JP6023652B2 - 上げ下げ窓 - Google Patents

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Description

本発明は、上げ下げ窓に関する。
枠体の内部に内障子と外障子とを備え、少なくとも内障子または外障子を上げ下げ自在に納めてなる上げ下げ窓(建具)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一般的な上げ下げ窓(建具)では、外障子の上框が、上枠の下端に嵌合した構造となっている。また、枠体の上枠内に、障子を支持するためのバランサを納めた構造を有する上げ下げ窓では、上枠の見付けが幅広に構成されている。
特許第4388904号公報
外障子の上框が上枠の下端に嵌合し、幅広の上枠を備える上げ下げ窓の場合、上枠が比較的熱伸びしやすく、火災時など、上枠と外障子との間に隙間ができる虞がある。このため、枠体の上枠と外障子の上框の見込み方向の離間を防止可能な上げ下げ窓が望まれている。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、火災時であっても、枠体の上枠と外障子の上框の見込み方向の離間を防止可能な上げ下げ窓を提供すること、などを目的とする。
本発明の上げ下げ窓は、枠体と内障子と外障子とを備え、枠体の上枠は、室外側に垂下片を有し、外障子は、上框の室外側面から上方に張り出す延出片を有し、外障子の上框の室外側面と延出片とで、垂下片の下端を呑み込む溝を形成しており、その溝内に、垂下片に対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具を有することを特徴とする。
本発明によれば、火災時であっても、枠体の上枠と外障子の上框の見込み方向の離間を防止可能な上げ下げ窓を提供することができる。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の室内側全体正面図。 図1に示した上げ下げ窓のA−A線に沿った縦断面図。 上げ下げ窓の横断面模式図、(a)は図1に示した上げ下げ窓のB−B線に沿った横断面模式図、(b)は図2に示した上げ下げ窓のC−C線に沿った横断面模式図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の離れ防止金具付近の拡大縦断面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の離れ防止金具の一例を示す図、(a)は離れ防止金具の上面図、(b)は側面図、(c)は正面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の外障子の上面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の外障子と内障子の召し合せ部付近の拡大縦断面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の外障子と内障子の召し合せ部付近の拡大横断面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の反り防止金具(内障子側金具)の一例を示す図、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図。 熱膨張耐火材を貼付した反り防止金具(内障子側金具)の一例を示す図、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)正面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の反り防止金具(外障子側金具:受け部材)の一例を示す図、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は正面図。 火災時の上げ下げ窓の反り防止金具の係合状態の一例を示す拡大横断面図。 本発明の実施形態に係る上げ下げ窓の内障子の下框と下枠の隙間を塞ぐ塞ぎ材の一例を示す拡大断面図。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓を防火用上げ下げ窓に適用した一例を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100の室内側全体正面図である。図2は図1に示した上げ下げ窓100のA−A線に沿った縦断面図である。
図3は図2に示した上げ下げ窓100の横断面模式図である。詳細には、図3(a)は図1に示した上げ下げ窓のB−B線に沿った横断面模式図、図3(b)は図2に示した上げ下げ窓のC−C線に沿った横断面模式図である。図4は上げ下げ窓100の離れ防止金具60付近の拡大縦断面図である。
図5は上げ下げ窓100の離れ防止金具60の一例を示す図である。詳細には、図5(a)は離れ防止金具60の上面図、図5(b)は側面図、図5(c)は正面図である。図6は上げ下げ窓100の外障子2の上面図である。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、枠体であるサッシ枠1と内障子3と外障子2とを備える。枠体(サッシ枠1)の上枠11は、室外側に垂下片11cを有する。
外障子2は、外障子2の上框21の室外側面21aから上方に張り出す延出片21bを有し、外障子2の上框21の室外側面21aと延出片21bとで、垂下片11cの下端を呑み込む溝260(嵌合溝部)を形成しており、その溝260内に、垂下片11cに対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具60を有する。
また、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、枠体であるサッシ枠1の竪枠13,14が外障子2の竪框23,24を呑み込むように(嵌合するように)構成されている。外障子2の下框22と内障子3の上框31は、見込み方向(室内外方向)に離反しないように、見込み方向に係合自在に構成されている。
以下、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100を詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、躯体開口部に取付けた枠体であるサッシ枠1内に収容された外障子2(上障子)と内障子3(下障子)とを有する。外障子2がサッシ枠1内の室外側上方に配置され、内障子3がサッシ枠1内の室内側下方に配置されている。
本実施形態では、外障子2がサッシ枠1内の上部に固定され、内障子3がサッシ枠1内の下部に嵌め込まれ、内障子3が上下移動自在に配置されている。内障子3を上げた場合、内障子3の下方に形成される開口部を通じて採風を行えるように、上げ下げ窓100が構成されている。外障子2と内障子3は、引違い状に配置されている。上げ下げ窓100は、シングルハングであってもよいし、ダブルハングであってもよい。本実施形態では、上げ下げ窓100はシングルハングである。
本発明の実施形態の上げ下げ窓100として、アルミニウム合金などの金属材と、その金属材の室内側に配設した樹脂材を備える複合サッシを採用し、断熱性および意匠性を向上させている。尚、上げ下げ窓100は、複合サッシに限られるものではない。
<サッシ枠1(枠体)>
サッシ枠1は、上枠11と、下枠12と、左右の竪枠13,14とを有し、それらが四方枠組みして構成されている。上枠11、下枠12、竪枠13,14の内周部には、外障子2や内障子3に嵌合する凹部(嵌合溝部)が形成されている。
<外障子2>
図1、図2、図3に示したように、外障子2は、上障子として機能し、上框21、下框22、竪框23,24を四周枠組みして構成されている。外障子2は、各框により区画された区画内にガラスパネル25(パネル)を装着して構成されている。
<内障子3>
内障子3は、下障子として機能し、上框31、下框32、竪框33,34を四周枠組みして構成されている。内障子3は、各框により区画された区画内にガラスパネル35(パネル)を装着して構成されている。
上記外障子2及び内障子3のパネル25,35は、例えば、その四方端部がシール部材6(グレージングチャンネル)を介して外障子2および内障子3の各框に嵌合している。本実施形態では、パネル25,35として、2枚の板ガラスの間にスペーサーを挟持した複層ガラスパネルを例示しており、そのガラスの隙間に乾燥空気や不活性ガスなどが封入されている。尚、パネル25,35はこの形態に限定されるものではなく、単板ガラスであってもよい。
本実施形態では、サッシ枠1の上枠11、下枠12、竪枠13、竪枠14は、金属枠と、その金属枠の室内側に配設した樹脂材と、などで構成されている。
また、内障子3及び外障子2は、アルミニウム合金などの押出形材の金属框と、その金属框の室内側面等に設けられた樹脂框となどで構成されていてもよい。
詳細には、上枠11は、金属上枠111と、その金属上枠111の室内側に配設した樹脂上枠112と、などで構成されている。
下枠12は、金属下枠121と、その金属下枠121の室内側に配設した樹脂下枠122と、などで構成されている。
竪枠13(14)は、金属竪枠131(141)と、その金属竪枠131(141)の室内側に配設した樹脂竪枠132(142)と、などで構成されている。
また、外障子2の上框21は、金属上框211と、その金属上框211の室内側に配設した樹脂上框212と、などで構成されている。
外障子2の竪框23(24)は、金属竪框231(241)と、金属竪框231(241)の室内側に配設した樹脂上框232(242)と、などで構成されている。
内障子3の上框31は、金属上框311と、その金属上框311の室内側に配設した樹脂上框312と、などで構成されている。
内障子3の下框32は、金属下框321と、その金属下框321の室内側に配設した樹脂下框322と、などで構成されている。
内障子3の竪框33(34)は、金属竪框331(341)の室内側に配設した樹脂竪框332(342)と、などで構成されている。
<バランサ5>
サッシ枠1の竪枠13,14の上部、または、上枠11の左右両端部付近に、渦巻バネ式バランサ装置などのバランサ5が設けられている。バランサ5から繰り出された吊りワイヤ5wに、可動障子としての内障子3(下障子)が吊設されている。本実施形態では、可動障子である内障子3(下障子)は、内障子3の下端部付近に設けられた係止部材5sにワイヤ5wにより係止されることで吊設されている。内障子3(下障子)の重力と、バランサ5による上方向への付勢力とが力学的に平衡関係となるように構成され、可動障子である内障子3を小さな力で簡単に上下方向に移動させて開閉可能であり、且つ、内障子3を任意の高さ位置に停止できるように構成されている。
<把持部37(把手)>
本実施形態では、内障子3(下障子)の下框の中央部付近に、把持部37(把手)が設けられている。操作者が把持部37を上下方向に操作することで、内障子3を簡単に開閉自在となるように構成されている。
<施錠金具7(クレセント)>
図1、図2、図3に示したように、外障子2(上障子)の下框22(召し合せ框)と、内障子3(下障子)の上框31(召し合せ框)は、施錠金具7(クレセント)により施錠可能に構成されている。詳細には、内障子3(下障子)の上框31(召し合せ框)の略上端中央部にクレセント本体金具71が設けられている。クレセント本体金具71とクレセント受け金具72とが係合することで、内障子3を閉鎖位置に固定することができる。
<離れ防止金具60>
以下、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100の外障子2の上框21に設けられた離れ防止金具60について、詳細に説明する。
図4に示したように、枠体(サッシ枠1)の上枠11は、室外側に垂下片11cを有する。外障子2は、外障子2の上框21の室外側面21aから上方に張り出す延出片21bを有し、外障子2の上框21の室外側面と延出片21bとで、垂下片11cの下端を呑み込む溝260(嵌合溝部)を形成している。上げ下げ窓100は、その溝260内に、垂下片11cに対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具60を有する。
詳細には、外障子2の上框21は、図4に示したように、断面略四角形状の金属上框211と、金属上框211の室内側に配置された樹脂上框212とを有する。金属上框211と樹脂上框212が係合部215により係合配置されている。
外障子2の上框21には、ガラスパネル25を嵌合する溝部21eが形成されている。溝部21eは、金属上框211の室外側側面から下方に延出する延出部211eと、樹脂上框212の室内側側面から下方に延びる延出部212eとを有し、延出部211e,212eにより、シール部材6(グレージングチャンネル)を介してガラスパネル25を嵌合するように構成されている。
樹脂上框212は、室内側上端部に、室内側に突出するとともに上方に向けて屈曲延出した延出片212fを有する。
サッシ枠1(枠体)の上枠11は、金属上枠111と、その金属上枠111の室内側に配設した樹脂上枠112と、などを有する。金属上枠111と樹脂上枠112とは、図4に示したように、係合部材115などを介して係合されている。
上枠11の下部には、外障子2の上框21が嵌合する溝部11eが形成されている。金属上枠111の室外側面111aの下端111dには、その下端111dから室外方向に延出する延出片111fが形成されている。金属上枠111の延出片111fは、金属上框211の上部に設けられた延出片21bよりも、室外方向に延出した形状となるように構成されている。
金属上枠111の室外側面111aの下端111dには、その下端111dから下方に延出する垂下片11cが設けられている。
尚、本実施形態では、垂下片11cの室内側側面に熱膨張耐火材9が設けられている。熱膨張耐火材9は、火災時など、200℃以上に加熱されると発泡して、厚さ方向に5〜40倍に膨張し、断熱層を形成する。垂下片11cの室内側側面に設けられた熱膨張耐火材9は、火災時、金属上枠111の垂下片11cと、外障子2の上框21の室外側面21a(本体部211aの上面部211cよりも、上方に向けて突出した突出部211gの室外側面21a)との間に、断熱層を形成する。
金属上枠111の室外側面111aの下端111dには、その下端111dの僅かに室内側位置に、気密材81を係合する係合部111gが形成されている。係合部111gに設けられた気密材81は、樹脂などの柔軟性を有する材料により形成され、金属上框211の室外側面21aの上端部21dに当接するように構成されている。金属上框211の室外側面21aの上端部21dには、例えば、切欠き部21fが形成されており、この切欠き部21fを通るように離れ防止金具60が配置される。
金属上枠111の室外側面111aの下端111dに設けられた係合部111gの室内側には、係合部材115を配置する係合部111kが設けられている。係合部111kは、上述したように、金属上枠111と樹脂上枠112とを係合する部材である。
また、図4に示したように、上枠11の下部において、上框21を呑み込む溝に熱膨張耐火材9が、上枠11の長手方向に沿って設けられている。具体的には、図4に示したように、金属上枠111の下部において、上框21に設けられた離れ防止金具60と対向する位置付近に、上枠11の長手方向に沿って熱膨張耐火材9が設けられている。このため、火災時には、熱膨張耐火材9が発泡し、上枠11と上框21との間の隙間を埋めるように断熱層を形成することで、上枠11と上框21との間に隙間が生じることを防止する。
樹脂上枠112は、その下部に、室内側から室外側に水平に延出するとともに、外障子2の上框21を嵌合する溝部11eの一部分である、水平延出部112aが形成されており、水平延出部112aの室外側端部112bが係合部材115に係合するように構成されている。
また、樹脂上枠112の下部には、下方に延出するとともに、下端で室外側に折れ曲がり、且つ、上方に向かって延出した形状の折返し部112cが形成されている。折返し部112cの室外側の側面には、樹脂などの柔軟な材料で形成された気密部材182,183が設けられており、上框21と上枠11との間の気密性を確保している。
<外障子2の上框21>
図4に示したように、外障子2の金属上框211は、断面略四角形状の本体部211aの室外側面21aは、断面略四角形状の本体部211aの上面部211cよりも、上方に向けて突出した部分を有し、その突出部211gの上端部21dが、金属上枠111に設けられた気密材81に当接するように構成されている。
また、外障子2の金属上框211は、金属上框211の室外側面21aから室外側に突出し且つ上方に張り出す延出片21bを有する。
この室外側面21aと延出片21bとで、垂下片11cの下端を呑み込む溝260(嵌合溝)が形成されている。延出片21bは、上枠11の長手方向に沿って形成されている。この上框21の延出片21bは、外障子2の上框21と上枠11との間の隙間への雨や風の侵入を防いでいる。
上框21の金属上框211には、離れ防止金具60が設けられている。離れ防止金具60は、ステンレス合金などの金属材料により構成されており、図5(b)に示したように、側面視、断面略S字形状に形成されている。
図4、図5に示したように、離れ防止金具60は、略矩形状の固定板部60aと、係合立設部と、固定板部60aと係合立設部とを連結する連結部60cと、を有し、その固定板部60a、係合立設部、連結部60cが金属材料により一体形成されている。係合立設部は、図5(b)に示したように、断面略U字形状に形成されており、詳細には、室外側係合立設部60bと、室内側係合立設部60dと、底部60eとを有する。底部60eは、室外側係合立設部60bの下部と室内側係合立設部60dの下部とを接続するように形成されている。
固定板部60aは、略矩形状部の略中央部に、ボルトなどの固定部材961を嵌合する孔部60hが形成されている。本実施形態では、離れ防止金具60は、固定部材961により、固定板部60aの孔部60h、断面略四角形状の金属上框211の本体部211aに形成された孔部211h、金属上框211の本体部211a内に設けられた補強部材970に固着することで、金属上框211に固定する構造となっている。
連結部60cは、固定板部60aよりも幅狭に形成され、固定板部60aの室外側端部から室外側に向けて延出するとともに、断面略四角形状の金属上框211の本体部211aの突出部211gを越えるように延出し、溝260の底部に向けて下方に延出し、且つ、溝260の底部に沿って室外方向に水平に延出し、室外側係合立設部60bに連結した形状に形成されている。
室外側係合立設部60bは、連結部60cの端部から垂直に上方に延出した形状に形成されている。本実施形態では、室外側係合立設部60bは、連結部60cと比較して幅広に形成されており、固定板部60aと略同じ幅に形成されている。
離れ防止金具60は、連結部60cから下方に向けて延出した形状の室内側係合立設部60dと、室外側係合立設部60bとにより、上枠11の垂下片11cを見込み方向で係止可能に構成されている。
詳細には、例えば、火災時、その熱で、上枠11が外障子2の上框21に対して室外側に離間するように反りなどが生じる場合、上枠11の垂下片11cが、離れ防止金具60の室外側係合立設部60bに当接するように構成されている。また、火災時、その熱で、上枠11が外障子2の上框21に対して室内側に離間するように反りなどが生じる場合、上枠11の垂下片11cが、離れ防止金具60の室内側係合立設部60dに当接するように構成されている。
本実施形態では、3つの離れ防止金具60がそれぞれ、図1、図4、図6に示したように、外障子2の上框21の略中央部、両端部付近に設けられている。このように、3つの離れ防止金具60それぞれを、外障子2の上框21の略中央部、両端部付近に設けることにより、火災時であっても、枠体1の上枠11と外障子2の上框21の見込み方向の離間を防止することができる。
尚、1つ、または、2つ以上の複数の離れ防止金具60を、外障子2の上框21に設けてもよい。
また、図2、図3に示したように、枠体1の竪枠13,14は、外障子2の竪框23,24を呑み込むように(嵌合するように)構成されており、見込み方向に離反しないように構成されている。詳細には、竪枠13,14に形成された凹部13u,14uに、竪框23,24が嵌合するように構成されている。
外障子2の下框22と内障子3の上框31は、見込み方向に離反しないように、見込み方向に係合自在に構成されている。外障子2の下框22と内障子3の上框31は、通常時、煙返しと施錠金具7により、外障子2が見込み方向(室内外方向)に離反しないように拘束可能に構成されており、且つ、召し合せ部の施錠金具7を挟んで両側に、反り防止金具80を有し、火災時であっても、枠体1と外障子2の間に隙間が生じることを防止可能に構成されている。
以下、外障子2の下框22と内障子3の上框31の係合構造について説明する。
図7は、上げ下げ窓100の外障子2と内障子3の召し合せ部付近(反り防止金具80付近)の拡大縦断面図である。図8は上げ下げ窓100の反り防止金具80付近の拡大横断面図である。図9は、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100の反り防止金具(内障子側金具83)の一例を示す図である。詳細には、図9(a)は上面図、図9(b)は側面図、図9(c)は正面図である。図10は熱膨張耐火材9を貼付した反り防止金具(内障子側金具83)の一例を示す図である。詳細には、図10(a)は上面図、図10(b)は側面図、図10(c)正面図である。図11は本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100の反り防止金具(外障子側金具82:反り防止金具受け部材)の一例を示す図である。詳細には、図11(a)は上面図、図11(b)は側面図、図11(c)は正面図である。
本実施形態では、図7、図8に示したように、内障子3と外障子2は、召し合せ部の両端付近に、反り防止金具80を備える。
外障子2の下框22は、アルミニウム合金などの押出形材の金属框であり、図7に示したように、断面略四角筒形状に形成されており、中空部22k内に金属材料からなる補強材223を備えている。外障子2の下框22の上部には、シール部材6を介してパネル25を挟持する凹部22aが設けられており、その凹部22aにパネル25としてガラスが設けられている。本実施形態では、シール部材6と下框22との間に、ステンレス鋼(SUS)などの金属材により形成された、間口補強材61が設けられている。
外障子2の下框22は、内障子側の側面部に煙返し22bが設けられており、煙返し22bの近傍に、先端部が室内側に向かって延びるモヘヤなどの気密部材971を備える。
本実施形態では、外障子2の下框22には、図7に示したように、室内側角部に切り欠け状の段部が形成されている。外障子側金具82(上障子側金具)は、外障子2の下框22の下面側の段部に対応する形状に形成されており、下框22の下面側の段部に固定部材902,903,904などにより固定さている。
内障子3の上框31は、図7に示したように、アルミニウム合金などの押出形材の金属框であり、詳細には、断面四角筒形状に形成された金属上框311と、その金属上框311の上部側や室内側面などに設けられた樹脂上框312とを有する。
金属上框311の中空部311k内に、断面U字形状の金属材料からなる補強部材313が備えられている。
内障子3の上框31の下部には、シール部材6を介してパネル25を挟持する凹部31aが設けられており、その凹部31aにパネル35としてガラスが設けられている。凹部31aは、金属上框311の室外側の側面から下方に伸びる突条部と、樹脂上框312の室内側側面から下方に伸びる突条部とにより構成されている。本実施形態では、シール部材と上框31との間に、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料により形成された、間口補強材61が設けられている。
内障子3の上框31は、外障子側の側面部に煙返し31bが設けられている。内障子3と外障子2が閉鎖状態の場合、内障子3の煙返し31bと外障子2の煙返し22bが係合するように構成されている。
また、内障子3の上框31(樹脂上框312)の室外側の側面部の上部には、先端部が室外側に向かって延びるパッキンなどの気密部材951が設けられている。
内障子3の上框31(金属上框311)の室外側の側面部に、内障子側金具83が設けられている。
また、図8に示したように、サッシ枠1の竪枠14は、金属竪枠141と、金属竪枠141の室内側に形成された樹脂枠142とを有する。内障子3の樹脂竪框342の室外側の側面部、及び、金属竪框341の室外側の側面部に、先端部が室外側に向かって延びるモヘヤなどの気密部材972,973が設けられている。尚、サッシ枠1の竪枠14、内障子3の竪框34について説明したが、サッシ枠1の竪枠13、内障子3の竪框33についても同様であるので、説明を省略する。
上述したように、反り防止金具80は、内障子側金具83(下障子側金具)と、外障子側金具82(上障子側金具)と、を有する。内障子側金具83と外障子側金具82は、内障子3が閉鎖状態の場合、内障子側金具83と外障子側金具82とが室内外方向に係合し、且つ、内障子3の召し合せ框(内障子3の上框31)が火災の熱で熱伸びした場合、内障子側金具83と外障子側金具82とが係合して上下方向の移動を規制するように構成されている。内障子側金具83と外障子側金具82は、ステンレスなどの金属材により構成されている。
以下、反り防止金具80の各部材について、詳細に説明する。
<内障子側金具83(下障子側金具)>
図7、図8、図9、図10に示したように、反り防止金具80の内障子側金具83は、内障子3の竪框34(33)の上部(召し合せ部)の外障子2側(室外側)に設けられている。詳細には、内障子側金具83は、本体部83aと、段部83bと、係合突起部83cと、などを有する。竪框33の上部に設けた内障子側金具83については、同様な構成であるので、説明を省略する。
本体部83aは、略矩形板状に形成され、略中央部に孔部83hが形成されている。固定用ネジなどの固定部材901が孔部83hに嵌合し、且つ、金属竪框341の屋外側側面341cに固定されている。
また、本体部83aは、その端部に屈曲した形状の係合部83fが形成されている。係合部83fは、内障子3の竪框34(金属竪框341)に形成された孔形状の被係合部341dに係合するように構成されている(図8参照)。内障子側金具83は、固定用ネジなどの固定部材901と係合部83fとにより、内障子3の竪框34(金属竪框341)の屋外側側面341cに固定された構造となっているので、内障子側金具83に外力が加わった場合であっても、内障子側金具83の回転を防止することができる。
段部83bは、本体部83aの下端から外障子2側へ屈曲して所定距離だけ延出した形状に形成されている。
係合突起部83cは、段部83bから下方へ向けて延出した形状に形成されるとともに、その先端部に、召し合せ部の端部に向けて屈曲した突出部83dを有する。この係合突起部83cの突出部83dは、火災などの場合に外障子側金具82に係合するように形成されている。
また、本実施形態では、図10に示したように、内障子側金具83の本体部83aに、熱膨張耐火材9を設けている。熱膨張耐火材9としては、例えば積水化学工業株式会社製の商品名「フィブロック(登録商標)」を用いることができる。これは、プラスチック技術を活用した有機系耐火材であり、通常の状態では柔軟な薄いシート状で、200℃以上に加熱されると発泡して厚さ方向に5〜40倍に膨張し、断熱層を形成する。この熱膨張耐火材9は、火災時に消失することがなく、有害ガスが発生することもない。またフィブロックは、片面に剥離紙付きの接着層を有し、剥離紙を剥がして簡便に接着取付けすることができる。
<外障子側金具82>
図7、図8、図11に示したように、外障子側金具82は、本体部82aと、段部82bと、平坦部82cと、立設部82dと、屈曲部82eと、などを有する。
本体部82aは、略平板形状に形成され、孔部82ha、82hbが形成されている。固定用ネジなどの固定部材902,903が孔部82ha、82hbに嵌合し、且つ、下框22の下部に形成された孔部22cに嵌合することで、外障子側金具82を下框22の下部に固定するように構成されている。本実施形態では、外障子側金具82を下框22の左右端部の両方又は一方に設けている。
段部82bは、本体部82aの室外側端部から下方へ屈曲して所定距離だけ延出した形状に形成されている。
平坦部82cは、段部82bから室外側へ向けて延出した形状に形成されている。平坦部82cには、孔部82hcが形成されている。固定用ネジなどの固定部材904が孔部82hcに嵌合することで、外障子側金具82を外障子2の下框22の下部に固定するように構成されている。つまり、本実施形態では、外障子側金具82を外障子2の下框22の下部(下枠12側)に、固定部材902,903,904により強固に固定した構造となっている。
立設部82dは、外障子側金具82の本体部82aの端部(内障子3側の端部)から上方(上框21側)に向けて延出した形状に形成されている。
屈曲部82eは、立設部82dの上部から室外方向に延出する形状に形成されている。
<反り防止金具80の取付構造の一例(通常時)>
反り防止金具80である外障子側金具82と内障子側金具83の取付構造を説明する。
図7、図8に示したように、外障子側金具82は、本体部82aおよび平坦部82cが、外障子2の下框22bの下面に固定部材902,903,904により固定され、立設部82d及び屈曲部82eが、外障子2の下框22の室内側側面と内障子3の竪框34(金属竪框341)の室外側側面部との間に配置される。金属竪框341の室内側には樹脂竪框342が設けられている。
内障子側金具83は、本体部83aが、内障子3の竪框34(金属竪框341)の外障子2側(室外側)に、固定部材901により固定されており、段部83bが本体部83aの下端から外障子2側へ屈曲して所定距離だけ延出し、係合突起部83cが段部83bから下方へ向けて延出した形状に形成され、先端部の突出部83dが召し合せ部の端部側に向けて屈曲している。
通常時、図8に示したように上面視した場合、内障子側金具83の段部83b、係合突起部83c、突出部83dが、外障子側金具82の本体部82aに重なるように配置されている。通常時、図7、図8に示したように、内障子側金具83の係合突起部83c、突出部83dが、外障子側金具82の立設部82dに対して室内外方向に係合自在となっており、且つ、内障子側金具83の突出部83dが、外障子側金具82の屈曲部82eに対して上下方向に、非係合状態となっている。この状態では、施錠金具7(クレセント)を解除した状態で、内障子3を上下に移動自在となっている。
<火災時などで内障子3の框が熱伸びした場合>
図12は火災時の上げ下げ窓100の反り防止金具80の係合状態の一例を示す拡大横断面図である。内障子3が閉鎖状態、外障子2及び内障子3の召し合せ框の中央部に設けられた施錠金具7が施錠状態、且つ、火災時などで内障子3の上框31が長手方向に熱伸びするとともに、竪框33,34が熱伸びした場合、図12に示したように、内障子側金具83と外障子側金具82とが室内外方向に係合し、且つ、内障子側金具83と外障子側金具82とが係合して上下方向の移動を規制するように構成されている。
詳細には、図12に示したように、内障子側金具83の係合突起部83c、突出部83dが、外障子側金具82の立設部82dに対して室内外方向に係合自在となっており、且つ、内障子側金具83の突出部83dが、外障子側金具82の屈曲部82eに対して上下方向に係合可能な状態となっており、上下方向の移動を規制するように構成されている。
図12に示したように、内障子側金具83と外障子側金具82とが係合した状態では、内障子3の上框31(召し合せ框)の両端部に関して、内障子側金具83と外障子側金具82により上下方向の移動が規制され、且つ、内障子3の上框31(召し合せ框)の両端部に関して、室内外方向への移動が規制される。詳細には、内障子3の上框31の両端部の室内側への移動が規制される。
このため、火災時、外障子2と内障子3の召し合せ部(内障子3の上框31および竪框33,34の上部と、外障子2の下框22および竪框23,24の下部)の気密性を維持することができる。
また、火災時、図7に示したように、内障子3の上框31(金属上框311)に、その上框31の長手方向に沿って設けられた熱膨張耐火材9aが熱により発泡して5〜40倍に膨張して、外障子2の下框22の室内側側面と、内障子3の上框31の室外側側面との間の空間を埋めて断熱層を形成する。同様に、火災時、図7、図12に示したように、内障子側金具83に設けられた熱膨張耐火材9が、熱により発泡して5〜40倍に膨張して、内障子3の竪框33(34)の室外側側面の上部と、外障子2の下框22(竪框23,24の下部)の室内側側面との間の空間を埋めて断熱層を形成する。
このため、火災時であって、外障子2と内障子3の召し合せ部の気密性を確実に維持することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、上げ下げ窓100は、枠体1と内障子3と外障子2とを備え、枠体1の上枠11は、室外側に垂下片11cを有し、外障子2は、上框21の室外側面から上方に張り出す延出片21bを有し、外障子2の上框21の室外側面21aと延出片21bとで、垂下片11cの下端を呑み込む溝260を形成しており、その溝260内に、垂下片11cに対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具60を有する。
また、図4に示したように、離れ防止金具60の固定板部60aが、外障子2の延出片21bよりも室内側で、金属上框211および補強部材970に固着されて取り付けてあることで、延出片21bが溶融したとしても、離れ防止金具60は落下せず、垂下片11cとの係合状態を維持することができるので、長時間に亘り上枠11と上框21の見込方向の離反を防止することができる。
詳細には、例えば、火災時、その熱で、上枠11が外障子2の上框21に対して室外側に離間するように反りなどが生じる場合、上枠11の垂下片11cが、離れ防止金具60の室外側係合立設部60bに当接することで、上枠11と上框21の見込方向の離反を防止することができる。
また、火災時、その熱で、上枠11が外障子2の上框21に対して室内側に離間するように反りなどが生じる場合、上枠11の垂下片11cが、離れ防止金具60の室内側係合立設部60dに当接することで、上枠11と上框21の見込方向の離反を防止することができる。
つまり、火災時であっても、枠体であるサッシ枠1の上枠11と外障子2の上框21の見込み方向の離間を防止可能な上げ下げ窓100を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、外障子2の竪框23,24が、竪枠13,14に呑み込まれた構造を有し、外障子2の下框22と内障子3の上框31は、見込み方向に離反しないように、煙返しとクレセント錠7により拘束された構造となっており、且つ、反り返し防止金具80を設けたことにより、火災時であっても、外障子2の下框22と内障子3の上框31は、見込み方向に離反しないように構成されている。
また、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、外障子2の上框21が上枠11と離反しにくく、外障子2の下框22が内障子3の上框31と離反しにくく、外障子2の竪框23,24が竪枠13,14のガイド溝(凹部)に呑み込まれているので、火災時であっても、外障子2の四周に隙間が生じにくいため、延焼を防止することができる。
また、詳細には、上げ下げ窓は、内障子3と外障子2とを備え、内障子3と外障子2は、召し合せ部の長手方向中央をクレセントなどの施錠金具7で拘束してあるとともに、召し合せ部の施錠金具7を挟んで両側に反り防止金具80を有し、反り防止金具80は、内障子側金具83と、外障子側金具82と、を有し、内障子側金具83と外障子側金具82は、内障子3が閉鎖状態の場合、内障子側金具83と外障子側金具82とが室内外方向に係合し、且つ、内障子3の召し合せ框が火災の熱で熱伸びした場合、内障子側金具83と外障子側金具82とが係合して上下方向の移動を規制するように構成されている。
つまり、内障子3と外障子2とを備える上げ下げ窓において、火災時に召し合せ部同士が離れないように、框が熱伸びしたときにのみ係合する反り防止金具80を設けている。
具体的には、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、次の作用も有する。
内障子側金具83と外障子側金具82とが、火災時にのみ上下方向に係合自在となり、内外障子(3,2)の召し合せ部が互いに離間する方向へ移動するのを阻止することができる。すなわち、本実施形態に係る上げ下げ窓100は、通常時には、内障子側金具83の突出部83dと外障子側金具82の屈曲部82eとが上下方向に対向しない位置にあるため、これらが上下方向に係合せず、内障子3の開方向への移動が妨げられることはない。
火災時に内障子3の召し合せ框が熱伸びしたときには、内障子側金具83の位置が左右端部方向に移動し、内障子側金具83の突出部83dと外障子側金具82の屈曲部82eとが上下方向に対向する位置に配置されるため、内障子側金具83と外障子側金具82とが上下方向に係合自在な状態となる。ここで、火災時に内外障子(3,2)の竪框が熱伸びすると、内障子3の召し合せ部は上方向に、外障子2の召し合せ部は下方向に(それぞれ、召し合せ框の煙返し(22b,31b)の掛かりと逆方向に)移動しようとするが、内障子側金具83の突出部83dの上面と、外障子側金具82の屈曲部82eの下面とが掛かるため、この移動が阻止され、内外障子(3,2)の召し合せ部が上下方向に離間するのを防止できる。
また、内障子側金具83の係合突起部83cと外障子側金具82の立設部82dとが室内外方向に係合自在であるため、火災時において、内外障子(3,2)の召し合せ部が室内外方向に離間するのを防ぐことができる。すなわち、内外障子(3,2)の召し合せ框は中央に施錠金具7を備えると共に互いに係合自在な煙返し(22b,31b)を備えるが、火災時には、召し合せ框が熱伸びすると共に煙返し(22b,31b)が溶融することで、特に召し合せ部の左右端部から召し合せ部が室内外方向に離間し、隙間が大きくなる懸念がある。このとき、内障子側金具83の係合突起部83cと外障子側金具82の立設部82dとが室内外方向に係合することで、召し合せ部の端部が室内外方向に離間するのが阻止されるため、召し合せ框の変形が抑制され、隙間が大きくなるのを防止することができる。
よって、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、内障子側金具83と外障子側金具82とが、火災時にのみ上下方向に係合自在、且つ室内外方向に係合自在であることで、通常時には内障子3の開方向への移動を妨げず、火災時にのみ、内外障子(3,2)の召し合せ部の離間を防止することができる。
さらに、内外障子(3,2)の召し合せ框間と内障子側金具83には、熱膨張耐火材9が設けてあるため、火災時には、召し合せ部の隙間を熱膨張耐火材9で連続して塞ぐことができ、これにより、火災時においても内外障子(3,2)の召し合せ部の気密性を維持することができる。
また、本実施形態では、竪枠14(13)に設けられた、外障子2を嵌め込む外障子案内溝14U(13U)内に、補強板(不図示)が設けられている。この補強板は、ステンレスなどの金属材料により形成されている。この補強板は、外障子2を嵌め込む案内溝14U(13U)の溝壁に沿う板部分が外障子2に対向する範囲の長手方向に設けてあり、竪枠14(13)にネジ止めなどの固着手段などにより固着された構造となっている。この補強板は、板部分の室外側端部からサッシ内側(中心側)に屈曲した形状の室外側板部分を有し、この室外側板部分により、更に補強強度を向上させている。
また、竪枠14(13)に設けられた、外障子2を嵌め込む外障子案内溝14U(13U)内に設けられた補強板には、熱膨張耐火材9が設けられている。
詳細には、この補強板を設けた効果としては、以下のことを挙げることができる。
A.この補強板は、金属竪枠141から外障子2側に延びる突条部(不図示)の内側面に沿って設けられた室外側板部分を有し、この室外側板部分により、竪枠の突条部を補強することができる。このため、突条部を有する外障子案内溝14Uを補強することができ、火災時に竪枠が熱のびした場合であっても、補強板の室外側板部分により補強された外障子案内溝14Uにより、外障子2と竪枠との間の隙間が生じることを低減することができる。
B.例えば屋外の火災時に、枠体1の竪枠の外障子案内溝14Uの室外側の突条部が溶融した場合であっても、残った補強板の室外側板部分と突条部により、外障子2の竪框を保持することができる。
C.この補強板に熱膨張耐火材9を設けたことにより、火災時、熱膨張耐火材9が膨張するので、外障子2の竪框23(24)と竪枠13(14)との間を埋めることで、外障子2の竪框23(24)と竪枠13(14)との間に隙間が生じることを防止することができる。
<内障子3の下框32と枠体1の下枠12の隙間を塞ぐ塞ぎ材>
図13は、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100の内障子3の下框32と枠体1の下枠12の隙間を塞ぐ塞ぎ材(下枠遮蔽材65)の一例を示す拡大断面図。
図13に示したように、上げ下げ窓100は、枠体であるサッシ枠1と内障子3と外障子2とを備え、サッシ枠1の下枠12に下枠遮蔽材65を有する。
詳細には、図13に示したように、下枠12は、金属下枠121と、その金属下枠121の室内側に配設した樹脂下枠122と、などで構成されている。内障子3の下框32は、金属下框321と、その金属下框321の室内側に配設した樹脂下框322と、などで構成されている。
下枠12は、内障子3の下框32を呑み込む溝12U(凹部)を有し、溝12Uの下縁に沿ってタイト材981を備える。下框32(金属下框321)の室外側面から下方へ延出する延出部321bの下部321aが、タイト材981に当接するように構成されている(突き合わせ部)。
詳細には、下枠12の金属下枠121は、断面略U字形状の溝12U(凹部)を有し、溝12Uの室外側上端部付近に、タイト材981を配置する保持部121aを有する。
断面略U字形状の溝12U(凹部)の室外側に、下方に傾斜した傾斜面部121cが形成され、傾斜面部121cの室外側には、水平方向に室外側に延出する水平板部121dが形成されている。
傾斜面部121cの室内側の端部は、溝12Uの室外側上端部より僅かに下部に接続された構造となっている。
金属下枠121の傾斜面部121cの下部は、中空となっており、裏板985や補強板986などが配置されている。補強板には、熱膨張耐火材9が設けられている。
金属下枠121の下部の室外側端部には、金属下枠121の中空部と連通する排水弁8が設けられている。
金属下枠121の室内側には、樹脂下枠122が係合するように設けられており、樹脂下枠122は、室外側部の上部付近にモヘヤなどの気密部材975が設けられている。モヘヤの近傍、内障子3の下框32(樹脂下框322)の下部と、下枠12との間には、樹脂材などで形成された気密部材976が設けられている。
気密部材975、気密部材976、タイト材981により、下枠12と下框32の間の気密性を確保している。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、上述したように下枠遮蔽材65を有する。下枠遮蔽材65は、下枠12の傾斜面部121cに固定される固定部65cと、内障子3の下框32と対向する立設部65aと、固定部65cと立設部65aとを連結する連結部65bとを有し、立設部65a、連結部65b、固定部65cとが一体形成されている。連結部65bと傾斜面部121cとの間には中空部が形成されており、連結部65bの中空部側には熱膨張耐火材が設けられている。
固定部65cには、固定部材965が嵌合する孔部65hが設けられている。下枠遮蔽材65は、固定部材965により、傾斜面部121c、裏板985などに固定されている。
立設部65aは、内障子3対向面に、内障子3の下框32に向けて開口した開口部65dを有し、その開口部65d内に熱膨張耐火材9を備える。
詳細には、立設部65aの開口部65dは、下框32(金属下框321)の室外側面から下方へ延出する延出部321bの下部321aの室外側面に向けて開口するように構成されている。
火災時、立設部65aの開口部65d内に設けられた、熱膨張耐火材が熱により発泡、膨張して、下枠12に設けられた下枠遮蔽材65と、内障子3の下框32の下部との間に、断熱層を形成する。
このように、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、内障子3の下框32の下部321aと下枠12に設けられたタイト材981との突き合わせ部を覆うように、長尺の下枠遮蔽材65を有するので、火災時に、内障子3の下框32や下枠12が熱伸びした場合であっても、内障子3の下框32と下枠12との間に隙間が生じることを防止することができる。
例えば、下枠遮蔽材65を設けない比較例の上げ下げ窓では、下枠12と内障子3の下框32は、単純に突き合わせた構造であり、火災時、下枠12と内障子3の下框32との間に隙間が生じやすい。
本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、外障子2の上框21が上枠11と離反しにくく、且つ、外障子2の下框が内障子の上框と離反しにくく、外障子の竪框が竪枠のガイド溝に呑み込まれた構造となっている。
このため、火災時であっても、外障子の四周に隙間が生じにくいため、延焼を防止することができる。
尚、本発明の実施形態に係る上げ下げ窓100は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、可動障子は、1枚又は3枚以上の可動障子により構成されていてもよい。
また、枠及び框の断面形状は、適宜変更することができる。
また、外障子2、内障子3に設けられるパネル(ガラス)は3枚以上とすることもできる。
また、本発明に係る上げ下げ窓は、建物の窓に限らず、電車等の乗り物の窓等に用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
枠体と内障子と外障子とを備え、
枠体の上枠は、室外側に垂下片を有し、
外障子は、上框の室外側面から上方に張り出す延出片を有し、外障子の上框の室外側面と延出片とで、垂下片の下端を呑み込む溝(嵌合溝部)を形成しており、
その溝内に、垂下片に対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具を有することを特徴とする
上げ下げ窓。
[付記2]
枠体の竪枠は、外障子の竪框を呑み込むように(嵌合するように)構成され、
外障子の下框と内障子の上框は、見込み方向に離反しないように、見込み方向に係合自在に構成されていることを特徴とする付記1に記載の上げ下げ窓。
[付記3]
枠体と内障子と外障子とを備え
枠体の下枠は、内障子の下框と対向する立設部(下枠遮蔽材)を有し、
立設部は、内障子対向面に内障子下框に向けて開口した開口部を有し、
その開口部内に熱膨張耐火材を備える
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の上げ下げ窓。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1 サッシ枠(枠体)
2 外障子(上障子)
3 内障子(下障子)
5 バランサ
5s 係止部材
5w ワイヤ
6 シール部材(グレージングチャンネル)
7 施錠金具(クレセント)
9 熱膨張耐火材
11 上枠
11c 垂下片
12 下枠
13 右竪枠
14 左竪枠
21 上框
21b 延出片
22 下框
23 竪框
24 竪框
31 上框
32 下框
33 竪框
34 竪框
35 パネル(ガラスパネル)
37 把持部(把手)
60 離れ防止金具(外障子上框と枠体の上枠を係合)
60b 係合立設部(室外側)
60d 係合立設部(室内側)
65 下枠遮蔽材
65d 開口部
100 上げ下げ窓(防火用上げ下げ窓)
260 溝

Claims (1)

  1. 枠体と内障子と外障子とを備え、
    枠体の上枠は、室外側に垂下片を有し、
    外障子は、上框の室外側面から上方に張り出す延出片を有し、外障子の上框の室外側面と延出片とで、垂下片の下端を呑み込む溝を形成しており、
    その溝内に、垂下片に対して見込み方向で係止可能な離れ防止金具を有することを特徴とする
    上げ下げ窓。
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