JP5595700B2 - 変性剤、変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

変性剤、変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなる二次変性剤、該二次変性剤を用いた変性共役ジエン系重合体の製造方法、該製造方法により得た変性共役ジエン系重合体、該変性共役ジエン系重合体を配合したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関し、特には、ゴム組成物の耐摩耗性及び低燃費性を大幅に向上させることが可能な二次変性剤に関するものである。
従来、タイヤ等の材料として使用した場合に高い低燃費性及び耐摩耗性を実現することができる変性ポリマーとして、種々のポリマーが知られている。具体的には、(共)重合体鎖に結合したアミノ基及びアルコキシシリル基を有する共役ジオレフィン(共)重合ゴムや(例えば、特許文献1参照)、リビングアニオンエラストマーポリマーと、シラン−スルフィド修飾剤との反応生成物を含む鎖末端修飾エラストマーポリマー(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
そして、上述した変性ポリマーの製造においては、ヒドロカルビルオキシ基(アルコキシ基ともいう)を有するケイ素化合物が変性剤として使用されているが、当該変性剤のヒドロカルビルオキシ基には窒素原子が含まれていなかった。
一方、充填剤との優れた相互作用を示す官能基を有し、より高い低燃費性及び耐摩耗性を付与することが可能な変性剤についても、研究が進められているが、このような変性剤を一段階でポリマーに導入することは困難であるため、二回の変性反応(一次変性反応及び二次変性反応)を行う手法が知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)。
国際公開第03/029299号 国際公開第07/047943号 国際公開第03/046020号 国際公開第03/048216号
上記のように、二回の変性反応により得た変性ポリマーは、ゴム組成物の低燃費性及び耐摩耗性を向上させるものであり、精力的な研究開発により、一応の成果を上げている。しかしながら、二回の変性反応による変性ポリマーの製造方法には、ポリマーと変性剤との変性効率が低いという点で改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ゴム組成物の耐摩耗性を大幅に向上させると共に、ヒステリシスロスを大幅に低下させることで、低燃費性をも向上させることが可能な新規二次変性剤を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる二次変性剤を用いた変性共役ジエン系重合体の製造方法、該製造方法により得た変性共役ジエン系重合体、該変性共役ジエン系重合体を配合したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなる変性剤は変性時の反応速度が高く、これを二次変性剤として使用することで、従来の二次変性剤よりも変性効率を向上させられることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の二次変性剤は、活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させてなる一次変性共役ジエン系重合体に対して反応させる二次変性剤であって、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなり、
前記窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物が、下記一般式(I):
Figure 0005595700
[式中、m+n+k+h=4(但し、kは1〜4の整数であり、m、n及びhは0〜3の整数である)であり、
1 は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸金属塩残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、並びに1級又は2級アミノ基、及び加水分解可能な基を有する1級若しくは2級アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
1 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、mが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
3 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、nが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
2 は、含窒素有機基であり、kが2以上の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
4 は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよい]で表されることを特徴とする。
また、本発明の二次変性剤は、活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させてなる一次変性共役ジエン系重合体に対して反応させる二次変性剤であって、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなり、
前記窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物が、下記一般式(II):
Figure 0005595700
[式中、p+q+r=2(但し、qは1〜2の整数であり、p及びrは0〜1の整数である)であり、
2 は、NR 9 (ここで、R 9 は、一価の炭化水素基、加水分解可能な基又は含窒素有機基である)又は硫黄であり、
5 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、
7 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、
6 は、含窒素有機基であり、qが2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
8 は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である]で表されることを特徴とする。
なお、本発明において、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基とは、アミノ基、イミノ基、置換アミノ基、置換イミノ基、アンモニウム基等の窒素含有官能基を含むヒドロカルビルオキシ基であり、該アンモニウム基とは、窒素部位がアンモニウムイオンである基を意味する。また、本発明において、ケイ素化合物は、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有する限り特に限定されず、第一級アミノ基等を含む他の窒素含有官能基や、硫黄含有官能基又は酸素含有官能基を含んでいてもよい。
本発明の二次変性剤においては、前記ケイ素化合物が、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を2つ以上有することが好ましい。
また、本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、
活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させて一次変性共役ジエン系重合体を得る工程と、
前記一次変性共役ジエン系重合体に二次変性剤を反応させて二次変性共役ジエン系重合体を得る工程とを含む共役ジエン系重合体の製造方法であって、
前記二次変性剤が、上記二次変性剤のいずれかであることを特徴とする。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、前記共役ジエン系重合体が、アニオン重合により合成されることが好ましい。また、本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、前記共役ジエン系重合体が、配位重合により合成されることも好ましい。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、前記二次変性共役ジエン系重合体を得た後に、周期律表の4A族、2B族、3B族、4B族及び5B族のうち少なくとも一つに属する元素の化合物からなる縮合促進剤の存在下で縮合反応を行うことが好ましい。
更に、本発明の変性共役ジエン系重合体は、上記製造方法により得たことを特徴とする。また更に、本発明のゴム組成物は、上記変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とし、前記変性共役ジエン系重合体を15質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、充填剤を10〜120質量部配合したものであることが好ましい。ここで、前記充填剤としては、シリカ及びカーボンブラックが挙げられる。更にまた、本発明の空気入りタイヤは、該ゴム組成物を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなり、変性時の反応速度が高く、従来の二次変性剤よりも変性効率を向上させることが可能な二次変性剤を提供することができる。また、かかる二次変性剤を用いることで、ゴム組成物の耐摩耗性及び低燃費性を大幅に向上させることが可能な変性共役ジエン系重合体を提供することができる。更に、かかる変性剤を用いた変性共役ジエン系重合体の製造方法、該変性共役ジエン系重合体を配合したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
<二次変性剤>
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の二次変性剤は、活性末端を有する共役ジエン系重合体に一次変性剤を反応させてなる一次変性共役ジエン系重合体に対して反応させる二次変性剤であって、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなることを特徴とする。本発明において、ケイ素化合物の部分縮合物とは、ケイ素化合物の単量体(1量体)と該ケイ素化合物が二分子以上結合した多量体とからなる混合物に加えて、ケイ素化合物の多量体のみからなる完全縮合物をも含む概念である。また、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有するケイ素化合物とは、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基の酸素原子がケイ素原子に直接結合した構造(Si−OR)を有するケイ素化合物である。本発明の二次変性剤は、該二次変性剤を構成するケイ素化合物中の窒素含有ヒドロカルビルオキシ基が脱離し易いので、一次変性共役ジエン系重合体との反応が促進され、変性反応の速度が増大し、変性効率を向上させることができる。このため、上記二次変性剤を導入して得た二段変性型の変性共役ジエン系重合体は、充填剤との反応性が高く、ゴム組成物の耐摩耗性を大幅に向上させると共に、ヒステリシスロスを大幅に低下させることで、低燃費性をも向上させることができる。
また、上記二次変性剤を構成するケイ素化合物は、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を2つ以上有することが好ましい。該ケイ素化合物が複数の窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有する場合、一次変性共役ジエン系重合体が複数カップリングした変性共役ジエン系重合体、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有する変性共役ジエン系重合体、一次変性共役ジエン系重合体が複数カップリングし且つ窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有する変性共役ジエン系重合体、又はそれらの混合物を得ることができる。
ここで、生成した変性共役ジエン系重合体においては、ケイ素に結合した一次変性共役ジエン系重合体の数が多いほど、分子量の大きい変性共役ジエン系重合体を得ることができる。即ち、ゴム成分として用いた場合に混練り時にトルクをかけ易く、充填剤が分散し易い変性共役ジエン系重合体を得ることができる。一方、生成した変性共役ジエン系重合体中に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基が残っている場合、シリカやカーボンブラック等の充填剤との反応性が高い変性共役ジエン系重合体を得ることができる。即ち、シリカやカーボンブラックを配合してゴム組成物として用いた場合に、低ロス性及び耐摩耗性を向上したゴム組成物を提供し得る変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
本発明の二次変性剤を構成するケイ素化合物として、より具体的には、下記一般式(I)で表わされる化合物又は下記一般式(II)で表わされる化合物が好適に挙げられる。
Figure 0005595700
[式中、m+n+k+h=4(但し、kは1〜4の整数であり、m、n及びhは0〜3の整数である)であり、
1は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸金属塩残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、並びに1級又は2級アミノ基、及び加水分解可能な基を有する1級若しくは2級アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
1は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、mが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
3は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、nが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
2は、含窒素有機基であり、kが2以上の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
4は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよい]
Figure 0005595700
[式中、p+q+r=2(但し、qは1〜2の整数であり、p及びrは0〜1の整数である)であり、
2は、NR9(ここで、R9は、一価の炭化水素基、加水分解可能な基又は含窒素有機基である)又は硫黄であり、
5は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、
7は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、
6は、含窒素有機基であり、qが2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
8は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である]
本発明の二次変性剤を構成するケイ素化合物として、更に具体的には、下記一般式(III)〜(XI)で表わされる化合物が挙げられる。
なお、式中、R20は一価の炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、mが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R21は一価の炭化水素基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、nが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R22は二価の炭化水素基、例えばエチレン基であり、R23及びR24は一価の炭化水素基、1級若しくは2級アミン含有炭化水素基、加水分解可能な基で保護された1級若しくは2級アミンを有するアミン含有炭化水素基、水素、加水分解可能な基又は含窒素有機基、例えばメチル基であり、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、R25、R26及びR27は炭素数1〜20の二価の炭化水素基であり、Zは加水分解可能な基、例えばトリメチルシリル基(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基であり、YはSZ、例えばS(TMS)又はNZ2、例えばN(TMS)2である。また、kは1以上の整数、m及びnは0以上の整数であり、式(III)においてはm+n+k=4であり、式(IV)においてはm+n=2であり、式(V)においてはm+n+k=3であり、式(VI)においてはm+n=1であり、式(VII)及び(IX)においてはm+n+k=2である。なお、kが2以上の場合にはR22、R23及びR24は同一でも異なっていてもよい。
Figure 0005595700
Figure 0005595700
Figure 0005595700
ここで、上述した一般式において、一価の(脂肪族)炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、二価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等の炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアラルキレン基等が挙げられ、一価の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、ベンジル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、加水分解可能な基としては、トリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。また、含窒素有機基としては、アミノプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基等が挙げられる。なお、一般式(I)及び(II)において含窒素有機基が一緒になって環を形成しているとは、例えば一般式(IV)、(VI)、(VIII)、(X)及び(XI)に示すように、ケイ素原子に直接結合した二つの酸素原子に対して三価の含窒素有機基が結合し、環を形成していることを意味する。
なお、これらケイ素化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、上述した窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
下記一般式(XII):
Figure 0005595700
[式中、R28、R29、R30及びR31のうち少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子であり、残りは任意の有機基である]で表されるような、アルコキシ基を一つ以上有するケイ素化合物に対し、2-(ジメチルアミノ)エタノール、2-(ジエチルアミノ)エタノール、2-(ジメチルアミノ)プロパノール、2-(ジエチルアミノ)プロパノール、N-メチルジエタノールアミン等のアミン化合物を加え、更に触媒としてp-トルエンスルホン酸、塩酸等の酸や、チタンテトラn-ブトキシド等のチタンアルコキシドを添加し、加熱して、アルコキシ基又はハロゲン原子の一つ以上を一価の窒素含有ヒドロカルビルオキシ基で置換、或いは、隣接する(例えばR28とR29の位置関係にある)二つのアルコキシ基又はハロゲン原子を二価の窒素含有ヒドロカルビルオキシ基で置換する(この場合、生成物においてヒドロカルビルオキシ基は環を形成する)ことで合成できる。
なお、アルコキシ基又はハロゲン原子を一つ以上有するケイ素化合物は、任意にTMS(トリメチルシリル)基で保護した後に上記アミン化合物を加えてアルコキシ基又はハロゲン原子を置換しても良い。ここで、ケイ素化合物をTMS基で保護する方法としては、例えば国際公開第2008/050854号に記載されているような既知の方法を用いることができる。
また、上記ケイ素化合物の部分縮合物を得るためには、例えば、該ケイ素化合物を、大気下、50〜100℃にて24〜48時間攪拌すればよい。
<変性共役ジエン系重合体の製造方法>
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、活性末端を分子中に有する共役ジエン系重合体に一次変性剤を反応させて一次変性共役ジエン系重合体を得る工程(一次変性反応)と、前記一次変性共役ジエン系重合体に上述の二次変性剤を反応させて二次変性共役ジエン系重合体を得る工程(二次変性反応)とを含むものである。なお、二種類の変性剤を用いた二段階の変性反応を、既知の反応条件下で行うことができ、例えば、国際公開第03/048216号には、アニオン重合により合成した共役ジエン系重合体に対して二段階変性反応を行う手法が記載されており、国際公開第03/046020号には、配位重合により合成した共役ジエン系重合体に対して二段階変性反応を行う手法が記載されている。
ここで、本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、上記二次変性共役ジエン系重合体を得た(二次変性反応の)後に、例えば国際公開第2008/050845号に記載されているチタン化合物からなる既知のチタン系縮合促進剤、又は、例えば国際公開第2008/050851号に記載されている周期律表の4A族(Tiを除く)、2B族、3B族及び5B族のうち少なくとも一つに属する元素の化合物からなる既知の縮合促進剤、或いは、4B族に属する元素(例えばSn)の化合物からなる縮合促進剤を用いて、変性剤として用いたケイ素化合物又はその部分縮合物が関与する縮合反応を行っても良い。このようにすれば、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤との相互作用に優れ、充填剤の分散性を改善することができ、低発熱性、破壊特性、耐摩耗性等に優れた変性共役ジエン系重合体を製造することができる。なお、縮合促進剤は、変性反応後に添加することが好ましいが、変性反応の前に添加しても良い。なお、これらの縮合促進剤は、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基が存在する場合、効果的に縮合反応を起こし易い。
本発明の製造方法に用いる活性末端を有する共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物を重合し、又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合して製造されることができる。ここで、上記共役ジエン系重合体の重合方法としては、特に制限されず、リチウム系開始剤を用いるアニオン重合、配位重合、ドデシルメルカプタン等を用いる乳化重合等が挙げられる。アニオン重合による製造方法としては、例えば国際公開第03/048216号に記載されている重合方法が挙げられ、配位重合による製造方法としては、例えば国際公開第03/046020号に記載されている重合方法が挙げられる。具体的に、アニオン重合では、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶媒中において、共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを、例えばn-ブチルリチウム等のリチウム化合物を重合開始剤として、所望に応じてランダマイザーの存在下でアニオン重合させることにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。一方、配位重合では、上記アニオン重合用の重合開始剤に代えて、例えば国際公開第03/046020号に記載されている希土類金属化合物、好ましくネオジムネオデカノエート等の希土類金属のカルボン酸塩、メチルアルミノキサン、水素化ジイソブチルアルミ等の有機アルミニウム化合物、塩素化ジエチルアルミ等の加水分解可能なハロゲンを有する化合物を組み合わせて使用することにより、目的の共役ジエン系重合体が得られる。
なお、上記共役ジエン化合物としては、特に限定されず、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。一方、上記芳香族ビニル化合物としては、特に限定されず、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロへキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられる。
本発明の製造方法に用いる一次変性剤は、上記活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端と反応して一次変性共役ジエン系重合体を与える化合物であって、該一次変性共役ジエン系重合体中に導入された一次変性剤の残基は、上記二次変性剤と反応することができる。上記一次変性剤としては、既知の一次変性剤を用いることができ、例えば、国際公開第03/048216号及び国際公開第03/046020号に記載されている一次変性用のヒドロカルビルオキシシラン化合物又はその部分縮合物が挙げられる。なお、ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物は、例えば、上記二次変性剤の説明において記載したものと同様の方法によって得ることができる。
ここで、上記一次変性用のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、具体的には、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N-(1-メチルプロピリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N-(1,3-ジメチルブチリデン)-3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンアミン、N-(3-トリエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、3-メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3-ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3-(1-ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1-ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、テトラエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン等が好適に挙げられる。なお、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<変性共役ジエン系重合体>
本発明の変性共役ジエン系重合体は、上述した製造方法により得られる。詳細には、本発明の変性共役ジエン系重合体は、上記一次変性及び二次変性の工程を経て二次変性共役ジエン系重合体を得た後、必要に応じて、重合停止剤や重合安定剤を反応系に加え、変性共役ジエン系重合体の製造における従来公知の脱溶媒、乾燥操作を行うことによって回収されることができる。また、二次変性剤が加水分解可能な基を有していた場合には、二次変性共役ジエン系重合体に導入された加水分解可能な基を脱離させてもよい。なお、加水分解の方法としては、特に限定されず、通常の方法を用いることができる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、上述した二次変性剤が効率よく導入され、充填剤との反応性が高いため、充填剤と共にゴム組成物に配合することで、ゴム組成物のヒステリシスロスを大幅に低下させると共に、耐摩耗性を大幅に向上させることができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記変性共役ジエン系重合体を含むものである。ここで、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として上記変性共役ジエン系重合体を15質量%以上含むことが好ましく、30質量%以上含むことが更に好ましい。変性共役ジエン系重合体が15質量%未満では、所望の物性(低ロス性など)を有するゴム組成物を得難いからである。
ここで、本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、変性共役ジエン系重合体と他のゴム成分とを併用しても良く、変性共役ジエン系重合体と併用する他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α-オレフィン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びハロゲン化メチル基を有するスチレンとイソブチレンとの共重合体の中から選択される少なくとも1種のゴム成分が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、充填剤としてシリカやカーボンブラックを含有することが好ましい。ここで。ゴム成分に対して添加するシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げることができ、カーボンブラックとしては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。そして、本発明のゴム組成物は、充填剤の添加により十分な補強効果を得るという観点から、充填剤の配合量(シリカ及びカーボンブラックの合計の配合量)が、変性共役ジエン系重合体を15質量%以上含むゴム成分100質量部に対して10〜120質量部となるようにすることが好ましい。
なお、本発明のゴム組成物には、所望に応じて、通常用いられている添加剤、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を更に配合することができる。そして、本発明のゴム組成物は、ロールやバンバリーミキサー等を用いて上記ゴム成分と、任意に、シリカ、カーボンブラック及び添加剤とを混練りすることによって得ることができる。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物を用いたことを特徴とし、該ゴム組成物をトレッド部、ビード部、サイドウォール部等のいずれかに用いることが好ましい。本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性及び低燃費性が大幅に向上されている。なお、本発明の空気入りタイヤは、従来公知の構造で、特に限定はなく、通常の方法で製造できる。また、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
<変性剤の合成例1>
(変性剤A〜H)
まず、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物として、変性剤A(テトラエトキシシラン、TEOS)、変性剤G及び変性剤H、並びに下記一般式(XIII)、(XIV)、(XV)、(XVI)及び(XVII)で表される化合物を既知の方法で合成した。
Figure 0005595700
Figure 0005595700
Figure 0005595700
<変性剤の合成例2>
(変性剤I〜P)
以下に示す、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有するケイ素化合物を下記の方法で合成した。なお、出発物質となるケイ素化合物に対するTMS基での保護は、前述したように、国際公開第2008/050854号に記載されている既知の方法で行った。
Figure 0005595700
Figure 0005595700
Figure 0005595700
(変性剤I)
容積50mLのナスフラスコに、テトラエトキシシラン30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール90mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、滴下ロートにて2-(ジメチルアミノ)エタノール60mmolを10分かけて滴下し、更に30分間加熱した。その後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤I)を得た。
(変性剤J)
容積50mLのナスフラスコに、上記式(XIII)で表される化合物30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール90mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤J)を得た。
(変性剤K)
容積50mLのナスフラスコに、上記式(XIV)で表される化合物30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール90mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、滴下ロートにて2-(ジメチルアミノ)エタノール30mmolを10分かけて滴下し、更に30分間加熱した。その後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤K)を得た。
(変性剤L)
容積200mLのナスフラスコに、上記式(XV)で表される化合物30mmol、N-メチルジエタノールアミン30mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15g、キシレン100mLを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱し、ジムロートコンデンサーを取り付けて11時間還流を行った。その後、圧力20hPa、温度40℃にてロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、更に、ロータリーポンプ(10Pa)とコールドトラップ(ドライアイス+エタノール)にて残存する揮発分を除去して、ケイ素化合物(変性剤L)を得た。
(変性剤M)
容積200mLのナスフラスコに、上記式(XVI)で表される化合物30mmol、N-メチルジエタノールアミン30mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15g、キシレン100mLを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱し、ジムロートコンデンサーを取り付けて11時間還流を行った。その後、圧力20hPa、温度40℃にてロータリーエバポレーターにより溶媒を除去し、更に、ロータリーポンプ(10Pa)とコールドトラップ(ドライアイス+エタノール)にて残存する揮発分を除去して、ケイ素化合物(変性剤M)を得た。
(変性剤N)
容積50mLのナスフラスコに、上記式(XVII)で表される化合物30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール60mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、滴下ロートにて2-(ジメチルアミノ)エタノール30mmolを10分かけて滴下し、更に30分間加熱した。その後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤N)を得た。
(変性剤O)
容積50mLのナスフラスコに、変性剤G30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール60mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、滴下ロートにて2-(ジメチルアミノ)エタノール30mmolを10分かけて滴下し、更に30分間加熱した。その後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤O)を得た。
(変性剤P)
容積50mLのナスフラスコに、変性剤H30mmol、2-(ジメチルアミノ)エタノール30mmol、チタンテトラn-ブトキシド0.15gを計量した。次に、乾燥窒素を流しつつ(0.2L/min)、マグネティックスターラーで撹拌しながら温度145〜150℃のオイルバスにて加熱した。気泡が発生しなくなった後、ロータリーエバポレーターを用い、温度85℃、圧力45mmHgでエタノールを除去して、ケイ素化合物(変性剤P)を得た。
<変性共役ジエン系重合体の製造例1>
乾燥し、窒素置換した容積800mLの耐圧ガラス容器に、1,3-ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3-ブタジエンが60g、スチレンが15gとなるように加え、次いで2,2-ジテトラヒドロフリルプロパンを0.70mmol加え、更にn-ブチルリチウムを0.70mmol加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合反応を行った。なお、この際の重合転化率はほぼ100%であった。
このようにして得た重合反応系に、一次変性剤として上記変性剤A又は変性剤Cを0.63mmol添加し、更に50℃で30分間変性反応を行い、その後、二次変性剤として変性剤A〜Pを0.63mmol添加し、更に50℃で30分間変性反応を行い、変性共役ジエン系重合体(変性スチレン−ブタジエン共重合体)A〜Pを得た。
得られた重合体の分子特性(結合スチレン量、ビニル結合量及び二次変性剤消費率)を下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)結合スチレン量(質量%)
重合体の結合スチレン量をH-NMRスペクトルの積分比から算出した。
(2)ビニル結合量(%)
重合体のブタジエン部分のビニル結合量を赤外法により求めた。
(3)変性剤消費率(%)
変性剤の消費率は、ガスクロマトグラフィーを用いて未反応物の量を測定することにより算出した。この値が大きいほど、変性反応が迅速に進んでいることを示す。
Figure 0005595700
<ゴム組成物の調製及び評価>
表2の第1ステージに従う配合処方のゴム組成物をバンバリーミキサーにて混練し、次いで、得られたゴム組成物と表2の第2ステージに示す添加剤とを表2に示す配合処方でバンバリーミキサーにて混練して、ゴム組成物を調製した。その後、得られたゴム組成物を160℃で20分間加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムに対し、tanδ及び耐摩耗性を下記の方法で評価した。結果を表3に示す。
(4)tanδ
上島製作所製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度50℃、動歪1%で、加硫ゴムのtanδを測定し、比較例1〜4及び実施例1〜4については比較例1のtanδの値を100とし、比較例5〜8及び実施例5〜8については比較例5のtanδの値を100とし、比較例9〜10及び実施例9〜10については比較例9のtanδの値を100とし、比較例11〜12及び実施例11〜12については比較例11のtanδの値を100として指数表示した。指数値が小さい程、tanδが低く、ゴム組成物が低発熱性であることを示す。
(5)耐摩耗性
JIS K6264−2:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、スリップ率25%の条件で試験を行い、比較例1〜4及び実施例1〜4については比較例1の摩耗量の逆数を100とし、比較例5〜8及び実施例5〜8については比較例5の摩耗量の逆数を100とし、比較例9〜10及び実施例9〜10については比較例9の摩耗量の逆数を100とし、比較例11〜12及び実施例11〜12については比較例11の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0005595700
*1 上記方法で製造した重合体A〜P,使用した重合体の種類を表3に示す.
*2 JSR社製「IR2200」
*3 富士興産社製「アロマックス#3」
*4 三菱化学社製「ダイヤブラックN234」,ISAF−HS
*5 三菱化学社製「ダイヤブラックN339」,HAF−HS
*6 東ソーシリカ社製「AQ」
*7 デグッサ社製「Si69」
*8 大内新興化学工業社製「ノクラック6C」
*9 大内新興化学工業社製「ノクセラーD」
*10 大内新興化学工業社製「ノクセラーDM」
*11 大内新興化学工業社製「ノクセラーNS−F」
Figure 0005595700
表3から、従来の二次変性剤A〜Hに代えて、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基が導入された二次変性剤I〜Pを用いて得た変性共役ジエン系重合体I〜Pは、類似の構造を有した二次変性剤A〜H(変性剤B〜Fについては更に縮合されている)を用いて得た変性共役ジエン系重合体A〜Hと比較して、ゴム組成物のtanδを大幅に低減、即ち、ヒステリシスロスを大幅に低減して、低発熱性にしつつ、耐摩耗性を大幅に改善できることが分かる。このように、二次変性剤の変性効率を向上させることで、得られる変性共役ジエン系重合体の充填剤に対する反応性を向上できることが分かる。

Claims (12)

  1. 活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させてなる一次変性共役ジエン系重合体に対して反応させる二次変性剤であって、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなり、
    前記窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物が、下記一般式(I):
    Figure 0005595700
    [式中、m+n+k+h=4(但し、kは1〜4の整数であり、m、n及びhは0〜3の整数である)であり、
    1 は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸金属塩残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、並びに1級又は2級アミノ基、及び加水分解可能な基を有する1級若しくは2級アミノ基又はメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
    1 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、mが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
    3 は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、nが2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、
    2 は、含窒素有機基であり、kが2以上の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
    4 は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、hが2以上の場合には同一でも異なっていてもよい]で表されることを特徴とする二次変性剤。
  2. 活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させてなる一次変性共役ジエン系重合体に対して反応させる二次変性剤であって、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物又はその部分縮合物からなり、
    前記窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物が、下記一般式(II):
    Figure 0005595700
    [式中、p+q+r=2(但し、qは1〜2の整数であり、p及びrは0〜1の整数である)であり、
    2は、NR9(ここで、R9は、一価の炭化水素基、加水分解可能な基又は含窒素有機基である)又は硫黄であり、
    5は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、
    7は、炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、
    6は、含窒素有機基であり、qが2の場合には、互いに同一若しくは異なり、或いは、一緒になって環を形成しており、
    8は、炭素数1〜20の二価の炭化水素基又は炭素数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である]で表されることを特徴とする二次変性剤。
  3. 前記窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を少なくとも一つ有するケイ素化合物が、窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を2つ以上有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二次変性剤。
  4. 活性末端を有する共役ジエン系重合体に窒素含有ヒドロカルビルオキシ基を有さないケイ素化合物である一次変性剤を反応させて一次変性共役ジエン系重合体を得る工程と、
    前記一次変性共役ジエン系重合体に二次変性剤を反応させて二次変性共役ジエン系重合体を得る工程とを含む共役ジエン系重合体の製造方法であって、
    前記二次変性剤が、請求項1〜3のいずれかに記載の二次変性剤であることを特徴とする変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  5. 前記共役ジエン系重合体が、アニオン重合により合成されたことを特徴とする請求項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  6. 前記共役ジエン系重合体が、配位重合により合成されたことを特徴とする請求項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  7. 前記二次変性共役ジエン系重合体を得た後に、周期律表の4A族、2B族、3B族、4B族及び5B族のうち少なくとも一つに属する元素の化合物からなる縮合促進剤の存在下で縮合反応を行うことを特徴とする請求項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法により得たことを特徴とする変性共役ジエン系重合体。
  9. 請求項に記載の変性共役ジエン系重合体を含むことを特徴とするゴム組成物。
  10. 前記変性共役ジエン系重合体を15質量%以上含むゴム成分100質量部に対し、充填剤を10〜120質量部配合したことを特徴とする請求項に記載のゴム組成物。
  11. 前記充填剤が、シリカ及び/又はカーボンブラックであることを特徴とする請求項10に記載のゴム組成物。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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