JP7107695B2 - 擬似接着積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、擬似接着積層体に関する。
郵便、宅配便、通信販売等の業界においては、商品の流通過程を管理するために、種々の送り状ラベル(伝票)類が利用されている。商品の流通過程とは、商品の受注及び発送、並びに顧客の商品の受け取り等の各工程からなる。典型的な送り状ラベルとしては、例えば、基材、擬似接着層、粘着剤層及び剥離シートがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成されたシート状のものが挙げられる。擬似接着層は、送り状ラベルにおいて、基材を安定的に接着して固定し、必要なときには、基材を容易に剥離させる層であり、接着性及び剥離性をともに示す擬似接着性を有する。
このような送り状ラベルは、剥離シートを取り除き、これにより露出した粘着剤層によって、商品に貼付されて、使用される。商品への貼付後は、必要なときに基材が剥離によって取り除かれる。例えば、基材が裁断線によって複数の領域に区分けされている場合には、基材全体が取り除かれた後、この裁断線において基材が複数枚の分割片へと分割されて、これら分割片がそれぞれの目的に応じて使用される。又は、基材の一部の領域のみが取り除かれ、この取り除かれた分割片が目的に応じて使用されることもある。いずれの使用方法でも、一部の分割片は配送票として使用され、他の一部の分割片は、受領票として使用される。これら配送票、受領票等は、捺印又はサイン後に、最終的には目的とする場所で保管される。なお、基材としては、裁断線を有しないものを用いることもある。以上のような送り状ラベルにおいて、基材は判取片と呼ばれることがある。
従来の送り状ラベルでは、擬似接着層を、剥離剤を含有する層と、接着剤を含有する層と、の2層構成とするものがほとんどであったが、構成を単純化するために、擬似接着層を1層のみの構成(単層構成)とすることが望まれていた。このような単層構成の擬似接着層を備え、送り状ラベルとして利用可能なものとしては、感熱紙層、前記感熱紙層の背面に形成される粘着層、前記粘着層の背面に貼り付けられる離型紙層と、を含み、さらに、前記感熱紙層の背面と前記粘着層の表面との間に位置し、前記感熱紙層の除去の際に前記感熱紙層の背面から分離されて前記粘着層の表面に残存し、前記粘着層の表面に残存する部分が粘着性を示さない離型層を含む、無粘着性送り状ラベルが開示されている(特許文献1参照)。このラベルにおいて、感熱紙層は基材に相当し、離型紙層は剥離シートに相当し、離型層は擬似接着層に相当する。
特開2016-175410号公報
しかし、特許文献1に記載の無粘着性送り状ラベルは、その使用条件によっては、感熱紙層を取り除くときに、離型層からの剥離性が不十分になり、擬似接着性に劣ることがあるという問題点があった。
本発明は、基材と、前記基材の一方の面上に積層された擬似接着層と、を備え、前記擬似接着層を単層構成とすることができ、前記擬似接着層の擬似接着性が良好な擬似接着積層体を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、基材と、前記基材の一方の面上に積層された擬似接着層と、を備え、前記擬似接着層は、熱可塑性樹脂と、融点が25℃以上の乳化剤と、を含有し、前記擬似接着層の前記熱可塑性樹脂の含有量が、77~98質量%であり、前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であ前記融点が25℃以上の乳化剤は、融点が100℃以下であり、前記擬似接着層の前記融点が25℃以上の乳化剤の含有量が2~23質量%であり、前記融点が25℃以上の乳化剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、及びポリグリセリンエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である、擬似接着積層体を提供する
本発明の第1及び第2の態様の擬似接着積層体においては、前記擬似接着積層の最低造膜温度が40~110℃であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の態様の擬似接着積層体においては、前記熱可塑性樹脂が、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体、及びエチレン-アクリル酸エチル共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の態様の擬似接着積層体においては、前記熱可塑性樹脂が粒子状であり、前記熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.1~50μmであることが好ましい。
本発明によれば、基材と、前記基材の一方の面上に積層された擬似接着層と、を備え、前記擬似接着層を単層構成とすることができ、前記擬似接着層の擬似接着性が良好な擬似接着積層体が提供される。
本発明の擬似接着積層体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の擬似接着積層体の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の擬似接着積層体である、送り状ラベルの一実施形態を模式的に示す断面図である。 図3に示す送り状ラベルの使用方法の一例を模式的に説明するための断面図である。 実施例3における、電子顕微鏡による、基材の剥離面の倍率5000倍での撮像データである。 実施例5における、電子顕微鏡による、基材の剥離面の倍率2000倍での撮像データである。
<<擬似接着積層体(第1実施形態)>>
本発明の第1実施形態に係る擬似接着積層体は、基材と、前記基材の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)上に積層された擬似接着層と、を備えており、前記擬似接着層は、熱可塑性樹脂(本明細書においては、「熱可塑性樹脂(A)」と称することがある)と、融点が25℃以上の乳化剤(本明細書においては、「固体乳化剤(B)」と称することがある)と、を含有し、前記擬似接着層の前記熱可塑性樹脂の含有量が、77~98質量%となっている。
第1実施形態の擬似接着積層体は、前記擬似接着層が、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有し、前記擬似接着層の熱可塑性樹脂(A)の含有量が特定範囲内であることにより、擬似接着層の擬似接着性に優れる。より具体的には、擬似接着積層体において、擬似接着層は、基材を剥離させるとき以外は、基材との十分な接着性を有しており、その一方で、基材を剥離させるときは、基材の剥離を容易とする。
第1実施形態の擬似接着積層体は、このように擬似接着層の擬似接着性に優れるため、このような特性を利用可能であれば、その用途は特に限定されない。例えば、擬似接着積層体は、その擬似接着層の基材側とは反対側の面に、粘着剤層を設けることで、送り状ラベル(伝票)として用いるのに好適である。このような送り状ラベルについては、後ほど詳細に説明する。
<基材>
前記基材は、前記擬似接着層を形成可能であれば、特に限定されず、擬似接着積層体の用途に応じて、適宜選択できる。
基材は、フィルム状又はシート状であることが好ましい。
基材は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。基材が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
なお、本明細書においては、基材の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよいし、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
好ましい基材としては、例えば、上質紙、耐水紙、合成紙等の紙類;樹脂フィルム(又は樹脂シート);前記紙類の片面又は両面に修飾層が設けられて構成された紙積層シート(コート紙);前記樹脂フィルム(若しくは樹脂シート)の片面又は両面に修飾層が設けられて構成された樹脂積層シート等が挙げられる。
前記修飾層は、紙類、樹脂フィルム等に、目的とする機能を追加付与するための層であり、その種類は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
例えば、前記紙積層シートで好ましいものとしては、修飾層として感熱記録層が紙類に設けられて構成された感熱紙等が挙げられる。
これらの中でも、より好ましい基材としては、紙類、紙積層シートが挙げられる。基材として、紙類又は紙積層シートを備えた擬似接着積層体は、擬似接着層の擬似接着性に、特に優れる。
基材の厚さは特に限定されず、擬似接着積層体の用途に応じて、適宜選択できる。
例えば、擬似接着積層体を用いて、送り状ラベルを構成する場合には、基材の厚さは、35~800μmであることが好ましく、40~230μmであることがより好ましく、45~170μmであることが特に好ましい。基材の厚さが前記下限値以上であることで、擬似接着積層体の強度がより向上する。基材の厚さが前記上限値以下であることで、擬似接着積層体をより薄層化できる。
複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
基材の坪量は、30~600g/mであることが好ましく、40~150g/mであることがより好ましく、50~140g/mであることが特に好ましい。基材の坪量が前記下限値以上であることで、擬似接着積層体の強度がより向上する。基材の坪量が前記上限値以下であることで、擬似接着積層体をより薄層化できる。
基材は、公知の方法で製造できる。
また、基材としては、市販品を用いてもよい。
<擬似接着層、擬似接着組成物>
前記擬似接着層は、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有する。
擬似接着層は、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有する擬似接着組成物を、擬似接着層の形成対象面に塗工し、得られた塗工層を加熱することで形成できる。
前記擬似接着組成物としては、例えば、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)以外に、水等の溶媒(分散媒)成分を含有するエマルジョン体(分散液)が挙げられる。このような、水等の溶媒成分を含有する擬似接着組成物は、擬似接着層を形成するために、加熱乾燥させればよい。擬似接着組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、擬似接着層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15℃以上25℃未満の温度である。
擬似接着層の形成方法は、後ほど詳細に説明する。
擬似接着層は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。擬似接着層が複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
ただし、第1実施形態においては、擬似接着積層体の構成を簡略化できる点で、擬似接着層は、1層(単層)からなるものが好ましい。
擬似接着層の厚さは特に限定されず、擬似接着積層体の用途に応じて、適宜選択できる。
例えば、擬似接着積層体を用いて、送り状ラベルを構成する場合には、擬似接着層の厚さは、1~50μmであることが好ましく、2~40μmであることがより好ましく、2.5~30μmであることが特に好ましい。擬似接着層の厚さが前記下限値以上であることで、擬似接着層の擬似接着性がより向上する。擬似接着層の厚さが前記上限値以下であることで、擬似接着積層体をより薄層化できる。
複数層からなる擬似接着層の厚さとは、擬似接着層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
擬似接着層の形成量は特に限定されず、擬似接着積層体の用途に応じて、適宜選択できる。
例えば、擬似接着積層体を用いて、送り状ラベルを構成する場合には、擬似接着層の形成量は、1~50g/mであることが好ましく、2~40g/mであることがより好ましく、2.5~30g/mであることが特に好ましい。擬似接着層の形成量が前記下限値以上であることで、擬似接着層の擬似接着性がより向上する。擬似接着層の形成量が前記上限値以下であることで、擬似接着積層体をより薄層化できる。
[熱可塑性樹脂(A)]
熱可塑性樹脂(A)は、特に限定されず、公知のものであってもよい。
熱可塑性樹脂(A)は、構成単位が1種のみの単独重合体であってもよいし、構成単位が2種以上の共重合体であってもよい。共重合体は、例えば、ランダム重合体、交互重合体、ブロック重合体及びグラフト重合体のいずれであってもよい。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ワックス類等が挙げられる。
前記オレフィン系樹脂は、エチレン(エテン)、プロピレン(プロペン)等のオレフィンから誘導された構成単位を有する。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィンの単独重合体;
エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物(エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルから誘導された構成単位の一部又はすべてがケン化されたケン化物)、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体等の、エチレンから誘導された構成単位と、エチレン以外のモノマーから誘導された構成単位と、をともに有する、エチレン共重合体;
プロピレン-1-ブテン共重合体等の、プロピレンから誘導された構成単位と、プロピレン以外のモノマーから誘導された構成単位と、をともに有する、プロピレン共重合体;
等が挙げられる。
前記エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
前記エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体としては、例えば、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
前記ビニル系樹脂は、構成単位として、ビニル基を有するモノマーから誘導された構成単位のみを有する。
ビニル系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の、ビニル基を有するモノマーの単独重合体等が挙げられる。
前記アクリル系樹脂は、構成単位として、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーから誘導された構成単位のみを有する。
前記ポリエステルとしては、例えば、共重合ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等が挙げられる。
前記ポリアミドとしては、例えば、共重合ナイロン、ナイロン12、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、変性ワックス等が挙げられる。
上記の中でも、好ましい熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体の金属塩、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、ポリエステル、ポリアミド、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ワックス類等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)は、オレフィン系樹脂であることがより好ましい。
なかでも、熱可塑性樹脂(A)は、エチレンから誘導された構成単位を有する、エチレン系樹脂であることがさらに好ましく、前記エチレン共重合体であることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂(A)で特に好ましいもの(前記エチレン共重合体)としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念である。(メタ)アクリル酸と類似の用語についても同様であり、例えば、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
熱可塑性樹脂(A)は粒子状であることが好ましい。
擬似接着組成物及び擬似接着層において、熱可塑性樹脂(A)の平均粒子径は、0.1~50μmであることが好ましく、0.5~40μmであることがより好ましく、1.0~10μmであることが特に好ましい。前記平均粒子径が前記下限値以上となる熱可塑性樹脂(A)は、入手又は作製が容易である。熱可塑性樹脂(A)の前記平均粒子径が前記上限値以下であることで、特に、紙を構成材料とする基材を用いた場合に、後述するように、擬似接着積層体の擬似接着性がより高くなる。
なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いる方法で測定された、体積累積分布の中央値D50を意味する。
熱可塑性樹脂(A)の融点は、特に限定されないが、40~260℃であることが好ましく、45~150℃であることがより好ましく、50~130℃であることが特に好ましい。このような融点の熱可塑性樹脂(A)を用いることで、より良好な特性の擬似接着層を形成できる。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する熱可塑性樹脂(A)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する熱可塑性樹脂(A)は、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体、及びエチレン-アクリル酸エチル共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂(A)を用いることにより、擬似接着層の擬似接着性がより向上する。
擬似接着組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、熱可塑性樹脂(A)の含有量の割合(すなわち、擬似接着層の熱可塑性樹脂(A)の含有量)は、77~98質量%であり、78~97.7質量%であることが好ましく、79~97.4質量%であることがより好ましく、80~97.2質量%であることが特に好ましい。前記割合(擬似接着層の熱可塑性樹脂(A)の含有量)がこのような範囲であることで、擬似接着層の擬似接着性、特に、擬似接着層の、基材を剥離させるときの剥離性(基材の剥離の容易さ)が、高くなる。また、擬似接着層の擬似接着力を目的とする範囲内に調節することが容易であり、擬似接着層の耐水性も向上する。
[固体乳化剤(B)]
固体乳化剤(B)は、その融点が25℃以上であれば、特に限定されず、公知のものであってもよい。
固体乳化剤(B)は、例えば、低分子化合物(分子量が1000未満の化合物)及び高分子化合物(分子量が1000以上の化合物)のいずれであってもよいし、非重合体及び重合体のいずれであってもよい。
本明細書において、非重合体とは、モノマーの重合反応によって形成されたとは見做せない化合物を意味する。
一方、重合体には、オリゴマー及びポリマーが包含される。重合体は、構成単位が1種のみの単独重合体であってもよいし、構成単位が2種以上の共重合体であってもよい。共重合体は、例えば、ランダム重合体、交互重合体、ブロック重合体及びグラフト重合体のいずれであってもよい。
固体乳化剤(B)の融点(本明細書においては、「Mp」と略記することがある)(℃)は、25℃以上であり、30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。Mpが前記下限値以上であることで、擬似接着層の擬似接着性が向上する。
固体乳化剤(B)の融点(Mp)(℃)の上限値は、特に限定されない。
固体乳化剤(B)が容易に入手できる点と、擬似接着性が良好である点では、Mpは、例えば、250℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることが特に好ましい。
固体乳化剤(B)の融点(Mp)(℃)は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、Mpは、好ましくは25~250℃、より好ましくは30~250℃、特に好ましくは40~250℃である。また、一実施形態において、Mpは、好ましくは25~100℃、より好ましくは30~100℃、特に好ましくは40~100℃である。また、一実施形態において、Mpは、好ましくは25~80℃、より好ましくは30~80℃、特に好ましくは40~80℃である。ただし、これらは、Mpの一例である。
固体乳化剤(B)がオリゴマー又はポリマーである場合、固体乳化剤(B)の重量平均分子量は、特に限定されないが、5000~50000であることが好ましく、7000~30000であることがより好ましく、10000~20000であることが特に好ましい。固体乳化剤(B)の重量平均分子量がこのような範囲内であることで、擬似接着層の擬似接着性がより向上する。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
固体乳化剤(B)で好ましいものとしては、例えば、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリグリセリンエステル等が挙げられる。
これらの中でも、固体乳化剤(B)でより好ましいものとしては、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体が挙げられる。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する固体乳化剤(B)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
擬似接着組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、固体乳化剤(B)の含有量の割合(すなわち、擬似接着層の固体乳化剤(B)の含有量)は、2~23質量%であることが好ましく、2.3~22質量%であることがより好ましく、2.6~21質量%であることがさらに好ましく、2.8~20質量%であることが特に好ましい。前記割合(擬似接着層の固体乳化剤(B)の含有量)がこのような範囲であることで、擬似接着層の擬似接着性がより高くなる。特に、前記割合が前記下限値以上であることで、擬似接着層の、基材を剥離させるとき以外の、基材との接着性が、より高くなる。そして、前記割合が前記上限値以下であることで、擬似接着層の、基材を剥離させるときの剥離性(基材の剥離の容易さ)が、より高くなる。
[他の成分]
擬似接着組成物及び擬似接着層は、本発明の効果を損なわない範囲内において、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)以外に、他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分は、特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記他の成分で好ましいものとしては、例えば、乳化安定剤(本明細書においては、「乳化安定剤(C)」と称することがある)、溶媒等が挙げられる。
(乳化安定剤(C))
乳化安定剤(C)は、その融点が25℃未満であれば、特に限定されず、公知のものであってもよい。
乳化安定剤(C)は、例えば、低分子化合物(分子量が1000未満の化合物)及び高分子化合物(分子量が1000以上の化合物)のいずれであってもよいし、非重合体及び重合体のいずれであってもよい。
乳化安定剤(C)の融点は、5℃以上25℃未満であることが好ましく、5~24℃であることがより好ましく、7~23℃であることがさらに好ましく、8~20℃であることが特に好ましい。乳化安定剤(C)の融点がこのような範囲であることで、擬似接着層の擬似接着力の調節、特に細かい調節が、より容易となる。
乳化安定剤(C)で好ましいものとしては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する乳化安定剤(C)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
乳化安定剤(C)を用いる場合、擬似接着組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、乳化安定剤(C)の含有量の割合(すなわち、擬似接着層の乳化安定剤(C)の含有量)は、0.5~20質量%であることが好ましく、0.9~19質量%であることがより好ましく、1.3~18質量%であることがさらに好ましく、1.7~17質量%であることが特に好ましい。前記割合(擬似接着層の乳化安定剤(C)の含有量)がこのような範囲であることで、擬似接着層の擬似接着性、特に、擬似接着層の、基材を剥離させるときの剥離性(基材の剥離の容易さ)が、より高くなる。また、前記割合(擬似接着層の乳化安定剤(C)の含有量)が前記下限値以上であることで、乳化安定剤(C)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。
(溶媒)
前記溶媒は、特に限定されず、公知のものでよく、例えば、水及び有機溶媒のいずれであってもよい。
例えば、熱可塑性樹脂(A)、固体乳化剤(B)及び前記他の成分(一例を挙げれば、乳化安定剤(C))のいずれかとして、溶媒との混合物の状態となっているものを用いた場合には、この混合物中の溶媒がそのまま、擬似接着組成物が含有する溶媒となってもよい。また、熱可塑性樹脂(A)、固体乳化剤(B)及び前記他の成分(一例を挙げれば、乳化安定剤(C))のいずれかとして、溶媒との混合物の状態となっているものを用いたか否かによらず、これら熱可塑性樹脂(A)等の成分の配合時とは別途に配合された溶媒が、擬似接着組成物が含有する溶媒であってもよい。
擬似接着組成物が含有する溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。例えば、擬似接着組成物が含有する溶媒が2種以上(混合溶媒)である場合、この混合溶媒は、水及び有機溶媒の混合物である水系混合溶媒であってもよいし、水を含まない非水系混合溶媒であってもよい。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン等のケトン;アセトニトリル等のニトリル;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド;酢酸エチル、酢酸n-ブチル等のエステル;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2-ジメトキシエタン(ジメチルセロソルブ)等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
擬似接着層の最低造膜温度(MFT)(本明細書においては、「MFT」と略記することがある)は、40~110℃であることが好ましく、44~105℃であることがより好ましく、48~100℃であることがさらに好ましく、例えば、48℃以上74℃未満、及び74~100℃のいずれかであってもよい。擬似接着組成物の加熱温度が低かったとしても、MFTが前記下限値以上である擬似接着層は、擬似接着性に優れ、より安定して形成されている。MFTが前記上限値以下である擬似接着層は、加工性に優れる。
なお、本明細書において、「最低造膜温度」とは、特に断りのない限り、JIS K 6828-2:2003に準拠して測定されたものを意味する。
MFTは、擬似接着組成物及び擬似接着層において、含有成分の種類及び含有量等を調節することによって、調節できる。
先の説明のとおり、擬似接着組成物は、典型的には、エマルジョン体(分散液)となる。
擬似接着組成物においては、一部の含有成分が溶解していてもよい。
擬似接着組成物において、溶解していない成分は、均一に分散していることが好ましい。
擬似接着組成物は、熱可塑性樹脂(A)、固体乳化剤(B)、及び必要に応じて前記他の成分を配合することで得られる。各成分の配合後は、得られたものをそのまま擬似接着組成物としてもよいし、得られたものを、さらに公知の操作で、溶媒中で分散させて得られたものを擬似接着組成物としてもよい。
各成分の配合順序は、特に限定されない。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法;容器中で加熱溶融させて乳化(混合)する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、配合成分の種類及び量に応じて、配合して得られた混合物が撹拌し易い粘度となるように、適宜調節できる。配合時の温度は、例えば、5~200℃であってもよいが、これは一例である。
配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、1分~24時間であってもよいが、これは一例である。
<他の層>
第1実施形態の擬似接着積層体は、前記基材及び擬似接着層以外に、他の層を備えていてもよい。前記他の層の積層位置は、特に限定されず、他の層の種類に応じて適宜選択できる。例えば、他の層の積層位置は、擬似接着層の基材側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)上であってもよいし、擬似接着層と基材との間であってもよい。
擬似接着積層体は、他の層を、擬似接着積層体中の1箇所のみに備えていてもよいし、2箇所以上(複数個所)に備えていてもよい。そして、他の層を2箇所以上に備えている場合、これら複数(2以上)の他の層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数の他の層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
擬似接着層の第1面上に備える他の層としては、例えば、粘着剤層、剥離シート等が挙げられる。
前記粘着剤層を備えた擬似接着積層体は、後述する送り状ラベルとして好適である。
また、前記剥離シートを備えた擬似接着積層体、特に、擬似接着層の第1面側の最上層に剥離シートを備えた擬似接着積層体は、取り扱い性に優れる。
そして、前記粘着剤層を備えた擬似接着積層体は、さらに粘着剤層上に剥離シートを備えていることが好ましい。すなわち、本発明の擬似接着積層体のより好ましい一実施形態としては、基材と、前記基材の第1面上に積層された擬似接着層と、前記擬似接着層の第1面上に積層された粘着剤層と、前記粘着剤層の基材側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)上に積層された剥離シートと、を備えたものが挙げられる。
前記剥離シートは、公知のものであってもよい。
剥離シートとしては、例えば、紙製シート若しくは樹脂製シートの片面又は両面が、剥離処理されているものが挙げられる。この場合、剥離シートの剥離処理されている面(剥離処理面)が、粘着剤層、擬似接着層等の、剥離シートに隣接する層との接触面となる。
本明細書において、「面が剥離処理されている」とは、対象となる面に接触している層が、必要なときに力を加えられることで、この面から容易に剥離可能であるように、この面が処理されていることを意味する。そして、「剥離処理面」とは、対象となる層(フィルム、シート)において、このような剥離処理が施されている面を意味する。
対象となる面の剥離処理は、公知の各種剥離処理剤を用いることによって、行うことができる。
擬似接着層と基材との間に備える他の層としては、例えば、中間層が挙げられる。前記中間層は、擬似接着積層体に目的とする機能を追加付与するための層である。
擬似接着積層体は、前記剥離シート、粘着剤層及び中間層からなる群から選択される2種以上をともに備えていてもよい。
他の層は、公知の方法で製造でき、例えば、他の層の構成材料を含有する組成物を、他の層の形成対象面に塗工し、必要に応じて乾燥させることで形成できる。前記組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、他の層の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
例えば、粘着剤層の構成材料を含有する前記組成物としては、粘着剤を含有する粘着剤組成物が挙げられる。
また、他の層としては、市販品を用いてもよい。
第1実施形態の擬似接着積層体は、基材及び擬似接着層が互いに接触して積層されている(換言すると、擬似接着層と基材との間に前記他の層を備えていない)ものが好ましい。このような擬似接着積層体は、単純な構成で、本発明の顕著な効果が得られる。
<<擬似接着積層体(第2実施形態)>>
本発明の第2実施形態に係る擬似接着積層体は、基材と、前記基材の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)上に積層された擬似接着層と、を備えており、前記擬似接着層は、熱可塑性樹脂(本明細書においては、「熱可塑性樹脂(A1)」と称することがある)と、融点が25℃以上の乳化剤(本明細書においては、「固体乳化剤(B)」と称することがある)と、を含有し、前記熱可塑性樹脂が、オレフィン系樹脂となっている。
第2実施形態の擬似接着積層体は、「擬似接着層の熱可塑性樹脂の含有量が、77~98質量%である」ことに代えて、「擬似接着層が、熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂を含有する」ことを、必須の構成としている点以外は、上述の第1実施形態の擬似接着積層体と同じである。
第2実施形態の擬似接着積層体は、前記擬似接着層が、特定範囲内の熱可塑性樹脂(A1)と、固体乳化剤(B)と、を含有していることにより、第1実施形態の擬似接着積層体と同様に、擬似接着層の擬似接着性に優れる。より具体的には、擬似接着積層体において、擬似接着層は、基材を剥離させるとき以外は、基材との十分な接着性を有しており、その一方で、基材を剥離させるときは、基材の剥離を容易とする。
第2実施形態の擬似接着積層体は、このように擬似接着層の擬似接着性に優れるため、第1実施形態の擬似接着積層体と同様に、このような特性を利用可能であれば、その用途は特に限定されない。例えば、擬似接着積層体は、その擬似接着層の基材側とは反対側の面に、粘着剤層を設けることで、送り状ラベルとして用いるのに好適である。このような送り状ラベルについては、後ほど詳細に説明する。
<基材>
第2実施形態における基材は、第1実施形態における基材と同じである。
<擬似接着層、擬似接着組成物>
第2実施形態における擬似接着層は、熱可塑性樹脂(A1)及び固体乳化剤(B)を含有する。
第2実施形態における擬似接着層は、「擬似接着層の熱可塑性樹脂の含有量が、77~98質量%である」ことに代えて、「擬似接着層が、熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂(熱可塑性樹脂(A1))を含有する」ことを、必須の構成としている点以外は、上述の第1実施形態における擬似接着層と同じものである。
(熱可塑性樹脂(A1))
第2実施形態における熱可塑性樹脂(A1)であるオレフィン系樹脂は、第1実施形態における熱可塑性樹脂(A)のうちのオレフィン系樹脂と同じである。
擬似接着組成物及び擬似接着層が含有する熱可塑性樹脂(A1)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
擬似接着組成物において、溶媒以外の成分の総含有量に対する、熱可塑性樹脂(A1)の含有量の割合(すなわち、擬似接着層の熱可塑性樹脂(A1)の含有量)は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されないが、77~98質量%であることが好ましく、78~97.7質量%であることがより好ましく、79~97.4質量%であることがさらに好ましく、80~97.2質量%であることが特に好ましい。前記割合(擬似接着層の熱可塑性樹脂(A1)の含有量)がこのような範囲であることで、擬似接着層の擬似接着性、特に、擬似接着層の、基材を剥離させるときの剥離性(基材の剥離の容易さ)が、高くなる。また、擬似接着層の擬似接着力を目的とする範囲内に調節することが容易であり、擬似接着層の耐水性も向上する。
<他の層>
第2実施形態の擬似接着積層体は、前記基材及び擬似接着層以外に、他の層を備えていてもよい。
第2実施形態における他の層は、第1実施形態における他の層と同じである。
第2実施形態における他の層の積層位置は、第1実施形態における他の層の積層位置と同じである。
第2実施形態の擬似接着積層体は、第1実施形態の擬似接着積層体と同様に、基材及び擬似接着層が互いに接触して積層されている(換言すると、擬似接着層と基材との間に前記他の層を備えていない)ものが好ましい。このような擬似接着積層体は、単純な構成で、本発明の顕著な効果が得られる。
本発明の擬似接着積層体において、典型的には、その構成によらず(例えば、第1実施形態及び第2実施形態のいずれかであるかによらず)、基材を剥離させた後の、基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面は、いずれも粘着性を有していない。また、基材の剥離面には、大きな荒れが認められない。そして、後述するように、基材の剥離面には、擬似接着層に含有されていた固体乳化剤(B)の少なくとも一部が、膜状に残存する。
<<擬似接着積層体の製造方法>>
本発明の擬似接着積層体は、その構成によらず(例えば、第1実施形態及び第2実施形態のいずれかであるかによらず)、前記基材の第1面上に、擬似接着層を積層することにより、製造できる。
例えば、基材の第1面上に前記擬似接着組成物を塗工し、得られた塗工層を加熱して、擬似接着層を形成することで、擬似接着積層体を製造できる。
擬似接着層は、例えば、塗工層を加熱せず、塗工層を常温下(例えば、23℃程度の室温下)に置いて、溶媒を除去することでも形成できるが、塗工層を加熱した方が、短時間でより良好な特性の擬似接着層を形成できる。
擬似接着組成物の塗工方法は特に限定されず、液状物を塗工できる方法であれば、いずれであってもよい。具体的な塗工方法としては、例えば、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター等の各種コーター;ワイヤーバーコーター等の装置、を使用する公知の方法が挙げられる。
擬似接着組成物の塗工量は、擬似接着層の形成量(g/m)が目的とする値となるように、適宜調節できる。
本発明の擬似接着積層体が擬似接着性を示す理由は、このような製造方法を適用していることと、密接に関連していると推測される。
すなわち、塗工条件下にある擬似接着組成物中で、溶媒に溶解している固体乳化剤(B)は、粒子状の熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(A1))に作用して、乳化物を形成している。このような擬似接着組成物を、擬似接着層の形成対象面である基材の第1面に塗工すると、固体乳化剤(B)が乳化物の状態で、又は単独で、基材の第1面に到達する。そして、溶媒の除去等を経て、擬似接着層が形成された段階では、析出した状態の固体乳化剤(B)が、基材の第1面上において膜を形成する。この膜状の固体乳化剤(B)と、基材の第1面と、の間で、擬似接着性を示す程度の、軽度の接着力が発現する。この接着力は、主に、膜状の固体乳化剤(B)の基材に対するアンカー効果と、膜状の固体乳化剤(B)と基材との間で作用するファンデルワールス力と、によってもたらされると推測される。そして、擬似接着積層体における擬似接着性の発現には、このような固体乳化剤(B)の作用が大きく寄与していると推測される。さらに、擬似接着層が形成された段階では、基材上において、粒子状の熱可塑性樹脂同士が融着して膜を形成し、この膜の作用によって、擬似接着層が適度な接着性と剥離性を併せ持つという特性が向上すると推測される。このような熱可塑性樹脂の膜の形成によってもたらされる効果は、擬似接着組成物の塗工層の加熱温度が高い方が、大きくなる傾向にある。
このような固体乳化剤(B)と熱可塑性樹脂の作用によって、擬似接着積層体において、優れた擬似接着性が発現すると推測される。
さらに、基材が、紙類、紙積層シート等の、紙を構成材料とする場合に、擬似接着積層体の擬似接着性がより向上する。この場合、基材には、紙の特徴である繊維間の隙間が多数存在する。擬似接着組成物を、このような基材の第1面に塗工すると、溶媒に溶解している固体乳化剤(B)だけでなく、粒子状の熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(A1))が、この隙間に到達する。そして、溶媒の除去等を経て、擬似接着層が形成された段階では、基材の隙間において、上述の基材上での場合と同様に、析出した状態の固体乳化剤(B)が膜を形成するのに加えて、粒子状の熱可塑性樹脂同士が融着する。さらに、基材の隙間の熱可塑性樹脂と、基材上の熱可塑性樹脂と、の間でも融着が生じ、結果として、基材の隙間から基材上にまで及ぶ、融着した熱可塑性樹脂の層が形成される。このような熱可塑性樹脂層の形成により、擬似接着層が適度な接着性と剥離性を併せ持つという特性がより向上すると推測される。
このような熱可塑性樹脂層を形成するためには、熱可塑性樹脂の平均粒子径が、基材の前記隙間のサイズよりも小さければよく、好ましい熱可塑性樹脂の平均粒子径は、先に説明したとおりである。
前記樹脂フィルム(又は樹脂シート)、前記樹脂積層シート等、第1面の平滑性が高い基材の場合には、上述のファンデルワールス力によってもたらされる、膜状の固体乳化剤(B)と、基材の第1面と、の間の前記接着力は、小さくなると推測されるが、上述の熱可塑性樹脂同士の融着によって形成された膜の作用によって、擬似接着積層体における擬似接着性が発現すると推測される。
第1面の平滑性が高い基材を用いる場合には、必要に応じて、基材の第1面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、酸化処理、サンドブラスト処理等の、公知の表面処理を行って、膜状の固体乳化剤(B)と、基材の第1面と、の間の前記接着力を向上させてもよい。
このように、固体乳化剤(B)が、基材の第1面上において膜を形成するために、固体乳化剤(B)の融点(Mp)(℃)は、25℃以上であることが、必要となる。
擬似接着層から剥離された後の、基材の剥離面には、典型的には、擬似接着層に含有されていた固体乳化剤(B)の少なくとも一部が、膜状に残存する。これは、擬似接着積層体が擬似接着性を示すときの特徴である。剥離された後の擬似接着層の剥離面には、熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(A1))が存在しており、擬似接着層からの基材の剥離時には、膜状の固体乳化剤(B)と、熱可塑性樹脂と、の間で、剥離が生じていると推測される。
さらに、基材が、紙類、紙積層シート等の、紙を構成材料とする場合には、基材の剥離面側において、繊維間の隙間には、融着した熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性樹脂(A1))が存在する。これにより、基材の隙間の熱可塑性樹脂と、基材上の熱可塑性樹脂と、の間でも融着が生じていたことが確認できる。
なお、ここでは、擬似接着層の形成対象層が基材である場合を例に挙げて説明したが、擬似接着層の形成対象層が、中間層等の他の層であっても、同様の作用及び効果を示す。
擬似接着組成物の塗工層の加熱温度(本明細書においては、「TAH」と略記することがある)(℃)の下限値は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
例えば、擬似接着層の擬似接着性がより向上する点では、TAH(℃)は、50℃以上であることが好ましい。
さらに、擬似接着組成物の塗工層の加熱温度(TAH)(℃)は、前記擬似接着層のMFT(MFT)(℃)を考慮して、設定してもよい。
この場合、TAHは、MFTよりも30℃低い温度以上(MFT-30℃≦TAH)であることが好ましく、MFTよりも15℃低い温度以上(MFT-15℃≦TAH)であることがより好ましく、例えば、MFT以上(MFT≦TAH)、MFTよりも15℃高い温度以上(MFT+15℃≦TAH)、及び、MFTよりも30℃高い温度以上(MFT+30℃≦TAH)のいずれかであってもよい。
擬似接着組成物の塗工層の加熱温度(TAH)(℃)の上限値は、特に限定されない。
例えば、基材等の、擬似接着積層体を構成する各層の劣化を抑制する効果が高い点では、TAHは、260℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
擬似接着組成物の塗工層の加熱温度(TAH)(℃)は、上述の好ましい下限値及び上限値を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。
一実施形態において、TAHは、50~260℃であることが好ましく、50~200℃であることがより好ましい。ただし、これらは、TAHの一例である。
擬似接着層のMFT(MFT)を考慮して、擬似接着組成物の塗工層の加熱温度(TAH)を決定するときには、例えば、同じ擬似接着組成物を用いて、あらかじめ別途、擬似接着層を形成しておき、そのMFTを測定して、その測定値に基づいて、TAHを決定すればよい。あらかじめ別途、擬似接着層を形成するときの、擬似接着組成物の塗工層の加熱温度は、高めに設定しておけば、過度の試行錯誤なく、目的とする良好な特性の擬似接着層を容易に形成できる。そして、実際に目的とする擬似接着積層体を製造するときには、上述のようにTAHを管理することで、工程上の不具合を伴うことなく、簡便かつ効率的に、擬似接着積層体を製造できる。
前記他の層を備える擬似接着積層体は、上述の製造方法において、適したタイミングで、適した箇所に、前記他の層を形成する工程を追加して行うことにより、製造できる。
図1は、本発明の擬似接着積層体の一例を模式的に示す断面図である。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す擬似接着積層体1は、基材11と、基材11の一方の面(第1面)11a上に積層された擬似接着層12と、を備えている。
擬似接着積層体1は、基材11及び擬似接着層12が、これらの厚さ方向において積層されて構成され、擬似接着層12の基材11側とは反対側の面(第1面)12aに、何も備えておらず、前記第1面12aが露出面となっている。
擬似接着積層体1の一実施形態において、擬似接着層12は、熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有しており、擬似接着層12の熱可塑性樹脂(A)の含有量は、77~98質量%である。
また、擬似接着積層体1の他の実施形態において、擬似接着層12は、熱可塑性樹脂(A1)及び固体乳化剤(B)を含有し、熱可塑性樹脂(A1)は、オレフィン系樹脂である。
図2は、本発明の擬似接着積層体の他の例を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ここに示す擬似接着積層体2は、基材11に代えて基材21を備えている点以外は、図1に示す擬似接着積層体1と同じである。
基材21は、裁断線210を有している点以外は、基材11と同じである。
基材21は、裁断線210によって複数の領域に区分けされており、裁断線210において分割することにより、複数枚の分割片へと分割可能となっている。より具体的には、基材21は、少なくとも、その裁断線210によって、第1領域211と、この第1領域211に隣接する第2領域212と、に分割可能となっている。
なお、図2中、符号21aは、基材21の第1面を示す。
裁断線210は、例えば、ミシン目、ハーフカット線等、公知の構成を有する。
より具体的には、裁断線210は、いずれの場合も、基材21の厚さ方向において切れ込みを有している。裁断線210がミシン目である場合には、例えば、基材21の厚さ方向の全域に形成されている(基材21を貫通している)前記切れ込みが、裁断線210の線長方向において、間欠的に形成され、ミシン目となっている。裁断線210がハーフカット線である場合には、例えば、基材21の厚さ方向の一部の領域に形成されている(基材21を貫通していない)前記切れ込みが、裁断線210の線長方向において、連続的に形成され、ハーフカット線となっている。裁断線210は、このようなミシン目とハーフカット線の両方の構成を有していてもよい。
裁断線210の配置位置は、目的に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
裁断線210の本数は、1のみであってもよいし、2以上であってもよく、目的に応じて任意に設定でき、特に限定されない。
本発明の擬似接着積層体は、図1及び図2に示すものに限定されず、例えば、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1又は図2に示すものの一部の構成が削除若しくは変更されたもの、あるいは、図1又は図2に示すものにさらに他の構成が追加されたもの、であってもよい。
例えば、擬似接着積層体1又は2は、基材11又は21及び擬似接着層12以外に、他の層を備えていてもよい。
例えば、擬似接着積層体1又は2は、擬似接着層12の第1面12a上に、さらに剥離シート(図示略)を備えていてもよい。すなわち、擬似接着積層体1又は2は、基材11又は21、擬似接着層12及び剥離シートがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されていてもよい。
また、例えば、擬似接着積層体1又は2は、擬似接着層12の第1面12a上に、さらに粘着剤層(図示略)を備えていてもよい。すなわち、擬似接着積層体1又は2は、基材11又は21、擬似接着層12及び粘着剤層がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されていてもよい。
また、例えば、擬似接着積層体1又は2は、擬似接着層12と基材11又は21との間に、中間層(図示略)を備えていてもよい。すなわち、擬似接着積層体1又は2は、基材11又は21、中間層及び擬似接着層12がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されていてもよい。
そして、擬似接着積層体1又は2は、前記剥離シート、粘着剤層及び中間層からなる群から選択される2種以上をともに備えていてもよい。
◎送り状ラベル及びその使用方法
本発明の前記他の層を備えた擬似接着積層体のうち、前記他の層として前記粘着剤層を備えた送り状ラベルについて、以下、説明する。
図3は、本発明の擬似接着積層体である送り状ラベルの一実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す送り状ラベル3は、基材21と、基材21の第1面21a上に積層された擬似接着層12と、擬似接着層12の第1面12a上に積層された粘着剤層13と、粘着剤層13の第1面13a上に積層された剥離シート14と、を備えている。このように、送り状ラベル3は、基材21、擬似接着層12、粘着剤層13及び剥離シート14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。換言すると、送り状ラベル3は、図2に示す擬似接着積層体2中の擬似接着層12の第1面12a上に、粘着剤層13及び剥離シート14がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
基材21の擬似接着層12側とは反対側の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)21bは、送り先等の各種情報が記録及び確認可能となっている。
送り状ラベル3は、剥離シート14が取り除かれ、粘着剤層13の第1面13aが露出された状態で、この粘着剤層13の第1面13aが送り対象である被着体に貼付されて、使用される。
図4は、図3に示す送り状ラベル3の使用方法の一例を模式的に説明するための断面図である。
送り状ラベル3の使用時には、図4(a)に示すように、まず、剥離シート14を取り除き、粘着剤層13の第1面13aを露出させる。ここでは、剥離シート14を取り除いた後の送り状ラベルを、符号3’を付して示している。
次いで、図4(b)に示すように、送り状ラベル3’中の粘着剤層13の第1面13aを、送り対象である被着体9に貼付する。被着体9は商品等であり、このように送り状ラベル3’が貼付された状態のまま発送され、発送先で受け取られる。
被着体9が発送先で受け取られ、基材21が意図的に剥離されるまでの間、擬似接着層12は、基材21との十分な接着性を有しており、基材21は目的外の剥離が抑制される。
被着体9が受け取られた後は、送り状ラベル3’中の基材21のうち、第2領域212中のいずれかの部位に、この第2領域212を擬似接着層12から引き剥がす力を加えることにより、図4(c)に示すように、裁断線210において基材21を分割するとともに、基材21中の第2領域212を剥離させる。
このとき、擬似接着層12が擬似接着性に優れているため、基材21の第2領域212は容易に剥離できる。
なお、ここでは、第2領域212が取り除かれた後の基材を、符号21’を付して示している。
一方、擬似接着層12上に残ったままの、基材21の第1領域211は、このままの状態であってもよいし、第2領域212の場合と同様に、擬似接着層12から引き剥がして、剥離させてもよい。擬似接着層12が擬似接着性に優れているため、基材21の第1領域211も容易に剥離できる。
剥離(分割)後の第2領域212は、配送票として回収され、残った第1領域211は受領票として使用される。
基材21における配送票及び受領票の関係は逆であってもよい。すなわち、基材21のうち、第1領域211中のいずれかの部位に、この第1領域211を擬似接着層12から引き剥がす力を加えることにより、裁断線210において基材21を分割するとともに、基材21中の第1領域211を剥離させてもよい。この場合は、剥離(分割)後の基材21の第1領域211は、配送票として回収され、残った第2領域212は受領票として使用される。
この場合も、基材21の第1領域211及び第2領域212は、いずれも容易に剥離できる。
基材21中の第1領域211及び第2領域212のうち、いずれを配送票とし、受領票とするかは、第1領域211及び第2領域212にそれぞれどのような情報を記録するかによって決定される。
ここでは、基材21をその裁断線210において分割するとともに、基材21中の第1領域211及び第2領域212のいずれか一方又は両方を剥離させる場合について、説明したが、基材21の剥離及び分割の方法は、これに限定されない。
例えば、基材21をその裁断線210において分割することなく、基材21全体を剥離させた後に、基材21をその裁断線210において分割してもよい。
また、ここでは、裁断線210を有する基材21を、剥離及び分割する場合について説明したが、図1に示す擬似接着積層体1のような、裁断線を有しない基材を用いて送り状ラベルを構成し、被着体9が受け取られた後に、この基材全体をそのまま剥離させてもよい。
なお、基材21の第1領域211及び第2領域212のうち、いずれを剥離させた場合であっても、典型的には、先に説明したように、剥離された後の基材21の剥離面(第1面21a)には、擬似接着層12に含有されていた固体乳化剤(B)の少なくとも一部が、膜状に残存する。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
後述する実施例又は比較例で用いた基材を、以下に示す。
[基材]
(S1):感熱紙(リコー社製「リコーサーマル135SAB-T」、厚さ83μm、坪量76.1g/m、平滑度150.0s)
(S2):上質紙(三菱製紙社製「PDW」、厚さ155μm、坪量128g/m、平滑度38.0s)
(S3):耐水紙(三菱製紙社製「FPWS-P97-N」、厚さ138μm、坪量113g/m、平滑度51.1s)
(S4):ポリエチレンテレフタレート製フィルム(パナック社製「ルミラー50S10」、厚さ50μm、坪量69.8g/m
後述する実施例又は比較例において、擬似接着組成物の製造に用いた原料を、以下に示す。
[熱可塑性樹脂(A)]
(A)-1:エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体(融点92℃)
(A)-2:エチレン-酢酸ビニル共重合体(融点68℃)
[固体乳化剤(B)]
(B)-1:エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体(重量平均分子量15500、融点(Mp)60℃)
[乳化安定剤(C)]
(C)-1:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(分子量664、融点19℃)
[実施例1]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad1)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、100℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(Ad1)は、熱可塑性樹脂(A)-1(91質量部)、固体乳化剤(B)-1(7質量部)、乳化安定剤(C)-1(2質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad1)において、熱可塑性樹脂(A)-1の平均粒子径を測定したところ、1.4μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。これは、擬似接着層の形成量の記載を省略している、以降のすべての他の実施例及び比較例においても同じである。
<<貼付用積層体の製造>>
合成ゴム系粘着剤を含有する粘着剤層(厚さ20μm)が、剥離紙の剥離処理面(第2面)に積層されて構成された粘着シートを用意した。常温下で、この粘着シートの粘着剤層の露出面(第2面)を、上記で得られた擬似接着積層体の擬似接着層の露出面(第1面)と貼り合わせることにより、剥離シート(剥離紙)、粘着剤層、擬似接着層及び基材(感熱紙)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
<基材と擬似接着層との接着性>
常温下で、上記で得られた貼付用積層体を、基材において固定し、剥離シートを粘着剤層から剥離させる操作を行った。そして、貼付用積層体中での剥離が生じた箇所を目視で確認し、下記基準に従って、基材と擬似接着層との接着性を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:剥離シートが粘着剤層から剥離し、貼付用積層体中の他の箇所(層間)では、剥離が生じていない。
B:剥離シートが粘着剤層から剥離せず、剥離シート、粘着剤層及び擬似接着層の積層体が基材から剥離する。
<基材と擬似接着層との剥離性>
上述の基材と擬似接着層との接着性の評価時に、「A」と判定した、剥離シートを剥離済みの貼付用積層体を用いて、常温下で、その粘着剤層の露出面を段ボールの表面に貼付することにより、段ボールに貼付用積層体を固定した。
次いで、常温下で、段ボールを固定し、基材及び擬似接着層の互いに接触していた面同士が180°の角度を為すように、基材を擬似接着層から引き剥がす、所謂180°剥離を行った。そして、剥離させた基材の剥離面(擬似接着層と接触していた面)の表面状態を目視で観察し、さらに、この基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面(基材と接触していた面)と、を指でなぞったときの、これら剥離面の粘着感の有無を確認した。そして、下記基準に従って、基材と擬似接着層との剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
A:基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面は、いずれも粘着性を有しておらず、かつ、基材の剥離面に大きな荒れが認められない。
B:少なくとも、基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面と、のいずれか一方若しくは両方が、粘着性を有しているか、又は基材の剥離面に大きな荒れが認められる。
<<擬似接着積層体の製造及び評価>>
[実施例2~3]
表1に示すように、基材(S1)に代えて、基材(S2)(実施例2)又は基材(S3)(実施例3)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad2)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(Ad2)は、熱可塑性樹脂(A)-2(93質量部)、固体乳化剤(B)-1(7質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad2)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、2.4μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
なお、表1中の「擬似接着層の含有成分」の欄の「-」との記載は、擬似接着層(換言すると擬似接着組成物)がその成分を含有しないことを意味する。
<<擬似接着積層体の製造及び評価>>
[実施例5]
表1に示すように、基材(S1)に代えて、基材(S2)を用い、かつ、擬似接着層の形成時において、擬似接着組成物(Ad2)の塗工層の乾燥温度を、80℃に代えて60℃とした点以外は、実施例4の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
表1に示すように、基材(S1)に代えて、基材(S3)を用い、かつ、擬似接着層の形成時において、擬似接着組成物(Ad2)の塗工層の乾燥温度を、80℃に代えて60℃とした点以外は、実施例4の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
擬似接着組成物(Ad1)に代えて擬似接着組成物(Ad3)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
擬似接着組成物(Ad3)は、熱可塑性樹脂(A)-2(85質量部)、固体乳化剤(B)-1(7質量部)、乳化安定剤(C)-1(8質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad3)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、1.4μmであった。この測定結果を表1に示す。
[実施例8]
擬似接着組成物(Ad1)に代えて擬似接着組成物(Ad4)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
擬似接着組成物(Ad4)は、熱可塑性樹脂(A)-2(81質量部)、固体乳化剤(B)-1(3質量部)、乳化安定剤(C)-1(16質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad4)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、2.7μmであった。この測定結果を表1に示す。
[実施例9]
擬似接着組成物(Ad1)に代えて擬似接着組成物(Ad5)を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を製造し、評価した。結果を表1に示す。
擬似接着組成物(Ad5)は、熱可塑性樹脂(A)-2(97質量部)、固体乳化剤(B)-1(3質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad5)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、3.7μmであった。この測定結果を表1に示す。
[実施例10]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad6)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(Ad6)は、熱可塑性樹脂(A)-2(86質量部)、固体乳化剤(B)-1(14質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad6)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、2.4μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[実施例11]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad7)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(Ad7)は、熱可塑性樹脂(A)-2(81質量部)、固体乳化剤(B)-1(19質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad7)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、2.4μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[実施例12]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad8)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、100℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(Ad8)は、熱可塑性樹脂(A)-2(93質量部)、固体乳化剤(B)-1(7質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(Ad8)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、6.6μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[実施例13]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S4)の一方の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad1)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[実施例14]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S4)の一方の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(Ad2)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、60℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
<<擬似接着積層体の製造>>
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(AdR1)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
擬似接着組成物(AdR1)は、熱可塑性樹脂(A)-2(76質量部)、固体乳化剤(B)-1(24質量部)、及び水(100質量部)が配合されたものである。
擬似接着組成物(AdR1)において、熱可塑性樹脂(A)-2の平均粒子径を測定したところ、3.0μmであった。この測定結果を表1に示す。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
<<擬似接着積層体の製造>>
「特開2016-175410号公報」(先に記載した特許文献1)中の実施例1に記載の手順に従って、擬似接着組成物(AdR2)を製造した。より具体的には、以下のとおりである。
すなわち、常温下で、蒸留水(120g)に乳化剤(9g)を添加し、1000rpmで撹拌羽根を30分回転させて撹拌した。
次いで、そのまま撹拌を継続し、この撹拌中の液体の温度を70℃に維持しながら、ここへポリエチレングリコール(150g)を少量ずつ添加して、添加終了後、温度を70℃に維持したまま、撹拌を30分継続することにより、ポリエチレングリコール水溶液を調製した。
別途、常温下で、蒸留水(49g)に、ポリエチレン(18.9g、固形分量)と乳化剤(2.1g)を添加し、1000rpmで撹拌羽根を30分回転させて撹拌することにより、ポリエチレン分散液を調製した。
次いで、上記で得られたポリエチレングリコール水溶液を室温と同じ温度になるまで冷却し、その全量に、上記で得られたポリエチレン分散液(21g)を添加して、300rpmで撹拌羽根を30分回転させて撹拌することにより、擬似接着組成物(AdR2)を得た。
なお、本比較例で用いた上記の各原料は、以下に示すものである。
ポリエチレングリコール:和光純薬社製「PEG4000」、平均分子量3000
ポリエチレン:ユニチカ社製「SE1200」
乳化剤:花王社製「エマールAD-25R」、ラウリル硫酸アンモニウム
基材(S1)の裏面、すなわち、感熱発色層とは反対側の層の面に、ワイヤーバーを用いて、25℃の擬似接着組成物(AdR2)を塗工し、形成された塗工層を、オーブン内で、80℃で1分加熱して乾燥させ、擬似接着層を形成した。以上により、擬似接着積層体を得た。
なお、擬似接着層の形成量は、5~8g/mであった。
<<貼付用積層体の製造>>
上記で得られた擬似接着積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、貼付用積層体を得た。
<<擬似接着積層体の評価>>
上記で得られた貼付用積層体を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、擬似接着積層体を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007107695000001
上記結果から明らかなように、実施例1~14の擬似接着積層体において、擬似接着層は、基材を剥離させるとき以外は、基材との十分な接着性を有していた。その一方で、擬似接着層は、基材を剥離させるときは、基材の剥離を容易としており、基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面は、いずれも粘着性を有しておらず、かつ、基材の剥離面は滑らかであった。電子顕微鏡を用いて、これら基材の剥離面を観察したところ、擬似接着組成物が含有していた固体乳化剤(B)の薄層が形成されていた。このように、これら実施例の擬似接着積層体において、単層構成の擬似接着層は、擬似接着性に優れていた。
実施例1~14の擬似接着積層体においては、擬似接着層が熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有しており、熱可塑性樹脂(A)がエチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体又はエチレン-酢酸ビニル共重合体、すなわちオレフィン系樹脂であり、擬似接着層の熱可塑性樹脂(A)の含有量は、81~97質量%であった。
図5は、実施例3における、電子顕微鏡による、基材の剥離面の倍率5000倍での撮像データである。
図5から明らかなように、繊維P3の表面には、多数の凹部E3が存在していた。この凹部E3の形状は、ほぼ球状の型によって形成されたようになっており、その表面は、曲面となっていた。繊維P3の表面には、固体乳化剤(B)の薄層(膜)が形成されており、凹部E3は、互いに融着していた粒子状の熱可塑性樹脂(A)が取り除かれることによって、固体乳化剤(B)の薄層の表面に形成された、熱可塑性樹脂(A)の痕跡であった。このように、基材の剥離面X3には、固体乳化剤(B)の少なくとも一部が、膜状に残存していた。一方で、繊維P3の表面には、熱可塑性樹脂(A)がほとんど残存していなかった。
図6は、実施例5における、電子顕微鏡による、基材の剥離面の倍率2000倍での撮像データである。
図6に示すように、繊維P5同士の間の隙間は、互いに融着している粒子状の熱可塑性樹脂(A)R5で埋められていた。一方で、繊維P5の表面には、図5で示しているものと同様に、多数の凹部E5が存在しており、その形状も図5で示す凹部E3と同じであった。このように、基材の剥離面X5には、固体乳化剤(B)の少なくとも一部が、膜状に残存していた。一方で、繊維P5の表面には、熱可塑性樹脂(A)R5がほとんど残存していなかった。
これに対して、比較例1の擬似接着積層体において、擬似接着層は、基材を剥離させるときの剥離性に劣っており、基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面は、いずれも粘着性を有しており、かつ、基材の剥離面に大きな荒れが認められた。電子顕微鏡を用いて、この基材の剥離面を観察したところ、擬似接着組成物が含有していた熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)が無秩序に残存していた。このように、本比較例の擬似接着積層体において、単層構成の擬似接着層は、擬似接着性に劣っていた。
比較例1の擬似接着積層体においては、擬似接着層が熱可塑性樹脂(A)及び固体乳化剤(B)を含有しており、熱可塑性樹脂がエチレン-酢酸ビニル共重合体であるものの、擬似接着層の熱可塑性樹脂(A)の含有量は、76質量%であった。
比較例2の擬似接着積層体においても、比較例1の擬似接着積層体の場合と同様に、擬似接着層は、基材を剥離させるときの剥離性に劣っており、基材の剥離面と、擬似接着層の剥離面は、いずれも粘着性を有しており、かつ、基材の剥離面に大きな荒れが認められた。このように、本比較例の擬似接着積層体においても、単層構成の擬似接着層は、擬似接着性に劣っていた。
比較例2における擬似接着層は、従来の方法で形成された公知のものであり、本発明の効果を奏するものではなかった。
なお、擬似接着層のMFT(MFT)を測定したところ、表1に示すように、実施例1~14では50~93℃であり、比較例1では50℃であった。
そして、実施例1~14において、TAH(乾燥温度、加熱温度)は、MFTよりも13℃低い温度以上、かつ100℃以下(MFT-15℃≦TAH≦100℃)であった。
本発明は、送り状ラベル(伝票)等の、擬似接着性という特性を利用可能な積層体全般に利用可能である。
1,2・・・擬似接着積層体、11,21,21’・・・基材、11a,21a・・・基材の第1面、12・・・擬似接着層、13・・・粘着剤層、14・・・剥離シート、3,3’・・・擬似接着積層体(送り状ラベル)、X3,X5・・・基材の剥離面、R5・・・熱可塑性樹脂

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の一方の面上に積層された擬似接着層と、を備え、
    前記擬似接着層は、熱可塑性樹脂と、融点が25℃以上の乳化剤と、を含有し、
    前記擬似接着層の前記熱可塑性樹脂の含有量が、77~98質量%であり、
    前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂であ
    前記融点が25℃以上の乳化剤は、融点が100℃以下であり、
    前記擬似接着層の前記融点が25℃以上の乳化剤の含有量が2~23質量%であり、
    前記融点が25℃以上の乳化剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、及びポリグリセリンエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である、擬似接着積層体。
  2. 前記擬似接着積層の最低造膜温度が40~110℃である、請求項1に記載の擬似接着積層体。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸共重合体、及びエチレン-アクリル酸エチル共重合体からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の擬似接着積層体。
  4. 前記熱可塑性樹脂が粒子状であり、
    前記擬似接着層において、前記熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.1~50μmである、請求項1~のいずれか一項に記載の擬似接着積層体。
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