JP7091741B2 - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。より特定的には、本発明は、定着ベルトの消耗を精度よく評価することのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
電子写真式の画像形成装置には、スキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンターなどがある。
画像形成装置は一般に、像担持体上に形成した静電潜像を現像装置によって現像してトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体へ転写した後、定着装置によってトナー像を用紙に定着させることにより、記録媒体に画像を形成する。また、画像形成装置の中には、像担持体上に形成した静電潜像を現像装置によって現像してトナー像を形成し、一次転写ローラーを用いてトナー像を中間転写ベルトに転写し、二次転写ローラーを用いて中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体へ二次転写するものも存在する。
定着装置の中には、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加圧することにより定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを備えた定着装置が存在する。この種の定着装置においては、用紙が定着ニップを通過する際に、用紙の搬送方向に対して直交する方向に存在する用紙エッジ部が定着ベルトにせん断力を発生させ、定着ベルトの表面を摩耗させることが知られている。
そこで、用紙エッジ部の通過位置に基づいてせん断力に起因する定着ベルトの消耗を評価する技術が下記特許文献1および2などに開示されている。下記特許文献1には、プリント要求があると、通紙予定の記録媒体に関する情報に基づいて、定着部材の現行走行位置での定着部材の幅方向のうち記録媒体の両端部の通過予定領域における磨耗予測を行い、磨耗予測結果に基づいて、定着部材のローラーの軸方向における走行位置を調整する技術が開示されている。
下記特許文献2には、画像形成手段によって画像が形成された記録材を、定着ニップ部を通過させて定着する定着装置と、定着装置の温度を検知する温度検知手段と、記録材のサイズ毎に定着装置を通過した時間を計測する計測手段と、温度検知手段によって検知された温度と、計測手段によって計測された時間とに基づいて定着装置の寿命を判断する制御手段とを備えた画像形成装置が開示されている。
なお、従来の画像形成装置に関する技術は、下記特許文献3および4にも開示されている。下記特許文献3には、複数のプロセスカートリッジのいずれかが所定寿命に達していないと検知された場合は、中間転写体にトナー像を形成することでクリーニングブレードにトナーを供給する第一トナー供給モードを実行し、複数のプロセスカートリッジのすべてが所定寿命に達したと検知された場合は、第一トナー供給モードで中間転写体に形成したトナー像よりも濃度が高いトナー像を中間転写体に形成することで、クリーニングブレードにトナーを供給する第二トナー供給モードを実行する技術が開示されている。
下記特許文献4には、画像情報に基づいて画像形成を行う画像形成部と、画像形成部を制御する制御部とを備え、画像形成部は、滑材を含む現像材によって現像された画像を担持して他に転写する像担持体と、転写後に像担持体に残留した現像剤をクリーニングする複数のクリーニング部材とを含む画像形成装置が開示されている。制御部は、画像情報の画像印字率に応じてクリーニング部の使用切り替えを行う。
特開2012-53332号公報 特開2016-090830号公報 特開2016-126132号公報 特開2011-128305号公報
近年、用紙と定着ベルトの表面との間で滑りが発生し、発生する滑りに起因する摩擦力により定着ベルトが消耗する現象が見出された。この滑りに起因する摩擦力による定着ベルトの消耗は、せん断力に起因する定着ベルトの消耗よりも早く進行することがあった。このため、定着ベルトに発生するせん断力では定着ベルトの消耗を精度よく評価することができない場合があった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、定着ベルトの消耗を精度よく評価することのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
本発明の一の局面に従う画像形成装置は、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加圧することにより、定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを含み、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出手段と、算出手段にて算出したトナーの量に基づいて、定着ベルトの摩耗度を決定する決定手段とをさらに備え、決定手段は、定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶手段と、算出手段にて算出したトナーの量に基づく加算値を、記憶手段にて記憶する摩耗度に加算する加算手段とを含み、算出手段にて算出したトナーの量が少ないほど、加算値は大きい。
上記画像形成装置において好ましくは、算出手段は、定着ベルトにおける定着ニップを形成する領域を、用紙の通過方向に対して直交する方向に配列した複数の領域に区分し、複数の領域の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量を算出し、記憶手段は、複数の領域の各々の摩耗度を記憶し、加算手段は、算出手段にて算出した複数の領域の各々についての加算値を、複数の領域の各々の摩耗度に加算する。
上記画像形成装置において好ましくは、記憶手段が記憶する複数の領域の各々の摩耗度に基づいて、定着ベルトの寿命到達を判断する寿命判断手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、寿命判断手段は、定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度にさらに基づいて、定着ベルトの寿命到達を判断する。
上記画像形成装置において好ましくは、寿命判断手段は、記憶手段が記憶する複数の領域の各々の摩耗度と、エッジ摩耗度とのうち少なくともいずれか1つが第1の閾値となった場合に、定着ベルトが寿命に到達したと判断する。
上記画像形成装置において好ましくは、定着ベルトが寿命に到達したと寿命判断手段にて判断した場合に、自機に投入された印刷ジョブを他の画像形成装置に転送する転送手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、定着ベルトが寿命に到達した場合に画像形成装置が印刷を停止するか否かの設定を受け付ける設定受付手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、画像形成装置が印刷を停止しない設定を設定受付手段にて受け付けた場合において、定着ベルトが寿命に到達したと寿命判断手段にて判断したとき、定着装置の定着温度を、定着ベルトが寿命に到達したと判断する前の定着装置の定着温度よりも高く設定する温度設定手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、記憶手段が記憶する複数の領域の各々の摩耗度に基づいて、定着ベルトの残り寿命を予測する予測手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、予測手段は、定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度にさらに基づいて、定着ベルトの残り寿命を予測する。
上記画像形成装置において好ましくは、予測手段は、記憶手段が記憶する複数の領域の各々の摩耗度と、定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度とのうち最も高いものと、定着ニップを通過した累計の用紙の枚数とに基づいて、最も高いものに関する摩耗度が第2の閾値となると予測される印刷枚数を予測する。
上記画像形成装置において好ましくは、記憶手段が記憶する複数の領域の各々の摩耗度のうち一部の領域の摩耗度が他の領域の摩耗度よりも所定値以上高くなった場合に、新たな印刷ジョブのトナー像が形成される用紙における一部の領域を通過する部分にトナーを追加するトナー像形成手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、加算手段は、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの材質および温度のうち少なくともいずれか1つに基づいて加算値を補正する補正手段と、補正手段にて補正した加算値を、記憶手段にて記憶する摩耗度に加算する補正後加算手段とを含む。
上記画像形成装置において好ましくは、加算手段は、画像形成装置に接続された外部機器および画像形成装置の操作を受け付ける操作部のうち少なくとも一方から加算値を補正する補正値を取得する補正値取得手段をさらに含み、補正手段は、補正値取得手段にて取得した補正値を用いて加算値を補正する。
上記画像形成装置において好ましくは、定着ニップにおける用紙の通過方向の中央位置よりも下流側において、定着ベルトと加圧部材との圧接力が極大となる。
上記画像形成装置において好ましくは、画像形成装置に接続された外部機器に対して、定着ベルトの摩耗度を決定するためのパラメーターを送信する送信手段をさらに備える。
上記画像形成装置において好ましくは、パラメーターは、定着ベルトにおける定着ニップを形成する領域を、用紙の通過方向に対して直交する方向に配列した複数の領域に区分した場合の、複数の領域の各々の摩耗度、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙の温度、複数の領域の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量のうち少なくとも1つである。
本発明の他の局面に従う画像形成装置の制御方法は、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加圧することにより、定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを含み、制御方法は、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出ステップと、算出ステップにて算出したトナーの量に基づいて、定着ベルトの摩耗度を決定する決定ステップとを備え、決定ステップは、定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶ステップと、算出ステップにて算出したトナーの量に基づく加算値を、記憶ステップにて記憶する摩耗度に加算する加算ステップとを含み、算出ステップにて算出したトナーの量が少ないほど、加算値は大きい。
本発明のさらに他の局面に従う画像形成装置の制御プログラムは、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置の制御プログラムであって、定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトを加圧することにより、定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを含み、制御プログラムは、定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出ステップと、算出ステップにて算出したトナーの量に基づいて、定着ベルトの摩耗度を決定する決定ステップとをコンピューターに実行させるためのものであり、決定ステップは、定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶ステップと、算出ステップにて算出したトナーの量に基づく加算値を、記憶ステップにて記憶する摩耗度に加算する加算ステップとを含み、算出ステップにて算出したトナーの量が少ないほど、加算値は大きい。
本発明によれば、定着ベルトの消耗の程度を精度よく評価することのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態における定着装置58の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施の形態における画像形成装置1の制御構成を示すブロック図である。 定着ニップNPを所定枚数の用紙が通過した後のCD方向の定着ベルト81の摩耗度の変化を示す第1の図である。 定着ニップNPを所定枚数の用紙が通過した後のCD方向の定着ベルト81の摩耗度の変化を示す第2の図である。 用紙SHと定着ベルト81の表面との間での滑りを説明する断面図である。 本発明の一実施の形態の定着ベルト81の表面の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5を模式的に示す図であって、各領域のトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度を記載した図である。 本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第1の摩耗度テーブルを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第1の加算値テーブルを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において、1000枚の用紙SH1が定着ニップNPを通過した後の第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値を模式的に示す図である。 用紙に付着したトナーの温度と、所定枚数の用紙が定着ニップNPを通過した後の定着ベルト81の摩耗度との関係を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている加算値補正テーブルを模式的に示す図である。 押圧パッド82の突出部82aと加圧ローラー89との位置関係のバリエーションを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態の定着ベルト81の表面の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5を模式的に示す図であって、各領域のエッジ部の通過位置に基づく定着ベルトの摩耗度を記載した図である。 本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第2の摩耗度テーブルを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第2の加算値テーブルを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態において、1000枚の用紙SH2が定着ニップNPを通過した後の第2の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態における定着ベルト81の残り寿命の予測方法を説明する図である。 本発明の一実施の形態において操作パネル70に表示される画面を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態の第1の変形例における画像形成装置1の動作を説明する図である。 本発明の一実施の形態の第2の変形例における定着装置58の構成を模式的に示す断面図である。 定着ニップ下流側で加圧する構成の定着装置58における、用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度、および用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの摩耗度の各々と、累積印刷枚数との関係を模式的に示す図である。 定着ニップ中央で加圧する構成の定着装置58における、用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度、および用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの摩耗度と、累積印刷枚数との関係を模式的に示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、画像形成装置がMFPである場合について説明する。画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどであってもよい。
[画像形成装置の構成]
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1は、MFPであり、イメージリーダー部10と、プリンター部20と、制御部30と、操作パネル70(設定受付手段の一例)とを備えている。イメージリーダー部10は、主に原稿画像を読み取る部分であり、プリンター部20は、読み取った画像を印刷する部分である。制御部30は、画像形成装置1の動作を制御する。
イメージリーダー部10は、原稿ガラス板(図示無し)の上に載置された原稿を、スキャナーを移動して読み取る。イメージリーダー部10は、読み取った原稿の画像を赤(R)・緑(G)・青(B)の三色に分解し、イメージリーダー部10のCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー(図示無し)により電気信号に変換することにより、RGBの画像データを生成する。制御部30は、イメージリーダー部10で生成された各色の画像データに対して各種処理を行った上で、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換し、変換後の各再現色の画像データを制御部30内の画像メモリに記憶する。
プリンター部20は、作像部41Y、41M、41C、および41K(以降、これらをまとめて作像部41と記すことがある)と、一次転写ローラー42Y、42M、42C、および42Kと、サブホッパー44Y、44M、44C、および44K(以降、これらをまとめてサブホッパー44と記すことがある)と、ジョイント45Y、45M、45C、および45Kと、トナーボトル46Y、46M、46C、46K(以降、これらをまとめてトナーボトル46と記すことがある)と、給紙トレイ51と、給紙ローラー52と、駆動ローラー53と、従動ローラー54と、中間転写ベルト55と、転写モーター56と、二次転写ローラー57と、定着装置58と、排紙トレイ59と、転写ベルトクリーナー61と、廃トナーボックス62とを含んでいる。
制御部30は、画像メモリに記憶した画像データに対して位置ズレ補正のための補正を行った後、用紙の供給と同期して1走査ラインごとに画像メモリから画像データを読み出し、作像部41の露光手段である発光ダイオードに対して駆動信号として送信する。
制御部30は、給紙トレイ51から一枚ずつ給紙ローラー52を用いて用紙を取り出し、中間転写ベルト55とタイミングを合わせて用紙を搬送する。
中間転写ベルト55は、駆動ローラー53と従動ローラー54との間に張架されている。中間転写ベルト55にはポリカーボネート、ポリイミド、ポリイミドアミドなどの樹脂材料が使用されている。従動ローラー54は、スプリング(図示無し)によって図1の左方向へ付勢されている。これにより、中間転写ベルト55に張力が与えられている。制御部30は、転写モーター56によって駆動ローラー53を反時計回りに回転させる。
中間転写ベルト55の下方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の作像部41が所定間隔で配置されている。中間転写ベルト55を挟んで作像部41の各々の感光体と対向する位置に、一次転写ローラー42Y、42M、42C、および42Kの各々が配置されている。作像部41の感光体ドラムの外周には、帯電装置、露光手段、現像装置、およびクリーニング手段が配置されている。
制御部30は、帯電装置で感光体表面を帯電させた後、露光手段で画像データに応じた静電潜像を形成し、現像装置でこの静電潜像にトナーを付着させて感光体表面にトナー像を形成する。制御部30は、各色の作像部41の感光体と一次転写ローラー42Y、42M、42C、および42Kの各々との間を中間転写ベルト55の所定の位置が通過する時に、中間転写ベルト55上にトナー像を一次転写する。
給紙トレイ51から取り出された用紙が、搬送経路TRを通って中間転写ベルト55と二次転写ローラー57とのニップ部を通過する際に、制御部30は、二次転写ローラー57を用いて中間転写ベルト55のトナー像を用紙上に二次転写する。制御部30は、二次転写後の用紙を定着装置58へ搬送し、定着装置58によって加熱および加圧することでトナー像を用紙に定着する。制御部30は、トナー像が定着された用紙を排紙トレイ59へ排出する。
制御部30は、感光体表面に残留したトナーをクリーニング手段で除去し、中間転写ベルト55上の残留トナーを転写ベルトクリーナー61で回収し廃トナーボックス62に蓄える。
作像部41のそれぞれの現像装置43Y、43M、43C、および43K(以降、これらをまとめて現像装置43と記すことがある)の各々には、各色トナーを一定量補給するサブホッパー44の各々が設けられており、サブホッパー44からジョイント45Y、45M、45C、および45Kの各々を介して現像装置43にトナーが供給される。サブホッパー44の上方には、トナーボトル46が着脱自在に設けられている。
サブホッパー44内のトナー残量が少なくなると、トナーボトル46からサブホッパー44にトナーが供給される。トナーボトル46内のトナーがなくなると、新しいトナーボトル46と交換される。
図2は、本発明の一実施の形態における定着装置58の構成を模式的に示す断面図である。
図2を参照して、定着装置58は、定着ベルト81を二軸で支持する方式を採用したものであり、定着ベルト81と、押圧パッド82と、ヒーター83と、加熱ローラー84と、パッドフレーム85と、摺動部材86と、ガイド部材87と、捕集再塗布部材88と、加圧ローラー89(加圧部材の一例)とを含んでいる。定着装置58は、定着ニップNPを通過する用紙に付着したトナー(トナー像)を定着する。トナー像が転写された用紙は、トナー画像が転写された表面を加熱された定着ベルト81に向けた状態で定着ニップNPに搬送されて、定着ニップNPを通過する。定着ニップNPを通過する用紙は、定着ベルト81に押圧されて加熱される。これにより、トナー像が用紙に定着される。
定着ベルト81は無端状のベルトである。定着ベルト81は、軸方向の両端部において図示しないガイド部材(側板)によって挟持されることで、加圧ローラー89に圧接して定着ニップNPを形成する位置で支持されている。定着ベルト81は、押圧パッド82および加熱ローラー84によって張架されている。定着ベルト81には付勢手段(図示せず)によってテンションが与えられている。
定着ベルト81は、基層と、基層の外側に形成された弾性層と、弾性層の外側に形成された離形層とを含んでいる。定着ベルト81は任意の外径を有しており、たとえば10mm~100mmの外径を有していることが好ましい。基層は、ポリイミド、SUS(ステンレス鋼)、または電鋳により形成されたNi(ニッケル)などからなっており、たとえば5μm~100μmの厚さを有している。弾性層は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性の高い材料よりなっており、たとえば10μm~300μmの厚さを有している。離型層は、フッ素チューブおよびフッ素系コーティングなどの、定着ベルト81に対して離型性を付与する材料よりなっており、たとえば5μm~100μmの厚さを有している。
押圧パッド82は、定着ベルト81の内側に配置されている。押圧パッド82は、加圧ローラー89の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。押圧パッド82は定着ベルト81の内側から定着ベルト81を押圧することで、定着ベルト81と加圧ローラー89との間で定着ニップNPを形成させる。また押圧パッド82は、定着ベルト81の回転をガイドする。
押圧パッド82は、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、もしくは液晶ポリマーなどの樹脂、アルミもしくは鉄などの金属、またはセラミックなどよりなっており、任意の形状を有している。押圧パッド82は、上記の材料と、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどよりなる固定部材とにより構成されていてもよい。
ヒーター83は、加熱ローラー84の内部に設けられている。ヒーター83は、加圧ローラー89の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。ヒーター83は、加熱ローラー84を介して定着ベルト81を所定の目標温度に加熱する。ヒーター83としては、ハロゲンヒーターなどが用いられる。
定着ベルト81を加熱する方式としては、上述のハロゲンヒーターを用いる方式の他、定着ベルト81や加熱ローラー84をIH(Induction Heating)で加熱する方式や、定着ベルト81や加熱ローラー84を抵抗発熱体として用いて発熱させる方式などであってもよい。
加熱ローラー84は、円筒形状を有しており、定着ベルト81の内側に設けられている。加熱ローラー84は、定着ベルト81を加熱するとともに、定着ベルト81の回転に従動する。
加熱ローラー84は、アルミニウムまたはSUSなどの金属よりなっている。加熱ローラー84は任意の外径を有しており、たとえば10mm~100mmの外径を有していることが好ましい。加熱ローラー84は、たとえば0.1mm~5mmの厚さを有していることが好ましい。ヒーター83としてハロゲンヒーターを用いる場合は、加熱ローラー84の内表面を黒色にすることが好ましい。また、加熱ローラー84の外表面が異物などにより損傷する事態を防止するため、加熱ローラー84の外表面に対してPTFE(Polytetrafluoroethylene)コートなどの処理が行われてもよい。
パッドフレーム85は、定着ベルト81の内側に設けられている。パッドフレーム85は、加圧ローラー89の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。パッドフレーム85は押圧パッド82を支持している。
摺動部材86は、定着ベルト81と押圧パッド82との間に配置されている。摺動部材86は、ガラスクロスを基材とし、摺動面をフッ素系樹脂で被覆した構成が一般的である。摺動部材86は、この構成の他、フッ素繊維の織物、フッ素樹脂シート、またはガラスコートなどであってもよい。摺動部材86を設けることにより、定着ベルト81と押圧パッド82との摺動抵抗が減少し、定着ベルト81の回転を安定させることができる。
ところで、定着ベルト81と摺動部材86との摺動が続くと定着ベルト81および摺動部材86に摩耗が生じ、摺動抵抗が増加しやすい。摺動抵抗が増加すると定着ベルト81の回転不良が発生する。そこで、定着ベルト81と摺動部材86との間には潤滑剤が塗布されることが好ましい。これにより、定着ベルト81および摺動部材86の摩耗を抑制することができ、定着ベルト81および摺動部材86の耐久性を向上することができる。潤滑剤は耐熱性の高いシリコン系やフッ素系の潤滑剤であることが好ましく、フッ素グリスがより好ましい。フッ素グリスは粘度が高く、固形成分を含むため、フッ素グリスを用いることで、定着ニップNPの内部に潤滑剤が残りやすくなり、オイルを用いる場合と比較して摩耗を抑制する効果を持続させることができる。また、潤滑剤を定着ニップNPの内部に保持するために、摺動部材86は凹凸を有していることが好ましい。摺動部材86の凹凸の大きさは任意であるが、潤滑剤を保持する機能と、凹凸に起因した画像ムラを抑制する観点とから、摺動部材86は、1μm~50μmの表面粗さRaを有していることが好ましい。
ガイド部材87は、パッドフレーム85の上部に固定されている。ガイド部材87は、定着ニップNPよりも定着ベルト81の回転方向の下流側の位置で、定着ベルト81をガイドする。
捕集再塗布部材88は、定着ベルト81の内部における定着ニップNPよりも定着ベルト81の回転方向の下流側の位置に配置されている。捕集再塗布部材88は、定着ベルト81の内周面に塗布された余分な潤滑剤を捕集し、捕集した潤滑剤を定着ベルト81の内周面に再塗布する。これにより、定着ベルト81の内周面に塗布された潤滑剤が定着ニップNPの圧力により定着ベルト81の長手方向の端部から押し出されてその量が減少する事態を回避することができる。
捕集再塗布部材88を定着ベルト81の内周面に安定して接触させるためには、ガイド部材87に固定されていることが好ましい。特に、ガイド部材87から捕集再塗布部材88が突き出している場合には、捕集再塗布部材88は、ガイド部材87における定着ベルト81の回転方向に沿った略中央の位置に配置されることが好ましい。これにより、定着ベルト81の内周面に対して捕集再塗布部材88をより安定して接触させることができる。捕集再塗布部材88は潤滑剤を保持する機能が必要であるため、アラミド繊維もしくはフッ素繊維などの耐熱性の高い繊維状の材料、またはシリコンスポンジなどの耐熱性の高い多孔質状の材料よりなることが好ましい。
加圧ローラー89は、定着ベルト81の外側における定着ベルト81を介して押圧パッド82と対向する位置に配置されている。加圧ローラー89は、定着ベルト81の外側から定着ベルト81の押圧パッド82に対向する位置を加圧することにより、定着ベルト81との間で定着ニップNPを形成する。加圧ローラー89は、定着搬送モーター(図示無し)によって、所定の回転速度で矢印AR11で示す方向に回転駆動される。定着ベルト81は、加圧ローラー89の回転に従動して矢印AR12で示す方向に回転する。
加圧ローラー89の外周面は、ゴムなどの押圧パッド82よりも柔らかい材料よりなっている。このため、加圧ローラー89が定着ベルト81に圧接された状態では、加圧ローラー89の外周面は押圧パッド82の形状に沿って変形しており、押圧パッド82はほとんど変形しない。
加圧ローラー89は、芯金と、芯金の外側に形成された弾性層と、弾性層の外側に形成された離形層とを含んでいる。加圧ローラー89は任意の外径を有しており、たとえば20mm~100mmの外径を有していることが好ましい。芯金は、アルミニウムまたは鉄などの金属よりなっている。芯金はパイプ形状であり、0.1mm~10mmの厚さを有している。また芯金は、中実形状または三ツ矢状の断面形状を有していてもよい。弾性層は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性の高い材料よりなっており、たとえば1mm~20mmの厚さを有している。離型層は、フッ素チューブおよびフッ素系コーティングなどの、加圧ローラー89に対して離型性を付与する材料よりなっており、たとえば5μm~100μmの厚さを有している。
図3は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の制御構成を示すブロック図である。
図3を参照して、制御部30は、エンジン制御部111と、プリンターコントローラー121と、摩耗判断部131(算出手段、決定手段、寿命判断手段、転送手段、温度設定手段、予測手段、トナー像形成手段、および送信手段の一例)とを備えている。エンジン制御部111は、トナー制御部112および紙送り制御部114を制御する。またエンジン制御部111は、バックアップが必要なデータをバックアップメモリ116に書込み、必要に応じてバックアップメモリ116に記憶したデータを読出す。
トナー制御部112は、トナー関係モーター113aを含んでおり、トナーボトル46からサブホッパー44へのトナー補給、サブホッパー44から現像装置43へのトナー補給の各々の駆動源を制御する。またトナー制御部112は、サブホッパー44内のトナーの減少を検知するトナー関係センサー113bをさらに含んでいる。トナー関係センサー113bはエンジン制御部111と接続されている。
紙送り制御部114は搬送モーター115を含んでおり、搬送モーター115の起動、停止、および回転中の監視などの搬送モーター115の制御を行う。
プリンターコントローラー121は、RAM(Random Access Memory)122、HDD(Hard Disk Drive)123、スキャナー124、ファクシミリインターフェース125、および操作パネル70の各々を制御する。プリンターコントローラー121は、エンジン制御部111とシリアル通信が可能である。プリンターコントローラー121は、画像バスを通して画像データをエンジン制御部111へ提供する。プリンターコントローラー121は、LANを介してMFP201および201、ならびにPC203および204の各々とデータのやり取りを行う。プリンターコントローラー121は、摩耗判断部131との間で相互に通信を行う。さらにプリンターコントローラー121は、累積印刷枚数をカウントし、HDD123に記憶する。
RAM122およびHDD123の各々は記憶媒体である。RAM122は転送速度面でHDD123よりも優れ、HDD123は転送速度面でRAM122より劣るものの記憶容量面ではRAM122よりも優れる。HDD123は、画像メモリとして画像データを記憶するとともに、制御プログラムなどの各種情報を記憶している。
スキャナー124は原稿を読み取って画像データを生成する。
ファクシミリインターフェース125は、画像データなどの各種データをファクシミリにて送受信する。
温度センサー126は、定着ベルト81付近の温度を測定し、プリンターコントローラー121に送信する。
摩耗判断部131は、後述する方法で定着ベルト81の摩耗度を決定する。
操作パネル70はハードウェアとしてタッチパネルおよび押しボタンキーを含んでいる。操作パネル70は、ユーザーに対して表示を行うと共に、ユーザーから入力操作を受け付ける。印刷ジョブの条件は、操作パネル70からの入力によって設定される。
操作パネル70からユーザーによる印刷ジョブの条件の設定を受け付けた場合、プリンターコントローラー121は、エンジン制御部111に対して印刷準備コマンドを送信する。エンジン制御部111は、印刷準備動作を実行して、必要に応じてポリゴンモーターの速度を変更させる。またエンジン制御部111は、必要に応じて搬送モーター115の速度を変更させる。
[用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗と、用紙へのトナー付着量との関係]
図4および図5は、定着ニップNPを所定枚数の用紙が通過した後のCD方向の定着ベルト81の摩耗度の変化を示す図である。CD方向とは、用紙の通過方向(搬送経路TR)に対して直交する方向である。
図4および図5を参照して、図4および図5では、定着ニップNPを通過する用紙におけるCD方向のトナー付着量の分布が互いに異なっている。トナー付着量とは、用紙に形成されたトナー像を構成するトナーの量である。図4は、トナー像におけるCD方向の端部1(左端部)のトナー付着量が少なく、トナー像におけるCD方向の中央部および端部2(右端部)のトナー付着量が多い場合の定着ベルト81の摩耗度の変化を示す図である。図4の場合には、トナー付着量の少ない端部1では定着ベルト81の摩耗度が高く、トナー付着量の多い中央部および端部2では定着ベルト81の摩耗度が低い。
図5は、トナー像におけるCD方向の端部1(左端部)および端部2(右端部)のトナー付着量が多く、トナー像におけるCD方向の中央部のトナー付着量が少ない場合の定着ベルト81の摩耗度の変化を示す図である。図5の場合には、トナー付着量の少ない中央部では定着ベルト81の摩耗度が高く、トナー付着量の多い端部1および端部2では定着ベルト81の摩耗度が低い。
上記の結果から、定着ニップNPを通過する用紙へのトナー付着量が少ないほど、その部分の定着ベルト81が消耗することが分かる。
図6は、用紙SHと定着ベルト81の表面との間での滑りを説明する断面図である。
図6を参照して、本願発明者は、用紙SHと定着ベルト81の表面との間での滑りに起因する定着ベルト81の消耗と、用紙SHへのトナー付着量との上述の関係は、以下の理由によることを見出した。
定着ベルト81と用紙SHとの間に速度差が生じると、定着ベルト81と用紙SHとの間に滑りが生じ、定着ベルト81と用紙SHとの間に摩擦が発生する。この摩擦が定着ベルト81を消耗させる。
特に押圧パッド82が、加圧ローラー89側に突出した突出部82aを含んでいる場合、定着ニップNP内の圧接力は、突出部82aの先端の位置PPにおいて最大値となる。定着ベルト81は押圧パッド82に沿った内側を移動し、用紙SHは押圧パッド82に沿った外側を移動する。このため、用紙SHが移動する距離が長くなり、定着ベルト81の移動距離よりも用紙SHの移動距離が長くなる。用紙SHと定着ベルト81の表面との間に滑り量SLで示される滑りが生じる。滑り量SLが大きいほど、用紙SHと定着ベルト81の表面との摩擦が大きくなり、定着ベルト81が消耗しやすくなる。
一方、用紙SHに形成されたトナー像を構成するトナーは、トナーに含まれる外添剤などの効果により、用紙SHの表面の摩擦係数よりも低い摩擦係数を有しており、定着ベルト81と用紙SHとの潤滑剤として作用する。このため、用紙SHのトナー付着量が多いほど、定着ベルト81と用紙SHとの摩擦が小さくなり、定着ベルト81が消耗しにくくなる。
したがって、用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗は、用紙へのトナー付着量によって評価することができる。
[用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗の評価方法]
用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗の評価方法として、画像形成装置1は、定着ニップNPを通過する用紙に付着したトナーの量を算出し、算出したトナーの量に基づいて、定着ベルト81の摩耗度を決定する。画像形成装置1が行うトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法について以下に説明する。
図7は、本発明の一実施の形態の定着ベルト81の表面の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5を模式的に示す図であって、各領域のトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度を記載した図である。図8は、本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第1の摩耗度テーブルを模式的に示す図である。なお図7は、加圧ローラー89側から定着ベルト81を見た場合の図である。
図7および図8を参照して、定着ベルト81における定着ニップNPを形成する領域は、CD方向に配列した複数(ここでは5つ)の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5に仮想的に区分される。
第1の摩耗度テーブルは、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の、トナー付着量から算出された摩耗度が記載されたテーブルである。図6の第1の摩耗度テーブルには、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々におけるトナー付着量から算出された摩耗度として、それぞれ10%、20%、30%、20%、および5%という値が記載されている。これらの値は、図9を用いて説明する方法で決定された加算値の累積値である。
摩耗判断部131は、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度に基づいて定着ベルト81の寿命到達を判断する。摩耗判断部131は、たとえば、第1の摩耗度テーブルにおける少なくとも1つの領域の摩耗度が100%となった場合に、定着ベルト81が寿命に到達したと判断する。
図9は、本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第1の加算値テーブルを模式的に示す図である。
図9を参照して、第1の加算値テーブルは、定着ニップNPを通過する用紙のトナー付着量と、トナー付着量から算出された摩耗度への加算値との関係が記載されたテーブルである。第1の加算値テーブルでは、トナー付着量から算出された摩耗度への加算値が、定着ニップNPを通過する用紙1枚当たりの加算値(%/枚)として示されている。トナー付着量が少ないほど加算値は大きくなっている。トナー付着量は、トナー付着量が多い順番に、トナー付着量が「多」、「中」、「少」、および「無」(「無」は用紙が通過しないことを意味している)という4段階に区分されている。
図9の第1の加算値テーブルには、トナー付着量が「多」、「中」、「少」、および「無」の各々の場合の加算値として、それぞれ3×10-3%/枚、5×10-3%/枚、10×10-3%/枚、3×10-3(%/枚)、および1×10-3%/枚という値が記載されている。
摩耗判断部131は、定着ニップNPを用紙が通過する度に(用紙にトナー像を形成する度に)、第1の摩耗度テーブルを更新する。すなわち、摩耗判断部131は、定着ニップNPを通過する用紙に形成したトナー像の画像データに基づいて、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量を算出し、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々を通過する用紙の部分のトナー付着量が「多」、「中」、「少」、および「無」のいずれであるかを特定する。摩耗判断部131は、第1の加算値テーブルを参照し、算出したトナー付着量に基づいて領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の加算値を決定し、決定した加算値を、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値に加算する。
なお、摩耗判断部131は、定着ニップNPを所定枚数の用紙が通過した場合(所定枚数の用紙にトナー像を形成した場合に)、第1の摩耗度テーブルを更新してもよい。すなわち、摩耗判断部131は、用紙に形成した画像を記憶しておき、定着ニップNPを所定枚数の用紙が通過した場合に、記憶した画像における領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5に対応する部分の平均のトナー付着量を算出し、算出したトナー付着量に対応する加算値を第1の摩耗度テーブルの領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度に加算してもよい。
図7および図9を参照して、ここでは、同一のトナー像が形成された1000枚の用紙SH1が定着ニップNPにおける領域RG2、RG3、およびRG4を通過する場合を想定する。摩耗判断部131は、用紙SH1のトナー像における領域RG2を通過する部分に付着したトナーの量は「中」であり、用紙SH1のトナー像における領域RG3を通過する部分に付着したトナーの量は「少」であり、用紙SH1のトナー像における領域RG4を通過する部分に付着したトナーの量は「多」であると特定したものとする。
図10は、本発明の一実施の形態において、1000枚の用紙SH1が定着ニップNPを通過した後の第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値を模式的に示す図である。
図10を参照して、用紙SH1が定着ニップNPを通過すると、定着ベルト81における用紙SH1が通過する領域RG2、RG3、およびRG4の摩耗度が悪化する。定着ベルト81における用紙SH1が通過しない領域RG1およびRG5の摩耗度も若干悪化する。
すなわち、領域RG2を通過する用紙SH1のトナー付着量は「中」であるため、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG2の摩耗度の値には、摩耗度の悪化の程度が中程度であることを示す加算値(5×10-3(%/枚)×1000(枚)=5(%))が加算される。領域RG3を通過する用紙SH1のトナー付着量は「小」であるため、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG3の摩耗度の値には、摩耗度の悪化の程度が大きいことを示す加算値(10×10-3(%/枚)×1000(枚)=10(%))が加算される。領域RG4を通過する用紙SH1のトナー付着量は「多」であるため、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG4の摩耗度の値には、摩耗度の悪化の程度が小さいことを示す加算値(3×10-3(%/枚)×1000(枚)=3(%))が加算される。第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1およびRG5には用紙SHが通過せず、領域RG1およびRG5の用紙SH1のトナー付着量は「無」であるため、領域RG1およびRG5の各々の摩耗度の値には、摩耗度の悪化の程度が微小であることを示す加算値(1×10-3(%/枚)×1000(枚)=1(%))が加算される。1000枚の用紙SH1が定着ニップNPを通過した後の第1の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値は、それぞれ11%、25%、40%、23%、および6%に更新される。
図11は、用紙に付着したトナーの温度と、所定枚数の用紙が定着ニップNPを通過した後の定着ベルト81の摩耗度との関係を模式的に示す図である。
図11を参照して、トナーの材質および温度によってトナーの粘度は変化するため、トナーの材質および温度は、定着ベルト81の摩耗度に影響を及ぼす。
トナーの温度と粘度との関係は、トナーの材質によって互いに異なる。このため、トナーの材質が異なると、トナーの温度と定着ベルト81の摩耗度との関係を示す曲線も異なる。図11では、互いに異なる材質よりなるトナーTA、TB、およびTCの各々についてのトナーの温度と定着ベルト81の摩耗度との関係を示す曲線が示されている。
トナーTAの曲線に着目すると、トナーの温度が温度Tpである場合に用紙の通過による定着ベルト81の摩耗度の増加量が極大になり、温度Tpから離れるに従って用紙の通過による定着ベルト81の摩耗度の増加量は小さくなる。
そこで、摩耗判断部131は、定着ニップNPを通過する用紙に付着したトナーの材質および温度のうち少なくともいずれか1つに基づいて、第1の加算値テーブルから特定した加算値を補正し、補正した加算値を第1の摩耗度テーブルの摩耗度に加算してもよい。この場合、摩耗判断部131は、トナーボトルに設けられたIC(Integrated Circuit)チップなどに記憶された情報(製品番号など)をトナー制御部が読み取ることや、操作パネル70を通じてユーザーなどが入力したトナーボトルの情報などからトナーの材質の情報(トナーの色や粘度など)を取得してもよい。また、摩耗判断部131は、温度センサー126で計測した定着ベルト81付近の温度をトナーの温度として取得してもよい。
図12は、本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている加算値補正テーブルを模式的に示す図である。
図12を参照して、摩耗判断部131は、定着ニップNPを通過する用紙に付着したトナーの材質および温度に基づいて、第1の加算値テーブルから特定した加算値を補正する場合、加算値補正テーブルを参照してもよい。加算値補正テーブルは、トナーの材質および温度と、第1の加算値テーブルから特定した加算値に乗ずる係数(加算値を補正する補正値)との関係が記載されたテーブルである。
一例として、図12の加算値補正テーブルには、用紙に付着したトナーの材質がトナーTAである場合であって、トナーの温度が所定の標準値の範囲よりも高いときは、第1の加算値テーブルから特定した加算値に「1.1」という係数を乗ずることが記載されている。用紙に付着したトナーの材質がトナーTAである場合であって、トナーの温度が所定の標準値の範囲内であるときは、第1の加算値テーブルから特定した加算値に「1.2」という係数を乗じることが記載されている。用紙に付着したトナーの材質がトナーTAである場合であって、トナーの温度が所定の標準値の範囲よりも低いときは、第1の加算値テーブルから特定した加算値に「1.1」という係数を乗じることが記載されている。
摩耗判断部131は、画像形成装置1に接続されたPC203または204や操作パネル70などから補正値を取得し、加算値補正テーブルに記載された係数を、取得した補正値で置き換えてもよい。この場合、第1の加算値テーブルから特定した加算値は、取得した補正値を用いて補正される。
図13は、押圧パッド82の突出部82aと加圧ローラー89との位置関係のバリエーションを模式的に示す図である。なお、図13中の押圧パッド82と加圧ローラー89とが重なる部分は、定着ニップNPに相当する部分である。
図13(a)では、突出部82aが定着ニップNPから定着ニップNPの搬送方向下流側にかけて存在している。図13(b)では、突出部82a全体が定着ニップNP内に存在している。図13(c)では、突出部82aが定着ニップNP内に存在しておらず、定着ニップNPよりも搬送方向下流側に存在している。
図13(a)および図13(b)の場合には、定着ニップNPにおける搬送方向(用紙の通過方向)の中央位置CLよりも下流側において、定着ベルト81と加圧ローラー89との圧接力が極大となる(以降、この種の構成を、定着ニップ下流側で加圧する構成と記すことがある)。また図13(a)および図13(b)の場合には、定着ニップNPを通過した用紙は押圧パッド82の表面に近い方向に搬送される。
一方、図13(c)の場合には、定着ニップNPにおける搬送方向(用紙の通過方向)のほぼ中央位置CLで、定着ベルト81と加圧ローラー89との圧接力が極大となる(以降、この種の構成を、定着ニップ中央で加圧する構成と記すことがある)。また図13(c)の場合には、定着ニップNPを通過した用紙は押圧パッド82の表面から離れる方向に搬送される。
図13(a)および図13(b)のような、定着ニップ下流側で加圧する構成では、定着ベルト81および用紙が押圧パッド82に沿って移動する距離が長くなるため、滑り量SL(図6)が大きくなり、定着ベルト81の摩耗が進行しやすい。このため、上述のトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法が特に有効となる。
[用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの消耗の評価方法]
画像形成装置1は、上述のように用紙と定着ベルトの表面との間での滑り(用紙へのトナー付着量)の観点から定着ベルトの消耗を評価することに加えて、用紙のエッジ部(CD方向の両端部)の通過の観点から定着ベルトの消耗を評価してもよい。
用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの消耗の評価方法として、画像形成装置1は、定着ニップNPを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて定着ベルト81の摩耗度を決定してもよい。画像形成装置1が行う用紙のエッジ部の通過位置に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法について以下に説明する。
図14は、本発明の一実施の形態の定着ベルト81の表面の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5を模式的に示す図であって、各領域のエッジ部の通過位置に基づく定着ベルトの摩耗度を記載した図である。図15は、本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第2の摩耗度テーブルを模式的に示す図である。なお図14は、加圧ローラー89側から定着ベルト81を見た場合の図である。
図14および図15を参照して、トナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法の場合と同様に、定着ベルト81における定着ニップNPを形成する領域は、CD方向に配列した複数(ここでは5つ)の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5に仮想的に区分される。
なお、エッジ部の通過位置に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法で用いられる領域と、トナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法で用いられる領域とは同一であっても互いに異なっていてもよい。
定着ニップNPを用紙SH2が通過する際に、用紙SH2の摩擦係数と加圧ローラー89の摩擦係数との差に起因して、定着ベルト81における用紙SH2のエッジ部の通過位置にはせん断力が発生し、定着ベルト81の摩耗が進行することが知られている。用紙SH2の厚さが厚いほど、定着ベルト81に発生するせん断力は増大する。
第2の摩耗度テーブルは、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の、エッジ部の通過位置から算出された摩耗度が記載されたテーブルである。図14の第2の摩耗度テーブルには、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々における用紙のエッジ部の通過位置から算出された摩耗度として、それぞれ15%、20%、0%、20%、および15%という値が記載されている。これらの値は、図16を用いて説明する方法で決定された加算値の累積値である。
摩耗判断部131は、第2の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度にさらに基づいて定着ベルト81の寿命到達を判断する。トナー付着量に基づいて定着ベルトの摩耗度を決定することに加えて、エッジ部の通過位置に基づいて定着ベルト81の摩耗度を決定する場合、摩耗判断部131は、たとえば、第1の摩耗度テーブルおよび第2の摩耗度テーブルにおける少なくとも1つの領域の摩耗度が100%(第1の閾値の一例)となった場合に、定着ベルト81が寿命に到達したと判断する。
図16は、本発明の一実施の形態において、HDD123に記憶されている第2の加算値テーブルを模式的に示す図である。
図16を参照して、第2の加算値テーブルは、用紙の種類(材質)と、エッジ部の通過位置から算出された摩耗度への加算値との関係が記載されたテーブルである。第2の加算値テーブルでは、エッジ部の通過位置から算出された摩耗度への加算値が、定着ニップNPを通過する用紙1枚当たりの加算値(%/枚)として示されている。
図16の第2の加算値テーブルには、用紙の種類が「薄紙」、「普通紙」、および「厚紙」の各々の場合の加算値として、それぞれ「1」、「2」、および「3」という値が記載されている。用紙の厚さが厚いほど、定着ベルト81に発生するせん断力が増大し、定着ベルト81の摩耗が進行するため、加算値は大きくなっている。
摩耗判断部131は、定着ニップNPを用紙が通過する度に(用紙にトナー像を形成する度に)、第2の摩耗度テーブルを更新する。すなわち、摩耗判断部131は、定着ニップNPを通過する用紙のサイズ(操作パネル70を通じて設定された印刷ジョブで使用する用紙のサイズ)に基づいて、定着ニップNPを通過する用紙のエッジ部の通過位置となる領域を特定する。摩耗判断部131は、第2の加算値テーブルを参照し、定着ニップNPを通過する用紙の材質(操作パネル70を通じて設定された印刷ジョブで使用する用紙の材質)に基づいて、加算値を決定する。摩耗判断部131は、決定した加算値を、第2の摩耗度テーブルにおける用紙のエッジ部の通過位置となる領域の摩耗度の値に加算する。
なお、摩耗判断部131は、用紙の温度などの因子に基づいて、第2の加算値テーブルから特定した加算値を補正し、補正した加算値を第2の摩耗度テーブルの摩耗度に加算してもよい。摩耗判断部131は、用紙の材質などによらず一定の加算値を決定してもよい。
図14および図16を参照して、ここでは、同一サイズの1000枚の用紙SH2が定着ニップNPにおける領域RG2、RG3、およびRG4を通過する場合を想定する。摩耗判断部131は、用紙SH2の材質を「厚紙」であると特定し、用紙SH2のCD方向の一方のエッジ部の通過位置は領域RG2内であり、用紙SH2のCD方向の他方のエッジ部の通過位置は領域RG4内であると特定したものとする。
図17は、本発明の一実施の形態において、1000枚の用紙SH2が定着ニップNPを通過した後の第2の摩耗度テーブルにおける領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度の値を模式的に示す図である。
図17を参照して、用紙SH2が定着ニップNPを通過すると、定着ベルト81における用紙SH2のエッジ部が通過する領域RG2およびRG4の摩耗度が悪化する。定着ベルト81における用紙SH2のエッジ部が通過しない領域RG1、RG3、およびRG5の摩耗度は悪化しない。
すなわち、用紙SH2の材質は「厚紙」であるため、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG2およびRG4の摩耗度の値には、厚紙に対応する加算値(3×10-3(%/枚)×1000(枚)=3(%))が加算される。用紙SH2のエッジ部が通過しない領域RG1、RG3、およびRG5の摩耗度の値は変化しない。1000枚の用紙SH2が定着ニップNPを通過した後の第2の摩耗度テーブルにおける領域RG2およびRG4の各々の摩耗度の値は、いずれも23%に更新される。
[定着ベルトの残り寿命の予測方法]
摩耗判断部131は、第1および第2の加算値テーブルに記載された摩耗度に基づいて、定着ベルト81の残り寿命をたとえば以下の方法で予測してもよい。
図18は、本発明の一実施の形態における定着ベルト81の残り寿命の予測方法を説明する図である。
図18を参照して、摩耗判断部131は、第1および第2の加算値テーブルに記載された摩耗度のうち最も高い値V1を抽出する。一例として第1の摩耗度テーブが図8の内容であり、第2の摩耗度テーブルが図15の内容である場合には、第1の摩耗度テーブルにおける領域RG3の摩耗度である「30%」という値が値V1として抽出される。
次に摩耗判断部131は、抽出した摩耗度の値V1と、画像形成装置1の累積印刷枚数M1とに基づいて、摩耗度が100%(第2の閾値の一例)になると予測される累計印刷枚数LT1を予測する。
具体的には、摩耗判断部131は、x軸を累積印刷枚数(枚)、y軸を定着ベルトの摩耗率(%)とする2軸座標上に、抽出した摩耗度の値V1と累積印刷枚数M1とで規定される点PT1をプロットし、点PT1と2軸座標の原点とを結ぶ直線LN1のyの値が100%となる場合のxの値を累積印刷枚数LT1とする。
摩耗判断部131は、予測した累積印刷枚数LT1と現在の累積印刷枚数M1との差ΔLTを算出し、差ΔLTを定着ベルト81の残り寿命として予測し、HDD123に記憶する。
[操作パネルへの表示]
プリンターコントローラー121は、必要なタイミングで定着ベルト81の寿命に関する情報を操作パネル70に表示してもよい。
図19は、本発明の一実施の形態において操作パネル70に表示される画面を模式的に示す図である。
図19を参照して、操作パネル70には、トナー付着量に基づいて決定された定着ベルト81の左端部、中央部、および右端部の摩耗度がそれぞれ90%、30%、および50%であることが表示されている。また、エッジ部の通過位置に基づいて決定された定着ベルトの摩耗度が80%であることが表示されている。さらに、定着ベルトの寿命到達まで印刷可能な枚数が約1000枚であることが表示されている。
定着ベルト81の左端部の摩耗度として表示されるのは、第1の摩耗度テーブルに記載された領域RG1およびRG2の摩耗度のうち高い方の値である。定着ベルト81の中央部の摩耗度として表示されるのは、第1の摩耗度テーブルに記載された領域RG3の値である。定着ベルト81の右端部の摩耗度として表示されるのは、第1の摩耗度テーブルに記載された領域RG4およびRG5の摩耗度のうち高い方の値である。エッジ部の通過位置に基づいて決定された定着ベルトの摩耗度として表示されるのは、第2の摩耗度テーブルに記載された領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の摩耗度のうち最も高い値である。定着ベルトの寿命到達まで印刷可能な枚数として表示されるのは、HDD123に記憶された定着ベルト81の残り寿命(図18の差ΔLT)である。
摩耗判断部131は、HDD123に記憶された定着ベルト81の残り寿命が所定値を下回った場合に、定着ベルトの交換時期が近いことを警告するメッセージをさらに表示する。
[寿命到達時の動作]
定着ベルト81が寿命に到達したと摩耗判断部131で判断した場合に、エンジン制御部111またはプリンターコントローラー121は、以下の寿命到達時の動作を行う。
寿命到達時の動作として、エンジン制御部111は、(i)寿命到達後に画像形成装置1に投入された印刷ジョブの印刷を停止してもよいし、(ii)寿命到達後に印刷ジョブ(特に用紙へのトナー付着量が所定量よりも少ない印刷ジョブ)を投入された場合に、その印刷ジョブを他の画像形成装置に転送してもよいし、(iii)寿命到達後に印刷する場合に、定着装置58の定着温度を寿命到達前の定着温度よりも高い温度に設定してもよい。
上記(iii)については、定着ベルト81の摩耗度が高くなると、定着装置58の定着能力が低下し、オフセットが発生しやすくなる。定着装置58の定着温度を高い温度に設定することにより、定着装置58の定着能力の低下を補うことができ、オフセットの発生を抑制することができる。
寿命到達時の動作として、寿命到達後に画像形成装置1に投入された印刷ジョブの印刷を停止する場合(上記(i)の場合)には、プリンターコントローラー121は、投入された印刷ジョブを他の画像形成装置(図1のMFP201または202など)に転送してもよい。
また、プリンターコントローラー121は、定着ベルト81が寿命に到達した場合に印刷を停止するか否かの設定を、操作パネル70を通じて受け付けてもよい。定着ベルト81が寿命に到達した場合に印刷を停止しない設定を受け付けた場合において、寿命到達後に印刷するときは、エンジン制御部111は、定着装置58の定着温度を寿命到達前の定着温度よりも高い温度に設定してもよい。
[フローチャート]
図20は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。このフローチャートはHDD123に記憶された制御プログラムを制御部30のCPU(Central Processing Unit)が実行することにより実現される。
図20を参照して、制御部30は、印刷ジョブを受け付けると(S1)、印刷ジョブに関する画像データ、トナーの種類(材質)および温度、印刷ジョブで設定された用紙のサイズおよび種類(材質)、ならびに印刷枚数の情報を取得する(S3)。次に制御部30は、印刷を実行し(S5)、画像データに基づいて、定着ベルト81における領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々を通過する用紙の部分のトナー付着量を特定する(S7)。
次に制御部30は、特定したトナー付着量、トナーの材質および温度、ならびに用紙の枚数に基づいて、領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の加算値を決定し(S9)、決定した加算値を各領域に加算することにより、第1の加算値テーブルを更新する(S11)。続いて制御部30は、用紙のサイズに基づいて用紙のエッジ部の通過位置となる領域を特定し(S13)、用紙の材質および印刷枚数に基づいて加算値を決定する(S15)。次に制御部30は、決定した加算値を特定した領域に加算することにより、第2の加算値テーブルを更新する(S17)。
続いて制御部30は、定着ベルト81が寿命に到達したか否かを判別する(S19)。ステップS19において制御部30は、たとえば第1の摩耗度テーブルおよび第2の摩耗度テーブルにおける少なくとも1つの領域の摩耗度が100%となった場合に、定着ベルト81が寿命に到達したと判断する。
ステップS19において、定着ベルト81が寿命に到達したと判別した場合(S19でYES)、制御部30は寿命到達時の動作を実行し(S21)、ステップS25の処理へ進む。
ステップS19において、定着ベルト81が寿命に到達していないと判別した場合(S19でNO)、制御部30は、定着ベルト81の残り寿命を予測し(S23)、ステップS25の処理へ進む。
ステップS25において、制御部30は、更新後の第1および第2の摩耗度テーブルの内容に基づいて操作パネル70への表示内容を更新し(S25)、ステップS1の処理へ進む。
[変形例]
(1) 第1の変形例
図21は、本発明の一実施の形態の第1の変形例における画像形成装置1の動作を説明する図である。
図21を参照して、第1の変形例における画像形成装置1は、第1の摩耗度テーブルに記載された複数の領域の各々の摩耗度のうち一部の領域の摩耗度が他の領域の摩耗度よりも所定値以上高くなった場合に、新たな印刷ジョブのトナー像が形成される用紙における一部の領域を通過する部分にトナーを追加する。
ここでは、第1の摩耗度テーブルに記載された領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度が、それぞれ40%、80%、50%、80%、および40%である場合を想定する。この場合、領域RG2およびRG4の摩耗度が、他の領域の摩耗度と比較して所定値(たとえば30%)以上高くなっている。
この場合、エンジン制御部111は、新たな印刷ジョブの画像データに基づくトナー像を用紙SH3に形成する際に、用紙SH3における摩耗度が高い領域RG2およびRG4を通過するトナー像の部分にトナーを追加する。追加するトナーは微量であってもよく、イエローなどの画質に及ぼす影響が小さい色のトナーであることが好ましい。
トナーを追加することにより、用紙SH3が定着ニップNPを通過する際に、追加されたトナーにより定着ベルト81における領域RG2およびRG4の潤滑性が向上し、定着ベルト81の摩耗が局所的に進行する事態を抑止することができる。
(2) 第2の変形例
図22は、本発明の一実施の形態の第2の変形例における定着装置58の構成を模式的に示す断面図である。
図22を参照して、第2の変形例において、定着ベルト81は、ローラー90および加熱ローラー84によって張架されている。ローラー90は、定着ベルト81の内側に配置されている。ローラー90は、加圧ローラー89の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。ローラー90は定着ベルト81の内側から定着ベルト81を押圧することで、定着ベルト81と加圧ローラー89との間で定着ニップNPを形成させる。ローラー90は、定着ベルト81の回転に従動して矢印AR13で示す方向に回転する。
第2の変形例の定着装置58は、定着ニップ中央で加圧する構成である。すなわち、第2の変形例の定着装置58においては、定着ニップNPにおける搬送方向(用紙の通過方向)のほぼ中央位置で定着ベルト81と加圧ローラー89と圧接力が極大となる。
図23は、定着ニップ下流側で加圧する構成の定着装置58における、用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度、および用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの摩耗度の各々と、累積印刷枚数との関係を模式的に示す図である。図24は、定着ニップ中央で加圧する構成の定着装置58における、用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度、および用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの摩耗度と、累積印刷枚数との関係を模式的に示す図である。図23および図24において、線LN11は、用紙へのトナー付着量が少ない場合の定着ベルトと用紙との摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度と、累積印刷枚数との関係を示す線である。線LN12は、用紙へのトナー付着量が多い場合の用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの摩耗度と、累積印刷枚数との関係を示す線である。線LN21は、用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの摩耗度と、累積印刷枚数との関係を示す線である。
図23を参照して、定着ニップ下流側で加圧する構成(図13(a)および(b)の構成)では、トナー付着量が少ない場合の用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗(図23中線LN11)の方が、用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの消耗(図23中線LN21)よりも支配的になる傾向にある。
したがって、定着ニップ下流側で加圧する構成では、上述のトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法を用いて決定した摩耗度を用いて定着ベルトの寿命を評価することが有効である。
図24を参照して、一方、定着ニップ中央で加圧する構成(図13(c)および図22の構成)では、用紙のエッジ部の通過に起因する定着ベルトの消耗(図24中線LN21)の方が、トナー付着量が少ない場合の用紙と定着ベルトとの摩擦に起因する定着ベルトの消耗(図23中線LN11)よりも支配的になる傾向にある。
したがって、定着ニップ中央で加圧する構成では、上述のトナー付着量に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法を用いて決定した摩耗度と、エッジ部の通過位置に基づく定着ベルトの摩耗度の決定方法とを用いて決定した摩耗度との両方を用いて定着ベルトの寿命を評価することが有効である。
(3) 第3の変形例
図3を参照して、制御部30は、画像形成装置1に接続されたサーバー機能を有するPC203など対して、定着ベルト81の摩耗度を決定するためのパラメーターを送信してもよい。送信するパラメーターは、複数の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5の各々の摩耗度(第1の摩耗度テーブルに記載された摩耗度)、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙の温度、複数の領域の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量のうち少なくとも1つであればよい。これにより、LANに接続された複数の画像形成装置の各々の定着ベルトの摩耗度をサーバーで一元管理することができる。
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、定着ニップを通過する用紙へのトナー付着量に基づいて用紙と定着ベルトの表面との間での滑りに起因する定着ベルトの消耗が評価されるので、定着ベルトの消耗を精度よく評価することができる。
[その他]
上述の実施の形態では、定着ベルト81における定着ニップNPを形成する領域が複数の領域RG1、RG2、RG3、RG4、およびRG5に仮想的に区分されたが、区分される領域の数は任意であり、定着ベルト81における定着ニップNPを形成する領域は1つのみであってもよい(区分されなくてもよい)。
上述の実施の形態および変形例における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態および変形例における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD-ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置
10 イメージリーダー部
20 プリンター部
30 制御部
41,41C,41K,41M,41Y 作像部
42C,42K,42M,42Y 一次転写ローラー
43,43C,43K,43M,43Y 現像装置
44,44C,44K,44M,44Y サブホッパー
45C、45K、45M、45Y ジョイント
46,46C,46K,46M,46Y トナーボトル
51 給紙トレイ
52 給紙ローラー
53 駆動ローラー
54 従動ローラー
55 中間転写ベルト
56 転写モーター
57 二次転写ローラー
58 定着装置
59 排紙トレイ
61 転写ベルトクリーナー
62 廃トナーボックス
70 操作パネル(設定受付手段の一例)
81 定着ベルト
82 押圧パッド
82a 押圧パッドの突出部
83 ヒーター
84 加熱ローラー
85 パッドフレーム
86 摺動部材
87 ガイド部材
88 捕集再塗布部材
89 加圧ローラー(加圧部材の一例)
90 ローラー
111 エンジン制御部
112 トナー制御部
113a トナー関係モーター
113b トナー関係センサー
114 紙送り制御部
115 搬送モーター
116 バックアップメモリ
121 プリンターコントローラー
122 RAM(Random Access Memory)
123 HDD(Hard Disk Drive)
124 スキャナー
125 ファクシミリインターフェース
126 温度センサー
131 摩耗判断部(算出手段、決定手段、寿命判断手段、転送手段、温度設定手段、予測手段、トナー像形成手段、および送信手段の一例)
201,202 MFP(Multifunction Peripheral)
203,204 PC(Personal Computer)
CL 定着ニップの中央位置
NP 定着ニップ
PP 圧接力が極大値となる位置
R 加圧ローラーの中心軸
RG1,RG2,RG3,RG4,RG5 領域
SH,SH1,SH2,SH3 用紙
SL 滑り量
TR 搬送経路

Claims (19)

  1. 定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、
    前記定着装置は、
    回転する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを加圧することにより、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する加圧部材とを含み、
    前記定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出手段と、
    前記算出手段にて算出したトナーの量に基づいて、前記定着ベルトの摩耗度を決定する決定手段とをさらに備え
    前記決定手段は、
    前記定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶手段と、
    前記算出手段にて算出したトナーの量に基づく加算値を、前記記憶手段にて記憶する前記摩耗度に加算する加算手段とを含み、
    前記算出手段にて算出したトナーの量が少ないほど、前記加算値は大きい、画像形成装置。
  2. 前記算出手段は、前記定着ベルトにおける前記定着ニップを形成する領域を、用紙の通過方向に対して直交する方向に配列した複数の領域に区分し、前記複数の領域の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量を算出し、
    前記記憶手段は、前記複数の領域の各々の摩耗度を記憶し、
    前記加算手段は、前記算出手段にて算出した前記複数の領域の各々についての前記加算値を、前記複数の領域の各々の摩耗度に加算する、請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記記憶手段が記憶する前記複数の領域の各々の摩耗度に基づいて、前記定着ベルトの寿命到達を判断する寿命判断手段をさらに備えた、請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記寿命判断手段は、前記定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度にさらに基づいて、前記定着ベルトの寿命到達を判断する、請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記寿命判断手段は、前記記憶手段が記憶する前記複数の領域の各々の摩耗度と、前記エッジ摩耗度とのうち少なくともいずれか1つが第1の閾値となった場合に、前記定着ベルトが寿命に到達したと判断する、請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着ベルトが寿命に到達したと前記寿命判断手段にて判断した場合に、自機に投入された印刷ジョブを他の画像形成装置に転送する転送手段をさらに備えた、請求項3~5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記定着ベルトが寿命に到達した場合に前記画像形成装置が印刷を停止するか否かの設定を受け付ける設定受付手段をさらに備えた、請求項3~5のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成装置が印刷を停止しない設定を前記設定受付手段にて受け付けた場合において、前記定着ベルトが寿命に到達したと前記寿命判断手段にて判断したとき、前記定着装置の定着温度を、前記定着ベルトが寿命に到達したと判断する前の前記定着装置の定着温度よりも高く設定する温度設定手段をさらに備えた、請求項に記載の画像形成装置。
  9. 前記記憶手段が記憶する前記複数の領域の各々の摩耗度に基づいて、前記定着ベルトの残り寿命を予測する予測手段をさらに備えた、請求項2~8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記予測手段は、前記定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度にさらに基づいて、前記定着ベルトの残り寿命を予測する、請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記予測手段は、前記記憶手段が記憶する前記複数の領域の各々の摩耗度と、前記定着ニップを通過する用紙のエッジ部の通過位置に基づいて決定した摩耗度であるエッジ摩耗度とのうち最も高いものと、前記定着ニップを通過した累計の用紙の枚数とに基づいて、前記最も高いものに関する摩耗度が第2の閾値となると予測される印刷枚数を予測する、請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記記憶手段が記憶する前記複数の領域の各々の摩耗度のうち一部の領域の前記摩耗度が他の領域の摩耗度よりも所定値以上高くなった場合に、新たな印刷ジョブのトナー像が形成される用紙における前記一部の領域を通過する部分にトナーを追加するトナー像形成手段をさらに備えた、請求項2~11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記加算手段は、
    前記定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの材質および温度のうち少なくともいずれか1つに基づいて前記加算値を補正する補正手段と、
    前記補正手段にて補正した前記加算値を、前記記憶手段にて記憶する前記摩耗度に加算する補正後加算手段とを含む、請求項1~12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記加算手段は、
    前記画像形成装置に接続された外部機器および前記画像形成装置の操作を受け付ける操作部のうち少なくとも一方から前記加算値を補正する補正値を取得する補正値取得手段をさらに含み、
    前記補正手段は、前記補正値取得手段にて取得した補正値を用いて前記加算値を補正する、請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記定着ニップにおける用紙の通過方向の中央位置よりも下流側において、前記定着ベルトと前記加圧部材との圧接力が極大となる、請求項1~14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成装置に接続された外部機器に対して、前記定着ベルトの摩耗度を決定するためのパラメーターを送信する送信手段をさらに備えた、請求項1~15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記パラメーターは、前記定着ベルトにおける前記定着ニップを形成する領域を、用紙の通過方向に対して直交する方向に配列した複数の領域に区分した場合の、前記複数の領域の各々の摩耗度、用紙のサイズ、用紙の種類、用紙の温度、複数の領域の各々を通過する用紙の部分に付着したトナーの量のうち少なくとも1つである、請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置の制御方法であって、前記定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加圧することにより、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する加圧部材とを含み、
    前記制御方法は、
    前記定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量に基づいて、前記定着ベルトの摩耗度を決定する決定ステップとを備え
    前記決定ステップは、
    前記定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶ステップと、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量に基づく加算値を、前記記憶ステップにて記憶する前記摩耗度に加算する加算ステップとを含み、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量が少ないほど、前記加算値は大きい、画像形成装置の制御方法。
  19. 定着ニップを通過する用紙に付着したトナーを定着する定着装置を備えた画像形成装置の制御プログラムであって、前記定着装置は、回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加圧することにより、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する加圧部材とを含み、
    前記制御プログラムは、
    前記定着ニップを通過する用紙に付着したトナーの量を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量に基づいて、前記定着ベルトの摩耗度を決定する決定ステップとをコンピューターに実行させるためのものであり、
    前記決定ステップは、
    前記定着ベルトの摩耗度を記憶する記憶ステップと、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量に基づく加算値を、前記記憶ステップにて記憶する前記摩耗度に加算する加算ステップとを含み、
    前記算出ステップにて算出したトナーの量が少ないほど、前記加算値は大きい、画像形成装置の制御プログラム。
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