JP7076623B1 - 決済処理装置及び決済処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】顧客が複数種類のクーポンを用いて商品を購入し、購入後に返品しても、適切な返品処理をできるようにする。【解決手段】ユーザが第1クーポンと第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部と、商品の合計金額から第1割引額と第2割引額とを差し引いた差引後金額で決済する決済部と、ユーザから第1返品商品の返品要求を受け付ける返品要求受付部と、購入した商品から第1返品商品を除いた商品の合計金額に基づいて返品に係る処理を行う返品処理部とを備える決済処理装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、決済処理装置及び決済処理方法に関する。
顧客が購入した商品の返品を希望した場合に、オペレータの操作に基づいて返品処理を行う情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、クーポンが適用されることにより購入額の割引が行われた取引に対し、クーポンに対応する商品が返品されると、返品前における値引額を含めた合計金額から、返品する商品以外の全ての商品の合計金額を差し引いた額を返金することが開示されている。
特許第5496958号公報
特許文献1に記載の技術では、顧客が複数種類のクーポンを用いて商品を購入後、顧客が商品の一部を返品した場合の返金額の計算方法については開示されていない。特に、複数種類のクーポンに、商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化するクーポン等が含まれている場合については開示されていない。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、顧客が商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化するクーポンを含む複数種類のクーポンを用いて商品を購入し、購入後に返品しても、適切な商品返品の処理方法を提供できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様においては、ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部と、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済する決済部と、前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付ける返品要求受付部と、前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行う返品処理部とを備え、前記第2クーポンは、前記ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に、前記第2割引額の割引が適用されるクーポンであり、前記返品処理部は、(1)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されたことを条件に、前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金する返金処理部と、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する第1クーポン返還部とを有し、前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金処理部は前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理はせず、(2)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に、前記商品合計金額が前記差引後金額に前記第1割引額を加えた第2金額以上の場合、前記返金処理部は返金処理をせず、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理をせず、前記商品合計金額が前記第2金額未満であり、かつ、前記第1割引額以上の場合、前記返金処理部は前記第2金額から前記商品合計金額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理はせず、前記商品合計金額が前記第1割引額未満の場合、前記返金処理部は前記差引後金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1割引額から前記商品合計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する、決済処理装置を提供する。
本発明の第2の態様においては、ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部と、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済する決済部と、前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付ける返品要求受付部と、前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行う返品処理部とを備え、前記第2クーポンの前記第2割引額は、前記商品合計金額に所定の割引率を乗じた金額であり、前記返品処理部は、前記商品合計金額に所定の割引率を乗じて前記第2割引額を特定し、前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金する返金処理部と、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する第1クーポン返還部とを有し、前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金処理部は前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理はしない、決済処理装置を提供する。
前記決済処理装置は、前記ユーザによる前記取引を識別するための取引識別情報と、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額と、前記第1割引額と、前記第2割引額とを関連付けて取引履歴情報として記憶する記憶部を更に有し、前記返品処理部は、前記記憶部に記憶されている前記取引履歴情報を読み出して前記商品合計金額を算出し、算出した前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行ってもよい。
前記返品処理部は、前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けると、前記返品要求に対応する前記取引を識別するための取引識別情報と返金した返金額とを関連付けて、返品履歴情報として前記記憶部に記憶させてもよい。
前記返品処理部は、前記第1クーポン返還部が前記ユーザに前記第1クーポンを返還した場合、返還した前記第1クーポンに対応する金額の情報を対応する前記返品履歴情報に加えてもよい。
前記返品処理部が前記ユーザに返品に係る処理を実行した後に、前記返品要求受付部が前記取引において前記ユーザが購入済みで、かつ、返品前の商品のうち第2返品商品の前記返品要求を更に受け付けたことを条件に、前記返品処理部は、過去の返金額の累計を第1累計金額とし、過去に返還した前記第1クーポンに対応する金額の累計を第2累計金額とし、前記返品処理部は、前記第2返品商品を除いた前記ユーザが購入済みで返品前の商品の合計金額を前記商品合計金額として返品に係る処理を行い、前記返金処理部は、返金すべき金額を算出した場合、前記差引後金額の範囲で、算出した金額から前記第1累計金額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は、前記第1クーポンとして返還すべき金額を算出した場合、前記第1割引額の範囲で、算出した金額から前記第2累計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還してもよい。
前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じた場合、減少した金額に対応する前記第2クーポンを前記ユーザに返還する第2クーポン返還部を更に有してもよい。
前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じて、前記ユーザが購入した商品の代金の一部を前記ユーザに追徴すべき追徴金額が発生した場合、追徴金額に対応する前記第2クーポンを前記ユーザに返還して追徴を補填する第2クーポン返還部を更に有してもよい。
前記第2クーポン返還部は、前記第2クーポンを利用可能な期間内に前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けた場合に、前記第2クーポンを前記ユーザに返還してもよい。
前記返品処理部は、前記第2クーポン返還部が前記第2クーポンを前記ユーザに返還した場合、前記第2クーポンを返還したことを前記第2クーポンの発行者に通知してもよい。
前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じても、前記第2クーポンを前記ユーザには返還しなくてもよい。
前記第1クーポンは、前記ユーザが前記第1割引額より小さい金額を支払うことにより、前記ユーザが利用できるクーポンであってもよい。
前記第2クーポンは、前記ユーザがクーポンに対する料金を直接支払わずに取得して利用できるクーポンであってもよい。
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付けるステップと、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済するステップと、前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付けるステップと、前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行うステップとを有し、前記第2クーポンは、前記ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に、前記第2割引額の割引が適用されるクーポンであり、前記返品に係る処理を行うステップにおいて、(1)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されたことを条件に、前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金するステップと、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還するステップとを有し、前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金するステップにおいて前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理はせず、(2)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に、前記商品合計金額が前記差引後金額に前記第1割引額を加えた第2金額以上の場合、前記返金するステップにおいて返金処理をせず、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理をせず、前記商品合計金額が前記第2金額未満であり、かつ、前記第1割引額以上の場合、前記返金するステップにおいて前記第2金額から前記商品合計金額を差し引いた金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理はせず、前記商品合計金額が前記第1割引額未満の場合、前記返金するステップにおいて前記差引後金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1割引額から前記商品合計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する、決済処理方法を提供する。
本発明の第4の態様においては、コンピュータが実行する、ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付けるステップと、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済するステップと、前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付けるステップと、前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行うステップとを有し、前記第2クーポンの前記第2割引額は、前記商品合計金額に所定の割引率を乗じた金額であり、前記返品に係る処理を行うステップにおいて、前記商品合計金額に所定の割引率を乗じて前記第2割引額を特定するステップと、前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金するステップと、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還するステップとを有し、前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金するステップにおいて前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理はしない、決済処理方法を提供する。
本発明によれば、顧客が商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化するクーポンを含む複数種類のクーポンを用いて商品を購入し、購入後に返品しても、適切な商品返品の処理方法を提供できるという効果を奏する。
本実施形態に係る決済処理装置の概要を示す図である。 本実施形態に係る決済処理装置10の構成例を示す。 本実施形態に係る記憶部12が記憶した取引履歴情報の一例を示す。 本実施形態に係る記憶部12が記憶した返品履歴情報の一例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10が決済処理した金額と返金処理する金額との関係の第1例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10が決済処理した金額と返金処理する金額との関係の第2例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10が複数回の返品処理をした場合の種々の金額の変化の第1例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの変形例を示す。 本実施形態に係る決済処理装置10が複数回の返品処理をした場合の種々の金額の変化の第2例を示す。
[決済処理装置10の概要]
図1は、本実施形態に係る決済処理装置10の概要を示す図である。決済処理装置10は、決済処理及び決済後における商品の返品に係る返品処理を行うサーバである。決済処理装置10は、インターネット回線や携帯電話網等の通信ネットワークを介して店舗端末20と通信可能に接続されている。店舗端末20は、例えばPOS端末であるが、これに限らず、タブレットやスマートフォン等の携帯端末であってもよい。また、店舗端末20は、ECサイトを運営するためのサーバであってもよい。なお、以下の説明において、商品及びサービスをまとめて商品と呼ぶ。
本実施形態において、店舗端末20は、商品の決済に関する決済要求を送信する(図1の(1))。決済処理装置10は、決済要求を受信することにより決済要求を受け付ける。決済要求には、一定額の割引が適用されるクーポンを示すクーポン情報、又はクーポンを適用するために用いる情報が含まれているものとする。また、決済要求には、異なる複数種類のクーポンを示すクーポン情報が含まれていてもよい。
決済処理装置10は、クーポン適用の可否を判定する。そして、決済処理装置10は、クーポンの適用が可能であると判定すると、クーポンによる割引を適用し、合計金額から当該割引に対応する割引額を差し引いた差引後金額を請求して決済する(図1の(2))。
その後、決済処理装置10は、店舗端末20から、取引においてユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の商品の返品要求を受け付ける(図1の(3))。決済処理装置10は、返品要求を受け付けた場合に、返品商品の商品金額に基づく返品処理を行う(図1の(4))。
例えば、決済処理装置10は、返品商品の商品金額が差引後金額に満たない場合、返品商品の商品金額を返金して返品処理をする。また、決済処理装置10は、返品商品の商品金額が差引後金額を超えている場合、差引後金額をユーザに返金する返品処理し、返品商品の商品金額と返金金額(差引後金額)との差額に対応するクーポンを返還する返品処理をしてもよい。
しかしながら、商品を購入したユーザは、異なる複数種類のクーポンを使って商品を購入している場合がある。特に、ユーザが商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化するクーポンを含む複数種類のクーポンを用いて商品を購入することがある。また、ユーザは、複数回の返品を要求することもある。この場合、返品処理は複雑なものになってしまい、店員が過去の取引を把握しつつ適切に返品処理することは困難である。
そこで、本実施形態に係る決済処理装置10は、ユーザが複数種類のクーポンを用いて商品を購入した場合でも、商品返品時における店員の負担を軽減させるようにする。このような決済処理装置10について次に説明する。
[決済処理装置10の構成例]
図2は、本実施形態に係る決済処理装置10の構成例を示す。決済処理装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータである。本実施形態において、ユーザは異なる種類の第1クーポンと第2クーポンとを用いて複数の商品を購入した例を説明する。
第1クーポンは、ユーザが取得費用の少なくとも一部を支払うことによりユーザが取得したクーポンである。第1クーポンは、例えば、商品の代金から所定の金額を差し引くことができ、差引後の金額で購入できるクーポンである。ここで、第1クーポンによる割引額を第1割引額とする。
第1割引額は、ユーザがクーポンを取得するために支払った取得費用よりも大きい金額である。言い換えると、第1クーポンは、ユーザが第1割引額より小さい金額を支うことにより、ユーザが利用できるクーポンである。第1クーポンは、勤務先の会社の福利厚生等で購入可能なクーポン等でもよい。この場合、第1クーポンが差し引くことができる第1割引額とユーザが支払った取得費用との差額は、勤務先の会社が負担する。本実施形態において、第1クーポンは、第1割引額として200円の割引が適用されるクーポンである例を説明する。
第2クーポンは、ユーザがクーポンに対する料金を直接支払わずに取得して利用できるクーポンである。第2クーポンは、例えば、ユーザが無料で取得して利用できるクーポンである。第2クーポンは、例えば、販売店や決済処理装置を管理する決済事業者等が販売促進用に配布したクーポン等であり、クーポンに関する費用、例えばクーポンの利用による割引額に対応する費用は、ユーザではなく、販売店や決済事業者が支払っているクーポンである。また、第2クーポンは、ユーザが商品を購入した場合に付与されるクーポン、ポイント等であってもよい。第2クーポンは、商品の代金から所定の金額を差し引くことができるクーポンである。
ここで、第2クーポンによる割引額を第2割引額とする。そして、第2クーポンは、ユーザが購入した商品の合計金額に応じて、第2割引額が変化するクーポンである。例えば、第2クーポンは、ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に、第2割引額の割引が適用されるクーポンである。これに代えて、第2クーポンは、商品の合計金額に所定の割引率を乗じた金額を第2割引額として合計金額から割り引くクーポンであってもよい。本実施形態において、第2クーポンは、ユーザの購入した商品の合計金額が400円以上の場合に、第2割引額として150円の割引が適用されるクーポンである例を説明する。
第1クーポン及び第2クーポンの少なくとも一方のクーポンは、利用可能な店舗、利用可能な期間、及び利用可能となる商品の合計金額のうち少なくとも1つの利用条件が予め設定されていてもよい。決済処理装置10は、ユーザがこのような第1クーポン及び第2クーポンを用いて商品を購入した場合の決済処理と、決済後の返品処理とを実行する。決済処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
通信部11は、店舗端末20と通信ネットワークを介して接続されている。通信部11は、インターネット回線、携帯電話網等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースである。通信部11は、ユーザが保有するユーザ端末と通信するために接続していてもよく、これに代えて、ユーザ端末と接続可能であってもよい。通信部11は、外部のサーバ、データベースと通信可能であってもよい。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。また、記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。例えば、コンピュータが決済処理装置10として機能する場合、コンピュータを機能させるOS(Operating System)、及びプログラム等の情報を格納してもよい。また、記憶部12は、プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。
また、記憶部12は、決済処理装置10が動作の過程で生成する(又は利用する)中間データ、算出結果、閾値、基準値、及びパラメータ等をそれぞれ記憶してもよい。また、記憶部12は、決済処理装置10内の各部の要求に応じて、記憶したデータを要求元に供給してもよい。
記憶部12は、ユーザの取引の履歴を示す取引履歴情報を記憶する。図3は、本実施形態に係る記憶部12が記憶した取引履歴情報の一例を示す。取引履歴情報報は、例えば、ユーザによる取引を識別するための取引識別情報(取引ID)と、当該取引が行われた日時を示す取引日時と、当該取引においてユーザが購入した複数の商品の合計金額と、当該取引に適用されたクーポンを識別するためのクーポン識別情報(第1クーポンID及び第2クーポンID)と、当該クーポンによる割引額(第1割引額及び第2割引額)と、合計金額から割引額を差し引いた金額である差引後金額とを関連付けた情報である。
また、記憶部12は、返品の履歴を示す返品履歴情報を記憶する。図4は、本実施形態に係る記憶部12が記憶した返品履歴情報の一例を示す。返品履歴情報は、例えば、返品要求が行われた取引を識別するための取引識別情報(取引ID)と、当該返品要求が行われた日時を示す返品日時と、当該返品要求に対応する商品の金額である返品金額と、返品要求に対して返金された返金額と、返品処理に伴って返還したクーポンに対応するクーポン返還金額とを関連付けた情報である。ここで、返還した第1クーポンに対応する金額を第1クーポン返還金額とし、返還した第2クーポンに対応する返還金額を第2クーポン返還金額とする。
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、決済要求受付部131、決済部132、返品要求受付部133、返品処理部134及び通知部135を有する。言い換えると、CPUは、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、決済要求受付部131、決済部132、返品要求受付部133、返品処理部134、及び通知部135を有する制御部13として機能する。
決済要求受付部131は、ユーザが第1クーポンと第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付ける。決済要求受付部131は、例えば、第1クーポン及び/又は第2クーポンに使用条件がある場合、当該使用条件が成立したことに応じて、クーポンを適用した取引の決済要求を受け付ける。ここで、決済要求受付部131は、第1クーポン及び/又は第2クーポンの使用条件が成立しなかった場合、成立しなかったクーポンを適用せずに、取引の決済要求を受け付けてよい。なお、クーポンの使用条件は、記憶部12に記憶されていることが望ましい。
決済要求受付部131は、例えば、ユーザが合計金額500円の複数の商品に対して第1クーポン及び第2クーポンを使って購入するための決済要求を受け付ける。ここで、決済要求受付部131は、例えば、第2クーポンの適用条件として商品の合計金額が400円以上といった条件が成立しているので、第2割引額として150円の割引を適用した決済要求を受け付ける。
決済要求受付部131は、商品を購入するユーザが店舗で決済するための決済用コードの情報であって、第1クーポン及び第2クーポンの情報が関連付けられた情報を含む決済要求を受け付けてもよい。ここで、決済用コードは、商品を販売する店舗で使用されている店舗端末20又はユーザが所持している携帯端末等のユーザ端末により読み取られたコードである。決済要求には、商品の販売価格、全ての商品の販売価格の合計金額が含まれていることが望ましい。
決済部132は、決済要求受付部131が決済要求を受け付けると、決済を行う。決済部132は、ユーザが購入した複数の商品の合計金額から第1クーポンに対応する第1割引額と第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済する。決済部132は、例えば、ユーザが合計金額500円の複数の商品を第1割引額が200円の第1クーポンと第2割引額が150円の第2クーポンとを使って購入する取引の決済要求に応じて、差引後金額150円に対する請求処理をする。
決済部132は、例えば、所定の期間に記憶した差引後金額の合計金額を、ユーザの銀行口座等に請求する処理を行ってよい。なお、請求処理を実行する請求サーバ等が別個に存在する場合、決済部132は、通信部11を制御して、当該請求サーバ等に請求金額の情報を送信してもよい。
また、決済部132は、クレジットカード、電子マネー等の決済サービスを提供する事業者に対して、これらの支払い方法に対応する請求処理を実行してもよい。決済部132は、例えば、通信部11を制御して、決済サービスを運用している事業者の事業者サーバ等に差引後金額の情報を送信する。これに代えて、決済部132は、通信部11を制御して、差引後金額に対する請求書、請求の通知等をユーザ端末に送ってもよい。
決済部132は、決済処理を実行すると、取引IDと、合計金額と、割引額と、割引後金額とを店舗端末20に通知してもよい。これにより、店舗端末20は、取引IDを含むレシートを発行することができる。ユーザは、返品を要求する場合にこのようなレシートを利用することができる。なお、決済部132は、決済要求受付部131がユーザ端末から決済要求を取得した場合、当該ユーザ端末に、取引ID等の情報を送信し、決済を処理したことを通知してもよい。ユーザは、返品を要求する場合にこのような通知を利用することができる。
返品要求受付部133は、決済部132が決済を行った取引においてユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の商品の返品要求を受け付ける。ここで、ユーザが返品を要求した商品を第1返品商品とし、第1返品商品の商品金額を第1返品金額とする。返品要求受付部133は、例えば、店舗端末20又はユーザ端末から、取引IDと、当該取引IDに該当する取引に対応する第1返品商品に関する情報と、第1返品金額とを含む返品要求を受信することにより、返品要求を受け付ける。ここで、返品要求受付部133は、当該取引に対応して返品要求を複数回受け付けられることが望ましい。
返品処理部134は、返品要求受付部133が返品要求を受け付けた場合、ユーザが購入した複数の商品から第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行う。返品処理部134は、履歴管理部141と、判定部142と、返金処理部143と、第1クーポン返還部144と、第2クーポン返還部145とを有する。
履歴管理部141は、記憶部12に記憶されている取引履歴情報を読み出して、返品要求の取引IDに該当する取引の情報を参照する。また、履歴管理部141は、取引IDに対応する返品履歴情報が記憶部12に記憶されているか否かを確認する。例えば、取引IDに該当する返品履歴情報が記憶部12に記憶されていない場合、返品処理部134は、取引IDに該当する取引は過去に返品処理を行っていないと判断できる。
判定部142は、ユーザが購入した複数の商品から第1返品商品を除いた商品の商品合計金額に基づき、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されるか否かを判定する。例えば、判定部142は、商品合計金額が所定の割引適用金額以上か否かを判定する。そして、判定部142は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されるか否かを条件に、返品処理部134の返金処理等を実行するための更なる場合分けを行う。
返金処理部143、第1クーポン返還部144、及び第2クーポン返還部145は、判定部142の判定動作に応じて、返金処理とクーポンの返還処理を実行する。判定部142、返金処理部143、第1クーポン返還部144、及び第2クーポン返還部145の具体的な動作については後述する。
通知部135は、返品処理部134による返品処理が完了すると、返品処理が完了したことを示す情報を店舗端末20に通知する。通知部135は、返品処理部134が商品の金額の少なくとも一部を返金しない場合に、商品の金額の少なくとも一部を返金しない理由を示す情報を通知してもよい。
例えば、通知部135は、返品後の商品の合計金額が減少して第2クーポンによる第2割引額が適用されなくなった場合、第1返品金額の一部が返金されなくなったことを示す情報を通知する。これにより、店舗端末20を使用する店員は、ユーザに対して商品の金額の一部を返金しない理由を速やかに伝えることができ、返品時のトラブルを抑制することができる。これに代えて、又は、これに加えて、通知部135は、ユーザ端末に返品処理が完了したことを示す情報を通知してもよい。また、通知部135は、返金額、クーポンとして返還された返還金額等の情報を通知してもよい。
なお、通知部135は、返品処理部134による返品処理が完了し、返品処理部134が商品の金額の少なくとも一部を返金しない場合に、返金しない理由を示す情報を通知する例を説明したが、これに限定されることはない。通知部135は、返品処理部134が返品処理を実行するタイミングよりも前のタイミングで、返金に関する情報をユーザに通知してもよい。
例えば、返品要求受付部133は、仮の返品要求をユーザ端末から受け付ける。返品処理部134は、返品要求受付部133が仮の返品要求を受け付けたことに応じて、返金額及びクーポンとして返還する額を算出する。そして、通知部135は、返品処理部134が算出した返金額及びクーポンとして返還する額の情報をユーザ端末に通知する。そして、返品要求受付部133が返金額を確認したユーザから返品要求を受け付けたことに応じて、返品処理部134は返品処理を実行する。これにより、ユーザが実際に返品する前に、返品を行うことによりどのくらいの金額が返金されるのかを把握することができる。
以上の本実施形態の決済処理装置10は、ユーザが複数種類のクーポンを用いて商品を購入した場合に、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されるか否かを判定して、適切な商品の返品処理を実行する。このような決済処理装置10の動作について次に説明する。
[決済処理装置10の動作フローの例]
図5および図6は、本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの例を示す。決済処理装置10は、図5および図6に示す動作フローを実行して、1回目又は2回目以降の返品処理を実行する。なお、本動作フローに係る処理は、決済部132がユーザの取引に対応する決済処理を既に実行し、ユーザが複数の商品を一度に購入した後の動作の例を示す。
本実施形態において、ユーザが合計金額500円の商品を一度に購入した後に、決済処理装置10が返品処理する例を説明する。なお、特に説明がない場合、第2クーポンの割引適用金額を400円、第1割引額を200円とし、第2クーポンによる第2割引額を150円とする。決済部132が実行した決済処理の例を図7に示す。
図7は、本実施形態に係る決済処理装置10が決済処理した金額と返金処理する金額との関係の第1例を示す。図7(a)は、合計金額500円を示す棒グラフである。図7(b)は、決済部132が第1クーポンによる200円の第1割引額と第2クーポンによる150円の第2割引額とを適用して、差引後金額150円で決済した例を示す。本実施形態において、図7(a)及び図7(b)に示す取引の例を、第1例の取引とする。
決済部132は、決済処理を実行すると、実行した決済に関する取引の履歴を示す取引履歴情報を生成して記憶部12に記憶する。決済部132は、例えば、取引IDと、取引日時と、決済要求に含まれる合計金額と、第1クーポン及び第2クーポンを示すクーポンIDと、第1割引額及び第2割引額と、割引後金額とを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる。例えば、図3の取引ID「9138189」に示す決済履歴情報は、決済部132が第1例の取引に応じて記憶部12に記憶させた決済履歴情報の一例である。
このような第1例の取引の後に、返品要求受付部133は、ユーザからの返品要求を受け付ける(S30)。次に、履歴管理部141は、記憶部12に記憶されている取引履歴情報を読み出して、返品要求に対応する取引の情報を参照する(S31)。なお、返品要求に対応する取引履歴情報が記憶部12に記憶されていなかった場合、通知部135は、返品要求に該当する取引の履歴がないことを店舗端末20又はユーザ端末に通知してS30の動作に戻ることが望ましい。これにより、ユーザが入力した返品要求に何らかの誤りがあったことが容易にわかり、ユーザは正しい返品要求に修正して入力できる。
次に、履歴管理部141は、返品要求に対応する取引の返品履歴情報が記憶部12に記憶されているか否かを確認する(S32)。返品履歴情報が記憶部12に記憶されていない場合、返品処理部134は、ユーザが返品を要求した商品を第1返品商品とし、第1返品商品の商品金額を第1返品金額とし、ユーザが購入した複数の商品から第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とする。
次に、判定部142は、商品合計金額が所定の割引適用金額以上か否かを判定する(S33)。判定部142は、商品合計金額が所定の割引適用金額以上の場合(S33:Yes)、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されると判定する。この場合、判定部142は、商品合計金額から第2割引額を差し引いた金額が第1割引額以下か否かを更に判定する(S34)。ここで、商品合計金額から第2割引額を差し引いた金額を第1金額とする。
返金処理部143は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されたことを条件に、商品合計金額から第2割引額を差し引いた第1金額が第1割引額を超えた場合(S34:Yes)、差引後金額から第1金額と第1割引額との差額を差し引いた金額を返金する(S35)。この場合、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用され、かつ、第1返品商品の第1返品金額が差引後金額を超えていないので、返金処理部143は、第1返品金額を返金する。
そして、この場合(S34:Yes)、第1クーポン返還部144は、第1クーポンの返還処理をしない(S35)。言い換えると、第1クーポン返還部144は、第1返品金額が差引後金額を超えていないので、第1クーポンを返還しない図7(c)は、このように、返金処理部143が返金処理し、第1クーポン返還部144がクーポンの返還処理をしない例を示す。図7(c)は、第1返品金額を100円とした例を示す。
第1例の取引の後に、第1返品金額が100円の返品要求を受け付けた場合、返品処理部134は、商品合計金額が400円になるので第2クーポンによる第2割引額の割引を適用する。そして、第1金額は第1割引額(150円)を超える200円になるので、返金処理部143は、第1返品金額の100円を返金する。また、第1クーポン返還部144は、第1返品金額(100円)が差引後金額(150円)を超えていないので、第1クーポンを返還しない。同様に、第2クーポン返還部145も第2クーポンを返還しない。
第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されたことを条件に、第1金額が第1割引額以下の場合(S34:No)、返金処理部143は差引後金額を返金する(S36)。返金処理部143は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用され、かつ、第1返品商品の第1返品金額が差引後金額を超えていることになるので、ユーザが負担した差引後金額を返金する。
そして、この場合(S34:No)、第1クーポン返還部144は、第1割引額から第1金額を差し引いた金額に対応する第1クーポンを返還する(S36)。言い換えると、第1クーポン返還部144は、第1返品金額のうち差引後金額を超えている金額に対応する第1クーポンを返還する。
図7(d)は、このように、返金処理部143が返金処理し、第1クーポン返還部144がクーポンの返還処理をする例を示す。なお、図7(d)は、第2クーポンの割引適用金額を400円の代わりに200円とし、第1返品金額を200円とした例を示す。
例えば、第1例の取引の後に、第2クーポンの割引適用金額が200円で、第1返品金額が200円の返品要求を受け付けた場合、返品処理部134は、商品合計金額が300円となるので第2クーポンによる第2割引額の割引を適用する。そして、第1金額は第1割引額(150円)以下の100円になるので、返金処理部143は、差引後金額である150円を返金する。また、第1クーポン返還部144は、第1割引額(150円)から第1金額(100円)を差し引いた50円に対応する第1クーポンを返還する。一方、第2クーポン返還部145は、第2クーポンを返還しない。
ここで、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されたことを条件に、第1金額が0未満となった場合、返金処理部143は差引後金額を返金し、第1クーポン返還部144は第1割引額に対応する第1クーポンを返還する。この場合、第2クーポン返還部145は、第1金額の絶対値の金額に対応する第2クーポンを返還してもよく、これに代えて、第2クーポンを返還しなくてもよい。第2クーポン返還部145が第2クーポンを返還するか否かは、予め設定されていることが望ましい。
なお、返品処理により、クーポンが適用されることによりユーザが負担額0円で商品を取得する結果になることは、クーポンの発行者やクーポンを利用可能な店舗側としては、クーポンの利用条件として設定しないことが多い。しかしながら、決済処理装置10は、このようなクーポン利用条件や返品処理を許容することもできる。図7(e)は、このように、返金処理部143が返金処理し、第1クーポン返還部144がクーポンの返還処理をする例を示す。図7(e)は、第2クーポンの割引適用金額を400円の代わりに100円とし、第1返品金額を400円とした例を示す。
例えば、第1例の取引の後に、第2クーポンの割引適用金額が100円で、第1返品金額が400円の返品要求を受け付けた場合、返品処理部134は、商品合計金額が100円となるので第2クーポンによる第2割引額の割引を適用する。そして、第1金額は0未満の-50円になるので、返金処理部143は、差引後金額である150円を返金する。また、第1クーポン返還部144は、第1割引額である150円に対応する第1クーポンを返還する。そして、例えば、第2クーポン返還部145は、第1金額の絶対値の金額である50円に対応する第2クーポンを返還する。
以上が、判定部142により、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用された場合の返金処理とクーポンの返還処理との動作となる。これに対して、判定部142は、商品合計金額が所定の割引適用金額未満の場合(S33:No)、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されないと判定する。この場合、判定部142は、図6のフローに示すように、商品合計金額が差引後金額に第1割引額を加えた金額以上か否か(S40)、また、商品合計金額が第1割引額以上か否か(S41)を更に判定する。ここで、差引後金額に第1割引額を加えた金額を第2金額とする。
例えば、返金処理部143は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に(S33:No)、商品合計金額が差引後金額に第1割引額を加えた第2金額以上の場合(S40:Yes)、返金処理をしない。言い換えると、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されず、かつ、第1返品金額が適用されなかった第2割引額未満となるので、返金処理部143は返金処理をしない。この場合、第1クーポン返還部144は第1クーポンの返還処理をしない。
例えば、第1例の取引において、第1返品金額が150円の場合、商品合計金額は350円となって第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されない。ここで、最初からユーザが合計金額350円の商品を購入した場合、第2割引額の割引が適用されずに第1割引額の割引きが適用されるので、ユーザが支払う金額は150円になる。第1例の取引において、ユーザが支払った金額も150円であるから、返金処理部143は、第1例の取引の後に第1返品金額が150円以下の商品を返品しても、返金処理をしない。
図8は、本実施形態に係る決済処理装置10が決済処理した金額と返金処理する金額との関係の第2例を示す。第2例の関係は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されない場合の関係を示す。なお、図8(a)及び図8(b)は、図7(a)及び図7(b)に示す第1例の取引を示す。図8(c)は、返金処理部143が返金処理をせず、第1クーポン返還部144がクーポンの返還処理をしない例を示す。図8(c)は、上述のように、第1返品金額を150円とした例を示す。
また、返金処理部143は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に(S33:No)、商品合計金額が第2金額未満であり(S40:No)、かつ、第1割引額以上の場合(S41:Yes)、第2金額から商品合計金額を差し引いた金額を返金する(S42)。言い換えると、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されず、かつ、第1返品金額が適用されなかった第2割引額を超えているので、返金処理部143は、第1返品金額のうち第2割引額を超えている金額を返金する。
この場合(S41:Yes)、商品合計金額が第1割引額以上(即ち、第1返品金額が差引後金額に第2割引額を加えた金額未満)なので、第1クーポン返還部144は第1クーポンの返還処理をしない(S42)。
例えば、第1例の取引において、第1返品金額が200円の場合、商品合計金額は300円となって第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されない。また、商品合計金額(300円)は、第2金額(350円)未満、かつ、第1割引額(200円)以上なので、返金処理部143は、第2金額から商品合計金額を差し引いた50円を返金する。図8(d)は、このように、第1返品金額を200円とした例を示す。
更に、返金処理部143は、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に(S33:No)、商品合計金額が第1割引額未満の場合(S41:No)、差引後金額を返金する(S43)。言い換えると、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されず、かつ、第1返品金額が適用されなかった第2割引額に差引後金額を加えた金額を超えているので、返金処理部143は、差引後金額を返金する。
この場合(S41:No)、商品合計金額が第1割引額未満(即ち、第1返品金額が差引後金額に第2割引額を加えた金額以上)なので、第1クーポン返還部144は、第1割引額から商品合計金額を差し引いた金額に対応する第1クーポンを返還する(S43)。
例えば、第1例の取引において、第1返品金額が350円の場合、商品合計金額は150円となって第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されない。また、商品合計金額(150円)は、第1割引額(200円)未満なので、返金処理部143は差引後金額である150円を返金し、第1クーポン返還部144は第1割引額(200円)から商品合計金額(150円)を差し引いた50円に対応する第1クーポンを返還する。図8(e)は、このように、第1返品金額を350円とした例を示す。
ここで、判定部142により、第2クーポンによる第2割引額の割引が適用されなかった場合であっても、第2クーポン返還部145は、第2クーポンを返還してもよい。なお、第2クーポン返還部145は、第2クーポンを利用可能な期間内に返品要求受付部133が返品要求を受け付けた場合に、第2クーポンをユーザに返還してもよい。返品要求受付部133が所定期間内の返品要求を受け付けるか、所定期間とは無関係に返品要求を受け付けるかは、予め設定されていることが望ましく、この場合、設定値が記憶部12に記憶されていることが望ましい。記憶部12には、商品の種類毎に、返品要求を受け付けるか否かが更に設定されていてもよい。
例えば、第2クーポン返還部145は、ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して第2クーポンによって割り引かれた第2割引額に減少が生じた場合、減少した金額に対応する第2クーポンをユーザに返還する。言い換えると、第2クーポン返還部145は、ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して第2クーポンによって割り引かれた第2割引額に減少が生じて、ユーザが購入した商品の代金の一部をユーザに追徴すべき追徴金額が発生した場合、追徴金額に対応する第2クーポンをユーザに返還して追徴を補填する。
例えば、図8(c)の例の場合、第2クーポン返還部145は、第1返品金額(150円)から返金した0円を差し引いた金額(150円)だけ第2割引額に減少が生じたとする。また、図8(d)の例の場合、第2クーポン返還部145は、第1返品金額(200円)から返金した50円を差し引いた金額(150円)だけ第2割引額に減少が生じたとする。
同様に、図8(e)の例の場合、第2クーポン返還部145は、第1返品金額(350円)から返金した150円と返還した第1クーポンに対応する金額(50円)とを差し引いた金額(150円)だけ第2割引額に減少が生じたとする。そこで、第2クーポン返還部145は、減少した150円に対応する第2クーポンを返還する。
ここで、返品処理部134は、第2クーポン返還部145が第2クーポンをユーザに返還した場合、第2クーポンを返還したことを第2クーポンの発行者に通知してもよい。返品処理部134は、例えば、通知部135を介して第2クーポンを返還したことを通知する。これにより、第2クーポンの発行者は、返品処理によって第2クーポンが第2割引額とは異なる金額で適用されたことを把握することができる。また、決済処理装置10は、このような通知に基づき、第2クーポンの発行者に第2クーポンを適用した金額を請求してもよい。
これに代えて、第2クーポン返還部145は、第2クーポンを返還しなくてもよい。第2クーポン返還部145が第2クーポンを返還しない場合、返品処理部134は、第2クーポン返還部145を有さなくてもよい。この場合、返品処理部134は、ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して第2クーポンによって割り引かれた第2割引額に減少が生じても、第2クーポンをユーザには返還しない。
以上のように、返品要求受付部133が返品要求を受け付け、返品処理部134が返品処理を実行した場合、履歴管理部141は、返品履歴情報を生成して記憶部12に記憶する(S37)。履歴管理部141は、例えば、返品要求に対応する取引を識別するための取引識別情報と返金処理部143が返金した返金額とを関連付けて、返品履歴情報として記憶部12に記憶させる。
また、履歴管理部141は、第1クーポン返還部144がユーザに第1クーポンを返還した場合、返還した第1クーポンに対応する金額の情報を対応する返品履歴情報に加えて記憶部12に記憶させることが望ましい。同様に、履歴管理部141は、第2クーポン返還部145がユーザに第2クーポンを返還した場合、返還した第2クーポンに対応する金額の情報を対応する取引識別情報に加えて記憶部12に記憶させることが望ましい。
例えば、図4の取引ID「9138189」の2021年9月5日に示す返品履歴情報は、返品処理部134が第1例の取引の後に図7(c)に示す返品処理を実行したことに応じて、履歴管理部141が記憶部12に記憶させた決済履歴情報の一例である。そして、通知部135は、返品処理が完了したことを示す情報を店舗端末20に通知する(S38)。以上の動作フローが、1回目の返品要求に対応する動作フローとなる。
以上のように、本実施形態の決済処理装置10は、ユーザが複数種類のクーポンを用いて商品を購入した場合でも、適切な商品の返品処理を実行して返品時における店員及びユーザの負担を軽減させるようにする。なお、決済処理装置10は、複数回の返品要求に応じて、複数回の返品処理を実行してもよい。
例えば、返品処理部134がユーザに返品に係る処理を実行した後に、返品要求受付部133が取引においてユーザが購入済みで、かつ、返品前の商品のうち第2返品商品の返品要求を更に受け付けた場合、決済処理装置10は、図5及び図6に示す動作フローを更に実行する。ここで、2回目以降の返品要求の場合、記憶部12には、前回の返品要求によって返品処理された結果が返品履歴情報として記憶されている。
したがって、図5のS32において、履歴管理部141は、返品要求に対応する取引の返品履歴情報が記憶部12に記憶されていることを確認した場合、2回目以降の返品要求であることを把握できる。そこで、履歴管理部141は、過去の返金額の累計を第1累計金額とし、過去に返還した第1クーポンに対応する金額の累計を第2累計金額とする。なお、履歴管理部141は、過去に返還した第2クーポンに対応する金額の累計を第3累計金額としてもよい。
そして、返品処理部134は、第2返品商品を除いたユーザが購入済みで返品前の商品の合計金額を商品合計金額として返品に係る処理を行う。ここで、返金処理部143は、S35、S36、S42、又はS43において、返金すべき金額を算出した場合、差引後金額の範囲で、算出した金額から第1累計金額を差し引いた金額を返金する。また、第1クーポン返還部144は、第1クーポンとして返還すべき金額を算出した場合、第1割引額の範囲で、算出した金額から第2累計金額を差し引いた金額に対応する第1クーポンを返還する。
例えば、返品処理部134は、図7(c)のように、第1返品金額を100円とした第1返品商品の返品処理をした後に、第2返品金額を250円とした第2返品商品の返品処理をする場合、商品合計金額150円の返品処理をする。返品処理部134は、第1累計金額を100円とし、商品合計金額150円の返品処理として、図8(e)のように、返金すべき金額を150円と算出する。返金処理部143は、150円から第1累計金額(10円)を差し引いた50円を返金する。
また、返品処理部134は、第2累計金額を0円とし、商品合計金額150円の返品処理として、図8(e)のように、第1クーポンとして返還すべき金額を50円と算出する。したがって、第1クーポン返還部144は、50円から第2累計金額(0円)を差し引いた50円に対応する第1クーポンを返還する。なお、同様に、第2クーポン返還部145は、第2クーポンとして返還すべき金額を算出した場合、第2割引額の範囲で、算出した金額から第3累計金額を差し引いた金額に対応する第2クーポンを返還してもよい。
図9は、本実施形態に係る決済処理装置10が複数回の返品処理をした場合の種々の金額の変化の第1例を示す。図9の横軸はユーザが購入した商品の合計金額を示し、縦軸はそれぞれのグラフに対応する金額を示す。図9は、ユーザが合計金額500円の商品を購入した後に、100円の商品、100円の商品、150円の商品、100円の商品、50円の商品を順に返品した例を示す。
グラフ(A)は、ユーザが購入した商品の合計金額と、クーポンによる割引が全く無い場合に決済処理装置10が決済処理する金額を示す。例えば、ユーザが合計金額500円の商品を購入した場合、決済処理装置10は500円の請求処理をするので、グラフ(A)において、横軸の500円に対して縦軸は500円になる。ユーザが商品を順に返品して、商品合計金額が400円、300円、150円、50円、0円と変化した場合、グラフ(A)は、商品合計金額と同様に、400円、300円、150円、50円、0円と変化する。
グラフ(B)は、商品の合計金額から第2クーポンによる第2割引額を差し引いた後の金額を示す。例えば、ユーザが合計金額500円の商品を購入した場合、返品処理部134は150円の第2割引額を適用するので、グラフ(B)において、横軸の500円に対して縦軸は350円になる。また、ユーザが100円の商品を返品しても、商品合計金額(400円)は割引適用金額(400円)以上なので、返品処理部134は150円の第2割引額を適用する。したがって、グラフ(B)において、横軸の400円に対して縦軸は250円になる。
ユーザが更に100円の商品を返品すると、商品合計金額(300円)は割引適用金額(400円)未満になるので、返品処理部134は150円の第2割引額を適用しない。したがって、グラフ(B)において、横軸の300円に対して縦軸は300円になる。同様に、ユーザが商品を順に返品して商品合計金額が150円、50円、0円と変化した場合、グラフ(B)の縦軸の金額は、150円、50円、0円と変化する。
グラフ(C)は、ユーザの負担額を示す。例えば、ユーザが合計金額500円の商品を購入した場合、決済部132が第1クーポンによる200円の第1割引額と第2クーポンによる150円の第2割引額とを適用して差引後金額150円で決済する。これにより、グラフ(C)において、横軸の500円に対して縦軸は150円になる。ここで、ユーザが100円の商品を返品すると、図7(c)で説明した様に、返金処理部143は100円を返金するので、ユーザの負担額は50円となる。したがって、グラフ(C)において、横軸の400円に対して縦軸の金額は50円になる。
ユーザが更に100円の商品を返品すると、返品処理部134は第2割引額を適用しない。商品合計金額は300円なので、図8(d)で説明した様に、返品処理部134は、合計金額(500円)から商品合計金額(300円)と不適用になった割引額(150円)を差し引いた50円を返金すべき金額として算出する。ここで、返金処理部143は、50円から第1累計金額(100円)を差し引いた金額が0円未満なので、返金処理をしない。したがって、グラフ(C)において、横軸の300円に対して縦軸は50円になる。
ユーザが更に150円の商品を返品すると、商品合計金額は150円となる。返品処理部134は、図8(e)で説明した様に、差引後金額(150円)を返金すべき金額として算出する。そして、返金処理部143は、150円から第1累計金額(100円)を差し引いた金額50円を返金する。したがって、グラフ(C)において、横軸の150円に対して縦軸は0円になる。負担額が0円となったので、以降の返品処理において、グラフ(C)の縦軸は0円になる。
グラフ(D)は、ユーザの負担額と第1クーポンによって割り引かれた金額との和を示す。例えば、ユーザが合計金額500円の商品を購入した場合、上述のように、ユーザの負担額は150円で、第1クーポンによって割り引かれた金額は第1割引額の200円である。これにより、グラフ(D)において、横軸が500円に対して縦軸は350円になる。
ユーザが更に100円の商品を返品すると商品合計金額は400円になり、図7(c)で説明した様に、返品処理部134は、第1割引額(200円)を適用する。また、上述のようにユーザの負担額は50円なので、グラフ(D)において、横軸が400円に対して縦軸は第1割引額(200円)と50円の和の250円になる。
ユーザが更に100円の商品を返品すると商品合計金額は300円になり、図8(d)で説明した様に、返品処理部134は、第1割引額(200円)を適用する。また、上述のようにユーザの負担額は50円なので、グラフ(D)において、横軸が300円に対して縦軸は第1割引額(200円)と50円の和の250円になる。
ユーザが更に150円の商品を返品すると商品合計金額は150円となり、図8(e)で説明した様に、返品処理部134は、第1クーポンによって150円を割り引く。また、上述のようにユーザの負担額は0円なので、グラフ(D)において、横軸が150円に対して縦軸は150円になる。同様に、グラフ(D)において、横軸が50円、0円と変化すると、縦軸も50円、0円になる。
ここで、図4の取引ID「9138189」の2021年9月5日から2021年9月11日に示す返品履歴情報は、返品処理部134が第1例の取引の後に商品合計金額が400円、300円、150円、50円、0円となるように順に返品処理をした際に生成した情報の一例である。以上のように、本実施形態の決済処理装置10は、ユーザが複数種類のクーポンを用いて商品を購入した場合でも、適切な商品の返品処理を実行できる。特に、決済処理装置10は、商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化してしまう場合でも、適切な商品の返品処理を実行して返品時における店員及びユーザの負担を軽減できる。
なお、本実施形態の決済処理装置10において、第2クーポンが、ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に第2割引額の割引が適用されるクーポンである例を説明したが、これに限定されることはない。第2クーポンの第2割引額は、商品合計金額に所定の割引率を乗じた金額であってもよい。このような第2クーポンを用いた決済処理装置10の動作を、次に説明する。
図10は、本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの変形例を示す。本変形例の動作フローにおいて、図5に示された本実施形態に係る決済処理装置10の動作フローの動作と略同一のものには同一の符号を付け、重複する説明を省略する。返品処理部134は、S32の後に、商品合計金額に所定の割引率を乗じて第2割引額を特定する(S50)。本実施形態において、第2クーポンは、最大の割引金額が150円で、所定の割引率が40%のクーポンとする。
例えば、合計金額500円の商品をユーザが最初に購入した場合、決済部132は、第1クーポンによる200円の第1割引額と第2クーポンによる150円の第2割引額とを適用して、差引後金額150円で決済する。例えば、図3の取引ID「9814771」に示す決済履歴情報は、決済部132がこのような取引に応じて記憶部12に記憶させた決済履歴情報の一例である。なお、このような取引を第2例の取引とする。
第2例の取引の後に、第1返品金額が100円の返品要求を受け付けた場合、上述のように、S30からS32の動作の後に、返品処理部134は、商品合計金額に所定の割引率を乗じて第2割引額を特定する(S50)。なお、返品処理部134は、商品合計金額(400円)と所定の割引率(40%)の積(160円)が150円を超えているので、第2割引額を150円と特定する。
そして、返金処理部143は、商品合計金額(400円)から第2割引額を(150円)差し引いた第1金額(250円)が第1割引額(200円)を超えるので(S34:Yes)、差引後金額(150円)から第1金額と第1割引額との差額(50円)を差し引いた金額(100円)を返金する(S35)。また、第1クーポン返還部144は第1クーポンの返還処理をしない(S35)。このような返品処理は、図7(c)に示す返品処理と同様である。
以上の決済処理装置10は、2回目以降の返品処理を図10に示す動作フローと同様に実行する。例えば、上述のように決済処理装置10が100円の第1返品金額の返品要求を処理した後に、第2返品金額が100円の返品要求を更に受け付けた場合を考える。上述のS30からS32の動作の後に、返品処理部134は、商品合計金額(300円)に所定の割引率(40%)を乗じて第2割引額(120円)を特定する。
そして、返金処理部143は、商品合計金額(300円)から第2割引額を(120円)差し引いた第1金額(180円)が第1割引額(200円)以下なので(S34:No)、差引後金額(150円)を返金すべき金額として算出する。ここで、返品要求は2回目以降の要求なので、返金処理部143は、差引後金額(150円)から第1累積金額(100円)を差し引いた金額(50円)を返金する(S36)。
また、第1クーポン返還部144は、第1割引額(200円)から第1金額(180円)を差し引いた金額(20円)を返還すべき第1クーポンの金額として算出する。第1クーポン返還部144は、20円から第2累積金額(0円)を差し引いた金額(20円)に対応する第1クーポンを返還する(S36)。また、第2クーポン返還部145は、返品処理により特定された第2割引額(120円)が返品前の第2割引額(150円)から減少しているので、減少額(30円)に対応する第2クーポンをユーザに返還してもよい。
決済処理装置10は、2回目以降の返品処理に対して、図10の動作フローを繰り返す。図11は、本実施形態に係る決済処理装置10が複数回の返品処理をした場合の種々の金額の変化の第2例を示す。第2例の金額の変化は、図9に示す第1例の金額の変化と同様に、ユーザが購入した商品の合計金額をグラフ(A)、商品の合計金額から第2クーポンによる第2割引額を差し引いた後の金額をグラフ(B)、ユーザの負担額をグラフ(C)、ユーザの負担額と第1クーポンによって割り引かれた金額との和をグラフ(D)とする。
図11は、ユーザが合計金額500円の商品を購入した後に、100円の商品、100円の商品、150円の商品、100円の商品、50円の商品を順に返品した例を示す。また、図11は、第2クーポンは、最大の割引金額が150円で、所定の割引率が40%のクーポンとした例を示す。また、図4の取引ID「9814771」の2021年9月13日から2021年9月18日に示す返品履歴情報は、返品処理部134が第2例の取引の後に商品合計金額が400円、300円、150円、50円、0円となるように順に返品処理をした際に生成した情報の一例である。
以上のように、本実施形態の決済処理装置10は、ユーザが商品合計金額に所定の割引率を乗じた金額を割り引くクーポンを含む複数種類のクーポンを用いて商品を購入した場合でも、適切な商品の返品処理を実行できる。したがって、決済処理装置10は、ユーザが商品の合計金額によってクーポンの割引金額が変化するクーポンを含む複数種類のクーポンを用いて商品を購入し、購入後に返品しても、適切な商品返品の処理方法を提供できる。
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
10 決済処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 店舗端末
30 ユーザ端末
131 決済要求受付部
132 決済部
133 返品要求受付部
134 返品処理部
135 通知部
141 履歴管理部
142 判定部
143 返金処理部
144 第1クーポン返還部
145 第2クーポン返還部

Claims (13)

  1. ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部と、
    前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済する決済部と、
    前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付ける返品要求受付部と、
    前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行う返品処理部と
    を備え、
    前記第2クーポンは、前記ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に、前記第2割引額の割引が適用されるクーポンであり、
    前記返品処理部は、
    (1)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されたことを条件に、
    前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金する返金処理部と、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する第1クーポン返還部とを有し、
    前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金処理部は前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理はせず、
    (2)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に、
    前記商品合計金額が前記差引後金額に前記第1割引額を加えた第2金額以上の場合、前記返金処理部は返金処理をせず、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理をせず、
    前記商品合計金額が前記第2金額未満であり、かつ、前記第1割引額以上の場合、前記返金処理部は前記第2金額から前記商品合計金額を差し引いた金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1クーポンの返還処理はせず、
    前記商品合計金額が前記第1割引額未満の場合、前記返金処理部は前記差引後金額を返金し、前記第1クーポン返還部は前記第1割引額から前記商品合計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する、
    決済処理装置。
  2. 前記ユーザによる前記取引を識別するための取引識別情報と、前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額と、前記第1割引額と、前記第2割引額とを関連付けて取引履歴情報として記憶する記憶部を更に有し、
    前記返品処理部は、前記記憶部に記憶されている前記取引履歴情報を読み出して前記商品合計金額を算出し、算出した前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行う、
    請求項1記載の決済処理装置。
  3. 前記返品処理部は、前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けると、前記返品要求に対応する前記取引を識別するための取引識別情報と返金した返金額とを関連付けて、返品履歴情報として前記記憶部に記憶させる、
    請求項に記載の決済処理装置。
  4. 前記返品処理部は、前記第1クーポン返還部が前記ユーザに前記第1クーポンを返還した場合、返還した前記第1クーポンに対応する金額の情報を対応する前記返品履歴情報に加える、
    請求項に記載の決済処理装置。
  5. 前記返品処理部が前記ユーザに返品に係る処理を実行した後に、前記返品要求受付部が前記取引において前記ユーザが購入済みで、かつ、返品前の商品のうち第2返品商品の前記返品要求を更に受け付けたことを条件に、
    前記返品処理部は、
    過去の返金額の累計を第1累計金額とし、過去に返還した前記第1クーポンに対応する金額の累計を第2累計金額とし、
    前記返品処理部は、前記第2返品商品を除いた前記ユーザが購入済みで返品前の商品の合計金額を前記商品合計金額として返品に係る処理を行い、
    前記返金処理部は、返金すべき金額を算出した場合、前記差引後金額の範囲で、算出した金額から前記第1累計金額を差し引いた金額を返金し、
    前記第1クーポン返還部は、前記第1クーポンとして返還すべき金額を算出した場合、前記第1割引額の範囲で、算出した金額から前記第2累計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の決済処理装置。
  6. 前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じた場合、減少した金額に対応する前記第2クーポンを前記ユーザに返還する第2クーポン返還部を更に有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の決済処理装置。
  7. 前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じて、前記ユーザが購入した商品の代金の一部を前記ユーザに追徴すべき追徴金額が発生した場合、追徴金額に対応する前記第2クーポンを前記ユーザに返還して追徴を補填する第2クーポン返還部を更に有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の決済処理装置。
  8. 前記第2クーポン返還部は、前記第2クーポンを利用可能な期間内に前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けた場合に、前記第2クーポンを前記ユーザに返還する、
    請求項又はに記載の決済処理装置。
  9. 前記返品処理部は、前記第2クーポン返還部が前記第2クーポンを前記ユーザに返還した場合、前記第2クーポンを返還したことを前記第2クーポンの発行者に通知する、
    請求項からのいずれか一項に記載の決済処理装置。
  10. 前記返品処理部は、前記ユーザに返品に係る処理を実行したことにより、返品に係る処理を実行する前と比較して前記第2クーポンによって割り引かれた前記第2割引額に減少が生じても、前記第2クーポンを前記ユーザには返還しない、
    請求項1からのいずれか一項に記載の決済処理装置。
  11. 前記第1クーポンは、前記ユーザが前記第1割引額より小さい金額を支払うことにより、前記ユーザが利用できるクーポンである、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の決済処理装置。
  12. 前記第2クーポンは、前記ユーザがクーポンに対する料金を直接支払わずに取得して利用できるクーポンである、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の決済処理装置。
  13. コンピュータが実行する、
    ユーザが第1クーポンと前記第1クーポンとは異なる種類の第2クーポンとを用いて複数の商品を購入する一の取引の決済要求を受け付けるステップと、
    前記ユーザが購入した複数の商品の合計金額から前記第1クーポンに対応する第1割引額と前記第2クーポンに対応する第2割引額とを差し引いた差引後金額に対して請求処理をして決済するステップと、
    前記ユーザから、前記取引において前記ユーザが購入した複数の商品のうち少なくとも一部の第1返品商品の返品要求を受け付けるステップと、
    前記返品要求を受け付けた場合、前記ユーザが購入した複数の商品から前記第1返品商品を除いた商品の合計金額を商品合計金額とし、前記商品合計金額に基づいて返品に係る処理を行うステップと
    を有し、
    前記第2クーポンは、前記ユーザが購入した商品の合計金額が所定の割引適用金額以上の場合に、前記第2割引額の割引が適用されるクーポンであり、
    前記返品に係る処理を行うステップにおいて、
    (1)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されたことを条件に、
    前記商品合計金額から前記第2割引額を差し引いた第1金額が前記第1割引額以下の場合、前記差引後金額を返金するステップと、前記第1割引額から前記第1金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還するステップとを有し、
    前記第1金額が前記第1割引額を超えた場合、前記返金するステップにおいて前記差引後金額から前記第1金額と前記第1割引額との差額を差し引いた金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理はせず、
    (2)前記第2クーポンによる前記第2割引額の割引が適用されなかったことを条件に、
    前記商品合計金額が前記差引後金額に前記第1割引額を加えた第2金額以上の場合、前記返金するステップにおいて返金処理をせず、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理をせず、
    前記商品合計金額が前記第2金額未満であり、かつ、前記第1割引額以上の場合、前記返金するステップにおいて前記第2金額から前記商品合計金額を差し引いた金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1クーポンの返還処理はせず、
    前記商品合計金額が前記第1割引額未満の場合、前記返金するステップにおいて前記差引後金額を返金し、前記返還するステップにおいて前記第1割引額から前記商品合計金額を差し引いた金額に対応する前記第1クーポンを返還する、
    決済処理方法。
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