JP3951611B2 - 自動車用ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリン燃料ホース、燃料電池車用ホース(メタノール燃料ホース、水素燃料ホース)、エンジン冷却系ホース(ラジエーターホース、ヒーターホース等)、クーラー用冷媒輸送ホース等の自動車用ホース(以下、適宜「ホース」と略す。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メタノール燃料(一部ガソリンに混合して使用する場合あり)や水素燃料を使用する車両は殆どなく、それら専用ホースについては具体的な開発が行われていなかった。しかし、次世代の自動車システムとして、メタノール燃料や水素燃料を使用する燃料電池を搭載する動きが活発であり、その燃料電池車に用いるメタノール燃料ホースや水素燃料ホース等の燃料電池車用ホースの開発ニーズが高まりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現在、自動車メーカーの燃料電池試作車におけるメタノール燃料ホースや水素燃料ホース等の燃料電池車用ホースとしては、耐メタノール透過性、耐水素透過性等の観点から、ステンレス鋼(SUS)等の金属配管を用いているため、非常に重量が重く、燃費が悪いとともに、コストが高いという難点もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、軽量で、低コストなホースの提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のホースは、下記の(A)〜(D)を必須成分とするゴム組成物からなるゴム層と、金属材層との積層構造を有するという構成をとる。
(A)エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体およびエチレン−プロピレン共重合体の少なくとも一方からなるゴム。
(B)過酸化物加硫剤。
(C)下記の一般式(1),一般式(2)および一般式(3)からなる群から選ばれた少なくとも一つの一般式で表されるレゾルシノール系化合物。
(D)下記の一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物か らなるメラミン樹脂。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0006】
すなわち、本発明者らは、軽量で、低コストなホースを得るべく鋭意研究を重ねた。まず、従来の金属配管を、金属材層とゴム層との積層構造を有するホースとすると、軽量化が図れるのではないかと想起し、ゴム材料の中でも比較的コストが安いエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(以下「EPDM」と略す)およびエチレン−プロピレン共重合体(以下「EPM」と略す)に着目した。そして、ゴム層と金属材層を接着剤を用いて接着したホースを試作したが、接着剤の塗布むら等により、ゴム層と金属材層との接着力が不充分であった。また、接着剤の塗布工程が必要であるため、製造工程が複雑でコストも高くなるとともに、接着剤のポットライフの心配や濃度管理等が必要になり、安定生産性に劣るという問題もあった。さらには、接着剤の希釈溶媒としてトルエン等の有機溶媒を使用するため、環境汚染等の問題もあった。そこで、ゴム層と金属材層との界面に接着剤を塗布することなく、ゴム層と金属材層との接着性に優れたホースを得るべく研究を重ねた。そして、EPDMに接着剤成分を練り込むことを想起し、EPDMとの接着性に優れた接着剤成分について研究開発を続けた結果、EPDMに特定の接着剤成分(レゾルシノール系化合物とメラミン樹脂)を練り込み、これを過酸化物加硫剤を用いて加硫すると、金属材層との優れた接着力が得られることを見いだし、本発明に到達した。なお、特殊なゴム組成物からなるゴム層が、金属材層との優れた接着力を有する理由は、以下のように推測される。上記レゾルシノール系化合物は主に接着剤として作用するとともに、上記メラミン樹脂は主に接着助剤として作用し、上記レゾルシノール系化合物がメラミン樹脂からCH2 Oを供与され、これが金属材と共有結合することにより、接着力が向上するものと思われる。例えば、下記の一般式(C)で表されるレゾルシノール系化合物が、メラミン樹脂からCH2 Oを供与され、下記の一般式(C′)で表される構造となり、これが金属材と共有結合して強固に接着するものと思われる。
【0007】
【化9】
【0008】
【化10】
【0009】
また、上記レゾルシノール系化合物(C)とメラミン樹脂(D)との配合比を、所定の範囲に設定すると、ゴム層と金属材層との接着力が向上する。
【0010】
さらに、レゾルシノール系化合物(C)の特定のゴム(A)に対する配合割合を所定の範囲に設定すると、ゴム層と金属材層との接着力が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明のホースとしては、例えば、図1に示すように、金属材層1の外周面に、特殊なゴム組成物からなるゴム層2が形成されたホースがあげられる。このような構成のホースは、メタノール燃料ホース、水素燃料ホース等の燃料電池車用ホースとして好適に用いられる。
【0013】
上記金属材層1用材料である金属材としては、例えば、鉄、鉄合金(SUS等)、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、チタン、銀、ニッケル等があげられる。これらのなかでも、軽量化の点で、SUSやアルミニウムが好適に用いられる。そして、上記金属材としては、より軽量化を図れる点で、金属箔(金属フィルム)等を使用することが好ましい。上記金属箔(金属フィルム)の厚みは、通常、8〜400μmの範囲であり、好ましくは15〜300μmである。また、金属材の一部または全長に蛇腹加工を施し、可撓性等を付加しても構わない。
【0014】
上記ゴム層2用材料である特殊なゴム組成物は、特定のゴム(A成分)と、過酸化物加硫剤(B成分)と、レゾルシノール系化合物(C成分)と、メラミン樹脂(D成分)とを用いて得ることができる。
【0015】
上記特定のゴム(A成分)としては、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)およびエチレン−プロピレン共重合体(EPM)の少なくとも一方が用いられる。上記EPDMは、ゴム組成物の基材として用いられるものであれば特に限定するものではないが、ヨウ素価が6〜30の範囲、エチレン比率が48〜70重量%の範囲のものが好ましく、特に好ましくはヨウ素価が10〜24の範囲、エチレン比率が50〜60重量%の範囲のものである。
【0016】
上記EPDMに含まれるジエン系モノマー(第3成分)としては、特に限定はないが、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。これらジエン系モノマー(第3成分)のなかでも、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
【0017】
上記特定のゴム(A成分)とともに用いられる過酸化物加硫剤(B成分)としては、例えば、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルペルオキシヘキサン、n−ブチル−4,4′−ジ−t−ブチルペルオキシバレレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキシン−3等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、臭気が問題ない点で、ジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好適に用いられる。
【0018】
上記過酸化物加硫剤(B成分)の配合割合は、上記特定のゴム(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、1.5〜20部の範囲が好ましい。すなわち、B成分が1.5部未満であると、架橋が不充分で、ホースの強度に劣り、逆にB成分が20部を超えると、硬くなりすぎ、ホースの柔軟性に劣る傾向がみられるからである。
【0019】
上記A成分およびB成分とともに用いられるレゾルシノール系化合物(C成分)としては、蒸散性、吸湿性、ゴムとの相溶性の点で、下記の一般式(1)〜(3)で表される変性レゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)樹脂が用いられる。このなかでも、下記の一般式(1)で表されるものが特に好ましい。
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
上記レゾルシノール系化合物(C成分)の配合割合は、上記特定のゴム(A成分)100部に対して、0.1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部である。すなわち、C成分が0.1部未満であると、金属材層との接着性に劣り、逆にC成分が10部を超えると、コストアップにつながるからである。
【0024】
上記A〜C成分とともに用いられるメラミン樹脂(D成分)としては、蒸散性、吸湿性、ゴムとの相溶性の点で、下記の一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物が用いられる。
【0025】
【化14】
【0026】
そして、上記メラミン樹脂(D成分)のなかでも、上記一般式(4)で表される化合物の混合物が好ましく、n=1の化合物が43〜44重量%、n=2の化合物が27〜30重量%、n=3の化合物が26〜30重量%の混合物が特に好ましい。
【0027】
また、上記レゾルシノール系化合物(C成分)と、メラミン樹脂(D成分)との配合比は、重量比で、C成分/D成分=1/0.5〜1/2の範囲が好ましく、特に好ましくはC成分/D成分=1/0.77〜1/1.5である。すなわち、D成分の重量比が0.5未満であると、ゴム層の引張強さ(TB)や伸び(EB)等の常態物性が若干悪くなる傾向がみられ、逆にD成分の重量比が2を超えると、接着性が飽和し接着力が安定するため、それ以上D成分の重量比を高くしても、コストアップにつながるのみで、それ以上の効果は期待できないからである。
【0028】
なお、上記特殊なゴム組成物には、上記A〜D成分に加えて、カーボンブラック、プロセスオイル等を配合することが好ましい。
【0029】
また、上記特殊なゴム組成物には、上記各成分に加えて、老化防止剤、加工助剤、架橋促進剤、白色充填剤、反応性モノマー、発泡剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。
【0030】
上記特殊なゴム組成物は、上記A〜D成分および必要に応じてその他の成分を配合し、これをロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することにより調製することができる。
【0031】
そして、前記図1に示したホースは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、長尺の金属管を準備し、その表面に上記特殊なゴム組成物を押し出し成形した後、これら全体を加硫することにより、目的とするホースを製造することができる。
【0032】
なお、上記図1に示したホースは、上記製法に限定されるものではなく、例えば、マンドレルの上に金属箔を巻き付けて金属箔の端部を長手方向に溶接した後、この表面に上記特殊なゴム組成物を押し出し成形し、これら全体を加硫することによっても目的とするホースを作製することができる。
【0033】
このようにして得られるホース各層の厚みは、ホースの用途にもより異なるが、金属材層1の厚みは、通常、8μm〜0.4mmであり、柔軟性と耐ガス透過性のバランスを考慮すると、15μm〜0.3mmの範囲が好ましい。また、ゴム層2の厚みは、通常、0.5〜4mmであり、好ましくは1〜3mmである。さらに、ホースの内径は、用途によって異なるが、通常、2〜40mmであり、好ましくは4〜35mmである。
【0034】
本発明のホースは、前記図1に示したような、金属材層1とゴム層2の2層構造に限定されるものではなく、例えば、金属材層1の内周面にフッ素系樹脂からなる最内層を形成したり、ゴム層2の外周面に他の材料からなる最外層を形成しても差し支えない。また、ホースの用途に応じて、ゴム層を内層に、金属材層を外層とすることも可能である。なお、上記金属材層1の形状も特に限定はなく、直管形状や蛇腹形状等のいかなる形状であっても差し支えない。
【0035】
本発明のホースは、各層の構成を適宜選択することにより、ガソリン燃料ホース、燃料電池車用ホース(メタノール燃料ホース、水素燃料ホース)、自動車等の車両におけるエンジンとラジエータとの接続に用いられるラジエーターホースやエンジンとヒーターコアとの接続に用いられるヒーターホース等のエンジン冷却系ホース、クーラー用冷媒輸送ホース等の自動車用ホースとして好適に用いることできる。なお、EPDMは耐ガソリン性に劣るため、ガソリン燃料ホースとして使用する場合は、特殊なゴム組成物からなるゴム層は内層以外の層(例えば、外層)として用いることが望ましい。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すゴム組成物を調製した。
【0038】
〔ゴム組成物A〕
特定のゴム(A成分)として、EPDM(住友化学工業社製、エスプレン501A)〔ヨウ素価:12、エチレン比率:50重量%、ムーニー粘度(ML1+4 100℃):43〕100部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)100部と、プロセスオイル(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−380)60部と、過酸化物加硫剤(B成分)としてジ−t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン(日本油脂社製、ペロキシモンF−40)4.2部と、レゾルシノール系化合物(C成分)として前記一般式(1)で表される変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂(住友化学工業社製、スミカノール620)1部と、メラミン樹脂(D成分)として前記一般式(4)で表されるホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物(住友化学工業社製、スミカノール507A)0.77部とを配合し、ロールを用いて混練して、ゴム組成物を調製した。
【0039】
〔ゴム組成物B〕
スミカノール620の配合割合を5部に、スミカノール507Aの配合割合を3.85部にそれぞれ変更した。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0040】
〔ゴム組成物C〕
スミカノール620の配合割合を10部に、スミカノール507Aの配合割合を3.85部にそれぞれ変更した。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0041】
〔ゴム組成物D〕
スミカノール507Aの配合割合を0.5部に変更する以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0042】
〔ゴム組成物E〕
スミカノール507Aの配合割合を2部に変更する以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0043】
〔ゴム組成物F〕
スミカノール620の配合割合を0.1部に、スミカノール507Aの配合割合を0.05部にそれぞれ変更した。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0044】
〔ゴム組成物G〕
EPDM(住友化学工業社製、エスプレン501A)に代えて、EPM(住友化学工業社製、エスプレン201)を用いる以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0045】
〔ゴム組成物a〕
スミカノール620およびスミカノール507Aをいずれも配合しなかった。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0046】
〔ゴム組成物b〕
スミカノール507Aを配合しない以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0047】
〔ゴム組成物c〕
スミカノール620を配合しないとともに、スミカノール507Aの配合割合を1部に変更した。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0048】
〔ゴム組成物d〕
過酸化物加硫剤(B成分)4.2部に代えて、加硫促進剤であるテトラメチルチウラムジスルフィド(三新化学社製、サンセラーTT)0.75部と、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(三新化学社製、サンセラーPZ)0.75部と、メルカプトベンゾチアゾール(三新化学社製、サンセラーM)0.5部と、硫黄(加硫剤)1.5部とを配合した。それ以外は、ゴム組成物Aと同様にして、ゴム組成物を調製した。
【0049】
つぎに、上記ゴム組成物を用いて、以下のようにしてホースを製造した。
【0050】
【実施例1】
まず、長尺のSUS管(内径25mm、厚み150μm)を準備し、その表面にゴム組成物Aを押し出し成形し、160℃で45分間加硫してゴム層(厚み2mm)を形成することにより、目的とするホース(図1参照)を製造した。
【0051】
【実施例2〜7、比較例1〜5】
外層用材料であるゴム組成物を、後記の表1および表2に示すゴム組成物に変更する以外は、実施例1と同様にして、ホースを製造した。なお、比較例2については、金属材層の表面に接着剤(ゴム系接着剤)を塗布した後、ゴム層を形成した。
【0052】
このようにして得られた実施例品および比較例品のホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。なお、ゴム組成物の引張強さ(TB)、伸び(EB)も併せて示した。
【0053】
〔引張強さ(TB)、伸び(EB)〕
上記ゴム組成物を160℃で45分間プレス加硫して、厚み2mmの加硫ゴムシートを作製した。ついで、JIS 5号ダンベルを打ち抜き、JIS K 6301に準じて、引張強さ(TB)および伸び(EB)を評価した。なお、引張強さ(TB)および伸び(EB)については、値が大きい程良好である。
【0054】
〔接着性〕
上記ホースから接着評価用試料(幅20mm、長さ100mm)を切り出し、これを引張試験機(JIS B 7721)に取り付けて、ゴム層側を固定して金属材層側を毎分50mmの速度で引張り、接着力(kg/25mm)を評価した。また、その際にゴム層と金属材層の剥離状態も目視により観察し、ゴム層が破壊したものを○、界面が剥離したものを×として評価した。
【0055】
〔総合評価〕
ゴム層と金属材層との界面への接着剤の塗布が不要で、かつ、ゴム層と金属材層との接着力に優れるものを○、ゴム層と金属材層との界面に接着剤を塗布したにもかかわらず、ゴム層と金属材層との接着力に劣るもの、あるいはゴム層と金属材層との界面への接着剤の塗布が不要であるがゴム層と金属材層との接着力に劣るものを×として、総合評価した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
上記結果から、全実施例品のホースは、レゾルシノール系化合物とメラミン樹脂とを併用してなる特殊なゴム組成物を用いているため、ゴム層と金属材層との接着力が極めて高いことがわかる。
【0059】
これに対して、比較例1品のホースは、接着剤成分を含有しないゴム組成物aを用いているため、接着力が極めて低いことがわかる。比較例2品のホースは、金属材層とゴム層の界面に接着剤を塗布しているが、実施例品のホースに比べて、接着力が低く、界面剥離が生じることがわかる。比較例3品のホースは、レゾルシノール系化合物のみを配合し、メラミン樹脂を配合していないゴム組成物bを用いているため、接着力が低く、界面剥離が生じることがわかる。比較例4品のホースは、メラミン樹脂のみを配合し、レゾルシノール系化合物を配合していないゴム組成物cを用いているため、接着力が低く、界面剥離が生じることがわかる。比較例5品のホースは、接着剤成分を含有しているが、過酸化物加硫剤ではなく硫黄系加硫剤を含有するゴム組成物を用いているため、接着力が低く、界面剥離が生じることがわかる。この理由は、硫黄系加硫剤は過酸化物加硫剤に比べて加硫速度が速く、金属材層と接着する前にゴム層自身が加硫するため、接着力に劣るものと推測される。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明のホースは、特殊なゴム組成物からなるゴム層と、金属材層との積層構造を有するため、従来の金属配管に比べて、低コストで軽量化を図ることができる。したがって、本発明のホースを、例えば、燃料電池車用ホース等の自動車用ホースに用いた場合は、ホースの軽量化による燃費の向上を図ることができるとともに、ゴム層を用いることにより車両の振動を吸収することもできる。加えて、ゴム層自身が接着性を備えるため、ゴム層と金属材層の界面に接着剤を塗布しなくても、ゴム層と金属材層との接着性に優れている。また、接着剤の塗布工程が不要(いわゆる接着剤レス)であるため、接着剤のポットライフの心配や濃度管理等も不要で、安定生産性に優れるとともに、接着剤の希釈溶媒である有機溶媒を使用することもないため、環境汚染等の問題もない。さらに、従来の硫黄加硫系ではなく、過酸化物加硫剤を用いて加硫するものであるため、酸化亜鉛の配合を不要化(亜鉛フリー化)することができ、例えば、ゴム層をホース内層として用いた場合でも、ホース目詰まりやシール部での液洩れ等のホース不具合を解消することができる。
【0061】
そして、上記レゾルシノール系化合物(C)とメラミン樹脂(D)との配合比を、所定の範囲に設定すると、ゴム層と金属材層との接着力が向上する。
【0062】
さらに、レゾルシノール系化合物(C)の特定のゴム(A)に対する配合割合を所定の範囲に設定すると、ゴム層と金属材層との接着力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホースの一例を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1 金属材層
2 ゴム層
Claims (3)
- 上記(C)と(D)との重量混合比が、(C)/(D)=1/0.5〜1/2の範囲に設定されている請求項1記載の自動車用ホース。
- 上記(C)の配合割合が、上記(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲に設定されている請求項1または2記載の自動車用ホース。
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