JP6539060B2 - 防火性建具 - Google Patents
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Description
[1]開口部を有する開口枠体と、該開口枠体の開口部を閉塞する板材と、該板材の外周を支持する外周枠体とを有する建具を構成する開口枠体であって、該開口枠体の少なくとも一辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする開口枠体。
[2]開口枠体の少なくとも二辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする項1に記載の開口枠体。
[3]開口枠体の二つの横枠材の各々の全長の40%以上に連続する又は離間した熱膨張性耐火材が配置され、開口枠体の二つの縦枠材の各々に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする項1に記載の開口枠体。
[4]開口枠体の各辺が、前記各辺の長手方向に沿って延びる空洞を有し、複数の熱膨張性耐火材が前記空洞内に間隔を空けて配置されていることを特徴とする項1〜3のいずれか一項に記載の開口枠体。
[5]開口部を有する開口枠体と、該開口枠体の開口部を閉塞する板材と、該板材の外周を支持する外周枠体とを有する建具を構成する外周枠体であって、該外周枠体の少なくとも一辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする外周枠体。
[6]外周枠体の少なくとも二辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする項5に記載の外周枠体。
[7]外周枠体の二つの横枠材の各々の全長の40%以上に連続する又は離間した熱膨張性耐火材が配置され、外周枠体の二つの縦枠材の各々に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする項5に記載の外周枠体。
[8]外周枠体の各辺が、前記各辺の長手方向に沿って延びる空洞を有し、複数の熱膨張性耐火材が前記空洞内に間隔を空けて配置されていることを特徴とする項5〜7のいずれか一項に記載の外周枠体。
[9]項1〜4のいずれかに記載の開口枠体及び項5〜8のいずれかに記載の外周枠体のうちの少なくとも一方と、該枠体の開口部を閉塞する板材とを有する建具。
[10]窓又はドアである項9に記載の建具。
熱膨張性耐火材料は、合成樹脂製部材の空洞内に挿入するために、その空洞の形状と寸法に合った成形体でもよく、空洞の形状や寸法に関係なく挿入可能になることから、短冊状またはテープ状の成形体が好ましい。なお、耐火シート15,15Aを構成する熱膨張性耐火材料の詳細(組成等)については、後述する。
・耐火シート15の配置は図3に示したものに限られず、開口枠体10の少なくとも一辺、すなわち開口枠体10を構成する4つの枠材11〜14のうちの少なくとも一つの辺を構成する枠材に、複数の耐火シート15が間隔を空けて配置されていればよい。例えば図5の別例に示すように、開口枠体10の左右の縦枠材11,12と上側の横枠材13では、各枠材11,12,13の長手方向に沿って、各々の空洞内を延びるように一つの耐火シート15が配置され、下側の横枠材14のみ、複数の耐火シート15が間隔を空けて配置されてもよい。このような構成でも、火炎は上に向かって移動する性質があるため、防火性能は維持される。さらには図6の別例に示すように、上下の横枠材13,14に一つの連続的な耐火シート15が配置され、左右の縦枠材11,12に、複数の耐火シート15が間隔を空けて配置されてもよい。この場合、上下の横枠材13,14の上の耐火シート15の長さは、枠材の全長の40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上の長さであることが好ましい。左右の縦枠材11,12の各々の上の耐火シート15は、横枠材13,14の上の耐火シートと連続し、かつ上下方向に離間した状態で示されている。一実施形態としては、縦枠材11,12に配置される複数の熱膨張性耐火シートの長さの合計は枠材の全長の40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上の長さであるが、これに限定されない。火災時に全ての枠材の面を膨張材で塞がなくても、枠体自体にもある程度耐火性があるため、横枠材13,14や欠損部分等のような弱い部分に少なくとも耐火シートを貼り付ければ、耐火性を発揮する。また、放熱性も確保できる。
・耐火シート15の配置と、耐火シート15Aの配置は異なっていてもよい。例えば耐火シート15Aは、縦横の框材21〜24の4辺の空洞を、框材21〜24の長手方向に連続的に延びるように配置されてもよい。
・耐火シート15が配置される位置は、枠材11〜14の空洞に枠材11〜14の長手方向に延びるものに限定されない。例えば、サッシ1の枠材11〜14に樹脂製の部品(ピース部材)が設けられている箇所や、サッシ1が特にアルミサッシである場合の枠材11〜14の欠損部分(ビスで穴を開けている箇所や、切欠がある箇所)には、火が通過しやすいため、その上下15cm内の周囲に耐火シート15を優先的に配置することが望まれる。さらには、耐火シート15は枠材11〜14の外表面に配置されてもよい。加熱時に開口枠体10と障子20との間の空間を埋める位置で、枠材11〜14の外表面に貼り付ければ、建具に防火性能が付与される。
・耐火シート15Aの配置のパターンは、図4に示すものに限定されず、耐火シート15の図5,6の別例など、耐火シート15と同様なパターンで障子20の一対のうちの少なくとも一方の、少なくとも一辺、すなわち障子10を構成する4つの枠材21〜24のうちの少なくとも一つの辺を構成する枠材に、複数の耐火シート15Aが間隔を空けて配置されていればよい。例えば図7に示すように、障子20の上下の横枠材23,24に一つの熱膨張性耐火シート15Aを横枠材23,24の長さのほぼ全長に延びるように貼り付け、左右の縦枠材21,22では複数の熱膨張性耐火シート15Aを上下に離間させて貼り付けてもよい。図6に示すように、上下の横枠材23,24上の熱膨張性耐火シート15Aの長さは、横枠材23,24の各々の全長の40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上の長さであることが好ましい。左右の縦枠材21,22の各々の上の耐火シート15Aの長さの合計は枠材の全長の40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、又は80%以上の長さであるが、これに限定されない。
・耐火シート15Aが配置される位置も、框材21〜24の空洞に枠材21〜24の長手方向に延びるものに限定されない。例えば、鍵(クレセント)や取っ手の部分の取り付けのビス穴などの障子20の框材21〜24における欠損部分(例えば)には、火が通過しやすいため、その上下15cm内の周囲に耐火シート15Aを優先的に配置することが望まれる。
・耐火シート15の各々は同じ形状かつ同じ大きさでなくてもよい。
・図2に示した耐火シート15の代わりに又は耐火シート15に加えて、図8に示すように、縦枠材11,12の空洞11a,12a並びに図示しない横枠材13,14の空洞にも窓ガラス25のガラス面と垂直な壁面に耐火シート15’が挿入されていてもよい。耐火シート15’も耐火シート15と同様、平板状の熱膨張性耐火材であり、枠材11〜14からなる開口枠体10の少なくとも一辺に、複数の耐火シート15が間隔を空けて配置され得る。
・本発明は、防火性樹脂サッシだけでなく、金属、木、又は金属、木、及び樹脂のうちの少なくとも2つからなる複合材料から形成されたサッシや、障子、ドア(すなわち扉)、戸、ふすま、及び欄間等の建具にも適用される。
(第2実施形態)
図9,10は本発明を防火ドアに具現化した第2実施形態を示す。図9は防火ドアの例を示す略図であり、図10(A)は図9のB−B線における要部横断面図、図10(B)は火災が生じた場合の図10(A)の耐火シート15の防火性能を示す略断面図である。
表1に示した配合量の、ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製「E807」)又はウレタン変性ビスフェノールA型エポキシモノマー(油化シェル社製「E292」)、ジアミン系硬化剤(油化シェル社製「EKFL052」)、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREPEG」)、ポリリン酸アンモニウム(スミセーフP、住友化学社製)、ポリリン酸メラミン(MPP−A、株式会社 三和ケミカル)、及び炭酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF−300」)を混練ロールで混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火樹脂組成物をプレス成形にて150℃で15分間プレスして硬化させ、耐火性評価及び形状保持性の評価に用いる厚さ1.6mmの熱膨張性耐火シートを得た。
実施例2
耐火性試験
鉄製扉(高さ2500mm×幅850mm、扉厚さ40mm、扉芯材 紙製ハニカム構造(1.2kg/m2)、芯材の両面の鉄板の厚さ各0.6mm)に、幅15mmの実施例1にて作成した熱膨張性耐火シートを貼付した。
1.加熱裏面側において10秒以上の継続した発炎がない
2.加熱裏面側へ10秒以上の継続した火炎の噴出がない
3.亀裂あるいは損傷、隙間などが発生しない
結果は共に屋外側及び屋内側のいずれの加熱試験でも60分間後に扉は耐火合格基準を満たした。
Claims (10)
- 開口部を有する開口枠体と、該開口枠体の開口部を閉塞する板材と、該板材の外周を支持する外周枠体とを有する建具を構成する開口枠体であって、該開口枠体の少なくとも一辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されており、
開口枠体の各辺が、前記各辺の長手方向に沿って延びる空洞を有し、複数の熱膨張性耐火材が前記空洞内に間隔を空けて配置されており、
当該複数の熱膨張性耐火材が、板材を構成する平面に沿う方向に耐火面が形成されるように前記空洞内に挿入されていることを特徴とする開口枠体。 - 開口枠体の少なくとも二辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の開口枠体。
- 開口枠体の二つの横枠材の各々の全長の40%以上に連続する又は離間した熱膨張性耐火材が配置され、開口枠体の二つの縦枠材の各々に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の開口枠体。
- 開口部を有する開口枠体と、該開口枠体の開口部を閉塞する板材と、該板材の外周を支持する外周枠体とを有する建具を構成する外周枠体であって、該外周枠体の少なくとも一辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されており、
外周枠体の各辺が、前記各辺の長手方向に沿って延びる空洞を有し、複数の熱膨張性耐火材が前記空洞内に間隔を空けて配置されており、
外周枠体のうち上側の横枠材に配置された当該複数の熱膨張性耐火材が長手方向に1つの枠体に対し一列のみに、間隔を空けて配置されていることを特徴とする外周枠体。 - 外周枠体の少なくとも二辺に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の外周枠体。
- 外周枠体の二つの横枠材の各々の全長の40%以上に連続する又は離間した熱膨張性耐火材が配置され、外周枠体の二つの縦枠材の各々に、複数の熱膨張性耐火材が間隔を空けて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の外周枠体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の開口枠体及び請求項4〜6のいずれかに記載の外周枠体のうちの少なくとも一方と、該枠体の開口部を閉塞する板材とを有する建具。
- 窓又はドアである請求項7に記載の建具。
- 請求項7又は8に記載の建具であって、当該建具を正面から見た場合に開口枠体に挿入された熱膨張性耐火材と外周枠体に挿入された熱膨張性耐火材との一部が重なるように配置されている、建具。
- 請求項7〜9のいずれかに記載の建具であって、請求項1〜3のいずれかに記載の開口枠体及び請求項4〜6のいずれかに記載の外周枠体を共に有する、建具。
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