JP6186447B2 - Oled照明デバイス製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本願は、2013年1月8日付米国特許出願第13/736870号の一部継続出願である。
[序論]
1.分野
本発明は、有機発光デバイス(OLED)及びその照明への利用の分野、特にそうしたデバイスの作成方法及び装置に関する。より具体的には、本発明は、OLEDを作成すべく基板表面の諸領域内に各種素材層を成長させる装置及び除去可能マスク、並びにそれを使用する方法に関する。
2.背景
近年、OLEDデバイスの分野が多大な注目を集めている。この種のデバイスによれば、例えばテレビジョン、スマートフォンその他の表示重視型装置内で鮮明且つ明澄なディスプレイとしてOLEDを使用することができる。OLEDが期待されているもう一つの分野は照明の分野である。OLEDパネルは、大面積照明例えばオーバヘッド照明の代わりに使用できそうである。そうしたOLED照明の長所は、比較的省電力な条件でパネルを発光させること及び副産物たる熱を抑えることができ、電力使用量が減ることにある。この種のパネルなら、寿命延長を通じ、定期的ランプ交換の必要性を抑えられる可能性もある。OLED照明は、必要に応じ照明レベルを変えられるよう可調にすることもできる。
米国特許第6091196号明細書 米国特許第7645483号明細書 米国特許第7564182号明細書 米国特許第5776623号明細書
"A User's Guide to Vacuum Technology", 2nd edition, by John F. O'Hanlon, 1989, John Wiley and Sons, Inc, ISBN 0-471-81242-0, Page 45
今日の最も上首尾な高性能OLED製造方法は、真空熱蒸着(vacuum thermal evaporation)を用い有機層及びカソードを成長(deposit)させる方法である。シャドウマスクは、有機層(群)用のもの及びカソード用のものの都合少なくとも2個が必要である。別々の色のサブピクセル群を形成してRGB又はRGBWディスプレイを作成する目的等で、基板の複数領域上に別々の有機材料を堆積(deposit)させる場合、更なる有機層マスクが必要となる。カソードマスクが別途必要なのは、有機層(群)より後にカソードを成長させねばならない反面、各種有機OLED層に先立ち基板上に成長させてあるトレースにそのカソードを接続しなければならないためである。従って、それらカソードコンタクトエリアから有機層を排除しなければならないし、またその後に当該コンタクトエリアの上方にカソード層を成長させねばならない。有機層用及びカソード用に都合少なくとも2個のマスクを使用する、というこの条件には数多くの短所がある:1)製造フローが中断される。2)マスクを取り払って別のマスクに置き換えるのに更なる装置が必要である。これは、一般的に、(有機層マスクを保持する)マスクフレームからカソードマスクを保持している別のマスクフレームへと基板を移動させることにより実行される。3)その新たなマスクに対する基板の更なる整列プロセスが必要であり、そのため精密整列を実現できる高価且つ精巧な機器が必要になりかねない。4)短絡を引き起こしかねない粒子がマスク輸送プロセス中に発生する蓋然性が高い。表示装置例えばコンピュータ用のそれなら、適正整列されたRGBピクセル群を生成する必要性、並びにそのディスプレイが使用されるはずの装置(例えばテレビジョンやスマートフォン)のコストによって、複雑で高コストな製造方法が正当化される余地がある。OLED照明デバイスの場合は、例えば白熱灯や蛍光灯といった定番で割安な照明手段と張り合えねばならない。複雑且つ高コストな製造方法は、照明向けにOLEDを使用するのに妨げとなる。
本発明では、基板上に有機発光デバイス、特に照明に使用可能な有機発光デバイスを作成する方法及び装置を提供する。この種のデバイスが一般的なOLEDディスプレイと異なる点は、小さな個別のピクセル、往々にしてRGBピクセルの混成物でありそれぞれ個別の回路により制御されるピクセルが必要ないことである。比較するに、OLED照明デバイスは、広めのエリア、ことによると数平方インチ(1インチ=約2.5cm)以上のエリアを有していているかもしれない;そのエリア全体は同一色の光を輻射し、且つ単一の回路により制御される。本発明によれば、シャドウマスクと気相(vapor)成長装置の併用を通じ、そうしたOLED照明デバイスを製造する方法及び装置であって、製造の容易性に秀で且つ製造コストが低いものが得られる。シャドウマスク及び気相成長装置の具体的な構造は追々明らかになろう。そうした装置であれば、基板に面し配置された単一のシャドウマスクを用い、基板の第1領域上に有機層を成長させること及びマスクを動かすことなくその基板の第2領域上に導電層を成長させることができる;なお、基板の第1領域と第2領域は、その照明デバイスが適正に機能するよう部分的に重ねるに留め完全には重ねない。
本願での用語「マスク」及び「シャドウマスク」は、通例は薄い素材シート、一般には薄い金属シートを有するマスキング構造であり、ある指定された(selected)パターンをなす開口エリア及び非開口エリアがそのシートに備わっていて、それらエリアの働きで基板上の指定された領域内に素材が堆積されるものを指している。この定義には、そうした素材のシート2枚以上を単一のシャドウマスク、例えば第1即ち下マスク(first or lower mask)及び第2即ち上マスク(second or upper mask)として併用し、ある種の望ましい特性が生じるようにするケースが包含されうる;それについては追々明らかにする。語「除去可能マスク」(removable mask)は、基板から分離しているマスクであって、指定された領域がコーティングされるよう基板に面し配置すること並びに次いでそのコーティング即ち堆積・成長動作を終えるときに付加的な化学処理及び物理処理無しで速やかに取り払うことが可能な、マスクのことを指している。こうした除去可能マスクは、従って、複数個の基板上に素材を堆積させるのに使用することができる。語「OLED」及び「有機発光デバイス」は本件技術分野で周知な意味で使用されている;これは、カソード、アノード及びカソード・アノード間にある種々の中間層を有するデバイスであって、一種類又は複数種類の有機素材を含有する少なくとも1個の発光層を有するものを指している。
特許文献1(発明者:Codama,発行日:2000年7月18日)では、除去可能マスクを用い有機層及び電極層双方を形成する方法、特に有機層より広いエリアを覆う電極層によりその電極層と有機層のエリア外にある導電接触部との間を電気的に接続させる方法が教示されている。特許文献1は、貧弱な固有横方向拡がり(intrinsic lateral spread)を有する第1堆積・成長プロセス例えば真空蒸着でこれを行い、有機層(群)を成長させることを教示している。電極層は、その後、より良好な固有横方向拡がりを有する第2プロセス例えばスパッタリングで成長させる。
特許文献1のアプローチには幾つかの問題がある。一つは、特許文献1により電極層成長手段として教示されている大横方向拡がりプロセスが、下にある有機層が高エネルギ衝突又はUV/X線輻射により損傷すると判明している高エネルギプロセスでもあることである。そのため、本件技術分野では、今日、電極素材が真空熱堆積で堆積されるのがごく一般的である。更に、特許文献1記載の構成では少なくとも二種類のコーティング装置が必要になる。これは、有機素材及び電極素材で複数層に亘りコーティングしなければならず且つ限られた個数のコーティングステーションしか利用できない状況でのコスト増や複雑化につながりかねない。より望ましいのは、有機層についても電極層についても同種のコーティングプロセスを使用できるプロセスであろう。スパッタリング等のコーティングプロセスには潜在的に損傷の危険があるので、更に望ましいのは真空熱蒸着のプロセスであろう。しかしながら、そうしたやり方では、必然的に、有機層及び電極層双方が同じ固有横方向拡がりを伴うプロセスによって成長させられるので、単一のシャドウマスクを特許文献1により教示の形態で両層の成長に使用することができなそうである。従って、単一のシャドウマスクを用い同じ堆積方法で有機層及び電極層双方を成長させることに、特許文献1記載の構成を適用することはできない。これらの条件全てを満たす方法及び装置を提供できる状況がより望ましいであろう。
本発明の幾つかの実施形態では、基板の指定領域内に素材を堆積させうるよう1個又は複数個の開口を設けた除去可能マスクが準備される。当該1個又は複数個の開口のエッジ(縁)のうち少なくとも1個にはオーバハング構造(overhang feature)を設ける。本発明の目的からすれば、オーバハング構造とは、マスクのうちそのマスクが接触配置される基板の上方にある部分であって、それ自体は基板に直に接触しない部分のことである。本件技術分野で周知の通り、マスクが基板上に配置されるとその基板に被覆部(masked portion)と非被覆部(unmasked portion)が生じる。本発明のマスクでは、更に、そのオーバハング構造の働きで基板に部分被覆部(partially masked portion)、即ちある視角(perspective)からは被覆されいるように見えうるが他の視角からは被覆されていないように見えうる部分が生じ、その部分被覆部上への選択的素材堆積が可能になる。そうした選択的堆積の有益さは本願中で明らかになろう。
ある種の実施形態では、互いに部分的にずれるよう2個の個別マスクの開口を選定することによってオーバハング構造が形成される。即ち、上マスクの一部分が下マスクの開口の上方に来て、ある視角からは基板をマスクするが他の視角からはマスクせず且つ基板と接触しないオーバハング構造が生じよう。他の幾つかの実施形態では、下マスクの開口よりも小さくなるよう上マスクの開口を選定することによってオーバハング構造が形成される。即ち、上マスクのエッジのうち少なくとも1個が下マスクの開口の上方に来てオーバハング構造が生じよう。第1即ち下マスクとは基板に最も近いマスクのことである。図面では基板上面上への堆積に関し描いたが、どのような基板姿勢(substrate orientation)に対しても、例えば上方又は側方からの素材堆積に対しても適用できるよう、これらの図面は回動可能である。
幾つかの実施形態では、鉛直になるようマスク開口の他のエッジのうち幾つかが選定されうる。他の幾つかの実施形態では、マスク開口の他のエッジのうち1個又は複数個が、カッタウェイエッジが生じるようにずらされうる;マスクの厚みは、基板と接触する側にてマスクの開口に向かい滑らか又は段状に漸減(taper down)させておく。他の幾つかの実施形態では、マスク開口の他のエッジのうち1個又は複数個が、更なるオーバハング構造を呈するように選定されうる。
他の幾つかの実施形態では、本発明のマスクが、各マスク開口のエッジのうち少なくとも1個がオーバハング構造を呈する一片型マスクとされうる。このオーバハング構造は、マスク開口に対するエッジであって基板表面に対し垂直又は鉛直でないものによって形成される。ある種の実施形態では、オーバハング構造を形成すべくマスク開口のエッジのうち少なくとも1個をマスクの上面及び下面に対し90°以外の角にて傾斜させる。他の幾つかの実施形態では、オーバハング構造を形成すべく各マスク開口のエッジのうち少なくとも1個が弧状に形成されうる。他の幾つかの実施形態では、オーバハング構造を形成すべく各マスク開口のエッジのうち少なくとも1個が段状に形成されうる。
本発明の幾つかの実施形態では、上掲例のマスクのうち任意のものが基板表面上に整列して設けられる。基板としては様々なもの、例えばパターニングが施されている層及びとりわけ電気接続部を有するものを使用できる。それら接続部は、有機物堆積に先立ち絶縁基板上にパターニングされたものであり、OLED光輻射エリアを外部パネル電気接続部に接続するための一般的な手法を提供する;外部パネル電気接続部は、その光輻射エリア外にあり、且つOLEDデバイスで多用されるカプセル化シールの外にある接続部である。本発明では、基板及びマスクに対し第1姿勢(orientation)をとっていて被制御指向形態で気化(vaporized)有機素材をもたらす気化有機素材源も使用される。有機素材蒸気(vepor)源の姿勢は、基板の第1領域上に有機素材が堆積されるよう、また第1領域内であっても基板の部分被覆部内にはごく限られた堆積しか生じないよう選定される。本発明の幾つかの実施形態では、基板の第1領域上に望ましい多層構造を形成すべく複数種類の有機素材を以て有機素材の堆積を反復させうる。各層の厚み及び厚み範囲は、均一で望ましい光輻射特性を実現するのに必要な望ましい値及び範囲としうる。ある種の実施形態では、これらの層のうち1個又は複数個を、結果として得られる有機素材層が有機素材二種類以上の所望比率混合物を含有することとなるよう、第1姿勢をとる2個以上の有機素材蒸気源によって成長させうる。
本発明の幾つかの実施形態では、更に、その第1領域上に1個又は複数個の有機層を成長させてある基板とマスクとに対し第2姿勢をとる気化導電素材源が使用される。この素材源は、所望の指向形状を有していて同素材源から基板及びマスクへと向かう気化導電素材のプリュームをもたらす。気化導電素材源は、有機素材を堆積するのに使用した素材源と同種(例えば真空熱蒸着)のものでよく、また同じ固有プリューム特性を有するものでよい。導電素材蒸気源の姿勢は、導電素材が基板の第2領域上、特に導電素材用電気接続部を含め基板の部分被覆部の一部又は全体を包含している領域上に堆積されるよう選定される。即ち、本発明によれば、ほぼ均一な組成及び厚みを有する層の形態で有機素材を基板の第1領域内に、また導電素材を基板の第2領域内即ち第1領域と部分的には重なるが完全には重ならない領域内に、単一の除去可能マスク又はマスクアセンブリを用い堆積させることが可能な種々の構成が得られる。これにより、そうしたOLEDの製造が単純化されると共に、複数マスクの使用による問題の多くが解消又は軽減される。本発明によれば、そうした装置により作成される諸デバイス例も得られる。
本願では、有機層の上方に堆積された導電素材のことを上部電極、頂部電極又はカソードと呼ぶことにする。しかしながら、本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)にはご理解頂けるように、基板至近の電極から電子が注入される反転OLED構造のアノードがそう呼ばれることもある。本発明の方法及び装置で堆積された導電電極が、本件技術分野で周知の通り、その導電層の上方と下方の双方にOLEDデバイスが形成される積層OLED内の中間電極とされることもあろう。複数個の相独立して制御可能な蒸気堆積電極を伴う積層OLEDの場合、マスク開口の複数のエッジ上に複数個の電極に対する接続部があってもよい。
本発明の幾つかの実施形態によれば、本願記載の装置を用い有機発光デバイスを提供する方法例が得られる。幾つかの実施形態によれば、本方法は、導電エリア及び絶縁エリアがその上にパターニングされている基板を準備するステップと、オーバハング構造を呈するよう構成されたエッジを少なくとも1個有するマスク開口のあるマスクを、基板に接触するよう配置するステップと、マスク及び基板を真空下で1個又は複数個の気化有機素材源、特に所定の指向性プリューム形状を有し且つマスク及び基板に対し第1姿勢をとっている素材源(群)に対し露出させるステップと、基板に対しマスクを動かすことなくマスク及び基板を真空下で1個又は複数個の気化導電素材源、特に所定の指向性プリューム形状を有し且つマスク及び基板に対し第2姿勢をとっている素材源(群)に対し露出させるステップと、マスクを基板から取り払うステップと、を有しうる。他の幾つかの実施形態では、有機蒸気源(群)及び導電素材蒸気源(群)が、広めのプリューム形状を有すると共に、マスク及び基板に対し互いに似た姿勢をとりうる。これらの実施形態では、蒸気プリュームの片側にあるシールドを用い、有機素材蒸気プリュームの指向性をシェーピングすることができる。
本発明の長所は、大規模OLED照明デバイスの製造に当たり、別々だが部分的に重なっている複数領域の上方に、初っぱなに基板に面し配置した単一のシャドウマスクを用い、有機素材及び導電素材を気相で堆積させうることである。これには、更に、製造工程が簡略で製造コストが低いという長所がある。
上述のものを含め本発明の諸実施形態に関し、後掲の例示的且つ非限定的図面を参照して説明することにする;但し、図中では類似した要素に同様の符号を付す;図面は読み取りやすさを念頭にスケーリングされており、寸法的には必ずしも精密でない。
本発明で役立つオーバハング構造付マスクの一例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例を示す断面図である。 複数個の電気接続部を有する基板上にあるオーバハング構造複数個付マスクの別例を示す断面図である。 図4aのマスク及び基板を示す平面図である。 基板上に気化有機素材を堆積させる素材源の一例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 基板上に堆積済の有機素材上に気化カソード素材を堆積させる素材源の一例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 基板上に気化有機素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 基板上に気化有機素材を堆積させる素材源複数個の別例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 基板上に気化有機素材を堆積させる素材源複数個の別例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 基板上に堆積済の有機素材上に気化カソード素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板を示す断面図である。 本発明の装置を用い作成される有機発光デバイスの一例を示す断面図である。 図7aの一部をより詳細に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る方法の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る方法の模式図である。
まず、図1aに、本発明で役立つオーバハング構造(overhang feature)付除去可能(removable)又は再使用可能(reusable)マスク110の一例断面を示す。マスク110は基板100上に又は基板100に面し配置されている。基板100その他、本発明で役立つ基板としては、有機固体のもの、無機固体のもの、或いは有機固体と無機固体を組み合わせたものがあろう;基板はリジッドでもフレキシブルでもよい。典型的な基板素材としては、ガラス、プラスチック、金属、セラミクス、半導体、金属酸化物、半導体酸化物、半導体窒化物、低温ポリシリコン、アモルファスシリコン又はそれらの組合せがある。基板は光透過性でも不透明でもよく、これは光輻射の企図方向に左右される。基板越しに光輻射が看取される場合は光透過特性が望まれる。この場合は、一般に、透明なガラス又はプラスチックが採用される。頂部電極越しに光輻射が捕捉される用途なら、下部支持部材の透過特性は重要でなく、従って光透過性でも光吸収性でも光反射性でもよい。この場合に使用可能な基板には、例えばガラス、プラスチック、半導体素材、セラミクス及び回路基板素材の他、OLEDデバイスの形成に多用される他の様々な素材が含まれうる。ご理解頂けるように、基板100がその他の表面構造(feature)、例えば導電トレースや絶縁体領域やその他の成長(deposit)済且つパターニング済層を有していてもよい。パターニングされた導電トレース以外の導電構造としては、基板の導電特性を使用するものがありうる。単純化のため、本願記載の諸実施形態ではガラス又はポリマ素材等の絶縁基板を基本とする。一般的な導電構造成長手法としては、スパッタリング、蒸着、化学気相成長、インクジェットコーティング、エアロゾルジェットコーティング、スロットダイコーティング又はスピンコーティングを使用することによるものがある。これらの層は、インクジェットコーティング及びエアロゾルジェットコーティングでの如く成長中にパターニングすることも、シャドウマスクを用いパターニングすることも、或いは除去可能レジスト素材で保護されていない素材の選択的エッチング等の方法を通じ素材を除去することでパターニングすることも可能である。図示の簡明化のため、ここではそれら導電構造及び絶縁構造を示さないことにする。マスク110は基板に接合されていないので、格別の化学処理又は物理処理なく単に持ち上げるだけで直ちに物理的に除去することができるし、また別の基板に関する後続の操作で再使用することができる。マスク110は基板100に対し位置決めされ接触状態で保持されており、これはマスク110の片面が基板100の表面に実質接触していることを意味しているけれども、基板100及びマスク110の僅かな表面欠陥が、被接触面の比較的小部分での不完全接触を意味することにもなりうる。実質だが完全ではない接触でも本発明に影響しない。本発明の目的からして、基板に対するこうした実質接触には、基板表面に他の予形成構造例えば予パターニング済導電構造がある諸形態が含まれうる。
気相成長中にマスクを基板に対し接触状態で保持する手段は本発明の諸形態で役立ちうる。マスクを基板に対し接触状態で保持する技術の代表例は、基板背面側に配置した磁性素子で磁力を生成しそれを使用する技術である。この磁力は、磁性素子の個数及びパターン並びに基板からそれらまでの距離を調整することにより、基板が損傷しないよう調整することができる。堆積・成長プロセスを終える際には、それら磁性素子を基板から取り払うことで、マスクに損傷や歪みが生じない形態にて、基板からマスクを容易に分離することができる。
この例のマスク110は2個の個別マスク、即ち第1マスクたる下マスク(first or lower mask)120及び第2マスクたる上マスク(second or upper mask)130を有する一体化マスクである。下マスク120及び上マスク130を含め本願記載のどのマスクも、頑強素材、典型的には金属からなる薄いシートで構成される。こうしたシートの厚みは50〜1000μm、好ましくは100〜300μmとするのが有益である。異なる層を形成するシートは、互いに異なる厚みにすることや互いに異なる素材で形成すること、例えば磁力式保持法に役立つようその磁化率が異なる素材で形成することができる。下マスク120が基板100と実質接触する一方、上マスク130は下マスク120と実質接触している。下マスク120及び上マスク130は、互いに接合されていても分離していてもかまわない。下マスク120及び上マスク130は、オーバハング構造140が形成される要領で一体配置及び構成されている。本発明の目的からすれば、オーバハング構造とは、マスク開口エリアのエッジのうち基板上方にあるが基板表面に直接接触してはいない一エッジのことである。即ち、マスク110のうち下マスク120で表される部分が基板100と直接接触するのに対し、オーバハング構造140は上マスク130の一部であり、基板の上方にあり、且つ距離125を以て基板から分離されている。距離125は50〜1000μm、好ましくは100〜300μmとするのが有益である。図1aの例では距離125が下マスク120の厚みに等しい。一連の形態のうちマスクが2個以上の個別マスクを有するもの、例えば図1a中のマスク110では、諸個別マスクのエッジのうち相俟ってマスク開口エリアの一縁を形成するエッジ同士をずらすことで、オーバハング構造を形成することができる。例えば、上マスク130及び下マスク120のエッジは開口エリア160の一縁側で距離175だけずらされている。本件技術分野で広く用いられているマスクでは、基板上に二種類の領域又は部分が形成される:マスクが基板と接触しているため素材堆積が妨げられる被覆部(masked portion)、並びにマスク開口の産物であり素材堆積が起こりうる非被覆部(unmasked portion)である。マスク110のオーバハング構造は基板100の表面を三種類の部分に区画する:マスク110が基板100の表面と実質接触している1個又は複数個の被覆部150、マスクが基板100の表面と接触しておらず又はそれを遮蔽若しくは隠蔽していない1個又は複数個の非被覆部160、並びにマスク110が基板100の表面と接触していないが特定の方向又は視角(perspective)からはオーバハング構造140によって基板100の表面が遮蔽若しくは隠蔽されている1個又は複数個の部分被覆部(partially masked portion)170、である。例えば部分被覆部170は、視角180からはオーバハング構造140によって隠蔽されているが、視角190からは隠蔽されていない。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、非被覆部160及び部分被覆部170の厳密な位置及び境界は、採用されている視角及びマスク110の諸構造の寸法に依存するので、図1aに示されているのは、単に、マスク110によってもたらされうるそうした部分の一例に過ぎない。オーバハング構造140の幅即ち距離175は、距離125の1〜5倍の範囲内とすればよい。第1の領域内に第1の素材又は素材群(例えば有機素材)を堆積(deposit)させ、また第2の部分重複領域内に第2の素材又は素材群(例えば導電素材)を堆積させる上で、こうした部分被覆部及び特定の視角が有益なことは追々明らかになろう。
マスク開口の他のエッジには、所望の素材堆積を可能とする上で望ましい特性を持たせるとよい。例えば、マスク110はカッタウェイエッジ135、即ちマスク開口の他のエッジのうち1個又は複数個上にあり正に傾斜しているエッジを有している。こうした正傾斜エッジを有するマスクは本件技術分野で広く知られている。オーバハング構造140及びカッタウェイエッジ135は、いずれも、互いに部分的にずれるよう下マスク120の開口及び上マスク130のマスク開口を選定することにより、設けることができる。
次に、図1bに本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例断面を示す。マスク111は2個の個別マスク、即ち第1マスクたる下マスク121及び第2マスクたる上マスク131を有している。下マスク121及び上マスク131は、オーバハング構造141が形成されるよう一体配置及び構成されている。本例のマスクでは、それら2個のマスクの逆の(即ち同図で右側に示されている)エッジ上に単一の鉛直エッジが形成されている。これにより、マスク121及び131の厚みに応じ、ある視角例えば視角190に対する第2の部分被覆部171を発生させることができる。オーバハング構造141及び鉛直エッジは、いずれも、上マスク130のマスク開口より大きくなるよう下マスク120のマスク開口を選定することで設けることができる。
次に、図1cに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例断面を示す。マスク112は2個の個別マスク、即ち第1マスクたる下マスク122及び第2マスクたる上マスク132を有している。下マスク122及び上マスク132は、オーバハング142及び143が形成される要領で一体配置及び構成されている。これにより、視角同士例えば視角190及び200の組合せを以て、基板100上に部分被覆部172及び173を発生させることができる。
本発明の趣旨からすればマスクが複数個の別体マスクで構成される必要はない。次に、図2aに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、単一ユニットで構成されたマスク、特にオーバハング構造が形成されるようマスク開口エリアのエッジのうち1個を構成しうるそれの断面を示す。マスク210は、マスク210の上面及び下面に対し90°以外の角をなすよう例えばそのエッジの切削又はエッチングで形成された複数個の辺を有している。これにより、視角180に関し、部分被覆部270を基板100上に発現させるオーバハング構造240が形成されている。これを含め本願記載の単一ユニットマスク形態に備わるこうした構造は、実用化されている両面エッチングにより作成することができる。
次に、図2bに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、単一ユニットで構成されたマスクの断面を示す。マスク215は、マスク215の上面及び下面に対し90°の角をなしていない辺が形成されるよう弧状に切削又はエッチングされた複数個の辺を有している。これにより、視角180に関し、部分被覆部275を基板100上に発現させるオーバハング構造245が形成されている。
次に、図2cに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、単一ユニットで構成されたマスクの断面を示す。マスク220は、マスク220の上面及び下面に対し段状に切削又はエッチングされた複数個の辺を有している。これにより、視角180に関し、部分被覆部280を基板100上に発現させるオーバハング構造250が形成される。マスク220は図1aのマスク110と類似しているが、マスク220が単一片マスクである点で異なっている。ご理解頂けるように、複数個の別体なマスクで形成されうるどのようなマスク(例えば図1bのマスク111及び図1cのマスク112)も、単一ユニットとして製造することができる。
次に、図2dに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、単一ユニットで構成されたマスクの断面を示す。マスク225は、マスク225の上面及び下面に対し90°の角をなしていない辺となるよう弧状に切削又はエッチングされた複数個の辺を有している。これにより、視角180に関し、部分被覆部285を基板100上に発現させるオーバハング構造255が形成されている。
次に、図3aに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、典型的には平坦マスクシートであるものにまた別のマスク形状を印象付けリジッドな三次元形状・構造を付与することが可能なマスクの断面を示す。マスク230は、オーバハング構造260が形成されるよう開口エリアの一エッジ上で曲げられていて、それにより部分被覆部290が画定されている。本例によれば、厚めのマスク素材を使用することなく大きめのオーバハング構造が得られ、それにより広めのカソードコンタクト(接触部)エリアが得られる。カソードコンタクトエリアが広めなら動作電流を大きめにすることが可能であり、従って大面積輻射エリア向けに有益である。次に、図3bに、本発明で役立つオーバハング構造付マスクの別例として、図3aのマスク230に似ているものの断面を示す。マスク235は上マスク237及び下マスク238を有している。この例では、下マスク238が平坦であり、基板100に対する良好な接触を保持可能な一方、上マスク237が三次元構造例えばオーバハング構造265付での形成に適した素材で形成されており、それにより部分被覆部295が形成されている。
本発明は上述の例に限定されない。いわゆる当業者であれば、上述の例で示した種々のマスク形状以外にも、標的とする基板上に部分被覆部を発生させうるオーバハング構造を伴う他のマスク形状を、直ちに想起することができる。
次に、図4aに、マスクの別例として、複数個の電気接続部を有する基板上にありマスク開口及びオーバハング構造を複数個有するマスクの断面を示す。基板300は、予めパターニング済のカソードリード340並びに予めパターニング済のアノード350、351及び352を有している。マスク310は第1マスクたる下マスク320及び第2マスクたる上マスク330を備えているが、ご理解頂けるように、本願で例示した種々のマスクをこの要領で使用することができる。上マスク及び下マスクは、各アノードに対応する開口380を複数個伴うように構成されている。各開口は、オーバハング構造360を呈するように、またそのオーバハング構造360により基板300の部分被覆部370が視角180からは隠蔽されるが視角190からは隠蔽されないように構成されている。従って、マスク310の構造により、その種の部分被覆部が複数個画定されるのに加え、第1マスク320で覆われる被覆部が複数個、また本例ではマスク開口380と同形である非被覆部が複数個画定される。部分被覆部370は、アノード350及び351並びにカソードリード340の一部分の上方に位置するよう選定されている。このことの有益さについては追々説明する。
次に、図4bに、図4aの基板300上にあるマスク310の平面構成を示す。線A−A’は図4aの断面を表している。図4bでは主に第2マスク330が見えており、またマスク開口380や第1マスク320の一部分も見えている。マスク開口380越しには、図4aのアノード例えばアノード350、351及び352の非被覆部を視認することができる。更に、図4aのオーバハング構造360で生成された部分被覆部370も図示されている。また、図4bには本発明で役立つ他の付随的な構成も示されている。複数個の直列電気接続を互いに並列に設けることはOLED照明デバイスで有益である。ここでは、アノード350、351及び352で第1直列接続が形成されようし、その第1直列接続に対し並列な第2直列接続がアノード350a、351a及び352aで形成されよう。こうした並列接続は、基板上のギャップ355等によって相互絶縁する必要がある。その場合、下マスクによって非オーバハング領域365を形成することにより、オーバハング構造下における素材堆積を妨げることが、有益となりうる。必要なら、ギャップ355が完全に覆われその上への堆積が妨げられるよう、マスク開口380を過ぎりそうした非オーバハング領域を延ばしてもよい。
次に、図5aに、真空チャンバ(図示せず)内の基板上に気化(vaporized)有機素材を堆積させる素材源の一例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。マスク310及び基板300、並びにそのカソードリード340及び複数個のアノード(例えば350)は、回動415を以て示す通り、図4aに対し軸410周りで回動されている。有機素材蒸気(vapor)源420は気化有機素材440の源である。こうした蒸気源は本件技術分野で周知である。本発明の趣旨からすれば、源420をある種の気化装置、特に有機素材及び無機(例えば金属)素材双方を気化させることができ且つ成長済層が損傷されないようにその素材の層を成長させうる気化装置にするのが望ましい。その種の装置の一例は真空熱蒸着装置である。源420は、加熱により気化され1個又は複数個のノズル460により吐出される有機素材のリザーバを有している。ノズル460が複数個の構成では、そうしたノズルでリニアアレイを形成し、図5aで表される面に対し直交配置するとよい。有機素材としては、基板上にOLED照明デバイスの層1個又は複数個を形成可能なものを選定する。その気化有機素材のプリュームは、本発明の幾つかの実施形態では、マスクのオーバハング構造360に対応する側(即ち図5aの右側)にて、その側における対基板表面垂線を基準に測った選定(selected)カットオフ角θ以下の角に有機素材の輸送が制限されるようシェーピングされる。いずれ分かる通り、そうしたシェーピングは、固有(intrinsic)プリューム形状がもたらされるよう気化装置を選定すること、並びに蒸気経路内に選択的に配置されたシールドや源姿勢等の付加的ファクタを選定することによって、実行することができる。本件技術分野で周知な通り、真空熱蒸着装置の固有プリューム形状は装置設計ファクタ、例えばノズルの長さ対直径比を変化させることにより制御することができる。例えば、プリュームフラックス分布の概要は特許文献2(発明者:Grace et al.)の式(1)によって与えられる。いわゆる当業者には認識できる通り、蒸気プリューム形状の固有幅ひいてはカットオフ角は、様々な要領で定義されうる。カットオフ角の実用的な定義としては、蒸気プリューム中心線を取り巻いていてその中に総フラックスのうちある所定割合が含まれている領域の角度、という定義がある。気化器設計パラメタの一つであるところのノズルチューブ長さ対直径比の効果については、一般的なテキストである非特許文献1に図示がある。その図には、ノズル出口チューブの長さ対直径比が0、1、3、5及び10である場合について結果が示されている。長さ対直径比が大きいほど指向性が高いプリュームがもたらされる、というものである。従って、蒸気プリュームは特定の分布を呈することとなろうし、また想定用途に見合うよう気化装置設計で拡げ又は狭めることによってその分布を選定することができる。本発明の趣旨からすれば、対称的な蒸気プリュームの場合、プリューム中心線からの角であって蒸気の総フラックスのうち90%を含む領域を規定する角が、その気化装置の固有カットオフ角θ’と呼ばれることとなろう。対するに、選定カットオフ角θは、選定された方向における蒸気分布のある選ばれた最大角である。選定カットオフ角θは、気化装置の固有カットオフ角に部分的に依存するばかりでなく、上述したファクタ、例えば源に関し選定された姿勢及び蒸気経路内に配置されたシールドにも依存しうる。図5aに示す例では、源420のプリュームの中心線が基板表面に直交しているので、θをそのプリューム中心線から測ることもできる。図5aで類型化される諸例では、一般に、オーバハング構造側基板垂線に対する選定カットオフ角が、蒸気プリューム中心線を基準に測られた蒸気プリュームの固有カットオフ角、並びに源の姿勢の双方により決定されよう。選定カットオフ角θについては後に再述する。図5aの例では、そうしたシェーピングが、気化有機素材440をノズル460から高度に指向的なプリューム形状で以て吐出させることにより実行されるので、無論、θより大きな角での有機素材輸送がどの方向についても少なくなろう。図5aの例では、角θ’が源420の固有カットオフ角であり、また(源420が基板300の表面に対し直交しているため)選定カットオフ角θでもある。この固有カットオフ角は、基板300に対する垂線に対し、30°〜60°好ましくは40°〜50°とされうる。本発明の目的からすれば、これらの条件に合致する固有カットオフ角で蒸気プリュームをもたらす源は狭源(narrow source)と呼ばれよう。蒸気分子が蒸気流内を少数の分子間相互作用で以て進行し基板にたどり着くようにするためチャンバ内圧は1E−4トール未満とするのが望ましく、特にチャンバ及び基板が大きい場合のチャンバ圧は、理想的に定められたプリューム形状が高蒸気流量にて拡大する量を制限すべく1E−5トール未満とするのが望ましい。気化器の開口内のノズルは、図5aに示す概ね単方向的な分子ビームを生成できるよう設計するとよい。狙いとするプリュームがより単方向的であるほど、高めの源内温度が必要になる。
気化有機素材源は基板及びマスクに対し第1姿勢(orientation)をとっている。本例では、有機素材蒸気源420特にそのノズル(群)460の姿勢が、基板300の表面に対しほぼ垂直な視角180になるよう選定されている。この姿勢では、気化有機素材440を、マスク310の露出エリア例えばマスク開口380を通じ、基板300の非被覆部を構成する第1領域例えばマスク開口380の領域上に、堆積させることができる。その堆積先領域は、源の構成、マスクの構成、並びに後述する例のうち幾つかでは更にシールドの構成により定まる。図5aの装置によれば、理論的には素材の堆積をマスク開口380でのそれに限定することができるが、基板に対するマスクの接触やプリュームの蒸気フラックスに理想からのずれがあると、少量の気化有機素材440が部分被覆部370上に堆積されうる。このことは、有機素材450がアノード350の開口エリア上に堆積されていること、並びにそのごく少量がオーバハング構造360によりもたらされる部分被覆部370上に堆積されていることで、示されている。場合によっては、少量の有機素材が電気接続部上例えばカソードリード340上に堆積されうる。そうした少量の有機素材があっても、爾後の導電層の実効的電気接続は可能であるし、最終的なOLED照明デバイスの動作に害はない。この構成に限らず有機素材堆積装置では、マスク開口380で象徴される第1領域とは、有機素材のほぼ全てが堆積するエリアのことである。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、有機素材は、マスク310の表面上にも堆積されよう;これは簡明化のため図示していない。
気化有機素材は、有機素材蒸気源420・基板300間距離を十分大きくとること、有機素材蒸気源420と基板300及びマスク310との間に相対運動430を発生させること、或いはその双方により、マスク開口380越しにほぼ均一に堆積させることができる。相対運動生成時には、有機素材が一連のマスク開口380越しに順次堆積されよう。図5aでは、アノード350の上方に有機素材が堆積された後、次いで、基板及びマスクの相対運動に伴いアノード351の上方に有機素材が堆積されることとなる。一方向(即ち右方向)への相対運動430を示したが、ご理解頂けるように、逆方向への運動も遜色なく有効である。
有機素材450は、本件技術分野で周知で周知の通り、アノード層やカソード層を除くOLEDデバイス構成層で使用できるどのような素材であってもよい。これには、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(LEL)、電子輸送層(ETL)又は電子注入層(EIL)で使用可能な素材が含まれうる。そうした有機素材は本件技術分野で周知である;例えば特許文献3(発明者:Boroson et al.)及びその中での参照事項を参照されたい。有機素材は、特定層の機能に有益な素材同士の混合物であってもよいし、単一の素材であってもよい。有機素材蒸気源420を、1個又は複数個のノズル460を有する単一の源としてもよい。或いは、結果として堆積される有機素材450が別素材同士の混合物となりうるよう、又は少量の望ましいドーパントを含むが本質的には一種類の素材となりうるよう、有機素材蒸気源420を、別々の素材を扱う2個以上の個別源を互いに近接配置したものとしてもよい。図5aに示した堆積・成長を、複数種類の素材を以て同じ真空チャンバ内又は別々の真空チャンバ内で反復することで、基板300の非被覆部群上に複数個の有機層を成長させることができる。この要領で図5aの装置を使用することで、OLED照明デバイスの全き有機層群を生成することができる。これには、完成時に白色光を輻射するデバイスが形成されるよう、複数個の発光層例えば青色LEL、緑色LEL及び赤色LELを、介在する電子輸送層及び正孔輸送層と共に含めることができる。
ご理解頂けるように、図5aでは種々の付加機器、例えば図5aに示す構成で源420上方に基板300を支持する機器や基板300・源420間相対運動を発生させる機器が、使用されうる。いわゆる当業者であれば、そうした目的に使用でき本件技術分野で周知な機器を様々に想到することができよう。本発明は、何か特定の支持及び輸送機器に限定されることを想定していない。更に、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、図5aの装置をまた別の構成、例えば縦向きにした基板上に上方又は側方から有機素材蒸気源420で素材を堆積させる構成にしてもよい。
次に、図5bに、基板上に堆積済の有機素材上に気化導電素材を堆積させる素材源の一例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。ここで例示する構成では堆積された導電素材がカソードとして使用されるが、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、本装置により、反転OLED構造内アノードにふさわしい素材を堆積させることや、積層OLED構造内中間電極にふさわしい素材を堆積させることもできる。この装置が配される真空チャンバ(図示せず)は、図5aにおける真空チャンバと同じチャンバでも別のチャンバでもよい。基板300上には、図5aの装置を用いマスク開口380越しに、OLEDデバイスの有機層を形成するのに十分な有機素材例えば有機素材450の層1個又は複数個を既に成長させてある。導電素材蒸気源520は、気化導電素材540の形態をとった導電素材の源である。本発明の目的に照らせば、源520は、有機素材及び無機(例えば金属)素材の双方を気化させること及び成長済層が損傷を受けないようそれら素材の層を成長させることが可能な種類の気化装置であるのが望ましい。その種の装置の一つは真空熱蒸着装置である。コスト及び簡略さの面では、源520を、上述の源420と同じ種類の気化装置とすること、並びに上述の源420と類似した又は実質的に同一の蒸気プリューム形状及び固有カットオフ角を呈するように選定することが、更に有益である。本例の源520は、1個又は複数個のノズル560によって吐出されるよう加熱により気化される導電素材のリザーバを有している。気化導電素材540は、高度真空及び好適温度の使用により、高度に指向的なプリューム形状にてノズル560から吐出される。
気化導電素材源は基板及びマスクに対し第2姿勢をとっている。導電素材蒸気源520特にそのノズル(群)560の姿勢は、視角190に対し平行になるよう選定されている。この姿勢では、オーバハング構造360下を含め、マスク310の露出エリア例えばマスク開口380越しに気化導電素材540が堆積されうる。即ち、基板300の非被覆部及び部分被覆部を孕む第2領域上に気化導電素材540を堆積させることができる。このことは、導電素材550が非被覆部(マスク開口380)及び部分被覆部370上に堆積されていること、従ってカソードリード340に接触していることによって、示されている。カソードリード340上に少量の有機素材が堆積されている場合でも、導電層例えば導電素材550とカソードリード340との間に実効的導電接触が生じる。気化導電素材540は、基板へのマスクの装着によりまた蒸気プリュームのフラックスの理想からのずれにより堆積される少量を除き、基板の被覆部上、例えばマスク310が基板300又はそれに代わる構造例えばアノードと実質接触している部分上には堆積されないであろう。その結果、カソードリード340、導電素材550、(OLEDデバイスの有機層群を形成するのに十分な)有機素材450及びアノード350により回路が形成される。これは、即ち、第1領域内有機素材層成長及び第2領域内導電素材層成長双方に単一のマスクを使用することを通じ、アノード350の上方にOLEDデバイスの完成品が形成されるということである。導電素材蒸気源520と基板300及びマスク310との間に上述の如き相対運動530があれば、例えばアノード351及び爾後のアノードの上方にある他の開口にて同様に、導電素材を順次堆積させることができる。相対運動は蒸気プリューム内不整の平滑、ひいてはより均一な素材堆積の実現にも役立つ。一方向(即ち基板及びマスクが右に動く方向)の相対運動530を示したが、ご理解頂けるように、逆方向の運動も遜色なく有効である。
光輻射がアノード及び基板越しに看取される場合、そのアノードを、注目輻射に対し透明又は実質に透明とすべきである。本発明で使用される透明アノード素材の代表は酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)及び酸化スズであるが、例えばアルミニウムドープド又はインジウムドープド酸化亜鉛、酸化マグネシウムインジウム及び酸化ニッケルタングステンを含め他の金属酸化物でも功を奏しうる。これらの酸化物に加え、金属窒化物例えば窒化ガリウム、金属セレン化物例えばセレン化亜鉛、並びに金属硫化物例えば硫化亜鉛がアノードとして用いられる。EL輻射がカソード電極越しにしか看取されない用途に関しては、アノードの透過特性は重要でないので、透明か不透明かそれとも反射性かによらず任意の導電素材を使用することができる。その構成に適する導電体の例としては、例えば金、銀、イリジウム、モリブデン、パラジウム及びプラチナがある。典型的なアノード素材は、透過性であれそれ以外であれ、4.0eV以上の仕事関数を有するものである。所望のアノード素材を、それに適する任意のプロセス例えば蒸着、スパッタリング、化学気相成長又は電気化学成長で堆積させることができる。
デバイスが上面輻射型である場合、その電極が透明又はほぼ透明でなければならない。そうした用途では、金属が薄手(好ましくは25nm未満)でなければならず、或いは透明導電酸化物(例えば酸化インジウムスズや酸化インジウム亜鉛)又はそうした素材の組合せが使用されねばならない。光学的に透明なカソードについては特許文献4にてより詳細に記述されている。デバイスが下面輻射型である場合、即ちEL輻射がアノード電極越しにのみ看取される場合は、カソードの透過特性は重要でなくどのような導電素材でも使用することができる。この構成に適する導電体の例としては、例えば金、銀、イリジウム、モリブデン、パラジウム及びプラチナがある。
源420及び520では高度に指向的な気化素材プリュームが生成されるが、そうするには高温が必要である。そのためエネルギコストが高くならざるを得ないし、幾つかの素材特に有機素材に劣化が生じかねない。多くの市販源で使用されている温度はより低く、生成される気化素材プリュームは広めである。次に、図6aに、真空チャンバ(図示せず)内の基板上に気化有機素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。基板及びマスクは図5a中のものと同様である。有機素材蒸気源470は気化有機素材445の源である。気化有機素材445は図5a中の気化有機素材440と同じ素材でよいが、有機素材蒸気源470はかなり広めの固有カットオフ角θ’を有するプリュームにて気化有機素材を吐出する。即ち、源470としては、上述した源420に比べ広めの固有プリューム形状及び固有カットオフ角を有するものが選ばれている。本発明の目的に照らし、広めのプリュームを提供する源、特に60°超の固有カットオフ角を有する源のことを広源(broad source)と呼ぶことにする。本発明の目的に照らせば源470は一種の気化装置、特に有機素材及び無機(例えば金属)素材双方を気化させることが可能で、且つ成長済層を損傷させることなくそれらの素材の層を成長させることが可能な種類の、それであるのが望ましい。そうした種類の一つは真空熱蒸着装置である。その種の蒸気源には、例えばRD Mathis Company及びKurt J Lesker Companyにより商業的に供給されていて本件技術分野で周知なリチャージャブルバッフル化箱源がある。
有機素材蒸気源470の姿勢は、本例では、視角180に対し平行になるよう、即ち基板300の表面に対しほぼ垂直になるよう選定されている。この姿勢では、気化有機素材445がマスク310の露出エリア越しに堆積されうる。望ましいのは、気化有機素材をアノード例えばアノード350の上方に堆積させる一方、爾後のカソード接触のためカソードリード340又はその一部を裸で残すことである。しかしながら、本例では有機素材445が広めの分布を有しているので、幾らかの気化有機素材445がオーバハング構造例えばオーバハング構造360の下方に向かいうるし、カソード電極340の上方に堆積されうる。真空チャンバ内には源470に対し別体な1個又は複数個のシールド480が配置されており、有機素材蒸気源470と基板300の間、気化有機素材445の片側に位置している。シールド480は、気化有機素材445の流れのうち、基板300の表面垂線に対し選定カットオフ角θ超の角で吐出されたものを阻害するよう、オーバハング構造360の片側に配置されているので、オーバハング構造360に対応する側では、そのシールド480により蒸気プリュームがシェーピングされることとなる。これにより、その側における有機素材の実質的な輸送が選定カットオフ角θ以下の角に制限される。選定カットオフ角は、基板300の垂線に対し30°〜60°好ましくは40°〜50°とすることとよい。図6aの例で示されている選定カットオフ角は約45°である。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、厳密な選定カットオフ角ひいてはシールド480の配置は、アノード350、カソードリード340及びオーバハング構造360の位置関係及び寸法により決定されよう。こうした構成では、有機素材450はアノード350の開口エリア上に堆積されることとなり、基板の部分被覆部例えばオーバハング構造360によりもたらされた部分被覆部の上にはほんの僅かしか堆積されない。
図5aに示した通り、気化有機素材は、有機素材蒸気源470・基板300間距離を十分大きくとることによって、或いは有機素材蒸気源470と基板300及びマスク310との間に相対運動430を発生させることによって、或いはその双方によって、マスク開口越しにほぼ均一に堆積させることができる。基板が源に対し右に動くような相対運動430を示したが、逆方向の相対運動も遜色なく有効である。堆積・成長プロセス中は、シールド480及び有機素材蒸気源470の位置関係を変化させない。
次に、図6bに、真空チャンバ(図示せず)内の基板上に気化有機素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。基板及びマスクは図6a中のものと同様である。複数個の有機素材蒸気源471及び472は、多成分層形成のため気化有機素材446及び447のうち対応するものを供給する。図中の素材源は、各蒸気プリュームの主経路に交差が生じるよう、ひいてはプリュームのその部分により堆積された素材が所望の組成を有することとなるよう、互いに僅かに傾けられている。これは本件技術分野で一般的である。同図中のシールド481及び482は、各源からの気化有機素材446及び447の流れのうち、基板300の表面垂線に対し選定カットオフ角θ超の角を有するものを、オーバハング構造360の片側にて阻害するのに必要である。
次に、図6cに、真空チャンバ(図示せず)内の基板上に気化有機素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。図6cの例は複数個の有機素材蒸気源471及び472を有していて図6bのそれに似ているが、気化有機素材446及び447の流れのうち基板300の表面垂線に対し選定カットオフ角θ超の角で吐出されたものが、オーバハング構造360の片側にて共通のシールド483により阻害される点で異なっている。
次に、図6dに、基板上に堆積済の有機素材上に気化導電素材を堆積させる素材源の別例との関連で図4aのマスク及び基板の断面を示す。この装置が収まる真空チャンバ(図示せず)は図6aにおける真空チャンバと同じチャンバでも別のチャンバでもよい。基板300上には、図6aの装置によりマスク開口380越しに、OLEDデバイスの有機層群を形成するのに十分な有機素材例えば有機素材450の層1個又は複数個を既に成長させてある。導電素材蒸気源570は、気化導電素材545の形態をとる導電素材の源である。源570は、加熱により気化され1個又は複数個のノズル580により吐出される導電素材のリザーバを有している。気化導電素材545は、蒸気プリュームが広角分布を呈し且つ上述した源470からのそれと似た又は概ね同一の固有プリューム形状をとる形態にて、ノズル580から吐出される。従って、源570の固有カットオフ角は上述した源470のそれに近い角又はほぼ等しい角となる。本発明の目的に鑑みれば、源520が一種の気化装置、特に有機素材及び無機(例えば金属)素材双方を気化すること、並びに成長済層が損傷されないようそれらの素材の層を成長させることが可能な種類の気化装置であるのが望ましい。その種の装置の一つは真空熱蒸着装置である。
導電素材蒸気源570特にそのノズル(群)580の姿勢は、基板300に対し垂直になるよう選ばれている。気化有機素材堆積時とは違い、気化導電素材545のプリュームから見てオーバハング構造360に対応する側に、導電素材蒸気源570に付随するシールドがない。本例では、オーバハング構造360の下方を含め、マスク310の露出エリア例えばマスク開口380越しに気化導電素材545を堆積させることができる。即ち、基板300の非被覆部及び部分被覆部を孕む第2領域上に、気化導電素材545を堆積させることができる。このことは、導電素材550が非被覆部(マスク開口380)及び部分被覆部370上に堆積されていること、従って有機素材450の諸層が導電素材550で部分的に又は完全に覆われその導電素材550が更にそれら有機層の一辺を超え延びていること、によって示されている。その結果、導電素材550はカソードリード340と接触する。導電素材550が有機素材450を超え延びる量は、オーバハング構造360の拡がり例えば図1a中の距離175によって、或いは通電に不適な厚みまで減る導電素材厚漸減(テーパ)の具合によって制限されうる。後者は、オーバハング構造の幾何構成と蒸気プリューム形状との相互作用により決まる。これらの設計変数を用い良好な導電層・カソードリード間導電接触を得ることについては後に説明する。気化導電素材545は基板の被覆部上、例えばマスク310が基板300又はそれに代わる構造例えばアノードと実質接触する個所には、堆積されないであろう。こうして、カソードリード340、導電素材550、(OLEDデバイスの有機層群を形成するのに十分な)有機素材450及びアノード350により回路が形成される。これは、即ち、第1領域内有機素材層成長及び第2領域内導電素材層成長双方に単一のマスクを使用することを通じ、アノード350の上方にOLEDデバイスの完成品が形成されるということである。導電素材蒸気源570と基板300及びマスク310との間に上述の如き相対運動530があれば、例えばアノード351及び爾後のアノードの上方にある他の開口にて同様に、導電素材を順次堆積させることができる。例えば図中の導電素材551は堆積が進行する過程にある。
次に、図7aに、本発明の装置を用い作成された有機発光デバイスの一例断面を示す。有機発光デバイス600は、図4aに先行図示されている通り、カソードリード340並びにアノード350、351及び352を伴う基板300を有している。アノード350、351及び352の上方には、図5a又は図6aの装置により、有機素材450、451及び452のうち対応するものを堆積済である。本件技術分野で周知の通り、有機素材450、451及び452は、図5a又は図6aの装置による複数回の処理で成長させた複数個の層、例えば発光層、正孔輸送層、電子輸送層等を体現しうるものである。有機素材で単一スタックデバイス又はタンデムデバイスを構成することができ、また単色光又は広スペクトラム帯域光を輻射させることができる。有機素材450、451及び452や付随する部分の上方には、図5bの装置により、導電素材550、551及び552のうち対応するものを堆積済である。導電素材550、551及び552は、それぞれ、対応する有機素材の上方でカソードを形成する。それら個別のカソード、有機層及びアノードは、互いに直列接続された発光ユニット620,621及び622を形成しており、またカソードリード340及びアノード352は、複数個の光輻射源を駆動するのに十分な電圧を呈する外部電流源に接続可能である。例えば、カソードリード340により導電素材550へと供給された電流が有機素材450を過ぎりアノード350に至ると、発光ユニット620が光を輻射する。アノード350からの電流が直列的に導電素材551へと供給され、更に有機素材451を過ぎりアノード351に至ると、発光ユニット621が光を輻射する。同様に、直列的に導電素材552に供給された電流は、発光ユニット622を発光させるであろう。
図7aの例にて、複数個の輻射エリアが基板に沿い横方向に直列接続されていることは、ある種の長所となりうる。こうした構成では、照明パネル内を流れる電流が、同等サイズの単一輻射エリアOLED照明パネル内を流れる電流よりも小さくなる。電流が小さいことには利点、例えば非輻射導電トレースにおける電力損失が少ない、電力接触部のサイズをかなり小さくできる、並びに基板上の高価な付加的パターン化バス金属層が不要、という利点がある。加えて、個別輻射エリアそれぞれのサイズがパネルの総輻射面積に比べ小さくなり、不均一光輻射を引き起こしかねない電極内電圧降下が減少する。1個の大きな輻射エリアではなく複数個の小さな輻射エリアを設けることの更なる利点の一つは、一個所で短絡故障が生じてもデバイス全体が暗転しないことである。ただ、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、マスク開口のサイズ及び個数や基板上の回路パターンを変化させることにより、本発明の装置及び方法を、大きな単一輻射エリアの形成や並列接続された複数個の輻射エリアの形成に、容易に応用することができる。
図7bは有機発光デバイス600の一部をより詳細に、且つ幾らか正確な寸法で示したものであり、本発明のマスクの設計にとり肝要なOLEDコーティングの構造のうち幾つかを示す役目を果たしている。図7bには、有機発光デバイス600の発光ユニット620が示されている。例えば、有機素材450のエッジである有機素材エッジ450a及び450bは理想的なくっきりとした境界を呈しておらず、寧ろ、マスク開口の中央付近におけるフル厚みからほぼゼロの厚みまでその厚みが漸減している。性能属性例えば輝度、色、寿命、並びに加齢及び視角による色シフトに関しOLED輻射をほぼ均一にするためには、設計により、ほぼ均一な厚みで有機素材450が堆積する領域に光輻射エリアを限定しなければならない。その輻射エリアは、上部電極及び下部電極とそれに挟まれている有機層群の重なり合いにより画定されよう。図2a、図2b及び図2dに示した如き構成を有するマスクは輻射エリアを大きくするのに役立ちうるであろう。オーバハング構造の下方に形成される有機素材エッジ450aの横方向の拡がりは、気化有機素材プリュームの形状、シールドの位置及びマスク自体の特性によって決定されよう。例えば、図1a中の下マスク120の厚みを増すと、オーバハング構造140下への有機素材の浸透量が増すこととなろう。或いは、図5aに示す如く指向性が高めの有機素材蒸気源を使用するか、図6aに示す如く気化有機素材プリュームの片側にて1個又は複数個のシールドを使用すると、オーバハング構造の下方に形成されるこのテーパの度合いが抑えられよう。
導電素材550が有機素材エッジ450aを超えてカソードリード340に向かい横方向に延びる度合いは、オーバハング構造の横方向の拡がり及び幾何形状、例えば図1a中の距離125及び175、並びに気化導電素材プリュームの形状によって左右されよう。導電素材550は、接触部555にて、カソードリード340に電気的に接続される。ご理解頂けるように、接触部555は、図7bの面に対し垂直なリニアストリップで構成されている。導電素材550からなる層の厚み、並びに接触部555における導電素材550の拡がりたる横幅630は、カソードリード340から導電素材550へ、またその導電素材を介し輻射エリアへと、顕著な電気エネルギ損失無しで所要電流を流すのに十分でなければならない。エネルギ損失が顕著であるとその照明デバイスは有効なものでなくなろうし、極端な場合は、接触領域にて生じた熱でカソードリード340・導電素材550間電気接続が故障することとなりかねない。
非限定的な例:50cd/Aの輝度効率を有するOLEDを3000cd/m2の輝度で稼働させる場合、2cm幅発光ユニット例えば図7bの発光ユニット620には、その接触エッジ例えば図7b中の接触部555にて12mA/リニアcmの電流が流れることとなろう。本発明におけるカソード向け接触部設計には、接触部555における導電電極の厚み、並びに導電素材550とそれに対応する導電接触部例えばカソードリード340との間に形成された接触の品質にもよるが、電流1A当たり1cm2の接触部なる設計目安があろう。動作電流密度では、接触点における電圧降下が1V未満であるのが望ましく、また0.1V未満であるのが有益である。この例では、導電素材550・カソードリード340間コンタクトエリアの横幅630を約125μm幅とすべきである。横幅630は、オーバハング構造の下方に有機素材が堆積される量、或いはオーバハング170の深さ(即ち図1a中の距離175)によって制限されうる。広い分布を伴う蒸気源(例えば図6a〜図6d)の場合、250μmの下マスク厚及び500μmのオーバハング構造長(即ち距離175)を有するマスクオーバハング構造の片側で、気化有機素材プリュームを垂線から45°以下の角θへと制限すると、所望のコンタクトエリア及び所望限度内の電圧損失がもたらされる。いわゆる当業者にはご理解頂けるように、有機蒸気プリューム分布及び金属蒸気プリューム分布の他の様々な組合せを、他のマスク厚及びマスク形状と併せ用い、所望の結果を得ることもできる。
複数個の輻射エリアを有するOLED照明デバイス、例えば図7aに示した直列接続素子群を有するデバイスを製造する際には、輻射エリア間非輻射エリアをできるだけ小さく保つことで、生じる光の量を大きくするのが望ましい。これを行うためには、例えば2個の輻射エリア間にある下マスク部分325の一部又は全てをなくすことにより、隣接ユニット間にある被覆部375及び部分被覆部370(図4a)の幅を抑えるべきである。隣接導電層エリア間電気的橋絡を通じた短絡が防がれるよう注意しなければならない。そのためには、そのプリュームのオーバハング構造対応側における導電素材プリューム形状を制御し、気化導電素材の高角成分を制限することが必要である。これには多様な手法、例えば図5bの如く源の姿勢及び構成を変化させる手法や、図6dにおける気化導電素材545の経路上にシールドを設ける手法を、使用することができる。
本発明の諸特徴に加え、そうしたOLED照明デバイス製造用マスクの設計には、その他の留意点がありうる。それらのうち幾つかの起因となるのは、OLED照明デバイスが(OLED表示デバイスを構成する微小な個別ピクセルに比し)大きな統合型輻射エリアを提供する、という事実である。そうした照明デバイスの表面全体に亘り均一光を発生させることが望まれる。図7b中の輻射エリアの左端を見ると、有機素材エッジ450bの厚みが、輻射エリアでの均一な厚みからマスクが基板と接触していたエリア内でのほぼゼロの厚みまで漸減している。これは、マスク設計上の特徴例えば図1aに示したそれらにより制御される。導電素材エッジ550bにある導電電極の厚みも、輻射エリアにおけるフル厚みからそのエッジにおけるゼロにまで漸減させねばならない。導電素材エッジ550bが有機素材エッジ450bに重なっていると、その領域内の有機層が薄いため電流抵抗値が低い領域が発生する。これは、そのOLED照明デバイスのエッジ1個又は複数個に沿った異色線又は輝線として見える不均一な輻射エリアを発生させかねない。従って、図7bに示すように、有機素材エッジ450bにより画定される境界の内側に導電素材エッジ550bがあるのが望ましい。例えば、図1aの構成のマスクによれば、マスクの厚みによるプリュームの不要シャドウイング、特に広い指向性分布を伴う蒸気プリュームでのそれが抑えられる。直角から逸れた方向への蒸気吐出は陰(シャドウ)を発生させかねず、従ってマスクエッジ近傍の部分シャドウエリア内に薄めの層が形成されかねない。正傾斜エッジ例えばカッタウェイエッジ135を用いれば、図7bにおける有機素材エッジ450aの横幅が抑えられ、最終デバイスにおける使用可能輻射エリアが広くなる。
他構成のマスクにより、異なりはするが遜色なく有益な効果を実現することが可能である。例えば、図1bのマスク111では、マスク開口の非オーバハングエッジ側に鉛直エッジがある。このマスク設計例を図5a及び図5bのほぼ理想的な素材源と併用した場合、図1b中の視角190から堆積される気化導電素材が部分被覆部171内に堆積されることが、多少は妨げられよう。これは、導電素材エッジ550bの境界を図7bの有機素材エッジ450bより内側に保ち、その照明デバイスにて明るいエッジラインが生じないようにする上で役立ちうると共に、上部電極・下部電極間短絡の蓋然性を抑えるのにも役立ちうる。マスク設計をこうして利用し有機層及び導電層の成長面積比を制御することにより、均一且つ平坦な有機物堆積エリアに輻射を制限するため基板上の下部導電電極層上に高価な絶縁層を配する必要をなくせる。図1cのマスク例は少なくとも三通りの場合に役立ちうる。この構成のマスクなら、広めの蒸気プリューム分布を伴う源例えば図6aに示したものを用いる場合に、有機層が平坦且つ均一厚なエリア内でのみ導電層が有機層に接触するよう、有機層の厚みテーパ部分例えば図7bの有機素材エッジ450bを上マスクの下方に動かすことができる。図1cの左側に示したマスク例の第2の適用対象は、カソードでの電圧降下に起因した照明の不均一性を抑えるため、ディスプレイの複数辺上にカソード接触部を設けることが求められ又は望まれている場合である。これは、例えば上部輻射又はデュアル輻射照明パネルにおいて、カソードの抵抗率が高いときや、輻射エリアが非常に広いときに役立ちうる。このマスク例の第3の適用対象は、相独立した接続部を伴う複数個の導電層をOLED内、例えば個別スタックからの光輻射を相独立に制御するのが有益な積層OLED内に、設けることが望まれている場合である。これは、輻射色が異なる領域毎に別の有機気相成長マスク又は色フィルタを必ずしも用いることなく、ユーザが光の色を変えられるようにする上で有用であろう。
図4bのマスクでは、基板上にある電極パターンのサイズを、マスク開口380の上部及び下部に沿いその開口より僅かに小さくなるよう設計することが、有利なことでありうる。これにより、それらの辺沿いにある薄めの有機素材エッジを電極エリア外に出し、それらエッジに沿い輝線が生じる余地をなくすことができよう。或いは、上縁及び下縁沿いに正傾斜辺を有するマスクにより、それらの辺側にて輻射エリアを大きめにすることができよう。
次に、図8aに、本発明のOLED照明デバイス作成方法の一例であって、1個又は複数個の有機層を1個又は複数個の基板第1領域上に成長させ、且つ導電層例えばカソードを同じ除去可能マスクを用い1個又は複数個の基板第2領域上に成長させるものを、模式的に示す。図8aは上述した本発明の諸装置例に照らし理解可能であるので、上述の諸例の諸構造を参照することにする。ステップ1000では、OLED照明デバイスでの使用に適した基板例えば基板300が準備される。基板300の片面はパターニングされていて、導電エリア例えばカソードリード340並びにアノード350、351及び352や、導電エリア間に位置する絶縁エリアがその面上にある。
ステップ1005では、基板に実質接触するよう再使用可能マスク310が配置される。このマスクは、基板の指定部分を露出させる1個又は複数個のマスク開口380を有している。マスク開口エッジのうち一つは、選定された視角に対し基板表面の一部分をマスク(被覆)するオーバハング構造360を呈するように構成されている。即ち、このマスクにより、基板300上に、1個又は複数個の非被覆部(例えばマスク開口380)、1個又は複数個の部分被覆部370、並びに1個又は複数個の被覆部(例えば第1マスク320が基板300と実質接触している部分)が形成される。
ステップ1010では、マスク及び基板が、真空下で、1個又は複数個の有機素材蒸気源例えば図5aの有機素材蒸気源420からの気化有機素材プリュームに対し露出される;その源は、シェーピングされた概ね単方向的な素材プリュームを本質的に提供する狭源であると共に、基板及びマスクに対し第1姿勢をとる源である。この第1姿勢では、基板の非被覆部が気化有機素材に対し露出される。有機素材は、基板の非被覆部を孕む第1領域に堆積される一方、部分被覆部にはほとんど又は全く堆積されないので、図5aに例示した通り、その基板の選定第1領域上に有機素材層が成長することとなる。ステップ1010は、その基板の同じ選定第1領域の上方に複数個の有機層が成長するよう、同じ又は別々の源を用い、複数種類の有機素材で反復することができる。
ステップ1015では、マスク及び基板並びに堆積済有機素材が、真空下で、1個又は複数個の導電素材蒸気源例えば図5bの導電素材蒸気源520からの気化導電素材プリュームに対し露出される;この源は、概ね単方向的な素材プリュームを本質的に提供する狭源であると共に、基板及びマスクに対し第2姿勢をとる源である。念頭に置くべきことは、ステップ1010で使用した真空チャンバからステップ1015で使用する別のチャンバへとマスク及び基板を一体移動させてもかまわないけれども、マスク及び基板の位置が互いに変化しないようマスク及び基板を互いに同じ相対位置に保持することである。この第2姿勢では、図5bに例示した通り、基板の非被覆部及び部分被覆部が気化導電素材に対し露出される一方、被覆部は斯様には露出されない。導電素材は基板の非被覆部及び部分被覆部に堆積され、それにより導電素材層が基板の選定第2領域上、即ちその上に有機素材が既に堆積されている選定第1領域に完全に又は部分的に重なっており更に第1領域から見てマスクのオーバハング構造に対応する側にて第1領域を超え延びている領域上に、成長することとなる。即ち、第1領域上方への有機素材堆積及び第2領域上方への導電素材堆積が、基板に対する位置が2回の堆積を通じ変化しない単一のマスクで実現される。
ステップ1020ではマスクが基板から取り払われる。第1領域の上方に成長させた有機素材層は、図7aでは、例えば、アノード350の一部分及びそれに隣り合うギャップの上方に堆積された有機素材450により表されている。導電素材550は第2領域の上方、即ち有機素材450で形成された第1領域を含んでおり更にカソードリード340の上方へと延びている領域の上方に、堆積されている。同様に、導電素材551及び552が、それぞれ、対応する有機素材の領域を覆い、更に隣り合うアノード350及び351のうち一部分の上方まで延びる結果、複数個の発光ユニットの直列回路が形成されており、ひいては同じマスクを用い基板の別々の領域の上方に有機層及び導電層を形成することが可能となっている。
次に、図8bに、本発明の方法の別例であって、1個又は複数個の有機層を1個又は複数個の基板第1領域上に成長させ、且つ導電層例えばカソードを同じ除去可能マスクを用い1個又は複数個の基板第2領域上に成長させるものを、模式的に示す。ステップ1000では、OLED照明デバイスでの使用に適する基板例えば基板300が準備される。基板300の片面はパターニングされていて、導電エリア例えばカソードリード340並びにアノード350、351及び352や、導電エリア間に位置する絶縁エリアがその面上にある。ステップ1005では、基板に実質接触するよう再使用可能マスク310が配置される。このマスクは、基板の指定部分を露出させる1個又は複数個のマスク開口380を有しており、マスク開口エッジのうち一つは、オーバハング構造を呈するように構成されている。ステップ1000及び1005は図8aのそれと同じである。
ステップ1012では、マスク及び基板が、真空下で、1個又は複数個の有機素材蒸気源例えば図6aの有機素材蒸気源470からの気化有機素材プリュームに対し露出される;この源は、広角を有するプリュームで気化有機素材を本質的に吐出する広源であり、その有機素材蒸気源と基板との間に、その源とは別体なシールドがある。本願記載の幾つかの形態例えば図6a中のそれに示す如く、基板の非被覆部が気化有機素材に対し露出される一方、シールドによるプリュームのシェーピングによって、マスクのオーバハング構造に対応する側にて有機素材の実質的な輸送が選定カットオフ角以下の角に制限されるため、部分被覆部における有機素材の堆積が抑えられる。ステップ1012は、その基板の同じ選定第1領域(群)の上方に複数個の有機層が成長するよう、同じ又は別々の源を用い複数種類の有機素材で反復することができる。
ステップ1017では、更に、マスク及び基板並びに堆積済有機素材が、真空下で、1個又は複数個の導電素材蒸気源例えば図6dの導電素材蒸気源570からの気化導電素材プリュームに対し露出される;この源は、広角を有するプリュームにて気化導電素材を本質的に吐出する広源である。源・基板間にシールドはない。念頭に置くべきことは、ステップ1012で使用した真空チャンバからステップ1017で使用する別のチャンバへとマスク及び基板を一体移動させてもかまわないが、マスク及び基板の位置が互いに変化しないようマスク及び基板を互いに同じ相対位置に保持することである。図6dに例示した通り、基板の非被覆部及び部分被覆部は気化導電素材に対し露出される一方、被覆部は斯様には露出されない。そのため、導電素材は基板の選定第2領域上、即ちその上に有機素材が既に堆積されている選定第1領域に完全に又は部分的に重なっており更に第1領域から見てマスクのオーバハング構造に対応する側にて第1領域を超え延びている領域上に、堆積されることとなる。即ち、第1領域の上方への有機素材の堆積及び第2領域の上方への導電素材の堆積が、基板に対する位置が2回の堆積を通じ変化しない単一のマスクで実現される。
ステップ1020ではマスクが基板から取り払われる。第1領域の上方に成長させた有機素材層は、図7aでは、例えば、アノード350の一部分及びそれに隣り合うギャップの上方に堆積された有機素材450により表されている。導電素材550は第2領域の上方、即ち図7aの例では有機素材450で形成された第1領域を含んでおり更にカソードリード340の上方へと延びている領域の上方に、堆積されている。同様に、導電素材551及び552が、それぞれ、対応する有機素材の領域を覆い、更に隣り合うアノード350及び351のうち一部分の上方まで延びる結果、複数個の発光ユニットの直列回路が形成されており、ひいては同じマスクを用い基板の別々の領域の上方に有機層及び導電層を形成することが可能となっている。
本発明の原理について本願記載の例示的実施形態との関連で説明してきたが、本発明の原理はそれらに限られるものではなく、それらのあらゆる修正型、改変型又は置換型を包含するものである。

Claims (16)

  1. OLED照明デバイスの有機素材層1個又は複数個を基板の第1領域上に成長(deposit)させ、且つそのOLED照明デバイスの導電層1個又は複数個を第2領域上に成長させる装置であって、上記1個又は複数個の導電層が、上記1個又は複数個の有機層を部分的に又は完全に覆い更に当該1個又は複数個の有機層の一辺を超えて延びる装置において、
    a)1個又は複数個の開口エリアを有し、基板に接触するよう配置及び保持されているが基板に接合されていない再使用可能マスクであり、少なくとも1個のマスク開口エリアの一縁が、オーバハング構造(overhang feature)を呈するよう、ひいては基板の被覆部(masked portion)、基板の非被覆部(unmasked portion)即ち第1電極の少なくとも一部分を含む部分、並びに基板の部分被覆部(partially masked portion)即ち第1電極に対し不連続な第2電極の少なくとも一部分を含む部分、が画定されるように構成されている再使用可能マスクと、
    b)真空熱蒸着装置を備えていて気化(vaporized)有機素材プリュームをもたらす1個又は複数個の気化有機素材源であり、その気化有機素材プリュームが、気化有機素材プリュームの中心線から60°超なる固有(intrinsic)カットオフ角を伴う選定(selected)固有プリューム形状を有し、気化有機素材プリュームを構成する蒸気(vapor)の総フラックスのうち90%を含み上記中心線を取り巻いている領域が、その固有カットオフ角により画定される気化有機素材源と、
    c)上記1個又は複数個の気化有機素材源のうち少なくとも1個と基板の少なくとも一部分との間に位置すると共に、気化有機素材プリュームから見て再使用可能マスクのオーバハング構造に対応する側に位置する1個又は複数個のシールドであって、気化有機素材プリュームから見て再使用可能マスクのオーバハング構造に対応する側にて気化有機素材プリュームをシェーピングするよう働き、気化有機素材プリュームの上記側にて気化有機素材プリュームの少なくとも幾ばくかの輸送を選定カットオフ角以下の少なくとも一種類の角に制限するよう働き、且つ、再使用可能マスクのオーバハング構造との連携で、気化有機素材プリュームの非遮蔽部分の少なくとも幾ばくかが再使用可能マスクを通じ基板の第1領域に到達することが許容されるように働く1個又は複数個のシールドであり、その選定カットオフ角が、基板の表面に対する垂線を基準としていて固有カットオフ角よりも小さい角であり、且つ第1領域が基板の非被覆部を含むシールドと、
    d)少なくとも基板の非被覆部及び部分被覆部に対応している第2領域へと再使用可能マスクを通じ導電素材を輸送する1個又は複数個の気化導電素材源であり、真空熱蒸着装置を備えていて気化導電素材プリュームをもたらす気化導電素材源であって、その気化導電素材プリュームが、気化有機素材プリュームのそれとほぼ同じで気化導電素材プリュームの中心線から60°超の固有カットオフ角を伴うほぼ同じ固有プリューム形状を有し、第2領域が、第1領域に部分的に又は完全に重なり更に第1領域から見て再使用可能マスクのオーバハング構造に対応する側にて第1領域を超えて延びる気化導電素材源と、
    を備える装置。
  2. 求項1記載の装置であって、選定カットオフ角が、基板の表面に対する垂線に対し30°〜60°である装置。
  3. 請求項1記載の装置であって、選定カットオフ角が、基板の表面に対する垂線に対し40°〜50°である装置。
  4. 請求項1記載の装置であって、更に、(i)上記1個又は複数個の気化有機素材源及び上記1個又は複数個の気化導電素材源、(ii)基板及びマスクとの間に相対運動をもたらすよう構成された1個又は複数個のデバイスを有する装置。
  5. 請求項1記載の装置であって、使用可能マスクが2個以上の個別マスクを有し、オーバハング構造がもたらされるよう、それら個別マスクそれぞれの少なくとも1個の開口エリアの一縁がずらされている装置。
  6. 請求項記載の装置であって、使用可能マスクが下マスク及び上マスクを有し、オーバハング構造がもたらされるよう、それら上及び下マスクの少なくとも1個の開口エリアの一縁がずらされている装置。
  7. 請求項1記載の装置であって、使用可能マスクが単一のマスクを有し、オーバハング構造がもたらされるよう、そのマスクの少なくとも1個の開口エリアの一縁が構成されている装置。
  8. 請求項1記載の装置であって、オーバハング構造が、基板の上方にあり且つ50〜1000μmの距離を以て基板から隔てられている装置。
  9. 請求項記載の装置であって、オーバハング構造が、基板の上方にあり且つ100〜300μmの距離を以て基板から隔てられている装置。
  10. OLED照明デバイスの有機素材層1個又は複数個を基板の第1領域上に成長(deposit)させ、且つそのOLED照明デバイスの導電層1個又は複数個を第2領域上に成長させる方法であって、上記1個又は複数個の導電層が、上記1個又は複数個の有機層を部分的に又は完全に覆い更に当該1個又は複数個の有機層の一辺を超えて延びる方法において、
    LED照明デバイスでの使用に適した基板を準備するステップと、
    1個又は複数個のマスク開口エリアを有する再使用可能マスクを基板に接触するよう配置しその再使用可能マスクの位置を保持するステップであり、少なくとも1個のマスク開口エリアの一縁が、基板の被覆部(masked portion)、基板の非被覆部(unmasked portion)即ち第1電極の少なくとも一部分を含む部分、並びに基板の部分被覆部(partially masked portion)即ち第1電極に対し不連続な第2電極の少なくとも一部分を含む部分、が画定されるようオーバハング構造(overhang feature)を有するステップと、
    真空熱蒸着装置を備える1個又は複数個の源を用い、気化(vaporized)有機素材プリュームの中心線から60°超なる固有(intrinsic)カットオフ角を伴う固有プリューム形状を有する気化有機素材プリュームに対し再使用可能マスク及び基板を露出させるステップと、
    気化有機素材プリュームから見て再使用可能マスクのオーバハング構造に対応する側で、気化有機素材プリュームの少なくとも幾ばくかの輸送が、固有カットオフ角より小さい選定(selected)カットオフ角以下の少なくとも一種類の角に制限されるよう、気化有機素材プリュームをシェーピングするステップであり、これら露出及びシェーピングによって、気化有機素材プリュームの非遮蔽部分の少なくとも幾ばくかが再使用可能マスクを通じ基板の第1領域上即ち基板の非被覆部を含む領域上に堆積されることが許容されるステップと、
    真空熱蒸着装置を備える1個又は複数個の源を用い、気化有機素材プリュームのそれとほぼ同じで気化導電素材プリュームの中心線から60°超の固有カットオフ角を伴うほぼ同じ固有プリューム形状を有する気化導電素材プリュームに対し、再使用可能マスク及び基板を更に露出させることにより、少なくとも基板の非被覆部及び部分被覆部に対応する第2領域上に再使用可能マスクを通じ導電素材を堆積させるステップであり、その第2領域が、第1領域に部分的に又は完全に重なり更に第1領域から見て再使用可能マスクのオーバハング構造に対応する側にて第1領域を超えて延びるステップと、
    再使用可能マスクを基板から取り払うステップと、
    を有する方法。
  11. 請求項10記載の方法であって、マスク及び基板を複数種類の有機素材に対し順次露出させることによって複数個の有機層を成長させる方法。
  12. 請求項10記載の方法であって、上記導電素材が、第2領域内に第1領域を超え配置されている接触部への電気接続を形成する方法。
  13. 請求項10記載の方法によって作成されたOLED照明デバイス。
  14. 請求項13記載のOLED照明デバイスであって、直列接続された素子群を有するOLED照明デバイス。
  15. 請求項10記載の方法であって、気化有機素材プリューム及び気化導電素材プリュームが広角な分布を有する方法。
  16. 請求項10記載の方法であって、気化有機素材プリューム及び気化導電素材プリュームが挟角な分布を有する方法。
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