JP7092577B2 - 蒸発源及び蒸着装置 - Google Patents
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Description
基板に蒸着させる物質の材料を収容する坩堝であって蒸発または昇華した前記材料を噴出するノズルが上面側に設けられた坩堝と、
前記坩堝の上面と対向する前記坩堝の底面を加熱するヒータと、
前記ヒータを挟んで、前記坩堝の底面とは反対側に設けられ、前記ヒータからの熱を反射させるリフレクタと、
を備える蒸発源であって、
前記リフレクタは、第1部分と、前記第1部分より熱放射率が高い第2部分と、を有し、
前記第2部分は、前記坩堝の底面の温度分布において平均温度よりも高くなる領域について、前記リフレクタに対して前記坩堝の底面の法線方向に仮想的に投影した場合に仮想的に投影される領域の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする。
上記の蒸発源と、
前記蒸発源が内部に配置されるチャンバと、
を備えることを特徴とする。
図1~図3を参照して、本発明の実施例1に係る加熱装置と、この加熱装置を備える蒸発源と、この蒸発源を備える蒸着装置について説明する。
図1を参照して、本実施例に係る蒸着装置10について説明する。図1は本発明の実施例1に係る蒸着装置10の概略構成図である。蒸着装置10は、真空ポンプ200によって、内部が真空(減圧雰囲気)となるように構成されるチャンバ100と、チャンバ100の内部に配置される蒸発源300とを備えている。蒸発源300は、基板20に蒸着させる物質の材料を加熱することで、当該材料を蒸発又は昇華させる役割を担っている。この蒸発源300によって蒸発または昇華された物質が、チャンバ100の内部に設置された基板20に付着することで、基板20に薄膜が形成される。
図2を参照して、本実施例に係る蒸発源300の全体構成について説明する。図2は本発明の実施例に係る蒸発源300の模式的断面図である。なお、図2においては、一列に並ぶように設けられているノズル350の各中心軸線を含むように、鉛直方向上下に蒸発源300を切断した断面を模式的に示している。
て配置される第1ヒータ331、坩堝321の側面に対向して配置される第2ヒータ332、及び坩堝321の上面に対向して配置される第3ヒータ333などが設けられている。
特に、図3を参照して、第1ケース311の内部に設けられるヒータとリフレクタについて、より詳細に説明する。ヒータとリフレクタは、蒸発源300に備えられる加熱装置を構成する。なお、ここでは、複数のヒータ及びリフレクタのうち、第1ヒータ331と第1リフレクタ341を例にして説明する。図3(a)は第1ヒータ331の側面図である。図3(b)は第1ヒータ331によって加熱される坩堝321の底面部の温度分布を示したグラフである。ただし、図3(b)においては、第1リフレクタ341の表裏面の熱放射率が均一の場合の温度分布を示している。図3(c)は第1リフレクタ341の側面図である。図3(d)は第1リフレクタ341の平面図である。図3(e)は高熱放射率部を設ける位置についての説明図である。図3(f)は第1ヒータ331によって加熱される坩堝321の底面部の温度分布を示したグラフである。ただし、図3(f)においては、第1リフレクタ341の表裏面の熱放射率が部分的に異なる場合の温度分布を示している。また、図3(a)~(d)及び(f)において、矢印Xは、第1ヒータ331及び第1リフレクタ341の一端側から他端側に向かう方向を示している。
なるように配置されている。
構成される第1リフレクタ341Xを採用した場合でも、上記の第1リフレクタ341を採用した場合と同様の作用効果を得ることができる。以下、図5を参照して、その理由を説明する。
R1=(1/εh+1/εr1-1)/A
により計算され、リフレクタ340とケース310との間の熱抵抗R2は、
R2=(1/εc+1/εr2-1)/A
により計算される。
R=R1+R2
=(1/εh+1/εr1-1)/A+(1/εc+1/εr2-1)/A
により計算される。
も、その裏側の熱放射率を高めても、ヒータ330の温度は低下する。従って、リフレクタ340の一部の熱放射率を高めることで、ヒータ330の一部の温度を低下させて、坩堝321の一部の温度を低下させることができる。これにより、ヒータ330及び坩堝321のうち、他の部位に比べて温度が高くなってしまう部位の温度を低下させて、坩堝321の温度分布の均一化を向上させることができる。
本実施例によれば、例えば、第1リフレクタ341には、熱放射率が他の部位に比べて高い高熱放射率部341aが部分的に設けられている。これにより、坩堝321の底面の温度分布の均一化を向上させることができる。高熱放射率部341aを設ける位置については、上述の通りである。なお、上記の通り、第2ヒータ332と第2リフレクタ342、及び第3ヒータ333と第3リフレクタ343等についても、同様の構成を採用することで、坩堝321の側面や上面の温度分布の均一化を向上させることができる。
図6には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、リフレクタに設けられる高熱放射率部が表面処理部の場合について示したが、本実施例では、リフレクタに設けられる高熱放射率部が複数の貫通孔が形成されている部位の場合を示す。リフレクタ以外の構成については実施例1で説明した構成を適用可能であるので、その説明は省略する。
図7には、本発明の実施例3が示されている。上記実施例1では、蒸発源が坩堝と拡散室とを備える場合の構成について示したが、本実施例では蒸発源には拡散室が設けられていない場合の構成を示す。その他の基本的な構成については、上記実施例1と同一であるので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
は備えられていない。第1ケース311が熱を遮断する役割を担っている点については、上記実施例1の場合と同様である。そして、この第1ケース311の内部には、上記実施例1の場合と同様に、基板に蒸着させる物質の材料を収容する坩堝321が設けられている。本実施例においては、拡散室が設けられておらず、坩堝321の上面側に、拡散された材料を噴射するノズル350が複数設けられている。
上記実施例においては、発熱体の密度が位置に応じて異なる場合の構成を示した。しかしながら、発熱体の密度が位置に応じて異なっていない構成を採用した場合でも、リフレクタに高熱放射率部を設ける構成を採用することで、坩堝の温度分布の均一化を向上させる効果が得られることは言うまでもない。また、上記実施例1においては、表面処理部により構成される高熱放射率部が、リフレクタにおけるヒータとの対向面側に設けられる場合と、リフレクタにおけるヒータとの対向面の裏側に設けられる場合について説明した。しかしながら、表面処理部により構成される高熱放射率部を、リフレクタの両面にそれぞれ設ける構成を採用することもできる。また、上記各実施例においては、リフレクタが1枚の金属板により構成される場合を示した。しかしながら、2枚以上のリフレクタを重ねるようにして設ける構成も採用することができる。この場合には、2枚以上のリフレクタのうち、少なくともいずれか一つのリフレクタに高熱放射率部を設ければよい。
Claims (10)
- 基板に蒸着させる物質の材料を収容する坩堝であって蒸発または昇華した前記材料を噴出するノズルが上面側に設けられた坩堝と、
前記坩堝の上面と対向する前記坩堝の底面を加熱するヒータと、
前記ヒータを挟んで、前記坩堝の底面とは反対側に設けられ、前記ヒータからの熱を反射させるリフレクタと、
を備える蒸発源であって、
前記リフレクタは、第1部分と、前記第1部分より熱放射率が高い第2部分と、を有し、
前記第2部分は、前記坩堝の底面の温度分布において平均温度よりも高くなる領域について、前記リフレクタに対して前記坩堝の底面の法線方向に仮想的に投影した場合に仮想的に投影される領域の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする蒸発源。 - 前記第2部分は、前記リフレクタにおける前記ヒータとの対向面側に形成された表面処理部であることを特徴とする請求項1に記載の蒸発源。
- 前記第2部分は、前記リフレクタにおける前記ヒータとの対向面の裏側に形成された表面処理部であることを特徴とする請求項1に記載の蒸発源。
- 前記表面処理部は溶射による処理部であることを特徴とする請求項2または3に記載の蒸発源。
- 前記表面処理部はブラスト加工による処理部であることを特徴とする請求項2または3に記載の蒸発源。
- 前記表面処理部は黒色めっき加工による処理部であることを特徴とする請求項2または3に記載の蒸発源。
- 前記第2部分は、前記リフレクタの両面を貫通する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発源。
- 前記坩堝と連結部によって内部が繋がって前記坩堝の上面側に設けられ蒸発または昇華した前記材料を拡散し上面側に設けられた前記ノズルによって拡散された前記材料が噴出される拡散室と、
前記坩堝の上面を加熱する上面側のヒータと、
前記上面側のヒータを挟んで、前記坩堝の上面とは反対側に設けられ、前記上面側のヒータの熱を反射させる上面側のリフレクタと、
を更に備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の蒸発源。 - 前記上面側のリフレクタは、第1部分と、前記第1部分より熱放射率が高い第2部分と、を有し、
前記上面側のリフレクタの前記第2部分は、前記坩堝の上面の温度分布において平均温度よりも高くなる領域について、前記上面側のリフレクタに対して前記坩堝の上面の法線方向に仮想的に投影した場合に仮想的に投影される領域の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の蒸発源。 - 請求項1~9のいずれか一つに記載の蒸発源と、
前記蒸発源が内部に配置されるチャンバと、
を備えることを特徴とする蒸着装置。
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