JP2019013216A - 起泡性飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットパック充填しやすく、かつ飲料時に泡立ちの量及び質に優れた起泡性飲料を提供すること。【解決手段】起泡性飲料は、0.001質量%〜1質量%のサポニンと、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤とを含む。【選択図】なし
Description
本発明は、起泡性飲料に関する。
従来より、カプチーノ等のコーヒー、ミルクシェイク等のシェイクドリンク、スムージー、抹茶は、泡が形成され、泡沫の外観とテクスチャーを楽しめる飲料として知られており、例えば特許文献1−3には、密封缶容器入りの起泡性飲料が記載されている。
例えば、特許文献1は、乳成分を配合したコーヒー抽出液に脂肪分解酵素(リパーゼ)を添加して酵素反応させることを特徴とする起泡性コーヒー飲料の製造方法について記載している。
特許文献2は、圧縮抽出にて抽出されたコーヒー抽出液と、発酵セルロース及びキラヤ抽出物とが含有された調合液が、リシール性のある陰圧密封缶容器に充填され、更にレトルト殺菌されていることを特徴とする缶入りコーヒー飲料について記載している。
特許文献3は、起泡性を有する密閉容器入り飲料において、乳由来のタンパク質を0.6重量%以上、動物性及び/又は植物性由来の脂肪を0.2重量%以上0.8重量%以下含有し、トータルHLBが14以上である乳化剤を0.2〜0.4重量%含有することを特徴とする泡沫の保持性が高い飲料について記載している。
特許文献1では、製造工程中の起泡を抑制し、かつ加熱殺菌後の製品において安定な泡を形成するために、コーヒー抽出液にリパーゼを添加している。特許文献2では、クレマ様の泡沫を生成することにより苦味及び酸味を軽減するために、コーヒー抽出液に、発酵セルロース及びキラヤ抽出物を含有させている。特許文献3では、4〜60℃の温度範囲で起泡性に優れ、かつ泡沫を保持するために、飲料中の乳由来のタンパク質の含有量、動物性及び/又は植物性由来の脂肪の含有量、及びトータルHLBが14以上である乳化剤の含有量を一定の範囲に設定している。
起泡性飲料は、通常、70℃以上の高温に加熱してから容器に密封充填され(ホットパック充填)、加熱殺菌され、4〜50℃程度の飲用温度範囲で飲用する。飲用時に起泡性飲料の泡立ち及び泡の保持性(泡持ち)が優れていることが好ましいが、密封容器への高温充填時にも泡立ち及び泡の保持性が良いと、起泡が多くて容器へ充填しにくいという問題がある。
密封容器への飲料の充填のし易さと、飲用温度における優れた泡の量及び質との両立が求められている。
特許文献1では、製造工程中の起泡性を抑制し、しかも加熱殺菌後の製品において泡を形成するためにリパーゼを用いている。特許文献2及び3は密封容器への飲料の充填のし易さについては取り組んでいない。
さらに、起泡性飲料の口当たり及び味等の風味には、泡の量及び質の両方が影響を及ぼすが、起泡性飲料の風味と泡の量及び質の関係について、特許文献1〜3では詳しく検討されていない。
本発明は、密封容器への飲料の充填時の起泡を抑制し、かつ飲用温度において優れた泡を形成することができる、風味の良い起泡性飲料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一定量のサポニンと、特定の増粘剤とを併用することにより、高温時には起泡性飲料の粘度が低下して起泡を抑制し、低温時にはゲル化して泡沫を生成及び保持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
[1]0.001質量%〜1質量%のサポニンと、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤とを含有する起泡性飲料。
[2]前記起泡性飲料中の前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤の含有量が0.0001〜1質量%である[1]に記載の起泡性飲料。
[3]前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤が、寒天、ゼラチン、カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、及びペクチンから成る群より選択される少なくとも一つである[1]又は[2]に記載の起泡性飲料。
[4]0.001〜0.1質量%のキサンタンガムを含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[5]乳成分を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[6]前記サポニンがキラヤ抽出物およびユッカ抽出物の少なくとも一方に由来する[1]〜[5]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[7]コーヒー抽出物を含有する起泡性コーヒー飲料である[1]〜[6]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[8]容器詰飲料である[1]〜[7]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[1]0.001質量%〜1質量%のサポニンと、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤とを含有する起泡性飲料。
[2]前記起泡性飲料中の前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤の含有量が0.0001〜1質量%である[1]に記載の起泡性飲料。
[3]前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤が、寒天、ゼラチン、カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、及びペクチンから成る群より選択される少なくとも一つである[1]又は[2]に記載の起泡性飲料。
[4]0.001〜0.1質量%のキサンタンガムを含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[5]乳成分を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[6]前記サポニンがキラヤ抽出物およびユッカ抽出物の少なくとも一方に由来する[1]〜[5]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[7]コーヒー抽出物を含有する起泡性コーヒー飲料である[1]〜[6]のいずれかに記載の起泡性飲料。
[8]容器詰飲料である[1]〜[7]のいずれかに記載の起泡性飲料。
本発明によれば、密封容器入り飲料の製造が容易であると共に、飲用時には泡沫の量及び質に優れた風味の良い起泡性飲料を提供することができる。
本発明の起泡性飲料は、カフェオレ及びカプチーノ等のコーヒー乳飲料、ミルク紅茶(紅茶ラテとも称する)、ミルクココア、ミルク抹茶(抹茶ラテとも称する)、ミルクセーキ、フルーツ味のミルク等の乳飲料が挙げられる。本発明の起泡性飲料は容器を振ることにより、上層部に泡を形成し、下層部が液状の飲料であるものが該当する。
本発明の起泡性飲料には、乳成分として、脱脂粉乳、牛乳、全粉乳、またはこれらの組み合わせを用いることができる。好ましくは、脱脂粉乳単独か、脱脂粉乳を主原料として牛乳または全粉乳のいずれかまたは両方を組合わせて用いることができる。脱脂粉乳は、使用する場合、起泡性飲料中に1〜10質量%含有することが好ましい。牛乳は、使用する場合、起泡性飲料中に10〜50質量%含有することが好ましい。その他、適宜、練乳、脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、部分脱脂乳、生クリーム、バター等を配合しても良い。
本発明の起泡性飲料は、0.001質量%〜1質量%のサポニンと、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤とを含有する。
サポニンとしてはサポゲニンに糖が結合してなる配糖体であれば特に限定されず、サポニン精製粉末の他に、サポニンを多く含む植物抽出物を使用することもでき、例えばキラヤ抽出物、ユッカ抽出物、高麗ニンジン抽出物、大豆抽出物、エンジュ抽出物等が挙げられる。これらの少なくとも1種を使用することが可能である。中でも、泡特性の改善の点から、キラヤ抽出物、ユッカ抽出物、又はそれらの組み合わせが好ましい。キラヤ抽出物、ユッカ抽出物は市販品を使用することができ、通常、市販のキラヤ抽出物及びユッカ抽出物中のサポニンの含有量は1〜10質量%である。
起泡性飲料中のサポニンの含有量が0.001質量%未満であると起泡が不十分になり、サポニンの含有量が1質量%を超えると泡立ちが多すぎて起泡性飲料の風味に悪影響を及ぼすため好ましくない。起泡性飲料中のサポニンの含有量は好ましくは0.01質量%〜0.1質量%である。
ゲル化温度が50℃以下である増粘剤は、70℃以上の高温では溶解して粘度が低い状態にある。このため、起泡性飲料を70℃以上の高温で密封容器に充填するときには溶解し、高温充填時の泡の保持性を抑制するよう作用する。他方、4〜50℃程度の飲用温度ではゲル化して粘度が増大するため、泡の保持性を高めるように作用する。
ゲル化温度が50℃以下である増粘剤としては、寒天、ゼラチン、カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、及びペクチンから成る群より選択される少なくとも一つが挙げられ、泡立ち及び泡の保持性の抑制ならびに起泡性飲料の風味への影響から寒天、ゼラチン、及びカラギーナンから成る群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
起泡性飲料がコーヒー乳飲料の場合、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤は、寒天及びカラギーナンから成る群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。起泡性飲料がミルク抹茶の場合、増粘剤はゼラチン及びカラギーナンから成る群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
起泡性飲料中のゲル化温度が50℃以下である増粘剤の含有量は、0.0001〜1質量%であることが好ましく、0.0001〜0.1質量%であることがより好ましく、0.001〜0.1質量%であることがさらに好ましい。
増粘剤のゲル化温度はJCSS校正機器 音叉型振動式粘度計SVシリーズを用いて温度変化に対する粘度を測定することにより測定することができる。
本発明の起泡性飲料に用いられる乳化剤としては、飲料に通常用いられるものであれば特に限定されず、具体例として、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びレシチンが挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ポリグリセリンエステル、モノグリセライド、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルが挙げられる。これらは、単独で含有されてもよいし、2種以上が組み合わされて含有されてもよい。
また、本発明の起泡性飲料には、飲料の種類に応じ、コーヒー、紅茶、ココア、抹茶、果汁等の原料液又は原料粉末(例えばコーヒーであればコーヒー抽出液又はインスタントコーヒーパウダー、紅茶であれば紅茶抽出液等)を配合することができる。
更に、本発明の起泡性飲料には、飲料の風味を損なわない範囲内において、副原料としてショ糖、グルコース、フルクトース、果糖ブドウ糖液糖、キシロース、エリスリトール、人工甘味料(スクラロース及びアセスルファムK等)の甘味料;加熱殺菌による乳タンパク質の沈殿生成を防止するための重曹;pH調整剤、安定剤、酸味料、酸化防止剤、カゼインナトリウム、香料などを配合することができる。
安定剤としては、乳化の安定化、増粘等の機能により品質の安定化が望めるものであれば特に限定されないが、例えばでんぷん、セルロース、アラビアガム、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン等の植物起源の多糖類及びその誘導体が好適に用いられる。これらの多糖類及びその誘導体は増粘剤としても作用する。安定剤の含有量は特に限定されないが、0.0001〜0.1質量%であることが好ましい。
本発明の起泡性飲料の製造方法としては、例えば、飲料の原料液(例えばコーヒー抽出液)に必要に応じて甘味料を加え溶解した後、重曹でpHを6〜7に調整しこれに乳成分、乳化剤、サポニン、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤、安定剤、水又はお湯を溶解して液をホモゲナイズ処理し、さらに必要に応じて牛乳、香料を添加する。この混合液をホモゲナイズ処理して均質化し、さらに70℃以上、特には80〜95℃程度に昇温後、密封容器に充填して加熱殺菌する。充填時の飲料の充填温度は通常70〜75℃程度である。加熱殺菌法は周知であり、例えば115〜130℃、15〜30分間で行う。密封容器としては、例えば缶(アルミニウム、スチール)、瓶(ガラス)、ペットボトル、フルオープンの容器が使用できるが、リキャップ機能を有した容器が望ましい。リキャップ機能を有することで、起泡が少ない場合やより起泡させたい場合、クリーミーな泡を体感したい場合は、適宜満足のいくまで容器を振とうさせることができ、泡を適宜調整可能である。
振とうは、飲用する際に、適時、例えば10秒〜1分間及び/又は10〜30回程度、蓋を閉めた容器を振ることにより、施すことができる。
例えば、本発明の起泡性飲料は、最初は振らずに半分程度飲むことで液体としての味わいを楽しむことができ、さらに容器の上部に起泡のために十分な空間を確保し、その後、適時、例えば20回程度振ることで十分な起泡量を確保でき、起泡前と違った食感を楽しむことができる。
本発明の起泡性飲料は、70℃以上の高温では液体状で粘度が低いので密封容器に充填しすく、かつ4〜50℃程度の飲用温度に冷めると比較的粘度があるため泡持ち(泡の保持性)が良い。本発明の起泡性飲料は、70℃以上の高温での経時的な泡沫の減少が顕著であるため、連続製造が可能である。また、本発明の起泡性飲料は、飲用時に細かい泡が有る程度消えずに長く保持されるため、上層の泡と下層の液体のバランスが良く、飲んだ時に泡と液体が同時に入って口当たりが良く、おいしく感じられる。
本発明の起泡性飲料は、飲用する際に容器を振ることにより、飲料の表面にきめ細かくかつ形状保持性に優れた泡を生じさせることができ、視覚的に優れた風味の良い飲料である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
試験例1 コーヒー飲料の製造及び評価
1−1.起泡性飲料の製造
(実施例1の飲料の製造)
コーヒー抽出物にショ糖を加えて溶解させた後、重曹を添加してpHを調整した。次に、該調整物、脱脂粉乳、牛乳、乳化剤、キラヤ抽出物(食品添加物)、ユッカ抽出物(食品添加物)、寒天製剤、キサンタンガム 0.01質量%、カゼインナトリウム 0.1質量%、香料を、約60℃の水に溶解し、全量を1000ml(比重1.04)としたものを調合液とした。
1−1.起泡性飲料の製造
(実施例1の飲料の製造)
コーヒー抽出物にショ糖を加えて溶解させた後、重曹を添加してpHを調整した。次に、該調整物、脱脂粉乳、牛乳、乳化剤、キラヤ抽出物(食品添加物)、ユッカ抽出物(食品添加物)、寒天製剤、キサンタンガム 0.01質量%、カゼインナトリウム 0.1質量%、香料を、約60℃の水に溶解し、全量を1000ml(比重1.04)としたものを調合液とした。
この調合液を高圧ホモゲナイザーで均質化処理した後、70℃以上に昇温し、約300ml容量の耐熱圧ガラス瓶に充填、密封し、121℃、20分間の加熱殺菌を行い、コーヒー飲料である実施例1の起泡性飲料を得た。
なお、実施例1の起泡性飲料の乳脂肪分は0.5質量%未満、無脂乳固形分は4質量%未満であり、サポニンの含有量は約0.01質量%、寒天製剤の含有量は0.2質量%(寒天の含有量は0.002質量%)であった。
(実施例2の飲料の製造)
実施例1と比較して、キサンタンガムを配合せず、寒天製剤の代わりにカラギーナンを起泡性飲料中に0.2質量%配合した以外は実施例1と同じ条件で、実施例2の起泡性飲料を得た。
(比較例1の飲料の製造)
実施例1と比較して、寒天製剤及びキサンタンガムを配合しない以外は実施例1と同じ条件で、比較例1の起泡性飲料を得た。
(比較例2の飲料の製造)
実施例1と比較して、寒天製剤を配合せず、キサンタンガムを0.2質量%(実施例1の)配合した以外は実施例1と同じ条件で、比較例2の起泡性飲料を得た。
(比較例3の飲料の製造)
実施例1と比較して、キラヤ抽出物とユッカ抽出物を配合しない以外は実施例1と同じ条件で、比較例3の起泡性飲料を得た。
(実施例2の飲料の製造)
実施例1と比較して、キサンタンガムを配合せず、寒天製剤の代わりにカラギーナンを起泡性飲料中に0.2質量%配合した以外は実施例1と同じ条件で、実施例2の起泡性飲料を得た。
(比較例1の飲料の製造)
実施例1と比較して、寒天製剤及びキサンタンガムを配合しない以外は実施例1と同じ条件で、比較例1の起泡性飲料を得た。
(比較例2の飲料の製造)
実施例1と比較して、寒天製剤を配合せず、キサンタンガムを0.2質量%(実施例1の)配合した以外は実施例1と同じ条件で、比較例2の起泡性飲料を得た。
(比較例3の飲料の製造)
実施例1と比較して、キラヤ抽出物とユッカ抽出物を配合しない以外は実施例1と同じ条件で、比較例3の起泡性飲料を得た。
なお、実施例2及び比較例2の増粘剤の添加量は、振盪起泡前の粘性を実施例1と比較考慮し決定した。
実施例1,2及び比較例1〜3の起泡性飲料の成分の違いを以下の表1に示す。
1−2.振とう後の泡沫の保持性の評価
実施例1,2及び比較例1,3の起泡性飲料を60℃に加熱し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注し、手で上下に30cm幅で20回振盪した後、ただちに静置し、振盪直後の泡沫部分の体積(ml)と、振盪30分後の泡沫部分の容積を測定した。結果を表2に示す。
実施例1,2及び比較例1,3の起泡性飲料を60℃に加熱し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注し、手で上下に30cm幅で20回振盪した後、ただちに静置し、振盪直後の泡沫部分の体積(ml)と、振盪30分後の泡沫部分の容積を測定した。結果を表2に示す。
比較例3の起泡性飲料はサポニンを含まないため、泡が振盪直後から少なかった。実施例2の飲料では、振盪直後から比較例3と同程度に泡立ちが少なかった。
実施例1の起泡性飲料は振盪直後は、増粘剤を含まない比較例1と同程度の泡立ちであり、30分後の泡立ちの減少率が大きい。
1−3.官能検査
実施例1,2及び比較例1〜3の起泡性飲料の密封容器を5℃に冷却し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注した。次に、各密封容器を手で上下に30cm幅で20回振盪した後、開封し、これを直接試飲して官能検査を行った。被験者は6名の専門パネルとした。
実施例1,2及び比較例1〜3の起泡性飲料の密封容器を5℃に冷却し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注した。次に、各密封容器を手で上下に30cm幅で20回振盪した後、開封し、これを直接試飲して官能検査を行った。被験者は6名の専門パネルとした。
5段階の格付け評価は表3の通りとした。
上記の四項目(「泡の大きさ」「泡の硬さ」「口当たり」及び「飲料の味」)の結果(平均値)と被験者による代表的なコメントを表4〜7に示す。
表4に示すように、比較例3を除くいずれの飲料も泡の量が多かったが、泡の大きさは小さい、つまり泡のきめが細かい実施例1の評価が最も良かった。
表5に示すように、泡が柔らかいのは実施例と比較例1であったが、比較例1では泡が軽すぎて口に入って来ず評価がしづらかった。液体と同時に泡が口に入ってくる飲料の中では、泡のきめが細かく柔らかい実施例1の評価が最も高かった。
表6に示すように、口当たりは、泡と液体のバランスが取れた実施例1,2の評価が高かった。
表7に示すように、口当たりが柔らかく、なめらかで、泡と液体が同時に入ってくる実施例1の味の評価が最も高かった。
表4〜7に示された結果から、本発明の起泡性飲料はきめ細かい泡の泡立ちと保持性に優れ、飲用時の泡と液体のバランスが良いため、口当たり及び味において優れていることが確認された。
試験例2 ミルク抹茶飲料の製造及び評価
2−1.起泡性飲料の製造
(実施例3の飲料の製造)
ショ糖、抹茶、脱脂粉乳、牛乳、乳化剤、キラヤ抽出物(食品添加物)、ユッカ抽出物(食品添加物)、カラギーナン、ゼラチン、カゼインナトリウム 0.1質量%、香料、約60℃の水に溶解し、全量を1000ml(比重1.04)としたものを調合液とした。
2−1.起泡性飲料の製造
(実施例3の飲料の製造)
ショ糖、抹茶、脱脂粉乳、牛乳、乳化剤、キラヤ抽出物(食品添加物)、ユッカ抽出物(食品添加物)、カラギーナン、ゼラチン、カゼインナトリウム 0.1質量%、香料、約60℃の水に溶解し、全量を1000ml(比重1.04)としたものを調合液とした。
この調合液を高圧ホモゲナイザーで均質化処理した後、70℃以上に昇温し、約300ml容量の耐熱圧ガラス瓶に充填、密封し、121℃、20分間の加熱殺菌を行い、ミルク抹茶飲料である実施例3の起泡性飲料を得た。
なお、実施例3の起泡性飲料の乳脂肪分は0.5質量%未満、無脂乳固形分は4質量%未満であり、サポニンの含有量は約0.01質量%、カラギーナンの含有量は0.2質量%、ゼラチンの含有量は0.2質量%であった。
(比較例4の飲料の製造)
実施例1と比較して、カラギーナン及びゼラチンを配合しない以外は実施例3と同じ条件で、比較例4の起泡性飲料を得た。
(比較例5の飲料の製造)
実施例3と比較して、カラギーナン及びゼラチンを配合せず、キサンタンガムを0.2質量%配合した以外は実施例3と同じ条件で、比較例5の起泡性飲料を得た。
(比較例6の飲料の製造)
実施例3と比較して、キラヤ抽出物とユッカ抽出物を配合しない以外は実施例3と同じ条件で、比較例6の起泡性飲料を得た。
(比較例4の飲料の製造)
実施例1と比較して、カラギーナン及びゼラチンを配合しない以外は実施例3と同じ条件で、比較例4の起泡性飲料を得た。
(比較例5の飲料の製造)
実施例3と比較して、カラギーナン及びゼラチンを配合せず、キサンタンガムを0.2質量%配合した以外は実施例3と同じ条件で、比較例5の起泡性飲料を得た。
(比較例6の飲料の製造)
実施例3と比較して、キラヤ抽出物とユッカ抽出物を配合しない以外は実施例3と同じ条件で、比較例6の起泡性飲料を得た。
実施例3及び比較例4〜6の起泡性飲料の成分の違いを以下の表8に示す。
2−2.振とう後の泡沫の保持性の評価
実施例3及び比較例1,3の起泡性飲料を5℃に冷却した場合と、60℃に加熱した場合において、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注し、手で上下に30cm幅で20回振盪した後、ただちに静置し、振盪直後の泡沫部分の体積(ml)と、振盪30分後の泡沫部分の容積を測定した。結果を表9に示す。
実施例3及び比較例1,3の起泡性飲料を5℃に冷却した場合と、60℃に加熱した場合において、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注し、手で上下に30cm幅で20回振盪した後、ただちに静置し、振盪直後の泡沫部分の体積(ml)と、振盪30分後の泡沫部分の容積を測定した。結果を表9に示す。
実施例3の起泡性飲料は、5℃では泡立ちの量が多いが、60℃では泡立ちの量が大幅に減少した。実施例3の組成により高温時には気泡性飲料の粘度が低下して気泡が抑制され、低温時にはゲル化が起こり粘度が増大して気泡を生成及び保持できることが確認された。
なお、本実験では60℃における起泡性飲料の泡立ちの量が比較例1〜3の泡立ちの量よりも高くなったが、密封容器への高温充填を妨げる程ではなく、比較例4〜6よりも5℃における泡立ちの量を高くしつつ60℃における起泡性飲料の泡立ちの量を低減するよう調整できることは明らかである。
2−3.官能検査
実施例3及び比較例4〜6の起泡性飲料の密封容器を5℃に冷却し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注した。次に、各密封容器を手で上下に30cm幅で20回振盪した後、開封し、これを直接試飲して官能検査を行った。被験者は5名の専門パネルとした。
実施例3及び比較例4〜6の起泡性飲料の密封容器を5℃に冷却し、300ml容量のペットボトルに100mlずつ分注した。次に、各密封容器を手で上下に30cm幅で20回振盪した後、開封し、これを直接試飲して官能検査を行った。被験者は5名の専門パネルとした。
5段階の格付け評価は試験例1の表3と同じ評価を採用した。
上記の四項目(「泡の大きさ」「泡の硬さ」「口当たり」及び「飲料の味」)の結果(平均値)と被験者による代表的なコメントを表10〜13に示す。
表10に示すように、実施例3は泡の量が多く、かつ泡のきめが細かく、評価が最も良かった。
表11に示すように、実施例3では液体と同時に泡が口に入り、泡のきめが細かく柔らかく評価が高かったが、比較例5では泡が重たく、比較例6では泡がすぐに消えてしまった。
表12に示すように、口当たりは、泡と液体のバランスが取れた実施例3の評価が高かった。
表13に示すように、口当たりが柔らかく、なめらかで、泡と液体が同時に入ってくる実施例3の味の評価が最も高かった。
表9〜13に示された結果から、本発明の起泡性飲料はきめ細かい泡の泡立ちと保持性に優れ、飲用時の泡と液体のバランスが良いため、口当たり及び味において優れていることが確認された。
Claims (8)
- 0.001質量%〜1質量%のサポニンと、ゲル化温度が50℃以下である増粘剤とを含有する起泡性飲料。
- 前記起泡性飲料中の前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤の含有量が0.0001〜1質量%である請求項1に記載の起泡性飲料。
- 前記ゲル化温度が50℃以下である増粘剤が、寒天、ゼラチン、カラギーナン、脱アシル型ジェランガム、及びペクチンから成る群より選択される少なくとも一つである請求項1又は2に記載の起泡性飲料。
- 0.001〜0.1質量%のキサンタンガムを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の起泡性飲料。
- 乳成分を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の起泡性飲料。
- 前記サポニンがキラヤ抽出物およびユッカ抽出物の少なくとも一方に由来する請求項1〜5のいずれかに記載の起泡性飲料。
- コーヒー抽出物を含有する起泡性コーヒー飲料である請求項1〜6のいずれかに記載の起泡性飲料。
- 容器詰飲料である請求項1〜7のいずれかに記載の起泡性飲料。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021029338A1 (ja) | 2019-08-09 | 2021-02-18 | サントリーホールディングス株式会社 | 泡保持性を有する飲料および飲料における泡保持性を改善する方法 |
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2018
- 2018-06-20 JP JP2018116945A patent/JP2019013216A/ja active Pending
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