JP7105663B2 - 床材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、床材の製造方法に関する。
従来、木目を際立たせるために化粧板に浮造り加工が施された床材が知られている。たとえば、特許文献1には、表層単板として厚さが0.7~3.0mmの針葉樹単板を用いた合板が開示されている。特許文献1の合板には、ブラッシング、ブラスト等によって浮造り加工が施される。これにより、合板の表面に凹凸が形成され、合板の木目を際立たせることができる。以下、木目が際立つことを、立体感が出るという。
たとえば、特許文献2には、木質系基材と、該木質系基材上に設けられた木質繊維板と、該木質繊維板上に設けられたツキ板とを有する床材が開示されている。特許文献2の床材では、ブラッシングによる浮造り加工がツキ板に施されている。これにより、ツキ板の表面に凹凸が形成され、床材に立体感を出すことができるとしている。
たとえば、特許文献3には、基材と、該基材上に設けられた木質薄単板層と、該木質薄単板層上に設けられたクリアコーティング層とを備えた床材が開示されている。特許文献3の床材では、木質薄単板層の表面に浮造り加工が施されている。これにより、木質薄単板層の表面に凹凸が形成され、床材に立体感を出すことができるとしている。
しかし、浮造り加工によって得られる床材表面の凹凸を大きくすると、縦溝が目立たなくなる。この場合、縦溝を形成することによって得られた無垢感が失われてしまう。一方、浮造り加工によって得られる床材表面の凹凸を小さくすると、浮造り加工によって立体感を出すことが難しくなる。本発明者らは、これらの問題を解決するために、特許文献4において、縦溝予定部によって得られる無垢感が失われることを防止しつつ凹凸加工によって立体感を出すことができる床材およびその製造方法を提案している。特許文献4では、化粧層表面の塗装前に着色してもよいことが記載されている。
化粧板貼床材などに着色する方法として、例えば、特許文献5には、スポンジロールにより下地膜を形成し、その下地膜にスポンジロールにより着色し、かき取りロールにより余分な着色剤をかき取る方法が開示されている。
特開2009-241571号公報 特開2008-100436号公報 特開2003-266409号公報 特開2016-121510号公報 特開2012-92504号公報
しかし、本発明者らの研究により、深さが0.20mm以上の複数の凹部を有する凹凸加工部を備え、1.0~3.0mmの厚みを有する化粧層を備える床材の着色を行う際に、特許文献5で開示された方法を適用すると種々の問題が発生することが判明した。
この床材は、化粧層表面にある程度の深さの凹部と、十分に深い縦溝予定部(施工された床において縦溝を構成することを予定している縦溝およびハーフ溝の総称)を備えるため、通常の着色方法において、着色塗料の塗布量が少ないと、凹部および縦溝予定部の内面を均一に着色するのは難しい。一方、着色塗料の塗布量が多いと、凹部および縦溝予定部の内部に着色塗料が残存して意匠性を低下させる。このため、着色塗料の塗布量を十分に多くして、その後にかき取ることは有効である。
しかし、化粧層表面に凹凸加工を施して形成された凹部は、サンディングされた通常の化粧層表面に比べて粗く、また導管の開口が大きくなり、着色材の吸い込み量が多くなる。このため、通常の着色方法では、乾燥工程において、着色塗料の吹き戻しが発生する。この問題は、縦溝予定部においても発生する。ただし、この問題は、1.0mm未満の厚みを有する突き板を用いた床材では発生しない。
また、着色塗装前に下地膜を形成することは、確実な乾燥を行った後に着色塗装を行うのであれば、均一な着色には有利であるが、コストの上昇と生産性の低下を招く。また、下地膜の乾燥が不十分な場合にはかえって均一な着色ができなくなる。
本発明は、少なくとも表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備える床材を着色するに際して、乾燥時に吹き戻しが発生せず、均一な着色を行うことができる、床材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記の床材の製造方法を要旨とする。
[A]下記の(1)~(5)の工程を備える、床材の製造方法。
(1)少なくとも表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備える床用基材を得る工程、
(2)前記化粧層の表面に縦溝予定部を形成する工程、
(3)縦溝予定部を形成した前記化粧層の表面に着色塗料を塗布する工程、
(4)ブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させる工程、および、
(5)前記化粧層の表面に残った着色塗料を硬化させる工程。
[B]前記(3)の工程より前に、
前記化粧層の表面に凹凸加工を行い、深さが0.20mm以上の複数の凹部を形成する工程を備える、
上記[A]の床材の製造方法。
[C]前記(3)の工程において、
無溶剤の紫外線硬化塗料を用いる、
上記[A]または[B]の床材の製造方法。
[D]前記(4)の工程において、
接触面におけるブラシの移動方向が前記床用基材の搬送方向と同じであるブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させた後、接触面におけるブラシの移動方向が前記床用基材の搬送方向と逆であるブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させる、
上記[A]~[C]のいずれかの床材の製造方法。
[E]前記(4)の工程において、
前記ブラシロールとして、毛材の外径が0.1~1.0mmであるブラシロールを用いる、上記[A]~[D]のいずれかの床材の製造方法。
[F]前記(4)の工程において、
前記ブラシロールとして、毛材の長さが30.0~60.0mmであるブラシロールを用いる、上記[A]~[E]のいずれかの床材の製造方法。
[G]前記(4)の工程において、
前記ブラシロールの回転軸中心から毛材先端までの距離をD1とし、前記回転軸中心から接触面までの最短距離をD2とし、これらの差D1-D2をDとするとき、毛材の長さが4D~10Dとなる位置にブラシロールを配置する、上記[A]~[F]のいずれかの床材の製造方法。
本発明によれば、少なくとも表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備える床材を着色するに際して、乾燥時に吹き戻しが発生せず、均一な着色を行うことができる。
本発明の製造方法における後処理工程を説明する概略平面図である。 後処理工程におけるブラシロールの配置を説明する概略平面図である。 本発明の一実施形態に係る床材の概略平面図である。 図3のA-A線概略断面図である。
(床材の製造方法)
以下、図を参照して、本発明の一実施形態に係る床材10の製造方法を説明する。なお、以下の説明においては、床用基材として、所定の形状の基材12に1.0~3.0mmの厚みを有する化粧層14aを貼り付けて得た床用基材を例示する。ただし、本発明の床用基材は、表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備えるものであればよく、無垢材でもよい。
(1)床用基材準備工程
まず、所定の形状の基材12および1.0~3.0mmの厚みを有する化粧層14aを用意する。次に、基材12に接着剤を塗布し、圧着(たとえば、熱間プレス)によって化粧層14aを基材12に貼り付けて、床用基材30を得る(貼付工程)。接着剤としては、たとえば、フェノール樹脂系、メラミン樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、またはポリウレタン樹脂系などの合成樹脂系接着剤を用いることができる。
基材12としては種々の合板を用いることができ、たとえばクロス合板(6プライ合板等)を用いることができる。基材12の厚みt1は、たとえば、10mmである。
化粧層14aとしては、挽き板または厚単板を用いることができる。化粧層14aは、たとえば、化粧層の表面に凹凸加工を行う場合、針葉樹または広葉樹の環孔材が好ましい。針葉樹の場合、早材部が晩材部と比較して比重が低く柔らかいため、選択的に削られ、凹部が形成される。また、環孔材の場合、年輪に沿って存在する、比較的柔らかい道管部分が選択的に削られ、凹部が形成される。すなわち、本発明にいう「凹部」とは、化粧層14aの表面の他の部位よりも柔らかい部位が選択的に削られて形成された凹部である。化粧層14aは、図示しない接着剤層を介して基材12に接着されている。
なお、基材12としてクロス合板を用いる場合には、たとえば、基材12の最も上側の板材の繊維方向と化粧層14aの繊維方向とが交差(略直交)するように、基材12上に化粧層14aが設けられる。ただし、床用基材として、6.0~15mmの厚みを有する無垢材(この場合、表層だけでなく、全体が化粧層である)を用いてもよく、この場合には貼り付け工程は省略される。
(2)溝部形成工程
次に、床用基材30(基材12)に縦溝予定部20を形成する(溝部形成工程)。溝部形成工程とともに、実(本実施形態では、雄実16aおよび雌実16b)を形成してもよい(実形成工程)。溝部形成工程および実形成工程は、同時に実施することもできる。
着色塗装工程より前に、前記化粧層の表面に凹凸加工を行い、深さが0.20mm以上の複数の凹部を形成する工程を備えてもよい。例えば、ブラッシング、ブラスト加工などによって、浮造り加工などの凹凸加工を行う。このとき、鉄製の第1ブラシおよび樹脂製の第2ブラシを有するブラッシング装置で、化粧層14aの表面にブラッシング加工を施す(凹凸加工工程)。具体的には、まず、鉄製の第1ブラシで化粧層14aの表面の全面をブラッシング加工し、複数の凹部を形成する。その後、樹脂製の第2ブラシで、凹部を形成するとともに、化粧層14aの表面のケバを除去する。これにより、化粧層14aに滑らかな表面を有する複数の凹部を形成できる。
このとき、化粧層14aに形成される複数の凹部の深さは、0.20mm以上にすることが好ましい。ただし、このとき、化粧層14aの表面において、導管の開口が大きくなる。凹凸加工の方法としては、ブラッシングやブラストによる浮造り加工のほか、丸鋸、帯鋸やNC加工機を使用した、なぐり加工、鋸目加工などがある。凹凸加工工程は、溝部形成工程より前に実施してもよいし、後に実施してもよい。
(3)着色塗装工程
次に、床用基材(化粧層14aに複数の凹部24を形成した床用基材)30を一の方向に搬送しながら、化粧層14aの表面に着色塗料を塗布する(着色塗装工程)。着色塗料は、水性や溶剤系でもよいが、無溶剤が好ましい。無溶剤の着色塗料であれば、凹凸加工工程で開口が大きくなった道管にも入りにくく、乾燥時の着色塗料の吹き戻しが発生しにくいからである。特に、紫外線硬化塗料など短時間で硬化する塗料が好ましい。生産性が向上し、乾燥時の着色塗料の吹き戻しが発生しにくいからである。着色塗料は、顔料等を用いて目的の色の着色塗料を作る。色には限定はない。着色塗料の塗布方法には、限定がないが、例えば、スポンジロールで塗布し、ゴム製のリバースロール等でかき取ることにより塗布することができる。
着色塗料には、ウレタン樹脂やアクリル樹脂などの合成樹脂塗料に顔料、染料などの着色剤を添加したものを用いることができる。合成樹脂塗料には化粧層のケバ立ちをおさえる働きがある。また、着色塗料には、植物油(ひまわり油、大豆油、あざみ油等)、天然樹脂(漆等)からなる自然塗料に顔料、染料などの着色剤を添加したものを用いることができる。顔料、染料などの着色剤の色には限定はない。色は、たとえば、ベージュ、白、グレーなど任意のものを選べばよい。
(4)後処理工程
次に、ブラシロールを、前記着色塗料を塗布した化粧層14a表面に接触させる。例えば、図1を参照して、ブラシロール40、41を用いて、着色塗料を化粧層14a表面に馴染ませるとともに、余分な着色塗料をかき取るのがよい。この時、接触面42におけるブラシの移動方向が床用基材30の搬送方向(図中の矢印の方向)と同じである、ブラシロール(順回転ブラシロール40)を着色塗料表面(着色塗料が塗布された化粧層14aの表面)に接触させた後、接触面42におけるブラシの移動方向が床用基材30の搬送方向と逆である、ブラシロール(逆回転ブラシロール41)を、着色塗料表面(着色塗料が塗布された化粧層14aの表面)に接触させるのがよい。
ブラシロール40、41の毛材には、かき取り性と耐久性を有するものを使用する必要がある。例えば、ナイロン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、アラミド、テフロン(登録商標)等の繊維を用いることができる。耐久性等の付与を目的として、ナイロンにカーボンブラック等を添加した、モノエイト、エレバイ等を用いてもよい。
毛材の外径は、0.1~1.0mmとするのが好ましい。通常、道管の内径は、0.3~0.5mmであり、導管の内部にまで着色塗料を入れるためには、外径は小さいことが好ましい。また、外径が小さい毛材を用いることで、細い溝底まで到達することが可能となる。また、道管部分の着色塗料のかき取りを弱めにすることで、道管と他の部分のコントラストを高くできる。よって、ブラシロール40、41の毛材は、その外径が1.0mm以下であることが好ましい。特に、0.5mm以下が好ましく、0.4mm以下がより好ましい。一方、毛材の外径が小さすぎると、逆に導管の内部に着色塗料を入れるのが困難になり、また、余剰の着色塗料のかき取りが不十分となる。よって、毛材の外径は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
毛材の長さは30.0~60.0mmとするのが好ましい。毛材が長すぎると、接触時の押圧力が弱くなり、かき取りが不十分になるおそれがある。よって、毛材の長さは、60.0mm以下が好ましく、50.0mm以下がより好ましい。一方、毛材が短すぎると、押圧力が強くなり、化粧層14a表面を傷つけてしまい、意匠性を損なうおそれがある。よって、毛材の長さは、30.0mm以上が好ましく、40.0mm以上がより好ましい。特に、溝内部への均一な着色の観点からは、溝深さの10倍以上とするのが好ましく、20倍以上とするのがより好ましい。
特に、図2を参照して、ブラシロール40,41の回転軸中心cから毛材先端までの距離をD1とし、回転軸中心cから接触面42までの最短距離をD2とし、これらの差をD(=D1-D2)とするとき、毛材の長さが4D~10Dとなる位置にブラシロール40,41を配置するのがよい。特に、5D以上とするのが好ましく、8D以下とするのが好ましい。また、Dは、5.0~10.0mmの範囲で設定するのがよい。この範囲であれば、化粧層14a表面を傷つけることなく、均一な着色を達成することができる。
図1に示す例では、化粧層14aに順回転ブラシロール40および逆回転ブラシロール41を順に接触させる後処理工程を示しているが、逆回転ブラシロール41の後に、さらに一以上のブラシロールを接触させる工程を含んでいてもよい。例えば、逆回転ブラシロール41の後に順回転ブラシロールを接触させてもよい。いずれにしても、少なくとも順回転ブラシロール40を接触させる工程および逆回転ブラシロール41を接触させる工程を含むことが好ましい。このように、少なくとも順回転ブラシロール40を接触させる工程および逆回転ブラシロール41を接触させる工程を含むと、床材の端部および凹部において、進行方向前側または後側に着色ムラが生じるのを防止できる。各ブラシロールは、すべて同じ仕様(材質、毛材の外径および長さなど)のものを用いてもよいが、異なる仕様のものを用いてもよい。また、ブラシロールの配置も同じ位置(Dの値を同じ)にしてもよい。異なる位置に配置してもよい。
なお、浮造り加工では、複数の道管とその間の繊維が削られて凹部となっているため、開口部が大きく、着色剤が凹部に入りやすい。また、凹部の深さが比較的浅いため、塗布ロールが接触した時に、着色剤が押し込まれやすく、道管内部まで着色剤が入り込みやすい。そのため、吹き戻しが発生しやすい。これに対して、縦溝予定部は、元々の道管がそのままの形状で切断されているため、開口部が小さく、着色剤が入りにくい。また、表面付近以外は、塗布ロールが接触しないため、道管内部まで着色剤が入り込みにくい。そのため、浮造り加工によって形成した凹部に比べると、縦溝予定部では吹き戻しが発生しにくい。よって、本発明の効果は、特に、浮造り加工による凹部を備える床材において顕著となる。
(5)乾燥工程
後処理工程の後には、着色塗料の乾燥を行う(乾燥工程)。紫外線硬化塗料を用いた場合には、紫外線を照射して塗料を硬化させる。後処理工程の後、できる限り短時間で着色塗料を硬化させることにより、効率よく生産することが可能である。
(6)その他の工程
本発明の製造方法においては、上記の乾燥後、さらに、水性着色剤による着色を行ってもよい(水性着色工程)。水性着色工程は、例えば、ゴムロール、金属ロール等を使用して、水性着色剤で着色を行う。平坦なゴムロールや金属ロールを使用するので、表面のみが着色される。上記の工程により、導管中には着色塗料が導入されているので、その上に水性着色剤を塗布し、乾燥させても、吹き戻しは発生しない。水性着色剤は、上記の着色塗料と同じ色でもよく、異なる色でコントラストを出してもよい。水性着色剤の塗布後は、熱風乾燥機等を使用して乾燥する。
水性着色工程後には、化粧層14aの表面に塗装層14bを形成してもよい(塗装工程)。塗装工程では、化粧層14aの凹部が完全に埋まるように塗装層14bを形成してもよいが、より立体感を高めるためには、凹部の形状が表面18に表れるように塗装層14bを形成してもよい。なお、塗装後においても、前記の条件を満足する複数の凹部が残存していることが好ましい。凹凸加工による凹部を生かした仕上げにするために、下塗り塗料として、比較的粘度の低い塗料を使用し、塗布量を少なめにするのが好ましい。
(床材の構成)
以下、図面を参照しつつ、本発明の床材の製造方法によって得られる床材の一実施形態について説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法および各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
図3は、本発明の一実施形態に係る床材10の概略平面図であり、図4は、図3のA-A線概略断面図である。
図3を参照して、床材10は平面視略長方形状を有する。図3を参照して、たとえば、床材10の長さLは1818mmであり、幅Wは303mmである。なお、床材10の長さLおよび幅Wは上記の例に限定されず、たとえば、長さLが約900mmであってもよく、幅Wが約145mmであってもよい。ただし、施工の手間を少なくするためには、長さも幅も大きいことが好ましい。長さは、1800mm以上とすることが好ましい。幅は90mm以上とすることが好ましく、140mm以上とすることがより好ましく、300mm以上とすることが更に好ましい。また、床材10の厚みは、たとえば、6.0mm、9.0mm、12.0mm、または15.0mmである。
図3および図4を参照して、床材10は、基材12および基材12上に設けられた化粧層14aを備える。基材12としては種々の合板を用いることができ、たとえばクロス合板(6プライ合板等)を用いることができる。基材12の厚みt1は、最終製品である床材の厚みに合わせて設定すればよい。図4を参照して、基材12の厚みt1は、たとえば、10.0mmである。
化粧層14aの表面には、塗装層14bが形成されていてもよい。塗装層14bは、たとえば、ウレタンによって形成することができる。塗装層14bは、有色であってもよく、無色であってもよい。また、化粧層14a表面において、導管には着色塗料が充填されており、乾燥時の吹き戻しがなく、均一な着色がなされている。化粧層14aは、図示しない接着剤層を介して基材12に接着されている。化粧層14aの厚みt2は、1.0~3.0mmである。
なお、基材12としてクロス合板を用いる場合には、たとえば、基材12の最も上側の板材の繊維方向と化粧層14aの繊維方向とが交差(略直交)するように、基材12上に化粧層14aが設けられる。また、本実施形態では、たとえば、化粧層14aの繊維方向が床材10の長手方向LDに略平行になるように、化粧層14aが設けられる。
図3および図4を参照して、基材12は平面視長方形状を有し、4つの側面12a~12dを有する。側面12aおよび側面12cは床材10(基材12)の長手方向LDに延び、側面12bおよび側面12dは床材10(基材12)の幅方向WDに延びる。側面12aおよび側面12bには、基材12の側方に突出するように雄実16aが設けられる。側面12cおよび側面12dには、基材12の内方に向かって凹むように雌実16bが設けられる。
複数の床材10を互いに接合して床(図示せず)を構成する際には、雄実16aが隣り合う他の床材10の雌実16bに差し込まれる。
図3を参照して、化粧層14aの表面18は、床材10の長手方向LDに延びる縦溝予定部20と、凹凸加工部22(以下、加工部22という。)とを有する。本実施形態では、縦溝予定部20は、化粧層14aの幅方向WDの中央部において長手方向LDに延びる縦溝20aと、化粧層14aの幅方向WDの一方の縁部において長手方向LDに延びるハーフ溝20bと、化粧層14aの幅方向WDの他方の縁部において長手方向LDに延びるハーフ溝20cとを有する。すなわち、縦溝予定部20とは、施工された床において縦溝を構成することを予定している縦溝およびハーフ溝の総称である。加工部22は、縦溝20aおよびハーフ溝20bの間に設けられる凹凸加工面22a(以下、加工面22aという。)と、縦溝20aおよびハーフ溝20cの間に設けられる凹凸加工面22b(以下、加工面22bという。)とを有する。
図4を参照して、縦溝予定部20(具体的には、縦溝20aおよびハーフ溝20b,20c)は、長手方向LDに垂直な断面において、床材10の外側に向かって凸となるように湾曲する湾曲面を有する。すなわち、縦溝20aおよびハーフ溝20b,20cはそれぞれ、いわゆるR溝として形成される。なお、ハーフ溝20b(ハーフ溝20c)は、複数の床材10を互いに接合して床(図示せず)を構成した際に、幅方向WDに隣り合う他の床材10のハーフ溝20c(ハーフ溝20b)との組合せによって、縦溝20aと同様の縦溝を形成する。
縦溝予定部20の最大深さ(床材10の厚み方向の深さ)は、たとえば、1.7mmである。縦溝予定部20の最大深さは、化粧層14aの厚みt2よりも小さいことが好ましい。すなわち、縦溝予定部20は、基材12まで達していないことが好ましい。
加工面22aおよび加工面22bにはそれぞれ、複数の凹部24が形成されている。複数の凹部24は、化粧層14aの表面の全面にブラッシング、ブラストなどの凹凸加工を施すことによって形成できる。複数の凹部24の最大深さ(床材10の厚み方向の深さ)は、縦溝予定部20の最大深さの1/3以下であり、1/4以下であることが好ましい。図3を参照して、加工部22は、平面視において任意に規定した100cm視野の領域26に、深さが0.2mm以上の凹部24を5つ以上有することが好ましい。なお、図3に示す例では、一辺の長さが10cmである正方形の領域26(面積:100cm)を想定し、深さが0.2mm以上の凹部24の数を測定することとしている。縦溝予定部の間隔が10cmに満たない床材の場合には、縦溝予定部を除いた部分でできる限り幅方向が広く、かつ面積が100cmとなる長方形の領域を想定し、深さが0.2mm以上の凹部24の数を測定すればよい。複数の凹部24の最大深さは、0.80mm以下であることが好ましい。凹部24の最大深さは、0.70mm以下であることが好ましく、0.60mm以下であることが更に好ましい。
なお、凹部24の深さは以下のようにして測定することができる。図3を参照して、加工部22の表面18においてA-A線で示す位置の凹凸を、レーザー変位計によって幅方向WDに5mmの範囲ごとに測定する。そして、測定した各範囲において、最大高さと最小高さとの差を凹部24の深さとする。したがって、本実施形態では、5mmごとに凹部24が存在すると仮定し、5mmごとに凹部24の深さが測定される。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、床材10がR溝を有する場合について説明したが、床材がいわゆるV溝を有していてもよく、V溝とR溝とを組み合わせた溝を有していてもよい。上述の実施形態では、床材が横溝を有していない場合について説明したが、床材が1または複数の横溝を有していてもよい。上述の実施形態では、床材10が縦溝20aを有している場合について説明したが、縦溝20aを有していなくてもよい。すなわち、縦溝予定部がハーフ溝20b,20cのみを有していてもよい。上述の実施形態では、縦溝予定部20が1本の縦溝20aを有する場合について説明したが、縦溝予定部が複数の縦溝を有していてもよい。また、床材10において、縦溝20aの底部に、化粧層14aを分断する分断溝を設けてもよい。上述の実施形態では、床材10が雄実16aおよび雌実16bを有する本実を備える場合について説明したが、実の構成は上述の例に限定されない。たとえば、あいじゃくり実によって、複数の床材を接合してもよい。また、床材が実を有していなくてもよい。この場合、複数の床材を突き合わせ接合してもよい。
本発明によれば、少なくとも表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備える床材を着色するに際して、乾燥時に吹き戻しが発生せず、均一な着色を行うことができる。
10 床材
12 基材
12a,12b,12c,12d 側面
14a 化粧層
14b 塗装層
16a 雄実
16b 雌実
18 表面
20 縦溝予定部
20a 縦溝
20b,20c ハーフ溝
22 加工部
22a,22b 加工面
24 凹部
26 領域
30 床用基材
40 順回転ブラシロール
41 逆回転ブラシロール
42 接触面

Claims (7)

  1. 下記の(1)~(5)の工程を備える、床材の製造方法。
    (1)少なくとも表層に厚さ1.0mm以上の化粧層を備える床用基材を得る工程、
    (2)前記化粧層の表面に縦溝およびハーフ溝を形成する工程、
    (3)前記縦溝およびハーフ溝を形成した前記化粧層の表面に着色塗料を塗布する工程、
    (4)ブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させて、前記縦溝およびハーフ溝の着色塗料をかき取る工程、および、
    (5)前記化粧層の表面に残った着色塗料を硬化させる工程。
  2. 前記(3)の工程より前に、
    前記化粧層の表面に凹凸加工を行い、深さが0.20mm以上の複数の凹部を形成する工程を備え、前記(4)の工程において、凹部の着色塗料をかき取る、
    請求項1に記載の床材の製造方法。
  3. 前記(3)の工程において、
    無溶剤の紫外線硬化塗料を用いる、
    請求項1または2に記載の床材の製造方法。
  4. 前記(4)の工程において、
    接触面におけるブラシの移動方向が前記床用基材の搬送方向と同じであるブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させた後、接触面におけるブラシの移動方向が前記床用基材の搬送方向と逆であるブラシロールを、前記着色塗料表面に接触させる、
    請求項1から3までのいずれかに記載の床材の製造方法。
  5. 前記(4)の工程において、
    前記ブラシロールとして、毛材の外径が0.1~1.0mmであるブラシロールを用いる、
    請求項1から4までのいずれかに記載の床材の製造方法。
  6. 前記(4)の工程において、
    前記ブラシロールとして、毛材の長さが30.0~60.0mmであるブラシロールを用いる、
    請求項1から5までのいずれかに記載の床材の製造方法。
  7. 前記(4)の工程において、
    前記ブラシロールの回転軸中心から毛材先端までの距離をD1とし、前記回転軸中心から接触面までの最短距離をD2とし、これらの差D1-D2をDとするとき、毛材の長さが4D~10Dとなる位置にブラシロールを配置する、請求項1から6までのいずれかに記載の床材の製造方法。
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