第1の実施の形態
以下、本発明に係る貨幣入出金装置(貨幣処理装置)の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図10は本発明の第1の実施の形態を示す図である。なお、本願において「貨幣」とは「硬貨」(「棒金」を含む。)と「紙幣」の両方を意味している。ところで、以下に示す実施の形態においては、説明の便宜上、特に断りのない限り「硬貨」という文言は「バラ硬貨」のことを意味し、「棒金」のことを意味しないものとする。図1に示すように、本実施の形態の貨幣入出金装置は、紙幣入出金装置100、硬貨入出金装置200、棒金投出装置300、ターミナル装置10、サーマルプリンタ20および認証プリンタ30から構成されている。
本実施の形態の貨幣入出金装置は、店舗内に設置され、例えば警備会社の担当者のような店舗外の第三者により貨幣の回収処理および補充処理が行われるものである。なお、本実施の形態では、貨幣処理装置の一例として、貨幣の入金処理と出金処理の両方を行うことができる貨幣入出金装置を用いて説明するが、これに限られることはない。
(紙幣入出金装置の構成)
まず、図2を用いて、本実施の形態の紙幣入出金装置100の全体的な構成について説明する。図2に示すように、紙幣入出金装置100は略直方体形状の紙幣筐体112を備えており、この紙幣筐体112の前面には、当該紙幣筐体112の外部から内部にバラ紙幣を投入するとともに紙幣筐体112の内部から外部にバラ紙幣を投出するための紙幣入出金口120が紙幣筐体112の外部に露出するよう設けられている。紙幣入出金口120には開口部が設けられており、この開口部にはシャッター機構122が設けられている。そして、シャッター機構122により紙幣入出金口120の開口部の開閉が行われるようになっている。また、紙幣筐体112の内部には、1つの紙幣一時保留部142、3つの紙幣金種別収納庫140、および1つの紙幣収納カセット144が略水平方向に沿って並列に設けられている。また、紙幣筐体112の内部には、紙幣を1枚ずつ搬送する紙幣搬送部130が設けられており、この紙幣搬送部130は、紙幣入出金口120、各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144の間で紙幣の搬送を行うようになっている。
紙幣入出金口120は鉛直方向に対して斜めに傾斜しており、この紙幣入出金口120には紙幣が斜めに傾斜して投入されるようになっている。紙幣入出金口120には紙幣繰出機構121が設けられており、この紙幣繰出機構121により紙幣入出金口120に集積された紙幣が1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出されるようになっている。また、紙幣の出金処理を行う際には、紙幣搬送部130から紙幣が1枚ずつ紙幣入出金口120に送られるようになっている。なお、これら紙幣入出金口120および紙幣繰出機構121によって、紙幣を入金するための紙幣入金部が構成されるとともに、後述する紙幣収納部から繰り出された紙幣を出金するための紙幣出金部が構成されている。なお、本実施の形態において「入金」とは、取引をしている際において貨幣を貨幣入出金装置内に投入することを意味し、「補充」とは、取引をすることなく、単に貨幣を貨幣入出金装置内に投入することを意味している。このため、紙幣入金部は、紙幣を補充するための紙幣補充部としても機能することができる。
なお、図2に示す例では、紙幣入出金口120および紙幣繰出機構121が、紙幣入金部と紙幣出金部の両方を兼ねているが、これに限られることはなく、紙幣入金部と紙幣出金部が別々に設けられていてもよい。この場合には、紙幣筐体112の前面または上面に、入金口および出金口がそれぞれ設けられるようになる。
また、シャッター機構122は、操作者が紙幣入出金口120に紙幣を投入したり紙幣入出金口120から紙幣を取り出したりする際には、開いて紙幣入出金口120が紙幣筐体112の外部に露出されるようになる。一方、紙幣入出金口120に集積された紙幣が1枚ずつ紙幣繰出機構121により紙幣搬送部130に繰り出されたり紙幣搬送部130から紙幣入出金口120に紙幣が1枚ずつ送られたりする際には、シャッター機構122が紙幣入出金口120を閉じるようになる。
図2に示すように、紙幣搬送部130には紙幣識別部131が設置されている。紙幣識別部131は、当該紙幣搬送部130により搬送される紙幣の金種や正損、真偽などを識別するようになっている。また、紙幣筐体112の内部には入金紙幣リジェクト部124が設けられており、この入金紙幣リジェクト部124は紙幣搬送部130に接続されている。そして、紙幣の入金処理を行う際に、紙幣入出金口120から紙幣繰出機構121により紙幣搬送部130に繰り出され紙幣識別部131により識別された紙幣のうち、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、搬送異常(斜行、重送、連鎖)などにより紙幣識別部131で識別することができなかった紙幣は紙幣搬送部130から入金紙幣リジェクト部124に送られるようになっている。また、紙幣筐体112の内部には出金リジェクト部126が設けられており、この出金リジェクト部126は紙幣搬送部130に接続されている。そして、紙幣の出金処理を行う際に、各紙幣金種別収納庫140などから紙幣搬送部130に繰り出され紙幣識別部131により識別された紙幣のうち、正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、搬送異常などにより紙幣識別部131で識別することができなかった紙幣は紙幣搬送部130から出金リジェクト部126に送られるようになっている。
図2に示すように、紙幣収納カセット144、各紙幣金種別収納庫140および紙幣一時保留部142は、この順番で、紙幣筐体112の奥行き方向(図2の左右方向)に沿って手前側から順に配置されている。各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144にはそれぞれ紙幣搬送部130から1枚ずつ紙幣が送られるようになっている。ここで、各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144はそれぞれ扁平状の略直方体形状のものからなり、紙幣搬送部130から送られた紙幣が積層状態に収納されるようになっている。また、各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144にはそれぞれ紙幣繰出機構141、143、145が設けられており、これらの各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144に収納された紙幣は紙幣繰出機構141、143、145により1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出すことができるようになっている。なお、これら各紙幣金種別収納庫140、紙幣一時保留部142および紙幣収納カセット144、並びに、紙幣繰出機構141、143、145によって、入金された紙幣を収納するとともに、収納された紙幣を必要に応じて繰り出す紙幣収納部が構成されている。
各紙幣金種別収納庫140は、紙幣搬送部130から送られた紙幣を金種別に収納するとともに、収納された紙幣を各紙幣繰出機構141により紙幣搬送部130に繰り出し可能となっている。より詳細には、紙幣筐体112内において最も手前側に配置された紙幣金種別収納庫140aは、例えば一万円札を収納するようになっており、紙幣筐体112内において次に手前側に配置された紙幣金種別収納庫140bは、例えば五千円札を収納するようになっており、紙幣筐体112内において最も奥側に配置された紙幣金種別収納庫140cは、例えば千円札を収納するようになっている。なお、例えば一万円札を収納する紙幣金種別収納庫140aとしては、紙幣繰出機構141が設けられておらず、紙幣搬送部130から送られた紙幣を収納するのみとなっているものが用いられてもよい。また、本実施の形態の各紙幣金種別収納庫140は、紙幣筐体112の内部に固定されており、この紙幣筐体112から取り外すことができないようになっている。なお、これに限られることはなく、各紙幣金種別収納庫140のうち一または複数の紙幣金種別収納庫140が紙幣筐体112から取り出すことができるようになっていてもよい。この場合には、紙幣金種別収納庫140に収納された紙幣を当該紙幣金種別収納庫140ごと回収することができるようになる。
紙幣収納カセット144は紙幣筐体112から取り外し自在となっている。また、紙幣収納カセット144は、紙幣搬送部130から送られた紙幣を収納するとともに、収納された紙幣を紙幣繰出機構145により紙幣搬送部130に繰り出し可能となっている。より具体的には、紙幣収納カセット144には、紙幣の入金処理を行う際に各紙幣金種別収納庫140がフル状態となってしまうことにより収納することができなくなったオーバーフロー紙幣や二千円札、損券などが収納されるようになっている。また、紙幣入出金装置100からの紙幣の回収処理を行う際に紙幣筐体112から紙幣収納カセット144を取り外すことにより当該紙幣収納カセット144に収納された紙幣を回収したり、紙幣入出金装置100に対して紙幣の補充処理を行う際に補充用の紙幣が収納された紙幣収納カセット144を紙幣筐体112の外部から当該紙幣筐体112内に装填して紙幣を補充したりすることもできる。
紙幣一時保留部142は、紙幣搬送部130から送られた紙幣を一時的に保留するとともに、保留された紙幣を紙幣繰出機構143により紙幣搬送部130に繰り出し可能となっている。この紙幣一時保留部142は、紙幣の入金処理を行う際に紙幣入出金口120により紙幣筐体112の外部から内部に投入された紙幣を一時的に保留するようになっている。また、紙幣の補充処理を行う際に紙幣収納カセット144が紙幣筐体112内に装填されると、紙幣繰出機構145により紙幣収納カセット144から紙幣が1枚ずつ繰り出され、紙幣搬送部130により紙幣一時保留部142に紙幣が1枚ずつ送られ、この紙幣一時保留部142で補充用の紙幣が一時的に保留されるようになっている。
また、紙幣搬送部130は、紙幣を搬送するための紙幣搬送路130aを有している。そして、この紙幣搬送路130aの各分岐箇所には、分岐爪からなる分岐部材136がそれぞれ設けられている。各分岐部材136により、紙幣搬送部130により搬送される紙幣の搬送先が決められるようになっている。
また、図3に示すように、紙幣入出金装置100は、当該紙幣入出金装置100の各構成要素を制御するための紙幣制御部170を有している。より具体的には、紙幣制御部170には、紙幣繰出機構121、シャッター機構122、紙幣搬送部130、紙幣識別部131、分岐部材136、紙幣繰出機構141、143、145などがそれぞれ接続されている。そして、紙幣制御部170は、これらの構成要素から情報を得たり、これらの構成要素に制御信号を送って制御したりするようになっている。なお、紙幣制御部170は、後述するターミナル制御部15に接続されている。
(硬貨入出金装置の構成)
次に、図4乃至図7を用いて、本実施の形態の硬貨入出金装置の全体構成について説明する。図4に示すように、本実施の形態の硬貨入出金装置200は、略直方体形状の硬貨筐体212を備えており、この硬貨筐体212の上面212bには硬貨を投入するための硬貨投入口220が設けられている。硬貨筐体212内の上部において、硬貨供給ホッパ222および硬貨繰出ホッパ224がそれぞれ設けられており、硬貨筐体212の上面212bにある硬貨投入口220に投入された硬貨は硬貨供給ホッパ222に送られ、この硬貨供給ホッパ222から硬貨が硬貨繰出ホッパ224に送られるようになっている。なお、これら硬貨投入口220、硬貨供給ホッパ222および硬貨繰出ホッパ224によって硬貨を入金するための硬貨入金部が構成されている。ところで、上記のように「入金」と「補充」の差異は取引を行っているかどうかにすぎないため、この硬貨入金部は、硬貨を補充するための硬貨補充部としても機能することができる。
また、硬貨繰出ホッパ224には略水平方向に延びる入金硬貨搬送部226が接続されており、硬貨繰出ホッパ224に収容される硬貨は1枚ずつ入金硬貨搬送部226に繰り出され、この入金硬貨搬送部226で硬貨が1枚ずつ搬送されるようになっている。また、入金硬貨搬送部226には入金硬貨識別部227が設けられており、硬貨繰出ホッパ224から入金硬貨搬送部226に繰り出された硬貨は入金硬貨識別部227により金種、正損、真偽などの識別が行われるようになっている。
図4に示すように、入金硬貨搬送部226における入金硬貨識別部227よりも下流側の箇所には入金硬貨リジェクト選別部226hが設けられている。また、この入金硬貨リジェクト選別部226hの下方には、入金硬貨リジェクトシュート(図示せず)が設けられており、入金硬貨リジェクトシュートの下方には、リジェクト硬貨が集積される入金硬貨リジェクト部(図示せず)が設けられている。入金硬貨識別部227によりリジェクト硬貨であると識別された硬貨や、入金硬貨識別部227により識別することができなかった硬貨は、入金硬貨リジェクト選別部226hにより入金硬貨搬送部226から入金硬貨リジェクトシュートに送られ、この入金硬貨リジェクトシュートから入金硬貨リジェクト部に硬貨が自重による落下によって送られる。入金硬貨リジェクト部に集積された硬貨は、硬貨筐体212の前面212aから操作者が取り出すことができるようになっている。
また、入金硬貨搬送部226における入金硬貨リジェクト選別部226hよりも下流側の箇所には、5円硬貨選別部226a、1円硬貨選別部226b、50円硬貨選別部226c、100円硬貨選別部226d、および10円硬貨選別部226eがそれぞれ上流側から順に設けられている。また、入金硬貨搬送部226の下流側端部には、500円硬貨用開口226gが設けられている。そして、図6に示すように、各硬貨選別部226a〜226eおよび500円硬貨用開口226gの下方にはそれぞれ入金硬貨シュート228が設けられている。入金硬貨識別部227により5円硬貨、1円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、10円硬貨と選別された硬貨は、それぞれ対応する各硬貨選別部226a〜226eにより入金硬貨搬送部226からそれぞれの入金硬貨シュート228に送られるようになっている。また、入金硬貨識別部227により識別された硬貨が500円硬貨である場合には、この硬貨は、各硬貨選別部226a〜226eによりこれらの硬貨選別部226a〜226eに対応する入金硬貨シュート228に送られることなく、代わりに入金硬貨搬送部226の下流側端部にある500円硬貨用開口226gに送られ、この500円硬貨用開口226gに対応する入金硬貨シュート228(図6における最も右側の入金硬貨シュート228)に送られることとなる。
硬貨筐体212の内部において、各入金硬貨シュート228の下方には、1つの入金硬貨一時保留部230が設けられている。入金硬貨一時保留部230は、略直方体形状のものからなり、略水平方向に延びるようになっている。より具体的には、入金硬貨一時保留部230は、硬貨筐体212の奥行き方向(図6の左右方向)に細長く延びるようになっている。この入金硬貨一時保留部230は、5円硬貨保留領域230a、1円硬貨保留領域230b、50円硬貨保留領域230c、100円硬貨保留領域230d、10円硬貨保留領域230e、500円硬貨保留領域230fからなる6つの領域に区分けされており、各金種別の選別部226a〜226gから各入金硬貨シュート228を介して各金種の硬貨が送られるようになっている。
入金硬貨一時保留部230は、図5の矢印に示すように硬貨筐体212の内部において略水平方向に移動することができるようになっている。より具体的には、図5に示すように、入金硬貨一時保留部230は、入金硬貨シュート228の真下の位置である第1の位置a、後述する硬貨収納部240の真上の位置である第2の位置b、および後述する入金硬貨返却部232の真上の位置である第3の位置cの間で移動することができるようになっている。ここで、第1の位置aは、第2の位置bと第3の位置cとの間に位置している。また、入金硬貨一時保留部230の高さレベルよりも下方において、硬貨収納部240および入金硬貨返却部232の上方にはそれぞれ硬貨収納部用シュート236および入金硬貨返却部用シュート234が設けられている。ここで、入金硬貨一時保留部230は、第1の位置aにおいて入金硬貨シュート228から硬貨が送られ、この入金硬貨シュート228から送られた硬貨を一時的に保留するようになっている。そして、入金硬貨一時保留部230は、第2の位置bまたは第3の位置cに移動し、この入金硬貨一時保留部230で一時的に保留された硬貨を硬貨収納部用シュート236または入金硬貨返却部用シュート234に送るようになっている。
なお、硬貨収納部用シュート236および入金硬貨返却部用シュート234は、各々、入金硬貨一時保留部230a〜230fに対して6つの通過領域に区分けされている。
図5に示すように、入金硬貨返却部用シュート234の下方には、1つの入金硬貨返却部232が設けられている。この入金硬貨返却部232は、操作者が硬貨筐体212の前面212aから手前側に引き出すことにより(図6において左方向に引き出すことにより)硬貨筐体212に対して出し入れ可能となるよう、図示しないスライドレールにより取り付けられている。入金硬貨返却部232は、略直方体形状のものからなり、略水平方向に延びるようになっている。より具体的には、入金硬貨返却部232は、硬貨筐体212の奥行き方向(図6の左右方向)に細長く延びるようになっている。この入金硬貨返却部232は、図6に示すように、5円硬貨収容箱232a、1円硬貨収容箱232b、50円硬貨収容箱232c、100円硬貨収容箱232d、10円硬貨収容箱232e、500円硬貨収容箱232fからなる、金種別に硬貨を収納する6つの硬貨収容箱232a〜232fを有している。各硬貨収容箱232a〜232fは、入金硬貨返却部232の本体部分に対して着脱自在となっている。これらの硬貨収容箱232a〜232fは、硬貨筐体212に対する入金硬貨返却部232の出し入れ方向に沿って直列に並ぶよう設けられている。また、5円硬貨収容箱232a、1円硬貨収容箱232b、50円硬貨収容箱232c、100円硬貨収容箱232d、10円硬貨収容箱232e、500円硬貨収容箱232fには、それぞれ、入金硬貨返却部用シュート234の5円硬貨通過領域、1円硬貨通過領域、50円硬貨通過領域、100円硬貨通過領域、10円硬貨通過領域、500円硬貨通過領域から5円硬貨、1円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、10円硬貨、500円硬貨が送られるようになっている。
図5に示すように、硬貨筐体212内の下部には、入金された硬貨を収納するとともに、収納された硬貨を必要に応じて繰り出す硬貨収納部240が設けられている。図5では硬貨収納部240が1つしか示されていないが、実際には硬貨収納部240は硬貨収納部用シュート236の6つの通過領域に対応して、図5の紙面に直交する方向に沿って金種毎に6つ設けられている。そして、硬貨は各硬貨収納部240に金種別に収納されるようになっているとともに各硬貨収納部240から硬貨が金種別に繰り出されるようになっている。より具体的には、各硬貨収納部240は、硬貨収納部用シュート236を介して入金硬貨一時保留部230から送られた硬貨を金種別に収納するとともに、この収納された硬貨を1枚ずつ繰り出すようになっている。
図5に示すように、各硬貨収納部240の下部には硬貨の収納部分240aが設けられている。収納部分240aには、鉛直面(図5の紙面に平行な面)に沿って略平行に配置される一対の円盤部材242が設けられており、この一対の円盤部材242は回転自在となっている。ここで、一対の円盤部材242間の間隔は、収納されるべき硬貨の径よりも大きくなっており、この一対の円盤部材242の間およびその上方部分に硬貨が収納されるようになっている。一対の円盤部材242には、この一対の円盤部材242間の間隔よりも大きな幅を有する第1の搬送ベルト244が張架されており、第1の搬送ベルト244が図5の時計回りの方向に循環移動させられると、この第1の搬送ベルト244が張架された一対の円盤部材242が図5の反時計回りの方向に回転し、第1の搬送ベルト244および一対の円盤部材242の動作により一対の円盤部材242間で硬貨の攪拌が行われる。収納部分240aに収納された硬貨は、第1の搬送ベルト244の表面に形成された突起に係合されて上方に1枚ずつ搬送され、この第1の搬送ベルト244から第2の搬送ベルト246に受け渡されるようになっている。そして、第2の搬送ベルト246により硬貨は更に上方に1枚ずつ搬送され、第2の搬送ベルト246の上端にある繰出シュート247から硬貨収納部240の外部に硬貨が1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、各硬貨収納部240には、それぞれ、当該硬貨収納部240から繰り出される硬貨の金種の識別を行う出金硬貨識別部248が設けられている。図5に示すように、この出金硬貨識別部248は、第2の搬送ベルト246により硬貨が上方に搬送される途中に設けられており、第2の搬送ベルト246により上方に搬送される硬貨の金種、正損、真偽などの識別が行われるようになっている。
繰出シュート247により各硬貨収納部240から繰り出された硬貨は、硬貨筐体212内の下部において硬貨収納部240の隣に設けられた硬貨出金部254に送られ、出金することができるようになっている。この硬貨出金部254は、操作者が硬貨筐体212の前面212aから手前側に引き出すことにより(図6において左方向に引き出すことにより)硬貨筐体212に対して出し入れ可能となるよう、図示しないスライドレールにより取り付けられている。硬貨出金部254は、略直方体形状のものからなり、略水平方向に延びるようになっている。より具体的には、硬貨出金部254は、硬貨筐体212の奥行き方向(図6の左右方向)に細長く延びるようになっている。図6に示すように、この硬貨出金部254は、5円硬貨収容箱254a、1円硬貨収容箱254b、50円硬貨収容箱254c、100円硬貨収容箱254d、10円硬貨収容箱254e、500円硬貨収容箱254fからなる、金種別に硬貨を収納する6つの硬貨収容箱254a〜254fを有しており、各々の硬貨収納部240から繰出シュート247を介して各金種の硬貨が送られるようになっている。
図5に示すように、硬貨出金部254には、例えばソレノイドなどにより当該硬貨出金部254の施錠を行う施錠部255が設けられている。そして、施錠部255により硬貨出金部254の施錠が行われると、操作者は、硬貨筐体212の前面212aから硬貨出金部254を引き出すことができなくなるようになっている。
また、図7に示すように、硬貨入出金装置200は、当該硬貨入出金装置200の各構成要素の制御を行うための硬貨制御部270を有している。より具体的には、硬貨制御部270には、硬貨筐体212内の上部に設けられた硬貨供給ホッパ222、硬貨繰出ホッパ224、入金硬貨搬送部226、入金硬貨識別部227、入金硬貨一時保留部230、入金硬貨返却部232、硬貨出金部254、施錠部255、ならびに硬貨筐体212内の下部に設けられた硬貨収納部240の第1の搬送ベルト244、第2の搬送ベルト246、および出金硬貨識別部248にそれぞれ接続されている。そして、硬貨制御部270は、これらの構成要素から情報を得たり、これらの構成要素に制御信号を送って制御したりするようになっている。なお、硬貨制御部270は、後述するターミナル制御部15に接続されている。
(棒金投出装置の構成)
次に、図8および図9を用いて、本実施の形態の棒金投出装置の全体構成について説明する。図8に示すように、本実施の形態の棒金投出装置は、略直方体形状の棒金筐体325と、この棒金筐体325内に設けられて棒金を整列させて収納するための複数(本実施の形態では10個)の棒金収納トレー340と、を有している。また、棒金筐体325の前面上方には、当該棒金筐体325の内部から外部に棒金を投出するための棒金出金口327が設けられている。そして、この棒金出金口327には開閉自在のシャッター機構322が設けられている。
また、各棒金収納トレー340は、棒金筐体325の前後方向(図8の左右方向)に延在するとともに前方へ向けて下降傾斜している。また、棒金は、各棒金収納トレー340で棒金の長手方向が棒金筐体325の幅方向(図8の紙面の奥行き方向)に向くように収納されており、上述のように棒金収納トレー340が前方へ向けて下降傾斜していることから、収納された棒金は前方に寄せて整列状態で収納されることとなる。なお、棒金収納トレー340の前端には、最前列の棒金の前面側を支える支え部341が設けられている。また、棒金収納トレー340の前端の中央部分2箇所には図示しない開口部が設けられており、後述する投出部材350がその開口部を通過することができるようになっている。
また、棒金筐体325の後面には、開口した棒金投入口320と、この棒金投入口320を覆う開閉扉321が設けられている。なお、この開閉扉321は開閉自在となっているが、図示しない施錠部が設けられており、施錠部で施錠されているときには開閉扉321は開けられないようになっている。
各棒金収納トレー340は、開閉扉321を開けた状態で、棒金筐体325の後方に向かって引き出すことができるようになっており、棒金を補充(装填)する際には、所定の棒金収納トレー340を引き出した後に当該棒金収納トレー340に警備会社の担当者が棒金を補充してもよいし、棒金収納トレー340を引き抜いた後、補充すべき数の棒金が既に収納された別の棒金収納トレー340を棒金筐体325内に差し込むようにしてもよい。なお、棒金投入口320によって、棒金を補充するための棒金補充部が構成されている。
棒金収納トレー340内の棒金の収納の仕方は様々あるが、本実施の形態では一例として、上から1〜3段目は10円硬貨からなる棒金を収納し、上から4〜6段目は100円硬貨からなる棒金を収納し、上から7段目は50円硬貨からなる棒金を収納し、上から8段目は5円硬貨からなる棒金を収納し、上から9段目は500円硬貨からなる棒金を収納し、上から10段目は1円硬貨からなる棒金を収納するようになっている。
また、図8に示すように、棒金投出装置には、各棒金収納トレー340内の棒金の金種および本数の棒金収納状態を検知する棒金検知装置(補充量確認部)310が設けられている。この棒金検知装置310は、各棒金収納トレー340の両側面(図8の紙面の奥行き方向の両側面)に配置されて上下方向に延在する一対のセンサ基板313と、このセンサ基板313の内面に各棒金収納トレー340の位置に対応して設けられたセンサ311,312と、一対のセンサ基板313を支持するとともに、この一対のセンサ基板313を棒金収納トレー340の延在する方向(図8の左右方向)に沿って走査させるセンサ移動部360と、を有している。なお、本実施の形態では、棒金収納トレー340内に棒金が補充された後で一対のセンサ基板313が走査されることで、センサ311,312が棒金収納トレー340に沿って走査されて、棒金収納トレー340に収納された棒金の金種別の数量が検出されることとなる。
センサ311,312は、硬貨に孔があるかどうかを検知する孔センサ311と、硬貨の径を測定する径センサ312とを有しており、これら孔センサ311と径センサ312の各々が各棒金収納トレー340に対応して設けられている。これら各センサ311,312は、一方のセンサ基板313に取り付けられた例えば発光ダイオードなどの発光器と、他方のセンサ基板313に取り付けられた例えば受光トランジスタなどの受光器とを有している。そして、これら発光器と受光器とが互いに対向し、発光器から発したセンサ光を受光器で受光することができるようになっており、受光の有無によって、硬貨に孔があるかどうかを検知したり硬貨の径を測定したりすることができるようになっている。
なお、孔センサ311は、センサ基板313が走査する際に、棒金収納トレー340内の棒金の端面の中央部を通過する位置に位置づけられている。他方、径センサ312は、センサ基板313が走査する際に、棒金収納トレー340内の棒金の端面の中央部より周縁側の弦部分に対応する位置に位置づけられている。なお、センサ基板313は、センサ移動部360によって、最も前進した位置と最も後進した位置との間で往復移動可能となっている。
また、センサ移動部360は、各センサ基板313の上部が取り付けられた無端状のベルト362(図8の上方のベルト362)と、各センサ基板313の下部が取り付けられた無端状のベルト362(図8の下方のベルト362)と、各ベルト362が掛け回された8つのプーリ361とを有している。より具体的には、図8の紙面の手前側に配置されたセンサ基板313の上部には、図8の上方のベルト362が設けられ、このベルト362は前方側(図8の左側)と後方側(図8の右側)の各々でプーリ361に掛け回されている。また、図8の紙面の手前側に配置されたセンサ基板313の下部には、図8の下方のベルト362が設けられ、このベルト362は前方側(図8の左側)と後方側(図8の右側)の各々でプーリ361に掛け回されている。また、図8の紙面の奥側に配置されて図示されていないセンサ基板の上部には、図8では示されていない上方のベルトが設けられ、このベルトは前方側(図8の左側)と後方側(図8の右側)の各々で図8では図示されていないプーリに掛け回されている。また、図8の紙面の奥側に配置されて図示されていないセンサ基板の下部には、図8では示されていない下方のベルトが設けられ、このベルトは前方側(図8の左側)と後方側(図8の右側)の各々で図8では図示されていないプーリに掛け回されている。
なお、8つのプーリ361のうち、上部後方側に位置する2つのプーリは、互いに連動軸(図示せず)で連結されており、同様に、下部後方側に位置する2つのプーリは互いに連動軸(図示せず)で連結されている。また、この二つの連動軸の各々には、連動用プーリが固定されており、この2つの連動用プーリの間に、上下方向に延在し上述した二つの連動軸を同期させて移動させるためのベルト(図示せず)が掛け回されている。このため、上部の連動軸と下部の連動軸が同期して回転されることとなり、その結果、全てのベルトが同期して回転するように構成されている。
また、センサ移動部360は、下方側の連動軸に連結されたモータなどのセンサ駆動部363(図9参照)も有している。そして、このセンサ駆動部363の正逆転駆動によって、全てのベルト362が同期して回転され、一対のセンサ基板313が対向状態を保ったまま一体的に走査方向に移動する。
また、センサ駆動部363には、センサ駆動部363の駆動軸の回転量を検知するロータリーエンコーダ364(図9参照)が設けられている。そして、このロータリーエンコーダ364による検知結果に基づいて、一対のセンサ基板313の移動量、すなわち各センサ311,312の移動量が測定されることとなる。
また、図8に示すように、棒金収納トレー340の前方側には、出金する棒金を搬送するための棒金搬送箱351が設けられている。また、この棒金搬送箱351には、棒金搬送箱351を上下方向に移動させるための棒金搬送箱移動部330が設けられている。この棒金搬送箱移動部330は、棒金搬送箱351の両側面(図8の紙面の奥行き方向の両側面)に設けられた一対の無端状のベルト332と、各ベルト332が掛け回され、互いに上下方向に配置された一対のプーリ331と、4つのプーリ331のうち下方側に位置する2つのプーリ331を互いに連結する連動軸(図示せず)と、この連動軸に連結されて、この連動軸を回転させるモータなどの棒金搬送駆動部333(図9参照)と、を有している。そして、棒金搬送駆動部333の正逆転駆動によって、ベルト332が同期して回転され、棒金搬送箱351が上下方向に移動される。
また、棒金搬送箱351の棒金収納トレー340側(図8の右側)には、反時計回りに回転駆動される投出部材350が設けられている。そして、この投出部材350が反時計回りに回転駆動されることで、投出部材350が棒金収納トレー340の前方側に設けられた開口部(図示せず)を通過し、最も前方に位置する棒金がすくい上げられて棒金搬送箱351内に取り込まれることとなる。棒金を出金する際の動きについて、詳細に説明すると、まず、出金する金種からなる棒金を収納した棒金収納トレー340の前で棒金搬送箱351が停止される。次に、投出部材350が反時計回りに回転駆動されることで、最も前方に位置する棒金が投出部材350によってすくい上げられて、棒金収納トレー340から棒金搬送箱351に取り込まれる。そして、当該金種からなる棒金について出金すべき本数の棒金が棒金搬送箱351に取り込まれると、次の金種の棒金について同様の動作が行われる。このようにして全ての金種について出金すべき棒金が棒金搬送箱351に取り込まれると、棒金搬送箱351が最上部(図8の破線で示された位置)まで移動されて、シャッター機構322が開かれ、棒金の投出が行われる。なお、棒金収納トレー340と投出部材350によって、棒金を収納するとともに、収納された棒金を必要に応じて繰り出す棒金収納部が構成されている。
また、図9に示すように、棒金投出装置300は、当該棒金投出装置300の各構成要素を制御するための棒金制御部370が設けられている。より具体的には、棒金制御部370には、孔センサ311、径センサ312、シャッター機構322、棒金搬送駆動部333、投出部材350、センサ駆動部363、ロータリーエンコーダ364などがそれぞれ接続されている。そして、棒金制御部370は、これらの構成要素から情報を得たり、これらの構成要素に制御信号を送って制御したりするようになっている。
(その他の構成要素について)
次に、上述した紙幣入出金装置100、硬貨入出金装置200および棒金投出装置300以外の構成要素の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態の貨幣入出金装置は、紙幣入出金装置100、硬貨入出金装置200および棒金処理装置300から情報を得たり、これらの構成要素に制御信号を送って制御したりするターミナル装置10を備えている。また、図1に示すように、このターミナル装置10には、感熱紙などに所定の情報の印字を行うサーマルプリンタ20と、入金結果や出金結果などの所定の情報を帳票などに印字する認証プリンタ30とが接続されている。
図1に示すように、ターミナル装置10は、操作者が操作信号を入力するための操作部12と、様々な情報を表示する表示画面(表示部)11と、店舗の本部などに設置された上位機器、警備会社に設置されたコンピュータなどに情報を送信したり、これらから情報を受信したりする送受信部16(図10参照)と、を有している。
また、ターミナル装置10は、当該ターミナル装置10の各構成要素の制御を行うためのターミナル制御部15を有している。より具体的には、ターミナル制御部15は、上述の表示画面11、操作部12および送受信部16にそれぞれ接続されており、これらの構成要素から情報を得たり、これらの構成要素に制御信号を送って制御したりするようになっている。また、ターミナル制御部15は、紙幣制御部170、硬貨制御部270、棒金制御部370、サーマルプリンタ20および認証プリンタ30にも接続されている。そして、ターミナル制御部15は、これらから情報を得たり、これらに制御信号を送って制御したりするようになっている。
本実施の形態では表示画面11に、棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量を表示することができるように構成されている。また、本実施の形態では、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30が、紙幣制御部170、硬貨制御部270および棒金制御部370の各々からターミナル制御部15を介して受け取った情報に基づいて、補充された貨幣の金種別の数量を印字出力することができるようになっている。そして、これらサーマルプリンタ20または認証プリンタ30が印字部を構成している。そして、本実施の形態では、これら表示画面11と印字部の各々が、補充された貨幣の金種別の数量を出力する確認結果出力部として機能している。なお、このようにサーマルプリンタ20または認証プリンタ30が印字部を構成する態様に限られることはなく、サーマルプリンタ20と認証プリンタ30の両方が、補充された貨幣の金種別の数量を印字出力することができるようになっており、サーマルプリンタ20と認証プリンタ30の両方が印字部を構成するようになっていてもよい。
また、本実施の形態のターミナル装置10の送受信部16は、棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量を、店舗の本部などに設置された上位機器および警備会社に設けられたコンピュータなどに送信するようになっており、確認結果出力部としても機能している。
なお、ターミナル装置10の操作部12から入力される指示を受けて棒金制御部370が棒金の補充処理を受け付けることとなるが、本実施の形態では、表示画面11によって棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量が表示され、かつ、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30の印字部によって棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量が印字出力されないと、棒金制御部370は棒金の補充処理を終了させないように構成されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用および効果について説明する。
(紙幣入出金装置の動作)
最初に、上述のような構成からなる紙幣入出金装置の動作について説明する。なお、以下に示す紙幣入出金装置100の動作は、紙幣制御部170が各構成要素を制御することにより行われる。
最初に、紙幣入出金装置100への紙幣の入金処理について説明する。紙幣の入金処理を行う際には、まず、ターミナル10の操作部12で入金処理が選択されると、紙幣入出金装置100における紙幣入出金口120のシャッター機構122を開き、操作者が紙幣を紙幣入出金口120に投入する。そして、操作者がターミナル10の操作部12で計数開始指示を行うと、シャッター機構122を閉じ、紙幣入出金口120に投入された紙幣は紙幣繰出機構121により1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出される。紙幣繰出機構121により紙幣搬送部130に繰り出された紙幣は当該紙幣搬送部130により搬送され、紙幣識別部131によりその金種や正損、真偽などの識別が行われる。紙幣識別部131により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、紙幣識別部131により識別することができなかった紙幣は、紙幣搬送部130から入金紙幣リジェクト部124に送られ、この入金紙幣リジェクト部124に集積される。一方、紙幣識別部131により正常な紙幣であると識別された紙幣は、紙幣一時保留部142に搬送され、この紙幣一時保留部142に積層状態で一時的に保留される。
その後、紙幣入出金口120から紙幣一時保留部142または入金紙幣リジェクト部124に紙幣が全て送られると、ターミナル装置10の表示画面11にその旨が表示される。そして、操作者が操作部12により紙幣制御部170に対して入金確定の指示を送ると、紙幣一時保留部142に一時的に保留された紙幣は1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出され、紙幣識別部131により識別が行われた後、金種別に各紙幣金種別収納庫140や紙幣収納カセット144に送られる。なお、紙幣識別部131により損券であると判断された場合や対応する各紙幣金種別収納庫140a、140b、140cがフル状態である場合には、紙幣収納カセット144に送られる。このように、紙幣一時保留部142から各紙幣金種別収納庫140や紙幣収納カセット144に紙幣が全て送られると、紙幣の入金処理が終了する。
次に、紙幣入出金装置100からの紙幣の出金処理について説明する。操作者がターミナル装置10の操作部12により紙幣制御部170に対して紙幣の出金処理の指示を与えると、各紙幣金種別収納庫140に収納された紙幣が紙幣繰出機構141により紙幣搬送部130に1枚ずつ繰り出され、紙幣搬送部130に繰り出された紙幣は紙幣識別部131により識別が行われる。そして、正常な紙幣であると識別された紙幣は紙幣搬送部130から紙幣入出金口120に1枚ずつ送られ、この紙幣入出金口120で紙幣が積層状態に集積される。一方、紙幣識別部131により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、紙幣識別部131により識別することができなかった紙幣は、紙幣搬送部130から出金紙幣リジェクト部126に送られ、この出金紙幣リジェクト部126で集積される。その後、紙幣入出金口120のシャッター機構122が開くことにより、操作者は紙幣入出金口120に集積された紙幣を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣入出金装置100からの紙幣の回収処理や紙幣入出金装置100への紙幣の補充処理について説明する。本実施の形態では、このような紙幣の回収処理や補充処理は、警備会社の担当者といった店舗外の第三者により行われるようになっている。より詳細には、紙幣の回収処理を行う際には、まず、各紙幣金種別収納庫140に収納された紙幣の中に余剰な紙幣があれば紙幣収納カセット144に搬送され、その後、警備会社の担当者が紙幣入出金装置100の筐体12から紙幣収納カセット144を取り出して、紙幣が収納された当該紙幣収納カセット144を警備会社に運搬することによって行われる。また、紙幣の補充処理を行う際には、警備会社の担当者が補充用の紙幣が収納された紙幣収納カセット144を警備会社から店舗に運搬し、この紙幣収納カセット144を紙幣入出金装置100の筐体12に新たに装填する。その後、装填された紙幣カセット144から紙幣が1枚ずつ繰り出され、紙幣搬送部130によって紙幣が搬送される間に紙幣識別部131により金種、真偽などの識別が成された上で一旦紙幣一時保留部142に保留される。そして、全ての補充紙幣の金種と数量が確認された後に、紙幣一時保留部142から再度紙幣が繰り出されて紙幣金種別収納庫140に振り分けられることにより、紙幣が紙幣入出金装置100に補充される。
(硬貨入出金装置の動作)
次に、上述のような構成からなる硬貨入出金装置200の動作について以下に説明する。なお、以下に示す硬貨入出金装置200の動作は、硬貨制御部270が硬貨入出金装置200の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、硬貨入出金装置200における硬貨の入金処理(補充処理を含む)の動作について説明する。
操作者によって硬貨筐体212の上面212bに設けられた投入口220に硬貨が投入されると、この硬貨は硬貨供給ホッパ222に集積される。そして、硬貨供給ホッパ222から硬貨繰出ホッパ224に硬貨が送られ、この硬貨繰出ホッパ224から入金硬貨搬送部226に硬貨が1枚ずつ繰り出される。硬貨繰出ホッパ224により入金硬貨搬送部226に繰り出された硬貨は入金硬貨識別部227によりその金種、正損、真偽などの識別が行われる。ここで、入金硬貨識別部227によりリジェクト硬貨であると識別された硬貨や、入金硬貨識別部227により識別することができなかった硬貨は、入金硬貨リジェクト選別部226hにより入金硬貨搬送部226から入金硬貨リジェクトシュートに送られ、この入金硬貨リジェクトシュートから入金硬貨リジェクト部に硬貨が自重による落下によって送られる。入金硬貨リジェクト部に集積された硬貨は、操作者により硬貨筐体212の前面212aから取り出されることとなる。
一方、入金硬貨識別部227により正常な硬貨であると識別された硬貨は、当該硬貨の金種に応じて、対応する各硬貨選別部226a〜226eにより入金硬貨搬送部226からそれぞれの入金硬貨シュート228に送られる。なお、入金硬貨識別部227により識別された硬貨が500円硬貨である場合には、この硬貨は、入金硬貨搬送部226の下流側端部に設けられた500円硬貨用開口226gに送られ、この500円硬貨用開口226gに対応する入金硬貨シュート228に送られる。
その後、各入金硬貨シュート228から入金硬貨一時保留部230に硬貨が金種別に送られて、入金硬貨一時保留部230で硬貨が金種別に一時的に保留されることとなる。その後、入金硬貨の返却の指示がなされた場合には、入金硬貨一時保留部230は第1の位置aから第3の位置cに移動する。そして、入金硬貨一時保留部230から、各金種の硬貨が、入金返却部用シュート234を介して入金硬貨返却部232に送られる。その後、操作者が入金硬貨返却部232を硬貨筐体212の前面212aから手前側に引き出すことにより、操作者は入金硬貨返却部232に金種別に収納された硬貨を取り出すことができるようになる。
また、入金硬貨一時保留部230に硬貨が金種別に一時的に保留された状態で、入金硬貨の入金確定の指示がなされた場合には、入金硬貨一時保留部230は第1の位置aから第2の位置bに移動する。そして、入金硬貨一時保留部230から、各金種の硬貨が、硬貨収納繰出部用シュート36を介して各硬貨収納繰出部240に金種別に収納される。このようにして、硬貨入出金装置200における硬貨の入金処理が終了する。
次に、硬貨入出金装置200における硬貨の出金処理(回収処理を含む)の動作について説明する。
硬貨の出金処理を行う場合、初期状態において施錠部255により硬貨出金部254は施錠されている。すなわち、操作者は硬貨出金部254を硬貨筐体212から引き出すことができないようになっている。
そして、各硬貨収納繰出部240において、硬貨収納部分240aに収納された硬貨が第1の搬送ベルト244により上方に1枚ずつ搬送され、この第1の搬送ベルト244から第2の搬送ベルト246に硬貨が受け渡される。そして、第2の搬送ベルト246に受け渡された硬貨は、この第2の搬送ベルト246に対向する案内部材の表面上で摺動するよう第2の搬送ベルト246により上方に搬送される。この際に、出金硬貨識別部248により硬貨の金種、正損、真偽などの識別が行われる。そして、第2の搬送ベルト246により上方に搬送された硬貨は繰出シュート247に送られ、この繰出シュート247により各硬貨収納繰出部240から繰り出されることとなる。
その後、繰出シュート247により各硬貨収納繰出部240の外部に繰り出された硬貨は、施錠部255により施錠された硬貨出金部254に直接的に送られ、この硬貨出金部254に硬貨が金種別に収容される。ここで、硬貨出金部254が施錠部255により施錠され、操作者はすぐにこの硬貨出金部254を取り出すことができないようになっている。
そして、出金処理が行われるべき金種毎の枚数の硬貨が硬貨収納繰出部240から繰り出されて硬貨出金部254に送られた後、硬貨の出金が正常に行われたか否かの判断が硬貨制御部270において行われる。なお、硬貨の出金が正常に行われたか否かの判断は、例えば硬貨収納繰出部240に設けられた出金硬貨識別部248による硬貨の識別結果などに基づいて行われる。
硬貨制御部270において硬貨の出金が正常に行われたと判断されたときには、硬貨制御部270が施錠部255を制御して、硬貨出金部254の施錠を解除させる。また、ターミナル装置10の表示画面11に、硬貨出金部254の引き出しの案内を表示させる。その後、操作者が硬貨出金部254を硬貨筐体212の前面212aから手前側に引き出すことにより、操作者は硬貨出金部254に金種別に収容された硬貨を取り出すことができるようになる。そして、操作者により硬貨出金部254が硬貨筐体212の内部に再セットされると、硬貨入出金装置200における硬貨の出金処理が終了する。
(棒金投出装置の動作)
次に、上述のような構成からなる棒金投出装置の動作について以下に説明する。なお、以下に示す棒金投出装置の動作は、棒金制御部370が棒金投出装置の各構成要素を制御することにより行われる。
まず、棒金投出装置における棒金の補充処理(装填処理)について説明する。
まず、警備会社の担当者によって、棒金筐体325の後面に設けられた開閉扉321の施錠部が開けられる。次に、当該開閉扉321が開けられて、補充すべき金種を収納した棒金収納トレー340が引き出される。その後、当該棒金収納トレー340に補充すべき金種からなる棒金が警備会社の担当者によって補充される。また、このような態様に限らず、例えば警備会社の担当者が棒金収納トレー340を引き抜いた後に、補充すべき数の棒金が既に収納された別の棒金収納トレー340を棒金筐体325内に差し込むことで補充処理を行ってもよい。
このように棒金収納トレー340への補充処理が完了すると、次に、センサ移動部360によって、一対のセンサ基板313が棒金収納トレー340の延在する方向に沿って走査される。このように一対のセンサ基板313が走査されることで、孔センサ311と径センサ312の両方が棒金収納トレー340に沿って走査されて、棒金収納トレー340に収納された棒金の金種別の数量が検出されることとなる。
この際、棒金制御部370は、ロータリーエンコーダ364によるセンサ駆動部363の駆動軸(図示せず)の回転量の検知結果によって、孔センサ311および径センサ312の位置を認識するとともに、棒金の硬貨について孔が有るかどうかと、棒金の硬貨の径を判断する。この結果、棒金制御部370は、棒金収納トレー340に収納された棒金の金種別の数量を認識する。なお、センサ311,312による検知は、全ての金種に対して行われてもよいし、新たに棒金の補充された金種についてのみ行われてもよい。
このように、棒金制御部370によって、棒金収納トレー340に収納された棒金の金種別の数量が認識されると、次に、孔センサ311および径センサ312で確認された棒金の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示される。また、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって、孔センサ311および径センサ312で確認された棒金の金種別の数量が紙媒体に印字される。
その後、所定の時間が経過すると、棒金制御部370からの指示に従って、棒金の補充処理が終了される。
本実施の形態によれば、上記のように、店舗側の責任者の立会いがなくても警備会社の担当者のみで棒金収納トレー340に棒金を補充することができる。また、本実施の形態では、棒金収納トレー340に棒金が補充された後に棒金の金種別の数量が確認され、確認された棒金の金種別の数量が出力されるので、警備会社の担当者が棒金の過不足を把握することができる。このため、棒金を補充する段階で、補充されるべき棒金の過不足を無くすことができる。
また、本実施の形態によれば、補充された後の棒金の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示されるとともに、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって紙媒体に印字される。このため、警備会社の担当者は、表示画面11で確認することができるだけでなく、補充後の棒金の金種別の数量の印字された紙媒体を証拠として保持することができる。
なお、本実施の形態では、補充された後の棒金の金種別の総数量を表示したり印字したりする態様を用いて説明しているが、これに限られることはなく、補充された後の棒金の金種別の総数量から補充前の棒金の金種別の総数量を引くことで、実際に補充された棒金の金種別の数量を表示したり印字したりする態様であってもよい。
また、本実施の形態では、ターミナル装置10の送受信部16によって、棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量が、店舗の本部などに設置された上位機器および警備会社に設けられたコンピュータなどに送信される。このため、店舗の本部と警備会社の両方において、補充された後の棒金の金種別の数量を確認することができる。
また、本実施の形態では、棒金検知装置310で確認された棒金の金種別の数量について、表示画面11で表示し、かつ、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30で印字出力しないと、棒金制御部370が棒金の補充処理を終了させない。このため、警備会社の担当者が、補充された後の棒金の金種別の数量の確認を怠ることを未然に防止することができ、棒金を補充する段階で、補充すべき棒金の金種別の数量に関して過不足をより確実に無くすことができる。
次に、棒金投出装置における棒金の出金処理について説明する。
まず、ターミナル装置10の操作部12によって、出金する棒金の金種が指定される。次に、ターミナル装置10のターミナル制御部15からの信号を受けて、棒金制御部370によって、棒金搬送駆動部333が駆動されて、棒金搬送箱移動部330によって棒金搬送箱351が上下方向に移動され始め、出金するよう指定された金種からなる棒金を収納した棒金収納トレー340の前で棒金搬送箱351が停止される。
次に、投出部材350が反時計回りに回転駆動される。この結果、投出部材350が、棒金収納トレー340の前端の中央部分に設けられた開口部を通過して、最も前方に位置する棒金をすくい上げ、当該棒金が棒金収納トレー340から棒金搬送箱351に取り込まれる。
この動作が、出金すべき本数の棒金が棒金搬送箱351に取り込まれるまで繰り返し行われる。また、複数の金種の棒金を出金する場合には、別の金種の棒金についても同様の動作が繰り返し行われる。このようにして全ての金種について出金すべき棒金が棒金搬送箱351に取り込まれると、棒金搬送箱351が最上部(図8の破線で示された位置)まで移動されて、シャッター機構322が開かれ、棒金の投出が行われる。
(変形例1)
上記では、棒金収納トレー340内の棒金の金種別の数量を検知する棒金検知装置310が補充量確認部を構成する態様を用いて説明したが、これに限られることはない。
例えば、紙幣繰出機構(貨幣操出部)121で繰り出された紙幣を金種別に計数し、紙幣収納部の紙幣金種別収納庫140に補充された紙幣の金種別の数量を確認する紙幣識別部131が補充量確認部を構成してもよい。
この場合には、上述のように、紙幣収納カセット144を紙幣入出金装置100の筐体12に新たに装填することにより、紙幣が紙幣入出金装置100に補充される態様とは異なり、入金処理と同様の動作によって紙幣の補充が行われることになる。
紙幣が補充される際の動作について以下説明する。
まず、警備会社の担当者がターミナル装置10の操作部12によって紙幣の補充処理を行う旨の入力を行う。このとき、紙幣入出金装置100における紙幣入出金口120のシャッター機構122が開かれ、警備会社の担当者は、紙幣を紙幣入出金口120に投入する。そして、シャッター機構122が閉じられると、紙幣入出金口120に投入された紙幣は紙幣繰出機構121により1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出される。紙幣繰出機構121により紙幣搬送部130に繰り出された紙幣は当該紙幣搬送部130により搬送され、紙幣識別部131によりその金種や正損、真偽などの識別が行われる。この際には、紙幣識別部131により紙幣の金種別の数量も計数される。紙幣識別部131により正常な紙幣ではないリジェクト紙幣であると識別された紙幣や、紙幣識別部131により識別することができなかった紙幣は、紙幣搬送部130から入金紙幣リジェクト部124に送られ、この入金紙幣リジェクト部124に集積される。一方、紙幣識別部131により正常な紙幣であると識別された紙幣は、紙幣一時保留部142に搬送され、この紙幣一時保留部142に積層状態で一時的に保留される。
その後、紙幣入出金口120から紙幣一時保留部142または入金紙幣リジェクト部124に紙幣が全て送られると、ターミナル装置10の表示画面11にその旨が表示される。そして、警備会社の担当者が操作部12により紙幣制御部170に対して補充確定の指示を送ると、紙幣一時保留部142に一時的に保留された紙幣は1枚ずつ紙幣搬送部130に繰り出され、紙幣識別部131により識別が行われた後、金種別に各紙幣金種別収納庫140や紙幣収納カセット144に送られる。このように、紙幣一時保留部142から各紙幣金種別収納庫140や紙幣収納カセット144に紙幣が全て送られると、補充された紙幣の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示される。また、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって、補充された紙幣の金種別の数量が紙媒体に印字される。
その後、所定の時間が経過すると、紙幣制御部170からの指示に従って、紙幣の補充処理が終了される。
本変形例によっても、上記の第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、本変形例によれば、上記のように、店舗側の責任者の立会いがなくても警備会社の担当者のみで紙幣金種別収納庫140に紙幣を補充することができる。また、本実施の形態では、紙幣金種別収納庫140に紙幣が補充される際に紙幣の金種別の数量が確認され、確認された紙幣の金種別の数量が出力されるので、警備会社の担当者が補充紙幣の過不足を把握することができる。このため、紙幣を補充する段階で、補充されるべき紙幣の過不足を無くすことができる。
また、本変形例によれば、補充された紙幣の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示されるとともに、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって紙媒体に印字される。このため、警備会社の担当者は、表示画面11で確認することができるだけでなく、補充後の紙幣の金種別の数量の印字された紙媒体を証拠として保持することができる。
また、本変形例では、ターミナル装置10の送受信部16によって、紙幣識別部131で確認された紙幣の金種別の数量が、店舗の本部などに設置された上位機器および警備会社に設けられたコンピュータに送信される。このため、店舗の本部と警備会社の両方において、補充された後の紙幣の金種別の数量を確認することができる。
また、本変形例では、紙幣識別部131で確認された紙幣の金種別の数量について、表示画面11で表示し、かつ、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30で印字出力しないと、紙幣制御部170が紙幣の補充処理を終了させない。このため、警備会社の担当者が、補充された後の紙幣の金種別の数量の確認を怠ることを未然に防止することができ、紙幣を補充する段階で、補充すべき紙幣の金種別の数量に関して過不足をより確実に無くすことができる。
(変形例2)
また、異なる変形例として、例えば、硬貨繰出ホッパ(貨幣操出部)224で繰り出された硬貨を金種別に計数し、硬貨収納部240に補充された硬貨の金種別の数量を確認する入金硬貨識別部227が補充量確認部を構成してもよい。
より具体的には、まず、警備会社の担当者がターミナル装置10の操作部12によって硬貨の補充処理を行う旨の入力を行う。次に、警備会社の担当者によって硬貨筐体212の上面212bに設けられた投入口220に硬貨が投入され、この硬貨が硬貨供給ホッパ222に集積される。そして、硬貨供給ホッパ222から硬貨繰出ホッパ224に硬貨が送られ、この硬貨繰出ホッパ224から入金硬貨搬送部226に硬貨が1枚ずつ繰り出される。硬貨繰出ホッパ224により入金硬貨搬送部226に繰り出された硬貨は入金硬貨識別部227によりその金種、正損、真偽などの識別が行われる。この際には、入金硬貨識別部227により硬貨の金種別の数量も計数される。ここで、入金硬貨識別部227によりリジェクト硬貨であると識別された硬貨や、入金硬貨識別部227により識別することができなかった硬貨は、入金硬貨リジェクト選別部226hにより入金硬貨搬送部226から入金硬貨リジェクトシュートに送られ、この入金硬貨リジェクトシュートから入金硬貨リジェクト部に硬貨が自重による落下によって送られる。入金硬貨リジェクト部に集積された硬貨は、警備会社の担当者により硬貨筐体212の前面212aから取り出されることとなる。
一方、入金硬貨識別部227により正常な硬貨であると識別された硬貨は、当該硬貨の金種に応じて、対応する各硬貨選別部226a〜226eにより入金硬貨搬送部226からそれぞれの入金硬貨シュート228に送られる。なお、入金硬貨識別部227により識別された硬貨が500円硬貨である場合には、この硬貨は、入金硬貨搬送部226の下流側端部に設けられた500円硬貨用開口226gに送られ、この500円硬貨用開口226gに対応する入金硬貨シュート228に送られる。
その後、各入金硬貨シュート228から入金硬貨一時保留部230に硬貨が金種別に送られて、入金硬貨一時保留部230で硬貨が金種別に一時的に保留されることとなる。その後、補充硬貨の返却の指示がなされた場合には、入金硬貨一時保留部230は第1の位置aから第3の位置cに移動する。そして、入金硬貨一時保留部230から、各金種の硬貨が、入金返却部用シュート234を介して入金硬貨返却部232に送られる。その後、警備会社の担当者が入金硬貨返却部232を硬貨筐体212の前面212aから手前側に引き出すことにより、警備会社の担当者は入金硬貨返却部232に金種別に収納された硬貨を取り出すことができるようになる。
また、入金硬貨一時保留部230に硬貨が金種別に一時的に保留された状態で、補充硬貨の確定の指示がなされた場合には、入金硬貨一時保留部230は第1の位置aから第2の位置bに移動する。そして、入金硬貨一時保留部230から、各金種の硬貨が、硬貨収納繰出部用シュート36を介して各硬貨収納繰出部240に金種別に収納される。このように硬貨が各硬貨収納繰出部240に金種別に収納されると、補充された硬貨の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示される。また、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって、補充された硬貨の金種別の数量が紙媒体に印字される。
その後、所定の時間が経過すると、硬貨制御部270からの指示に従って、硬貨の補充処理が終了される。
本変形例よっても、上記の第1の実施の形態および第1の実施の形態の変形例1と同様の効果を奏することができる。すなわち、本変形例によれば、上記のように、店舗側の責任者の立会いがなくても警備会社の担当者のみで硬貨収納部240に硬貨を補充することができる。また、本実施の形態では、硬貨収納部240に硬貨が補充される際に硬貨の金種別の数量が確認され、確認された硬貨の金種別の数量が出力されるので、警備会社の担当者が補充硬貨の過不足を把握することができる。このため、硬貨を補充する段階で、補充されるべき硬貨の過不足を無くすことができる。
また、本実施の形態によれば、補充された硬貨の金種別の数量が、ターミナル装置10の表示画面11に表示されるとともに、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30によって紙媒体に印字される。このため、警備会社の担当者は、表示画面11で確認することができるだけでなく、補充後の硬貨の金種別の数量の印字された紙媒体を証拠として保持することができる。
また、本変形例では、ターミナル装置10の送受信部16によって、入金硬貨識別部227で確認された硬貨の金種別の数量が、店舗の本部などに設置された上位機器および警備会社に設けられたコンピュータに送信される。このため、店舗の本部と警備会社の両方において、補充された後の硬貨の金種別の数量を確認することができる。
また、本変形例では、入金硬貨識別部227で確認された硬貨の金種別の数量について、表示画面11で表示し、かつ、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30で印字出力しないと、硬貨制御部270が硬貨の補充処理を終了させない。このため、警備会社の担当者が、補充された後の硬貨の金種別の数量の確認を怠ることを未然に防止することができ、硬貨を補充する段階で、補充されるべき硬貨の過不足をより確実に無くすことができる。
なお、上記では、第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1および第1の実施の形態の変形例2を別個に説明したが、これら第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1および第1の実施の形態の変形例2を任意組合せ、あるいは、全て組合せてもよい。
第2の実施の形態
次に、図11により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図11に示すように、第2の実施の形態は、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と、第三者である警備会社へ依頼した補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致するかを確認する照合部410が設けられた態様からなっている。
なお、本実施の形態における補充量確認部131,227,310は、第1の実施の形態のように棒金検知装置310から構成されてもよいし、第1の実施の形態の変形例1のように紙幣識別部131から構成されてもよいし、第1の実施の形態の変形例2のように入金硬貨識別部227から構成されてもよい。このため、本実施の形態では、補充量確認部について「131,227,310」という符号を用い、確認される対象を「貨幣」(硬貨(棒金を含む)および紙幣)として示す。また、本実施の形態では、硬貨制御部170、紙幣制御部270、棒金制御部370を総称して制御部170,270,370として示す。
図11に示すように、本実施の形態の照合部410には、制御部170,270,370を介して、補充量確認部131,227,310と、店舗が警備会社へ依頼した補充予定の貨幣の金種別の数量を記憶した記憶部420が接続されている。そして、照合部410は、記憶部420に記憶された補充予定の貨幣の金種別の数量を読み出すとともに、読み出した補充予定の貨幣の金種別の数量と、補充量確認部131,227,310によって確認された貨幣の金種別の数量とが合致するかを照合する。なお、補充予定の貨幣の金種別の数量に関する情報は、店舗の本部などに設置された上位機器からターミナル装置10の送受信部16に送られ、その後、記憶部420に記憶されることとなる。
また、照合部410には、制御部170,270,370とターミナル制御部15を介して表示画面11が接続されており、照合結果が表示画面11に表示されるようになっている。また、ターミナル装置10の送受信部16は、照合結果を、店舗の本部などに設置された上位機器および警備会社に設けられたコンピュータなどに送信するようになっている。さらに、照合結果は、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30などの印字部で印字出力されるようにもなっている。
また、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致しないときには、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量との差異が、ターミナル装置10の表示画面11に表示される。また、当該差異は、ターミナル装置10の送受信部16によって、上位機器および警備会社に設けられたコンピュータなどに送信される。さらに、当該差異は、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30などの印字部で印字出力される。
また、制御部170,270,370には、例えば1週間、1ヶ月などの所定期間内の上記差異(補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量との差異)を集計する集計部430が接続されている。このように集計部430で集計された集計結果は、記憶部420に送られて当該記憶部420で記憶される。
第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1または第1の実施の形態の変形例2と略同一の態様となっている。図11に示す第2の実施の形態において、第1の実施の形態、第1の実施の形態の変形例1および第1の実施の形態の変形例2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態によれば、補充予定の貨幣の金種別の数量と、補充量確認部131,227,310によって確認された貨幣の金種別の数量とが合致するかを照合するので、警備会社の担当者が予定されていた貨幣の金種別の数量だけ実際に補充されたかを確認することができる。
また、補充予定の貨幣の金種別の数量と補充量確認部131,227,310によって確認された貨幣の金種別の数量とが合致していたか否かが、表示画面11に表示され、また、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30などの印字部で印字出力される。このため、警備会社の担当者は自己が行った補充が予定されていた内容に合致しているかを容易に確認することができる。また、照合結果は、店舗の本部などに設置された上位機器と警備会社に設けられたコンピュータに送信されるので、店舗の本部と警備会社の両方において、予定されていた内容に合致された補充が行われたかを確認することができる。
さらに本実施の形態では、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致しないときには、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量との「差異」が、具体的に、ターミナル装置10の表示画面11に表示され、また、サーマルプリンタ20または認証プリンタ30などの印字部で印字出力される。このため、警備会社の担当者は、自己が行った補充が予定されていた内容と比較して、どれだけ不足していたのか、または、どれだけ過剰であったのかを把握することができる。このため、警備会社の担当者は、容易に、不足する分だけ貨幣の補充を再度行ったり、または、過剰な分だけ貨幣を出金したりすることができる。この結果、貨幣入出金装置に補充予定と合致した貨幣の金種別の数量を確実に補充することができる。
ところで、貨幣入出金装置は、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の合計金額が補充予定の貨幣の合計金額より多いときには、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の合計金額から補充予定の貨幣の合計金額を引いた金額の貨幣を自動的に出金するようにしてもよい。このような構成にすることで、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の合計金額が補充予定の貨幣の合計金額より多いときには、警備会社の担当者が補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致しているかを判断するまでもなく、補充予定と合致した金種別の数量からなる貨幣を貨幣入出金装置に確実に補充することができる。
また、貨幣入出金装置は、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の合計金額が補充予定の貨幣の合計金額より少ないときには、補充予定の貨幣の合計金額から補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の合計金額を引いた金額の貨幣を補充可能とするように構成されてもよい。この点、第1の実施の形態の変形例1および変形例2のように硬貨や紙幣を補充する場合であれば、不足分だけの硬貨や紙幣の補充を受け付けて例え余分な硬貨や紙幣が投入されても入金を受けつけずにリジェクトするようにすればよい。このような構成にすることで、第1の実施の形態の変形例1および変形例2のように硬貨や紙幣を補充する場合においては、警備会社の担当者が不足分を判断するまでもなく、多めに硬貨や紙幣を補充するだけで貨幣入出金装置に補充予定と合致した硬貨や紙幣の金種別の数量を補充することができる。
また、本実施の形態では、所定期間内の補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と補充予定の貨幣の金種別の数量との差異が集計部430で集計されて、記憶部420で記憶されている。このため、1週間や1ヶ月といった所定期間を通して、実際に補充された金種別の数量を補充予定の貨幣の金種別の数量に合致させることもできる。例えば、補充を行った日に10円棒金が1本不足し、100円のバラの硬貨が25枚不足し、1000円の紙幣が6枚不足した場合であっても、1週間や1ヶ月以内に、10円棒金を1本余分に補充し、100円のバラの硬貨を25枚余分に補充し、1000円の紙幣を6枚余分に補充するなどすればよい。このように本実施の形態によれば、例え補充を行った当日に不足する貨幣を持ち合わせていなくても、後日に補充することができるので、状況に応じた柔軟な運用を行うことができる。
(変形例1)
上記では、照合部410が、店舗が警備会社へ依頼した補充予定の貨幣の金種別の数量を基準に、補充された貨幣の金種別の数量が合致するかを確認する態様を用いて説明したが、これに限られることはない。
例えば、照合部410が、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と、第三者である警備会社が依頼された補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致するかを確認する態様であってもよい。上記の第2の実施の形態では、補充予定の貨幣の金種別の数量に関する情報は、店舗の本部に設置された上位機器からターミナル装置10の送受信部16に送られていたが、このように警備会社が依頼された補充予定の貨幣の金種別の数量を用いる場合には、補充予定の貨幣の金種別の数量に関する情報は、警備会社のコンピュータからターミナル装置10の送受信部16に送られてもよいし、持ち運び可能なCD、USBメモリーなどの記憶媒体に記憶されてもよい。
なお、補充予定の貨幣の金種別の数量に関する情報が記憶媒体に記憶されている態様では、ターミナル装置10に記憶媒体を受け入れるための受入部(例えば、CDドライブ、USBコネクタなど)が設けられており、当該受入部に記憶媒体を入れたり差し込んだりすることで、照合部410は、補充量確認部131,227,310で確認された貨幣の金種別の数量と、警備会社が依頼された補充予定の貨幣の金種別の数量とが合致するかを確認することができる。
重複した記載になるため省略するが、上述したような第2の実施の形態の変形例1によっても、当然、上記の第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
また、異なる変形例として、例えば、記憶部420が、補充日に応じて予め定められた補充予定の貨幣の金種別の数量を記憶していてもよい。ここで「補充日に応じて」定められているというのは、金曜日や祝日前であるのかといった曜日に関する情報に基づいて定められている場合や、月末や給料日であるといった月間のうちのいつにあたるのかという情報に基づいて定められている場合や、ゴールデンウイーク前や年末であるといった年間うちのいつにあたるのかという情報に基づいて定められている場合などを、例として挙げることができる。なお、この「補充日に応じて予め定められた補充予定の貨幣の金種別の数量」というのは、過去の履歴から、ターミナル装置10や制御部170,270,370が自動的に判断して算出してもよい。
本変形例によれば、店舗の担当者が、補充すべき貨幣の金種別の数量を判断することなく、適切な貨幣の金種別の数量が自動的に与えられ、その貨幣の金種別の数量に基づいた貨幣が実際に補充される。このため、店舗の担当者の負担を軽くすることができるだけでなく、店舗の担当者の判断ミスによって不適切な数量の貨幣が補充されることを防止することができる。
重複した記載になるため省略するが、上述したような第2の実施の形態の変形例2によっても、当然、上記の第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。