JP7071968B2 - 変性処理により得られるブロック共重合体組成物及びその製造方法、並びにそれに用いられる変性ブロック共重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

変性処理により得られるブロック共重合体組成物及びその製造方法、並びにそれに用いられる変性ブロック共重合体組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、芳香族ビニル重合体ブロックと共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体を含有するブロック共重合体組成物に関し、さらに詳しくは、弾性が良好で、しかも応力緩和性に優れたブロック共重合体組成物に関する。
熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾性を示し、また加熱すると軟化して流動性を示し成形加工が容易であることから、伸縮性材料として種々の分野で利用されている。
熱可塑性エラストマーを伸縮性材料として種々の用途に使用するに際しては、比較的高い弾性率と小さい永久伸びとを併せ持つことが要求される。そのため、熱可塑性エラストマーの特性を改良する種々の検討が行われている。
例えば、本発明者らの一部は、特許文献1に開示するように、室温付近でガラス状態の硬いポリマー鎖であるA鎖と、室温付近で溶融状態の柔らかいポリマー鎖であるB鎖とからなるブロック共重合体を含むエラストマーにおいて、B鎖に非共有結合可能な官能基を有するモノマーが重合した部分を含ませることで、分子間でモノマー成分が非共有結合し擬似架橋することにより、破断伸び、最大応力、靱性等の弾性特性が向上することを報告している。
一方で、熱可塑性エラストマーは、応力緩和性に優れることも求められる。応力が加えられ変形した際に残留応力が大きいことは、元の形に戻ろうとする力が大きいことを意味する。そのため、応力緩和性が劣ると、熱可塑性エラストマーを様々な部材に適用した際に比較的大きな残留応力がかかり続け、剥離や破壊が容易に起こってしまう。よって、残留応力ができるだけ小さくなるように、加えられた応力を低減できること、すなわち応力緩和性に優れることも必要とされる。
したがって、熱可塑性エラストマーにおいては、弾性と応力緩和性とを高いレベルで両立するという観点で、更なる改良が望まれている。
特開2016-89099号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、弾性が良好で、しかも応力緩和性に優れたブロック共重合体組成物を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、熱可塑性エラストマーの中でも、特に弾性に富み、柔軟である、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックを有するブロック共重合体を用い、このブロック共重合体に非共有結合可能な官能基を導入することにより、弾性と応力緩和性とが高いレベルで両立されることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるブロック共重合体(B)を含む、変性処理により得られるブロック共重合体組成物が提供される。
上記非共有結合可能な官能基は、上記ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基、あるいは上記ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基を塩基により加水分解してなる基とすることができる。
上記酸無水物基が、不飽和ジカルボン酸無水物に由来する基であることが好ましい。
上記塩基は、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種とすることができる。
上記非共有結合可能な官能基が、水素結合可能な官能基であることが好ましい。
上記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、上記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が10,000~500,000の範囲内であることが好ましい。
上記芳香族ビニル重合体ブロックがポリスチレンであることが好ましい。
上記共役ジエン重合体ブロックがポリブタジエン及び/又はポリイソプレンであることが好ましい。
また、本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る第1工程と、上記変性ブロック共重合体(C)を塩基処理し、非共有結合可能な官能基が導入されたブロック共重合体(B)を得る第2工程とを有する、ブロック共重合体組成物の製造方法が提供される。
上記第1工程では、上記不飽和ジカルボン酸無水物を反応させることが好ましい。
上記第2工程では、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の塩基を使用することが好ましい。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基が導入されてなる変性ブロック共重合体(C)を含む、変性ブロック共重合体組成物が提供される。
上記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、上記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が10,000~500,000の範囲内であることが好ましい。
上記芳香族ビニル重合体ブロックがポリスチレンであることが好ましい。
上記共役ジエン重合体ブロックがポリブタジエン及び/又はポリイソプレンであることが好ましい。
また、本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る工程を有する、変性ブロック共重合体組成物の製造方法が提供される。
本発明は、弾性が良好で、しかも応力緩和性に優れたブロック共重合体組成物を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の変性処理により得られるブロック共重合体組成物及びその製造方法、並びに変性ブロック共重合体組成物及びその製造方法について詳細に説明する。
A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物
本発明の変性処理により得られるブロック共重合体組成物は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるブロック共重合体(B)を含むものである。
なお、「変性処理により得られるブロック共重合体組成物」を単に「ブロック共重合体組成物」と称する場合がある。
本発明によれば、ブロック共重合体(B)が非共有結合可能な官能基を有することから、非共有結合可能な官能基によって、ポリマー鎖間で非共有結合を形成し擬似架橋を形成することができる。非共有結合は解離したり再結合したりすることが可能であるため、本発明のブロック共重合体組成物は、従来のブロック共重合体組成物とは異なる特性を実現することが可能である。本発明のブロック共重合体組成物は、高温ではブロック共重合体の芳香族ビニル重合体ブロックが溶融し流動性を示すが、室温ではブロック共重合体の芳香族ビニル重合体ブロックがガラス化し物理的架橋点となり弾性を示す。非共有結合可能な官能基による非共有結合は、ブロック共重合体の芳香族ビニル重合体ブロックによる物理的架橋点とともに非共有結合性架橋点として働くため、ブロック共重合体組成物の弾性を維持又は向上させることができる。一方、応力やひずみを加えた際は、原理的には非共有結合性架橋点が増えた分だけ応力を分散させることができ、また、非共有結合可能な官能基が組み替わることで応力が緩和され、物理的架橋点を保護することができる。すなわち、応力緩和が生じても物理的架橋点が維持されるため、弾性の低下を抑制することができる。したがって、良好な弾性と優れた応力緩和性とを両立することが可能である。また、物理的架橋点が保護されるため、永久伸びを小さくすることができ、高い弾性率と小さい永久伸びとを高いレベルで両立することが可能である。
また、本発明によれば、ブロック共重合体(B)がブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるものであるため、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックを有するブロック共重合体の高い弾性および柔軟性を維持することができる。一方、非共有結合可能な官能基を有するモノマーを共重合する場合には、共重合すること自体が難しく、所望のブロック共重合体、すなわち、高い弾性および柔軟性を示すブロック共重合体が得られない場合がある。
1.ブロック共重合体(B)
本発明に用いるブロック共重合体(B)は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるものである。ブロック共重合体(B)は、本発明のブロック共重合体組成物の重合体成分として用いられる。
なお、本明細書において、特に説明がない限り、「ブロック共重合体」とは、ピュアブロック共重合体、ランダムブロック共重合体、及びテーパーブロック構造を有する共重合体のいずれの態様も含む意味である。
(1)ブロック共重合体(A)
ブロック共重合体(A)は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するものである。
(a)芳香族ビニル重合体ブロック
ブロック共重合体(A)が有する芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体を重合して得られる芳香族ビニル単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
芳香族ビニル重合体ブロックの形成に用いる芳香族ビニル単量体としては、芳香族ビニル化合物であれば特に限定されない。例えば、スチレン;α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン等のアルキル基を置換基として有するスチレン類;4-アセトキシスチレン、4-(1-エトキシエトキシ)スチレン、4-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレン等のエーテル基やエステル基を置換基として有するスチレン類;2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン、4-ブロモスチレン、2,4-ジブロモスチレン等のハロゲン原子を置換基として有するスチレン類;2-メチル-4,6-ジクロロスチレン等のアルキル基とハロゲン原子を置換基として有するスチレン類;ビニルナフタレン;等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、入手の容易さの観点から、スチレン、炭素数1~12のアルキル基を置換基として有するスチレン類、エーテル基やエステル基を置換基として有するスチレン類が好ましく、スチレンを用いることが特に好ましい。すなわち、芳香族ビニル重合体ブロックがポリスチレンであることが好ましい。
芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル重合体ブロックに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)等の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β-不飽和ニトリル単量体;無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等の不飽和カルボン酸エステル単量体;1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等の好ましくは炭素数が5~12の非共役ジエン単量体;等が挙げられる。
また、ブロック共重合体(A)が複数の芳香族ビニル重合体ブロックを有する場合においては、複数の芳香族ビニル重合体ブロック同士は、同一であっても、相異なっていてもよい。
芳香族ビニル重合体ブロックにおける芳香族ビニル単量体単位の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、実質的に100質量%であることが特に好ましい。芳香族ビニルブロックにおける芳香族ビニル単量体単位の含有量が上記範囲であれば、高い弾性率と応力緩和性とを高いレベルで両立することができる。
ブロック共重合体(A)の全単量体単位中の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、特に限定されないが、通常、5質量%~90質量%の範囲内で選択され、好ましくは10質量%~60質量%の範囲内で選択される。ブロック共重合体(A)における芳香族ビニル単量体単位の含有量が上記範囲にあれば、得られるブロック共重合体組成物で高い弾性率と応力緩和性とを高いレベルで両立することができる。なお、ブロック共重合体中の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、H-NMRを用いて測定することができる。
(b)共役ジエン重合体ブロック
ブロック共重合体(A)が有する共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体を重合して得られる共役ジエン単量体単位を主たる繰り返し単位として構成される重合体ブロックである。
共役ジエン重合体ブロックの形成に用いる共役ジエン単量体は、共役ジエン化合物であれば特に限定されない。例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等を例示することができる。これらの共役ジエン単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、1,3-ブタジエン及び/又はイソプレンを用いることが好ましい。すなわち、共役ジエン重合体ブロックがポリブタジエン及び/又はポリイソプレンであることが好ましい。共役ジエン重合体ブロックをイソプレン単位で構成する場合には、柔軟性に優れ、応力緩和性に優れたブロック共重合体組成物とすることができる。
共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。共役ジエン重合体ブロックに含まれ得る共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;α,β-不飽和ニトリル単量体;不飽和カルボン酸無水物単量体;不飽和カルボン酸エステル単量体;非共役ジエン単量体;等が例示される。なお、各単量体の具体例については、上述の芳香族ビニル重合体ブロックに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体と同様とすることができる。
また、ブロック共重合体(A)が複数の共役ジエン重合体ブロックを有する場合においては、複数の共役ジエン重合体ブロック同士は、同一であっても、相異なっていてもよい。さらに、共役ジエン重合体ブロックの不飽和結合の一部は水素化されていてもよい。
共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエン単量体単位の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、実質的に100質量%であることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエン単量体単位の含有量が上記範囲であれば、高い弾性率と応力緩和性とを高いレベルで両立することができる。
また、共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量(共役ジエン重合体ブロック中の全共役ジエン単量体単位において、1,2-ビニル結合と3,4-ビニル結合が占める割合)は、特に限定されないが、0.1モル%~50モル%の範囲内であることが好ましく、1モル%~30モル%の範囲内であることがより好ましく、3モル%~10モル%の範囲内であることが特に好ましい。このビニル結合含有量が高すぎると、得られるブロック共重合体組成物の永久伸びが大きくなるおそれがある。なお、共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量は、H-NMRを用いて測定することができる。
(c)ブロック共重合体(A)
ブロック共重合体(A)は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するものであれば、各重合体ブロックの数やそれらの結合形態は特に限定されない。
ブロック共重合体(A)の形態の具体例としては、Arが芳香族ビニル重合体ブロックを表し、Dが共役ジエン重合体ブロックを表し、Xが単結合またはカップリング剤の残基を表し、nが2以上の整数を表すものとした場合において、Ar-Dとして表される芳香族ビニル-共役ジエンブロック共重合体、Ar-D-Arまたは(Ar-D)-Xとして表される芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニルブロック共重合体、D-Ar-Dまたは(D-Ar)-Xとして表される共役ジエン-芳香族ビニル-共役ジエンブロック共重合体、Ar-D-Ar-Dとして表される芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニル-共役ジエンブロック共重合体、及びこれらの2種以上を任意の組み合わせで混合してなるブロック共重合体の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
上記の具体例において、カップリング剤としては、2官能性のものであれば特に限定されず、例えば、ジクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等の2官能性ハロゲン化シラン;ジクロロエタン、ジブロモエタン、メチレンクロライド、ジブロモメタン等の2官能性ハロゲン化アルカン;ジクロロスズ、モノメチルジクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、モノエチルジクロロスズ、ジエチルジクロロスズ、モノブチルジクロロスズ、ジブチルジクロロスズ等の2官能性ハロゲン化スズ;等が挙げられる。これらのカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ブロック共重合体(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、30,000~500,000、好ましくは60,000~470,000であることが好ましく、90,000~450,000であることがより好ましい。
また、ブロック共重合体(A)の各重合体ブロックの重量平均分子量も特に限定されない。芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量は、好ましくは3,000~50,000の範囲内であり、より好ましくは6,000~20,000の範囲内である。また、共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量は、好ましくは10,000~500,000の範囲内であり、より好ましくは40,000~400,000範囲内である。共役ジエン重合体ブロックの重量平均分子量が上記範囲にあれば、得られるブロック共重合体組成物で高い弾性率と応力緩和性とを高いレベルで両立することができる。なお、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とする高速液体クロマトグラフィの測定による、ポリスチレン換算の値として求めるものとする。
ブロック共重合体(A)、及びブロック共重合体(A)を構成する各重合体ブロックの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表される分子量分布も、特に限定されないが、それぞれ、通常1.8以下であり、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.1以下である。ブロック共重合体(A)、及びブロック共重合体(A)を構成する各重合体ブロックの分子量分布が上述の範囲にあれば、得られるブロック共重合体組成物で高い弾性率と応力緩和性とを高いレベルで両立することができる。
ブロック共重合体(A)のメルトインデックスは、特に限定されないが、ASTM D-1238(G条件、200℃、5kg)に準拠して測定される値として、通常1~1000g/10分であり、3~700g/10分であることが好ましく、5~500g/10分であることがより好ましい。
ブロック共重合体(A)は、常法に従って製造することが可能である。なお、ブロック共重合体(A)の製造方法については、後述の「B.ブロック共重合体組成物の製造方法」の項に記載する。
また、本発明では、ブロック共重合体(A)として、市販のブロック共重合体を用いることも可能である。例えば、「クインタック(登録商標)」(日本ゼオン社製)、「JSR-SIS(登録商標)」(JSR社製)、「Vector(登録商標)」(DEXCO polymers社製)、「アサプレン(登録商標)」・「タフプレン(登録商標)」・「タフテック(登録商標)」(旭化成ケミカルズ社製)、「セプトン(登録商標)」(クラレ社製)、「Kraton(登録商標)」(Kraton JSR Elastomers社製)等を使用することができる。
(2)非共有結合可能な官能基
非共有結合としては、水素結合、配位結合、イオン結合等が挙げられる。中でも、非共有結合可能な官能基は、水素結合可能な官能基であることが好ましい。水素結合は、結合一つあたりの会合力が適度であり(つまり結合力が弱く、もしくは緩和時間が短く)、再配列が可能だからである。
非共有結合可能な官能基としては、例えば、アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルボキシル基又はその塩、ヒドロキシル基又はその塩を挙げることができる。
また、水素結合可能な官能基としては、アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルボキシル基、及びヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ブロック共重合体(B)は非共有結合可能な官能基を有していればよく、非共有結合可能な官能基は、例えばブロック共重合体に直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。
ブロック共重合体(B)は、ブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるものである。非共有結合可能な官能基の導入方法としては、ブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基を導入できる方法であればよく、例えば変性剤による変性方法、アルケンの官能基変換反応を用いる方法が挙げられる。中でも、変性剤による変性方法が好ましい。すなわち、非共有結合可能な官能基は、変性剤の残基を含むことが好ましい。
また、変性剤による変性方法を用いる場合、変性剤による変性によって非共有結合可能な官能基を導入してもよく、変性剤による変性後、さらに反応させることによって非共有結合可能な官能基を導入してもよい。
なお、「変性剤の残基」とは、変性剤がブロック共重合体(A)と反応した際に生じる反応生成物において、あるいは変性剤がブロック共重合体(A)と反応し、さらに他の化合物と反応した際に生じる反応生成物において、変性剤に由来する部分をいう。
変性剤としては、例えば酸変性剤を挙げることができる。また、酸変性剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物を挙げることができる。中でも、反応の容易さ、経済性等の面から、不飽和ジカルボン酸無水物が好ましい。なお、不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物については後述する。
酸変性剤が不飽和カルボン酸である場合、ブロック共重合体(A)には不飽和カルボン酸に由来するカルボキシル基が導入される。なお、カルボキシル基は非共有結合可能な基であるが、酸変性剤による変性後、さらに反応させることにより、カルボキシル基を別の非共有結合可能な官能基とすることができる。
また、酸変性剤が不飽和ジカルボン酸無水物である場合、ブロック共重合体(A)には不飽和ジカルボン酸無水物に由来する酸無水物基が導入される。なお、酸変性剤が不飽和ジカルボン酸無水物である場合には、酸変性剤による変性後、さらに反応させることにより、酸無水物基を非共有結合可能な官能基とすることができる。具体的には、塩基処理によって、酸無水物基を塩基と反応させる、あるいは酸無水物基を塩基により加水分解することにより、酸無水物基を非共有結合可能な官能基とすることができる。
中でも、非共有結合可能な官能基の導入方法は、酸変性剤による変性後、さらに塩基処理することによって非共有結合可能な官能基を導入する方法であることが好ましい。すなわち、ブロック共重合体(B)は、ブロック共重合体(A)を酸変性した変性ブロック共重合体(C)を、さらに塩基処理したものであることが好ましい。つまり、非共有結合可能な官能基は、ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基である、あるいはブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基を塩基により加水分解してなる基であることが好ましい。特に、非共有結合可能な官能基は、ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基と塩基とを反応させてなる基であることが好ましい。なお、このような非共有結合可能な官能基の導入方法については、後述の「B.ブロック共重合体組成物の製造方法」の項で詳述する。
また、非共有結合可能な官能基が、ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基である場合、ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基は少なくとも一部が塩基と反応すればよく、カルボキシル基または酸無水物基の一部が塩基と反応してもよく、カルボキシル基または酸無水物基の全部が塩基と反応してもよい。すなわち、ブロック共重合体(B)は、ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基と、ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基との両方を有していてもよい。
また、非共有結合可能な官能基が、ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基を塩基により加水分解してなる基である場合、ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基は少なくとも一部が加水分解されればよく、酸無水物基の一部が加水分解されてもよく、酸無水物基の全部が加水分解されてもよい。すなわち、ブロック共重合体(B)は、ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基を塩基により加水分解してなる基と、ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基との両方を有していてもよい。
カルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基としては、具体的にはアミド基、カルボキシル基の金属塩が挙げられる。また、酸無水物基を塩基により加水分解してなる基としては、具体的にはカルボキシル基が挙げられる。
このように、非共有結合可能な官能基は、酸変性剤の残基を有することが好ましく、具体的には不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物の残基を有することが好ましく、不飽和ジカルボン酸無水物の残基を有することがより好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の炭素数8以下のエチレン性不飽和カルボン酸、及び3,6-エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸のような共役ジエンと炭素数8以下のα,β-不飽和ジカルボン酸とのディールス・アルダー付加物が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の炭素数8以下のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物、及び3,6-エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸のような共役ジエンと炭素数8以下のα,β-不飽和ジカルボン酸無水物とのディールス・アルダー付加物が挙げられる。
反応の容易さ、経済性等の面では、不飽和ジカルボン酸無水物が好ましく、炭素数8以下のα,β-不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物がより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
非共有結合可能な官能基は、1種または2種以上の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物の残基から構成されていてもよい。
また、上記塩基としては、カルボキシル基または酸無水物基と反応して非共有結合可能な官能基を生成できるもの、あるいは酸無水物基を加水分解できるものであればよく、例えばアルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を挙げることができる。アルカリ金属含有化合物としては、例えばナトリウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。アルカリ土類金属含有化合物としては、例えばマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。アミン化合物は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物及び第3級アミン化合物のいずれであってもよい。また、アミン化合物は、モノアミンであってもよく、ジアミンであってもよいが、入手が容易であることから、モノアミンが好ましく用いられる。アミン化合物としては、例えば脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環式アミン等が挙げられる。中でも、脂肪族アミンが好ましく、特に、炭素数1~12のアルキルアミンが好ましく、炭素数2、4または6のアルキルアミンがより好ましい。
中でも、塩基は、アンモニア、第1級アミン化合物及び第2級アミン化合物からなる群から選択される1種であることが好ましい。これらは、カルボキシル基または酸無水物基と反応してアミド基を生成することができるからである。
ブロック共重合体(B)における非共有結合可能な官能基の導入率は、本発明の効果が得られる範囲であればよく、例えばブロック共重合体(B)中の共役ジエン単量体単位100モル%中に、0.1モル%以上75モル%以下の範囲内とすることができ、好ましくは0.5モル%以上50モル%以下の範囲内である。非共有結合可能な官能基の導入率が高すぎると、多くの非共有結合(非共有結合性架橋点)を形成し、非共有結合可能な官能基の再配列が生じる前に物理的架橋点に応力が集中し、破断を生じやすいからである。なお、非共有結合可能な官能基の導入率は、H-NMRを用いて算出することができる。また、非共有結合可能な官能基が導入されたことは、H-NMR及び/又は赤外分光分析により確認することができる。
2.他の重合体
本発明のブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体(B)のみを重合体成分として含むものであってよいが、他の重合体成分を含むものであってもよい。
本発明のブロック共重合体組成物は、例えば、ブロック共重合体(B)の他に、ブロック共重合体(A)を含んでいてもよい。すなわち、本発明のブロック共重合体組成物が、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体を2種以上含む場合、少なくとも1種のブロック共重合体が非共有結合可能な官能基を有していればよい。
また、本発明のブロック共重合体組成物に含まれ得るブロック共重合体(B)以外の重合体成分としては、上記ブロック共重合体(A)のほか、ブロック共重合体(B)以外の芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニルブロック共重合体、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル-共役ジエンランダム共重合体、及びこれらの分岐型重合体;ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリフェニレンエーテル等の熱可塑性樹脂;等が挙げられる。
ブロック共重合体組成物中のこれらの他の重合体の含有量は、50質量%未満であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
3.その他の成分
本発明のブロック共重合体組成物は、必要に応じポリエチレンワックスを含有していてもよい。ポリエチレンワックスは、エチレン単量体単位を主たる構成単位とするワックスである。本発明で用いられるポリエチレンワックスは、特に限定されるものではないが、140℃における粘度が20~6,000mPa・sであるものが好ましく用いられる。
ポリエチレンワックスは、一般的に、エチレンの重合又はポリエチレンの分解により製造されるが、本発明では、どちらのポリエチレンワックスを用いてもよい。また、ポリエチレンワックスは市販品を入手可能であり、その具体例としては、「A-C ポリエチレン」(Honeywell社製)、「三井ハイワックス」(三井化学社製)、「サンワックス」(三洋化成工業社製)、「エポレン」(Eastman Chemical社製)を挙げることができる。なお、これらのワックスは変性されたもの(官能基化されたもの)であってもよい。
本発明のブロック共重合体組成物は、必要に応じ酸化防止剤を含有することができる。その種類は特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等のヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオプロピオネート等のチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等の亜燐酸塩類;を使用することができる。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、ブロック共重合体組成物の重合体成分100質量部当り、通常10質量部以下であり、好ましくは0.01~5質量部である。
また、本発明のブロック共重合体組成物には、さらに、必要に応じて、粘着付与樹脂、軟化剤、抗菌剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、脂肪酸モノアミド及びポリエチレンワックス以外の滑剤等を添加することができる。
本発明のブロック共重合体組成物を得るにあたり、ブロック共重合体とその他の成分とを混合する方法は特に限定されない。例えば、それぞれの成分を溶剤に溶解し均一に混合した後、溶剤を加熱等により除去する方法、各成分をスクリュー押出機やニーダー等で溶融混合する方法を挙げることができる。これらの中でも、混合をより効率的に行う観点からは、溶融混合が好適である。なお、溶融混合を行う際の温度は、特に限定されるものではないが、通常100~200℃の範囲内である。
4.用途
本発明のブロック共重合体組成物の用途は特に限定されるものではなく、例えば医療分野、接着分野、電子分野、光学分野等、様々な技術分野が挙げられる。例えば、フィルム、手袋、エラスティックバンド、避妊具、OA機器、事務用等の各種ロール、電気電子機器用防振シート、防振ゴム、衝撃吸収シート、衝撃緩衝フィルム・シート、住宅用制振シート、制振ダンパー材等に用いられる成形材料用途、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、ゴミ取りローラー等に用いられる粘着剤用途、衛生用品や製本に用いられる接着剤用途、衣料、スポーツ用品等に用いられる弾性繊維用途等を挙げることができる。
B.ブロック共重合体組成物の製造方法
本発明のブロック共重合体組成物の製造方法は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る第1工程と、上記変性ブロック共重合体(C)を塩基処理し、非共有結合可能な官能基が導入されたブロック共重合体(B)を得る第2工程とを有する、製造方法である。
本発明のブロック共重合体組成物の製造方法は、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したブロック共重合体組成物の好適な製造方法である。
1.ブロック共重合体(A)
第1工程に供されるブロック共重合体(A)については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したブロック共重合体(A)と同様とすることができる。
ブロック共重合体(A)は、常法に従って製造することが可能である。ラジカルリビング重合やカチオンリビング重合、開環メタセシス重合等を用いてもよいが、最も一般的な製造法としては、アニオンリビング重合法により、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とをそれぞれ逐次的に重合して重合体ブロックを形成し、必要に応じて、カップリング剤を反応させてカップリングを行う方法を挙げることができる。
また、ブロック共重合体(A)が2種以上のブロック共重合体の混合物である場合、ブロック共重合体の混合物を得る方法は特に限定されず、従来のブロック共重合体の製法に従って製造することができる。例えば、2種以上のブロック共重合体をそれぞれ別個に製造し、必要に応じて、他の重合体成分や各種添加剤を配合した上で、それらを混練や溶液混合等の常法に従って混合することにより、製造することができる。
また、ブロック共重合体の混合物を得る方法は、例えば、芳香族ビニル-共役ジエンブロック共重合体aを得た後、一部の芳香族ビニル-共役ジエンブロック共重合体aの末端に芳香族ビニル重合体ブロックを結合し、芳香族ビニル-共役ジエン-芳香族ビニルブロック共重合体bを得る方法、すなわち2種のブロック共重合体を同時に調製する方法であってもよい。具体的には、国際公開第2009/123089号パンフレット、特開2012-77158号公報等を参照することができる。
また、得られたブロック共重合体の混合物は、常法に従い、ペレット形状等に加工してから使用に供してもよい。
また、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したように、ブロック共重合体として、市販のブロック共重合体を用いることも可能である。
2.第1工程
第1工程では、上記ブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る。すなわち、ブロック共重合体(A)の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物による酸変性を行い、変性ブロック共重合体(C)を得る。なお、酸変性は1回または複数回行ってもよい。また、酸変性を複数回実施する場合、酸変性の条件は各回で同一であっても、または相異なっていてもよい。
酸変性反応に酸変性剤として用いられる不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したものと同様である。不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物は、単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物の使用量は、ブロック共重合体(A)100質量部に対して、通常、0.01~200質量部、好ましくは0.05~100質量部である。
酸変性反応の反応温度は、通常、50~300℃の範囲内とすることができる。反応温度が低すぎると反応効率に劣り、変性ブロック共重合体(C)中の未反応の不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物の含有量が増加するおそれがある。また、反応時間は、通常、5分~20時間の範囲内とすることができる。反応時間が短すぎると反応効率に劣り、変性ブロック共重合体(C)中の未反応の不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物の含有量が増加するおそれがある。
また、酸変性反応の際に、必要に応じて、希釈剤、ゲル化防止剤および反応促進剤などを存在せしめてもよい。
変性ブロック共重合体(C)の酸価は、1.3~1050KOHmg/gであることが好ましく、なかでも6.5~700KOHmg/gであることが好ましい。酸価が低すぎたり、酸価が高すぎたりすると、得られるブロック共重合体組成物で目的とする弾性および応力緩和性が得られない場合があるからである。
なお、酸価は、例えば、変性ブロック共重合体(C)についてJIS K 0070にしたがい測定した値である。
変性ブロック共重合体(C)におけるカルボキル基および酸無水物基の導入率は、例えば変性ブロック共重合体(C)中の共役ジエン単量体単位100モル%中、0.1モル%以上75モル%以下の範囲内とすることができ、好ましくは0.5モル%以上50モル%以下の範囲内である。カルボキシル基および酸無水物基の導入率が低すぎたり、高すぎたりすると、得られるブロック共重合体組成物で目的とする弾性および応力緩和性が得られない場合があるからである。なお、カルボキシル基および酸無水物基の導入率は、H-NMRを用いて算出することができる。また、カルボキシル基および酸無水物基が導入されたことは、H-NMR及び/又は赤外分光分析により確認することができる。
酸変性反応後は、未反応の不飽和カルボン酸および不飽和ジカルボン酸無水物を除去することが好ましい。
3.第2工程
第2工程では、上記変性ブロック共重合体(C)を塩基処理し、非共有結合可能な官能基が導入されたブロック共重合体(B)を得る。なお、塩基処理は1回または複数回行ってもよい。また、塩基処理を複数回実施する場合、塩基処理の条件は各回で同一であっても、または相異なっていてもよい。
塩基処理に使用される塩基については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したものと同様である。塩基は、単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
塩基処理は、変性ブロック共重合体(C)に導入されたカルボキシル基および酸無水物基の種類、ならびに塩基の種類に応じて異なる。例えば、カルボキシル基および酸無水物基の場合であって、塩基としてアンモニア、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物を用いる場合、塩基処理では、カルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させ、非共有結合可能な官能基とすることができる。すなわち、この場合、塩基処理では、変性ブロック共重合体(C)のアミンによる変性を行うことができる。また、例えば酸無水物基の場合であって、塩基としてアルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、第3級アミン化合物を用いる場合、塩基処理では、酸無水物基を塩基により加水分解し、非共有結合可能な官能基とすることができる。
塩基の使用量は、塩基処理の種類に応じて適宜選択される。例えば、塩基処理において、カルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させる場合、例えば、アミンによる変性を行う場合、塩基の使用量は、変性ブロック共重合体(C)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基に対して、等モル以上とすることができ、具体的には1~2倍モル程度とすることができる。また例えば、塩基処理において、酸無水物基を塩基により加水分解してカルボキシル基とする場合、塩基の使用量は特に限定されないが、例えば変性ブロック共重合体(C)に導入された酸無水物基に対して、等モル以上とすることができる。
塩基処理は、無溶媒で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。塩基処理を溶媒中で行う場合、溶媒としては、例えば1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1-ジクロロエタン等の炭素数1~2の脂肪族ハロゲン化炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族環状炭化水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2-ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ピロリドン、水等が挙げられる。溶媒は、単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
塩基処理の反応温度は、変性ブロック共重合体(C)に導入されたカルボキシル基および酸無水物基の種類、ならびに塩基の種類に応じて異なるが、例えば0~200℃とすることができ、好ましくは10~150℃である。反応温度が低すぎると反応速度が遅くなり、また高すぎると変性ブロック共重合体(C)が熱分解するおそれがある。また、反応時間は、反応温度によって異なるが、例えば1分間~40時間とすることができ、好ましくは3分間~2時間である。反応時間が短すぎると反応が充分に進行せず、また長すぎると反応効率に劣るおそれがある。
塩基処理後は、残留している塩基を除去することが好ましい。除去方法は、塩基処理や塩基の種類に応じて適宜選択され、例えば洗浄、中和、ろ過、乾燥等を挙げることができる。
非共有結合可能な官能基およびその導入率については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載した通りである。
C.変性ブロック共重合体組成物
本発明の変性ブロック共重合体組成物は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基が導入されてなる変性ブロック共重合体(C)を含むものである。
本発明の変性ブロック共重合体組成物は、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したブロック共重合体組成物の前駆体として好適に用いられる。
なお、ブロック共重合体(A)については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物」の項に記載したブロック共重合体(A)と同様とすることができる。また、変性ブロック共重合体(C)については、上述の「B.ブロック共重合体組成物の製造方法」の項に記載した変性ブロック共重合体(C)と同様とすることができる。
本発明の変性ブロック共重合体組成物は、変性ブロック共重合体(C)のみを重合体成分として含むものであってよいが、他の重合体成分を含むものであってもよい。なお、他の重合体成分については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物 2.他の重合体」の項に記載した他の重合体成分と同様とすることができる。
また、本発明の変性ブロック共重合体組成物は、必要に応じ、その他の成分を含有していてもよい。なお、その他の成分については、上述の「A.変性処理により得られるブロック共重合体組成物 3.その他の成分」の項に記載したその他の成分と同様とすることができる。
D.変性ブロック共重合体組成物の製造方法
本発明の変性ブロック共重合体組成物の製造方法は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る工程を有する、製造方法である。
本発明の変性ブロック共重合体組成物の製造方法は、上述の「C.変性ブロック共重合体組成物」の項に記載した変性ブロック共重合体組成物の好適な製造方法である。
なお、変性ブロック共重合体(C)を得る工程については、上述の「B.ブロック共重合体組成物の製造方法」に記載した第1工程と同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、質量基準である。
[実施例1]
実施例1では、ベースポリマーとなるブロック共重合体として、Quintac(登録商標)3520(日本ゼオン社製、ポリスチレン-ポリイソプレンブロック共重合体組成物)を使用し、下記の反応にしたがって無水マレイン酸による変性を行い、さらにアミンによる変性処理を行った。具体的な手順を以下に示す。
Figure 0007071968000001
[1-1]第1工程(無水マレイン酸による変性)
ベースポリマーのブロック共重合体(Quintac3520)と、老化防止剤のN-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-1,4-フェニレンジアミン(以下、6PPDと称する。)と、溶媒のシクロヘキサンとを、それぞれ5.00g、17.2mg、25.0gずつ秤り取り、室温において丸底フラスコ内で14.5時間、マグネチックスターラーによって混合することで溶液を調製した。この溶液に高沸点溶媒のフタル酸ジ-n-オクチル(以下、DNOPと称する。)を23.2g加えて混合した後、得られた溶液中のシクロヘキサンを取り除くためにロータリーエバポレーターを用いて70℃で30分間ロータリーエバポレーションを行った。残った溶液に無水マレイン酸を5.04g添加し、フラスコ内を窒素置換した後に常圧でオイルバスを用いて100℃、100rpmにおいて約5分間ほど攪拌して反応溶液を調製した。無水マレイン酸が完全に溶解したら、フラスコを約160℃のオイルバスに移し、250rpmで2時間攪拌することで反応を行った。その後オイルバスからフラスコを出して反応を終了した。
上記溶液に45mLのトルエンを添加し、この溶液を750mLのアセトニトリル中に滴下して、無水マレイン酸で変性されたブロック共重合体を析出させた。得られたポリマーをデカンテーションによって分離し、真空乾燥によって十分に乾燥させた後、再びトルエン中に溶解させ、アセトニトリル中に滴下してポリマーを析出させた。得られたポリマーをデカンテーションによって分離し、真空乾燥によって十分に乾燥させた。この工程によって未反応の無水マレイン酸や溶媒のDNOPを除去した。
精製した無水マレイン酸変性ブロック共重合体を重クロロホルムに溶解して約2質量%の溶液を調製し、プロトン核磁気共鳴分光(H-NMR)法によりブロック共重合体中のポリイソプレンブロックに対する無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率を決定した。2.7~3.4ppmに無水マレイン酸由来の酸無水物基に由来するピークが見られ、ポリスチレンのフェニル基に由来する6.1~7.23ppmのピークと、ポリ(3,4-イソプレン)に由来する4.5~4.85ppmのピークと、ポリ(1,2-イソプレン)に由来する4.85~5.4ppmのピークとの積分比から、無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率は11.2mol%と見積もられた。
また、ポリマーをテトラヒドロフラン(以下、THFと称する。)に溶解して約0.5質量%の溶液を調製し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定を行った。なお、溶出液はTHF、流速は1mL/minとし、東ソー(株)製のTSK-GELカラム5000HHRを3本連結させた状態で測定を行った。共役ジエン部の切断がほとんど生じていないことが確認された。
また、ポリマーをTHFに溶解して約8質量%の溶液を調製し、アルミニウム製の板にその溶液をパスツールピペットで10滴垂らして、室温で3時間以上静置してTHFを蒸発させた。その後、真空乾燥機を用いて3時間以上乾燥させることで溶媒を完全に除去し、得られた膜に対して反射フーリエ変換赤外吸収分光(FT-IR)測定を行った。その結果、無水マレイン酸変性前のブロック共重合体では、1750~1900cm-1に吸収は見られなかったが、無水マレイン酸変性後のブロック共重合体では、1750~1900cm-1に無水マレイン酸由来のカルボニル基に由来する吸収が見られた。なお、測定装置には島津製作所製の赤外顕微鏡(AIM8800)付き赤外分光光度計IR Prestige-21(島津製作所製)を用いた。
[1-2]第2工程(塩基による変性)
得られた無水マレイン酸変性ブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率11.2mol%)の無水マレイン酸由来の酸無水物基は反応性が高い酸無水物であるため、モノアミン化合物と反応してカルボン酸基とアミド基(非共有結合可能な官能基)になると考えられる。サンプル瓶中で500mgの無水マレイン酸変性ブロック共重合体を5.00gのTHFに溶解し、さらにあらかじめ調製したn-ブチルアミンのTHF10質量%溶液を506mg加えた。このとき、酸無水物基とn-ブチルアミンはほぼ等モル量であった。サンプル瓶内を窒素置換し、50℃のホットプレート上で300rpmで約13時間撹拌した。反応後の溶液を20mL容量のテフロン(登録商標)ビーカーに移し、そのまま室温で1.5日間静置させることでTHF溶媒を蒸発させた。その後、真空乾燥器を用いて約1日間乾燥させることで溶媒を完全に除去した。得られた変性試料は膜状であり、その厚さは約0.46mmであった。
得られた変性試料を重クロロホルムに溶解して約2質量%の溶液を調製し、H-NMR法を行ったところ、3.0~3.3ppmにアミド基の窒素原子に隣接するメチレン基のプロトンに由来するピーク強度が見られたことから、非共有結合可能な官能基の導入が行われたことを確認した。また、アミンによる変性前と同様にFT-IR測定を行ったところ、アミンによる変性前には見られなかった3100~3600cm-1のアミド基のN-H伸縮振動に由来する吸収が新たに見られた。
[1-3]引張試験
得られた膜状の変性試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製した。測定装置は島津製作所製のAGS-X、50Nロードセル、50Nクリップ式つかみ具を用い、つかみ具間距離8.5mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度2.8mm/s)にて行った。ヤング率はひずみ10%以内の領域で算出し、靱性は破断までのS-Sカーブの内面積より算出した。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、0.99MPa、7.1MPa、1850%、44MJ/mであった。なお、ヤング率は応力-ひずみ曲線の初期勾配(ひずみ10%)、最大応力は応力の最大値、破断伸びは破断が生じたときの伸び、靱性は応力-ひずみ曲線の内面積より求めた。
[1-4]応力緩和試験
1-3引張試験と同様に、膜状の変性試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製した。試験片の厚さは約0.60mmであった。測定装置は引張試験と同様に島津製作所製のAGS-X、50Nロードセル、50Nクリップ式つかみ具を用い、つかみ具間距離8.7mm、初期歪み速度1.5/s(引張速度13mm/s)、歪み1000%にて20時間、応力緩和試験を行った。歪み1000%で20時間維持しても破断が生じなかったことから、応力緩和性に優れることが分かる。
[比較例1]
比較例1では、ベースポリマーのブロック共重合体(Quintac3520)に対して引張試験を行った。500mgのブロック共重合体(Quintac3520)を5.00gのTHFに溶解し、得られた溶液を20mL容量のテフロン(登録商標)ビーカーに移してそのまま室温で1.5日間静置させることでTHF溶媒を蒸発させた。その後、真空乾燥機を用いて約1日間乾燥させることで溶媒を完全に除去した。得られた膜試料の厚さは約0.52mmであった。得られた膜試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製し、つかみ具間距離9.3mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度3.1mm/s)にて引張試験を行った。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、1.7MPa、1.4MPa、1730%、16MJ/mであった。
比較例1の試料は、実施例1に比べて、最大応力が1/5程度となり、その結果、靭性も1/3程度となった。実施例1が良い力学特性を示したのは、変性処理によって生成したアミド基やカルボン酸が変性ポリイソプレンブロック間で水素結合を形成し、擬似的にトリブロック共重合体様の挙動を示したためであると考えられる。
[実施例2]
実施例2では、実施例1の無水マレイン酸変性ブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率11.2mol%)に対してアミンによる変性処理を行わずに引張試験を行った。500mgの無水マレイン酸変性ブロック共重合体と5.10gのTHFとを使用した以外は、比較例1と同様に膜試料を調製した。得られた膜試料の厚さは約0.61mmであった。得られた膜試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製し、つかみ具間距離12.5mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度4.1mm/s)にて引張試験を行った。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、0.95MPa、0.72MPa、1040%、5.7MJ/mであった。
実施例2の無水マレイン酸変性ブロック共重合体は、アミンによる変性後の試料(実施例1)に比べて力学特性は大きく劣っていた。これは、無水マレイン酸由来の酸無水物基は非共有結合を形成していないため、アミンによる変性後の試料(実施例1)のように優れた力学特性は示さなかったと考えられる。
[実施例3]
実施例3では、実施例1で得た無水マレイン酸変性ブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率11.2mol%)に対してエチルアミンを用いて変性処理を行った。無水マレイン酸変性ブロック共重合体、THF、エチルアミンのTHF10質量%溶液をそれぞれ500mg、5.00g、314mg使用した以外は、実施例1と同様に膜状の変性試料を調製した。得られた変性試料の厚さは約0.52mmであった。
得られた変性試料について、実施例1と同様にH-NMR測定を行ったところ、3.0~3.3ppmにアミド基の窒素原子に隣接するメチレン基のプロトンに由来するピークが見られたことから、非共有結合可能な官能基の導入が行われたことを確認した。また、アミンによる変性前と同様にFT-IR測定を行ったところ、アミンによる変性前には見られなかった3100~3600cm-1のアミド基のN-H伸縮振動に由来する吸収が新たに見られた。
得られた変性試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製した。つかみ具間距離10.6mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度3.5mm/s)にて引張試験を行った。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、1.4MPa、10.4MPa、1740%、59.9MJ/mであった。また、実施例1と同様に応力緩和試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例4]
実施例4では、実施例1で得た無水マレイン酸変性ブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率11.2mol%)に対してn-ヘキシルアミンを用いて変性処理を行った。無水マレイン酸変性ブロック共重合体、THF、n-ヘキシルアミンのTHF10質量%溶液をそれぞれ500mg、5.00g、702mg使用した以外は、実施例1と同様に膜状の変性試料を調製した。得られた変性試料の厚さは約0.57mmであった。
得られた変性試料について、実施例1と同様にH-NMR測定を行ったところ、3.0~3.3ppmにアミド基の窒素原子に隣接するメチレン基のプロトンに由来するピークが見られたことから、非共有結合可能な官能基の導入が行われたことを確認した。また、アミンによる変性前と同様にFT-IR測定を行ったところ、アミンによる変性前には見られなかった3100~3600cm-1のアミド基のN-H伸縮振動に由来する吸収が新たに見られた。
得られた変性試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製した。つかみ具間距離9.1mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度3.0mm/s)にて引張試験を行った。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、0.98MPa、6.1MPa、1810%、39MJ/mであった。また、実施例1と同様に応力緩和試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例5]
実施例5では、実施例1で得た無水マレイン酸変性ブロック共重合体(無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率11.2mol%)に対してn-オクチルアミンを用いて変性処理を行った。無水マレイン酸変性ブロック共重合体、THF、n-オクチルアミンをそれぞれ500mg、5.00g、93mg使用した以外は、実施例1と同様に膜状の変性試料を調製した。得られた変性試料の厚さは約0.60mmであった。
得られた変性試料について、実施例1と同様にH-NMR測定を行ったところ、3.0~3.3ppmにアミド基の窒素原子に隣接するメチレン基のプロトンに由来するピークが見られたことから、非共有結合可能な官能基の導入が行われたことを確認した。また、アミンによる変性前と同様にFT-IR測定を行ったところ、アミンによる変性前には見られなかった3100~3600cm-1のアミド基のN-H伸縮振動に由来する吸収が新たに見られた。
得られた変性試料を打抜き刃型を用いて打ち抜き、4mm幅のドッグボーン型試験片を調製した。つかみ具間距離11.1mm、初期歪み速度0.33/s(引張速度3.7mm/s)にて引張試験を行った。引張試験の結果、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、1.1MPa、7.2MPa、1700%、44MJ/mであった。また、実施例1と同様に応力緩和試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
[実施例6]
ベースポリマーとなるブロック共重合体として、KratonD1102(Kraton JSR Elastomers社製、ポリスチレン-ポリブタジエンブロック共重合体組成物)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、無水マレイン酸による変性を行い、さらにn-ブチルアミンによる変性処理を行った。無水マレイン酸由来の酸無水物基の導入率は5.9mol%と見積もられた。本実施例でも、非共有結合可能な官能基を導入できることを確認した。
実施例1とほぼ同様にして引張試験を行ったところ、ヤング率、最大応力、破断伸び、靱性はそれぞれ、5.5MPa、5.2MPa、1000%、29MJ/mであった。また、実施例1と同様に応力緩和試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。

Claims (14)

  1. 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に非共有結合可能な官能基が導入されてなるブロック共重合体(B)を含み、
    前記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、
    前記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が40,000~400,000の範囲内である、変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  2. 前記非共有結合可能な官能基が、前記ブロック共重合体(A)に導入されたカルボキシル基または酸無水物基と塩基とを反応させてなる基である、あるいは前記ブロック共重合体(A)に導入された酸無水物基を塩基により加水分解してなる基である、請求項1に記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  3. 前記酸無水物基が、不飽和ジカルボン酸無水物に由来する基である、請求項2に記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  4. 前記塩基が、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2または請求項3に記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  5. 前記非共有結合可能な官能基が、水素結合可能な官能基である、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  6. 前記芳香族ビニル重合体ブロックがポリスチレンである、請求項1から請求項までのいずれかに記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  7. 前記共役ジエン重合体ブロックがポリブタジエン及び/又はポリイソプレンである、請求項1から請求項までのいずれかに記載の変性処理により得られるブロック共重合体組成物。
  8. 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)であって、前記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、前記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が40,000~400,000の範囲内であるブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る第1工程と、
    前記変性ブロック共重合体(C)を塩基処理し、非共有結合可能な官能基が導入されたブロック共重合体(B)を得る第2工程と
    を有する、ブロック共重合体組成物の製造方法。
  9. 前記第1工程では、前記不飽和ジカルボン酸無水物を反応させる、請求項に記載のブロック共重合体組成物の製造方法。
  10. 前記第2工程では、アルカリ金属含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物、アンモニア及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の塩基を使用する、請求項または請求項に記載のブロック共重合体組成物の製造方法。
  11. 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物に由来するカルボキシル基または酸無水物基が導入されてなる変性ブロック共重合体(C)を含み、
    前記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、
    前記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が40,000~400,000の範囲内である、変性ブロック共重合体組成物。
  12. 前記芳香族ビニル重合体ブロックがポリスチレンである、請求項11に記載の変性ブロック共重合体組成物。
  13. 前記共役ジエン重合体ブロックがポリブタジエン及び/又はポリイソプレンである、請求項11または請求項12に記載の変性ブロック共重合体組成物。
  14. 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックと、少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックとを有するブロック共重合体(A)であって、前記芳香族ビニル重合体ブロックの重量平均分子量が3,000~50,000の範囲内であり、前記共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量が0.1モル%~50モル%の範囲内であり、かつ重量平均分子量が40,000~400,000の範囲内であるブロック共重合体(A)に、不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸無水物を反応させ、カルボキシル基または酸無水物基が導入された変性ブロック共重合体(C)を得る工程を有する、変性ブロック共重合体組成物の製造方法。
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