JP7154438B2 - エレベータの張力測定装置 - Google Patents
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Description
この発明は、かごを吊る懸架体の張力を測定するエレベータの張力測定装置に関するものである。
従来のエレベータの制御装置では、異なる2地点以上にかごが停止したときのかご重量の差から、かごの移動に伴うかご重量の変化量が求められる。そして、この変化量を用いて、かご重量の測定値が補正される(例えば、特許文献1参照)。
上記のような従来のエレベータの制御装置では、かご位置に応じて直線的に変化するケーブル類の重量を求めて、かご重量の測定値が補正されている。このため、ケーブル類の重量以外の原因による張力測定誤差を補正することはできなかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、懸架体の張力をより正確に測定することができるエレベータの張力測定装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの張力測定装置は、かごを吊る懸架体に接続されているシャックルロッド、懸架体の張力に応じて伸縮するシャックルばね、シャックルばねの伸縮を検出する変位計、及び変位計からの信号に基づいて、懸架体の張力を測定する測定装置本体を備え、測定装置本体は、かご位置情報に基づいて、フリート角による張力測定誤差を取り除くフリート角補正処理を実行する補正部を有しており、補正部は、フリート角による張力測定誤差を表すフリート角補正式を用いてフリート角補正処理を実行し、フリート角補正式は、予め取得された複数の学習データに基づいて求められており、各学習データは、かご位置と、懸架体の張力の測定値との組み合わせであり、複数の学習データは、第1の学習データ、第2の学習データ、第3の学習データ、及び第4の学習データを含み、第2の学習データにおけるかご位置は、第1の学習データにおけるかご位置よりも上であり、第3の学習データにおけるかご位置は、第2の学習データにおけるかご位置よりも上であり、第4の学習データにおけるかご位置は、第3の学習データにおけるかご位置よりも上であり、第1の学習データと第2の学習データとを通る直線を表す式が、かごの位置によって変化する重量による張力変動成分を表す重量補正式として求められており、フリート角補正式は、第3の学習データ及び第4の学習データから、重量補正式に基づく張力変動成分をそれぞれ減算した2つの値に基づいて、曲線を表す式として求められている。
この発明のエレベータの張力測定装置によれば、懸架体の張力をより正確に測定することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による機械室レスエレベータを示す概略の構成図であり、保守点検時の状態を示している。図において、昇降路1内には、巻上機2が設置されている。巻上機2は、巻上機本体3と、駆動シーブ4とを有している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による機械室レスエレベータを示す概略の構成図であり、保守点検時の状態を示している。図において、昇降路1内には、巻上機2が設置されている。巻上機2は、巻上機本体3と、駆動シーブ4とを有している。
巻上機本体3は、図示しない巻上機モータと、図示しない巻上機ブレーキとを有している。巻上機モータは、駆動シーブ4を回転させる。巻上機ブレーキは、駆動シーブ4の静止状態を保持する。また、巻上機ブレーキは、駆動シーブ4の回転を制動する。
駆動シーブ4には、複数の懸架体5が巻き掛けられている。図1では、1本の懸架体5のみが示されている。各懸架体5としては、例えばロープ又はベルトが用いられている。
かご6は、駆動シーブ4の一側において懸架体5により吊り下げられている。釣合おもり7は、駆動シーブ4の他側において懸架体5により吊り下げられている。
各懸架体5は、かご6側の端部である第1の端部5aと、釣合おもり7側の端部である第2の端部5bとを有している。
かご6の下部には、第1のかご吊り車8a及び第2のかご吊り車8bが設けられている。釣合おもり7の上部には、釣合おもり吊り車9が設けられている。昇降路1内の上部には、第1の返し車10及び第2の返し車11が設けられている。
各懸架体5は、第1の端部5a側から順に、第1のかご吊り車8a、第2のかご吊り車8b、第1の返し車10、駆動シーブ4、第2の返し車11、及び釣合おもり吊り車9に巻き掛けられ、第2の端部5bに至っている。即ち、実施の形態1のエレベータのローピング方式は、2:1ローピング方式である。
昇降路1内には、張力測定装置12が設けられている。張力測定装置12は、第1のかご吊り車8aの上方に配置されている。また、張力測定装置12は、複数の懸架体5の個々の張力を測定する。
張力測定装置12は、第1の綱止め機構13、測定装置本体14、及び表示装置15を有している。第1の綱止め機構13には、全ての懸架体5の第1の端部5aが接続されている。図1は、作業員がかご6上で第1の綱止め機構13を調整している様子を示している。
昇降路1内には、第2の綱止め機構16が設けられている。第2の綱止め機構16は、釣合おもり吊り車9の上方に配置されている。第2の綱止め機構16には、全ての懸架体5の第2の端部5bが接続されている。第2の綱止め機構16の構成は、第1の綱止め機構13の構成と同様である。
図2は、図1の張力測定装置12の要部を示す正面図である。第1の綱止め機構13は、ベース21、複数のシャックルロッド22、複数のシャックルばね23、複数のばね座24、複数のばね受け25、及び複数のナット26を有している。なお、図2では、簡単のため、1本の懸架体5に対応する構成のみを示している。
ベース21は、図示しない支持梁に支持され固定されている。各シャックルロッド22は、対応する懸架体5の第1の端部5aに接続されている。また、各シャックルロッド22は、ベース21を貫通している。
複数のシャックルばね23は、ベース21上に支持されている。また、各シャックルばね23は、対応する懸架体5の張力に応じて伸縮する。また、各シャックルばね23には、対応するシャックルロッド22が貫通している。
各ばね座24は、対応するシャックルばね23とベース21との間に介在している。また、各ばね座24には、対応するシャックルロッド22が貫通している。
各ばね受け25は、対応するシャックルばね23上に支持されている。また、各ばね受け25には、対応するシャックルロッド22が貫通している。
各ナット26は、対応するばね受け25上で、対応するシャックルロッド22にねじ込まれている。各シャックルロッド22には、2個のナット26がねじ込まれている。各シャックルロッド22にねじ込まれている2個のナット26は、ダブルナットとして機能している。これらのナット26の締め込み量を調整することで、各懸架体5の張力を調整することができる。
測定装置本体14は、図示しない枠体、変位計としての複数の差動トランス32、測定制御部33、及び伝達部材としての複数のワイヤ37を有している。
枠体は、ベース21上に固定されている。全ての差動トランス32は、枠体に取り付けられている。また、各差動トランス32は、対応するシャックルばね23の真上に配置されている。
また、各差動トランス32は、コイル部32a、コア軸32b、トランスばね32c、及びばね受け32dを有している。コア軸32bは、コイル部32aを貫通している。ばね受け32dは、コイル部32aの外部においてコア軸32bに固定されている。トランスばね32cは、コイル部32aとばね受け32dとの間に設けられている。
各コア軸32bは、対応するシャックルばね23の伸縮に応じて、コイル部32aに対して上下方向へ変位する。各差動トランス32は、コイル部32aに対するコア軸32bの位置に応じた信号を出力することで、対応するシャックルばね23の伸縮を検出する。
測定制御部33は、枠体に取り付けられている。測定制御部33は、全ての差動トランス32からの信号に基づいて、全ての懸架体5のそれぞれの張力を個別に測定する。測定制御部33の機能は、例えばマイクロコンピュータにより実現することができる。
また、測定制御部33は、全ての懸架体5の張力に基づいて、かご内重量を測定する。即ち、張力測定装置12は、秤装置も兼ねている。
複数のワイヤ37は、複数のシャックルロッド22と複数の差動トランス32との間にそれぞれ接続されている。各ワイヤ37は、可撓性を有している。また、各ワイヤ37は、対応するシャックルロッド22の変位、即ちシャックルばね23の伸縮を、対応する差動トランス32に伝達する。
例えば、複数のシャックルロッド22のいずれかが下方へ変位すると、対応するワイヤ37を介して、対応するコア軸32bが下方へ引き下げられる。また、複数のシャックルロッド22のいずれかが上方へ変位すると、対応するワイヤ37が緩められ、対応するトランスばね32cにより、対応するコア軸32bが上方へ引き上げられる。
ここで、真上から見て、少なくとも一部のシャックルロッド22の位置は、第1のかご吊り車8aの対応する溝の位置からずれている。この場合、シャックルロッド22及び第1の端部5aに傾きが生じており、この傾きの角度、即ちフリート角は、かご6が最上階へ移動するにつれて大きくなる。
図3は、図2のシャックルロッド22に傾きが生じている場合と生じていない場合とを比較して示す説明図である。シャックルロッド22に傾きが生じていると、コア軸32bが余分に送り出され、張力の測定結果に誤差、即ち張力測定誤差が生じてしまう。
図4は、図2の差動トランス32によって検出される張力に含まれるフリート角による張力測定誤差を示すグラフである。横軸の「ロープ長」は、シャックルロッド22からかご6までの懸架体5の長さ、即ちシャックルロッド22から第1のかご吊り車8aまでの懸架体5の長さを示している。図4に示すように、フリート角による張力測定誤差は、かご6が最上階に移動すると、急激に大きくなる。
図5は、図2の差動トランス32によって検出される張力に含まれる変動成分の一例を示すグラフである。変動成分には、フリート角による張力測定誤差に加えて、昇降路1内におけるかご6の位置、即ちかご位置によって変化する重量による張力変動成分が含まれている。かご位置によって変化する重量には、懸架体5の重量、及び図示しない制御ケーブルの重量が含まれている。
図5において、点線aは、かご位置によって変化する重量の合計による張力変動成分を示している。一点鎖線bは、フリート角による張力測定誤差を示している。
かご位置によって変化する重量による張力変動成分は、最下階から最上階まで直線的に変化する。また、フリート角による張力測定誤差は、最下階から途中階までほぼゼロに近いが、最上階に近付くと、急激に増大する。
図6は、図2の測定制御部33の機能を示すブロック図である。測定制御部33は、機能ブロックとして、張力測定部41、記憶部42、補正部43、表示部44、及び重量測定部45を有している。
張力測定部41は、全ての差動トランス32からの信号に基づいて、全ての懸架体5のそれぞれの張力を個別に測定する。記憶部42は、張力測定部41による測定結果を記憶する。また、記憶部42は、かご位置情報をエレベータ制御装置17から受け記憶する。
エレベータ制御装置17は、巻上機2を制御することにより、かご6の運行を制御する。また、エレベータ制御装置17は、かご位置検出部18を有している。かご位置検出部18は、かご位置を検出する。
補正部43は、かご位置情報に基づいて、張力測定部41による測定結果を補正する。また、補正部43は、補正後の張力データを表示部44及び重量測定部45に送る。
表示部44は、測定制御部33による測定結果を、表示装置15に表示させる。表示装置15としては、例えば液晶ディスプレイが用いられる。
表示装置15には、全ての懸架体5のそれぞれの実張力が個別に表示される。実張力は、張力測定部41で測定された張力から、フリート角による張力測定誤差を取り除いた値である。即ち、実張力には、かご位置によって変化する重量による張力変動成分、及びかご6の自重による張力が含まれている。
作業員は、表示装置15の表示を確認しながら、各懸架体5の張力を調整することができる。このため、表示装置15は、ナット26を操作可能な位置から視認可能な位置に配置されている。
重量測定部45は、補正後の張力データの合計値に基づいて、かご内重量を測定する。重量測定部45に送られる張力データは、実張力から、かご位置によって変化する重量による張力変動成分と、かご6の自重による張力とが取り除かれた値である。
重量測定部45は、かご内重量のデータをエレベータ制御装置17に送る。なお、重量測定部45は、エレベータ制御装置17に設けてもよい。
補正部43は、重量補正部46とフリート角補正部47とを有している。重量補正部46は、かご位置情報に基づいて、かご位置により変化する重量による張力変動成分を取り除く重量補正処理を実行する。フリート角補正部47は、かご位置情報に基づいて、フリート角による張力測定誤差を取り除くフリート角補正処理を実行する。
以下、張力測定値の補正方法について説明する。以下の説明において、上記のロープ長をLとする。また、α、β及びγは、複数の学習データを取得することによって求められるパラメータである。
また、図7に示すように、かご6が最上階に停止したときのロープ長をhとする。即ち、かご6が最上階に停止しているときには、L=hである。また、かご位置をyとする。かご位置yは、かご6の最上階停止位置から、かご6の現在位置までの距離である。即ち、かご位置yは、かご6が最上階に停止したときの第1のかご吊り車8aの位置から、現在の第1のかご吊り車8aまでの距離である。従って、L=h+yが成り立つ。
また、かご位置yは、昇降路1内の基準位置に対するかご位置から求めることができる。基準位置は、例えば最下階であってもよい。
フリート角による張力測定誤差は、次のフリート角補正式で表すことができる。フリート角補正部47は、フリート角補正式を用いてフリート角補正処理を実行する。
α(1/L2)=α(1/(h+y)2)
また、かご位置により変化する重量による張力変動成分は、次の重量補正式で表すことができる。重量補正部46は、重量補正式を用いて重量補正処理を実行する。但し、重量補正式には、かご位置によって変化しない値γを含んでいる。γは、かご6の自重を含む値である。
βL+γ=β(h+y)+γ
これにより、張力の補正モデルは、次式で表すことができる。
z=α(1/(h+y)2)+β(h+y)+γ ・・・(1)
(1)式は、以下の2式に置き換えることができる。
z=α(1/(h+y)2)+βy+C ・・・(2)
C=βh+γ=const. ・・・(3)
図8は、張力測定値と、フリート角による張力測定誤差と、かご位置によって変化する重量による張力変動成分との関係の一例を示すグラフである。張力測定部41で測定された張力の測定値には、フリート角による張力測定誤差と、かご位置によって変化する重量による張力変動成分とが含まれている。
フリート角の影響が小さい最下階付近の領域では、(2)式は次のように近似することができる。
z=βy+C ・・・(4)
実施の形態1では、パラメータβ,Cを求めるために、フリート角の影響が小さい領域で、第1の学習データd1と第2の学習データd2とが予め取得される。各学習データは、張力の測定値zと、かご位置yとの組み合わせである。
第1の学習データd1を(z1,y1)とし、第2の学習データd2を(z2,y2)とする。y1は、例えば最下階の位置である。y2は、例えば、図示しない最下階終点スイッチの位置である。第1の学習データd1及び第2の学習データd2をそれぞれ(4)式に代入すると、以下の3つの式が得られる。
C=z1-βy1
C=z2-βy2
β=(z1-z2)/(y1-y2)
これらの式によって、パラメータβ,Cを求めることができる。
また、実施の形態1では、フリート角の影響が大きい領域で、第3の学習データd3と第4の学習データd4とが予め取得される。
第3の学習データd3を(z3,y3)とし、第4の学習データd4を(z4,y4)とする。y3は、例えば、図示しない最上階終点スイッチの位置である。y4は、例えば最上階の位置である。
また、第2の学習データd2におけるかご位置y2は、第1の学習データd1におけるかご位置y1よりも上である。また、第3の学習データd3におけるかご位置y3は、第2の学習データd2におけるかご位置y2よりも上である。また、第4の学習データd4におけるかご位置y4は、第3の学習データd3におけるかご位置y3よりも上である。
βとCとは、既に求められているため、(2)式は以下のように変形することができる。
z3=α(1/(h+y3)2)+βy3+C
A3=α(1/(h+y3)2)
A3=z3-βy3-C=const.
z4=α(1/(h+y4)2)+βy4+C
A4=α(1/(h+y4)2)
A4=z4-βy4-C=const.
これらの式から、以下の3式を導くことができる。
α=A3(h+y3)2
α=A4(h+y4)2
以上のように、フリート角補正式及び重量補正式は、予め取得された複数の学習データに基づいて求められている。また、複数の学習データは、第1の学習データd1、第2の学習データd2、第3の学習データd3、及び第4の学習データd4を含んでいる。これら4点の学習データd1~d4を取得することにより、フリート角補正式及び重量補正式に含まれる4つの未知のパラメータh、α、β及びγを求めることができる。
そして、第1の学習データd1と第2の学習データd2とを通る直線を表す式が、重量補正式として求められている。フリート角補正式は、第3の学習データd3及び第4の学習データd4から、重量補正式に基づく張力変動成分をそれぞれ減算した2つの値c1,c2に基づいて、曲線を表す式として求められている。具体的には、フリート角補正式は、2つの値c1,c2を累乗近似することによって求められている。
次に、図9は、図1の機械室レスエレベータにおける学習データ取得動作を示すフローチャートである。学習データ取得動作は、例えばエレベータ据付直後に実施される。また、学習データ取得動作は、保守点検後に実施してもよい。また、学習データ取得動作を行う際には、かご内重量がゼロにされている。
学習データ取得動作が開始されると、エレベータ制御装置17は、かご6を最下階に移動させる。続いて、測定装置本体14は、ステップS101において、かご6が最下階に停止した状態における懸架体5の張力を測定する。そして、測定装置本体14は、かご位置及び張力を、第1の学習データd1として記録する。
この後、エレベータ制御装置17は、ステップS102において、かご6の上方向への走行を開始させる。そして、エレベータ制御装置17は、ステップS103において、最下階終点スイッチを検出したかどうかを判定する。
最下階終点スイッチが検出されると、測定装置本体14は、ステップS104において、懸架体5の張力を測定し、かご位置及び張力を、第2の学習データd2として記録する。
この後、エレベータ制御装置17は、ステップS105において、最上階終点スイッチを検出したかどうかを判定する。
最上階終点スイッチが検出されると、測定装置本体14は、ステップS106において、懸架体5の張力を測定し、かご位置及び張力を、第3の学習データd3として記録する。
この後、エレベータ制御装置17は、かご6を最上階に停止させる。続いて、測定装置本体14は、ステップS107において、かご6が最上階に停止した状態における懸架体5の張力を測定する。そして、測定装置本体14は、かご位置及び張力を、第4の学習データd4として記録する。
最後に、測定装置本体14は、ステップS108において、4つの未知のパラメータを計算し、フリート角補正式及び重量補正式を求め、学習データ取得動作を終了する。
このような張力測定装置12では、補正部43が、かご位置情報に基づいて、フリート角による張力測定誤差を取り除くフリート角補正処理を実行する。このため、各懸架体5の張力をより正確に測定することができる。これにより、秤装置として、かご内重量をより正確に測定することができる。
また、補正部43は、フリート角による張力測定誤差を表すフリート角補正式を用いてフリート角補正処理を実行する。このため、各懸架体5の張力をさらに正確に測定することができる。
また、第1の学習データd1と第2の学習データd2とを通る直線を表す式が、重量補正式として求められている。また、フリート角補正式は、第3の学習データd3及び第4の学習データd4から、重量補正式に基づく張力変動成分をそれぞれ減算した2つの値c1,c2に基づいて、曲線を表す式として求められている。このため、より正確なフリート角補正式を求めることができる。
また、フリート角補正式は、2つの値c1,c2を累乗近似することによって求められている。このため、より正確なフリート角補正式を求めることができる。
また、フリート角補正式はα(1/(h+y)2)であり、重量補正式はβ(h+y)+γであり、未知のパラメータh、α、β、及びγが第1~第4の学習データd1~d4から求められている。このため、より正確なフリート角補正式を容易に求めることができる。
また、かご6が最上階に停止したときのロープ長hが、未知のパラメータとして予め計算により求められている。このため、種々のエレベータについて、同じ方法でパラメータhを容易に求めることができる。
また、第1の学習データd1におけるかご位置は、最下階の位置である。このため、かご6が最下階に停止した状態で、第1の学習データd1を容易に取得することができる。
また、第4の学習データd4におけるかご位置は、最上階の位置である。このため、かご6が最上階に停止した状態で、第4の学習データd4を容易に取得することができる。
また、測定装置本体14は、重量測定部45を有している。このため、張力測定装置12によって、かご内重量を容易に測定することができる。
また、重量補正部46は、張力変動成分を取り除く重量補正処理を実行する。このため、かご内重量を容易に測定することができる。
ここで、実施の形態の測定制御部33の各機能は、処理回路によって実現される。図10は、実施の形態1の測定制御部33の各機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。また、測定制御部33の各機能それぞれを個別の処理回路100によって実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路100によって実現してもよい。
また、図11は、実施の形態1の測定制御部33の各機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、測定制御部33の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアによって実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
なお、第1の学習データにおけるかご位置は、最下階の位置に限定されない。
また、第4の学習データにおけるかご位置は、最上階の位置に限定されない。
また、第2の学習データにおけるかご位置は、最下階終点スイッチの位置に限定されず、例えば最下階の1階上の階の位置であってもよい。
また、第3の学習データにおけるかご位置は、最上階終点スイッチの位置に限定されず、例えば最上階の1階下の階の位置であってもよい。
第1の学習データにおけるかご位置及び第2の学習データにおけるかご位置は、昇降路の上下方向の中間位置よりも下であることが好ましい。また、第3の学習データにおけるかご位置及び第4の学習データにおけるかご位置は、昇降路の上下方向の中間位置よりも上であることが好ましい。これは、中間位置よりも下では、フリート角による影響が小さく、中間位置よりも上ではフリート角による影響が大きい場合が多いためである。
また、第1~第4の学習データは、それぞれかごを停止させて測定してもかごを走行させながら測定してもよい。
また、学習データ取得動作におけるかごの走行方向は、上方向に限定されず、下方向であってもよい。
また、第1~第4の学習データの取得順序は、特に限定されない。
また、第2の学習データにおけるかご位置及び第3の学習データにおけるかご位置は、最下階及び最上階のいずれか一方から他方までかごが走行する場合の一定速走行区間内、即ち加減速区間外にそれぞれ位置していることが好ましい。これにより、第2の学習データにおける張力と第3の学習データにおける張力とをより正確に測定することができる。
また、伝達部材は、可撓性を有している紐状又はベルト状の部材であれば、ワイヤ以外の部材であってもよい。
また、変位計は、差動トランスに限定されるものではなく、レーザ変位計、磁気式変位計、渦電流式変位計等であってもよい。
また、表示装置は、測定装置本体から離れた位置に配置してもよい。
また、実施の形態1では、張力測定装置を秤装置としても利用したが、秤装置の機能は省略してもよい。
また、ローピング方式は、2:1ローピングに限定されるものではなく、例えば1:1ローピングであってもよい。
また、エレベータは、機械室を有するエレベータ、ダブルデッキエレベータ、ワンシャフトマルチカー方式のエレベータ等であってもよい。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
5 懸架体、6 かご、12 張力測定装置、14 測定装置本体、22 シャックルロッド、23 シャックルばね、32 差動トランス(変位計)、43 補正部、45 重量測定部。
Claims (8)
- かごを吊る懸架体に接続されているシャックルロッド、
前記懸架体の張力に応じて伸縮するシャックルばね、
前記シャックルばねの伸縮を検出する変位計、及び
前記変位計からの信号に基づいて、前記懸架体の張力を測定する測定装置本体
を備え、
前記測定装置本体は、かご位置情報に基づいて、フリート角による張力測定誤差を取り除くフリート角補正処理を実行する補正部を有しており、
前記補正部は、フリート角による張力測定誤差を表すフリート角補正式を用いて前記フリート角補正処理を実行し、
前記フリート角補正式は、予め取得された複数の学習データに基づいて求められており、
各前記学習データは、かご位置と、前記懸架体の張力の測定値との組み合わせであり、
前記複数の学習データは、第1の学習データ、第2の学習データ、第3の学習データ、及び第4の学習データを含み、
前記第2の学習データにおけるかご位置は、前記第1の学習データにおけるかご位置よりも上であり、第3の学習データにおけるかご位置は、前記第2の学習データにおけるかご位置よりも上であり、第4の学習データにおけるかご位置は、前記第3の学習データにおけるかご位置よりも上であり、
前記第1の学習データと前記第2の学習データとを通る直線を表す式が、前記かごの位置によって変化する重量による張力変動成分を表す重量補正式として求められており、
前記フリート角補正式は、前記第3の学習データ及び前記第4の学習データから、前記重量補正式に基づく張力変動成分をそれぞれ減算した2つの値に基づいて、曲線を表す式として求められているエレベータの張力測定装置。 - 前記第1の学習データにおけるかご位置及び前記第2の学習データにおけるかご位置は、昇降路の上下方向の中間位置よりも下であり、
前記第3の学習データにおけるかご位置及び前記第4の学習データにおけるかご位置は、前記中間位置よりも上である請求項1記載のエレベータの張力測定装置。 - 前記第1の学習データにおけるかご位置は、最下階の位置である請求項1又は請求項2記載のエレベータの張力測定装置。
- 前記第4の学習データにおけるかご位置は、最上階の位置である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータの張力測定装置。
- 前記第2の学習データにおけるかご位置及び前記第3の学習データにおけるかご位置は、最下階及び最上階のいずれか一方から他方まで前記かごが走行する場合の一定速走行区間内にそれぞれ位置している請求項1又は請求項2に記載のエレベータの張力測定装置。
- 前記かごが最上階に停止したときの前記シャックルロッドから前記かごまでの懸架体の長さをhとし、前記かごの最上階停止位置から、前記かごの現在位置までの距離をyとしたとき、
前記フリート角補正式は、
α(1/(h+y)2)
で表され、
前記重量補正式は、
β(h+y)+γ
で表され、
パラメータh、α、β、及びγが前記第1の学習データ、前記第2の学習データ、前記第3の学習データ、及び前記第4の学習データから求められている請求項1又は請求項2に記載のエレベータの張力測定装置。 - 前記測定装置本体は、前記補正部で補正された張力に基づいて、かご内重量を測定する重量測定部
をさらに備えている請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエレベータの張力測定装置。 - 前記補正部は、前記張力変動成分を取り除く重量補正処理を実行する請求項7記載のエレベータの張力測定装置。
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