以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
(全体構成例)
図1は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムの全体構成の一例を説明する概念図である。例えば、会議支援システム1は、図示するように、会議支援装置の例であるサーバ10と、1つ又は複数の端末11とを有する構成である。また、サーバ10及びそれぞれの端末11は、ネットワーク12を介して接続される。なお、サーバ10及び端末11は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置であり、例えば、以下のようなハードウェア構成である。
(ハードウェア構成例)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。例えば、サーバ10及び端末11は、CPU(Central Processing Unit)10H1と、I/F(interface)10H2と、出力装置10H3とを有する。また、サーバ10及び端末11は、入力装置10H4と、HD(Hard Disk)10H5と、記憶装置10H6とを有する。さらに、各ハードウェアは、バス(bus)10H7を介して接続される。なお、サーバ10及び複数の端末11は、同一のハードウェア構成でも、異なるハードウェア構成でもよい。以下、サーバ10及び複数の端末11が同一のハードウェア構成である例とし、サーバ10を例に説明する。
CPU10H1は、各種処理及び各種データの加工を実現するための演算を行う演算装置並びに各ハードウェア等を制御する制御装置である。なお、サーバ10は、演算装置又は制御装置を複数有してもよい。
I/F10H2は、例えば、コネクタ及び処理IC(Integrated Circuit)等である。例えば、I/F10H2は、ネットワーク等を介して外部装置とデータを送受信する。
出力装置10H3は、表示画面及びGUI(Graphical User Interface)等を表示するディスプレイ等である。
入力装置10H4は、ユーザによる操作等を入力するタッチパネル、キーボード、マウス、マイク又はこれらの組み合わせ等である。なお、マイクは、音源の方向がわかる、いわゆる指向性のマイクであるのがより望ましい。
HD10H5は、補助記憶装置の一例である。すなわち、HD10H5は、処理に用いるプログラム、ファイル又は各種設定等のデータを記憶する。
記憶装置10H6は、いわゆるメモリ(memory)等である。すなわち、記憶装置10H6には、HD10H5が記憶するプログラム又はデータ等が読み出される。
(機能構成例)
図3は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムの機能構成の一例を説明する機能ブロック図である。例えば、会議支援システム1は、入力部1F1と、制御部1F2と、記憶部1F3と、出力部1F4とを備える。
例えば、会議支援システム1において、入力部1F1及び出力部1F4は、端末11(図1)がそれぞれ有する。そして、制御部1F2及び記憶部1F3は、サーバ10(図1)が有する。なお、図示する各部は、端末11又はサーバ10のどちらが有してもよい。
入力部1F1は、会議で発言された発言内容を入力する。例えば、入力部1F1は、入力装置10H4(図2)等によって実現される。
制御部1F2は、各処理を実現するように制御を行う。具体的には、制御部1F2は、判断部1F21を有する。また、図示するように、制御部1F2は、装飾部1F22と、時間管理部1F23と、発言者判断部1F24とを有してもよい。例えば、制御部1F2は、CPU10H1(図2)等によって実現される。
記憶部1F3は、あらかじめ入力されるデータ等を記憶する。そして、記憶部1F3は、データベース等を実現する。また、記憶部1F3は、発言内容を記憶する。例えば、記憶部1F3は、HD10H5(図2)及び記憶装置10H6(図2)等によって実現される。
出力部1F4は、会議内容を表示又は印刷等して、会議の参加者等に、議事録、評価結果、要約、発言内容、判断結果又はこれらの組み合わせ等の会議内容をあらかじめ設定される態様で出力する。例えば、出力部1F4は、出力装置10H3(図2)等によって実現される。
まず、会議支援システム1は、会議中に、発言内容を発言した人物(以下「発言者」という。)又は議事録係等によって、会議に発言された発言内容が入力部1F1によって入力される。具体的には、発言内容は、例えば、キーボード等によって、テキスト形式で入力される。なお、発言内容は、参加者が口頭で述べた内容を後からキーボード等で入力した内容でもよい。他にも、チャット等を利用して遠隔地同士でのオンライン会議等において、参加者が発言したい内容をキーボードで入力する場合には、発言内容は、チャット等において入力された内容でもよい。すなわち、発言内容は、口頭で発言された内容に限られない。つまり、発言内容は、口頭で述べられず、キーボード等で入力される内容でもよい。
他にも、発言内容は、マイク等によって、音声で入力されてもよい。つまり、音声で発言内容が入力される場合には、会議支援システム1は、入力される音声を音声認識して、テキストデータ等を生成してもよい。また、発言内容は、電子黒板やタブレット端末等に手書きで入力されたものであってもよい。つまり、手書き文字で発言内容が入力される場合には、会議支援システム1は、入力される手書き文字をOCR認識等して、テキストデータ等を生成してもよい。
なお、参加者から、発言者が誰であるかを発言者判断部1F24が特定する場合には、発言者判断部1F24は、複数の指向性のマイク等を用いて、音声の発生源があると判断できる方向と、発言者とを紐づけて、参加者の中から発言者を特定してもよい。又は、発言者判断部1F24は、入力される音声データを音声認証して、認証結果に基づいて、発言者を特定してもよい。他にも、発言者判断部1F24は、ネットワーク12(図1)に接続されるカメラ等によって発言者を撮影して、撮影される画像を用いて顔認証を行うことで、発言者を特定してもよい。
また、入力部1F1等によって、発言内容が誰の発言であるかを特定できる情報が入力されてもよい。具体的には、例えば、まず、キーボードが有する複数のファンクションキー(「F1」乃至「F12」)に、それぞれ発言者情報があらかじめ割り当てられる。そして、発言内容が入力される際には、入力の際に、ファンクションキーが押下されると、発言内容に、会議支援システム1によって発言者情報が付与されてもよい。このようにして、発言内容と、発言者とが紐づけられてもよい。
次に、会議支援システム1は、判断部1F21によって、入力された発言の種類を判断する。具体的には、発言の種類は、例えば、「提案」、「質問」、「回答」、「ポジティブな意見」、「ネガティブな意見」、「中立な意見」、「情報」、「要求」、「課題」、「アクションアイテム」(以下「A.I.」という場合もある。)及び「決定事項」等である。以下、このような発言の種類に、発言内容を分類する場合を例に説明する。
まず、会議支援システム1には、発言の種類を判断するために、あらかじめ発言の種類ごとに定義される表現が、記憶部1F3に記憶される。また、表現とは、文言、語句又は言い回し等であり、記憶部1F3には、発言の種類と、その発言の種類に特有の表現とが関連付けて記憶される。そして、入力部1F1によって、発言内容が入力されると、判断部1F21は、発言内容に、記憶部1F3に記憶される表現が含まれるか否か判断する。続いて、発言内容に、記憶部1F3に記憶される表現が含まれると、判断部1F21は、発言の種類のうちから該当する種類を特定する。このようにすると、会議支援システム1は、会議で発言された発言内容の発言の種類を判断することができる。
また、出力部1F4は、会議内容を出力する。例えば、出力部1F4は、判断部1F21によって判断された発言の種類に基づいて、発言内容を装飾して表示する。
(入力及び出力例)
会議支援システムは、例えば、以下のような画面を各端末がそれぞれ表示して、各処理を行う。
図4は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示される画面の一例を示す図である。例えば、各端末のそれぞれの画面に表示される画面は、図示するような表示及びGUI等を有する。以下、図示する画面を例に説明する。
この例では、画面には、議題301と、会議の目的、すなわち、ゴール302とが、出力部によって表示される。なお、議題301及びゴール302が会議中に表示されると、参加者の認識及び議論のベクトルを合わせること等ができる。そのため、会議支援システムは、会議の脱線等を少なくすることができる。また、議題301及びゴール302は、例えば、以下のようにして、会議が行われる前又は会議の冒頭等に、あらかじめ設定される。
図5は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムに議題及びゴール等を設定するための設定画面の一例を示す図である。例えば、図示するような設定画面が、会議の冒頭に、会議支援システムによって表示される。なお、設定画面によって、以下に示す各設定が行われた後、スタートボタン505が押下されると、設定が完了する。つまり、スタートボタン505が押下された後に、図4に示す画面等が会議支援システムによって表示される。
図示するように、参加者によって、議題設定テキストボックス501に議題が入力される。さらに、参加者によって、議題設定テキストボックス501に入力されるそれぞれの議題に対して、それぞれのゴールが設定される。なお、ゴールは、例えば、ゴール設定テキストボックス502に入力される。このように、議題設定テキストボックス501及びゴール設定テキストボックス502に入力される議題及びゴールが、会議支援システムによって、図4に示すように、議題301及びゴール302となって表示される。
また、会議の開催前に、事前に開催通知等が作成される場合がある。このような場合には、開催通知に記載された議題及びゴールが、会議支援システムによって、図4に示すように、議題301及びゴール302となって表示されてもよい。このように、開催通知等が会議の参加者にあらかじめ通知されると、参加者は、事前に準備を行うことができるため、会議がより効率化できる。また、開催通知等が会議の参加者にあらかじめ通知されると、参加者は、参加の要否が判断できるため、無駄な会議への参加を回避することができる。
図4に戻り、画面には、現在時刻306、時間配分307及び進捗状況308等が、会議支援システムによって表示される。なお、現在時刻306は、あらかじめ設定される時刻又はネットワーク等を介して取得される時刻を示すデータ等に基づいて、表示される。さらに、時間配分307は、あらかじめ設定される議題ごとの予定時間に基づいて表示される。例えば、議題ごとのそれぞれの予定時間は、図5に示す予定時間設定テキストボックス503に入力される。また、進捗状況308は、会議開始時刻から、現在時刻306までに経過した時間に基づいて、図示するように、経過した時間の割合等を示す表示、いわゆるプログレスバー等によって表示される。
また、時間管理部1F23(図3)及び出力部1F4(図3)によって、以下のような表示が行われてもよい。例えば、会議支援システムは、会議全体又は議題ごとのそれぞれの終了予定時刻が近づくと、残り時間を表示したり、会議のまとめを促すアラートを表示したりしてもよい。例えば、図4に示す画面を用いる例では、以下のような表示が会議支援システムによって行われる。
図6は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示される画面にアラート及び残り時間が表示される例を示す図である。図示するように、残り時間401及びアラート402等が、会議支援システムによって表示されてもよい。図示する例では、残り時間401は、現在時刻から会議全体の終了予定時刻までの時間が「10分以下」となったことを示す表示の例である。また、アラート402は、会議の残り時間が少なくなってきたため、会議の結論を出す等のまとめを行うよう参加者に通知する表示の例である。このような表示がされると、参加者は、議論をまとめる時間が確保しやすくなる。そのため、会議支援システムは、議論に熱中するあまり、時間切れになってしまい、会議の結論又はアクションアイテム等が曖昧になるのを少なくできる。
なお、アラート及び残り時間は、図示する形式で出力されるに限られない。例えば、出力は、音声等を利用してもよい。
図4に戻り、画面には、発言内容303が表示される。なお、発言内容303には、判断部1F21(図3)による判断結果に基づいて、装飾が行われる。例えば、図示するように、各発言内容には、「Q:」、「A:」、「提案:」、「意見(P):」、「意見(N):」、「情報:」、「議題:」及び「A.I.候補:」のように、それぞれの発言の種類を示す表示が、文頭又は文末等に付加されて、発言内容が表示される。なお、装飾は、各発言の種類が分別できればよい。例えば、装飾は、色分け、斜体及びボールド体等の文字飾り、フォントの種類、文末若しくは文頭に文字等の付加又はこれらの組み合わせ等である。なお、どのように装飾されるかは、会議支援システムにあらかじめ設定できる。具体的には、例えば、「ポジティブな意見」と判断される発言内容は、青字で表示され、かつ、「意見(P)」の表示が文頭に付加されるように設定される。他にも、「ネガティブな意見」及び「課題」と判断される発言内容は、赤字で表示され、かつ、「意見(N)」及び「課題」の表示がそれぞれの文頭に付加されるように設定される。このように、発言の種類が装飾によって示されると、参加者は、会議における重要箇所、議論の内容及び会議の傾向等を直感的に把握することができる。なお、装飾は、サーバ10(図1)で処理されてもよいし、端末11(図1)にインストールされるブラウザによって、処理されてもよい。
さらに、発言者が特定される場合には、図示するように、発言者が会議支援システムによって表示されてもよい。図示する例では、発言者の氏名が、かっこ書きで表示される例である。なお、発言者は、図示する以外の形式で表示されてもよい。また、発言者の候補となる人物、すなわち、参加者は、例えば、図5に示す設定画面で、参加者設定テキストボックス504にあらかじめ設定される。また、図4に示すように、参加者設定テキストボックス504に設定された参加者は、会議支援システムによって、参加者表示305のように表示される。
なお、図示する例は、参加者表示305に表示されるそれぞれの参加者に対して、ファンクションキーが紐付けられるように設定される例である。例えば、図示する例では、参加者の1人である「佐藤」が発言した場合には、「佐藤」が発言した発言内容を発言内容入力テキストボックス304に入力する際に、ファンクションキー「F2」が押下されると、入力された発言内容と、発言者情報である「佐藤」とが紐付けされる。すなわち、図示する例では、発言内容入力テキストボックス304に発言内容を入力する際にファンクションキー「F2」が押下されると、会議支援システムは、入力された発言内容に「(佐藤)」を付加して表示する。
また、発言の種類は、例えば、以下に示すような処理によって判断される。以下、発言の種類が「質問」、「回答」、「提案」、「課題」及び「意見」である例で説明する。
図7は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる発言内容の種類を判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS01では、会議支援システムは、質問フラグを初期化する。具体的には、会議支援システムは、質問フラグに「FALSE」を設定する。なお、質問フラグは、直前に入力された発言内容の発言の種類が「質問」であるか否かを示すデータの例である。以下、質問フラグが「FALSE」であると、直前に入力された発言内容の発言の種類は、「質問」以外の発言の種類であることを示すとする。一方で、質問フラグが「TRUE」であると、直前に入力された発言内容の発言の種類は、「質問」の発言の種類であることを示すとする。
ステップS02では、会議支援システムは、発言内容を入力する。具体的には、会議支援システムは、入力部1F1(図3)によって、発言内容を入力する。すなわち、図4に示す例では、発言内容入力テキストボックス304に発言内容がテキスト等で入力される。
ステップS03では、会議支援システムは、質問フラグが「TRUE」であるか否か判断する。次に、質問フラグが「TRUE」であると(ステップS03でYES)、会議支援システムは、ステップS04に進む。一方で、質問フラグが「TRUE」でない、すなわち、「FALSE」であると(ステップS03でNO)、会議支援システムは、ステップS05に進む。
ステップS04では、会議支援システムは、発言内容の発言の種類が「回答」であると判断する。なお、「回答」は、「質問」の発言の種類に該当する発言内容に対して返す発言内容等である。そのため、「回答」は、自由な表現が許される。すなわち、「回答」に対して、あらかじめ「回答」と判断できる表現が設定できない場合がある。そこで、図示するステップS03のように、会議支援システムは、直前の発言内容が「質問」であるか否か、すなわち、質問フラグによって、発言内容の発言の種類が「回答」であるか否かを判断する。つまり、直前の発言内容が「質問」であった場合には、会議支援システムは、次の発言内容の発言の種類を「回答」と判断する。一方で、直前の発言内容が「質問」以外であった場合には、会議支援システムは、次の発言内容の発言の種類を「回答」以外と判断する。このようにして、会議支援システムは、「回答」の発言内容を分類する。また、ステップS04では、会議支援システムは、質問フラグを「FALSE」と設定する。
ステップS05では、会議支援システムは、発言内容が「質問」の表現を含むか否かを判断する。例えば、会議支援システムは、発言内容の助動詞部分等によって、発言内容の発言の種類を判断する。具体的には、まず、例えば、「?」、「~なのか?」又は「~ないか?」等の表現があらかじめ記憶部1F3(図3)に記憶される。次に、判断部1F21(図3)によって、会議支援システムは、入力部1F1(図3)により入力される発言内容の全部又は一部と、記憶される表現とが一致するか否か判断する。すなわち、判断は、いわゆるパターンマッチング等によって実現される。
次に、ステップS05で発言内容が「質問」の表現を含むと判断されると(ステップS05でYES)、会議支援システムは、ステップS06に進む。一方で、ステップS05で発言内容が「質問」の表現を含まないと判断されると(ステップS05でNO)、会議支援システムは、ステップS08に進む。
ステップS06では、会議支援システムは、発言内容の発言の種類を「質問」と判断する。
ステップS07では、会議支援システムは、質問フラグに「TRUE」を設定する。
ステップS08では、発言内容が「提案」の表現を含むか否かを判断する。例えば、会議支援システムは、「質問」と同様に、発言内容の助動詞部分等によって、発言内容の発言の種類を判断する。具体的には、まず、例えば、「~すべき」又は「~した方がよい」等の表現があらかじめ記憶部1F3(図3)に記憶される。次に、判断部1F21(図3)によって、会議支援システムは、入力部1F1(図3)により入力される発言内容の全部又は一部と、記憶される表現とが一致するか否か判断する。
次に、ステップS08で発言内容が「提案」の表現を含むと判断されると(ステップS08でYES)、会議支援システムは、ステップS09に進む。一方で、ステップS08で発言内容が「提案」の表現を含まないと判断されると(ステップS08でNO)、会議支援システムは、ステップS10に進む。
ステップS09では、会議支援システムは、発言内容の発言の種類を「提案」と判断する。
ステップS10では、発言内容が「課題」の表現を含むか否かを判断する。例えば、会議支援システムは、「質問」と同様に、発言内容の助動詞部分等によって、発言内容の発言の種類を判断する。具体的には、まず、例えば、「~する必要がある」又は「~しないといけない」等の表現があらかじめ記憶部1F3(図3)に記憶される。次に、判断部1F21(図3)によって、会議支援システムは、入力部1F1(図3)により入力される発言内容の全部又は一部と、記憶される表現とが一致するか否か判断する。
次に、ステップS10で発言内容が「課題」の表現を含むと判断されると(ステップS10でYES)、会議支援システムは、ステップS11に進む。一方で、ステップS10で発言内容が「課題」の表現を含まないと判断されると(ステップS10でNO)、会議支援システムは、ステップS12に進む。
ステップS11では、会議支援システムは、発言内容の発言の種類を「課題」と判断する。
ステップS12では、会議支援システムは、発言内容の発言の種類を「意見」と判断する。
以上のように、ステップS02乃至ステップS12が、発言内容ごとに繰り返し行われる。このような処理を行うことで、会議支援システムは、発言内容の発言の種類を判断することができる。
また、会議支援システムは、要約を表示してもよい。例えば、以下のように操作が行われると、会議支援システムは、要約及び全文を切り替える。
図8は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる要約及び全文を切り替えるための画面の一例を示す図である。図示する画面は、会議中に表示される画面の例である。図示する「重要文抽出表示」と表示されている要約指示ボタンBN1が押下されると、会議支援システムは、要約を表示するように画面を切り替える。
図9は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる要約及び全文を切り替える処理の一例を示すフローチャートである。会議支援システムは、図示するような処理を行って、要約を生成する。以下、発言の種類が、「提案」、「質問」、「回答」、「ポジティブな意見」、「ネガティブな意見」、「中立な意見」、「情報」、「要求」、「課題」、「アクションアイテム」及び「決定事項」等である。
ステップS21では、会議支援システムは、要約フラグを初期化する。具体的には、会議支援システムは、要約フラグに「FALSE」を設定する。なお、要約フラグは、入力された発言内容のうち、重要部分を抽出して要約を表示するか、すべての発言内容を示す全文を表示するかを切り替えるフラグである。以下、要約フラグが「FALSE」であると、会議支援システムは、全文を表示する設定がされているとする。一方で、要約フラグが「TRUE」であると、会議支援システムは、要約を表示する設定がされているとする。
ステップS22では、会議支援システムは、要約指示ボタンBN1(図8)が押下されるのを受け付ける。この要約指示ボタンBN1が押下されるたびに、全文及び要約が切り替わる。
ステップS23では、会議支援システムは、要約フラグが「TRUE」であるか否か判断する。次に、要約フラグが「TRUE」であると判断されると(ステップS23でYES)、会議支援システムは、ステップS24に進む。一方で、要約フラグが「TRUE」でない、すなわち、「FALSE」であると判断されると(ステップS23でNO)、会議支援システムは、ステップS26に進む。
ステップS24では、会議支援システムは、全文を表示する。具体的には、例えば、図8に示す画面が、会議支援システムによって、表示される。すなわち、全文では、会議支援システムは、入力される発言内容のうち、全種類の発言内容を表示する。
ステップS25では、会議支援システムは、要約フラグを「FALSE」と設定する。
ステップS26では、会議支援システムは、要約を表示する。具体的には、例えば、以下に示すような画面が、会議支援システムによって、表示される。
図10は、本発明の第1実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示される要約を示す画面の一例を示す図である。図8に示す画面と比較すると、図10に示す画面では、要約表示ABSが表示される点が異なる。
要約は、入力される発言内容のうち、重要な発言内容を抽出した結果である。発言内容が重要な発言内容であるか否かは、あらかじめ設定される重要とする発言内容の種類であるか否かで判断される。例えば、要約は、入力される発言内容の全種類のうち、「提案」、「課題」及び「アクションアイテム」と判断される発言の種類の発言内容が抽出された結果である。すなわち、要約は、入力される発言内容のうち、所定の発言の種類の発言内容を会議支援システムが抽出して生成される議事録である。なお、図示する例は、図8に示す全文から、「課題」及び「アクションアイテム」と判断される発言の種類の発言内容が、会議支援システムによって抽出され、要約が生成された例である。図示するように、会議支援システムは、対象となる発言の種類の発言内容を表示し、それ以外の発言の種類の発言内容を非表示にする。すなわち、図10に示す要約が表示されると、参加者は、アクションアイテムを作りやすい。このように、要約が表示されると、会議のポイントを参加者がおさらいできる。そのため、会議支援システムは、取りこぼしがなく、課題、アクションアイテム又は決定事項等を参加者に整理させることができる。このようにして、会議支援システムは、会議を効率化できる。
図9に戻り、ステップS27では、会議支援システムは、要約フラグを「TRUE」と設定する。
以上のように、ステップS22乃至ステップS27が、会議支援システムによって繰り返し行われる。このような処理を行うことで、会議支援システムは、全文及び要約を切り替えて表示することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、例えば、第1実施形態と同様の全体構成及びハードウェア構成によって実現される実施形態である。したがって、全体構成及びハードウェア構成の説明は、省略し、異なる点を中心に以下説明する。第2実施形態は、第1実施形態と機能構成が異なる。
図11は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る会議支援システムの機能構成の一例を説明する機能ブロック図である。図3と比較すると、図11に示す機能構成は、制御部1F2が、コスト計算部1F31と、評価部1F32とを備える点が異なる。
また、図示するように、会議支援システム1は、翻訳処理部1F5を更に備える構成であるのが望ましい。
コスト計算部1F31は、参加者の人件費に基づいて、会議が行われたことによって発生するコストを計算する。
評価部1F32は、会議が行われた時間、発言内容の数、発言の種類及び発言の種類の割合等に基づいて、会議を評価する。
コスト計算部1F31によるコストの計算及び評価部1F32による評価は、例えば、図4に示す「まとめ/保存用画面へ」のボタンであるまとめボタン309が押下された場合又は図6に示すようにアラート402が表示された場合等に行われる。例えば、会議システムは、以下のようなまとめ画面を表示する。
図12は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示されるまとめ画面の一例を示す図である。図示する画面の例では、議題表示801には、開催通知又は会議の冒頭で議題設定テキストボックス501(図5)等によって設定される議題が、会議支援システムによって表示される。さらに、図示する画面の例では、ゴール表示802には、開催通知又は会議の冒頭でゴール設定テキストボックス502(図5)等によって設定されるゴールが、会議支援システムによって表示される。
議題表示801及びゴール表示802に表示される内容に基づいて、結論入力テキストボックス803に議論に対する結論が入力される。また、議題表示801及びゴール表示802に表示される内容に基づいて、アクションアイテム入力テキストボックス804に会議において決定されたアクションアイテムが入力される。なお、アクションアイテムに対しては、日付、すなわち、期限等が設定されてもよい。他にも、アクションアイテムに対しては、担当者が設定されてもよい。また、アクションアイテム入力テキストボックス804には、会議支援システムが、「アクションアイテム」と判断した発言内容をアクションアイテムの候補として表示してもよいし、「アクションアイテム」と判断された発言内容を後述する文圧縮した文又は文末の表現を整形したシンプルな表現にした文をアクションアイテムの候補として表示してもよい。
また、会議支援システムは、コスト計算部1F31(図11)によるコストの計算及び評価部1F32(図11)による評価を例えば以下のような評価画面で表示する。
図13は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示される評価画面の一例を示す図である。例えば、会議支援システムは、会議におけるコスト及び評価結果を図示するように点数及び金額等で表示する。
会議点数901は、達成度評価点902、会議時間評価点903、活性度評価点904及び前向き度評価点905のそれぞれの点数を合計した総合的な点数である。
達成度評価点902は、議題設定テキストボックス501(図5)等によって設定されるそれぞれの議題について、あらかじめ設定されるゴールに対して結論がそれぞれ入力されたか否かの評価結果である。例えば、議題設定テキストボックス501(図5)等によって議題が4つ設定された場合であって、4つの議題に対して入力された結論が2つであると、会議支援システムは、達成度評価点902を満点の半分とする。
会議時間評価点903は、開催通知又は予定時間設定テキストボックス503(図5)等によって設定される予定時間と、会議が行われた時間とを比較した評価結果である。例えば、会議が行われた時間が予定時間よりも短いと、会議時間評価点903は、高くなる。一方で、会議が行われた時間が予定時間よりも長いと、会議時間評価点903は、低くなる。
活性度評価点904は、発言内容の数又は単位時間あたりの発言内容の数等に基づいて評価された評価結果である。例えば、発言内容の数又は単位時間あたりの発言内容の数等が多いと、活性度評価点904は、高くなる。一方で、発言内容の数又は単位時間あたりの発言内容の数等が少ないと、活性度評価点904は、低くなる。このため、活性度評価点904が低い場合には、会議が不要である情報共有の場となっている可能性又は議題に関係の無い人が集められていることによっていわゆる内職が行われている可能性がある。そこで、会議支援システムは、これらの可能性をフィードバックすることで、会議の運営の改善を促すことができる。
前向き度評価点905は、判断部1F21(図11)によって判断される発言の種類及び発言の種類の割合に基づいて評価された評価結果である。例えば、「提案」と評価される発言内容の種類の割合が高いと、前向き度評価点905は、高くなる。一方で、「提案」と評価される発言内容の種類の割合が低いと、前向き度評価点905は、低くなる。このため、前向き度評価点905が低い場合には、会議が、評論及びコメント等が多く、結論に近づかない会議である可能性がある。そこで、会議支援システムは、この可能性を示唆し、ゴールに向けて建設的な意見を出すよう促すことができる。
会議支援システムは、評価部1F32(図11)によって、上記の評価を行う。次に、会議支援システムは、出力部1F4(図11)によって、評価結果を画面等に出力することで、参加者に客観的な会議に対する評価結果をフィードバックすることができる。このように、フィードバックがされると、会議支援システムは、会議のどのあたりに問題がありそうか等を参加者に示唆したり、会議が行われた時間等を参加者に意識させたりすることができる。これによって、会議支援システムは、参加者に、会議に参加させるメンバ又は進め方等を再考させることができる。
なお、各評価結果、発言内容の数及び発言の種類等は、会議中に会議支援システムによって表示されてもよい。例えば、図4に示す例では、評価結果等は、評価表示310のように表示されてもよい。すなわち、評価結果等は、会議中にリアルタイムに表示されてもよい。このようにすると、会議支援システムは、例えば、発言が少ない人に発言を促すこと等ができる。
また、会議支援システムは、評価において、「課題」及び「提案」等であると判断される発言内容に対して、重み付けを行ってもよい。このようにして、会議支援システムは、「課題」及び「提案」等の発言の種類となる発言内容を多く参加者に発言させるよう促すことができる。ゆえに、会議支援システムは、より有益な議論を促すことができる。
他にも、評価画面では、会議支援システムは、コストの計算結果等を表示してもよい。例えば、コストは、コスト計算部1F31(図11)によって、会議時間906及び参加者のそれぞれの人件費等に基づいて計算される。計算されたコストは、例えば、コスト表示907等のように表示される。
コストを計算するには、まず、会議支援システムには、参加者の単位時間あたりの人件費が入力される。なお、人件費は、参加者全員で一律固定でもよいし、役職ごとに設定されてもよい。他にも、人件費は、実際の給与等に基づいて設定されてもよい。
次に、会議支援システムは、会議開始時刻から会議が終了するまでに経過した時間を計測し、計測結果を会議時間906に表示する。そして、会議支援システムは、それぞれの参加者の単位時間あたりの人件費に、会議時間906を乗算し、各参加者のコストをそれぞれ計算する。次に、会議支援システムは、各参加者のそれぞれのコストを総和し、計算結果をコスト表示907に表示する。
また、評価画面では、参加者ごとに評価結果が、会議支援システムによって表示されてもよい。例えば、参加者ごとの評価結果は、貢献度表示908等のように表示される。
貢献度表示908は、例えば、判断部1F21(図11)によって判断される発言の種類及び発言内容の数等に基づいて、参加者ごとのそれぞれの評価結果を示す。なお、発言内容は、図3に示す発言者判断部1F24等によってそれぞれの発言内容を発言した参加者に紐づけられている。
貢献度表示908は、例えば、以下のようにして会議支援システムによって計算される。まず、参加者は、「中立的な意見」を「1ポイント」とし、「課題」及び「提案」を「5ポイント」とする等のように、会議の目的に合わせて重要と考えられる発言の種類に重みを設定する。なお、会議支援システムには、「課題」及び「提案」等の建設的な意見等の重みが大きくなるような設定がされるのが望ましい。このように設定されると、会議支援システムは、問題解決に向けて有益な議論を促すことができる。
次に、会議支援システムは、判断部1F21(図11)による判断結果と、発言内容の数との積によって参加者ごとに評価を行う。この評価によって計算される値が、貢献度表示908に図示する「貢献度」及び「獲得ポイント」である。このように、「貢献度」等が、会議支援システムによって、参加者にフィードバックされると、参加者は、会議に参加させるメンバを見直すのに「貢献度」等を用いることができる。ゆえに、会議支援システムは、より有益な議論を促すことができる。また、不要なメンバが参加者となるのを少なくできるため、会議支援システムは、会議にかかるコストを削減することができる。
なお、上記に示す各画面は、図1に示すネットワーク12に接続される各端末11でリアルタイムに共有化されてもよい。このようにすると、ディスプレイのない場所で会議が行われても、ノートPC等の端末11を参加者が持ち寄れば、各参加者は、上記の各画面を見て会議を行うことができる。
また、発言内容等は、各端末11から共同で編集できてもよい。例えば、サーバ10は、画面に表示する内容等を例えばHTML(Hyper Text Markup Language)ファイル等にして、それぞれの端末11に送信する。次に、発言内容等が入力され、サーバ10に発言内容等を示すデータが送信されると、サーバ10は、新たな発言内容等を反映させたHTMLファイルをそれぞれの端末11に送信する。
さらに、リアルタイム共有には、例えば、WebSocket等といった双方向通信用のプロトコルが利用される。WebSocketは、"https://ja.wikipedia.org/wiki/WebSocket"等に開示されているプロトコルである。
なお、画面に表示される言葉は、翻訳処理が施されてもよい。例えば、発言内容等が入力され、サーバ10に発言内容等を示すデータが送信されると、サーバ10は、発言内容を翻訳し、翻訳前の発言内容と、翻訳後の発言内容とを示すHTMLファイルを生成する。続いて、サーバ10は、翻訳前の発言内容と、翻訳後の発言内容とを示すHTMLファイルをそれぞれの端末11に送信する。このようにすると、異言語の参加者であっても、会議支援システムは、ミスコミュニケーションが少なくなるようにできる。
翻訳処理は、翻訳処理部1F5(図11)によって実現される。翻訳処理部1F5は、例えば、以下に示す翻訳部、翻訳言語設定部及び翻訳結果記憶処理部等を有する機能構成である。具体的には、特開2015-153408号公報等によって開示される方法で、翻訳処理は、実現される。なお、翻訳処理部1F5は、例えば、CPU10H1(図2)等によって実現される。
まず、翻訳言語設定部によって、参加者が発言する言語(以下「入力言語」という。)と、入力言語を翻訳した後の言語(以下「翻訳言語」という。)とが、ユーザの操作に基づいて設定される。
そして、翻訳部は、入力言語で入力された発言内容に対して、言語モデル及び単語辞書を参照して、品詞分解処理及び構文解析を行う。このようにして、翻訳部は、入力言語で入力された発言内容を翻訳言語に翻訳する。
次に、翻訳結果記憶処理部は、翻訳部が翻訳によって生成した翻訳言語の文字等をテキストファイル等によって記憶する。そして、会議支援システムは、翻訳結果記憶処理部が記憶する翻訳言語の文字等を出力してもよい。
また、各端末11は、ユーザ認証を行ってもよい。例えば、ユーザ認証は、画面に表示されるユーザ名の入力テキストボックスにユーザ名を入力して行われる。他にも、ユーザ認証は、ICカード又はRFID等を用いて行われてもよい。このようにして、図4に示すファンクションキーの割り当てと同様に、上記のユーザ認証の認証結果と、発言内容が入力された端末とに基づいて、発言者及び発言内容が紐づけられてもよい。なお、発言者に係る情報は、第1実施形態と同様に、色付け、文頭の表示又は文末の表示等によって付加されてもよい。
さらに、発言内容に対して、主観評価が入力され、入力される主観評価に基づいて、会議支援システムは、評価を行ってもよい。例えば、主観評価は、以下のように入力される。
図14は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示される主観評価を入力するための画面の一例を示す図である。図6と比較すると、図示する画面の例には、表示されるそれぞれの発言内容に対して、主観評価ボタン1001がそれぞれ加わる点が異なる。
図示するように、主観評価ボタン1001は、発言内容ごとに表示される。そして、各参加者は、各自が支持する発言内容であると判断する場合には、支持する内容の発言内容に対して表示される主観評価ボタン1001を押す。なお、主観評価ボタン1001は、入力を担当する参加者によって押されてもよいし、各参加者がそれぞれの判断に基づいて押してもよい。また、主観評価ボタン1001は、支持しない場合に、押されるボタンでもよい。このように、主観評価が入力されると、会議支援システムは、各発言内容が各参加者の主観的に基づいて良い発言であるか否かを評価できる。そして、会議支援システムは、主観評価による評価結果を表示して、参加者に会議の目的達成に向けた良い発言を促すことができる。
また、会議支援システムは、主観評価ボタン1001による入力に基づいて発言内容を装飾して表示してもよい。例えば、図示する画面では、会議支援システムは、主観評価ボタン1001が押された発言内容を大表示1002にして表示する。大表示1002は、図示するように、他の発言内容と比較すると、発言内容を示す文字のフォントサイズが大きくなるように装飾された例である。このように、装飾が行われて発言内容が出力されると、参加者は、発言内容のうち、その発言内容が支持されているかが直感的にわかる。また、会議支援システムは、ユーザ情報を利用して、特定の意見に対して誰が賛成で誰が反対であるか等の発言内容に対する賛否の状況を表示してもよい。
なお、装飾は、例えば、支持及び支持しない情報を利用して、Javascript(登録商標)等の言語を用いて、CSS(Cascading Style Sheets)の記述を変更して実現される。
また、要約を表示する際には、会議支援システムは、発言の種類に基づく表示を行うに加えて、入力される主観評価に基づいて重要な発言と判断できる発言内容を表示してもよい。このようにすると、参加者は、結論に至るまでの議論の経緯をより理解することができる。すなわち、これにより、会議支援システムは、会議の振り返り及び情報共有として有効な議事録を生成することができる。
さらに、評価部1F32(図11)は、会議が行われた時間に基づいて会議を評価してもよい。例えば、評価部1F32(図11)は、以下のようにして評価を行う。
図15は、本発明の第2実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる会議が行われた時間に基づいて評価を行う処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS31では、会議支援システムは、評価ボタンが押下されるのを受け付ける。例えば、図10に示す「この会議を評価する」等の評価ボタンが押下されると、会議支援システムは、評価を開始する。また、会議が行われた時間は、会議が開始された時刻から会議が終了した時刻までの時間(以下「経過時間」という。)であるとする。さらに、会議が行われる予定時間(以下単に「予定時間」という。)は、評価ボタンが押下される前等にあらかじめ会議支援システムに入力されるとする。
ステップS32では、会議支援システムは、経過時間が予定時間を10%以上オーバーしたか否か判断する。次に、経過時間が予定時間を10%以上オーバーしたと会議支援システムによって判断されると(ステップS32でYES)、会議支援システムは、ステップS33に進む。一方、経過時間が予定時間を10%以上オーバーしていないと会議支援システムによって判断されると(ステップS32でNO)、会議支援システムは、ステップS34に進む。
ステップS33では、会議支援システムは、評価点を「0」ポイントとする。
ステップS34では、会議支援システムは、経過時間が予定時間を10%未満オーバーしたか否か判断する。次に、経過時間が予定時間を10%未満オーバーしたと会議支援システムによって判断されると(ステップS34でYES)、会議支援システムは、ステップS35に進む。一方、経過時間が予定時間を10%未満オーバーしていないと会議支援システムによって判断されると(ステップS34でNO)、会議支援システムは、ステップS36に進む。
ステップS35では、会議支援システムは、評価点を「5」ポイントとする。
ステップS36では、会議支援システムは、経過時間が予定時間を5%未満オーバーしたか否か判断する。次に、経過時間が予定時間を5%未満オーバーしたと会議支援システムによって判断されると(ステップS36でYES)、会議支援システムは、ステップS37に進む。一方、経過時間が予定時間を5%未満オーバーしていないと会議支援システムによって判断されると(ステップS36でNO)、会議支援システムは、ステップS38に進む。
ステップS37では、会議支援システムは、評価点を「10」ポイントとする。
ステップS38では、会議支援システムは、経過時間が予定時間より10%以上短いか否か判断する。次に、経過時間が予定時間より10%以上短いと会議支援システムによって判断されると(ステップS38でYES)、会議支援システムは、ステップS39に進む。一方、経過時間が予定時間より10%以上短くないと会議支援システムによって判断されると(ステップS38でNO)、会議支援システムは、ステップS40に進む。
ステップS39では、会議支援システムは、評価点を「25」ポイントとする。
ステップS40では、会議支援システムは、経過時間が予定時間より5%以上短いか否か判断する。次に、経過時間が予定時間より5%以上短いと会議支援システムによって判断されると(ステップS40でYES)、会議支援システムは、ステップS41に進む。一方、経過時間が予定時間より5%以上短くないと会議支援システムによって判断されると(ステップS40でNO)、会議支援システムは、ステップS42に進む。
ステップS41では、会議支援システムは、評価点を「20」ポイントとする。
ステップS42では、会議支援システムは、評価点を「15」ポイントとする。
例えば、図示するように、会議支援システムは、経過時間が予定時間より短い場合を評価点が高くなるように評価する。一方で、会議支援システムは、経過時間が予定時間をオーバーした場合を評価点が低くなるように評価する。なお、評価点の数値及び判断基準は、図示する値及び判断に限られず、設定等によって変更できてもよい。図示するように、評価された評価点が会議支援システムによって表示される。
また、会議支援システムは、図13に示すように、星印等によって評価結果を表示してもよい。さらに、会議支援システムは、図13に示すように、行動の変容を促すコメント等を合わせて表示してもよい。さらにまた、図13に示すように、会議支援システムは、他の評価結果と併せて時間に係る評価結果を表示してもよい。このように、会議が行われた時間に基づいて会議を評価した評価結果が表示されると、会議支援システムは、参加者に会議に係る時間に対する意識を持たせることができ、時間内に目的を達成するように促すことができる。このようにして、会議支援システムは、会議を効率化させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、例えば、第1実施形態と同様の全体構成、ハードウェア構成及び機能構成によって実現される実施形態である。以下、異なる点を中心に以下説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比較すると、判断部1F21(図3)による判断方法が異なる。
第3実施形態では、会議支援システムは、タグ付きコーパス(corpus)をいわゆる訓練データ(training data)とする。そして、会議支援システムは、機械学習の手法である、いわゆる教師あり学習(supervised learning)等を行うことで、自然言語処理を行う分類器を学習する。以下、タグ、すなわち、発言の種類が「提案」、「質問」、「回答」、「ポジティブな意見」、「ネガティブな意見」、「中立な意見」、「情報」、「要求」、「課題」、「アクションアイテム」及び「決定事項」等である例で説明する。
また、機械学習の手法は、例えば、サポートベクターマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類器、決定木学習又は条件付き確立場(CRF)等である。なお、機械学習の手法は、サポートベクターマシンであるのが望ましい。サポートベクターマシンであると、順次判断を行うことができるため、いわゆるリアルタイム性等が良くなる。
分類器は、発言内容の特徴(以下「素性」という。)に基づいて、発言の種類を判断する。具体的には、素性は、発言内容に含まれる副詞、形容詞、名詞又は助動詞である。例えば、形容詞は、ポジティブな表現又はネガティブな表現等を示す場合がある。また、名詞は、ポジティブな表現又はネガティブな表現等に加えて、「要検討」及び「要回答」等の「アクションアイテム」及び「課題」を示す表現である場合がある。さらに、助動詞等は、文末等において、希望、義務、必要性、依頼、提案、断定、推量、伝聞及び評価等を示す表現である場合がある。したがって、分類器が、素性に基づいて、発言の種類を判断すると、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断することができる。
また、会議支援システムには、ユーザによって会議の種類が設定できてもよい。例えば、同じ発言内容であっても、現場の担当者同士による会議と、レビュー会議とでは、素性が異なる場合ある。具体的には、現場の担当者同士による会議では、発言内容の素性は、「要望」となるのに対して、レビュー会議では、意思決定者による発言の素性は、「アクションアイテム」又は「決定事項」等となる場合がある。このようなラベルと、会議の種類とは、関連性が強い。したがって、会議の種類を設定すると、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断することができる。
さらに、会議支援システムは、発言内容に基づいて、発言者の役割を推定して素性として利用してもよい。例えば、レビュー会議又は報告会等の会議では、報告内容の発言内容に対して、「質問」となる発言内容を多くする発言者は、意思決定者と推定される。他にも、「課題」となる発言内容を多く発言する発言者は、会議のトピックに対して有識者であると推定される。
このような推定による結果を素性として分類器の学習及び判断に利用すると、会議支援システムに、意思決定者等が設定されなくとも、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断することができる。
会議支援システムは、例えば、「"自然言語処理の基礎",奥村学著,コロナ社出版」に記載される方法によって、機械学習を用いた自然言語処理を行う。
図16は、本発明の第3実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる機械学習を用いた自然言語処理の一例を示す概念図である。図示するように、会議支援システムは、分類器CLFを教師あり学習によって学習する。まず、分類器CLFには、素性と、値のペアの集合として表現されたデータとが入力され、分類器は、入力されるテストデータTSDが所属するクラスを出力する。クラスは、クラスラベルCLBによって示される。すなわち、クラスラベルCLBは、テストデータTSDが示す発言内容の発言の種類を判断した結果を示す。
分類器CLFを機械学習アルゴリズムにより学習するには、図示するように、会議支援システムは、訓練データTRDとして、データと、そのデータが所属するクラスの組の集合とを入力する。次に、訓練データTRDが入力されると、会議支援システムは、機械学習アルゴリズムによって、分類器CLFを学習する。このようにして、分類器CLFを学習した後、テストデータTSDが入力されると、会議支援システムは、分類器CLFによって、テストデータTSDが所属するクラスを出力することができる。このような構成では、判断対象となる発言内容の単語の周辺にある単語の情報等を入力すると、会議支援システムは、単語の意義を出力できる分類器を学習することができる。
分類器CLFを用いて発言の種類を判断する方法は、パターンマッチングを用いる方法等と比較して、会議支援システムが発言の種類を精度良く判断できる。また、分類器CLFを用いて発言の種類を判断する方法は、パターンマッチングを用いる方法等と比較して、データをアップデートする等の手間が少なくできる。つまり、分類器CLFを用いて発言の種類を判断する方法が用いられると、いわゆるメンテナンス性が向上できる。
また、参加者がクラスラベルを変更できるような構成としてもよい。このようにすると、分類器CLFが判断した結果のクラスラベルCLBが、参加者が意図したクラスと異なるクラスを示す場合には、参加者がクラスを変更できる。例えば、発言された発言内容が会議支援システムによって「意見」と判断された場合であっても、参加者が「質問」であると思う場合には、参加者は、「意見」とされたクラスラベルを「質問」に変更する操作を行う。
このように、変更の操作が行われ、フィードバックがされると、機械学習における訓練データTRDが入力された場合と同様に、会議支援システムは、分類器CLFを学習することができる。そのため、データをアップデートする等の手間が少なく、会議支援システムに分類器CLFを学習させることができるようになる。ゆえに、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断することができる。
他にも、会議支援システムは、発言内容を発言した人物に基づいて、発言の種類を判断してもよい。例えば、会議において、いつも「課題」を多く発言する人物及びいつも「ネガティブな意見」を多く発言する人物がいるとする。このような場合には、会議支援システムは、発言内容を発言した人物を特定して、「課題」及び「ネガティブな意見」等の発言の種類を判断してもよい。また、特定される発言内容を発言した人物の情報を素性に用いてもよい。このようにすると、発言内容を発言した人物の傾向を考慮して、会議支援システムは、発言の種類を判断できる。そのため、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断できる。
さらに、会議支援システムは、発言内容を発言した人物の会議における役割に基づいて、発言の種類を判断してもよい。例えば、報告会等の会議では、発言内容を発言した人物が「意思決定者」である場合には、「意思決定者」による発言内容であることに基づいて、発言の種類を判断してもよい。このようにすると、発言内容を発言した人物の傾向を考慮して、会議支援システムは、発言の種類を判断できる。そのため、会議支援システムは、精度良く発言の種類を判断できる。特に、会議支援システムは、「アクションアイテム」及び「決定事項」等の発言の種類を精度良く判断できる。
また、発言の種類、すなわち、ラベルは、多くなると、精度が悪くなる場合が多い。そこで、会議支援システムは、発言の種類をグループに分けてもよい。例えば、発言の種類が「提案」、「質問」、「回答」、「ポジティブな意見」、「ネガティブな意見」、「中立な意見」、「情報」、「要求」、「課題」、「アクションアイテム」及び「決定事項」である例で説明する。
例えば、グループを以下に示す「第1グループ」及び「第2グループ」とする。
第1グループ:「提案」、「質問」、「回答」、「ポジティブな意見」、「ネガティブな意見」、「中立な意見」、「情報」及び「要求」
第2グループ:「アクションアイテム」及び「決定事項」
そして、会議支援システムは、発言内容が「第1グループ」の発言の種類のうち、どの発言の種類であるかを判断する。次に、会議支援システムは、発言内容が「第2グループ」の発言の種類のうち、どの発言の種類であるかを判断する。図16に示す構成では、グループごとに、分類器CLFが用意される。
例えば、会議において「複数の担当者同士の間でなんとかして欲しい」との発言内容があったとする。この発言内容は、上記第1グループの「回答」の発言の種類であり、かつ、上記第2グループの「アクションアイテム」の発言の種類であると会議支援システムによって判断される。
例えば、「アクションアイテム」及び「決定事項」の発言の種類の発言内容が会議において重要であるとする。このような場合には、上記第2グループのように、重要な発言の種類が選ばれてグループにされると、会議支援システムは、重要な発言の種類の発言内容を精度良く判断できる。また、各グループ内の発言の種類が、グループ分けされていない場合と比較して少なくなるため、会議支援システムは、発言の種類を精度良く判断できる。
また、会議支援システムは、発言内容に対する結論又は決定事項の候補を表示してもよい。例えば、会議支援システムは、図12に示すアクションアイテム入力テキストボックス804に、結論又は決定事項の候補となる発言内容を「結論」、「決定事項」又は「課題」等のように表示する。
さらに、会議支援システムは、アクションアイテム入力テキストボックス804の横等に、ゴミ箱のアイコン等を表示してもよい。そして、ユーザは、会議支援システムがアクションアイテム入力テキストボックス804に表示する「結論」、「決定事項」又は「課題」等の候補のうち、不適切な候補であると判断した場合には、ゴミ箱のアイコンを利用して、不適切な候補を削除する操作を行う。このようにして、会議支援システムは、ユーザの操作に基づいて、表示する候補を削除してもよい。また、削除の際、会議支援システムは、教師データのラベルも併せて修正する。そして、会議支援システムは、修正後のデータ、すなわち、発言内容及びラベルを利用して分類器を再学習させると、分類器をより学習させることができる。
さらにまた、ユーザは、アクションアイテム入力テキストボックス804に表示させる「結論」、「決定事項」又は「課題」等の候補を追加する操作を行ってもよい。つまり、ユーザは、アクションアイテム入力テキストボックス804に、会議支援システムが挙げなかった候補を追加することができてもよい。例えば、会議支援システムは、プルダウンメニューを表示する。そして、ユーザは、プルダウンメニューから追加するラベルを選ぶ操作を行う。なお、ユーザは、会議支援システムが表示する候補を修正する操作を行ってもよい。これらの修正結果に基づいて、教師データのラベルが、併せて修正される。このようにして、会議支援システムは、分類器を再学習させてもよい。
上記のような操作を行うには、例えば、以下のようなGUIが用いられる。
図17は、本発明の第3実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって表示されるGUIの一例を示す図である。以下、会議支援システムが、アクションアイテム入力テキストボックス804に、図示するような候補を表示する例で説明する。
この例では、図示するように、会議支援システムは、各候補の横に、ゴミ箱アイコンINTRを表示する。そして、ゴミ箱アイコンINTRがクリックされると、会議支援システムは、対応する候補を削除する。
また、この例では、図示するように、会議支援システムは、プルダウンメニューPDMNを表示する。このプルダウンメニューPDMNが操作されると、会議支援システムは、ラベルを修正又は追加する。
以上のようなGUI等によって、会議支援システムは、候補を修正、追加又は削除する。
(第4実施形態)
第4実施形態は、例えば、第1実施形態と同様の全体構成、ハードウェア構成及び機能構成によって実現される実施形態である。以下、異なる点を中心に以下説明する。第4実施形態は、第1実施形態と比較すると、出力部1F4(図3)による出力が異なる。
トピックは、複数の発言内容の題目、話題又は論題等を示す言葉である。例えば、会議支援システムは、以下のように生成したトピックを表示する。
図18は、本発明の第4実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによって生成されたトピックの表示の一例を示す図である。図示する例では、会議支援システムは、トピック1101を生成し、各トピック1101に対して、それぞれ該当する発言内容1102を配置して表示する。
会議における発言内容等は、複数のトピック1101で構成される場合が多い。なお、会議における発言内容は、複数のトピック1101で構成される場合又はトピック1101と同一である場合がある。
図示するように、発言内容1102は、トピック1101ごとにグルーピングされる。そして、トピックごとにグルーピングされた発言内容1102は、個々の発言内容1102の種類によって装飾される。また、図示する例は、発言内容1102のうち、「ポジティブな意見」の発言内容1102が左側に配置され、一方で、「ネガティブな意見」及び「課題」の発言内容1102が右側に配置される例である。このように、発言内容の種類によって、発言内容が配置されると、会議支援システムは、ユーザが直感的に議論の内容を把握しやすく表示することができる。
また、発言内容1102が長い場合には、会議支援システムは、発言内容1102が短くなるようにしてもよい。例えば、会議支援システムは、いわゆる文圧縮(Sentence compression)等を行う。すなわち、会議支援システムは、文圧縮等によって、個々の発言内容をシンプルな形式に変換してもよい。
具体的には、会議支援システムは、まず、構文解析ツール等によって発言内容を構文解析する。そして、構文解析によって、発言内容は、複数の要素に分けられる。次に、会議支援システムは、各要素にそれぞれの重要度を付与する。続いて、会議支援システムは、重要度に基づいて、重要度が低い要素を削除する。このようにすると、会議支援システムは、文の構造を破壊せずに、文の要素を少なくし、発言内容を短くすることができる。
また、重要度は、例えば、以下のように定められる。
・名詞、固有名詞、主格又は目的格は、重要度が高い。
・例示を示す「等」若しくは助詞の「や」を含む要素、副詞又は連体修飾節は、重要度が低い。
したがって、会議支援システムは、連体修飾節、埋め込み文及び従属節等を削除して文圧縮を行い、発言内容を短くする。また、文圧縮は、例えば、"自然言語処理の基礎",奥村 学著,コロナ社出版に開示される方法等である。
このようにして、会議支援システムによってトピックが表示されると、ユーザは、会議を容易におさらいすることができる。すなわち、会議支援システムが各トピックに紐づいた「課題」、「アクションアイテム」及び「決定事項」を表示することによって、ユーザは、会議のまとめを効率良く行うことができる。
また、例えば、図17に示すGUIによって、ユーザが、「課題」、「アクションアイテム」及び「決定事項」の候補を追加する場合がある。このような場合には、会議支援システムは、追加された候補と関連する発言内容を抽出してもよい。例えば、抽出結果は、以下のような画面によって表示される。
図19は、本発明の第4実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによる抽出結果の表示例を示す図である。例えば、図示する例では、会議支援システムは、「アクションアイテム」及び「決定事項」から抽出した結果をテキストボックスINBX等に表示する。
また、テキストボックスINBXには、フルセンテンス形式で表示されてもよい。なお、図は、テキストボックスINBXに、「アクションアイテム」の候補となる発言を含む、後述のトピック境界を推定する方法により推定された境界に応じてグルーピングされた発言内容を表示した例である。すなわち、図示するテキストボックスINBXは、要約を表示している。一方で、テキストボックスINBXには、全文ALが表示されてもよい。つまり、テキストボックスINBXは、全文ALを表示するように切り替えられてもよい。また、要約は、例えば、全文ALから生成される。
例えば、後述する第4の推定方法と、類似度の計算とによって、抽出結果は、生成される。具体的には、会議支援システムは、まず、後述のトピック境界を推定する方法により推定された境界に応じてグルーピングされた発言内容と各候補を文書ベクトルで表現する。次に、会議支援システムは、コサイン類似度等に基づいて適合度を計算する。そして、会議支援システムは、類似度が高い発言内容及び候補を抽出したり、又は、紐づけたりする。これらの方法は、例えば、"自然言語処理の基本と技術",奥野陽 他著,翔泳社出版、及び、"http://www.cse.kyoto-su.ac.jp/~g0846020/keywords/cosinSimilarity.html"に開示されている方法等によって実現される。
その結果、図示するように、テキストボックスINBXには、すべての議事の中から抽出された、一部の議事が表示される。また、テキストボックスINBXには、トピックごとに分割された複数の発言で構成される議事が表示される。
具体的には、あるトピックについての議論の中で、「課題」、「決定事項」又は「アクションアイテム」と判断される議事があると、テキストボックスINBXに、内容を示す発言が抽出される。
また、図示するように、テキストボックスINBXには、抽出された「アクションアイテム」の内容を示す発言に関係する「課題」、「決定事項」又は「アクションアイテム」を示す発言が表示されてもよい。
なお、会議システムは、会議終了時に使用されるに限られない。例えば、会議が終了した後、議事録等が入力されて使用されてもよい。また、トピック間の距離は、例えば、"http://ryotakatoh.hatenablog.com/entry/2015/10/29/015502"及び"http://tech-sketch.jp/2015/09/topic-model.html"に開示される方法等によって漏れ及び重複が少なくなるように生成されるのが望ましい。
なお、トピック1101は、例えば、以下のようにして生成される。
図20は、本発明の第4実施形態の一実施形態に係る会議支援システムによるトピックの生成例を示すフローチャートである。例えば、図示するような処理が行われると、図18に示すような画面が会議支援システムによって表示できる。
ステップS31では、会議支援システムは、発言内容を入力する。例えば、会議支援システムが利用された会議が行われた後であれば、会議支援システムは、会議で発言された発言内容が入力された状態である。
ステップS32では、会議支援システムは、トピック境界を推定する。具体的には、トピックは、各発言内容のグループに対して生成されるため、まず、会議支援システムは、発言内容をグループに分ける。そのため、会議支援システムは、グループに分ける区切りとなるトピック境界を推定する。例えば、会議支援システムは、共通する内容の発言内容又は関連性の高い発言内容と推定できる発言内容が同一のグループとなるように、トピック境界を推定する。
トピック境界は、例えば、以下の4つの方法等によって推定される。
まず、第1の推定方法は、「明示的なトピックの推移を示すキーワードが検出される」と、トピック境界と推定する推定方法である。なお、トピックが遷移すると推定できるキーワードは、具体的には、「そういえば」及び「ところで」等である。また、このようなキーワードは、例えば、会議前等にあらかじめ会議支援システムにユーザ等によって設定される言葉である。
また、第2の推定方法は、「対話主導権の交代を示す語が検出される」と、トピック境界と推定する推定方法である。具体的には、第2の推定方法は、「さっき」、「この前」又は「むかし」等の語が登場すると、トピック境界と推定する推定方法である。また、このような語は、例えば、会議前等にあらかじめ会議支援システムにユーザ等によって設定される言葉である。
なお、第1及び第2の推定方法は、例えば、"情報探索雑談におけるトピック遷移検出","http://www.cl.cs.titech.ac.jp/_media/publication/632.pdf"に開示される方法等である。
さらに、第3の推定方法は、「質問」の種類の発言内容が登場すると、トピック境界と推定する推定方法である。つまり、「質問」と判断される発言内容があると、会議支援システムは、トピック境界と推定する。
さらにまた、第4の推定方法は、「語彙的結束性」を用いてトピック境界を推定する推定方法である。第4の推定方法では、例えば、「語彙的結束性」がシソーラス(Thesaurus)等を用いて計算される。具体的には、「語彙的結束性」関係にある発言内容の集合で構成される連鎖、いわゆる「語彙的連鎖(Lexical chain)」がまず検出される。そして、第4の推定方法では、「語彙的結束性」が発言内容の意味のあるまとまりを示すと見なし、「語彙的連鎖」の始点及び終点となる箇所がトピック境界であると推定する推定方法である。例えば、第4の推定方法は、"語彙的結束性に基づいたテキストセグメンテーション","https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=49265&item_no=1&attribute_id=1&file_no=1&page_id=13&block_id=8"及び"自然言語処理の基礎",奥村 学著,コロナ社出版に開示される方法等である。
ステップS33では、会議支援システムは、トピックを生成する。すなわち、ステップS33では、会議支援システムは、ステップS32で推定されるトピック境界ごとに、それぞれのトピックを生成する。したがって、ステップS33は、トピック境界で区切られたグループ数分繰り返し行われる。
トピックは、例えば、以下の2つの方法等によって推定される。
第1の生成方法は、トピック境界によってグルーピングされた発言内容のうち、固有名詞又は辞書に登録されていない発言内容、いわゆる未知語を抽出し、トピックとする生成方法である。
また、第2の生成方法では、まず、トピック境界によってグルーピングされた発言内容のうち、名詞、動詞又は形容詞が抜き出される。次に、第2の生成方法では、抜き出された発言内容の活用が原型に戻される。そして、登場する回数が多い発言内容が、トピックとされる。このように、会議支援システムは、トピック等を表示することができる。
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)、Javascript、Python(登録商標)、Ruby及びPHP等のプログラミング言語又はオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータに会議支援方法に係る各手順を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置又は1以上の情報処理装置を有する会議支援システム等のコンピュータに各手順を実行させるためのコンピュータプログラムである。
また、プログラムは、ROM又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。さらに、記録媒体は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM、CD-RW、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SD(登録商標)カード、又はMO等でもよい。さらにまた、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
さらに、会議支援システムは、ネットワーク等によって相互に接続される2以上の情報処理装置を有してもよい。すなわち、会議支援システムによって、各種処理の全部又は一部を分散、デュプレックスシステム(duplex system)等のように並列、又はデュアルシステム(dual system)等のように冗長して処理が行われてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。