JP7102261B2 - 自動車用ホース - Google Patents
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Description
そのようななか、本出願人は、上記ゴム層を、特定の接着剤成分(レゾルシノール系化合物とメラミン樹脂)が練り込まれた過酸化物架橋系のエチレン-プロピレン系ゴム組成物からなる層とすることにより、補強糸層との接着性を高めることに成功している(特許文献1および2参照)。
上記エチレン-プロピレン-ジエン系ゴム組成物が、下記(A)成分100重量部に対し、下記(B)成分を0.5~30重量部、下記(C)成分を1~10重量部、下記(D)成分を0.17~35.7重量部の割合で含有するとともに、上記ゴム組成物中の(C)成分のマレイン酸変性基数(c)と(D)成分のエポキシ基数(d)とのモル比[(c)/(d)]が7/200~7/10の範囲である自動車用ホースを、その要旨とする。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)過酸化物架橋剤。
(C)マレイン酸変性ポリブタジエン。
(D)エポキシ樹脂。
すなわち、ゴム層と補強糸層との積層構造を有するホースにおいて、上記ゴム層が、過酸化物架橋系のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体にマレイン酸変性ポリブタジエン(C)を含有するゴム組成物からなると、補強糸層(ないしディップ処理された補強糸層)表面の官能基(アミド基、水酸基等)に対して、上記マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のマレイン酸変性基が相互作用し、さらに、マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のジエン部がエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体のジエン部と結合することにより、結果的に、上記ゴム層と補強糸層との接着性が高められるようになると推察される。
しかしながら、より高い層間接着性を得ようとして、上記マレイン酸変性ポリブタジエン(C)の含有割合を多くし過ぎると、マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のポリブタジエン部位がラジカル発生源となり、過酸化物架橋系のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体の架橋が促進され過ぎてしまい、却って補強糸層との接着性が低下するおそれがある。そのため、マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のみにより接着性の向上効果を期待するのには限界がある。
先に述べたように、上記ゴム層の材料であるゴム組成物中に、エポキシ樹脂(D)を、そのエポキシ基数(d)と、上記マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のマレイン酸変性基数(c)とのモル比[(c)/(d)]が特定の範囲となるように含有すると、上記のように過酸化物架橋系のエチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体の架橋が促進され過ぎることなく、上記エポキシ樹脂(D)のエポキシ基の一部が補強糸層(ないしディップ処理された補強糸層)表面の官能基と結合するとともに、上記エポキシ樹脂(D)のエポキシ基の他部が上記マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のマレイン酸変性基と結合すると推察される。そのため、結果的に、マレイン酸変性ポリブタジエン(C)のみによる接着性向上効果よりも高い接着性向上効果が得られ、層間の剥離状態を材料破壊まで底上げすることができたものと推察される。
なお、上記ディップ処理された補強糸層は、ディップ処理を施した補強糸を編み組みして形成された層であっても、補強糸を編み組みして形成された補強糸層にディップ処理を施したものであってもよい。
住友化学社製、エスプレン501A〔ヨウ素価:12、エチレン比率:50重量%〕
ジ-t-ブチルペルオキシ-ジイソプロピルベンゼン(日油社製、パーブチルP)
25℃での粘度が140,000mPa・sのマレイン酸変性ポリブタジエン(Cray Valley社製、RICOBOND1756)
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、エピコート828)
出光興産社製、ダイアナプロセスPW-380
JXTGエネルギー社製、コウモレックス300
接着剤によりディップ処理されたポリエチレンテレフタラート糸(帝人社製、#2545T)
ポリアミド糸(帝人社製、AKPA66)
まず、後記の表1および表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ロールを用いて混練して、ゴム層用材料を調製した。なお、同表において、上記ゴム層用材料中のマレイン酸変性ポリブタジエン(C成分)のマレイン酸変性基数(c)とエポキシ樹脂(D成分)のエポキシ基数(d)とのモル比を、「(c)/(d)」として示した。そして、このゴム層用材料をホース状に押出成形した後、この押出成形物の外周面に編組機を用いて、後記の表1および表2に示す補強糸をスパイラル状に巻き付けて補強糸層を形成した。ついで、この補強糸層の外周面に、上記ゴム層用材料を押出成形した後、これらを160℃で45分間加熱することにより、内側ゴム層(厚み2mm)の外周面に補強糸層が一体形成され、さらにこの補強糸層の外周面に外側ゴム層(厚み2mm)が一体形成されてなるホース(外径:27mm)を作製した。
上記ホースの層間接着性を評価するため、ゴム層用材料と補強糸の組合せを後記の表1および表2に示す通りとし、ゴム層用材料と、鉄板に巻きつけた補強糸を貼り合わせ、160℃で45分プレス架橋して、厚み2mmのゴム層と鉄板に巻きつけた補強糸との積層シートを作製した。
このシートを1inch幅(25.4mm幅)に裁断したものを試験用サンプルとした。
そして、上記サンプルを、JIS B 7721に準拠した引張試験機に取り付けて、ゴム層側を固定して、鉄板(補強糸層側)を毎分50mmの速度で引張り、接着力(N/inch)を測定した。
また、その際に補強糸とゴム層との剥離状態も目視により観察し、ゴム層が材料破壊されたものを「材破」、材料破壊まではいかないもののゴム層の表層部分が剥がれた状態となったものを「ゴム表層剥がれ」、補強糸とゴム層の界面が剥離したものを「界面」と表記した。
そして、接着性評価として、以下の基準で評価した。
○・・・上記接着力が100N/inch以上で、かつ、上記剥離状態が「材破」
△・・・上記接着力が90N/inchを上回るとともに100N/inch未満であり、かつ、上記剥離状態が「ゴム表層剥がれ」
×・・・上記接着力が90N/inch以下で、かつ、上記剥離状態が「界面」
これに対して、比較例1~4では、[(c)/(d)]が7/200~7/10の範囲から外れるため、接着性評価に劣る結果となった。
2 補強糸層
3 外側ゴム層
Claims (5)
- エチレン-プロピレン-ジエン系ゴム組成物からなるゴム層と、補強糸層との積層構造を有する自動車用ホースであって、
上記エチレン-プロピレン-ジエン系ゴム組成物が、下記(A)成分100重量部に対し、下記(B)成分を0.5~30重量部、下記(C)成分を1~10重量部、下記(D)成分を0.17~35.7重量部の割合で含有するとともに、上記ゴム組成物中の(C)成分のマレイン酸変性基数(c)と(D)成分のエポキシ基数(d)とのモル比[(c)/(d)]が7/200~7/10の範囲であることを特徴とする自動車用ホース。
(A)エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体。
(B)過酸化物架橋剤。
(C)マレイン酸変性ポリブタジエン。
(D)エポキシ樹脂。 - 上記ゴム層が、更にパラフィンオイルを含有するゴム組成物からなる層である、請求項1記載の自動車用ホース。
- 上記補強糸層が、接着剤によりディップ処理された補強糸層である請求項1または2記載の自動車用ホース。
- 上記補強糸層が、ポリエチレンテレフタラート糸、ポリアミド糸、およびポリビニルアルコール糸からなる群から選ばれた少なくとも一つからなる請求項1~3のいずれか一項に記載の自動車用ホース。
- 上記積層構造に加え、ホース最内層としてポリアミド樹脂層を有し、かつ上記ポリアミド樹脂層と上記ゴム層との積層構造を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車用ホース。
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JP2011111563A (ja) | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Toyoda Gosei Co Ltd | 接着剤、補強糸を備えたゴムホース及びゴムホースの製造方法 |
JP2011201074A (ja) | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Nichirin Co Ltd | フッ素ゴムと合成ゴムとの加硫接着積層体 |
JP2011235520A (ja) | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Nichirin Co Ltd | ゴム組成物−ポリアミド積層体及びこれを用いた車輌用フレキシブルホース |
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