JP6748194B2 - 剛性と耐火性に優れる多色成形品成形材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火成形材に関する。
住宅等の構造物の開口部に使用する窓、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、及び欄間等の建具に要求される性能の一つに防火性能があり、防火性能を高めるために、建具に耐火成形材を装着することが行われている。従来、構造物の開口部に設置される建具の枠体には、火炎が貫通しないように、枠体に熱膨張性材料が装着されていた。
特許文献1には、熱可塑性エラストマーを用いた耐火パネルが示されているが、素材が柔軟であるため、高剛性が要求される部位には用いられない。
特許第3813955号
従来耐火機能を有する耐火成形材は、開口部の気密性・水密性を上げるために変形に容易に追従するような柔軟素材を使用することが多かった。しかし、その一方で、剛性が必要とされる部位は、上記素材では適応できないという課題があった。
本発明の目的は、剛性が高く、熱膨張倍率に優れた耐火成形材を提供することにある。
剛性が必要とされる部材と耐火膨張部が一体となった耐火成形材を製造する場合、低コストである共押出が最適である。しかし、一般に剛性が高い部材は押出温度が高く、膨張部はその温度だと膨張開始してしまうため、形状不安定、外観不良、膨張黒鉛失活による耐火性能の低下が起きるといった問題が発生する。
本発明は、膨張部の粘度を上げ、膨張黒鉛の膨張を抑制することで、上記の問題が解決できることがわかった。すなわち、膨張部の粘度を上げることで、共押出可能となり、剛性に優れた耐火成形材を製造可能になった。また、共押出することで、接着層・接着工程がなくても耐火成形材を製造できるようになった。
本発明は、以下の耐火成形材を提供するものである。
項1. 引張弾性率が600MPa以上である部材Aと、膨張倍率が10倍以上である部材Bを備える耐火成形材。
項2. 部材Aのロックウェル硬度が70以上であることを特徴とする項1に記載の耐火成形材。
項3. 部材Aの引張降伏強度が、20MPa以上であることを特徴とする項1又は2に記載の耐火成形材。
項4.部材Aが熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の耐火成形材。
項5. 部材Bの残渣硬さが、0.3kgf/cm2以上であることを特徴とする項1〜4のいずれか1項に記載の耐火成形材。
項6. 部材Bが樹脂成分100質量部、熱膨張性黒鉛3〜300質量部を含有することを特徴とする項1〜5のいずれか1項に記載の耐火成形材。
項7. 共押出して製造されたものであることを特徴とする項1〜6のいずれか1項に記載の耐火成形材。
本発明によれば、剛性に優れる部分と熱膨張部が一体となった耐火成形材が提供できる。
本発明の1つの実施形態に係る耐火成形材の断面図。 本発明の成形品の別例を示す斜視図。 図2の成形品の使用状態を示す部分断面図。
本発明の耐火成形材は、高い剛性が要求される窓(引き違い窓、開き窓、上げ下げ窓等を含む)、扉(すなわちドア)、戸等に適用することができる。耐火成形材の高剛性は、部材Aにより提供され、耐火性は部材Bにより提供される。
本発明の耐火成形材は、引張弾性率が600MPa以上である部材Aと、膨張倍率が10倍以上である部材Bを備え、部材Aと部材Bは一体化されている。
部材Aの引張弾性率は、600MPa以上、好ましくは800MPa以上、より好ましくは1000MPa以上である。部材Aの引張弾性率の上限は特に限定されないが、250000MPa以下とされる。
部材Aのロックウェル硬度は、好ましくは70以上、より好ましくは75以上、さらに好ましくは80以上である。部材Aのロックウェル硬度の上限は特に限定されないが、130以下とされる。
部材Aの引張降伏強度は、好ましくは20MPa以上、より好ましくは25MPa以上、さらに好ましくは30MPa以上である。部材Aの引張降伏強度の上限は特に限定されないが、3000MPa以下とされる。
「引張弾性率」は、部材Aから、JIS K 7161−2に準拠したダンベル形試験片を切り出し、このダンベル形試験片を同じくJIS K 7161−2に準拠して引張試験に供し、引張応力−ひずみ曲線を描き、この曲線の初めの直線部分を用いて以下の式(I)によって算出することができる。
Figure 0006748194
(式(1)中、Δσは直線上の2点間の元の平均断面積による応力の差であり、Δεは同じ2点間のひずみの差である。)
「引張降伏強度」は、JISK7161−2に基づき測定することができる。
「ロックウェル硬度」は、JIS K7202−2に基づき測定することができる。
本発明の部材Bの膨張倍率は、10倍以上、好ましくは15倍以上、より好ましくは20倍以上である。部材Bの膨張倍率の上限は特に限定されないが、50倍以下とされる。
本発明の部材Bの残渣硬さは、0.3kgf/cm2以上、好ましくは0.4 kgf/cm2以上、より好ましくは0.5 kgf/cm2以上である。部材Bの残渣硬さの上限は特に限定されないが、3.0kgf/cm2以下とされる。
部材Aを構成する材料は、例えば、金属、非膨張性樹脂、またはこれらの複合材であってよく、非膨張性樹脂が好ましい。非膨張性樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせから構成され、熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。熱可塑性樹脂の例としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、及びAS樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、及び塩化ビニル系エラストマー等が挙げられ、ゴムの例の例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、及びフッ素ゴム等が挙げられる。
本発明の好ましい実施形態において、部材Bは、樹脂成分に熱膨張性黒鉛を含む樹脂組成物である。
樹脂成分としては、公知の樹脂成分を広く使用でき、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム物質、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリイソシアネート、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。
ゴム物質としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、非加硫ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等のゴム物質等が挙げられる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの合成樹脂及び/又はゴム物質の中でも、柔軟でゴム的性質を有しているものが好ましい。この様な性質を有する樹脂成分は無機充填材を高充填することが可能であり、得られる樹脂組成物が柔軟で扱い易いものとなる。より柔軟で扱い易い樹脂組成物を得るためには、ブチル等の非加硫ゴムおよびポリエチレン系樹脂が好適に用いられる。
代わりに、樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物の一種である。
上記の酸処理をして得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東ソー社製「GREP−EG」、GRAFTECH社製「GRAFGUARD」等が挙げられる。
部材Bは、例えば樹脂成分100質量部に対し、熱膨張性黒鉛を3〜300質量部含有することができる。部材Bには、さらに無機充填剤を配合してもよい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いることができるし、2種以上を併用することもできる。
部材Bを構成する樹脂組成物において、樹脂成分100質量部に対し、前記無機充填材を1〜300質量部の範囲で含んでいてもよい。
部材Bが無機充填剤を含む場合、前記熱膨張性黒鉛および前記無機充填材の合計は、樹脂成分100質量部に対し、3〜300質量部の範囲が好ましい。
部材Bを構成する樹脂組成物の溶融粘度は、温度160℃、せん断速度120(1/s)で好ましくは1000〜2500 Pa・s、より好ましくは1200〜2100 Pa・sである。部材Bの樹脂組成物の粘度を上げることで、部材Aと部材Bを共押出したときに、部材Bの膨張を抑制することができる。
かかる樹脂組成物は加熱によって膨張し耐火断熱層を形成する。この配合によれば、前記耐火成形材は火災等の加熱によって膨張し、必要な体積膨張率を得ることができ、膨張後は所定の断熱性能を有すると共に所定の強度を有する残渣を形成することもでき、安定した防火性能を達成することができる。
耐火成形材を構成する樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等のリン化合物等を含むことができる。
Figure 0006748194
化学式(1)中、R1およびR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
さらに耐火成形材を構成する樹脂組成物は、それぞれ本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料、粘着付与樹脂、成型補助材等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤を含むことができる。
部材Bは市販品としても入手可能であり、例えば、住友スリーエム社製のファイアバリア(クロロプレンゴムとバーミキュライトとを含有する樹脂組成物からなる耐火成形材、膨張倍率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛とを含有する樹脂組成物からなる耐火成形材、膨張倍率:4倍、熱伝導率:0.21kcal/m・h・℃)、積水化学工業社製フィブロック等が挙げられる。
本発明の耐火成形材は、さらに被覆層を備えていてもよい。被覆層は、加熱に伴う部材Bの膨張を許容する任意の材料から構成されてもよく、可燃性材料であることもできるし、不燃性材料であることもできる。被覆層が可燃性材料の場合、部材Bの膨張をより容易にし、所定の耐火性能が良好に発現される。
耐火成形材に被覆層を設ける場合、被覆層を部材Bと接するように設けてもよく、部材Aと接するように設けてもよく、部材Aと部材Bの両方と接するように設けても構わない。
可燃性材料は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせを使用することが好ましい。熱可塑性樹脂の例としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、及びAS樹脂等が挙げられる。エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、及び塩化ビニル系エラストマー等が挙げられる。ゴムの例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、及びフッ素ゴム等が挙げられる。熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム、又はこれらの組み合わせからなる被覆層の厚みは特に限定されないが、通常0.5〜6mmである。
また、被覆層は金属、金属合金、又は金属と上記の可燃性材料との組み合わせから構成されてもよい。
被覆層の外観は任意のものであってよく、色や模様は目的に応じて決定し得る。一実施形態では、被覆層の色は、耐火成形材が取り付けられる建具の枠体と同系色である。例えば、アルミ製の窓枠に耐火成形材1が取り付けられる場合、被覆層の色もアルミ色とし得る。同系色とは、色の特性で表される3要素、すなわち色相、明度、彩度の内、色相が同一又は近いもののことを意味する。具体的には、暖色同士、寒色同士、白色と乳白色、透明と半透明などを、互いに同系色として規定することができる。また、被覆層には木目調として視覚的に暖かみを演出する等、任意の模様を施して意匠性を付与することができる。このように、部材Bを被覆層で被覆することにより黒灰色の部材Bの意匠性を高めることが可能である。さらに、被覆層で被覆することにより、部材Bの耐候性が向上し、耐火成形材の長期耐久性も向上する。
部材A、部材Bを各々構成する樹脂組成物の混練物は、前記の各成分を押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール等、またエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の場合は、さらに、ライカイ機、遊星式撹絆機等、公知の混練装置を用いることにより得ることができる。また二液性の熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂の場合は、二液それぞれと充填剤の混練物を、前記混練方法にて別々に作製しておき、プランジャーポンプ、スネークポンプ、ギアポンプ等でそれぞれの混練物を供給し、スタティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混合を行って混錬物を作製してもよい。
部材A、部材Bを各々構成する樹脂組成物の成形方法としては、前記の混練物を例えば、プレス成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等、公知の方法を用いて成形することができる。また二液性の熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂の成形方法としては、さらにSMC(Sheet Molding Compound)等によるロール成形、ロールコーターやブレードコーターによるコーター成形等、適宜形状に応じて公知の方法を用いることができる。
耐火成形材1の製造方法は、特に限定されないが、部材Aおよび部材Bを共押出成形してもよいし、粘着シートや接着剤等の接着手段で互いに一体に結合してもよいし、物理固定により一体に結合してもよい。部材Aおよび部材Bは共押出することが好ましい。
部材Bの厚みは限定されないが、0.1〜6mmが好ましい。厚みが0.1mm以上であると、加熱によって形成される膨張断熱層の厚みによって、十分な防火性能を発揮することができる。また、6mm以下であれば、空洞内への挿入が容易であり得る。
本発明の耐火成形材は、住宅、ビル等の構造物の開口部に使用する窓、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、及び欄間等の建具に装着して使用することができる。また本発明の耐火成形材は、樹脂サッシの障子框や枠体として使用することもできる。
本発明の1つの実施形態に係る耐火成形材を図1に従って説明する。
図1に示すように、耐火成形材1は、引張弾性率が600MPa以上である部材Aと膨張倍率が10倍以上である部材Bとを備え、部材A及び部材Bはシート状に一体に成型されている。
枠体2の上端部には、枠体2の長手方向に沿って延びる一対の対向するレール状の隆起部2aならびに2bが設けられている。2aならびに2b及び2つの突起部3は耐火成形材1の長手方向における断面が略L字状であり、隆起部2aならびに2bのそれぞれが2つの突出部3と係合する。
図2および図3に、本発明の耐火成形材のさらに別の実施形態を示す。図2は、ガラスパネル38(図3参照)の周縁部に装着されるグレージングチャネル型の建築用のガスケット30である。図3は図2のガスケット30のガラスパネルにおける使用状態を説明するための断面図である。
ガスケット30は、ガラスパネル38の端面39に対向する底壁部32と、底壁部32の両側に底壁部32と連続して設けられてガラスパネル端面39の長手方向に沿ってガラスパネル周縁部40を覆う側壁部33とを有する。底壁部32と側壁部33とが、ガスケット30の本体部31を形成する。本体部31は、部材Aにより形成されている。
各側壁部33の上部には突起部34が設けられている。各突起部34は、内側、すなわちガラスパネル38側に向かって突き出た外ヒレ部35および内ヒレ部36を有する。
また各突起部34は、外側、すなわちガラスパネル側とは反対側に、溝部37を有する。サッシの端部を溝部37に挿入することにより、サッシにガスケット30を固定することができる。突起部34は、部材Bからなる。
ガスケット30は本体部31と突起部34の共押出により成形することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜3
表1に示す部材Aの成分及び配合量(質量部)、表2に示す部材Bの成分及び配合量(質量部)で各成分を含む樹脂組成物を混練し、共押出してシート状の耐火成形材を得た。得られた耐火成形材について、溶融粘度、引張弾性率、ロックウェル硬度、引張降伏強度、膨張倍率、残渣硬さを表3,表4、表5に記載する測定条件で測定した。膨張倍率、残渣硬さの測定条件を以下の(i)〜(ii)に示し、結果を表3、表4、表5に示す。
(i)膨張倍率
予め600℃に加熱した電気炉に200メッシュの金網に含浸したサンプルをSUS製の箱枠に投入し、30分間加熱を行った。取出したサンプルの残渣厚みをノギスにより測定し、以下の式により膨張倍率を算出した。
膨張倍率(倍) =燃焼後残渣の厚み / 耐火ゴム組成物シートの初期厚み
(ii)残渣硬さ
膨張倍率を測定した後、引張試験機(テンシロンRTC、オリエンテック社製)を用いて、残渣を0.25cm2の圧子にて圧縮速度0.1cm/minで圧縮し、最初に現れる最大点荷重を残渣硬さとした。
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
部材Bは溶融粘度が高いため、膨張が抑制され、外観は良好であった。
表3,4,5,10,11の「判定」の基準を以下に示す。
A:良好
B:不良
実施例4〜5
表6,8に示す部材Aの成分及び配合量(質量部)、表7,9に示す部材Bの成分及び配合量(質量部)で各成分を含む樹脂組成物を混練し、共押出してシート状の耐火成形材を得た。得られた耐火成形材について、溶融粘度、引張弾性率、ロックウェル硬度、引張降伏強度、膨張倍率、残渣硬さを表10,表11に記載する測定条件で測定した。膨張倍率、残渣硬さの測定条件は、上記の(i)〜(ii)と同じであり、結果を表10、表11に示す。
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
Figure 0006748194
1 耐火成形材
2 枠体
2a 隆起部
2b 隆起部
3 突起部
30 ガスケット
31 本体部
32 底壁部
33 側壁部
34 突起部
35 外ヒレ部
36 内ヒレ部
37 溝部
38 ガラスパネル
39 ガラスパネル端面
40 ガラスパネル周縁部

Claims (4)

  1. 引張弾性率が600MPa以上である部材Aと、膨張倍率が10倍以上である部材Bを備え、
    前記部材Aが熱可塑性樹脂を含有し、
    前記部材Bが樹脂成分、熱膨張性黒鉛及び無機充填剤を含有し、前記樹脂成分100質量部に対して、前記熱膨張性黒鉛を3〜300質量部、前記無機充填剤を1〜300質量部の割合で含有し、
    前記樹脂成分が、熱可塑性樹脂及び/又はオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
    前記部材Bを構成する樹脂組成物を160℃、せん断速度120(1/s)の条件で測定した溶融粘度が1200〜2500Pa・sであることを特徴とする共押出成形された耐火成形材。
  2. 前記部材Aの引張降伏強度が、20MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐火成形材。
  3. 前記部材Aの前記熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニルを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火成形材。
  4. 前記部材Bの残渣硬さが、0.3kgf/cm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火成形材。
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