JP7077071B2 - 加温時の温度ムラを抑制した加温販売用容器詰飲料、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料であって、少なくとも1種の増粘多糖類を含有し、かつ、粘度が4.0mPa・s以上であることを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料;
(2)飲料の液の高さが9cm以上であることを特徴とする上記(1)に記載の加温販売用容器詰飲料;
(3)飲料の液量が300mL以上であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加温販売用容器詰飲料;
(4)セルロース系安定剤の合計濃度に対する増粘多糖類の合計濃度の比率が、7以上であることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料;
(5)セルロース系安定剤の合計濃度が0.03重量%未満であることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料;
(6)セルロース系安定剤が、発酵セルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上であり、増粘多糖類が、キサンタンガム、カラギナン、アラビアガム、ガティガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びタラガムからなる群から選択される1種又は2種以上である上記(1)~(5)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料;
(7)不溶性固形分濃度が3.75g/100mL以下であることを特徴とする上記(1)~(6)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料;
(8)容器が、透明なプラスチック製ボトルであることを特徴とする上記(1)~(7)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料;
(9)ココア飲料、茶飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、甘酒飲料、おしるこ飲料のいずれかであることを特徴とする上記(1)~(8)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
(10)不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることを含む方法によって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料の製造方法;
(11)加温販売用容器詰飲料の液の高さが9cm以上であることを特徴とする上記(10)に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法;
(12)工程Aが、前記加温販売用容器詰飲料におけるセルロース系安定剤の合計濃度を0.03重量%未満に調整すること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、セルロース系安定剤の合計濃度に対する増粘多糖類の合計濃度の比率が7以上となるように調整することを含む方法によって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程であることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法;
(13)加温販売用容器詰飲料における不溶性固形分濃度を3.75g/100mL以下に調整する工程Bをさらに含むことを特徴とする上記(10)~(12)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法;
(14)飲料がココア飲料、茶飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、甘酒飲料、おしるこ飲料のいずれかであることを特徴とする上記(10)~(13)のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法;及び、
(15)不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることによって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料を保温ケースで加温した際の外観品質の劣化及び温度ムラを抑制する方法;
等に関する。
[1]不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料であって、少なくとも1種の増粘多糖類を含有し、かつ、粘度が4.0mPa・s以上であることを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料(以下、「本発明の容器詰飲料」とも表示する。);
[2]不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることによって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも表示する。);
[3]不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることによって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料を保温ケースで加温した際の外観品質の劣化及び温度ムラを抑制する方法(以下、「本発明の温度ムラ等の抑制方法」とも表示する。);
などの実施態様を含んでいる。
なお、本明細書において、「~」で表された数値範囲には、特に言及がない限り、「~」の両端の数値も当然含まれる。また、本明細書中、容器詰飲料用の保温ケースは、保温ケース内で容器詰飲料を載せる板状の部分(以下、「板状の加熱板」とも表示する。)が加熱される方式の保温ケースを表す。
本発明において「加温販売用容器詰飲料」とは、加温(50~70℃)状態で、販売に供される容器詰飲料を意味する。「加温販売用容器詰飲料」としては、加温状態でのみ販売に供される容器詰飲料に限られず、加温状態で販売に供されることがある容器詰飲料であればよい。
本発明における「セルロース系安定剤」としては、発酵セルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でも、発酵セルロース、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上が好ましく挙げられ、中でも、発酵セルロースがより好ましく挙げられる。なお、本発明に用いる「セルロース系安定剤」は、1種類であっても2種類以上であってもよい。上記の塩としては、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩などの一価金属塩)、アンモニウム塩、アミン塩が挙げられ、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
本発明における「増粘多糖類」としては、キサンタンガム、カラギナン、アラビアガム、ガティガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びタラガムからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でもキサンタンガムがより好ましく挙げられる。なお、本発明に用いる「増粘多糖類」は、1種類であっても2種類以上であってもよい。
本発明の加温販売用容器詰飲料の粘度としては、4.0mPa・s以上である限り特に制限されないが、温度ムラの抑制効果をより多く得る等の観点から、好ましくは4.5mPa・s以上、より好ましくは5.0mPa・s以上が挙げられ、加温販売用容器詰飲料の食感をあまり大きく変化させない観点から、粘度の上限として例えば10mPa・s以下、好ましくは7.5mPa・s以下、より好ましくは5.4mPa・s以下が挙げられる。
飲料を、目開き75μm及び線径50μmのメッシュに通して前処理を行う。前処理を行って得られた液体を以下の設定条件の粘度計で測定する。
粘度計設定:キャピラリー1.8mm;ボール直径1.5mm;ボール密度7.66g/cm3;角度70度
本発明における「不溶性固形分」としては、容器詰飲料に添加可能な水に不溶又は水に難溶性である固形分であれば特に限定されず、例えば、ココア、抹茶、コーヒー、ごま、大豆、あずき等の粉末に含まれる不溶性固形分;果物の果肉若しくは果汁の繊維分、野菜の葉、根、果肉若しくは果汁の繊維分;不溶性カルシウム成分の粉末である不溶性固形分;等を例示することができ、中でも、ココア粉末、抹茶粉末、コーヒー粉末に含まれる不溶性固形分;果物の果肉若しくは果汁の繊維分;が好ましく挙げられる。なお、本発明に用いる「不溶性固形分」は、1種類であっても2種類以上であってもよい。
飲料を遠心用のチューブに入れ、20℃条件下、2500gで20分間、遠心処理を行った後、チューブを10秒間逆さまにして、チューブから沈殿を残して上清を除去する。そのチューブを乾燥機内に入れて85℃で24時間静置し、沈殿を乾燥させる。その沈殿の重量を計測し、飲料100mLあたりの不溶性固形分量(g)を算出する。
加温販売用容器詰飲料とその対照加温販売用容器詰飲料A(セルロース系安定剤及び増粘多糖類のいずれも含まない加温販売用容器詰飲料)とを、保温ケース内の板状の加熱板上に載置した後、その保温ケースの設定温度を70℃にセットして加温を開始する。加温開始から150時間後に保温ケース内から各容器詰飲料を取り出し、個々の容器詰飲料の温度ムラ(℃)を測定する。この温度ムラ(℃)は、容器詰飲料のボトル底面から約1cmの高さの部分の飲料の液温(「下層部の液温」)(℃)から、その容器詰飲料の液面から深さ約1cmの部分の飲料の液温(「上層部の液温」)(℃)を減じた数値(℃)である。ある加温販売用容器詰飲料の温度ムラの数値(℃)から、その対照加温販売用容器詰飲料Aの温度ムラの数値(℃)を減じた数値(℃)を、その加温販売用容器詰飲料の温度ムラの差(℃)とする。
本発明における加温販売用容器詰飲料は、製造工程において加熱殺菌処理された加温販売用容器詰飲料であってもよい。加熱殺菌する方法としては、特に制限されず、例えば、高温短時間殺菌法(HTST法)、パストライザー殺菌法、超高温加熱処理法(UHT法)等を挙げることができる。
本発明の加温販売用容器詰飲料の製造方法(本発明の製造方法)としては、不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることを含む方法によって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含んでいる限り特に制限されない。本発明の製造方法は、かかる工程Aを含んでいること以外は、通常の加温販売用容器詰飲料の製造手順に従うことができる。
本発明の加温販売用容器詰飲料を保温ケースで加温した際の外観品質の劣化及び温度ムラを抑制する方法(本発明の温度ムラ等の抑制方法)としては、不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、少なくとも1種の増粘多糖類を前記加温販売用容器詰飲料に含有させることによって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含んでいる限り特に制限されない。
不溶性固形分の沈殿が問題となり得る容器詰飲料として、容器詰ココア飲料を用意した。かかる容器詰ココア飲料においてセルロース系安定剤を用いた場合に、セルロース系安定剤を用いなかった場合と比較して、外観品質の劣化と温度ムラがどのようであるか、以下のように評価を行った。
ココアパウダー10gを1Lのお湯に溶解し、ココア溶液を調製した。ココア溶液を半分ずつに分けて、安定剤である発酵セルロースをそれぞれ添加し、発酵セルロース濃度が0.00374重量%であるココア溶液(以下、「ココア溶液A」とも表示する。)と、発酵セルロース濃度が0.0112重量%であるココア溶液(以下、「ココア溶液B」とも表示する。)を調製した。500mL容のペットボトルを6本用意し、そのうち3本にココア溶液Aを、残りの3本にココア溶液Bを、後述の表1記載の液量(mL)及び液高(cm)となるようにそれぞれ注ぎ入れ、表1の試験区1~6の容器詰ココア飲料を調製した。なお、容器詰ココア飲料におけるココア溶液の液高は、容器の底部からココア溶液の液面までの高さを表す。
発酵セルロースを添加しなかったこと以外は同じ方法で、対照容器詰ココア飲料を調製した。すなわち、ココアパウダー10gを1Lのお湯に溶解したココア溶液を、500mL容の3本のペットボトルに注ぎ入れ、3種類の対照容器詰ココア飲料(液量500mLで液高15cmの対照容器詰ココア飲料;液量370mLで液高11cmの対照容器詰ココア飲料;液量280mLで液高7cmの対照容器詰ココア飲料)を調製した。
容器詰飲料用の市販の保温ケースを用意した。かかる保温ケースは、保温ケース内で容器詰飲料を載せる鉄板部分が加熱される方式の保温ケースである。保温ケース内の鉄板上に、前述の試験区1~6の容器詰ココア飲料及び3種の対照容器詰ココア飲料(以下、併せて「容器詰ココア飲料等」とも表示する。)を載置した後、その保温ケースの設定温度を70℃にセットして加温を開始した。加温開始から150時間後に保温ケース内から容器詰ココア飲料等を取り出し、個々の容器詰ココア飲料等の上層部と下層部の温度ムラを測定した。上層部と下層部の温度ムラは以下のような方法で測定した。
容器詰ココア飲料等の液面から深さ約1cmの部分のココア溶液の液温を測定し、その液温をその容器詰ココア飲料等の上層部の液温とした。また、容器詰ココア飲料等のボトル底面から約1cmの高さの部分のココア溶液の液温を測定し、その液温をその容器詰ココア飲料等の下層部の液温とした。その容器詰ココア飲料等の下層部の液温から上層部の液温を減じた数値を、その容器詰ココア飲料等の温度ムラ(℃)とした。
ある容器詰ココア飲料と、液高(cm)及び液量(mL)が同じ対照容器詰ココア飲料を、「対応する対照容器詰ココア飲料」と表示する。ある容器詰ココア飲料の温度ムラの数値(℃)から、対応する対照容器詰ココア飲料の温度ムラの数値(℃)を減じた数値(℃)を、その容器詰ココア飲料の「温度ムラの差(℃)」と表す。温度ムラの差の数値が大きいほど、発酵セルロース等のセルロース系安定剤の添加によって温度ムラが増加したことを示す。
なお、前述の加温後の試験区1~6の容器詰ココア飲料について、以下の表2に記載の評価基準で飲料の外観品質の劣化を評価した。
容器詰ココア飲料の外観品質の劣化と温度ムラに対して、セルロース系安定剤である発酵セルロースと、増粘多糖類であるキサンタンとを併用すること等がどのように影響するかを調べるために、以下の実験を行った。
ココアパウダー10gを1Lのお湯に溶解し、ココア溶液を調製した。次いで、ココア溶液に発酵セルロース及び/又はキサンタンを添加して、発酵セルロース及びキサンタンの濃度が後述の表3に記載の濃度である各ココア溶液を調製した。500mL容のペットボトルにこれらの各ココア溶液を、液量370mL及び液高11cmとなるようにそれぞれ注ぎ入れ、表3の試験区7~11の容器詰ココア飲料を調製した。
容器詰ココア飲料の粘度を測定する直前に、目開き75μm及び線径50μmのメッシュを通して前処理を行った。前処理した液体を、以下の設定条件の粘度計で測定した。
粘度計設定:キャピラリー1.8mm;ボール直径1.5mm;ボール密度7.66g/cm3;角度70度
容器詰ココア飲料の外観品質の劣化と温度ムラに対して、飲料中の不溶性固形分濃度がどのように影響するかを調べるために、以下の実験を行った。
1g(試験区12)、20g(試験区13)、30g(試験区14)、40g(試験区15)、
45g(試験区16)のココアパウダーを、それぞれ1Lのお湯に溶解し、5種のココア溶液を調製した。次いで、発酵セルロース濃度が0.00374重量%で、キサンタン濃度が0.0546重量%となるように、各ココア溶液に発酵セルロース及びキサンタンを添加した。500mL容のペットボトルにこれらの各ココア溶液を、液量370mL及び液高11cmとなるようにそれぞれ注ぎ入れ、表4の試験区12~16の容器詰ココア飲料を調製した。
容器詰ココア飲料中のココア飲料を遠心用のチューブに入れ、20℃条件下、2500gで20分間、遠心処理を行った後、チューブを10秒間逆さまにして、チューブから沈殿を残して上清を除去した。そのチューブを乾燥機内に入れて85℃で24時間静置し、沈殿を乾燥させた。その沈殿の重量を計測し、ココア飲料100mLあたりの不溶性固形分量(g)を算出した。
発酵セルロースとキサンタンの併用効果が、ココアではない不溶性固形分を含む加温販売用容器詰飲料においても、発揮されるかを調べるために、以下の実験を行った。
粉末茶10gを1Lのお湯に溶解し、粉末茶溶液を調製した。次いで、発酵セルロース濃度が0.00374重量%で、キサンタン濃度が0.0546重量%となるように、粉末茶溶液に発酵セルロース及びキサンタンを添加した。500mL容のペットボトルにこの粉末茶溶液を、液量370mL及び液高11cmとなるように注ぎ入れ、表5の試験区17の容器詰粉末茶入り茶飲料を調製した。なお、容器詰粉末茶入り茶飲料の不溶性固形分濃度(g/100mL)を、実施例の上記「3.」に記載の方法で測定したところ、0.8g/100mLであった(表5)。
オレンジ果汁50%の果汁飲料に発酵セルロース及びキサンタンを添加し、発酵セルロース濃度が0.00374重量%で、キサンタン濃度が0.0546重量%である果汁飲料を調製した。この果汁飲料を、500mL容のペットボトルに、液量370mL及び液高11cmとなるように注ぎ入れ、表5の試験区18の容器詰パルプ入り果汁飲料を調製した。
Claims (14)
- 不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料であって、キサンタンガムを含有し、かつ、粘度が4.0mPa・s以上であり、かつ、セルロース系安定剤の合計濃度に対するキサンタンガムの合計濃度の比率が7以上であることを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料。
- 飲料の液の高さが9cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の加温販売用容器詰飲料。
- 飲料の液量が300mL以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加温販売用容器詰飲料。
- セルロース系安定剤の合計濃度が0.03重量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
- セルロース系安定剤が、発酵セルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びそれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1~4のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
- 不溶性固形分濃度が3.75g/100mL以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
- 容器が、透明なプラスチック製ボトルであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
- ココア飲料、茶飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、甘酒飲料、おしるこ飲料のいずれかであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料。
- 不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、キサンタンガムを前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、セルロース系安定剤の合計濃度に対するキサンタンガムの合計濃度の比率が7以上となるように調整することを含む方法によって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料の製造方法。 - 加温販売用容器詰飲料の液の高さが9cm以上であることを特徴とする請求項9に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
- 工程Aが、前記加温販売用容器詰飲料におけるセルロース系安定剤の合計濃度を0.03重量%未満に調整すること、及び、キサンタンガムを前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、セルロース系安定剤の合計濃度に対するキサンタンガムの合計濃度の比率が7以上となるように調整することを含む方法によって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程であることを特徴とする請求項9又は10に記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
- 加温販売用容器詰飲料における不溶性固形分濃度を3.75g/100mL以下に調整する工程Bをさらに含むことを特徴とする請求項9~11のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
- 飲料がココア飲料、茶飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、甘酒飲料、おしるこ飲料のいずれかであることを特徴とする請求項9~12のいずれかに記載の加温販売用容器詰飲料の製造方法。
- 不溶性固形分及び少なくとも1種のセルロース系安定剤を含有する加温販売用容器詰飲料の製造において、
少なくとも1種のセルロース系安定剤を前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、キサンタンガムを前記加温販売用容器詰飲料に含有させること、及び、セルロース系安定剤の合計濃度に対するキサンタンガムの合計濃度の比率が7以上となるように調整することによって、前記加温販売用容器詰飲料の粘度を4.0mPa・s以上となるように調整する工程Aを含むことを特徴とする、前記加温販売用容器詰飲料を保温ケースで加温した際の外観品質の劣化及び温度ムラを抑制する方法。
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