JP7070609B6 - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ロープの張力のばらつきを検査するための装置と方法とに関する。
特許文献1に、ロープの張力を測定するための装置が記載されている。特許文献1に記載された装置は、昇降路内にカメラを備える。エレベーターのかごを吊り下げるロープの端部がカメラによって撮影される。
特開2016-60583号公報
特許文献1に記載された装置では、ロープの張力のばらつきを検査するために、エレベーターごとにカメラと画像を処理するための装置とを設置しなければならない。
なお、ロープの張力のばらつきを判定するための検査は、ロープの張力の調整が行われた後に行われることが多い。このため、上記調整と検査とを効率よく行うことができることが望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、ロープの張力のばらつきを判定するための検査を安価に且つ効率良く行うことができる検査装置及び検査方法を提供することである。
この発明に係る検査装置は、エレベーター装置において、複数のロープ組立に含まれる複数のロープの張力のばらつきを検査する際に用いられる。この検査装置は、棒状部材と、棒状部材の第1端部に設けられ、複数のロープ組立に含まれる複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第1固定部材と、を備える。棒状部材は、第1固定部材が複数の軸部材のうちの1つの上端部に固定されると、第1固定部材から上方に突出するように配置される。
この発明に係る検査方法は、エレベーター装置において、棒状部材と第1固定部材とを備えた検査装置を用いて複数のロープ組立に含まれる複数のロープの張力のばらつきを検査する方法である。この検査方法では、複数のロープ組立のそれぞれに対して、第1固定部材を軸部材の上端部に固定し、第1固定部材から上方に突出するように棒状部材を配置する第1取付工程と、第1取付工程の後、棒状部材の上端部に対して水平方向に力を加えた後に当該力を解放し、棒状部材の挙動に基づく測定値を取得する測定工程とが行われる。そして、取得された測定値に基づいて複数のロープの張力のばらつきを判定する。
この発明によれば、ロープの張力のばらつきを判定するための検査を安価に且つ効率良く行うことができる。
エレベーター装置の例を模式的に示す図である。 図1のA部を示す斜視図である。 ロープシャックルの断面を示す図である。 実施の形態1における検査装置の例を示す図である。 実施の形態1における検査方法を示すフローチャートである。 検査装置がロープシャックルに取り付けられた状態を示す図である。 実施の形態1における検査装置の他の例を示す図である。 図7のC-C断面を示す図である。 検査装置の他の機能を説明するための図である。 検査装置の他の機能を説明するための図である。
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
実施の形態1.
図1は、エレベーター装置の例を模式的に示す図である。エレベーター装置は、かご1及びつり合いおもり2を備える。かご1は、昇降路3を上下に移動する。つり合いおもり2は、昇降路3を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり2は、ロープ4によって昇降路3に吊り下げられる。
図1は、2:1ローピング方式でかご1が昇降路3に吊り下げられる例を示す。図1に示す例では、ロープ4の一方の端部5は、ロープシャックル7を介して固定体9に支持される。ロープ4のもう一方の端部6は、ロープシャックル8を介して固定体10に支持される。ロープ4、ロープシャックル7、及びロープシャックル8は、かご1を吊り下げるためのロープ組立を構成する。エレベーター装置には、複数のロープ組立が備えられる。固定体9及び10は、昇降路3の上方に形成された機械室11に設けられる。
ロープ4は、端部5から下方に延び、滑車12、滑車13、巻上機16の駆動綱車17、滑車14、及び滑車15に順次巻き掛けられる。滑車12及び13は、かご1の下部に回転可能に設けられる。巻上機16及び滑車14は、機械室11に配置される。滑車15は、つり合いおもり2の上部に回転可能に設けられる。
図2は、図1のA部を示す斜視図である。図2は、6つのロープ組立によってかご1が昇降路3に吊り下げられる例を示す。即ち、図1及び図2に示すエレベーター装置は、6本のロープ4と、6つのロープシャックル7と、6つのロープシャックル8とを備える。ロープシャックル7とロープシャックル8とは同様の構成を有する。このため、以下においては、ロープシャックル7について詳しく説明し、ロープシャックル8の説明を省略する。ロープシャックル7のそれぞれは同様の構成を有する。
また、以下においては、ロープシャックル7を個別に特定する必要がある場合、図2に示すように、符号7の後にa~fを付す。同様に、ロープ4を個別に特定する必要がある場合、ロープシャックル7に対応するように、符号4の後にa~fを付す。例えば、ロープシャックル7aには、ロープ4aが連結される。ロープシャックル7bには、ロープ4bが連結される。同様に、ロープシャックル7fには、ロープ4fが連結される。
図3は、ロープシャックル7の断面を示す図である。ロープシャックル7は、軸部材21、受け部材22、ばね23、受け部材24、ナット25、ナット26、及びワッシャ27を備える。
固定体9に、貫通孔18が形成される。軸部材21は棒状である。軸部材21は、鉛直に配置され、中間部分が貫通孔18を貫通する。軸部材21の下端部は昇降路3に配置される。軸部材21の下端部にロープ4が連結される。軸部材21の上端部は機械室11に配置される。軸部材21の上端部にねじが形成される。
受け部材22は環状である。受け部材22は、固定体9に載せられる。軸部材21は、受け部材22を貫通する。ばね23は、受け部材22に載せられ、軸部材21の周囲を囲むように配置される。受け部材24は、受け部材22と同様に環状である。受け部材24は、ばね23に載せられる。軸部材21は、受け部材24を貫通する。ばね23は、受け部材22と受け部材24との間に配置される。ナット25及び26は、軸部材21の上端部にねじ込まれる。ナット26は、ナット25の上に配置される。ワッシャ27は、受け部材24に載せられ、受け部材24とナット25との間に配置される。
軸部材21は、ロープ4に引っ張られる。このため、軸部材21には下向きの力が掛かる。受け部材24は、軸部材21に固定されたナット25及びナット26を下方から支持する。また、ばね23は、受け部材24を上方に押し付ける。これにより、ロープ4の端部5は、ロープシャックル7によって弾性的に支持される。同様に、ロープ4の端部6は、ロープシャックル8によって弾性的に支持される。ばね23は、受け部材24を上方に押し付ける弾性部材の一例である。
エレベーターの保守員は、ロープ4の張力のばらつきを検査する。従来の検査では、保守員は、かご1の上からロープ4に振動を与えることにより、例えばロープ4が5往復するのに掛かる時間をストップウォッチでロープ4ごとに測定していた。しかし、このような方法では、保守員は、当該検査のためにかご1の上にわざわざ移動しなければならない。
図4は、実施の形態1における検査装置30の例を示す図である。検査装置30は、ロープ4の張力のばらつきを検査する際に保守員によって用いられる。保守員は、検査装置30を用いることにより、かご1の上に移動することなく機械室11においてロープ4の張力のばらつきを検査することができる。検査装置30は、棒状部材31、固定部材32、及び固定部材33を備える。
棒状部材31には、例えば全長に亘ってねじが形成される。固定部材32は、棒状部材31の一方の端部に設けられる。固定部材32は、各軸部材21の上端部に固定可能である。
以下においては、ロープシャックル7の要素を個別に特定する必要がある場合、要素を示す符号の後にa~fを付す。例えば、ロープシャックル7aの軸部材には符号21aを付して、他の軸部材と区別する。ロープシャックル7aの下側のナットには符号25aを付して、他のナットと区別する。同様に、ロープシャックル7bの軸部材には符号21bを付す。ロープシャックル7bの下側のナットには符号25bを付す。
固定部材32は、軸部材21a~21fのそれぞれの上端部に固定可能である。
固定部材32は、例えば長ナット34及び固定用ナット36を備える。長ナット34及び固定用ナット36は、棒状部材31にねじ込まれる。長ナット34は、その一部が棒状部材31の一方の端面から更に軸方向に延びるように配置され、固定用ナット36によって棒状部材31に固定される。これにより、固定部材32の端面に、底が棒状部材31の端面であるねじ孔32aが形成される。このねじ孔32aには、軸部材21a~21fのそれぞれの上端部をねじ込むことが可能である。
固定部材33は、棒状部材31のもう一方の端部に設けられる。固定部材33は、固定部材32と同様の構成を有する。即ち、固定部材33は、軸部材21a~21fのそれぞれの上端部に固定可能である。
固定部材33は、例えば長ナット35及び固定用ナット37を備える。長ナット35及び固定用ナット37は、棒状部材31にねじ込まれる。長ナット35は、その一部が棒状部材31のもう一方の端面から更に軸方向に延びるように配置され、固定用ナット37によって棒状部材31に固定される。これにより、固定部材33の端面に、底が棒状部材31の端面であるねじ孔33aが形成される。このねじ孔33aには、軸部材21a~21fのそれぞれの上端部をねじ込むことが可能である。
次に、検査装置30を用いてロープ4の張力のばらつきを検査する方法について説明する。図5は、実施の形態1における検査方法を示すフローチャートである。
保守員は、先ず、検査装置30をロープシャックル7の1つに取り付ける(S101)。図6は、検査装置30がロープシャックル7aに取り付けられた状態を示す図である。例えば、保守員は、ねじ孔32aに軸部材21aの上端部をねじ込むことにより、固定部材32を軸部材21aの上端部に固定する。図6に示す状態では、棒状部材31は、固定部材32から上方に突出するように配置される。また、棒状部材31は、軸部材21aの上方において、軸部材21aに対して一直線状に配置される。固定部材33は、固定部材32の直上に配置される。
S101に示す取付工程の後、保守員は、固定部材33を掴み、棒状部材31を倒すように固定部材33を矢印Bに示す方向に引く。これにより、棒状部材31の上端部に対して水平方向に力が加えられる。次に、保守員は、固定部材33から手を離し、棒状部材31の上端部に対して加えられていた力を解放する(S102)。これにより、検査装置30の変位がロープシャックル7aを介してロープ4aに伝わり、ロープ4aに振動が発生する。また、検査装置30、特に棒状部材31には、ロープ4aの振動に応じた特定の挙動が発生する。例えば、棒状部材31には、ロープ4aの振動周期と同じ周期で短時間の振動が発生する。
保守員は、棒状部材31に発生した挙動に基づく特定の値を測定する。例えば、保守員は、棒状部材31に5回の振動が発生するのに要した時間tを、棒状部材31に発生した挙動に基づく測定値として取得する(S103)。時間tの測定は、例えばストップウォッチを用いて行われる。
S104に示すように、S101に示す取付工程とS102及びS103に示す測定工程とは、全てのロープ組立に対して行われる。例えば、保守員は、ロープ4aに対する時間tを測定すると、検査装置30をロープシャックル7aから外し、ロープシャックル7bに付け替える。そして、ロープ4bに対する時間tを測定する。
全てのロープ4a~4fに対して時間tの測定が終了すると(S104のYes)、保守員は、測定した6つの時間tに基づいてロープ4a~4fの張力のばらつきが正常であるか否かを判定する(S105)。例えば、保守員は、S104で取得した6つの時間tを、ばらつきを判定するための特定の計算式に代入し、ばらつきの度合いを示す評価値を計算する。保守員は、計算した評価値が基準範囲に入っていれば、ロープ4a~4fの張力のばらつきが正常であることを判定する。保守員は、計算した評価値が基準範囲に入っていなければ、ロープ4a~4fの張力のばらつきが正常でないことを判定する。基準範囲は予め設定される。
表1から表3は、出願人が検査装置30を用いて行った実際の検査データの例を示す。表1から表3では、従来の方法によってかご1の上で行われた検査結果と検査装置30を用いて機械室11で行われた検査結果とを対比している。即ち、表1から表3において「測定値(かご上)」は、保守員がかご1の上でロープ4に振動を与え、5回分の振動がロープ4に発生するのに要した時間をストップウォッチで測定した値を示す。また、表1から表3において「測定値(機械室)」は、ロープシャックル7に取り付けた検査装置30の棒状部材31に5回の振動が発生するのに要した時間tをストップウォッチで測定した値を示す。
なお、表1は、昇降行程が約34mのエレベーター装置において検査を行った結果を示す。表2は、昇降行程が約67mのエレベーター装置において検査を行った結果を示す。表3は、昇降行程が約117mのエレベーター装置において検査を行った結果を示す。
Figure 0007070609000001
Figure 0007070609000002
Figure 0007070609000003
表1から表3に示すように、検査装置30を用いて行われた検査の結果は、従来の方法で行われた検査の結果とほぼ等しい。
本実施の形態に示す例であれば、保守員は、ロープ4の張力のばらつきの検査を機械室11において行うことができる。保守員は、従来のように、当該検査のためにかご1の上に移動する必要はない。更に、当該検査のために、カメラ及び画像処理装置のような高価な装置を用意する必要はない。本実施の形態に示す検査装置30を用いることにより、ロープ4の張力のばらつきの検査を安価に且つ効率良く行うことができる。
本実施の形態では、棒状部材31に固定部材32及び33の双方が設けられる例について説明した。S101では、軸部材21aの上端部に固定部材33が固定されても良い。保守員は、ねじ孔33aに軸部材21aの上端部をねじ込むことにより、固定部材33を軸部材21aの上端部に固定できる。かかる場合も、棒状部材31は、軸部材21aの上方において、軸部材21aに対して一直線状に配置される。
検査装置30が固定部材32及び33の双方を備えることは必須ではない。しかし、検査装置30が固定部材32及び33の双方を備えていれば、保守員は、検査装置30を使用する際にその向きを気にする必要がない。また、例えば固定部材32を軸部材21に固定した際に、固定部材33を持ち手として利用できる。このため、検査装置30は、固定部材32及び33の双方を備えることが好ましい。
図7は、実施の形態1における検査装置30の他の例を示す図である。図7は、図6に相当する図である。図8は、図7のC-C断面を示す図である。図7は、検査装置30が調整装置40を更に備える例を示す。調整装置40は、保守員がロープ4の張力を調整する際に用いられる。調整装置40は、固定部材41と回り止め42とを備える。
固定部材41は、軸部材21a~21fのそれぞれの上端部に固定可能である。回り止め42は、固定部材41から突出する。
固定部材41は、例えば長ナット43及び固定用ナット44を備える。回り止め42は、ピン45及び抜け止め46を備える。以下に、ロープ4の張力を調整する時の調整装置40の使用方法について説明する。
図7及び図8に示すように、固定部材32が軸部材21aに固定されている場合、調整装置40は、軸部材21aに隣接する軸部材21bに取り付けられる。例えば、保守員は、軸部材21bの上端部に固定用ナット44及び長ナット43をねじ込むことにより、固定部材41を軸部材21bの上端部に固定する。
ロープ4bの張力を大きくするためには、ナット26bを緩めた後にナット25bを締め付けることによって軸部材21bを上方に移動させる必要がある。この時、何の対策も施さずに張力の調整を行うと、ロープ4bの撚り戻しによって軸部材21bが回転してしまう。
回り止め42は、固定部材41が軸部材21bの上端部に固定されることにより、軸部材21aに固定された固定部材32或いは固定部材32から上方に延びる棒状部材31に側方から接触する。これにより、ロープ4bの撚り戻しによって軸部材21bが回転することを阻止する。保守員は、回り止め42を固定部材32或いは棒状部材31に接触させた状態でナット25bを回転させてロープ4bの張力を調整する。調整装置40を用いることにより、保守員は、ロープ4bの張力調整を容易に行うことができる。
図7及び図8に示す例では、長ナット43に貫通孔43aが形成される。貫通孔43aは、長ナット43が軸部材21bの上端部に固定されると水平に配置される。ピン45は、貫通孔43aに抜き差しされることによって長ナット43に着脱可能である。例えば、ピン45は、長ナット43が軸部材21bの上端部に固定された後に貫通孔43aに通されることによって長ナット43に取り付けられる。抜け止め46は、ピン45の端部に設けられる。ピン45の長さは、貫通孔43aの径より大きい。
なお、ロープ4の張力調整は、対応の軸部材21を上下に移動させることによって行われる。例えば、ロープシャックル7bでは、ナット25bが回転することによって軸部材21bが上下に変位する。軸部材21bが変位可能な範囲(可動範囲)は予め決まっている。図9は、検査装置30の他の機能を説明するための図である。図9は、軸部材21aが可動範囲の最も低い位置に配置され、且つ軸部材21bが可動範囲の最も高い位置に配置された状態を示す。棒状部材31は、図9に示す状態でも回り止め42が側方から接触可能な特定の長さを有することが好ましい。
図10は、検査装置30の他の機能を説明するための図である。図10に示す例では、軸部材21a~21fが回り止め用のワイヤ19によって連結されている。例えば、ワイヤ19は、軸部材21a~21fの各上端部を貫通する。
ワイヤ19は、ロープ4の撚り戻しによって生じる軸部材21の回転まで阻止できるように想定されたものではない。このため、ワイヤ19が備えられている場合でも、保守員は、調整装置40を用いてロープ4の張力調整を行うことが好ましい。しかし、ワイヤ19が備えられている場合は、軸部材21のうちワイヤ19より上方の部分の長さが十分に確保されていないことがある。このため、固定用ナット44は、長ナット43を軸部材21の上端部に固定できる程度に薄く形成されることが好ましい。例えば、固定用ナット44は、固定用ナット36より薄く形成される。
1 かご、 2 つり合いおもり、 3 昇降路、 4 ロープ、 5~6 端部、 7~8 ロープシャックル、 9~10 固定体、 11 機械室、 12~15 滑車、 16 巻上機、 17 駆動綱車、 18 貫通孔、 19 ワイヤ、 21 軸部材、 22 受け部材、 23 ばね、 24 受け部材、 25~26 ナット、 27 ワッシャ、 30 検査装置、 31 棒状部材、 32~33 固定部材、 32a~33a ねじ孔、 34~35 長ナット、 36~37 固定用ナット、 40 調整装置、 41 固定部材、 42 回り止め、 43 長ナット、 43a 貫通孔、 44 固定用ナット、 45 ピン、 46 抜け止め

Claims (9)

  1. 昇降路を移動するかごと、
    前記かごを吊り下げるための複数のロープ組立と、
    を備え、
    前記複数のロープ組立のそれぞれは、
    ロープと、
    前記ロープが連結されたロープシャックルと、
    を備え、
    前記ロープシャックルは、
    下端部に前記ロープが連結され、上端部にねじが形成された棒状の軸部材と、
    前記軸部材の上端部にねじ込まれたナットと、
    前記ナットを下方から支持する受け部材と、
    前記受け部材を上方に押し付ける弾性部材と、
    を備えたエレベーター装置において、前記複数のロープ組立に含まれる複数のロープの張力のばらつきを検査する際に用いられる検査装置であって、
    棒状部材と、
    前記棒状部材の第1端部に設けられ、前記複数のロープ組立に含まれる複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第1固定部材と、
    を備え、
    前記棒状部材は、前記第1固定部材が前記複数の軸部材のうちの1つの上端部に固定されると、前記第1固定部材から上方に突出するように配置される検査装置。
  2. 前記第1固定部材に、前記複数の軸部材のそれぞれの上端部をねじ込むことが可能な第1ねじ孔が形成され、
    前記棒状部材は、前記複数の軸部材のうちの1つの上端部が前記第1ねじ孔にねじ込まれると、当該軸部材に対して一直線状に配置される請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記棒状部材の第2端部に設けられ、前記複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第2固定部材を更に備えた請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記第2固定部材に、前記複数の軸部材のそれぞれの上端部をねじ込むことが可能な第2ねじ孔が形成され、
    前記棒状部材は、前記複数の軸部材のうちの1つの上端部が前記第2ねじ孔にねじ込まれると、当該軸部材に対して一直線状に配置される請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第3固定部材と、
    前記第3固定部材から突出する回り止めと、
    を更に備え、
    前記回り止めは、前記複数の軸部材のうち前記第1固定部材が固定されている軸部材に隣接する軸部材に前記第3固定部材が固定されると、前記第1固定部材又は前記棒状部材に側方から接触することによって前記第3固定部材が固定された前記軸部材が回転することを阻止する請求項1から請求項4の何れか一項に記載の検査装置。
  6. 前記第3固定部材に貫通孔が形成され、
    前記貫通孔は、前記第3固定部材が前記複数の軸部材のうちの1つの上端部に固定されると水平に配置され、
    前記回り止めは、前記貫通孔に抜き差しされることによって前記第3固定部材に着脱可能である請求項5に記載の検査装置。
  7. 前記複数の軸部材のそれぞれは、上端部にねじ込まれているナットが回転することによって上下に変位し、
    前記棒状部材は、前記第1固定部材が固定されている前記軸部材が可動範囲の最も低い位置に配置され且つ前記第3固定部材が固定されている前記軸部材が可動範囲の最も高い位置に配置されている状態でも前記回り止めが側方から接触可能な特定の長さを有する請求項5又は請求項6に記載の検査装置。
  8. 昇降路を移動するかごと、
    前記かごを吊り下げるための複数のロープ組立と、
    を備え、
    前記複数のロープ組立のそれぞれは、
    ロープと、
    前記ロープが連結されたロープシャックルと、
    を備え、
    前記ロープシャックルは、
    下端部に前記ロープが連結され、上端部にねじが形成された棒状の軸部材と、
    前記軸部材の上端部にねじ込まれたナットと、
    前記ナットを下方から支持する受け部材と、
    前記受け部材を上方に押し付ける弾性部材と、
    を備えたエレベーター装置において、
    棒状部材と、
    前記棒状部材の第1端部に設けられ、前記複数のロープ組立に含まれる複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第1固定部材と、
    を備えた検査装置を用いて前記複数のロープ組立に含まれる複数のロープの張力のばらつきを検査する方法であって、
    前記複数のロープ組立のそれぞれに対して、
    前記第1固定部材を軸部材の上端部に固定し、前記第1固定部材から上方に突出するように前記棒状部材を配置する第1取付工程と、
    前記第1取付工程の後、前記棒状部材の上端部に対して水平方向に力を加えた後に当該力を解放し、前記棒状部材の挙動に基づく測定値を取得する測定工程と、
    を行い、取得された測定値に基づいて前記複数のロープの張力のばらつきを判定する検査方法。
  9. 前記検査装置は、
    前記複数の軸部材のそれぞれの上端部に固定可能な第3固定部材と、
    前記第3固定部材から突出する回り止めと、
    を更に備え、
    前記複数の軸部材のうち前記第1固定部材が固定されている軸部材に隣接する軸部材の上端部に前記第3固定部材を固定することにより、前記回り止めを前記第1固定部材又は前記棒状部材に側方から接触させる第2取付工程と、
    前記第3固定部材が固定された前記軸部材にねじ込まれたナットを回転させる張力調整工程と、
    を更に備えた請求項8に記載の検査方法。
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