JP7096709B2 - ガス吹込プラグ及びその取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、転炉、電気炉、及び取鍋などの溶融金属容器(以下「炉」ともいう。)の底部(以下「炉底」ともいう。)に取り付けられて溶融金属中にガスを吹き込むために使用されるガス吹込プラグ、及びこのガス吹込プラグの炉底への取付構造に関する。
例えば、電気炉においては溶鋼中にガスを吹き込むために炉底にガス吹込プラグが取り付けられている。このようなガス吹込プラグの一種として、耐火物からなるプラグ本体中に、上下方向に複数本のガス吹込管(一般的には内径1~6mm程度の金属製の細管)が埋設されたガス吹込プラグが使用されている。
このようなガス吹込プラグにおいて溶鋼等の溶融金属(以下「溶鋼」ともいう。)に直接接する稼働面は特に、ガスの吐出に伴う溶鋼撹拌によって他の部位よりも損耗が大きくなる。そして、この稼働面の損耗によりガス吹込プラグの全長は短くなり、通常は初期の全長の1/3~1/2の長さになるまで使用される。その後、ガス吹込プラグは新しいものと交換されるが、一般的に炉外側から脱着するタイプを外装式と呼び、炉内側から脱着するタイプを内装式と呼んでいる。
このようなガス吹込プラグにおいては、特に全長が短くなってくると、ガス吹込プラグと周囲の耐火物との接合面(目地など)へ溶鋼が浸透する、いわゆる「地金差し」が生じることがある。また、この接合面の隙間の大きさには施工毎にバラツキがあるため、場合によっては奥深くまで溶鋼が浸透することがあり、最悪の場合には溶鋼が外部へ漏れ出し、ガス吹込プラグが脱落する危険性がある。
このような奥深くまでの地金差しが生じることを防止するための手段として、特許文献1には図8に示す「ガス吹き装置」が開示されている。この特許文献1のガス吹き装置では、ガス吹込み用プラグ4が上マス煉瓦1と下マス煉瓦2へ取り付けられている。具体的には特許文献1には、下マス煉瓦2は上マス貫通穴1aの下端開口1akより広い下マス貫通穴2aを持ち、ガス吹込み用プラグ4とこのガス吹込み用プラグ4の下端面を押圧する複数個の押え煉瓦52,53とを上マス貫通穴1aに挿入し、上マス貫通穴1aよりも大きな外径の最下端の押え煉瓦51で固定することが開示されている。そして、特許文献1にはこの「ガス吹き装置」の効果として、「万一溶融金属が上マス煉瓦とガス吹込み用プラグの間から下端押え煉瓦に流入する場合でも、流入する溶融金属を上マス煉瓦の下面部分と下端押え煉瓦のリング状上面部分との間で阻止し押え金具と溶融金属との接触を防ぐことができる」と記載されている。
しかしながら、特許文献1の「ガス吹き装置」の実施例では図8に示しているように3個の押え煉瓦51,52,53を使用しており、その分、ガス吹込み用プラグ4の有効長さ(有効寸法)が短くなることから寿命が短くなる。
さらに目地に浸透した溶鋼を止めるための下端押え煉瓦51の位置がガス吹込み用プラグ4の底よりも低い位置すなわち炉底鉄皮近くであり、ここへ溶鋼が到達するまでに他の部位に溶鋼の浸透が広がる問題がある。例えばガス吹込み用プラグ4と押え煉瓦52(53)との隙間あるいは押さえ煉瓦52,53どうしの隙間などから溶鋼が侵入し、ガス吹込み用プラグ4にガスを供給する配管42に到達した場合には、溶鋼がこの配管42を溶融して配管42内に侵入し外部へ漏れ出す可能性もある。配管42が溶融した場合、配管42は空洞になっているため多くの溶鋼が漏れ出し、炉底鉄皮側の押え金具6が外れ、ガス吹込み用プラグ4が外れてしまう危険性がある。
特開2017-145448号公報
本発明が解決しようとする課題は、ガス吹込プラグ又はプラグ本体の有効寸法を十分確保でき、しかも目地深部への溶融金属の浸透を抑制することができるガス吹込プラグとその取付構造を提供することにある。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)
溶融金属容器の底部に取り付けるガス吹込プラグであって、
ガス流路を含むプラグ本体と、ガス流路にガスを供給するガス供給部と、プラグ本体の外周面を囲むように設けたスリーブれんがとを有し、
スリーブれんがの内周面に設けた段差部の段差面プラグ本体の外周面に設けた段差部の段差面とがほぼ同じ位置にあり、これら2つの段差面に当接するように定形耐火物又は不定形耐火物を設けている、ガス吹込プラグ。
(2)
ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部に取り付けてなる、ガス吹込プラグの取付構造であって、
ガス吹込プラグは、ガス流路を含むプラグ本体と、ガス流路にガスを供給するガス供給部とを有し、
ガス吹込プラグの外周面又はプラグ本体の外周面においてガス供給部よりも稼働面側であって、溶融金属容器の底部に取り付けたときに当該溶融金属容器の炉底鉄皮の内面にライニングされているパーマ層に位置することになるパーマ層領域に、ガス流路の上流側において外形が小さくなる段差部を設けており、この段差部の大きさは5mm以上50mm以下である、ガス吹込プラグの取付構造
(3)
段差部は、パーマ層領域の下端を基点としてパーマ層領域の全長の20%から80%の長さの範囲に設けている、(2)に記載のガス吹込プラグの取付構造
(4)
ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部の受けブロックに取り付けてなる、ガス吹込プラグの取付構造であって、
受けブロックは、上下方向に貫通する内孔と、この内孔の内周面に炉底鉄皮側において内孔が拡大する内孔段差部とを有し、
内孔段差部の段差面とガス吹込プラグの外周面に設けた段差部の段差面との位置がほぼ同じになるにように、ガス吹込プラグが受けブロックの内孔内に配置され、かつ、これら2つの段差面に当接するように、定形耐火物又は不定形耐火物が受けブロックの内孔内に配置されている、ガス吹込プラグの取付構造。
本発明によれば、ガス吹込プラグ又はプラグ本体の外周面に設けた段差部により目地深部への溶融金属の浸透を抑制することができる。
また、段差部は、ガス吹込プラグ又はプラグ本体の外周面に設けることから、ガス吹込プラグ又はプラグ本体の長さに制約なく設けることができる、したがって、ガス吹込プラグ又はプラグ本体の有効寸法を十分確保することかでき、これにより、ガス吹込プラグの使用回数を増やす(ガス吹込プラグの寿命を伸ばす)ことができる。
さらに、段差部は、ガス吹込プラグのガス供給部よりも稼働面側すなわちガス供給部よりも高い位置に設けているから、ガス供給部やガス供給部につながるガス導入パイプへ溶融金属が侵入することなく溶融金属の浸透を抑制することができ、このことはガス吹込プラグ又はプラグ本体の有効寸法を十分確保することにも寄与する。
また、段差部は、ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部に取り付けたときにパーマ層に位置することになるパーマ層領域に設けられているが、パーマ層は上層の内張り層と異なり溶融金属で損耗することはなく温度も内張り層に比べ低温であるので、パーマ層領域に段差部を設けることで、この段差部よってより確実に溶融金属の浸透を抑制することができる。
本発明の第1の実施例であるガス吹込プラグを示す図で、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 図1のガス吹込プラグを転炉の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。 本発明の第2の実施例であるガス吹込プラグを示す図で、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 図3のガス吹込プラグを電気炉の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。 本発明の第3の実施例であるガス吹込プラグを示す図で、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 図5のガス吹込プラグを取鍋の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。 本発明の第4の実施例であるガス吹込プラグを示す縦断面図である。 特許文献1に開示された「ガス吹き装置」を示す縦断面図である(特許文献1の図1に対応)。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施例>
図1に本発明の第1の実施例であるガス吹込プラグを示している。
この図1に示しているガス吹込プラグ11は、転炉用の外装式のガス吹込プラグであり、耐火物で形成された円錐台形状のプラグ本体12と、このプラグ本体12中に上下方向に貫通するように埋設されて配置された9本の金属製のガス吹込管(ガス流路)13と、これらガス流路としてのガス吹込管13の下端が連結された金属製で円筒形状の風箱(ガス供給部)14と、このガス供給部としての風箱14の底部に連結されたガス導入パイプ15とを有している。
プラグ本体12は、マグネシアカーボン製でプレス成形後熱処理して製造されたもので、あらかじめ成形枠内にガス吹込管13を配置した後、坏土を投入することでガス吹込管13が埋設されたものである。熱処理後に、ガス吹込管13に風箱14が、風箱14にガス導入パイプ15がそれぞれ溶接することで取り付けられる。なお、風箱14は9本のガス吹込管13にガスを均一に供給するためのガスプールとしての機能も有する。なお、ガス吹込管13は外径4mmのSUSパイプを使用した。
また、このプラグ本体12は、全長が1300mmあり、先端から800mmまでは内張り層領域16で、先端から800mm超1240mmまでの部分がパーマ層領域17である。なお、「内張り層領域」及び「パーマ層領域」の意味(定義)については後述する。
そしてこの実施例では、ガス吹込プラグ11の外周面においてガス供給部としての風箱14よりもガス流路の下流側(稼働面側)であってパーマ層領域17に、ガス流路の上流側において外形が縮小する段差部18が、ガス吹込プラグ11の外周面全周にわたって設けられている。
また、この実施例において段差部の大きさは15mmとしている。ここで、「段差部の大きさ」とは、この段差部の半径方向の長さの差のことである。言い換えれば「段差部の大きさ」とは「段差部の深さ」のことである。
図2は、図1のガス吹込プラグ11を転炉の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。ガス吹込プラグ11は転炉の炉底の外側から受けブロック20の上下方向に貫通する内孔23へ挿入することで取り付けられる。そして受けブロック20とガス吹込プラグ11との間にはモルタル等の目地材(図示省略)が介在している。
この受けブロック20はガス吹込プラグ11が貫入するための内孔23を有する耐火物である。また、この受けブロック20は上部受けブロック21と下部受けブロック22とからなり、上部受けブロック21の周囲は長さ800mmの内張りれんががライニングされた内張り層26となっており、その下側はパーマれんがライニングされたパーマ層27となっている。
ここで、本発明ではガス吹込プラグを溶融金属容器の底部に取り付けたときに、溶融金属容器の底部の内張り層に位置することになる、ガス吹込プラグの領域を「内張り層領域」といい、溶融金属容器の底部のパーマ層に位置することになる、ガス吹込プラグの領域を「パーマ層領域」という。図1のガス吹込プラグでは、符号16の領域が内張り層領域、符号17の領域がパーマ層領域である。また、図2でいえば内張り層26とパーマ層27との境界位置31から炉内側が内張り層領域、この境界位置31から炉外鉄皮28の内面(パーマ層27の底面)までがパーマ層領域である。
そして、この実施例においてガス吹込プラグ11の段差部18はパーマ層領域17にあり、その段差面19は炉底鉄皮28の内面(パーマ層27の底面,パーマ層領域17の下端)から300mmの位置にある。一方、下部受けブロック22の内孔23の内周面には、炉底鉄皮28側において内孔が拡大する内孔段差部24を有している。そしてガス吹込プラグ11の段差部18の段差面19と内孔段差部24の段差面25との高さ位置がほぼ一致するようにガス吹込プラグ11が内孔23へ挿入されている。またこれら2つの段差面19,25と、下部受けブロック22とガス吹込プラグ11との間には空間が形成されるが、この空間には円筒形の定形耐火物である目地押さえブロック29が挿入されている。この目地押さえブロック29はモルタル等の目地材を表面に塗布して挿入することで隙間なく前記の空間に挿入することができる。この目地押さえブロック29はバヨネット39によって転炉の炉底鉄皮28と係合することで上に押し付けられる。これにより目地押さえブロック29の上端面が2つの段差面19,25に密着し、しかもガス吹込プラグ11が受けブロック20に確実に取り付けられて保持される。
次に、この実施例のガス吹込プラグ11による溶鋼浸透防止効果(地金差し防止効果)について説明する。
図2において、ガス吹込プラグ11のセット時のバラツキなどによってガス吹込プラグ11の中心軸と受けブロック20の内孔23との中心軸とのずれが大きくなった場合は、目地の厚みが大きな部位が発生することがある。また、この状態で使用を重ねると、熱応力によって炉底全体の上下への動き(いわゆる「息継ぎ」)なども発生することから、上部受けブロック21の内周面とガス吹込プラグ11の外周面との間の目地が開くことがある。しかも、ガス吹込プラグ11が繰り返し使用されることで損耗が大きくなり、残寸が小さくなった場合には目地部の温度が上昇し、ガス吹込プラグ11と上部受けブロック21との目地部に溶鋼が浸透してくる。
これに対してこの実施例のガス吹込プラグ11においては、ガス吹込プラグ11の外周面に設けた段差部18の段差面19に円筒形の目地押さえブロック29が押し付けられているため、目地の開きが遮断されており目地の奥深くまでの溶鋼の侵入を防止することができる。しかもガス吹込プラグ11の段差部18よりも下側(ガス流路の上流側)の領域は段差によって外形が小さくなっているため、ガス吹込管13を流れるガスで十分冷却されている。これにより、段差部18よりも下側に位置する目地押さえブロック29で溶鋼を冷却して凝固させる効果が高くなる。また、この実施例ではガス吹込プラグ11の外周面で溶鋼侵入を防止できるため、ガス吹込プラグ11の長さは制約がなく長さを十分確保できるため使用回数を増やすことができる。さらに、ガス供給部である金属製の風箱14よりも稼働面側に段差部18があり、この段差部18で溶鋼の侵入を止めることができるため、風箱14が溶鋼によって溶融して漏鋼に繋がる危険性がない。
<第2の実施例>
図3に本発明の第2の実施例であるガス吹込プラグを示している。
この図3に示しているガス吹込プラグ11は電気炉用の内装式のガス吹込プラグであり、第1の実施例と同じマグネシアカーボン製の耐火物で形成されたプラグ本体12と、このプラグ本体12中に上下方向に貫通するように埋設されて配置された9本の金属製のガス吹込管(ガス流路)13と、これらガス流路としてのガス吹込管13の下端が連結された円筒形状の金属製の風箱(ガス供給部)14と、このガス供給部としての風箱14の底部に連結されたガス導入パイプ15とを有している。なお、ガス吹込管13は外径4mmのSUS製パイプを使用した。また、このプラグ本体12は、全長が850mmあり、先端から450mmまでは内張り層領域16で、先端から450mm超850mmまでの部分がパーマ層領域17である。
また、プラグ本体12の外周面には上部段差部32と下部段差部33との2つの段差部が設けられており、上部段差部32から上側は角錐台形状で上部段差部32より下側は円柱形状をしている。このガス吹込プラグ11においては、上部段差部32から上側が内張り層領域16であり、上部段差部32より下側がパーマ層領域17である。
図4は、図3のガス吹込プラグ11を電気炉の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。ガス吹込プラグ11の上部段差部32より稼働面側(上側)には内張りれんがが隣接してライニングされて内張り層26となっている。また、ガス吹込プラグ11の上部段差部32よりも下側(ガス流路の上流側)は受けブロック20の上下方向に貫通する内孔23に貫入している。なお、このガス吹込プラグ11は、内張り層26を施工する前に電気炉内(図4の上側)から下に降ろされて、受けブロック20の上面に当接することで保持されることになる。
受けブロック20は、上部受けブロック21と下部部受けブロック22とに2分割されており、上下方向に貫通する内孔23を有している。この内孔23内には炉底鉄皮28側において内孔が拡大する内孔段差部24が設けられている。この実施例では、下部受けブロック22の内孔23の内径が上部受けブロック21の内孔23の内径よりも大きいため、これらのつなぎ目で内孔段差部24が形成されている。また、上部受けブロック21にガス吹込プラグ11を嵌合した際に、ガス吹込プラグ11の下部段差部33の段差面34と内孔段差部24の段差面25との高さ位置がほぼ一致するようになっている。さらに、これらの段差面34,25と下部受けブロック22の内周面とプラグ本体12の外周面との間には空間が形成されるが、この空間には不定形耐火物として圧入材30が充填されている。なお、ガス吹込プラグ11の下部段差部33の段差面34とパーマ層領域の下端となる炉底鉄皮28内面との距離は200mm、この下部段差部33の大きさは10mmである。
次に、この実施例のガス吹込プラグ11による溶鋼浸透防止効果(地金差し防止効果)について説明する。
使用を重ねるとガス吹込プラグ11の先端が損耗してくるため、長期間の繰り返しの熱膨張によりガス吹込プラグ11と内張り層26との間の目地やガス吹込プラグ11と受けブロック20との間の目地に隙間が発生する場合がある、また、内張り層26は熱応力によって上下方向に移動するため縦方向の目地のみでなく水平方向の目地に隙間が発生する場合もある。そしてガス吹込プラグ11の損耗が大きくなった状態で目地に隙間が発生すると、上部段差部32で溶鋼が止まらずにさらに下に溶鋼が侵入してくる場合もある。
これに対してこの実施例のガス吹込プラグ11においては、下部段差部33では縦方向に目地が通っていないこと、さらにこの下部段差部33より下側は、外形が小さくガス導入パイプ13との距離が近いため温度が低くなっている。したがって、溶鋼が浸透してきても圧入材30の上部で抜熱されて溶鋼が凝固するため溶鋼浸透を防止することが可能となる。このように、ガス吹込プラグ11の外周面に、ガス流路の上流側において外形が小さくなるように段差部を設けることで、冷却効果を得ることができ、より溶鋼が凝固しやすくなる。また、段差部によって縦方向の通し目地がなくなるので、目地深部への溶鋼浸透を防止できる。さらに、この実施例ではガス吹込プラグ11の外周面で溶鋼侵入を防止できるため、ガス吹込プラグ11の長さは制約がなく長さを十分確保できるため使用回数を増やすことができる。加えて、ガス供給部である金属製の風箱14よりも稼働面側に段差部があり、この段差部で溶鋼の侵入を止めることができるため、風箱14が溶鋼によって溶融して漏鋼に繋がる危険性がない。
<第3の実施例>
図5に本発明の第3の実施例であるガス吹込プラグを示している。
この図5に示しているガス吹込プラグ11は、取鍋(溶鋼鍋)用の外装式のガス吹込プラグであり、耐火物で形成された円錐台形状のプラグ本体12と、このプラグ本体12中に上下2段に埋設された通気性耐火物(ガス流路)35,35がキャスタブル36で鋳包まれ外面はメタルケース37で覆われたものである。そして溶鋼鍋の炉底のパーマ層27(図6参照)に対応する部位(パーマ層領域)の外周面に、ガス流路の上流側において外形が縮小する段差部18が全周にわたって設けられている。
なお、この実施例において段差部18の大きさ(深さ)は10mmとしている。また、このガス吹込プラグ11の下段側の通気性耐火物35とメタルケース37との間にはガス供給部としての空間(ガスプール38)が設けられている。
図6は、図5のガス吹込プラグ11を溶鋼鍋の炉底に取り付けた状態の縦断面図である。基本的な取付構造は図2に示した転炉の炉底への取付構造と同じである。すなわち、上部受けブロック21の周囲で上から400mmの層は、内張り材として内張りキャスタブルがライニングされて内張り層26となっており、その下側の200mmはパーマれんががライニングされてパーマ層27となっている。そしてガス吹込プラグ11の段差部18はパーマ層領域に設けられており、具体的にはパーマ層27の底面(炉底鉄皮28の内面,パーマ層領域の下端)から150mmの位置にある。またガス吹込プラグ11と下部受けブロック22との間の隙間には円筒形の定形耐火物である目地押さえブロック29が挿入されている。この目地押さえブロック29はバヨネット39によって炉底鉄皮28と係合することで上に押し付けられている。
この実施例によっても前述の第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
<第4の実施例>
図7に本発明の第4の実施例であるガス吹込プラグを示している。
このガス吹込プラグ11は、マグネシアカーボン製のスリーブれんが40の中に金属製のガス吹込管13を配置してスピネル材質のキャスタブル41を流し込んで製造したもので、このキャスタブル41を流し込んだ部分がプラグ本体12となっている。すなわち、キャスタブルからなるプラグ本体12の耐用性を向上するために、周囲に高耐食性のスリーブれんが40を設けた構造であるが、繰り返しの使用でプラグ本体12とスリーブれんが40との間に隙間が発生し溶鋼が浸透する場合がある。
そこで、スリーブれんが40とプラグ本体12との接合部(目地)の深部への溶鋼浸透を防止するために、プラグ本体12の外周面に段差部18を設けるとともに、スリーブれんが40の内周面に段差部18と対応する段差部40aを設け、これら段差部18,40aで形成された空間に円筒形の目地押さえブロック29を挿入し接合したものである。具体的には、スリーブれんが40の内周面に設けた段差部40aの段差面40bとプラグ本体12の外周面に設けた段差部18の段差面19とがほぼ同じ高さ位置になるように配置し、これら2つの段差面40b,19に当接するように目地押さえブロック29を挿入している。定形耐火物又は不定形耐火物を配置している。
なお、プラグ本体12の外周面に設けた段差部18は、第1~3の実施例と同様にパーマ層領域に位置しており、ガス流路の上流側において外形が小さくなるように設けられている。また、スリーブれんが40の内周面に設けた段差部40aは、ガス流路の上流側において内孔(内径)が拡大するように設けられている。
この実施例によっても前述の第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
なお、この実施例ではプラグ本体12の外周面にのみ段差部を設けたが、スリーブれんが40の外周面、すなわちガス吹込プラグ11の外周面にも同様に段差部を設けることもできる。この場合の取付構造は、図2と同様の取付構造とすることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されるものではない。
本発明において段差部は、パーマ層領域の下端を基点としてパーマ層領域の全長の20%から80%の長さの範囲に設けることが好ましい。言い換えれば、本発明において段差部は、ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部に取り付けたときにパーマ層の底面(炉底鉄皮の内面)を起点としてパーマ層の全長の20%から80%の長さの範囲に位置するように設けることが好ましい。すなわち、溶融金属にさらされて高温になる内張り層からの距離を十分に確保する点から、段差部はパーマ層領域(パーマ層)の全長の80%以下の範囲に設けることが好ましい。一方、万一段差部を越えて溶融金属が浸透したときにすぐに炉底鉄皮から漏出しないように炉底鉄皮までの距離を十分に確保する点から、段差部はパーマ層領域(パーマ層)の全長の20%以上の範囲に設けることが好ましい。
また、本発明のガス吹込プラグにおいて段差部の大きさは5mm以上50mm以下であることが好ましい。すなわち、段差部による溶融金属浸透防止効果を十分に得る点から、その大きさは5mm以上であることが好ましい。一方、プラグ本体内のガス流路を十分に確保する点から、その大きさは50mm以下であることが好ましい。
11 ガス吹込プラグ
12 プラグ本体
13 ガス吹込管(ガス流路)
14 風箱(ガス供給部)
15 ガス導入パイプ
16 内張り層領域
17 パーマ層領域
18 段差部
19 段差面
20 受けブロック
21 上部受けブロック
22 下部受けブロック
23 内孔
24 内孔段差部
25 段差面
26 内張り層
27 パーマ層
28 炉底鉄皮
29 目地押さえブロック
30 圧入材
31 内張り層とパーマ層の境界位置
32 上部段差部
33 下部段差部
34 下部段差部の段差面
35 通気性耐火物
36 キャスタブル
37 メタルケース
38 ガスプール(ガス供給部)
39 バヨネット
40 スリーブれんが
40a 段差部
40b 段差面
41 キャスタブル

Claims (4)

  1. 溶融金属容器の底部に取り付けるガス吹込プラグであって、
    ガス流路を含むプラグ本体と、ガス流路にガスを供給するガス供給部と、プラグ本体の外周面を囲むように設けたスリーブれんがとを有し、
    スリーブれんがの内周面に設けた段差部の段差面プラグ本体の外周面に設けた段差部の段差面とがほぼ同じ位置にあり、これら2つの段差面に当接するように定形耐火物又は不定形耐火物を設けている、ガス吹込プラグ。
  2. ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部に取り付けてなる、ガス吹込プラグの取付構造であって、
    ガス吹込プラグは、ガス流路を含むプラグ本体と、ガス流路にガスを供給するガス供給部とを有し、
    ガス吹込プラグの外周面又はプラグ本体の外周面においてガス供給部よりも稼働面側であって、溶融金属容器の底部に取り付けたときに当該溶融金属容器の炉底鉄皮の内面にライニングされているパーマ層に位置することになるパーマ層領域に、ガス流路の上流側において外形が小さくなる段差部を設けており、この段差部の大きさは5mm以上50mm以下である、ガス吹込プラグの取付構造
  3. 段差部は、パーマ層領域の下端を基点としてパーマ層領域の全長の20%から80%の長さの範囲に設けている、請求項2に記載のガス吹込プラグの取付構造
  4. ガス吹込プラグを溶融金属容器の底部の受けブロックに取り付けてなる、ガス吹込プラグの取付構造であって、
    受けブロックは、上下方向に貫通する内孔と、この内孔の内周面に炉底鉄皮側において内孔が拡大する内孔段差部とを有し、
    内孔段差部の段差面とガス吹込プラグの外周面に設けた段差部の段差面との位置がほぼ同じになるにように、ガス吹込プラグが受けブロックの内孔内に配置され、かつ、これら2つの段差面に当接するように、定形耐火物又は不定形耐火物が受けブロックの内孔内に配置されている、ガス吹込プラグの取付構造。
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