JP7091373B2 - 改変された膜型セリンプロテアーゼ1(mtsp-1)ポリペプチドおよび使用方法 - Google Patents

改変された膜型セリンプロテアーゼ1(mtsp-1)ポリペプチドおよび使用方法 Download PDF

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Description

関連出願
「MODIFIED MEMBRANE TYPE SERINE PROTEASE 1 (MT-SP1) POLYPEPTIDES AND METHODS OF USE」という名称の2017年6月22日に出願されたMadison、Edwin L.、Soros、Vanessa、およびPopkov、Mikhailの米国仮出願第62/523,735号に対する優先権の利益を主張する。また、「MODIFIED MEMBRANE TYPE SERINE PROTEASE 1 (MTSP-1) POLYPEPTIDES AND METHODS OF USE」という名称の2018年4月27日に出願されたMadison、Edwin L.、Soros、Vanessa、およびPopkov、Mikhailの米国仮出願第62/664,051号に対する優先権の利益も主張する。認められた場合、これらの出願のそれぞれの主題は、参照によりその全体が組み込まれる。
電子的に提供された配列表の参照による組込み
配列表の電子版がここに提出され、その内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。電子ファイルは、2018年6月18日に作成され、1.4メガバイトのサイズであり、4939SEQPC001.txtというタイトルである。
発明の分野
補体タンパク質を切断し、それによって補体活性化を阻害する改変されたMTSP-1ポリペプチドが提供される。この阻害によって、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体によって媒介されるかまたは補体活性化が役割を果たす疾患および状態の処置に使用することができる。これらの疾患および状態としては、これらに限定されないが、黄斑変性症、例えば加齢性黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、およびシュタルガルト病などの眼科適応症、腎移植後臓器機能障害(DGF:renal delayed graft function)、心筋梗塞および卒中などの虚血再灌流障害、敗血症、自己免疫疾患、アルツハイマー病および他の神経変性障害などの炎症性疾患および炎症性要素を有する疾患が挙げられる。
補体(C)系は、免疫系の一部であり、侵入する病原体の排除や炎症性応答の開始において役割を果たす。ヒトおよび他の哺乳動物の補体系は、補体活性化をもたらす規則正しい一連の反応に関与する30種より多くの可溶性および膜結合タンパク質を含む。血液補体系は、抗微生物性作用や抗ウイルス性作用などの広範な宿主防御メカニズムに関連する多様な機能を有する。C成分の活性化によって生じる生成物としては、非自己認識分子C3b、C4bおよびC5b、加えて、様々な細胞性免疫応答に影響を与えるアナフィラトキシンC3a、C4aおよびC5aが挙げられる。これらのアナフィラトキシンも、炎症促進性の物質として作用する。
補体系は、一連の酵素および非酵素タンパク質ならびに受容体で構成される。補体活性化は、「古典」経路、「副」経路および「レクチン」経路として知られる3つの主要な様式のうちの1つによって起こる(図1を参照)。図1に示されるように、補体は、典型的にはこれらの3つの経路のうちの1つによって活性化または開始され、C3活性化で収束する。内因性経路と称される第4の補体活性化メカニズムにおいて、凝固/線維素溶解カスケードに関連するセリンプロテアーゼは、古典、副、およびレクチン経路とは独立して、C3またはC5の切断を介して補体系を直接的に活性化する。これらの経路は、補体活性化を開始させるプロセスによって区別することができる。古典経路は、抗体-抗原複合体または免疫グロブリンの凝集した形態によって開始され;副経路は、微生物および細胞表面上の構造の認識によって開始され;レクチン経路は、抗体と独立した経路であり、マンナン結合レクチン(MBL、これはまた、マンノース結合タンパク質とも呼ばれる)が細菌またはウイルスの表面に表示されるものなどの炭水化物に結合することによって開始される。カスケードの活性化は、タンパク質分解または細胞溶解に関与する複合体の産生、ならびにオプソニン化、アナフィラキシーおよび走化性に関与するペプチドをもたらす。
動物の免疫応答の中心的な成分である補体カスケードは、不可逆的なカスケードである。多数のタンパク質補因子が、プロセスを調節する。プロセスの不適切な調節、典型的には不適切な活性化は、急性および慢性炎症性疾患や不適切な免疫応答を伴う他の状態で観察されるものなどの不適切な炎症性および免疫応答を伴う様々な障害の一側面である場合もあるし、またはそれらにおいて起こる場合もある。これらの疾患および障害としては、リウマチ様関節炎および狼瘡などの自己免疫疾患、心臓障害、ならびに他の炎症性疾患、例えば敗血症および虚血再灌流傷害が挙げられる。
補体経路は様々な疾患および状態に関与しているため、補体経路の成分は、治療的介入、特定には経路の阻害のための標的である。このような治療剤の例としては、合成および天然の小分子治療剤、抗体阻害剤、および膜補体調節因子の組換え可溶性形態が挙げられる。このような治療剤を調製するための戦略には制限がある。小分子は、インビボ(in vivo)で短い半減期を有し、補体阻害を維持するためには継続的に注入する必要があり、それによって特に慢性疾患におけるそれらの役割が制限される。治療抗体は、対象において免疫応答を生じさせる可能性があることから、処置、特定には免疫応答をモジュレートするように設計された処置において合併症を引き起こす可能性がある。したがって、補体が媒介する疾患および補体活性化が役割を果たす疾患を処置するための治療剤への必要性が存在する。これらの疾患としては、急性および慢性炎症性疾患が挙げられる。したがって、本明細書に記載の目的のなかでも、補体カスケードの活性化を標的化する治療剤を提供し、疾患の治療剤および処置方法を提供することが目的である。
アミノ酸改変I41S、Q38H、D60bT、F60eSまたはR、Y60gW、ins97aV、D96K、F97G、G151HまたはNおよびQ192Tの1つまたは複数を含む改変されたMTSP-1ポリペプチドであって、前記アミノ酸改変により、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、MTSP-1ポリペプチドの未改変の活性形態と比較して補体タンパク質の増加した活性および/または特異性を有し、前記アミノ酸改変は、未改変のMTSP-1ポリペプチドの一次アミノ酸配列における置き換え、挿入および欠失から選択され;改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質を切断し、それによって、前記アミノ酸改変を含有しない未改変のMTSP-1ポリペプチドの活性形態と比較して、補体活性化を阻害または低減し;残基は、キモトリプシンの番号付けによって番号付けられ;対応する残基は、アライメントおよびキモトリプシンの番号付けによって決定され;未改変のMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれかに記載のアミノ酸の配列(野生型全長MTSP-1、野生型プロテアーゼドメインMTSP-1、野生型成熟MTSP-1、C122Sを有する全長MTSP-1、C122Sを有するプロテアーゼドメインMTSP-1、C122Sを有する成熟MTSP-1)、または前記アミノ酸改変を含むその触媒活性フラグメントもしくは形態を含む。改変は、一次配列中であり、改変としては、挿入、置き換えおよび欠失が挙げられる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、活性および他の特性、例えば医薬品としてのそれらの使用を改善する特性などを改善または変更する改変を含む。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、安定性、血清中半減期、貯蔵寿命および他のそのような特性を増加させる部分にコンジュゲートされていてもよい。これらの改変としては、例えばPEG化部分、標的化、同定および精製のための他のポリペプチドなどのポリマーを、改変されたMTPS-1にコンジュゲートすることが挙げられる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドがC3を不活性化する部位を切断するようにして、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを改変して不活性化する補体タンパク質は、C3である。C3の不活性化によって、補体活性化は、低減または阻害される。補体活性化の阻害または低減によって、補体が役割を果たす、または補体活性化の低減が疾患または障害の症状または病状を処置または低減できるあらゆる疾患、状態または障害を、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドで処置することができる。不活性化切断のためのC3中の標的部位は、残基737~744を含み、これらの残基内の切断、例えば配列番号9の残基740と残基741との間での切断(QHAR↓ASHL)は、C3を不活性化する。C3の切断の活性/特異性は、前記アミノ酸改変を含有しない未改変のMTSP-1ポリペプチドの活性形態と比較して増加させることができる。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、未改変のMTSP-1ポリペプチドの活性形態、例えば配列番号4の全長またはプロテアーゼドメイン(キモトリプシンの番号付けによりC122である遊離のシステインがSで置き換えられたプロテアーゼドメイン)の少なくとも1倍または1倍より大きくC3の切断活性が増加するように設計される。C3を不活性化するための切断活性は、あらゆる量、例えば、未改変型の配列番号4の改変されたMTSP-1ポリペプチドの、少なくとも0.5倍、1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれより多く増加させることができる。未改変のMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のポリペプチドおよびそれらの触媒活性部分から選択される。
少なくとも1つの改変、例えば、I41S、Q38H、D60bT、F60eSまたはR、Y60gW、ins97aV、D96K、F97G、G151HまたはNおよびQ192T、またはこれらのもしくは本明細書に記載される他の置き換えの組合せを含む改変されたMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれかのポリペプチドと、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を有する。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれかのポリペプチドおよびそれらの触媒活性部分における一次配列に、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個の、挿入、欠失および置き換えを含む改変を有していてもよい。
例えば、I41S、Q38H、D60bT、F60eS、oY60gW、ins97aV、D96K、F97G、G151H、G151N、Q192T、Q192Dおよび/またはQ192Eのいずれか1つまたは複数に対応する改変を含む改変されたMTSP-1ポリペプチドが提供される。改変されたMTSP-1ポリペプチドはさらに、F60eR、Y59F、F99L、T98P、Q175Lの1つまたは複数に対応し、それらから選択される追加の置き換え、またはD217に対応する位置における1つまたは複数の改変、例えばD217V、I、L、WまたはM、I41D、E、T、GまたはRから選択される改変を含んでいてもよい。上記の通り、対応する位置は、キモトリプシンの番号付けによって決定される。例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドは、I41E/F99L/C122S/G151N/Q192T; I41D/C122S/G151N/Q192T; I41S/F99L/C122S/G151N/Q192V;またはI41E/F99L/C122S/G151N/Q192TまたはC122SがC122Cであることを除いて同じ改変を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを含む。他の例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドは、
I41R/F97T/Ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192EまたはI41R/F97T/Ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、I41D/Y59F/D96E/F99L/C122S/G151N/Q192Tまたは
I41D/Y59F/C122S/G151N/Q192T
のいずれかに対応する改変を含む。
また、
I41R/F97T/Ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192E、または
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41A/D60bT/F60eK/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41A/D60bT/F60eK/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97Y/ins97aN/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97D/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/F97W/ins97aN/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192E、または
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96Y/F97E/ins97aV/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96L/F97D/ins97aG/T98N/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96V/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97D/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L、または
I41E/F99L/C122S/G151N/Q192T、またはI41D/C122S/G151N/Q192T、またはI41S/F99L/C122S/G151N/Q192V、またはI41E/F99L/C122S/G151N/Q192T、または
I41D/Y59F/D96E/F99L/C122S/G151N/Q192T、またはI41D/Y59F/C122S/G151N/Q192T、または
I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q192D、または
Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D、または
Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D/D217V、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D/D217V、または
I41S/D96M/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192V/D217I、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192H、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192N/D217V、または
I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192V、または
I41S/P49S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192N/I217V、または
I41T/F97W/F99L/C122S/G151N/Q175M/Q192G/D217L、または
I41G/F97L/F99L/C122S/Q175A/Q192T/D217V、または
I41G/F97V/F99L/C122S/G151Q/Q175M/Q192A/D217L、または
I41G/F97I/F99L/C122S/G151L/Q175M/Q192S/D217V、または
I41G/F97S/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192G/D217I、または
I41T/F97L/F99L/C122S/G151N/Q175S/Q192S/D217W、または
I41D/F97T/F99M/C122S/Q192V/D217M
のいずれかに対応する改変、またはC122Sが未改変であり、C122Cであることを除いて同じ改変を含む、改変されたMTSP-1ポリペプチドも提供される。
また、改変Q38H、I41S、D60bT、F60eS、Y60gW、D96K、F97G、Ins97aVおよびG151Hの1つまたは複数を含む組合せ、例えば以下:
G151H、Ins97aV、Ins97aV/G151H、F97G、F97G/G151H、F97G/Ins97aV、F97G/Ins97aV/G151H、D96K、D96K/G151H、D96K/Ins97aV、D96K/Ins97aV/G151H、D96K/F97G、D96K/F97G/G151H、D96K/F97G/Ins97aV、D96K/F97G/Ins97aV/G151H、Y60gW、Y60gW/G151H、Y60gW/Ins97aV、Y60gW/Ins97aV/G151H、Y60gW/F97G、Y60gW/F97G/G151H、Y60gW/F97G/Ins97aV、Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、Y60gW/D96K、Y60gW/D96K/G151H、Y60gW/D96K/Ins97aV、Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、Y60gW/D96K/F97G、Y60gW/D96K/F97G/G151H、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS、F60eS/G151H、F60eS/Ins97aV、F60eS/Ins97aV/G151H、F60eS/F97G、F60eS/F97G/G151H、F60eS/F97G/Ins97aV、F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/D96K、F60eS/D96K/G151H、F60eS/D96K/Ins97aV、F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、F60eS/D96K/F97G、F60eS/D96K/F97G/G151H、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW、F60eS/Y60gW/G151H、F60eS/Y60gW/Ins97aV、F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/F97G、F60eS/Y60gW/F97G/G151H、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/D96K、F60eS/Y60gW/D96K/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/F97G、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT、D60bT/G151H、D60bT/Ins97aV、D60bT/Ins97aV/G151H、D60bT/F97G、D60bT/F97G/G151H、D60bT/F97G/Ins97aV、D60bT/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/D96K、D60bT/D96K/G151H、D60bT/D96K/Ins97aV、D60bT/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/D96K/F97G、D60bT/D96K/F97G/G151H、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW、D60bT/Y60gW/G151H、D60bT/Y60gW/Ins97aV、D60bT/Y60gW/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/F97G、D60bT/Y60gW/F97G/G151H、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/D96K、D60bT/Y60gW/D96K/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/F97G、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS、D60bT/F60eS/G151H、D60bT/F60eS/Ins97aV、D60bT/F60eS/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/F97G、D60bT/F60eS/F97G/G151H、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/D96K、D60bT/F60eS/D96K/G151H、D60bT/F60eS/D96K/Ins97aV、D60bT/F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/D96K/F97G、D60bT/F60eS/D96K/F97G/G151H、D60bT/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW、D60bT/F60eS/Y60gW/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S、I41S/G151H、I41S/Ins97aV、I41S/Ins97aV/G151H、I41S/F97G、I41S/F97G/G151H、I41S/F97G/Ins97aV、I41S/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D96K、I41S/D96K/G151H、I41S/D96K/Ins97aV、I41S/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D96K/F97G、I41S/D96K/F97G/G151H、I41S/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW、I41S/Y60gW/G151H、I41S/Y60gW/Ins97aV、I41S/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/F97G、I41S/Y60gW/F97G/G151H、I41S/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/D96K、I41S/Y60gW/D96K/G151H、I41S/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/D96K/F97G、I41S/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS、I41S/F60eS/G151H、I41S/F60eS/Ins97aV、I41S/F60eS/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/F97G、I41S/F60eS/F97G/G151H、I41S/F60eS/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/D96K、I41S/F60eS/D96K/G151H、I41S/F60eS/D96K/Ins97aV、I41S/F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/D96K/F97G、I41S/F60eS/D96K/F97G/G151H、I41S/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW、I41S/F60eS/Y60gW/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/F97G、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT、I41S/D60bT/G151H、I41S/D60bT/Ins97aV、I41S/D60bT/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/F97G、I41S/D60bT/F97G/G151H、I41S/D60bT/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/D96K、I41S/D60bT/D96K/G151H、I41S/D60bT/D96K/Ins97aV、I41S/D60bT/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/D96K/F97G、I41S/D60bT/D96K/F97G/G151H、I41S/D60bT/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW、I41S/D60bT/Y60gW/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/F97G、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60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また、T98P/F99LQ175L/Q192D、適宜C122S、ならびにQ38H、I41S、D60bT、F60eS、Y60gW、D96K、F97G、Ins97aVおよびG151Hから選択される1つまたは複数のいずれかに対応する改変、例えば以下:
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他の例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドは、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192DまたはQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/G151H/Q175L/Q192Dに対応する置き換え、挿入および/または欠失を含有していてもよく、例えば、未改変のMTSP-1ポリペプチドが、配列番号2または配列番号4のプロテアーゼドメインを含むかまたは配列番号2または配列番号4のプロテアーゼドメインであるものなどが挙げられる。他のこのような例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドとしては、これらに限定されないが、インビトロ(in vitro)でプロテアーゼドメインが10nM未満のEC50でヒトC3を切断する改変の組合せ:
ins97aA/F97G/T98L/C122S/Q175M/Q192A/D217I/K224R、
Q38Y/I41S/D60bT/F60eR/Y60gW/D96M/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/ins97aN/F97W/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、
Q38G/H40R/I41H/D60bN/F97D/F99L/C122S/Q175L/Q192G、
Q38Y/I41S/D60bT/F60eR/Y60gW/D96M/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/ins97aN/F97W/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96F/F97D/ins97aE/T98S/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192A、
Q38F/I41A/D60bT/F60eG/Y60gW/ins97aE/F97T/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192E、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/ins97aV/F97D/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eT/Y60gW/ins97aE/F97T/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192E、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/ins97aN/F97W/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192E、
Q38Y/I41A/D60bL/F60eQ/ins97aV/F97D/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175M/Q192A、
Q38H/I41S/D60bF/F60eV/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192A、
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Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/ins97aN/F97Y/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96L/ins97aG/F97D/T98N/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/ins97aN/F97W/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38F/I41S/D60bF/F60eR/Y60gF/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192V、
Q38H/I41S/D60bY/D96Y/ins97aV/F97D/T98P/F99L/L106M/C122S/I136M/Q192G/Q209L/D217T、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96S/ins97aR/F97A/T98S/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192T、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/ins97aN/F97Y/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bT/F60eH/Y60gW/ins97aE/F97T/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/ins97aE/F97T/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192D、
ins97aY/F97G/T98V/C122S/Q175M/Q192S/D217V、
Q38H/I41S/D60bS/ins97aV/F97D/T98P/F99L/M117L/C122S/I136T/Q192G/D217I、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97N/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/ins97aN/F97W/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bT/F60eK/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192A、
H40R/I41H/F97D/F99L/C122S/Q175M/Q192G/D217V/K224Y、
I41G/F97I/F99L/C122S/G151L/Q175M/Q192S/D217V、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96V/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/T150S/G151H/Q175L/Q192D/Q209L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eI/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96I/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bW/ins97aV/F97D/T98P/F99L/C122S/I136M/Q192G/D217N、
Q38H/I41S/D60bF/F60eT/ins97aV/F97D/T98P/F99L/C122S/H143Q/G151N/Q175L/Q192G、
Q38Y/I41S/D60bT/Y60gW/D96M/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/F60eH/Y60gW/ins97aE/F97T/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192A、
I41T/D60bW/F60eH/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192G、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96F/F97Y/ins97aD/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96F/F97S/ins97aH/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192G、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、
I41S/F99L/C122S/G151N/Q175M/Q192G/D217V、
Q38R/I41S/D60bY/F60eD/ins97aV/F97D/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175M/Q192A、
Q38Y/I41S/D60bT/F60eR/Y60gW/D96M/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、
H40R/I41H/Y60gH/F97D/F99L/C122S/Q175M/Q192G/D217I/K224L、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/F97D/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38Y/I41S/D60bT/F60eR/Y60gW/D96M/F97N/T98G/F99L/C122S/Q175L/Q192D、
Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96F/F97Y/ins97aN/T98G/F99M/C122S/G151N/Q175L/Q192G、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96Y/F97N/ins97aE/T98S/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97D/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D
から選択される改変、およびC122Sが未改変であり、C122Cであることを除いて同じ改変を含む、改変されたMTSP-1ポリペプチドが挙げられる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの例示は、配列番号6、8、21~59および63~81のいずれかに記載の配列を含有するかまたは有するものである。これには、配列が配列番号35または配列番号42に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドの例示は、改変Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D(C122S含有または非含有)を含有するMTSP-1ポリペプチドである。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの全てにつき、未改変のMTSP-1ポリペプチドは、配列番号2または4に記載のアミノ酸残基の配列(プロテアーゼドメイン)を含有するかまたは有するものを含む。プロテアーゼドメインまたはその触媒活性部分を含有する、全長、二本鎖の形態、二本鎖の活性形態、および単鎖の形態が含まれる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、インビボにおいて補体活性化が低減されるようにC3を切断し不活性化するように選択される。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドとしては、ヒトC3(配列番号9)の残基QHARASHL(残基737~744)内で切断するもの、例えばP1-P1’がRAであるものが挙げられる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの全てまたはいずれかは、構造改変および翻訳後改変、例えば、血清中半減期を増加させるため、および/もしくは免疫原性を低減するため、またはその両方のためのポリマーの付加を含んでいてもよい。構造改変としては、グリコシル化における変更、例えばグリコシル化部位または様々なグリコシル化の付加、ならびにポリマー、例えばデキストランの付加、シアル化およびPEG化が挙げられる。改変されたMTSP-1ポリペプチドのいずれかは、半減期および/または血清中での安定性を増加させるために、特定には作用の持続時間の延長が求められる適応症のために、PEG化されていてもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えば、PEG化を変更するためのリシンまたは他の残基の付加もしくは排除によって、またはグリコシル化部位の付加もしくは排除によってさらに改変されていてもよい。
また、非MTSP-1プロテアーゼポリペプチドまたはその部分に、化学的または物理的なリンカーを介して融合した、もしくはそれ以外の方法でコンジュゲートした、またはそれに結合した、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドの触媒活性部分を含有する融合タンパク質も提供される。このような非プロテアーゼポリペプチドの例示は、多量体化ドメイン、例えばFcドメイン、またはタンパク質形質導入ドメイン(PTD)である。
また、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドおよび融合タンパク質のいずれかをコードする核酸分子も提供される。核酸分子を含有するベクターも提供される。ベクターは、原核生物ベクターまたは真核生物ベクターであってもよく、その例としては、発現ベクター、ウイルス性ベクター、および遺伝子治療のためのベクターが挙げられる。ウイルス性ベクターとしては、これらに限定されないが、単純ヘルペスウイルスベクター、またはワクシニアウイルスベクター、またはアデノウイルス性ベクター、またはレトロウイルス性ベクター、または昆虫ベクターが挙げられる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする1つもしくは複数の核酸分子またはベクターを含有する単離された細胞、単離された非ヒト細胞(当業者が利用可能ないずれの方法によっても接合体またはヒトに発達できない)および細胞培養物が提供される。改変されたMTSP-1ポリペプチドを作製するための方法が提供され、このような方法は、アミノ酸合成方法、および組換えDNA方法を含む。これらは、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸またはベクターを細胞に導入すること;ポリペプチドが発現される条件下で細胞を培養すること;および適宜、発現された改変されたMTSP-1ポリペプチドを単離または精製することを含む。細胞には、あらゆる好適な細胞または細胞株が含まれ、例えば、真核細胞または原核細胞などが含まれる。これらには、細菌細胞、哺乳動物細胞、および酵母細胞が含まれる。例えば、細胞は、CHO細胞、BHK細胞、サッカロマイセス属、ピチア属およびこのような哺乳動物細胞であってもよい。組換え治療用ポリペプチドを生産するための細胞および方法は当業者に周知である。
核酸、ベクターおよびポリペプチドは、補体活性化が媒介するかまたはそれが関与する疾患または状態を処置するために、またはその方法において使用することができ、補体活性化の阻害が、疾患または状態の処置または緩和をもたらす。核酸およびベクターを遺伝子治療に使用してもよいし、またはポリペプチドを投与してもよい。好適な投与経路としては、非経口、局所、全身および経皮経路が挙げられる。これらには、静脈内、筋肉内、皮下、および硝子体内の投与が含まれる。
補体活性化が媒介するかまたはそれが関与する疾患または状態を処置する方法であって、活性化の阻害または低減が、症状の処置またはある程度の緩和をもたらすか、またはこのような疾患または状態を予防する(そのリスクを低減する)、方法が提供される。核酸またはベクターまたはポリペプチドは、疾患または状態を処置または予防する(そのリスクまたは症状を低減する)ために対象に投与される。補体が媒介する疾患または障害または状態としては、これらに限定されないが、炎症性疾患および状態、敗血症、リウマチ様関節炎(RA)、眼科疾患または眼疾患、心臓血管疾患、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、眼科または眼の疾患または障害、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、喘息、炎症性腸疾患、免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷、アルツハイマー病(AD)、移植した臓器の拒絶反応、および虚血再灌流傷害が挙げられる。
疾患または状態は、眼疾患もしくは眼科疾患、または移植した臓器に起因する拒絶反応もしくは炎症であり得る。このような疾患、障害または状態の例示は、糖尿病性網膜症、または加齢性黄斑変性症(AMD)などの黄斑変性症、および腎移植後臓器機能障害(DGF)である。
本明細書に提供されるポリペプチドは、改変されたMTSP-1ポリペプチドを補体タンパク質C3と接触させることによって補体活性化を阻害するのに使用でき、この接触によって補体タンパク質C3は切断されて、その結果、補体活性化が低減または阻害される。本明細書に記載のポリペプチド、方法および使用での処置のための対象は、ヒトおよび家畜を含むあらゆる動物であってもよく、特定には、イヌ、ネコならびに他のペットおよび家畜であってもよい。補体活性化の阻害は、疾患、症状または障害を発症するリスクを低減する(防止する)、または発症している場合、疾患、症状または障害を減らす、もしくは疾患または障害または状態を処置することができる。補体活性化を阻害することにより、その作用のなかでも、炎症性障害、神経変性障害および心臓血管疾患から選択される補体が媒介する疾患または障害に関連する炎症症状の低減がもたらされる。上述したように、補体が媒介する疾患または障害または状態としては、これらに限定されないが、敗血症、リウマチ様関節炎(RA)、眼障害または眼科障害、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、多発性硬化症(MS)、臓器または組織移植後の遅延型拒絶反応または炎症、重症筋無力症(MG)、喘息、炎症性腸疾患、免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷、アルツハイマー病(AD)、および虚血再灌流傷害、ならびに当業者に公知の他のあらゆるものが挙げられる。
補体が媒介する疾患、状態または障害は、対象の処置に起因する可能性がある。例えば、虚血再灌流傷害は、心筋梗塞(MI)、卒中、血管形成術、冠状動脈バイパス移植、心肺バイパス(CPB)、および血液透析から選択される事象または処置によって引き起こされる場合がある。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドでの処置は、補体が媒介する障害、状態または疾患に罹っているかまたはそれを引き起こすリスクを有する対象を処置する前に、実行することができる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの使用、および本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与することによって、補体活性化が媒介するかまたはそれが関与する疾患または状態を処置する方法であって、補体活性化の阻害が、疾患または状態の処置または緩和をもたらす、方法が提供される。また改変されたMTSP-1ポリペプチドは、疾患または状態を発症するリスクを低減する(疾患または状態を防止する)、またはこのような疾患、障害または状態の症状の発症を低減するためにも投与することができる。補体が媒介する疾患、状態または障害としては、上記または下記のあらゆるものが挙げられる。眼疾患もしくは眼科疾患、または移植した臓器の拒絶反応もしくはそれに起因する炎症も挙げられる。このような疾患および状態としては、糖尿病性網膜症および黄斑変性症、例えばAMD、ならびに腎移植後臓器機能障害(DGF)が挙げられる。改変されたMTSP-1ポリペプチド(またはコードする核酸分子またはベクター)は、本明細書の上記および他所で論じられたものを含むあらゆる好適な経路によって投与することができ、例えば非経口的に、例えば静脈内に、または皮下に投与することができる。眼科障害を処置する場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、局所的に、例えば硝子体内注射または外用適用によって、眼に投与することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、眼への導入のために、例えば、硝子体液への移行が容易になるようにタンパク質形質導入ドメインに融合させることによって改変することができる。いずれの適用、方法または使用の場合でも、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えばPEG化によって、血清中半減期を増加させるように改変することができる。
また、(a)本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチド;および(b)補体が媒介する疾患または障害を処置するための第2の1つまたは複数の薬剤を含む組合せおよびキットも提供される。第2の薬剤としては、これらに限定されないが、抗炎症剤および抗凝血剤、例えば、これらに限定されないが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、代謝拮抗物質、コルチコステロイド、鎮痛薬、細胞傷害性薬剤、炎症促進性サイトカイン阻害剤、抗炎症性サイトカイン、B細胞標的化剤、T抗原を標的化する化合物、接着分子ブロッカー、ケモカイン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、PPAR-γ(ガンマ)リガンド、補体阻害剤、ヘパリン、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオン、EDTA、シトレート、オキサレート、アルガトロバン、レピルジン、ビバリルジン、およびキシメラガトランのいずれか1つまたは複数などが挙げられる。
方法、使用または組合せは、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、改変I41DまたはI41S、特定にはI41S、特定には、改変
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/ /G151H/Q175L/Q192DまたはI41D/C122S/G151N/Q192TまたはI41D/G151N/Q192T
を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを含む、方法、使用または組合せを含む。遊離のシステインを排除して凝集を低減するために、置き換えC122S(プロテアーゼドメインを参照)が含まれる。未改変のMTSP-1ポリペプチドは、プロテアーゼドメイン、例えば、配列番号4に記載のアミノ酸残基の配列を有するプロテアーゼドメイン、例えば、配列番号35および42のいずれかに記載のアミノ酸残基の配列を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを含む。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば配列番号35および42のいずれかに記載のアミノ酸残基の配列またはそれらの触媒活性部分を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば置き換え
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D
を含む改変されたMTSP-1ポリペプチドを静脈内投与することによって、DGFを処置する方法が提供される。投薬は、あらゆる好適な用量およびあらゆる好適な投薬レジメンを含む。単回投薬量は、0.1mgから1mgを含む。処置は、1回でもよいし、または複数回、例えば2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、隔週または毎月繰り返してもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、増加した半減期または増加した生物学的利用率をもたらすために、例えばPEG化または多量体化によって改変されていてもよい。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを、例えば全身または眼に投与することによって、改変されたMTSP-1ポリペプチドの使用および/または眼科障害または眼障害を処置する方法が提供される。眼科障害としては、糖尿病性網膜症および黄斑変性症、例えばAMDが挙げられる。好適な投薬量は経験的に決定することができ、0.1から1mgの単回投薬量を含む。これらの適応症に使用するための改変されたMTSP-1ポリペプチドの例示は、本明細書に提供されるC3を切断するあらゆるものである。その例としては、配列番号35および42のいずれかに記載のアミノ酸残基の配列もしくはそれらの触媒活性部分を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば、これらに限定されないが、置き換え、または挿入および/または欠失:
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192DまたはQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/G151H/Q175L/Q192D
を含む改変されたMTSP-1ポリペプチド、または置き換え:
I41D/G151N/Q192TまたはI41D/C122S/G151N/Q192T
を含む改変されたMTSP-1ポリペプチドが挙げられる。ポリペプチドは、上述したように、例えば硝子体内注射または他の局所的な方法によって眼に投与することができる。処置は、1回でもよいし、または複数回、例えば2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、隔週または毎月繰り返してもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドとしては、配列番号35のポリペプチドもしくはその触媒活性部分、またはその全長形態もしくは触媒活性部分が挙げられる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、増加した半減期または増加した生物学的利用率をもたらすために、例えばPEG化または多量体化によって改変されていてもよい。
いずれの適用の場合でも、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、改変されたMTSP-1ポリペプチドの単鎖もしくは二本鎖の形態、またはインビボで活性化される酵素原の形態であり得る。プロテアーゼドメインは、単鎖として活性である。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、薬理学的特性を変更または改善するために、他の改変、例えばPEG化を含んでいてもよい。
図1は、古典、レクチン、および副補体経路、ならびに末端補体複合体、膜侵襲複合体(MAC)の活性化の概説を描写する。この図は、補体カスケードに関与する30個より多くのタンパク質の多く、カスケード内のそれらの作用、および適用可能であれば補体経路間におけるそれらの収束地点を描写する。例えば、3つの経路は、C3コンバターゼ生成に収束し、C3コンバターゼは、C3を切断して、MAC複合体の形成をもたらすC5コンバターゼを形成する。この図はまた、補体切断生成物の多くの生成も描写する。
概説
A.定義
B.MTSP-1構造および機能
1.セリンプロテアーゼ
2.構造
3.機能/活性
C.C3を標的化することによる補体の阻害
1.補体タンパク質C3および補体の開始におけるその役割
a.古典経路
b.副経路
c.レクチン経路
d.補体媒介エフェクター機能
i.補体媒介溶解:膜侵襲複合体
ii.炎症
iii.走化性
iv.オプソニン化
v.体液性免疫応答の活性化
2.C3の構造および機能
a.C3a
b.C3b
i.C3bの阻害剤
D.C3を切断する改変されたMTSP-1ポリペプチド
1.例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチド
2.追加の改変
a.減少した免疫原性
b.Fcドメイン
c.ポリマーへのコンジュゲーション
d.タンパク質形質導入ドメイン
E.補体媒介機能に対するMTSP-1活性を査定および/またはモニターするためのアッセイ
1.補体タンパク質C3を切断してそれを不活性化することに関するMTSP-1活性および特異性を査定するための方法
a.タンパク質の検出
i.SDS-PAGE分析
ii.酵素免疫検査法
iii.放射免疫拡散(RID)
b.溶血アッセイ
c.切断部位を決定するための方法
2.野生型MTSP-1活性を査定するための方法
a.MTSP-1基質の切断
b.MTSP-1基質結合アッセイ
c.C3切断アッセイ
3.特異性
4.疾患モデル
F.改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を生産する方法
1.MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸の単離または調製
2.突然変異体または改変された核酸およびコードするポリペプチドの生成
3.ベクターおよび細胞
4.発現
a.原核細胞
b.酵母細胞
c.昆虫および昆虫細胞
d.哺乳動物発現
e.植物
5.精製
6.追加の改変
a.PEG化
b.融合タンパク質
7.核酸分子
G.組成物、製剤および投薬
1.改変されたMTSP-1ポリペプチドの投与
2.改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸の投与(遺伝子治療)
H. 治療的使用および治療方法
1.補体活性化が媒介する疾患
a.リウマチ様関節炎
b.敗血症
c.多発性硬化症
d.アルツハイマー病
e.虚血再灌流傷害
f.眼の障害
加齢性黄斑変性症(AMD)
g.臓器移植および移植後臓器機能障害(DGF)
2.治療的使用
a.免疫媒介性炎症性疾患
b.神経変性疾患
c.心臓血管疾患
d.加齢性黄斑変性症(AMD)
e.臓器移植
移植後臓器機能障害
3.併用療法
I.実施例
A.定義
別段の指定がない限り、本明細書において使用される全ての専門用語や科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の開示の全体にわたり言及された全ての特許、特許出願、公開された出願および公報、GENBANK配列、ウェブサイトおよび他の公開された資料は、別段の既定がない限り、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の用語に関して複数の定義がある場合、このセクションの定義を優勢とする。URLまたは他のこのような識別子もしくはアドレスへの言及がなされている場合、このような識別子は変わる場合があり、インターネットに関する特定の情報は定まらない場合もあるが、等価な情報が公知であり、例えばインターネットおよび/または適切なデータベースを検索することによって容易にアクセスできることが理解される。それらに言及することは、このような情報の利用可能性と公共的な普及を明示するものである。
本明細書で使用される場合、切断は、プロテアーゼによるペプチド結合の破断を指す。プロテアーゼの切断部位モチーフは、切れやすい結合に対してNおよびC末端に残基を含む(それぞれプライミングされていない側とプライミングされている側であり、プロテアーゼの切断部位は・・・P3-P2-P1-P1’-P2’-P3’・・・と定義され、切断は、P1残基とP1’残基との間で起こる)。ヒトC3において、C3コンバターゼによる切断は、C3の残基Rと残基Sとの間で起こる(配列番号9の残基746~751、ヒトC3における配列の残基748と残基749との間での切断を参照):
P3 P2 P1 P1’ P2’ P3’
Leu Ala Arg↓Ser Asn Leu。
典型的には、生化学的経路における基質の切断は、活性化切断または阻害性切断である。活性化切断は、ポリペプチドを不活性形態から活性形態に切断することを指す。これは、例えば、酵素原を活性な酵素に切断することを含む。また活性化切断は、タンパク質がそれ自体活性を有する1つまたは複数のタンパク質に切断される切断でもある。例えば、補体系は、タンパク質分解切断事象の不可逆的なカスケードであり、それが終結すると、炎症を刺激し、抗原の貪食を促進し、一部の細胞を直接溶解させる複数のエフェクター分子の形成が生じる。したがって、C3コンバターゼによるC3からC3aおよびC3bへの切断は、活性化切断である。対照的に、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えばC3を不活性化する標的部位における切断による、C3の阻害性切断をもたらす。
本明細書で使用される場合、阻害性切断または不活性化切断は、機能的ではない1つまたは複数の分解生成物へのタンパク質の切断である。阻害性切断は、タンパク質活性の減少または低減をもたらす。典型的には、タンパク質活性の低減は、そのタンパク質が含まれる経路またはプロセスを低減する。一例において、いずれか1つまたは複数の補体タンパク質の切断が阻害性切断である場合、それに付随して、補体の機能的な古典、レクチンまたは副経路のいずれか1つまたは複数の低減または阻害が生じる。阻害性である場合、切断は、タンパク質のネイティブの形態と比較して、少なくとも、または少なくとも約1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%またはそれより多く活性を低減する。切断が阻害性になるのに必要なタンパク質の切断パーセントは、タンパク質間で様々であるが、タンパク質の活性をアッセイすることによって決定することができる。
本明細書で使用される場合、「補体活性化」は、補体経路の活性化を指し、例えば補体活性化は、プロテアーゼによる補体経路のいずれか1つまたは複数の機能または活性の増加、または補体経路におけるタンパク質のいずれかの活性の増加を指す。補体活性化は、補体媒介細胞溶解を生じさせることができるか、または細胞または組織破壊を生じさせることができる。宿主組織における不適切な補体活性化は、多くの自己免疫および炎症性疾患の病理において重要な役割を果たし、さらには生体非適合性に関連する多くの病態の原因でもあるか、またはそれに関連する。活性化は、既存の活性の増加に加えて新しい活性の誘導を意味する場合があることが理解される。補体活性化は、インビトロまたはインビボで起こり得る。補体の例示的な機能は、アッセイ可能であり、本明細書に記載され、このようなアッセイとしては、溶血アッセイや、例えばSDS PAGEとそれに続くウェスタンブロットもしくはクーマシーブリリアントブルー染色によって、またはELISAによる補体エフェクター分子のいずれか1つまたは複数を測定するアッセイが挙げられる。一部の実施態様において、補体活性化は、プロテアーゼ、例えば本明細書に記載されるプロテアーゼによって、プロテアーゼの非存在下における補体の活性と比較して、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または99%またはそれより多く阻害される。
本明細書で使用される場合、「補体活性化を阻害すること」または「補体不活性化」は、経路中のプロテアーゼまたはタンパク質のいずれかの活性による、補体経路のいずれか1つまたは複数の補体媒介機能または活性の低減または減少を指す。補体の機能または活性は、インビトロまたはインビボにおいて生じ得る。補体の例示的な機能は、アッセイ可能であり、本明細書に記載され、このようなアッセイとしては、溶血アッセイや、例えばSDS PAGEとそれに続くウェスタンブロットもしくはクーマシーブリリアントブルー染色によって、またはELISAによる補体エフェクター分子のいずれか1つまたは複数を測定するアッセイが挙げられる。プロテアーゼは、補体活性化を、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより多く阻害することができる。他の実施態様において、補体活性化は、プロテアーゼによって、プロテアーゼの非存在下における補体の活性と比較して、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または99%またはそれより多く阻害される。
本明細書で使用される場合、「補体タンパク質」または「補体成分」は、感染に対する宿主の防御および炎症過程において機能する補体系のタンパク質である。補体タンパク質は、古典経路で機能するもの、副経路で機能するもの、およびレクチン経路で機能するものを含む。補体タンパク質のなかでも、補体経路に関与するプロテアーゼが挙げられる。加えて、本明細書で使用される場合、補体タンパク質は、補体カスケードの活性化のときに形成される「切断生成物」(「フラグメント」とも称される)のいずれかを含む。また補体タンパク質のなかでも、補体タンパク質の不活性な形態または変更された形態、例えばiC3bおよびC3a-desArgも挙げられる。したがって、補体タンパク質としては、これらに限定されないが、C1q、C1r、C1s、C2、C3、C3a、C3b、C3c、C3dg、C3g、C3d、C3f、iC3、C3a-desArg、C4、C4a、C4b、iC4、C4a-desArg、C5、C5a、C5a-des-Arg、C6、C7、C8、C9、MASP-1、MASP-2、MBL、B因子、D因子、H因子、I因子、CR1、CR2、CR3、CR4、プロパージン、C1Inh、C4bp、MCP、DAF、CD59(MIRL)、クラスタリンおよびHRF、ならびにあらゆる補体タンパク質の対立遺伝子変異体および種変異体が挙げられる。
本明細書で使用される場合、補体タンパク質の「ネイティブの」形態は、補体活性化の非存在下で脊椎動物などの生物から単離することができ、実験室でヒトにより意図的に改変されていないものである。ネイティブの補体タンパク質の例としては、C1q、C1r、C1s、C2、C3、C4、B因子、D因子、プロパージン、C5、C6、C7、C6、およびC9が挙げられる。
一般的に、「ネイティブの補体タンパク質」は、不活性であり、活性化されると活性を獲得する。活性化は、活性化切断、成熟切断および/または他のタンパク質との複合体形成を必要とする場合がある。この例外は、I因子およびD因子であり、これらは、それらのネイティブの形態で酵素活性を有する。一部の例において、ネイティブの補体タンパク質の活性化は、タンパク質の切断後に起こる。例えば、C3などの補体酵素原は、C3コンバターゼであるC4b2bによるC3の切断により活性なフラグメントであるC3aおよびC3bが生成されるように、プロテアーゼ切断によってそれ自体が活性化されるプロテアーゼである。別の例において、不活性なネイティブの補体タンパク質の切断は、タンパク質の活性化をもたらすタンパク質の構造的な安定性における変化を引き起こす。例えば、C3は、内部チオエステル結合を含有し、これは、ネイティブのタンパク質では安定であるが、タンパク質の切断に起因するコンフォメーション変化後に高度に反応性になり活性化される。したがって、C3の切断生成物は、生物学的に活性である。またC3の活性化は、切断の非存在下で自発的に起こる場合もある。ネイティブのC3におけるチオエステル結合の自発的な変換は、補体の副経路の開始事象である。他の例において、ネイティブの補体タンパク質の活性化は、他の状況で活性なネイティブの補体タンパク質の活性を阻害する複合体化した調節分子の放出後に起こる。例えば、C1inhは、C1sおよびC1rがC1qと複合体化していない限り、C1sおよびC1rに結合して、それらを不活性化する。
本明細書で使用される場合、「成熟切断」は、酵素原の活性化に必要なあらゆる切断を指す一般用語である。これは、活性をもたらすコンフォメーション変化を引き起こす切断(すなわち、活性化切断)を含む。これはまた、重要な結合部位を露出させるか、または立体障害を露出させるか、または阻害性セグメントを除去もしくは移動させる切断も含む。
本明細書で使用される場合、補体タンパク質の「変更された形態」は、その分子構造における改変の結果生じる非ネイティブの形態で存在する補体タンパク質を指す。例えば、コンバターゼ切断の非存在下で、水とのチオエステルのC3反応が起こり、iC3と呼ばれるC3の加水分解された不活性形態を生じる場合がある。別の例において、C3a、C5a、およびC4aなどのアナフィラトキシンは、カルボキシペプチダーゼNによって、より安定な、より低い活性の形態に脱アルギニン化することができる。
本明細書で使用される場合、補体タンパク質の「フラグメント」または「切断生成物」は、ネイティブの補体タンパク質のポリペプチド配列の一部を含有する補体タンパク質の領域またはセグメントである。補体タンパク質のフラグメントは通常、補体カスケードの活性化後に生じる。一般的に、フラグメントは、ネイティブの補体タンパク質のタンパク質分解切断によって生じる。例えば、補体タンパク質C3がC3コンバターゼによって酵素的に切断されると、2つのフラグメント:C3のN末端部分を構成するC3a;およびC末端部分を構成し、セリンプロテアーゼ部位を含有するC3bが生じる。また補体タンパク質のフラグメントは、補体タンパク質の別のフラグメントのタンパク質分解切断によっても生じる。例えば、C3bは、C3の切断から生成したフラグメントであり、これは、I因子によって切断されて、フラグメントiC3bおよびC3fを生成する。一般的に、補体タンパク質の切断生成物は、生物学的に活性な生成物であり、補体系の切断エフェクター分子として機能する。したがって補体タンパク質のフラグメントまたは一部は、補体タンパク質の切断生成物を含み、補体タンパク質の少なくとも1つの活性を保持するかまたはそれを呈示するタンパク質の一部も含む。
本明細書で使用される場合、「切断エフェクター分子」または「切断エフェクタータンパク質」は、補体系の始動した酵素カスケードの結果として生成した活性な切断生成物を指す。補体活性化の結果生じる切断エフェクター分子、フラグメントまたは切断生成物は、オプソニン化、アナフィラキシー、細胞溶解および炎症を含む補体媒介機能または活性の1つまたは複数のいずれかに寄与する可能性がある。切断またはエフェクター分子の例としては、これらに限定されないが、C3a、C3b、C4a、C4b、C5a、C5b-9、およびBbが挙げられる。補体系の切断エフェクター分子は、カスケードに参加することによって、炎症を刺激すること、抗原の貪食を容易にすること、および一部の細胞を直接溶解させることなどの活性を呈示する。補体切断生成物は、補体経路の活性化を促進するか、またはそれに関与する。
本明細書で使用される場合、「アナフィラトキシン」は、特定には寄生虫に対する防御の一環としての炎症性応答に関与する、肥満細胞または好塩基球の脱顆粒、または肥満細胞または好塩基球からの物質の放出を開始させる切断エフェクタータンパク質である。脱顆粒が強すぎる場合、アナフィラトキシンは、アレルギー反応を引き起こす可能性がある。アナフィラトキシンとしては、例えば、C3a、C4aおよびC5aが挙げられる。またアナフィラトキシンは、平滑筋細胞の痙攣(例えば気管支痙攣)、毛細血管の透過性の増加、および走化性も媒介する。
本明細書で使用される場合、「走化性」は、白血球が、化学誘引物質に向かって、典型的にはそれらの増加する濃度の方向に、例えばアナフィラトキシンの増加する濃度の方向に、受容体の媒介により移動することを指す。
本明細書で使用される場合、「オプソニン化」は、食細胞によって摂取できるように、病原体または他の粒子の表面を変更することを指す。病原体表面に結合したりまたはそれを変更したりするタンパク質は、オプソニンと呼ばれる。抗体および補体タンパク質は、好中球およびマクロファージなどの食細胞による取り込みと破壊のために、細胞外の細菌をオプソニン化する。
本明細書で使用される場合、「細胞溶解」は、細胞壁または膜の破壊によって細胞を壊して開けることを指す。赤血球の溶血は、細胞溶解の尺度である。
本明細書で使用される場合、「補体タンパク質C3」または「C3」は、感染に対する宿主の防御や炎症過程において機能する補体系の補体タンパク質C3を指す。ヒト補体タンパク質C3は、22アミノ酸のシグナルペプチド(配列番号9のアミノ酸1~22)およびテトラアルギニン配列(配列番号9のアミノ酸668~671)を含有する、配列番号9に記載の1663アミノ酸の単鎖プレプロタンパク質または酵素原であり、テトラアルギニン配列がフューリン様酵素によって除去されると、結果として、残基C559とC816との間でジスルフィド結合により連結されたベータ鎖(配列番号9のアミノ酸23~667)およびアルファ鎖(配列番号9のアミノ酸672~1663)を含有する二本鎖の成熟タンパク質が生じる。補体タンパク質C3はさらに、配列番号9のアミノ酸748と749との間のC3コンバターゼ(C4b2bまたはC3bBb)によるタンパク質分解切断によって活性化され、アナフィラトキシンC3aおよびオプソニンC3bが生成する。
本明細書で使用される場合、「酵素原」は、成熟切断、例えば活性化切断などのタンパク質分解切断、および/または他のタンパク質および/または補因子との複合体形成によって活性化されるタンパク質を指す。酵素原は、タンパク質の不活性な前駆体である。このような前駆体は、一般的に、活性形態より大きいが、必ずしもそれより大きくなくてもよい。MTSP-1または補体タンパク質C3を参照すれば、酵素原は、触媒および自己触媒による切断などの特異的な切断によって、または活性な酵素を生成する活性化補因子の結合によって、活性な酵素に変換される。したがって酵素原は、活性化因子の作用によってタンパク質分解酵素に変換される酵素的に不活性なタンパク質である。切断は、自己触媒的に実行することができる。多数の補体タンパク質が酵素原であり、それらは不活性であるが、感染後に補体系が始動すると、切断され活性化された状態になる。酵素原は、一般的に不活性であり、酵素原からプロ領域を触媒または自己触媒により切断することによって成熟活性ポリペプチドに変換することができる。
本明細書で使用される場合、「プロ領域」、「プロペプチド」、または「プロ配列」は、切断されて成熟タンパク質を産生するタンパク質の領域またはセグメントを指す。これは、触媒機構をマスキングすることにより触媒性の中間体の形成を防止することによって(すなわち、基質結合部位を空間配置的にふさぐことによって)酵素活性を抑制するように機能するセグメントを含み得る。プロ領域は、生物学的に活性な成熟ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸の配列であり、わずか数個のアミノ酸であってもよいし、またはマルチドメイン構造であってもよい。
本明細書で使用される場合、「活性化配列」は、活性なプロテアーゼを形成するための活性化切断または成熟切断に必要な部位である酵素原中のアミノ酸の配列を指す。活性化配列の切断は、自己触媒的にまたはパートナーを活性化することによって触媒することができる。
活性化切断は、活性に必要なコンフォメーション変化が起こる成熟切断の一つのタイプである。これは、例えばセリンプロテアーゼのための古典的な活性化経路であり、それにおいて、切断により新しいN末端が生成し、これが触媒機構の保存された領域、例えば触媒残基と相互作用して、活性に必要なコンフォメーション変化を誘導する。活性化は、プロテアーゼのマルチ鎖の形態プロテアーゼの産生をもたらすことができる。一部の場合において、プロテアーゼの単鎖の形態は、タンパク質分解活性を呈示し得る。
本明細書で使用される場合、「ドメイン」は、分子の他の部分と構造的および/または機能的に異なっており同定可能である、分子、例えばタンパク質またはコードする核酸の部分を指す。例示的なポリペプチドドメインは、1つまたは複数の構造的なモチーフで構成されたポリペプチド内で独立してフォールディングされた構造(例えば、ループ領域で接続されたアルファヘリックスおよび/またはベータ鎖の組合せ)を形成することができるポリペプチドの部分、および/または特定の機能的な活性、例えば酵素活性、二量体化または基質結合によって認識されるポリペプチドの部分である。ポリペプチドは、1つまたは複数の、典型的には1つより多くの別個のドメインを有していてもよい。例えば、ポリペプチドは、1つまたは複数の構造ドメインおよび1つまたは複数の機能性ドメインを有していてもよい。単一のポリペプチドドメインは、構造および機能に基づき区別することができる。ドメインは、アミノ酸の連続する直鎖状配列を包含していてもよい。代替として、ドメインは、ポリペプチドのアミノ酸の直鎖状配列に沿って連続していない、複数の連続しないアミノ酸部分を包含していてもよい。典型的には、ポリペプチドは、複数のドメインを含有する。例えば、セリンプロテアーゼは、プロテアーゼドメインの配列に基づき特徴付けることができる。当業者は、ポリペプチドドメインに精通しており、他のこのようなドメインとの構造的および/または機能的な相同性によってそれらを同定することができる。定義は、本明細書における例証のために提供されるが、名称によって特定のドメインを認識することは、十分に当業界の能力の範囲内であることが理解される。必要であれば、ドメインを同定するために適切なソフトウェアを採用することができる。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドの「構造的な領域」は、少なくとも1つの構造ドメインを含有するポリペプチドの領域である。
本明細書で使用される場合、「プロテアーゼドメイン」は、プロテアーゼの触媒活性部分である。プロテアーゼのプロテアーゼドメインへの言及は、これらのタンパク質のいずれかの単鎖、二本鎖およびマルチ鎖の形態を含む。タンパク質のプロテアーゼドメインは、そのタンパク質分解活性に必要な、そのタンパク質の必須特性の全て、例えばその触媒中心などを含有する。
本明細書で使用される場合、プロテアーゼ、例えばMTSP-1ポリペプチドの「触媒活性部分」または「触媒活性ドメイン」は、プロテアーゼドメイン、またはプロテアーゼ活性を保持するそのあらゆるフラグメントまたは部分を指す。例えば、MTSP-1ポリペプチドの触媒活性部分は、MTSP-1プロテアーゼドメイン、例えばプロテアーゼドメインの単離された単鎖の形態または活性化された二本鎖の形態などであってもよい。各タンパク質の酵素原の形態は、単鎖の形態であり、これは、切断によって活性な二本鎖の形態に変換することができる。またプロテアーゼドメインは、二本鎖の形態にも変換することができる。重要なことに、少なくともインビトロにおいて、プロテアーゼおよび触媒ドメインまたはそれらのタンパク質分解によって活性な部分(典型的にはC末端短縮化)の単鎖の形態は、プロテアーゼ活性を呈示する。
本明細書で使用される場合、「プロテアーゼドメインまたはプロテアーゼの触媒活性部分をコードする核酸」は、列挙された単鎖プロテアーゼドメインまたはその活性な部分のみをコードし、プロテアーゼの他の連続する部分を連続的な配列としてコードしない核酸を指す。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドがプロテアーゼドメインから本質的になるという記述は、ポリペプチドの一部のみがプロテアーゼドメインまたはその触媒活性部分であることを意味する。ポリペプチドは、追加のプロテアーゼ由来ではないアミノ酸配列を含んでいてもよく、一般的にはそのようなアミノ酸配列を含む。
本明細書で使用される場合、「プロテアーゼの活性部位」は、基質の触媒作用が起こる基質結合部位を指す。活性部位の構造および化学特性は、基質の認識と結合を可能にし、それに続いて基質中の切れやすい結合の加水分解と切断を可能にする。プロテアーゼの活性部位は、ペプチド切断の触媒メカニズムに寄与するアミノ酸、加えて基質配列認識に寄与するアミノ酸、例えば伸長した基質の結合特異性に寄与するアミノ酸を含有する。
本明細書で使用される場合、C3中の標的部位は、切断されたときにC3を不活性化する部位を指す。
このような部位の例示は、以下の通りである:
Q H A R ↓A S H L (配列番号9の残基737~744)
P4P3P2P1↓P1’ P4’。
本明細書で使用される場合、「基質認識部位」または「切断配列」は、プロテアーゼによって切断される、プロテアーゼの活性部位によって認識される配列を指す。典型的には、セリンプロテアーゼの場合の切断配列は、多くのプロテアーゼの伸長した基質の特異性に一致する6残基の長さであるが、プロテアーゼに応じてそれより長くてもよいし、またはそれより短くてもよい。典型的には、例えばセリンプロテアーゼの場合、切断配列は、基質中、P1-P4およびP1’-P4’アミノ酸で構成され、この場合、切断はP1位置の後で起こる。典型的には、セリンプロテアーゼの場合の切断配列は、多くのプロテアーゼの伸長した基質の特異性に一致する6残基の長さであるが、プロテアーゼに応じてそれより長くてもよいし、またはそれより短くてもよい。
本明細書で使用される場合、「標的基質」は、プロテアーゼによって切断される基質を指す。典型的には、標的基質は、その基質認識部位でプロテアーゼによって特異的に切断される。最低限でも、標的基質は、切断配列を構成するアミノ酸を含む。標的基質は、切断配列および他のあらゆるアミノ酸を含有するペプチドを含んでいてもよい。プロテアーゼによって認識される切断配列を含有する、全長タンパク質、対立遺伝子変異体、アイソフォーム、またはそれらのあらゆる部分が、そのプロテアーゼにとって標的基質である。例えば、補体不活性化が意図される本明細書における目的に関して、標的基質は、MTSP-1ポリペプチドによって認識される切断配列を含有する補体タンパク質C3、またはそのあらゆる部分またはフラグメントである。このような標的基質は、精製されたタンパク質であってもよいし、または混合物中に存在していてもよく、例えば、インビトロで混合物中に、もしくはインビボで混合物中に存在していてもよい。混合物としては、例えば、血液もしくは血清もしくは母乳、または他の組織液を挙げることができる。加えて、標的基質としては、プロテアーゼによる基質の切断に影響を与えない追加の部分を含有するペプチドまたはタンパク質が挙げられる。例えば、標的基質としては、蛍光発生部分に化学的に連結された、4つのアミノ酸のペプチドまたは全長タンパク質を挙げることができる。プロテアーゼは、標的基質に対してより大きい基質特異性を呈示するように改変してもよい。
本明細書で使用される場合、「MTSP-1」または「MTSP1」または「膜型セリンプロテアーゼ」、「MTSP-1ポリペプチド」は、これらに限定されないが、組換え生産されたポリペプチド、合成的に生産されたポリペプチド、ならびにこれらに限定されないが上皮細胞、がん細胞、肝臓および血液などの細胞または組織から抽出または単離したMTSP-1ポリペプチドなどのあらゆるMTSP-1ポリペプチドを指す。MTSP-1と同義的に使用される代替の名称としては、膜型セリンプロテアーゼ、およびマトリプターゼ、およびエピチン(Epithin)、およびTMPRSS1、および腫瘍原性タンパク質の抑制因子14、およびプロスタミン(Prostamin)、およびセリンプロテアーゼ14(ST14)およびセリンプロテアーゼTADG-15、および腫瘍関連の差次的に発現される遺伝子15(Tumor-associated differentially-expressed gene 15:TADG-15)タンパク質が挙げられる。MTSP-1としては、これらに限定されないが、ヒト起源および非ヒト起源の動物などの異なる種由来の関連のポリペプチドが挙げられる。ヒトMTSP-1としては、ヒト組織および細胞から単離した核酸、タンパク質由来の、MTSP-1、対立遺伝子変異体、アイソフォーム、合成分子、およびそれらの改変された形態が挙げられる。
例示的な未改変のヒトMTSP-1ポリペプチドとしては、これらに限定されないが、未改変および野生型MTSP-1ポリペプチド(配列番号1)およびプロテアーゼドメイン(例えば配列番号2に記載のMTSP-1の単鎖プロテアーゼドメイン)が挙げられる。当業者は、全長野生型MTSP-1ポリペプチド(配列番号1)の参照された位置は、MTSP-1プロテアーゼドメイン(配列番号2)と比較した場合、614個のアミノ酸残基が異なることを認識するであろう。したがって、配列番号2の第1のアミノ酸残基は、配列番号1の615番目(615th)のアミノ酸残基「に対応する」。別の実施態様において、MTSP-1ポリペプチドは、配列番号99に記載のMTSP-1の対立遺伝子変異体のいずれか1つまたは複数であってもよい。
MTSP-1プロテアーゼは、単鎖酵素原として、さらに活性化された二本鎖ポリペプチドとして存在する。MTSP-1への言及は、その活性な単鎖および二本鎖形態を含む。本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドはさらに、例えば化学的改変または翻訳後改変によって改変することができる。このような改変としては、これらに限定されないが、グリコシル化、PEG化、アルブミン化(albumination)、ファルネシル化、カルボキシル化、水酸化、リン酸化、HES化(HESylation)、PAS化(PASylation)、および当業界において公知の他のポリペプチド改変が挙げられる。
MTSP-1は、ヒトおよび非ヒトの種を含むあらゆる種由来のMTSP-1を含む。非ヒト起源のMTSP-1ポリペプチドとしては、これらに限定されないが、マウスおよびラットのMTSP-1ポリペプチドが挙げられる。非ヒト起源の例示的なMTSP-1ポリペプチドとしては、例えば、マウス(ハツカネズミ(Mus musculus)、配列番号12)およびラット(ドブネズミ(Rattus norvegicus)、配列番号13)が挙げられる。
MTSP-1ポリペプチドへの言及はまた、単鎖または二本鎖の形態の前駆体ポリペプチドおよび成熟MTSP-1ポリペプチド、それらの活性を有する短縮化された形態、単離されたプロテアーゼドメインも含み、さらに、全長形態(配列番号1または3)またはそれらのプロテアーゼドメイン(配列番号2または4)に対して、少なくとも、または少なくとも約40%、45%、50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を有するポリペプチドを含む、対立遺伝子変異体および種変異体、スプライス変異体、および他の変異体によってコードされた変異体も含む。MTSP-1ポリペプチドとしては、これらに限定されないが、組織特異的アイソフォームおよびそれらの対立遺伝子変異体、核酸の翻訳によって調製された合成分子、より短いポリペプチドのライゲーションを含む合成などの化学合成によって生成したタンパク質、組換え方法を介して生成したタンパク質、ヒトおよび非ヒトの組織および細胞から単離されたタンパク質、キメラMTSP-1ポリペプチドならびにそれらの改変された形態が挙げられる。MTSP-1ポリペプチドとしてはまた、全長成熟ポリペプチドの少なくとも1つの活性(必要に応じて活性化されたとき)を保持するのに十分な長さを有するかまたは適切な領域を含むMTSP-1のフラグメントまたは部分も挙げられる。一例において、MTSP-1の部分は、プロテアーゼドメインであり、例えば、配列番号1に記載のWT MTSP-1配列のアミノ酸615~855に対応する配列番号2に記載のプロテアーゼドメインなどである。MTSP-1ポリペプチドとしてはまた、化学的または翻訳後改変を含有するもの、および化学的または翻訳後改変を含有しないものも挙げられる。このような改変としては、これらに限定されないが、PEG化、アルブミン化、グリコシル化、ファルネシル化、カルボキシル化、水酸化、リン酸化、HES化、PAS化、および当業界において公知の他のポリペプチド改変が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「MTSP-1プロテアーゼ」または「MTSP-1プロテアーゼドメイン」は、これらに限定されないが、組換え生産されたポリペプチド、合成的に生産されたポリペプチド、ならびにこれらに限定されないが肝臓および血液などの細胞または組織から抽出または単離されたMTSP-1ポリペプチドなどのあらゆるMTSP-1ポリペプチドを指す。MTSP-1プロテアーゼとしては、これらに限定されないが、ヒトおよび非ヒト起源の動物などの異なる種由来の関連ポリペプチドが挙げられる。ヒトMTSP-1プロテアーゼまたはMTSP-1プロテアーゼドメインとしては、MTSP-1、対立遺伝子変異体、アイソフォーム、核酸からの合成分子、ヒトの組織および細胞から単離されたタンパク質、およびそれらの改変された形態が挙げられる。例示的な参照ヒトMTSP-1プロテアーゼドメインとしては、これらに限定されないが、未改変および野生型MTSP-1プロテアーゼドメイン(配列番号2)および代替のプロテアーゼドメイン(例えば配列番号4に記載のMTSP-1プロテアーゼドメイン)が挙げられる。当業者は、MTSP-1プロテアーゼドメイン(配列番号2)の参照された位置は、全長WT配列を含有するMTSP-1ポリペプチドである全長MTSP-1ポリペプチド(配列番号1)と比較した場合、614個のアミノ酸残基が異なっていることを認識するであろう。したがって、配列番号2の第1のアミノ酸残基は、配列番号1の615番目(615th)のアミノ酸残基「に対応する」。
本明細書で使用される場合、「改変」は、ポリペプチドのアミノ酸の配列または核酸分子におけるヌクレオチドの配列の改変に関連し、それぞれアミノ酸またはヌクレオチドの欠失、挿入、および置き換えを含む。改変されたMT-SP1ポリペプチドは、ポリペプチドの一次配列に変更を含有するMT-SP1ポリペプチドを指す。ポリペプチドを改変する方法は、当業者にとって慣例的であり、例えば組換えDNA手法を使用することによってなされる。他の改変、例えば翻訳後改変、ならびに部分、例えばポリマー、例えばPEG部分、および検出または単離のためのタグへのコンジュゲーションへの言及は、その通りの意味で明記される。
本明細書で使用される場合、「置換」または「置き換え」は、ネイティブ、標的、野生型または他の核酸またはポリペプチド配列中の1つまたは複数のヌクレオチドまたはアミノ酸を、分子の長さ(残基数で記載される場合)を変化させずに、代替のヌクレオチドまたはアミノ酸で置き換えることを指す。したがって、分子中での1つまたは複数の置換は、その分子のアミノ酸残基またはヌクレオチドの数を変化させない。特定のポリペプチドと比較したアミノ酸の置き換えは、ポリペプチド配列の長さに沿ったアミノ酸残基の数を単位として表すことができる。例えば、アミノ酸配列の35番目の位置におけるアミノ酸の改変がアルギニン(Arg;R)のグルタミン(Gln;Q)での置換/置き換えである改変されたポリペプチドは、R35Q、Arg35Gln、または35Qとして表すことができる。単にR35は、改変された35番目の位置におけるアミノ酸がアルギニンであることを示す図であるのに使用することができる。
本明細書で使用される場合、「改変されたMTSP-1」または「改変されたMTSP-1ポリペプチド」は、未改変の形態と比較して、変更された活性、例えば変更された基質特異性を呈示するMTSP-1プロテアーゼを指す。このようなプロテアーゼは、補体タンパク質C3を切断することに関するMTSP-1プロテアーゼの活性、例えば基質特異性または選択性が変更されるように、野生型MTSP-1と比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれより多くの改変(すなわち、アミノ酸の変化)を含む。改変されたMTSP-1は、全長MTSP-1プロテアーゼであってもよいし、または改変されたMTSP-1プロテアーゼが、プロテアーゼの活性または基質特異性を変更する領域中に改変を含有し、プロテアーゼがタンパク質分解活性を有する限り、それらの全長プロテアーゼの一部、例えばMTSP-1のプロテアーゼドメインであってもよい。また改変されたMTSP-1プロテアーゼ、または改変されたMTSP-1プロテアーゼドメインは、プロテアーゼの基質特異性に影響を与えない領域中に他の改変を含んでいてもよい。したがって、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、典型的には、野生型MTSP-1ポリペプチドの対応するアミノ酸の配列に対して、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を有する。改変された全長MTSP-1ポリペプチドまたはその改変されたMTSP-1ポリペプチドの触媒活性部分またはそのプロテアーゼドメインは、融合タンパク質が標的特異性を有する限り、融合タンパク質であるポリペプチドを含んでいてもよい。
本明細書で使用される場合、キモトリプシンの番号付けは、配列番号14の残基19-263に対応する成熟キモトリプシンポリペプチドのアミノ酸の番号付けを指す。別のプロテアーゼのプロテアーゼドメイン、例えばMTSP-1のプロテアーゼドメインなどと、キモトリプシンとのアライメントを作製することができる。このような例において、キモトリプシンのアミノ酸に対応するMTSP-1のアミノ酸に、キモトリプシンのアミノ酸の番号付けが付与される。対応する位置は、手作業でのアライメントを使用して、または利用可能な多数のアライメントプログラム(例えば、BLASTP)を使用することによって、このような当業者によるアライメントによって決定することができる。対応する位置はまた、例えばタンパク質構造のコンピューターでシミュレートしたアライメントを使用することによる構造的なアライメントに基づいていてもよい。ポリペプチドのアミノ酸が、開示された配列におけるアミノ酸に対応するという記述は、標準的なアライメントアルゴリズム、例えばGAPアルゴリズムを使用して、同一性または相同性が最大化されるように(この場合、保存されたアミノ酸がアライメントされる)、ポリペプチドを開示された配列とアライメントすることで同定されたアミノ酸を指す。表1に、配列番号1に記載のMTSP-1ポリペプチドのアミノ酸615~855位の対応するキモトリプシンの番号を提供する。配列番号1に記載の配列に対するアミノ酸位置は、通常のフォントで示され、そのような位置におけるアミノ酸残基は、太字で示され、対応するキモトリプシンの番号は、イタリックで示される。例えば、MTSP-1のセリンプロテアーゼドメイン(配列番号2)を成熟キモトリプシンとアライメントすると、MTSP-1プロテアーゼドメインにおける1位のVは、キモトリプシン番号V16が付与される。それに従って、続くアミノ酸が番号付けられる。一例において、全長MTSP-1(配列番号1)のアミノ酸708位またはMTSP-1のプロテアーゼドメイン(配列番号2)の94位におけるFは、キモトリプシンの番号付けに基づきF99に対応する。残基がプロテアーゼ中に存在するが、キモトリプシン中には存在しない場合、そのアミノ酸残基には、記号による注釈が付与される。例えば、キモトリプシンの番号付けに基づきアミノ酸60を有するループの一部であるが、キモトリプシンと比較してMTSP-1配列中に挿入されているキモトリプシン中の残基は、例えばD60bまたはR60cと称される。これらの残基は、配列番号1に記載の成熟MTSP-1配列(ヒト)に対する番号付けにより、それぞれD661およびR662に対応する。
表1. MTSP-1のキモトリプシンの番号付け
Figure 0007091373000001
Figure 0007091373000002



Figure 0007091373000003


本明細書で使用される場合、kcatは、酵素の触媒活性の尺度であり、kcatの単位は、秒-1である。kcatの逆数は、酵素分子が1つの基質分子に「ターンオーバー」されるのに必要な時間であり、kcatは、1秒当たり酵素分子1個当たりのターンオーバーされた基質分子の数の単位である。またkcatは、ターンオーバー数とも呼ばれる。
本明細書で使用される場合、標的基質の特異性は、非標的基質と称される別の基質と比較したプロテアーゼによる標的基質の切断の優先性を指す。特異性は、特異性定数(kcat/K)に反映され、これは、プロテアーゼのその基質に対する親和性および酵素の効率の尺度である。kcat/Kは、酵素効率の尺度であり、kcatの大きい値(迅速なターンオーバー)またはKの小さい値(基質に対して高親和性)がkcat/Kmlargeになる。
本明細書で使用される場合、切断の特異性定数は、(kcat/K)であり、式中Kは、ミカエリス-メンテン(Michaelis-Menton)定数(Vmaxの半分における[S])であり、kcatは、Vmax/[E]であり、ここでEは、最終的な酵素濃度である。パラメーターkcat、Kおよびkcat/Kは、基質濃度の逆数を基質切断の速度の逆数に対してグラフ化し、ラインウィーバー-バークの式(1/速度=(K/Vmax)(1/[S])+1/Vmax;式中Vmax=[E]kcat)に当てはめることによって計算することができる。様々な基質濃度の存在下で経時的な切断の増加速度を決定するためのあらゆる方法を使用して、特異性定数を計算することができる。例えば、基質を、プロテアーゼによって切断されると放出される蛍光発生部分に連結させる。異なる酵素濃度での切断速度を決定することによって、特定のプロテアーゼのkcatを決定することができる。特異性定数は、ある標的基質の別の基質に対するプロテアーゼの優先性を決定するのに使用することができる。
本明細書で使用される場合、基質特異性は、ある標的基質の別のものと比べたプロテアーゼの優先性を指す。基質特異性は、特異性定数の比率として測定することができる。
本明細書で使用される場合、基質特異性の比率は、特異性定数の比率であり、2つまたはそれより多くのプロテアーゼの特異性、またはさらに2つの基質のプロテアーゼの特異性を比較するのに使用することができる。例えば、kcat/Kを比較することによって、競合する基質に対するプロテアーゼの基質特異性、または競合するプロテアーゼの基質に対する基質特異性を比較することができる。例えば、標的基質について2×10-1-1および非標的基質について2×10-1-1の特異性定数を有するプロテアーゼは、標的基質により特異的である。上記からの特異性定数を使用して、プロテアーゼは、標的基質について100の基質特異性の比率を有する。
本明細書で使用される場合、標的基質についての優先性または基質特異性は、基質特異性の比率として表すことができる。優先性を反映する比率の特定の値は、問題の基質およびプロテアーゼと相関する。1より大きい基質特異性の比率は、標的基質への優先性を意味し、1未満の基質特異性は、非標的基質への優先性を意味する。一般的に、少なくともまたは約1の比率は、プロテアーゼを候補治療薬とみなすのに十分な相違を反映する。
本明細書で使用される場合、変更された特異性は、出発の野生型プロテアーゼと比較した改変されたプロテアーゼの基質特異性における変化を指す。一般的に、特異性における変化は、プロテアーゼの野生型基質(本明細書では非標的基質と称される)と比較した標的基質についての改変されたプロテアーゼの優先性における変化の反映である。典型的には、本明細書に提供される改変されたMTSP-1プロテアーゼは、野生型MTSP-1プロテアーゼの基質特異性と比較して、補体タンパク質C3について増加した基質特異性を呈示する。例えば、標的基質について非標的基質に対して100の基質特異性の比率を有する改変されたプロテアーゼは、10の基質特異性の比率を有する足場プロテアーゼと比較して10倍の増加した特異性を呈示する。別の例において、1の基質特異性の比率を有する改変されたプロテアーゼは、0.1の比率と比較して、10倍の基質特異性の増加を呈示する。足場プロテアーゼと比較して増加した特異性を呈示するために、改変されたプロテアーゼは、補体タンパク質のいずれか1つまたはそれより多くについて、1.5倍、2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍またはそれより大きい基質特異性を有する。
本明細書で使用される場合、「選択性」は、競合する基質の混合物のなかから1つの標的基質を選択して切断するプロテアーゼの能力を指す場合、特異性と同義的に使用することができる。他のいずれかの1つまたは複数の標的基質と比較した標的基質についてのプロテアーゼの増加した選択性は、例えば、プロテアーゼによる標的基質切断の特異性定数を比較することによって決定することができる。例えば、プロテアーゼが、標的基質について2×10-1-1の切断の特異性定数を有し、他のいずれか1つまたはそれより多くの基質について2×10-1-1を有する場合、プロテアーゼは、標的基質により選択的である。
本明細書で使用される場合、プロテアーゼなどのポリペプチドの「活性」または「機能的な活性」は、ポリペプチドによって呈示されるあらゆる活性を指す。このような活性は経験的に決定することができる。例示的な活性としては、これらに限定されないが、例えば基質結合、DNA結合、または二量体化を介して生体分子と相互作用する能力、酵素活性、例えば、キナーゼ活性またはタンパク質分解活性が挙げられる。プロテアーゼ(プロテアーゼフラグメントを含む)の場合、活性としては、これらに限定されないが、特定の基質と特異的に結合する能力、基質結合の親和性および/または特異性(例えば、高いまたは低い親和性および/または特異性)、エフェクター機能、例えば基質(例えば、タンパク質、すなわちC3)の阻害、中和、切断またはクリアランスを促進する能力、ならびにインビボにおける活性、例えばタンパク質の切断またはクリアランスを促進する能力が挙げられる。活性は、インビトロまたはインビボにおいて、認められたアッセイ、例えばELISA、フローサイトメトリー、表面プラズモン共鳴、または結合速度(on-rate)もしくは解離速度(off-rate)を測定するための等価なアッセイ、免疫組織化学および免疫蛍光による組織学および顕微鏡法、細胞ベースのアッセイ、ならびに結合アッセイを使用して評価することができる。例えば、プロテアーゼ、例えば、改変されたMTSP-1プロテアーゼの場合、活性は、基質タンパク質の切断、ターンオーバー、残留した活性、安定性ならびに/またはインビトロおよび/もしくはインビボにおけるレベルを測定することによって評価することができる。ポリペプチドが活性を呈示することを示すインビトロにおけるアッセイの結果は、インビボにおけるポリペプチドの活性と相関する可能性があり、この場合、インビボにおける活性は、治療活性、または生物活性と称することができる。改変されたポリペプチドの活性は、未改変ポリペプチドの活性のあらゆるレベルのパーセンテージであってもよく、これらに限定されないが、未改変ポリペプチドと比較して、1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、200%、300%、400%、500%の活性、もしくはそれより多くの活性、または約1%、2%、3%、4%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、200%、300%、400%、500%、もしくはそれより多くの活性などのパーセンテージであってもよい。改変された(または変異)プロテアーゼの官能性または活性を決定するためのアッセイは、当業界において周知である。
機能的な活性としては、これらに限定されないが、生物活性、触媒または酵素活性、抗原性(抗ポリペプチド抗体に結合するかまたは抗ポリペプチド抗体への結合についてポリペプチドと競合する能力)、免疫原性、多量体を形成する能力、およびポリペプチドの受容体またはリガンドに特異的に結合する能力が挙げられる。
本明細書で使用される場合、補体タンパク質に関する機能的な活性は、これらに限定されないが、アナフィラキシー、オプソニン化、走化性、または細胞溶解物などの補体媒介機能を指す。補体の活性を試験するための非限定的なアッセイとしては、赤血球の溶血、および例えばELISAまたはSDS-PAGEによる補体エフェクター分子の検出が挙げられる。
本明細書で使用される場合、触媒活性または切断活性は、選択された基質のタンパク質分解を検出するインビトロのタンパク質分解アッセイで評価した場合のプロテアーゼの活性を指す。切断活性は、プロテアーゼの触媒効率を評価することによって測定することができる。
本明細書で使用される場合、標的基質に対する活性は、切断活性および/もしくは機能的な活性、またはプロテアーゼの活性または標的基質に対する活性を反映する他の測定値を指す。プロテアーゼによる補体タンパク質標的基質の機能的な活性は、赤血球溶解などの補体アッセイ、または当業者に公知の、もしくは本明細書に提供される補体活性評価するための他のそのようなアッセイでIC50を評価することによって測定することができる。切断活性は、プロテアーゼの触媒効率を評価することによって測定することができる。本明細書における目的に関して、プロテアーゼが、プロテアーゼの非存在下の場合と比較して、より多くの標的基質のタンパク質分解または切断を呈示する場合、および/または補体タンパク質の機能的な活性をモジュレートする(すなわち活性化または阻害する)場合、活性は増加する。
本明細書で使用される場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドに関する「増加した活性」は、同じ条件下で試験した場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、アミノ酸の置き換えを含有しない未改変のMTSP-1ポリペプチドと比較して、より大きい活性を呈示することを意味する。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、未改変または参照MTSP-1ポリペプチドの活性の、少なくともまたは少なくとも約110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれより多くを呈示する。
本明細書で使用される場合、用語「同じ」は、抗体結合の親和性に関して使用される場合、EC50、会合定数(Ka)または解離定数(Kd)が、参照抗体のそれらの約1から100倍以内または1から10倍以内であること(参照抗体より1~100倍大きい親和性もしくは参照抗体の1~100分の1の親和性、またはこのような範囲内のあらゆる数値もしくは範囲もしくは値)を意味する。
本明細書で使用される場合、結合活性は、分子、例えばポリペプチドが、1つまたは複数の結合パートナーと結合するかどうか、さらにはどのように結合するかに関する分子の特徴を指す。結合活性としては、結合パートナーと結合する能力、それが結合パートナーに結合する親和性(例えば、高親和性)、結合パートナーとの結合の強度、および/または結合パートナーとの結合についての特異性が挙げられる。
本明細書で使用される場合、EC50は、見かけのKdとも呼ばれ、固定量の基質で最大活性の50%が観察されるプロテアーゼの濃度(例えば、nM)(例えば、利用可能なhC3の50%で切断するのに必要な改変されたMTSP-1ポリペプチドの濃度)である。典型的には、EC50値は、S字状用量応答曲線から決定され、この場合、EC50は変曲点における濃度である。その基質にとって高いプロテアーゼ親和性は、低いEC50値と相関し、低い親和性は、高いEC50値に相当する。親和定数は、プロテアーゼ反応に関する標準的な反応速度論手法、例えば、ELISAなどのイムノアッセイ、それに続く曲線の当てはめ分析によって決定することができる。
本明細書で使用される場合、「親和定数」は、プロテアーゼと基質の間の親和性または分子の結合強度を測定するのに使用される会合定数(Ka)を指す。親和定数が高いほど、基質へのプロテアーゼの親和性はより大きくなる。親和定数は、モル濃度の逆数の単位(すなわち、M-1)で表され、プロテアーゼ-基質反応のための標準的な反応速度論手法(例えば、イムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、または当業界において公知の他の反応速度論相互作用アッセイ)によって測定される会合-解離反応の速度定数から計算することができる。またプロテアーゼの結合親和性は、解離定数、またはKdとしても表すことができる。解離定数は、会合定数の逆数、Kd=1/Kaである。したがって、親和定数は、Kdによっても表すことができる。親和定数は、プロテアーゼ反応のための標準的な反応速度論手法、例えば、イムノアッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)[Rich and Myszka (2000) Curr. Opin. Biotechnol 11:54;Englebienne (1998) Analyst. 123:1599]、等温滴定熱量計(ITC)または当業界において公知の他の反応速度論相互作用アッセイ[例えば、Paul, ed., Fundamental Immunology, 2nd ed., Raven Press, New York, pages 332-336 (1989)を参照]によって決定することができる。結合速度のリアルタイム検出およびモニタリングのための機器および方法は公知であり、市販されている[例えば、BIAcore 2000、BIAcore AB、ウプサラ、スウェーデンおよびGE Healthcare Life Sciences;Malmqvist (2000) Biochem. Soc. Trans. 27:335]。
親和性を計算するための方法、例えばEC50値を決定するための方法または会合/解離定数を決定するための方法が周知である。例えば、EC50に関して、高い結合親和性は、プロテアーゼが、約10ng/mL未満、9ng/mL未満、8ng/mL未満、7ng/mL未満、6ng/mL未満、5ng/mL未満、4ng/mL未満、3ng/mL未満、2ng/mL未満、1ng/mL未満の、またはそれより低いEC50で標的タンパク質に特異的に結合することを意味する。また高い結合親和性は、10-6Mまたはそれより低い平衡解離定数(Kd)、例えば10-7M、10-8M、10-10M、10-11Mもしくは10-12Mまたはそれより低い平衡解離定数(Kd)によっても特徴付けることができる。平衡会合定数(Ka)に関して、高い結合親和性は、一般的に、約10-1より大きいかまたはそれに等しい、約10-1より大きいかまたはそれに等しい、約10-1より大きいかまたはそれに等しい、または約101より大きいかまたはそれに等しい、1010-1、1011-1または1012-1のKa値に関連する。親和性は、経験的に推測してもよいし、または親和性は、比較によって決定してもよく、例えば、特定の抗原について2つまたはそれより多くの抗体の親和性を比較することによって、例えば、試験した抗体の親和性のペアでの比率を計算することによって決定してもよい。例えば、このような親和性は、従来の技術を使用して、例えばELISA;平衡透析;表面プラズモン共鳴によって;放射標識した標的抗原を使用するラジオイムノアッセイによって;または当業者に公知の別の方法によって容易に決定することができる。親和性データは、例えば、Scatchard et al., Ann N.Y. Acad. Sci., 51:660 (1949)の方法によって、または例えば方程式:y=((A-D)/(1+((x/C)B)))+D[式中Aは、最小漸近線であり、Bは、傾き係数であり、Cは、変曲点(EC50)であり、Dは、最大漸近線である]を使用する4パラメーターロジスティック非線形回帰モデルを使用する曲線当てはめ分析によって分析することができる。
本明細書で使用される場合、「ED50」は、全集団(例えば、サンプルにおけるC3提示の総量)の50%において特定の結果(例えば、補体タンパク質C3の切断)を生じるプロテアーゼ(例えば、改変されたMTSP-1プロテアーゼ)の用量(例えば、mg/kgまたはnM)である。
本明細書で使用される場合、「実質的に同じ」は、EC50、会合定数(Ka)または解離定数(Kd)、またはED50有効量に関して使用される場合、Ka、Kd、EC50またはED50が、参照MTSP-1のKa、Kd、EC50またはED50より約5から5000倍の範囲内、またはその約5から5000分の1の範囲内(参照MTSP-1、すなわち野生型MTSP-1より5~5000倍大きいか、またはその5~5000分の1)であることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「表面プラズモン共鳴」は、例えば、BIAcoreシステム(GE Healthcare Life Sciences)を使用して、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度における変更を検出することにより、リアルタイムの相互作用の分析を可能にする光学現象を指す。
本明細書で使用される場合、ヒトタンパク質は、全ての対立遺伝子変異体およびそれらの保存的バリエーションを含むヒトのゲノム中に存在する核酸分子、例えばDNAによってコードされたタンパク質である。改変が、ヒトタンパク質の野生型配列または優勢な配列に基づいている場合、そのタンパク質の変異体または改変体は、ヒトタンパク質である。
本明細書で使用される場合、天然に存在するα-アミノ酸の残基は、ヒトにおいて付加されたtRNA分子によりその同起源のmRNAコドンで特異的に認識されることによってタンパク質に取り込まれる、天然に見出される20種のα-アミノ酸の残基である。
本明細書で使用される場合、天然に存在しないアミノ酸は、遺伝学的にコードされていないアミノ酸を指す。
本明細書で使用される場合、「核酸」は、典型的にはホスホジエステル結合によって一緒に合体した、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)ならびにそれらの類似体を含む少なくとも2つの連結されたヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体を指す。また用語「核酸」には、核酸の類似体、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA、ならびに他のそのような類似体および誘導体またはそれらの組合せも含まれる。核酸としてはまた、例えば、ホスホジエステル結合以外のヌクレオチド類似体または「骨格」の結合、例えば、リン酸トリエステル結合、ホスホルアミデート結合、ホスホロチオエート結合、チオエステル結合、またはペプチド結合(ペプチド核酸)を含有するDNAおよびRNA誘導体も挙げられる。この用語はまた、均等物として、ヌクレオチド類似体、一本鎖(センスまたはアンチセンス)および二本鎖核酸から作製されるRNAまたはDNAのいずれかの誘導体、変異体および類似体も含む。デオキシリボヌクレオチドとしては、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシンおよびデオキシチミジンが挙げられる。RNAの場合、ウラシル塩基は、ウリジンである。核酸は、一本鎖であってもよいし、または二本鎖であってもよい。例えば蛍光または放射標識などの検出可能な標識で標識されていてもよいプローブまたはプライマーを指す場合、一本鎖分子が企図される。このような分子は、典型的に、その標的が統計学的に固有になるような、またはプロービングまたはプライミングライブラリーの場合は低コピー数(典型的には5未満、一般的には3未満)を有するような長さを有する。一般的にプローブまたはプライマーは、目的の遺伝子に相補的または同一な配列の少なくとも14、16または30個の連続するヌクレオチドを含有する。プローブおよびプライマーは、長さが10、20、30、50、100個またはそれより多くのヌクレオチドであってもよい。
本明細書で使用される場合、単離された核酸分子は、核酸分子の自然源中に存在する他の核酸分子から分離されている核酸分子である。「単離された」核酸分子、例えばcDNA分子は、組換え技術によって産生された場合、他の細胞性物質、または培養培地を実質的に含まないものでもよいし、または化学的に合成された場合、化学的な前駆体または他の化学物質を実質的に含まないものでもよい。本明細書に提供される例示的な単離された核酸分子としては、提供されるMTSP-1プロテアーゼをコードする単離された核酸分子が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「合成」は、例えば、合成核酸分子または合成遺伝子または合成ペプチドに関して、組換え方法および/または化学合成方法によって生産される核酸分子またはポリペプチド分子を指す。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」は、共有結合で合体した2またはそれより多くのアミノ酸を指す。用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書において同義的に使用される。
本明細書で使用される場合、「ペプチド」は、2から約40または40アミノ酸の長さのポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、本明細書に提供される様々なアミノ酸の配列中に存在するアミノ酸は、それらの公知の3文字または1文字の略語(表2)に従って特定される。様々な核酸フラグメント中に存在するヌクレオチドは、当業界で慣例的に使用される標準的な単一の文字の記号で指定される。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボン酸基を含有する有機化合物である。ポリペプチドは、2つまたはそれより多くのアミノ酸を含有する。本明細書における目的に関して、アミノ酸は、20種の天然に存在するアミノ酸(表2)、非天然アミノ酸およびアミノ酸類似体(すなわち、α-炭素が側鎖を有するアミノ酸)を含む。
本明細書で使用される場合、本明細書に記載のポリペプチドの様々なアミノ酸配列に存在するアミノ酸は、それらの周知の3文字または1文字略語に従って特定される(表2を参照)。様々な核酸分子およびフラグメントに存在するヌクレオチドは、当業界で慣例的に使用される標準的な単一の文字の記号で指定される。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸残基」は、ポリペプチドがそのペプチド結合で化学的消化(加水分解)されたときに形成されるアミノ酸を指す。本明細書に記載されるアミノ酸残基は、「L」型の異性体形態であると推測される。「D」型の異性体形態の残基は、そのように指定されているが、ポリペプチドが所望の機能特性を保持する限りあらゆるL-アミノ酸残基で置換されていてもよい。NHは、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離のアミノ基を指す。COOHは、ポリペプチドのカルボキシル末端に存在する遊離のカルボキシ基を指す。J. Biol. Chem., 243:3557-3559 (1968)に記載され、連邦規則集第37巻§§1.821~1.822で採択された標準的なポリペプチド学術名に沿って、表2にアミノ酸残基の略語を示す。
表2 - 対応表
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本明細書において式で示される全てのアミノ酸残基の配列は、アミノ末端からカルボキシル末端への慣例的な方向で、左から右の方向を有する。加えて、語句「アミノ酸残基」は、対応表(表2)で列挙したアミノ酸、改変されたアミノ酸、非天然のアミノ酸および異常アミノ酸を含むものとして定義される。さらに、アミノ酸残基の配列の始めまたは終わりにおけるダッシュは、1つまたは複数のアミノ酸残基のさらなる配列への、またはNHなどのアミノ末端基もしくはCOOHなどのカルボキシル末端基へのペプチド結合を示す。
本明細書で使用される場合、「天然に存在するアミノ酸」は、ポリペプチドに存在する20種のL-アミノ酸を指す。本明細書で使用される場合、天然に存在するα-アミノ酸の残基は、ヒトにおいて付加されたtRNA分子によりその同起源のmRNAコドンで特異的に認識されることによってタンパク質に取り込まれる、天然に見出される20種のα-アミノ酸の残基である。
本明細書で使用される場合、「非天然アミノ酸」は、天然アミノ酸に類似の構造を有するが、天然アミノ酸の構造および反応性を模擬するように構造的に改変されている有機化合物を指す。したがって、天然に存在しないアミノ酸としては、例えば、20種の天然に存在するアミノ酸以外のアミノ酸またはアミノ酸の類似体が挙げられ、これらに限定されないが、アミノ酸のD-立体異性体が挙げられる。例示的な非天然アミノ酸は当業者に公知であり、その例としては、これらに限定されないが、パラ-アセチルフェニルアラニン、パラ-アジドフェニルアラニン、2-アミノアジピン酸(Aad)、3-アミノアジピン酸(bAad)、β-アラニン/β-アミノプロピオン酸(Bala)、2-アミノ酪酸(Abu)、4-アミノ酪酸/ピペリジン酸(4Abu)、6-アミノカプロン酸(Acp)、2-アミノヘプタン酸(Ahe)、2-アミノイソ酪酸(Aib)、3-アミノイソ酪酸(Baib)、2-アミノピメリン酸(Apm)、2,4-ジアミノ酪酸(Dbu)、デスモシン(Des)、2,2’-ジアミノピメリン酸(Dpm)、2,3-ジアミノプロピオン酸(Dpr)、N-エチルグリシン(EtGly)、N-エチルアスパラギン(EtAsn)、ヒドロキシリジン(Hyl)、アロ-ヒドロキシリジン(Ahyl)、3-ヒドロキシプロリン(3Hyp)、4-ヒドロキシプロリン(4Hyp)、イソデスモシン(Ide)、アロ-イソロイシン(Aile)、N-メチルグリシン、サルコシン(MeGly)、N-メチルイソロイシン(MeIle)、6-N-メチルリシン(MeLys)、N-メチルバリン(MeVal)、ノルバリン(Nva)、ノルロイシン(Nle)、およびオルニチン(Orn)が挙げられる。例示的な非天然アミノ酸が本明細書に記載されており、当業者に公知である。
本明細書で使用される場合、アイソキネティックな混合物は、アミノ酸のモル比がそれらの報告された反応速度に基づき調整されている混合物である[例えば、Ostresh et al. (1994) Biopolymers 34:1681を参照]。
本明細書で使用される場合、DNAコンストラクトは、天然に見出されない方式で組み合わせて並列させたDNAのセグメントを含有する、一本鎖または二本鎖の、直鎖状または環状のDNA分子である。DNAコンストラクトは、ヒトによる操作の結果として存在し、操作された分子のクローンおよび他のコピーを含む。
本明細書で使用される場合、DNAセグメントは、特定された特性を有するより大きいDNA分子の一部である。例えば、特定されたポリペプチドをコードするDNAセグメントは、より長いDNA分子の一部、例えば5’から3’方向に読むと、特定されたポリペプチドのアミノ酸配列をコードするプラスミドまたはプラスミドフラグメントの一部である。
本明細書で使用される場合、オーソログという用語は、1つの種から生じたポリペプチドまたはタンパク質であって異なる種由来のポリペプチドまたはタンパク質の機能的に対応するものを意味する。オーソログ間の配列の相違は、分種化の結果である。
本明細書で使用される場合、用語ポリヌクレオチドは、5’末端から3’末端に読まれるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーを意味する。ポリヌクレオチドは、RNAおよびDNAを含み、自然源から単離してもよいし、インビトロで合成してもよいし、または天然および合成分子の組合せから調製してもよい。ポリヌクレオチド分子の長さは、本明細書ではヌクレオチド(「nt」と略記される)または塩基対(「bp」と略記される)を単位として示される。ヌクレオチドという用語は、文脈上許容される場合、一本および二本鎖分子に使用される。この用語は、二本鎖分子に適用される場合、全長を表すのに使用され、塩基対という用語と同等であると理解される。二本鎖ポリヌクレオチドの2本の鎖の長さがわずかに異なる場合があり、それらの末端がずれている場合があり、したがって二本鎖ポリヌクレオチド分子内の全てのヌクレオチドが対になることができないことが、当業者によって認識されるであろう。このような対になっていない末端は、一般的に、20ヌクレオチドの長さを超えない。
本明細書で使用される場合、配列のアライメントは、相同性を使用して、ヌクレオチドまたはアミノ酸の2つまたはそれより多くの配列を並べることを指す。典型的には、50%またはそれより高い同一性で関連する2つまたはそれより多くの配列がアライメントされる。アライメントされる配列のセットは、対応する位置でアライメントされている2つまたはそれより多くの配列を指し、ゲノムDNA配列と共にアライメントされた、ESTおよび他のcDNAなどのRNA由来のアライメント配列を含み得る。関連または変異ポリペプチドまたは核酸分子は、当業者に公知のあらゆる方法によってアライメントすることができる。このような方法は、典型的にはマッチを最大化するものであり、その例としては、例えば手作業でのアライメントを使用する方法、ならびに利用可能な多数のアライメントプログラム(例えば、BLASTP)および当業者に公知の他のものを使用することによる方法が挙げられる。ポリペプチドまたは核酸の配列をアライメントすることによって、当業者は、保存されたアミノ酸残基や同一なアミノ酸残基をガイドとして使用して、類似の部分または位置を同定することができる。さらに、当業者はまた、ガイドとして保存されたアミノ酸またはヌクレオチド残基を採用して、ヒトおよび非ヒト配列間や配列内で対応するアミノ酸またはヌクレオチド残基を発見することもできる。また対応する位置は、例えばタンパク質構造のコンピューターでシミュレートしたアライメントを使用することによる構造的なアライメントに基づいていてもよい。他の例において、対応する領域を同定することができる。当業者はまた、ガイドとして保存されたアミノ酸残基を採用して、ヒトおよび非ヒト配列間や配列内で対応するアミノ酸残基を発見することもできる。
「配列同一性」は、本明細書で使用される場合、試験および参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチド間の比較における同一なまたは類似するアミノ酸またはヌクレオチド塩基の数を指す。配列同一性は、類似性または同一性を有する領域を同定するための核酸またはタンパク質配列の配列アライメントによって決定することができる。本明細書における目的に関して、配列同一性は、一般的に、同一な残基を同定するためのアライメントによって決定される。アライメントは、ローカルでもよいし、またはグローバルでもよい。比較される配列間で、マッチ、ミスマッチおよびギャップを同定することができる。ギャップは、同一なまたは類似の記号がアライメントされるように、アライメントされる配列の残基間にゼロ個のアミノ酸またはヌクレオチドが挿入されることである。一般的に、内部および末端のギャップが存在する場合がある。ギャップを考慮に入れることによって、配列同一性は、同一な残基の数/最も短い配列の長さ×100として決定することができる。ギャップペナルティーを使用する場合、配列同一性は、末端のギャップに対してペナルティーなしとして決定することができる(例えば、末端のギャップはペナルティーが課されない)。代替として、配列同一性は、ギャップを考慮に入れずに、同一な位置の数/アライメントされた配列の全長×100として決定することができる。
本明細書で使用される場合、例えば配列表に記載の開示された配列におけるヌクレオチドまたはアミノ酸位置に「対応する位置における」、またはヌクレオチドまたはアミノ酸位置が、そのような位置に「対応する」という記述は、標準的なアライメントアルゴリズム、例えばGAPアルゴリズムを使用して同一性を最大化するように開示された配列とアライメントすることで同定されたヌクレオチドまたはアミノ酸位置を指す。本明細書における目的に関して、MTSP-1配列のアライメントは、配列番号2に記載のヒトMTSP-1のプロテアーゼドメイン、または特定には配列番号4の参照MTSP-1のアミノ酸配列に対してなされる。配列をアライメントすることによって、当業者は、例えば、ガイドとして保存されたおよび同一なアミノ酸残基を使用して、対応する残基を同定することができる。一般的に、対応する位置を同定するために、アミノ酸の配列は、最大の順番のマッチが達成されるようにアライメントされる[例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991;およびCarillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48:1073を参照]。代替として、当業者は、キモトリプシン番号によって残基を番号付け、それにより対応する残基を同定することができる。密接に関連した配列の場合、コンピューターアルゴリズムは不要であり、アライメントは視覚的に行うことができる。
本明細書で使用される場合、「グローバルアライメント」は、始めから終わりまで2つの配列をアライメントするアライメントであり、各文字は各配列で1回のみアライメントされる。アライメントは、配列間で類似性または同一性があるかどうかに関係なく作製される。例えば、「グローバルアライメント」に基づく50%の配列同一性は、それぞれ100ヌクレオチドの長さを有する2つの比較される配列の全長配列のアライメントにおいて、残基の50%が同じであることを意味する。またグローバルアライメントは、アライメントされる配列の長さが同じでない場合であっても、配列同一性を決定することに使用できることが理解される。配列の最末端における相違は、「末端のギャップについてペナルティーなし」が選択されない限り、配列同一性決定において考慮に入れられる。一般的に、グローバルアライメントは、それらの長さのほぼ全体にわたり顕著な類似性を有する配列に使用される。グローバルアライメントを実行するための例示的なアルゴリズムとしては、ニードルマン-ウンシュアルゴリズム[Needleman et al. (1970) J. Mol. Biol. 48:443]が挙げられる。グローバルアライメントを実行するための例示的なプログラムは、公共的に利用可能であり、その例としては、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information;NCBI)ウェブサイト(ncbi.nlm.nih.gov/)で利用可能なグローバル配列アライメントツール、およびdeepc2.psi.iastate.edu/aat/align/align.htmlで利用可能なプログラムが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ローカルアライメント」は、2つの配列をアライメントするが、配列の類似性または同一性を有する部分のみをアライメントするアライメントである。したがって、ローカルアライメントは、1つの配列の部分セグメントが別の配列中に存在するかどうかを決定する。類似性がない場合、アライメントはリターンされない。ローカルアライメントアルゴリズムとしては、BLASTまたはスミス-ウォーターマンアルゴリズム[Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)]が挙げられる。例えば、「ローカルアライメント」に基づく50%の配列同一性は、あらゆる長さを有する2つの比較された配列の全長配列のアライメントにおいて、長さが100ヌクレオチドの類似性または同一性を有する領域が、類似性または同一性を有する領域において同じ残基の50%を有することを意味する。
本明細書における目的に関して、配列同一性は、各供給元によって確立されたデフォルトギャップペナルティーと共に使用される標準的なアライメントアルゴリズムプログラムによって決定することができる。GAPプログラムのデフォルトパラメーターとしては、(1)Schwartzによって記載されたGribskov et al. (1986) Nucl. Acids Res. 14:6745、およびDayhoff, eds., Atlas of Protein Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358 (1979)の単項比較行列(同一性について1の値、非同一性について0の値を含有する)および加重比較行列;(2)各ギャップにつき3.0のペナルティーおよび各ギャップ中の各記号につき追加の0.10のペナルティー;ならびに(3)末端ギャップに対してペナルティーなしを挙げることができる。いずれか2つの核酸分子が、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%「同一」であるか、または同一性パーセントを列挙する他の類似のバリエーションであるヌクレオチド配列を有するかどうか、またはいずれか2つのポリペプチドが、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%「同一」であるか、または同一性パーセントを列挙する他の類似のバリエーションであるアミノ酸配列を有するかどうかは、ローカルまたはグローバルアライメントに基づき、公知のコンピューターアルゴリズムを使用して決定することができる(例えば、多数の公知のおよび公共的に利用可能なアライメントデータベースおよびプログラムへのリンクを提供しているwikipedia.org/wiki/Sequence_alignment_softwareを参照)。一般的に、本明細書における目的に関して、配列同一性は、NCBI/BLAST(blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?CMD=Web&Page_TYPE=BlastHome)より利用可能なニードルマン-ウンシュグローバル配列アライメントツール;LAlign[William Pearsonが実行するHuangおよびMillerのアルゴリズム(Adv. Appl. Math. (1991) 12:337-357)];およびdeepc2.psi.iastate.edu/aat/align/align.htmlで利用可能なXiaoqui Huangからのプログラムなどのグローバルアライメントに基づき、コンピューターアルゴリズムを使用して決定される。一般的に、本明細書に記載のヌクレオチド配列を比較する場合、末端ギャップのためのペナルティーとのアライメントが使用される。またローカルアライメントは、比較される配列が実質的に同じ長さである場合も使用することができる。
それゆえに、本明細書で使用される場合、用語「同一性」は、試験および参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチド間の比較またはアライメントを表す。1つの非限定的な例において、「に少なくとも90%同一な」は、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに対する90%から100%の同一性パーセントを指す。90%またはそれより高いレベルの同一性とは、例証目的で長さが100アミノ酸またはヌクレオチドの試験および参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドが比較されると仮定すると、試験ポリペプチドまたはポリヌクレオチドにおけるアミノ酸またはヌクレオチドの10%(すなわち、100個のうち10個)以下が参照ポリペプチドのものと異なっていることを示す。類似の比較は、試験および参照ポリヌクレオチド間でなすことができる。このような相違は、アミノ酸配列の全長にわたりランダムに分配された点突然変異として表すこともでき、またはそれらは、最大限許容できる相違、例えば100個のアミノ酸のうち10個の相違(およそ90%の同一性)まで、様々な長さを有する1つまたは複数の配置にクラスター化されていてもよい。相違はまた、アミノ酸残基の欠失または短縮化に起因する場合もある。相違は、核酸またはアミノ酸の置換、挿入または欠失として定義される。約85~90%を超える相同性または同一性のレベルで比較した配列の長さに応じて、結果がプログラムおよびギャップパラメーターのセットから独立している場合もあり、このような高いレベルの同一性は、しばしばソフトウェアに頼ることなく容易に評価することができる。
本明細書で使用される場合、ジスルフィド結合(S-S結合またはジスルフィド架橋とも呼ばれる)は、チオール基のカップリングから誘導される単一の共有結合である。タンパク質中のジスルフィド結合は、システイン残基のチオール基間で形成され、ポリペプチドドメイン間の相互作用を安定化する。
本明細書で使用される場合、「カップリングされる」または「コンジュゲートされる」は、共有結合または非共有結合の相互作用を介して付着されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、「プライマー」は、適切な緩衝液中、好適な温度で、適切な条件下(例えば、4つの異なるヌクレオシド三リン酸および重合剤、例えばDNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼまたは逆転写酵素の存在下)でテンプレート特異的DNA合成の開始点として作用できる核酸分子を指す。ある特定の核酸分子は、「プローブ」や「プライマー」として役立つ可能性があることが理解されるであろう。しかしながらプライマーは、伸長のための3’ヒドロキシル基を有する。プライマーは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素(RT)-PCR、RNA PCR、LCR、マルチプレックスPCR、パンハンドルPCR、キャプチャーPCR、発現PCR、3’および5’RACE、インサイチュ(in situ)PCR、ライゲーション媒介PCRならびに他の増幅プロトコールなどの様々な方法で使用することができる。
本明細書で使用される場合、「プライマー」は、2つまたはそれより多くのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、典型的には、プライマー伸長生成物の合成を開始させることができる3つより多くのそれらを含有するオリゴヌクレオチドを指す。合成を助長する実験条件としては、ヌクレオシド三リン酸および重合および伸長のための物質、例えばDNAポリメラーゼの存在、ならびに好適な緩衝液、温度およびpHが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「プライマー対」は、増幅させる(例えばPCRによって)配列の5’末端とハイブリダイズする5’(上流)プライマーと、増幅させる配列の3’末端の相補体とハイブリダイズする3’(下流)プライマーとを含むプライマーのセットを指す。
本明細書で使用される場合、「特異的にハイブリダイズする」は、標的核酸分子に核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)が相補的に塩基対合することによってアニールすることを指す。当業者は、特異的なハイブリダイゼーションに影響を与えるインビトロおよびインビボのパラメーター、例えば特定の分子の長さおよび組成について精通している。インビトロでのハイブリダイゼーションに特に関連するパラメーターとしてはさらに、アニーリングおよび洗浄の温度、緩衝液の組成および塩濃度などが挙げられる。高いストリンジェンシーで非特異的に結合した核酸分子を除去するための例示的な洗浄条件は、0.1×SSPE、0.1%SDS、65℃であり、中程度のストリンジェンシーでは、0.2×SSPE、0.1%SDS、50℃である。等価なストリンジェンシー条件は、当業界において公知である。当業者は、特定の適用に適切な標的核酸分子への核酸分子の特異的なハイブリダイゼーションを達成するために、これらのパラメーターを容易に調整することができる。
本明細書で使用される場合、生成物に実質的に同一とは、その生成物の代わりに実質的に同一な生成物を使用できるような程度に目的の特性が不変のままであるように十分に類似していることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に同一な」または「類似」は、関連分野の当業者が理解するように、文脈に応じて様々であることも理解される。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドまたは核酸分子の野生型の形態は、遺伝子によって、または遺伝子によってコードされたコード配列によってコードされた形態である。典型的には、遺伝子またはそれによってコードされた分子の野生型の形態は、機能または構造を変更する突然変異または他の改変を含有しない。また野生型という用語は、種内や種間で起こる対立遺伝子変異を有する形態も包含しない。
本明細書で使用される場合、ポリペプチドまたは核酸分子の優勢の形態は、遺伝子から産生される主要な形態である分子の形態を指す。「優勢の形態」は供給源ごとに様々である。例えば、異なる細胞または組織のタイプは、例えば、オルタナティブスプライシングによって、および/または代替のタンパク質プロセシングによって、ポリペプチドの異なる形態を産生する可能性がある。各細胞または組織のタイプにつき、異なるポリペプチドが「優勢の形態」であり得る。
本明細書で使用される場合、対立遺伝子変異体または対立遺伝子変異は、同じ染色体の遺伝子座を占有する遺伝子の2つまたはそれより多くの代替形態のいずれかを参照とする。対立遺伝子変異は突然変異を介して天然に発生し、集団内で表現型の多形を生じさせることができる。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされたポリペプチドにおける変化がない)であってもよいし、または変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしていてもよい。また用語「対立遺伝子変異体」は、本明細書において、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされたタンパク質を意味する場合にも使用される。典型的には、遺伝子の参照形態は、集団からのポリペプチドまたは1つの種の単一の参照メンバーの野生型の形態および/または優勢の形態をコードする。典型的には、種間や種内での変異体を含む対立遺伝子変異体は、野生型および/または同じ種からの優勢の形態と少なくとも80%、90%またはそれより高いアミノ酸同一性を有し、同一性の程度は、遺伝子に依存し、さらに比較が種間かまたは同一種内かに依存する。同一種内の対立遺伝子変異体は、一般的に、野生型および/または優勢の形態と、少なくとも、または少なくとも約80%、85%、90%または95%またはそれより高い同一性を有し、例えばポリペプチドの野生型および/または優勢の形態と、少なくとも、または少なくとも約96%、97%、98%、99%またはそれより高い同一性を有する。
本明細書で使用される場合、「対立遺伝子」は、本明細書において「対立遺伝子変異体」と同義的に使用され、これは、遺伝子の代替形態またはその一部を指す。対立遺伝子は、相同染色体上の同じ遺伝子座または位置を占有する。対象が遺伝子の2つの同一な対立遺伝子を有する場合、対象は、その遺伝子または対立遺伝子に関してホモ接合型と言われる。対象が遺伝子の2つの異なる対立遺伝子を有する場合、対象は、その遺伝子に関してヘテロ接合型と言われる。特定の遺伝子の対立遺伝子が、単一のヌクレオチドまたは数個のヌクレオチドにおいて互いに異なっている場合があり、ヌクレオチドの置換、欠失および挿入を含み得る。また遺伝子の対立遺伝子は、突然変異を含有する遺伝子の形態であってもよい。
本明細書で使用される場合、種変異体は、異なる種間、例えばマウスとヒトなどの異なる哺乳動物種間のポリペプチドにおける変異体を指す。一般的に、種変異体は、約または少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれより高い配列同一性を有する。種間や種内での変異体の対応する残基は、マッチするヌクレオチドまたは残基の数が最大化されるように、例えば、配列間の同一性が、95%に等しいかまたはそれより高く、96%に等しいかまたはそれより高く、97%に等しいかまたはそれより高く、98%に等しいかまたはそれより高く、または99%に等しいかそれより高くなるように、配列を比較しアライメントすることによって決定することができる。次いで目的の位置に、参照核酸分子に割り振られた番号を与える。アライメントは、特に配列同一性が80%より大きい場合、手作業で、または目視によって実行することができる。
本明細書で使用される場合、スプライス変異体は、1つより多くのタイプのmRNAをもたらすゲノムDNAの一次転写物の差次的なプロセシングによって産生された変異体を指す。
本明細書で使用される場合、改変は、ポリペプチドのアミノ酸の配列または核酸分子におけるヌクレオチドの配列の改変に関連し、それぞれアミノ酸およびヌクレオチドの欠失、挿入、および置き換えを含む。
本明細書における目的に関して、アミノ酸の置換、欠失および/または挿入は、得られたタンパク質がプロテアーゼ活性または他の活性を呈示するという条件で、提供されるMTSP-1ポリペプチドまたはその触媒活フラグメントのいずれかの中に作製することができる(または必要に応じて、このような変化は、活性が排除されるように作製される場合もある)。改変は、保存的アミノ酸置換を行うことによって作製でき、また非保存的アミノ酸置換を行うことによって作製される場合もある。例えば、タンパク質の特性を望ましくまたは有利に変更するアミノ酸置換を作製することができる。一実施態様において、ポリペプチドの分解を防止する突然変異を作製することができる。多くのプロテアーゼが、塩基性残基、例えばRおよびKの後で切断することから、このような切断を排除するために、塩基性残基は、非塩基性残基で置き換えられる。阻害剤がプロテアーゼと相互作用する部位で非保存的変化を実行することによって、触媒活性を保持しながら、プロテアーゼの阻害剤との相互作用をブロックすることができる。また他の活性も変更することができる。例えば、受容体結合を、触媒活性を変更することなく変更することができる。
企図されるアミノ酸置換としては、タンパク質分解活性を排除しない保存的置換、例えば表3に記載のものが挙げられる。本明細書に記載されるように、タンパク質の特性、例えば切断部位および他のこのような部位の除去を変更する置換も企図される。このような置換は一般的に非保存的であるが、当業者によって容易に実行することができる。
本明細書で使用される場合、アミノ酸の好適な保存的置換は、この分野における当業者に公知であり、一般的に得られた分子の生物活性を変更することなく作製することができる。この分野における当業者は、一般的に、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は、生物活性を実質的に変更しないことを認識している(例えば、Watson et al. Molecular Biology of the Gene, 4th Edition, 1987, The Benjamin/Cummings Pub. Co., p.224を参照)。このような置換は、以下の表3に記載に従って作製することができる。
Figure 0007091373000005
他の置換も許容され、経験的に、または公知の保存的置換に従って決定することができる。
本明細書で使用される場合、プロモーターという用語は、RNAポリメラーゼの結合および転写の開始を担うDNA配列を含有する遺伝子の部分を意味する。プロモーター配列は、一般的に、常にそうではないが、遺伝子の5’非コード領域に見出される。
本明細書で使用される場合、単離または精製されたポリペプチドまたはタンパク質もしくは生物学的に活性なそれらの部分は、タンパク質の由来となる組織の細胞からの細胞性物質または他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、または化学的に合成された場合、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。調製物が、このような純度を評価するのに当業者によって使用される薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの標準的な分析方法によって決定した場合、容易に検出可能な不純物を含まないか、またはさらなる精製物が、物質の酵素活性や生物活性などの物理および化学特性を検出可能に変更しない程度に十分に純粋のように見える場合、その調製物は、それらを実質的に含まないと決定することができる。実質的に化学的に純粋な化合物を生産するための化合物精製方法は、当業者に公知である。しかしながら、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であり得る。このような例において、さらなる精製によって化合物の特異的な活性を増加させることができる。
細胞性物質を実質的に含まないという用語は、タンパク質が単離されるかまたは組換え生産される細胞の細胞成分からタンパク質が分離されている、タンパク質の調製物を含む。一実施態様において、細胞性物質を実質的に含まないという用語は、約30%(乾燥重量)未満の非プロテアーゼタンパク質(本明細書では汚染タンパク質とも称される)、一般的に約20%未満の非プロテアーゼタンパク質、または10%の非プロテアーゼタンパク質、または約5%未満の非プロテアーゼタンパク質を有するプロテアーゼタンパク質の調製物を含む。プロテアーゼタンパク質またはその活性部分が組換え生産される場合、それも培養培地を実質的に含まず、すなわち培養培地は、プロテアーゼタンパク質調製物の容積の20%、10%もしくは5%未満で、約20%、10%もしくは5%で、または20%、10%もしくは5%に等しい割合で存在する。
本明細書で使用される場合、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に含まないという用語は、プロテアーゼタンパク質の調製物において、タンパク質がタンパク質合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離されていることを含む。この用語は、プロテアーゼタンパク質の調製物が、約30%(乾燥重量)未満、20%未満、10%未満、5%未満の、またはそれより少ない化学的前駆体またはプロテアーゼ以外の化学物質もしくは成分を有することを含む。
本明細書で使用される場合、組換えDNA方法を使用することによる組換え手段での産生は、クローニングしたDNAによってコードされたタンパク質を発現させるための周知の分子生物学の方法の使用を指す。
本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドの転写および翻訳によってポリペプチドを生産するプロセスを指す。ポリペプチドの発現のレベルは、例えば宿主細胞から産生されたポリペプチドの量を決定する方法などの当業界公知のあらゆる方法を使用して評価することができる。このような方法としては、これらに限定されないが、ELISA、ゲル電気泳動後のクーマシーブルー染色、ローリータンパク質アッセイおよびブラッドフォードタンパク質アッセイによる、細胞溶解産物中のポリペプチドの定量を挙げることができる。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」は、ベクターを受け入れる、維持する、複製する、および/または増幅するのに使用される細胞である。また宿主細胞は、ベクターによってコードされたポリペプチドを発現させるのにも使用することができる。ベクターに含有される核酸は、宿主細胞が分割すると複製され、それによって核酸が増幅される。
本明細書で使用される場合、「ベクター」または「プラスミド」は、ベクターが適切な宿主細胞に形質転換されたら、1つまたは複数の異種タンパク質を発現させることができる複製可能な核酸である。ベクターへの言及は、その発現または複製のいずれかのための細胞に異種核酸を導入するのに使用される別々のエレメントを含む。またベクターへの言及は、ポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする核酸を典型的には制限酵素消化およびライゲーションによって導入できるベクターも含む。またベクターへの言及は、プロテアーゼ、例えば改変されたMTSP-1をコードする核酸を含有するベクターも含む。ベクターは、核酸の増幅のために、または核酸によってコードされたポリペプチドの発現/提示のために、ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入するのに使用される。ベクターは、典型的にはエピソーム性のままであるが、遺伝子またはその一部のゲノムの染色体への統合をもたらすように設計されていてもよい。また人工染色体、例えば酵母人工染色体および哺乳動物人工染色体であるベクターも企図される。このような媒体の選択および使用は当業者に周知である。ベクターはまた「ウイルスベクター」および「ウイルス性ベクター」も含む。
本明細書で使用される場合、「発現ベクター」は、調節配列、例えばDNAフラグメントの発現をもたらすことが可能なプロモーター領域と作動可能に連結した、このようなDNAを発現することが可能なベクターを含む。このような追加のセグメントとしては、プロモーターおよびターミネーター配列を挙げることができ、さらに、1つまたは複数の複製起点、1つまたは複数の選択可能マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなども挙げることができる。発現ベクターは、一般的に、プラスミドもしくはウイルス性DNA由来であるか、またはその両方のエレメントを含有していてもよい。したがって、発現ベクターは、組換えDNAまたはRNAコンストラクト、例えば、プラスミド、ファージ、組換えウイルス、または適切な宿主細胞に導入されるとクローニングしたDNAの発現が起こる他のベクターを指す。適切な発現ベクターは当業者に周知であり、その例としては、真核細胞および/または原核細胞中で複製可能なもの、およびエピソーム性のままのもの、または宿主細胞ゲノムに統合されているものが挙げられる。
本明細書で使用される場合、ベクターはまた、「ウイルスベクター」または「ウイルス性ベクター」も含む。ウイルスベクターは、操作された真核生物および原核生物のウイルスであり、これは、宿主細胞へのそれらの移入および発現をもたらすための異種核酸を含有していてもよい。ウイルス性ベクターは、ベクターの由来となるウイルスが感染する宿主、およびウイルス性プロモーターを認識するRNAポリメラーゼのタイプ(真核生物または原核生物)に基づいて、真核生物および原核生物ベクターとして特徴付けられる。したがって、例えば、アデノウイルス由来のベクターは、真核生物ベクターである。
本明細書で使用される場合、アデノウイルスは、ヒトにおいて結膜炎および上気道感染症を引き起こすDNAを含有するウイルスのグループのいずれかを指す。本明細書で使用される場合、裸のDNAは、ワクチンや遺伝子治療に使用することができるヒストン非含有のDNAを指す。裸のDNAは、形質転換と呼ばれるプロセシングされた遺伝子の移入中に細胞から細胞に受け継がれる遺伝物質である。形質転換において、精製されたまたは裸のDNAは、レシピエント細胞によって取り込まれ、それによりレシピエント細胞に新しい特徴または表現型が付与されることになる。
本明細書で使用される場合、核酸配列、領域、エレメントまたはドメインに関する「作動可能に連結した」は、核酸領域が互いに機能的に関連していることを意味する。例えば、リーダーペプチドをコードする核酸は、ポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結されていてもよく、それにより核酸が転写および翻訳されて機能的な融合タンパク質を発現することができ、この場合、リーダーペプチドは、融合ポリペプチドの分泌をもたらす。一部の場合において、第1のポリペプチド(例えば、リーダーペプチド)をコードする核酸は、第2のポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結されており、その核酸は、単一のmRNA転写物として転写されるが、mRNA転写物の翻訳は、2つのポリペプチドのうち1つの発現をもたらすことができる。例えば、アンバー終止コドンは、第1のポリペプチドをコードする核酸と第2のポリペプチドをコードする核酸との間に配置されていてもよく、その結果、部分的なアンバーサプレッサー細胞に導入されると、得られた単一のmRNA転写物が翻訳されて、第1および第2のポリペプチドを含有する融合タンパク質のいずれかを産生することができ、またはそれが翻訳されて、第1のポリペプチドのみを産生することができる。別の例において、プロモーターは、ポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結されていてもよく、それによりプロモーターは、核酸の転写を調節または媒介する。
本明細書で使用される場合、「一次配列」は、ポリペプチドにおけるアミノ酸残基の配列または核酸分子におけるヌクレオチドの配列を指す。
本明細書で使用される場合、タンパク質結合配列は、他のタンパク質もしくはペプチド配列への、一般的には、タンパク質もしくはペプチド配列のセットへの、または特定のタンパク質もしくはペプチド配列への特異的な結合が可能なタンパク質またはペプチド配列を指す。
本明細書で使用される場合、「タグ」または「エピトープタグ」は、典型的にはポリペプチド、例えば本明細書に提供されるMTSP-1のNまたはC末端に付加されたアミノ酸の配列を指す。ポリペプチドに融合したタグの包含は、ポリペプチドの精製および/または検出を容易にすることができる。典型的には、タグまたはタグポリペプチドは、抗体によって認識されるエピトープを提供する、または検出または精製に役立ち得るのに十分な残基を有するが、それが連結されるポリペプチドの活性に干渉しない程度に短いポリペプチドを指す。タグポリペプチドは、典型的には、それに特異的に結合する抗体が、それが連結されるポリペプチド中のエピトープと実質的に交差反応しないように十分に固有である。エピトープタグが付けられたタンパク質は、タグに対して生じた高度に特異的な抗体を使用して、親和性精製することができる。
好適なタグポリペプチドは、一般的には少なくとも5または6アミノ酸残基、通常は約8~50アミノ酸残基、典型的には9~30残基を有する。タグは、1つまたは複数のタンパク質に連結されていてもよく、サンプルまたは混合物からのタンパク質の検出またはその回収を許容する。このようなタグは周知であり、容易に合成および設計することができる。例示的なタグポリペプチドとしては、親和性精製に使用されるものが挙げられ、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグ、FLAGタグ、Hisタグ、インフルエンザヘマグルチニン(HA)タグポリペプチドおよびその抗体12CA5[Field et al. (1988) Mol. Cell. Biol. 8:2159-2165];c-mycタグならびにそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体[例えば、Evan et al. (1985) Molecular and Cellular Biology 5:3610-3616を参照];ならびに単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体[Paborsky et al. (1990) Protein Engineering 3:547-553]が挙げられる。エピトープタグを有する抗体を検出するのに使用される抗体は、典型的には、本明細書で二次抗体と称される。
本明細書で使用される場合、金属結合配列は、一般的には金属イオン、金属イオンのセットまたは特定の金属イオンへの特異的な結合が可能なタンパク質またはペプチド配列を指す。
本明細書で使用される場合、評価するという用語は、サンプル中に存在するプロテアーゼまたはそのドメインの活性に関する絶対値を得るという意味で、さらには活性のレベルを示す指標、比率、パーセンテージ、可視的なまたは他の値を得るという意味での、定量的および定性的な決定を含むことが意図される。評価は、直接的であってもよいし、または間接的であってもよく、当然ながら実際に検出される化学種は、それ自体必ずしもタンパク質分解生成物でなくてもよいが、例えばその誘導体またはいくつかのさらなる物質であってもよい。例えば、補体タンパク質の切断生成物の検出は、例えばSDS-PAGEおよびクーマシーブルーでのタンパク質染色による。
本明細書で使用される場合、生物活性は、インビボで化合物、組成物または他の混合物が投与されたときに生じる化合物のインビボにおける活性または生理学的な応答を指す。したがって生物活性は、このような化合物、組成物および混合物の治療作用および薬剤活性を包含する。生物活性は、このような活性を試験または使用するように設計されたインビトロのシステムで観察することができる。したがって、本明細書における目的に関して、プロテアーゼの生物活性は、ポリペプチドが加水分解されるその触媒活性である。
本明細書で使用される場合、2つの核酸配列への言及において、等価とは、問題の2つの配列が、同じアミノ酸または等価なタンパク質の配列をコードすることを意味する。2つのタンパク質またはペプチドへの言及において等価が使用される場合、それは、2つのタンパク質またはペプチドが、タンパク質またはペプチドの活性または機能を実質的に変更しないアミノ酸置換(例えば、これらに限定されないが、保存的変化、例えば上記の表3に記載の変化など)のみを有する実質的に同じアミノ酸配列を有することを意味する。等価が特性に対して言及される場合、特性は、必ずしも同程度で存在していなくてもよいが(例えば、2つのペプチドが、同じタイプの酵素活性の異なる速度を呈示していてもよい)、活性は通常、実質的に同じである。相補的は、2つのヌクレオチド配列に言及される場合、2つのヌクレオチドの配列は、対向するヌクレオチド間のミスマッチが典型的には25%、15%または5%未満でハイブリダイズすることが可能であることを意味する。必要に応じて、相補性のパーセンテージが特定されることになる。典型的には、2つの分子は、それらが高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズするように選択される。
本明細書で使用される場合、薬剤は、タンパク質の活性または遺伝子もしくは核酸の発現をモジュレートするか、タンパク質の活性を減少もしくは増加させるか、もしくはそれ以外の方法で変更するか、または一部の方式において、細胞中での核酸の発現を上方もしくは下方調節する、またはそれ以外の方法で変更する。
本明細書で使用される場合、「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」プロテアーゼは、異なるポリペプチドに作動可能に連結されたポリペプチドを指す。本明細書に提供されるキメラまたは融合タンパク質は、1つまたは複数のプロテアーゼまたはその一部、例えばその単鎖プロテアーゼドメインと、転写の/翻訳の制御シグナル、シグナル配列、局在化のためのタグ、精製のためのタグ、免疫グロブリンGのドメインの一部、および/または標的化剤のいずれか1つまたは複数に関する1つまたは複数の他のポリペプチドとを含んでいてもよい。これらのキメラまたは融合タンパク質としては、組換え手段によって融合タンパク質として産生されたもの、化学的手段によって、例えば例えばスルフヒドリル基へのカップリングを介した化学的カップリングによって産生されたもの、およびそれにより少なくとも1つのプロテアーゼまたはその一部が、別のポリペプチドに直接的またはリンカーを介して間接的に連結される他のあらゆる方法によって産生されたものが挙げられる。
本明細書で使用される場合、作動可能に連結されたと融合タンパク質に対して言及される場合、それは、プロテアーゼポリペプチドと非プロテアーゼポリペプチドとが互いにフレーム内で融合していることを指す。非プロテアーゼポリペプチドは、プロテアーゼポリペプチドのN末端またはC末端に融合していてもよい。
本明細書で使用される場合、標的化剤は、細胞表面受容体へのコンジュゲートの特異的な結合をもたらすあらゆる部分、例えばタンパク質またはその有効な部分であり、このような受容体は、一部の場合において、結合したコンジュゲートまたはその一部を内在化することができる。標的化剤はまた、例えば、コンジュゲートの親和性単離もしくは精製;表面へのコンジュゲートの付着;またはコンジュゲートまたはコンジュゲートを含有する複合体の検出を促進したりまたは容易にしたりするものであってもよい。
本明細書で使用される場合、「リンカー」は、2つのポリペプチド(またはこのようなポリペプチドをコードする核酸)を合体させるアミノ酸の短い配列を指す。「ペプチドリンカー」は、2つのポリペプチド配列を合体させるアミノ酸の短い配列を指す。ポリペプチドリンカーの例示は、合成抗体フラグメント、例えばscFvフラグメントにおいて2つの抗体鎖を合体させるリンカーである。リンカーは周知であり、提供される方法においてあらゆる公知のリンカーを使用することができる。ポリペプチドリンカーの例示は、溶解性を増加させるために一部のGluまたはLys残基が全体に分散された(Gly-Ser)nアミノ酸配列である。他の例示的なリンカーが本明細書に記載され、これらのおよび他の公知のリンカーのいずれも、提供される組成物および方法と共に使用することができる。
本明細書で使用される場合、分子の誘導体または類似体は、分子由来の部分または分子の改変されたバージョンを指す。
本明細書で使用される場合、「疾患または障害」は、これらに限定されないが、感染、後天的な状態、遺伝学的状態、環境曝露や人間行動に関連する状態、および特定できる症状を特徴とする状態などの原因または状態の結果生じる、生物における病的な状態を指す。疾患または障害は、臨床的に診断された疾患に加えて、まだ臨床疾患として診断されていない生物の正常な状況の崩壊を含む。本明細書に記載の目的の疾患および障害は、補体活性化に関与するもの、例えば補体活性化が媒介するもの、および補体活性化が病因または病理において役割を果たすものなどである。本明細書に記載の目的の疾患および障害は、補体活性化を特徴とするもの(例えば、加齢性黄斑変性症および腎移植後臓器機能障害)を含む。
本明細書で使用される場合、黄斑変性症は、黄斑として知られる網膜の小さい中央の部分が変質すると起こる。AMDは、2つのタイプ:乾燥型(萎縮性)および湿潤型(血管新生または滲出性)がある。ほとんどのAMDは乾燥型として始まり、個体の10~20%において湿潤型に進行する。加齢性黄斑変性症は、常に両側性であるが(すなわち両方の眼に存在する)、必ずしも両方の眼において同じペースで進行するわけではない。
本明細書で使用される場合、加齢性黄斑変性症(AMD)は、年配の人において視力障害や失明の原因となる炎症性疾患である。補体系のタンパク質が、この疾患の発症の中心となっている。AMDにおける局所および全身性炎症は、補体系の副経路の無秩序な作用によって媒介される。
本明細書で使用される場合、移植後臓器機能障害(DGF)は、移植プロセスに固有な特性を有する急性腎臓損傷(AKI)の兆候である。これは、移植手術後に起こる。移植後臓器機能障害(DGF)は、一般的な合併症であり、移植後の最初の週の間に透析を必要とすることと定義されることが多い。第3の補体成分であるC3(C3)の内在的な腎臓合成が、T細胞媒介応答を刺激することによる急性拒絶反応に寄与する。例えば、脳死亡ドナーにおいて、局所的な腎臓C3レベルは、調達時でより高く、移植の14日後で腎機能に反比例する。
本明細書で使用される場合、補体が媒介する疾患または障害は、補体タンパク質のいずれか1つまたは複数が、補体タンパク質もしくは補体関連タンパク質の非存在もしくは存在または補体もしくは補体関連タンパク質の活性化もしくは不活性化のいずれかに起因して疾患において役割を果たすあらゆる障害である。一部の実施態様において、補体が媒介する障害は、補体タンパク質の欠乏に起因する障害である。他の実施態様において、本明細書に記載される場合、補体が媒介する障害は、補体タンパク質の活性化または過剰活性化に起因する障害である。また補体が媒介する障害は、補体タンパク質のいずれか1つまたは複数の存在および/または補体経路の活性化の継続に起因する障害でもある。本明細書で使用される場合、「黄斑変性症関連障害」は、網膜黄斑が変性するかまたは機能不全になる[例えば、黄斑の細胞の増殖の減少、黄斑の細胞(例えば、RPE細胞)の死または再配列の増加、正常な生物学的機能の喪失、またはこれらの事象の組合せの結果として]様々な状態を指す。黄斑変性症は、正常な黄斑の細胞および/または細胞外マトリックスの組織構造の完全性の喪失、および/または黄斑の細胞の機能喪失を引き起こす。黄斑変性症関連障害の例としては、加齢性黄斑変性症(AMD)、地図状萎縮(GA)、ノースカロライナ州の黄斑ジストロフィー、ソースビー眼底ジストロフィー、シュタルガルト病、パターンジストロフィー、ベスト病、優性ドルーゼン、およびmalattia leventinese(放射状ドルーゼン)が挙げられる。また黄斑変性症関連障害は、黄斑の機能不全および/または変性の前またはその後に起こる黄斑外の変化も包含する。したがって、用語「黄斑変性症関連障害」は、概して、黄斑の完全性または機能を変更したりまたはダメージ(例えば、RPEまたはブルッフ膜へのダメージ)を与えたりするあらゆる状態も含む。例えば、この用語は、網膜剥離、脈絡網膜変性、網膜変性、光受容体変性、RPE変性、ムコ多糖症、杆体錐体ジストロフィー、錐体杆体ジストロフィーおよび錐体変性を包含する。
本明細書に記載される黄斑変性症関連障害としては、AMD、例えば、抗VEGF処置、例えば抗VEGF抗体など、またはレーザー処置、または埋め込み型のテレスコープによって処置される黄斑変性症関連障害などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、疾患または状態を有する対象を「処置すること」は、処置後、対象の症状を部分的もしくは完全に軽減する、または静止したままにすることを意味する。したがって処置は、予防、療法および/または治癒を包含する。予防は、可能性のある疾患の防止および/または症状の悪化も疾患の進行の防止を指す。また処置は、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドおよび組成物のあらゆる医薬的使用も包含する。
本明細書で使用される場合、「防止」または予防は、疾患または状態を発症するリスクまたは確率を低減する方法を指す。
本明細書で使用される場合、「治療剤」、治療レジメン、放射線防護体、または化学療法剤は、ワクチンを含む従来の薬物および薬物療法を意味し、これらは当業者に公知である。放射線療法剤は当業界において周知である。
本明細書で使用される場合、「処置」は、状態、障害または疾患の症状を緩和するかまたはそれ以外の方法で有利に変更するあらゆる方式を意味する。また処置は、本明細書に記載の組成物のあらゆる医薬的使用も包含する。
本明細書で使用される場合、処置による、例えば医薬組成物または他の治療剤の投与による特定の疾患または障害の「症状の緩和」は、永続的かまたは一時的か、持続的かまたは一過性かにかかわらず、組成物または治療剤の投与に起因するかまたはそれに関連する可能性がある症状のあらゆる軽減を指す。
本明細書で使用される場合、「医薬的に有効な薬剤」としては、あらゆる治療剤または生理活性因子、例えば、これらに限定されないが、例えば、麻酔剤、血管収縮剤、分散剤など、および従来の治療薬物、例えば小分子薬物および治療用タンパク質などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、特定の疾患を処置するための化合物または組成物の「有効量」は、疾患に関連する症状を緩和する、または一部の方式では低減するのに十分な量である。このような量は、単回投薬量として投与してもよいし、または投与が効果的になるレジメンに従って投与してもよい。このような量は、疾患の治癒も可能であるが、典型的には、疾患の症状を緩和するために投与される。典型的には、所望の症状の緩和を達成するために、繰り返しの投与が必要である。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」または「治療有効用量」は、少なくとも対象への投与後に治療作用を生じさせるのに十分な、薬剤、化合物、材料、または化合物を含有する組成物の量を指す。したがって、この量は、疾患または障害の症状を防止する、治癒する、緩和する、停止させるまたは部分的に停止させるのに必要な量である。
本明細書で使用される場合、「治療作用」は、対象の処置の結果生じる、疾患または状態の症状を変更する、典型的には改善もしくは緩和する、または疾患または状態を治癒する作用を意味する。
本明細書で使用される場合、「予防有効量」または「予防有効用量」は、対象に投与すると、意図した予防作用、例えば、疾患または症状の発病または再発を防止するもしくは遅らせる作用、疾患または症状の発病または再発の可能性を低減する作用、またはウイルス性感染の発生を低減する作用を有する、薬剤、化合物、材料、または化合物を含有する組成物の量を指す。1つの用量の投与によって完全な予防的作用が必ずしも起こるとは限らず、一連の用量の投与の後にのみ起こる場合がある。したがって、予防有効量は、1回または複数回の投与で投与してもよい。
本明細書で使用される場合、改変されたMTSP-1プロテアーゼなどの「非補体プロテアーゼの投与」は、非補体プロテアーゼをその基質と接触させるあらゆる方法を指す。投与は、インビボまたはエクスビボまたはインビトロで実行することができる。例えば、エクスビボでの投与の場合、体液、例えば血液を対象から取り出し、体外で改変された非補体プロテアーゼ、例えば改変されたMTSP-1プロテアーゼと接触させる。インビボでの投与の場合、改変された非補体プロテアーゼ、例えば改変されたMTSP-1プロテアーゼは、例えば局所、外用、全身および/または他の導入経路によって体に導入することができる。インビトロでの投与は、細胞培養方法などの方法を包含する。
本明細書で使用される場合、「単位用量形態」は、ヒトおよび動物対象に好適な、当業界において公知のように個々にパッケージングされた物理的に別々の単位を指す。
本明細書で使用される場合、処置される「患者」または「対象」としては、1人もしくは複数のヒトまたは非ヒト動物が挙げられる。哺乳動物としては、霊長類、例えばヒト、チンパンジー、ゴリラおよびサル;家畜、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ブタ、ヤギおよびウシ;ならびにげっ歯類、例えばマウス、ラット、ハムスターおよびアレチネズミが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「組合せ」は、2つまたはそれより多くの項目間または項目内のあらゆる関連を指す。このような関連は、空間的であってもよいし、または共通の目的のための2つまたはそれより多くの項目の使用を指す場合もある。このような関連は、2つまたはそれより多くの別個の項目、例えば2つの組成物または2つのコレクション、それらの混合物、例えば2つまたはそれより多くの項目の単一の混合物、またはそれらのあらゆるバリエーションであってもよい。組合せの要素は、一般的に、機能的に関連または相関している。
本明細書で使用される場合、「組成物」は、2つまたはそれより多くの生成物または化合物(例えば、薬剤、モジュレーター、調節因子など)のあらゆる混合物を指す。組成物は、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性もしくは非水性製剤、またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。
本明細書で使用される場合、安定化剤は、例えば本明細書に記載の製剤が貯蔵または使用される条件下(例えば、温度)で抗体またはコンジュゲートのいずれかを保護するために製剤に添加される化合物を指す。したがって、組成物中の他の成分によるタンパク質の分解を防止する薬剤が含まれる。このような薬剤の例示は、アミノ酸、アミノ酸誘導体、アミン、糖、ポリオール、塩および緩衝液、界面活性剤、阻害剤または基質、ならびに本明細書に記載されるような他の薬剤である。
本明細書で使用される場合、「流体」は、流動が可能なあらゆる組成物を指す。したがって流体は、半固体、ペースト、溶液、水性混合物、ゲル、ローション、クリームの形態の組成物、および他の同様の組成物を包含する。
本明細書で使用される場合、「製造品」は、製造および販売される製品である。この用語は、本出願にわたり使用される場合、同じまたは別個のパッケージング物品中に含有された、治療剤と改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは核酸分子を包含することが意図される。
本明細書で使用される場合、「キット」は、パッケージングされた組合せを指し、これは、組合せの要素を使用して方法を実施するための試薬ならびに他の生成物および/または成分を含んでいてもよい。例えば、改変されたプロテアーゼポリペプチド、例えば本明細書に提供される改変されたMTSP-1プロテアーゼ、または本明細書に提供される核酸分子、ならびにこれらに限定されないが、投与、診断、および生物活性または特性の評価などの目的のための別の部材を含有するキットが提供される。キットは、使用説明書を含んでいてもよい。
本明細書で使用される場合、「細胞抽出物」は、溶解または崩壊させた細胞から作製される調製物または画分を指す。
本明細書で使用される場合、「動物」としては、あらゆる動物、例えば、これらに限定されないが;ヒト、ゴリラおよびサルなどの霊長類;げっ歯類、例えばマウスおよびラット;鳥類、例えばニワトリ;反芻動物、例えばヤギ、ウシ、シカおよびヒツジが挙げられる。非ヒト動物は、企図される動物として、ヒトを除外する。本明細書に提供されるプロテアーゼは、あらゆる供給源、動物、植物、原核生物および真菌生物由来である。ほとんどのプロテアーゼは、動物起源であり、例えば哺乳動物起源などである。
本明細書で使用される場合、「単回投薬」製剤は、直接投与のための治療剤の単回用量を含有する製剤を指す。単一の投薬製剤は、一般的にいかなる保存剤も含有しない。
本明細書で使用される場合、複数回投与製剤は、治療剤の複数回用量を含有し、直接投与して、治療剤の数回の単回用量を提供することができる製剤を指す。この用量は、数分、数時間、数週間、数日または数か月の期間にわたり投与することができる。複数回投与製剤は、用量の調整、用量の貯留および/または用量の分割を可能にする。複数回投与製剤は長期にわたり使用されるため、それらは一般的に、微生物の増殖を防止するために1種または複数の保存剤を含有する。
本明細書で使用される場合、「対照」または「標準」は、試験パラメーターで処理されていないことを除き試験サンプルと実質的に同一であるサンプルを指し、またはそれが血漿サンプルの場合、それは目的の状態に罹患していない正常な志願者由来であってもよい。対照はまた、内部対照であってもよい。例えば、対照は、公知の特性または活性を有するサンプル、例えばウイルスであってもよい。
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの(an)」薬剤への言及は、1つまたは複数の薬剤を含む。
本明細書で使用される場合、用語「または」は、どちらか一方のみを指すことが明示的に示されない限り、または選択肢が互いに両立しがたい場合、「および/または」を意味するものとして使用される。
本明細書で使用される場合、範囲および量は、「約」の特定の値または範囲として表すことができる。約は、正確な量も含む。したがって「約5塩基」は、「約5塩基」を意味し、「5塩基」も意味する。
本明細書で使用される場合、「任意の」または「~してもよい(適宜)」は、その後に記載される事象または環境が起こる場合もあれば起こらない場合もあること、さらにその記載が、前記事象または環境が起こる場合と起こらない場合を包含することを意味する。例えば、置換されていてもよい基は、基が非置換であるかまたは置換されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、あらゆる保護基、アミノ酸および他の化合物の略語は、別段の指定がない限り、それらの一般的な使用、認められた略語、または生化学命名法のIUPAC-IUB委員会に従う[(1972) Biochem. 11:1726を参照]。
開示を明確にするために、限定するつもりはないが、詳細な説明を以下のサブセクションに分割する。
B.MTSP-1の構造および機能
MTSP-1[マトリプターゼ、TADG-15、腫瘍原性の抑制因子14、ST14とも呼ばれる;配列番号1、2およびGenBank受託番号:AF118224およびAAD42765;米国特許第5,792,616号を参照;またTakeuchi (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:11054-1161も参照]は、アミノ酸配列P4(Arg/Lys)-P3(X)-P2(Ser)-P1(Arg)-P1’(Ala)およびP4(X)-P3(Arg/Lys)-P2(Ser)-P1(Arg)-P1’(Ala)(式中Xは非塩基性アミノ酸に対応する)を含有するタンパク質を切断し[Takeuchi (2000) J Biol Chem 275(34):26333-42]、それらのP1部位にアルギニンまたはリシン残基を有する様々な合成基質を切断できるセリンプロテアーゼである。MTSP-1は、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(u-PA)、肝細胞増殖因子(HGF)/分散因子およびプロテアーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)を含む少なくとも3つの公知の生理学的な基質を有する[Takeuchi (2000) J Biol Chem 275(34):26333-42;Lee et al. (2000) J Biol Chem 275:36720-36725]。MTSP-1は、上皮細胞に見出され、多くのがん組織に見出される。MTSP-1は、正常な胚発生に関与する。MTSP-1は、マウスにおける正常な胚発生に必要なタイトジャンクション分子であるE-カドヘリン(E-adherin)と共に局在する。
C3中の阻害性配列を切断するように改変されており、その結果、C3のC3aおよびC3bフラグメントへの活性化が阻害される、改変された膜型セリンプロテアーゼ1(MTSP-1)ポリペプチドが本明細書に提供される。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性/特異性は、特定には配列番号1~4のいずれかの未改変のMTSP-1ポリペプチドと比較してより大きい活性および/もしくは特異性またはkcat/KでC3を切断するような活性/特異性である。また改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などの未改変のMTSP-1ポリペプチドの生理学的な基質についての低減された活性または特異性またはその両方を有していてもよい。したがって、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体経路における補体活性化を阻害する。改変されたMTSP-1ポリペプチドはまた、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などの他のMTSP-1基質と比較して、C3切断について増加した選択性も呈示する。それゆえに、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、それらが望ましくない副作用を呈示しないように、生理学的なネイティブのMTSP-1基質に対して望ましくない切断活性を呈示しない。
1.セリンプロテアーゼ
セリンプロテアーゼ(SP)は、分泌された酵素および細胞質内の貯蔵細胞器官中に封鎖された酵素を含み、血液凝固、創傷治癒、消化、免疫応答ならびに腫瘍の浸潤および転移などにおいて様々な生理学的な役割を有する。例えば、キモトリプシン、トリプシン、およびエラスターゼは、消化管で機能し;第10因子、第11因子、トロンビン、およびプラスミンは、凝血および創傷治癒に関与し;C1r、C1s、およびC3コンバターゼは、補体活性化において役割を果たす。
II型膜貫通型セリンプロテアーゼと指定される細胞表面タンパク質のクラスは、細胞外ドメインで膜に固定されたタンパク質であるプロテアーゼである。細胞表面タンパク質として、それらは、細胞内シグナル伝達において、さらに細胞表面でのタンパク質分解事象の媒介において役割を果たす。他のセリンプロテアーゼは、膜結合型であり、類似の方式で機能する。それ以外のものは、分泌型である。多くのセリンプロテアーゼが、細胞表面受容体に結合するとそれらの活性を働かせることから、細胞表面で作用する。細胞表面タンパク質分解は、様々な細胞機能を媒介する生物学的に活性なタンパク質の生成のためのメカニズムである。
セリンプロテアーゼは、分泌型および膜貫通型セリンプロテアーゼを含め、新生物の発生および進行を含むプロセスに関与する。これらのプロテアーゼの正確な役割は十分に詳述されていないが、セリンプロテアーゼおよびその阻害剤は、がん細胞浸潤における分解作用および転移性の蔓延、ならびに腫瘍の進行に関与する腫瘍の新血管形成などの多くの細胞内および細胞外の生理学的プロセスの制御に関与する。プロテアーゼは、細胞外マトリックス(ECM)の分解およびリモデリングに関与し、組織リモデリングに寄与し、がんの浸潤および転移に必要である。一部のプロテアーゼの活性および/または発現は、腫瘍の進行および発生と相関することが示されている。
セリンプロテアーゼの20種より多くのファミリー(S1~S27と表される)が同定されており、それらは、構造的な類似性および他の機能的な証拠に基づき6つのクラン(SA、SB、SC、SE、SFおよびSG)にグループ分けされる[Rawlings ND et al. (1994) Meth. Enzymol.244:19-61]。数種のセリンペプチダーゼの反応メカニズムには類似性がある。キモトリプシン、ズブチリシンおよびカルボキシペプチダーゼCクランは、共通してセリン、アスパラギン酸およびヒスチジンの触媒三残基を有し、セリンは求核剤として、アスパラギン酸は求電子物質として、ヒスチジンは塩基として作用する。触媒残基の幾何学的な方向は、タンパク質フォールドが異なるにもかかわらずファミリー間で類似している。触媒残基の直鎖状配置は一般的に、クランの関係を反映する。例えばキモトリプシンクラン(SA)における触媒三残基は、規則正しいHDSであるが、ズブチリシンクラン(SB)では規則正しいDHSであり、カルボキシペプチダーゼクラン(SC)ではSDHである。
キモトリプシンスーパーファミリーのセリンプロテアーゼの例としては、組織型プラスミノゲン活性化因子(tPA)、トリプシン、トリプシン様プロテアーゼ、キモトリプシン、プラスミン、エラスターゼ、ウロキナーゼ(または尿型プラスミノゲン活性化因子、u-PA)、アクロシン、活性化プロテインC、C1エステラーゼ、カテプシンG、チマーゼ、ならびにカリクレイン、トロンビン、ならびに第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第XIa因子、第および第XIIa因子を含む血液凝固カスケードのプロテアーゼが挙げられる[Barret, A.J., In:Proteinase Inhibitors, Ed. Barrett, A.J., Et al., Elsevier, Amsterdam, Pages 3-22 (1986);Strassburger, W. et al., (1983) FEBS Lett., 157:219-223;Dayhoff, M.O., Atlas of Protein Sequence and Structure, Vol 5, National Biomedical Research Foundation, Silver Spring, Md. (1972);およびRosenberg, R.D. et al. (1986) Hosp. Prac., 21:131-137]。
セリンプロテアーゼファミリーにおけるプロテアーゼの活性は、それらの活性部位を形成する一群のアミノ酸残基に依存する。残基の1つは常にセリンであることから、それらはセリンプロテアーゼと名付けられる。例えば、キモトリプシン、トリプシン、およびエラスターゼは、類似の構造を有し、それらの活性なセリン残基は、3つ全てにおいて同じ位置(Ser-195)にある。それらの類似性にもかかわらず、それらは異なる基質特異性を有し、タンパク質消化中に異なるペプチド結合を切断する。例えば、キモトリプシンは、そのカルボニル炭素が切断されるペプチド結合の一部である残基上の芳香族側鎖を優先する。トリプシンは、この位置における正電荷を有するLysまたはArg残基を優先する。セリンプロテアーゼはそれらの基質認識特性において著しく異なっており、いくつかは高度に特異的であり(すなわち、血液凝固および免疫補体系に関与するプロテアーゼ);いくつかは、部分的にのみ特異的であり(すなわち、哺乳動物における消化のプロテアーゼであるトリプシンおよびキモトリプシン);および他のもの、例えば細菌プロテアーゼであるズブチリシンなどは、完全に非特異的である。これらの特異性の相違にもかかわらず、セリンプロテアーゼの触媒メカニズムは、よく保存されている。
セリンプロテアーゼによる標的タンパク質の切断メカニズムは、セリンによる標的化されたペプチド結合の求核性攻撃に基づく。またシステイン、スレオニンまたはアスパラギン酸もしくは金属に会合した水分子もこの役割を果たすことができる。多くの場合において、このグループの求核性の特性は、アスパラギン酸によって「プロトンアクセプター状態」で保持されたヒスチジンの存在によって改善される。セリン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸のアライメントされた側鎖は、ほとんどのセリンプロテアーゼに共通の触媒三残基を構築する。例えば、キモトリプシン、およびキモトリプシンと同じファミリーのメンバーであるセリンプロテアーゼ、例えばMTSP-1などの活性部位残基は、Asp102、His57、およびSer195である。
キモトリプシンスーパーファミリーの全てのセリンプロテアーゼの触媒ドメインは、配列相同性および構造的な相同性を有する。配列相同性は、1)特徴的な活性部位の残基(例えば、トリプシンの場合ではSer195、His57、およびAsp102);2)オキシアニオンホール(例えば、トリプシンの場合ではGly193、Asp194);および3)構造中でジスルフィド架橋を形成するシステイン残基の保存を含む[Hartley, B.S., (1974) Symp. Soc. Gen. Microbiol., 24:152-182]。構造的な相同性は、1)2つのグリークキー構造を特徴とする共通のフォールド[Richardson, J. (1981) Adv. Prot. Chem., 34:167-339];2)触媒残基の共通の配置;および3)分子のコア内における構造の精密な保存[Stroud, R.M. (1974) Sci. Am., 231:24-88]を含む。
セリンプロテアーゼのキモトリプシンファミリーの全体において、基質と酵素との骨格の相互作用は完全に保存されているが、側鎖の相互作用は顕著に異なっている。活性部位のS1~S4ポケットを含有するアミノ酸の同一性は、その特定のポケットの基質特異性を決定する。1つのセリンプロテアーゼのアミノ酸を同じフォールドを有する他のセリンプロテアーゼのアミノ酸にグラフト化することは、前者の特異性をその他のものに改変する。典型的には、S1~S4ポケットを含有するプロテアーゼのアミノ酸は、基質の4から5オングストローム以内に側鎖を有するものである。これらのアミノ酸がプロテアーゼ基質と形成する相互作用は、一般的に、それらが基質と直接接触することから「第1のシェル」の相互作用と呼ばれる。しかしながら、最終的に第1のシェルのアミノ酸を位置決定する「第2のシェル」および「第3のシェル」の相互作用が存在する場合がある。第1のシェルおよび第2のシェルの基質結合作用は、主としてベータバレルドメイン間のループによって決定される。これらのループはタンパク質のコアエレメントではないため、フォールドの完全性を維持しつつ、新規の基質特異性を有するループ変異体が、分子レベルで必要な代謝または調節性のニッチを満たすために進化の経過中に選択される可能性がある。セリンプロテアーゼにとって典型的には、キモトリプシンの番号付けに基づき、一次配列で示される以下のアミノ酸:195、102、57(触媒三残基);189、190、191、192、および226(S1);57、58から64の間のループ、および99(S2);192、217、218(S3);Cys168からCys180の間のループ、215、および97から100(S4);ならびに41および151(S2’)が、特異性の決定基であり、この場合、S1位におけるアミノ酸はP1特異性に影響し、S2位におけるアミノ酸はP2特異性に影響し、S3位におけるアミノ酸はP3特異性に影響し、S4位におけるアミノ酸はP4特異性に影響する。セリンプロテアーゼにおける189位は、S1特異性を決定するポケットの底部に埋め込まれた残基である。MTSP-1の構造的な決定基は、表4に列挙され、それにおいて、指定されるプロテアーゼそれぞれのプロテアーゼドメインが、キモトリプシンのプロテアーゼドメインのものと共にアライメントされる。Cys168~Cys182および60のループの列の項目の真下の番号は、2つのアミノ酸の間のループ中およびループ中のアミノ酸の数を示す。Cys191~Cys220の列の項目の下の有/無の記号は、プロテアーゼ中にジスルフィド架橋が存在するかどうかを示す。これらの領域は、キモトリプシン様セリンプロテアーゼのファミリー内で様々であり、それ自体で構造的な決定基を表す。
2.構造
MTSP-1 cDNAは、様々な哺乳動物種からクローニングされている。例示的なMTSP-1前駆体ポリペプチドとしては、これらに限定されないが、ヒト(配列番号1、配列番号5によってコードされた)、マウス(配列番号12)、およびラット(配列番号13)のMTSP-1ポリペプチドが挙げられる。ヒトMTSP-1 mRNA転写物は、正常に翻訳されると、855アミノ酸の野生型タンパク質(配列番号1)を形成する。配列が配列番号5に記載の通りである核酸分子(Genbank AF118224も参照)は、855アミノ酸であるMTSP-1(配列番号1、GenBank AAD42765)をコードする。MTSP-1は、C末端セリンプロテイナーゼドメインを有するマルチドメインプロテイナーゼである[Friedrich et al. (2002) J Biol Chem 277(3):2160]。プロテアーゼの683アミノ酸の変異体が単離されているが、このタンパク質は、短縮化された形態または細胞外ドメインの形態のようである。以下でさらに詳細に説明されるように、MTSP-1は、正規の活性化モチーフにおけるタンパク質分解切断によってさらにプロセシングされて二本鎖成熟MTSP-1ポリペプチドを生成する酵素原またはプロ酵素である。
ヒトMTSP-1のオルタナティブスプライシングによって産生される少なくとも5つのアイソフォームが存在する。それぞれ、全長タンパク質(95kDa)、配列番号1の残基149~855(78kDa)、配列番号1の残基190~855(73kDa)または配列番号1の205~855(74kDa)、配列番号1の残基190~614(45.7kDa)、および配列番号1の残基615~855(26kDa)に対応する、およそ95、78、74、45および25kDAの分子量を有するMTSP-1の形態が検出されている[Ge et al., (2006) J Biol Chem 281:7406-7412]。ヒトMTSP-1の対立遺伝子変異体および他の変異体が公知である。例えば、天然に存在する変異体G827Rは、皮膚の過角化症を特徴とする乏毛症症候群を伴う魚鱗癬に関連する[Basel-Vanagaite et al., (2007) Am J Hum Genet 80:467-477]。別の例において、配列番号1に記載のアミノ酸の配列(配列番号2に記載のアミノ酸の配列に対応する)中にアミノ酸改変C299S(キモトリプシンの番号付けによりC122S)を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドが公知であり、遊離のシステインの置き換えが、コードされたタンパク質の凝集を低減する。追加の変異体としては、配列番号1に記載の全長MTSP-1中にアミノ酸改変M285I、R381S、H656A、D711A、およびS805Aを含有するものが挙げられる。
MTSP-1は、前立腺がん、乳がん、および結腸直腸がんにおいて高度に発現されるかまたは活性であり、乳がんや前立腺がんの転移において役割を果たすと言われている。またMTSP-1は、様々な上皮組織でも発現され、ヒト消化管および前立腺において高いレベルの活性および/または発現を示す。MTSP-1の他の種が公知である。例えば、MTSP-1のマウス相同体が同定されており、これはエピチン(epithin)と呼ばれる。MTSP-1は、アミノ酸615~854の間に、膜貫通ドメイン、2つのCUBドメイン、4つのLDLRリピート、およびセリンプロテアーゼドメイン(またはペプチダーゼS1ドメイン)(配列番号2および7として記載される)を含有し、これは、例えばキモトリプシン(配列番号14および15)を含むセリンプロテアーゼのペプチダーゼS1ファミリーの全てのメンバー中で高度に保存されている。MTSP-1は、855アミノ酸の酵素原として合成され、Arg614とVal615との間での切断によって活性な二本鎖酵素の形態に活性化される。加えて、単鎖タンパク質分解ドメインは単独で、触媒活性であり、機能的である。
MTSP-1は、セリンプロテアーゼのペプチダーゼS1ファミリー(キモトリプシンファミリーとも称される)に属し、これにはキモトリプシンおよびトリプシンも含まれる。一般的に、キモトリプシンファミリーメンバーは、キモトリプシンと配列および構造的な相同性を共有する。MTSP-1は、本明細書では成熟キモトリプシンの番号付けに従って番号付けられ、そのプロテアーゼドメインは、キモトリプシンのプロテアーゼドメインと共にアライメントされ、その残基はそれに従って番号付けられる。キモトリプシンの番号付けに基づいて、活性部位の残基は、Asp102、His57、およびSer195である。直鎖状アミノ酸配列は、キモトリプシンの配列とアライメントして、キモトリプシンのβシートに従って番号付けすることができる。ベータシート間のループ中に挿入および欠失が存在するが、構造的なファミリーの全体において、コアシートは保存されている。セリンプロテアーゼは、保存されたベータシートの方式で基質と相互作用する。6個までの保存された水素結合が、基質と酵素との間に存在していてもよい。キモトリプシンファミリーの全てのセリンプロテアーゼは、触媒活性に必要なプロテアーゼドメインのN末端において保存された領域(すなわち、IIGG、VVGG、またはIVGGであり、この四つ組における第1のアミノ酸は、キモトリプシンの番号付けに従って番号付けられ、記号Ile16が与えられる。この番号付けは、前駆体配列の長さを反映しない)を有する。
プロテアーゼドメインにおけるMTSP-1の基質特異性は、ポジショナルスキャニング合成コンビナトリアルライブラリーおよび基質ファージディスプレイを使用してマッピングされている[Takeuchi et al.(2000) J Biol Chem 275:26333]。MTSP-1によって認識される基質中の切断残基は、P4におけるArg/LysおよびP3における塩基性残基またはGln、P2における小さい残基、P1におけるArgまたはLys、ならびにP1’におけるAlaを含有する。有効な基質は、それぞれP4-P1部位にLys-Arg-Ser-Argを含有する。一般的に、MTSP-1についての基質特異性は、P3が塩基性の場合、P4は非塩基性になりやすく、P4が塩基性の場合、P3は非塩基性になりやすいという傾向を示す。例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および肝細胞増殖因子(HGF)などのMTSP-1の公知の基質は、MTSP-1特異的な基質の切断配列に適応する。
MTSP-1は、トリプシンと同様の効率で選択された合成基質を切断することができるが、基質に対してトリプシンより制限された特異性を呈示する。MTSP-1の触媒ドメインは、全体として(キモ)トリプシン様セリンプロテアーゼの構造的フォールドを有するが、疎水性/酸性S2/S4サブサイトおよび露出した60のループなどの固有な特性を示す。同様に、MTSP-1は、接近可能なLysまたはArg残基においてペプチド基質を見境なく切断しないが、切れやすいペプチド結合周辺の追加の残基の認識を必要とする。この伸長した一次配列に関する必要条件が、MTSP-1のその基質への特異性を際立たせている。例えば、MTSP-1は、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)(Ser-Lys-Gly-ArgのP4-P1標的配列を示す)を切断するにもかかわらず、この酵素は、切れやすい結合に近い伸長したMTSP-1特異性とマッチする標的配列を示さないPAR-1、PAR-3、およびPAR-4などの、この基質に密接に関連するタンパク質を活性化しない[Friedrich et al. (2002) J Biol Chem 277:2160を参照]。
MTSP-1のプロテアーゼドメイン(例えば、配列番号2、4を参照)は、プロ領域および触媒ドメインで構成される。ポリペプチドの触媒活性部分は、成熟タンパク質のアミノ酸残基611における自己活性化部位から始まる(例えば、配列番号1、3のRQARとそれに続く残基VVGGを参照)。MTSP-1のS1ポケットおよびトリプシンは、優れたLysとの相補性に加えてArg P1残基の点で類似しており、これがトリプシンでの基質切断におけるいくつかの類似性の主要因である。P1-Lys残基の適応は、埋め込まれたα-アンモニウム基を安定化するために側鎖が追加の水素結合アクセプターを提供するSer190によって媒介される[Friedrich et al. (2002) J Biol Chem 277: 2160を参照]。S2ポケットは、P2アミノ酸の小から中程度の大きさの疎水性側鎖に順応し、一般的にP2位で広範囲なアミノ酸を受容するような形をしている。結合すると、S2サブサイトは、Phe99ベンジル基の回転により証明されるように硬くなくなる。P3位(Glnまたは塩基性残基のいずれかの場合)およびP4位(ArgまたはLys残基の場合)における基質アミノ酸の会合は、Asp-217および/またはAsp-96の酸性側鎖とのS3およびS4ポケットにおける静電的相互作用が媒介するようであり、それにより、特異的な塩基性ペプチド基質が酵素活性部位のクレフトに近づくときに、その方向を前もって有利に定めることができる。またP3残基の側鎖も、Gln192のカルボキサミド基と水素結合することが可能であり、または代替として、P3側鎖は、S4サブサイトに向かって伸長して、Phe97と水素結合を形成することができ、それにより、Gly216との主鎖間の水素結合を弱めることができる。いずれのコンフォメーションにおいても、塩基性P3側鎖は、MTSP-1のS4ポケットの負電位と有利に相互作用することができる。同じS4位からの相互の電荷補償および排除が、優れたMTSP-1基質においてP3およびP4におけるArg/Lys残基の同時出現の確率が低いことの説明である。一般的に、基質結合の特異性の拡大に寄与するMTSP-1のアミノ酸位置(キモトリプシンの番号付けに基づく)としては、146および151(S1’);189、190、191、192、216、226(S1);57、58、59、60、61、62、63、64、99(S2);192、217、218、146(S3);96、97、98、99、100、168、169、170、170A、171、172、173、174、175、176、178、179、180、215、217、224(S4)が挙げられる。表4は、標的化された基質との特異性相互作用に重要なアミノ酸位置の一部に対するMTSP-1における残基を要約する。典型的には、拡張された特異性結合ポケットまたは相互作用の他の二次的な部位におけるアミノ酸のいずれか1つまたは複数を変更するようなMTSP-1プロテアーゼの改変が、プロテアーゼの標的基質に対する特異性または選択性に影響を与える。
Figure 0007091373000006



*残基の数
3.機能/活性
膜型セリンプロテアーゼ1(MTSP-1)は、皮膚を含む上皮組織で、さらに腎臓、肺、前立腺および乳房の上皮で正常に発現される[Kim et al. (1999) Immunogenetics 49:420-428;Oberst et al. (2001) Am J Pathol 158:1301-1311;Takeguchi et al. (1999) Proc Natl Acad Sci 96:11054-11061]、さらに様々な腫瘍タイプで発現される[Oberst et al.(2001) Am J Pathol 158:1301-1311]セリンプロテアーゼである。MTSP-1は、出生後の生存に必須であり、MTSP-1欠損マウスは出産まで発達したが、その後すぐに死亡し、異常な皮膚の発達を特徴としていたことから、上皮および表皮バリア機能における、さらに正常な皮膚および毛髪の発達に重要なものとしてのMTSP-1の役割が示唆される[List et al. (2002) Oncogene 23(23):2765-3779]。出生後のMTSP-1除去は、突然変異動物においてタイトジャンクション形成の喪失および誤った場所に局在化したタイトジャンクション関連タンパク質を引き起こしたことから[List et al. (2009) Am J Pathology 175:1453-1463]、MTSP-1がマウス上皮の維持に必須であることが示唆される。またMTSP-1は、神経前駆細胞の移動を促進することも報告されている[Kendall et al., (2008) Stem Cells 26(6):1575-86]。
MTSP-1は、前立腺がん、乳がん、肺がん、卵巣がんおよび結腸直腸がんにおいて高度に発現されるかまたは活性であり、乳がんおよび前立腺がんの転移において役割を果たす可能性がある。MTSP-1はまた、腫瘍に関連する血管中でも同定することができる。MTSP-1はまた、様々な上皮組織でも発現され、ヒト消化管および前立腺で高いレベルの活性および/または発現を示す。腫瘍または上皮細胞表面におけるMTSP-1の存在は、様々な因子との相互作用および広範囲な基質のタンパク質分解消化を可能にする。
腫瘍活性に対する細胞移動におけるMTSP-1の役割は、細胞外環境ならびに細胞の移動、進行、および転移に寄与する周辺の細胞の変化を誘発する可能性がある。血管疾患およびがんにおけるMTSP-1の役割のために、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、これらのタンパク質への選択性の低減をそれらが呈示するように変更される。
C.C3を標的化することによる補体の阻害
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、アミノ酸改変を含有しないMTSP-1ポリペプチド[例えば、野生型ヒトMTSP-1(配列番号1を参照)もしくは参照全長ヒトMTSP-1(配列番号3を参照)またはそれらの触媒ドメインまたはプロテアーゼドメイン(配列番号2または4を参照)]と比較して、補体タンパク質C3における阻害性切断配列について増加した特異性および/または活性を呈示する。参照MTSP-1ポリペプチドは、キモトリプシンの番号付けにより、置き換えC122Sを含む。残基122におけるSでの置き換えは、C3における特異性または活性を変更しないが、凝集を低減する。C3は補体の3つの開始経路に関与することから(例えば、図1を参照)、タンパク質分解阻害によってC3を標的化することは、補体カスケードの不活性化のための全般的かつ広範な治療標的を提供する。C3の不活性化切断は、末端補体の活性に加えて副経路の増幅ループもブロックする。全ての3つの経路は、C3に収束する(例えば、図1を参照)。補体活性化を阻害する能力のために、このような改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体活性化に関連する様々な疾患、状態および病理、例えば炎症性応答および自己免疫疾患を処置するのに使用することができる。補体活性化は、エフェクター分子および膜侵襲複合体の生成によって一部引き起こされる局所炎症および組織へのダメージを促進することによる疾患および状態の発生に関連する。一例において、例えば多くの自己免疫疾患において、補体は、例えば宿主組織に対する抗体により不適切な環境下で活性化されるため、組織のダメージを引き起こす。他の状況では、補体は、例えば敗血症によって正常に活性化され得るが、それでもなお例えば呼吸窮迫症候群において疾患の進行に寄与する。病理学的には、補体は、適切に制御されない場合、血管(血管炎)、腎臓の基底膜および付着した内皮および上皮細胞(腎炎)、関節の滑膜(関節炎)、ならびに赤血球(溶血)への著しいダメージを引き起こす可能性がある。補体活性化におけるC3の役割は、以下でより詳細に論じられる。
本明細書に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3を切断することができる。例えば、抗C3 MTSP-1変異体の単回の静脈注射は、インビボにおいて血漿からC3を排除することができ、同様に、単回の硝子体内注射は、硝子体液中に存在する全てのC3を切断することができる。C3は、全ての3つの「開始」経路(古典、副、およびレクチン)を介した補体活性化に必要な共通の補体経路の第1の成分であるため、C3の不活性化/排除は、全ての3つの補体経路につき機能的に関連する。
1.補体タンパク質C3および補体の開始におけるその役割
補体系は、抗体媒介性免疫応答においてだけでなく、細菌、ウイルス感染細胞、および寄生虫などの病原体を認識して致死させる自然免疫応答においても機能する30種を超える可溶性および細胞膜結合型タンパク質を含む。補体活性化は、病原体表面上で、3つの別個の経路:古典経路、副経路、およびレクチン経路を介して発生する。これらの経路は、開始に必要な成分が異なっている点で別個であるが、これらの経路は最終的に補体タンパク質C3を切断して膜侵襲複合体(MAC)の形成を開始させる同じエフェクター分子のセット(例えば、C3コンバターゼ)を生成する(例えば、図1を参照)。したがって、補体タンパク質C3は、C3のモジュレーションが様々なオプソニン、アナフィラトキシンおよびMACのモジュレーションをもたらすため、治療剤にとって魅力的な標的である。さらに、H因子(FH)、CR1、補体受容体Ig(CR1g)、DAFおよびMCPなどの天然に存在する補体の阻害タンパク質は、C3レベルで阻害する。
補体活性化には3つの経路がある(これらの経路を描写する図1を参照)。補体の経路は別個であり、それぞれ開始に関して異なる分子およびメカニズムに頼っている。経路は、それらが収束して同じ一連のエフェクター分子、すなわちC3コンバターゼを生成するという点で類似している。古典およびレクチン経路において、C4b2bは、C3コンバターゼとして作用し、副経路、C3bBbは、C3コンバターゼである(表5を参照)。C3の切断は、C3bを生成し、これは、オプソニンとして、さらにそれに続く補体反応のための補体系の主要なエフェクター分子として作用し、さらにC3の切断はC3aを生成し、これは、炎症のペプチドメディエーターである。各C3コンバターゼにC3bが添加されると、C5コンバターゼが形成され、これはC5aおよびC5bを生成する。C5aは、C3aのように、炎症のペプチドメディエーターである。C5bは、膜侵襲複合体(MAC)の生成を完結させる一続きの反応を開始させる補体活性化の「後の」事象を媒介する。3つの経路は異なるC3およびC5コンバターゼを生産するにもかかわらず、経路の全てがC3およびC5の二つに分かれた生成物を生産し、MACを形成する。代替として、C3は、外因性のプロテアーゼ、例えばリソソーム酵素およびエラスターゼによって切断および活性化され得る[Markiewski and Lambris (2007) Am J Pathology 171:715-727;Ricklin and Lambris (2007) Nat Biotechnol 25:1265-1275]。
Figure 0007091373000007


a.古典経路
C1qは、補体の古典経路の第1の成分である。C1qは、全体で共通する構造的相同性に起因する、タンパク質のコレクチンファミリーに関連するカルシウム依存性結合タンパク質である[Malhotra et al., (1994) Clin Exp Immunol.97(2):4-9;Holmskov et al. (1994) Immunol Today 15(2):67-74]。コレクチンは、しばしばパターン認識分子と呼ばれる、一般的に免疫細胞による貪食のために病原体を標的化するためのオプソニンとして機能する。MBLなどの従来のコレクチンとは対照的に、C1qのカルボキシ末端の球状の認識ドメインは、レクチン活性を有さないが、その球状ドメインの静電表面電位における著しい相違に起因して「電荷を有する」パターン認識分子として役立つ可能性がある[Gaboriaud et al. (2003) J. Biol. Chem. 278(47):46974-46982]。
C1qは、2つの異なる方法で補体の古典経路を開始させる。第1に、古典経路は、C1qと免疫複合体(すなわち抗原-抗体複合体または凝集したIgGまたはIgM抗体)との相互作用によって活性化され、それにより抗体媒介性体液性免疫応答を、補体活性化と関連付ける。IgMまたはIgGのFab部分(可変領域)が抗原と結合すると、Fc(定常)領域のコンフォメーションが変更され、C1qの結合が可能になる。C1qは、活性化される少なくとも2つのFc領域と結合しなければならない。しかしながらC1qは、抗体の非存在下でも補体を活性化することも可能であり、それによって感染に対する自然または即時の免疫応答で機能化される。抗体による開始の他にも、補体活性化はまた、C1qと、ポリアニオン(細菌性リポ多糖、DNA、およびRNA)、ある特定の小さい多糖類、ウイルス膜、C反応性タンパク質(CRP)、血清アミロイドP成分(SAP)、ならびに細菌、真菌およびウイルス膜成分などの非免疫分子との相互作用によっても達成される。
C1qは、酵素原C1rおよびC1sのそれぞれである2つの分子に結合した単一のC1q分子を含有するC1複合体の一部である。標的表面(例えば凝集した抗体または病原体)へのC1qの球状ドメインの1つより多くの結合は、(C1r:C1s)複合体におけるコンフォメーション変化を引き起こし、それによりC1rプロテアーゼの活性化が起こり、C1sを切断して活性なセリンプロテアーゼが生成される。活性なC1sは、それに続く補体成分C4およびC2を切断して、C4bおよびC2bを生成し、これが一緒になって、古典経路のC3コンバターゼを形成する。C3コンバターゼは、C3を切断して、共有結合で病原体表面に付着してオプソニンとして作用するC3bと、炎症を刺激するC3aとを生じる。一部のC3b分子はC4b2b複合体と会合して、C4b2b3bになり、これは、古典カスケードのC5コンバターゼである。表6に、補体の古典経路に関与するタンパク質を要約する。
Figure 0007091373000008


b.副経路
副経路は、抗体の非存在下で外来の病原体によって開始される。副経路による補体の開始は、C3のC3bへの自発的な加水分解を介して起こる。体液中に、血清および組織プロテアーゼ活性のために少量のC3bが常に存在する。宿主の自己細胞は通常、それと結合するとC3bを不活性化する高いレベルの膜シアル酸を含有するが、細菌は、低い外来のシアル酸レベルを含有し、それによってC3bを不活性化することなくC3bと結合する。病原体表面上のC3bは、プロテアーゼ酵素原であるB因子によって認識される。B因子は、D因子によって切断される。D因子は、酵素原としてというより活性な酵素として循環する補体系の唯一の活性化プロテアーゼであるが、B因子はD因子の唯一の基質であるため、正常な血清における低いレベルの活性なプロテアーゼの存在は、一般的に宿主にとって安全である。D因子によるB因子の切断により、活性な生成物Bbが生じ、これは、C3bと会合して、副経路のC3コンバターゼであるC3bBbを形成することができる。古典経路と同様に、C3コンバターゼは、C3からより多くのC3bおよびC3aを産生する。C3bは、病原体表面に共有結合で付着しており、オプソニンとして作用し、加えて副経路を開始させ、その一方でC3aは、炎症を刺激する。一部のC3bは、複合体と合体して、副経路のC5コンバターゼであるC3bBb3bを形成する。C3bBb3bは、血漿タンパク質のプロパージン、または微生物表面に結合し、コンバターゼを安定化するP因子によって安定化されている。表7に、補体の副経路に関与するタンパク質を要約する。
Figure 0007091373000009


c.レクチン経路
レクチン経路(MBL経路とも称される)は、レクチンタンパク質による病原体関連分子パターン(PAMP;すなわち炭水化物部分)の認識および結合後に開始される。補体のレクチン経路を活性化するレクチンタンパク質の例としては、マンノース結合レクチン(MBL)およびフィコリン(すなわちL-フィコリン、M-フィコリン、およびH-フィコリン)が挙げられる。MBLは、タンパク質のコレクチンファミリーのメンバーであり、そのため、それぞれシステインリッチ、コラーゲン様、ネック、および炭水化物認識またはレクチンドメインを含有する同一なポリペプチド鎖で構成されるサブユニットのオリゴマーとして存在する。MBLは、パターン認識分子として作用して、カルシウム依存性の方式で、その球状のレクチンドメインを介して、病原体の表面上の炭水化物部分、特定には中性糖、例えばマンノースまたはN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を認識する。またMBLは、オプソニンとしても作用して、食細胞による細菌、ウイルス、および真菌病原体の貪食を容易にする。レクチン経路の追加の開始剤としては、L-フィコリン、M-フィコリン、およびH-フィコリンなどのフィコリンが挙げられる[例えば、Liu et al. (2005) J Immunol.175:3150-3156を参照]。MBLと同様に、フィコリンは、例えばN-アセチルグルコサミンおよびマンノース構造などの炭水化物部分を認識する。
MBLまたはフィコリンによる副経路の活性化は、単一のレクチン分子が2つのプロテアーゼ酵素原と相互作用するC1qによる古典経路の活性化に類似している。レクチンタンパク質の場合、酵素原は、MBL関連セリンプロテアーゼ、MASP-1およびMASP-2であり、これらは、古典経路のC1rおよびC1s酵素原に厳密に相同である。例えば病原体表面に結合することによってレクチンタンパク質によってPAMPが認識されると、MASP-1およびMASP-2が活性化されて、C4およびC2を切断して、MBLカスケードのC3コンバターゼを形成する。次いでC3bは複合体と合体して、MBLカスケードのC5コンバターゼを形成する。MASP活性化は、微生物への応答だけでなく、これらに限定されないが、例えば臓器移植で観察されるような組織損傷を含む中性糖の暴露を伴うあらゆる応答に関連する。代替カスケードのように、MBLカスケードは、抗体から独立して活性化され、古典カスケードのように、MBLカスケードは、C4およびC2を利用して、C3コンバターゼを形成する。表8に、補体のレクチン経路に関与するタンパク質を要約する。
Figure 0007091373000010


d.補体媒介エフェクター機能
どの開始経路が使用されるかに関係なく、最終結果は、補体タンパク質(例えばC3a、C4a、ならびにC5aアナフィラトキシンおよびC5b-9膜侵襲複合体)の活性化されたフラグメントの形成であり、これは、エフェクター分子として作用して多様なエフェクター機能を媒介する。エフェクター機能(例えば走化性およびオプソニン化)の開始のための細胞による補体エフェクター分子の認識は、補体受容体の多様なグループによって媒介される。補体受容体は、赤血球、マクロファージ、B細胞、好中球、および肥満細胞などの多様な細胞型に分配される。補体成分が受容体に結合すると、受容体は細胞内シグナル伝達カスケードを開始させ、細菌の貪食の刺激や細胞からの炎症性分子の分泌などの細胞応答を引き起こす。例えば、C3b、C4b、およびそれらの生成物を認識する補体受容体CR1およびCR2は、走化性の刺激に重要である。CR3(CD11b/CD18)およびCR4(CD11c/CD18)は、同様に食細胞応答において重要なインテグリンであるが、iC3bに応答する白血球の接着および移動においても役割を果たす。C5aおよびC3a受容体は、C5aおよびC3aアナフィラトキシンの炎症促進性が媒介する機能の多くにおいて役割を果たすGタンパク質共役受容体である。例えば、C3aの受容体であるC3aRは、肥満細胞、好酸球、好中球、好塩基球および単球上に存在し、C3aの炎症促進性作用に直接関与する。
したがって、補体受容体を介して、これらの補体エフェクター分子フラグメントは、白血球走化性、マクロファージの活性化、血管透過性および細胞溶解などの数々の機能を媒介する[Frank, M. and Fries, L. Complement. In Paul, W. (ed.) Fundamental Immunology, Raven Press, 1989]。表9に、補体生成物の一部のエフェクター機能の要約を列挙する。
Figure 0007091373000011


i.補体媒介溶解:膜侵襲複合体
全ての3つの経路による補体カスケードの最終的な工程は、膜侵襲複合体(MAC)の形成である(図1)。C5は、あらゆるC5コンバターゼによってC5aおよびC5bに切断することができる。C5bは、溶液中でC6およびC7と組み合わされ、C5b67複合体は、C7上の疎水性部位を介して病原体脂質膜と会合する。C8および数種のC9の分子は、同様に疎水性部位を有し、合体してC5b6789またはC5b-9とも呼ばれる膜侵襲複合体を形成する。C5b-9は、膜中に孔を形成し、それを通って水および溶質が通過でき、結果として浸透圧溶解および細胞死を引き起こす。C5b67が付着できる脂質膜がなく、補体が抗原上で活性化される場合、C5b67複合体はすぐ近くの細胞に結合でき、バイスタンダー溶解を開始させることができる。単一のMACは、赤血球を溶解させることができるが、有核細胞は、MACをエンドサイトーシスによって取り込んで、複数のMACが存在しない限りダメージを修復することができる。グラム陰性細菌は、それらの露出した外膜およびエンベロープウイルスを有し、一般的に、補体媒介溶解を受けやすい。溶解を受けにくいのは、原形質膜がそれらの厚いペプチドグリカン層保護されているグラム陽性細菌、細胞壁の周りにカプセルまたは粘液層を有する細菌、または脂質エンベロープを有さないウイルスである。同様に、MACは、連鎖球菌由来補体阻害剤(SIC)やクラスタリンなどの膜挿入物の前に複合体に結合するタンパク質によって崩壊させることができる。典型的には、MACは、グラム陰性細菌に加えて、外来抗原(ウイルス感染細胞、腫瘍細胞など)を提示するヒト細胞の溶解を引き起こすことによってそれらの破壊も助け、さらにエンベロープウイルスのエンベロープにダメージを与えることもできる。
ii.炎症
炎症は、血管が拡張してより透過性になるプロセスであり、体を防御する細胞や防御する化学物質が血液を離れて組織に入ることを可能にする。補体活性化は、C3a、C4aおよびC5aなどの数種の炎症促進性メディエーターの形成を引き起こす。血清または血漿中の無傷のアナフィラトキシンは迅速に、カルボキシペプチダーゼNによって、より安定な、より低い活性のC3a-desArg、C4a-desArg、またはC5a-desArgの形態に変換される。C3a、C4aおよびC5a、ならびに程度は低いがそれらのdesArg誘導体が有力な生物活性ポリペプチドであり、これらは、その炎症性の活性のためにアナフィラトキシンと呼ばれる。アナフィラトキシンは、様々な細胞型上の受容体に結合して、平滑筋の収縮を刺激し、血管透過性を増加させ、肥満細胞を活性化して炎症性メディエーターを放出する。C5aは、最も有力なアナフィラトキシンであり、主として白血球、特定には好中球上で作用する。C5aは、白血球を血管から組織に押し出すこと、すなわち血管外遊出と呼ばれるプロセスが可能になるように、増加した接着分子の発現を刺激することによって感染部位において血管壁への白血球の接着を刺激する。またC5aは、好中球を刺激して、細胞外での致死、タンパク質分解酵素、およびロイコトリエンに関する活性酸素種も産生する。またC5aはさらに、ケモカイン、サイトカイン、および他の炎症促進性メディエーターの産生を誘導することによって間接的に炎症過程を増幅することもできる。またC5aは、肥満細胞と相互作用して、血管がより透過性になるようにヒスタミンなどの血管拡張物質を放出させることもできる。またC3aは白血球とも相互作用することから、好酸球での主要な作用が、アレルギー性炎症におけるC3aの役割を示唆している。C3aは、平滑筋の収縮を誘導し、血管透過性を亢進し、好塩基球の脱顆粒とヒスタミンおよび他の血管作用性物質の放出を引き起こす。C2aは、C2キニンに変換することができ、これは、血管を拡張させることによって血圧を調節する。
技術的にアナフィラトキシンとみなされないが、C3bの不活性誘導体であるiC3bは、血管内皮への白血球接着を誘導し、その細胞表面インテグリン受容体への結合を介して炎症促進性サイトカインIL-1の産生を誘導するように機能する。またC5b-9は間接的に、E-セレクチンなどの細胞接着分子の発現を誘導すること、およびインターロイキン-8の分泌を誘導することによって白血球接着、活性化、および走化性も刺激する[Bhole et al.(2003) Crit Care Med 31(1):97-104]。またC5b-9は、例えばプロスタグランジンE、ロイコトリエンB、およびトロンボキサンなどの炎症に寄与する二次メディエーターの放出も刺激する。
それらそれぞれのアナフィラトキシン生成物をもたらすヒト補体成分C3およびC5の変換は、自己免疫障害、例えば全身性エリテマトーデス、リウマチ様関節炎、悪性腫瘍、心筋梗塞、プルチェル網膜症、敗血症および成人呼吸窮迫症候群などのある特定の天然に存在する病理学的な状態に関与している。加えて、C3aおよびC5aの循環レベルの増加は、心肺バイパス手術、腎臓透析、およびナイロン繊維による白血球除去などの医原性の補体活性化に関連する特定の状態で検出されている。
iii.走化性
走化性は、細胞がそれらの環境における化学物質に応答して移動するように仕向けられるプロセスである。免疫応答では、様々なケモカインが、細胞、例えば食細胞の、感染部位への運動を指示する。例えば、C5aは、循環好中球にとって主要な化学走化性因子であるが、単球の走化性も誘導することもできる。食細胞は、C5aの濃度を増加させる方向に向かって移動し、その後、抗原に付着したC3b分子にそれらのCR1受容体を介して付着する。好塩基球、好酸球、好中球、および単核食細胞で観察されたC5aの走化性効果は、10-10Mもの低い濃度でも活性である。
iv.オプソニン化
補体の重要な作用は、食細胞による病原体の取り込みおよび破壊を容易にすることである。これは、標的細菌に結合した補体成分が好中球またはマクロファージなどの食細胞の表面上で補体受容体と相互作用するオプソニン化と呼ばれるプロセスによって起こる。この例において、補体エフェクター分子は、オプソニンと呼ばれる。病原体のオプソニン化は、C3bおよびC4bの主要な機能である。iC3bもオプソニンとして機能する。C3aおよびC5aは、食細胞上でのC3b受容体の発現を増加させ、その代謝活性を増加させる。
C3bおよび程度は低いがC4bは、体からの有害な免疫複合体の除去を助ける。C3bおよびC4bは、免疫複合体を赤血球上のCR1受容体に付着させる。次いで赤血球は、複合体を、破壊のために脾臓および肝臓内の固定されたマクロファージに運搬する。免疫複合体は、有害なIII型過敏症を引き起こす可能性がある。
v.体液性免疫応答の活性化
B細胞の活性化は、抗原によるB細胞受容体(BCR)のライゲーションを必要とする。しかしながら、補体は、抗原へのB細胞応答の閾値を1000分の1まで低くすることにおいて役割を果たすことが示されている。これは、C3の破壊フラグメントから生成した補体生成物であるC3dまたはC3dgを、BCRと共にライゲート可能なB-リンパ球上のCR2受容体に結合させることによって起こる。共にライゲートすることは、C3dでオプソニン化された抗原性粒子、例えば免疫複合体などが、CR2受容体とC3dを介して結合し、同様にBCRと抗原を介して結合すると起こる。抗原複合体を共にライゲートすることはまた、C3dが抗原に結合するときにも起こる可能性があり、それにより、抗原提示細胞、例えば樹状細胞によってそれらの取り込みを亢進し、次いで抗原をB細胞に提示させて抗体応答を亢進することができる。CR2欠損マウスは、天然抗体のレベルの低減と体液性免疫応答の減少を引き起こすB細胞機能の欠陥を示す。
2.C3の構造および機能
本明細書に提供される変異MTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3またはそのタンパク質分解フラグメントを切断し、それによって補体を阻害する。ヒト補体タンパク質C3(Uniprot受託番号P01024)は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を有する1663アミノ酸の単鎖プレプロタンパク質である。このタンパク質は、第19染色体上に配置された41kbの遺伝子(配列番号10に記載のヌクレオチド配列)によってコードされる。プレプロタンパク質は、22個のアミノ酸シグナルペプチド(配列番号9のアミノ酸1~22)およびテトラアルギニン配列(配列番号9のアミノ酸668~671)を含有し、このテトラアルギニン配列は、フューリン様酵素によって除去され、結果としてアミノ酸残基Cys559とCys816との間の鎖間ジスルフィド結合によって連結されたベータ鎖(配列番号9のアミノ酸23~667)およびアルファ鎖(配列番号9のアミノ酸672~1663)を含有する成熟二本鎖タンパク質の形成が起こる。成熟二本鎖タンパク質は、配列番号16に記載のアミノ酸の配列を有する。
補体カスケード中、補体タンパク質C3は、タンパク質分解切断によってさらにプロセシングされて、様々なC3タンパク質分解フラグメントを形成する。上述したように、全ての3つの補体開始経路は、C3コンバターゼであるC4b2bおよびC3bBbに収束する。C3コンバターゼは、C3を配列番号9の残基748と残基749との間で切断し(以下の表10を参照)、アナフィラトキシンC3a(配列番号9のアミノ酸672~748)およびオプソニンC3b(C3bアルファ’鎖;配列番号9のアミノ酸749~1663)を生成する。C3aは、炎症に関与し、C3bは、C5コンバターゼを形成し、最終的にC5aアナフィラトキシンおよびMACに至る。本明細書に提供される変異MTSP-1ポリペプチドは、補体を阻害し、したがってこのGLAR切断部位ではC3を切断しない。
C3bは、C5、プロパージン(P)、H、BおよびI因子、補体受容体1(CR1)ならびに膜補因子タンパク質(MCP)などの様々な補体成分の結合部位を有する[Sahu and Lambris (2001) Immunological Reviews 180:35-48を参照]。血漿プロテアーゼであるI因子の結合は、補因子H、CR1およびMCPの存在下でC3bの不活性化をもたらし、それに対してB因子およびPの結合は、D因子の存在下で、C3コンバターゼの増幅およびMACの開始をもたらす。I因子は、補因子の存在下で、配列番号9の残基1303~1304、1320~1321および954~955の間でC3bを切断し(以下の表10を参照)、フラグメントiC3b(配列番号9のアミノ酸749~1303)およびC3f(配列番号9のアミノ酸1304~1320)を生成する。I因子はその後、iC3bを切断し、C3c(C3cアルファ’鎖フラグメント1;配列番号9のアミノ酸749~954)およびC3dg(配列番号9のアミノ酸955~1303)を生成する。最終結果は、C3bの永久的な不活性化である[Sahu and Lambris (2001) Immunological Reviews 180:35-48を参照]。I因子はC3bを不活性化するため、I因子切断部位は、本明細書に提供される変異MTSP-1ポリペプチドによる切断にとって理想的な候補である。追加のC3bタンパク質分解フラグメントとしては、C3g(配列番号9のアミノ酸955~1001)、C3d(配列番号9のアミノ酸1002~1303)、およびC3cアルファ’鎖フラグメント2(配列番号9のアミノ酸1321~1663)が挙げられる。補体タンパク質C3における切断配列は、P4-P1残基、切断部位(P1-P1’部位)のアミノ酸残基、および切断に関与するプロテアーゼを列挙した以下の表10に記載される。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、これらの部位で切断しない。
Figure 0007091373000012


a.C3a
C3a(配列番号9のアミノ酸672~748)は、炎症、好塩基球および肥満細胞の脱顆粒、血管透過性の亢進、平滑筋の収縮ならびにサプレッサーT細胞の誘導に関与するアナフィラトキシンである。
b.C3b
C3b(配列番号9のアミノ酸749~1663)は、補体カスケードにおいて様々な役割を有する。C3bは、食細胞による病原体の取り込みおよび破壊を容易にするオプソニンである。加えてC3bは、C3コンバターゼと組み合わされるとC5コンバターゼを生成し、これが補体タンパク質C5を活性化することよって、C5aアナフィラトキシンおよびC5bが生成され、これがC6、C7、C8およびC9と組み合わされると、膜侵襲複合体が形成される。さらに、上記のセクション1bで記載したように、C3bは、補体開始の副経路に関与する。C3bは、血漿プロテアーゼである補体調節タンパク質I因子によって調節され、ここでI因子は、C3bを、iC3b、C3c、C3d、C3fおよびC3dgなどの様々なフラグメントに分解することによってC3bを永久に不活性化する。
C3bは、C3コンバターゼであるC4b2bおよびC3bBbに結合することにより、C5コンバターゼであるC4b2b3bおよびC3bBb3bを生成するその能力によって、補体媒介エフェクター機能において重要な役割を果たす。C5コンバターゼは、酵素原C5を、その活性なフラグメントに、すなわちC5aアナフィラトキシンおよびC5bに切断する。C5aは、走化性および炎症に関与し、C5bは、MACの形成に関与する。
i.C3bの阻害剤
C3bは、C5、プロパージン(P)、H、BおよびI因子、補体受容体1(CR1)ならびに膜補因子タンパク質(MCP)などの様々な補体成分の結合部位を有する[Sahu and Lambris (2001) Immunological Reviews 180:35-48を参照]。血漿プロテアーゼであるI因子の結合は、補因子H、CR1およびMCPの存在下でC3bの不活性化をもたらし、それに対してBおよびP因子の結合は、D因子の存在下で、C3コンバターゼの増幅およびMACの開始をもたらす。I因子は、補因子の存在下で、配列番号9の残基1303~1304、1320~1321および954~955の間でC3bを切断し(以下の表10を参照)、フラグメントiC3b(配列番号9のアミノ酸749~1303)およびC3f(配列番号9のアミノ酸1304~1320)を生成する。技術的にアナフィラトキシンとみなされないが、C3bの不活性誘導体であるiC3bは、血管内皮への白血球接着を誘導し、その細胞表面インテグリン受容体への結合を介して炎症促進性サイトカインIL-1の産生を誘導するように機能する。加えて、iC3bは、オプソニンとして機能する。I因子はその後、iC3bを切断して、フラグメントC3c(C3cアルファ’鎖フラグメント1:配列番号9のアミノ酸749~954およびC3cアルファ’鎖フラグメント2:配列番号9のアミノ酸1321~1663)およびC3dg(配列番号9のアミノ酸955~1303)を生成する。最終結果は、C3bの永久的な不活性化である[Sahu and Lambris (2001) Immunological Reviews 180:35-48を参照]。C3dgは、さらに切断されて、フラグメントC3g(配列番号9のアミノ酸955~1001)およびC3d(配列番号9のアミノ酸1002~1303)を生成することができる。
D.C3を切断する改変されたMTSP-1ポリペプチド
改変されたまたは変異膜型セリンプロテアーゼ1(MTSP-1)ポリペプチドが本明細書に提供される。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、野生型、ネイティブまたは参照MTSP-1ポリペプチドと比較して変更された活性または特性を呈示する。例えば、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれかに記載の野生型、ネイティブまたは参照MTSP-1ポリペプチドと比較して、または配列番号1~4のいずれかに対して、例えば配列番号4に記載の参照MTSP-1プロテアーゼドメインに対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性、特定には少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチドと比較して、改変を含有する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドのなかでも特に、補体タンパク質C3の阻害性切断をもたらすことによって補体活性化を変更する(阻害する)MTSP-1ポリペプチドが挙げられる。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドのなかでも特に、補体タンパク質C3の阻害性切断をもたらすものが挙げられる。改変(置き換え、欠失および/または挿入)を含有しないMTSP-1の対応する形態と比較して、またはその配列が配列番号1~4のいずれかに記載される未改変のMTSP-1の対応する形態と比較してより大きい活性または特異性、kcat/Kを有するC3の阻害性切断をもたらすものが挙げられる。改変されたMTSP-1ポリペプチドはまた、アミノ酸改変を含有しないMTSP-1ポリペプチド、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などと比較して、未改変のMTSP-1によって切断または認識される基質および標的について減少した特異性および/または選択性を有していてもよい。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断を介して補体を阻害または不活性化する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3の阻害または不活性化をもたらす切断部位で補体タンパク質C3を切断することによって、補体を阻害または不活性化する。補体タンパク質C3の不活性化または阻害切断は、得られたC3の切断が補体の不活性化またはその活性化阻害をもたらす限りは、C3中のあらゆる配列でなされ得る。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは補体活性化を阻害するため、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3aおよびC3bの活性化されたフラグメントを生成するC3の酵素原の形態の切断をもたらさない。したがって、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3aおよびC3bの生成をもたらす配列番号9の残基748~749の間でC3を切断しない。補体タンパク質C3の阻害または不活性化切断部位は、経験的に決定または同定することができる。必要に応じて、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、以下のセクションEに記載されるように、さらに実施例で例示されるように、補体を阻害するその能力に関して試験することができる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、MTSP-1の単離されたプロテアーゼドメインである。プロテアーゼ活性を保持するそのより小さい部分も企図される。本明細書に提供されるプロテアーゼドメインは、酵素原が活性化されるときに切断部位でN末端が生成される単鎖ポリペプチド(一般的に、コンセンサス配列R↓VVGG、R↓IVGG、R↓IVNG、R↓ILGG、R↓VGLL、R↓ILGGまたはそれらのバリエーション;N末端R↓VまたはR↓Iを有し、式中、矢印は切断点を表す)である。
しかしながら、本明細書において生成されるプロテアーゼドメインは、二本鎖の活性化された生成物を生産する活性化に起因するものではく、N末端を有する単鎖ポリペプチドは、N末端においてコンセンサス配列↓VVGG、↓IVGG、↓VGLL、↓ILGGもしくは↓IVNGまたは他のこのようなモチーフを含む。本明細書において示した通り、このようなポリペプチドは、活性化の結果ではなく二重鎖の形態でもないが、タンパク質分解(触媒性)活性を呈示する。これらのプロテアーゼドメインポリペプチドが、MT-SPの活性をモジュレートする薬剤についてスクリーニングするためのアッセイに使用される。このようなアッセイも本明細書に提供される。例示的なアッセイにおいて、公知の基質、典型的には、蛍光、色素生産またはそれ以外の方法で検出できるように標識された基質を、タンパク質分解によって切断するプロテアーゼドメインの能力における試験化合物の作用が評価される。プロテアーゼドメインの活性をモジュレートする薬剤、一般的には化合物、特定には小分子が、MT-SPの活性をモジュレートするための候補化合物である。プロテアーゼドメインはまた、単鎖プロテアーゼ特異的抗体を産生するのにも使用することができる。本明細書に提供されるプロテアーゼドメインとしては、これらに限定されないが、インビトロのタンパク質分解アッセイにおいて単鎖ポリペプチドとしてタンパク質分解活性を呈示する、あらゆるMT-SPファミリーメンバーの、好ましくはヒトなどの哺乳動物由来の、最も好ましくはヒト由来の、例えばMTSP-1の、酵素原の活性化のための切断部位におけるN末端から、C末端、またはそれらのC末端が短縮化された部分を有する単鎖領域が挙げられる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、遊離の(すなわち、タンパク質中の他のいずれのCys残基ともジスルフィド結合を形成しない)プロテアーゼドメイン中のCys残基が、別のアミノ酸置換基で、好ましくは保存的アミノ酸置換基または活性を排除しない置換基で置換されている、例えばセリンで置換されている、MTSP-1、特定には改変されたMTSP-1ポリペプチドの単鎖プロテアーゼドメインの突然変異体、およびグリコシル化部位が排除されている改変されたMTSP-1ポリペプチドである。触媒活性が保持される他の保存的アミノ酸置換を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドも企図される(例示的なアミノ酸置換に関して、例えば表3を参照)。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断を触媒する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、得られたC3フラグメントが不活性であるか、または補体媒介エフェクター機能を活性化することができない限りは、いずれの切断配列でも補体タンパク質C3を切断する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドとしては、MTSP-1の天然標的について変更された(すなわち、減少した)特異性および/または選択性を有するものが挙げられる。一例において、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、PAR-2、uPAおよび/またはHGFについて低減された選択性を有する。他の例において、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3の切断について増加した特異性を有し、PAR-2、uPAおよび/またはHGFについて減少した特異性を有する。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体の不活性化または阻害がもたらされる方式で補体タンパク質C3が切断されるような1つまたは複数のアミノ酸改変を含有する。改変は、単一のアミノ酸改変、例えば単一のアミノ酸の置き換え(置換)、挿入または欠失であってもよいし、または複数のアミノ酸改変、例えば複数のアミノ酸の置き換え、挿入または欠失であってもよい。例示的な改変は、単一または複数のアミノ酸の置き換えを含むアミノ酸の置き換えである。アミノ酸の置き換えは、保存的置換、例えば表3に記載の保存的置換であってもよいし、または非保存的置換、例えば本明細書に記載されるいずれかの非保存的置換であってもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、改変を含有しないMTSP-1ポリペプチドと比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、もしくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはそれより多くの改変された位置を含有していてもよい。
本明細書に記載される改変は、あらゆるMTSP-1ポリペプチドに作製することができる。例えば、改変は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4を含む、またはそれらに記載のアミノ酸の配列を有するヒトMTSP-1ポリペプチド;配列番号12を含む、またはそれに記載のアミノ酸の配列を有するマウスMTSP-1ポリペプチド;もしくは配列番号13を含む、またはそれに記載のアミノ酸の配列を有するラットMTSP-1ポリペプチド;または配列番号1~4、12および13のいずれかに対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を呈示する配列変異体または触媒活性フラグメントに作製される。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、改変されたMTSP-1ポリペプチドが補体タンパク質C3の不活性化または阻害性切断をもたらすその能力を保持する限り、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドのあらゆる領域またはドメインで改変してもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、単鎖または二本鎖ポリペプチド、種変異体、スプライス変異体、対立遺伝子変異体、アイソフォーム、またはそれらの触媒活フラグメント、例えばそれらのプロテアーゼドメインなどであってもよい。本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、全長または短縮化されたMTSP-1ポリペプチドであってもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、MTSP-1のプロテアーゼドメインまたはMTSP-1のプロテアーゼドメインの改変された形態であってもよい。また、MTSP-1ポリペプチドが、補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断をもたらすその能力を保持するのであれば、改変されたMTSP-1ポリペプチドの酵素原、前駆体または成熟形態も本明細書で使用するために企図される。またMTSP-1ポリペプチドにおける改変は、一次配列の改変やポリペプチドの一次配列中ではない改変などの他の改変も含有するMTSP-1ポリペプチドにも作製することができる。例えば、本明細書に記載される改変は、融合ポリペプチドまたはキメラポリペプチドであるMTSP-1ポリペプチド中であってもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドとしてはまた、PEG試薬などのポリマーにコンジュゲートしたポリペプチドも挙げられる。
本明細書における目的に関して、アミノ酸の1つまたは複数の置き換えなどの改変に関する位置およびアミノ酸への言及は、本明細書において、配列番号1~4のいずれかに記載のMTSP-1ポリペプチドに対して述べられる。配列番号1~4のいずれかに記載のMTSP-1ポリペプチド、または配列番号1~4のいずれかに記載のMTSP-1ポリペプチドに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより高い配列同一性を呈示するその変異体などの、別のMTSP-1ポリペプチド中の対応するアミノ酸残基を同定することによって、別のMTSP-1ポリペプチド中に本明細書に提供される改変のいずれかを作製することは、当業者のレベル内である。別のMTSP-1ポリペプチド中の対応する位置は、MTSP-1ポリペプチドを配列番号1~4のいずれかに記載の参照MTSP-1ポリペプチドとアライメントすることによって同定することができる。改変(例えば、アミノ酸の置き換え)の目的のために、対応するアミノ酸残基は、あらゆるアミノ酸残基であってもよく、配列番号1~4のいずれかに記載の残基と必ずしも同一でなくてもよい。典型的には、例えば配列番号4中の残基とのアライメントによって同定された対応するアミノ酸残基は、配列番号4と同一なアミノ酸残基であるか、またはそれらの保存的または半保存的アミノ酸残基である。また、本明細書に提供される例示的な置き換えは、置き換えが、MTSP-1ポリペプチド、例えばMTSP-1のプロテアーゼドメインの未改変または参照形態中に存在するものと異なってさえすれば、MTSP-1ポリペプチド、例えばMTSP-1のプロテアーゼドメイン中の対応する残基で作製できることも理解される。この記載および本明細書の他所での記載に基づいて、記載された突然変異のいずれか1つまたは複数を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを生成し、本明細書に記載されるような特性または活性についてそれぞれを試験することは、当業者のレベル内である。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3のタンパク質分解媒介阻害または不活性化によって補体活性を変更する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1は、MTSP-1基質、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などについて減少した特異性を有していてもよい。例えば、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)の切断について、MTSP-1ポリペプチドの野生型の活性の100%未満を呈示し、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)の切断について、野生型または参照MTSP-1ポリペプチド、例えばアミノ酸改変を含有しない対応するポリペプチドの、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満の、またはそれより少ない活性を呈示する。別の例において、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、PAR-2、uPAおよび/またはHGFについて、MTSP-1ポリペプチドの野生型の結合活性の100%未満の活性を呈示し、例えば、野生型または参照MTSP-1ポリペプチド、例えばアミノ酸改変を含有しない対応するポリペプチドのPAR-2、uPAおよび/またはHGFに結合するための活性の、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満の、またはそれより少ない活性を呈示する。
また本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドのいずれかをコードする核酸分子も本明細書に提供される。また、単鎖プロテアーゼドメインまたはその触媒活性部分をコードする核酸分子も提供される。一部の例において、コードする核酸分子はまた、ポリペプチドの発現および分泌を変更するために(例えば、増加させるために)、異種シグナル配列を含有するように改変してもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドおよびコードする核酸分子は、自然源からの単離、細胞、組織および生物で中の組換え生産されたタンパク質の単離を含む当業界において公知のあらゆる方法によって、ならびに組換え方法によって、さらに、インシリコでの工程を含む方法、合成方法および当業者に公知のあらゆる方法によって産生または単離することができる。本明細書に提供される改変されたポリペプチドおよびコードする核酸分子は、当業者に公知の標準的な組換えDNA技術によって生産することができる。標的タンパク質中のいずれか1つまたは複数のアミノ酸の突然変異をもたらす当業界において公知のあらゆる方法を採用することができる。方法としては、コードする核酸分子の標準的な部位特異的またはランダム変異誘発、または固相ポリペプチド合成方法が挙げられる。例えば、MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子を、コードする核酸の変異誘発、例えばランダム変異誘発、エラープローンPCR、部位特異的変異誘発、オーバーラップPCR、遺伝子シャッフリング、または他の組換え方法に供してもよい。次いでポリペプチドをコードする核酸を、異種発現しようとする宿主細胞に導入することができる。したがって、本明細書に提供される改変されたポリペプチドのいずれかをコードする核酸分子も本明細書に提供される。一部の例において、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、合成的に、例えば固相または液相ペプチド合成を使用して生産される。
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断配列の切断について増加した特異性および/または選択性を有するように改変されている。MTSP-1ポリペプチドは、タンパク質の改変のための当業界において公知のあらゆる方法を使用して改変することができる。このような方法としては、部位特異的およびランダム変異誘発が挙げられる。本明細書に提供される、および当業界において公知の、例えば補体活性化の生物学的機能についてのアッセイなどのアッセイを使用して、改変されたMTSP-1ポリペプチドの生物学的機能を評価して、改変されたMTSP-1ポリペプチドが切断および不活性化のために補体タンパク質C3を標的化するかどうかを決定することができる。MTSP-1ポリペプチドおよび改変されたMTSP-1ポリペプチドを同定する例示的な方法が本明細書に提供される。
1.例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチド
MTSP-1ポリペプチド中に、さらに1つの、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個およびそれより多くのアミノ酸改変を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチド、および補体が阻害または不活性化されるように補体タンパク質C3を切断する改変されたMTSP-1ポリペプチドが本明細書に提供される。改変は、一次アミノ酸配列中にあり、アミノ酸残基の置き換え、欠失および挿入を含む。改変は、MTSP-1ポリペプチドの特異性/活性を変更する。本明細書に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質、特定にはC3中の標的部位を、C3を不活性化する部位で認識および切断するように設計または選択される。これらはまた、インビボの天然基質において低減された特異性/活性を有するように、および/またはこのような基質を未改変の野生型MTSP-1ポリペプチドより少なく切断するように、さらに改変およびスクリーニングすることもできる。それらは、あらゆる好適なプロテアーゼスクリーニング方法によって選択および同定することができる。本明細書に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドは、米国特許第8,211,428号に記載されるスクリーニング方法を使用して最初に同定された。この方法では、改変されたプロテアーゼのライブラリーを、反応性部位ループ中に標的配列が含まれるように改変されている同起源または他の阻害性セルピン、例えばATIIIと反応させて、このような標的を切断する改変されたプロテアーゼを捕獲する。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3について、C3を不活性化する部位で増加した活性もしくは特異性またはkcat/Kを示し、また補体タンパク質C3上の標的部位について、低減された活性または特異性を有し、および/または増加した選択性、特異性および/または活性を示す可能性もあり、それにより改変されたMTSP-1ポリペプチドはC3を不活性化する。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、野生型の対応する形態または置き換えC122S(キモトリプシンの番号付けによる)を有する野生型と比較して、C3の切断および不活性化について増加した活性を呈示する。特定には、改変されたポリペプチドのプロテアーゼドメインは、配列番号4のMTSP-1プロテアーゼドメイン(C122Sを有するMTSP-1プロテアーゼドメイン)と比較して、C3の増加した不活性化切断活性を呈示する。活性の増加は、未改変のMTSP-1と比較して、10%、20%、50%、100%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍であってもよいし、それより多くの増加でもよい。
例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3の不活性化について、野生型または参照MTSP-1ポリペプチド、例えば配列番号1~4のいずれかに記載のMTSP-1ポリペプチドのMTSP-1活性の110~1000%またはそれより多くを呈示することができる。例えば、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、未改変または参照MTSP-1ポリペプチド、例えばアミノ酸改変(例えばアミノ酸の置き換え)を含有しない対応するポリペプチド、例えば、配列番号1~4のいずれかに記載のMTSP-1プロテアーゼドメインの活性の、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、250%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、1000%またはそれより多くを呈示する。例えば、例えばアミノ酸の置き換えまたは置換によって改変され得る例示的な位置としては、これらに限定されないが、配列番号1に記載のアミノ酸の配列を参照して、637位、640位、658位、661位、664位、666位、705位、706位、707位、708位、731位、759位、783位、または801位(キモトリプシンの番号付けに従って38位、41位、59位、60b位、60e位、60g位、96位、97位、ins97a位、98位、99位、122位、151位、175位、192位に対応する)に対応する位置のいずれかが挙げられる。例えば、アミノ酸位置は、配列番号1に記載のアミノ酸位置を参照して、637位、I640位、Y658位、D661位、F664位、Y666位、D705位、F706位、T707位、F708位、C731位、G759位、Q783位、またはC801位(キモトリプシンの番号付けに従って、Q38、I41、Y59、D60b、F60e、Y60g、D96、F97、T98、F99、C122、G151、Q175、C191に対応する)におけるグルタミン(Q)の置き換えに対応する位置における置き換えであってもよい。
表11に、上記の位置のいずれかにおける例示的なアミノ酸の置き換えを記載する。表11の対応する位置への言及は、配列番号1に記載の位置を参照したものである。置き換えは、別のMTSP-1ポリペプチドにおける対応する位置に作製することができ、これは、対応する位置がアライメントされた位置になる配列番号1に記載の配列とのアライメントによってなされることが理解される。例えば、置き換えは、配列番号2に記載の配列を有するMTSP-1プロテアーゼドメインまたは配列番号4に記載の配列を有する参照MTSP-1プロテアーゼドメインに作製することができる。一部の例において、アミノ酸の置き換えは、得られた改変されたMTSP-1ポリペプチドが、参照MTSP-1ポリペプチドと比較して補体タンパク質C3に対して変更された(すなわち、亢進された)特異性を呈示する限り、配列番号4に記載のMTSP-1ポリペプチド、またはそれに少なくとも、または少なくとも約75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、86%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、特定には95%、またはそれより高い配列同一性を有するその変異体中の対応する位置にあってもよい。一例において、置き換えのいずれか1つまたは複数は、得られた改変されたMTSP-1ポリペプチドが、参照MTSP-1ポリペプチド、例えば配列番号1~4のいずれかに記載の参照MTSP-1ポリペプチドなどと比較して補体タンパク質C3に対して変更された(すなわち、亢進された)特異性を呈示する限り、配列番号1~4のいずれかの中にある。
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本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドにおけるアミノ酸改変の例示としては、これらに限定されないが、それぞれ配列番号1または3に記載のアミノ酸位置を参照して、キモトリプシンの番号付けに従って、38位に対応する位置におけるヒスチジン(H);41位に対応する位置におけるS;41位に対応する位置におけるR;41位に対応する位置におけるA;41位に対応する位置におけるD;59位に対応する位置におけるF;60位に対応する位置におけるTb;60位に対応する位置におけるVb;60位に対応する位置におけるSe;60位に対応する位置におけるRe;60位に対応する位置におけるKe;60位に対応する位置におけるWg;96位に対応する位置におけるK;96位に対応する位置におけるV;96位に対応する位置におけるY;96位に対応する位置におけるL;96位に対応する位置におけるI;96位に対応する位置におけるP;96位に対応する位置におけるE;97位に対応する位置におけるG;97位に対応する位置におけるT;97位に対応する位置におけるE;97位に対応する位置におけるD;97位に対応する位置におけるN;97位に対応する位置におけるY;97位に対応する位置におけるW;97位に対応する位置におけるVa;97位に対応する位置におけるEa;97位に対応する位置におけるAa;97位に対応する位置におけるGa;97位に対応する位置におけるNa;98位に対応する位置におけるP;98位に対応する位置におけるG;98位に対応する位置におけるN;99位に対応する位置におけるL;122位に対応する位置におけるS;151位に対応する位置におけるH;151位に対応する位置におけるN;175位に対応する位置におけるL;192位に対応する位置におけるD;192位に対応する位置におけるE;192位に対応する位置におけるTでの置き換えが挙げられる。731位に対応する位置におけるS(731位に対応する位置における122S)は、遊離のCysを置き換え、それによって凝集する傾向を低減する。
以下の表12aに、例示的なアミノ酸改変を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを記載する。表12bは、例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドの成熟体の番号付けを含む。配列番号は、凝集を低減または排除するC122Sにおける置き換えを含む列挙された置き換えを含有する例示的なMTSP-1プロテアーゼドメインを参照する。C122は、遊離のシステインであり、これは、プロテアーゼポリペプチド間で架橋をもたらすことができ、この置き換えは、有利ではあるが、任意である。参照された(配列番号によって)プロテアーゼドメインは例示的であり、プロテアーゼドメイン、全長および前駆体ポリペプチドの、全長および前駆体分子、加えて他の触媒活性部分が列挙された置き換えを含んでいてもよいことが理解される。
表12a.改変されたMTSP-1ポリペプチド
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2.追加の改変
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドはいずれも、あらゆる1つまたは複数の追加の改変を含有していてもよい。追加の改変としては、例えば、当業界において公知のあらゆるアミノ酸の置換、欠失または挿入、典型的には、未改変または参照MTSP-1ポリペプチド、例えばプロテアーゼドメインと比較して、補体タンパク質C3の不活性化切断についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性を増加させるあらゆるものを挙げることができる。本明細書に提供されるいずれの改変されたMTSP-1ポリペプチドも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個またはそれより多くの追加のアミノ酸改変を含有していてもよい。また、他のあらゆる目的の活性を変更する改変も企図される。一次配列のアミノ酸改変は付加であることが長い間当業界において公知である[例えば、Wells (1990) Biochem 29:8509-8517を参照]。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチド中に含まれていてもよい追加の改変の例としては、これらに限定されないが、米国特許第7,939,304号;同第8,211,428号;同第8,445,245号;同第9,290,757号;同第9,359,598号;同第8,663,633号;米国特許公開第2003/0119168号;同第2007/0093443号;同第2010/0189652号;同第2010/0105121;同第2012/0244139号;同第2014/0242062号;同第2004/0146938号;および同第2009/0136477号;Miyake et al. (2010) Biochim BioPhys Acta 1804(1):156-165;List et al. (2007) J. Biol. Chem. 282(50):36714-23;Desilets et al. (2008) J. Biol. Chem. 283(16):10535-10542;Szabo (2009) Am J Pathol. 174(6):2015;Vanagaite et al. (2007) Am J Hum Genet. 80(3):467;Alef et al. (2009) J Invest Dermatol. 129(4):862;Ge et al. (2006) J. Biol. Chem. 281:7406;Takeuchi et al. (1999) PNAS 96(20):11054-61;Oberst et al. (2003) J. Biol. Chem. 29(18):26773;および国際特許公開WO2015/166427号および同WO2015/085395号に記載されるものが挙げられる。当業界において説明される例示的なアミノ酸改変の非限定的な例としては、配列番号1に記載のアミノ酸の配列に従って、R85H、N109Q、G149N、D251E、N302Q、Q348H、G349Y、R381S、P452R、D482Y、N485Q、D519Y、S524M、D555Y、C574R、D598Y、K600R、C602S、C604S、V615I、V616L、V616G、G617N、G617L、G618L、D622E、Q637D、I640T、I640A、I640L、I640F、I640D、I640E、C641S、L651M、H656A、C657S、D661I、D661F、D661R、D661A、R662F、R662D、R662A、R662W、Y666S、T673K、A674V、H679R、S685R、F702L、N704K、D705A、D705V、D705F、D705S、D705T、F706N、F706D、F706E、F706A、F706W、F706R、F706Y、F706L、T707P、F708Y、 F708W、 F708N、 F708D、F708E、F708A、 F708V、F708R、F708I、F708L、F708T、F708S、F708G、D711A、C731S、A735T、V738D、P740S、I745T、I745V、H752R、T753I、T755F、T755N、T755D、T755E、T755A、T755W、T755R、G756E、G759L、I762V、N772Q、N772D、T774A、T775P、C776S、L779F、L780N、L780D、L780E、L780A、L780V、L780F、L780R、P781S、Q780N、Q780D、Q780E、Q780A、Q780V、Q780F、Q780R、P781S、Q782H、Q782A、Q782V、Q782F、Q782R、Q782K、Q782L、Q782Y、Q783D、Q783E、Q783A、Q783V、Q783H、Q783H、Q783L、Q783F、Q783W、Q783Y、Q783R、Q783K、M788E、M788Y、M788R、M788A、C790S、F793L、C801S、Q802A、Q802V、Q802D、Q802R、Q802F、Q802X、Q802L、Q802I、Q802E、Q802K、Q802Y、Q802H、S805A、S811I、Q820L、W826F、W826Y、W826I、W826D、W826R、W826X、G827R、D828A、 D828V、 D828F、 D828E、D828R、D828Q、D828N、D828H、 C830S、Q832D、Q832L、Q832E、K835A、K835F、K835V、K835D、K835L、K835R、K835N、K835T、K835Y、K835S、K835F、R841W、F845L、およびV855Gのいずれか1つまたは複数が挙げられる。追加の改変としては、グリコシル化部位を導入するアミノ酸の置き換えが挙げられる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドとしては、化学的または翻訳後改変を含有するものが挙げられる。一部の例において、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、化学的または翻訳後改変を含有しない。化学的および翻訳後改変としては、これらに限定されないが、PEG化、シアル化、アルブミン化、グリコシル化、ファルネシル化、カルボキシル化、水酸化、リン酸化、および当業界において公知の他のポリペプチド改変が挙げられる。また本明細書に提供されるいずれか1つまたは複数のアミノ酸改変、例えばアミノ酸の置き換えに加えて、得られたポリペプチドが補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断をもたらす能力を保持するという条件で、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、化学的および組換え方法などの当業界において公知のあらゆる方法を使用して、あらゆる部分にコンジュゲートまたは融合されていてもよい。
例えば、本明細書に提供されるいずれか1つまたは複数のアミノ酸改変、例えばアミノ酸の置き換えに加えて、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドはまた、これらに限定されないが、炭水化物部分、ポリエチレングリコール(PEG)部分、シアル化部分、免疫グロブリンG由来のFcドメイン、または他のあらゆるドメインもしくは部分での改変などの、ポリペプチドの一次配列中にある、またはポリペプチドの一次配列中にない他の改変を含有していてもよい。例えば、このような追加の改変は、タンパク質の安定性または血清中半減期が増加するように作製することができる。
a.減少した免疫原性
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、減少した免疫原性を有するように改変することができる。減少した免疫原性は、ポリペプチドから抗原エピトープを排除する配列の変化によって、または翻訳後改変を変更することによって実行することができる。当業者は、ポリペプチド中の抗原エピトープを同定する方法に精通している[例えば、Liang et al. (2009) BMC Bioinformatics, 10:302;Yang et al. (2009) Rev. Med. Virol., 19:77-96を参照]。一部の例において、抗原エピトープを除去または変更するために、1つまたは複数のアミノ酸を改変してもよい。別の例において、タンパク質のグリコシル化を変更することも、免疫原性に影響を与えることができる。ポリペプチドが補体タンパク質C3の阻害性または不活性化切断をもたらす能力を保持する限り、例えば、ペプチドのグリコシル化を変更することが企図される。グリコシル化部位は、単一の突然変異によって除去することができる。グリコシル化部位は、標準的な配列を導入することによって、例えば挿入または単一または複数の突然変異、例えばNXS(T)(式中Xはプロリンではない)によって付加することができる。グリコシル化部位はまた、血清中半減期を増加させることもできる。
b.Fcドメイン
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、免疫グロブリンポリペプチドのFc領域に連結されていてもよい。典型的には、このような融合は、少なくとも機能的に活性なヒンジ、免疫グロブリン重鎖の定常領域のC2およびC3ドメインを保持する。例えば、IgG1の全長Fc配列は、配列番号100に記載の配列のアミノ酸99~330を含む。hIgG1の例示的なFc配列は、配列番号101に記載される。これは、配列番号100のアミノ酸100~110に対応するヒンジ配列のほとんど全て;配列番号100に記載のC2およびC3ドメインの完全配列を含有する。
別の例示的なFcポリペプチドは、国際特許公開WO93/10151号に記載され、これは、N末端のヒンジ領域からヒトIgG1抗体のFc領域のネイティブのC末端に伸長する単鎖ポリペプチドである(配列番号100)。連結がなされる正確な部位は重要ではなく、特定の部位が周知であり、HABPポリペプチドの生物活性、分泌、または結合特徴を最適化するために選択することができる。例えば、他の例示的なFcポリペプチド配列は、配列番号101に記載の配列のアミノ酸C109またはP113から始まる(例えば、米国公開第2006/0024298号を参照)。
hIgG1 Fcに加えて、他のFc領域も使用することができる。例えば、Fc/FcγR相互作用によって媒介されるエフェクター機能を最小化しようとする場合、例えばIgG2またはIgG4のFcなどの補体またはエフェクター細胞の補充が不十分なIgGアイソタイプとの融合が予期される。加えて、Fc融合は、これらに限定されないが、IgG(ヒトサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4を含む)、IgA(ヒトサブクラスIgA1およびIgA2を含む)、IgD、IgE、およびIgMの抗体クラスなどの抗体クラスのいずれかに属する免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる免疫グロブリン配列を含有していてもよい。Fcを別のポリペプチドに共有結合で連結してFcキメラを生成するために、リンカーを使用することができる。
改変されたFcドメインも周知である。一部の例において、結果として野生型免疫グロブリン重鎖のFc領域のエフェクター機能から変更された(すなわちそれより高いまたは低い)エフェクター機能がもたらされる変更されたFcRへの結合を呈示するように、Fc領域が改変される。したがって、改変されたFcドメインは、これらに限定されないが、Fc受容体に対して増加した親和性、または低い親和性、または親和性なしなどの変更された親和性を有していてもよい。例えば、異なるIgGサブクラスは、FcγRについて異なる親和性を有し、IgG1およびIgG3は、典型的には、IgG2およびIgG4より実質的に良好に受容体に結合する。加えて、異なるFcγRは、異なるエフェクター機能を媒介する。FcγR1、FcγRIIa/c、およびFcγRIIIaは、免疫複合体により開始される活性化の正の調節因子であり、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を有する細胞内ドメインを有することを特徴とする。しかしながら、FcγRIIbは、免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)を有するため、阻害性である。受容体に対するFc領域の親和性を変更することは、Fcドメインによって関連付けられるエフェクター機能および/または薬物動態学的特性をモジュレートすることができる。改変されたFcドメインは当業者に公知であり、文献に記載されている。例えば、例示的な改変について、米国特許第5,457,035号;米国特許公開US2006/0024298号;および国際特許公開WO2005/063816号を参照されたい。
結果として得られた、Fc部分およびそれから形成された多量体を含有するキメラポリペプチドは、プロテインAまたはプロテインGカラムでのアフィニティークロマトグラフィーによって容易に精製することができる。
c.ポリマーへのコンジュゲーション
一部の例において、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、ポリマーにコンジュゲートされている。ポリマーは、ポリペプチドのサイズを増加させて、腎臓クリアランスを低減し、それによって半減期を増加させることができ、またはポリペプチドの構造を改変して、半減期を増加させるかもしくは免疫原性を低減することができる。MTSP-1ポリペプチドにコンジュゲート可能な例示的なポリマーとしては、天然および合成ホモポリマー、例えばポリオール(すなわち、ポリ-OH)、ポリアミン(すなわち、ポリ-NH)およびポリカルボン酸(すなわち、ポリ-COOH)、ならびに他のヘテロポリマー、すなわち1つまたは複数の異なるカップリング基、例えばヒドロキシル基やアミン基を含むポリマーが挙げられる。好適なポリマー性分子の例としては、ポリアルキレンオキシド(PAO)、例えばポリアルキレングリコール(PAG)、例えばポリエチレングリコール(PEG)、メトキシポリエチレングリコール(mPEG)およびポリプロピレングリコールなど、PEG-グリシジルエーテル(Epox-PEG)、PEG-オキシカルボニルイミダゾール(CDI-PEG)、分岐状ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリ-D,L-アミノ酸、ポリエチレン-co-無水マレイン酸、ポリスチレン-co-無水マレイン酸、デキストラン、例えばカルボキシメチル-デキストランなど、ヘパリン、相同アルブミン、セルロース、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなど、キトサンの加水分解物、デンプン、例えばヒドロキシエチル-デンプンおよびジヒドロキシプロピル-デンプンなど、グリコーゲン、アガロースおよびそれらの誘導体、グアールガム、プルラン、イヌリン、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸加水分解物およびバイオポリマーから選択されるポリマー性分子が挙げられる。
典型的には、ポリマーは、ポリアルキレンオキシド(PAO)、例えばポリエチレンオキシド、例えばPEG、典型的にはmPEGであり、これらは架橋が可能な反応性基をほとんど有さない。典型的には、ポリマーは、非毒性のポリマー性分子、例えば(メトキシ)ポリエチレングリコール(mPEG)であり、これらは、比較的簡単な化学を使用してMTSP-1ポリペプチドに共有結合で(例えば、タンパク質表面上の付着基に)コンジュゲートすることができる。
MTSP-1ポリペプチドへの付着に好適なポリマー性分子としては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)およびPEG誘導体、例えばメトキシポリエチレングリコール(mPEG)、PEG-グリシジルエーテル(Epox-PEG)、PEG-オキシカルボニルイミダゾール(CDI-PEG)、分岐状PEG、およびポリエチレンオキシド(PEO)が挙げられる[例えば、Roberts et al. (2002) Advanced Drug Delivery Review 54: 459-476;Harris and Zalipsky (eds.) “Poly(ethylene glycol), Chemistry and Biological Applications” ACS Symposium Series 680, 1997;Mehvar et al. (2000) J. Pharm. Pharmaceut. Sci., 3(1):-136;Harris and Chess (2003) Nat Rev Drug Discov. 2(3):214-21;およびTsubery (2004), J Biol. Chem 279(37):38118-24を参照]。ポリマー性分子は、典型的には約3kDaから約60kDaの範囲の分子量を有していてもよい。一部の実施態様において、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドにコンジュゲートされるポリマー性分子は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60kDa、または60kDaより大きい分子量を有する。
PEGまたはPEG誘導体を共有結合で付着させること(コンジュゲートすること)(すなわち、「PEG化」)によってポリペプチドを改変する方法は当業界において周知である(例えば、U.S.2006/0104968;U.S.5,672,662;U.S.6,737,505;およびU.S.2004/0235734を参照)。PEG化のための技術としては、これらに限定されないが、特殊化したリンカーおよびカップリング化学[例えば、Harris (2002) Adv. Drug Deliv. Rev. 54:459-476を参照]、単一のコンジュゲーション部位への複数のPEG部分の付着[例えば、分岐状PEGの使用を介した;例えば、Veronese et al.(2002) Bioorg. Med. Chem. Lett. 12:177-180を参照]、部位特異的なPEG化および/またはモノPEG化[例えば、Chapman et al.(1999) Nature Biotech. 17:780-783を参照]、および部位特異的な酵素によるPEG化[例えば、Sato, Adv. Drug Deliv. Rev., 54:487-504, 2002を参照][例えば、Lu and Felix (1994) Int. J. Peptide Protein Res. 43:127-138;Lu and Felix (1993) Peptide Res. 6:142-6, 1993;Felix et al. (1995) Int. J. Peptide Res. 46:253-64;Benhar et al. (1994) J. Biol. Chem. 269:13398-404;Brumeanu et al. (1995) J Immunol. 154:3088-95も参照;また、Caliceti et al. (2003) Adv. Drug Deliv. Rev. 55(10):1261-77 and Molineux (2003) Pharmacotherapy 23 (8 Pt 2):3S-8Sも参照]が挙げられる。当業界において説明される方法および技術は、単一のタンパク質分子に付着した1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個より多くのPEGまたはPEG誘導体を有するタンパク質を生産することができる(例えば、U.S.2006/0104968を参照)。
PEG化のための多数の試薬が当業界で説明されている。このような試薬としては、これらに限定されないが、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)活性化PEG、スクシンイミジルmPEG、mPEG2-N-ヒドロキシスクシンイミド、mPEGスクシンイミジルアルファ-メチルブタノエート、mPEGスクシンイミジルプロピオネート、mPEGスクシンイミジルブタノエート、mPEGカルボキシメチル3-ヒドロキシブタン酸スクシンイミジルエステル、ホモ二官能性PEG-スクシンイミジルプロピオネート、ホモ二官能性PEGプロピオンアルデヒド、ホモ二官能性PEGブチルアルデヒド、PEGマレイミド、PEGヒドラジド、p-ニトロフェニル-カーボネートPEG、mPEG-ベンゾトリアゾールカーボネート、プロピオンアルデヒドPEG、mPEGブチルアルデヒド(butryaldehyde)、分岐状mPEG2ブチルアルデヒド、mPEGアセチル、mPEGピペリドン、mPEGメチルケトン、mPEG「リンカーなし」マレイミド、mPEGビニルスルホン、mPEGチオール、mPEGオルソピリジルチオエステル、mPEGオルソピリジルジスルフィド、Fmoc-PEG-NHS、Boc-PEG-NHS、ビニルスルホンPEG-NHS、アクリル酸PEG-NHS、フルオレセインPEG-NHS、およびビオチンPEG-NHSが挙げられる[例えば、Monfardini et al., (1995) Bioconjugate Chem. 6:62-69;Veronese et al. (1997), J. Bioactive Compatible Polymers 12:197-207;米国特許第5,672,662号;同第5,932,462号;同第6,495,659号;同第6,737,505号;同第4,002,531号;同第4,179,337号;同第5,122,614号;同第5,183,550号;同第5,324,844号;同第5,446,090号;同第5,612,460号;同第5,643,575号;同第5,766,581号;同第5,795,569号;同第5,808,096号;同第5,900,461号;同第5,919,455号;同第5,985,263号;同第5,990,237号;同第6,113,906号;同第6,214,966号;同第6,258,351号;同第6,340,742号;同第6,413,507号;同第6,420,339号;同第6,437,025号;同第6,448,369号;同第6,461,802号;同第6,828,401号;および同第6,858,736号;米国特許公開第2001/0021763号;同第2001/0044526号;同第2001/0046481号;同第2002/0052430号;同第2002/0072573号;同第2002/0156047号;同第2003/0114647号;同第2003/0143596号;同第2003/0158333号;同第2003/0220447号;同第2004/0013637号;同第2004/0235734号;同第2005/000360号;同第2005/0114037号;同第2005/0171328号;および同第2005/0209416号;欧州特許EP01064951号および同EP0822199号;ならびに国際特許公開WO00/176640号;同WO00/02017号;同WO02/49673号;同WO94/28024号;および同WO01/87925号を参照]。
d.タンパク質形質導入ドメイン
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、療法のための標的部位、例えば眼などの粘膜部位における抗体の保持を増加させるタンパク質形質導入ドメイン(PTD)にコンジュゲートした抗体またはその抗原結合フラグメントを含有する融合タンパク質などに連結されていてもよい。PTDが治療部位(例えば粘膜部位)における標的細胞表面への結合、および/または治療部位(例えば眼などの粘膜部位)における標的細胞による改変されたMTSP-1ポリペプチドの取り込みを促進する限り、あらゆるPTDを採用することができる。
一般的に、PTDは、細胞膜への静電的な付着を介して細胞表面に結合でき、膜移行によって細胞に取り込まれ得る短いカチオン性ペプチドを含む[Kabouridis (2003) TRENDS Biotech 21(11) 498-503]。一般的に提供されるPTDは、グリコサミノグリカン(GAG)、例えば、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸またはコンドロイチン硫酸およびそれらの誘導体などへの結合を介して標的細胞と相互作用する。
タンパク質形質導入ドメインは、あらゆる長さを有していてもよい。一般的にPTDの長さは、5または約5アミノ酸から、100または約100アミノ酸の範囲の長さである。例えば、PTDの長さは、5または約5アミノ酸から、25または約25アミノ酸の範囲の長さであってもよい。一部の例において、PTDは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25アミノ酸の長さである。
単一のPTDまたは複数のPTDが、改変されたMTSP-1ポリペプチドにコンジュゲートされていてもよい。これらは、眼の障害または眼科障害、例えば糖尿病性網膜症またはAMDなどの黄斑変性症を処置するために有利に採用される。例えば、同じPTDの複数のコピー(例えば、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体、十量体またはそれより大きい多量体)または異なるPTDの複数のコピーが、改変されたMTSP-1ポリペプチドにコンジュゲートされていてもよい。
数種のタンパク質およびそれらのペプチド誘導体は、細胞内在化特性を有する。例示的なPTDは当業界において公知であり、その例としては、これらに限定されないが、以下の表13に列挙されたPTD、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)TAT[配列番号135;Ruben et al. (1989) J. Virol. 63:1-8]、ヘルペスウイルス外被タンパク質VP22[配列番号140;Elliott and O’Hare (1997) Cell 88:223-233]、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)アンテナペディア(Antp)タンパク質のホメオティックタンパク質[ペネトラチンPTD;配列番号112;Derossi et al. (1996) J. Biol. Chem. 271:18188-18193]、プロテグリン1(PG-1)抗微生物性ペプチドSynB[例えば、SynB1(配列番号121)、SynB3(配列番号122)、およびSynB4(配列番号123);Kokryakov et al. (1993) FEBS Lett. 327:231-236]、およびカポジ線維芽細胞増殖因子[配列番号105;Lin et al. (1995) J. Biol. Chem. 270-14255-14258]由来のPTDなどが挙げられる。他のタンパク質およびそのペプチド誘導体は、類似の細胞内在化特性を有することが見出されている。これらのタンパク質から誘導された担体ペプチドは、互いにほとんど配列相同性を示さないが、全て高度にカチオン性であり、アルギニンまたはリシンリッチである。実際に、合成ポリアルギニンペプチドは、高レベルの効率で内在化されることが示されており、提供される抗体へのコンジュゲーションのために選択することができる[Futaki et al. (2003) J. Mol. Recognit. 16:260-264;Suzuki et al. (2001) J. Biol. Chem. 276:5836-5840]。PTDはまた、1つまたは複数の合成PTD、例えば、これらに限定されないが、トランスポータン[配列番号136;Pooga et al. (1988) FASEB J. 12:67-77;Pooga et al. (2001) FASEB J. 15:1451-1453]、MAP[配列番号103; Oehlke et al. (1998) Biochim. Biophys. Acta. 1414:127-139]、KALA[配列番号101;Wyman et al. (1997) Biochemistry 36:3008-3017]、および他のカチオン性ペプチド、例えば、様々なβ-カチオン性ペプチド[Akkarawongsa et al. (2008) Antimicrob. Agents and Chemother. 52(6):2120-2129]などからも選択することができる。また追加のPTDペプチドおよび変異PTDも、例えば、米国特許公開US2005/0260756号、同US2006/0178297号、同US2006/0100134号、同US2006/0222657号、同US2007/0161595号、同US2007/0129305号、欧州特許公開EP1867661号、PCT公報WO2000/062067号、同WO2003/035892号、同WO2007/097561号、同WO2007/053512号および本明細書に記載の(以下の)表13において提供される。本明細書に提供される、または当業界において公知のあらゆるこのようなPTDを、提供される治療抗体にコンジュゲートすることができる。
Figure 0007091373000049


Figure 0007091373000050


Figure 0007091373000051


一部の例において、PTDは、別の塩基性アミノ酸でのリシンまたはアルギニンの置き換えによって、例えばアルギニンでのリシンの置き換え、またはリシンでのアルギニンの置き換えによって改変してもよい。
E.補体媒介機能に対するMTSP-1活性を評価および/またはモニターするためのアッセイ
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3について変更された特異性および/または選択性を呈示する。例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドは、特異的に補体タンパク質C3を切断し、それによって補体活性化を変更する。さらに、本明細書に提供される例示的な改変されたMTSP-1ポリペプチドは、MTSP-1の基質、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などの切断について、変更または低減された特異性および/または選択性を有していてもよい。
様々なインビトロおよびインビボのアッセイは、MTSP-1ポリペプチドを、補体タンパク質C3を切断するその能力について、さらに、補体活性化および補体が媒介する疾患および障害に対するその作用についてモニターまたはスクリーニングするのに使用することができる。このようなアッセイは当業者に周知である。当業者は、特定のMTSP-1ポリペプチドを、補体タンパク質C3の切断について試験することができ、および/またはプロテアーゼの非存在と比較した補体媒介活性に対するMTSP-1の作用におけるあらゆる変化を評価するために試験することができる。一部のこのようなアッセイは、本明細書で例示される。
補体タンパク質C3の機能に対する改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性を比較するための例示的なインビトロおよびインビボのアッセイが本明細書に提供される。加えて、多数のアッセイ、例えば補体活性化を測定するためのアッセイが当業者に公知である。補体の活性に関するアッセイとしては、これらに限定されないが、補体活性化の活性化生成物、例えば例えばC5b-9MAC複合体など、ならびに補体切断生成物、例えばC5a、C3b、およびC3dのいずれか1つまたは複数の生成を測定するアッセイが挙げられる。補体活性化を測定するアッセイとしてはまた、補体経路の特異的な成分の機能的な活性を測定する機能アッセイ、例えば古典、レクチンまたは副経路のいずれか1つの活性化を測定するのに使用される溶血アッセイなども挙げられる。補体タンパク質および/または補体媒介機能に対するMTSP-1ポリペプチドの作用を評価するアッセイとしては、これらに限定されないが、SDS-PAGE分析、それに続くウェスタンブロットまたはクーマシーブリリアントブルー染色、酵素免疫検査法、および溶血アッセイが挙げられる。一例において、インビトロのアッセイは、実施例2で例示されるように、精製された補体タンパク質C3を使用して実行することができる。別の例において、インビボのアッセイは、実施例8および10で例示されるように、補体の機能的な活性化に関して、哺乳動物種またはヒト種などの種の血清を試験することによって実行することができる。別の例において、インビトロのアッセイは、実施例4~6で例示されるように、補体の機能的な活性化に関して、哺乳動物種またはヒト種などの種の血清を試験することによって実行することができる。別の例において、インビトロのアッセイは、実施例5~7で例示されるように、ペプチドライブラリーを使用して実行することができる。当業者に公知の様々な疾患モデルを使用して、様々な補体が媒介する疾患および障害に対する本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドの効能を試験することができる。
また、野生型MTSP-1活性、例えばプロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)の切断についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性を決定するための例示的なアッセイも本明細書に提供される。また、補体タンパク質C3についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性を決定するためのアッセイも提供される。例示的なアッセイは後述される。
1.補体タンパク質C3を切断してそれを不活性化することに関するMTSP-1活性および特異性を評価するための方法
改変されたMTSP-1プロテアーゼは、対応する全長野生型またはプロテアーゼドメインまたは未改変のMTSP-1プロテアーゼの対応する形態(すなわち、配列番号1~4のMTSP-1ポリペプチド)と比較して、C3を不活性化するための特異性および/または選択性における変更を呈示することができる。本明細書に提供される改変されたMTSP-1プロテアーゼは、プロテアーゼ活性を保持することができるが、C3切断について増加した特異性および/もしくは選択性または活性を呈示し、それによって補体活性化を阻害する。いずれか1つまたは複数の補体タンパク質に対して増加した特異性および/または選択性を有するこのような全ての改変されたMTSP-1プロテアーゼは、補体活性化が役割を果たすかまたは関与するあらゆる障害を処置するための候補治療剤である。
改変されたMTSP-1プロテアーゼが、いずれか1つまたは複数の補体タンパク質に対して増加した特異性および/または選択性を呈示する場合、インビトロおよびインビボのアッセイは、プロテアーゼを補体媒介機能に対する作用についてモニターまたはスクリーニングするのに使用することができる。このようなアッセイは当業者に周知である。当業者は、C3の切断について改変されたMTSP-1プロテアーゼを試験することができ、および/または改変されたMTSP-1プロテアーゼの非存在と比較して、補体媒介活性に対する改変されたMTSP-1プロテアーゼの作用におけるあらゆる変化を評価するために試験することができる。一部のこのようなアッセイは、本明細書で例示される。
いずれか1つまたは複数の標的化された補体タンパク質の機能に対する改変されたMTSP-1プロテアーゼの活性を比較するための例示的なインビトロおよびインビボのアッセイが本明細書に提供される。アッセイの多くは、他のプロテアーゼおよび改変されたプロテアーゼに適用可能である。加えて、多数のアッセイ、例えば補体活性化を測定するためのアッセイが当業者に公知である。補体の活性に関するアッセイとしては、これらに限定されないが、補体活性化の活性化生成物、例えばC5b-9MAC複合体など、ならびに補体切断生成物、例えばC4a、C5a、C3b、およびC3dのいずれか1つまたは複数の生成を測定するアッセイが挙げられる。補体活性化を測定するアッセイとしてはまた、補体経路の特異的な成分の機能的な活性を測定する機能アッセイ、例えば古典、レクチンまたは副経路のいずれか1つの活性化を測定するのに使用される溶血アッセイなども挙げられる。補体タンパク質および/または補体媒介機能に対するプロテアーゼおよび改変されたプロテアーゼの作用を評価するアッセイとしては、これらに限定されないが、SDS-分析、それに続くウェスタンブロットまたはクーマシーブリリアントブルー染色、酵素免疫検査法、および溶血アッセイが挙げられる。一例において、インビトロのアッセイは、精製された補体タンパク質を使用して実行することができる。別の例において、インビボのアッセイは、補体の機能的な活性化に関して、哺乳動物種またはヒト種などの種の血清を試験することによって実行することができる。例示的なアッセイは後述される。
a.タンパク質の検出
タンパク質の検出は、サンプル中の個々の補体成分を測定するための手段である。補体タンパク質を検出して、補体タンパク質C3の切断に対するMTSP-1ポリペプチドの作用を直接評価することができ、または代替として、補体タンパク質は、補体活性化を評価する手段として測定することができる。MTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下で処理された補体タンパク質C3は、SDS-PAGEとそれに続くクーマシー染色またはウェスタンブロット、酵素免疫検査法、免疫組織化学、フローサイトメトリー、比濁分析、寒天ゲル拡散、または放射免疫拡散などのいずれか1つまたは複数のアッセイによって分析することができる。タンパク質の検出のための例示的なアッセイは、後述される。
i.SDS-PAGE分析
増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下における補体タンパク質の分析は、SDS-PAGEでのタンパク質の分析とそれに続くそのタンパク質の検出によって実行することができる。このような例において、補体タンパク質は、例えばクーマシーブリリアントブルー染色、銀染色または他の当業者に公知のあらゆる方法によって全タンパク質を染色することによって、または特定のタンパク質に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用するウェスタンブロットによって検出することができる。典型的には、精製された補体タンパク質、例えば補体タンパク質C3などは、MTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下でインキュベートすることができる。処理された補体タンパク質をSDS-PAGEゲル上で分解し、それに続いてゲル中のタンパク質を検出する方法、例えばクーマシーブリリアントブルーでの染色を行うことができる。処理されたタンパク質を、その同起源の全長タンパク質と比較して、タンパク質のプロテアーゼ切断によって形成された分解生成物を決定することができる。
別の実施態様において、サンプル、例えばヒト血清もしくは血漿または母乳などを、MTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下で処理してもよいし、またはMTSP-1ポリペプチドを用いて、または用いないで動物またはヒトを処理した後に収集してもよい。MTSP-1で処理したサンプルは、SDS-PAGEで分析することができ、例えばC3、C5、またはB因子などの特異的な補体タンパク質は、そのタンパク質に対するモノクローナルまたはポリクローナル抗体を使用するウェスタンブロットによって検出することができる。補体タンパク質の切断は、MTSP-1ポリペプチドで処理されていないサンプルと比較することができる。加えて、例えば古典経路の活性化を刺激するIgGとのインキュベーションによって、または副経路の活性化を刺激するLPSによって補体活性化が開始されるように、サンプルを刺激することができる。サンプルは、ネイティブの補体タンパク質のいずれか1つまたは複数の検出のためにSDS-PAGEによって分解して、MTSP-1ポリペプチドで処理されていないタンパク質のサンプルと比較して、特定のタンパク質の切断生成物の存在または非存在を決定することができる。このような例において、ネイティブの補体タンパク質のエフェクター分子の切断を、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を使用するウェスタンブロットで分析することによっても、補体経路の1つまたは複数の活性化を評価することができる。補体エフェクター分子の例としては、これらに限定されないが、C3a、C3d、iC3b、Bb、およびC5-b9を挙げることができる。例えば、Bbのサンプル中の減少した発現は、MTSP-1ポリペプチドが補体の副経路の活性化を阻害したことを示す可能性がある。またエフェクター分子の切断生成物を決定することによっても、補体エフェクター分子それ自体の切断に対する増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの作用を評価することができる。
ii.酵素免疫検査法
酵素免疫検査法(EIA;酵素結合免疫吸着検査法;ELISAとも呼ばれる)は、サンプル中のタンパク質の存在を測定するのに使用されるアッセイである。典型的には、タンパク質の測定は、それ自体が酵素または蛍光化合物などの検出可能な基質で化学的に標識されている抗体へのタンパク質の結合の間接的な測定である。EIAアッセイは、補体活性化後に生成した補体エフェクター分子の存在を測定することによって、補体活性化に対するMTSP-1ポリペプチドの作用を測定するのに使用することができる。このような例において、サンプル、例えばヒト血清または血漿などは、増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下で前処理し、その後、活性化して、開始分子とのインキュベーションによって補体活性化を誘導してもよいし、または動物またはヒトをMTSP-1ポリペプチドで処理した後、収集してもよい。例えば、古典経路は、IgGとのインキュベーションによって活性化でき、副経路は、サンプルをLPSと共にインキュベートすることによって活性化できる。レクチン経路のC4/C2切断活性は補体の古典経路と共通であるため、レクチン経路に特異的な補体活性化アッセイは、補体の古典経路を阻害することを必要とする。古典経路の阻害は、C1qの免疫複合体への結合を阻害し、C1複合体を崩壊させる高いイオン強度の緩衝液を使用して達成できるが、それに対して高いイオン強度の緩衝液は、MBLの炭水化物結合活性に影響を与えない。結果として、レクチン経路の活性化は、1MのNaClの存在下で、サンプル、例えばヒト血清または血漿をマンナンでコーティングされた表面とインキュベートすることにより誘導することができる。
活性化の後、サンプルを、Pefabloc(Roche)およびEDTAの添加によりクエンチして、経路の活性化の継続を最小化することができる。サンプルは、EIAまたはELISAアッセイによって補体エフェクター分子の存在に関して分析することができる。補体タンパク質を測定するためのEIAおよびELISAアッセイが当業者に周知である。あらゆる補体活性化生成物を評価することができる。補体活性化の測定のための例示的な補体活性化生成物としては、iC3b、Bb、C5b-9、C3a、C3a-desArgおよびC5a-desArgが挙げられる。活性化された補体経路は、測定された補体活性化生成物に応じて決定することができる。例えば、Bb切断生成物の測定は、副経路の固有なマーカーである。
一部の例において、EIAは、特異的な補体成分の同定のための、SDS-PAGEとそれに続くウェスタンブロット分析による、プロテアーゼ処理した補体刺激サンプルの分析による切断された補体タンパク質の検出と対になっていてもよい。濃度測定ソフトウェアを使用して、補体生成物の切断を、アッセイ中に切断された全長補体成分と比較することができ、さらに、全ての主要な分解生成物の出現および切断のパーセントを決定することができる。
iii.放射免疫拡散(RID)
放射免疫拡散(RID)は、それが流し込まれたときにアガロースゲルに取り込まれた抗体と、試験サンプル中に存在する抗原との間で形成された免疫複合体の沈殿と、その結果として生じるサンプルウェル周囲の環状の沈降素のラインに頼る技術である。沈降素の環の直径は、試験サンプル中に存在する抗体(または抗原)の濃度に比例する。試験片の沈降素の環の直径を公知の標準的と比較することによって、特異的な抗体または抗原の濃度の相対的に非感受性の推定値を得ることができる。RIDを使用して、サンプル中の補体タンパク質の量を測定することができる。例えば、ヒト血清または血漿などのサンプルは、増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下で処理することができる。プロテアーゼで処理したサンプルは、例えばこれらに限定されないが、C3、C5、C6、C7、C9、またはB因子などの補体タンパク質のいずれか1つに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を取り込んだアガロースゲルのウェルに添加することができる。0.15MのNaClへの曝露によって沈殿しなかったタンパク質を除去した後、沈殿したタンパク質の環は、例えばクーマシーブリリアントブルーなどのタンパク質色素、またはクロールズ(Crowles)二重染色で染色することによって評価することができる。
b.溶血アッセイ
機能的な溶血アッセイは、全体としての補体機能に関する情報を提供する。このタイプのアッセイは、抗体で感作されたまたは未感作のヒツジ赤血球を使用する。溶血アッセイとしては、総溶血補体アッセイ(CH50)が挙げられ、これは、古典経路およびMACのヒツジRBCを溶解する能力を測定するものである。これは、細胞性抗原-抗体複合体が生じるように最適な量のウサギ抗ヒツジ赤血球抗体で感作されたヒツジ赤血球を溶解させる古典経路成分(C1からC9)の逐次的な活性化に依存する。溶血アッセイとしてはまた、副経路CH50アッセイ(ウサギCH50またはAPCH50)を挙げることもでき、これは、副経路およびMACのウサギRBCを溶解する能力を測定するものである。1のCH50および/またはAPCH50の単位は、試験で赤血球の50%を溶解させるのに必要な血清の量または希釈率と定義される。典型的には、補体活性化を評価するために、例えばヒト血清またはヒト血漿などのサンプルは、増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下で処置してもよいし、またはMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下での動物またはヒトの処置後に収集してもよい。プロテアーゼで処理したサンプルをその後、IgGで活性化または感作されたヒツジ赤血球と混合してもよい。ヒツジ赤血球と混合した水のみのサンプルは、分析したサンプルの溶解物パーセントを正確に評価するために、総溶解物対照としての役割を果たす。サンプルへの0.15MのNaClの添加は、溶解反応を止めるための添加であり得る。補体経路の末端成分の活性化により誘導された赤血球の溶解は、ヘモグロビンの放出を測定することによって評価することができる。測定は、415nmのODで分光光度計を使用するサンプルの光学密度(OD)の読み取りによって行うことができる。
一実施態様において、限界希釈溶血アッセイを使用して、経路のいずれかの特定の成分の機能的な活性を測定することができる。このようなアッセイにおいて、過量の全ての補体成分を有するが、サンプル中の測定されるものが欠乏している血清源が使用され、すなわち、培地または血清源は、特定のタンパク質に対する補体が枯渇している。したがって溶血の程度は、試験サンプル中の測定される成分の存在に依存する。このようなアッセイにおいて、精製された補体タンパク質、例えばこれに限定されないがC3などのネイティブの補体タンパク質のいずれか1つを、増加する濃度のMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下でインキュベートすることができる。次いでプロテアーゼで処理した精製補体タンパク質は、補体が枯渇した培地または血漿およびIgG活性化ヒツジ赤血球と混合することができ、サンプルの溶血は、上述したように評価することができる。別の実施態様において、プロテアーゼで処理したサンプルの溶血活性をアッセイすること、その後、SDS-PAGEゲル上でサンプルを分析し、それに続いてタンパク質染色、例えばクーマシーブルーなどで染色することによって、プロテアーゼ切断を、補体活性化と相関させることができる。プロテアーゼで処理した精製補体タンパク質は、アッセイ中に切断された全長補体成分の切断とそのパーセンテージに関して評価することができ、全ての主要な分解生成物の出現は、計算することができる。代替として、プロテアーゼで処理した補体タンパク質の分析は、ウェスタンブロットによって行うことができる。
リポソームイムノアッセイ(LIA)と呼ばれる溶血アッセイの代替法を使用して、古典経路の活性化を評価することができる。LIA(Waco Chemicals USA、リッチモンド、バージニア州)は、酵素グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを含有するジニトロフェニル(DNP)でコーティングされたリポソームを利用する。血清が、リポソーム、ならびに抗DNP抗体、グルコース-6-リン酸、およびニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを含有する基質と混合されると、活性化されたリポソームが溶解し、酵素による比色反応が起こり、この反応は、全ての古典的補体活性に比例する。
c.切断部位を決定するための方法
補体タンパク質C3における切断配列は、当業界において公知のあらゆる方法によって同定することができる(例えば、公開された米国公開US2004/0146938号を参照)。一例において、切断配列は、本明細書に提供されるあらゆる改変されたMTSP-1ポリペプチドと共に補体タンパク質C3をインキュベートすることによって決定される。MTSP-1ポリペプチドとのインキュベーション後、C3タンパク質は、SDS-PAGEによって分離することができ、分解生成物は、クーマシーブリリアントブルーなどのタンパク質色素での染色によって同定することができる。タンパク質分解フラグメントをシーケンシングして、切断配列の同一性を決定することができる。同定後、後述するように、所望の標的基質の切断配列に基づき設計された蛍光発生ペプチド基質を使用して、活性を評価することができる。
2.野生型MTSP-1活性を評価するための方法
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、それらの正常な基質、例えば、プロテイナーゼ活性化型受容体-2(PAR-2)、ウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化因子(uPA)、および/または肝細胞増殖因子(HGF)などについて、変更された、または低減された特異性を有していてもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドを試験して、それらが、それらのネイティブの基質について触媒効率および/または基質特異性を保持するかどうかを決定することができる。例えば、PAR-2の切断は、MTSP-1ポリペプチドをPAR-2と共にインキュベートし、タンパク質切断生成物を検出するによって評価することができる。別の例において、PAR-2の切断は、インビトロにおいて、ペプチド基質の蛍光を発生するタグを有するテトラペプチド、例えば、蛍光発生基質、例えばフルオロフォアである、テトラペプチドに連結されたACC(7-アミノ-4-カルバモイル-メチルクマリン)-またはAMC-(7-アミノ-4-メチルクマリン)の切断を測定することによって決定することができる。一部の例において、PAR-2活性化アッセイを使用して、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドの特異性が決定される。
別の例において、C3の切断は、MTSP-1ポリペプチドをC3と共にインキュベートし、タンパク質切断生成物を検出することによって評価することができる。別の例において、C3の切断は、インビトロにおいて、ペプチド基質の蛍光を発生するタグを有するテトラペプチド、例えば、ACC-またはAMC-テトラペプチドの切断を測定することによって決定することができる。一部の例において、C3活性化アッセイを使用して、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性が決定される。別の例において、HGFの切断は、改変されたMTSP-1ポリペプチドをHGFと共にインキュベートし、タンパク質切断生成物を検出することによって評価することができる。別の例において、HGFの切断は、インビトロにおいて、ペプチド基質の蛍光を発生するタグを有するテトラペプチド、例えば、ACC-またはAMC-テトラペプチドの切断を測定することによって決定することができる。一部の例において、HGF活性化アッセイを使用して、本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドの特異性が決定される。他の例において、クニッツ型セリンプロテアーゼ阻害剤、肝細胞増殖因子活性化因子阻害剤-1(HAI-1)と複合体を形成する本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドの能力が決定される。
a.MTSP-1基質の切断
一例において、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、所望の切断配列に対応する個々の蛍光発生ペプチド基質を使用してアッセイすることができる。例えば、所望の切断配列のいずれか1つまたは複数を切断できる改変されたMTSP-1プロテアーゼをアッセイする方法は、(a)ペプチドの蛍光発生するサンプル(所望の標的切断配列を含有する)と、プロテアーゼとを、プロテアーゼが作用すると、蛍光発生部分がペプチド基質配列から放出されることにより蛍光部分を生じる方式で接触させること;および(b)サンプルが検出可能な蛍光の変化を経るかどうかを観察することを含み、この検出可能な変化が、サンプル中に酵素的に活性なプロテアーゼが存在することの指標である。このような例において、所望の切断配列は、当業界において公知の方法で、蛍光発生ペプチドに作製される。一実施態様において、個々のペプチド切断配列は、蛍光を発生するタグを有する基質、例えばACCまたはAMC蛍光発生脱離基などに付着していてもよいし、蛍光発生部分の放出は、ペプチド切断配列についてのプロテアーゼの特異性の尺度として決定することができる。標的切断配列の蛍光の増加速度は、例えば蛍光分光光度計を使用することによって測定することができる。蛍光の増加速度は、経時的に測定することができる。ミカエリス-メンテン速度定数は、標準的な反応速度論方法によって決定することができる。速度定数kcat、Kおよびkcat/Kは、基質濃度の逆数を基質切断の速度の逆数に対してグラフ化し、ラインウィーバー-バークの式(1/速度=(K/Vmax)(1/[S])+1/Vmax;式中Vmax=[ET]kcat)に当てはめることによって計算することができる。第2の二次速度定数または特異性定数(kcat/K)は、いかによく基質が特定のプロテアーゼによって切られるかの尺度である。例えば、ACC-またはAMC-テトラペプチド、例えばAc-CPGR-AMCを作製して、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドと共にインキュベートすることができ、MTSP-1ポリペプチドの活性は、蛍光発生部分の放出についてアッセイすることによって評価することができる。テトラペプチドの選択は、アッセイされる所望の切断配列に依存しており、経験的に決定することができる。
他の実施態様において、MTSP-1ポリペプチドはまた、全長タンパク質の状態で提供される場合、それが所望の配列を切断することを確認するためにアッセイすることもできる。一例において、精製された標的タンパク質、すなわちPAR-2、uPAまたはHGFは、選択されたMTSP-1ポリペプチドの存在または非存在下でインキュベートすることができ、切断事象は、SDS-PAGEとそれに続くタンパク質のクーマシーブリリアントブルー染色、および濃度測定を使用する切断生成物の分析によってモニターすることができる。
b.MTSP-1-基質結合アッセイ
MTSP-1ポリペプチドのMTSP-1基質への結合は、タンパク質-タンパク質結合相互作用を検出する当業者に公知のあらゆるアッセイによって評価することができ、その例としては、これらに限定されないが、固相結合アッセイ、ELISA、表面プラズモン共鳴およびFACSが挙げられる。一例において、ELISAを使用することができる。組換え基質タンパク質をマイクロタイタープレート上に固定し、MTSP-1ポリペプチド結合を、MTSP-1に特異的に結合する試薬、例えばMTSP-1結合抗体などの添加によって測定する。別の例において、結合は、基質を発現する細胞株を使用する細胞ベースのアッセイで決定してもよい。MTSP-1ポリペプチドは、例えば、結合の検出をもたらす色素生産性、蛍光発生または放射性基質で標識することができる。
c.C3切断アッセイ
改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性は、基質の補体タンパク質であるヒトC3の切断によって評価することができ、これは、様々な濃度の改変されたMTSP-1プロテアーゼとのインキュベーション後に残存する無傷のヒトC3の量を測定することによってなされる。このアッセイに従って、シグナルは、無傷のヒトC3の存在下で生成され、C3が切断されると失われる。
精製されたC3タンパク質は、改変されたMTSP-1ポリペプチドと共にインキュベートすることができ、さらに、未消化のヒトC3の残留レベルを、当業界において公知のあらゆるアッセイによって定量化して、タンパク質濃度を、例えば増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッセイスクリーン(AlphaScreen;Perkin Elmer)を使用して評価することができる。C3/MTSP-1ポリペプチド混合物をα-マウスIgGでコーティングされたアクセプタービーズと共にインキュベートし、インキュベーション後、α-hC3mAb/アクセプタービーズ混合物を、ビオチン化α-hC3pAbと共にインキュベートする。ストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズを混合物に添加し、次いで「AlphaScreen」シグナル(励起=680nm、放出=570nm)を測定する。このシグナルは、残存するC3タンパク質の濃度に対応する。利用可能なhC3の50%(EC50)で切断するのに必要なMTSP-1ポリペプチドの濃度は、計算することができる。
3.特異性
改変されたMTSP-1ポリペプチドによる、標的基質、例えば補体タンパク質C3またはMTSP-1基質、例えばPAR-2、uPAまたはHGFなどの切断の特異性定数は、ゲル濃度測定を使用して、MTSP-1ポリペプチドの存在下でインキュベートした全長標的基質の経時的な濃度測定における変化を評価することによって決定することができる。具体的な実施態様において、改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性の比較を使用して、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、野生型または参照MTSP-1ポリペプチドと比較して、C3について変更された、例えば増加した特異性を呈示するかどうかを決定することができる。標的基質、例えば補体タンパク質C3についてのMTSP-1ポリペプチドの特異性は、非標的基質(例えばMTSP-1のネイティブの野生型基質)と比較した標的基質の切断の特異性定数から決定することができる。標的基質C3についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性定数と、例えばPAR-2、uPAまたはHGFなどの非標的基質についてのそのような特異性定数との比率を作成して、改変されたMTSP-1ポリペプチドの切断の効率の比率を決定することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドと、野生型または参照MTSP-1ポリペプチドとの切断効率の比率の比較を使用して、標的基質についての特異性の変化倍率を評価することができる。特異性は、非標的基質に対する標的基質についての野生型MTSP-1ポリペプチドの特異性と比較して、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、もしくは1000倍であってもよいし、またはそれより大きくてもよい。
MTSP-1ポリペプチドのネイティブの基質の切断の反応速度論分析を、補体タンパク質C3における所望の標的基質の切断の分析と比較して、補体タンパク質C3についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの特異性を評価することができる。加えて、阻害の第2の二次速度定数(ki)を評価して、補体タンパク質C3についての改変されたMTSP-1ポリペプチドの効率および反応性をモニターすることができる。本明細書における目的に関して、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体活性化が阻害されるように、さらに、実施例に示されるように、補体活性化が未改変の改変されたMTSP-1ポリペプチド(または遊離のシステインを排除し、それによって凝集を低減するC122Sの置き換えで改変されたMTSP-1ポリペプチド)より有意に大きい活性、例えばその少なくとも5倍高い活性で阻害されるようにC3を切断する。例えば、配列番号35の改変されたMTSP-1ポリペプチドは、本明細書に記載されるアッセイにおいて、2nMのED50でヒトC3を切断し、それと比較して、配列番号4の野生型プロテアーゼドメインの場合は11nMでヒトC3を切断する。
4.疾患モデル
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、当業者に公知の臨床的に関連するあらゆる疾患モデルで、補体が媒介する疾患または障害に対するそれらの作用を決定するのに使用することができる。例示的なアッセイとしては、これらに限定されないが、移植に関するアッセイ、例えば、インビトロのヒト膵島細胞を用いるアッセイ[Tjernberg et al. (2008) Transplantation 85:1193-1199]およびエクスビボのブタ腎臓を用いるアッセイ[Fiane et al. (1999) Xenotransplantation 6:52-65]など;生体非適合性に関するアッセイ、例えばインビトロの人工表面によって誘発された炎症など[Lappegard et al. (2008) J Biomed Mater Res A 87:129-135;Lappegard et al. (2005) Ann Thorac Surg 79:917-923;Nilsson et al. (1998) Blood 92:1661-1667;Schmidt et al. (2003) J Biomed Mater Res A 66:491-499];炎症に関するアッセイ、例えばインビトロの大腸菌(E.coli)によって誘導された炎症[Mollnes et al. (2002) Blood 100:1867-1877]およびヒヒにおけるヘパリン/プロタミン複合体によって誘導された炎症[Soulika et al. (2000) Clin Immunol 96:212-221]など;ウサギおよびサルおよびげっ歯類における加齢性黄斑変性症に関するアッセイ[Chi et al. (2010) Adv Exp Med Biol 703:127-135;Pennesi et al. (2012) Mol. Aspects Med. 33(4):487-509;Fletcher et al. (2014) Optm. Vis. Sci. 91(8):878-886;Forest et al. (2015) Disease Models and Mechanisms 8:421-427];ならびにブタ[Hanto et al., (2010) Am J Transplant 10(11):2421-2430]およびイヌ[Petrinec et al. (1996) Surgery 61:1331-1337]における移植後臓器機能障害に関するアッセイが挙げられる。
F.改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を生産する方法
本明細書に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドのポリペプチドは、タンパク質精製および組換えタンパク質発現のための当業界において周知の方法により得ることができる。ポリペプチドはまた、化学的に合成することもできる。改変体または変異体、例えば短縮化された形態などは、標準的な組換えDNA方法を使用して野生型ポリペプチドから操作することができる。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、野生型ポリペプチドから、例えば部位特異的変異誘発によって操作することができる。
1.MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸の単離または調製
ポリペプチドは、核酸分子をクローニングおよび単離することに関する当業界において公知のあらゆる利用可能な方法を使用して、クローニングまたは単離することができる。このような方法としては、核酸のPCR増幅およびライブラリーのスクリーニング、例えば核酸ハイブリダイゼーションスクリーニング、抗体ベースのスクリーニングおよび活性ベースのスクリーニングなどが挙げられる。例えば、ポリペプチドが組換え手段によって生産される場合、所望の遺伝子をコードする核酸の同定に関する当業者に公知のあらゆる方法を使用することができる。当業界において利用可能なあらゆる方法を使用して、例えば細胞または組織源から、MTSP-1をコードする全長または部分的な(すなわち、コード領域全体を包含する)cDNAまたはゲノムDNAクローンを得ることができる。
例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法などの核酸を増幅するための方法を使用して、所望のポリペプチドをコードする核酸分子を単離することができる。このような方法の例示としては、Perkin-ElmerのCetusサーマルサイクラーおよびTaqポリメラーゼ(Gene Amp)の使用が挙げられる。所望のポリペプチドをコードする核酸分子を単離できる出発材料として、核酸を含有する材料を使用することができる。増幅方法には、例えば、DNAおよびmRNA調製物、細胞抽出物、組織抽出物、流体サンプル(例えば、血液、血清、唾液、母乳)、健康な対象および/または罹患した対象由来のサンプルを使用することができる。供給源は、例えば、これらに限定されないが、脊椎動物、哺乳動物、ヒト、ブタ、ウシ、ネコ、トリ、ウマ、イヌ、および他の霊長類源などのあらゆる真核生物種由来であってもよい。また核酸ライブラリーも、出発材料の供給源として使用することができる。プライマーは、所望のポリペプチドを増幅するように設計することができる。例えば、プライマーは、それから所望のポリペプチドが生成する発現される配列に基づき設計することができる。プライマーは、ポリペプチドのアミノ酸配列の逆翻訳に基づき設計することができる。必要に応じて、ディジェネレートプライマーを増幅に使用することができる。所望の配列の3’および5’末端で配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、核酸サンプルからPCR配列によって増幅するためのプライマーとして使用することができる。プライマーは、全長MTSP-1全体、またはそれらの短縮化された配列、例えば本明細書に提供される可溶性MTSP-1ポリペプチドのいずれかをコードする核酸を増幅するのに使用することができる。増幅によって生成した核酸分子をシーケンシングして、所望のポリペプチドをコードすることを確認することができる。
追加のヌクレオチド配列は、ベクター、例えば、タンパク質発現ベクター、またはコアタンパク質をコードするDNA配列の増幅のために設計されたベクターに合成遺伝子をクローニングする目的のための、制限エンドヌクレアーゼ部位を含有するリンカー配列を含むポリペプチドをコードする核酸分子に合体させることができる。さらに、ポリペプチドをコードする核酸分子に、機能的なDNAエレメントを特定する追加のヌクレオチド配列を作動可能に連結させてもよい。このような配列の例としては、これらに限定されないが、細胞内タンパク質発現を容易にするように設計されたプロモーター配列、およびタンパク質分泌を容易にするように設計された分泌配列、例えば異種シグナル配列が挙げられる。このような配列は当業者に公知である。また、追加のヌクレオチド残基の配列、例えばタンパク質結合領域を特定する塩基の配列が、酵素をコードする核酸分子に連結されていてもよい。このような領域としては、これらに限定されないが、特定の標的細胞への酵素の取り込みを容易にする、もしくは特定の標的細胞への酵素の取り込み容易にするタンパク質をコードする、またはそれ以外の方法で合成遺伝子の生成物の薬物動態を変更する残基の配列が挙げられる。
加えて、タグまたは他の部分を付加して、例えば、ポリペプチドの検出または親和性精製に役立たせることができる。例えば、酵素をコードする核酸分子に、追加のヌクレオチド残基配列、例えばエピトープタグまたは他の検出可能なマーカーを特定する塩基の配列が連結されていてもよい。このような配列の例示としては、SUMOタグまたはHisタグまたはFlagタグをコードする核酸配列が挙げられる。
次いで同定および単離された核酸を、適切なクローニングベクターに挿入することができる。当業界において公知の多数のベクター-宿主系を使用することができる。可能性のあるベクターとしては、これらに限定されないが、プラスミドまたは改変されたウイルスが挙げられるが、ベクター系は、使用される宿主細胞に適合していなければならない。このようなベクターとしては、これらに限定されないが、ラムダ誘導体などのバクテリオファージ、またはpCMV4、pBR322もしくはpUCプラスミド誘導体などのプラスミド、またはBluescriptベクター(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア州)が挙げられる。クローニングベクターへの挿入は、例えば、相補的粘着末端を有するクローニングベクターにDNAフラグメントをライゲートすることによって達成することができる。挿入は、TOPOクローニングベクター(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州)を使用して実行することができる。
クローニングベクター中にDNAをフラグメント化するのに使用される相補的制限部位が存在しない場合、DNA分子の末端を酵素的に改変することができる。代替として、あらゆる望ましい部位は、ヌクレオチド配列(リンカー)をDNA末端上にライゲートすることによって生産することができ、これらのライゲートしたリンカーは、制限エンドヌクレアーゼ認識配列をコードする特異的な化学的に合成されたオリゴヌクレオチドを含有し得る。代替方法において、切断されたベクターおよびタンパク質遺伝子は、ホモポリマーのテール付加によって改変してもよい。
組換え分子は、遺伝子配列の多くのコピーが生成されるように、例えば形質転換、トランスフェクション、感染、エレクトロポレーションおよびソノポレーションを介して宿主細胞に導入することができる。具体的な実施態様において、単離されたタンパク質遺伝子、cDNA、または合成されたDNA配列を取り込む組換えDNA分子での宿主細胞の形質転換は、遺伝子の複数のコピーの生成を可能にする。したがって、このような遺伝子は、形質転換株を増殖させること、形質転換株から組換えDNA分子を単離すること、および必要な場合には単離された組換えDNAから挿入された遺伝子を回収することによって大量に得ることができる。
組換え産生に加えて、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、固相技術を使用する直接のペプチド合成によって生産することができる[例えば、Stewart et al. (1969) Solid-Phase Peptide Synthesis, WH Freeman Co., San Francisco;Merrifield J (1963) J Am Chem Soc., 85:2149-2154を参照]。インビトロのタンパク質合成は、手作業での技術を使用して、または自動化によって実行することができる。自動化合成は、例えば、Applied Biosystemsの431Aペプチドシンセサイザー(Perkin Elmer、フォスターシティー、カリフォルニア州)を製造元によって提供される指示書に従って使用して達成することができる。ポリペプチドの様々なフラグメントは、化学的方法を使用して別々に、および組み合わせて、化学的に合成することができる。
2.突然変異体または改変された核酸およびコードするポリペプチドの生成
本明細書に提供される改変は、当業者にとって慣例的なものなどの標準的な組換えDNA技術によって作製することができる。標的タンパク質中のいずれか1つまたは複数のアミノ酸の突然変異をもたらす当業界において公知のあらゆる方法を採用することができる。方法としては、コードする核酸分子の標準的な部位特異的変異誘発(例えば、Stratageneより入手可能なQuikChangeなどのキットを使用して)、または固相ポリペプチド合成方法によるものが挙げられる。
3.ベクターおよび細胞
所望のタンパク質、例えば本明細書に記載されるあらゆる改変されたMTSP-1ポリペプチドの1つまたは複数の組換え発現のために、タンパク質をコードするヌクレオチド配列の全てまたは一部を含有する核酸を、適切な発現ベクター、すなわち、挿入されたタンパク質コード配列の転写および翻訳に必要なエレメントを含有するベクターに挿入することができる。必要な転写および翻訳シグナルはまた、酵素遺伝子にとってネイティブのプロモーターおよび/またはそのフランキング領域によっても供給することができる。
また、酵素をコードする核酸を含有するベクターも提供される。また、ベクターを含有する細胞も提供される。このような細胞としては、真核および原核細胞が挙げられ、ベクターは、それにおける使用に好適なあらゆるものである。一般的に、細胞は、コードされたタンパク質のグリコシル化をもたらすことが可能な細胞である。
ベクターを含有する原核および真核細胞が提供される。このような細胞としては、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、古細菌、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞が挙げられる。これらの細胞は、コードされたタンパク質が細胞により発現される条件下で上述した細胞を増殖させ、発現されたタンパク質を回収することによって、それらのタンパク質を産生するのに使用される。本明細書における目的に関して、例えば、酵素を、培地に分泌させることができる。
宿主細胞株は、挿入された配列の発現をモジュレートする、または所望の様式で発現されたタンパク質をプロセシングするその能力に関して選択することができる。このようなポリペプチドの改変としては、これらに限定されないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化が挙げられる。翻訳後プロセシングは、ポリペプチドのフォールディングおよび/または機能に影響を与えることができる。様々な宿主細胞、例えば、これらに限定されないが、CHO(DG44、DXB11、CHO-K1)、HeLa、MCDK、293およびWI38などは、このような翻訳後活性に関する特定の細胞機構および特徴的なメカニズムを有し、導入されたタンパク質の正しい改変およびプロセシングが確実になるように選択することができる。一般的に、細胞の選択は、発現されたポリペプチドにN-連結グリコシル化を導入することが可能なものである。したがって、ベクターを含有する真核細胞が提供される。真核細胞の例示は、哺乳動物チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ欠乏CHO細胞(例えば、DG44細胞)が、本明細書に提供されるポリペプチドを産生するのに使用される。
ネイティブまたは異種シグナル配列にカップリングされた、改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば改変されたMTSP-1プロテアーゼドメインをコードするヌクレオチドの配列、加えてその複数のコピーを含有するベクターが提供される。ベクターは、細胞における酵素タンパク質の発現のために、または酵素タンパク質が分泌されたタンパク質として発現されるように選択することができる。
一実施態様において、プロテアーゼ活性を有し、プロテアーゼドメインの全てまたは一部を含有するポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列、またはその複数のコピーを含有するベクターが提供される。また、プロテアーゼドメイン、および全長およびそれ以下のプロテアーゼタンパク質であるプロテアーゼタンパク質の追加の部分をコードするヌクレオチドの配列、加えてそれらの複数のコピーを含有するベクターも提供される。ベクターは、細胞中での足場または改変されたプロテアーゼタンパク質もしくはそのプロテアーゼドメインの発現のために、またはプロテアーゼタンパク質が分泌されたタンパク質として発現されるように選択することができる。プロテアーゼドメインが発現されるとき、核酸は、分泌シグナル、例えばサッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)のα-交配因子シグナル配列もしくはその部分、またはネイティブのシグナル配列をコードする核酸に連結される。
様々な宿主-ベクター系を使用して、タンパク質をコードする配列を発現させることができる。その例としては、これらに限定されないが、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスおよび他のウイルス)で感染させた哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)で感染させた昆虫細胞系;酵母ベクターを含有する酵母などの微生物;またはバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNAで形質転換した細菌が挙げられる。ベクターの発現エレメントは、その強度および特異性において様々である。使用される宿主-ベクター系に応じて、多数の好適な転写および翻訳エレメントのうちいずれか1つを使用することができる。
ベクターにDNAフラグメントを挿入するための当業者に公知のあらゆる方法を使用して、適切な転写/翻訳の制御シグナルとタンパク質をコードする配列とを含有するキメラ遺伝子を含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法としては、インビトロでの組換えDNAおよび合成技術、ならびにインビボでの組換え体(遺伝学的組換え)を挙げることができる。タンパク質、またはそのドメイン、誘導体、フラグメントもしくは相同体をコードする核酸配列の発現は、組換えDNA分子で形質転換した宿主中で遺伝子またはそのフラグメントが発現されるように、第2の核酸配列によって調節することができる。例えば、タンパク質の発現は、当業界において公知のあらゆるプロモーター/エンハンサーによって制御することができる。具体的な実施態様において、プロモーターは、所望のタンパク質に関する遺伝子にとってネイティブではない。使用可能なプロモーターとしては、これらに限定されないが、SV40初期プロモーター[Benoist and Chambon (1981) Nature 290:304-310]、ラウス肉腫ウイルスの3’ロングターミナルリピートに含有されるプロモーター[Yamamoto et al. (1980) Cell 22:787-797]、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター[Wagner et al. (1981) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:1441-1445]、メタロチオネイン遺伝子の調節配列[Brinster et al. (1982) Nature 296:39-42];原核生物発現ベクター、例えば、β-ラクタマーゼプロモーター[Jay et al., (1981) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:5543]またはtacプロモーター[DeBoer et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:21-25];またScientific American 242:79-94 (1980)に記載の「Useful Proteins from Recombinant Bacteria」も参照;ノパリンシンセターゼプロモーター[Herrara-Estrella et al.(1984) Nature 303:209-213]またはカリフラワーモザイクウイルス35S RNAプロモーター[Garder et al. (1981) Nucleic Acids Res. 9:2871]、および光合成酵素であるリブロースビスリン酸カルボキシラーゼのプロモーター[Herrera-Estrella et al.(1984) Nature 310:115-120]を含有する植物発現ベクター;酵母および他の真菌由来のプロモーターエレメント、例えばGal4プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼプロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター、ならびに以下に示す、組織特異性を呈示し、トランスジェニック動物で使用されている動物転写対照領域:膵腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域[Swift et al.(1984) Cell 38:639-646 ;Ornitz et al.(1986) Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 50:399-409 ;MacDonald (1987) Hepatology 7:425-515];膵臓ベータ細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域[Hanahan et al.(1985) Nature 315:115-122]、リンパ系細胞において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域[Grosschedl et al. (1984) Cell 38:647-658 ;Adams et al. (1985) Nature 318:533-538 ;Alexander et al. (1987) Mol. Cell Biol. 7:1436-1444]、精巣、乳房、リンパ球および肥満細胞において活性なマウス乳がんウイルス制御領域[Leder et al. (1986) Cell 45:485-495]、肝臓において活性なアルブミン遺伝子制御領域[Pinckert et al. (1987) Genes and Devel. 1:268-276]、肝臓において活性なアルファ-フェトプロテイン遺伝子制御領域[Krumlauf et al. (1985) Mol. Cell. Biol. 5:1639-1648 ;Hammer et al. (1987) Science 235:53-58]、肝臓において活性なアルファ-1抗トリプシン遺伝子制御領域[Kelsey et al. (1987) Genes and Devel. 1:161-171]、骨髄細胞において活性なベータグロビン遺伝子制御領域[Magram et al., (1985) Nature 315:338-340 ;Kollias et al. (1986) Cell 46:89-94]、脳の希突起膠細胞において活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域[Readhead et al. (1987) Cell 48:703-712]、骨格筋において活性なミオシン軽鎖-2遺伝子制御領域[Shani (1985), Nature 314:283-286]、および視床下部の性腺刺激ホルモン産生細胞において活性な性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御領域[Mason et al. (1986) Science 234:1372-1378]が挙げられる。
具体的な実施態様において、所望のタンパク質、またはそのドメイン、フラグメント、誘導体または相同体をコードする核酸に作動可能に連結したプロモーター、1つまたは複数の複製起点、および適宜1つまたは複数の選択可能マーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)を含有するベクターが使用される。発現系に応じて、特異的な開始シグナルもMTSP-1配列の効率的な翻訳に必要である。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。開始コドンおよびMTSP-1またはその触媒活フラグメントの上流配列が、適切な発現ベクターに挿入されている場合、追加の翻訳の制御シグナルは必要ない。コード配列またはその部分のみが挿入されている場合、ATG開始コドンを含む外因性の転写制御シグナルが提供されていなければならない。さらに、開始コドンは、挿入物全体の転写が確実になるように正しいリーディングフレーム中になければならない。外因性の転写エレメントおよび開始コドンは、天然および合成の両方の様々な起点のものであってもよい。発現効率は、使用のときに細胞系に適切なエンハンサーを含ませることによって亢進させることができる[Scharf et al. (1994) Results Probl Cell Differ 20:-62 ; Bittner et al. (1987) Methods in Enzymol 153:516-544]。
大腸菌細胞の形質転換のための例示的なプラスミドベクターとしては、例えば、pQE発現ベクター(Qiagen、バレンシア、カリフォルニア州より入手可能;この系を説明するQiagenによって公開された文献も参照)が挙げられる。pQEベクターは、大腸菌における組換えタンパク質の厳重に調節された高レベルの発現を提供するためのファージT5プロモーター(大腸菌RNAポリメラーゼによって認識される)および二重のlacオペレーター抑制モジュール、効率的な翻訳のための合成リボソーム結合部位(RBS II)、6×Hisタグコード配列、tおよびT1転写ターミネーター、ColE1複製起点、ならびにアンピシリン耐性を付与するためのベータ-ラクタマーゼ遺伝子を有する。pQEベクターは、組換えタンパク質のNまたはC末端のいずれかに6×Hisタグを設置することを可能にする。このようなプラスミドとしては、pQE32、pQE30、およびpQE31が挙げられ、これらは、全ての3つのリーディングフレームのための多重クローニング部位を提供し、N末端に6×Hisタグを有するタンパク質の発現をもたらす。大腸菌細胞の形質転換のための他の例示的なプラスミドベクターとしては、例えば、pET発現ベクター(米国特許第4,952,496号を参照;Novagen、マディソン、ウィスコンシン州より入手可能;系を説明するNovagenによって公開された文献も参照)が挙げられる。このようなプラスミドとしては、T7lacプロモーター、T7ターミネーター、誘導性大腸菌lacオペレーター、およびlacリプレッサー遺伝子を含有するpET11a;T7プロモーター、T7ターミネーター、および大腸菌ompT分泌シグナルを含有するpET12a-c;ならびにHisカラムを用いた精製で使用するためのHis-Tag(商標)リーダー配列およびカラムを通した精製後の切断を許容するトロンビン切断部位、T7-lacプロモーター領域、ならびにT7ターミネーターを含有するpET15bおよびpET19b(Novagen、マディソン、ウィスコンシン州)が挙げられる。
典型的には、ベクターは、インビボまたはインビトロにおける改変されたMTSP-1ポリペプチドの発現に使用される、プラスミド、ウイルス、または当業界において公知の他のものであり得る。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞中で発現される。
ウイルスベクター、例えばアデノウイルス、レトロウイルスまたはワクシニアウイルスベクターを採用することができる。一部の例において、ベクターは、欠損がある、または弱毒化した、レトロウイルスベクターまたは他のウイルスベクターである(米国特許第4,980,286号を参照)。例えば、レトロウイルスベクターを使用することができる[Miller et al. (1993) Meth. Enzymol.217: 581-599を参照]。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムのパッケージングおよび宿主細胞DNAへの統合に必ずしも必要ではないレトロウイルス配列が欠失するように改変されている。一部の例において、改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を備えたウイルスは、標的組織中におけるその複製と蔓延を容易にすることができる。ウイルスは、溶解性ウイルスであってもよいし、または非溶解性ウイルスであってもよく、その場合、ウイルスは組織特異的プロモーター下で選択的に複製する。ウイルスが複製するとき、MTSP-1ポリペプチドとウイルス遺伝子とが共発現されることにより、インビボにおけるウイルスの蔓延が容易になる。
4.発現
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、インビボおよびインビトロの方法を含む当業者に公知のあらゆる方法によって生産することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、必要な量および形態のタンパク質、例えば投与および処置に必要な量および形態のタンパク質を産生するのに好適なあらゆる生物で発現させることができる。発現宿主としては、原核生物および真核生物、例えば大腸菌、酵母、植物、昆虫細胞、ヒト細胞株を含む哺乳動物細胞、およびトランスジェニック動物が挙げられる。発現宿主は、それらのタンパク質産生レベル、加えて発現されたタンパク質上に存在する翻訳後改変のタイプの点で異なる可能性がある。発現宿主の選択は、これらのおよび他の要因、例えば調節および安全性の考慮、生産コストならびに精製の必要性およびその方法に基づいて行うことができる。当業者は、適切な宿主およびベクターを選択する能力が十分にある。
多くの発現ベクターが利用可能であり、当業者に公知であり、タンパク質発現のために使用することができる。発現ベクターの選択は、宿主発現系の選択によって影響を受ける。一般的に、発現ベクターは、転写プロモーターを含んでいてもよく、適宜、エンハンサー、翻訳シグナル、および転写および翻訳終結シグナルを含んでいてもよい。安定な形質転換に使用される発現ベクターは、典型的には、形質転換した細胞の選択および維持を可能にする選択可能マーカーを有する。一部の場合において、複製起点を使用して、ベクターのコピー数を増幅することができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドはまた、タンパク質融合体として利用してもよいし、または発現させてもよい。例えば、酵素融合体は、追加の官能性を酵素に追加するために生成することができる。酵素融合タンパク質の例としては、これらに限定されないが、シグナル配列、タグ、例えば局在化のためのタグ、例えば、hisタグもしくはmycタグ、または精製のためのタグ、例えば、GST融合体、およびタンパク質分泌および/または膜会合を指示するための配列の融合体が挙げられる。
例えば、本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4、11~13および21~59のいずれか1つに記載のプロテアーゼドメインをコードする核酸分子、または配列番号1~4、11~13および21~59のいずれかに記載の配列に対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、84%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を呈示するアミノ酸の配列の発現によって生成するものである。
長期間にわたる組換えタンパク質の高収量の産生のために、安定な発現が望ましい。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドを安定して発現する細胞株は、ウイルス複製起点または内因性発現エレメントおよび選択可能マーカー遺伝子を含有する発現ベクターを使用して形質転換することができる。ベクターの導入後、細胞を、選択培地に切り替える前に、濃縮培地中で1~2日成長させることができる。選択可能マーカーの目的は、選択に対する耐性を付与することであり、その存在は、導入された配列をうまく発現する細胞の成長および回収を可能にする。安定して形質転換した細胞の耐性細胞は、その細胞型に適切な組織培養技術を使用して増殖させることができる。
様々な選択システムを使用して、形質転換細胞株を回収することができる。これらの例としては、これらに限定されないが、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al., (1977) Cell 11:223-232)およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy I et al. (1980) Cell 22:817-23)遺伝子が挙げられ、これらはそれぞれ、TK-またはAPRT-細胞で採用することができる。また、選択の基準として、代謝拮抗物質、抗生物質または除草剤耐性も使用することができる。例えば、メトトレキセートに対する耐性を付与するDHFR(Wigler M et al. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci, 77:3567-70);アミノグルコシド、ネオマイシンおよびG-418に対する耐性を付与するnpt(Colbere-Garapin F et al. (1981) J. Mol. Biol., 150:1-14);ならびにそれぞれクロルスルフロンおよびホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼに対する耐性を付与するalsまたはpatを使用することができる。追加の選択可能な遺伝子、例えば、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用することを可能にするtrpB、または細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノールを利用することを可能にするhisDが記載されている(Hartman SC and RC Mulligan (1988) Proc. Natl. Acad. Sci, 85:8047-8051)。可視マーカー、例えば、これらに限定されないが、アントシアニン、ベータグルクロニダーゼおよびその基質、GUS、ならびにルシフェラーゼおよびその基質のルシフェリンも、形質転換株を同定するのに使用でき、さらに、特定のベクター系に起因する一過性のまたは安定なタンパク質発現の量を定量するのにも使用できる(Rhodes CA et al. (1995) Methods Mol. Biol. 55:121-131) 。
MTSP-1ポリペプチドの存在および発現は、モニターすることができる。例えば、機能的なポリペプチドの検出は、適切な条件下でのヒアルロニダーゼ酵素活性について馴化培地を試験することによって決定することができる。発現されるタンパク質の溶解性および活性を評価するための例示的なアッセイが、本明細書に提供される。
a.原核細胞
原核生物、特に大腸菌は、大量のタンパク質を生産するための系を提供する。大腸菌の形質転換は、当業者に周知の簡単で迅速な技術である。大腸菌のための発現ベクターは、誘導性プロモーターを含有していてもよく、このようなプロモーターは、高いレベルのタンパク質発現を誘導することや、宿主細胞にとってある種の毒性を呈示するタンパク質を発現することに有用である。誘導性プロモーターの例としては、lacプロモーター、trpプロモーター、ハイブリッドtacプロモーター、T7およびSP6RNAプロモーター、ならびに温度調節性λPLプロモーターが挙げられる。
タンパク質、例えば本明細書に提供されるあらゆるタンパク質は、大腸菌の細胞質内の環境で発現させることができる。細胞質は還元性の環境であり、一部の分子にとって、これは、不溶性封入体の形成を生じさせることができる。ジチオスレイトール(dithiothreotol)およびβ-メルカプトエタノールなどの還元剤、ならびにグアニジン-HClおよび尿素などの変性剤を使用して、タンパク質を可溶化することができる。代替アプローチは、酸化性の環境ならびにシャペロニン様およびジスルフィドイソメラーゼを提供し、可溶性タンパク質の産生を生じさせることができる、細菌のペリプラズム間隙中でのタンパク質の発現である。典型的には、リーダー配列は、タンパク質をペリプラズムに方向付けるために発現させるタンパク質に融合される。次いでペリプラズム内部のシグナルペプチダーゼによってリーダーが除去される。ペリプラズムを標的化するリーダー配列の例としては、ペクチン酸リアーゼ遺伝子からのpelBリーダー、およびアルカリホスファターゼ遺伝子由来のリーダーが挙げられる。一部の場合において、ペリプラズム発現は、発現されるタンパク質の培養培地への漏出を可能にする。タンパク質の分泌は、培養上清からの迅速で簡単な精製を可能にする。分泌されないタンパク質は、浸透圧溶解によってペリプラズムから得ることができる。細胞質内での発現と同様に、一部の場合において、タンパク質を不溶性にすることができ、変性剤および還元剤を使用して、可溶化およびリフォールディングを容易にすることができる。また誘導および増殖の温度も、発現レベルおよび溶解性に影響を与える可能性があり、典型的には25℃から37℃の間の温度が使用される。典型的には、細菌は、グリコシル化されていないタンパク質を生産する。したがって、タンパク質が機能するためにグリコシル化を必要とする場合、宿主細胞から精製した後、インビトロでグリコシル化を追加することができる。
b.酵母細胞
サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisae)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ヤロウイア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)およびピチア・パストリス(Pichia pastoris )などの酵母が、本明細書に記載されるいずれかのものなどのタンパク質の産生に使用できる周知の酵母発現宿主である。酵母は、エピソーム複製ベクターで、または相同組換えによる安定な染色体統合によって形質転換することができる。典型的には、遺伝子発現を調節するために、誘導性プロモーターが使用される。このようなプロモーターの例としては、GAL1、GAL7およびGAL5、ならびにメタロチオネインプロモーター、例えばCUP1、AOX1または他のピチア属もしくは他の酵母のプロモーターが挙げられる。発現ベクターは、形質転換したDNAの選択および維持のためにLEU2、TRP1、HIS3およびURA3などの選択可能マーカーを含むことが多い。酵母で発現されるタンパク質は、可溶性であることが多い。BiPなどのシャペロニンやタンパク質ジスルフィドイソメラーゼとの共発現は、発現レベルおよび溶解性を改善することができる。加えて、酵母で発現されるタンパク質は、分泌シグナルペプチド融合体、例えばサッカロマイセス・セレビジエ由来の酵母交配型アルファ因子分泌シグナル、およびAga2p交配接着受容体またはアークスラ・アデニニボランス(Arxula adeninivorans)のグルコアミラーゼなどの酵母細胞表面タンパク質との融合体を使用して、分泌に方向付けることができる。プロテアーゼ切断部位、例えばKex-2プロテアーゼのための切断部位は、それらが分泌経路から出るとき、発現されたポリペプチド由来の融合した配列が除去されるように操作することができる。また酵母は、Asn-X-Ser/Thrモチーフでのグリコシル化も可能である。
c.昆虫および昆虫細胞
昆虫細胞は、特定にはバキュロウイルス発現を使用して、MTSP-1ポリペプチドなどのポリペプチドを発現するのに有用である。昆虫細胞は、高いレベルのタンパク質を発現し、より高等な真核生物によって使用される翻訳後改変のほとんどが可能である。バキュロウイルスは、限定的な宿主範囲を有することから、安全性を改善し、真核生物発現の規制の懸念を低減する。典型的な発現ベクターは、高レベルの発現のためのプロモーター、例えばバキュロウイルスのポリヘドリンプロモーターを使用する。一般的に使用されるバキュロウイルス系としては、アウトグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)、およびカイコガ(bombyx mori)核多角体病ウイルス(BmNPV)、ならびに昆虫細胞株、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、シューダレティア・ユニプンクタ(Pseudaletia unipuncta)(A7S)およびオオカバマダラ(Danaus plexippus)(DpN1)由来のSf9などのバキュロウイルスが挙げられる。高レベル発現のために、発現させる分子のヌクレオチド配列は、ウイルスのポリヘドリン開始コドンのすぐ下流に融合される。哺乳動物分泌シグナルは、昆虫細胞で正確にプロセシングされ、これを使用して、発現されたタンパク質を培養培地に分泌させることができる。加えて、シューダレティア・ユニプンクタ(A7S)およびオオカバマダラ(DpN1)の細胞株は、哺乳動物細胞系に類似したグリコシル化パターンを有するタンパク質を産生する。例示的な昆虫細胞は、免疫原性が低減するように変更されたもの、例えば、「哺乳動物化した」バキュロウイルス発現ベクターを有するもの、および酵素FT3が欠失したものなどである。
昆虫細胞における代替の発現系は、安定して形質転換された細胞の使用である。Schnieder 2(S2)およびKc細胞(キイロショウジョウバエ)およびC7細胞(ヒトスジシマカ(Aedes albopictus))などの細胞株が、発現に使用することができる。ショウジョウバエメタロチオネインプロモーターを使用して、カドミウムまたは銅での重金属誘導の存在下で高いレベルの発現を誘導することができる。発現ベクターは、典型的には、ネオマイシンおよびハイグロマイシンなどの選択可能マーカーの使用によって維持される。
d.哺乳動物発現
哺乳動物発現系を使用して、MTSP-1ポリペプチドなどのタンパク質を発現させることができる。発現コンストラクトは、アデノウイルスなどのウイルス感染によって、またはリポソーム、リン酸カルシウム、DEAE-デキストランなどの直接のDNA移行によって、ならびにエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションなどの物理的な手段によって、哺乳動物細胞に移行させることができる。哺乳動物細胞のための発現ベクターとしては、典型的には、mRNA cap部位、TATAボックス、翻訳開始配列(コザックコンセンサス配列)およびポリアデニル化エレメントが挙げられる。選択可能マーカーなどの別の遺伝子とのバイシストロン性の発現を許容するために、IRESエレメントが追加されていてもよい。このようなベクターは、高レベル発現のために、例えば、SV40プロモーター-エンハンサー、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)のロングターミナルリピートなどの転写プロモーター-エンハンサーを含むことが多い。これらのプロモーター-エンハンサーは、多くの細胞型において活性である。また、組織および細胞型プロモーターおよびエンハンサー領域も、発現に使用することができる。例示的なプロモーター/エンハンサー領域としては、これらに限定されないが、エラスターゼI、インスリン、免疫グロブリン、マウス乳がんウイルス、アルブミン、アルファフェトプロテイン、アルファ1抗トリプシン、ベータグロビン、ミエリン塩基性タンパク質、ミオシン軽鎖2、および性腺刺激ホルモン放出ホルモン遺伝子制御などの遺伝子に由来するものが挙げられる。選択可能マーカーを使用して、発現コンストラクトを有する細胞を選択し維持することができる。選択可能マーカー遺伝子の例としては、これらに限定されないが、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびチミジンキナーゼが挙げられる。例えば、DHFR遺伝子を発現する細胞のみを選択するために、発現は、メトトレキセートの存在下で実行することができる。TCR-ζおよびFcεRI-γなどの細胞表面シグナル伝達分子との融合は、細胞表面上で活性状態のタンパク質の発現を指示することができる。
マウス、ラット、ヒト、サル、ニワトリおよびハムスター細胞などの、哺乳動物発現のための多くの細胞株が利用可能である。例示的な細胞株としては、これらに限定されないが、CHO、Balb/3T3、HeLa、MT2、マウスNS0(非分泌性)および他の骨髄腫細胞株、ハイブリドーマおよびヘテロハイブリドーマ細胞株、リンパ球、線維芽細胞、Sp2/0、COS、NIH3T3、HEK293、293S、2B8、ならびにHKB細胞が挙げられる。細胞培養培地からの分泌されたタンパク質の精製を容易にする無血清培地に適合した細胞株も利用可能である。その例としては、CHO-S細胞(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州、カタログ番号11619-012)および無血清EBNA-1細胞株[Pham et al. (2003) Biotechnol. Bioeng. 84:332-42]が挙げられる。最大の発現のために最適化された特殊な培地で増殖させるのに適合した細胞株も利用可能である。例えば、DG44 CHO細胞は、化学的に組成が既定の動物性生成物非含有の培地中で懸濁培養中で増殖させるのに適合されている。
e.植物
トランスジェニック植物細胞および植物を使用して、本明細書に記載されるいずれかのものなどのタンパク質を発現させることができる。発現コンストラクトは、典型的には、マイクロプロジェクタイル衝撃などの直接のDNA移行や、プロトプラストへのPEG媒介移行を使用して、さらにアグロバクテリウム媒介形質転換を使用して植物に移行させる。発現ベクターは、プロモーターおよびエンハンサー配列、転写終結エレメント、ならびに翻訳制御エレメントを含んでいてもよい。発現ベクターおよび形質転換技術は、通常、双子葉植物宿主、例えばシロイヌナズナ(Arabidopsis)およびタバコと、単子葉植物宿主、例えばトウモロコシおよび米とに分けられる。発現に使用される植物プロモーターの例としては、カリフラワーモザイクウイルスプロモーター、ノパリンシンターゼプロモーター、リボースビスリン酸カルボキシラーゼプロモーター、ならびにユビキチンおよびUBQ3プロモーターが挙げられる。ハイグロマイシン、ホスホマンノースイソメラーゼおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼなどの選択可能マーカーは、形質転換した細胞の選択および維持を容易にするために使用されることが多い。形質転換した植物細胞は、培養物中で細胞、集合体(カルス組織)として維持してもよいし、または植物全体に再生させてもよい。またトランスジェニック植物細胞としては、ヒアルロニダーゼポリペプチドを産生するように操作された藻類を挙げることもできる。これは、植物が哺乳動物細胞と異なるグリコシル化パターンを有するために、これらの宿主で産生されたタンパク質の選択に影響を与えることができる。
5.精製
改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸配列で形質転換した宿主細胞は、コードされたタンパク質の発現および細胞培養物からの回収に好適な条件下で培養することができる。組換え細胞によって産生されたタンパク質は、一般的に、分泌されるが使用される配列および/またはベクターに応じて細胞内に封じ込めたままにできるように設計される。当業者であれば理解するであろうが、MTSP-1をコードする核酸を含有する発現ベクターは、原核生物または真核細胞の膜を介したMTSP-1の直接の分泌を容易にするシグナル配列を用いて設計することができる。
したがって、宿主細胞からポリペプチドを精製するための方法は、選択された宿主細胞および発現系に依存する。分泌された分子の場合、タンパク質は、一般的に、細胞を除去した後、培養培地から精製される。細胞内発現の場合、細胞を溶解させて、抽出物からタンパク質を精製することができる。トランスジェニック植物および動物などのトランスジェニック生物が発現に使用される場合、組織または臓器を出発材料として使用して、溶解細胞の抽出物を作製することができる。加えて、トランスジェニック動物生成物としては、乳汁または卵中で産生されたポリペプチドも挙げることができ、これは、当業界における標準的な方法を使用して収集することができ、必要に応じてタンパク質を抽出し、さらに精製することができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドなどのタンパク質は、当業界において公知の標準的なタンパク質精製技術を使用して精製することができ、そのような技術としては、これらに限定されないが、SDS-PAGE、サイズ分画およびサイズ排除クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿ならびにイオン交換クロマトグラフィー、例えば陰イオン交換が挙げられる。調製の効率および純度を改善するために、親和性精製技術も利用することができる。例えば、MTSP-1タンパク質と結合する抗体、受容体および他の分子を、親和性精製に使用することができる。
また発現コンストラクトを、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグ、mycエピトープ、GST融合またはHisなどの親和性タグがタンパク質に付加されるように操作し、それぞれSUMOまたはmyc抗体、グルタチオン樹脂およびNi-樹脂で親和性精製してもよい。このようなタグを、本明細書の他所で記載されるMTSP-1をコードするヌクレオチド配列に合体させてもよく、それにより、可溶性タンパク質の精製を容易にすることができる。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、タンパク質精製を容易にするために付加された1つまたは複数の追加のポリペプチドドメインとの組換えタンパク質として発現させることができる。このような精製を容易にするドメインとしては、これらに限定されないが、金属キレート化ペプチド、例えば固定された金属上での精製を可能にするヒスチジン-トリプトファンモジュール、固定された免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、およびFLAGS伸長/親和性精製システム(Immunex Corp.、シアトル、ワシントン州)で利用されるドメインが挙げられる。精製ドメインと発現されるMTSP-1ポリペプチドとの間に切断可能なリンカー配列、例えば第Xa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen、サンディエゴ、カリフォルニア州)を含むことは、精製を容易にするのに有用である。1つのこのような発現ベクターは、MTSP-1ポリペプチドおよびエンテロキナーゼ切断部位を含有する融合タンパク質の発現を提供する。低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグは、IMIAC(固定金属イオンアフィニティークロマトグラフィー)上での精製を容易にし、一方でエンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質からポリペプチドを精製するための手段を提供する。
純度は、ゲル電気泳動、直交HPLC方法、染色および分光光度技術などの当業界において公知のあらゆる方法によって評価することができる。発現および精製されたタンパク質は、当業者に公知のあらゆるアッセイまたは方法、例えばセクション5に記載のもののいずれかを使用して分析することができる。その例としては、これらに限定されないが、ゲル電気泳動による分析、イムノアッセイおよびMTSP-1活性のアッセイなどのタンパク質の物理的および/または機能特性に基づくアッセイが挙げられる。
6.追加の改変
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを改変して、薬物動態特性および薬理学的特性を改善または変更することができる。特定には、改変されたMTSP-1ポリペプチドを、PEG部分またはデキストランなどのポリマーにコンジュゲートさせるか、またはシアル化して、血清および硝子体液などの他の体液中での免疫原性を低減したり、および/または半減期を増加させたりすることができる。
a.PEG化
ポリエチレングリコール(PEG)はバイオマテリアル、生物工学および薬に使用されているが、これは主として、PEGが、典型的には非免疫原性の、生体適合性、非毒性、水溶性ポリマーであることに起因する[Zhao and Harris, ACS Symposium Series 680: 458-72, 1997]。薬物デリバリーの分野において、PEG誘導体は、免疫原性、タンパク質分解および腎臓クリアランスを低減して、血清中半減期を増加させ、溶解性を亢進するためのタンパク質への共有結合(すなわち、「PEG化」)に広く使用されている[Zalipsky (1995) Adv. Drug Del. Rev.16:157-82]。同様に、PEGは、溶解性を亢進したり、毒性を低減したり、生体内分布を変更したりするために、低分子量の相対的に疎水性の薬物に付着される。典型的には、PEG化した薬物は、溶液として注射される。
関連する用途は、薬物デリバリーで使用するための架橋された分解可能なPEGネットワークまたは製剤の合成であるが、これは、分解可能な可溶性の薬物担体の設計で使用される同じ化学の多くが、分解可能なゲルの設計でも使用できることに起因する[Sawhney et al. (1993) Macromolecules 26: 581-87]。また、高分子間複合体は、2つの相補的ポリマーの溶液を混合することによって形成できることも公知である。このような複合体は、一般的に、関与するポリマー間の静電的相互作用(ポリアニオン-ポリカチオン)および/もしくは水素結合(ポリ酸-ポリ塩基)によって、ならびに/または水性の周囲環境におけるポリマー間の疎水性相互作用によって安定化されている[Krupers et al. (1996) Eur. Polym J. 32:785-790]。例えば、適した条件下でポリアクリル酸(PAAc)およびポリエチレンオキシド(PEO)の溶液を混合すると、大部分が水素結合に基づく複合体の形成が起こる。これらの複合体の生理学的な条件での解離が、遊離の薬物(すなわち、PEG化されていない)のデリバリーに使用されてきた。加えて、相補的ポリマーの複合体は、ホモポリマーおよびコポリマーから形成されている。
PEG化のための多数の試薬は、治療用タンパク質のためのPEG部分であることが公知である。試薬およびPEG部分は、市販されている。このような試薬としては、これらに限定されないが、ポリペプチドと、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)活性化PEG、スクシンイミジルmPEG、mPEG-N-ヒドロキシスクシンイミド、mPEGスクシンイミジルアルファ-メチルブタノエート、mPEGスクシンイミジルプロピオネート、mPEGスクシンイミジルブタノエート、mPEGカルボキシメチル3-ヒドロキシブタン酸スクシンイミジルエステル、ホモ二官能性PEG-スクシンイミジルプロピオネート、ホモ二官能性PEGプロピオンアルデヒド、ホモ二官能性PEGブチルアルデヒド、PEGマレイミド、PEGヒドラジド、p-ニトロフェニル-カーボネートPEG、mPEG-ベンゾトリアゾールカーボネート、プロピオンアルデヒドPEG、mPEGブチルアルデヒド、分岐状mPEGブチルアルデヒド、mPEGアセチル、mPEGピペリドン、mPEGメチルケトン、mPEG「リンカーなし」マレイミド、mPEGビニルスルホン、mPEGチオール、mPEGオルソピリジルチオエステル、mPEGオルソピリジルジスルフィド、Fmoc-PEG-NHS、Boc-PEG-NHS、ビニルスルホンPEG-NHS、アクリル酸PEG-NHS、フルオレセインPEG-NHS、およびビオチンPEG-NHSとの反応が挙げられる(例えば、Monfardini et al.(1995) Bioconjugate Chem. 6:62-69; Veronese et al. (1997) J. Bioactive Compatible Polymers 12:197-207;U.S.5,672,662;U.S.5,932,462;U.S.6,495,659;U.S.6,737,505;U.S.4,002,531;U.S.4,179,337;U.S.5,122,614;U.S.5,324,844;U.S.5,446,090;U.S.5,612,460;U.S.5,643,575;U.S.5,766,581;U.S.5,795,569;U.S.5,808,096;U.S.5,900,461;U.S.5,919,455;U.S.5,985,263;U.S.5,990,237;U.S.6,113,906;U.S.6,214,966;U.S.6,258,351;U.S.6,340,742;U.S.6,413,507;U.S.6,420,339;U.S.6,437,025;U.S.6,448,369;U.S.6,461,802;U.S.6,828,401;U.S.6,858,736;U.S.2001/0021763;U.S.2001/0044526;U.S.2001/0046481;U.S.2002/0052430;U.S.2002/0072573;U.S.2002/0156047;U.S.2003/0114647;U.S.2003/0143596;U.S.2003/0158333;U.S.2003/0220447;U.S.2004/0013637;US2004/0235734;WO05/00360;U.S.2005/0114037;U.S.2005/0171328;U.S.2005/0209416;EP01064951;EP0822199;WO00176640;WO00/02017;WO02/49673;WO94/28024;およびWO01/87925を参照)。
一例において、ポリエチレングリコールは、約3kDから約50kD、典型的には約5kDから約30kDの範囲の分子量を有する。PEGの薬物への共有結合(「PEG化」として公知)は、公知の化学合成技術によって達成することができる。例えば、タンパク質のPEG化は、NHS活性化PEGをタンパク質と好適な反応条件下で反応させることによって達成することができる。
PEG化に関して多数の反応が記載されているが、最も一般的に適用できるものは、指向性を付与し、穏やかな反応条件を使用し、毒性の触媒または副産物を除去するために大規模な下流処理を必要としないものである。例えば、モノメトキシPEG(mPEG)は、唯一の反応性末端であるヒドロキシルを有し、したがってそれを使用することで、得られたPEG-タンパク質生成物混合物の不均質性の一部が制限される。末端メトキシ基と反対のポリマーの末端におけるヒドロキシル基の活性化は、一般的に、効率的なタンパク質のPEG化を達成するのに必要であり、その目的は、誘導体化PEGを、より求核性攻撃を受けやすくすることである。攻撃する求核剤は通常、リシル残基のイプシロン-アミノ基であるが、他のアミンも、場所的な条件が好都合であれば反応することができる(例えば、N末端アルファ-アミンまたはヒスチジンの環アミン)。単一のリシンまたはシステインを含有するタンパク質では、より指向性の付着が可能である。後者の残基は、チオール特異的な改変のために、PEG-マレイミドによって標的化することができる。代替として、PEGヒドラジドを過ヨウ素酸酸化ヒアルロナン分解酵素と反応させ、NaCNBHの存在下で還元することができる。より具体的には、PEG化したCMP糖は、適切なグリコシルトランスフェラーゼの存在下で、ヒアルロナン分解酵素と反応することができる。1つの技術は、多数のポリマー性分子を問題のポリペプチドにカップリングさせる「PEG化」技術である。この技術を使用する場合、免疫系は、抗体の形成に関与するポリペプチド表面上のエピトープを認識することが難しく、そのため免疫応答が低減する。特定の生理学的効果を与えるためにポリペプチドを人体の循環系に直接導入する場合(すなわち医薬品)、典型的な可能性のある免疫応答は、IgGおよび/またはIgM応答であるが、呼吸器系を通って吸入されるポリペプチド(すなわち、工業的なポリペプチド)はもしかすると、IgE応答(すなわち、アレルギー性応答)を引き起こす可能性がある。免疫応答低減を説明する理論の1つは、ポリマー性分子が、抗体形成を引き起こす免疫応答に関与するポリペプチド表面上のエピトープを遮蔽するというものである。別の理論または少なくとも部分的な要因は、コンジュゲートが重いほど、得られる免疫応答がより低減されることである。
典型的には、本明細書に提供されるPEG化した改変されたMTSP-1ポリペプチドを作製するために、PEG部分は、ポリペプチドへの共有結合を介してコンジュゲートされる。PEG化のための技術としては、これらに限定されないが、特殊化したリンカーおよびカップリング化学[例えば、Harris (2002) Adv. Drug Deliv. Rev. 54:459-476を参照]、単一のコンジュゲーション部位への複数のPEG部分の付着[例えば、分岐状PEGの使用を介した;例えば、Veronese et al. (2002) Bioorg. Med. Chem. Lett. 12:177-180を参照]、部位特異的なPEG化および/またはモノPEG化[例えば、Chapman et al. (1999) Nature Biotech. 17:780-783を参照]、および部位特異的な酵素によるPEG化[例えば、Sato (2002), Adv. Drug Deliv. Rev., 54:487-504を参照]が挙げられる。当業界において説明される方法および技術は、単一のタンパク質分子に付着した1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個より多くのPEGまたはPEG誘導体を有するタンパク質を生産することができる(例えば、米国特許公開第2006/0104968号を参照)。
b.融合タンパク質
他の部分への治療用タンパク質の融合、例えばPEG化、アルブミン、標的部分、例えば抗体およびその抗原結合フラグメント、免疫グロブリンへのコンジュゲーション、fc融合、アルブミンとの融合(HSA)、XTEN融合タンパク質、グリコシル化パターンの改変の調製は、公知である[治療用タンパク質の薬物動態的特性を改善するための様々な融合タンパク質の総論に関して、Strohl (2015) BioDrugs 29:215-239を参照]。これらの治療剤の薬理学的特性を改善するための公知の様式のいずれかを、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドに適用することができる。
また、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドおよび1つまたは複数の他のポリペプチドを含有する融合タンパク質も提供される。好適な経路による投与のために製剤化された、このような融合タンパク質を含有する医薬組成物が提供される。融合タンパク質は、改変されたMTSP-1ポリペプチドと、プロテアーゼの精製を容易にする、改変されたMTSP-1ポリペプチドを標的化細胞または組織に方向付けることによってMTSP-1ポリペプチドの薬力学的な特性を変更する、および/または改変されたMTSP-1ポリペプチドの発現または分泌を増加させる目的のための別のポリペプチド、例えば抗体またはそのフラグメント、増殖因子、受容体、リガンドおよび他のこのような薬剤とを、あらゆる順番で連結することによって形成される。改変されたMTSP-1ポリペプチド融合タンパク質内で、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、MTSP-1ポリペプチドの全ての触媒活性部分に対応していてもよいし、またはその1つの触媒活性部分に対応していてもよい。一部の実施態様において、MTSP-1ポリペプチドまたはその触媒活性部分は、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドである。本明細書に提供される融合タンパク質は、補体タンパク質C3についてのその特異性および/または選択性の実質的に全てを保持する。一般的に、MTSP-1融合ポリペプチドは、非融合MTSP-1ポリペプチドと比較して、少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%または95%の基質特異性および/または選択性を保持し、非融合MTSP-1ポリペプチドと比較して、96%、97%、98%、99%またはそれより大きい基質特異性を有する。
改変されたMTSP-1ポリペプチドと別のポリペプチドの連結は、直接的またはリンカーを介して間接的に実行することができる。一例において、連結は、化学結合、例えばヘテロ二官能性薬剤によって、またはチオール連結もしくは他のこのような連結を介していてもよい。MTSP-1ポリペプチドの別のポリペプチドへの融合は、MTSP-1ポリペプチドのNまたはC末端への融合であってもよい。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドとの融合タンパク質において使用可能なポリペプチドの非限定的な例としては、例えば、GST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)ポリペプチド、免疫グロブリンG由来のFcドメイン、または異種シグナル配列が挙げられる。融合タンパク質は、追加の成分、例えば細胞によるタンパク質の取り込みに役立つ大腸菌マルトース結合タンパク質(MBP)を含有していてもよい(国際特許公開WO01/32711号を参照)。
MTSP-1ポリペプチド融合タンパク質は、標準的な組換え技術によって産生することができる。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラグメントは、従来の技術に従って、例えば、ライゲーションのために平滑末端化された末端または互い違いになった末端の採用、適切な末端をもたらすための制限酵素消化、必要に応じて付着末端の充填、望ましくない合体を回避するためのアルカリホスファターゼ処理、および酵素によるライゲーションによって、フレーム内で一緒にライゲートすることができる。別の実施態様において、融合遺伝子は、自動化DNAシンセサイザーなどの従来の技術によって合成することができる。代替として、遺伝子フラグメントのPCR増幅は、2つの連続した遺伝子フラグメント間に相補的なオーバーハングを生じるアンカープライマーを使用して行うことができ、これがその後、アニールおよび再増幅されて、キメラ遺伝子配列が生成する[例えば、Ausubel et al. (eds.) CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, John Wiley & Sons, 1992を参照]。さらに、すでに融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコードしている多くの発現ベクターが市販されている。MTSP-1をコードする核酸は、このような発現ベクターに、融合部分がフレーム内でMTSP-1ポリペプチドに連結されるようにクローニングすることができる。
Fc融合タンパク質、ヒト血清アルブミンへの融合、カルボキシ末端ペプチドへの融合が、ペプチドまたは生物学的な薬物の薬物動態を改善するための公知の改変である。これらのなかでも、直鎖または分岐鎖モノメトキシポリ-エチレングリコール(PEG)のいずれかへのコンジュゲーションが挙げられ、これは、結果として分子量および流体力学半径の増加、ならびに腎臓による糸球体ろ過速度の減少をもたらす。
薬物動態的なパラメーターを改善することための別のアプローチとしては、クリアランスの低減と半減期の延長をもたらすグリコシル化パターンの改変が挙げられる。
7.核酸分子
MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子が本明細書に提供される。核酸分子は、あらゆるコードされたMTSP-1ポリペプチドまたはその触媒活性部分の対立遺伝子変異体またはスプライス変異体を含む。一実施態様において、本明細書に提供される核酸分子は、少なくとも50、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、または99%の配列同一性を有するか、または高いストリンジェンシーの培地の条件下で、MTSP-1ポリペプチドまたはその触媒活性部分をコードしたいずれかの核酸の全長の少なくとも70%にわたりハイブリダイズする。別の実施態様において、核酸分子は、本明細書に提供されるものなどのMTSP-1ポリペプチドまたはその触媒活性部分のいずれかの縮重コドン配列を用いたものも含み得る。足場または改変されたプロテアーゼ、またはその触媒活性部分をコードする例示的な核酸分子は、配列番号60~98のいずれかに記載のヌクレオチドの配列を有する。
また、哺乳動物細胞における発現のためのプロモーター、例えば誘導性プロモーターに作動可能に連結された、核酸分子または核酸分子の触媒活性部分を含有する融合タンパク質も提供される。このようなプロモーターとしては、これらに限定されないが、CMVおよびSV40プロモーター;アデノウイルスプロモーター、例えばHPV E7腫瘍性タンパク質に応答するE2遺伝子プロモーター;PVプロモーター、例えばPV E2タンパク質に応答するPBV p89プロモーター;およびHIVまたはPVまたは腫瘍遺伝子によって活性化される他のプロモーターが挙げられる。
本明細書に提供されるMTSP-1プロテアーゼはまた、遺伝子移入ベクターで細胞にデリバリーすることもできる。移入ベクターはまた、プロテアーゼが投与されるリウマチ様関節炎または心臓血管疾患またはAMDまたはDGFなどの疾患または障害を処置するための追加の他の治療剤をコードしていてもよい。プロテアーゼをコードする移入ベクターは、対象に核酸を投与することによって全身に使用することができる。例えば、移入ベクターは、ウイルスベクター、例えばアデノウイルスベクターであってもよい。プロテアーゼをコードするベクターはまた、幹細胞に取り込まれていてもよく、このような幹細胞は、例えば療法のための部位に幹細胞を移植または植え付けすることによって対象に投与される。例えば、間葉幹細胞(MSC)は、プロテアーゼおよびこのような療法のための移植部位に植え付けされたMSCを発現するように操作することができる。
G.組成物、製剤および投薬
改変されたMTSP-1ポリペプチド、改変されたMTSP-1融合タンパク質またはコードする核酸分子を含有する医薬組成物は、あらゆる従来の方式で、選択された量のポリペプチドを1つまたは複数の生理学的に許容される担体または賦形剤と混合することによって製剤化することができる。担体または賦形剤の選択は、投与を行う者の能力の範囲内であり、多数のパラメーターによって決めることができる。これらのパラメーターとしては、例えば、投与様式(すなわち、全身性、経口、経鼻、経肺、局所、外用または他のあらゆる様式)および処置される障害が挙げられる。本明細書に提供される医薬組成物は、単回投薬量の(直接)投与のために、または希釈もしくは他の改変のために製剤化することができる。製剤中の化合物の濃度は、意図される処置にとって効果的な投与時の量のデリバリーのために効果的な濃度である。典型的には、組成物は、単回投薬量投与のために製剤化される。組成物を製剤化するために、所定重量分率の化合物またはその混合物が、処置した状態が軽減または緩和されるような有効な濃度で、選択された媒体中に溶解、懸濁、分散またはそれ以外の方法で混合される。本明細書に提供される化合物の投与に好適な医薬用担体または媒体としては、特定の投与様式に好適になるような当業者に公知のあらゆる担体が挙げられる。
1.改変されたMTSP-1ポリペプチドの投与
ポリペプチドは、組成物中で単独の医薬活性成分として製剤化してもよいし、または他の活性成分と組み合わせてもよい。ポリペプチドは、例えば標的化剤、例えば抗体へのコンジュゲーションによって、デリバリーを目標とすることができる。組織標的化したリポソームなどのリポソーム懸濁液も、医薬的に許容される担体として好適であり得る。これらは、当業者に公知の方法に従って調製できる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号に記載されるようにして調製することができる。またリポソームによるデリバリーとしては、コラーゲンゲルなどの医薬マトリックスやフィブロネクチンで改変されたリポソームなどの遅延放出製剤も挙げることができる[例えば、Weiner et al. (1985) J Pharm Sci. 74(9): 922-5を参照]。
活性な化合物は、処置した対象に不要な副作用を起こさずに治療上有用な作用を発揮するのに十分な量で、医薬的に許容される担体中に含まれる。治療上有効な濃度は、本明細書に提供されるアッセイなどの公知のインビトロおよびインビボのシステムで化合物を試験することによって経験的に決定することができる。
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチド(すなわち、活性な化合物)は、インビトロ、エクスビボまたはインビボで、混合物、例えば硝子体などの体液、または他の組織サンプルを、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドのいずれかを含む本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドと接触させることによって投与することができる。例えば、エクスビボで化合物を投与する場合、対象からの体液または組織サンプルは、チューブまたはフィルター、例えばバイパス装置中のチューブまたはフィルター上にコーティングされたMTSP-1ポリペプチドと接触させることができる。インビボで投与する場合、活性な化合物は、液体、半流動体または固体の形態で、あらゆる適切な経路、例えば、経口、経鼻、経肺、非経口、静脈内、皮内、硝子体内、眼球周囲、皮下、または外用投与されてもよく、各投与経路に好適な方式で製剤化される。投薬量の決定は医師の能力の範囲内であり、特定の障害、投与経路および対象と相関する場合がある。例示的な投薬量は、0.1~1mgでの投与となる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドならびに生理学的に許容される塩および溶媒和物は、吸入による投与(口または鼻のいずれかを介して)、経口、経皮、経肺、非経口または直腸内投与のために製剤化することができる。吸入による投与の場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用を伴う加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー供給の形態でデリバリーすることができる。加圧したエアロゾルの場合、投薬量単位は、定量をデリバリーするためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入器または注入器で使用するための、治療用化合物および好適な粉末ベース、例えばラクトースまたはデンプンの粉末混合物を含有する、例えばゼラチン製のカプセルおよびカートリッジを製剤化することができる。
肺への肺投与の場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、好適な噴射剤の使用を伴うネブライザー、ターボネブライザー、またはマイクロプロセッサー制御の定量経口吸入器からのエアロゾルスプレー供給の形態でデリバリーすることができる。一般的に、エアロゾルの粒度は小さく、例えば0.5から5ミクロンの範囲内である。肺投与のために製剤化された医薬組成物の場合、洗浄界面活性剤は、典型的には使用されない。肺の薬物デリバリーは、有望な非侵襲的全身投与方法である。肺は、主として吸収のための高い表面積、薄い肺胞上皮、大規模な血管新生、肝臓の初回通過代謝の欠如、および相対的に低い代謝活性のために、薬物デリバリーのための魅力的な経路の代表である。
経口投与の場合、医薬組成物は、例えば、従来の手段によって、医薬的に許容される賦形剤、例えば結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を用いて調製された、錠剤、丸剤、液体懸濁剤、またはカプセル剤の形態をとることができる。錠剤は、当業界において周知の方法によってコーティングされていてもよい。経口投与のための液体製剤は、例えば、液剤、シロップ剤または懸濁剤の形態をとっていてもよいし、またはそれらは、使用前に水または他の好適な媒体で溶解させるための乾燥製品として供給されてもよい。このような液体製剤は、医薬的に許容される添加剤、例えば懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または食用硬化油);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒体(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分留した植物油);および保存剤(例えば、メチルもしくはプロピル-p-ヒドロキシ安息香酸またはソルビン酸)を用いた従来の手段によって調製することができる。このような製剤はまた、必要に応じて緩衝塩、香味料、着色剤および甘味剤を含有していてもよい。
経口投与のための製剤は、活性な化合物の制御放出のために製剤化することができる。口腔粘膜投与の場合、組成物は、従来の方式で製剤化した錠剤またはロゼンジの形態をとることができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、デポ製剤として製剤化することができる。このような長時間作用性製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば治療用化合物は、好適なポリマー性または疎水性材料(例えば許容できる油中の乳剤として)またはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体、例えば難溶性の塩として製剤化することができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、注射による(例えば、ボーラス注射または連続輸注による)非経口投与のために製剤化することができる。注射のための製剤は、添加された保存剤を含む単位剤形で(例えば、アンプルまたは複数回投与用の容器中に)供給されてもよい。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁剤、液剤または乳剤のような形態をとってもよいし、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの成形剤を含有していてもよい。代替として、活性成分は、使用前における好適な媒体、例えば滅菌パイロジェンフリー水を用いた構成のための粉末凍結乾燥形態であってもよい。
改変されたMTSP-1ポリペプチドは、眼または眼科的なデリバリーのために製剤化することができる。眼への薬物デリバリーとしては、例えば、外用、経口もしくは全身性、および/または注射によるデリバリーが挙げられる。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドを含有する医薬組成物は、例えば点眼剤の形態で外用投与することができる。別の例において、改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドを含有する医薬組成物は、眼周囲および/または硝子体内投与によって、例えば、眼周囲または硝子体内注射によって投与することができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドもしくは改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を含有する医薬組成物は、DGFを処置するための全身投与のために製剤化することができる。別の例において、改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドもしくは改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を含有する医薬組成物は、腎臓に、または移植した腎臓に隣接するかまたはその周辺の組織もしくは臓器に直接注入または注射される。改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドを含有する医薬組成物は、同種移植片の移植のときの前に、または移植のときに、長期にわたる様式で継続する投与を用いて投与してもよいし、および/またはこのようなエピソードがまさに起こる事象において拒絶反応が出現している間に投与してもよい。
医薬組成物は、局所または外用適用のために、例えばゲル剤、クリーム剤、およびローション剤の形態での皮膚(経皮)および粘膜、例えば眼中の粘膜への外用適用のために製剤化することができ、さらに、眼への適用のために、または嚢内もしくは脊髄内適用のために製剤化することができる。このような溶液、特定には眼への使用を意図した溶液は、0.01%~10%の等張溶液および適切な塩で約5~7のpHとして製剤化することができる。化合物は、例えば吸入法による外用適用のためのエアロゾルとして製剤化することができる(例えば、炎症性疾患、特定には喘息の処置に有用なステロイドのデリバリーのためのエアロゾルを記載している米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号および同第4,364,923号を参照)。
薬物組成物中の活性な化合物の濃度は、活性な化合物の吸収、不活性化および排出速度、投薬計画、ならびに投与される量に加えて当業者に公知の他の要因に依存する。本明細書においてさらに記載されるように、投薬量は、未改変および/または野生型および/または参照MTSP-1ポリペプチドと比較した、改変されたMTSP-1ポリペプチドの特性および活性(例えば、1つまたは複数の補体タンパク質の切断)の比較を使用して経験的に決定することができる。
組成物は、必要に応じて、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有できるパッケージ、キットまたはディスペンサーデバイス中に供給されてもよい。一部の例において、組成物は、デバイス上に、例えばチューブまたはフィルター上に、例えばバイパス装置中のチューブまたはフィルター上にコーティングされていてもよい。パッケージは、例えば、金属またはプラスチックホイルを含有し、例えばブリスターパックである。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための指示書が添付されていてもよい。活性薬剤を含有する組成物は、パッケージング材料、本明細書に提供される薬剤、および薬剤提供の対象となる障害を示すラベルを含有する製造品としてパッケージングすることができる。
また、MTSP-1ポリペプチドをコードする発現ベクターなどの核酸分子を含有する組成物も提供される。一部の実施態様において、MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子およびそれをコードする発現ベクターの組成物は、遺伝子治療に好適である。タンパク質をデリバリーするというより、核酸は、インビボで、例えば全身に、または他の経路によって投与してもよいし、またはエクスビボで、例えばリンパ球などの細胞の取り出し、そこへの核酸の導入、および宿主または適合性のあるレシピエントへの再導入によって投与してもよい。
2.改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸の投与(遺伝子治療)
MTSP-1ポリペプチドは、核酸分子の発現によって細胞および組織にデリバリーすることができる。MTSP-1ポリペプチドは、MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子として投与することができ、その例として、エクスビボの技術および直接のインビボ発現が挙げられる。核酸は、当業者に公知のあらゆる方法によって細胞および組織にデリバリーすることができる。単離された核酸は、さらなる操作のためにベクターに取り込ませてもよい。例示的な核酸は、MTSP-1ポリペプチド、または配列番号21~59のいずれかに記載のアミノ酸の配列を有するその触媒活性部分をコードするあらゆるものか、または中から高のストリンジェンシー下で、MTSP-1ポリペプチド、または配列番号21~59のいずれかに記載のアミノ酸の配列を有するその触媒活性部分をコードする核酸にハイブリダイズするあらゆるものである。改変されたMTSP-1ポリペプチド、またはその触媒活性部分をコードする例示的な核酸分子は、配列番号60~98のいずれかに記載のヌクレオチドの配列を有する。
コードする核酸分子の発現によってMTSP-1ポリペプチドを投与するための方法は、組換えベクターの投与を含む。ベクターは、例えば複製起点の包含によってエピソーム性のままになるように設計されていてもよいし、または細胞中の染色体に統合されるように設計されていてもよい。またMTSP-1ポリペプチドは、ベクターを使用するエクスビボでの遺伝子発現療法でも使用することができる。好適な遺伝子治療用ベクターおよびデリバリーの方法は当業者に公知である。例えば、細胞は、例えばゲノム位置にMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を統合することによって、改変されたMTSP-1ポリペプチドを発現するように操作することができ、ここで上記核酸は、調節配列に作動可能に連結されているか、またはそれがゲノム位置の調節配列に作動可能に連結されて配置されるようになっている。次いでこのような細胞は、対象、例えば処置が必要な患者に、局所的または全身に投与することができる。インビボおよびエクスビボにおける遺伝子治療のための例示的なベクターとしては、ウイルスベクター、および非ウイルスベクター、例えば、リポソームまたは人工染色体などが挙げられる。
例えばアデノウイルス、ヘルペスウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、例えばレンチウイルス、EBV、SV40、サイトメガロウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクターなどのウイルスベクター、および遺伝子治療のために設計された他のものを採用することができる。ベクターは、エピソーム性のままのベクターであってもよいし、または処置された対象の染色体に統合できるベクターであってもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、処置が必要な対象に投与されるウイルスによって発現させることができる。遺伝子治療に好適なウイルスベクターとしては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルスおよび上記の他のものが挙げられる。例えば、アデノウイルス発現技術は当業界において周知であり、アデノウイルス産生および投与方法も周知である。アデノウイルスの血清型は、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection;ATCC、ロックビル、メリーランド州)から入手可能である。アデノウイルスはエクスビボで使用でき、例えば細胞を処置が必要な患者から単離し、改変されたMTSP-1ポリペプチドを発現するアデノウイルスベクターで形質導入する。好適な培養期間の後、形質導入された細胞を対象に局所および/または全身投与する。代替として、MTSP-1ポリペプチドを発現するアデノウイルス粒子を単離し、治療有効量のデリバリーのために医薬的に許容される担体中に製剤化して、対象の疾患または状態を防止、処置または緩和する。一実施態様において、処置される疾患は、補体活性化によって引き起こされる。典型的には、アデノウイルス粒子は、対象の体重1キログラム当たり1粒子から1014粒子の範囲、一般的には、対象の体重1キログラム当たり106または108粒子から1012粒子の範囲の用量でデリバリーされる。
核酸分子は、人工染色体および他の非ウイルスベクターに導入することができる。人工染色体、例えばACES[Lindenbaum et al. (2004) Nucleic Acids Res. 32(21):e172を参照]を、MTSP-1ポリペプチドをコードおよび発現するように操作してもよい。簡単に言えば、哺乳動物人工染色体(MAC)は、細胞に遺伝情報の大きいペイロードを自律複製型の非統合様式で導入する手段を提供する。MACのなかでも珍しいことに、哺乳動物サテライトDNAベースの人工染色体発現系(ACES)は、異なる種の細胞株で再現性よくデノボ生成でき、宿主細胞の染色体から容易に精製できる。次いで精製された哺乳動物ACESは様々なレシピエント細胞株に再導入することができ、そこでそれらは、ACE系を使用する選択圧力の非存在下で安定して長期間にわたり維持される。このアプローチを使用することにより、LMTK(-)およびCHO細胞において1または2つの遺伝子標的の特異的なローディングが達成されている。
改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸を導入するための別の方法は、酵母における2工程の遺伝子置き換え技術であり、これは、酵母人工染色体(YAC)中でクローニングした完全アデノウイルスゲノム[Ad2;Ketner et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 6186-6190]およびYACクローン中の特異的な領域を標的化するアデノウイルス配列を含有するプラスミド、目的の遺伝子ならびに陽性および陰性選択可能マーカーのための発現カセットから開始する。YACは、より大きい遺伝子の取り込みを許容するため、特に興味深い。このアプローチは、哺乳動物細胞または動物全体への遺伝子移入のための、記載された改変されたMTSP-1ポリペプチドのいずれかをコードする核酸を持つアデノウイルスベースのベクターを構築するのに使用することができる。
核酸は、リポソームなどの媒体中にカプセル化されてもよいし、または細菌細胞などの細胞、特定には弱毒化した細菌に導入されるか、もしくはウイルスベクターに導入されてもよい。例えば、リポソームが採用される場合、エンドサイトーシスに関連する細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質は、例えば、特定の細胞型に対する向性を有するキャプシドタンパク質もしくはそのフラグメント、サイクル中に内在化を受けるタンパク質に対する抗体、および細胞内局在化を標的化し細胞内半減期を亢進するタンパク質を標的化するために、および/またはそれらの取り込みを容易にするために使用することができる。
一部の実施態様において、細胞を標的化する薬剤、例えば細胞表面膜タンパク質もしくは標的細胞、または標的細胞上の受容体のリガンドに特異的な抗体と共に核酸源を提供することが望ましい。本明細書に提供されるポリヌクレオチドおよび発現ベクターは、あらゆる好適な方法によって作製することができる。さらに、上述した核酸分子を含有する核酸ベクターも提供される。さらに、上述した核酸分子を含有する核酸ベクターおよびこれらのベクターを含有する細胞も提供される。
エクスビボおよびインビボの方法の場合、MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子は、好適なドナーまたは処置される対象由来の細胞に導入される。療法の目的のために核酸の導入が可能な細胞としては、例えば、処置される疾患または状態に適切な、あらゆる所望の入手可能な細胞型が挙げられ、例えば、これらに限定されないが、上皮細胞、内皮細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;血液細胞、例えばTリンパ球、Bリンパ球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球;様々な幹細胞または前駆細胞、例えば、造血幹細胞または前駆細胞、例えば骨髄、臍帯血、末梢血液、胎児肝臓、およびそれらの他の供給源から得られた幹細胞などが挙げられる。
エクスビボでの処置の場合、処置される対象に適合するドナー由来の細胞または処置される対象由来の細胞を取り出し、これらの単離された細胞に核酸を導入し、その対象に、改変された細胞を投与する。処置は、直接投与を含み、例えば、多孔質膜内に封入して、これを患者に埋め込むことを含む(例えば、米国特許第4,892,538号および同第5,283,187号を参照)。インビトロにおける哺乳動物細胞への核酸の移行に好適な技術としては、リポソームおよびカチオン脂質の使用(例えば、DOTMA、DOPEおよびDC-Chol)、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、およびリン酸カルシウム沈殿方法が挙げられる。DNAデリバリー方法を使用して、インビボでMTSP-1ポリペプチドを発現させることができる。このような方法としては、核酸のリポソームデリバリーおよび裸のDNAデリバリーが挙げられ、例えば、エレクトロポレーション、超音波およびリン酸カルシウムデリバリーを使用した、局所および全身へのデリバリーが挙げられる。他の技術としては、マイクロインジェクション、細胞融合、染色体媒介遺伝子移入、マイクロセル媒介遺伝子移入およびスフェロプラスト融合が挙げられる。
MTSP-1ポリペプチドのインビボでの発現は、追加の分子の発現と関連させることができる。例えば、MTSP-1ポリペプチドの発現は、例えば操作されたウイルスにおける細胞傷害性生成物の発現と関連させてもよいし、または細胞傷害性ウイルスで発現させてもよい。このようなウイルスは、治療作用のための標的である特定の細胞型に標的化することができる。発現されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、ウイルスの細胞傷害性を亢進することができる。
MTSP-1ポリペプチドのインビボでの発現は、MTSP-1ポリペプチドをコードする核酸分子を、細胞特異的または組織特異的プロモーターなどの特異的な調節配列に作動可能に連結することを含んでいてもよい。またMTSP-1ポリペプチドは、標的細胞型および/または組織に特異的に感染する、および/またはそれにおいて複製するベクターからも発現させることができる。誘導性プロモーターを使用して、MTSP-1ポリペプチドの発現を選択的に調節することができる。
裸の核酸としての、またはベクター、人工染色体、リポソームおよび他の媒体中の核酸分子は、全身投与、外用、局所および他の投与経路によって、対象に投与することができる。全身性およびインビボでの場合、核酸分子または核酸分子を含有する媒体を、細胞に標的化することができる。
投与はまた、例えば典型的には細胞または組織を標的化するベクターまたは細胞の投与による直接投与でもよい。例えば、腫瘍細胞および増殖は、MTSP-1ポリペプチドのインビボでの発現のための標的化された細胞であってもよい。MTSP-1ポリペプチドのインビボでの発現に使用される細胞としてはまた、患者にとって自己の細胞も挙げられる。このような細胞を患者から取り出し、MTSP-1ポリペプチドの発現のための核酸を導入し、次いで例えば注射または植え付けによって患者に投与することができる。
H.治療的使用および処置方法
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体タンパク質C3を標的化し、補体が媒介する疾患および障害のモジュレーションを可能にする。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドなどの治療的プロテアーゼは、従来の治療アプローチに比べて多くの可能性のある利点を有する。そのうち主要なものは、触媒的な方式で(すなわち1に対して多くの化学量論で)疾患標的を不活性化する能力である。したがって、プロテアーゼは、標的濃度を有意に下回る濃度で有効な調節を維持することができる。追加の示差的な利点としては、(1)不可逆的な不活性化;(2)低い投与量;(3)減少した投与頻度;(4)小さい分子サイズ;(5)翻訳後改変を標的化する能力;(6)高い標的濃度を中和する能力;および(7)活性部位から離れて標的化する能力が挙げられる。治療剤として、プロテアーゼは、それでもなお以下の特徴を呈示しなければならない:(1)分子標的(細胞外)に接近すること、および(2)病態にとって重要な標的に十分にストリンジェントな特異性を有すること。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、補体が媒介する疾患および障害の処置で使用することができる。
当業者は、疾患の経過における補体系の役割を理解しており、様々なこのような疾患を認識している。例示的な疾患と、その病因論および病理学における補体タンパク質C3の役割の簡単な議論を提供する。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドおよび核酸分子は、補体経路の活性化が関連するあらゆる状態、特定には、急性炎症状態、例えば敗血症性ショック、および慢性炎症状態、例えばリウマチ様関節炎(RA)などの炎症状態を処置するために使用することができる。急性および炎症状態は、免疫が媒介する疾患、例えば免疫複合体が媒介する炎症によって引き起こされる自己免疫疾患または組織損傷を呈する場合がある。補体が媒介する炎症状態はまた、炎症性要素を有する神経変性または心臓血管疾患を呈する場合もある。このセクションは、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの例示的な使用、およびその投与方法を提供する。これらの記載された療法は例示であり、および本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドの適用を限定しない。このような方法としては、これらに限定されないが、以下に記載および列挙される生理学的および医学的状態の処置方法が挙げられる。このような方法としては、これらに限定されないが、加齢性黄斑変性症(AMD)、地図状萎縮(GA)、発作性夜間ヘモグロビン尿症(aroxysmal nocturnal hemoglobinuria)(PNH)、腎移植後臓器機能障害(DGF)、敗血症、リウマチ様関節炎(RA)、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、紅斑性狼瘡、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、喘息、炎症性腸疾患、呼吸窮迫症候群、免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷、多臓器不全、アルツハイマー病(AD)、心筋梗塞(MI)、卒中、心肺バイパス(CPB)もしくは冠状動脈バイパス移植、血管形成術、もしくは血液透析、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)および/またはギラン・バレー症候群などの事象または処置によって引き起こされる虚血再灌流傷害の処置方法が挙げられる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを用いた疾患および状態の処置は、これらに限定されないが、皮下注射、経口、硝子体内、眼周囲および経皮投与などの本明細書に記載される好適な製剤を使用するあらゆる好適な投与経路によって実行することができる。必要に応じて、特定の投薬量および持続時間および処置プロトコールは、経験的に決定してもよいし、または外挿により得てもよい。例えば、野生型または参照MTSP-1ポリペプチドの例示的な用量は、適切な投薬量を決定する開始点として使用することができる。野生型または参照MTSP-1ポリペプチドと比較してより高い特異性および/または選択性を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドは、低減した投薬量および/または頻度で有効であり得る。投薬量レベルは、様々な要因、例えば個体の体重、全身の健康状態、年齢、採用される特異的な化合物の活性、性別、食事、投与の時間、排泄の頻度、薬物の組合せ、疾患の重症度および経過、ならびに疾患に対する患者の素因および処置を行う医師の判断に基づき決定することができる。単一の剤形を生産するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与様式に応じて様々となる。
患者の状態が改善したら、必要に応じて化合物または組成物の維持用量を投与してもよく、投薬、剤形、もしくは投与頻度、またはそれらの組合せは改変することができる。一部の場合において、対象は、何らかの疾患の症状が再発したら、長期的に間欠式処置を必要とする場合がある。
1.補体活性化が媒介する疾患
補体カスケードは、貪食および炎症を促進することによって細菌やウイルスの浸潤に対する防御を引き起こす諸刃の剣である。逆に言えば、補体が正常に機能していたとしても、補体カスケードは、局所炎症および組織へのダメージを促進することによって疾患の発症に寄与する可能性がある。したがって、病理学的作用は、補体の防御的役割に関与する同じメディエーターによって媒介される。例えば、アナフィラキシーおよび走化性ペプチドC5aは、好中球を補充し活性化することによって炎症を駆り立て、C3aは、他の食細胞の病理学的活性化を引き起こす可能性があり、膜侵襲複合体は、細胞を致死させたりまたは傷つけたりすることができる。一例において、例えば多くの自己免疫疾患において、補体は、例えば宿主組織に対する抗体によって不適切な環境下で活性化されるため、組織のダメージを生じさせる。他の状況において、補体は、例えば敗血症により正常に活性化される場合もあるが、それでもなお例えば呼吸窮迫症候群において、疾患の進行に寄与する。病理学的に、補体は、適切に制御されない場合、血管(血管炎)、腎臓の基底膜ならびに付着した内皮および上皮細胞(腎炎)、関節の滑膜(関節炎)、ならびに赤血球(溶血)に対して実質的なダメージの原因となり得る。
補体は、自己免疫疾患、例えばリウマチ様関節炎[例えば、Wang et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 92:8955-8959;Moxley et al. (1987) Arthritis & Rheumatism 30:1097-1104を参照]、紅斑性狼瘡[Wang et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:8563-8568;およびBuyon et al. (1992) Arthritis Rheum. 35:1028-1037]および急性糸球体腎炎[Couser et al. (1995) J Am Soc Nephrol. 5:1888-1894]などの多数の障害の免疫病因において役割を有する。補体系の活性化を含む他の病理としては、敗血症[例えば、Stove et al. (1996) Clin Diag Lab Immunol 3:175-183;Hack et al. (1989) Am. J. Med. 86:20-26を参照]、呼吸窮迫症候群[例えば、Zilow et al. (1990) Clin. Exp. Immunol. 79:151-157;およびStevens et al. (1986) J. Clin. Invest. 77:1812-1816を参照]、多臓器不全[例えば、Hecke et al. (1997) Shock 7:74;およびHeideman et al. (1984) J. Trauma 24:1038-1043を参照]、虚血再灌流傷害、例えば卒中または心筋梗塞などの心臓血管疾患で起こるもの[Austen WG et al. (2003) Int J Immunopathol Pharm 16(1):1-8]、加齢性黄斑変性症[Bradley et al. (2011) Eye 25: 683-693;Gemenetzi et al. (2016) Eye 30: 1-14]および腎移植後臓器機能障害[Danobeitia et al. (2013) [abstract]. Am J Transplant. 13 (suppl 5);Yu et al. (2016) Am J Transplant 16(9):2589-2597;Castallano et al. (2010) Am J Pathol 176(4):1648-1659]が挙げられる。補体が媒介する疾患の一部の例示的な例は後述される。
a.リウマチ様関節炎
リウマチ様関節炎(RA)は、慢性炎症性疾患である。これは、免疫系が正常な組織成分をあたかも侵入する病原体であるかのように攻撃する自己免疫疾患である。リウマチ様関節炎に関連する炎症は主として、関節の内層を攻撃する。血管、心臓、および肺の内層となる膜も炎症を起こした状態になる。RAは、炎症を起こした滑膜、ならびにリンパ小節および胚中心の確立された疾患に存在する活性化B細胞および形質細胞を特徴とする。これにより、滑膜で、さらに補体カスケードの開始因子として機能する可能性がある関節軟骨と連携して、高レベルの局所免疫グロブリン産生と、IgGおよびIgMリウマトイド因子を含み得る免疫複合体の沈着とが起こる。炎症を起こしたリウマチにかかった関節内で、C3a、C5a、およびC5b-9などの補体成分の上昇したレベルが見出されている。これらの補体成分は、例えば血管透過性の変更、白血球走化性、ならびに複数の細胞型の活性化および溶解などの様々な炎症促進性活性を誘発することによってRAに関連する炎症を悪化させる可能性がある。
b.敗血症
敗血症は、全身性の炎症性応答を生じる細菌感染などの重篤な感染によって引き起こされる疾患である。細菌細胞壁成分であるリポ多糖が敗血症に関連することが多いが、他の細菌、ウイルス、および真菌感染が敗血症の症状を刺激する可能性がある。体の天然の免疫系が侵入する微生物に対して防御できない場合、敗血症性ショックが起こることが多く、そのため、例えば免疫応答の炎症促進性の結果が宿主組織にダメージを与える。敗血症の初期段階は、血管透過性を増加させ、好中球からのスーパーオキシド産生を刺激し、ヒスタミン放出を刺激するように作用するC3a、C4a、およびC5aなどの補体アナフィラトキシン産生の増加を引き起こす過剰な補体活性化を特徴とする。C5aの作用は、細菌感染に対する生産的な免疫応答に寄与する可能性があるが、無秩序なままの場合、C5aは著しくダメージを与える可能性もある。炎症の大腸菌誘発モデルにおいて、C5aの遮断は、好中球媒介組織損傷を引き起こす可能性があるC5a媒介好中球活性化を制限することによって敗血症動物の結果を改善した。
細菌感染に対する自然免疫応答の継続的な障害はしばしば慢性敗血症または敗血症性ショックを引き起こし、生命を脅かす可能性がある。敗血症後期において、継続的な疾患に寄与するのは、初期で起こる活動過多とは対照的に、好中球の「休眠」活性である。後期では、走化性、呼吸バースト活性、および細菌を致死させる能力などの好中球の主要な機能が低減される。補体、特定にはC5aはまた、敗血症の後期段階においても役割を果たす。敗血症中におけるC5aの過剰産生は、血中好中球の「非活性化」に関連するが、これは、好中球上のそれ自体の受容体であるC5aRのC5aによって誘発される下方調節と関連が示されているプロセスである[Guo et al.(2003) FASEB J 13 :1889]。好中球上のC5aRのレベル低減は、血中好中球のC5aと結合する能力の低下、走化性応答の障害、スーパーオキシド産生の喪失、および殺菌活性の障害と相関する。しかしながらC5aRレベルは、敗血症の後期段階で「回復」し始める可能性があり、これは、疾患の有益な転帰の例と相関する。
c.多発性硬化症
多発性硬化症(MS)およびその動物モデルの実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)は、中枢神経系(CNS)の炎症性脱髄疾患である。MSにおいて、神経組織の炎症は、脳および脊髄において神経線維の保護的隔離のようなものとして作用する脂肪質の物質であるミエリンの喪失を引き起こす。この脱髄は、神経細胞の被覆に沿って瘢痕組織の複数の領域を残し(硬化症)、脳へのおよび脳からの電気的インパルスを伝導する神経の能力を崩壊させ、それによりMSの様々な症状を引き起こす。MSは、活性化リンパ球、マクロファージ/小グリア細胞および補体系によって媒介される。補体活性化は、活性化された末端複合体C5b-9の脱髄を促進する能力と、希突起膠細胞(OLG)をアポトーシスから保護する準溶解性(sublytic)C5b-9の能力であるその二重の役割を介して、これらの疾患の病因に寄与する可能性がある。
d.アルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は、脳内のもつれ(通常は微小管に結合するタウタンパク質の、異常な対のらせん状フィラメント)およびプラーク(主としてベータ-アミロイドタンパク質で構成される細胞外沈着物)を特徴とする。ADの正確な原因は、完全には明らかになっていないが、AD脳の罹患領域における慢性神経炎症は、炎症促進性メディエーターが役割を果たす可能性があることを示す。AD脳内のもつれおよびプラークは、例えばC4dおよびC3dなどの活性化された補体フラグメントと共に沈着する。同様に、AD脳におけるジストロフィーによって生じる神経突起は、MACについて免疫染色することができ、それにより、ADにおけるこれらの軸索突起の自己触媒攻撃とそれに付随する軸索突起の喪失が示される。ADにおける補体の活性化は、凝集したアミロイド-ベータタンパク質により誘発される抗体とは独立したメカニズムによって起こる。さらに、補体カスケードは、ペントラキシン、C反応性タンパク質(CRP)、およびアミロイドP(AP)によって活性化することができ、これらは全て、ADでは上方調節される[McGeer et al., (2002) Trends Mol Med 8:519]。補体メディエーターの増加を特徴とするADにおける補体の活性化は、例えばCD59などの補体調節タンパク質の補償的な上方調節では適切に制御されない。したがって、補体活性化の炎症促進の結果はAD進行を悪化させ、軸索突起の破壊に寄与する可能性がある。
e.虚血再灌流傷害
虚血再灌流傷害は、虚血性事象とそれに続く血流の回復の後に持続する傷害であり、低酸素性傷害に対する炎症性応答に起因する。虚血再灌流障害は、心臓外科手術中、例えば心臓切開手術または血管形成術後などの場合は急性の可能性があり、またはうっ血性心不全または閉塞性の心臓血管疾患を伴う場合は慢性の可能性がある。虚血再灌流傷害を引き起こす可能性がある損傷の例としては、心筋梗塞(MI)および卒中が挙げられる。炎症性応答の開始は、再灌流で起こる組織酸素レベルの増加と、それに付随する免疫刺激である酸素フリーラジカルを生成する可能性がある代謝生成物の蓄積によって引き起こされる可能性がある。虚血再灌流傷害は、心筋梗塞の重症度、脳の虚血性事象、腸の虚血、ならびに血管手術、心臓外科手術、外傷、および移植の多くの側面を含む様々な事象に関連する。このような傷害は、非自己として新たに変更された組織に応答する、自然免疫系の炎症性事象、特定には補体系の活性化によって証明される。したがって虚血再灌流傷害は、血管透過性の増加によって引き起こされる組織浮腫、および多形核白血球の流入によって引き起こされる急性炎症細胞浸潤を特徴とする。
補体系の活性化は、虚血再灌流傷害の炎症性事象において役割を果たす。虚血性傷害は、細胞膜の変化を引き起こし、それにより外部表面の脂質、炭水化物、またはタンパク質が影響を受けて、その結果、これらの露出したエピトープが変化し、ネオ抗原(改変された自己抗原)として作用することができる。循環中のIgMはネオ抗原を認識し、それに結合して、傷害を受けた細胞表面上に免疫複合体を形成する。形成された抗原-抗体複合体は、補体の古典経路の典型的な活性化因子であるが、全ての経路が何らかの形で傷害の悪化作用に関与している可能性がある。補体の古典経路の虚血再灌流傷害への関与は、損傷の後肢および動物モデルにおいて局所傷害からの等しい保護を示すC3またはC4のいずれかが遺伝学的に欠損したマウスによって証明されている[Austen et al.(2003) Int J Immunopath Pharm 16:1]。逆に言えば、虚血傷害の腎臓モデルにおいて、C3、C5、およびC6欠損マウスは保護されたが、C4欠損マウスは保護されなかったことから、副補体経路の重要性が示される[Guo et al.(2005) Ann Rev Immunol 23 :821]。補体活性化で誘発されたメディエーターは、局所傷害の部位における細胞膜に向けられた炎症性応答を開始させる。
虚血再灌流傷害における補体の主要なエフェクターメカニズムは、例えばC5aなどの補体成分によって炎症を起こしている組織への好中球の流入および活性化である。好中球の活性化は、活性酸素種産生の増加と、局所的な傷害を受けた臓器におけるリソソーム酵素の放出を引き起こし、最終的にこれは、臓器のアポトーシス、壊死、および機能の喪失を引き起こす。また末端MAC、C5b-9の生成も、虚血再灌流傷害における局所的な組織傷害に寄与する。
f.眼の障害
正常な眼において、補体系は、低いレベルで連続的に活性化されており、この自発的な補体活性化は、膜結合型および可溶性の眼球内補体調節タンパク質によって厳密に調節されている。低いレベルの補体活性化は、自己組織へのいかなるダメージも視力喪失も引き起こすことなく、病原体からの防御をもたらす。体系および補体調節タンパク質は、自己免疫性ブドウ膜炎における眼内炎症を制御し、角膜炎症、加齢性黄斑変性症および糖尿病性網膜症の発症において重要な役割を果たす。補体系は、糖尿病性網膜症[例えば、Ghosh et al. (2015) Endocr Rev 36:272-288を参照]に加えて糖尿病性神経障害および糖尿病性心臓血管疾患の病因において重要な役割を果たす。自発的な補体活性化は、感染後、角膜組織にダメージを引き起こす可能性がある。補体の阻害は、様々な眼疾患の処置において重要な治療標的である[例えば、Purushottam et al. (2007) Mol Immunol.44:3901-3908を参照]。
加齢性黄斑変性症(AMD)
加齢性黄斑変性症は、中心視の進行性消失を特徴とする様々な疾患を説明する臨床用語である。AMDは、多くの先進工業国において、高齢個体の視力喪失の主な原因である[Jager et al.(2008) N Engl J Med 358 :2606-2617]。視力喪失は、高い明瞭度の中心視に特殊化した高密度の錐体光受容体を含む眼の後部の領域における黄斑の進行性変性によって起こる。
AMDは、ドライ型(非血管新生)AMDおよび/またはウェット型AMDとして出現する可能性がある。ドライ型AMDは、より一般的であり(症例の85~90%)、AMDのより穏やかな形態であり、黄斑中および黄斑下の小さくて丸い白色から黄色の病変(ドルーゼン)を特徴とする。進行中のドライ型AMD、または地図状萎縮は、PRE光受容体の喪失による網膜の薄化、黄斑の劣化および最終的な失明を引き起こす。まれではあるが、ウェット型AMDに関連する視力喪失は、一般的に、ドライ型AMDの場合より劇的である。ウェット型AMDは、病原性の血管形成を含み、これは脈絡膜血管新生(CNV)と呼ばれ、網膜の網膜色素上皮(RPE)層の真下に異常な血管が発達する。基底の脈絡膜からブルッフ膜の割れを介した網膜のCNV浸潤、脈絡膜と網膜色素上皮(RPE)との間の細胞外マトリックス、またはその破断は、AMDにおいて視力喪失を引き起こす可能性がある(例えば、網膜下出血および/または瘢痕化による)。
AMDの初期の臨床的な特徴としては、ブルッフ膜の肥厚およびドルーゼンの出現[Gass, J. D. (1972) Trans. Am. Ophthalmol. Soc.70: 409-36]が挙げられ、これは、RPEとブルッフ膜との間に局在する、凝集したタンパク質、例えばアルブミン、アポリポタンパク質E(APOE)、補体経路成分(例えば、補体因子H(CFH)、C1q、C3、C5、C5b、C6、C7、C8、C9)、およびビトロネクチン[Hageman et al., (2001) Prog. Retin. Eye. Res. 29:95-112;Hageman et al. (2005) Proc. Nat. Acad. Sci.102: 7227-7232;Mullins et al. (2000) FASEB J 14:835-846;Anderson et al., (2010) Pro. Retin. Eye Res.29:95-112]、免疫グロブリンおよび/またはアミロイド-β[Crabb et al. (2002) Proc Natl Acad Sci 99:14682-14687;Johnson et al. (2002) 99:11830-11835]ならびに脂質および細胞成分からなる細胞外のリポタンパク質沈着である。AMDにおける炎症は、副補体経路の脱調節によって媒介される。補体成分C3およびC5は、AMDを有する患者におけるドルーゼンの主要な成分である[Mullins et al., (2000) FASEB J 14, 835-46;Johnson et al., (2000) Exp Eye Res 70, 441-9;Anderson et al., (2002) Am J Ophthalmol 134, 411-31;and Leitner et al., (2001) Exp Eye Res 73, 887-96]。ドルーゼンの生物発生は、補体活性化とMAC形成のどちらも開始させることができ、それによりRPE細胞を溶解させるかまたはRPE細胞における生理学的なホメオスタシスを妨害して、AMDに特徴的な炎症を引き起こすことができる慢性炎症性プロセスを含むという仮説が立てられている[Johnson et al. (2001) Exp Eye Res 73, 887-896]。また補体タンパク質(例えば、C3d)もAMD患者の血中で検出されており[Scholl et al., (2008) PLoS One 3: e2593]、これは、AMDによって誘発された炎症が全身性であり得ることを示す。ドライ型AMDの病因における補体の役割に関する遺伝学的証拠があり[Klein et al. (2005) Science 308(5720):385-389;Yates et al., (2007) NEJM 357:553-561]、C3の低分子ペプチド阻害剤であるコンプスタチン(ならびにコンプスタチン誘導体であるAPL-1およびAPL-2)およびPOT-4(Potentia Pharmaceuticals)は、AMDにおける地図状萎縮の進行を遅くする可能性があることから[Ricklin et al. (2008) Adv. Exp. Med. Biol. 632: 273-292]、C3(すなわち、C3阻害)がAMD処置のための見込みのある標的であることが示される。近年の臨床結果により、これらの結論および発見が検証されている。C3は、補体が媒介する、または補体が役割を果たす障害および状態のための見込みのある臨床的な標的である。
g.臓器移植および移植後臓器機能障害(DGF)
補体は、虚血再灌流傷害の病因において役割を果たす。腎臓の再灌流傷害のメカニズムは、C5aおよびC5b-9の生成に依存し、これらはどちらも、急性の尿細管壊死およびアポトーシスに寄与し、虚血後急性腎不全および組織線維症を引き起こす尿細管への直接的な毒性を有する。順に、これらの末端経路成分の生成は、C3の腎臓内合成と、補体活性化に必須の他の補体成分の利用可能性に依存する。ドナー臓器におけるC3の発現レベルは、冷虚血時間に強く依存する[Elham et al. (2010) Curr Opin Organ Transplant. 15:486-491]。
固形臓器移植における拒絶反応は、初期の炎症性応答とそれに続く適応性の同種免疫応答の影響を受け、これらはどちらも様々な補体成分の影響を受ける。補体タンパク質は、虚血再灌流プロセスにおける移植後の臓器のダメージと適応免疫応答活性化のモジュレーションにおいて重要な役割を果たす。補体の阻害または補体タンパク質分子の機能のモジュレーションは、移植による臓器のダメージを低減し、臓器の寿命を増加させることができる[例えば、Elham et al. (2010) Curr Opin Organ Transplant. 15:486-491を参照]。治療的介入のための補体成分の標的化は、臓器の回収、移動の時間および移植後における臓器のダメージを低減することができる。このような臓器の例示は、腎臓である。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、移植後の臓器のダメージを和らげるおよび/または処置するために投与することができる。
移植後臓器機能障害(DGF)、例えば腎臓、肝臓、肺、および/または心臓の移植後臓器機能障害は、移植直後に移植した臓器が正常に機能しないという臓器移植患者の一部で起こる状態である。他の可能性のある移植としては、これらに限定されないが、血管が多い組織、眼、角膜、レンズ、皮膚、骨髄、筋肉、結合組織、胃腸組織、神経組織、骨、幹細胞、膵島、軟骨、肝細胞、および造血細胞が挙げられる。腎臓のDGFは、腎臓の同種移植片の急性壊死を特徴とし、臨床的には、移植後の短期間で透析を必要とすることによって定義されている。移植プロセス中の急性腎臓損傷は、DGFとして現れることが多い。DGFの基礎をなす病理は、ドナー由来の要因、例えばドナーの年齢および虚血の持続時間の寄与と、ならびにレシピエント由来の要因、例えば再灌流傷害、免疫応答および免疫抑制剤による薬物療法での処置の寄与との複合的なものである。
補体カスケードおよび補体活性化の成分は、DGFに至る移植による拒絶反応および虚血再灌流傷害のメディエーターとして重要な役割を果たす。動物実験によって、虚血性再灌流傷害における補体の主要な役割が確立されている。例えば、C5に対して向けられたヒト化モノクローナル抗体であるエクリズマブは、補体活性化をブロックするものであり、これは、高リスクの腎臓移植患者の一部において移植後臓器機能障害を防止することが示された[例えば、Horizon Scanning Research and Intelligence Centre brief, 2016 September;Johnson et al. (2015) Curr Opin Organ Transplant 20(6):643-651;Yu et al. (2016) Am J Transplant 16(9):2589-2597を参照]。顆粒状のC4d沈着は、ヒト腎臓の同種移植レシピエントにおいてDGFとの関連が示された[Kikic et al.(2014) Transpl Int 27(3):312-321]。C3産生の増加は、腎臓移植による拒絶反応との関連が示された[Pratt et al. (2002) Nat Med 8(6):582-587;Damman et al. (2011) Nephrol Dial Transplant 26(7):2345-2354]。したがって、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、移植による拒絶反応およびDGFを防止または緩和または排除するための治療剤として使用することができる。
2.治療的使用
a.免疫媒介性炎症性疾患
本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、炎症性疾患を処置することができる。プロテアーゼで処置が可能な炎症性疾患としては、急性および慢性炎症性疾患が挙げられる。例示的な炎症性疾患としては、中枢神経系疾患(CNS)、自己免疫疾患、気道の過敏反応性の状態、例えば喘息におけるそのような状態、リウマチ様関節炎、炎症性腸疾患、および免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷が挙げられる。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、多発性硬化症(MS)のモデルとして役立つ可能性がある[Piddlesden et al. (1994) J Immunol 152:5477]。EAEは、様々な遺伝学的に感受性の高い種において、ミエリンおよびミエリン成分、例えばミエリン塩基性タンパク質、プロテオリピドタンパク質およびミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)での免疫化によって誘発させることができる。例えば、MOGによって誘発されたEAEは、慢性、再発性の臨床疾患の経過、すなわち炎症、反応性神経膠症、および大きい融合性の脱髄斑の形成の病理組織学的な三つ組を含むヒトMSの必須の特徴を再現する。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、EAE動物モデルで評価することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えば1日1回の腹膜内注射によって投与され、症状の経過および進行は、対照動物と比較してモニターされる。また疾患を悪化させる可能性がある炎症性補体成分のレベルも、溶血アッセイで血清補体活性をアッセイすることによって、さらに補体成分、例えばC1、C3およびC9などの沈着についてアッセイすることによって測定することができる。
補体活性化は、リウマチ様関節炎(RA)などの疾患における炎症をモジュレートする[Wang et al., (1995) PNAS 92:8955]。改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、RAを処置することができる。例えば、MTSP-1ポリペプチドは、局所的または全身に注射することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、1日1回投与してもよいし、または週1回投与してもよい。PEG化したMTSP-1ポリペプチドは、免疫原性を低減するために使用することができる。一例において、II型コラーゲン誘発関節炎(CIA)は、炎症性の滑膜炎、パンヌス形成、ならびに軟骨および骨のびらんを特徴とするRAに組織学的に類似した自己免疫炎症性関節疾患のモデルとして、マウスで誘発することができる。CIAを誘発するために、完全フロイントアジュバントの存在下におけるウシII型コラーゲン(B-CII)を、尾の基部に皮内注射することができる。21日後、同一なプロトコールを使用してマウスを再度免疫化することができる。MTSP-1ポリペプチドの作用を検査するために、B-CIIでの最初の攻撃から3週間後、MTSP-1ポリペプチドまたは対照を、3週間にわたり週2回、腹腔内投与することができる。組織分析のために、最初の免疫化から7週間後にマウスを致死させることができる。確立された疾患へのMTSP-1ポリペプチドの治療作用を評価するために、1つまたは複数の肢において臨床的な関節炎が発病した後、MTSP-1ポリペプチドを合計10日にわたり1日1回投与することができる。最初に罹患した関節における腫脹の程度は、カリパスを使用して肢の太さを測定することによってモニターすることができる。両方のモデルにおいて、溶血アッセイおよび例えばC5aやC5b-9などの活性化の補体マーカーの測定のために、血清をマウスから引き出すことができる。別の例において、霊長類モデルがRA処置に利用可能である。MTSP-1ポリペプチドおよび対照で処置した対象において圧痛および腫脹関節の応答をモニターして、MTSP-1ポリペプチド処置を評価することができる。
改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷を処置することができる。IC媒介損傷は、組織中のIC沈着に対する局所的な炎症性応答によって引き起こされる。続く炎症性応答は、浮腫、好中球増加、出血、および最終的には組織壊死を特徴とする。IC媒介組織損傷は、インビボのアルサス(RPA)反応で研究することができる。簡単に言えば、RPA反応では、過量の抗体(例えばウサギIgG抗ニワトリ卵アルブミンなど)を、対応する抗原(すなわち、ニワトリ卵アルブミン)が事前に静脈内注入された例えばラットまたはモルモットなどの動物の皮膚に注射される[Szalai et al., (2000) J Immunol 164:463]。RPA反応開始の直前に、MTSP-1ポリペプチドまたはボーラス対照を、対応する抗原と同時に右大腿静脈を介した静脈注射によって投与することができる。代替として、抗原注射の直後および抗体の皮膚注射の直前から始めて、RPA反応の最初の1時間の間にMTSP-1ポリペプチドを投与してもよい。補体依存性IC媒介組織損傷の発生に対するMTSP-1ポリペプチドの作用は、血液を収集して血清の溶血活性を決定することによって、さらに病変サイズの定量のために皮膚の感染領域を回収することによって、RPA開始後の様々な時間で評価することができる。
治療用MTSP-1ポリペプチド、例えば本明細書に記載されるものなどを使用して、致死性ショックを引き起こす可能性がある敗血症および重症敗血症を処置することができる。補体媒介致死性ショックのモデルを使用して、治療剤としてのMTSP-1ポリペプチドの作用を試験することができる。1つのこのような例において、ラットを、微量のリポ多糖(LPS)、それに続いて補体の膜阻害剤に対するモノクローナル抗体の投与(抗Crry)で刺激することができる[Mizuno et al., (2002) Int Arch Allergy Immunol 127:55-62]。MTSP-1ポリペプチドまたは対照を、致死性ショック開始の経過中のあらゆる時点で、例えばLPS刺激の前、LPS刺激の後、または抗Crry投与後に投与して、致死性ショックからのラットの救出を評価することができる。
b.神経変性疾患
補体活性化は、アルツハイマー病(AD)の進行を激化させ、AD脳における軸索突起喪失に寄与する。本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、ADを処置することができる。ADの神経病理学的な特徴と行動に関する特徴の一部を模擬するマウスモデルを使用して、MTSP-1ポリペプチドの治療作用を評価することができる。トランスジェニックマウスモデルの例は、疾患を引き起こす突然変異を有するヒトアミロイド前駆タンパク質(APP)またはプレセニリン1(PS1)タンパク質を、攻撃的なプロモーターの制御下でマウスに導入することを含む。これらのマウスは、ベータ-アミロイドプラークおよびジストロフィーによって生じる神経突起の増加などのADの特徴を発生させる。APPおよびPS1突然変異体タンパク質のダブルトランスジェニックマウスは、より多くの繊維性のベータ-アミロイドプラークを発生させ、プラークに関連する活性化されたグリアおよび補体因子を示す。MTSP-1ポリペプチドは、例えば1日1回腹膜内に、または静脈注射によって投与でき、症状の経過および進行は、対照動物と比較してモニターされる。
c.心臓血管疾患
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、心臓血管疾患を処置することができる。MTSP-1ポリペプチドは、卒中、心筋梗塞、心肺バイパス、冠状動脈バイパス移植、血管形成術、または血液透析の結果生じる虚血再灌流傷害などの心臓血管疾患の処置において使用することができる。MTSP-1ポリペプチドはまた、組織損傷に寄与する可能性がある心肺バイパスに関連する炎症性応答の処置においても使用することができる。一般的に、MTSP-1ポリペプチドは、補体媒介虚血再灌流傷害を誘発する処置または事象の前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。一例において、MTSP-1ポリペプチドは、例えば血管形成術の冠状動脈バイパス移植などの補体媒介虚血性傷害を誘発する事象によって対象を処置する前に、対象に投与することができる。
虚血再灌流傷害の処置に対するMTSP-1ポリペプチドの作用は、損傷の動物モデルにおいて評価することができる。1つのこのようなモデルでは、前方の心膜に切れ目を入れたウサギにおいて、左前下行枝(LAD)冠状動脈の起点から5~8mmのところに3-0シルク縫合糸を周囲に配置し、血管が完全に閉塞されるように結紮糸を締めることによって、心筋虚血が誘発される[Buerke et al., (2001) J Immunol 167:5375]。MTSP-1ポリペプチド、例えば改変されたMTSP-1ポリペプチドなど、または対照媒体、例えば生理食塩水を、冠状動脈の閉塞から55分後に(すなわち、再灌流の5分前に)、用量をボーラスとして増加させて静脈内に与えることができる。5分後(すなわち、合計60分の虚血後)、LAD結紮糸をほどくことができ、虚血状態の心筋を3時間再灌流することができる。再灌流期間の最後に、LAD周囲の結紮糸を締める。虚血損傷に対するMTSP-1ポリペプチドの作用は、心筋壊死、血漿クレアチンキナーゼレベル、ならびに例えばミエロペルオキシダーゼ活性およびスーパーオキシドラジカル放出などの好中球活性化のマーカーへの作用を評価することによって分析することができる。
6%ヒト血漿を含有するクレブス-ヘンゼライト緩衝液での隔離されたマウス心臓の灌流で維持された補体媒介心筋損傷の別のモデルにおいて、改変されたMTSP-1ポリペプチドでの処置を使用して、組織のダメージを心臓に限定することができる。このような例において、心臓を灌流するのに使用される緩衝液は、様々な用量の改変されたMTSP-1ポリペプチドを補充することができる。灌流した心臓は、ヒトC3およびC5b-9の沈着、冠状動脈灌流圧力、拡張終期圧、および心拍数に関してアッセイすることができる。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドを、心肺バイパス(CPB)または冠状動脈バイパス移植の前に、またはその後に治療剤として使用して、バイパスの後に起こることが多く、組織損傷に寄与する可能性がある炎症性の免疫応答を阻害することができる。インビトロにおける体外バイパス回路での全血の再循環を使用して、CPBにより誘発された血小板および白血球の変化および補体活性化を刺激することができる[Rinder et al. (1995) J. Clin. Invest. 96:1564]。このようなモデルにおいて、様々な用量でのMTSP-1ポリペプチドまたは対照緩衝液の添加は、体外回路に血液を添加する直前に、すでに健康なドナーからの血液およびブタヘパリンを含有する移動パックに添加することができる。血液サンプルを、再循環後の5、15、30、45、60、75、および90分で引き出し、C5a、C3a、および/またはsC5b-9を測定するために、例えば溶血アッセイおよび/または補体活性化アッセイなどの補体研究のためにアッセイすることができる。体外の回路に添加する前に引き出された血液の前処置サンプルは、対照として使用することができる。血液サンプルのフローサイトメトリーを実行して、血液中の循環白血球(すなわち好中球)の集団における接着分子のレベル、例えばCD11bおよびP-セレクチンレベルなどを決定することができる。
d.加齢性黄斑変性症(AMD)
本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、加齢性黄斑変性症(AMD)を処置することができる。プロテアーゼで処置が可能な加齢性黄斑変性症(AMD)は、ウェット型AMD、ドライ型AMDおよび地図状萎縮を含む。ヒト障害の特徴の多くを模擬するAMDの多数の動物モデルが利用可能である[Pennesi et al. (2012) Mol. Aspects Med. 33(4):487-509]。補体経路遺伝子における突然変異が、AMDに対する感受性を増加または減少させることが示された[Edwards et al. (2005) Science 308(5720):421-424;Hageman et al. (2005) Proc. Nat. Acad. Sci 102(20):7227-7232;Klein et al. (2005) Science 308(5720):385-389]。例えば、通常C3bと相互作用する補体因子H(CFH)において、単一ヌクレオチド多形Y402Hは、C3bとB因子との結合を防止し、C3形成の阻害を引き起こした。Y402Hは、ヒトにおいてAMDのリスク増加に関連し、この突然変異は、これまでにAMD患者の43~59%で確認された[Haines et al. (2005) Science 308(5720):419-421;Thakkinstian et al. (2006) Hum. Mol. Genet. 15(18):2784-2790;Zareparsi et al. (2005) Am. J. Hum. Genet. 77(1):149-153]。
CFHを作製する能力を欠く遺伝子改変されたマウスは、網膜の異常、視力低下および補体沈着などのAMDの特徴を発生させる[Coffey et al. (2007) Proc. Nat. Acad. Sci. 104:16651-16656]。補体タンパク質B因子における突然変異[Montes et al. (2009) Proc. Nat. Acad. Sci. 106(11):4366-4371]、C2における突然変異[Gold et al. (2006) Nat. Genet. 38(4):458-462]、およびC3における突然変異[Maller et al. (2007) Nat. Genet. 39(10):1200-1201;Yates et al. (2007) New Engl. J. Med. 357(6):553-561]は、様々な補体タンパク質の発現および/または活性に対するそれらの影響に基づき、AMDを発生させるリスクの増加または減少と関連する[Reynolds et al. (2009) Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 50(12):5818-5827]。
本明細書に提供される改変されたMTSP-1プロテアーゼ、例えば、補体タンパク質C3の切断に関するMTSP-1プロテアーゼの活性、例えば基質特異性または選択性が変更されている改変されたMTSP-1プロテアーゼは、治療剤として使用することができる。本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、例えば毎月または2カ月に1回の硝子体内注射によって投与され、症状の経過および進行は、対照動物または対象と比較してモニターされる。また疾患を悪化させることができる補体成分のレベルも、溶血アッセイで血清補体活性をアッセイすることによって、さらに補体成分、例えばC1、C3およびC9などの沈着をアッセイすることによって測定することができる。
補体活性化は、加齢性黄斑変性症(AMD)の疾患進行において役割を果たす[例えば、Bradley et al., (2011) Eye 25:683-693;Gemenetzi et al. (2016) Eye 30:1-14を参照]。改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、AMDを処置することができる。例えば、MTSP-1ポリペプチドまたはMTSP-1ポリペプチド、例えば本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドを含有する医薬組成物は、硝子体内または眼球周囲に注射することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、1日1回もしくは週1回、またはそれより低い頻度で、例えば毎月、またはそれより低い頻度で、例えば2カ月に1回投与してもよい。AMDの場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドを眼における長期の持続時間のためにさらに「改変」したもの(例えば、融合タンパク質、PEG化など)の毎月の投与を使用することができる。また特定の改変に応じて、2カ月に1回および3カ月に1回(3カ月毎)の投与も企図される。改変されたMTSP-1ポリペプチドを例えばPEG化により改変して、起こり得る免疫原性を低減したり、および/または血清中半減期を増加させたりすることができる。AMDの場合、改変されたMTSP-1ポリペプチドを眼における長期の持続時間のためにさらに改変したもの(例えば、融合タンパク質、PEG化したタンパク質)ではないものの毎月または2カ月に1回の投与も企図される。例えばPEG化によって改変されている場合、投与は、3カ月またはそれより多くの月数につき1回で実行することができる。
e.臓器移植
移植後臓器機能障害
本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、移植後臓器機能障害(DGF)、例えば腎臓移植レシピエントにおける虚血再灌流傷害の結果としてのDGFなどのDGFを処置することができる。MTSP-1ポリペプチドはまた、組織損傷に寄与する可能性がある臓器移植に関連する炎症性応答の処置においても使用することができる。一般的に、MTSP-1ポリペプチドは、補体媒介虚血再灌流傷害を誘発する処置または事象の前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。一例において、MTSP-1ポリペプチドは、例えば腎臓移植または腎臓同種移植などの補体媒介虚血性傷害を誘発する事象によって対象を処置する前に、対象に投与することができる。
移植後臓器機能障害、例えば虚血再灌流傷害の結果としての移植後臓器機能障害の処置に対するMTSP-1ポリペプチドの作用は、ヒト腎臓同種移植片または移植で示される特徴を模擬する損傷の動物モデルにおいて評価することができる。
尿細管上皮細胞損傷のバイオマーカーなど、DGFに至る初期の移植片機能不全の初期バイオマーカーの存在が、治療剤への必要性を示す可能性がある。DGFのバイオマーカー(すなわち、血清クレアチン)が同定されている[Malyszko et al. (2015) Nature Scientific Reports 5:11684;Wanga et al. (2015) PLoS One 10(9):e0136276]。DGFのバイオマーカーの早期発見と、治療的介入、例えば改変されたMTSP-1ポリペプチドでの治療的処置などが、臨床転帰を改善することができる。
補体活性化は、臓器移植、例えば腎臓移植後の移植後臓器機能障害などの障害における疾患進行をモジュレートする[Yu et al. (2016) Am J of Transplantation 16(9):2589-2597]。改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、DGFを処置することができる。例えば、MTSP-1ポリペプチドは、全身へのデリバリーのために投与してもよいし、または移植片または周辺組織に直接注射してもよい。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、移植の前、その間またはその後に投与することができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、1日1回もしくは週1回、またはそれより低い頻度で、例えば毎月、またはそれより低い頻度で、例えば2カ月に1回投与することができる。一部の場合において、改変されたMTSP-1ポリペプチドの単回の全身用量が投与される。数時間にわたる改変されたMTSP-1ポリペプチドの複数回の輸注も考慮される。改変されたMTSP-1ポリペプチドは、長期にわたりデリバリーすることができ、必要な場合、例えば改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、同種移植レシピエントにおいて有効量を維持するために、毎日、または別のスケジュールでデリバリーすることができる。改変されたMTSP-1ポリペプチドを使用して、レシピエントにおける同種移植片の生存、特定には同種移植片の長期生存を延長することができる。PEG化したMTSP-1ポリペプチドは、免疫原性を低減するために使用することができる。
3.併用療法
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、疾患および状態を処置するための他の既存の薬物および治療剤と組み合わせて使用することができる。このような処置は、他の抗炎症薬および/または治療剤と併用して実行することができる。抗炎症薬および併用療法に有用な薬剤の例としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えばアスピリンなどのサリチル酸エステルなど、従来のNSAID、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン(ketroprofen)、ナブメトン、ピロキシカム、ジクロフェナク、またはインドメタシン、およびCox-2選択的阻害剤、例えばセレコキシブ(Celebrex(登録商標)という商標で販売)またはロテコキシン(Rotecoxin)(Vioxx(登録商標)という商標で販売)が挙げられる。併用療法において有用な他の化合物としては、代謝拮抗物質、例えばメトトレキセートおよびレフルノミド、コルチコステロイドまたは他のステロイド、例えばコルチゾン、デキサメタゾン、またはプレドニゾン、鎮痛薬、例えばアセトアミノフェン、アミノサリチル酸塩、例えばメサラミン、および細胞傷害性薬剤、例えばアザチオプリン(Imuran(登録商標)という商標で販売)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)という商標で販売)、ならびにシクロスポリンAが挙げられる。併用療法で使用可能な追加の薬剤としては、生体応答調整物質が挙げられる。生体応答調整物質としては、炎症促進性サイトカイン阻害剤、例えば、TNF-アルファの阻害剤、例えばエタネルセプト(Enbrel(登録商標)という商標で販売)、インフリキシマブ(Remicade(登録商標)という商標で販売)、またはアダリムマブ(adalimumad)(Humira(登録商標)という商標で販売)、ならびにIL-1の阻害剤、例えばアナキンラ(Kineret(登録商標)という商標で販売)を挙げることができる。また生体応答調整物質としては、抗炎症性サイトカイン、例えばIL-10、B細胞標的化剤、例えば抗CD20抗体(Rituximab(登録商標)という商標で販売)、T抗原を標的化する化合物、接着分子ブロッカー、ケモカイン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、例えば、マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ、c-Jun N末端キナーゼ(JNK)に対する阻害剤、または核内因子(NF)κB、およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-ガンマ(PPAR-γ)リガンドも挙げることができる。併用療法で使用可能な追加の薬剤としては、免疫抑制剤が挙げられる。免疫抑制剤としては、タクロリムスもしくはFK-506;ミコフェノール酸;カルシニューリン阻害剤(CNI);CsA;シロリムスまたは免疫系を抑制することが知られている他の薬剤を挙げることができる。
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドはまた、心臓血管疾患を処置するために投与される薬剤、および/または心臓血管疾患、例えば補体媒介虚血再灌流傷害に関連する炎症状態に寄与する本明細書に記載される心臓血管疾患などを処置するための手順中に投与される薬剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、提供されるMTSP-1ポリペプチドは、抗凝血剤と組み合わせて投与することができる。例示的な抗凝血剤の例としては、これらに限定されないが、ヘパリン、ワルファリン、アセノクマロール、フェニンジオン、EDTA、シトレート、オキサレート、ならびに直接トロンビン阻害剤、例えばアルガトロバン、レピルジン、ビバリルジン、およびキシメラガトランが挙げられる。
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドはまた、DGFを処置するために投与される薬剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドは、例えば、免疫抑制剤と組み合わせて投与することができる。このような組合せは、レシピエントにおける同種移植片の生存、特定には同種移植片の長期生存を延長することにおいて有用である。好ましい実施態様において、組合せは、同種移植のレシピエントへの長期投与に好適になるように製剤化され、調製され、例えば安定な製剤が採用される。ある特定の実施態様において、組合せは、同種移植のレシピエントへの改変されたMTSP-1ポリペプチドと免疫抑制薬との同時投与に好適になるように製剤化され、調製される。ある特定の実施態様において、組合せは、同種移植のレシピエントへの改変されたMTSP-1ポリペプチドと免疫抑制薬との逐次的な(いずれかの順番での)投与に好適になるように製剤化され、調製される。
本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドはまた、黄斑変性症を処置するために投与される薬剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、ラニビズマブ(Lucentis(商標)という商標名で販売);ベバシズマブ(Avastin(商標)という商標名で販売);ペガプタニブナトリウム(Macugen(商標)という商標名で販売);アフリベルセプト(Eylea(商標)という商標名で販売);およびベルテポルフィン(Visudyne(商標)という商標名で販売)のいずれか1つまたは複数と共に投与することができる。本明細書に提供されるMTSP-1ポリペプチドはまた、埋め込み型のテレスコープ、レーザー処置もしくはレーザー光凝固、外科手術、および/または単独の、もしくは治療用ベルテポルフィンと組み合わせた光力学的療法と組み合わせて使用して、黄斑変性症を処置することもできる。
追加の薬剤、例えば他の補体阻害剤が、本明細書に記載される改変されたMTSP-1ポリペプチドとの併用療法における抗炎症薬として使用することができる。このような他の補体阻害剤の例としては、コブラ毒因子(CVF)、ヘパリン、硫酸デキストラン、ポリビニル硫酸、ポリリシン、またはスラミンなどのポリアニオン分子、K-76COOH、ローズマリー酸、または中国の漢方薬であるマオウの抽出物などの天然分子、メシル酸ナファモスタット(afamastat mesilate)(FUT-175)、C1sの合成阻害剤(C1s-INH-248)、またはC1sおよびfDに対する阻害剤(BCX-1470)などの合成分子、コンプスタチンなどのペプチド阻害剤、抗C5(N19-8)、ヒト化抗C5(h5G1.1)、抗C6、または抗C8抗体などの補体の抗体阻害剤、ならびに可溶性CR1(sCR1)、可溶性DAF(sDAF)、可溶性MCP(sMCF)、または可溶性CD59(sCD59)などの膜補体調節因子の可溶性形態[Morgan et al., (2003) Mol Immunol. 40:159]が挙げられる。
本明細書に記載されるMTSP-1ポリペプチドを含有する医薬組成物を使用して、補体活性化が媒介するいずれか1つまたは複数の炎症性疾患または状態を処置することができる。またMTSP-1ポリペプチドと、炎症性疾患または状態を処置するための別の処置または化合物との組合せも提供される。MTSP-1ポリペプチドおよび抗炎症剤は、一緒に、または逐次的に、または間欠的に投与するための別個の組成物としてパッケージングすることができる。代替として、それらは、投与のための単一の組成物として、または単一の組成物としての投与のための2つの組成物として提供することができる。組合せは、追加の試薬、使用説明書、バイアルおよび他の容器、シリンジ、ならびに改変されたMTSP-1ポリペプチドの使用のための他の部材を適宜含むキットとしてパッケージングすることができる。
I.実施例
以下の実施例は、例示的な目的でのみ記載され、本発明の範囲を限定することは意図されない。
改変されたMTSP-1ポリペプチドのクローニングおよび発現ならびにC3を標的部位で切断する改変されたMTSP-1ポリペプチドに関するスクリーニング
A.MTSP-1のクローニングおよび変異誘発
配列番号1に記載のヒトMTSP-1ポリペプチドのC122Sの置き換えを有するアミノ酸615~855をコードする核酸を調製した。コンストラクトは、プロ領域、活性化配列、およびプロテアーゼドメインを含み、さらに、Takeuchi et al. (1999) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96:11054および配列番号1によって公開された配列の残基598からC末端(すなわち、配列番号1に記載のアミノ酸の配列の残基598から855に対応する)を含有していた。
改変されたMTSP-1ポリペプチドを、Quikchange部位特異的変異誘発(Stratagene)により、製造元の指示書に従って、新たに合成されたDNAに設計された突然変異を取り込むためのプライマーとして機能する具体的に設計されたオリゴヌクレオチドを用いて生成した。簡単に言えば、テンプレートとして野生型MTSP-1を含有し、所望の突然変異を含有するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを含有するPCRサンプル反応物を作製した。PCR後、各反応生成物をDpnIで消化して、DNAのdamメチル化した親鎖を除去した。次いでDNAを大腸菌XL-1ブルー・スーパーコンピテント(Blue Supercompetent)細胞(Stratagene)に形質転換し、50μg/mlカルベニシリンを含有する選択的寒天上にプレーティングした。プラスミドDNAを選択されたクローンから単離し、シーケンシングして、MTSP-1遺伝子内の所望の配置における突然変異の取り込みおよびあらゆる追加の不要な突然変異の非存在を検証した。
B.MTSP-1ポリペプチドの調製
1.形質転換
上記のセクションAで記述した野生型および改変されたMTSP-1ポリペプチドのプロテアーゼドメイン(両方ともC122Sの置き換えを含有する)をpQE-80発現ベクター(Qiagen)にクローニングし、得られたコンストラクトを、BL21 Gold(DE3)大腸菌細胞(Agilent Technologies、カタログ番号:230132)に形質転換した。およそ50μLの化学的にコンピテントなBL21 Gold(DE3)細胞を、適切なプラスミドDNA(典型的にはおよそ5ngの精製プラスミドDNAまたは5~10μLのライゲーション反応混合物)で形質転換した。細胞およびDNAを氷上で30分インキュベートし、42℃で45秒で熱ショックを与え、次いで氷上で2分インキュベートした。450μLの室温のTerrific培地(TB培地)(VWR International、カタログ番号:100219~866)を添加し、細胞を、240rpm、37℃で振盪しながら、TB培地中で1時間増殖させた。20μLの形質転換した細胞を含有する溶液を、Teknovaからの2×YT培地+100μg/mLカルベニシリンプレート(カタログ番号:Y4420)上に塗り広げ、37℃で一晩インキュベートした。次いで単離されたコロニーを選択し、プラスミド調製に使用した。得られたプラスミドをDNAシーケンシングに供して、所望のMTSP-1ポリペプチドのコード配列の存在を確認した。
2.MTSP-1ポリペプチドの発現
所望のMTSP-1ポリペプチドのコード配列を含有するpQE-80発現プラスミドで形質転換した細胞を一晩培養したもの500μlを、500mLエルレンマイヤーフラスコ中で、Overnight Express(商標)自己誘導システム1からの2.1mLの溶液1、5.4mLの溶液2、および107μlの溶液3を含有する100mLのTerrific培地/カルベニシリン100に添加した。フラスコを、210rpmに設定したInfors Multitron振盪機に入れた。培養物を37℃で一晩増殖させた(振盪しながら)。翌朝、培養物に20μlの1Mイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加して、MTSP-1ポリペプチドの発現を誘導し、培養物を37℃で追加の2時間振盪しながら増殖させた。この「誘導された培養物」を250mLの円錐型の遠心分離機ボトル中に収集し、GH-3.8/GH-3.8Aローターを備えたAllegra(商標)6R遠心分離機で、3600rpm、4℃で10分スピンさせた。得られた細胞ペレットは、-20℃で貯蔵したか、または後述するように即座にさらなる処理を行った。
3.MTSP-1ポリペプチド封入体の単離
100mLの培養物からの細菌細胞ペレットを、ボルテックスで混合することによって、60μLのrLysozyme(商標)(Sigma、カタログ番号:L6876)を含有する60mlのBugBuster(登録商標)抽出試薬(Merck Millipore、NC9591474)中に再懸濁し、続いて細菌の溶解を容易にするために240rpm、37℃で1時間を振盪した。細菌溶解後、不溶性物質を3,600rpm、4℃で10分遠心分離することによってペレット化し、上清をデカントした。得られたペレットを、20×195mmのジェネレータープローブを備えたPower Gen 500ホモジナイザー(Fisher Scientific、14-261-04P)を使用して、100mLの50mMトリスpH8.0中で、2×5秒のパルスを使用してホモジナイズし、これをペレットがよく分散されるまで繰り返すことによって、再懸濁した。再懸濁した物質を、3,600rpm、4℃で10分遠心分離し、上清をデカントし、ペレットを10から15分空気乾燥させた。封入体(IB)のペレットの重さをはかり、使用まで-20℃で貯蔵した。
4.MTSP-1ポリペプチドを含有する封入体の再懸濁およびアンフォールディング
封入体から不溶性MTSP-1ポリペプチドを単離し、還元剤の存在下で変性させた。4~5グラムのIBペレットを、ホモジナイズによって25mLの50mMトリス、pH8.0に再懸濁して、IB溶液を形成した。IB溶液に、75mLのアンフォールディング緩衝液[6MのGuHCl、50mMトリスpH8.0(Teknova、カタログ番号:G0380)]を添加した。得られたIB溶液を、240rpm、37℃で少なくとも1時間、または封入体が完全に溶解するまでかき混ぜた。
5.MTSP-1ポリペプチドのリフォールディング
上述した5mlの再懸濁した変性MTSPポリペプチド溶液を、100ml以上のリフォールディング緩衝液(1.5Mアルギニン、50mMトリスpH7.5、150mMのNaCl)に、1:20またはそれより大きい希釈率(またはリフォールディング緩衝液1ml当たりおよそ≦100μgのタンパク質)で撹拌しながらゆっくり滴下した。リフォールディング緩衝液中のタンパク質溶液を、振盪機で、150rpm、室温で24時間インキュベートして、フォールディングが起こるようにした。
得られたタンパク質溶液を、12,000~14,000ダルトンの分子量カットオフ(MWCO)のSpectra/Por(登録商標)再生セルロース透析管(VWR)に移し、180Lの25mMトリス、pH8.0中で少なくとも4時間透析した。翌日、サンプルを、180Lの25mMトリス、pH8.0の新しいタンクに移し、一晩透析させた。翌日、サンプルを、180Lの25mMトリス、pH8.0の第3のタンクに移し、少なくとも18時間透析した。サンプルを、少なくとも一晩から最大数日まで透析した。1日透析したサンプルを室温でインキュベートし、サンプルを1日より長く透析し、4℃でインキュベートした。総透析緩衝液容積の総サンプル容積に対する比率は、少なくとも100であった。透析後、プロテアーゼサンプルを透析管から取り出し、500mLの0.22μmフラスコ(Millipore)を使用してろ過し、溶液の伝導率を測定した。溶液の伝導率を調整して、後述する活性化工程中のベンズアミジンカラムへの非特異的な結合を予防した。NaCl濃度をおよそ0.5MのNaClに調整した(例えば、390mLの5MのNaClを、3.9Lの透析タンパク質に添加した)。溶液の伝導率は、およそ1.3ms(/cm)となるはずである。
6.MTSP-1ポリペプチドの活性化
リフォールディングしたMTSP-1ポリペプチドを含有する溶液をろ過した後、NaCl濃度を5MのNaClの添加によっておよそ0.5Mに調整した。20mLの固定トリプシンアガロースビーズをEcono-Pak使い捨てカラム(Bio-Rad;カタログ番号7321010)に充填し、カラムを200mL(すなわち、10カラム容積)のクロマトグラフィー溶液である緩衝液A(25mMトリスpH8.0、0.5MのNaCl)で平衡化した。リフォールディングしたMTSP-1ポリペプチド溶液(上記参照)をカラムにローディングし、活性化されたMTSP-1ポリペプチドを含有する通過画分を収集した。タンパク質を含有する通過画分を合わせ、25mMトリス緩衝液(pH=8.0)中で一晩透析し、緩衝液150リットルを2回交換した。得られた活性化されたMTSP-1ポリペプチド溶液の伝導率が2ms/cm未満であることを確認するか、または25mMトリス、pH=8.0で適切に調整した。
7.MTSP-1ポリペプチドの精製
MTSP-1ポリペプチドは、以下の工程に従って精製することができ、精製されている:
1.SevenEasy伝導度計を使用して活性化されたサンプルの伝導率を測定する。測定値が<3ms/cmの場合、以下の工程2に進む。測定値が>3ms/cmの場合、伝導率が<3ms/cmに達するまでクロマトグラフィー溶液緩衝液A(25mMトリスpH8.0、0.5MのNaCl)でサンプルを希釈する。
2.AKTAPURIFIERを使用して、8mL/分の流速で5カラム容積(CV)のクロマトグラフィー溶液緩衝液Aで前もって平衡化した5mLのHiTrap Q HP陽イオン交換カラム上に、サンプルをローディングする。
3.5カラム容積のクロマトグラフィー溶液緩衝液Aでカラムを洗浄する。
4.クロマトグラフィー溶液緩衝液A/緩衝液Bを使用した15カラム容積の0~50%NaCl勾配を用いて、5mL/分で溶出させる。2mlの画分を収集する。
5.カラムを3CVのクロマトグラフィー溶液緩衝液Bで洗浄し、次のサンプルをローディングする前に5CVのクロマトグラフィー溶液緩衝液Aで再び平衡化した。
6.活性アッセイによって活性なMTSP-1の位置を突き止め、そこで5μlの画分を、200μMの適切なクエンチされた蛍光基質を含有するアッセイ緩衝液50μlと混合する(QHAR QF基質を添加する)。
7.30℃で、Molecular Devices M5プレートリーダーで活性を読み取る。490nmでの励起および520nmでの放出を設定する。
8.15mLのAmicon Ultra 10K遠心フィルターを使用して4つの最も活性な画分を濃縮する。
9.Nanodrop分光光度計を使用して、A280により濃度を測定する。200μMのおよその最終濃度に達するまで濃縮を続ける。
10.精製された生成物の品質を評価するために、2×NuPAGEサンプル還元剤を含有する2×サンプル緩衝液中の2μg/レーンのサンプルを、4~12%NuPAGE Novexビストリスゲル上にローディングする。1×MES泳動緩衝液中でゲルを200Vで30分泳動する。クーマシーブルーで染色し、続いて脱色することによって、ゲルを可視化する。
11.サンプルを液体窒素中で瞬間凍結させ、-80℃で貯蔵する。
8.インビボモデルで使用するための精製されたMTSP-1ポリペプチドからの内毒素の除去
サンプルを15mlのAmicon Ultra-15遠心フィルターユニット100K膜(Fisher Scientific)に通過させることによって、高分子量の内毒素の除去を達成した。サンプルを、4000RPMで20分スピンすることによってろ過した。20分後にサンプルがフィルターを通過しなかった場合、遠心分離工程を繰り返した。次いでサンプルを、清潔なファルコンチューブに移した。低分子量の内毒素の完全な除去を確認するために、サンプルを2mlのCellufine ETクリーンS重力カラム(Fisher Scientific)に通過させた。サンプル添加の少なくとも24時間前に、2mlのCellufine ETクリーンSカラムを調製した。4mLのCellufine ETクリーンSスラリーおよび10mLの内毒素非含有の20%エタノール溶液(Fisher Scientific)を、Econo-Pacクロマトグラフィー重力カラムに添加した。20%のEtOH溶液をカラムに通過させ、続いて25mLの80%のEtOH、0.2NのNaOHを通過させた。重力カラムの底部をキャップし、カラムを80%のEtOH、0.2NのNaOHで充填し、覆いをし、室温で少なくとも16時間インキュベートした。少なくとも16時間後、80%のEtOH、0.2NのNaOHをカラムに通過させた。カラムを25mLの内毒素非含有の水で濯ぎ、カラムに水を通過させた。次にカラムを、2×20mLの滅菌した内毒素非含有のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で平衡化した。次いでサンプルをカラムに添加し、溶出したサンプルを収集した。カラムを10mLの内毒素非含有のPBSで洗浄して、サンプルがカラムを完全に通過したことを確認した。
タンパク質濃度A280を、NanoDrop(登録商標)分光光度計(NanoDrop)と2.012mg/A280の理論上の吸光係数の使用を使用して測定した。必要に応じて、活性なタンパク質を、15mLのAmicon Ultra-15 10K膜遠心フィルターユニット(Fischer Scientific)を使用して、クエン酸緩衝生理食塩水(20mMのクエン酸ナトリウムpH5.0、50mMのNaCl)中およそ2.5mg/mlに濃縮した。精製された生成物の品質を評価するために、2×NuPAGEサンプル還元剤(Invitrogen)を含有する1×NuPAGE LDSサンプル緩衝液(Invitrogen社)中の2μgのサンプルを、12ウェルの4~12%NuPAGE Novex4~12%ビストリスゲル(Invitrogen)にローディングし、1×NuPAGE MES SDS泳動緩衝液(Invitrogen)中で200Vで30分泳動した。細胞をクーマシーブルーで染色し、続いて脱色して、タンパク質バンドを可視化した。タンパク質を液体窒素中で瞬間凍結させ、-80℃で貯蔵した。
C.C3を切断して不活性化する改変されたMTSP-1ポリペプチドの選択および同定
米国特許第8,211,428号(米国公開US-2014-0242062号A1、現在の米国特許第9,795,655号も参照)で詳細に説明された改変されたセルピンATIIIに対して、改変されたMTSP-1ポリペプチドのライブラリーをスクリーニングすることによって、改変されたMTSP-1ポリペプチドを同定した。スクリーニングには、セルピンとプロテアーゼとの間で共有結合のアシル酵素中間体を形成することが可能な、阻害性セルピンまたはそのフラグメントが使用される。一般的に、使用されるセルピンは、インビボにおいて野生型プロテアーゼを標的化および調節するものである。しかしながら、標的プロテアーゼと反応し、それを不可逆的に阻害するあらゆるセルピンを、これらの選択実験のための「ベイト」として使用することができる。
アッセイにおいて、標的配列(すなわち、不活性なC3への切断のためのC3中の標的部位)を含むようにその反応性部位のループ(RSL)で置き換えされたことによって改変されたセルピンは、標的部位を切断して安定な複合体を形成する改変されたプロテアーゼを捕獲する。次いで捕獲された改変されたプロテアーゼを単離/同定する。MTSP-1ポリペプチドの場合、「ベイト」セルピンは、以下に示す残基を、ヒトC3の不活性化のために標的化された部位であるQHARASHLG(C3の残基737~745、配列番号9)で置き換えることによって改変されたATIIIであった。
ATIII「ベイト」(配列番号692)は、C3の標的化された部位(配列番号9の残基737~745)に対応する挿入配列QHARASHLGを有する:
Figure 0007091373000052
配列番号692中の位置を参照したATIIIにおける突然変異を以下の通り要約する。
Figure 0007091373000053


QHAR-ASHLG改変ATIIIベイトによってトラップされるプロテアーゼ変異体についての選択を実行するために、MTSP変異体のライブラリーを、M13バクテリオファージの表面上に提示させ、ファージコートタンパク質P3のC末端に融合させた。分子モデリングに基づき基質の認識および切断に重要であるか、または事前に選択され有利であると証明された突然変異した残基と接触する「第2のスフェア」の位置であると仮定されるMTSP中の位置で天然コドンをNNKコドンで置換することによって、数種のMTSPライブラリーを設計した。これらの位置は、40位、41位、60b位、60g位、96~99位(加えて、96~99領域内の1および2つのアミノ酸の挿入)、151位、175位、192位、217位、および224位を含む、MTSP上のプライム側または非プライム側の部位の両方に一致していた。ファージライブラリー中の各変異体が十分に提示されていることを確認するために、構築された各ライブラリーのサイズ(形質転換したライブラリーのDNAにおいて生じたCFUによって測定した)は、5または6つのランダム化された位置を含有する全てのライブラリーにつき計算された多様性より有意に大きく、7つのランダム化された位置を含有するライブラリーにつき計算された多様性に匹敵するものであった。MTSPファージライブラリーを構築した後、各ライブラリーからの96個のコロニーをシーケンシングして、突然変異の頻度および分布を確認し、全体的なライブラリーの品質を評価した。次いで高品質のライブラリー(すなわち、予測される突然変異の頻度を含有し、汚染などを含有しないもの)を、様々な長さの時間にわたり、複数の濃度のビオチン化したベイトセルピンと共にインキュベートすることによる選択に供した。トラップされたビオチン化MTSP-ファージ複合体をアビジンコーティングされたプレート上で捕獲し、6M塩酸グアニジンで洗浄して、高親和性、非共有結合のプロテアーゼ-セルピン複合体を除去し、次いでDTTで溶出させた。一部の場合では、対抗選択を、アルファ2-マクログロブリンまたは天然に存在するセルピン、例えばATIIIを使用して実行した。同じ反応で標的のセルピンと対抗選択のセルピンの両方と共にライブラリーをインキュベートすることによって、選択と対抗選択の同時実行もたびたび行った。典型的には、対抗選択のセルピンは、選択セルピンに比べて過剰モル濃度で存在する。数回の選択を実行し、次いで個々に大きくなったコロニーを、標的基質に対応するペプチドに対する性能に関する酵素アッセイによってスクリーニングした。標的配列の切断について高い活性を有する変異体を産生するコロニーをさらに、それらのファージミドDNAのDNAシーケンシングによって特徴付けて、MTSP-1コード配列における突然変異の同一性を同定した。
D.改変されたMTSP-1ポリペプチド
以下の表14は、C3を不活性化するように生成および選択された、改変されたMTSP-1ポリペプチドの例示的なプロテアーゼドメインの改変および配列と、配列番号1に記載の成熟MTSP-1ポリペプチド(成熟MTSP-1の番号付け)、さらにキモトリプシンの番号付けに対する番号付けを使用して示される突然変異を記載する(追加の改変は表15に記載される)。配列番号はプロテアーゼドメインに付けられているが、成熟した改変されたMTSP-1ポリペプチド、参照された改変を含有するその触媒活性部分、ならびに活性形態および活性化された二本鎖の形態に、突然変異が含まれていてもよいことが理解される。
C122Sの置き換え、または他の保存されたSの置き換えは、プロテアーゼの二量体化を排除し、フォールディングプロセス中における「不適切な」ジスルフィド結合形成の可能性を低減するために含まれ、有利ではあるが、これは任意の突然変異である。
Figure 0007091373000054
Figure 0007091373000055
Figure 0007091373000056
Figure 0007091373000057
Figure 0007091373000058
Figure 0007091373000059

*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
インビトロにおける補体タンパク質C3の切断
改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性を、基質の補体タンパク質であるヒトC3の切断によって決定した。これは、様々な濃度のプロテアーゼと37℃で1時間インキュベートした後に残存する無傷のヒトC3の量を測定することによってなされた。このアッセイにおいて、シグナルは、無傷のヒトC3の存在下で生成され、C3が切断されると失われる。
2μMの血漿精製ヒトC3(hC3;Complement Technologies;タイラー、テキサス州)を、改変されたMTSP-1ポリペプチド(0~250nM)と共に、50mMトリス、pH8.0、50mMのNaCl、および0.01%Tween-20を含有する緩衝液中、37℃で1時間インキュベートした。改変されたMTSP-1ポリペプチドの活性を、EGR-CMK(Haematologic Technologies、EGRCK-01)を10μMの最終濃度まで添加することによってクエンチし、hC3/改変されたMTSP-1ポリペプチドの混合物を周囲温度で30分そのままにした。
未消化のヒトC3の残留レベルを、増幅ルミネッセンス近接ホモジニアスアッセイスクリーン(AlphaScreen(登録商標);Perkin Elmer)を使用して定量化した。100μg/mLでのα-マウスIgGでコーティングされたアクセプタービーズ(Perkin Elmer番号6760606)を、50mMトリス、pH8.0、50mMのNaCl、0.01%Tween-20および0.2%BSA中の5nMのマウスα-hC3a mAb(Abcam番号ab11872-50)と共にインキュベートして、アクセプタービーズ混合物を形成した。アクセプタービーズ混合物を遮光し、回転振盪機に30~60分置いた。hC3/改変MTSP-1ポリペプチド反応混合物(上記で調製された)を、50mMトリス、pH8.0、50mMのNaCl、0.01%Tween-20、0.2%BSAで1600倍希釈し、4μLのアリコートを、384ウェルのOptiplate(Perkin Elmer番号6007299)のウェルに2連で入れた。8μLのα-hC3mAb/アクセプタービーズ混合物を、8μLの25nMビオチン化ヤギα-hC3pAb(Complement Technologies番号A213からのビオチン化されていないバージョンからのThermo Scientific番号21327からのEZ-連結スルホ-NHS-LC-ビオチンキットを使用して調製された)と共にインキュベートした。次いでプレートを遮光し、周囲温度で30分インキュベートした。このインキュベーションの後、各ウェルに、4μLの100μg/mLストレプトアビジンでコーティングされたドナービーズ(Perkin Elmer番号6760606)を添加し、60分インキュベートし、遮光した。次いでAlphaScreenシグナル(励起=680nm、放出=570nm)を、Envision2104マルチラベルプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用して測定した。このシグナル(残存するhC3の濃度([hC3])に対応する)を、改変されたMTSP-1ポリペプチド濃度([アルテラーゼ(alterase)])の関数としてプロットし、データを以下の4パラメーター方程式に当てはめて、利用可能なhC3の50%(EC50)を切断するのに必要な改変されたMTSP-1ポリペプチドの濃度(「アルテラーゼ」濃度)、ヒル傾き(Hill)に加えて、アッセイ中の最大(Max)および最小(Min)シグナルを決定した。
Figure 0007091373000060
配列番号35に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドによるhC3の切断を、9つの異なるロットのプロテアーゼを使用して、独立して合計46回測定した。配列番号35に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドは、EC50=13.9nM(n=235;SD=4.1)を有する配列番号4に記載の参照MTSP-1ポリペプチドより低いEC50で補体タンパク質C3を切断した。配列番号35に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドの平均EC50値は、6.9nM(n=46、SD=2.6)と決定された。C3切断反応を、表15に列挙された全ての他の改変されたMTSP-1ポリペプチドにつき1~12回実行した。
表15は、例示的な改変と、これらの改変を含有する配列表に記載のポリペプチドのEC50を記載する。配列表はプロテアーゼドメインを記載するが、これらの同じ突然変異が、全長の改変されたMTSP-1、ならびにその様々な形態およびその触媒活性の形態中にも含まれていてもよいことが理解される。記載される通り、全て遊離のシステインの置き換えC122Sを含み、この置き換えは凝集を低減するが、任意であり得る。
表15. 改変されたMTSP-1ポリペプチドでのhC3切断
Figure 0007091373000061

Figure 0007091373000062

Figure 0007091373000063
Figure 0007091373000064

Figure 0007091373000065

Figure 0007091373000066

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Figure 0007091373000068
Figure 0007091373000069
Figure 0007091373000070
Figure 0007091373000071
Figure 0007091373000072

Figure 0007091373000073
Figure 0007091373000074
Figure 0007091373000075
Figure 0007091373000076
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Figure 0007091373000078
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Figure 0007091373000080
Figure 0007091373000081

Figure 0007091373000082

Figure 0007091373000083

Figure 0007091373000084

Figure 0007091373000085

Figure 0007091373000086

*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号; これらの置き換えは、全長MTSP-1およびその触媒活フラグメントを含む他の変異体に含まれていてもよいことが理解される。
なかでも興味深いのは、10未満のhC3切断のEC50を有するものであり、例えば、これらに限定されないが、以下のものである:
Figure 0007091373000087
Figure 0007091373000088
Figure 0007091373000089
Figure 0007091373000090
C3中の標的化されたQHAR↓ASHL部位における切断の確認
2つの独立した分析方法:(a)1~40kDaの範囲内の放出されたペプチドの同定を含むMALDI-MSによる切断生成物の直接分析、および(b)ネオN末端を含有する生成物であるペプチドの配列分析での標識されたタンパク質分解消化物のLC-タンデムMSを使用して、改変Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192Dを含有するMTSP-1プロテアーゼドメイン変異体によってC3の切断部位を特徴付けた。これらの実験を以下のように実行した。
(a)C3(PBS緩衝液中の1mg/ml)を、u-PAプロテアーゼ変異体と共に、1:50の酵素対基質の比率で合計1時間にわたりインキュベートした。0、5、10、20、40、および60分で、これらの反応物からサンプル(50μl)を取り出し、1μlの1%TFAの添加およびドライアイス中での急速凍結によって各サンプルでの切断反応を終結させた。次いでサンプルを25mMのTCEP(37℃で1時間)で還元し、次いでC18固相抽出(Agilent Omix)を介して脱塩した。得られた切断生成物をMALDI-MS(ABI4700)によって直接分析した。0分後の各タイムポイントで、MW8289±1Daのフラグメントを観察したところ、C3中のQHAR|ASHG部位におけるアルギニンでの切断が示された。これらの反応において追加のC3切断部位は観察されなかった。
(b)C3/プロテアーゼ変異体混合物(10μl)を6Mグアニジン中で変性させ、次いでシステイン側鎖を、還元(30mMのTCEP)およびアルキル化(ヨードアセトアミド)した。リシン側鎖のε-アミノ基を、O-メチルイソウレア(3μlのOMU、8μlの1MのNaOH、65℃で15分;2μlの1:1のTFA-水でのクエンチ、それに続くSPE浄化)での処理によってブロックし、次いでペプチドアミノ末端を、スルホNHS-SS-ビオチン(50mMのHEPES、250uMのビオチン試薬、室温で30分)で標識した。トリプシンまたはGlu-Cのいずれかでのタンパク質分解消化の後、アビジンビーズによってビオチン標識ペプチドを捕獲した。ビオチン標識の切断を還元(TCEP)により達成し、N-チオアシル標識を有するネオN末端ペプチド画分を得た。このペプチド画分をLC-タンデムMS(Thermo LTQ-XL)によって分析したところ、同定された主要なC3関連成分がペプチド(N-チオアシル)-ASHGLARであったことから、C3中のQHAR|ASHG部位での切断が示される。
Q H A R ↓ A S H L 737~744
P4 P3 P1 ↓P1’ P4’。
エクスビボでのカニクイザル血漿におけるMTSP-1変異体の薬力学的(PD)分析
野生型および改変されたMTSP-1ポリペプチドによって抗凝血処理されたEDTA処理したカニクイザル血漿におけるC3の切断を、後述するように測定した。C3 ELISAを使用して、「試験」抗凝血処理血漿中のC3の50%を切断するのに必要な野生型および改変されたMTSP-1ポリペプチドの有効量(ED50)を測定した。切断反応物は80%血漿を含有し、各プロテアーゼを、プロテアーゼなしの対照に加えて9つの異なる濃度でアッセイした。この反応で使用された野生型MTSP-1の最大濃度は6μMであり、1.5の倍率での逐次的な希釈によって次の8つの濃度を調製した。MTSP-1変異体タンパク質に使用された最大濃度は150nMであり、野生型タンパク質と同様に、1.5の倍率での逐次的な希釈によって次の8つの濃度を調製した。試験プロテアーゼの添加後、反応物を37℃で10分インキュベートした。次いで反応物を、プロテアーゼ阻害剤の10μMのEGR-CMK(Glu-Gly-Arg-クロロメチルケトン)の添加によって迅速にクエンチし、クエンチしたサンプルを、C3 ELISAを実行する前に室温で30分置いた。切断反応物をBSA-PBSTで1:2700に希釈し、切断されていないC3を、ヤギ抗huC3(A213 CompTech)(マイクロタイタープレートに吸着させた)を用いて「捕獲」し、1%BSA-PBST中の0.5μg/mlのMAB抗huC3a(Abcam ab11872)によって「検出した」。次いで、ヤギ抗マウスHRPコンジュゲートおよびWesternBright Siriusウェスタンブロッティング検出キットを製造元の指示に従って使用してELISAを「展開」した。
Figure 0007091373000091


*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
エクスビボにおけるカニクイザル硝子体液中の改変されたMTSP-1ポリペプチドの安定性
エクスビボにおける改変されたMTSP-1ポリペプチドの安定性を、購入したカニクイザル硝子体液またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)陰性対照中で評価した。硝子体液中で安定性を呈示する改変されたMTSP-1ポリペプチドは、AMDを処置するのに使用することができる。
50mMトリスpH8.0、50mMのNaCl、および0.01%Tween-20を含有する緩衝液またはPBS対照中の80%カニクイザル硝子体液(BioChemedから入手;カタログ番号BC7615-V1、BC60815-V1、BC33115-V6)を、改変されたMTSP-1ポリペプチドと共に0.1μMの最終濃度でインキュベートした。混合物を37℃で7日インキュベートした。残留したプロテアーゼ活性を、50mMトリス、pH8.0、50mMのNaCl、0.01%Tween-20中の100μM蛍光発生基質AGR-ACC(7-アミノ-4-カルバモイルメチル-クマリン)を用いてアッセイし、その結果を、励起波長=380nmおよび発光波長=460nmで評価した。結果から、配列番号35、38~40、および47~56に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドは、カニクイザル血漿およびPBS中でのインキュベーション後、同等の残留した活性(すなわち、安定性)を呈示することが示される。以下の表17に結果を記載する。
Figure 0007091373000092


*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
7および28日後のエクスビボにおける購入したカニクイザル硝子体液中の改変されたMTSP-1ポリペプチドの安定性を上記した通りに評価した。結果から、本明細書に提供される改変されたMTSP-1ポリペプチドは、硝子体液中で少なくとも7日間、相対的に安定であることが示される。以下の表18に結果を記載する。
Figure 0007091373000093


*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
エクスビボにおけるヒト血漿中の薬力学的活性
改変されたMTSP-1ポリペプチドの連続希釈液(または緩衝液)を、ヒト血漿(約8μMの内因性C3を含有する)に添加して、6000、4000、2667、1778、1185、790、527、351、234または0nM濃度の各変異ポリペプチドおよび80%ヒト血漿を含有する反応混合物を作製した。150、100、67、44、30、20、13、9、6または0nMの濃度で存在する野生型MTSPを有する類似の反応混合物を、野生型MTSPを用いて調製した。これらの反応混合物を37℃で1時間インキュベートし、10μMのEGR-CMKでクエンチした。各反応混合物を、1%BSAを含有するPBST緩衝液で1:15,625に希釈し、混合物中の残留した切断されていないC3の濃度を、mAb抗huC3a(Abcam ab11872)を使用して「検出」し、アッセイシグナルを、HRPコンジュゲートヤギ抗マウス-HRP(JIR115-035-003)およびWesternBright Siriusウェスタンブロッティング検出キットを使用して「展開」した。これらのデータを使用して、1時間のインキュベーション中に血漿中に存在するC3の50%を切断するのに必要な各MTSPポリペプチドの濃度(すなわち、ED50)を計算した。
以下の表19に、C122Sの置き換えを有するWT-MTSP-1プロテアーゼドメインを含む参照MTSP-1プロテアーゼドメイン、および改変されたMTSP-1ポリペプチドによる80%ヒト血漿における溶血のED50(nM)を記載する結果を示す。表19に示されるように、80%ヒト血漿中の参照MTSP-1ポリペプチドのED50は、3500nMであるのに対して、例示的なMTSP-1ポリペプチドは、それより低いED50(例えば、24nMから835nMの間)で示されるように、補体を切断する能力が増加している。例えば、置き換えQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192Dを含有する配列番号35に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C122Sの置き換えを有する参照MTSP-1プロテアーゼドメインよりおよそ140倍有効であった。
Figure 0007091373000094


*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
プロテイナーゼ活性化型受容体2(PAR-2)の切断
A.プロテイナーゼ活性化型受容体2細胞ベースのアッセイにおける突然変異体の活性
野生型MTSP-1は、PAR-2の効率的な活性化因子であり、関節炎、肺炎症(喘息)、炎症性腸疾患、敗血症、および疼痛性障害などの炎症性疾患に関与する、血管内皮細胞や様々な上皮細胞で発現されるGタンパク質結合受容体である。それゆえに、抗C3変異MTSP-1ポリペプチドによってPAR-2活性を低減すると、その操作されたプロテアーゼについてのC3選択性が増加する。それゆえに、改変されたMTSP-1ポリペプチドを、細胞ベースのアッセイ(Millipore)で、プロテイナーゼ活性化型受容体2(PAR-2)に対するそれらの活性(すなわち、活性化する能力)について試験した。4パラメーターロジスティック曲線当てはめでプロテアーゼ濃度に対して切断分率をプロットすることによって(Softmax Proソフトウェア、Molecular Devices、CA)、プロテアーゼによるPAR-2切断のED50(nM)を測定した。陰性対照として、MTSP-1の触媒的に不活性なバージョンを用意した。このアッセイにおける変異体MTSP-1ポリペプチドについての減少したPAR-2活性(すなわち、野生型MTSP-1に対してPAR-2切断のED50がより高いこと)は、変異タンパク質が野生型MTSP-1より制限された特異性を表すことを示す。PAR-2に対して増加した特異性は、変異体も、野生型MTSP-1と比較して減少した他のタンパク質の非特異的な切断を呈示する可能性があることを示す。これらのアッセイの結果(以下の表20を参照)は、ポリペプチドの提示が、野生型MTSP-1と比較してPAR-2活性を有意に低減したことを実証する。
インビボにおけるPAR-2のタンパク質分解活性化を模擬するのに使用される別のアッセイは、ペプチド配列SKGR↓SL、PAR-2中の活性化切断部位のP4-P2’配列(Ser33~Leu38)を含有するクエンチした蛍光ペプチド性基質における変異MTSP-1ポリペプチドの活性を測定する。このペプチド性基質におけるR↓S部位の切断は、蛍光シグナルを産生し、蛍光プレートリーダーを用いた反応速度の測定が可能になる。野生型MTSP-1の活性と比較して、SKGR/SLペプチド性基質に対する活性が低減したことは、変異MTSP-1ポリペプチドが亢進された基質特異性を有することを示す。
以下の表20に、例示的な結果を示す。全ての試験した改変されたMTSP-1ポリペプチドは、配列番号4に記載のC122Sの置き換えを有する野生型MTSP-1プロテアーゼドメインと比較して、少なくとも30倍の増加したED50および減少したkcat/Kを呈示した。データから、C3の切断について選択された改変されたMTSP-1ポリペプチドは、ネイティブの基質について有意に低減した活性を有することが示される。
Figure 0007091373000095


*置き換えを含有するプロテアーゼドメインの配列番号
インビボでのカニクイザル硝子体液における薬物動態的なおよび薬力学的活性
置き換えQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192Dを含有するプロテアーゼドメインである配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドのインビボでの硝子体液(カニクイザルモデル)における薬力学的活性を評価した。硝子体液中でC3を切断し不活性化する能力は、AMDを処置するための候補であることを示す。
12匹のナイーブカニクイザルを単一の処置グループに割り振った。研究動物の1つの眼の硝子体内に、単回用量の125μgの改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した。およそ25kDaの分子量を有する配列番号35に記載の配列を有する単離されたプロテアーゼドメインを投与した。右眼に試験物品を与え、左眼に媒体対照を注射した。4匹の動物を、以下のタイムポイント:投与後24時間、2日目および6日目のそれぞれで致死させた。硝子体液サンプルを右眼と左眼の両方から収集し、改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは媒体対照での処置後の、改変されたMTSP-1ポリペプチドの安定性およびC3のレベルについて分析した。C3および改変されたMTSP-1ポリペプチド濃度を、上記で詳述したようにELISAによって決定した。
投与後24時間ならびに2日目、6日目、7日目、および28日目に得られた硝子体液サンプルに存在する改変されたMTSP-1ポリペプチドの濃度を、ELISAによって測定した。硝子体のサンプル中のMTSP-1ポリペプチド(および他のセリンプロテアーゼ)のタンパク質分解活性を、EGR-CMK(Haematologic Technologies、EGRCK-01)を10μMの最終濃度まで添加することによってクエンチし、ELISAを実行する前に混合物を周囲温度で30分そのままにした。
配列番号35の改変されたMTSP-1ポリペプチドの半減期は、およそ1.7日と決定されたが、これは、ヒト系ではおよそ5日に相当する[Deng et al. (2011) MAbs 3(1): 61-66]。インビボでの配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドの回収率(すなわち、検出された改変されたMSTP-1ポリペプチドのピークレベルを、改変されたMTSP-1ポリペプチドの用量で割った値)を、ELISAによって配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドの観察された最大レベルから計算した。インビボにおける回収率100%の理論上の予測値は2.5μMであった。置き換えQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192Dを含有するMTSP-1プロテアーゼドメイン(配列番号35)の測定されたインビボにおける回収率は、予測値のおよそ59%、またはおよそ1.5μMと計算された。2つの別々の実験間で実質的な変動があったが(測定1=100%および測定2=18%の回収率)、これは、第2の実験で、不十分な硝子体内注射か、または不適切なサンプルの取り扱い、貯蔵、もしくは希釈のいずれかが起こり、そのため硝子体への活性な抗C3プロテアーゼの局所デリバリーが不完全であったことを示す。
硝子体液におけるC3レベルをELISAによって測定した。媒体を注射した陰性対照の眼におけるC3レベルは、0.4nM~50nMの範囲であった(媒体を注射した眼からの2つのサンプルは、他の10個と有意に異なっていたが、これは、針での硝子体回収中における血液汚染に起因する可能性がある)。MSTP-1投与前のC3のベースラインレベルはおよそ2.2nMであった。抗C3MTSPポリペプチドの単回注射の1、2、6、および7日後、変異体で処置した眼において、C3は検出不可能であった。単回注射の28日後、C3濃度は、配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドで処置した眼においておよそ1.4nMであったが、これは、処置前のベースラインレベルのおよそ64%である。
結果から、改変されたMTSP-1ポリペプチドはC3を触媒的に排除することが示される。これは、ELISAおよび酵素アッセイによって評価したところ1.7日の半減期を有しており、少なくとも7日、または7日より長く、硝子体の補体を抑制する。1mg/眼までの用量が十分許容される。PK/PDモデリングは、ヒトにおいて3カ月間またはそれより長くC3の抑制を示す。
MTSP-1中の位置における例示的な突然変異
以下の表21に、全長、前駆体およびプロテアーゼドメインならびにその触媒活性部分を含むMTSP-1ポリペプチドの例示的な位置および突然変異が記載される。
Figure 0007091373000096


置き換えは、プロテアーゼドメイン(配列番号2または4)および全長(配列番号1または3)を含むMTSP-1のあらゆる形態である。置き換えは、本明細書に例示されたもののように、組み合わせることができ、例えば15~18種もの多数の置き換え、またはそれを超える置き換えが挙げられる。
硝子体内注射後のMTSP-1変異体のインビボにおける安全性、忍容性、および毒性の研究(カニクイザル)
硝子体内注射後の改変されたMTSP-1ポリペプチドの安全性および忍容性を、カニクイザルにおいてインビボで評価した。3つのナイーブカニクイザルを3つの処置グループのそれぞれに割り振った。研究動物の硝子体内に、眼1つ当たり12.5μg、37.5μgまたは125μgのいずれかの各改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した。右眼に試験ポリペプチドを与え、左眼に媒体対照を注射した。動物を臨床的に観察し(すなわち、食物消費)、眼科検査を実行した。眼科検査は、投与の前(T=0)ならびに投与後2、8および15日目における、細隙灯生体顕微鏡検査および間接的な検眼鏡観察と、それに続くカラーの眼底撮影または光干渉断層撮影(OCT)を含んでいた。全ての観察を、4週間まで、または消散まで続けた。
無毒性量(NOAEL)を全ての動物で評価した。配列番号42に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した動物のNOAELは、≧37.5μg(ヒトにおける≧125μg/眼と同等)であった。配列番号35に記載の配列を有する改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した動物で有害作用は記録されなかった。それゆえに、配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した動物のNOAELは、≧125μg(ヒトにおける≧375μg/眼と同等)であった。
MTSP-1ポリペプチドの静脈注射後の薬力学的活性、安全性/毒性、および治療指数
静脈注射後のNOAELをカニクイザルモデルで評価した。配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与したカニクイザルの最大非毒性用量は≧4mg/kgであった。循環C3の不活性化のED50も測定した。配列番号35に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドを投与した動物のC3活性(すなわち、C3の不活性化のED50)は、0.07mg/kgであり、これは、WT MTSP-1のものより有意に低かった。抗C3 MTSP-1変異体ポリペプチドの「治療指数」(T.I.)を、NOAELの比率およびインビボにおけるC3の不活性化のED50と定義した。以下の表22に結果を記載する:
Figure 0007091373000097


改変されたMTSP-1ポリペプチドがC3を切断し、補体活性化を阻害することの実証
A.ヒト血漿における抗C3プロテアーゼ(配列番号35)の補体の阻害作用の実証
1.配列番号35のMTSP-1変異ポリペプチドによるインビトロにおけるヒト血漿中の補体活性化の阻害
ヒト血漿中のC3を切断するように改変されたMTSP-1ポリペプチドの抗補体活性を評価するための研究を実行した。これらの実験における試験物品、本出願に記載の改変されたポリペプチドの例示は、置き換えQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192Dを含有するプロテアーゼドメインである配列番号35の改変されたMTSP-1ポリペプチドであった。試験物品(以下、試験物品番号1と称する)、および実験対照を、試験系であるプールしたクエン酸添加血漿に曝露した。
標準的な古典経路溶血アッセイの阻害(CH50)を測定することによって、補体の阻害の程度を評価した。試験クエン酸添加血漿を、補体分析の前に試験物品に曝露した。補体の阻害の程度は、対照(すなわち、未処置)クエン酸添加血漿で観察されたものと比較した、CH50における溶血溶解物およびC3機能試験における減少である。C3機能試験は、補体カスケードのC3成分の特異的な阻害の分析を可能にする。
2.試験系
ヒトクエン酸添加血漿プールのみ(NHS、3~5人の正常個体のプール)をもたらす試験を実行した。
3.投与経路
試験物品を、1部対9部(1:9、V:V)の比率で試験系に添加した。この比率は、補体対照タンパク質の十分な濃度が存在するように、試験系の適切な濃度を維持する。1.5mLポリプロピレンマイクロ遠心分離スナップキャップチューブ中で450μLの試験系を50μLの調製された試験物品と混合することによって試験を実行した。混合物を氷上で調製し、次いでボルテックスで混合した。全ての実験混合物(陽性および陰性対照ならびに複数の濃度の試験物品)を調製した後、それらを37℃±1℃の水浴に移し、1時間±10分インキュベートした。混合物をインキュベートした後に、必要に応じて、全ての微粒子を遠心分離によって除去し、全てのサンプルを氷上でアリコートにし、即座に-70℃またはそれ未満で凍結した。
4.試験物品の説明
Figure 0007091373000098


5.対照物品
Figure 0007091373000099


*HAGG-熱活性化ガンマグロブリン
Figure 0007091373000100


6.対照および試験物品の調製
2000nMで最大レベルの5つの濃度の試験物品を使用した。それより低いレベルを5倍の連続希釈により作製した。
希釈の表:
Figure 0007091373000101


別段の指定がない限り全ての希釈は生理食塩水を用いてなされる
7.実験の設計およびデータ
試験には5つの濃度の試験物品が用いられた。
Figure 0007091373000102


8.結果
Figure 0007091373000103


これらのデータは、抗C3 MTSP-1ポリペプチド(配列番号35)の有効性が、ヒト血漿中の補体活性を阻害したことを実証し、80nMの抗C3 MTSP-1変異体(配列番号35)の「用量」で、40%阻害が観察され、研究で使用された最大用量のMTSP-1ポリペプチドで、ほぼ完全な阻害(すなわち、94%)が観察された。
B.QHAR/ASHL部位での切断はヒトC3を不活性化することの実証
上記で実証された試験物品1(配列番号35のMTSP-1ポリペプチド)による補体の阻害は、QHAR/ASHL部位でのC3の切断によって媒介されることを確認するために、後述する実験を実行した。
1.実験の設計の要約
補体機能アッセイを、C3が欠乏した血清(Complement Technologiesから購入;カタログ番号A314)を用いて実行した。試験物品番号1(配列番号35の改変されたMTPS-1ポリペプチド)を含有する組成物と共に、またはそれなしでプレインキュベートしたC3(これもComplement Technologiesから購入;カタログ番号A113)を、血清に添加し戻した。試験物品番号1とのプレインキュベーションが補体機能を阻害する程度が、C3の阻害のレベルを反映する。
2.精製されたC3試薬の説明
ヒト血清におけるC3の正常な濃度は、約1mg/mLである。Complement TechnologiesからのC3の濃度は、1.1mg/mlである。C3を、C3枯渇血清に1/50の希釈で添加した。
3.試験物品の説明
Figure 0007091373000104


4.対照
Figure 0007091373000105


*HAGG-熱活性化ガンマグロブリン
Figure 0007091373000106


5.対照および試験物品の調製
希釈の表:
Figure 0007091373000107


別段の指定がない限り全ての希釈は生理食塩水を用いてなされる。
6.実験の設計:試験条件1および2
試験条件1:
成分(チューブ1およびチューブ2)を別々に37℃(±2℃)で2時間インキュベートした。チューブ1は、100μLのC3を含有し、チューブ2は、25μlの試験物品(TA、MTSP-1ポリペプチドまたは生理食塩水)を含有していた。枯渇血清を用いたC3H50で試験するまで、サンプルを-80℃またはそれより低温で凍結した。各チューブを37℃で2時間インキュベートした。チューブ1からの90μlのC3を、チューブ2からの10μl(TA、ポリペプチドまたは生理食塩水)と組み合わせ、次いで混合し、即座に80℃で凍結した。1/50の希釈でC3H50に添加する前に、TAによる事前のC3切断は行われなかった。
試験条件2:
成分をチューブ3中で混合し(90μLのC3および10μlのTA、軽くボルテックス)、37℃(±2℃)で2時間インキュベートし[QHAR部位(配列番号9の残基737~740)における事前のC3切断]、即座に凍結し、C3H50に1/50で添加した。
Figure 0007091373000108


7.補体活性化または阻害の読み出し
改変されたC3H50の溶血機能。C3H50は、機能的な活性の尺度であるが、外因的に添加されたC3を必要とすることから、特にC3に重点を置いている。血清のC3を欠乏させた。用意された実験条件(条件1および2)を、試験のために1/50の希釈で欠乏血清に添加する。試験中の赤血球とのインキュベーションを、22℃で45分実行した。
8.結果
結果は、溶血活性によって評価した場合、補体活性化の阻害がC3の切断によって媒介されることを示す。
Figure 0007091373000109


*試験条件番号1:成分を別々に37℃(±2℃)で2時間インキュベートする。次いで、枯渇させた血清を用いてC3H50(C3溶血活性)で試験するまで-80℃またはそれ未満で凍結する(すなわち、血清C3の事前の切断なし)。
*試験条件番号2:軽いボルテックス混合で成分を混合し、37℃(±2℃)で2時間インキュベートする(すなわち、MTSP-1ポリペプチド(配列番号35)による血清C3の事前の切断)。
これらのデータから、C3を配列番号35のMTSP-1変異体(QHAR/ASHL部位でC3を切断する)と共にプレインキュベートすることは、実質的にヒト血清で補体活性化を阻害することが実証される。ヒト血清とMTSP-1変異体との1時間のプレインキュベーションは、血清の溶血活性をおよそ80%低減する。
MTSP-1における個々の突然変異の構造-活性相関を確立するための例示的なMTSP-1変異体の部位特異的変異誘発
各置き換え、挿入または欠失、部位特異的変異誘発の作用を評価するために、改変Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D(開始の変異体)を含有するMTSP-1変異体の14種の変異体を作製することを使用した。14種の変異体のそれぞれは、開始の変異体中の各単一の突然変異した残基(C122Sを除いて)が野生型MTSP-1に存在する対応するアミノ酸に「先祖返りした」(各変異体において1つ)単一の突然変異(開始の変異体と比較して)を含有していた。これらの変異体は、以下の表23に、配列番号4に記載のWT MTSP-1プロテアーゼドメインを参照して示される。網掛けしたセルは、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、配列番号4に記載の参照MTSP-1ポリペプチドと比較した場合、この残基で突然変異していることを示す。網掛けのないセルは、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、配列番号4に記載の参照MTSP-1ポリペプチドと同じアミノ酸を含有することを示す。
選択された各変異体の抗C3活性を、上述したようにC3切断についてのED50を測定することによって評価し、各変異体の安定性を、以下に示すように、緩衝液[リン酸緩衝生理食塩水(PBS)]または80%カニクイザル硝子体液のいずれかで7日間インキュベートした後に蛍光発生基質AGR-ACCを使用して残留した酵素活性を測定することによって評価した。これらのデータから、「開始の変異」ポリペプチドのおよそ50%が、硝子体液中のC3に対して、配列番号4に記載の配列を有する参照野生型MTSP-1プロテアーゼドメインより大きい活性を呈示することが実証される。加えて、改変されたMTSP-1ポリペプチドの12/14が、配列番号4の参照野生型プロテアーゼドメインと比較して硝子体液中でより安定であり、一部が他のものより高い安定性を示す。以下の表に記載のものなどのAMDなどの眼の適応症の治療剤候補は、硝子体液中で高いC3切断活性および高い安定性を呈示する変異体である。
改変されたMTSP-1ポリペプチドのC3活性(すなわち、ED50)を、上述したようにインビトロで測定した。カニクイザル硝子体液またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)のいずれかの中での7日間インキュベーション後のMTSP-1ポリペプチドの安定性を、蛍光発生基質AGR-ACCを使用した活性アッセイで測定した。
表23
Figure 0007091373000110
実施例および上記に記載のデータは、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、ヒトC3を効率的に切断し、硝子体液中で7日間のインキュベーション後にこの活性の59~94%を維持することを示す。
例えば、改変されたMTSP-1ポリペプチドは、ヒトC3を残基740と残基741との間(配列番号9)で切断し、それによってC3を不活性化する。
残基番号
Q H A R ↓ A S H L 737~744
P4 P3 P1 ↓P1’ P4’。
改変されたMTSP-1ポリペプチド、例えば突然変異:
Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/G151H/Q175L/Q192DまたはQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D
を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドの機能的な結果[式中C122Sは、凝集を低減するために含まれる(例えば、これらの突然変異を含有する改変されたMTSP-1ポリペプチドのプロテアーゼドメインを記載する配列番号35を参照)]は、以下の通りである。
Q38H - この突然変異は、C3活性をおよそ3.7倍増加させる。
I41S - この突然変異は、抗C3活性をおよそ44.6倍増加させる。
D60bT - この突然変異は、抗C3活性をおよそ2.8倍増加させる。
F60eS - この突然変異は、抗C3活性をおよそ1.9倍増加させる。
Y60gW - この突然変異は、酵素の基質特異性を増加させ、抗C3活性をおよそ4.8倍増加させる。
D96K - この突然変異は、抗C3活性をおよそ2.6倍増加させる。
F97G - この突然変異は、抗C3活性をおよそ4.3倍増加させ、基質特異性を増加させる。
インサート97aV:この突然変異は、改変されたMTSP-1ポリペプチドの基質特異性を増加させ、37℃での1週間のインキュベーション後、改変されたMTSP-1ポリペプチドの安定性を約4.8倍増加させ、抗C3活性をおよそ1.7倍増加させる。
T98P:この突然変異は、37℃で1週間のインキュベーション後、酵素の安定性を1.4倍増加させ、抗C3活性をおよそ2.2倍増加させる。
F99L:この突然変異は、抗C3活性をおよそ3.9倍増加させる。
G151H:この突然変異は、抗C3活性をおよそ1.2倍増加させる。
Q175L:この突然変異は、抗C3活性をおよそ4.3倍増加させる。
Q192D:この突然変異は、37℃で1週間のインキュベーション後、硝子体液中での安定性を5.1倍増加させる。
ポリペプチドのなかでも、突然変異Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192DおよびI41D/C122S/G151N/Q192Tを含有するポリペプチドが、DGFおよび/またはAMDの処置に使用するためのものである。
MTSP-1ポリペプチド中の全ての残基は、キモトリプシンの番号付けにより参照される。未改変のMTSP-1ポリペプチドは、それぞれ、配列番号1~4のもの、WT全長MTSP-1、WTプロテアーゼドメインMTSP-1、WT成熟MTSP-1、C122Sを有する全長MTSP-1、C122Sを有するプロテアーゼドメインMTSP-1、C122Sを有する成熟MTSP-1を包含し、ここで番号付けは、キモトリプシンの番号付けによる。全ての改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C122Cの代わりに置き換えC122Sを含んでいてもよい。
この分野における当業者にとって改変は明らかであるため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図される。

Claims (48)

  1. Q38H、I41S、D60bT、F60eS、Y60gW、ins97aV、D96K、およびF97Gから選択される1つまたは複数のアミノ酸改変を含む改変された膜型セリンプロテアーゼ1(MTSP-1)ポリペプチドであって、前記アミノ酸改変により、改変されたMTSP-1ポリペプチドが、MTSP-1ポリペプチドの未改変の活性形態と比較して補体タンパク質に対して増加した活性および/または特異性を有し、
    未改変のMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれかに記載のアミノ酸の配列、または前記アミノ酸改変位置を含むその触媒活性フラグメントからなり
    改変されたMTSP-1ポリペプチドは、配列番号1~4のいずれか1つの未改変のMTSP-1ポリペプチドと、少なくとも90%配列同一性を有し;
    さらなるアミノ酸改変は、未改変のMTSP-1ポリペプチドにおける置き換え、挿入および/または欠失から選択され;
    補体タンパク質は、C3であり;
    改変されたMTSP-1ポリペプチドは、C3を不活性化するC3中の標的部位を切断し、それによって、補体活性化を阻害または低減し;
    残基は、キモトリプシンの番号付けによって番号付けられ;そして
    対応する残基は、アライメントおよびキモトリプシンの番号付けによって決定される、
    改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  2. C3中の標的部位が、配列番号9の残基737~744を含む、請求項1に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  3. 切断が、配列番号9の残基740と残基741との間であり、それにより切断が、QHAR↓ASHLで起こる、請求項2に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  4. 未改変のMTSP-1ポリペプチドが、配列番号4に記載のアミノ酸の配列からなる、請求項1から3のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  5. 配列番号1~4のいずれかの未改変のMTSP-1ポリペプチドまたはそれらの触媒活性部分と比較して、最大15個のアミノ酸の置き換え、挿入または欠失を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  6. Q38Hに対応する改変を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  7. I41Sに対応する改変をさらに含む、請求項に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  8. I41Sに対応する改変を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  9. D60bT、F60eS、Y60gW、F97G、ins97aV、D96K、T98P、F99L、G151H、Q175LまたはQ192Dに対応する1つまたは複数の改変をさらに含む、請求項またはに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  10. Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bT/F60eK/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bT/F60eK/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97D/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/F97T/ins97aE/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97Y/ins97aN/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97D/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96P/F97W/ins97aN/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192E、または
    Q38H/I41A/D60bV/F60eR/Y60gW/D96I/F97N/T98G/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96Y/F97E/ins97aV/T98G/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96L/F97D/ins97aG/T98N/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192E、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96V/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97D/ins97aA/T98P/F99L/C122S/G151N/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L、または
    I41S/F99L/C122S/G151N/Q192V、または
    I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q192D、または
    Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D、または
    Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D/D217V、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
    I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192D/D217V、または
    I41S/D96M/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192V/D217I、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192H、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192N/D217V、または
    I41S/D60bY/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192V、または
    I41S/P49S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q192G/D217V、または
    I41S/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192N/D217V
    のいずれかに対応する改変、またはC122Sが未改変であり、C122Cであることを除いて同じ改変を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  11. 改変Q38H、I41S、D60bT、F60eS、Y60gW、D96K、F97G、およびIns97aVの1つまたは複数を含む以下の組合せ:
    Ins97aV、Ins97aV/G151H、F97G、F97G/G151H、F97G/Ins97aV、F97G/Ins97aV/G151H、D96K、D96K/G151H、D96K/Ins97aV、D96K/Ins97aV/G151H、D96K/F97G、D96K/F97G/G151H、D96K/F97G/Ins97aV、D96K/F97G/Ins97aV/G151H、Y60gW、Y60gW/G151H、Y60gW/Ins97aV、Y60gW/Ins97aV/G151H、Y60gW/F97G、Y60gW/F97G/G151H、Y60gW/F97G/Ins97aV、Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、Y60gW/D96K、Y60gW/D96K/G151H、Y60gW/D96K/Ins97aV、Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、Y60gW/D96K/F97G、Y60gW/D96K/F97G/G151H、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS、F60eS/G151H、F60eS/Ins97aV、F60eS/Ins97aV/G151H、F60eS/F97G、F60eS/F97G/G151H、F60eS/F97G/Ins97aV、F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/D96K、F60eS/D96K/G151H、F60eS/D96K/Ins97aV、F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、F60eS/D96K/F97G、F60eS/D96K/F97G/G151H、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW、F60eS/Y60gW/G151H、F60eS/Y60gW/Ins97aV、F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/F97G、F60eS/Y60gW/F97G/G151H、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/D96K、F60eS/Y60gW/D96K/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/F97G、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT、D60bT/G151H、D60bT/Ins97aV、D60bT/Ins97aV/G151H、D60bT/F97G、D60bT/F97G/G151H、D60bT/F97G/Ins97aV、D60bT/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/D96K、D60bT/D96K/G151H、D60bT/D96K/Ins97aV、D60bT/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/D96K/F97G、D60bT/D96K/F97G/G151H、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW、D60bT/Y60gW/G151H、D60bT/Y60gW/Ins97aV、D60bT/Y60gW/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/F97G、D60bT/Y60gW/F97G/G151H、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/D96K、D60bT/Y60gW/D96K/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/F97G、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/G151H、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS、D60bT/F60eS/G151H、D60bT/F60eS/Ins97aV、D60bT/F60eS/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/F97G、D60bT/F60eS/F97G/G151H、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/D96K、D60bT/F60eS/D96K/G151H、D60bT/F60eS/D96K/Ins97aV、D60bT/F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/D96K/F97G、D60bT/F60eS/D96K/F97G/G151H、D60bT/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW、D60bT/F60eS/Y60gW/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S、I41S/G151H、I41S/Ins97aV、I41S/Ins97aV/G151H、I41S/F97G、I41S/F97G/G151H、I41S/F97G/Ins97aV、I41S/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D96K、I41S/D96K/G151H、I41S/D96K/Ins97aV、I41S/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D96K/F97G、I41S/D96K/F97G/G151H、I41S/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW、I41S/Y60gW/G151H、I41S/Y60gW/Ins97aV、I41S/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/F97G、I41S/Y60gW/F97G/G151H、I41S/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/D96K、I41S/Y60gW/D96K/G151H、I41S/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/Y60gW/D96K/F97G、I41S/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS、I41S/F60eS/G151H、I41S/F60eS/Ins97aV、I41S/F60eS/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/F97G、I41S/F60eS/F97G/G151H、I41S/F60eS/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/D96K、I41S/F60eS/D96K/G151H、I41S/F60eS/D96K/Ins97aV、I41S/F60eS/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/D96K/F97G、I41S/F60eS/D96K/F97G/G151H、I41S/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW、I41S/F60eS/Y60gW/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/F97G、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT、I41S/D60bT/G151H、I41S/D60bT/Ins97aV、I41S/D60bT/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/F97G、I41S/D60bT/F97G/G151H、I41S/D60bT/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/D96K、I41S/D60bT/D96K/G151H、I41S/D60bT/D96K/Ins97aV、I41S/D60bT/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/D96K/F97G、I41S/D60bT/D96K/F97G/G151H、I41S/D60bT/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW、I41S/D60bT/Y60gW/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/F97G、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/G151H、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV、I41S/D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/G151H、I41S/D60bT/F60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  12. Q38H、I41S、D60bT、F60eS、Y60gW、D96K、F97G、およびIns97aVから選択される1つまたは複数を含み、および置き換えT98P/F99L/Q175L/Q192D、および適宜C122Sを含む以下の置き換えの組合せ:
    Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、F60eS/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/Y60gW/D96K/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/F97G/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/F97G/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/F97G/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/D96K/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/D96K/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、D60bT/F60eS/D96K/Ins97aV/T98P/F99L/C122S/Q175L/Q192D、D60bT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  13. Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192DまたはQ38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/G151H/Q175L/Q192Dに対応する改変を含み、未改変のMTSP-1ポリペプチドが、配列番号2または配列番号4のプロテアーゼドメインからなる、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  14. 配列番号23、24、27、29、31、32、35-37、39、40、43、47-59、64、65、73、238、271、283、287-292、294、295、297、301-304、306-317、319、320、322、324-345、348-356、358、361、362、364、366、369、372-451、453、456-496、500、546、567-571、577、579、581、586、588-590、596、612、614、616-618、620-624、627-632、634-636、638-641、644-659、662-664、666、667、672、673、および675-688のいずれかに記載のアミノ酸残基の配列またはC122Sが未改変であり、C122Cであることを除いて同じ改変を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  15. 配列番号35に記載のアミノ酸残基の配列を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  16. キモトリプシンの番号付けによって位置122での残基がシステイン(C)であることを除いて、配列番号35に記載のアミノ酸残基の配列を含む、請求項1からのいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  17. 未改変のMTSP-1ポリペプチドが、配列番号2または4に記載のアミノ酸残基の配列からなる、請求項1から16のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  18. 配列番号1~4のいずれか1つの未改変のMTSP-1ポリペプチドと、少なくとも95%配列同一性を有する、請求項1から17のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  19. 血清中半減期を増加させる、もしくは免疫原性を低減する、またはその両方のためのポリマーによって改変されている、請求項1から18のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  20. PEG化されている、請求項19に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  21. PEG化されている、請求項10に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  22. kDから50kDの範囲の分子量を有するPEGを含む、請求項19から21のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  23. 40kDの分子量を有するPEGを含む、請求項22に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  24. 分岐状PEGを含む、請求項19から23のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  25. PEGが改変されたMTSP-1ポリペプチドにおけるシステイン残基を介して連結される、請求項20から24のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  26. 改変されたMTSP-1ポリペプチドにおけるシステイン残基を介して連結されたPEG-マレイミドを含む、請求項19から25のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド。
  27. 多量体化ドメインまたはタンパク質形質導入ドメイン(PTD)に連結されている、請求項1から26のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは改変されたMTSP-1ポリペプチドの触媒活性部分を含む、融合タンパク質。
  28. ポリペプチドが、Fcドメインである多量体化ドメインに連結されている、請求項27に記載の融合タンパク質。
  29. 請求項1から26のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む、核酸分子。
  30. 請求項29に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  31. 真核生物ベクターである、請求項30に記載のベクター。
  32. 請求項29に記載の核酸分子または請求項30または31に記載のベクターを含む、単離された細胞または細胞培養物であって、単離された細胞がヒト接合体ではない、単離された細胞または細胞培養物。
  33. 医薬的に許容される媒体中に、請求項1から26のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または請求項27または28に記載の融合タンパク質、または請求項29に記載の核酸、または請求項30または31に記載のベクターを含む、医薬組成物。
  34. 補体活性化が媒介するかまたはそれが関与する疾患または状態を処置することにおいて使用するための、請求項1から26のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または請求項27または28に記載の融合タンパク質、または請求項29に記載の核酸、または請求項30または31に記載のベクターであって、補体活性化の阻害が、前記疾患または状態の処置または緩和をもたらす、改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  35. 補体が媒介する疾患または状態が、敗血症、リウマチ様関節炎(RA)、眼疾患、膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、喘息、炎症性腸疾患、免疫複合体(IC)媒介急性炎症性組織損傷、アルツハイマー病(AD)、および虚血再灌流傷害から選択される、請求項34に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  36. 疾患または状態が、眼疾患であるか、または移植した臓器の拒絶反応もしくはそれに起因する炎症である、請求項34に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  37. 疾患または状態が、糖尿病性網膜症または黄斑変性症である、請求項36に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  38. 疾患または状態が、加齢性黄斑変性症(AMD)である黄斑変性症である、請求項37に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  39. 疾患または状態が眼科障害または眼の障害であり、改変されたMTSP-1ポリペプチドが眼に投与される、請求項34から38のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  40. 障害が、黄斑変性症または糖尿病性網膜症である、請求項39に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  41. 疾患が、加齢性黄斑変性症(AMD)である、請求項40に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  42. 疾患または状態が、腎移植後臓器機能障害(DGF)である、請求項34または36に記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  43. 改変されたMTSP-1ポリペプチドがPEG化されている、請求項34から42のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  44. 配列番号35に記載のアミノ酸残基の配列、または、位置122での残基がシステイン(C)であることを除いて、配列番号35に記載のアミノ酸の配列を含む、請求項34から43のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  45. 改変されたMTSP-1ポリペプチドが、改変Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/C122S/G151H/Q175L/Q192D、または
    Q38H/I41S/D60bT/F60eS/Y60gW/D96K/F97G/ins97aV/T98P/F99L/G151H/Q175L/Q192Dを含む、請求項34から44のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチド、または融合タンパク質、または核酸、またはベクター。
  46. 改変されたMTSP-1ポリペプチドがPEG化されている、請求項1から18のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは請求項27または28に記載の融合タンパク質。
  47. 改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは融合タンパク質を作製する方法であって、
    請求項1から26のいずれかに記載の改変されたMTSP-1ポリペプチドまたは請求項27または28に記載の融合タンパク質をコードする核酸またはベクターを細胞にインビトロ(in vitro)で導入すること;
    前記コードされた改変されたMTSP-1ポリペプチドが発現される条件下で細胞を培養すること;および
    発現されたポリペプチドを単離すること
    を含む、方法。
  48. 改変されたMTSP-1ポリペプチドをコードする核酸が、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)タグをコードする核酸と作動可能に連結している、請求項47に記載の方法。
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