JP4689858B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨を処理する循環式の硬貨処理装置に関し、特に自動販売機や、コンビニエンスストア、銀行等の金融端末機等で用いられる循環式の硬貨処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀行等の金融機関においては、入金及び出金の両処理を行うことができ、入金された硬貨を収納し、さらに循環させて出金硬貨として再利用することのできる循環式の硬貨処理装置が広く用いられている。最近では、例えばコンビニエンスストアなどのように金融機関を兼ねる販売店舗が増加しつつあり、このような販売店舗では、販売区域に金融端末機を設置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
コンビニエンスストア等の金融端末機を設置する販売店舗では、商品等の販売が主目的であり、金融端末機に許されるスペースが極端に限られ、また販売区域に設置されても外観上違和感がないようにするため小型化が強く要望されていてる。
【0004】
そこで、硬貨の処理性能を維持したまま、小型化された硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図4に示すように、接客壁101Aと;該接客壁101Aに所定の奥行きだけ離れて対向する裏壁101Bと;処理しようとする硬貨の少なくとも金種を識別する識別部13と;識別部13によって識別された硬貨のうち、割り当てられた所定の金種の硬貨を振り分ける振分爪60A〜Eを有する振分部14と;振分爪60A〜Eによって振り分けられた硬貨を収納し、収納した硬貨を出金時に放出する放出口126A〜Dを設けた複数のホッパ104A〜Dとを備え;複数のホッパ104A〜Dを所定の奥行き方向に配列し、放出口126A〜Dを前記所定の奥行き方向を向くように配置し;さらに複数のホッパ104A〜Dが、装置の上下方向に積み重ねて配列される。
【0006】
このように構成すると、配列された複数のホッパ104A〜Dを、図中紙面に垂直な方向(接客壁101Aと裏壁101Bとによる奥行き方向に対して以下では幅方向という)に配列した場合や、奥行き方向への配列としてもホッパ104A〜Dの各放出口126A〜Dを幅方向に配列した場合に比べて、装置の幅方向の長さを小さくすることができる。さらに、硬貨処理装置1として他種類の硬貨を処理する必要があるが、複数のホッパ104A〜Dを上下方向に配列することで装置の奥行き方向の長さを小さくすることができ、硬貨の処理性能を維持したまま、装置をさらに小型化することができる。
【0007】
請求項2に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図4に示すように、請求項1に記載の硬貨処理装置1において、複数のホッパ104A〜Dに、前記振り分けられた硬貨を導く複数の入金シュート15A〜E、102B、Dを備え;複数のホッパ104A〜Dが、前記奥行き方向に2つずつ、上下方向2段に、合計4個配列され;下段に配列されたホッパ104B、Dに、前記振り分けられた硬貨を導く複数の入金シュート102B、Dの1つが接客壁101と裏壁101B間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置され、他の1つが接客壁101Aに鉛直下方向に沿うよう配置される。
【0008】
下段に配列されたホッパ104B、Dに、振り分けられた硬貨を導く複数の入金シュート102B、Dの1つが接客壁101Aと裏壁101B間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置され、他の1つが接客側壁101A、Bに鉛直下方向に沿うよう配置されるので、入金シュート102B、Dでの硬貨の流れが鉛直下方向となり、入金シュート102B、Dでの詰まりを改善することができる。
【0009】
請求項3に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図4に示すように、請求項1または請求項2に記載の硬貨処理装置1において、放出口126A〜Dから放出された硬貨を導く出金シュート113を備え;放出口126A〜Dを、接客壁101Aと裏壁101B間の中央面105に向け、前記収納した硬貨を放出するよう構成し;出金シュート113を、接客壁101Aと裏壁101B間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置する。
【0010】
放出口126A〜Dを、接客壁101Aと裏壁101B間の中央面105に向け、収納した硬貨を放出するよう構成し、出金シュート113を、接客壁101Aと裏壁101B間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置するので、放出口126A〜Dと出金シュート113とをシュートにて連結する場合は、当該シュートを整然と最短ルートを通るように配置することができ、装置を小型化することができる。接客壁101Aと裏壁101B間の中央面105とは、接客壁101Aと裏壁101B間に位置する仮想上の面であって、接客壁101Aと裏壁101Bとから略等間隔にある面をいう。
【0011】
請求項4に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図4に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置1において、ホッパ104A〜Dが、振り分けられた硬貨を収納する収納ケース121A〜Dを有し;収納ケース121A〜Dの容積を、入金される硬貨の量の多少に従って異なったものとする。
【0012】
収納ケース121A〜Dの容積を、入金される硬貨の量の多少に従って異なったものとするので、硬貨処理装置の設置環境、使用環境によって変わる準備金の量などの仕様変更に対応することができ、装置内のホッパ104A〜Dの配置に自由度ができ、スペースを有効に活用し装置を小型化することができる。
【0013】
請求項5に係る発明による硬貨処理装置は、例えば図4に示すように、請求項4に記載の硬貨処理装置1において、振分爪60A〜Fに割り当てる金種を設定する制御部7を備え;制御部7が、前記設定の変更が可能であるよう構成される。
【0014】
制御部7が、振分爪60A〜Fに割り当てる金種の設定の変更が可能であるよう構成されるので、ホッパ104A〜Dにそれぞれ収納する硬貨の金種を変更することができ、さらに収納ケース121A〜Dの容積を異なったものとすることができること合わせて、設置場所や、設置環境等が変わることによる、準備金の量などの仕様変更に対応することができる。また、例えば、入金できる金種を制限して減らし、2つ以上のホッパ104A〜Dを同じ金種として用いることができ、さらに準備金の枚数を増やして設置場所や、設置環境等に対応させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0016】
図1、図2は、本発明の実施の形態に係る硬貨処理装置1の主要構成を示すブロック図である。図3は、硬貨処理装置1の後述のフレーム8の主要構成を示すブロック図である。
【0017】
図1を参照して、硬貨処理装置1の主要構成を説明する。硬貨処理装置1は、投入された硬貨の入金処理を行う入金処理部2と、処理された硬貨を収納し、釣銭として出金する収納/出金部3と、収納/出金部3を収納する収納室としてのフレーム8と、フレーム8がセットされる収納/出金部ベース4と、フレーム8がセットされた収納/出金部ベース4を取り付けることができ、当該収納/出金部ベース4を水平方向に移動するようにガイドするガイドレール5と、収納/出金部ベース4をガイドレール5にロックするロック機構6(図4参照)と、後述の各部の制御を行う制御部7とを含んで構成される。
【0018】
なお、図2に示すように、フレーム8は、ガイドレール5に収納/出金ベース4がセットされた状態で、入金処理部2と制御部7から水平方向(Z方向)に移動が可能であり、不図示の端末機のガイドレールに固定された硬貨処理装置1から着脱可能である。
【0019】
図3に示すように、フレーム8は、水平方向断面形状が略矩形の略箱形形状を有する。矩形断面は短辺と長辺からなり、フレーム8は、一方の短辺を含む第1接客壁101Aと、一方の短辺に対向する他方の短辺を含む第1裏壁101Bと、長辺を含むフレーム側壁107とを含んで構成される。なお、第1接客壁101Aは、硬貨処理装置1が内蔵される不図示の端末機の接客面の近傍に配置される。以下、第1接客壁101Aと第1裏壁101B間の長さを奥行きと称し、フレーム側壁107間の長さを幅と称する。第1接客壁101Aと第1裏壁101B間に位置する仮想上の面であって、第1接客壁101Aと第1裏壁101Bとから略等間隔にある面を、第1接客壁101Aと第1裏壁101B間の中央面105(図中、2点鎖線にて表示)とする。
【0020】
図4は、本発明の実施の形態に係る硬貨処理装置1の側面断面図である。図5は、後述のガイドシュート16の部分拡大図である。図4、図5を参照して硬貨処理装置1の詳細な構成を説明する。
【0021】
硬貨処理装置1の鉛直方向最上部に配置された入金処理部2は、利用者が硬貨を一枚ずつ入金する入金口11と、入金口11から入金された硬貨を後述の第2接客壁106A、または第2裏壁106Bに向かう方向に搬送するよう構成された搬送部12と、搬送部12によって搬送中の硬貨を識別する識別部13と、識別部13により識別された硬貨を振り分ける振分部14と、振分部14の下側に配置され、振分部14により振り分けられた硬貨を導く5個の第1入金シュート15A〜Eと、振分部14の硬貨の流れに対して下流側に配置され、振分部14により振り分けられなかった硬貨を導くガイドシュート16とを含んで構成される。
【0022】
入金処理部2は、第1接客壁101Aを鉛直上方向に延長した位置関係にある第2接客壁106Aと、第2接客壁106Aに対向する第2裏壁106Bと、第2接客壁106Aと第2裏壁106Bとに垂直である入金処理部側壁103を含んで構成される。第2接客壁106Aと第2裏壁106B間の長さが入金処理部2の奥行きであり、入金処理部側壁103間の長さが入金処理部2の幅である(図2参照)。
【0023】
処理しようとする硬貨を入金する入金口11は、硬貨処理装置1の最上部の、図4中、左側に設けられている。入金口11は、硬貨処理装置1を内蔵する図示しない端末機の投入口から利用者が投入した硬貨を、硬貨処理装置1内に入金するようになっている。入金口11から入金された硬貨を一枚ずつ搬送する搬送部12は、第1〜第6搬送部31〜36から構成される。第1搬送部31は、プーリに掛けられたダブルベルトである第1搬送ベルト40を含んで構成され、第2搬送部32は、プーリに掛けられたダブルベルトである第2搬送ベルト44を含んで構成される。硬貨は、第1搬送ベルト40と第2搬送ベルト44とに挟まれて搬送される。第2搬送ベルト44は、プーリ41、37に掛かり、プーリ41とプーリ37間で、第1搬送ベルト40と重なる。
【0024】
第3搬送部33は、第2搬送部32の硬貨の流れに対し下流側に配置され、プーリに掛けられたシングルベルトである第3搬送ベルト46を含んで構成される。第3搬送ベルト46は、シングルベルトであるので、図4中、破線にて示し、図4中、実線で示すダブルベルトとの区別を明確にする。プーリ42には、第2搬送ベルト44と、第3搬送ベルト46とが掛かっており、第3搬送ベルト46(シングルベルト)はプーリ42に掛かっている部分で第2搬送ベルト44(ダブルベルト)に挟まれている。
【0025】
第3搬送部33の下流側には、識別部13が設けられ、搬送部12によって一枚ずつ搬送中の硬貨の真偽(正貨か否か)及び金種が識別される。識別部13の下流側には第4搬送部34が設けられ、プーリに掛けられたシングルベルトである第4搬送ベルト49を含んで構成される。第4搬送ベルト49は、シングルベルトであるので、図4中、破線にて示した。
【0026】
第4搬送部34の下流側には、第5搬送部35が配置され、第5搬送部35は、プーリに掛けられたダブルベルトである第5搬送ベルト53を含んで構成される。第2搬送部32のプーリ42の近傍と、第3搬送部33と、識別部13と、第4搬送部34と、第5搬送部35のプーリ48の近傍との下側には、第2〜第5搬送ベルト44、46、49、53により搬送中の硬貨を下から支える搬送板45が設けられている。搬送板45は水平に配置されている。第5搬送部35に一部重なって、その下流側には第6搬送部36が配置されている。第6搬送部36は、プーリに掛けられたシングルベルトである第6搬送ベルト59を含んで構成される。第6搬送ベルト59は、シングルベルトであるので、図4中、破線にて示した。
【0027】
プーリ54には、第5搬送ベルト53と第6搬送ベルト59が掛けられ、第1〜第4搬送部31〜34によって奥行き方向に搬送された硬貨が、プーリ54の所で第5搬送ベルト53と第6搬送ベルト59によって挟まれて折り返され(Uターンされ)、さらに第6搬送ベルト59によって奥行き方向に逆送される。
【0028】
第6搬送ベルト59の下側には振分部14が配置され、振分部14は奥行き方向に一列に並んで配置された6個の振分爪60A〜Fを含んで構成される。振分爪60A〜Fは、水平に並んで配置されている。振分爪60A〜Fは、符号の最後のアルファベットを用いて説明すると、図4中、右から左に順次、A、B、E、F、C、Dと配置され、後述のように割り当てられた金種の硬貨を振り分ける。振分爪60A〜Fの上部表面は奥行き方向に第6搬送ベルト59に搬送された硬貨を下から支える搬送路を形成する。
【0029】
奥行き方向に搬送された硬貨が、前述のようにプーリ54の所で第5搬送ベルト53と第6搬送ベルト59によって挟まれて折り返され、さらに奥行き方向に逆送され、識別部13の識別結果により、識別部13の下部に設けられた振分部14によって振り分けられる構造としたので、奥行き方向の装置の長さを短くすることができ、装置を小型化することができる。
【0030】
振分爪60A〜Eを駆動する不図示の振分爪駆動手段が、振分爪60A〜Eの下側であって、後述する第1入金シュート15A〜Eの図4中、向こう側に設けられている。また、制御部7でプログラムを組むことによって所定の金種が振分爪60A〜Fに割り当てられ、割り当てられた所定の金種を振り分けるように制御部7より振分爪60A〜Eに対応した振分爪駆動手段に駆動信号が送られ、振分爪駆動手段によって振分爪60A〜Eが回動される。割り当てられた所定の金種とは、本実施の形態では、振分爪60Aが10円、振分爪60Bが100円、振分爪60Cが1円、振分爪60Dが500円、振分爪60Eが5円及び50円である。
【0031】
さらに不図示の振分検出手段が取り付けられ、振分検出手段は、振分爪60A〜Fにより形成された搬送路上を、次々に搬送されて来る硬貨が、所定の振分爪60A〜Fに到達する直前に、当該硬貨を検出する。制御部7は、識別部13から送られる硬貨の金種データと、振分検出手段から送られる硬貨の検出信号を受け、所定の振分爪60A〜Eに対応する不図示の振分爪駆動手段に駆動信号を送り、硬貨が所定の振分爪60A〜Eに到達する直前に、振分爪駆動手段が当該振分爪60A〜Eを駆動するように制御する。
【0032】
図4中、右から4番目の振分爪60Fは、不図示の振分爪駆動手段に接続されず、真下に配置される第1入金シュートが存在せず、搬送路のみの働きをなす、ダミーの振分爪60Fである。よって、振分爪60Fには割り当てられた金種がない。
【0033】
振分爪60A〜Fの金種の割り当ては、制御部7のプログラムを変えることにより任意に変えることができる。このようにすると、設置場所、設置環境等により準備金の必要量が変わることによる仕様変更に柔軟に対応できる。1つの振分爪60A〜Fに2つ以上の金種を割り当てることもでき、1つの金種を2つ以上の振分爪60A〜Fに割り当てることもでき、振分爪60A〜Fのいくつかには、金種を割り当てないようにすることもできる。
【0034】
各振分爪60A〜Eの下側には、それぞれ振り分けられた硬貨を導き、後述のように放出する第1入金シュート15A〜Eが配置され、第1入金シュート15A〜Eの最上部は、振分爪60A〜Eに対応して奥行き方向に水平に一列に並んで配置されている。振分爪60A〜Eは爪状の形状を有し(振分爪Fも形状は同じ)、一端(図4中、振分爪60A〜Eの左側)を中心に不図示の振分爪駆動手段により回動する。振分爪60A〜Eが回動することにより、振分爪60A〜Fにより形成された搬送路上を第6搬送部36によって搬送されている硬貨が、第1入金シュート15A〜Eに振り分けられる。
【0035】
第1入金シュート15A〜Eには、第1入金シュート15A〜Eの中を通過する硬貨を計数する振分計数手段61が取り付けられている。振分計数手段61を取り付け、振分計数手段61による計数が、振り分け後に行われるため、振分ミスをも検出することができ、振分検出手段(不図示)による計数の信頼性を高めることができる。よって、振分計数手段61を取り付けることにより、従来設けられていた入金一時保留部を省略することができ、装置を小型化することができる。なお、第1入金シュート15A〜Eの傾き形状は、振分計数手段61の取付位置と、ホッパ104A〜Dの配列、第2入金シュート102B、102D、出金シュート113の配置により決められる。
【0036】
ガイドシュート16は、振分部14の下流側に配置され、振分爪60A〜Fと、奥行き方向に並んで設置されている。すなわち振分爪60A〜Fによって構成された搬送路上を、奥行き方向に第2接客壁106Aに向かって搬送された硬貨は、振分爪60A〜Fによって振り分けられなければ、最終的にはガイドシュート16に達する。ガイドシュート16を、奥行き方向の搬送に関し、最下流部に配置したので、リジェクト硬貨を振り分ける振分爪、振分爪を駆動する振分爪駆動手段を設ける必要がなく、装置の奥行き方向の長さを短くし、装置を小型化することができる。
【0037】
ガイドシュート16には、第1入金シュート15A〜Eと同様に、ガイドシュート16の中を通過する硬貨を計数する振分計数手段61が取り付けられている。また、図5に示すように、ガイドシュート16は、上側板金16Aと下側板金16Bとにより通路を形成し、下側板金16Bにはガイド部位が設けられている。ガイドシュート16は、図5(B)において主として右から左への幅方向に移動する(移動イ)ようガイド部位を介してリジェクト硬貨をガイドする。さらに、図5(A)において、右上から左下となる奥行き方向と、鉛直下方に落下する方向とを合成した、約45度斜め下方に移動する(移動ロ)ように上側板金16Aを介してガイドし、リジェクト硬貨が当該方向へ方向転換するのを助ける。なお、ガイドシュート16は、フレーム8の接客壁101Aの近傍に配置した(図4参照)ので、取り付けが容易になる。
【0038】
フレーム8は、前述のように略箱形状であり、その上部に、持ち運びのための取手17(図3参照)が取り付けられ、さらに開口143を有し、開口143を塞ぐ扉9(図4中、二点鎖線にて表示)と、扉9に施錠を行う施錠機構10とが取り付けられている。扉9は、フレーム8の図4中、手前側の一方のフレーム側壁107を構成する。このような構成としたので、フレーム8は扉9の施錠を維持した状態で、硬貨処理装置1からの着脱が可能となる。
【0039】
開口143からフレーム8に収納される収納/出金部3は、2つの第2入金シュート102B、Dと、振り分けられた循環硬貨を収納し、釣銭として放出する四つのホッパ104A〜Dと、ガイドシュート16により導かれたリジェクト硬貨をさらに後述の出金口117に導く、リジェクトシュート108と、ホッパ104A〜Dから放出された硬貨を後述の出金シュート113に導く放出シュート109A〜Dと、出金シュート113とを含んで構成される。
【0040】
収納/出金部3は、さらに回収爪114と、出金一時保留部115と、非循環硬貨を回収する金庫部116と、出金口117とを含んで構成される。フレーム8の出金口117に放出された硬貨は、フレーム8の出金口117に対応する箇所に形成された不図示の開口を経て、さらに硬貨処理装置1を内蔵する不図示の端末機の受皿に放出され、利用者が取り出せるようになっている。出金口117は、第1接客壁101Aの下部に設けられている。
【0041】
なお、循環硬貨とは、入金された後収納され、釣銭として利用者に返却する硬貨をいい、非循環硬貨とは、入金された後回収され、釣銭として利用者に返却することのない硬貨をいう。
【0042】
第2入金シュート102Bは、収納/出金部3のほぼ中央、すなわち第1接客壁101Aと第1裏壁101B間のほぼ中央に、第1入金シュート15Bの下方に配置されている。第2入金シュート102Bは、第1入金シュート15Bから送られた100円硬貨を収納/出金部3のホッパ104B(後述のように下段右側に配置)に放出する。
【0043】
第2入金シュート102Dは、フレーム8の図4中、左側の接客壁101Aに鉛直下方向に沿って配置され、第1入金シュート15Dから送られた500円硬貨を収納/出金部3のホッパ104D(後述のように下段左側に配置)に放出する。なお、第2入金シュート102Dは、フレーム8の接客壁101Aに溶接にて直付けされている。
【0044】
リジェクトシュート108は、ガイドシュート16に接続されて、ガイドシュート16の下流側に配置され、さらに第2入金シュート102Dと幅方向に並んで配置される。リジェクトシュート108は、第2入金シュート102Dと同様に第1接客壁101Aに直接対向して、鉛直に配置される。
【0045】
第2入金シュート102Dの上流側に配置された第1入金シュート15D中の硬貨の流れは、奥行き方向と鉛直下方向とが合成された斜め下方向であり、さらにその先が鉛直方向下方となっている。リジェクトシュート108の上流側に配置されたガイドシュート16中の硬貨の流れを、第1入金シュート15D中の硬貨の流れと同じとする場合は、ガイドシュート16は、第1入金シュート15Dの、貨幣の搬送方向(奥行き方向)に対して下流側にあるので、リジェクトシュート108は、第2入金シュート102Dと奥行き方向に並ぶ配置となり、装置の奥行き方向の長さが長くなる。
【0046】
しかし、実際は前述のようにガイドシュート16中の硬貨の流れが、第2接客壁106Aに沿って幅方向に流れる部分を含むように構成されているので、リジェクトシュート108を第2入金シュート102Dに幅方向に並んで配置させることができ、この配置により装置の奥行き方向の長さを短くすることができる。
【0047】
リジェクト硬貨を出金口117に導くリジェクトシュート108を、フレーム8の第1接客壁101Aに鉛直方向下方に沿うように配置し、出金口117を第1接客壁101Aの下部に設けたので、リジェクトシュート108を流れるリジェクト硬貨の流れを鉛直方向下方のみとし、リジェクト硬貨を出金口117に放出することができる。よって、リジェクトシュート108内での、硬貨の詰まりが殆ど生じないようにすることができる。
【0048】
なお、リジェクトシュート108は、図4中向こう側、第2入金シュート102Dは、リジェクトシュート108に対し、図4中幅方向、手前側に並んで配置されている。リジェクトシュート108も第1接客壁101Aに沿って配置したので、その取付が容易となる。なお、リジェクトシュート108は、フレーム8の接客壁101Aに溶接にて直付けされている。
【0049】
ホッパ104A〜Dは、フレーム8内に2個ずつ上下2段に配列されている。また、各段ともホッパ104A、C、ホッパ104B、Dは、奥行き方向に配列されている。このように配置したので、装置の奥行き方向の長さを小さくすることができ、装置を小型がすることができる。上段は、右側が10円硬貨用のホッパ104A、左側が1円硬貨用のホッパ104C、下段は、右側が100円硬貨用のホッパ104B、左側が500円硬貨用のホッパ104Dである。
【0050】
ホッパ104A〜Dは、硬貨を収納する収納ケース121A〜Dと、収納ケース121A〜Dに収納された硬貨を釣銭として出金する出金部125A〜Dとを、それぞれ含んで構成される。収納ケース121A〜Dは、ホッパ104A〜Dの上部に取り付けられる。出金部125A〜Dは、収納ケース121A〜Dの直下に取り付けられる。硬貨を放出する放出口126A〜Dは、出金部125A〜Dの側面部に設けられる。
【0051】
収納ケース121A〜Dは、上部に開口129A〜Dを備え、第1入金シュート15A、Cを通って送られた循環硬貨、または第1入金シュート15B、D及び第2入金シュート102B、Dを通って送られた循環硬貨を開口129A〜Dからバラ積み状態にて収納する。
【0052】
本実施の形態では、上側の各ホッパ104A、Cの収納ケース121A、C(10円、1円硬貨用)は同じ容積とし、下側左のホッパ104Dの収納ケース121D(500円硬貨用)が上側のホッパ104A、104Cの収納ケース121A、121Cより容量が小さく、下側右のホッパ104Bの収納ケース121B(100円硬貨用)が上側のホッパ104A、104Cの収納ケース121A、121Cより大きい容積のものとしている。
【0053】
出金部125A〜Dは、収納した硬貨を放出する放出機構133(図4中、破線にて表示)、放出した硬貨を計数する不図示の計数手段、放出機構133を駆動する駆動手段としてのモータ134などを備え、収納ケース121A〜D内の硬貨を出金時に、後述のように収納/出金部3のほぼ中央、すなわち第1接客壁101Aと第1裏壁101B間のほぼ中央を鉛直下方向に通る出金シュート113に放出するものである。
【0054】
出金部125A〜Dには、硬貨を放出するため放出口126A〜Dを奥行き方向を向くように設けてある。さらに放出口126A〜Dと出金シュート113との間にある放出シュート109A〜Dを放出口126A〜Dの先に設ける必要がある。このためには、スペースが必要であり装置の奥行き方向の長さをこの分長くする必要がある。しかし、放出シュート109A〜Dの上のスペースに、収納ケース121A〜Dを張り出して、容積を大きくすることにより、収納ケース121A〜Dが収納する硬貨の枚数を多くすることができる。
【0055】
なお、第2入金シュート102Bを、第1接客壁101Aと第1裏壁101B間のほぼ中央を鉛直下方向に通るよう配置し、第2入金シュート102Dを、第1接客壁101Aに鉛直下方向に沿うよう配置した。すなわち、第2入金シュート102Bをホッパ104Aとホッパ104Cとの間、ホッパ104Bとホッパ104Dとの間に配置し、第2入金シュート102Bを第1接客壁101Aとホッパ104C、104Dとの間に配置した。
【0056】
よって、鉛直方向上下に整然と配置されたホッパ104A〜Dの間、あるいは鉛直方向上下に整然と配置されたホッパ104C、Dと鉛直に配置された第1接客壁101Aの間を鉛直方向に通るように第2入金シュート102B、Dを配置したので、収納/出金部3のスペースを有効に利用することができ、硬貨処理装置1を小型化することができる。
【0057】
この配置により第2入金シュート102B、Dが、鉛直方向下側に向かうほぼ直線形状となっているので、第2入金シュート102B、D内での硬貨の詰まりを防止することができる。また、第1接客壁101Aに沿って第2入金シュート102Dを配置したので、シュートの取付作業性を高めることができる。
【0058】
出金シュート113は、収納/出金部3の、第1接客壁101Aと第1裏壁101B間のほぼ中央に、ホッパ104Aとホッパ104Cとの間、ホッパ104Bとホッパ104Dとの間に配置されている。出金シュート113は、さらに第2入金シュート102Bの図4中、左側に配置されている。出金部125A〜Dの放出口126A〜Dは第1接客壁101A、第1裏壁101B間の中央面105を向いて配置されている。出金シュート113と、放出口126A〜Dとの、間にはそれぞれ放出シュート109A〜Dがあり、放出シュート109A〜Dは、放出機構133から放出された硬貨を、出金シュート113に導いている。
【0059】
第2入金シュート102Bと出金シュート113とを、収納/出金部3の、第1接客壁101A、第1裏壁101B間の中央面105を向くよう配置し、互いに沿うように配置している。また、第2入金シュート102Bを出金シュート113の図4中、右側に配置し、さらに第2入金シュート102Bを、下側の段の右側のホッパ104Cに硬貨を放出するように配置した。よって、第2入金シュート102Bと出金シュート113とが互いに干渉せず、硬貨をほぼ鉛直方向下方に導く構成とすることができ、硬貨詰まりが生じにくい、第2入金シュート102Bと出金シュート113との分散配置を避けた単純な配置とすることができ、装置を小型化することができる。
【0060】
また、放出口126A〜Dを出金部125A〜Dの、第1接客壁101A、第1裏壁101B間の中央面105を向く側面部に設けたので、特に制限の厳しい装置の幅を、小さくすることができ、装置を小型化することができる。
【0061】
出金シュート113は、出金一時保留部115に連結され、ホッパ104A〜Dから放出された硬貨を出金一時保留部115に導く。放出口126A〜Dが前述のように配置され、出金シュート113がフレーム8のほぼ中央すなわち第1接客壁101A、第1裏壁101B間のほぼ中央を通るように配置されているので、放出シュート109A〜Dが短ルートを通り整然と配置することができ、また放出シュート109A〜Dを短くすることができ、装置を小型化することができる。
【0062】
出金シュート113は、さらに第1入金シュート15E、金庫部116に連結され、振分爪60Eにより振り分けられ、第1入金シュート15Eから放出された5円、50円硬貨を金庫部116に導く。
【0063】
出金シュート113の下流側の端部には、回収爪114が配置され、回収爪114は、出金シュート113から放出された硬貨を出金一時保留部115、または金庫部116に振り分ける。回収爪114は、出金時にホッパ104A〜Dから放出された10円、100円、1円、500円硬貨(循環硬貨)を出金一時保留部115に振り分け、入金時に第1入金シュート15Eから出金シュート113へ放出された5円、50円硬貨(非循環硬貨)を同じく出金一時保留部115に振り分ける。回収爪114は、利用者の入金取引により、ホッパ104A〜Dの収納ケース121A〜Dに収納された循環硬貨の満杯を検出したときに、放出機構133が作動して放出される10円、100円、1円、500円硬貨を金庫部に振り分ける。
【0064】
出金一時保留部115は、入金された非循環硬貨、ホッパ104A〜Dより出金された循環硬貨を保留する保留部144と、保留部144の図4中、左右両端に取り付けられたシャッタ135、136と、保留部144の下側に取り付けられた第7搬送部137を含んで構成される。第7搬送部137は、プーリに掛けられた第7搬送ベルト140を含んで構成される。出金一時保留部115は、出金シュート113の下流の回収爪114と出金口117との間に設けられ、入金時に入金された非循環硬貨を入金が終了するまで第7搬送ベルト140上に一時保留する。また、出金一時保留部115は、出金時に、出金すべき全ての循環硬貨がホッパ104A〜Dから放出されるまで循環硬貨を第7搬送ベルト140上に一時保留する。
【0065】
金庫部116は、硬貨が出金シュート113からまたは出金一時保留部115から入り込む開口141を有する。また、金庫部116は、フレーム8の最下部に配置され、出金一時保留部115から搬送される非循環硬貨を回収し、さらに収納ケース121A〜Dに収納された循環硬貨の満杯を検出したときに放出機構133が作動して、収納ケース121A〜Dから出金シュート113に放出された循環硬貨を回収する。金庫部116は、施錠機構10により扉9の施錠が外された場合に、フレーム8から側方(図3中X方向)に引き出すことができる。
【0066】
出金口117は、フレーム8の図4中、左側の第1接客壁101Aの下部に形成され、通常は利用者に対面するように配置される。出金口117には、ホッパ104A〜Dから出金一時保留部115に放出された出金硬貨が出金一時保留部115からさらに放出される。また、出金口117には、リジェクト硬貨もリジェクトシュート108から放出される。
【0067】
フレーム8の開口143の図4中、左側の縁には扉ヒンジ142が設けられ、扉ヒンジ142には扉9が取り付けられている。扉9は、ホッパ104A〜D、出金シュート113、回収爪114、出金一時保留部115、第2入金シュート102B、D、リジェクトシュート108を覆うように構成されている。扉9を閉鎖することにより、開口143が閉じられる。
【0068】
施錠機構10は、フレーム8の図4中、右上に取り付けられ、施錠機構10によって扉9に施錠がなされ、扉9が開かなくなり、ホッパ104A〜D、金庫部116がそれぞれフレーム8から引き出せなくなる。施錠機構10は、決められた係員が持つ鍵により施錠が外されて扉9が開けられ、ホッパ104A〜D、金庫部116の引き出しが可能になる。硬貨処理装置1から引き出したフレーム8を、ホッパ104A〜Dと金庫部116をフレーム8内に安全に閉じこめて、安全な場所に移し、ホッパ104A〜Dおよび金庫部116からの硬貨の回収、ホッパ104A〜Dへの硬貨の補充を安全に行うことができる。
【0069】
よって、ホッパ104A〜Dを従来の補充カセット、金庫部116とホッパ104A〜Dとを従来の回収カセットとして安全に使用することができる。このようにすると硬貨の回収、補充作業を容易とすることができ、別個の補充カセット、回収カセット用のスペースをフレーム8内に設ける必要がないので、硬貨処理装置1を小型化することができる。
【0070】
ホッパ104A〜Dの収納ケース121A〜Dの大きさの決め方について説明する。前述のように、収納ケース121A〜Dには、それぞれ10円、100円、1円、500円の硬貨が割り当てられている。このように金種が割り当てられた収納ケース121A〜Dの大きさは、硬貨処理装置1が取り付けられる設置環境、使用環境を考慮して、入金される硬貨の金種毎の枚数を統計的に把握し、把握された枚数を基に硬貨の量(容積に換算した量)を求め、求められた硬貨の量にほぼ比例するように収納ケース121A〜Dの容積が決められている。設置環境とは、金融端末機、自動販売機など硬貨処理装置が内蔵される機器が置かれる場所をいう。使用環境とは、前述の機器が使用される環境、例えばコンビニエンスストア、銀行、鉄道駅、遊戯場等、また例えば利用者に子供、女性が多い等の顧客の特質等をいう
【0071】
硬貨処理装置1の設置環境、使用環境が変わり、仕様変更が必要となった場合は、新しい設置環境、使用環境において入金される硬貨の金種毎の枚数を統計的に把握し、把握された枚数を基に硬貨の量(容積に換算した量)を求め、求められた硬貨の量にほぼ比例するように収納ケース121A〜Dの容積を決めるとよい。このようにすると収納/出金部3のスペースを有効に利用することができ、硬貨処理装置1を小型化することができる。
【0072】
設置環境、使用環境の変更による仕様変更によりホッパ104A、Bの収納枚数を変更する場合の具体的対応の仕方を説明する。変更前の設置、使用環境では、100円硬貨の量が10円硬貨の量より多いが、変更後の設置、使用環境では、統計的に10円硬貨の量が100円硬貨の量より多いため、100円硬貨の収納をホッパ104Bからホッパ104Aに、10円硬貨の収納をホッパ104Aからホッパ104Bに変更する場合で説明する。循環硬貨は10円、100円、1円、500円で、変わらないものとする。なお、ホッパ104Bの収納ケース121Bの容量は、前述のようにホッパ104Aの収納ケース121Aの容量より大きいものとする。
【0073】
まず、以下のように制御部7のプログラムを変更する。すなわち、入金時に識別部13によって100円硬貨が識別された場合は、振分爪60Aを作動し、収納ケース121Aに導き、10円硬貨が識別された場合は、振分爪60Bを作動し、収納ケース121Bに導くようにする。また、出金時に100円硬貨の出金が必要な場合は、収納ケース121Aに対応する出金部125Aを作動し、10円硬貨の出金が必要な場合は、収納ケース121Bに対応する出金部125Bを作動するようにする。
【0074】
但し、出金部125A〜Dは、外形寸法は同じであるが、放出する硬貨の径の相違に起因する一部の内部部品の寸法が異なり、取り扱う硬貨の径に合わせて製作しているものがある。したがって、収納ケース121Aの出金部125Aと、収納ケース121Bの出金部125Bを互いに交換する必要がある。
【0075】
次に、硬貨処理装置1の作用について説明する。硬貨処理装置1は、不図示の端末機に不図示のガイドレールを介して取り付けられているとする。
【0076】
まず、準備金をセットするために以下の操作が行われる。すなわち係員が硬貨処理装置1を、不図示の端末機の不図示のガイドレール上を滑らせて、端末機から水平方向に引き出す。さらに収納/出金部3を収納するフレーム8を硬貨処理装置1のガイドレール5上を図4中、左方向に水平に滑らせて硬貨処理装置1の外部に引き出す。この際、ロック機構6を操作し、フレーム8のガイドレール5上のロック状態を解除することが必要である。フレーム8が硬貨処理装置1外部に出た後、フレーム8を鉛直方向上方に引き出し、収納/出金部ベース4から離す。
【0077】
係員が施錠機構10を鍵により解除し、扉9を開放する。収納/出金部3を収納するフレーム8から、各ホッパ104A〜Dを引き出し、予め決められた所定の循環硬貨を対応するホッパ104A〜Dに準備(収納)し、各ホッパ104A〜Dを収納/出金部3のフレーム8に戻し、扉9を閉鎖する。フレーム8を収納/出金部ベース4に載せ、フレーム8を硬貨処理装置にセットし、さらに硬貨処理装置1を不図示の端末機にセットして、準備金セットが終了する。
【0078】
次に、入金、収納、出金の動作について説明する。利用者は、硬貨処理装置1を内蔵する不図示の端末機の投入口から、硬貨を一枚ずつ投入する。投入口からの硬貨は、入金口11から搬送部12に搬送される。搬送部12は投入された硬貨を、第2裏壁106Bに向かう方向(奥行き方向)に向けて一枚ずつ搬送し、識別部13に搬送する。識別部13は搬送された硬貨の真偽判定と金種の識別を行い、制御部7にそれらの信号を出力する。搬送部12は硬貨を識別部13から、さらに奥行き方向に搬送する。そして硬貨は、折り返されて方向を転換し、第2接客壁106Aに向かう逆の奥行き方向にさらに搬送され、振分部14に搬送される。
【0079】
振分部14は、奥行き方向に一列に配置されている振分爪60A〜Fを有するので、振分部14は、硬貨を、奥行き方向に搬送する搬送路を形成する。硬貨が振分部14によって奥行き方向に搬送されている間に、識別部13の識別結果に基づいた制御部7からの信号により振分爪60A〜Eが不図示の振分爪駆動手段により回動されて開く。開いた振分爪60A〜Eは、各第1入金シュート15A〜Eへ硬貨を落下させて振り分ける。識別部13によって正貨と判定されず、かつ金種の判定がなされないため、いずれの振分爪60A〜Eも作動せず振り分けられなかった硬貨等はガイドシュート16に導かれる。
【0080】
入金が10円硬貨の場合は、振分爪60Aが、振分爪60Aを駆動するように構成された不図示の振分爪駆動手段により駆動されて回動し、10円硬貨を第1入金シュート15Aへ導く。入金が100円硬貨の場合は、振分爪60Bが、振分爪60Aと同様に作動し、第1入金シュート15Bへ導く。1円硬貨、500円硬貨の場合は、振分爪60C、Dが、同様に作動し、それぞれ第1入金シュート15C、Dへ導く。5円、50円硬貨は、振分爪60Eが同様に作動し、第1入金シュート15Eから出金シュート113へ導く。振り分けのタイミング、すなわち振分爪60A〜Eを作動させるタイミングは、搬送部12の不図示の適宜な場所に設けられる不図示の振分検出手段であるセンサにより硬貨を検出して検出信号を制御部7に送り、制御部7により適宜なタイミングで振分爪60A〜Eを作動させることにより行われる。
【0081】
第1入金シュート15A〜E、ガイドシュート16へ導かれた硬貨は、それぞれ第1入金シュート15A〜E、ガイドシュート16に取り付けられた振分計数手段61により計数され、計数データが入金データ、リジェクトデータとして制御部7に送られる。
【0082】
第1入金シュート15A、Cに導かれた10円、1円硬貨は、それそれ対応するホッパ104A、Cの収納ケース121A、Cに直接収納される。第1入金シュート15B、Dに導かれた100円、500円硬貨は、それぞれ第2入金シュート102B、Dを経由して、対応するホッパ104B、Dの収納ケース121B、Dに収納される。第1入金シュート15Eから出金シュート113に導かれた5円、50円硬貨は、回収爪114によって出金一時保留部115に導かれ、出金一時保留部115に一時保留される。
【0083】
利用者が入金すべき硬貨を全て入金した後、利用者は、入金確定操作、すなわち不図示の端末機の確認ボタンの操作を行う。入金確定操作が行われると、図4中、出金一時保留部115の右側のシャッタ136を閉から開とし、第7搬送部137を、硬貨を図4中、右に搬送するように作動させ、出金一時保留部115に一時保留されていた5円、50円硬貨を金庫部116に回収して、入金動作が終了する。入金確定操作により、制御部7において入金金額と取引金額の比較が行われ、出金(釣銭)が必要な場合、出金部125A〜Dの放出機構133を作動させ、出金すべき硬貨を収納ケース121A〜Dから、放出シュート109A〜Dを経て出金シュート113へ放出する(出金動作)。
【0084】
出金シュート113へ放出された硬貨は、出金一時保留部115に一時保留される。このとき出金部125A〜Dから過剰放出があった場合には、出金一時保留部115の硬貨は金庫部116に回収されて、再びホッパ104A〜Dから出金金額の硬貨の放出が行われる。全ての出金硬貨が出金一時保留部115に出金されると、図4中、左側のシャッタ135を閉から開とし、第7搬送部137を、硬貨を図4中、左に搬送するように作動させ、その一時保留した出金硬貨を出金口117に放出する。
【0085】
ガイドシュート16へ導かれた硬貨は、ガイドシュート16にガイドされて一旦奥行き方向に移動しながら下方に落下し、さらに第2接客壁106Aに沿って幅方向に移動しながら落下する。ガイドシュート16を出た硬貨は、リジェクトシュート108内を下方に落下し、その下方に設けられている出金口117に放出され、リジェクト動作が終了する。
【0086】
入金確定操作が行われる前に利用者により、例えば不図示の取消ボタンが押され、取引の取消がなされた場合は、出金一時保留部115に一時保留されている非循環硬貨(5円、50円硬貨)を出金口117に放出する。続けて、すでにホッパ104A〜Dの収納ケース121A〜Dに収納されている循環硬貨を、入金された金種と金種毎の枚数を合わせて出金動作により放出し、出金一時保留部115に一時保留する。全ての返却すべき硬貨が出金一時保留部115に放出されると、出金一時保留部115内の硬貨が全て出金口117に放出し、返却動作が終了する。
【0087】
利用者が入金動作を継続している間にいずれかの金種の収納ケース121A〜Dが満杯となり、硬貨を収納することができない場合に対処するために、以下のように収納ケース121A〜D内の硬貨が回収される。すなわち、収納ケース121A〜D内の硬貨枚数は制御部7により識別部13から送られるデータを基に管理されており、また各収納ケース121A〜Dにはそれぞれ不図示の満杯検出手段が設けられている。
【0088】
入金、収納、出金の動作後、いずれかの収納ケース121A〜D内の硬貨が所定の枚数に達し、満杯検出手段が作動した場合、または制御部7に記録されている硬貨の枚数が所定の枚数に達した場合、入金中の利用者に対処した後、装置を一旦中止とし、次の利用者の入金を受け付けないようにする。満杯となったホッパ104A〜Dの出金部125A〜Dの放出機構133を作動させ、所定の枚数の硬貨を出金シュート113へ放出し、回収爪114を作動させ、金庫部116へ回収する。回収動作の終了後、装置は自動的に復帰する。
【0089】
決められた日時に行われる集計作業に伴う回収について説明する。集計作業とは、取引により得られた硬貨を確認し集計することである。まず、係員は前述したように硬貨処理装置1を不図示の端末機から引き出して(図2参照)、収納/出金ベース4から離し、施錠機構10の鍵を解除して扉9を開放する(図3参照)。その後、フレーム8から各ホッパ104A〜Dと金庫部116とを引き出し、各ホッパ104A〜Dと金庫部116とに収納されている硬貨を回収する。なお、集計作業が終了した硬貨処理装置1を用いて続けて端末機を作動させるためには、前述した準備金セットからの作業を行う。
【0090】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数のホッパが、奥行き方向に収納した硬貨を放出するよう構成された、放出口を有するので、複数のホッパが、奥行き方向に垂直な水平方向に、収納した硬貨を放出するよう構成された放出口を有する場合に比べて、奥行き方向に垂直な水平方向の、装置の長さを小さくすることができ、装置を小型化することができる。さらに、奥行き方向に配列された複数のホッパであって、振分爪によって振り分けられた硬貨を収納し、収納した硬貨を出金時に放出する複数のホッパとを備え、複数のホッパが、装置の上下方向に積み重ねて配列されるので、奥行き方向の装置の長さを短くすることができ、硬貨の処理性能を維持したまま、装置をさらに小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る硬貨処理装置の主要構成を示すブロック図である。
【図2】フレームを引き出した、図1の硬貨処理装置のブロック図である。
【図3】図1の硬貨処理装置のフレームの主要構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る硬貨処理装置の側面断面図である。
【図5】(A)は、図4の硬貨処理装置のガイドシュート部分の正面図であり、(B)は、側面図である。
【符号の説明】
1 硬貨処理装置
2 入金処理部
3 収納/出金部
4 収納/出金部ベース
5 ガイドレール
6 ロック機構
7 制御部
8 フレーム
9 扉
10 施錠機構
11 入金口
12 搬送部
13 識別部
14 振分部
15A〜E 第1入金シュート
16 ガイドシュート
60A〜F 振分爪
61 振分計数手段
101A 第1接客壁
101B 第1裏壁
102B、D 第2入金シュート
103 入金処理部側壁
104A〜D ホッパ
105 中央面
106A 第2接客壁
106B 第2裏壁
107 フレーム側壁
108 リジェクトシュート
109A〜D 放出シュート
113 出金シュート
114 回収爪
115 出金一時保留部
116 金庫部
117 出金口
121A〜D 収納ケース
125A〜D 出金部
126A〜D 放出口
129A〜D 開口
133 放出機構
141 開口
142 扉ヒンジ
143 開口

Claims (5)

  1. 接客壁と;
    該接客壁に所定の奥行きだけ離れて対向する裏壁と;
    処理しようとする硬貨の少なくとも金種を識別する識別部と;
    前記識別部によって識別された硬貨のうち、割り当てられた所定の金種の硬貨を振り分ける振分爪を有する振分部と;
    前記振分爪によって振り分けられた硬貨を収納し、収納した硬貨を出金時に放出する放出口を設けた複数のホッパとを備え;
    前記複数のホッパを所定の奥行き方向に配列し、前記放出口を前記所定の奥行き方向を向くように配置し;
    さらに前記複数のホッパが、装置の上下方向に積み重ねて配列された;
    硬貨処理装置。
  2. 前記複数のホッパに、前記振り分けられた硬貨を導く複数の入金シュートを備え;
    前記複数のホッパが、前記奥行き方向に2つずつ、上下方向2段に、合計4個配列され;
    下段に配列された前記ホッパに、前記振り分けられた硬貨を導く複数の入金シュートの1つが前記接客壁と前記裏壁間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置され、他の1つが前記接客壁に鉛直下方向に沿うよう配置された;
    請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記放出口から放出された硬貨を導く出金シュートを備え;
    前記放出口を、前記接客壁と前記裏壁間の中央面に向け、前記収納した硬貨を放出するよう構成し;
    前記出金シュートを、前記接客壁と前記裏壁間の略中央を鉛直下方向に通るよう配置した;
    請求項1または請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記ホッパが、前記振り分けられた硬貨を収納する収納ケースを有し;
    前記収納ケースの容積を、入金される硬貨の量の多少に従って異なったものとした;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
  5. 前記振分爪に割り当てる金種を設定する制御部を備え;
    前記制御部が、前記設定の変更が可能であるよう構成された;
    請求項4に記載の硬貨処理装置。
JP2001101479A 2001-03-30 2001-03-30 硬貨処理装置 Expired - Fee Related JP4689858B2 (ja)

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