JP5400653B2 - 真空蒸着装置 - Google Patents

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本発明は、蒸着によって薄膜を形成するための蒸発源及びこれを用いた真空蒸着装置に係り、特に大型の基板上に厚さが均一な薄膜を形成するのに有効な真空蒸着方法及びその装置に関する。
有機EL表示装置や照明装置に用いられる有機EL素子は、一層または多層からなる有機層を上下から陽極と陰極の一対の電極で挟み込んだ構造で、電極に電圧を印加することにより陽極側から正孔が、陰極側から電子がそれぞれ有機層に注入されそれらが再結合することにより発光する仕組みになっている。
この有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子輸送層などを積層した多層構造になっている。この有機層を形成する材料として高分子材料と低分子材料を用いたものがある。このうち低分子材料を用いる場合には、真空蒸着装置を用いて有機薄膜を形成する。
低分子系材料を用いた有機EL素子の主な製造方法である真空蒸着法は、ヒーターの抵抗加熱による輻射熱で蒸発源を加熱し、蒸発源に入れた有機材料を蒸発させ基板上に成膜する。カラー表示の有機EL素子を作成するには、異なる発光をする有機EL材料を画素ごとに塗り分けて成膜する必要がある。パターニングが必要な時は、基板にメタルマスクを所定の間隔を開けて設置し、蒸発源から噴射される有機材料の蒸気を、メタルマスクを介して基板に蒸着させることによって、所定のパターンの有機薄膜が形成される。各画素領域に対して斜め方向から入射する蒸発材料の成分が存在すると、マスクの影になった画素周辺部の膜厚が薄くなる。
有機ELデバイスの特性は有機層の膜厚の影響を大きく受ける。有機層の厚さは薄ければ薄いほど、印加電圧を低くすることができるが、あまり薄いとショートや光の干渉問題が生じる。有機薄膜を形成する基板は年々大型化している。大型基板上に複数のパネルを制作する場合には、前記大型基板上に成膜される有機薄膜の膜厚分布を高精度に制御する必要がある。
従来、真空蒸着を用いて大型基板上に均一な膜厚分布で有機薄膜を成膜する方法として、「特許文献1」には、複数の蒸着セルあるいはノズルを備えた長手方向を有する蒸発源を、長手方向と垂直な方向に移動させる機構を含むことを特徴とする有機EL成膜装置の基本的技術が開示されている。
「特許文献2」には、基板と蒸発源の間にライン上に並ぶ複数のノズルを介し、これらの相対位置を複数のノズルが並ぶ方向と直交する方向に移動させることによって有機材料を蒸着させる蒸発源において、複数のノズルが非均等ピッチで開設されており、前記非均等ピッチは、前記複数のノズルが並ぶ方向における端縁部が細かいピッチであり、前記蒸発源は複数領域に分割されており、前記複数領域の各々について前記蒸発源の温度制御を行う温度制御手段を備えることを特徴とする有機EL素子の製造装置が開示されている。
特開2001−247959号公報 特開2004−95275号公報
特許文献1では、長手方向を有する蒸発源において、長手方向に沿って等間隔にノズルを設置することによって、長手方向に沿って均一な膜厚分布を形成することができる。しかし、蒸発源の長手方向のサイズの有限性のため、その両端部ではノズルピッチの規則性が破れる。蒸発源の長手方向のサイズが基板の一辺の長さに比べて十分に大きくない場合には、長手方向の両端部付近に対向する基板上で、膜厚分布が急激に落ち込む現象が生じる。そのため基板の全面にわたって均一な膜厚分布の有機薄膜を成膜することができない。
前記蒸発源において、基板の全面にわたり膜厚分布の均一性を実現するためには、長手方向の蒸発源の長さを、成膜される基板の一辺の長さに比べて一定の間隔以上大きく必要するがある。そのため蒸発源を長手方向に大型化する必要があり、結果として蒸着装置の大型化を招いてしまう。また蒸発源の長手方向において、基板の両外側に対向する位置にもノズルが必要となるため、基板の両外側に飛散した有機材料が無駄になり、材料利用効率を低減させ、製造コストの観点からは好ましくない。
特許文献2では、蒸発源の長手方向の両端部付近でノズルのピッチを細かくすることで、蒸発源及び真空蒸着装置を大型化させることなく基板上の膜厚分布の均一性を改善している。しかしノズルの形状や大きさなどは長手方向のライン全域に渡って一定としている。一つのノズルから有機材料はある一定の放射分布を持って噴射する。蒸発源の両端部近傍のノズル数が多くなる結果、基板の両外側に飛散する無駄な有機材料が増え、材料利用効率を低減させてしまい、コストの観点からは好ましくない。
本発明の目的は、上記で説明した有機材料の無駄を抑え、その長手方向に均一な膜厚分布を有する薄膜を形成することができる蒸発源及びこれを用いた真空蒸着装置を提供することにある。
本発明は、長手方向を有する蒸発源及び前記蒸発源を前記蒸発源の長手方向と垂直なスキャン方向に駆動させる機構を有する真空蒸着装置において、前記蒸発源の長手方向に対して複数の異なる形状を有するノズルを備え、前記ノズルから噴射する蒸気の放射分布が、長手方向の中央部に対して両端部では狭まった放射分布を有することを主要な特徴とする。
また、形状の異なる各ノズルは異なる蒸発レートを有し、その材料消費量を均一化するよう蒸発源が長手方向に対して複数の部屋に区画されており、スキャン方向に対してノズルから噴射する蒸気に指向性を持たせる整流板の開口は、蒸発源の中央で狭く両端部で広いことを特徴とする。
本発明の蒸発源及びこれを用いた真空蒸着装置によれば、長手方向の両端部付近のノズルから噴射して基板の両外側に蒸着する無駄な有機材料の消費量を抑えることが出来るので、膜厚均一性の高い有機薄膜を高い材料利用効率で成膜することができる。また、装置の大型化を抑制することが出来る。
本発明の蒸発源と基板の構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の蒸発源の詳細縦断面図である。 蒸発源の要部の構成を示す平面図であり、(a)は従来例、(b)は他の従来例、(c)は本発明の例である。 本発明及び従来例の蒸発源による基板の有効面における膜厚分布を示すグラフである。 本発明及び従来例の蒸発源による基板の有効面の外側における膜厚分布を示すフラフである。 本発明の蒸発源の縦断面図である。 本発明の蒸発源のノズル形状の例を示す平面図である。 本発明の蒸発源のノズル形状の他の例を示す平面図である。 本発明の蒸発源のノズル形状のさらに他の例を示す平面図である。 本発明のノズル形状の1例を示すための、蒸発源の断面図である。 本発明の蒸発源の他の例を示す詳細断面図である。 従来例における基板上の膜厚分布を計算する条件である。 他の従来例における基板上の膜厚分布を計算する条件である。 本発明における基板上の膜厚分布を計算する条件である。 本発明と従来例における膜厚分布と材料利用効率の比較である。
本発明にかかる真空蒸着装置の一例として、有機ELデバイスの製造に適用した例を説明する。有機ELデバイスの製造装置は、陽極の上に正孔注入層や正孔輸送層、発光層(有機層)、陰極の上に電子注入層や電子輸送層など様々な材料の薄膜層を真空蒸着により多層積層して形成する装置である。本発明にかかる有機ELデバイス製造装置は、長手方向を有する蒸発源及び前記蒸発源を前記蒸発源の長手方向と垂直なスキャン方向に駆動させる機構を有する真空蒸着装置において、前記蒸発源の長手方向に対して複数のノズル形状を有し、前記ノズルから噴射する蒸気の放射分布が、長手方向の中央部において両端部では狭まった放射分布を有することを主要な特徴とする。
以下、本発明の内容を、実施例を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の蒸発源1と基板3との関係を、実施の形態に基づいて示す説明図である。図2は、本発明の蒸発源1を長手方向に対して垂直な面で切った縦断面図である。図3は、本発明の蒸発源1が有するノズル形状をノズル開口部のある面からみた図、及び従来例との比較を示した図である。図3(a)および図3(b)は、従来技術の蒸発源1を示すものである。図3(c)は異なる形状のノズルが非均等ピッチで配置された本発明の蒸発源1である。
図4は、本発明及び従来例の蒸発源1によって基板3上に成膜された膜厚分布の例を示した図である。図5は、本発明及び従来例の蒸発源1によって基板3の外側に成膜された膜厚分布の例を示した図である。図12に示す表は、図4(a)の計算例で使用した計算条件をまとめたものである。図13に示す表は、図4(b)の計算例で使用した計算条件をまとめたものである。図14に示す表は、図4(c)の計算例で使用した計算条件をまとめたものである。図15に示す表は、本発明と従来技術における膜厚分布と蒸着材料の利用効率を比較したものである。
図1は、本発明の蒸発源1と基板3との関係を、実施の形態に基づいて示す説明図である。本発明の蒸発源1は、長手方向に異なった形状を有する複数のノズル2を有し、その長手方向と垂直なスキャン方向に移動させることで基板3の全面に有機薄膜を成膜する。基板3にはマスク4が所定の間隔を開けて設置されており、蒸発源1から噴射する有機材料6の蒸気を、マスク4を介して基板3に蒸着させることによって、所定のパターンの有機薄膜を形成することができる。
本発明の蒸発源1は、異なる形状を有する複数のノズル2を有し、長手方向の両端部付近の開口は、図3(c)に示すように中央部の開口に比べて小さいのが特徴である。このため蒸発源1の中央部に比べて両端部付近のノズル2から噴射する有機材料6の蒸気の放射分布により強い指向性を持たせることができる。ノズル2から噴射した蒸気は、所定の放射分布を有して基板3に到達し有機薄膜を形成する。
このとき蒸発源1の中央付近の広い開口から出る蒸気は、流量、放射分布ともに大きく、高速蒸着に有利である。一方、蒸発源1の両端付近の狭い開口のノズルから噴出する蒸気は、流量が小さく放射分布が狭い。流量は、ノズル数を増やすことで補うことができ、狭い開口から噴出した蒸気の高い指向性により、基板3の外側へ出て無駄になってしまう蒸気を減らし、蒸着材料を有効に利用することができる。
本実施例1では、蒸発源1の両端付近において、ノズルから噴射する蒸気の放射分布に指向性を寄与するためノズルの開口を小さくした具体例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば代わりにノズルの長さを長くして蒸気の放射分布に指向性を与えることも可能である。
また、ノズル形状は、蒸発源1の長手方向に長軸、蒸発源1のスキャン方向に短軸を有するような開口を有してもよい。この場合、ノズルから噴射する蒸気はスキャン方向についても指向性を有するので、基板3に対するスキャン方向についても材料利用効率を向上させることができる。またノズルの形状を変える代わりにノズルの基板3に対する傾きを変えることで基板3の外側へ出て無駄になる蒸気を減らすことも可能である。
本発明の蒸発源1は、その内部に複数の隔壁5を設けることで、有機材料6を貯蔵する材料室7、オリフィス8、及び複数のノズル2を一つの部屋に区画してもよい。形状の異なる各ノズルは異なる蒸発レートを有するので、蒸発源1の長手方向の位置によって材料の消費量も変わる。そこで隔壁5により蒸発源1を複数の部屋に区画し、各部屋の材料消費量を一定にすることで材料交換のタイミングを均一化し、長時間安定に蒸着することが可能な蒸着装置を提供することができる。すなわち、隔壁5で仕切られた各部屋における、蒸気に対するコンダクタンスを一定とすることでも、各部屋間の材料消費量を一定とすることが出来る。
隔壁5は例えば蒸発源1の長手方向に対して左右対称に設けるのがよい。左右非対称に設置すると、各部屋での材料消費量や蒸発源内部の蒸気の流れが不均一化する恐れがある。各区画に設置されたオリフィス8は、突沸した有機材料6が直接基板3へ到達しないよう蒸気の流れを制御する。
図2は蒸発源1の短軸方向の断面図である。蒸発源1は、有機材料6を貯蔵する材料室7、オリフィス8、及びノズル2を有している。蒸発源1は周囲のヒーター9によって加熱される。図6は、図2から蒸発源1のみを取り出した断面図であり、ノズルの形状を定義している。ノズルの長さという場合は、図6における寸法Lを指す。図6において、ノズル2の径WYは、蒸発源1の短軸方向における径である。図7は、蒸発源1を上側から見た平面図である。図7の例におけるノズル2の開口は円である。
ノズル2の形状は必要に応じて種々変えることが出来る。図8は、ノズルを楕円とすることによって、ノズル2の蒸発源1の長手方向の径WXを、蒸発源1のスキャン方向の径WYよりも大きくした例である。図9は、ノズル2の形状を長方形とした例である。図7〜図9において、WXは蒸発源1の長軸方向の径であり、WYは蒸発源1の短軸方向の径である。
図10は蒸発源1の長手方向の一部断面図である。図10はオリフィス8の開口部における断面図であるので、オリフィス8の位置は点線で記載されている。図10において、蒸発源1の上方にノズル2が形成されている。ノズル2は斜め方向に空けられており、これによって蒸気に対して指向性をもたせることが出来る。図10においては、ノズル2の位置によって、ノズル2の傾きをg1、g2、g3のように変化させている。しかし、ノズル2の傾きは、蒸発源1の区画された各部屋毎に一定としてもよい。なお、蒸発源1の長手方向の中央においてはノズルの傾きはなく、端部において、ノズルの傾きを形成するのがよい。
図2に戻り、蒸発源1には、ノズル2から噴射した蒸気に指向性を与えるために整流板11が取り付けられている。前記整流板11は固定であっても可動式であってもよい。固定であれば制作が容易であるし、可変であれば整流板11の開口を成膜条件に応じて制御できる利点がある。
図1および図2において、前記整流板11は蒸発源1の長手方向と平行に取り付けられている。図1および図2では、各部屋毎に整流板11は平行にとりつけられている。ノズルを挟むように配置した2枚の整流板11の間隔を部屋毎に変化させることによって、蒸発源1の位置により蒸気に対する指向性を変化させることが出来る。例えば、蒸発源1の中央においては、整流板11の間隔は小さく、蒸発源1の端部においては、整流板11の間隔を大きくする。
図2における各部屋毎の2枚の整流板11は平行に配置されているが、図11に示すように、整流板11の開口の幅を上側に向けて広げるような形としてもよい。言い換えると、整流板11の間隔は蒸着材料6側で狭く、蒸着材料6よりも遠い側に広くなっている。整流板11の傾きξを制御することによって、蒸気の放射角度を変化させることが出来る。また、整流板11の傾きξを蒸発源1の場所毎に変化させることによって、場所毎に蒸発の指向性を変えることが出来る。
図1、図2あるいは図11に示した例では、蒸発源1の長手方向と平行に整流板11を設けた場合を説明したが、整流板11を蒸発源1の長手方向に対して直角に設けてもよい。この場合、長手方向についても蒸気に指向性を与えることができ、画素内膜厚分布を均一にすることができる。
図2および図11において、整流板11は、有機材料6の蒸気が析出しないような温度になるようにヒーター9により加熱することで、有機材料6の析出を防ぐことができる。整流板11と蒸発源1の温度制御はヒーター9を分割することで独立に制御してもよい。ヒーター9や蒸発源1及び整流板11から放射される輻射熱は、一枚あるいは複数枚のリフレクター10により基板3やマスク4への伝達を遮蔽する。
図2および図11に示すように、本発明の蒸発源1は、温度制御用のヒーター9と、ヒーター9や蒸発源1からの熱輻射を基板側へ伝達させないための複数のリフレクター(熱遮蔽板)10を備えているが、この他に、水冷ジャケット、開口部からの噴出物が熱遮蔽板等の周辺部品へ付着することを防止するための防壁板を備えている場合もある。
以上のような蒸発源1を使用した場合の、基板3における蒸着膜の状態を示すシミュレーションをおこなった。図3は、本発明の蒸発源1が有するノズル形状をノズル開口部のある面からみた図、及び従来例との比較を示した図である。図3(a)は従来例である同一ノズル均等ピッチを、図3(b)は他の従来例である同一ノズル非均等ピッチを、図3(c)は本発明である、異なるノズルで非均等ピッチのノズル配置を示す蒸発源1の平面図である。
図4は、図3に例示した(a)(b)(c)3種類の蒸発源1を用いて基板上に成膜された膜厚分布の計算例である。蒸発源1の長手方向のサイズは1500mmとし、基板3の長手方向のサイズは1300mmとした。図4において、横軸は基板3の位置であり、縦軸は対応する場所における膜厚である。図4では、基板3の有効領域における膜厚分布を示している。
図5は、図3に例示した(a)(b)(c)3種類の蒸発源1を用いた場合の、基板3の有効領域よりも外側における膜厚分布を計算した例である。図5において、横軸は基板中央からの位置、縦軸は相対膜厚である。図5の横軸は、650mmよりも大きい範囲が記載されている。これは、基板3の有効領域外であることを示している。図5に記載されている膜厚は全て、有機EL表示装置の表示に使用しないものであり、蒸着膜厚は小さいほうがよい。すなわち、図5における積分値が小さいほど蒸発材料6の使用効率がよいといえる。
図12に示す表、図13に示す表,図14に示す表は、それぞれ図4(a)(b)(c)の計算例で使用した計算条件をまとめたものである。本発明を示す図3(c)では、蒸発源1の長手方向を複数の領域(領域1、領域2、領域3など)に分割し、各領域でのノズル形状は同一とし、異なる領域では形状の異なるノズルを設置した。ノズルピッチは、長手方向に沿って互いに隣接するノズルの間隔である。ノズル本数は各領域(領域1、領域2、領域3など)に配置された同一形状のノズルの本数である。ノズル配置は、長手方向を座標軸にとり基板中央を原点とした座標系におけるノズルの位置である。
一つのノズルから噴射する蒸気により基板上に成膜される膜厚分布を、P(cosθ)^Nと表現した。記号Pは前記膜厚分布の最大値であるが、単位は任意([a. u.])である。記号^Nは冪乗、記号θはノズルの中心軸を基準にノズル先端から基板上の点の方向を示す角度である。PとNは独立変数とした。
図15に示す表は、計算条件(a)(b)(c)のそれぞれに対して、蒸着した膜厚分布の均一性と、有機材料6の利用効率の計算結果を示したものである。膜厚分布の定義は、長手方向の基板サイズ1300mmの範囲内において基板中央での膜厚値に対する最大偏差と最小偏差の相対比率[%]である。材料利用効率の定義は、蒸発源1から噴射した全材料に対して基板3の有効領域範囲内に蒸着した材料の相対比率[%]である。
本計算例1では、従来例である条件(a)の膜厚均一性は±20%と低いのに対して他の従来例である条件(b)、および、本発明である条件(c)の膜厚均一性は±3%以内に抑えられている。一方、条件(b)の材料利用効率は80%以下に落ちているのに対して、条件(a)および(c)の材料利用効率は80%以上に維持されている。
蒸発源1のノズル2が図3(a)に示すように同じ形状でかつ均等ピッチで設置された場合、一つのノズル2からは有機材料6が広がりを持って噴射するため、基板3上に形成される有機薄膜の膜厚分布は、図4(a)に示すように、基板中央付近では均一となるが、基板3の両端縁付近では急激に薄くなる傾向にある。そのため基板全面において均一な膜厚分布の薄膜を形成するためには、長手方向の蒸発源1の長さを、成膜される基板3の一辺の長さに比べて一定の間隔以上大きく必要があった。
条件(b)は、蒸発源1のノズル2が図3(b)に示すように同じ形状かつ不均等ピッチで設置された場合である。ノズルピッチが長手方向の中央付近では広く、両端縁部では狭くなっていると、基板3上に形成される有機薄膜の膜厚分布は、図4(b)に示すように基板3の長手方向にわたってほぼ均一となる。しかし、図5(b)に示すように、同時に、基板3の外側へ飛散し無駄となる有機材料6の量も増加することがわかる。これは蒸発源1の長手方向の両端部でノズルピッチを短くし、単位長さ当たりのノズル数を増やしたためである。
条件(c)は、本発明の蒸発源1に該当する。この条件では、ノズル2が図3(c)に示すように異なる形状でかつ非均等ピッチで設置されている。蒸発源1の長手方向の両端部の領域3のノズルから噴射する蒸気の放射分布の指向性が高いため、基板3の外側へ飛散し無駄となる有機材料6を条件(b)に比べて削減しできていることが、図5(c)からわかる。膜厚均一性についても、図4(c)に示すように、条件(b)と同レベルであることがわかる。このように、本発明を用いることによって、膜厚分布を均一にできると同時に、蒸発材料6の利用効率を上昇させることが出来る。さらに、本発明によって、真空蒸着が大型化することを抑制することが出来る。
1・・・蒸発源 2・・・ノズル 3・・・基板 4・・・マスク 5・・・隔壁 6・・・有機材料、蒸着材料 7・・・材料室 8・・・オリフィス 9・・・ヒーター 10・・・リフレクター 11・・・整流板。

Claims (9)

  1. 長手方向を有する蒸発源を備え、前記長手方向と垂直なスキャン方向に前記蒸源を移動させる真空蒸着装置において、
    前記蒸発源は前記長手方向に対して複数の異なる形状を有するノズルを備え、
    前記ノズルから噴射する蒸気の放射分布は、前記蒸発源の前記長手方向の中央部よりも両端部において狭まった放射分布を有し、
    前記ノズルの形状は、前記中央部ではノズルの開口が大きく、前記両端部ではノズルの開口が小さいことを特徴とする真空蒸着装置。
  2. 請求項1の真空蒸着装置において、
    前記ノズルの形状は、前記蒸発源の前記長手方向において、前記中央部におけるノズルの長さは、前記両端部におけるノズルの長さよりも短いことを特徴とする。
  3. 請求項1の真空蒸着装置において、
    前記ノズルは、前記長手方向に長軸、前記スキャン方向に短軸を有する開口を有し、前記蒸発源の前記長手方向における中央部における前記開口の長軸の長さは、前記両端部における前記開口の長軸の長さよりも大きいことを特徴とする。
  4. 請求項1の真空蒸着装置において、
    前記ノズルは、前記蒸発源の前記中央部においては、前記ノズルの開口が形成されている前記蒸発源の面に対して垂直に形成されており、前記両端部において前記ノズルは前記ノズルの開口が形成されている前記蒸発源の面に対して傾斜して形成されていることを特徴とする。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の真空蒸着装置において、
    前記蒸発源は、複数の隔壁により複数の区画に分割されており、前記区画毎にノズル、オリフィス、および材料室を有し、それぞれの前記区画におけるコンダクタンスが長手方向に左右対称であることを特徴とする。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載の真空蒸着装置において、
    前記蒸発源は前記ノズルを挟む形で2枚の整流板を有し、前記2枚の整流板の間隔は、蒸発源の長手方向の中央部では狭く、その両端部で広いことを特徴とする。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載の真空蒸着装置において、
    前記蒸発源は蒸着材料と前記ノズルを挟む形で2枚の整流板を有し、前記2枚の整流板の間隔は、前記蒸着材料に近い側よりも、前記蒸着材料から遠い側において広いことを特徴とする。
  8. 請求項6または請求項7の真空蒸着装置において、
    前記整流板は、加熱用のヒーターとその輻射熱を遮蔽する反射板を有することを特徴とする。
  9. 請求項1の真空蒸着装置において、
    前記長方向中央部における前記複数のノズルのピッチは、前記長方向端部における前記複数のノズルのピッチよりも大きいことを特徴とする真空蒸着装置。
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