JP7103798B2 - 硬貨処理ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、硬貨を複数のホッパに振り分ける技術に関する。
硬貨を複数のホッパに振り分ける技術として、特許文献1には、入金された硬貨の金種を識別し、振分爪を用いて複数のホッパに振り分ける技術が開示されている。
特開2002-298188号公報
特許文献1の技術では、釣り銭として利用者に返却する硬貨を各ホッパに補給するために、各ホッパを収納するフレームを硬貨処理装置から取り出せるようにして、作業員が各ホッパに直接硬貨を投入するようになっている。そのため、各ホッパに投入する硬貨を選別する手間が作業員に必要になる。
本発明は、上記の背景に鑑み、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により、金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、前記振分機構までの経路の途中に設けられた金種混在ホッパにより、前記硬貨保留部から振り分けられた硬貨と、前記補給金経路を通った硬貨とを蓄積し、蓄積された金種が混在する硬貨を前記振分機構に搬送する硬貨処理ユニットを第1の態様として提供する。
第1の態様の硬貨処理ユニットによれば、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることができる。
また、の態様の硬貨処理ユニットによれば、金種毎に硬貨を保留する場合に比べてユニットの小型化を可能とすることができる。
また、本発明は、投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により硬貨保留部で金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、前記返却経路では無端のベルトで硬貨を搬送し、前記返却経路以外の経路では、それぞれ突起を有し搬送方向に沿って並べた複数の円盤を回転させ、当該突起で順次押し続けることで硬貨を搬送する硬貨処理ユニットを第2の態様として提供する。
第2の態様の硬貨処理ユニットによれば、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることができる。また、第2の態様の硬貨処理ユニットによれば、金種毎に硬貨を保留する場合に比べてユニットの小型化を可能とすることができる。また、の態様の硬貨処理ユニットによれば、硬貨の返却に要する時間を短くし、且つ、硬貨詰まりの発生を少なくすることができる。
また、本発明は、投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により硬貨保留部で金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、前記硬貨保留部は、鉛直下方に櫛歯部を有する側板によって囲まれた空間に投入金を保留し、前記櫛歯部と噛み合う櫛歯形状を有する底板を開閉させて前記返却経路及び前記振分機構までの経路のいずれかに振り分ける硬貨処理ユニットを第3の態様として提供する。
第3の態様の硬貨処理ユニットによれば、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることができる。また、第3の態様の硬貨処理ユニットによれば、金種毎に硬貨を保留する場合に比べてユニットの小型化を可能とすることができる。また、の態様の硬貨処理ユニットによれば、側板及び底板の隙間への硬貨の挟み込みを起きにくくすることができる。
また、本発明は、投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により硬貨保留部で金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、検銭センサの出力に基づいて、前記保留をされている硬貨の金種毎の枚数を表示するインジケータを備える硬貨処理ユニットを第4の態様として提供する。
第4の態様の硬貨処理ユニットによれば、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることができる。また、第4の態様の硬貨処理ユニットによれば、金種毎に硬貨を保留する場合に比べてユニットの小型化を可能とすることができる。また、の態様の硬貨処理ユニットによれば、投入金額を容易に把握することができる。
実施例に係る硬貨処理装置の構成を表す図 硬貨の移動経路を表す図 表示された枚数の一例を表す図 検銭後リフト部を拡大して表す図 ギア搬送により搬送される硬貨の一例を表す図 ギア搬送により搬送される硬貨の一例を表す図 硬貨保留部を拡大して表す図 硬貨保留部による投入金の振り分けを表す図
[1]実施例
図1は実施例に係る硬貨処理装置1の構成を表す。硬貨処理装置1は、利用者が投入した硬貨及び紙幣(投入金)で購入可能な乗車券又は入場券等を発行する装置である。硬貨処理装置1は、硬貨処理ユニット2を備える。なお、硬貨処理装置1は、硬貨処理ユニット2以外に、紙幣での支払いに関する処理を行う紙幣処理ユニットと、乗車券等を発行する発券ユニットとを備えるが、本発明の要部ではないため図示を省略している。
硬貨処理ユニット2は、硬貨での支払いに関する処理を行うユニットであり、本発明の「硬貨処理ユニット」の一例である。硬貨処理ユニット2は、利用者が投入した硬貨(投入金)を金種毎に振り分けて蓄えておき、お釣りが必要な場合には蓄えてある硬貨をお釣りの金額分だけ返却する。硬貨処理ユニット2は、振分前処理部10と、振分処理部20と、ホッパ部30と、返却処理部40とを備える。
振分前処理部10は、硬貨の振り分けが行われる前の一連の処理を行う部分である。振分処理部20は、硬貨を金種毎に振り分けてホッパ部30に供給する処理を行う部分である。振分処理部20は本発明の「振分機構」の一例である。ホッパ部30は、金種毎に振り分けられた硬貨を蓄積する部分である。返却処理部40は、お釣りがある場合及び購入が取り消された場合(キャンセルされた場合)に硬貨を利用者に返却する処理を行う部分である。
硬貨処理ユニット2は、次に述べる6つの経路で硬貨が移動する。
図2は硬貨の移動経路を表す。図2では、各移動経路が二点鎖線で表されている。保留経路R1は、投入口(利用者が硬貨を投入する口)から投入された硬貨が後述する硬貨保留部15に保留されるまでの移動経路である。受入経路R2は、利用者が乗車券等の購入を確定させた場合に、ホッパ部30に受け入れられる投入金が移動する経路である。
保留経路R1及び受入経路R2を合わせて、投入金が移動する経路である投入金経路R3という。投入金経路R3は本発明の「投入金経路」の一例である。ホッパ部30に蓄積されている硬貨が少なくなってくると、作業員が硬貨を補給する場合がある。補給金経路R4は、その場合に作業員が補給した硬貨(補給金)が移動する経路である。補給金経路R4は本発明の「補給金経路」の一例である。受入経路R2及び補給金経路R4は、いずれも振分処理部20に至るまでの経路である。
振分経路R5は、振分処理部20が金種毎に振り分けた硬貨がホッパ部30に蓄積された状態になるまでに移動する経路である。返却経路R6は、利用者に返却する硬貨が返却口(利用者が硬貨を受け取る口)まで移動する経路である。返却経路R6は本発明の「返却経路」の一例である。例えば硬貨保留部15に保留されている硬貨は、利用者が購入を取り消すと、返却経路R6を通って返却口まで移動する。釣銭取出経路R7は、ホッパ部30に蓄積されている硬貨が釣り銭として取り出されて返却経路R6まで移動するときの経路である。
振分前処理部10は、投入口分離部11と、投入検銭部12と、インジケータ13と、検銭後リフト部14と、硬貨保留部15と、仕切り板16と、シュート17と、金種混在ホッパ18と、金種混在リフト19とを備える。投入口分離部11は、利用者により投入された硬貨(投入金)を1枚ずつ分離して投入検銭部12に供給する。硬貨の分離には周知の技術が用いられればよい。
投入検銭部12は、硬貨の金種の検査(検銭)を行う検銭センサを有し、投入口分離部11から供給された硬貨の検銭を行う。検銭センサは、例えば、硬貨に流れる過電流値を出力し、投入検銭部12は、出力された過電流値から硬貨の材質を判断し、その材質に対応する金種であると判定する。投入検銭部12は、検銭の結果をインジケータ13に供給する。
インジケータ13は、検銭センサの出力に基づいて判定された検銭の結果が示す金種毎の硬貨の枚数を表示する。
図3は表示された枚数の一例を表す。インジケータ13は、金種毎に設けられた4つの表示灯のうち点灯したもの(図3の例では黒い四角が点灯した表示灯を表すものとする)の数で硬貨の枚数を表している。図3の例では、百円が1枚、十円が2枚で120円が投入されたことが表されている。
なお、枚数の表示方法はこれに限らず、例えば液晶画面に数字で枚数を表してもよい。インジケータ13は、金種が検査される度にその金種の硬貨の枚数を1枚ずつ加えていき、リセットが行われると、全金種の硬貨の枚数を0枚にする。リセットは、例えば後述する硬貨保留部15に保留されている硬貨が次の経路(受入経路R2又は返却経路R6)に移動したときに行われる。こうしてインジケータ13は、硬貨保留部15に保留されている硬貨の金種毎の枚数を表示する。
例えば購入取り消しの際に投入金の返却ができなくなる不具合が発生すると、作業員が投入金を返却して他の硬貨処理装置1を利用してもらうという対応が行われている。その際に、硬貨保留部15には金種が混在した硬貨が蓄積されているので、インジケータ13がなければ投入金の金額をすぐに把握することは難しい。それに比べて、本実施例では、インジケータ13が金種毎の硬貨の枚数を表示するので、作業員が投入金額を容易に把握することができる。
検銭後リフト部14は、検銭を行った硬貨を検銭後リフト部14に供給する。検銭後リフト部14は、検銭された硬貨を硬貨保留部15の供給口まで搬送する。検銭後リフト部14は、それぞれ突起を有し搬送方向に沿って並べた複数の円盤を回転させ、それらの突起で順次押し続けることで硬貨を搬送する。以下ではこの搬送方法をギア搬送という。
図4は検銭後リフト部14を拡大して表す。検銭後リフト部14は、ガイド51L及び51R(それぞれ区別しない場合は「ガイド51」という)と、複数の円盤部52とを備える。
ガイド51は、硬貨の搬送路B1を形成する壁であり、硬貨の搬送方向A1の左右に設けられて硬貨が搬送路B1から外れないようにしている。ガイド51Lは搬送方向A1の左側に設けられ、ガイド51Rは搬送方向A1の右側に設けられている。複数の円盤部52は、搬送路B1の幅よりも小さい直径の円盤を有し、搬送路B1の中にその円盤の中心523を軸に回転可能に設けられている。
複数の円盤部52は、搬送方向A1に並べられ、左右のガイド51に交互に接触し、且つ、前後の円盤部52(前後が無い場合を除く)とも接触するように配置されている。図示せぬ駆動手段により、ガイド51Lに接触する円盤部52は左回りに回転し、ガイド51Rに接触する円盤部52は右回りに回転している。各円盤部52は、円形の面の円周に接する位置に設けられた第1突起521と、中心523を挟んで第1突起521の反対側に設けられた第2突起522とを備える。
各円盤部52は、隣の円盤部52と接触する位置を第1突起521とが通過するときに、隣の円盤部52の第1突起521もその位置を通過するタイミングで回転している(第2突起522についても同様)。検銭後リフト部14は、各円盤部52をこのように回転させることで、搬送方向A1への硬貨のギア搬送を行う。
図5A、図5Bはギア搬送により搬送される硬貨の一例を表す。図5A(a)では、1つ目の円盤部52が、ガイド51Rに接触する硬貨C1を第1突起521で搬送方向A1に押している。図5A(b)では、1つ目の円盤部52の第1突起521と2つ目の円盤部52の第1突起521とが共に硬貨C1を押すことで、硬貨C1がガイド51Rから離れてガイド51Lの方に向けて移動している。
図5A(c)では、ガイド51Lに接触する位置まで移動した硬貨C1を、2つ目の円盤部52の第1突起521が搬送方向A1に押している。図5B(d)では、2つ目の円盤部52の第1突起521と3つ目の円盤部52の第1突起521とが共に硬貨C1を押すことで、硬貨C1がガイド51Lから離れてガイド51Rの方に向けて移動している。図5B(e)では、ガイド51Rに接触する位置まで移動した硬貨C1を、3つ目の円盤部52の第1突起521が搬送方向A1に押している。
検銭後リフト部14は、図5A(a)から図5B(e)までの動きを繰り返すことで、ギア搬送により硬貨C1を搬送方向A1に搬送する。検銭後リフト部14により搬送された硬貨は、硬貨保留部15の供給口に到達する。硬貨保留部15は、図2に表す投入金経路R3の途中に設けられて金種が混在する硬貨を一時的に保留する。
図6は硬貨保留部15を拡大して表す。なお、図6では、形状が分かり易いように硬貨保留部15を透過して表している。
硬貨保留部15は、四角形に二等辺三角形をくっつけたホームベース型の側板61及び63と、四角形の側板62及び64と、四角形の底板65及び66とを備える。4つの側板で囲まれた空間D1のうち鉛直上方側は開口していて硬貨が供給される供給口67を形成している。空間D1のうち鉛直下方側は底板65及び66によって覆われている。硬貨保留部15は、図6に表すように鉛直下方側が底板65及び66によって覆われた状態の空間D1に投入金(利用者により自装置に投入された硬貨)を保留する。
側板61、62、63、64は、それぞれ鉛直下方に櫛歯部61e、62e、63e、64eを有する。櫛歯部とは、櫛歯形状に形成されている端部である。櫛歯形状とは、凹凸が連続して現われる形状であり、本実施例では、角が直角に形成された凹凸が等間隔で現われる形状となっている。底板65及び66は、側板と接触する辺には側板の櫛歯部と噛み合う櫛歯形状を有しており、互いに接触する辺には互いに噛み合う櫛歯形状を有している。
このように側板及び底板が櫛歯形状の端部を噛み合わせて接していることで、例えば底板が硬貨の重みで少し撓んだとしても、側板及び底板が真っ直ぐな端部で接する場合に比べて、硬貨が挟まるような隙間を生じにくいので、側板及び底板の隙間への硬貨の挟み込み及びその隙間からの硬貨の落下を起きにくくすることができる。また、底板同士も櫛歯形状の端部を噛み合わせて接しているので、真っ直ぐな端部で接する場合に比べて、挟み込み及び落下を起きにくくすることができる。
底板65及び66は図示せぬ駆動手段によりそれぞれ独立して開閉するようになっている。底板65及び66が別々に開くことで、空間D1に保留された投入金がそれぞれ異なる経路(受入経路R2又は返却経路R6)に向けて移動する。閉じた状態の底板65及び66が接する端部の鉛直下方には、仕切り板16が配置されている。仕切り板16は、受入経路R2又は返却経路R6に移動する硬貨が反対の経路に移動しないように、両経路の境界として設けられている。
図7は硬貨保留部15による投入金の振り分けを表す。図7(b)では、底板65及び66が閉まった状態の硬貨保留部15が表されている。図7(a)では、底板65が開いた状態の硬貨保留部15が表されている。この状態では、図1に表す返却処理部40に向けて、すなわち返却経路R6に向けて投入金が移動する。硬貨保留部15は、例えば利用者が購入を取り消す操作(キャンセル操作)を行った場合には、底板65を開いて返却経路R6に投入金を移動させる。
図7(c)では、底板66が開いた状態の硬貨保留部15が表されている。この状態では、図1に表すシュート17に向けて投入金が移動する。シュート17は、硬貨が滑り落ちていく移動経路を形成しており、後述する金種混在ホッパ18までの移動経路を形成している。シュート17は、金種混在ホッパ18及び金種混在リフト19と共に図2に表す受入経路R2を形成している。硬貨保留部15は、例えば利用者が購入を決定する操作(例えば購入する乗車券を決定する操作)を行った場合に底板66を開いて受入経路R2に投入金を移動させる。
以上のとおり、硬貨保留部15は、空間D1に保留していた硬貨を、振分処理部20までの経路である受入経路R2と、返却口まで繋がる返却経路R6とのいずれかに振り分ける。より詳細には、硬貨保留部15は、投入金を保留し、保留していた投入金を、底板65及び66を開閉させて受入経路R2及び返却経路R6のいずれかに振り分ける。受入経路R2に振り分けられた投入金は、シュート17を通過して金種混在ホッパ18に到達する。
金種混在ホッパ18は、金種が混在する硬貨を蓄積するホッパである。金種混在ホッパ18は、鉛直上方に開口する開口部181を有する。開口部181からは、シュート17を通過した投入金が供給される。また、開口部181は、上述した補給金が供給される供給口にもなっている。投入金及び補給金のいずれの場合も、金種が混在した硬貨が金種混在ホッパ18に供給されることになる。
金種混在リフト19は、金種混在ホッパ18に蓄積された金種が混在する硬貨を金種混在ホッパ18にまで搬送する。金種混在リフト19は、検銭後リフト部14と同じく、ギア搬送により硬貨を搬送する。金種混在ホッパ18の底は、金種混在リフト19の方に傾斜しており、供給された硬貨は金種混在リフト19の下端から取り込まれるようになっている。
また、金種混在ホッパ18には、硬貨が供給されたことを検知するセンサが設けられている。金種混在リフト19は、このセンサが硬貨の供給を検知したときに動作を開始して、金種混在ホッパ18に蓄積された硬貨を搬送する。続いて、振分処理部20及びホッパ部30について説明する。振分処理部20は、振分前検銭部21と、硬貨振分部22とを備える。
ホッパ部30は、十円ホッパ部31と、百円ホッパ部32と、五百円ホッパ部33と、五十円ホッパ部34とを備える。十円ホッパ部31は、十円ホッパ311と、十円リフト312とを備える。百円ホッパ部32は、百円ホッパ321と、百円リフト322とを備える。五百円ホッパ部33は、五百円ホッパ331と、五百円リフト332とを備える。五十円ホッパ部34は、五十円ホッパ341と、五十円リフト342とを備える。十円ホッパ311、百円ホッパ321、五百円ホッパ331、五十円ホッパ341はいずれも本発明の「硬貨ホッパ」の一例である。
金種混在リフト19が搬送した硬貨は、振分前検銭部21に供給される。振分前検銭部21は、金種混在リフト19から供給された硬貨の金種の検査(検銭)を行う。振分前検銭部21は、検銭の結果を硬貨振分部22に通知するとともに、検銭を行った硬貨を硬貨振分部22に供給する。硬貨振分部22は、振分前検銭部21から供給された硬貨を搬送する搬送部と、搬送する硬貨を検銭の結果が示す金種のホッパに振り分ける振分部とを備える。
搬送部は、上述したギア搬送を行う。振分部は、例えば特開2000-137848等に記載されている周知技術を用いて硬貨の振り分けを行う。具体的には、硬貨振分部22は、搬送部のガイドのうち各ホッパの供給口の鉛直上方の位置に、例えば図示せぬソレノイドを作動させることで開閉を制御可能な可動壁を設けておく。硬貨振分部22は、振分前検銭部21から通知された金種のホッパの鉛直上方に配置された可動壁を開くことで、その金種の硬貨をそのホッパに(例えば十円を十円ホッパ311に)供給する。
各ホッパ(十円ホッパ311等)は、対応する金種の硬貨を蓄積する。各リフト(十円リフト312等)は、いずれもギア搬送により、ホッパに蓄積された硬貨を返却処理部40まで搬送する。ホッパ部30は、例えば利用者が乗車券等を購入してお釣りが生じた場合に、そのお釣りの金額に相当する硬貨を返却処理部40まで搬送する。返却処理部40は、搬送ベルト41を備える。
ホッパ部30により搬送されてきた硬貨は搬送ベルト41の搬送面411に供給される。搬送ベルト41は、無端のベルトであり、鉛直上方を向いているときの搬送面411が返却口(利用者が硬貨を受け取る受取口)に向かう返却方向A2に回転して、搬送面411上の硬貨を返却口まで搬送する。搬送ベルト41は、鉛直上方を向いているときの搬送面411が水平方向に対して角度を成しており、返却口側が低くなっている。
これにより、搬送面411が水平な場合に比べて、搬出される硬貨が返却口に転がり落ちやすくなり、例えば複数の硬貨が搬送ベルト41と筐体との間に挟まって詰まるおそれが少なくなる。搬送面411には、例えば図7(a)の説明で述べたように利用者がキャンセル操作を行った場合に硬貨保留部15から返却経路R6に振り分けられた投入金(返却金)も供給される。搬送ベルト41は、この返却金も返却口まで搬送する。
硬貨処理ユニット2は、上述したとおり、返却経路R6では無端のベルトで硬貨を搬送し(ベルト搬送)、返却経路R6以外の経路(投入金経路R3、補給金経路R4、振分経路R5、釣銭取出経路R7)では、上述したギア搬送により硬貨を搬送する。ベルト搬送はギア搬送に比べて搬送速度を速くすることができるが、特に複数の硬貨を搬送する場合にそれらが重なった状態で搬送されるため硬貨詰まりを起こしやすい。
一方、ギア搬送はベルト搬送に比べて搬送速度は遅いが、図4等で説明したように硬貨を重ねることなく搬送するため硬貨詰まりを起こしにくい。本実施例では、ベルト搬送で返却金を搬送することでそれをギア搬送で行う場合に比べて硬貨の返却に要する時間を短くし、且つ、例えば全てをベルト搬送で行う場合に比べて、硬貨詰まりの発生を少なくすることができる。
また、硬貨処理ユニット2においては、金種が混在した硬貨を硬貨保留部15が保留する。これ以外にも、例えば硬貨保留部を金種毎に設ける方法もある。その方法を採れば、金種毎の硬貨保留部から対応する金種のホッパに硬貨を移動させて蓄積させることができるが、硬貨保留部の数が増える分ユニットのサイズが大きくなる。本実施例では、保留する硬貨の金種を混在させて硬貨保留部を1つにすることで、金種毎に硬貨を保留する場合に比べてユニットの小型化を可能とすることができる。
また、硬貨処理ユニット2は、上述したとおり、投入金経路R3及び補給金経路R4のいずれかを通った硬貨を(投入金経路R3を通った硬貨も補給金経路R4を通った硬貨も)共通の振分機構である振分処理部20で金種毎の硬貨ホッパ(十円ホッパ311、百円ホッパ321、五百円ホッパ331、五十円ホッパ341)に振り分ける。
これにより、この振り分けを例えば作業員が手作業で行う場合に比べて、ホッパへ硬貨を補給する際の手間を少なくすることができる。また、投入金経路R3及び補給金経路R4で共通の振分機構を用いるようにしたことで、両経路のそれぞれに振分機構を設ける場合に比べて、ユニットの小型化を可能とすることができる。
また、硬貨処理ユニット2においては、投入金も補給金も金種混在ホッパ18に蓄積されてから振分処理部20により振り分けられる。言い換えると、金種混在ホッパ18に蓄積された硬貨は、投入金か補給金かにかかわらず同じように振分処理が行われる。そのため、利用者が硬貨の投入を行っている際に補給の作業を行われて投入金と補給金とが混ざって金種混在ホッパ18に蓄積されても、問題なく振分処理が行われる。このように、本実施例では、投入金の受け入れと、補給金の補給とを並行して行うことができる。
[2]変形例
上述した実施例は本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、実施例及び各変形例は必要に応じてそれぞれ組み合わせてもよい。
[2-1]搬送方法
実施例では、返却経路R6だけベルト搬送で硬貨が搬送されたが、これに限らない。例えば、全ての経路でベルト搬送が行われてもよいし、全ての経路でギア搬送が行われてもよい。また、返却経路R6に加えて釣銭取出経路R7ではベルト搬送を行うというように、ベルト搬送及びギア搬送を行う対象となる経路を変えてもよい。いずれの場合も、搬送速度を速くしたい経路にはベルト搬送を用いて、搬送速度を速くする必要性が低い経路にはギア搬送を用いて硬貨詰まりの発生を少なくするとよい。
[2-2]硬貨処理装置
硬貨処理装置は、実施例では、乗車券又は入場券等の紙片状の物を発行する装置であったが、これに限らず、例えば、飲料等を販売する自動販売機であってもよいし、駐車場等に設置される自動精算機であってもよい。また、ATM(Automatic Teller Machine)及び両替機等であってもよい。要するに、利用者によって硬貨が投入されると共に、利用者の操作に応じた金額の硬貨を排出する装置であればよい。
1…硬貨処理装置、10…振分前処理部、11…投入口分離部、12…投入検銭部、13…インジケータ、14…検銭後リフト部、15…硬貨保留部、16…仕切り板、17…シュート、18…金種混在ホッパ、19…金種混在リフト、20…振分処理部、21…振分前検銭部、22…硬貨振分部、30…ホッパ部、31…十円ホッパ部、32…百円ホッパ部、33…五百円ホッパ部、34…五十円ホッパ部、40…返却処理部、41…搬送ベルト。

Claims (4)

  1. 投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、
    前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により、金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、
    前記振分機構までの経路の途中に設けられた金種混在ホッパにより、前記硬貨保留部から振り分けられた硬貨と、前記補給金経路を通った硬貨とを蓄積し、蓄積された金種が混在する硬貨を前記振分機構に搬送する
    硬貨処理ユニット。
  2. 投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、
    前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により硬貨保留部で金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、
    前記返却経路では無端のベルトで硬貨を搬送し、前記返却経路以外の経路では、それぞれ突起を有し搬送方向に沿って並べた複数の円盤を回転させ、当該突起で順次押し続けることで硬貨を搬送す
    貨処理ユニット。
  3. 投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、
    前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、
    前記硬貨保留部は、鉛直下方に櫛歯部を有する側板によって囲まれた空間に投入金を保留し、前記櫛歯部と噛み合う櫛歯形状を有する底板を開閉させて前記返却経路及び前記振分機構までの経路のいずれかに振り分け
    貨処理ユニット。
  4. 投入金経路及び補給金経路のいずれかを通った硬貨を共通の振分機構で金種毎の硬貨ホッパに振り分ける硬貨処理ユニットであって、
    前記投入金経路の途中に設けられた硬貨保留部により金種が混在する硬貨を一時的に保留し、保留していた硬貨を、返却口まで繋がる返却経路と、前記振分機構までの経路とのいずれかに振り分け、
    検銭センサの出力に基づいて、前記保留をされている硬貨の金種毎の枚数を表示するインジケータを備え
    貨処理ユニット。
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