JP7094818B2 - 油性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、油性ボールペン用インキ組成物に関する。
近年、筆記具(特にボールペン)においてインキや機能の違いで書き味、書き出し(初筆性能)、筆跡が安定して出続ける等のユーザー要求に対する需要が急激に高まりつつある。ボールペンの種類を大別すると、油性ボールペン、水性ボールペン、ゲルインキボールペン等に分類され、それらの中に、油性インキが用いられているものがある。
油性インキは、例えば、黒、赤、青、ピンク、グリーン、オレンジ等様々な色味があり、通常、着色剤を有機溶剤に溶解または分散させて製造される。更に筆記性能をあげるために樹脂、界面活性剤、添加剤等用途に応じて加えて製造されている。
油性インキに含有される着色剤としては、染料、顔料、それらの混合物が用いられる。例えば、顔料を用いた油性インキは、筆跡の堅牢性に優れるが、顔料がインキ中で凝集や沈降しやすく、筆跡に不具合が生じることがあった。これに対し、染料を用いた油性インキは、染料が溶剤に溶解しやすい特徴を持つため、顔料と比べると凝集や沈降が起こりにくいものの、耐水性及び耐候性は劣る傾向があった。
また、染料としては、酸性染料、塩基性染料等の様々な染料や造塩染料などの加工したタイプの染料等が知られている。例えば、着色剤としてメチン系染料を用いたインキ(特許文献1)、染料及び顔料の混合物を用いたインキ(特許文献2)が報告されている。
特開平08-20669号公報 特開2015-30753号公報
特許文献1、2に記載された染料は、染料としてはやや凝集しやすい傾向にあり、ボールチップの先端部のインキの溶剤が蒸発した際には、インキが増粘してしまい、書き出しの際に、カスレ現象が生じる場合があった。また、使用環境によっては良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)が得られないという課題があった。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、インキ組成物中での着色剤の凝集が良好に抑制されており、ボールペンに使用した際には、書き出しのカスレ現象が生じにくく、線飛び、カスレが生じにくく、良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)が得られる。
本発明は、アルコール、または、グリコールエーテルを含有する媒体;
該媒体に溶解する樹脂;および
下記一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤;
Figure 0007094818000001
[一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基を表し、Rは、アルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基またはアシル基を表す、あるいは、R及びRが結合して、アルキレン鎖を形成していてもよい。]
を含むことを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物に関する。
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制されたものである。そして、ボールペンに使用した際には、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛び、カスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[着色剤]
まず、着色剤として用いられる一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 0007094818000002
[一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基を表し、Rは、アルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基またはアシル基を表す、あるいは、R及びRが結合して、アルキレン鎖を形成していてもよい。]
一般式(1)中、R及びRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられる。置換基としては、アルコキシ基等が挙げられるが、無置換のアルキル基であることが好ましい。炭素数1~20の無置換のアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2-エチルプロピル基、2-エチルヘキシル基等の、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、高濃度条件下における彩度及び分散性の向上の観点から、炭素数1~8の置換もしくは無置換のアルキル基であることが好ましく、2-エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基がより好ましい。
一般式(1)中、Rにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、2-メチルブチル基、2,3,3-トリメチルブチル基、オクチル基等が挙げられる。これらの中でも、低温及び高温条件下においても油性ボールペン用インキ組成物内での凝集が抑制され、本発明の効果が得られやすい、メチル基、n-ブチル基、2-メチルブチル基、2,3,3-トリメチルブチル基が好ましい。
一般式(1)中、R及びRにおけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられる。置換基としては、アルコキシ基等が挙げられるが、無置換のアルキル基であることが好ましい。炭素数1~20の無置換のアルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2-エチルプロピル基、2-エチルヘキシル基等の、直鎖状、分岐状もしくは環状の、炭素数1~20のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1~4の無置換のアルキル基であることが好ましい。また、R及びRが結合して形成されるアルキレン鎖としては、例えば、ペンチレン等が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRにおけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、炭素数6~10の置換もしくは無置換のアリール基が挙げられる。置換基としては、アルキル基及びアルコキシ基等が挙げられる。なお、置換基を有する場合、上記炭素数は、該置換基の炭素数を含む。また、置換基は1つでも複数でもよい。炭素数6~10の置換もしくは無置換のアリール基としては、具体的に、フェニル基、4-メチルフェニル基、4-メトキシフェニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R及びRにおけるアシル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1~30の置換もしくは無置換のアシル基が挙げられる。置換基としては、アルコキシ基等が挙げられるが、無置換のアシル基であることが好ましい。具体的には、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基等の炭素数2~30の無置換のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数7~30の無置換のアリールカルボニル基;2-ピリジルカルボニル基、2-フリルカルボニル基等のヘテロ環カルボニル基等が挙げられる。これらの中でも、高濃度条件下における彩度及び分散性の向上の観点から、アセチル基、ピバロイル基またはベンゾイル基が好ましく、アセチル基またはベンゾイル基がより好ましい。
次に、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の製造方法について説明する。本発明の化合物は、WO2014/034094に記載されている公知の方法を参考にして合成することが可能である。
一般式(1)で表される化合物には、シス-トランス異性体が存在するが、いずれも本発明の範疇であり、一般式(1)で表される化合物は、それらの混合物であってもよい。
一般式(1)で表される化合物の例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007094818000003
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般式(1)で表される化合物の配合量は、インキ組成物全量に対し、1~50質量%であることが好ましい。より好ましくは2~45質量%であり、さらに好ましくは、5~40質量%である。
また、一般式(1)で表される化合物のみを着色剤と用いてもよいが、他の公知の着色剤を併用してもよい。
併用することができる着色剤(染料、顔料)は、色相、印画感度、耐光性、保存性及び樹脂との溶解性等を考慮してインキの目的や用途に応じて決められる。
併用できる染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸性染料、塩基性染料、金属錯体染料、造塩染料、アジン染料、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。
具体例として、NIGROSIN BASE EX―BP、NUBIAN BLACK PA-2800、VALIFAST BLACK 1805、VALIFAST BLACK 1807、VALIFAST BLACK 1815、VALIFAST BLACK 1821、Oil Blue 613、VALIFAST RED 1308、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1355、VALIFAST RED 1360、VALIFAST BLUE 1601、VALIFAST BLUE 1605、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST YELLOW 1101、VALIFAST YELLOW 1151(以上、オリエント化学工業(株)社製)、Aizon Spilon Blue 2BNH、Aizon Spilon Red C-GH、Aizon Spilon Red C-BH、Aizon Spilon Yellow C-GHN new、Aizon Spilon Yellow GRLH special、Aizon S.P.T. Blue-121(以上、保土谷化学工業(株)社製)等を挙げることができる。
本発明の染料の配合量は、インキ組成物全量に対し、1~50質量%の範囲で選択される。
併用できる顔料としては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、二酸化チタン顔料、フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロール、アゾ、ジオキサン、キノフタロン、トリフェニルメタン、ペリレン、ペリノン、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等を挙げることができる。
具体例として例えば、FUJI FAST RED 8800(C.I.Pigment Red 254)、FUJI FAST RED 2200(C.I.Pigment Red 170)(以上、冨士色素(株)社製)等を挙げることができる。
顔料は、媒体に分散後の平均粒径が30nm~700nmとなるものが好ましい。
顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5~25質量%、好ましくは0.5~20質量%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
尚、一般式(1)で表される化合物と、併用できる染料・顔料とを含めた着色剤としては、インキ組成物全量に対し、1~50質量%の範囲で配合されることが好ましい。
<油性ボールペン用インキ組成物>
次に、本発明に係る油性ボールペン用インキ組成物について説明する。
油性ボールペン用インキ組成物は、一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤以外に、アルコールを含有する媒体、および媒体に溶解する樹脂を含有する。
また、上記の構成成分以外に、各種用途における特性を阻害しない範囲において、添加剤を適宜添加してもよい。添加剤については、後述する。
[媒体]
本発明における「媒体」とは、アルコール、または、グリコールエーテルである。媒体は、インキの目的や用途に応じて選択されるものであり、特に限定されず、1種又は2種以上用いることができる。
以下、好適に用いられるアルコールを記載する。
例えば、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール等の置換基を有さないアルキルモノアルコール;2-フェノキシエタノール、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノールなどの置換基を有するアルキルモノアルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコールが挙げられる。置換基を有するアルキルモノアルコールにおける置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられる。
また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール等のアルキル多価アルコールが挙げられる。
更に、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系アルコールが挙げられる。
特に、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好適に用いられる。
また、グリコールエーテルも好適に用いることができる。グリコールエーテルには、モノアルコールモノエーテルも存在するが、これらに関してはアルコールとして記載した。以下、ジエーテルを例示する。エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル等が挙げられる。
また、媒体には、アルコールやグリコールエーテルに加えて、水;3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒を含んでもよい。
本発明の媒体の使用量は、インキ組成物全量を基準として、5~70質量%であることが好ましく、より好ましくは8~60質量%であり、特に好ましくは10~30質量%である。
[樹脂]
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、インキの粘度調整及び耐擦過性の向上のため、上記媒体に溶解する樹脂を含む。
樹脂としては、インキの目的や用途に応じて決められるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、ブチラール樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、スチレン樹脂、スチレン-アクリル樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ロジンフェノール樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、カスレが生じない書き味を出すために、ブチラール樹脂、ケトン樹脂が好ましく用いられる。
ブチラール樹脂としては、例えば、低重合度タイプのエスレックBL-1、BL-2、BL-10、高重合タイプのBH-3、BH-6、BX-1、BX-5、BH-S(以上、積水化学工業(株)社製)等が挙げられる。
ケトン樹脂としては、例えば、ケトンレジンK-90(荒川化学工業(株)社製)、ハイラック901、ハイラック110H、ハイラック111(以上、日立化成(株)社製)等が挙げられる。
また、ポリビニルピロリドン樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドンK-90(日本触媒(株)社製)が挙げられる。
樹脂の配合量は、インク組成物全量を基準として、1~50質量%であることが好ましく、より好ましくは3~30質量%であり、特に好ましくは5~25質量%である。上記の範囲内であれば、粘度調整が容易であり、またペン先の摩耗を防止でき、安定して良好な書き味が得られる。さらに、造膜性を適度に抑えることできるため、ペン先が暴露されている状態が続いた場合であっても、インキの固化を抑制でき、書き出し時の「カスレ現象」を抑制できる。
[添加剤]
更に必要に応じて、インクに悪影響を及ぼさない範囲内で添加剤を加えてもよい。例えば、防錆剤、界面活性剤、潤滑剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、レベリング剤、防腐剤、セルロースナノファイバー等を挙げることができる。
防錆剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン、エチレンジアミン四酢酸、金属塩系化合物、及びリン酸エステル系化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
潤滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、高級脂肪酸、シリコーンオイル、グリセリン脂肪酸エステル、ひまし油、リン酸エステル及びその金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、ボールペンのボールチップのボール受け座の摩耗防止効果がある。これらの潤滑剤は、単独又は2種以上用いてもよい。更に、潤滑性を向上させるために、シリカ微粒子、アルミナ微粒子等の微粒子を添加してもよい。
湿潤剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン、ソルビタン系化合物、多糖類、尿素等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル5’-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、及びp-安息香酸-2-ヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルポリシロキサンのようなシリコーン系化合物、鉱物油、及びフッ素系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドロキシトルエン、フラボノイド、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸誘導体、α-トコフェロール、カテキン類が挙げられる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、アルカノールアミン、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ラウリルアミン、N,N-ジメチルステアリンアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、アンモニウムのようなアルカリ化剤、または、アルキルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド縮合体のような酸性化合物が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
[製造方法]
インキ組成物は、公知の方法により製造することができる。
例えば、媒体、一般式(1)で表される化合物、樹脂、及び必要に応じて、他の着色剤や添加剤を適度な温度範囲で配合し、ミキサー、ロール、ホモジナイザー、ディスパー等の撹拌混合することで得られる。また、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、及び、高圧対向衝突式の分散機を用いることもできる。
本発明のインキ組成物は、一定量の固形分を確保する必要があり、固形分が少なくなるとインキの粘性が低くなり、インキのボタ落ちにつながる。
即ち、本発明のインキ組成物の粘度は、24.5~25.5℃雰囲気下、38.30(1/s)の剪断速度で100~3000mPa・sの範囲である。
このように製造された油性ボールペン用インキ組成物はボールペンに充填される。
ボールペンの構造や形態は特に限定されるものではない。例えば、ボールを先端のボール受け座に装着したボールチップを先端部に接続させているインキ収容管が軸筒の内空に収容され、このチップが軸筒の先端から突き出ている構造を有しているボールペンを挙げることができる。インキ収容管の開口から基端から油性ボールペンインキ組成物が充填された後、基端の開口は逆流防止の液栓または逆流防止体でふさがれる。
ボールが筆記媒体上を転がる事により、ボールチップとボールとの間隙からボール表面に油性ボールペン用インキ組成物が供給され、筆記媒体に浸みこんで筆跡が形成される。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を表す。
一般式(1)で表される化合物を、公知の方法によって合成し、同定は、H核磁気共鳴分光分析(H-NMR)装置(ECA-400、日本電子(株)製)、及び、LC/TOF MS装置(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)を用いて行った。
<油性ボールペン用インキ組成物の製造>
[実施例1~22、比較例1~11]
表1-1、表1-2に示す構成材料を用いた。まず、媒体に樹脂を添加して70℃に加温して溶解させた後、室温まで冷却し、着色剤と他の構成材料を加え、アトライター(三井鉱山社製)により3時間分散して、油性ボールペン用インキ組成物を製造した。
尚、表1-2中の比較化合物(1)~(3)は、以下の化合物である。
Figure 0007094818000004
Figure 0007094818000005
Figure 0007094818000006
[溶解安定性評価]
50mLサンプル瓶に上記で得られた各油性ボールペン用インキ組成物を20mL加え密閉し、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下で1カ月放置し、インキ組成物の溶解安定性評価した。インキ組成物に凝集物の有無を位相差顕微鏡(BX53、OLYMPUS社製)にて目視で観測した。凝集物が少ないほど、溶解安定性に優れていると判断した。
A:インキ組成物に凝集物がなく、良好なもの。
B:インキ組成物に凝集物がわずかに発生したもの。
C:インキ組成物に凝集物が発生したもの。
[書き出し時のカスレ(初筆性)評価]
上記で得られた各油性ボールペン用インキ組成物を、それぞれ内径1.2mm、長さ140mmのポリプロピレンチューブ製のインキ収容管に充填した。このインキ収容管と燐青銅チップを具備した評価試験用ボールペンを作製した(ボール径0.7mm)。
試験用ボールペンのキャップを取り、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下、湿度65%で1時間放置した後、JIS P3201筆記用紙を用いて、手書きでまるを筆記した。
書き出し時のカスレ評価を次の評価基準で行った。カスレが生じないもの程書き出し時の初筆性がよいと判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件ともカスレが生じなかった。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが生じた。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが顕著に生じた。
[書き味評価]
初筆性評価に続いて、書き味評価を行った。書き味評価は、筆跡中の線飛び・カスレ、筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続けるかを、次の評価基準で行った。筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない程、筆跡が安定して出続けるため書き味が良好と判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件とも、筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレがわずかに生じた、または、筆跡濃度の変化がわずかに起こった。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレが生じ、筆跡濃度の変化が起こった。
上記の評価の結果を表2に示す。
Figure 0007094818000007
本発明の油性ボールペン用インキ組成物は、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制されたものである。そして、ボールペンに使用した際には、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛び、カスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)が得られる。

Claims (3)

  1. アルコール、または、グリコールエーテルを含有する媒体;
    該媒体に溶解する樹脂;および
    下記一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤;
    Figure 0007094818000008

    [一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基を表し、Rは、アルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基またはアシル基を表す、あるいは、R及びRが結合して、アルキレン鎖を形成していてもよい。]
    を含むことを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
  2. 該樹脂が、ブチラール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する請求項1に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
  3. 該媒体が、アルコールを含有する請求項1または2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
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