JP7092537B2 - 運指表示装置及び運指表示プログラム - Google Patents
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例えば特許文献1には、指の運び方を分かりやすくするために、手の動きが連続的に移行する運指動画生成技術が開示されており、単音の場合と和音の場合とで条件分けを行い、それぞれの指の形や手の甲の位置を決定するようにしている。
前記楽曲再生時の再生時刻に対応する運指位置情報を元に運指描画を生成するに際して、
前記再生時刻における押鍵時の押鍵時運指画像と、前記押鍵時直前の離鍵時の離鍵時運指画像と、暗色系の運指影画像とを作成し、
前記押鍵時運指画像と前記運指影画像、又は、前記離鍵時運指画像と前記運指影画像のいずれかを同時に表示するとともに、
前記運指影画像に対して前記離鍵時運指画像を次の押鍵時の音量の大きさに応じてオフセット量が大きくなるように表示する
機能をコンピュータに実行させることを特徴としている。
和音の押鍵時においては、前記押鍵時運指画像と前記離鍵時運指画像とを同一形状の画像で生成することを特徴としている。
単音の押鍵時においては、前記押鍵時運指画像と前記離鍵時運指画像とを押鍵指だけが異なる画像で生成することを特徴としている。
前記押鍵時運指画像及び離鍵時運指画像が明色系であることを特徴としている。
前記運指影画像に対する前記押鍵時運指画像又は前記離鍵時運指画像のオフセット位置は、右手については右上側に、左手については左上側であることを特徴としている。
前記離鍵時運指画像における次に押鍵する指の先端付近に押鍵準備マークを表示することを特徴としている。
前記押鍵時運指画像における押鍵中の指の先端付近に押鍵中マークを表示することを特徴としている。
前記押鍵時運指画像における押鍵中の指の色調は、前記押鍵時運指画像における離鍵中の指より暗い色調で表示することを特徴としている。
次に押鍵される音量に対する前記オフセット量を、押鍵されるまでの残り時間に応じて徐々に変化させることを特徴としている。
運指表示を行うための運指情報が記憶された楽音・指番号情報記憶部。
前記運指情報から押鍵情報を生成する押鍵情報生成部。
前記押鍵情報から運指位置情報を生成する運指位置情報生成部。
前記運指位置情報から前記楽曲再生時の再生時刻の運指画像を生成するに際して、前記再生時刻における押鍵時の押鍵時運指画像と、前記押鍵時直前の離鍵時の離鍵時運指画像と、暗色系の運指影画像とを作成し、前記押鍵時運指画像と前記運指影画像、又は、前記離鍵時運指画像と前記運指影画像のいずれかを同時に表示するとともに、前記運指影画像に対して前記離鍵時運指画像を音量の大きさに応じてオフセット量が大きくなり、次に押鍵されるまでの残り時間に応じて徐々に変化させるようにオフセット表示するオフセット画像付き運指画像を生成する運指画像生成部。
前記運指画像生成部で生成された運指画像を表示する表示装置。
運指表示装置は、楽譜データの表示及びそれに対応する運指表示を実行させるため、CPU、ROM、RAMやハードディスクなどを有する周知のタブレット型端末に対して、運指表示プログラムをインストールすることで構築される。タブレット型端末は、楽譜及び鍵盤を表示可能とする表示部と、タッチ操作を入力する入力部を有するタッチパネルと、音を再生するスピーカなどのサウンド出力装置を備えている。表示部では、鍵盤と共に手形による運指画像が表示され、ユーザは表示される運指画像を頼りに鍵盤楽器などで運指の練習をすることができる。
運指表示装置のCPUは、インストールされた所定の制御プログラム(運指表示プログラム)に従って各種処理を実行し、運指表示装置全体の制御を行う。
また、タブレット型端末にはMIDIインタフェースを介してMIDI機器を接続可能としている。演奏データや運指描画データは、タブレット型端末内のROMに格納したり、MIDIインタフェースを介して、又は記録媒体により外部から提供したりすることができる。
運指表示装置は、演奏を行うための楽音情報や各楽音に対応して運指表示を行うための指番号情報が記憶された楽音・指番号情報記憶部11と、楽音・指番号情報から押鍵情報を生成する押鍵情報生成部12と、押鍵情報を記憶する押鍵情報記憶部13と、押鍵情報から運指位置情報を生成する運指位置情報生成部14と、運指位置情報から運指画像を生成する運指画像生成部15と、を備えている。
また、運指情報に含まれる楽譜情報から楽譜画像を生成する楽譜画像生成部16を備え、運指画像生成部15及び楽譜画像生成部16で生成された画像は、画像情報記憶部17に記憶され、ディスプレイ等の表示装置18で表示される。
押鍵情報生成部12で作成された押鍵情報は押鍵情報記憶部13に記憶される。
運指位置情報から運指画像を得る手法は、例えば、上述した特許文献1(特許第3521838号)や特許文献2(特許第4070100号)に示される公知の手法が用いられる。
オフセット画像付き運指画像は、運指位置情報に応じた手の形状及び指位置の座標に関する情報を元に、最大オフセット時の離鍵時運指画像と同一形状の運指影画像に対して、押鍵時運指画像と運指影画像、又は、離鍵時運指画像と運指影画像のいずれかを同時に表示することにより生成される。
オフセット画像付き運指画像の具体的な画像例及び生成手順については後述する。
すなわち、楽譜の楽音に対応する押鍵情報に基づき、楽曲再生時に楽器を演奏する運指動画が画面に運指表示される。具体的な画像表示としては、図2に示すように、上段に楽譜が表示され、その下段に鍵盤、及び、楽譜の各楽音を両手で演奏するための運指画像が表示される。楽譜部分には、演奏の進行により五線部分を移動して再生時刻Tに対応するバーBARが表示され、運指画像は再生時刻の押鍵状態を描画する。押鍵された鍵は、色が変化するようになっている(図2では斜線で表示)。
また、楽譜に代えて、ピアノロールのような演奏情報を表示してもよい。
再生情報生成部21で作成された再生情報は再生情報記憶部22に記憶される。
サウンド生成部23では、再生情報に応じアナログ信号から成るサウンド情報が生成される。
サウンド出力装置25では、サウンド情報となるアナログ信号が増幅器及びスピーカを介して出力されることで音が再生される。
オフセット画像付き運指画像Xは、図3及び図5にそれぞれ示すように、再生時間において2種類の運指画像をオフセットさせて重ねて表示される。
図3は、右の人差し指で鍵盤のG音の単音を押鍵する場合の押鍵時のオフセット画像付き運指画像Xと、押鍵直前の離鍵時のオフセット画像付き運指画像Xを表している。
図5は、右の親指、中指、小指で鍵盤のA音・D音・F音の和音を押鍵する場合の押鍵時のオフセット画像付き運指画像Xと、押鍵直前の離鍵時のオフセット画像付き運指画像Xを表している。
各運指画像は、手の甲及び各指の幾何学的形状による2次的な運指表示手法により、現在再生時における手の甲と各指の位置と形状により構成される。
画像Aと画像Bは、押鍵する指部分のみ異なる形状となっている。すなわち、単音の場合、押鍵指だけが上下し、その他の指と手は上下しないため、画像Aと画像Bは最大オフセット時以外は異なる形状となる。そして、画像Bは、単音の押鍵時に押鍵指の先端位置のみ画像Cの先端位置と一致するような異形状とすることで、見た目も自然な押鍵表示を行うことが可能となる。
押鍵時には、押鍵中の指の先端付近に押鍵中マークPが表示される。
押鍵時には、押鍵中の指の色を指の先端ほど暗い色調で表示されるようにすることで、いかにも押鍵しているように見える。
離鍵時には、次に押鍵する指の先端付近に押鍵準備マークQが表示される。
このとき、次の押鍵までの残り時間に応じて押鍵指の先端位置のオフセット量を徐々に減らしていき、押鍵時にオフセット量がゼロ(つまり画像Cの押鍵指の先端位置と画像Aの押鍵指の先端位置が一致)になるように変化させる。
単音押鍵時のオフセット画像付き運指画像Xは、画像Cに対してオフセットされた画像Bが画像Cの上側に表示される。画像Cに対する画像Bのオフセット量は、離鍵時とほぼ同じでわずかに小さい値にするのがよい。これは、押鍵したことを少しでもわかりやすくするためである。
このとき、次の押鍵までの残り時間に応じてオフセット量を徐々に減らしていき、押鍵時にオフセット量が最小(つまり押鍵時のオフセット量)になるように移行させる。
和音押鍵中の押鍵指の押鍵マークや押鍵指の色調、和音離鍵時の次の押鍵指の押鍵準備マーク、各画像の色調などは、単音の場合と同様である。
押鍵時の運指画像は、画像Cに対してオフセットされた画像Bが画像Cの上側に表示される。画像Cに対する画像Bのオフセット量は、非常に小さい値になっている。このオフセット量は、予め設定された値(単音の場合と同じ値、又は、異なる値でも良い)となっている。オフセット量をゼロにしないのは、鍵盤上の指をより見やすくするためである。
運指表示装置では、格納された運指表示プログラムにより、再生時刻における押鍵情報を元に画像A,画像B,画像Cを描画するための運指位置情報が生成され、これらの運指位置情報を元にオフセット画像付き運指画像が生成されて表示装置18に描画される。押鍵情報には、音量に関する情報も含まれている。
次に、ステップ41の押鍵情報から画像Cを描画するための運指位置情報が作成される(ステップ42)。画像Cの表示色は暗色系とする。
再生時刻が押鍵中であるかどうかを判断する(ステップ45)。押鍵中である場合には、和音の押鍵であるかを判断する(ステップ46)。そして、和音の押鍵中であれば、押鍵情報から画像Aを描画するための運指位置情報が作成されて画像Aが描画される(ステップ47)。和音の場合、画像Aは、画像Cと同じ形状(手の甲及び指が同一形状)の画像であるが、表示色が明色系で、押鍵指は離鍵指よりも暗い色調で表示される。
画像Bは、画像Cに対して一部が異なる形状(押鍵する指位置が異なる形状)の画像であり、表示色は画像Aと同じ明色系となる。また押鍵指は離鍵指よりも暗い色調で表示される。
これらの場合、画像Aまたは画像Bは、画像Cに対して座標がオフセットされた位置に表示され、その位置は、右手で運指画像の描画を行う場合については、画像Cに対して画像Aまたは画像Bが右上位置にずれて表示される。離鍵時のオフセット量は、次の押鍵までの残り時間に応じて徐々に小さくなり、押鍵時に最小オフセット量となる。
また、押鍵中マークPは、例えば、押鍵指の先端に丸印で表示されている。
次の押鍵が和音の場合の画像Aは、画像Cと同じ形状(手の甲及び指が同一形状)の画像である。一方、次の押鍵が単音の場合の画像Aは、オフセット最大時には画像Cと同じ形状の画像であり、押鍵までの残り時間に応じて徐々に画像Bの形状に移行する画像である。また、表示色は明色系で、押鍵指は離鍵指よりも暗い色調で表示される。
これら場合、画像Aは、画像Cに対してステップ51で取得したオフセットされた位置(オフセット座標)に表示され、その位置は、右手で運指画像の描画を行う場合については、画像Cに対して画像Aが右上位置にずれて表示される。逆に左手で運指画像の描画を行う場合は、画像Cに対して画像Aが左上位置にずれて表示される。
また、押鍵準備マークQは、例えば、押鍵中マークと区別できる色で押鍵予定の指の先端に丸印で表示されている。または、丸印に代えて、押鍵中マークと区別できる形状で表示してもよい。
また、手や指のアップダウンを視覚的に表現することにより、離鍵からの押鍵タイミングを、単に押鍵する鍵の色を変化させるだけよりも、より効果的に知らせることができる。特に、運指表示が単音である場合に、押鍵する指だけが動くのが分かりやすく自然である。
更に、現在押鍵すべき指が押鍵中マークPで表示されるとともに、次に押鍵する指についても押鍵準備マークQで表示されるので、運指の先読みを可能とすることができる。
前述の実施例は、シンプルな2次元幾何学図形の運指画像であったが、これに限らず3次元座標系に位置する手の甲や指のポリゴンデータを基に、ジオメトリ処理によってポリゴン立体モデル座標をスクリーン座標に変換した後、レンダリング処理によってポリゴンにテクスチャ画像を貼り付けた運指画像や運指影画像であってもよい。
12…押鍵情報生成部
13…押鍵情報記憶部
14…運指位置情報生成部
15…運指画像生成部
16…楽譜画像生成部
17…画像情報記憶部
18…表示装置
21…再生情報生成部
22…再生情報記憶部
23…サウンド生成部
24…サウンド再生部
25…サウンド出力装置
A…離鍵時運指画像
B…押鍵時運指画像
C…運指影画像
P…押鍵中マーク
Q…押鍵準備マーク
X…オフセット画像付き運指画像
Claims (10)
- 楽曲の押鍵情報に基づき楽曲再生時に鍵盤楽器を演奏する運指動画を描画して画面に運指表示するプログラムであって、
前記楽曲再生時の再生時刻に対応する運指位置情報を元に運指描画を生成するに際して、
前記再生時刻における押鍵時の押鍵時運指画像と、前記押鍵時直前の離鍵時の離鍵時運指画像と、暗色系の運指影画像とを作成し、
前記押鍵時運指画像と前記運指影画像、又は、前記離鍵時運指画像と前記運指影画像のいずれかを同時に表示するとともに、
前記運指影画像に対して前記離鍵時運指画像を次の押鍵時の音量の大きさに応じてオフセット量が大きくなるように表示する
機能をコンピュータに実行させることを特徴とする運指表示プログラム。 - 和音の押鍵時においては、前記押鍵時運指画像と前記離鍵時運指画像とを同一形状の画像で生成する請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 単音の押鍵時においては、前記押鍵時運指画像と前記離鍵時運指画像とを押鍵指だけが異なる画像で生成する請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 前記押鍵時運指画像及び離鍵時運指画像が明色系である請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 前記運指影画像に対する前記押鍵時運指画像又は前記離鍵時運指画像のオフセット位置は、右手については右上側に、左手については左上側である請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 前記離鍵時運指画像における次に押鍵する指の先端付近に押鍵準備マークを表示する請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 前記押鍵時運指画像における押鍵中の指の先端付近に押鍵中マークを表示する請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 前記押鍵時運指画像における押鍵中の指の色調は、前記押鍵時運指画像における離鍵中の指より暗い色調で表示する請求項1に記載の運指表示プログラム。
- 押鍵時の音量に対する前記オフセット量を、押鍵されるまでの残り時間に応じて徐々に変化させる請求項1乃至請求項8に記載の運指表示プログラム。
- 楽曲の押鍵情報に基づき楽曲再生時に鍵盤楽器を演奏する運指動画を描画して画面に運指表示する運指表示装置において、
運指表示を行うための運指情報が記憶された楽音・指番号情報記憶部と、
前記運指情報から押鍵情報を生成する押鍵情報生成部と
前記押鍵情報から運指位置情報を生成する運指位置情報生成部と、
前記運指位置情報から前記楽曲再生時の再生時刻の運指画像を生成するに際して、前記再生時刻における押鍵時の押鍵時運指画像と、前記押鍵時直前の離鍵時の離鍵時運指画像と、暗色系の運指影画像とを作成し、前記押鍵時運指画像と前記運指影画像、又は、前記離鍵時運指画像と前記運指影画像のいずれかを同時に表示するとともに、前記運指影画像に対して前記離鍵時運指画像を次の押鍵時の音量の大きさに応じてオフセット量が大きくなり、次に押鍵されるまでの残り時間に応じて徐々に前記オフセット量を変化させるようにオフセット表示するオフセット画像付き運指画像を生成する運指画像生成部と、
前記運指画像生成部で生成された運指画像を表示する表示装置と、
を備えることを特徴とする運指表示装置。
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