以下、この開示をより詳細に説明するために、この開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る半導体光源点灯装置の要部を示す回路図である。図1を参照して、実施の形態1に係る半導体光源点灯装置について説明する。
図1に示す如く、半導体光源点灯装置1は、昇圧型DC/DCコンバータ2、制御装置3、入力電圧検出素子7,8、入力フィルタ9、電流検出素子10及び出力電圧検出素子11,12を含むものである。昇圧型DC/DCコンバータ2は、インダクタンス要素21、スイッチング素子22、整流素子23及び出力平滑用のコンデンサ24を含むものである。制御装置3は、傾斜信号生成器20、合成信号生成器30、誤差増幅部40、第1比較器51、発振器61、フリップフロップ62、シリーズレギュレータ70、パワーオンリセット部80及び定入力電圧制御部90を含むものである。誤差増幅部40は、第1基準信号生成器41、エラーアンプ42、位相補償用の抵抗43、位相補償用の第1コンデンサ44及び位相補償用の第2コンデンサ45を含むものである。パワーオンリセット部80は、第1閾値生成器81、第2閾値生成器82及びヒステリシス比較器83を含むものである。定入力電圧制御部90は、判断部91及び放電部92を含むものである。判断部91は、第3基準信号生成器93及び第2比較器94を含むものである。放電部92は、放電抵抗95及び放電スイッチ96を含むものである。
図中、V4は、車載用バッテリ4の出力電圧を示している。Vinは、入力フィルタ9の入力電圧を示している。Iinは、入力抵抗6に流れる電流を示している。Voutは、昇圧型DC/DCコンバータ2の出力電圧を示している。Ioutは、昇圧型DC/DCコンバータ2の出力電流を示している。SVinは、入力電圧Vinに対応する信号を示している。SVoutは、出力電圧Voutに対応する信号を示している。I21は、インダクタンス要素21に流れる電流を示している。I22は、スイッチング素子22に流れる電流を示している。SI22は、電流I21に対応する信号を示している。S20は、傾斜信号を示している。S30は、合成信号を示している。V41は、第1基準値を示している。S41は、第1基準値に対応する信号を示している。S42は、COMP信号を示している。S51は、リセット信号を示している。S61は、セット信号を示している。S62は、スイッチング素子22用のオンオフ信号を示している。VDDは、シリーズレギュレータ70の出力電圧を示している。V80は、第2基準値を示している(不図示)。V81は、第1閾値を示している。V82は、第2閾値を示している。S83は、パワーオンリセット信号を示している。V93は、第3基準値を示している。S93は、第3基準値に対応する信号を示している。S94は、放電スイッチ96用のオンオフ信号を示している。
車載用バッテリ4と昇圧型DC/DCコンバータ2間に入力抵抗6及び入力フィルタ9が設けられている。入力抵抗6は、例えば、車載用バッテリ4と昇圧型DC/DCコンバータ2間の電気配線が有する抵抗成分に対応するものである。車載用バッテリ4は、電圧V4を出力するものである。以下、電流Iinの電流値と入力抵抗6の抵抗値との積に対応する電圧降下を単に「電圧降下」という。入力フィルタ9の入力電圧Vinは、車載用バッテリ4の出力電圧V4に対して、電圧降下に応じた低下量にて低下する。昇圧型DC/DCコンバータ2は、入力フィルタ9により出力された電圧の入力を受け付けて、電圧Voutを出力するものである。当該出力された電圧Voutは、負荷5に供給される。
入力電圧検出素子7,8は、入力フィルタ9の入力電圧Vinを分圧して検出するものである。これにより、入力電圧検出素子7,8は、入力電圧Vinに対応する信号SVinを出力するものである。当該出力された信号SVinは、第2比較器94の反転入力端子に入力される。他方、第2比較器94の非反転入力端子には、第3基準信号生成器93により出力された所定の第3基準信号S93が入力される。なお、入力電圧検出素子7,8の抵抗値が大きいことにより、入力電圧検出素子7,8に流れる電流は微小である。このため、入力抵抗6に流れる電流Iinは、入力フィルタ9の入力電流Iinと同等である。
入力フィルタ9は、高周波成分を遮断するフィルタである。このため、インダクタンス要素21に流れる電流I21のうちの低周波成分が入力フィルタ9の入力電流Iinとなるものである。
出力電圧検出素子11,12は、昇圧型DC/DCコンバータ2の出力電圧Voutを分圧して検出するものである。これにより、出力電圧検出素子11,12は、出力電圧Voutに対応する信号SVoutを出力するものである。当該出力された信号SVoutは、エラーアンプ42の反転入力端子に入力される。他方、エラーアンプ42の非反転入力端子には、第1基準信号生成器41により出力された第1基準信号S41が入力される。第1基準信号S41は、第1基準値V41に対応する信号である。
エラーアンプ42は、入力された信号SVoutと入力された第1基準信号S41との誤差に応じた電流を出力するものである。当該出力された電流は、位相補償用の抵抗43、位相補償用の第1コンデンサ44及び位相補償用の第2コンデンサ45により、COMP信号S42に変換される。当該変換されたCOMP信号S42は、第1比較器51の反転入力端子に入力される。なお、第1コンデンサ44の静電容量値は、第2コンデンサ45の静電容量値に比して十分に大きい値に設定されている。
ここで、図1に示す例において、エラーアンプ42は、電流出力アンプを用いたものである。しかしながら、エラーアンプ42は、電流出力アンプに限定されるものではない。例えば、エラーアンプ42は、電圧出力アンプを用いたものであってもよい。以下、エラーアンプ42に電流出力アンプを用いた場合の例を中心に説明する。
スイッチング素子22の状態がオン状態であるとき、整流素子23の状態はオフ状態である。このとき、スイッチング素子22に流れる電流I22は、インダクタンス要素21に流れる電流I21と同等である。そこで、電流検出素子10は、スイッチング素子22に流れる電流I22を検出することにより、インダクタンス要素21に流れる電流I21を検出するものである。電流検出素子10は、当該検出された電流I21に対応する信号SI22を出力するものである。当該出力された信号SI22は、合成信号生成器30に入力される。
傾斜信号生成器20は、所定の傾斜信号S20を生成して、当該生成された傾斜信号S20を出力するものである。当該出力された傾斜信号S20は、合成信号生成器30に入力される。ここで、傾斜信号S20は、サブハーモニック発振の発生を抑制するためのスロープ補償用の信号である。換言すれば、傾斜信号S20によりスロープ補償機能が実現されるものである。以下、制御装置3におけるスロープ補償機能に対応する部位を総称して「スロープ補償部」ということがある。図1に示す例においては、傾斜信号生成器20及び合成信号生成器30によりスロープ補償部の要部が構成されている。
傾斜信号生成器20は、リセット入力端子及びセット入力端子を有するものである。傾斜信号生成器20のリセット入力端子には、後述するリセット信号S51が入力される。傾斜信号生成器20のセット入力端子には、後述するセット信号S61が入力される。
傾斜信号生成器20は、リセット信号S51の値が低値(以下「LOW値」又は「LOW」という。)から高値(以下「HIGH値」又は「HIGH」という。)に切り替わる立ち上がりエッジが検出されたとき、傾斜信号S20の値を所定値に固定するようになっている。換言すれば、傾斜信号生成器20は、傾斜信号S20の出力を停止するようになっている。そして、傾斜信号生成器20は、セット信号S61の値がLOW値からHIGH値に切り替わる立ち上がりエッジが検出されたとき、傾斜信号S20の傾斜出力を再開するようになっている。
合成信号生成器30は、電流検出素子10により出力された信号SI22の入力を受け付けるとともに、傾斜信号生成器20により出力された傾斜信号S20の入力を受け付けるものである。合成信号生成器30は、当該入力された信号SI22と当該入力された傾斜信号S20との合成信号S30を生成して、当該生成された合成信号S30を出力するものである。当該出力された合成信号S30は、第1比較器51の非反転入力端子に入力される。
第1比較器51は、COMP信号S42の入力を受け付けるとともに、合成信号生成器30により出力された合成信号S30の入力を受け付けるものである。第1比較器51は、当該入力されたCOMP信号S42と当該入力された合成信号S30とを比較して、かかる比較の結果に応じてリセット信号S51を出力するものである。当該出力されたリセット信号S51は、フリップフロップ62のリセット入力端子に入力されるとともに、傾斜信号生成器20のリセット入力端子に入力される。
発振器61は、セット信号S61を出力するものである。当該出力されたセット信号S61は、傾斜信号生成器20のセット入力端子及びフリップフロップ62のセット入力端子に入力される。ここで、セット信号S61は、所定の一定周期にて出力されるHIGHのパルスを含むものである。
フリップフロップ62は、発振器61により出力されたセット信号S61の入力を受け付けるとともに、第1比較器51により出力されたリセット信号S51の入力を受け付けるものである。フリップフロップ62は、これらの入力に対して、オンオフ信号S62を出力するものである。当該出力されたオンオフ信号S62は、スイッチング素子22の制御入力端子に入力される。
これにより、オンオフ信号S62の値がHIGH値であるとき、スイッチング素子22の状態がオン状態となるものである。他方、オンオフ信号S62の値がLOW値であるとき、スイッチング素子22の状態がオフ状態となるものである。
シリーズレギュレータ70は、入力電圧Vinの入力を受け付けて、電圧VDDを出力するものである。当該出力された電圧VDDは、ヒステリシス比較器83の入力端子に入力されるとともに、制御装置3内の各部に適宜供給される(不図示)。
パワーオンリセット部80は、第1閾値生成器81、第2閾値生成器82及びヒステリシス比較器83を含むものである。
第1閾値生成器81は、第1閾値V81を生成して、当該生成された第1閾値V81を出力するものである。第1閾値V81は、最低作動電圧よりも高い所定値に設定されており、かつ、一定値に設定されている。当該出力された第1閾値V81は、ヒステリシス比較器83の反転入力端子に入力される。
第2閾値生成器82は、第2閾値V82を生成して、当該生成された第2閾値V82を出力するものである。第2閾値V82は、第1閾値V81よりも高い所定値に設定されており、かつ、一定値に設定されている。当該出力された第2閾値V82は、ヒステリシス比較器83の非反転入力端子に入力される。
ヒステリシス比較器83は、シリーズレギュレータ70により出力された電圧VDDの入力を受け付けるとともに、第1閾値生成器81により出力された第1閾値V81及び第2閾値生成器82により出力された第2閾値V82の入力を受け付けるものである。ヒステリシス比較器83は、当該入力された電圧VDDと当該入力された第1閾値V81及び第2閾値V82の各々とを比較して、かかる比較の結果に応じてパワーオンリセット信号S83を出力するものである。当該出力されたパワーオンリセット信号S83は、制御装置3内の各部に適宜入力される(不図示)。
ヒステリシス比較器83は、出力電圧VDDが第1閾値V81よりも小さくなったとき、LOW値を出力する。また、ヒステリシス比較器83は、出力電圧VDDが第2閾値V82よりも大きくなったとき、長時間(すなわち初期設定等にかかる時間)が経過した後にHIGH値を出力する。さらに、ヒステリシス比較器83は、出力電圧VDDが第1閾値V81以上かつ第2閾値V82以下の値である場合、その出力を保持するものである。
このようにして、パワーオンリセットが実行される。すなわち、パワーオンリセット機能が実現される。
判断部91は、第3基準信号生成器93及び第2比較器94を含むものである。
第3基準信号生成器93は、第3基準信号S93を生成して、当該生成された第3基準信号S93を出力するものである。第3基準信号S93は、要求電圧よりも高い所定値に設定されており、かつ、一定値に設定されている。当該出力された信号S93は、第2比較器94の非反転入力端子に入力される。
第2比較器94は、入力電圧Vinに対応する信号SVinの入力を受け付けるとともに、第3基準信号生成器93により出力された第3基準信号S93の入力を受け付けるものである。第2比較器94は、当該入力された信号SVinと当該入力された第3基準信号S93とを比較して、かかる比較の結果に応じた信号S94を出力するものである。第2比較器94の出力信号S94は、放電スイッチ96の制御入力端子に入力される。
放電部92は、放電抵抗95及び放電スイッチ96を含むものである。放電スイッチ96は、放電抵抗95を介して位相補償用の第2コンデンサ45と電気的に接続されている。放電スイッチ96は、第2コンデンサ45を放電することによりCOMP信号S42の値を低下させるためのスイッチである。すなわち、出力信号S94の値がHIGH値であるとき、放電スイッチ96の状態がオン状態となるものである。他方、出力信号S94の値がLOW値であるとき、放電スイッチ96の状態がオフ状態となるものである。
パワーオンリセット信号S83の値がHIGH値であるとき、制御装置3におけるシリーズレギュレータ70及びパワーオンリセット部80を除く部位の状態は、動作状態となる。他方、パワーオンリセット信号S83の値がLOW値であるとき、かかる部位の状態は、停止状態となる。
制御装置3は、このような回路により、スイッチング素子22のオンオフを制御するものである。これにより、制御装置3は、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御するものである。
負荷5は、複数個の半導体光源(不図示)を含むものである。また、負荷5は、定電流制御により当該複数個の半導体光源に電流を供給する降圧型コンバータ(不図示)を含むものである。当該複数個の半導体光源は、車載用灯具(例えば前照灯又は尾灯)の光源に用いられるものである。すなわち、半導体光源点灯装置1は、車載用灯具(例えば前照灯又は尾灯)に用いられるものである。
負荷5の入力電圧が所定値よりも大きいとき、負荷5は、定電力負荷の機能を果たすものである。ここで、負荷5の消費電力は、出力電圧Voutと出力電流Ioutとの積に対応するものである。「定電力」とは、負荷5の消費電力が一定である状態を意味している。他方、負荷5の入力電圧が所定値よりも小さくなることにより、負荷5の消費電力が低下するものである。かかる消費電力の低下は、主に、出力電流Ioutの低下によるものである。
ここで、図2及び図3を参照して後述するように、クランキングが発生していない状態(以下「定常状態」という。)における制御装置3による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御は、定出力電圧制御によるものとなる。定出力電圧制御においては、出力電圧Voutが所定の目標値(より具体的には第1基準値V41)と同等の値となるように、電流I21のピーク値がCOMP信号S42により制御される。
他方、高負荷状態においてクランキングが発生することにより、入力電圧Vinが第3基準値V93よりも小さくなったとき、制御装置3による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御は、定出力電圧制御から以下のような制御(すなわち入力電圧Vinの低下を抑制する制御。以下「定入力電圧制御」という。)に移行する。定入力電圧制御においては、入力電圧Vinが第3基準値V93に対して大きく低下しないように、電流I21のピーク値がCOMP信号S42により制御される。
また、入力電圧Vinが再び第3基準値V93よりも大きくなったとき、制御装置3による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御は、定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰する。このとき、出力電圧Voutが第1基準値V41よりも小さいため、エラーアンプ42の出力電流(不図示)の電流値が正の値となる。このため、COMP信号S42の値が上昇する。これにより、電流I21のピーク値が上昇するため、入力電圧Vinが低下する。
換言すれば、制御装置3は、定出力電圧制御により昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御するモードを有しており、かつ、定入力電圧制御により昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御するモードを有している。制御装置3は、入力電圧Vinが第3基準値V93よりも小さくなったとき、定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行するようになっている。また、制御装置3は、入力電圧Vinが第3基準値V93よりも大きくなったとき、定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰するようになっている。
これにより、入力電圧Vinが第3基準値V93を跨いで上下に振動する状態が発生する。換言すれば、入力電圧Vinは、常に要求電圧よりも高い状態に制御される。
次に、図2及び図3を参照して、定常状態における半導体光源点灯装置1の動作について説明する。
図2は、半導体光源点灯装置1における信号等(V41,Vout,V4,Vin,V93,VDD,V80,V82,V81,S83,S94,SVin,S93,S42,S30,S20,SI22,I21,Iin,S51,S62,S61)の波形を示す波形図である。図中、t1は、クランキングの発生時刻を示している。図2に示す如く、クランキングが発生する前の期間においては、高負荷状態であり、かつ、定常状態である。図中、T1は、定常状態に対応する時間区間の例を示している。
図3は、図2に示す波形図のうち、定常状態に対応する時間区間T1の拡大図である。定常状態における半導体光源点灯装置1の動作は、以下のようなものである。
オンオフ信号S62の値がHIGH値であるとき(すなわちスイッチング素子22の状態がオン状態であるとき)、電流I21の電流値が次第に上昇する。このとき、整流素子23の状態がオフ状態であるため、インダクタンス要素21に流れる電流I21と同等の電流I22がスイッチング素子22及び電流検出素子10に流れる。出力平滑用のコンデンサ24は、自身に蓄積されたエネルギーを用いて負荷5にエネルギーを供給する。
他方、オンオフ信号S62の値がLOW値であるとき(すなわちスイッチング素子22の状態がオフ状態であるとき)、電流I21の電流値が次第に低下する。このとき、かかる電流I21は、整流素子23を介して出力平滑用のコンデンサ24に出力される。コンデンサ24は、かかる電流I22を平滑して、自身にエネルギーを蓄積するとともに負荷5にエネルギーを供給する。
入力抵抗6に流れる電流Iinは、入力フィルタ9により、電流I21の低周波成分と同等の値となる。
定常状態において、入力電圧Vinは、第2基準値V80に対して十分に大きい。これにより、シリーズレギュレータ70の出力電圧VDDは、第2基準値V80と同等の値となる。このとき、出力電圧VDDは、第1閾値V81よりも大きい状態であり、かつ、第2閾値V82よりも大きい状態である。このため、パワーオンリセット信号S83の値は、HIGH値となる。
次に、図2及び図3を参照して、定常状態における制御装置3によるスイッチング素子22のオンオフ制御について説明する。すなわち、定出力電圧制御による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御について説明する。
図3に示す如く、合成信号S30の値がCOMP信号S42の値よりも大きくなったとき(図中丸印C1参照)、第1比較器51により出力されるリセット信号S51の値がLOW値からHIGH値に切り替わる(図中矢印A1参照)。これにより、フリップフロップ62により出力されるオンオフ信号S62の値がHIGH値からLOW値に切り替わる(図中矢印A2参照)。この結果、スイッチング素子22がターンオフして、スイッチング素子22の状態がオン状態からオフ状態に切り替わる。
傾斜信号生成器20においては、リセット入力端子に入力されるリセット信号S51の値がLOW値からHIGH値に切り替わることにより、立ち上がりエッジが検出される。これにより、傾斜信号生成器20は、傾斜信号S20の値を所定値に固定する(図中矢印A3参照)。また、スイッチング素子22の状態がオフ状態であることにより、電流I22の電流値がゼロ値になるため、電流検出素子10により出力される信号SI22の値もゼロ値となる。これにより、合成信号S30の値がCOMP信号S42の値よりも小さくなるため、第1比較器51により出力されるリセット信号S51の値がHIGH値からLOW値に切り替わる。この結果、リセット信号S51は、HIGHのパルスとなる。
発振器61は、セット信号S61を出力する。当該出力されたセット信号S61は、フリップフロップ62のセット入力端子に入力されるとともに、傾斜信号生成器20のセット入力端子に入力される。ここで、上記のとおり、セット信号S61は、所定の一定周期にて出力されるHIGHのパルスを含むものである。
発振器61がHIGHのパルスを出力することにより、フリップフロップ62は、オンオフ信号S62の値をLOW値からHIGH値に切り替える(図中矢印A4参照)。これにより、スイッチング素子22がターンオンして、スイッチング素子22の状態がオフ状態からオン状態に切り替わる。
傾斜信号生成器20においては、セット信号S61の値がLOW値からHIGH値に切り替わることにより、立ち上がりエッジが検出される。これにより、傾斜信号生成器20は、傾斜信号S20の傾斜出力を再開する(図中矢印A5参照)。
スイッチング素子22の状態がオン状態になることにより、電流I21の電流値が上昇に転ずる。また、電流I22の電流値も上昇に転ずるため、電流I21に対応する信号SI22の値も上昇に転ずる。このため、合成信号S30の値も上昇に転ずる。
このようにして、定出力電圧制御による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が実現される。すなわち、図3に示す如く、出力電圧Voutが第1基準値V41と同等の値となるように電流I22のピーク値がCOMP信号S42により制御される状態が実現される。
次に、図2及び図4を参照して、高負荷状態にてクランキングが発生したときの制御装置3によるスイッチング素子22のオンオフ制御について説明する。すなわち、定出力電圧制御から定入力電圧制御への移行及び定入力電圧制御から定出力電圧制御への復帰が繰り返し実行されるときの昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御について説明する。
図2に示す如く、時刻t1にてクランキングが発生したものとする。すなわち、車載用バッテリ4の出力電圧V4が低下したものとする。信号SVinの値が信号S93の値よりも小さくなったとき(すなわち入力電圧Vinが第3基準値V93よりも小さくなったとき)、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御は、定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行する。他方、信号SVinの値が信号S93の値よりも大きくなったとき、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御は、定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰する。図4は、図2に示す波形図のうち、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行するタイミング及び昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰するタイミングを含む時間区間T2の拡大図である。
図4に示す如く、車載用バッテリ4の出力電圧V4が急速に低下することにより、入力電圧Vinが急速に低下する。この場合、出力電圧Voutは、第1基準値V41よりも小さい状態となる。これにより、エラーアンプ42の出力電流(不図示)の電流値が正の値となり、COMP信号S42の値が上昇する。
これにより、電流I21のピーク値が上昇するため、電流Iinが大きくなる。このため、電圧降下も大きくなる。入力電圧Vinは、出力電圧V4に比して更に急速に低下する。
この結果、信号SVinの値(すなわち入力電圧Vin)が信号S93の値(すなわち第3基準値V93)よりも小さくなる(図中丸印C2参照)。すると、第2比較器94により出力される信号S94の値は、LOW値からHIGH値に切り替わる(図中矢印A6参照)。これにより、放電スイッチ96がターンオンして、放電スイッチ96の状態がオフ状態からオン状態に切り替わる。放電部92において、エラーアンプ42の出力電流(不図示)を上回る放電電流(不図示)が流れる。このため、COMP信号S42の値が上昇から低下に転ずる(図中矢印A7参照)。
COMP信号S42の値が低下することにより、電流I21のピーク値が低下する。このため、電流Iinの電流値も低下する。これにより、電圧降下が小さくなり、入力電圧Vinが上昇に転ずる。このようにして、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行する。
次いで、信号SVinの値(すなわち入力電圧Vin)が信号S93の値(すなわち第3基準値V93)よりも大きくなる(図中丸印C3参照)。すると、第2比較器94により出力される信号S94の値は、HIGH値からLOW値に切り替わる(図中矢印A8参照)。これにより、放電スイッチ96がターンオフして、放電スイッチ96の状態がオン状態からオフ状態に切り替わる、この結果、放電電流がゼロとなる。
このため、エラーアンプ42の出力電流は、位相補償用の抵抗43に流れるようになり、かつ、位相補償用の第1コンデンサ44及び位相補償用の第2コンデンサ45に流れるようになる。よって、COMP信号S42の値が低下から上昇に転ずる(図中矢印A9参照)。このようにして、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰する。
次に、図5を参照して、半導体光源点灯装置1に対する比較用の半導体光源点灯装置1’について説明する。なお、図5において、図1に示す要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。
図5に示す如く、半導体光源点灯装置1’は、制御装置3’を含むものである。制御装置3’は、定入力電圧制御部90に相当する部位を有しないものである。すなわち、制御装置3’は、従来の制御装置に対応するものである。したがって、半導体光源点灯装置1’は、従来の半導体光源点灯装置に対応するものである。
次に、図6及び図7を参照して、定常状態における半導体光源点灯装置1’の動作について説明する。
図6は、半導体光源点灯装置1’における信号等(V41,Vout,V4,Vin,V93,VDD,V80,V82,V81,S83,S94,SVin,S93,S42,S30,S20,SI22,I21,Iin,S51,S62,S61)の波形を示す波形図である。図中、t1’は、クランキングの発生時刻を示している。図6に示す如く、クランキングが発生する前の期間においては、高負荷状態であり、かつ、定常状態である。図中、T1’は、定常状態に対応する時間区間の例を示している。
図7は、図6に示す波形図のうち、定常状態に対応する時間区間T1’の拡大図である。定常状態における半導体光源点灯装置1’の動作は、以下のようなものである。
オンオフ信号S62の値がHIGH値であるとき(すなわちスイッチング素子22の状態がオン状態であるとき)、電流I21の電流値が次第に上昇する。このとき、整流素子23の状態がオフ状態であるため、インダクタンス要素21に流れる電流I21と同等の電流I22がスイッチング素子22及び電流検出素子10に流れる。出力平滑用のコンデンサ24は、自身に蓄積されたエネルギーを用いて負荷5にエネルギーを供給する。
他方、オンオフ信号S62の値がLOW値であるとき(すなわちスイッチング素子22の状態がオフ状態であるとき)、電流I21の電流値が次第に低下する。このとき、電流I21は、整流素子23を介して出力平滑用のコンデンサ24に出力される。コンデンサ24は、電流I22を平滑して、自身にエネルギーを蓄積するとともに負荷5にエネルギーを供給する。
入力抵抗6に流れる電流Iinは、入力フィルタ9により、電流I21の低周波成分と同等の値となる。
定常状態において、入力フィルタ9の入力電圧Vinは、第2基準値V80に対して十分に大きい。これにより、シリーズレギュレータ70の出力電圧VDDは、第2基準値V80と同等の値となる。このとき、出力電圧VDDは、第1閾値V81よりも大きい状態であり、かつ、第2閾値V82よりも大きい状態である。このため、パワーオンリセット信号S83の値は、HIGH値となる。
次に、図6及び図7を参照して、定常状態における制御装置3’によるスイッチング素子22のオンオフ制御について説明する。すなわち、定出力電圧制御による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御について説明する。
図7に示す如く、合成信号S30の値がCOMP信号S42の値よりも大きくなったとき(図中丸印C21参照)、第1比較器51により出力されるリセット信号S51の値がLOW値からHIGH値に切り替わる(図中矢印A21参照)。これにより、フリップフロップ62により出力されるオンオフ信号S62の値がHIGH値からLOW値に切り替わる(図中矢印A22参照)。この結果、スイッチング素子22がターンオフして、スイッチング素子22の状態がオン状態からオフ状態に切り替わる。
傾斜信号生成器20においては、リセット入力端子に入力されるリセット信号S51の値がLOW値からHIGH値に切り替わることにより、立ち上がりエッジが検出される。これにより、傾斜信号生成器20は、傾斜信号S20の値を所定値に固定する(図中矢印A23参照)。また、スイッチング素子22の状態がオフ状態であることにより、電流I22の電流値がゼロ値になるため、電流検出素子10により出力される信号SI22の値もゼロ値となる。これにより、合成信号S30の値がCOMP信号S42の値よりも小さくなる。このため、第1比較器51により出力されるリセット信号S51の値がHIGH値からLOW値に切り替わる。この結果、リセット信号S51は、HIGHのパルスとなる。
発振器61は、セット信号S61を出力する。当該出力されたセット信号S61は、フリップフロップ62のセット入力端子に入力されるとともに、傾斜信号生成器20のセット入力端子に入力される。セット信号S61は、上記のとおり、所定の一定周期にて出力されるHIGHのパルスを含むものである。
発振器61がHIGHのパルスを出力することにより、フリップフロップ62は、オンオフ信号S62の値をLOW値からHIGH値に切り替える(図中矢印A24参照)。これにより、スイッチング素子22がターンオンして、スイッチング素子22の状態がオフ状態からオン状態に切り替わる。
傾斜信号生成器20においては、セット信号S61の値がLOW値からHIGH値に切り替わることにより、立ち上がりエッジが検出される。これにより、傾斜信号生成器20は、傾斜信号S20の傾斜出力を再開する(図中矢印A25参照)。
スイッチング素子22の状態がオン状態になることにより、電流I21の電流値が上昇に転ずる。また、電流I22の電流値も上昇に転ずるため、電流I21に対応する信号SI22の値も上昇に転ずる。このため、合成信号S30の値も上昇に転ずる。
このようにして、定出力電圧制御による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が実現される。すなわち、図6に示す如く、出力電圧Voutが第1基準値V41と同等の値となるように電流I22のピーク値がCOMP信号S42により制御される状態が実現される。
次に、図6及び図8を参照して、高負荷状態にてクランキングが発生したときの制御装置3’によるスイッチング素子22のオンオフ制御について説明する。すなわち、パワーオンリセット機能が作動するとき及びパワーオンリセット機能が停止するときの昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御について説明する。
図6に示す如く、時刻t1’にてクランキングが発生したものとする。すなわち、車載用バッテリ4の出力電圧V4が低下したものとする。入力フィルタ9の入力電圧Vinが要求電圧よりも小さくなったとき、シリーズレギュレータ70の出力電圧VDDは、第1閾値V81よりも小さくなる(図中丸印C22参照)。これにより、パワーオンリセット機能が作動する。また、出力電圧VDDが第2閾値V82よりも大きくなったとしても、初期設定等にかかる時間が経過するまでパワーオンリセット機能が停止しない。図8は、図6に示す波形図のうち、パワーオンリセット機能が作動したタイミングを含む時間区間T2’の拡大図である。
図8に示す如く、車載用バッテリ4の出力電圧V4が急速に低下することにより、入力電圧Vinが急速に低下する。この場合、出力電圧Voutは、第1基準値V41よりも小さい状態となる。これにより、エラーアンプ42の出力電流(不図示)の電流値が正の値となり、COMP信号S42の値が上昇する。
これにより、電流I21のピーク値が上昇するため、電流Iinが大きくなる。このため、電圧降下も大きくなる。入力電圧Vinは、出力電圧V4に比して更に急速に低下する。
入力電圧Vinが第2基準値V80に対する近傍の値に低下することにより、シリーズレギュレータ70の出力電圧VDDが低下する。出力電圧VDDが第1閾値V81よりも小さくなったとき(図中丸印C22参照)、ヒステリシス比較器83の出力値(すなわちパワーオンリセット信号S83の値)がHIGH値からLOW値に切り替わる(図中矢印A26参照)。これにより、制御装置3’におけるシリーズレギュレータ70及びパワーオンリセット部80を除く部位の状態は、停止状態となる。このようにして、パワーオンリセット機能が作動する。換言すれば、パワーオンリセットが実行される。
パワーオンリセット機能が作動することにより、オンオフ信号S62の値がLOW値となる(図中矢印A27参照)。これにより、スイッチング素子22がスイッチング動作を停止して、スイッチング素子22の状態がオフ状態となる。また、出力電圧Voutは、入力電圧Vinよりも高い。このため、電流I21がゼロになることにより、整流素子23の状態もオフ状態となる。
これにより、電流Iinが低下するため、電圧降下における降下量が小さくなる。このため、入力電圧Vinが上昇に転ずる。入力電圧Vinが上昇することにより、シリーズレギュレータ70の出力電圧VDDも上昇する。出力電圧VDDが第2閾値V82よりも大きくなることにより(図中丸印C23参照)、初期設定等にかかる時間(すなわち長時間)が経過した後、パワーオンリセット信号S83の値がLOW値からHIGH値に切り替わる(不図示)。このようにして、パワーオンリセット機能が停止する。
次に、図2及び図6を参照して、半導体光源点灯装置1’における課題について説明するとともに、半導体光源点灯装置1を用いることによる効果について説明する。
図6に示す如く、半導体光源点灯装置1’においては、高負荷状態にてクランキングが発生したとき、入力電圧Vinが要求電圧よりも小さくなることにより、パワーオンリセット機能が作動する。これにより、長時間に亘り制御が停止する。
これに対して、半導体光源点灯装置1においては、図2に示す如く、高負荷状態にてクランキングが発生したとき、定入力電圧制御に移行することにより、パワーオンリセット機能が作動するのを回避することができる。換言すれば、パワーオンリセットの実行をキャンセルすることができる。これにより、長時間に亘り制御が停止するのを回避することができる。
次に、半導体光源点灯装置1の変形例について説明する。
制御装置3の回路構成は、図1に示す具体例に限定されるものではない。制御装置3の回路構成は、ピーク電流モード制御(より具体的には定出力電圧制御)により昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御する機能、スロープ補償機能、パワーオンリセット機能、入力電圧Vinの低下に応じて定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行する機能、及び入力電圧Vinの上昇に応じて定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰する機能などが実現されるものであれば、如何なる回路構成によるものであっても良い。
以上のように、実施の形態1に係る半導体光源点灯装置1は、車載用灯具に用いられる半導体光源点灯装置1であって、入力抵抗6及び入力フィルタ9を介して車載用バッテリ4により供給された電力を用いて、半導体光源を含む負荷5に電力を供給する昇圧型DC/DCコンバータ2と、昇圧型DC/DCコンバータ2に含まれるスイッチング素子22のオンオフを制御することにより昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御する制御装置3であって、ピーク電流モード制御により、かつ、定出力電圧制御により昇圧型DC/DCコンバータ2の動作を制御する制御装置3と、を備え、制御装置3は、入力フィルタ9の入力電圧Vinが所定の閾値(第1閾値V81)よりも小さい値であるとき、制御装置3のパワーオンリセットを実行するパワーオンリセット部80と、入力電圧Vinが所定の基準値(第3基準値V93)よりも小さい値であるとき、制御装置3による昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御を定出力電圧制御から定入力電圧制御に切り替えることによりパワーオンリセットの実行をキャンセルする定入力電圧制御部90と、を備える。これにより、高負荷状態にてクランキングが発生したとき、入力電圧Vinの低下を抑制することができる。この結果、パワーオンリセットが実行されるのを回避することができる。
また、制御装置3は、入力電圧Vinに対応する値(電圧VDD)を出力するシリーズレギュレータ70を含み、パワーオンリセット部80は、シリーズレギュレータ70の出力値(電圧VDD)を閾値(第1閾値V81及び第2閾値V82の各々)と比較するヒステリシス比較器83を含む。ヒステリシス比較器83を用いることにより、例えば、図1に示す回路構成によるパワーオンリセット部80を実現することができる。
また、定入力電圧制御部90は、入力電圧Vinが基準値(第3基準値V93)よりも小さい値であるか否かを判断する判断部91と、判断部91により入力電圧Vinが基準値(第3基準値V3)よりも小さい値であると判断されたとき、制御装置3におけるCOMP信号S42の値を低下させることにより動作制御を定出力電圧制御から定入力電圧制御に切り替える放電部92と、を備える。これにより、例えば、図1に示す回路構成による定入力電圧制御部90を実現することができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る半導体光源点灯装置の要部を示す回路図である。図9を参照して、実施の形態2に係る半導体光源点灯装置について説明する。なお、図9において、図1に示す要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示す如く、半導体光源点灯装置1aは、昇圧型DC/DCコンバータ2、制御装置3a、入力電圧検出素子7,8、入力フィルタ9、電流検出素子10及び出力電圧検出素子11,12を有するものである。制御装置3aは、制御装置3に対して、放電部92による放電の対象が異なるものである。すなわち、制御装置3においては、放電部92による放電の対象が位相補償用の第2コンデンサ45であった。これに対して、制御装置3aにおいては、放電部92による放電の対象が位相補償用の第1コンデンサ44である。
定常状態における半導体光源点灯装置1aの動作は、定常状態における半導体光源点灯装置1の動作と同様である。また、定常状態における制御装置3aによるスイッチング素子22のオンオフ制御は、定常状態における制御装置3によるスイッチング素子22のオンオフ制御と同様である。すなわち、これらは、実施の形態1にて図2及び図3を参照して説明したものと同様である。このため、詳細な説明は省略する。
次に、図10及び図11を参照して、高負荷状態にてクランキングが発生したときの制御装置3aによるスイッチング素子22のオンオフ制御について、制御装置3によるスイッチング素子22のオンオフ制御と異なる部分を中心に説明する。なお、図10において、図2に示す要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。また、図11において、図4に示す要素と同様の要素には同一符号を付して説明を省略する。
図10に示す如く、時刻t1aにてクランキングが発生したものとする。図11は、図10に示す波形図のうち、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行するタイミング及び昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰するタイミングを含む時間区間T2aの拡大図である。
実施の形態1にて説明したとおり、第1コンデンサ44の静電容量値は、第2コンデンサ45の静電容量値に比して十分に大きい値に設定されている。このため、図11に示す如く、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定出力電圧制御から定入力電圧制御に移行したとき、COMP信号S42の値が緩やかに低下する。他方、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が定入力電圧制御から定出力電圧制御に復帰したとき、COMP信号S42の値が緩やかに上昇する。すなわち、放電部92による放電の対象が第1コンデンサ44であることにより、放電部92による放電の対象が第2コンデンサ45である場合に比して、COMP信号S42の値の変動量が低減される。
これにより、電流I21のピーク値の変動量が低減される。このため、電流Iinの変動量も低減することができる。
なお、半導体光源点灯装置1aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例を採用することができる。
以上のように、実施の形態2に係る半導体光源点灯装置1aにおいて、制御装置3aは、位相補償用の第1コンデンサ44及び位相補償用の第2コンデンサ45を含む誤差増幅部40を備え、第1コンデンサ44の静電容量値は、第2コンデンサ45の静電容量値よりも大きい値に設定されており、放電部92は、第1コンデンサ44を放電することによりCOMP信号S42の値を低下させるものである。これにより、昇圧型DC/DCコンバータ2の動作制御が切り替わるとき、COMP信号S42の値の変動量を低減することができる。この結果、電流Iinの変動量を低減することができる。
なお、本願開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。