JP7086317B1 - めっき処理方法 - Google Patents

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Abstract

膜の下面に全体的に滞留した気泡に起因して基板のめっき品質が悪化することを抑制することができる技術を提供する。めっき処理方法は、アノード液を膜40の下方且つ第1領域R1よりも上方に位置する第2領域R2に案内することで、第2領域のアノード液に含まれる気泡の濃度を第1領域のアノード液に含まれる気泡の濃度よりも低くするステップと、第1領域からアノード液を排出するステップと、第2領域からアノード液を排出するステップと、基板Wfが配置されたカソード室12にカソード液を供給するステップと、基板Wfとアノード13との間に電気を流して基板に金属を電気めっきするステップと、を含んでいる。

Description

本発明は、めっき処理方法に関する。
従来、基板にめっき処理を施すめっき装置として、いわゆるカップ式のめっき装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。このようなめっき装置は、めっき液を貯留するとともにアノードが配置されためっき槽と、アノードよりも上方に配置されて、カソードとしての基板を、この基板のめっき面がアノードに対向するように保持する基板ホルダと、を備えている。
また、このようなめっき装置は、アノードよりも上方且つ基板よりも下方の箇所に、めっき液に含まれるイオン種(金属イオンを含むイオン種)の通過を許容しつつ、めっき液に含まれる非イオン系のめっき添加剤の通過を抑制するように構成された膜を有している。この膜は、この膜よりも下方に、上述したアノードが配置されたアノード室を区画している。
特開2008-19496号公報 米国特許第9068272号明細書
上述したような、カップ式のめっき装置において、何らかの原因により、アノード室に気泡が発生することがある。このようにアノード室に気泡が発生して、この気泡が膜の下面に全体的に滞留した場合、この気泡に起因して基板のめっき品質が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、膜の下面に全体的に滞留した気泡に起因して基板のめっき品質が悪化することを抑制することができる技術を提供することを目的の一つとする。
(態様1)
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るめっき装置は、基板に金属を電気めっきするめっき処理方法であって、膜によってカソード室から分離されるとともにアノードが配置されたアノード室の第1領域にアノード液を供給するステップであって、金属イオンを含むイオン種が前記膜を通過することを許容する一方で、非イオン性のめっき添加剤が前記膜を通過することを抑制するステップと、アノード液を、前記膜の下方且つ前記第1領域よりも上方に位置する第2領域に案内することで、前記第2領域のアノード液に含まれる気泡の濃度を前記第1領域のアノード液に含まれる気泡の濃度よりも低くするステップと、前記第1領域からアノード液を排出するステップと、前記第2領域からアノード液を排出するステップと、前記基板が配置された前記カソード室にカソード液を供給するステップと、前記基板と前記アノードとの間に電気を流して、前記基板に金属を電気めっきするステップと、を含む。
この態様によれば、膜の下方且つ第1領域よりも上方に位置する第2領域のアノード液に含まれる気泡の濃度が第1領域のアノード液に含まれる気泡の濃度よりも低いので、気泡が膜の下面に全体的に滞留することを抑制することができる。この結果、膜の下面に全体的に滞留した気泡に起因して、基板のめっき品質が悪化することを抑制することができる。
(態様2)
上記の態様1において、前記第2領域は、前記膜よりも下方に配置された第2の膜よりも上方且つ前記膜よりも下方の領域であり、前記第1領域は、前記第2の膜よりも下方の領域であってもよい。
(態様3)
上記の態様2において、前記第2の膜は、水平方向に対して傾斜する傾斜部位を有していてもよい。
この態様によれば、アノード室に発生した気泡を、浮力を利用して第2膜の傾斜部位の下面に沿って移動させて第2膜の傾斜部位の外縁に移動させることができる。
(態様4)
上記の態様3において、前記傾斜部位は、前記アノード室の中央側から前記アノード室の外縁側に向かうに従って上方に位置するように傾斜していてもよい。
(態様5)
上記の態様2~4のいずれか1態様において、前記第2の膜の下面は前記膜の下面よりも平滑であってもよい。
この態様によれば、気泡を第2膜の傾斜部位の下面に沿って効果的に移動させることができる。
実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す斜視図である。 実施形態に係るめっき装置の全体構成を示す平面図である。 実施形態に係るめっきモジュールの構成を模式的に示す図である。 図3のA1部分の拡大図である。 実施形態に係る第2膜の模式的な下面図である。 実施形態に係るサポート部材の模式的な下面図である。 図3のA2部分の模式的な拡大図である。 実施形態に係るめっき処理方法を説明するためのフローチャートの一例である。 実施形態の変形例1に係るサポート部材の構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。具体的には、最初に本実施形態に係るめっき処理方法で使用されるめっき装置1000の一例について説明し、次いで、本実施形態に係るめっき処理方法について説明する。なお、図面は、特徴の理解を容易にするために模式的に図示されており、各構成要素の寸法比率等は実際のものと同じであるとは限らない。また、いくつかの図面には、参考用として、X-Y-Zの直交座標が図示されている。この直交座標のうち、Z方向は上方に相当し、-Z方向は下方(重力が作用する方向)に相当する。
図1は、本実施形態のめっき装置1000の全体構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態のめっき装置1000の全体構成を示す平面図である。図1及び図2に示すように、めっき装置1000は、ロードポート100、搬送ロボット110、アライナ120、プリウェットモジュール200、プリソークモジュール300、めっきモジュール400、洗浄モジュール500、スピンリンスドライヤ600、搬送装置700、及び、制御モジュール800を備える。
ロードポート100は、めっき装置1000に図示していないFOUPなどのカセットに収容された基板を搬入したり、めっき装置1000からカセットに基板を搬出するためのモジュールである。本実施形態では4台のロードポート100が水平方向に並べて配置されているが、ロードポート100の数及び配置は任意である。搬送ロボット110は、基板を搬送するためのロボットであり、ロードポート100、アライナ120、及び搬送装置700の間で基板を受け渡すように構成される。搬送ロボット110及び搬送装置700は、搬送ロボット110と搬送装置700との間で基板を受け渡す際には、仮置き台(図示せず)を介して基板の受け渡しを行うことができる。
アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせるためのモジュールである。本実施形態では2台のアライナ120が水平方向に並べて配置されているが、アライナ120の数及び配置は任意である。プリウェットモジュール200は、めっき処理前の基板の被めっき面を純水または脱気水などの処理液で濡らすことで、基板表面に形成されたパターン内部の空気を処理液に置換する。プリウェットモジュール200は、めっき時にパターン内部の処理液をめっき液に置換することでパターン内部にめっき液を供給しやすくするプリウェット処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリウェットモジュール200が上下方向に並べて配置されているが、プリウェットモジュール200の数及び配置は任意である。
プリソークモジュール300は、例えばめっき処理前の基板の被めっき面に形成したシード層表面等に存在する電気抵抗の大きい酸化膜を硫酸や塩酸等の処理液でエッチング除去してめっき下地表面を洗浄または活性化するプリソーク処理を施すように構成される。本実施形態では2台のプリソークモジュール300が上下方向に並べて配置されているが、プリソークモジュール300の数及び配置は任意である。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。本実施形態では、上下方向に3台かつ水平方向に4台並べて配置された12台のめっきモジュール400のセットが2つあり、合計24台のめっきモジュール400が設けられているが、めっきモジュール400の数及び配置は任意である。
洗浄モジュール500は、めっき処理後の基板に残るめっき液等を除去するために基板に洗浄処理を施すように構成される。本実施形態では2台の洗浄モジュール500が上下方向に並べて配置されているが、洗浄モジュール500の数及び配置は任意である。スピンリンスドライヤ600は、洗浄処理後の基板を高速回転させて乾燥させるためのモジュールである。本実施形態では2台のスピンリンスドライヤ600が上下方向に並べて配置されているが、スピンリンスドライヤ600の数及び配置は任意である。搬送装置700は、めっき装置1000内の複数のモジュール間で基板を搬送するための装置である。制御モジュール800は、めっき装置1000の複数のモジュールを制御するように構成され、例えばオペレータとの間の入出力インターフェースを備える一般的なコンピュータまたは専用コンピュータから構成することができる。
めっき装置1000による一連のめっき処理の一例を説明する。まず、ロードポート100にカセットに収容された基板が搬入される。続いて、搬送ロボット110は、ロードポート100のカセットから基板を取り出し、アライナ120に基板を搬送する。アライナ120は、基板のオリエンテーションフラットやノッチなどの位置を所定の方向に合わせる。搬送ロボット110は、アライナ120で方向を合わせた基板を搬送装置700へ受け渡す。
搬送装置700は、搬送ロボット110から受け取った基板をプリウェットモジュール200へ搬送する。プリウェットモジュール200は、基板にプリウェット処理を施す。搬送装置700は、プリウェット処理が施された基板をプリソークモジュール300へ搬送する。プリソークモジュール300は、基板にプリソーク処理を施す。搬送装置700は、プリソーク処理が施された基板をめっきモジュール400へ搬送する。めっきモジュール400は、基板にめっき処理を施す。
搬送装置700は、めっき処理が施された基板を洗浄モジュール500へ搬送する。洗浄モジュール500は、基板に洗浄処理を施す。搬送装置700は、洗浄処理が施された基板をスピンリンスドライヤ600へ搬送する。スピンリンスドライヤ600は、基板に乾燥処理を施す。搬送装置700は、乾燥処理が施された基板を搬送ロボット110へ受け渡す。搬送ロボット110は、搬送装置700から受け取った基板をロードポート100のカセットへ搬送する。最後に、ロードポート100から基板を収容したカセットが搬出される。
なお、図1や図2で説明しためっき装置1000の構成は、一例に過ぎず、めっき装置1000の構成は、図1や図2の構成に限定されるものではない。
続いて、めっきモジュール400について説明する。なお、本実施形態に係るめっき装置1000が有する複数のめっきモジュール400は同様の構成を有しているので、1つのめっきモジュール400について説明する。
図3は、本実施形態に係るめっき装置1000における一つのめっきモジュール400の構成を模式的に示す図である。本実施形態に係るめっき装置1000は、カップ式のめっき装置である。本実施形態に係るめっき装置1000のめっきモジュール400は、めっき槽10と、基板ホルダ20と、回転機構30と、昇降機構35とを備えている。なお、図3において、一部の部材はその断面が模式的に図示されている。
図3に示すように、本実施形態に係るめっき槽10は、上方に開口を有する有底の容器によって構成されている。具体的には、めっき槽10は、底壁10aと、この底壁10aの外縁から上方に延在する外周壁10bとを有しており、この外周壁10bの上部が開口している。なお、めっき槽10の外周壁10bの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態に係る外周壁10bは、一例として円筒形状を有している。めっき槽10の内部には、めっき液Psが貯留されている。また、めっき槽10の外周壁10bの外周側には、めっき槽10からオーバーフローしためっき液Psを一時的に貯留するためのオーバーフロー槽10cが設けられている。
めっき液Psとしては、めっき皮膜を構成する金属元素のイオンを含む溶液であればよく、その具体例は特に限定されるものではない。本実施形態においては、めっき処理の一例として、銅めっき処理を用いており、めっき液Psの一例として、硫酸銅溶液を用いている。
また、本実施形態において、めっき液Psには非イオン系のめっき添加剤が含まれている。この非イオン系のめっき添加剤は、めっき液Ps中においてイオン性を示さない添加剤を意味している。
めっき槽10の内部には、アノード13が配置されている。本実施形態に係るアノード13は、水平方向に延在するように配置されている。アノード13の具体的な種類は特に限定されるものではなく、不溶解アノードであってもよく、溶解アノードであってもよい。本実施形態では、アノード13の一例として、不溶解アノードを用いている。この不溶解アノードの具体的な種類は特に限定されるものではなく、白金や酸化イリジウム等を用いることができる。
めっき槽10の内部におけるアノード13よりも上方且つ基板Wfよりも下方(本実施形態ではさらにイオン抵抗体14よりも下方)の箇所には、第1膜40が配置されている。第1膜40は、めっき槽10の内部を上下方向に2分割している。第1膜40よりも下方に区画された領域をアノード室11と称する。第1膜40よりも上方に区画された領域をカソード室12と称する。前述したアノード13は、アノード室11に配置されている。
第1膜40は、めっき液Psに含まれる金属イオンを含むイオン種が第1膜40を通過することを許容しつつ、めっき液Psに含まれる非イオン系のめっき添加剤が第1膜40を通過することを抑制するように構成された膜である。具体的には、第1膜40は、複数の孔(微細孔と称する)を有している。この複数の微細孔の平均的な直径はナノメートルサイズ(すなわち、1nm以上999nm以下のサイズ)である。これにより、金属イオンを含むイオン種(これはナノメートルサイズである)が第1膜40の微細孔を通過することは許容される一方で、非イオン系のめっき添加剤(これは、ナノメートルサイズよりも大きい)が第1膜40の微細孔を通過することは抑制されている。このような第1膜40として、例えばイオン交換膜を用いることができる。第1膜40の具体的な製品名を挙げると、例えば、ケマーズ社製のナフィオン膜(Nafion膜)等が挙げられる。
なお、図3に例示する第1膜40は水平方向に延在しているが、この構成に限定されるものではない。他の例を挙げると、第1膜40は、水平方向に対して傾斜するように延在していてもよい。
本実施形態のように、めっき槽10の内部に第1膜40が配置されていることで、カソード室12のめっき液Psに含まれるめっき添加剤のアノード室11への移動を抑制することができる。これにより、カソード室12のめっき液Psに含まれるめっき添加剤の消耗量の低減を図ることができる。
基板ホルダ20は、カソードとしての基板Wfを、基板Wfの被めっき面(下面)がアノード13に対向するように保持している。基板ホルダ20は、回転機構30に接続されている。回転機構30は、基板ホルダ20を回転させるための機構である。回転機構30は、昇降機構35に接続されている。昇降機構35は、上下方向に延在する支柱36によってサポートされている。昇降機構35は、基板ホルダ20及び回転機構30を昇降させるための機構である。なお、基板Wf及びアノード13は、通電装置(図示せず)と電気的に接続されている。通電装置は、めっき処理の実行時に、基板Wfとアノード13との間に電気を流すための装置である。
めっきモジュール400の被制御部(回転機構30、昇降機構35、通電装置等)の動作は制御モジュール800によって制御されている。なお、制御モジュール800は、プロセッサと、プログラムを記憶した記憶媒体とを備えている。プロセッサは、プログラムの指示に基づいて各種の制御処理を実行する。
カソード室12には、イオン抵抗体14が配置されている。具体的には、イオン抵抗体14は、カソード室12における第1膜40よりも上方且つ基板Wfよりも下方の箇所に設けられている。イオン抵抗体14は、イオンの移動に対する抵抗として機能する部材であり、アノード13と基板Wfとの間に形成される電場の均一化を図るために設けられている部材である。具体的には、イオン抵抗体14は、イオン抵抗体14の上面と下面とを貫通するように設けられた複数の孔(細孔)を有している。イオン抵抗体14の具体的な材質は特に限定されるものではないが、本実施形態においては一例として、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂を用いている。
めっきモジュール400がイオン抵抗体14を有することで、基板Wfに形成されるめっき皮膜(めっき層)の膜厚の均一化を容易に図ることができる。なお、このイオン抵抗体14は、本実施形態に必須の部材ではなく、めっきモジュール400は、イオン抵抗体14を備えていない構成とすることもできる。
めっきモジュール400は、アノード室11にめっき液Psを供給するためのアノード用供給口15を備えている。図7は、図3のA2部分の模式的な拡大図である。図3及び図7に示すように、めっきモジュール400は、アノード室11の後述する第1領域R1からめっき液Psをアノード室11の外部に排出するためのアノード用排出口16aと、アノード室11の後述する第2領域R2からめっき液Psをアノード室11の外部に排出するためのアノード用排出口16bと、を備えている。本実施形態に係るアノード用供給口15は、一例として、めっき槽10の底壁10aに配置されている。アノード用排出口16a,16bは、一例として、めっき槽10の外周壁10bに配置されている。
また、めっきモジュール400は、カソード室12にめっき液Psを供給するためのカソード用供給口17と、カソード室12からオーバーフローしてオーバーフロー槽10cに流入しためっき液Psをオーバーフロー槽10cから排出するためのカソード用排出口18と、を備えている。本実施形態に係るカソード用供給口17は、カソード室12におけるめっき槽10の外周壁10bの部分(すなわち、外周壁10bの壁面部分)に設けられている。カソード用排出口18は、オーバーフロー槽10cに設けられている。
基板Wfにめっき処理を施す際には、まず、回転機構30が基板ホルダ20を回転させるとともに、昇降機構35が基板ホルダ20を下方に移動させて、基板Wfをめっき槽10のめっき液Ps(カソード室12のめっき液Ps)に浸漬させる。次いで、通電装置によって、アノード13と基板Wfとの間に電気が流される。これにより、基板Wfの被めっき面に、めっき皮膜が形成される。
ところで、本実施形態のようなカップ式のめっき装置1000において、何らかの原因により、アノード室11に気泡Bu(この符号は、後述する図7に記載されている)が発生することがある。具体的には、本実施形態のように、アノード13として不溶解アノードを用いる場合、めっき処理の実行時(通電時)に、アノード室11には以下の反応式に基づいて酸素(O)が発生する。この場合、この発生した酸素が気泡Buとなる。
2HO→O+4H++4e-
また、仮に、アノード13として溶解アノードを用いる場合には、上記のような反応式は生じないが、例えば、アノード室11にめっき液Psを最初に供給する際に、空気がめっき液Psとともにアノード室11に流入するおそれがある。したがって、アノード13として溶解アノードを用いる場合においても、アノード室11に気泡Buが発生する可能性がある。
上述したように、アノード室11に気泡Buが発生した場合において、仮に、この気泡Buが第1膜40や、後述する第2膜50の下面に全体的に滞留した場合、この気泡Buが電場を遮断するおそれがある。この場合、基板Wfのめっき品質が悪化するおそれがある。そこで、本実施形態では、このような問題に対処するために、以下に説明する技術を用いている。
図4は、図3のA1部分の拡大図である。図3及び図4を参照して、本実施形態に係るめっきモジュール400は、第2膜50と、サポート部材60と、を備えている。図5は、第2膜50の模式的な下面図である。
図3、図4及び図5を参照して、第2膜50は、めっき液Psに含まれる金属イオンを含むイオン種が第2膜50を通過することを許容しつつ、気泡Buが第2膜50を通過することを抑制するように構成された膜である。具体的には、第2膜50は、複数の孔(微細孔と称する)を有している。この複数の微細孔の平均的な直径はナノメートルサイズである。これにより、金属イオンを含むイオン種が第2膜50の微細孔を通過することは許容される一方で、気泡Bu(これは、ナノメートルサイズよりも大きい)が第2膜50の微細孔を通過することは抑制されている。
第2膜50は、第1膜40と異なる種類の膜を用いることが望ましい。たとえば、第2膜50は、材質、表面特性(疎水性、親水性など)、表面粗さ、微細孔の寸法や密度などが第1膜40と異なるものとすることができる。一実施形態として、第1膜40として、めっき液Psに含まれ得るめっき添加剤の移動を抑制する性能が優れた膜を使用し、第2膜50として、気泡Buが付着し難い気泡Buの流れ特性の優れた膜を使用することができる。なお、この第2膜50の微細孔の平均的な直径の大きさは、第1膜40の微細孔の平均的な直径よりも大きくてもよい。
なお、第2膜50の微細孔の平均的な直径の大きさの一例を挙げると、数十nm~数百nmの範囲から選択された値(この一例を挙げると、例えば10nm~300nmの範囲から選択された値)が挙げられる。また、第2膜50の表面粗さは小さい方が、気泡Buが付着し難くなる点で好ましい。また、第2膜50の表面が親水性である場合の方が、疎水性である場合よりも、気泡Buが付着し難くなる点で好ましい(一般に、気泡Buは疎水性である)。第2膜50の具体的な製品名を挙げると、例えば、株式会社ユアサメンブレンシステム製の「めっき用電解隔膜」等が挙げられる。
本実施形態によるめっきモジュール400は、第1膜40および第2膜50の2種類のイオン透過性の膜を使用している。膜の種類によっては、イオン透過性、添加剤の透過性、気泡の付着性などがそれぞれ異なり、1種類の膜のみではめっきモジュール400に望ましい機能を発揮することが難しい場合がある。そのため、本実施形態によるめっきモジュール400では、性質が異なる2種類のイオン透過性の膜を使うことでめっきモジュール400の全体の機能の向上を図ることができる。また、第2膜50として、第1膜40のイオン交換膜よりも安価な膜を用いることも可能である。
また、第2膜50は、第1膜40に接触しない態様で、第1膜40よりも下方且つアノード13よりも上方の箇所に配置されている。アノード室11における第2膜50よりも下方の領域を「第1領域R1」と称する。第2膜50よりも上方側且つ第1膜40よりも下方側の領域(すなわち、第1膜40と第2膜50との間の領域)を「第2領域R2」と称する。第2領域R2は、第1膜40の下面に接している。第2領域R2は、めっき液Psによって満たされている。また、第2膜50は、サポート部材60によってサポートされている。具体的には、本実施形態に係る第2膜50は、サポート部材60の下面に貼り付けられている。
図4及び図5を参照して、第2膜50には、第1領域R1のめっき液Psが第2領域R2に流入するための開口51が設けられている。第2膜50における開口51の形成箇所は、特に限定されるものではないが、本実施形態に係る開口51は、一例として、下面視で、第2膜50の中央に設けられている。これにより、本実施形態に係る第2膜50は、中央に開口51を有するリング形状を呈している。
なお、開口51の寸法、すなわち開口面積は、第2膜50を鉛直方向に投影した投影面積(本実施形態において、これは、めっき槽10の内部の水平方向の面積に等しい)の0.04%以上であり1.5%以下であることが望ましい。後述するアノード室11の第1領域R1と第2領域R2とは、第2膜50の開口51により流体接続される。また、開口51の個数は1つに限定されるものではなく、複数であってもよい。
また、本実施形態に係るアノード13及び第2膜50を上方側から視認した場合に、アノード13の上面が第2膜50で覆われるように、第2膜50の大きさは設定されている。換言すると、図3に示すように、アノード13の上面の任意の点からアノード13の上面の法線方向(本実施形態では鉛直方向)で上方に第1膜40まで仮想線L1を引いた場合に、この仮想線L1は第2膜50(具体的には、第2膜50の傾斜部位52又は開口51)を通過する。そのため、本実施形態においては、アノード13の表面で発生して上昇する気泡Buは第2膜50により遮られ、第2領域R2に流入しない。
本実施形態によれば、第1膜40よりも下方に第2膜50を備えており、この第2膜50によって、アノード室11が第1領域R1と第2領域R2とに区分されているので、アノード13から発生した気泡Buが第2領域R2に流入することが抑制されている。このため、第2領域R2のめっき液Psに含まれる気泡Buの濃度は、第1領域R1のめっき液Psに含まれる気泡Buの濃度よりも低い。具体的には、本実施形態に係る第2領域R2のめっき液Psは、実質的に気泡Buを含んでいない。
また、図4及び図5に例示するように、第2膜50は、傾斜部位52を有していてもよい。この傾斜部位52は、水平方向に対して傾斜している。また、傾斜部位52は、図4及び図5に例示するように、アノード室11の中央側からアノード室11の外縁側(すなわち、外周側)に向かうに従って上方に位置するように傾斜していてもよい。この傾斜部位52は、一例として、開口51の周囲を囲むように配置された曲面によって構成されている。具体的には、本実施形態に係る第2膜50は、傾斜部位52を円錐面(曲面)とする円錐台の外観形状を呈している。但し、これは第2膜50の形状の一例であり、第2膜50の形状は図3~図5に例示する形状に限定されるものではない。
上述したように第2膜50が傾斜部位52を有することで、図7に例示するように、アノード室11に気泡Buが発生した場合であっても、この気泡Buを、浮力を利用して第2膜50の傾斜部位52の下面に沿って移動させて、第2膜50の外縁に移動させることができる。これにより、アノード室11に発生した気泡Buが第1膜40及び第2膜50の下面に全体的に滞留することを抑制することができる。この結果、第1膜40及び第2膜50の下面に全体的に滞留した気泡Buに起因して、基板Wfのめっき品質が悪化することを抑制することができる。
なお、第2膜50の傾斜部位52の下面は、第1膜40の下面よりも平滑であることが好ましい。換言すると、第2膜50の傾斜部位52の下面の表面粗さ(Ra)は、第1膜40の下面の表面粗さ(Ra)よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、気泡Buを第2膜50の傾斜部位52の下面に沿って効果的に移動させることができる。これにより、気泡Buに起因して基板Wfのめっき品質が悪化することを効果的に抑制することができる。
なお、第2膜50の傾斜部位52の下面の水平方向に対する傾斜角度が大きいほど、気泡Buが第2膜50に付着し難くなる一方で、第2膜50の鉛直方向(上下方向)のサイズが大きくなる傾向がある。第2膜50の鉛直方向のサイズを大きくした場合、この第2膜50をめっき槽10の内部に収容するために、アノード13と基板Wfとの距離を大きくする必要が生じる。この場合、基板Wfに形成されるめっき皮膜の膜厚の均一性が良好でなくなるおそれがある。そこで、第2膜50への気泡Buの付着し難さと、第2膜50の鉛直方向のサイズとのバランスを考慮して、好適な傾斜角度を設定することが好ましい。この好適な傾斜角度の一例として、1.5度以上、20度以下の範囲から選択された値を用いることができる。
また、図7に示すように、アノード用排出口16aは、第2膜50の傾斜部位52に沿って傾斜部位52の外縁に移動した気泡Buをめっき液Psとともに吸い込んでアノード室11の外部(具体的には、めっき槽10の外部)に排出するように構成されていてもよい。具体的には、この場合、アノード用排出口16aは、その上流側端部(上流側開口部)が第2膜50の傾斜部位52の外縁の近傍に位置するように、めっき槽10の外周壁10bに配置されていればよい。
一例として、アノード用排出口16aは、その上流側端部(上流側開口部)が、第2膜50の傾斜部位52の下端から上端の範囲内になるように設けることができる。但し、アノード用排出口16aは、その上流側端部(上流側開口部)が第2膜50の傾斜部位52の外縁である上端と同じ高さに位置していることが、気泡Buをアノード用排出口16aから効果的に排出できる点で、好ましい。
本実施形態によれば、第2膜50の傾斜部位52の外縁に移動した気泡Buを、アノード用排出口16aを介してアノード室11の外部に排出することができるので、第2膜50の下面に気泡Buが滞留することを効果的に抑制することができる。
なお、アノード用排出口16aの個数は、1個に限定されるものではなく、複数個であってもよい。この場合、複数個のアノード用排出口16aは、第2膜50の傾斜部位52の外縁に沿って、この外縁の周方向に配列していてもよい。
図6は、サポート部材60の模式的な下面図である。図3、図4及び図6を参照して、サポート部材60は、第2膜50をサポートするように構成された部材である。本実施形態に係るサポート部材60は、第2膜50を上方側からサポートしている。
具体的には、図6に示すように、本実施形態に係るサポート部材60は、第1部位61と、第2部位64と、第3部位67とを備えている。
第1部位61は、第2膜50の傾斜部位52を上方側からサポートしている。具体的には、本実施形態に係る第1部位61は、その下面に第2膜50の傾斜部位52を貼り付けることで、この傾斜部位52を上方側からサポートしている。また、本実施形態に係る第1部位61は、第2膜50の傾斜部位52と同様に傾斜している。また、第1部位61は、第2部位64と第3部位67とを連結するように設けられている。
また、第1部位61は、第1部位61の下面と上面とを貫通するように設けられた複数の貫通孔61aを有している。具体的には、本実施形態に係る第1部位61は、一例として、格子状に構成されている。より具体的には、第1部位61は、第1方向(X軸の方向)に延在する複数の第1片62と、第1方向に交差する第2方向(図6では、一例としてY軸の方向)に延在する複数の第2片63と、を備えている。複数の第1片62は、隣接する第1片62との間に間隔をあけて、第2方向に配列しており、複数の第2片63は、隣接する第2片63との間に間隔をあけて、第1方向に配列している。
但し、第1部位61の構成は、これに限定されるものではない。他の一例を挙げると、第1部位61の複数の第1片62は、第2部位64と第3部位67とを連結するように、第3部位67の径方向に放射状に延在していてもよい。また、この場合、複数の第2片63は、この放射状に延在した第1片62に交差するように、同心円状に配置されていてもよい。
第2部位64は、第2膜50の開口51の内部を貫通するように配置されている。また、第2部位64は、第1領域R1のめっき液Psが第2領域R2に流入するための通路孔66を有している。具体的には、本実施形態に係る第2部位64は、上下方向に延在する筒状の側壁65を備えている(図4、図6参照)。そして、通路孔66は、この側壁65の内側に、上下方向に延在するように設けられている。
第3部位67は、第1部位61の外縁に接続されるとともに、めっき槽10の外周壁10bに接続されている。具体的には、本実施形態に係る第3部位67は、リング状の外観形状を有している。第3部位67は、サポート部材60をめっき槽10の外周壁10bに接続するためのフランジ部分に相当する部位である。第3部位67には、ボルト等の締結部材が貫通するための孔が設けられていてもよい。
なお、上述しためっき装置1000は、少なくとも以下の構成を備えていればよい。すなわち、めっき装置1000は、めっき液Psを貯留するとともに、アノード13が配置されためっき槽10と、アノード13よりも上方に配置されて、カソードとしての基板Wfを当該基板Wfが前記アノード13に対向するように保持する基板ホルダ20と、アノード13よりも上方且つ基板Wfよりも下方の箇所に配置されて、めっき槽10の内部をアノード室11とアノード室11よりも上方のカソード室12とに分離する第1膜40と、第1膜40に接触しない態様で、第1膜40よりも下方且つアノード13よりも上方の箇所に配置された第2膜50と、を備え、第2膜50には、第2膜50よりも下方の第1領域R1のめっき液Psが第2膜50よりも上方且つ第1膜40よりも下方の第2領域R2に流入するための開口51が設けられている。
続いて、本実施形態に係るめっき処理方法の詳細について説明する。図8は、本実施形態に係るめっき処理方法を説明するためのフローチャートの一例である。めっき処理方法は、ステップS10とステップS20とステップS30とステップS40とステップS50とステップS60とを含んでいる。
ステップS10において、アノード室11にめっき液Ps(このアノード室11に供給されるめっき液Psを「アノード液」と称する場合がある)を供給する。上述のめっきモジュール400においては、具体的にはアノード用供給口15からアノード室11の第1領域R1にめっき液を供給する。
上述のように、アノード室11は、第1膜40によりカソード室12と区画されている。そのため、金属イオンを含むイオン種が第1膜40を通過してアノード室11とカソード室12との間を移動することを可能にする一方で、非イオン性のめっき添加剤が第1膜40を通過して移動することは抑制される。
ステップS20において、アノード室11に供給されためっき液Psの一部を第2領域R2に案内する。上述のめっきモジュール400においては、ステップS10において、めっき液Psは最初にアノード室11の第1領域R1に供給される。ステップS20において、アノード室11の第1領域R1に供給されためっき液Psの一部を、第2膜50の開口51を通じて第2領域R2に移動させる。
上述のように、第1領域R1の気泡Buは、第2膜50により第2領域R2に流入することが抑制されるので、第2領域のアノード液に含まれる気泡Buの濃度を第1領域R1のアノード液に含まれる気泡Buの濃度よりも小さくすることができる。
なお、ステップS20は、第1領域R1に存在するアノード液に含まれる気泡Buが第2領域R2に入ることを防止するステップともいえる。具体的には、第1領域R1に存在するアノード液に含まれる気泡Buを、第1領域R1と第2領域R2との流体接続場所である開口51から遠ざかるように移動させることで、第1領域R1に存在するアノード液に含まれる気泡Buが第2領域R2に入ることを抑制することができる。
ステップS30において、アノード室11の第1領域R1からアノード液を排出する。アノード室11の第1領域R1からアノード液を排出することで、第1領域R1のアノード液に含まれる気泡Buを除去することができる。上述のめっきモジュール400を用いる場合、アノード用排出口16aからアノード液を排出することで、効率的にアノード液に含まれる気泡Buを除去することができる。
ステップS40において、アノード室11の第2領域R2からアノード液を排出する。上述のめっきモジュール400を用いる場合、アノード用排出口16bによって、第2領域R2からアノード液を排出する。なお、上述のように第2領域R2には気泡Buがほとんど含まれていないので、気泡Buの除去という観点では、第2領域R2からアノード液を排出す必要はない。そのため、ステップS40は省略してもよい。
なお、アノード室11の第1領域R1および第2領域R2から排出されたアノード液は、気泡Buを除去する等の処理を施したのち、再び、アノード室11に供給してもよい(ステップS10)。このようにすることで、めっき処理の実行中にアノード液を循環させることができる。上述のめっきモジュール400において、アノード用排出口16a及びアノード用排出口16bから排出されたアノード液を一時的に貯留するリザーバータンクを設けることができる。リザーバータンクで、アノード液の気泡Buの除去や、アノード液の成分の調整を行うことができる。
ステップS50においては、基板Wfが配置されたカソード室12にめっき液Ps(このカソード室12に供給されるめっき液Psを「カソード液」と称する場合がある)を供給する。具体的には、カソード用供給口17によって、カソード液をカソード室12に供給する。
なお、カソード室12からオーバーフローしてオーバーフロー槽10cに一時的に貯留されたカソード液は、カソード用排出口18から排出されて、カソード室12用のリザーバータンクに一時的貯留された後に、再び、カソード用供給口17からカソード室12に供給されてもよい。この場合、基板Wfへのめっき処理の実行中に、カソード液も循環することになる。
ステップS60においては、基板Wfとアノード13との間に電気を流して、基板Wfに金属を電気めっきする。以上の工程により、基板Wfの下面にめっき処理が施される。
なお、上述のステップS10からステップS60は実行順序を限定するものではなく、任意の順序で実行してよい。一例として、めっき処理において、上述のステップS10からステップS60は全て同時に実行されている。また、めっき処理の実行中に、任意のタイミングで一部のステップを中断したり、中断していた処理の一部を再開したりしてもよい。
以上のような本実施形態に係るめっき処理方法によれば、第2領域R2のアノード液に含まれる気泡Buの濃度が第1領域R1のアノード液に含まれる気泡Buの濃度よりも低いので、気泡Buが第1膜40の下面に全体的に滞留することを抑制することができる。この結果、第1膜40の下面に全体的に滞留した気泡Buに起因して、基板Wfのめっき品質が悪化することを抑制することができる。
なお、上述した実施形態において、アノード室11に第1領域R1と第2領域R2とを設けることができるのであれば、めっき処理方法に用いられるめっき装置は、上述しためっき装置1000に限定されるものではない。
(変形例1)
図9は、実施形態の変形例1に係るサポート部材60Aの構成を説明するための図である。具体的には、図9は、本変形例に係るサポート部材60Aについて、図4と同じ箇所(A1部分)を模式的に示している。なお、図9の一部には、サポート部材60Aの一部(A3部分)の模式的な斜視図も併せて図示されている。本変形例に係るサポート部材60Aは、第2部位64に代えて、第2部位64Aを備えている点において、前述したサポート部材60と異なっている。
第2部位64Aは、第2部位64Aの側壁65の一部に、めっき液Psが通路孔66に流入するための流入口66aが設けられている点と、第2部位64Aの下端(側壁65の下端)が閉塞部材68によって閉塞されている点とにおいて、前述した第2部位64と異なっている。
本変形例において、めっき液Psは、第2部位64Aの側壁65に設けられた流入口66aから第2部位64Aの通路孔66に流入する。次いで、めっき液Psは、この通路孔66を通過して第2領域R2に流入する。
なお、流入口66aの個数は、特に限定されるものではなく、1個でもよく、複数個でもよい。本変形例に係る流入口66aは、一例として、側壁65の一部に複数個設けられている。
本変形例においても、前述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態や変形例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、さらなる種々の変形・変更が可能である。
10 めっき槽
10a 底壁
10b 外周壁
11 アノード室
12 カソード室
13 アノード
16a,16b アノード用排出口
20 基板ホルダ
40 第1膜(「膜」)
50 第2膜(「第2の膜」)
51 開口
52 傾斜部位
60 サポート部材
400 めっきモジュール
1000 めっき装置
Wf 基板
Ps めっき液(「アノード液」又は「カソード液」)
Bu 気泡
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (5)

  1. 基板に金属を電気めっきするめっき処理方法であって、
    膜によってカソード室から分離されるとともにアノードが配置されたアノード室の第1領域にアノード液を供給するステップであって、金属イオンを含むイオン種が前記膜を通過することを許容する一方で、非イオン性のめっき添加剤が前記膜を通過することを抑制するステップと、
    前記第1領域に供給されたアノード液の一部を、前記膜の下方且つ前記第1領域よりも上方に位置する第2領域に案内することで、前記第2領域のアノード液に含まれる気泡の濃度を前記第1領域のアノード液に含まれる気泡の濃度よりも低くするステップと、
    前記第1領域からアノード液を排出するステップと、
    前記第2領域からアノード液を排出するステップと、
    前記基板が配置された前記カソード室にカソード液を供給するステップと、
    前記基板と前記アノードとの間に電気を流して、前記基板に金属を電気めっきするステップと、を含む、めっき処理方法。
  2. 前記第2領域は、前記膜よりも下方に配置された第2の膜よりも上方且つ前記膜よりも下方の領域であり、
    前記第1領域は、前記第2の膜よりも下方の領域である、請求項1に記載のめっき処理方法。
  3. 前記第2の膜は、水平方向に対して傾斜する傾斜部位を有する、請求項2に記載のめっき処理方法。
  4. 前記傾斜部位は、前記アノード室の中央側から前記アノード室の外縁側に向かうに従って上方に位置するように傾斜する、請求項3に記載のめっき処理方法。
  5. 前記第2の膜の下面は前記膜の下面よりも平滑である、請求項2~4のいずれか1項に
    記載のめっき処理方法。
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