JP7082534B2 - 組成物 - Google Patents

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Description

本発明は組成物に関する。
各種の表示装置、光学素子、半導体素子、建築材料、自動車部品、ナノインプリント技術等において、基材の表面に液滴が付着することにより、基材の汚れや腐食、さらにこの汚れや腐食に由来する性能低下等の問題が生じる場合があり、付着した液滴が容易に除去できることが求められる。
例えば特許文献1、2は、有機ケイ素化合物(A)と金属化合物(B)とを、所定のモル比で含む撥水撥油コーティング組成物をスピンコートによってガラス基板上に塗布し、乾燥させることによって透明皮膜を得たことを開示しており、この透明皮膜は、水滴の滑落速度に優れることが記載される。
国際公開第2016/068118号 国際公開第2016/068103号
上記した特許文献1、2ではスピンコートによって透明皮膜を形成しているが、スピンコーターのような機械を用いなくても、手塗り、霧吹き等の簡便な手法によって、液滴を容易に除去可能(水滴の滑落性が良好)で、且つ、外観の良い(透明性など)皮膜を形成できる組成物は未だ検討されていなかった。
そこで、本発明は、簡便な塗布方法によって、液滴を容易に除去できる外観の良い皮膜を得るための組成物を提供することを目的とする。
上記課題を達成した本発明は以下の通りである。
[1]下記式(1)で表されるシラン化合物(A)、下記式(2)で表されるシラン化合物(B)及び溶剤(C)を含む組成物であって、
前記組成物100質量%中の前記シラン化合物(A)及び(B)の合計含有量が0.015質量%以上、0.70質量%以下であることを特徴とする組成物。
Figure 0007082534000001
[式(1)中、
1は炭素数6以上の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は-O-に置き換わっていてもよい。
1は加水分解性基を表す。]
Figure 0007082534000002
[式(2)中、
2は炭素数1~5の炭化水素基を表す。
2は加水分解性基を表す。
nは0又は1である。]
[2]前記シラン化合物(A)に対する前記シラン化合物(B)のモル比が0.1以上、48以下である[1]に記載の組成物。
[3]前記シラン化合物(A)に対する前記シラン化合物(B)のモル比が0.1以上、12以下である[2]に記載の組成物。
[4]前記溶剤(C)が、アルコール系溶剤である[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]前記溶剤(C)よりも20℃における蒸気圧の高い溶剤(D)を更に含む[4]に記載の組成物。
[6]前記溶剤(D)の20℃における蒸気圧が8.0kPa以上である[5]に記載の組成物。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の組成物を硬化した膜。
本発明の組成物は、所定のシラン化合物(A)と(B)とを、合計で0.015質量%以上、0.70質量%以下という少量含んでいるため、手塗りや霧吹きといった簡便な方法で、水滴の滑落性及び外観の両者が良好な皮膜を形成できる。
本発明の組成物は、下記式(1)で表されるシラン化合物(A)及び下記式(2)で表されるシラン化合物(B)を合計で、組成物100質量%中に0.015質量%以上、0.70質量%以下含む点に特徴を有している。シラン化合物(A)及び(B)の合計量が0.015質量%以上であると、水滴の滑落性を良好にでき、また該合計量が0.70質量%以下であると、皮膜の外観を良好にできる。シラン化合物(A)及び(B)の合計量は、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また0.65質量%以下が好ましく、より好ましくは0.60質量%以下である。
以下、シラン化合物(A)及びシラン化合物(B)についてそれぞれ説明する。
1.シラン化合物(A)
シラン化合物(A)は、下記式(1)で表される。
Figure 0007082534000003
上記式(1)中、
1は炭素数6以上の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は-O-に置き換わっていてもよい。X1は加水分解性基を表す。
1は、飽和炭化水素基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましく、直鎖状アルキル基であることがさらに好ましい。また、R1で表される炭化水素基の炭素数は、7以上が好ましく、より好ましくは8以上であり、また30以下が好ましく、より好ましくは20以下であり、更に好ましくは15以下である。なお、R1で表される炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-に置き換わっている場合には、置き換わった-O-の数も炭素原子数としてカウントする。
1で表される炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-に置き換わった基としては、アルキレンオキシ単位を1又は2以上含む基が挙げられる。アルキレンオキシ単位としては、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位などが挙げられ、エチレンオキシ単位であることが好ましい。
1で表される炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-に置き換わった基は、例えば-R3-(R4-O)n1-R5と表すことができ、R3は単結合又は炭素数1~4の2価の炭化水素基を表し、R4は炭素数2~3の2価の炭化水素基を表し、R5は水素原子又は炭素数1~4の1価の炭化水素基を表し、n1は1~10の整数を表す。但し、前記-R3-(R4-O)n1-R5に含まれる炭素及び酸素の原子数の合計は6以上である。R3は2価の炭化水素基であることが好ましく、R3で表される2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の2価の飽和炭化水素基が挙げられ、R4としては、エチレン基、プロピレン基等の2価の飽和炭化水素基が挙げられ、R5としては炭素数1~4の1価の炭化水素基が好ましく、R5で表される1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の1価の飽和炭化水素基が挙げられる。
1で表される炭化水素基としては、炭素数が6以上、30以下の直鎖状アルキル基が好ましく、中でもヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましく、特にオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましい。
上記式(1)において、X1で表される加水分解性基としては、加水分解によりヒドロキシ基(シラノール基)を与える基が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基、アセトキシ基、塩素原子及びイソシアネート基等が挙げられる。3つのX1は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。X1としては、炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基又はシアノ基であることが好ましく、炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基であることがより好ましく、全てのX1が炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基であることがさらに好ましい。
シラン化合物(A)としては、R1が炭素数6~18(より好ましくは7~13)の直鎖状アルキル基であり、全てのX1が同一の基であって、炭素数1~6(より好ましくは1~4、更に好ましくは1~2)のアルコキシ基であるものが好ましい。
シラン化合物(A)としては、具体的には、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等が挙げられ、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシランが好ましい。
シラン化合物(A)は、1種のみを用いてもよいし、複数を併用してもよい。
2.シラン化合物(B)
シラン化合物(B)は下記式(2)で表される。
Figure 0007082534000004
上記式(2)中、R2は炭素数1~5の炭化水素基を表し、X2は加水分解性基を表し、nは0又は1である。
2は、飽和炭化水素基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましく、直鎖状アルキル基であることが更に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記式(2)のX2で表される加水分解性基は、前記X1で表される加水分解性基と同様の基が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基、アセトキシ基、塩素原子及びイソシアネート基等が挙げられる。3つのX2は同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。X2としては、炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基がより好ましく、全てのX2が炭素数1~6(より好ましくは1~4)のアルコキシ基であることがさらに好ましい。
また上記式(2)において、nは0であることが好ましい。
シラン化合物(B)としては、nが0であり、X2が炭素数1~6(より好ましくは1~3)であるアルコキシ基であるものが好ましい。
シラン化合物(B)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等が挙げられ、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
シラン化合物(B)は、1種のみを用いてもよいし、複数を併用してもよい。
シラン化合物(A)に対するシラン化合物(B)のモル比(B/A)は、通常0.1以上48以下であり、該モル比が前記範囲であると、皮膜表面の水滴の滑落性をより向上できる。該モル比は0.5以上であることがより好ましく、更に好ましくは1以上であり、一層好ましくは2以上であり、特に4以上が好ましい。また、該モル比は40以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり、更に好ましくは12以下、10以下が特に好ましく、最も好ましくは8以下である。該モル比は0.1以上、12以下であることも好ましい。
本発明の組成物は、上記したシラン化合物(A)及び(B)に加えて、さらに溶剤(C)を含んでいる。
溶剤(C)としては、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等の親水性有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
アルコール系溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、ジメトキシエタン、ジオキサン等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。中でも、溶剤(C)は、アルコール系溶剤(特に1-プロパノール、または2-プロパノール)、ケトン系溶剤(特にメチルイソブチルケトン)であることが好ましく、アルコール系溶剤であることがより好ましい。溶剤は、後述する基材の材質に合わせて調整することができ、例えば有機系材料の基材を用いる場合はケトン系溶剤を用いることが好ましく、無機系材料の基材を用いる場合はアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
また、溶剤(C)としてアルコール系溶剤を用いると共に、該溶剤(C)よりも20℃における蒸気圧の高い溶剤(D)を更に含むことが好ましい。本発明の組成物が溶剤(C)及び溶剤(D)を含むと、特に手塗りで本発明の組成物から皮膜を形成する場合にも外観の良好な皮膜を形成できるため好ましい。前記溶剤(D)の20℃における蒸気圧は、例えば8.0kPa以上であることが好ましく、10.0kPa以上であることがより好ましく、更に好ましくは12.0kPa以上であり、一層好ましくは14.0kPa以上であり、上限は特に限定されないが例えば50kPa以下である。また、溶剤(C)と溶剤(D)とを共に含む場合の溶剤(C)としてのアルコール系溶剤は、20℃における蒸気圧が8.0kPa未満であることが好ましく、6.0kPa以下であることがより好ましく、更に好ましくは5.0kPa以下であり、下限は特に限定されないが例えば0.0001kPa以上である。例えば、溶剤(C)として1-プロパノール及び2-プロパノールの少なくとも1種を用い、溶剤(D)としてテトラヒドロフラン、アセトン及びメチルエチルケトンの少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記溶剤(D)を含む場合、溶剤(C)及び溶剤(D)の合計100質量%中、溶剤(D)が30質量%以上であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上であり、また99.7質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましい。
本発明の組成物は、シラン化合物(A)及びシラン化合物(B)の加水分解、並びに重縮合を促進させるための触媒(E)を含んでいてもよい。触媒(E)としては、塩化水素(但し、通常、塩酸として使用)、硝酸、酢酸等の酸性化合物;アンモニア、アミン等の塩基性化合物;アルミニウムエチルアセトアセテート化合物等の有機金属化合物等を用いることができる。触媒(E)の含有量は、シラン化合物(A)及びシラン化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上であり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下である。
本発明の組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、防錆剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防カビ剤、抗菌剤、生物付着防止剤、消臭剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤等、各種の添加剤等のその他の成分を含有していてもよい。
本発明の組成物を基材と接触させる方法としては、ディップコーティング法、手塗り(布等に液を染み込ませ、基材に塗りこむ方法。基板上を複数回往復させることが好ましい。)、かけ流し(スポイトなどを用いて基材に液をそのままかけ、塗布する方法)、霧吹き(霧吹きを用いて基材に塗布する方法)、あるいはこれらを組み合わせた方法などが挙げられる。
本発明の組成物を基材と接触させた状態で、空気中、常温で静置(例えば10分~48時間、好ましくは10時間~48時間)することで、空気中の水分が取り込まれ、加水分解性基の加水分解・重縮合が促進され、組成物が硬化して基材上に皮膜を形成できる。得られた皮膜を更に乾燥させることも好ましい。皮膜の膜厚は、1nm以上であることが好ましく、より好ましくは1.5nm以上であり、上限は例えば15nm以下であり、10nm以下であってもよい。皮膜の膜厚が一定以上であることで良好な撥水性を安定して示すことが期待できるため、好ましい。また、一定以下であると外観が良好になることが期待できるため、好ましい。
本発明の組成物を接触させる基材の形状は、平面、曲面のいずれでもよいし、多数の面が組み合わさった三次元的構造でもよい。また基材の材質としては、有機系材料、無機系材料が挙げられる。前記有機系材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル-スチレン共重合樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂;等が挙げられ、無機系材料としては、セラミックス;ガラス;鉄、シリコン、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属;前記金属を含む合金;等が挙げられる。
前記基材には予め易接着処理を施しておいてもよい。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の親水化処理が挙げられる。また、樹脂、シランカップリング剤、テトラアルコキシシラン等によるプライマー処理を施しても良いし、ポリシラザンなどのガラス皮膜を基材に予め塗布しておいても良い。
本発明の組成物を硬化して得られる皮膜は、滑落性と外観に優れる。滑落性は、20°に傾けた基板の皮膜の上に50μLの水滴を滴下し、初期滴下位置から水滴が1.5cm滑落するまでの滑落速度で評価することができ、該滑落速度は例えば8mm/秒以上であり、好ましくは10mm/秒以上であり、より好ましくは20mm/秒以上であり、更に好ましくは30mm/秒以上である。滑落速度の上限は、例えば100mm/秒である。また、本発明の組成物を硬化して得られる皮膜のヘーズ値は、例えば0.17%以下であり、好ましくは0.15%以下であり、より好ましくは0.12%以下である。ヘーズ値の下限は、例えば0.01%である。
本発明の組成物を用いることで、液滴滑り性と外観に優れた皮膜を提供することができる。該皮膜は、建築材料、自動車部品、工場設備などに有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシラン)3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール(2-プロパノール)2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液1を作製した。前記試料溶液1をイソプロピルアルコールで体積比300倍に希釈し、塗布溶液1を作製した。5cm×5cmのガラス基板(EAGLE XG、Corning社製)を仰角80°となるように設置し、霧吹きを用いて塗布溶液1を1.5ml吹き付けた後、常温で24時間放置して乾燥させ、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例2
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液2を作製した。前記試料溶液2をイソプロピルアルコールで体積比300倍に希釈し、塗布溶液2を作製した。塗布溶液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例3
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン5.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.3×10-3molを、イソプロピルアルコール2.56mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.33ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液3を作製した。前記試料溶液3をイソプロピルアルコールで体積比300倍に希釈し、塗布溶液3を作製した。塗布溶液3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例4
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.8×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.50mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.39ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液4を作製した。前記試料溶液4をイソプロピルアルコールで体積比300倍に希釈し、塗布溶液4を作製した。塗布溶液4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例5
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液5を作製した。前記試料溶液5をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液5を作製した。塗布溶液5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例6
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液6を作製した。前記試料溶液6をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液6を作製した。塗布溶液6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例7
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン5.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.3×10-3molを、イソプロピルアルコール2.56mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.33ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液7を作製した。前記試料溶液7をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液7を作製した。塗布溶液7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例8
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液8を作製した。前記試料溶液8をイソプロピルアルコールで体積比1500倍に希釈し、塗布溶液8を作製した。塗布溶液8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例9
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液9を作製した。前記試料溶液9をイソプロピルアルコールで体積比200倍に希釈し、塗布溶液9を作製した。塗布溶液9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例10
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液10を作製した。前記試料溶液10をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液10を作製した。5cm×5cmのガラス基板(EAGLE XG、Corning社製)を仰角80°となるように設置し、スポイトを用いて1.5mlの塗布溶液10をガラス基板全面にわたってかけ流し、常温で24時間放置して乾燥させ、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例11
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液11を作製した。前記試料溶液11をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液11を作製した。5cm×5cmのガラス基板(EAGLE XG、Corning社製)を、塗布溶液11で満たされた容器へ1秒以上漬けたあと上方に引き上げ、常温で24時間放置して乾燥させ、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例12
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン2.8×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル1.4×10-3molを、イソプロピルアルコール2.92mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を0.97ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液12を作製した。前記試料溶液12をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液12を作製した。ベンコット(登録商標、旭化成(株)製)に1.5mlの塗布溶液12を染みこませ、5cm×5cmのガラス基板(EAGLE XG、Corning社製)に手塗りで同一箇所に時間を置かず連続で3回重ね塗りし、常温で24時間放置して乾燥させ、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例13
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール2.82mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.07ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液13を作製した。前記試料溶液13をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液13を作製した。塗布溶液13を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例14
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液14を作製した。前記試料溶液14をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液14を作製した。塗布溶液14を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例15
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液15を作製した。前記試料溶液15をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液15を作製した。塗布溶液15を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例16
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン5.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.3×10-3molを、イソプロピルアルコール2.56mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.33ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液16を作製した。前記試料溶液16をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液16を作製した。塗布溶液16を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例17
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン3.8×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.5×10-3molを、イソプロピルアルコール2.54mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.35ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液17を作製した。前記試料溶液17をアセトンで体積比50倍に希釈し、塗布溶液17を作製した。塗布溶液17を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例18
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン3.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.5×10-4molを、イソプロピルアルコール3.05mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を0.85ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液18を作製した。前記試料溶液18をアセトンで体積比150倍に希釈し、塗布溶液18を作製した。塗布溶液18を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例19
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン2.8×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル1.4×10-3molを、イソプロピルアルコール2.92mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を0.97ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液19を作製した。前記試料溶液19をアセトンで体積比150倍に希釈し、塗布溶液19を作製した。塗布溶液19を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例20
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン2.2×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル2.2×10-3molを、イソプロピルアルコール2.82mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.07ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液20を作製した。前記試料溶液20をアセトンで体積比150倍に希釈し、塗布溶液20を作製した。塗布溶液20を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例21
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液21を作製した。前記試料溶液21をアセトンで体積比150倍に希釈し、塗布溶液21を作製した。塗布溶液21を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例22
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン9.4×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.63mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.27ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液22を作製した。前記試料溶液22を、アセトンとイソプロピルアルコールの混合溶液で体積比50倍に希釈して、アセトンとイソプロピルアルコールの体積比が約50/50となるようにし、塗布溶液22を作製した。塗布溶液22を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例23
シラン化合物(A)としてヘキシルトリメトキシシラン1.0×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.54mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.34ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液23を作製した。前記試料溶液23を、イソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液23を作製した。塗布溶液23を用いた以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例24
シラン化合物(A)としてn-オクチルトリメトキシシラン9.6×10-4mol、シラン化合物(B)として3.9×10-3molを、イソプロピルアルコール2.58mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液1.30mlを滴下した後、24時間撹拌し、試料溶液24を作製した。前記試料溶液24をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液24を作製した。塗布溶液24を用いた以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例25
シラン化合物(A)としてドデシルトリメトキシシラン9.1×10-4mol、シラン化合物(B)として3.6×10-3molを、イソプロピルアルコール2.66mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液1.22mlを滴下した後、24時間撹拌し、試料溶液25を作製した。前記試料溶液25をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液25を作製した。塗布溶液25を用いた以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例26
シラン化合物(A)としてドデシルトリエトキシシシラン8.9×10-4mol、シラン化合物(B)として3.5×10-3molを、イソプロピルアルコール2.71mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液1.18mlを滴下した後、24時間撹拌し、試料溶液26を作製した。前記試料溶液26をイソプロピルアルコールで体積比500倍に希釈し、塗布溶液26を作製した。塗布溶液26を用いた以外は、実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
比較例1
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.5×10-3mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル3.0×10-3molを、イソプロピルアルコール2.72mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.17ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液27を作製した。前記試料溶液27をイソプロピルアルコールで体積比2000倍に希釈し、塗布溶液27を作製した。塗布溶液27を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
比較例2
シラン化合物(A)としてn-デシルトリメトキシシラン1.8×10-4mol、シラン化合物(B)としてオルトケイ酸テトラエチル4.8×10-3molを、イソプロピルアルコール2.50mlに溶解させ、室温で20分撹拌した。得られた溶液に触媒(E)として0.01M塩酸水溶液を1.39ml滴下し、室温で24時間撹拌して試料溶液28を作製した。前記試料溶液28をイソプロピルアルコールで体積比30倍に希釈し、塗布溶液28を作製した。塗布溶液28を用いたこと以外は実施例12と同様にして、ガラス基板上に皮膜を形成させた。
実施例1~26、比較例1、2で得られたガラス基板上の皮膜について、下記の(1)~(3)の方法で評価した。
(1)滑落速度の測定
接触角測定装置(DM700、協和界面科学(株)製)を用いて、20°に傾けたガラス基板の皮膜の上に50μLの水滴を滴下し、初期滴下位置から水滴が1.5cm滑落するまでの時間を測定して、皮膜表面の水滴の滑落速度を算出した。
(2)ヘーズ値の測定
ヘーズメーター(HZ-2、スガ試験機(株)製)を用いて、D65光源(平均昼光)にて、表面のヘーズ(曇り度)を測定した。
(3)外観の目視評価
照度1000ルクスの環境において、皮膜を光源にかざし、目視にて着色や異物の有無(以下、これらをまとめて「汚れ」と呼ぶ)を以下の基準にて評価した。
○:全く汚れがない
×:少しでも汚れが確認できる
(4)膜厚の測定
実施例6、8、15、23、26及び比較例1、2については、得られた皮膜の膜厚を下記の要領で測定した。
測定には、リガク社製X線反射率測定装置(SmartLab)を用いた。X線源として45kWのX線発生装置、CuターゲットによるCuKα線の波長λ=0.15418nmまたはCuKα1線の波長λ=0.15406nmを使用し、また、モノクロメータは、用いない。設定条件として、サンプリング幅は0.01°、走査範囲0.0~2.5°に設定した。そして、上記設定条件により測定し、反射率測定値を得た。得られた測定値を、同社解析ソフト(GlobalFit)を用いて解析した。
膜厚は、実施例6が2.9nm、実施例8が2.5nm、実施例15が2.6nm、実施例23が2.6nm、実施例26が3.5nm、比較例1が0.3nm、比較例2が16.3nmであった。
上記(1)~(3)の測定結果を表1~4に示す。
Figure 0007082534000005
Figure 0007082534000006
Figure 0007082534000007
Figure 0007082534000008
シラン化合物(A)および(B)を合計で0.015質量%以上、0.70質量%以下含む本発明の組成物によれば、霧吹き、かけ流し、ディッピングといった簡便な方法で、滑落性とヘーズ、及び外観に優れた皮膜を形成できる(実施例1~26)。一方、シラン化合物(A)および(B)の合計含有量が少ない比較例1では、水滴の滑落性が低下した。また、シラン化合物(A)および(B)の合計含有量が多かった比較例2では、ヘーズ値が大きくなり、皮膜の透明性が悪化するとともに、外観も不良であった。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるシラン化合物(A)、下記式(2)で表されるシラン化合物(B)、溶剤(C)及び触媒(E)を含み、無機粒子を含まない組成物であって、
    前記組成物100質量%中の前記シラン化合物(A)及び(B)の合計含有量が0.015質量%以上、0.70質量%以下であり、
    前記触媒(E)の含有量が、前記シラン化合物(A)及び前記シラン化合物(B)の合計100質量部に対して、0.1質量部以下であることを特徴とする組成物。
    Figure 0007082534000009
    [式(1)中、
    1は炭素数6以上の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-は-O-に置き換わっていてもよい。
    1は加水分解性基を表す。]
    Figure 0007082534000010

    [式(2)中、
    2は炭素数1~5の炭化水素基を表す。
    2は加水分解性基を表す。
    nは0又は1である。]
  2. 前記シラン化合物(A)に対する前記シラン化合物(B)のモル比が0.1以上、48以下である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記シラン化合物(A)に対する前記シラン化合物(B)のモル比が0.1以上、12以下である請求項2に記載の組成物。
  4. 前記溶剤(C)が、アルコール系溶剤である請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記溶剤(C)よりも20℃における蒸気圧の高い溶剤(D)を更に含む請求項4に記載の組成物。
  6. 前記溶剤(D)の20℃における蒸気圧が8.0kPa以上である請求項5に記載の組成物。
  7. 前記触媒(E)が、酸性化合物である請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の組成物を硬化した膜。
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