JP7074491B2 - 樹脂製部材、複合樹脂製部材、及び建具 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、窓枠及び框の中空部に金属製の補強部材を設け、かつ熱により膨張する耐火材を併用することにより、防火性能を向上させている。
また、特許文献2では、樹脂製の縦框に、中空部の内周面に沿う形状に形成された金属製の補強材を設け、かつ左右の縦框と上下框を連結する特定の連結ブロックを使用することで、強度を向上させている。
また、窓、ドアなどの建具の補強をするために各種部材を用いる場合は、該部材を種々の形状に加工できる異形成形性も要求される。
そこで、本発明の課題は、軽量でありながらも、常温環境下のみならず高温環境下においても高強度であり、断熱性能に優れ、かつ異形成形可能な樹脂製部材を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[11]を提供するものである。
[1]熱伝導率が3W/m・K以下、室温での曲げ弾性率が1.5GPa以上、比重が2.0以下であり、600℃で30分加熱した後の圧縮強度が0.1MPa以上である建具に用いられる樹脂製部材。
[2]建具の内周部、外周部、見付面、見込面、若しくは空間部、又は建具構成部材の連結に用いられる、請求項1に記載の樹脂製部材。
[3]樹脂製部材の形状が異形である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂製部材。
[4]熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかから選択される樹脂100質量部、無機フィラー5~200質量部、及びリンの金属塩5~200質量部を含有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂製部材。
[5]前記樹脂がポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1種以上である、上記[4]に記載の樹脂製部材。
[6]前記樹脂がポリブチレンテレフタレートである、上記[4]又は[5]に記載の樹脂製部材。
[7]前記無機フィラーが短繊維フィラーである、上記[4]~[6]のいずれかに記載の樹脂製部材。
[8]前記リンの金属塩が亜リン酸アルミニウムである、上記[4]~[7]のいずれかに記載の樹脂製部材。
[9]上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂製部材と、熱膨張性材料とを備えた複合樹脂製部材。
[10]上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂製部材が使用されている建具。
[11]上記[9]に記載の複合樹脂製部材が使用されている建具。
本発明の樹脂製部材は、建具に用いられるものである。建具は、建物の開口部に設けられる仕切りの機能を有し、例えば、窓、ドアなどが挙げられる。本発明の樹脂製部材は、建具の少なくとも一部として使用され、例えば、建具を補強する補強材として使用することができる。
本発明の樹脂製部材は、例えば、建具の内周部、外周部、見付面、見込面、若しくは空間部、又は建具構成部材の連結に用いることができる。建具のガラス周りの枠材には、断熱性、防音性等の観点から中空部材が多く使用されており、本発明の樹脂製部材は、窓又はドアのガラス周りの枠材の中空部に挿入して用いることが好ましい。窓のガラス周りの枠材としては、例えば、建物の開口部に取り付けられ、窓ガラスを支持する窓枠、窓ガラスの板ガラスの外周に取り付けられる框などが挙げられ、ドアのガラス周りの枠材としては、例えば、採光窓付ドアにおける、採光窓を支持するための枠などが挙げられる。また、本発明の樹脂製部材は、ガラスが無い建具にも用いることができる。例えば、ドアの表面材を連結する補強材として用いることができる。
本発明の樹脂製部材は樹脂製であることにより、熱伝導率及び比重が低く、かつ異形成形性を有している。ここで異形成形性とは、シート状の材料を、少なくとも一部を曲げた形状とすることができる特性を意味する。
なお、樹脂製とは、樹脂製部材全量基準で、樹脂の成分の割合が20質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であることを意味する。
本発明の樹脂製部材の熱伝導率は3W/m・K以下である。熱伝導率が3W/m・Kを超えると、樹脂製部材を建具の一部として使用した場合の建具の断熱性が悪くなる。断熱性を良好とする観点から、樹脂製部材の熱伝導率は、好ましくは1W/m・K以下であり、より好ましくは0.7W/m・K以下であり、更に好ましくは0.5W/m・K以下である。熱伝導率は、低ければ低いほうがよいが、実用上は0.02W/m・K以上である。
なお、熱伝導率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の樹脂製部材の室温での曲げ弾性率は1.5GPa以上である。ここで、室温とは具体的には23℃を意味する。曲げ弾性率が1.5GPa未満であると、樹脂製部材の室温付近での剛性が低くなる傾向がある。より剛性を高める観点から、樹脂製部材の室温での曲げ弾性率は、好ましくは2GPa以上、より好ましくは3GPa以上、更に好ましくは4GPa以上である。室温での曲げ弾性率は、高ければ高いほうがよいが、実用上は450GPa以下である。
なお、曲げ弾性率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の樹脂製部材の比重は2.0以下である。樹脂製部材の比重が2.0を超える場合は、建具が重くなり、例えば、窓、ドアなどの開閉の作業性が悪くなる。樹脂製部材の比重は好ましくは1.9以下であり、より好ましくは1.8以下であり、更に好ましくは1.7以下である。比重は、低ければ低いほうがよいが、実用上は0.03以上である。
本発明の樹脂製部材の600℃で30分加熱後の圧縮強度は0.1MPa以上である。該圧縮強度が0.1MPa未満であると、樹脂製部材を備える建具が高温環境下に置かれた場合の強度が低く例えば窓の場合、ガラス保持性も低くなり、防火性能に劣る傾向がある。樹脂製部材の600℃で30分加熱後の圧縮強度は、好ましくは0.3MPa以上であり、より好ましくは0.4MPa以上である。該圧縮強度は、高ければ高いほうがよいが、実用上は200MPa以下である。
600℃で30分加熱後の圧縮強度は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の樹脂製部材の形状は特に限定されないが、建具、特に建具の枠材の中空部の形状に適合させるため、異形であることが好ましい。ここで異形とは、シート状のものの少なくとも一部を曲げたあらゆる形状を意味する。異形の樹脂製部材は、具体的には、断面形状が、円状、楕円状、多角形状などの全周が閉じた形状となる樹脂製部材でよいし、コの字、U字など、全周のうち一部が開口された形状となるように折り曲げられた断面形状となってもよい。また、L字状、J字状などでもよい。さらには、上記各形状に近似した形状、及び前記形状を複数組み合わせた断面形状を有する樹脂製部材でもよい。
これらの中でも、断面形状は、全周のうち一部が開口された形状、特にコの字又はそれに近似する形状など、一部が開口された多角形となるように折り曲げられた形状であることが好ましい。また、樹脂製部材は、枠材の中空部の形状に合わせて細長であることが好ましい。
本発明の樹脂製部材は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかから選択される樹脂100質量部、無機フィラー5~200質量部、及びリンの金属塩5~200質量部を含有することが好ましい。このような組成により、上述した熱伝導率、曲げ弾性率、比重、600℃で30分後の圧縮強度等の各種物性を所期の値に制御しやすくなる。
本発明の樹脂製部材は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかから選択される樹脂を含有することが好ましい。このような樹脂を含有することにより、樹脂製部材が軽量化され、かつ断熱性が高まる。樹脂の中でも、異形成形性を良好とする観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、耐熱性及び強度が高い樹脂が好ましく、このような観点から、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系樹脂及び塩素化ポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。これらの中でも、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル及び塩素化ポリ塩化ビニルから選択される少なくとも1種以上がより好ましく、ポリブチレンテレフタレートが更に好ましい。
ポリブチレンテレフタレートの市販品の例としては、東レ製「トレコン」、ポリプラスチックス製「ジュラネックス」などが挙げられる。
塩素化ポリ塩化ビニルはポリ塩化ビニルを塩素化させたものであり、耐熱性を向上させる観点から塩素含有量は64~68質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の樹脂製部材は、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラー含有させることにより、樹脂製部材の強度が向上する。無機フィラーとしては特に限定されず、粒状フィラー、針状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー等を用いることができる。これらの中でも、樹脂製部材の強度を効果的に向上させる観点から、繊維状フィラーが好ましく、短繊維フィラーがより好ましい。
短繊維フィラーとしては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維等が挙げられ、これらの中でも、ガラス繊維が好ましい。
短繊維の径は、樹脂製部材の強度をより効果的に向上させる観点から、5μm以上20μm以下であることが好ましい。また、同様の観点から、短繊維の長さは、1mm以上30mm以下であることが好ましい。
樹脂製部材に含まれる無機フィラーの含有量は、樹脂100質量部に対して5~200質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがより好ましく、20~60質量部であることが更に好ましい。無機フィラーをこのような範囲の含有量とすることで、樹脂製部材を軽量化させつつ、強度を高めることができる。
本発明の樹脂製部材は、リンの金属塩を含有することが好ましい。樹脂製部材がリンの金属塩を含有することにより、高温環境に置かれた場合であっても強度が高く、樹脂製部材を備えた枠材を有する窓又はドアなどの防火性能が向上する。
リンの金属塩の中でもリン酸の金属塩、亜リン酸の金属塩、次亜リン酸の金属塩が好ましく、中でも亜リン酸の金属塩がより好ましい。亜リン酸の金属塩としては、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛等が好ましく、亜リン酸アルミニウムがより好ましい。
リンの金属塩を含有した樹脂製部材が、高温環境下で強度が高くなり理由は定かではないが、樹脂製部材の温度上昇とともに、樹脂製部材中に存在するリンの金属塩の縮合が進行し、樹脂製部材の機械的強度が高まるものと推定され、特に亜リン酸アルミニウムはこのような効果が高いと考えられる。
樹脂製部材に含まれるリンの金属塩の含有量は、樹脂100質量部に対して5~200質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがより好ましく、20~60質量部であることが更に好ましい。リンの金属塩をこのような範囲の含有量とすることで、樹脂製部材を軽量化させつつ、高温での強度を高めることができる。
本発明において、建具の防火性能をより高める観点から、樹脂製部材と、熱膨張性材料とを備えた複合樹脂製部材を用いることが好ましい。
熱膨張性材料は、火災時などの高温にさらされた際に膨張することで、断熱層を形成させることができる材料であれば特に制限されない。熱膨張性材料としては、50kW/m2の加熱条件下で30分加熱した後の膨張率が3~50倍のものが好ましい。
熱膨張性黒鉛とは、加熱時に膨張する物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。該熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の粒度は、20~200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュかそれより小さいと、黒鉛の膨張度が膨張断熱層を得るのに十分であり、また粒度が20メッシュかそれより大きいと、樹脂に配合する際の分散性が良く、物性が良好である。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP-EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
無機充填材の種類は特に限定されない。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。なお、これら以外の公知の無機充填材を用いてもよい。無機充填材は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱膨張性材料は市販品として入手可能であり、例えば、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトとを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物からなる熱膨張性材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック等の熱膨張性材料等が挙げられる。
本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材は、窓、ドア等の建具の補強に用いることができる。このような建具は、本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材を有することで、常温時は、高強度で、軽量で、断熱性に優れ、かつ火災時の高温状態においても、一定の強度を保つことができ、延焼を抑制することができる。建具としては、好ましくは防火窓、防火ドア等の防火建具である。なお、防火とは、片側から一定温度で加熱した場合に、反対側から一定時間発火しないという建築基準法及びJISの規格に規定された基準を満たすことを意味する。
本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材は、建具の一部として使用され、その使用部位は特に限定されない。本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材は、例えば、窓、ドア等の建具の内周部、外周部、見付面、見込面、若しくは空間部(中空部)、又は建具構成部材の連結に用いることができる。前記した建具構成部材の連結とは、例えば、ガラス板、框、窓枠などの複数の建具構成部材を、本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材を介して接合することを意味する。なお、本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材を建具、又は建具構成部材の連結に用いる場合は、ボルト、ビス等の公知の固定手段を併用することができる。
また、本発明の建具としては、好ましくは、ガラスと、該ガラス周りに設けられ、かつ中空部を有する枠材とを備える建具であって、樹脂製部材又は複合樹脂製部材が枠材の中空部に挿入されている建具である。以下、図面によって具体的に説明するが、本発明は図面の内容に何ら限定されるものではない。
框33と窓枠34それぞれには、その長手方向に沿って複数の中空部が設けられており、少なくとも一部の中空部内に、中空部の内周面に沿う形状に異形成形された樹脂製部材35及び36がそれぞれ挿入されている。なお、図3では、樹脂製部材35、36の断面形状は、一部が開口された多角形となるように折り曲げられた形状、具体的には、コの字状、又はそれに近似する形状となるが、形状は特に限定されない。また、樹脂製部材35、36は、それぞれ細長の部材であり、中空部全長に渡って挿入されていてもよいし、中空部の全長の一部に渡って挿入されていてもよい。
本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材35、36により、框33及び窓枠34の強度が高まるとともに、これら本発明の樹脂製部材又は複合樹脂製部材は樹脂製であるため、防火窓全体が軽く、窓の開閉時の操作性に優れている。さらに、これら樹脂製部材は、熱伝導率が低いため防火窓の断熱性が向上する。加えて、これらの樹脂製部材は、加熱後の強度が高いため、火災時の高温状態においても、一定の強度を保つことができ、防火窓の防火性能を向上させることができる。
樹脂製部材51は、樹脂製であるため、防火ドア全体が軽く、防火ドアの開閉時の操作性に優れている。さらに、これら樹脂製部材51は、熱伝導率が低いため防火ドアの断熱性が向上する。加えて、これらの樹脂製部材51は、加熱後の強度が高いため、火災時の高温状態においても、一定の強度を保つことができ、防火ドアの防火性能を向上させることができる。
なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
樹脂製部材の熱伝導率は、以下の方法にて行った。サンプルを0.30mm程度の厚さに熱プレスし、その表面を黒化処理した。作成したサンプルをレーザーフラッシュ法(フラッシュアナライザー LFA447、NETZSCH社製)にて、23℃で測定した。
得られた熱伝導率について、以下の基準で評価した。
A:3W/m・K以下
B:3W/m・K超
樹脂製部材の曲げ弾性率は、JISK7171に基づいて、テンシロンRTC1310A装置(オリエンテック社製)を用いて、23℃で測定した。
得られた曲げ弾性率について、以下の基準で評価した。
A:1.5GPa以上
B:1.5GPa未満
樹脂製部材の比重は、電子比重計(MDS-300、ALFA MIRAGE社製)を用いて、23℃で測定した。
得られた比重について、以下の基準で評価した。
A:2.0以下
B:2.0超
樹脂製部材を、電気炉にて600℃で30分間加熱した。その後、樹脂製部材を取り出して、23℃条件下、12時間放置冷却してから、圧縮強度を測定した。
圧縮強度は、テンシロンRTC1310A(オリエンテック社製)を用いて、23℃で測定した。得られた応力-歪曲線において、初期に現れる平衡点又は降伏点を圧縮強度と定義し、評価した。
A:0.1MPa以上
B:0.1MPa未満
樹脂製部材の異形成形性は、図4に示すコの字状の断面形状を有する形状に異形押出成形可能か否かにより評価した。結果を、下記の基準に基づいて評価した。
A:異形押出成形可能
B:異形押出成形不可能
熱伝導率、曲げ弾性率、比重、600℃で30分加熱後の圧縮強度、及び異形成形性の全てがA評価の場合を総合評価Aとした。また、熱伝導率、曲げ弾性率、比重、600℃で30分加熱後の圧縮強度、及び異形成形性の少なくともいずれかがB評価の場合を総合評価Bとした。
ポリブチレンテレフタレート(東レ製「トレコン」)100質量部に対して、ガラス繊維(日東紡製「CS3J-451」径10μm、長さ3mm)を43質量部、亜リン酸アルミニウム(太平化学産業製「APA100」)43質量部を加えた後、混練して混合物を作製した。該混合物を260℃にて、プレス機でプレスして、縦横の長さが100mm×100mm、厚さ3mmのシート状の樹脂製部材を作製した。該シート状の樹脂製部材について、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂製部材の代わりに、縦横の長さが30mm×100mm、厚さ1mmのアルミニウム板(日本テストパネル製)を用いて、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂製部材の代わりに、縦横の長さが30mm×100mm、厚さ0.6mmの鋼板(日本テストパネル製)を用いて、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
樹脂製部材の代わりに、縦横の長さが30mm×100mm、厚さ5mmの発泡ケイ酸カルシウム板(チヨダウーテ製「チヨダセラボード」)を用いて、各種測定、評価を行った。結果を表1に示す。
12 樹脂製部材
21 枠材
22 複合樹脂製部材
23 熱膨張性材料
24 樹脂製部材
30 防火窓
31 窓ガラス
32 ガラス板
33 框
34 窓枠
35,36 樹脂製部材
50 防火ドア
51 樹脂製部材
52 表面材
53 断熱材
Claims (9)
- 熱伝導率が3W/m・K以下、室温での曲げ弾性率が1.5GPa以上、比重が2.0以下であり、
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかから選択される樹脂100質量部、無機フィラー5~200質量部、及びリンの金属塩5~200質量部を含有し、
600℃で30分加熱した後の圧縮強度が0.1MPa以上である建具に用いられる樹脂製部材。 - 建具の内周部、外周部、見付面、見込面、若しくは空間部、又は建具構成部材の連結に用いられる、請求項1に記載の樹脂製部材。
- 前記樹脂がポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン系樹脂、及び塩素化ポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1又は2に記載の樹脂製部材。
- 前記樹脂がポリブチレンテレフタレートである、請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
- 前記無機フィラーが短繊維フィラーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
- 前記リンの金属塩が亜リン酸アルミニウムである、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂製部材。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂製部材と、熱膨張性材料とを備えた複合樹脂製部材。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂製部材が使用されている建具。
- 請求項7に記載の複合樹脂製部材が使用されている建具。
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