JP7085381B2 - 防水シート - Google Patents

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Description

本発明は、トンネルにおける防水シートに関し、特に、NATM(New Austrian Tunneling Method)工法等によって構築されるトンネルの一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリートとの間に設けられる防水シートに関する。
NATM工法によるトンネル施工においては、掘削した地山に一次覆工コンクリートを吹き付けた後、その内周面に釘等を用いて防水シートを張り付ける。防水シートは、例えばEVAシート層(防水層)の片面に不織布層(排水層)を積層したものであり、不織布層が一次覆工コンクリートに面するように設置される。その後、防水シートの内周側に二次覆工コンクリートを打設する。このトンネルによれば、防水シートのEVAシート層によって、地山からの湧水が二次覆工コンクリート側へ流れ込むのが防止される。湧水は、防水シートの不織布層を伝って排水される。
二次覆工コンクリートの打設においては、型枠で形成した空間内に上部から生コンクリートを落下させて底部から天端部まで充填していく。このとき、コンクリート中の余剰水がブリージング水となることで、天端部における防水シートと二次覆工コンクリートとの界面に空洞が生じる懸念がある。
そこで、特許文献2においては、防水シートに有孔管を設けておき、前記空洞が生じたときは、充填剤を有孔管から吐出して空洞を埋めることが提案されている。
特開2004-060217号公報
従来の防水シートには、二次覆工コンクリートの表面強度の増強機能がない。また、前掲特許文献1の防水シートにおいては、二次覆工コンクリートの規定巻厚が阻害されないように、トンネル掘削断面を有孔管の直径分だけ大きくする必要がある。それだけ、掘削及びモルタル充填のための材料、設備、人、時間を要することになり、コスト上昇となる。
本発明は、かかる事情に鑑み、二次覆工コンクリートの特に地山側の表面強度(以下適宜「背面強度」と称す)を増強でき、かつトンネル掘削断面の増大を抑えながら二次覆工コンクリートの天端部に空洞が形成されるのを防止可能な防水シートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、トンネルの一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリートとの間に張設される防水シートであって、
水の透過を阻止する防水層と、
前記防水層における一次覆工コンクリート側の面に積層され、水を通す排水層と、
前記防水層における二次覆工コンクリート側の面に積層され、水を吸って蓄える吸水層と、を備えたことを特徴とする。
二次覆工コンクリートを打設すると、該二次覆工コンクリート中の余剰水が浮き上がりブリージング水となることがある。該ブリージング水は防水シートの吸水層に吸収される。これによって、天端部における防水シートと二次覆工コンクリートとの界面に空洞が形成されるのを防止できる。前記吸水層の厚みは、特許文献1の有孔管の直径と比べると十分に小さくできる。したがって、トンネル掘削断面を大きくする必要がなく、掘削及びモルタル充填のための材料、設備、人、時間を削減できる。
前記吸水した吸水層は、好ましくは膨潤ゲル化される。該吸水層が防水層と二次覆工コンクリートとの間の密閉空間に介在される。このため、吸水層から水分の蒸発が遅延される。したがって、二次覆工コンクリートの乾燥が緩慢になる。この結果、二次覆工コンクリートの背面強度が向上される。
地山からの湧水が、一次覆工コンクリートを透過して防水シートまで達したときは、排水層に沿って排水できるとともに、防水層によって二次覆工コンクリート側ひいてはトンネル内への漏水を防止できる。
仮に、防水シートの防水層に穴が開いて地山からの湧水が前記穴から漏れようとした場合、吸水層が該湧水を吸収することでトンネル内への漏水防止手段の一端を担うことが期待される。
当該防水シートは、比較的簡単な構造であるから安価に作製することができる。これによって、施工コストを節減できる。
吸水層は、防水シートの実質的に全域に設けられていることが好ましい。「実質的に全域」とは、吸水層が防水シートのほぼ全域に分布されていれば足り、例えば、隣接する防水シートどうしの継ぎ足し部分においては、どちらか片方の防水シートにだけ吸水層があればよく、他方の防水シートには吸水層が無くてもよいとの趣旨である。
前記吸水層が、吸水性繊維の集合体と、前記吸水性繊維どうしを接着するバインダとを含むことが好ましい。
前記吸水性繊維が、セルロース繊維、ポリエステル繊維又はアクリル繊維であることが好ましい。
セルロース繊維は、天然セルロース繊維でもよく、再生セルロース繊維でもよく、合成セルロース繊維でもよい。具体的には、セルロース繊維として、レーヨン、ビスコースレーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセル、綿、麻などが挙げられる。
前記吸水性繊維として、カシミヤ、モヘア、その他の獣毛繊維を用いてもよい。
さらには前記吸水層として、新聞紙、雑誌その他の古紙やティッシュペーパーを用いてもよい。そうすると、吸水層を安価に作製できる。
前記吸水層が、前記吸水性繊維集合体からなるシートの片面又は両面に積層された嵩高性(バルキー性)に富む合成繊維シートを、更に含んでいてもよい。
前記吸水層が、乾式難燃パルプ不織布を更に含み、該乾式難燃パルプ不織布が、前記吸水性繊維集合体からなるシートと前記合成繊維シートとの間、又は前記吸水性繊維集合体からなるシートにおける前記合成繊維シートが設けられた片面とは反対側の面に設けられていてもよい。
前記バインダが、熱可塑性樹脂を含有する多数の粒状又は粉状の分散体の溶融固化物を含むことが好ましい。分散体は、繊維集合体の内部に好ましくは万遍なく分散される。該分散体が加熱溶融されることによって繊維集合体の隣接する繊維どうしを接着する。これによって、繊維集合体の全体が1つのシート状ないしはマット状となる。加熱溶融された分散体が冷却されることによって、前記溶融固化物となる。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、共重合ポリアミド、共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記バインダが、ホットメルト接着剤であってもよい。ホットメルト接着剤としてホットメルト不織布を用いてもよい。
前記吸水層が、前記吸水性繊維を20~90重量部、前記バインダを80~10重量部含むことが好ましい。これによって、適度な吸水性と接合性を得ることができる。
前記吸水層における二次覆工コンクリート側の面には前記二次覆工コンクリートと接合されるコンクリート接合層が積層され、前記コンクリート接合層は、埋入部と、前記埋入部によって画成された充填空間部を有し、前記埋入部が前記二次覆工コンクリート内に埋入され、かつ前記充填空間部に前記二次覆工コンクリートが充填されることが好ましい。
コンクリート接合層と二次覆工コンクリートとは、好ましくは物理的に密着される。
仮に、防水シートの防水層に穴が開いていたり二次覆工コンクリートにクラックが生じたりしても、コンクリート接合層と二次覆工コンクリートとが密着されているために、防水層の前記穴から二次覆工コンクリートの前記クラックまでの水の通りを阻止できる。したがって、トンネル内への漏水を一層確実に防止できる。
前記埋入部及び充填空間部が、それぞれ前記コンクリート接合層の実質的に全域に分布されていることが好ましい。「前記コンクリート接合層の実質的に全域に分布」とは、埋入部及び充填空間部がそれぞれコンクリート接合層のほぼ全域に分布されていれば足り、例えば、隣接する防水シートどうしの継ぎ足し部分においては、どちらか片方の防水シートにだけ埋入部及び充填空間部があればよく、他方の防水シートには埋入部及び充填空間部が無くてもよいとの趣旨である。
前記コンクリート接合層は、不織布又は網状体であることが好ましい。不織布の繊維材又は網状体の網材が、埋入部となる。不織布又は網状体の空隙や網目が、充填空間部となる。不織布又は網状体からなるコンクリート接合層の場合、吸水層による二次覆工コンクリートの乾燥遅延効果を十分に確保できる。
前記コンクリート接合層が、シート部と、前記シート部の二次覆工コンクリート側の面の実質的に全域に分布するように形成された凸部分とを含んでいてもよい。凸部分が、埋入部となる。シート部における凸部分以外の凹んだ部分が、充填空間部となる。シート部には、吸水層による二次覆工コンクリートからのブリージング水の吸収作用及び二次覆工コンクリートの乾燥遅延作用を確保する通孔が形成されていてもよい。
本発明に係る防水シートによれば、二次覆工コンクリートの地山側の表面強度を向上できる。また、二次覆工コンクリートの天端部に空洞が形成されるのを防止できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る防水シートを含むトンネルを解説的に示す正面断面図である。 図2(a)は、前記防水シートを解説的に示す拡大断面図である。図2(b)は、図1の円部IIbを拡大して示す断面図である。 図3は、前記防水シートの吸水層の変形態様を示す断面図である。 図4(a)は、本発明の第2実施形態に係る防水シートを解説的に示す拡大断面図である。図4(b)は、第2実施形態に係る防水シートを含むトンネルの一部の拡大断面図である。 図5は、第2実施形態に係る防水シートのコンクリート接合層の一部を拡大して示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1に示すように、トンネル1は、地山2側の一次覆工コンクリート3と、トンネル内側の二次覆工コンクリート4を含む。一次覆工コンクリート3から地山2にロックボルト5が打設されている。一次覆工コンクリート3と二次覆工コンクリート4との間に防水シート10が張設されている。
図2に示すように、防水シート10は、防水層11と、排水層12と、吸水層13を含む。なお、図2(b)において、防水シート10の各層11,12,13の厚みは、一次覆工コンクリート3の厚みに対して誇張されている。
防水層11は、水の透過を阻止する不透水性を有している。好ましくは防水層11は、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)からなる不透水シートによって構成されている。防水層11の材質としては、不透水性を有しているものであればよく、必ずしもEVAに限られず、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの完全非極性のポリオレフィン樹脂や、PE又はPPにアクリル酸や無水マレイン酸などの極性基(カルボキシル基)をグラフト重合させて極性を持たせ、ひいては接着性を付与させた変性ポリオレフィン樹脂等を用いてもよい。
図2に示すように、防水層11における一次覆工コンクリート3側(図2(a)において上側)の面には、排水層12が積層されている。排水層12は、透水性を有し、水の通り路となる。好ましくは、排水層12は、不織布によって構成されている。不織布の材質としては、ポリエステル、ポリプロピレンなどの化学繊維、ヤシがら、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、ガラス、炭素、金属、セラミックなどの無機繊維などが挙げられ、強度等の観点からは、長繊維の化学繊維が好ましい。
排水層12は、緩衝層としての機能をも有している。
防水層11と排水層12とは、例えば溶着によって接合されている。接合手段としては、溶着に限られず、ホットメルト樹脂等の接着剤を用いた接着等を適用してもよい。
なお、詳細な図示は省略するが、防水シート10の側端部においては、隣接する防水シート10との継ぎ足しのために、防水層11と排水層12が互いに分離されてフリーになっている。
図2に示すように、防水層11における二次覆工コンクリート4側(図2(a)において下側)の面に吸水層13が積層されている。吸水層13は、水を吸って蓄える吸水性及び保水性を有している。好ましくは、吸水層13は、吸水性繊維の集合体と、吸水性繊維どうしを接着するバインダからなる吸水シート13aを含む。吸水シート13aにおける吸水性繊維とバインダの配合比は、吸水性繊維20~90重量部程度、バインダ80~10重量部程度が好ましい。吸水性繊維が20重量部未満であると吸水性が少なくなり、保水性が落ちる。吸水性繊維が90重量部以上であると繊維どうしの固着(接合)が難しくなる。
吸水性繊維としては、セルロース繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、獣毛繊維などを用いることができる。
セルロース繊維は、パルプ、綿、麻その他の天然セルロース繊維でもよく、レーヨン、ビスコースレーヨン、ポリノジック、キュプラ、テンセルその他の再生セルロース繊維でもよく、半合成セルロース繊維、合成セルロース繊維でもよい。
獣毛繊維としては、カシミヤ、モヘアなどが挙げられる。
バインダは、好ましくは多数の粒状又は粉状の分散体が加熱溶融された後で冷却されて固化した溶融固化物であり、熱可塑性樹脂を主成分として含む。溶融前の各分散体の粒径は、好ましくは50μm~3mmである。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、共重合ポリアミド、共重合ポリエステルなどが挙げられる。
なお、バインダは、ホットメルト接着剤であってもよい。ホットメルト接着剤としてホットメルト不織布を用いてもよい。
吸水シート13aは、例えば次のようにして作製される。
吸水性繊維の原材料がシート状のパルプなどである場合には、細かく離解(解繊)させてベースシート上に広く堆積させ、吸水性繊維の集合体のウエブを形成する。
該吸水性繊維の集合体に前記粉状又は粒状の分散体を混ぜる。分散体は、吸水性繊維集合体の内部に万遍なく分散させておく。
続いて、吸水性繊維の集合体と分散体の混合物を加熱する。これによって分散体が溶融され、吸水性繊維集合体の隣接する繊維どうしが溶融分散体を介して接着される。これによって、吸水シート13aが形成される。
その後、冷却されることによって、溶融分散体が固化し、溶融固化物となる。
図3に示すように、吸水層13が、吸水シート13aに加えて、合成繊維シート13bと、パルプ不織布シート13cを更に含んでいてもよい。
合成繊維シート13bは、例えばポリエチレンとポリプロピレンの複合繊維にて構成され、密度0.01g/cm~0.1g/cm程度、厚さ0.2mm~5mm程度であり、嵩高性(バルキー性)に富んでいる。
パルプ不織布シート13cは、難燃性であることが好ましい。パルプ不織布シート13cを、吸水シート13aの製造時における前記ベースシートとして用いてもよい。
吸水シート13aの片面に合成繊維シート13bが積層され、吸水シート13aの反対側の面にパルプ不織布シート13cが積層されている。これらシート13a,13b,13cは、ホットメルト接着剤や熱融着によって接合されている。
図示は省略するが、吸水シート13aの両面に合成繊維シート13bを積層し、パルプ不織布シート13cを省いてもよい。
吸水シート13aの片面又は両面にパルプ不織布シート13cを介して合成繊維シート13bを積層してもよい。
トンネル1は、次のようにして構築される。
図1に示すように、地山2を発破や機械掘りで掘削し、掘削面に沿って支保工(図示省略)を建て込み、一次覆工コンクリート3を吹き付け、ロックボルト5を地山2に打ち込む。
続いて、防水シート10を一次覆工コンクリート3の内周面に張設する。このとき、排水層12を一次覆工コンクリート3側に向け、吸水層13をトンネル内側へ向ける。一定の間隔で釘を打ち付けて、防水シート10を一次覆工コンクリート3に止める。
複数の防水シート10を用意し、各防水シート10をトンネル1の横断方向(周方向)に張り渡す。かつトンネル1の縦断方向(図1の紙面と直交する軸方向)に順次防水シート10を継ぎ足す。図示は省略するが、隣接する防水シート10,10の防水層11,12の端部どうしは、溶融接合させて一体化する。
防水シート10の吸水層13の厚みは、特許文献1の有孔管の直径と比べると十分に小さくできる。したがって、トンネル掘削断面を大きくする必要がなく、掘削及びモルタル充填のための材料、設備、人、時間を削減できる。
次に、防水シート10の内周側に二次覆工コンクリート4を打設する。
固化前の二次覆工コンクリート4は水分を含むことで流動性に富む。コンクリートが固化するに必要な水以外に、流動性を高めるために入れた水は余剰水となる。余剰水はセメントとの比重の違いによって浮き上がり、ブリージング水となる。該ブリージング水は、防水シート10の吸水層13に吸収される。これによって、天端部における防水シート10と二次覆工コンクリート4との界面に空洞が形成されるのを防止できる。
前記ブリージング水を吸った吸水層13は膨潤ゲル化される。なお、吸水層13は一次覆工側及び二次覆工側から圧力を受けるから、吸水層13の厚みは吸水の前後ひいては膨潤ゲル化の前後でほとんど変わらない。
該吸水層13が、吸収した水を溜めた状態で、防水層11と二次覆工コンクリート4との間の密閉空間に介在されている。このため、吸水層13から水分の蒸発が遅延される。したがって、二次覆工コンクリート4の乾燥収縮が緩やかに進む。特に、二次覆工コンクリート4における吸水層13と面する背面側(外周側)の部分の乾燥が緩やかに進む。この結果、二次覆工コンクリート4の背面強度が向上され、クラックが発生しにくくなる。
このようにして構築されたトンネル1によれば、地山2からの湧水が、一次覆工コンクリート3を透過して防水シート10まで達したときは、排水層12が水の通り路になることで排水できる。かつ防水層11によって、湧水が二次覆工コンクリート4側へ流れ込むのを防止できる。これによって、トンネル内への漏水を回避できる。
仮に、防水層11に穴が開いて地山2からの湧水が前記穴から漏れようとした場合、吸水層13が該湧水を吸収することでトンネル1内への漏水防止手段の一端を担うことが期待される。更には、吸水層13が吸水によって膨潤ゲル化されて圧力を生じることで湧水を遮断することも期待できる。
防水シート10は、比較的簡単な構造であるから安価に作製することができる。したがって、施工コストを節減できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図4及び図5は、本発明の第2実施形態を示したものである。
図4に示すように、第2実施形態の防水シート10Bは、コンクリート接合層20を更に含む。コンクリート接合層20は、吸水層13における二次覆工コンクリート4側の面に積層されている。
図5に示すように、コンクリート接合層20は、立体的な網状体で構成されている。網状体は、多数の線状の網材21を含み、三次元網構造になっている。網材21の材質は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド、ポリエステル等の合成樹脂である。各網材21は、防水シート10の厚み方向や面内方向に不規則に方向を変えて、うねるように延びている。複数の網材21,21…が、相互に交差している。網材21,21どうしの交差部23は接着又は溶着等によって接合されている。網材21,21…によって多数の網目22が画成されている。網材21と網目22が、それぞれコンクリート接合層20の実質的に全域に分布されている。
なお、立体的な網状体に代えて、平面的な網状体を用いてもよい。
吸水層13とコンクリート接合層20とは、例えば溶着によって接合されている。接合手段としては、溶着に限られず、ホットメルト樹脂等の接着剤を用いた接着等を適用してもよい。
防水シート10の内周側に二次覆工コンクリート4を打設すると、網目22(充填空間部)に二次覆工コンクリート4のセメント粒子が入り込んで充填される。かつ、網材21(埋入部)が、二次覆工コンクリート4内に埋入される。これによって、防水シート10と二次覆工コンクリート4とを物理的に密着させることができる。
仮に、防水シート10の防水層11に穴が開いたり二次覆工コンクリート4にクラックが生じたりしても、コンクリート接合層20と二次覆工コンクリート4とが密着されることで、前記穴からクラックまでの水の通りを阻止できる。湧水が吸水層13を透過したとしても、コンクリート接合層20と二次覆工コンクリート4とが密着されているために、前記クラックまで水が伝わるのを阻止できる。これによって、トンネル内への漏水を一層確実に防止できる。
コンクリート接合層20は、二次覆工コンクリート4と物理的に密着可能であり、かつ吸水層13による二次覆工コンクリート4からのブリージング水の吸収作用及び二次覆工コンクリート4の乾燥遅延作用を阻害しないものであれば、網状体に限られず、不織布などでもよい。該不織布は、例えばポリエステル(PET)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂あるいは天然繊維の綿、麻、レーヨン、カシミヤ、モヘア等で構成される。該不織布は、多岐に押し出される糸状繊維を風、水、静電気などで複雑に絡み合わせたのち、ニードルパンチ法やスパンボンド法で作製されることが好ましい。該不織布の厚みは二次覆工コンクリート4の流入を考慮すれば1mm~3mm程度が好ましい。
コンクリート接合層が、シート部と、前記シート部の二次覆工コンクリート4側の面の実質的に全域に分布するように形成された凸部分とを含んでいてもよい。凸部分が、埋入部となる。シート部における凸部分以外の凹んだ部分が、充填空間部となる。シート部には、吸水層による二次覆工コンクリート4からのブリージング水の吸収作用及び二次覆工コンクリート4の乾燥遅延作用を確保する通孔が形成されていてもよい。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、吸水層13として、新聞紙、雑誌その他の古紙やティッシュペーパーを用いてもよい。そうすると、吸水層13を安価に作製できる。
本発明は、トンネルの内壁の防水構造に適用できる。
1 トンネル
2 地山
3 一次覆工コンクリート
4 二次覆工コンクリート
5 ロックボルト
10 防水シート
11 防水層
12 排水層
13 吸水層
13a 吸水シート
13b 合成繊維シート
13c パルプ不織布シート
20 コンクリート接合層
21 網材
22 網目
23 交差部

Claims (7)

  1. トンネルの一次覆工コンクリートと二次覆工コンクリートとの間に張設される防水シートであって、
    水の透過を阻止する防水層と、
    前記防水層における一次覆工コンクリート側の面に積層され、水を通す排水層と、
    前記防水層における二次覆工コンクリート側の面に積層され、水を吸って蓄えるとともに膨潤ゲル化される吸水層と、を備えたことを特徴とする防水シート。
  2. 前記吸水層が、吸水性繊維の集合体と、前記吸水性繊維どうしを接着するバインダとを含むことを特徴とする請求項1に記載の防水シート。
  3. 前記吸水性繊維が、セルロース繊維であることを特徴とする請求項2に記載の防水シート。
  4. 前記バインダが、熱可塑性樹脂を含有する多数の粒状又は粉状の分散体の溶融固化物を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の防水シート。
  5. 前記バインダが、ホットメルト接着剤を含むことを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の防水シート。
  6. 前記吸水層が、前記吸水性繊維を20~90重量部、前記バインダを80~10重量部含むことを特徴とする請求項2~5の何れか1項に記載の防水シート。
  7. 前記吸水層における二次覆工コンクリート側の面には前記二次覆工コンクリートと接合されるコンクリート接合層が積層され、前記コンクリート接合層は、埋入部と、前記埋入部によって画成された充填空間部を有し、前記埋入部が前記二次覆工コンクリート内に埋入され、かつ前記充填空間部に前記二次覆工コンクリートが充填されることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の防水シート。
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