて分散が促進されるようにすることが好ましい。以上の観点から、まずはゴム成分(天然ゴムと変性共役ジエン系重合体ゴムを含むゴム成分)と充填材のみで混練を行った後に、式(I)の化合物を用いるのが効率的である。使用量の最適化、コストといった面からも好ましいといえる。あるいは、さらに細分化して混練を行ってもよい。すなわち、変性ジエン系重合体と充填材で混練を行ったのち、天然ゴムを加えて混練し、さらに式(I)の化合物を加えて混練してもよい。
一方、加硫剤である硫黄や、加硫促進剤、加硫助剤といった、加硫関連薬品は反応性が高く、式(I)の化合物との反応の懸念がある。そもそも加硫関連薬品を使用する段階とは、ゴム成分の分子同士を架橋で結びつけ、分子間の動きを止めてしまう段階といえ、これ以上は充填材の分散は期待できなくなる段階といえる。従って加硫関連薬品を用いる段階に至っては、式(I)の化合物は、十分な効果を発揮できなくなってしまうので、加硫関連薬品を用いるよりも以前の段階で、式(I)の化合物を用いることが好ましい。
次に、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
<変性ポリブタジエンゴムの製造例>
乾燥し、窒素置換した約900mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン283g、1,3-ブタジエン50g、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン0.0057mmol、及びヘキサメチレンイミン0.513mmolを加え、更にn-ブチルリチウム;n-BuLi0.57mmolを加えた後、撹拌装置を具えた50℃の温水浴中で4.5時間重合を行った。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。次に、この重合反応系に、変性剤(カップリング剤)として四塩化スズ0.100mmolを速やかに加え、更に50℃で30分間撹拌して変性反応を行った。その後、重合反応系に、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール;BHTの2-プロパノール溶液、BHT濃度:5質量%、0.5mLを加えて、反応を停止させ、更に常法に従って乾燥して変性ポリブタジエンゴムを得た。得られた変性ポリブタジエンゴムは、ブタジエン部分のビニル結合量が14%で、ガラス転移温度;Tgが-95℃で、カップリング効率65%であった。
なお、得られた変性ポリブタジエンゴムについて、H-NMRスペクトルの積分比からブタジエン部分のビニル結合量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー;GPCによる分子量分布曲線の全体の面積に対する最も高分子量側のピーク面積の割合からカップリング率を、DSCの曲線の変曲点からガラス転移温度を求めた。
<2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジドの調製>
2,6-ジヒドロキシ安息香酸メチル5.29g、100%ヒドラジン一水和物3.30gを1-ブタノール32mLに添加し、117℃で15時間攪拌した。反応液を冷却後、析出している固体を濾過し、2-プロパノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、淡黄色固体2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジド2.85g、収率54%を得た。
Figure 0007109472000027

(融点:198℃、H-NMR(300MHz,DMSO-d,δppm):6.3(d,2H),7.1(t,1H),NH(3H)及びOH(2H)は不検出)
<タイヤ用ゴム組成物の調製>
表1の処方にて、天然ゴム、変性ポリブタジエンゴム、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、式(I)の化合物として、2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジド、及び硫黄や加硫促進剤等の添加物を配合して、さらに145℃で33分間加硫して、実施例1~6のタイヤ用ゴム組成物を調製した。また、式(I)の化合物を配合しなかった比較例1のタイヤ用ゴム組成物も調製した。比較例1の転がり抵抗を100とする指数で、実施例1~6のタイヤ用ゴム組成物の転がり抵抗を指数化し評価を行った。
tanδ;転がり抵抗の評価
各サンプルのゴム組成物から得られた加硫ゴムに対し、上島製作所製粘弾性測定装置を用いて、温度60℃、歪2%、周波数52Hzで損失正接;tanδを測定した。下記式を用いてtanδ値を指数値化して評価をした。指数値が小さいほど、転がり抵抗が小さく、良好であることを示す。
tanδ指数=(各サンプルのゴム組成物のtanδ)/(比較例1のゴム組成物のtanδ)×100
Figure 0007109472000028
表1において、配合内容欄の数値は質量部;phrでの数値であり、ゴム成分全量を100phrとする。
*1: 天然ゴム、RSS#3
*2: 変性ジエン系ゴム、上記で調製したもの
*3: カーボンブラック:N234、東海カーボン社製「シースト7HM」
*4: カーボンブラック:N330、東海カーボン社製「シースト3」
*5: シリカ:東ソー・シリカ株式会社製、「Nipsil KQ」
*6: シランカップリング剤
*7: 2,6-ジヒドロキシベンゾヒドラジド
*8: 式(I)の化合物について、1=*1~*6を配合する段階と同時、
2=*1~*6を配合した段階の後。
式(I)の化合物、およびシランカップリング剤を用いておらず、充填材の分散を積極的に促進していない比較例1に対し、実施例は全て、良好な転がり抵抗を示した。実施例間の比較では、充填材と式(I)の化合物を同時に配合した実施例1及び2に比べ、式(I)の化合物を後で配合した実施例3~7では、さらなる向上が見られ、式(I)の化合物の増量に伴い、向上が見られた。
本発明を利用すれば、低転がり抵抗で低燃費性に優れた空気入りタイヤが得られる。

Claims (9)

  1. 天然ゴム、並びに、炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分と、
    前記ゴム成分100質量部に対して30~80質量部の充填材を含有し、
    前記充填材中にカーボンブラックを含有し、
    以下の式(I)で示される化合物を含む、タイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0007109472000029
    (式中、Aは、アリール基であり、少なくとも2つの極性基を有し、該極性基は同じであっても、異なっていてもよい。R及びRは、水素原子である。)
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記式(I)で示される化合物を0.1~10質量部含有する、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記充填材中における、カーボンブラックが占める割合が、60質量%以上である請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分は、前記天然ゴムを60~90質量%、前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体を10~40質量%含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックの水素放出量が0.37質量%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記炭素及び水素以外の原子を有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体が、窒素、酸素、及びケイ素原子の少なくとも1つを有する官能基を1種以上有する変性共役ジエン系重合体である、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記変性共役ジエン系重合体が変性ポリブタジエンである、請求項1~6のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記充填材中にシリカを含有し、充填材中のシリカの含有割合が10~40質量%である、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ。
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