JP7071622B2 - 工作機械およびワーク計測方法 - Google Patents
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Description
文献1においては、NC旋盤は、タレット刃物台の一面に測定器を装着し、測定器のタッチセンサをワークに接触させてワークの径を検出する。
文献2においては、レーザ測定器を備えたワーク径計測装置は、主軸台、刃物台、対向主軸、タレット型刃物台の全てが載るベッドに取り付けられている。
文献3においては、ワークの径を測定する測定器は、一対の測定爪の間に測定対象物を挟持することにより挟持箇所の寸法を測定する。
当該構成によれば、変位センサは、ワークを支持するガイドブッシュ又は主軸を支持する支持部の少なくとも一方に搭載される。つまり、変位センサとワークとの距離が近く、また両者が置かれた環境も殆ど同じである。よって、誤差の少ないワークの径の計測結果(演算結果)を得ることができる。
当該構成によれば、加工後のワークの被加工部位を変位センサにより的確に計測することができる。
当該構成によれば、ガイドブッシュの非回転部に搭載された変位センサは、回転部に設けられた貫通孔を通じて、加工後のワークに対する計測を行うことができる。
当該構成によれば、支持部に搭載された変位センサは、支持部が支持する主軸が把持する加工後のワークに対する計測を行うことができる。
当該構成によれば、演算部は、変位センサによる計測値の、温度の影響による変動を、温度センサによる計測値に基づいて補正することで、加工後のワークの径をより正確に演算することができる。
例えば、主軸が把持するワークを前記主軸の前方で支持するガイドブッシュ又は前記主軸を支持する支持部の少なくとも一方に搭載された変位センサにより加工後の前記ワークに対する計測を行う計測工程と、前記計測工程による計測値に基づいて、加工後の前記ワークの径を演算する演算工程と、を備えるワーク計測方法を、一つの発明として把握することができる。また、前記方法を実現するためのプログラムや、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も、夫々に発明として成り立つ。
図1は、本実施形態にかかるNC(Numerical Control)旋盤10の一例を簡易的に示している。NC旋盤10は工作機械の一種である。NC旋盤10は、コンピューターとしてのNC(Numerical Control)装置11を有し、NC装置11が主軸52を始めとした、ワークWの加工のために動作する各部(加工部)を数値制御することにより、ワークWに対する加工を実施する。NC旋盤10が含む少なくとも一部の構成により、ワーク計測方法が実現される。
言うまでもなく、NC旋盤10の構成は上述した内容に限られない。例えば、刃物台43が移動可能な方向は上述した方向に限定されない。また、NC旋盤10は、主軸52から前方に突出するワークWの前端部を把持して回転可能な背面主軸等を有するとしてもよい。
図3は、本実施形態においてNC装置11(CPU11a)が加工プログラムPに従って実行する加工後ワーク径の計測処理をフローチャートにより示している。上述したようにNC装置11は、加工プログラムPを構成する各種コマンドに従った処理を実行することにより、NC旋盤10(加工部)によるワークWに対する加工を実現させる。加工後ワーク径の計測処理は、このような加工プログラムPに従ったワークWの加工処理の中に組み込まれる処理である。つまり、加工後ワーク径の計測処理に対応するコマンドも加工プログラムPに組み込まれている。NC装置11は、加工後ワーク径の計測処理に対応するコマンドが実行されることで、加工後ワーク径の計測処理を開始する。加工後ワーク径の計測処理を開始するタイミングは、ワークWの加工処理における所定のタイミングである。
次に、本実施形態に含まれる実施例を幾つか説明する。
[第1実施例]
図4は、第1実施例の変位センサ70を主に説明するための図であり、GB支持部30の貫通孔31に取り付けられたGB20等の断面(Y軸方向に垂直な面)を示している。図4は断面図であるが、見易さを優先して、GB20の各部位の断面に付すハッチングを省略している。
d1=D1-2×ΔLa …(1)
図6は、第2実施例の変位センサ70を主に説明するための図であり、GB支持部30の貫通孔31に挿入された主軸52等の断面(Y軸方向に垂直な面)を示している。図6は断面図であるが、見易さを優先して、主軸52の各部位の断面に付すハッチングを省略している。図6は、図1,4と比較すると判るように、GB20がGB支持部30から取り外されている。つまり、NC旋盤10では、GB20がGB支持部30から取り外された状態で、主軸台53および主軸52を前方へ移動させ、主軸52をGB支持部30の貫通孔31に挿入することで、GB支持部30に主軸52を支持させることができる。GB支持部30の貫通孔31の内壁は、主軸52が挿入されたとき主軸52を安定して支持可能な形状とされている。
主軸52は、回転しない筒状の非回転部54と、非回転部54の内側でZ軸を中心として回転可能であってワークWを把持する回転部(56,57)と、を含んでいる。非回転部54と回転部(56,57)との間には、ベアリング部55が設けられており、ベアリング部55の内側、つまり回転部(56,57)が回転する。回転部(56,57)は、主軸モータ51(図2)が生み出す動力を受けて回転する。回転部(56,57)の前端側の一部分は、ワークWを把持するためのコレット(把持機構)57である。
d1=D2-2×ΔLb …(2)
このように本実施形態によれば、工作機械は、主軸52が把持するワークWを主軸52の前方で支持するGB20又は主軸52を支持する支持部(GB支持部30)の少なくとも一方に搭載された変位センサ70と、加工後のワークWに対する変位センサ70による計測値に基づいて加工後ワーク径d1を演算する演算部(NC装置11、CPU11a)と、を備える。つまり、変位センサ70と、計測対象のワークWとが狭い範囲に存在するため、熱変位の影響による誤差が殆ど載らない正確な加工後ワーク径d1を計測(演算)することができる。
例えば、図4に示したGB20やワークWや、その他の周囲の各部位は、ワークWの加工中、NC旋盤10内で大量の切削油に晒されているため、それらの温度は切削油の温度に追従し、結果的に、狭い範囲に存在するGB20や、GB20に搭載された変位センサ70や、ワークWの被加工部位の温度は、ほぼ同じである。物体は、温度が変われば熱変位の程度も変わるが、互いの温度に差が無い複数の物体それぞれの熱変位の程度は、互いに似たものとなる。従って本発明のように、加工部における、変位センサ70によるワークWの被加工部位の計測に関わる系が全体で同様の温度となる構成においては、温度が異なる条件でそれぞれ計測を行ったとしても、計測結果は、殆ど変らない。
第1実施例のNC旋盤10において、上述した加工誤差が0(つまり、加工後ワーク径d1=d2)となるように加工部の各設定を調整した状態(理想状態)を再現した。このとき、理想状態では、GB20や、GB20に搭載された変位センサ70や、被加工部位を含むワークW、を含む系の温度は20℃であり、
距離D1=30.000mm、
目標値d2=10.000mm、
距離L1=5.000mm、
距離L2=15.000mm、であった。
この場合、前記式(1)によれば、
d1=30.000-2×(9.99994)=10.0001mm、となる。
Claims (6)
- 主軸が把持するワークを前記主軸の前方で支持するガイドブッシュ又は前記主軸を支持する支持部の少なくとも一方に内蔵された変位センサと、
加工後の前記ワークに対する前記変位センサによる計測値に基づいて加工後の前記ワークの径を演算する演算部と、を備えることを特徴とする工作機械。 - 前記主軸は軸方向の前後に移動可能であり、前記ワークの加工後の前記主軸の後退により前記ワークの被加工部位を前記軸方向における前記変位センサによる所定の計測位置へ移動させ、当該移動後の前記ワークの被加工部位に対して前記変位センサによる計測を行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
- 前記ガイドブッシュは、回転しない筒状の非回転部と、前記非回転部の内側で前記主軸の回転と同期して回転可能であって前記ワークを支持する回転部と、を含み、
前記回転部は、支持する前記ワークの一部分を露出させる貫通孔を有し、
前記非回転部に内蔵された前記変位センサは、前記貫通孔を通じて前記ワークに対する計測を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。 - 前記支持部は、前記ガイドブッシュを着脱可能であり、
前記支持部に内蔵された前記変位センサは、前記支持部から前記ガイドブッシュが取り外された状態で、前記主軸が把持する前記ワークに対する計測を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。 - 前記変位センサが内蔵される位置の近傍の温度を計測する温度センサを更に備え、
前記演算部は、前記温度センサによる計測値に基づいて、前記変位センサによる計測値を補正し、当該補正後の前記変位センサによる計測値に基づいて前記径を演算することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の工作機械。 - 主軸が把持するワークを前記主軸の前方で支持するガイドブッシュ又は前記主軸を支持する支持部の少なくとも一方に内蔵された変位センサにより加工後の前記ワークに対する計測を行う計測工程と、
前記計測工程による計測値に基づいて、加工後の前記ワークの径を演算する演算工程と、を備えることを特徴とするワーク計測方法。
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