JP7078501B2 - 法面小段部の排水路構造およびその構築方法 - Google Patents

法面小段部の排水路構造およびその構築方法 Download PDF

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本発明は、法面小段部の排水路構造に関し、特に、法面の小段部に埋設された既設排水溝を利用した法面小段部の排水路構造およびその構築方法に関する。
切土や盛土によって形成された法面には、例えば、格子状のコンクリート法枠を構築するなどして斜面全体の安定化が図られる。その際、法面が長大であると降雨によりその下方では法面上を流下する雨水量や速度が増加し洗掘力が大きくなって法面の表層部を侵食してしまうことを防止するため、防災上や維持管理上といった観点から高さ方向約5m~10mごとに水平な小段部が設けられる。
その小段部には、前述した法面上を流下する雨水や湧水等が下方の法面に流下・拡大して土壌浸食(エロージョン)や斜面崩壊を起こすことを防止するために、コンクリート二次製品のU字ブロックにより排水溝(小段排水路)を設ける一方、法面には、法肩側から法尻側へ向かう排水路(縦排水路)を横方向に所定間隔毎に複数設けて、各排水溝(小段排水路)内を流れる雨水等が排水路(縦排水路)に集水され、その縦排水路から外部に排水するように排水路構造を構成している。
一方、近年は“ゲリラ豪雨”と呼ばれる短時間且つ局地的に猛烈な雨が降ることにより、土石流や崖崩れが多く発生している。これは、当初想定した小段排水路の排水能力(容量)を超えた水量が一度に流れ込むことも一因であり、容量を超えて小段排水路から溢れ出した雨水等は下方の法面に流下して土壌を浸食し、延いては、斜面の崩壊に繋がることになる。また、日本各地の法面に構築した小段排水路は、構築から既に長い年月が経っており、その中(水路内)に土砂や枝葉類、ゴミ等が堆積することで、排水能力の低下(容量の減少)や通水性の悪化に繋がり、これらの点も雨水等が溢れ出す要因となっている。
そのため、法面における既設の排水路の上記問題点を解決するべく、雨水を一時貯留する貯留部内にサイフォン誘発器を設けると共に、上端部をサイフォン誘発器に接続した配水管を設けることによって排水処理能力を増大させた雨水排水システム(例えば、特許文献1を参照。)や、法面から小段部にかけて小段排水路を跨ぐ網目状部材を傾斜状に配した法面排水構造(例えば、特許文献2を参照。)等が提案されている。
特開2018-80566号公報 特開2017-14863号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の従来技術は、システム構築のために法面小段部の既設排水溝に対し大規模な改修工事が必要であり、コストや時間がかかるという問題がある。
しかも、既に法面周辺の道路が整備され、その道路が使用されている状況下で長期間、材料搬入や重機用としてのスペース(道路)を確保することや、施工用の足場などを設けることは、その道路の利用を阻害することになり、大規模な改修工事は困難である。
また、上述の特許文献2に記載の従来技術は、排水能力自体は工事当初から増大させるものではないため、小段排水路内に土砂やゴミ等が堆積することによる排水能力低下や通水性悪化の問題は解決できるものの、ゲリラ豪雨等により排水能力を超えた水量が小段排水路に流れ込んで溢れ出してしまうことの問題は何ら解決できない。
なお、小段部の排水路の処理能力を増大させるために、既設のものより大型の排水溝に取り替えることも考えられるが、排水溝はコンクリート製の重量物であるため(特許文献1、段落〔0006〕参照)。)、大規模な改修工事が必要となり、上述の特許文献1に記載の従来技術と同様に、材料搬入や施工が大変で、作業効率が低下するなどの問題がある。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、法面小段部の既設排水溝に対し大規模な工事を行うことなく排水処理能力を増大させることができると共に、軽量且つ容易に運搬可能な部材のため重機等も必要とせず、また大掛かりな足場を設けなくても法面小段部に新規排水溝を容易に構築することが可能な法面小段部の排水路構造およびその構築方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため、本発明に係る法面小段部の排水路構造は、法面の小段部に埋設された既設排水溝を少なくとも覆うように敷設された水平補強鉄筋と、前記既設排水溝の中に下部が配設された複数本のアンカー鉄筋と、前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側に立設された複数本の鉛直補強材と、前記複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に設置した一対の金網状型枠とを備え、前記既設排水溝、前記小段部表面および前記一対の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて新規排水溝を構築したことを特徴とする。
また、本発明に係る法面小段部の排水路構造では、前記一対の金網状型枠は、互いを連結する連結部材を介して折り畳み自在に構成されていることも特徴とする。
また、本発明に係る法面小段部の排水路構造では、前記複数本の鉛直補強材は、金網状型枠であり、その両側の前記一対の金網状型枠に対し連結部材を介して折り畳み自在に連結して構成されていることも特徴とする。
また、本発明に係る法面小段部の排水路構造では、前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側の端部は、前記鉛直補強材および前記一対の金網状型枠を設置した際にそれらの側面に接するように上方向に折り曲げられていることも特徴とする。
また、本発明に係る法面小段部の排水路構造の構築方法は、法面の小段部に設けられた既設排水溝を少なくとも覆うように小段部の表面上に水平補強鉄筋を敷設すると共に、前記既設排水溝の長手方向に複数本のアンカー鉄筋を配置して各アンカー鉄筋の上部を前記水平補強鉄筋の一部に連結し各アンカー鉄筋の下部を前記既設排水溝の中に配設する一方、前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側に複数本の鉛直補強材を立設すると共に、前記複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に一対の金網状型枠を設置し、前記既設排水溝、前記小段部表面および前記一対の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて前記既設排水溝の上に新規排水溝を構築することを特徴とする。
を特徴とする。
本発明では、法面の小段部に設けられた既設排水溝を少なくとも覆うように小段部の表面上に水平補強鉄筋を敷設すると共に、既設排水溝の長手方向に複数本のアンカー鉄筋を配置して各アンカー鉄筋の上部を水平補強鉄筋の一部に連結し各アンカー鉄筋の下部を既設排水溝の中に配設する一方、水平補強鉄筋の少なくとも法尻側に複数本の鉛直補強材を立設すると共に、複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に一対の金網状型枠を設置し、既設排水溝、小段部表面および金網状型枠にコンクリート又はモルタルを吹き付けて法面小段部に新規排水溝を構築する。
そのため、本発明によれば、法面小段部に埋設した既設排水溝に対し大規模な工事を行うことなく排水処理能力を増大させることができると共に、軽量且つ容易に運搬可能な部材のため重機等も必要とせず、また大掛かりな足場を設けなくても法面小段部に新規排水溝を容易に構築することができる。
本発明に係る実施形態の法面小段部の排水路構造の構築例を示す断面図である。 法面の小段部の既設排水溝を少なくとも覆うように水平補強鉄筋を敷設した状態を示す小段部の要部拡大図である。 本発明に係る実施形態の法面小段部の排水路構造およびその構築方法で使用する水平補強鉄筋の平面図である。 下部が既設排水溝の中に入るように複数本のアンカー鉄筋を配設すると共に、水平補強鉄筋の法尻側に複数本の鉛直補強材を立設した状態を示す小段部の要部拡大図である。 水平補強鉄筋の法尻側に立設した複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に一対の金網状型枠を設置した状態を示す小段部の要部拡大図である。 水平補強鉄筋の法尻側に立設した複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に一対の金網状型枠を設置した状態を示す要部斜視図である。 鉛直補強材の両側に一対の金網状型枠を設置後、既設排水溝、小段部表面および一対の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて既設排水溝の上に新規排水溝を構築した小段部の要部拡大図である。 鉛直補強鉄筋の代わりに金網状型枠を使用した三層で折畳み式の金網状型枠を水平補強鉄筋の法尻側に立設した状態を示す小段部の要部拡大図である。 水平補強鉄筋の法尻側に三層で折畳み式の金網状型枠を設置後、既設排水溝、小段部表面および三層で折畳み式の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて既設排水溝の上に新規排水溝を構築した小段部の要部拡大図である。
次に、本発明に係る法面小段部の排水路構造およびその構築方法の実施形態について説明する。尚、下記に説明する実施形態は、あくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
本実施形態の法面小段部の排水路構造は、図1に示すように、法面Sの小段部Bにコンクリート製の周知のU字ブロック11を埋設して設けた従来の既設排水溝1’(図2等参照。)を利用し、その上に当該既設排水溝1’よりも貯留量ないしは排水能力(容積)を大きく増大させた新規排水溝1を構築した排水路構造であり、以下、その構築方法および詳細な構造について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態においても、法面Sには、法肩側から法尻側へ向かう縦方向の排水路(縦排水路)を所定間隔毎に複数設け、新規排水溝1内を流れる雨水等を排水路(縦排水路)に集水して排水するが、排水路(縦排水路)については従来のものと変わらないので説明を省略する。
(水平補強鉄筋12の敷設およびアンカー鉄筋13の配設)
本実施形態の法面小段部の排水路構造の構築方法では、まず、図2に示すようにU字ブロック11を小段部Bに埋め込む等して設けた従来の既設排水溝1’を少なくとも覆うように小段部Bの表面上に木片やプラスチック片、コンクリートブロック等のスペーサー16等を介し小段部Bの表面から浮かして水平補強鉄筋12を敷設する。
水平補強鉄筋12は、例えば、図3に示すように平面視、法肩から法尻方向に延びる長さが異なる縦棒鋼12a1~12a3と、縦棒鋼12a1~12a3に対し直交する横棒鋼12bを格子状に溶接した市販の溶接金網等を使用し、縦棒鋼12a1~12a3の法尻側は図2等に示すように所定長さだけ上方に折り曲げている。尚、水平補強鉄筋12の升目の大きさは、最後に吹付けるコンクリート又はモルタル(以下、排水溝構築用モルタルと総称する。)17等が円滑に各升目を通る大きさとする。
ここで、縦棒鋼12a1~12a3の長さを変え、かつ、法尻側を上方へ所定長さだけ折り曲げた理由は、後述するように鉛直補強鉄筋14や金網状型枠15a,15bを作業性良く立設させるためである。
つまり、図3等に示すように縦棒鋼12a1~12a3の内、最長の縦棒鋼12a1は、法尻側の金網状型枠15aの設置位置に応じて長く、次に長い縦棒鋼12a2は、一対の金網状型枠15a,15bの間に立設する鉛直補強鉄筋14の設置位置に応じた中間長さであり、最短の縦棒鋼12a3は、法肩側の金網状型枠15bの設置位置に応じて短くしている。
(アンカー鉄筋13の配設)
次に、本実施形態の法面小段部の排水路構造の新規排水溝1が既設排水溝1’の構造を利用して構築できるよう、図4や図6等に示すようにU字ブロック11によって形成されている既設排水溝1’の中に、その長手方向に所定間隔で複数本のアンカー鉄筋13を配置する。
アンカー鉄筋13は、水平部13aと鉛直部13bとを有するL字形状の鉄筋から構成されており、水平部13aは水平補強鉄筋12の縦棒鋼12a1~12a3等に番線(図示せず。)等によって結束して連結したり、あるいは溶接等によって連結する。すると、鉛直部13bは、そのほとんどが既設排水溝1’の中に配設されることになる。尚、ここでは、図4~図6等に示すように既設排水溝1’の長手方向に所定間隔で配設した複数のアンカー鉄筋13の鉛直部13bを水平方向に延びる水平補助鉄筋13cによって連結しているが、水平補助鉄筋13cによる連結は省略しても良い。
(鉛直補強鉄筋14の立設および一対の金網状型枠15a,15bの設置)
次に、水平補強鉄筋12の少なくとも法尻側に、図4や図6に示すように既設排水溝1’の長手方向に所定間隔で鉛直補強鉄筋14を立設すると共に、図5に示すように鉛直補強鉄筋14の両側に鉛直補強鉄筋14を挟むように一対の金網状型枠15a,15bを設置する。
その際、水平補強鉄筋12を構成する縦棒鋼12a1~12a3それぞれの法尻側端部は、鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15bの設置位置近傍で上方へ所定長さ折り曲げて構成されているため、鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15b下端部を番線や溶接等によって容易に固定して立設させることができる。
特に、一対の金網状型枠15a,15b同士を連結する連結部材15cは、両端部にリング部(図示せず。)等が形成されており、その両端部のリング部(図示せず。)を金網状型枠15a,15bを構成する網線等に回転自在に遊嵌して、一対の金網状型枠15a,15bを折り畳み自在に構成している。尚、折畳み式の金網状型枠の構造は、例えば、特開2012-097441号公報や特開2012-112093号公報等に開示されており、周知なものである。
そのため、作業者は一対の金網状型枠15a,15bを折畳んだ状態で設置現場まで運び、設置現場に到着した際に一対の金網状型枠15a,15bを拡げて、縦棒鋼12a1,12a3の法尻側端部に容易に固定して立設させることができる。
また、一対の金網状型枠15a,15bの内、外側すなわち法尻側となる金網状型枠15aの下端部は、小段部Bのコンクリート面に当接するように内側である法肩側の金網状型枠15bよりも下端部の長さを長く形成している。
そのため、最後に一対の金網状型枠15a,15b等に向けて排水溝構築用モルタル17を吹き付ける際に、金網状型枠15aの外側に排水溝構築用モルタル17が流れ出すことを効果的に防止することができる。
尚、本実施形態では、図5や図6等に示すように、水平補強鉄筋12を構成する縦棒鋼12a1~12a3の法尻側端部に鉛直補強鉄筋14および一対の金網状型枠15a,15bを立設した後、複数本の鉛直補強鉄筋14同士や一対の金網状型枠15a,15bを折畳み可能に連結している連結部材15cを2段の水平補助鉄筋14aで連結しているが、この水平補助鉄筋14aによる連結も省略しても良い。また、法尻側の金網状型枠15aは法肩側の金網状型枠15bよりも下端部の長さを長く形成しているが、これら一対の金網状型枠15a,15bの長さを同じとし、別途用意した金網状型枠を金網状型枠15aの下端部に連結させてその長さを長く形成させても良い。
(排水溝構築用モルタル17の吹き付け)
以上の作業によって、例えば、図6に示すように小段部Bの上に新規排水溝1の骨組みの設置が完了すると、続いて作業者は、図7に示すように既設排水溝1’、小段部B表面、一対の金網状型枠15a,15b等に向けて排水溝構築用モルタル17を吹き付ける。
すると、既設排水溝1’は吹き付けた排水溝構築用モルタル17で埋まり、小段部B表面がほぼ平らになると共に、水平補強鉄筋12やアンカー鉄筋13等が骨組みとなって小段部B上に新規排水溝1の底壁18が完成する一方、小段部Bの法尻側では鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15bが骨組みとなって新規排水溝11の側壁19が完成する。
尚、新規排水溝1は、図7に示すように、吹き付けた排水溝構築用モルタル17によって形成された底壁18および側壁19と、その側壁19に対向する法肩側の法枠2下部によって構成される。
そのため、U字ブロック11による従来の既設排水溝1’の断面と、図7に示す新規排水溝1の断面とを比較すれば明らかなように、新規排水溝1の方が既設排水溝1’よりも数倍も貯水能力ないしは排水能力(容積)を向上させることができる。
従って、本実施形態の法面小段部の排水路構造およびその構築方法によれば、U字ブロック11による従来の既設排水溝1’に対し大規模な工事を行うことなく排水処理能力を増大させた新規排水溝1を構築することができると共に、新規排水溝1を構築するための骨組みも水平補強鉄筋12やアンカー鉄筋13、鉛直補強鉄筋14および一対の金網状型枠15a,15b等の軽量且つ容易に運搬可能な部材で済むため、重機等も必要とせず、また大掛かりな足場を設けなくても新規排水溝1を容易に構築することができる。
特に、本実施形態の法面小段部の排水路構造およびその構築方法では、新規排水溝1の側壁19の骨組みとなる一対の金網状型枠15a,15bは、互いを連結する連結部材15cを介して折り畳み自在に構成している。
そのため、作業者は一対の金網状型枠15a,15bを折畳んだ状態で設置現場まで運び、設置現場に到着した際に一対の金網状型枠15a,15bを拡げることによって、水平補強鉄筋12の法尻側端部に容易に立設することができるので、この点でも新規排水溝1を容易に構築することができる。
また、本実施形態の法面小段部の排水路構造およびその構築方法では、水平補強鉄筋12を構成する縦棒鋼12a1~12a3の法尻側端部は、鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15bの設置位置近傍で上方へ所定長さ折り曲げて構成している。
そのため、鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15bは、それらの下端部を水平補強鉄筋12の縦棒鋼12a1~12a3の法尻側端部の上方へ折り曲げられた部分に番線や溶接等によって容易に固定して立設させることができるので、この点でも新規排水溝1を容易に構築することができる。
また、本実施形態では、片側である法尻側にのみ鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15bを立設して新規排水溝1の側壁19を設け、小段部Bの法肩側には新規排水溝1の側壁を設けないようにしている。
そのため、本実施形態によれば、小段部Bの法尻側および法肩側の両側に新規排水溝1の側壁を設ける場合と比較して、法肩側の側壁の分だけ鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15b等の骨組みの量が減ると共に吹き付ける排水溝構築用モルタル17の量も減るので、作業時間やコストを低減できると共に、新規排水溝1の貯水能力ないしは排水能力(容積)を向上させることができ、さらには法肩側の法面Sと法肩側の新規排水溝1の側壁との間の溝部に枯れ葉や砕石等のごみが滞留することも防止できる。
尚、本実施形態の説明では、鉛直補強材である鉛直補強鉄筋14と一対の金網状型枠15a,15bとは別々の部材で説明したが、例えば、図8に示すように鉛直補強鉄筋14の代わりに金網状型枠15dを使用して、一対の金網状型枠15a,15b間に鉛直補強材である金網状型枠15dを介在させ、金網状型枠15aと金網状型枠15dとを、連結部材15cと同様に両側にリング部(図示せず。)を設けた連結部材15c’を使用して金網状型枠15aと金網状型枠15dとを折畳み可能に構成すると共に、金網状型枠15bと金網状型枠15dとも、両側にリング部(図示せず。)を設けた連結部材15c’を使用して金網状型枠15bと金網状型枠15dとを折畳み可能に構成した3層構造の金網状型枠15a,15b,15dを水平補強鉄筋12の法尻側端部に立設して、その後、図9に示すように既設排水溝1’、小段部B表面、3層構造の金網状型枠15a,15b,15d等に向けて排水溝構築用モルタル17を吹き付けて新規排水溝1を構築するようにしても勿論良い。
また、本実施形態では、小段部Bの法尻側にのみ鉛直補強鉄筋(鉛直補強材)14および金網状型枠15a,15bを立設して側壁19を設けるように説明したが、本発明ではこれに限らず、小段部Bの法尻側および法肩側の両側に金網状型枠15a,15bを立設して側壁19を法尻側および法肩側の両側に構築するようにしても勿論良い。ただし、この場合には、法尻側および法肩側の側壁19と底壁18とに囲まれた体積が法面小段部の排水路構造の排水能力(容量)となるので、上述した小段部Bの法尻側にのみ側壁19を設け、法肩側の法枠2下端部を他方の側壁として代用する場合と比べ、排水能力(容量)が低下すると共に、法肩側の側壁と法肩側の法枠2下端部との間の凹部(溝部)に石やゴミ等が滞留したり、法肩側の側壁の分だけ鉛直補強鉄筋14および金網状型枠15a,15b等の骨組みの量や吹き付ける排水溝構築用モルタル17の量が増大することになる。
また、本実施形態では、水平補強鉄筋12は、長さが異なり、かつ、法尻側端部を所定長さだけ上方に折り曲げた縦棒鋼12a1~12a3により構成して説明したが、本発明では、これに限らず、縦棒鋼12a1~12a3全ての長さが同一で、また法尻側端部が上方へ折り曲げていない市販の網状鉄筋等をそのまま使用しても勿論良い。また、アンカー鉄筋13も水平部13aと鉛直部13bとを有するL字形状の鉄筋で説明したが、本発明ではこれに限らず、通常の直線状のアンカー鉄筋をそのまま使用しても勿論良い。また、本発明の法面小段部の排水路構造は、法面の表面保護工の形態によっては、落石等の防護壁としても適用可能である。
1…新規排水溝、1’…既設排水溝、11…U字ブロック、12…水平補強鉄筋、12a1~12a3…縦棒鋼、12b…横棒鋼、13…アンカー鉄筋、13a…水平部、13b…鉛直部、13c…水平補助鉄筋、14…鉛直補強鉄筋(鉛直補強材)、14a…水平補助鉄筋、15a,15b…金網状型枠、15c,15c’…連結部材、15d…金網状型枠(鉛直補強材)、16…スペーサー、17…排水溝構築用モルタル(コンクリート又はモルタル)、18…底壁、19…側壁、2…法枠、B…小段部、S…法面。

Claims (5)

  1. 法面の小段部に埋設された既設排水溝を少なくとも覆うように敷設された水平補強鉄筋と、
    前記既設排水溝の中に下部が配設された複数本のアンカー鉄筋と、
    前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側に立設された複数本の鉛直補強材と、
    前記複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に設置した一対の金網状型枠とを備え、
    前記既設排水溝、前記小段部表面および前記一対の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて新規排水溝を構築したことを特徴とする法面小段部の排水路構造。
  2. 請求項1記載の法面小段部の排水路構造において、
    前記一対の金網状型枠は、互いを連結する連結部材を介して折り畳み自在に構成されていることを特徴とする法面小段部の排水路構造。
  3. 請求項1記載の法面小段部の排水路構造において、
    前記複数本の鉛直補強材は、金網状型枠であり、その両側の前記一対の金網状型枠に対し連結部材を介して折り畳み自在に連結して構成されていることを特徴とすることを特徴とする法面小段部の排水路構造。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の法面小段部の排水路構造において、
    前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側の端部は、前記鉛直補強材および前記一対の金網状型枠を設置した際にそれらの側面に接するように上方向に折り曲げられていることを特徴とする法面小段部の排水路構造。
  5. 法面の小段部に設けられた既設排水溝を少なくとも覆うように小段部の表面上に水平補強鉄筋を敷設すると共に、前記既設排水溝の長手方向に複数本のアンカー鉄筋を配置して各アンカー鉄筋の上部を前記水平補強鉄筋の一部に連結し各アンカー鉄筋の下部を前記既設排水溝の中に配設する一方、
    前記水平補強鉄筋の少なくとも法尻側に複数本の鉛直補強材を立設すると共に、前記複数本の鉛直補強材を挟むようその両側に一対の金網状型枠を設置し、
    前記既設排水溝、前記小段部表面および前記一対の金網状型枠に向けてコンクリート又はモルタルを吹き付けて前記既設排水溝の上に新規排水溝を構築することを特徴とする法面小段部の排水路構造の構築方法。
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