JP2005304279A - スイッチング電源回路 - Google Patents

Abstract

【課題】整流スイッチの遮断解除から同期整流動作移行時に、整流スイッチをソフトスタート動作させ出力からの過剰な電力の引き抜きを抑える。
【解決手段】整流スイッチ１４はメインスイッチ１３のソフトスタート期間は検出コンパレータ７で完全に遮断される。起動後にメインスイッチ１３のソフトスタート信号が所定の電圧に到達すると、検出コンパレータ７が反転して遮断が解除されると、整流スイッチ１４のソフトスタート動作と共に同期整流動作を開始する。メインスイッチ１３のソフトスタート信号の電位が低い時は差動アンプ２０の出力の電流値は大きく、電位の上昇で小さくなる差動出力電流源２２と静電容量２３、さらにデッドタイムコントローラ９の整流スイッチ１４のＯＮ信号発生時のみ時定数を発生するスイッチング手段２４で時定数が徐々に低下する鋸波を生成し、これにより決まるパルス幅でＡＮＤ回路２５から出力のＯＮパルス幅を制約する。
【選択図】図１

Description

本発明は、スイッチング電源回路に係り、特にバッテリー駆動機器に用いられバッテリーの長寿命化への対応を期待されるスイッチング電源回路に関するものである。

近年、電子機器等においてバッテリー駆動機器の増加に伴い、機器の長時間動作、つまりバッテリーの長寿命化への要求が高まりつつある。

従来のこの種のスイッチング電源回路は、図３に示したように構成されている。図３に示す従来のスイッチング電源回路は、出力電圧を検出する誤差増幅器５と、スイッチング素子のＯＮ／ＯＦＦ周期を決定する三角波発生回路４と、誤差増幅器５及び三角波発生回路４の信号によりメインスイッチ１３及び整流スイッチ１４のＯＮ／ＯＦＦ時間を制御するＰＷＭコンパレータ６と、メインスイッチ１３及び整流スイッチ１４の同時ＯＮによる貫通電流を防止するデッドタイムコントローラ９と、メインスイッチ１３のソフトスタート信号を決定する定電流源１と、静電容量２、ソフトスタート信号を検出する検出コンパレータ７と、メインスイッチ１３及び整流スイッチ１４それぞれのＨside，Ｌsideドライバ１１，１２、基準電圧源３，８、さらに誘導性負荷回路を構成するチョークコイル１５、平滑容量１６、負荷１７、ショットキーダイオード１８から構成されている。

以上のように構成されたスイッチング電源回路について、以下その動作について説明する。

電源電圧ＶＩＮの起動によりスイッチング電源回路は動作開始となり、誤差増幅器５の帰還信号と三角波発生回路４による信号に応じて発生するＰＷＭコンパレータ６の出力信号により、メインスイッチ１３はＯＮ／ＯＦＦ動作を行う。この時、定電流源１と静電容量２で決定されるソフトスタート信号をモニタしている検出コンパレータ７は、反転信号発生により整流スイッチ１４を遮断し、スイッチング電源回路は同期整流回路構成でありながらショットキーダイオード１８による整流動作を行いながら起動を行う。

前記動作による起動が行われ、定電流源１と静電容量２で決定されるソフトスタート信号の電位が基準電圧源８に達すると、検出コンパレータ７は整流スイッチ１４の遮断を解除しスイッチング電源回路は同期整流動作を開始する。
特開平１１−２２０８７４号公報 特開２００３−７０２３８号公報

しかしながら、このような構成のスイッチング電源回路では、検出コンパレータ７による整流スイッチ１４の遮断解除から同期整流動作を開始する時に負荷１７が無負荷の場合、整流スイッチ１４の急峻なＯＮによって、この整流スイッチ１４が過剰な電力を平滑容量１６から引き抜き、出力電圧ＶＯＵＴの異常低下（場合によっては負電圧の発生）によりスイッチング電源回路自体の誤動作や、出力電圧低下後の復帰時に流れる電源電圧ＶＩＮからの突入電流によるスイッチング素子や誘導性負荷等の部品の劣化・破壊、さらには電源電圧ＶＩＮに接続されたバッテリーの劣化を加速させるという課題があった。

本発明は、前記従来技術の課題を解決することに指向するものであり、検出コンパレータ７による整流スイッチ１４の遮断解除から同期整流動作移行時において、整流スイッチ１４のパルス幅を徐々に広げ、出力からの過剰な電力の引き抜きを抑え、バッテリーの長寿命化を図り、さらにはシステムの誤動作やスイッチング素子及び誘導性負荷等の部品の劣化・破壊からも保護できるスイッチング電源回路を提供することを目的とする。

この目的を達成するために、本発明に係るスイッチング電源回路は、ショットキーダイオードと並列に接続される同期整流用スイッチング素子を有し、整流用スイッチング素子のドライブ回路のバイアス源が自己のＤＣ−ＤＣコンバータ出力電圧とするＤＣ−ＤＣコンバータ制御方式のスイッチング電源回路において、ＤＣ−ＤＣコンバータ出力電圧が所定の電圧まで上昇する間、整流用スイッチング素子を強制的にオフするオフ手段と、オフ手段の強制的オフの解除後に整流用スイッチング素子のオンパルス幅を徐々に広げるソフトスタート手段とを備えたこと特徴とする。

前記の構成によれば、ショットキーダイオードの整流から同期整流に移行時に、整流スイッチにソフトスタート動作を行わせることで、無負荷もしくは軽負荷状態でスイッチング電源回路の出力から過剰な電力の逆流を抑えることができる。

以上説明したように、本発明によれば、ショットキーダイオードの整流から同期整流に移行する時、整流スイッチにソフトスタート動作を行わせることにより、無負荷もしくは軽負荷状態であるスイッチング電源回路の出力から過剰な電力の逆流を抑えて、バッテリーの長寿命化を図り、さらにはシステムの誤動作、スイッチング素子及び誘導性負荷等の部品の劣化・破壊から保護することができるという効果を奏する。

以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。

図１は本発明の実施の形態におけるスイッチング電源回路の概略構成を示す図である。ここで、前記従来例を示す図３において説明した構成部材に対応し同等の機能を有するものには同一の符号を付す。

図１において、１３は誘導性負荷に電力を供給するスイッチング素子のメインスイッチ、１４は整流用の整流スイッチであり、１はメインスイッチ１３のソフトスタート動作を決定する定電流源、２は静電容量、３，８，２１は基準電圧源、４は三角波発生回路、５は誤差増幅器、６はＰＷＭコンパレータ、７はメインスイッチ１３のソフトスタート信号を検出する検出コンパレータ、９はデッドタイムコントローラ、１１，１２はメインスイッチ１３，整流スイッチ１４それぞれのドライブ回路でＨside，Ｌsideドライバ、１５，１６，１７，１８は誘導性負荷を構成するチョークコイル，平滑容量，負荷，ショットキーダイオードである。

また、２０はメインスイッチ１３用のソフトスタート信号をモニタしＶ／Ｉ変換を行う差動アンプ、２２は差動アンプ２０の出力電流を受け整流スイッチ１４のソフトスタート信号の設定電流を決定する差動出力電流源、２３，２４はそれぞれ整流スイッチ１４のソフトスタート信号の制御時間を決定する静電容量とスイッチング手段、２５はＡＮＤ回路である。

以上のように構成されたスイッチング電源回路について、以下に図１及びその動作を示す図２のタイミングチャートを参照しながら説明する。

図２において、（ａ）はメインスイッチのソフトスタート信号である。このソフトスタート信号（ａ）とスイッチング電源回路の出力電圧ＶＯＵＴとを比較する誤差増幅器５の出力信号（ｃ）と、三角波発生回路４の三角波信号（ｂ）との比較によりＰＷＭコンパレータ６の出力信号（ｆ）から、メインスイッチ１３の制御信号（ｄ）のようにＯＮ／ＯＦＦのスイッチング動作を行って出力負荷に電力供給を行う。

一方、整流スイッチ１４は、ＰＷＭコンパレータ６の出力信号（ｆ）と、ソフトスタート信号を検出する検出コンパレータ７の出力信号（ｈ）と、さらにソフトスタート信号をモニタしてＶ／Ｉ変換を行う差動アンプ２０から生成される差動出力電流源２２及び静電容量２３により決まる整流スイッチ１４のソフトスタート信号（ｇ）との３つの信号を入力するＡＮＤ回路２５で、３入力論理積により制御されている。また、メインスイッチ１３のソフトスタート期間はその検出コンパレータ７により整流スイッチ１４は制御信号（ｅ）のように完全に遮断されている。

前記の動作にて起動動作が行われ、ソフトスタート信号が所定の電圧（スイッチング電源回路の出力が設定電圧）に到達すると、ソフトスタート信号の検出コンパレータ７の出力が反転し整流スイッチ１４の遮断を解除し、整流スイッチ１４のソフトスタート動作と共に同期整流動作を開始する。

この整流スイッチ１４のソフトスタート信号はメインスイッチ１３のソフトスタート信号（ａ）から作られる。

メインスイッチ１３のソフトスタート信号の電位が低い時は差動アンプ２０により発生される差動出力電流源２２の値は大きく、ソフトスタート信号が上昇するにつれ差動出力電流源２２の電流値は小さくなる。この差動出力電流源２２と静電容量２３、さらにデッドタイムコントローラ９による整流スイッチ１４のＯＮ信号発生時のみ時定数を発生させるスイッチング手段２４により、ソフトスタート信号（ｇ）のような時定数が徐々に低下する鋸波を生成し、この徐々に変化する時定数により決まるパルス幅により、ＡＮＤ回路２５の出力、すなわち整流スイッチ１４のＯＮパルス幅を制約する。

以上のことから、整流スイッチ１４にソフトスタート動作を行わせることで、無負荷もしくは軽負荷状態でスイッチング電源回路の出力から過剰な電力の逆流を抑えることができる。

本発明に係るスイッチング電源回路は、ショットキーダイオードの整流から同期整流への移行時に、整流スイッチにソフトスタート動作を行わせ、無負荷もしくは軽負荷状態でスイッチング電源回路の出力から過剰な電力の逆流を抑え、バッテリーを長寿命化し、装置の誤動作、使用部品の劣化・破壊から保護することができ、バッテリー駆動機器に用いるスイッチング電源回路に用いて有用である。

本発明の実施の形態におけるスイッチング電源回路の概略構成を示す図 本実施の形態におけるスイッチング電源回路の動作を示すタイミングチャート 従来のスイッチング電源回路の概略構成を示す図

符号の説明

１ 定電流源
２，２３ 静電容量
３，８，２１ 基準電圧源
４ 三角波発生回路
５ 誤差増幅器
６ ＰＷＭコンパレータ
７ 検出コンパレータ
９ デッドタイムコントローラ
１０，２５ ＡＮＤ回路
１１ Ｈsideドライバ
１２ Ｌsideドライバ
１３ メインスイッチ
１４ 整流スイッチ
１５ チョークコイル
１６ 平滑容量
１７ 負荷
１８ ショットキーダイオード
２０ 差動アンプ
２２ 差動出力電流源
２４ スイッチング手段

Claims (1)

1. ショットキーダイオードと並列に接続される同期整流用スイッチング素子を有し、整流用スイッチング素子のドライブ回路のバイアス源が自己のＤＣ−ＤＣコンバータ出力電圧とするＤＣ−ＤＣコンバータ制御方式のスイッチング電源回路において、
   前記ＤＣ−ＤＣコンバータ出力電圧が所定の電圧まで上昇する間、前記整流用スイッチング素子を強制的にオフするオフ手段と、前記オフ手段の強制的オフの解除後に前記整流用スイッチング素子のオンパルス幅を徐々に広げるソフトスタート手段とを備えたこと特徴とするスイッチング電源回路。

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