JP7097553B2 - 屋根上取り付け金具 - Google Patents

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この発明は、たとえば馳締式の折板屋根などのような屋根の上に屋根板や設置物などの取り付け物を固定するのに好適な屋根上取り付け金具に関し、より詳しくは、小型でありながらも高い強度が得られるような屋根上取り付け金具に関する。
折板屋根の上に折板を固定する屋根上取り付け金具として、下記特許文献1の金具を案出した。この金具は、固定時の高さを低くする小型化と、強度の確保を図ったものであって、支持体と締め付け体を有する構造である。支持体は、屋根の突条部を左右に跨ぐ形状であり突条部の一方側に当たる一方の挟持部を下端に有している。また、上面部の左右方向の中間には、一方の挟持部を有する側を高くする段差部が形成され、他方側の端には垂下片が形成されている。垂下片は、他方側に延びる締め付けボルトを有している。締め付け体は、支持体の他方側に添えられ突条部の他方側に当たる他方の挟持部を下端に有し、支持体の垂下片に対向する受圧片が形成されている。受圧片は締め付けボルトを挿通する貫通穴を有している。
この金具では、支持体の締め付けボルトに締め付け体の貫通穴を挿嵌し、締め付けボルトにナットを螺合して支持体の一方の挟持部と締め付け体の他方の挟持部を互いに近づけると、突条部の下部が一対の挟持部で締め付けられ、屋根に対する固定がなされる。
この金具によると、突条部を挟む付けるための締め付けボルトを突条部よりも上に設ける必要がなく、固定時における小型化を実現できるなど所期の目的を達することができる。しかし、突条部に対する締め付けは、突条部の下端部に対して行う。つまり、支持体と締め付け体の挟持部を構成する板材は水平または水平に近い方向に広がるものであって、突条部の上下方向の比較的広い範囲を挟み付けるものではない。
突条部を挟み付ける部位が垂直方向に広がる部分に形成されて突条部の上下方向の比較的広い範囲を挟み付ける小型の金具として、下記特許文献2に開示の金具がある。この金具は、上板部と、上板部の一端から折曲形成されたボルト支持板部と、上板部におけるボルト支持板部を形成した辺と直角をなす2辺から折曲形成された係止側面部と、ボルト支持板部に螺合された締付ボルトで構成されている。係止側面部は、ボルト支持板部に向かって突出する特定形状の係止突起部と、係止突起部より上の上部へこみ部を有している。
この金具では、係止側面部の係止突起部を突条部である馳締連結部の特定部位に当てて締付ボルトを締めることによって、係止突起部と締付ボルトで馳締連結部を挟持する。
下記特許文献3には、突条部の全体を拘束する金具が開示されている。
この金具は、左右一対の挟着部材と、これらを連結する連結用ボルトで構成されている。一方の挟着部材には、突条部としての角ハゼ部の一方の側面に接する上下方向に延びる直線状の当接縁部とその上の上側挟持部が形成され、他方の挟着部材には、角ハゼ部の他方の側面に接する突起片とその上の下側挟持部が形成されている。
連結用ボルトは他方の挟着部材の上面である連結天板部から上に突設されており、この連結用ボルトを挿通する長穴が一方の挟着部材の上面である連結用天板部に形成されている。長穴は、左右方向に長く形成されており、他方の挟着部材を一方の挟着部材に対して傾けた姿勢で屋根の角ハゼ部に被せらせるように構成されている。
角ハゼ部に対する固定は、連結用ボルトにナットを螺合して、他方の挟着部材の連結用天板部を一方の挟着部材の連結用天板部の下面に重ねるように締め付ける。
しかし、特許文献2、3のいずれの金具も、突条部の高さなど大きさのばらつきには対応しにくい。所望通りに締め付けられないと、強度の上で問題が生じ得る。
また、特許文献3の金具にあっては、上向きの連結用ボルトで一対の挟着部材の締め付け状態を保持する構造であって、一対の金具を突条部に対する締め付け方向で積極的に締め付けるものではない。
さらに、特許文献1の金具の場合もそうであるが、折板を固定するための吊り子などのような取り付け物を固定するための段差は、特許文献4、5をみても判るように、一つの部材に形成されるのが常であった。このため、負圧によって掛かる負荷は、段差を形成する部材の特定の部位に掛かりやすく、特許文献1の金具のように補強のためのリブを設けるなどの対策が必要であった。
特開2017-193918号公報 特開2012-26099号公報 特許第6295233号公報 特許第5043375号公報 特許第5808022号公報
この発明は、小型で強固な固定が可能でありながらも、固定対象である突条部の大きさのばらつきにも対応できるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、屋根板の長手方向に離間配置されて屋根板の突条部と交差する交差板と、前記交差板の上端同士を連結する上面板を有し、突条部を挟む左右方向で互いに組み合わされる主金具及び従金具を備え、前記主金具の前記交差板には、下に向けて開口して突条部を収める大きさの包囲切欠き部が形成され、前記包囲切欠き部における前記従金具とは反対側の縁に、突条部の側面に接する挟圧部が形成され、前記主金具の前記上面板における前記包囲切欠き部よりも前記挟圧部とは反対側の部位に、下方に延びる内側垂下板が形成されるとともに、前記主金具の前記上面板における前記包囲切欠き部よりも前記内側垂下板とは反対側の部位に、上に支持される取り付け物を固定するための固定部が形成され、前記従金具の前記交差板が前記主金具の前記交差板よりも高く形成されて前記従金具が前記主金具の前記内側垂下板を有する部位を被覆可能な大きさに形成され、前記従金具の前記交差板には、前記主金具の前記挟圧部に対向して突条部の側面に接する挟持部が形成され、前記従金具の前記上面板における前記主金具の前記内側垂下板に対向する部位に、下方に延びる外側垂下板が形成され、前記上面板における前記外側垂下板とは反対側の端部に、下端が前記主金具の前記上面板に接する段差形成片が垂設され、前記外側垂下板と前記内側垂下板には、互いを接近させる方向に締め付ける締め付け手段が設けられた屋根上取り付け金具である。
この構成では、主金具の内側垂下板と、主金具の内側垂下板を有する部位を被覆可能な従金具の外側垂下板を締め付け手段で互いに近接させると、主金具の挟圧部と従金具の挟持部で屋根の突条部の両側面が、挟み付けを行うべき方向で積極的に挟み付けられる。このとき、主金具の挟圧部を有する部位は、突条部を収める大きさの包囲切欠き部を有しており、突条部の高さなど大きさの違いを吸収する。
屋根に対する固定状態においては、主金具や従金具に正圧がかかると、締め付け手段で一体化された主金具と従金具がそれぞれ荷重を支える。従金具の上面板にかかる荷重は交差板で支えられるとともに、段差形成片を介して主金具の上面板に伝達され、上面板にかかる荷重は交差板で支えられる。
一方、負圧が作用して主金具の固定部に上へ引き上げる力がかかると、特に従金具の段差形成片が主金具の変位を強力に阻止する。つまり、主金具は締め付け手段を介して従金具と一体であるうえに、主金具と従金具が協働して屋根の突条部を締め付けているので、主金具の上面板は単に接しているだけの従金具の段差形成片で押さえられる。段差形成片で押さえられる主金具の上面板は、段差部を1つの部材に一体形成した場合と異なり、負荷が分散され、また負荷に対する十分な耐力が得られ、変形の力が局所的にかかることが抑制される。
この発明によれば、屋根の突条部より上に締め付け手段を備える必要がないので小型化を図れる。しかも、主金具と従金具を段差が形成されるべき部位で分けて別部材として構成して負荷の集中を回避できるようにしたので、強固な固定状態を得られる。そのうえ、一方の主金具に包囲切欠き部と挟圧部を形成して、他方の従金具には挟圧部に対向する挟持部を形成したので突条部の大きさのばらつきにも対応し得る。
屋根上取り付け金具の固定状態の正面図。 屋根上取り付け金具の固定状態の要部の断面図。 屋根上取り付け金具の斜視図。 屋根上取り付け金具の分解斜視図。 主金具の斜視図。 従金具の斜視図。 主金具と従金具を組み合わせた離反状態の一部断面正面図。 屋根上取り付け金具の使用状態の説明図。 屋根上取り付け金具の固定状態の平面図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
この発明の屋根上取り付け金具(以下、「取り付け金具」という)は、上面に突条部を有した屋根に固定されるもので、突条部を挟持して屋根上に取り付けられ、上に取り付け物を支持する。取り付け金具は、改修の目的で取り付け物としての屋根板を固定したり、機能付与の目的で取り付け物としての太陽電池パネルや雪止め金具などの設置物を固定したりするのに使用される。この説明では、前者の改修目的に使用する取り付け金具を用いた屋根構造の例を説明する。
図1に、取り付け金具11の使用状態を示す。この取り付け金具11は、下葺屋根12の上に取り付けられて上葺屋根13を固定する。下葺屋根12と上葺屋根13は折板屋根21であり、複数の折板22をそれぞれの左右方向の縁の馳部23で結合して形成される。下葺屋根12は角馳式であり、上葺屋根13は丸馳式である。上葺屋根13は角馳式の折板屋根21で構成することもできる。
屋根について付言すると、一例である前述の折板屋根21は山部と谷部を繰り返す波形で、山部の頂面に、左右の平面部24,25と、これらに挟まれた突条部としての馳部23を有する。平面部24,25は、図示例では若干傾斜させて描いたが、水平なものもある。屋根は馳式の折板屋根21のほか、嵌合式の折板屋根や瓦棒屋根、立平屋根などでもよい。
角馳式の馳部23である角馳部23aは、折板22の長手方向の端面を正面にして一方(図面右側)の側面全体が平らな大平面部26を有し、他方(図面左側)の側面には、上部において他方に向けて突出する突出部27と、それより下の小平面部28を有している。角馳部23aと丸馳部23bはそれぞれ基本形状を同一にするが、各部の寸法は所定以下と規定されており、ばらつきがある。
図1に示したように取り付け金具11は、主金具31と従金具51を有している。図2は取り付け金具11の使用状態の要部を示す断面図であり、主金具31と従金具51は、下葺屋根12の角馳部23aを挟む左右方向で互いに組み合わされる。組み合わせの態様は、主金具31の左右方向の他方側(図面左側)の部分を従金具51が覆うものである(図3参照)。
これら主金具31と従金具51は共に、1枚の金属板を折り曲げて形成されており、下葺屋根12の長手方向に離間配置されて下葺屋根12の角馳部23aと交差する交差板32,52と、交差板32,52の上端同士を連結する上面板33,53を有している。主金具31と従金具51は、1枚の金属板から製造するほか、複数の部材を組み合わせて構成してもよい。
主金具31の交差板32と上面板33の左右方向における長さは、下葺屋根12の左右の平面部24,25をつなぐ長さと同じかそれよりも若干短く設定されている。交差板32の上下方向の高さは、下葺屋根12の角馳部23aよりも高く、角馳部23aを収められる高さのうち極力低い所望の高さに形成される。
そして交差板32の左右方向における中間部には、下に向けて開口し角馳部23aを収める大きさの包囲切欠き部34が形成されている。包囲切欠き部34の大きさは、大きさのばらつきを考慮しつつ固定対象となる角馳部23aを収容できるように大きめに設定される。包囲切欠き部34の形状は正面視略四角形である。
包囲切欠き部34における従金具51とは反対側の縁に、角馳部23aの一方側の側面である大平面部26に接する挟圧部35が形成されている。挟圧部35は、角馳部23aの大平面部26に沿って広がる方形板状の挟圧板36で構成されている。
挟圧板36には、角馳部23aに向けて突出する複数の突起37が形成されている。これらの突起37は半球状である。半球状のほか、角錐状などの他の形状であってもよい。
また突起37の背面には、突出方向に凹む凹部37aを有している。つまり、突起37は打ち出して形成されている。具体的には、突起37の数は1枚の挟圧板36につき3個であり、交差板32に近い位置には上下に2個形成され、交差板32から離れた位置には上下方向の中間に1個形成され、全体として三角形をなす配置である。交差板32に近い位置の突起37についての左右方向における芯の位置は、交差板32の外側に交差板32と同じ厚さの板材を置いたと仮定した場合のその板材の芯よりも交差板32から離れた外側に位置している。
突起37の個数や配置は、前述の3個三角形のほかにも適宜設定できる。
交差板32の下端のうち、挟圧板36よりも一方側、つまり包囲切欠き部34とは反対側の部位は、外方に折曲形成された接地片38を有している。接地片38は、下葺屋根12の上端の平面部25の傾斜に対応して傾けてある。
交差板32の下端のうち、包囲切欠き部34よりも他方側の部位は、垂直な板状部分のみで構成されており、図2、図4に示したように接地片38との逆の傾きの下端辺39を有している。
主金具31の上面板33における包囲切欠き部34より挟圧部35とは反対側の端部に、下方に延びる内側垂下板41が形成されている(図2、図5参照)。内側垂下板41は方形板状であり、上面板33から連続している。つまり、内側垂下板41は上面板33から一体に折り曲げ形成されている。内側垂下板41の高さは、交差板32の対応部位の高さと略同じである。
内側垂下板41の中央部であって上下方向における角馳部23aの上下方向の中間部、具体的には角馳部23aの突出部27の下に対応する部位には、ボルト71が螺合する雌ねじ部42が形成されている。雌ねじ部42は、バーリングにより形成された貫通穴の内周面にねじを切って形成される。バーリングは、外面から内面に向けて行われる。この結果、雌ねじ部42は内側垂下板41の内面から内方に突出している。
交差板32の内側垂下板41側の端には、内側垂下板41の外側面に接する被覆板43が形成れている。つまり、被覆板43は交差板32から一体に折り曲げ形成されており、内側垂下板41を抱え込んでいる。一対の被覆板43は台形状であり、雌ねじ部42に対応する部分には、雌ねじ部42へのボルト71の螺合を許容する略半円形の切欠き43aを有している。
また、主金具31の上面板33における包囲切欠き部34よりも内側垂下板41とは反対側の部位には、取り付け物としての上葺屋根13を固定するための吊子14を固定する固定部44が形成されている。固定部44は、内側垂下板41の雌ねじ部42と同様にバーリングによるねじ穴で構成されている。バーリングは上面から下面に向けて行われ、固定部44は上面板33の下面から下方へ突出している。
従金具51の交差板52と上面板53の左右方向における長さは、下葺屋根12の他方側、つまり図面左側の平面部24と同じかそれよりも若干短く設定されている。換言すれば、従金具51の左右方向における長さは、主金具31の半分程度に設定されている。従金具51の交差板52の間隔は、主金具31の交差板32の外側に嵌合対応する間隔である。
交差板52の上下方向の高さは、主金具31の交差板32より高く形成されており、従金具51が主金具31の内側垂下板41を有する他方側の略半分の部位に被覆可能である。
交差板52は、主金具31の挟圧部35に対向して角馳部23aの側面に接する挟持部54を有している。具体的には、図4に示したように、角馳部23aの突出部27を収容する凹所55と、この凹所55より下において、角馳部23aの小平面部28に当たる当接縁部56を有している。凹所55の内奥部は半円形であり、凹所55部の内径と切り込み深さは、突出部27の大きさのばらつきを考慮して大きめに形成されている。また、凹所55の上側の辺55aは、主金具31の包囲切欠き部34の上側の辺34aと同一又はほぼ同じ高さである。当接縁部56の左右方向における位置(先端位置)は、凹所55より上の部位57と同じである。
交差板52の下端は、外方に折曲形成された接地片58を有している。接地片58は、下葺屋根12の上端における対応する平面部24の傾斜に対応して傾けてある。
従金具51の上面板53における他方側の端であって主金具31の内側垂下板41に対向する部位には、下方に延びる外側垂下板61が形成されている。つまり外側垂下板61は上面板53から一体に折り曲げ形成されている。外側垂下板61の高さは、交差板52の対応部位の高さと略同じである。外側垂下板61の両側縁であって交差板52の端面52aに対向する部位には、図6に示したように、交差板52の端面52aに接する接合部61aを有している。
また、外側垂下板61における内側垂下板41の雌ねじ部42に対応する部位には、ボルト71を挿通する丸い挿通穴62が形成されている。挿通穴62はボルト71の直径に対応させて大きすぎないように形成されており、例えばボルト71の直径が10mmであれば挿通穴62の直径は11mmなど、ボルト71の直径よりも僅かに大きく、嵌合対応可能な程度の大きさに設定される。
一方、従金具51の上面板53における外側垂下板61とは反対側の端部に、段差形成片63が垂設されている。段差形成片63の下端63aは、主金具31の上面板33に上から接する。段差形成片63は上面板53から一体に折り曲げ形成されており、段差形成片63の上下方向の長さ(高さ)は、必要な段差を形成できる長さに設定される。段差形成片63の下端63aは直線状である。
取り付け金具11は、外側垂下板61と内側垂下板41を互いに接近させる方向に締め付けるために、外側垂下板61と内側垂下板41に締め付け手段を設けている。この締め付け手段は、いずれも前述した、外側垂下板61の挿通穴62と、内側垂下板41の雌ねじ部42と、雌ねじ部42に螺合するボルト71である。
ボルト71の長さは、従金具51の左右方向における長さよりも若干短く設定されている。具体的には、主金具31の他方側に従金具51を被せた状態において従金具51の当接縁部56が主金具31の包囲切欠き部34に干渉しない位置まで主金具31の内側垂下板41と従金具51の外側垂下板61を離間させても、雌ねじ部42に対する螺合を可能とする長さである。また同時に、従金具51を主金具31に対して締めつけたときでも下葺屋根12の角馳部23aの小平面部28に達しない長さである。換言すれば、従金具51を主金具31に対して締めつけたときに、ボルト71の先端が角馳部23aの突出部27の左右方向における中間に達する長さに設定されている。
以上のような構成の取り付け金具11は、主金具31と従金具51をボルト71で結合して使用に供される。ボルト71は他方側に従金具51を被せた状態の主金具31の雌ねじ部42に螺合される。
使用に際しては、一部断面正面図である図7に示したように、従金具51の当接縁部56が主金具31の包囲切欠き部34に干渉しない位置まで内側垂下板41と外側垂下板61を離間させて、下葺屋根12の角馳部23aに主金具31の包囲切欠き部34を被せる。図7中、72は座金である。
このあとボルト71を締め付けて、図8に仮想線で示したように従金具51と主金具31を相対的に近接させ、主金具31の包囲切欠き部34の下側部分を従金具51の当接縁部56で塞ぐ。同時に、主金具31の挟圧部35(挟圧板36)と従金具51の当接縁部56で下葺屋根12の角馳部23aの大平面部26と小平面部28に締め付け力を作用させる。また、ボルト71の先端部が角馳部23aの突出部27の下に入り込む。
ボルト71の締め付けに際しては、従金具51が主金具31の他方側に嵌る形状であるので、ボルト71を回転するという単純な作業のみで正確に角馳部23aの締め付けができる。また、締め付けに際して主金具31と従金具51が互いに接する部分は、交差板32,52のほかは、段差形成片63の下端63a部分であって、方向性の異なる接触部分がすべて面接触ではないので、主金具31と従金具51の相対移動が非常に円滑である。
そして締め付け状態においては、挟圧板36に形成された複数の突起37が締め付け力を局所的に集中させる。
このようにして締め付けによって取り付け金具11を固定したあと、図4に示したように、ドリルねじ73を突起37のうちの一つから螺合して、固定状態の向上を図る。つまり、主金具31の挟圧板36の突起37のうちの外側の一つの突起37の凹部37aからドリルねじ73を螺合し、図9、図1に示したように、ドリルねじ73を角馳部23aの大平面部26から小平面部28に貫通させる。
小平面部28におけるドリルねじ73から突き抜ける部位の側部には、従金具51の当接縁部56が存在するので、螺合は確実に行われる。
このようにして取り付け金具11を下葺屋根12に対して固定したあと、図8に矢印で示したように、吊子14を固定する。吊子14は、主金具31の上面板33に接する接地面14aを有しており、接地面14aに向けて上下方向に貫通する貫通穴14bを有している。貫通穴14bは左右方向において長い長穴である。この貫通穴14bに対して吊子固定ボルト74を上から挿通し、吊子固定ボルト74を主金具31の固定部44に螺合する。吊子14の立設面14cは、段差形成片63に当接する。
取り付け金具11に吊子14を固定したあとは、上葺屋根13を形成するため吊子14に折板22を固定する。
以上のようにして構成された屋根構造では、主金具31の上面板33の高さを極力低くしているとともに、締め付け手段のボルト71を下葺屋根12の角馳部23aの高さに設定しているので、取り付け金具11の高さを抑えた小型化を図ることができる。この結果、下葺屋根12と上葺屋根13の高さの相違を抑えられ、回収したのちの屋根の高さを低くできる。
また、屋根構造に正圧がかかると、吊子14を介してかかる荷重をボルト71で一体化された主金具31と従金具51がそれぞれ支え、締め付け手段で一体化された主金具31と従金具51がそれぞれ、上面板33,53と交差板32,52で荷重を支える。特に、従金具51の上面板53にかかる荷重は、段差形成片63を介して別体の主金具31の上面板33に分散されて伝達される。
一方、負圧が作用して主金具31の固定部44に上へ引き上げる力がかかると、次のように負荷を支える。主金具31は締め付け手段を介して従金具51と一体であるうえに、主金具31と従金具51とボルト71が協働して角馳部32aを締め付けているので、主金具31の上面板33は単に接しているだけの従金具51の段差形成片63の下端63aで押さえられる。つまり、主金具31の上方への変位や傾きが抑制される。段差形成片63で押さえられる主金具31の上面板33は、段差部を1つの部材に一体形成した場合と異なり、高い剛性を有している。このため、段差成形片63部分に負荷がかかっても、負荷は分散され、また負荷に対する十分な耐力が得られ、変形の力が局所的にかかることが抑制される。
このように、主金具31と従金具51が交差板32,52を有する構成であるとともに、段差が形成されるべき部位において主金具31と従金具51を別部材として分けて負荷の集中を回避する構成としたので、強固な固定状態を得られる。
また、下葺屋根12の角馳部23aを挟持する部分は、主金具31と従金具51の交差板32,52に形成され、角馳部23aの下端部分のみではなく上下方向の比較的広い部分を挟持する。そのうえ、突起37による締め付けや、ドリルねじ73による固定もなされるので、高い固定強度が得られる。
それにもかわらず、主金具31の包囲切欠き部34と従金具51の挟持部54によって、角馳部23aの高さなどのも大きさのばらつきを吸収でき、所望の固定強度を得られる。
また、取り付け金具11は、ボルト71で締め付けて固定するものであり、主金具31の内側垂下板41には雌ねじ部42を形成し、従金具51の外側垂下板61には挿通穴62を形成している。このため、前述のように締め付け作業が簡単に行える上に、ボルト71は外側垂下板61の外側から差し込んで螺合するだけでよい。つまり、雌ねじ部42はバーリングによって形成されており、ナットが必要ないので、作業性がよい。
そのうえ、主金具31に形成する固定部44もバーリングによるねじ穴で構成したので、吊子14の固定にもナットが不要であり、使用に際してボルトに比して小さなナットを用いる必要なく、この点からも作業性がよい。
さらに、主金具31の上面板33から一体に折り曲げ形成された内側垂下板41の外側面は、交差板32から一体に折り曲げ形成された被覆板43で内側に押さえ込まれている。また従金具51の外側垂下板61にあっては、交差板52の端面52aに接する接合部61aが形成されている。つまり、内側垂下板41は被覆板43で外側への変形を防止され、外側垂下板61は接合部61aと交差板52との接触によって内側への変形が防止される。このため、ボルト71による締め付け力を確実に作用させることができ、高い締め付け強度を得られる。
挟圧部35を挟圧板36で構成していることによって、締め付ける力を広げることができて強度の向上を図れる上に、挟圧板36には突起37が形成されているので、この点から強度の向上を図ることができる。
しかも、突起37は凹部37aを有し、この凹部37aを位置決めに利用してドリルねじ73を螺合するので、作業性が極めて良好である。作業場所が高所であり、比較的小さなドリルねじ73を扱う場合でも、作業が簡易迅速に行える。
以上はこの発明を実施するための一形態の構成であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
たとえば、主金具31に形成する固定部44は、上向きのボルトを固定して構成することができる。固定部44は、取り付け物に応じて適宜設定される。
屋根構造におけるドリルねじ73は省略してもよい。
11…屋根上取り付け金具
12…下葺屋根
13…上葺屋根
23…馳部
23a…角馳部
31…主金具
32…交差板
33…上面板
34…包囲切欠き部
35…挟圧部
36…挟圧板
37…突起
37a…凹部
41…内側垂下板
42…雌ねじ部
43…被覆板
44…固定部
51…従金具
52…交差板
52a…端面
53…上面板
54…挟持部
61…外側垂下板
61a…接合部
62…挿通穴
63…段差形成片
63a…下端
71…ボルト
73…ドリルねじ

Claims (9)

  1. 屋根の突条部を挟持して屋根上に取り付けられ、上に取り付け物を支持する屋根上取り付け金具であって、
    屋根板の長手方向に離間配置されて屋根板の突条部と交差する交差板と、前記交差板の上端同士を連結する上面板を有し、突条部を挟む左右方向で互いに組み合わされる主金具及び従金具を備え、
    前記主金具の前記交差板には、下に向けて開口して突条部を収める大きさの包囲切欠き部が形成され、
    前記包囲切欠き部における前記従金具とは反対側の縁に、突条部の側面に接する挟圧部が形成され、
    前記主金具の前記上面板における前記包囲切欠き部よりも前記挟圧部とは反対側の部位に、下方に延びる内側垂下板が形成されるとともに、
    前記主金具の前記上面板における前記包囲切欠き部よりも前記内側垂下板とは反対側の部位に、前記取り付け物を固定するための固定部が形成され、
    前記従金具の前記交差板が前記主金具の前記交差板よりも高く形成されて前記従金具が前記主金具の前記内側垂下板を有する部位を被覆可能な大きさに形成され、
    前記従金具の前記交差板には、前記主金具の前記挟圧部に対向して突条部の側面に接する挟持部が形成され、
    前記従金具の前記上面板における前記主金具の前記内側垂下板に対向する部位に、下方に延びる外側垂下板が形成され、
    前記上面板における前記外側垂下板とは反対側の端部に、下端が前記主金具の前記上面板に接する段差形成片が垂設され、
    前記外側垂下板と前記内側垂下板には、互いを接近させる方向に締め付ける締め付け手段が設けられた
    屋根上取り付け金具。
  2. 前記締め付け手段がボルトであり、
    前記内側垂下板には、前記ボルトが螺合する一体の雌ねじ部が形成され、
    前記外側垂下板には、前記ボルトを挿通する挿通穴が形成された
    請求項1に記載の屋根上取り付け金具。
  3. 前記雌ねじ部がバーリングにより形成されたものであるとともに、
    前記固定部が、バーリングによるねじ穴で構成された
    請求項2に記載の屋根上取り付け金具。
  4. 前記内側垂下板が前記主金具の前記上面板から一体に折り曲げ形成されるとともに、
    前記内側垂下板の外側面に接する被覆板が、前記主金具の前記交差板から一体に折り曲げ形成され、
    前記外側垂下板には、前記従金具の前記交差板の端面に接する接合部が形成された
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の屋根上取り付け金具。
  5. 前記挟圧部が屋根の突条部に沿って広がる挟圧板で構成された
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の屋根上取り付け金具。
  6. 前記挟圧板に、屋根の突条部に向けて突出する突起が形成された
    請求項5に記載の屋根上取り付け金具。
  7. 前記突起が突出方向に凹む凹部を有する
    請求項6に記載の屋根上取り付け金具。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の屋根上取り付け金具を用いた
    屋根構造。
  9. 請求項7に記載の屋根上取り付け金具を用い、
    前記突起の前記凹部に、屋根の突条部に向けてドリルねじが螺合された
    屋根構造。
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