JP7070186B2 - マニピュレータ制御装置、マニピュレータ制御方法、及びマニピュレータ制御プログラム - Google Patents

マニピュレータ制御装置、マニピュレータ制御方法、及びマニピュレータ制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、マニピュレータ制御装置、マニピュレータ制御方法、及びマニピュレータ制御プログラムに関する。
コンビニエンスストア等において商品を陳列棚に載置する作業を自動化する場合、マニピュレータを用いて商品のピックアンドプレースを行うことが考えられる。この場合、マニピュレータは、例えばサンドウィッチ等の柔軟性を有するワークを保持して陳列棚に載置する作業を実行する。このとき、マニピュレータが水平方向を向いた姿勢で柔軟性を有するワークを保持した状態でプレース動作を行った場合には、ワークが撓むことによってワークの重心が崩れてしまい、陳列棚に載置したワークが転倒してしまう場合がある。
ところで、力覚センサを用いて、ワークとワークが載置される面との接触を判定しながら精度良くワークを載置する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2015-85499号公報
しかしながら、柔軟性を有するワークは反力が得られにくいため、力覚センサを用いて柔軟性を有するワークを精度良く載置するのは困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、マニピュレータに保持されたワークが重力により変形する場合でも精度良くワークを載置することができるマニピュレータ制御装置、マニピュレータ制御方法、及びマニピュレータ制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明に係るマニピュレータ制御装置は、保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得部と、前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正部と、前記補正部で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御部と、を備える。
また、前記補正部は、前記マニピュレータが水平方向を向いた第1の姿勢で前記ワークを保持した場合に補正量が最大となり、且つ、前記マニピュレータが鉛直方向を向いた第2の姿勢で前記ワークを保持した場合に前記補正量が最小となるように、前記目標姿勢を補正するようにしてもよい。
また、前記目標姿勢及び前記変形量を水平方向に対する角度で表し、前記補正目標姿勢を表す角度をRy’、前記目標姿勢を表す角度をRy、前記変形量をθとした場合、前記補正部は、以下の(1)式または(2)式に従って前記目標姿勢を補正するようにしてもよい。
Ry’=Ry-cos(Ry)×θ ・・・(1)
Ry’=Ry-SIGN(Ry)×{(90-ABS(Ry))/90}×θ ・・・(2)
ここで、SIGN()は符号関数、ABS()は絶対値を表す。
また、前記補正部は、前記変形量が所定値以上の場合に、前記目標姿勢を補正するようにしてもよい。
本発明に係るマニピュレータ制御方法は、コンピュータが、保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得工程と、前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正工程と、前記補正工程で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御工程と、を含む処理を実行する。
本発明に係るマニピュレータ制御プログラムは、コンピュータを、保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得部、前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正部、及び、前記補正部で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御部、として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、マニピュレータに保持されたワークが重力により変形する場合でも精度良くワークを載置することができる。
ピックアンドプレース装置の概略構成図である。 垂直多関節ロボットの一例を示す斜視図である。 マニピュレータ制御装置のハードウェア構成の例を示す構成図である。 マニピュレータ制御装置の機能構成の例を示すブロック図である。 ワークの変形について説明するための図である。 ワークの転倒について説明するための図である。 目標姿勢を補正する場合について説明するための図である。 マニピュレータ制御処理のフローチャートである。 吸着パッドの水平方向に対する角度について説明するための図である。 吸着パッドの水平方向に対する角度について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されている場合があり、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本実施形態に係るピックアンドプレース装置1の構成図である。図1に示すように、ピックアンドプレース装置1は、マニピュレータの一例としてのロボットRB、画像センサS、及びマニピュレータ制御装置10を備える。
ロボットRBは、台20上に設けられた箱22に収容された図示しないワークを保持して棚24まで搬送し、棚24内に載置する。
本実施形態では、一例としてロボットRBのロボットアームの先端にはエンドエフェクタとして吸着パッドPが取り付けられており、吸着パッドPで箱22内のワークを吸着することによってワークを保持する。そして、ワークを保持した状態で棚24まで搬送し、ワークの保持を解除してワークを載置する。なお、ワークを保持する部材は、吸着パッドPに限らず、ワークを把持するロボットハンドでもよい。
箱22の上方には画像センサSが設置されている。画像センサSは、箱22内に収容されたワークの集合であるワーク集合を静止画として撮影する。
マニピュレータ制御装置10は、ロボットRBの任意の初期姿勢から目標姿勢までの経路を生成する。ここで、経路とは、ロボットRBを初期姿勢から目標姿勢まで動作させる場合の姿勢のリストである。具体的には、マニピュレータ制御装置10は、画像センサSから取得した撮影画像を画像処理し、画像処理の結果に基づいて保持すべきワークの位置及び姿勢を認識する。そして、マニピュレータ制御装置10は、箱22内のワークを撮影するためにロボットRBが画像センサSの視野範囲外の退避位置に退避した退避姿勢を初期姿勢とし、ロボットRBが箱22内のワークを保持する保持姿勢を目標姿勢とする第1の経路と、ロボットRBが箱22内のワークを保持した保持姿勢を初期姿勢とし、ロボットRBがワークを棚24に載置する載置姿勢を目標姿勢とする第2の経路と、ロボットRBがワークを棚24に載置した載置姿勢を初期姿勢とし、箱22内のワークを撮影するためにロボットRBが画像センサSの視野範囲外の退避位置に退避した退避姿勢を目標姿勢とする第3の経路と、を生成する。なお、棚24を撮影する画像センサを備えた構成とし、画像センサで撮影された撮影画像に基づいてワークを載置すべき位置を認識するようにしてもよい。そして、マニピュレータ制御装置10は、生成した経路に従ってロボットRBが動作するように動作指令値をロボットRBに出力する。
次に、ロボットRBについて説明する。本実施形態では、一例としてロボットRBが垂直多関節ロボットである場合について説明する。
図2は、垂直多関節ロボットであるロボットRBの構成を示す図である。図2に示すように、ロボットRBは、ベースリンクBL、リンクL1~L6、ジョイントJ1~J6を備えた6自由度の6軸ロボットである。なお、ジョイントとは、リンク同士を接続する関節である。また、以下では、リンクL1~L6及びリンクL6に接続された吸着パッドPを含めてロボットアームと称する。
ベースリンクBLとリンクL1とは、図2において鉛直軸S1を中心として矢印C1方向に回転するジョイントJ1を介して接続されている。従って、リンクL1は、ベースリンクBLを支点として矢印C1方向に回転する。
リンクL1とリンクL2とは、図2において水平軸S2を中心として矢印C2方向に回転するジョイントJ2を介して接続されている。従って、リンクL2は、リンクL1を支点として矢印C2方向に回転する。
リンクL2とリンクL3とは、図2において軸S3を中心として矢印C3方向に回転するジョイントJ3を介して接続されている。従って、リンクL3は、リンクL2を支点として矢印C3方向に回転する。
リンクL3とリンクL4とは、図2において軸S4を中心として矢印C4方向に回転するジョイントJ4を介して接続されている。従って、リンクL4は、リンクL3を支点として矢印C4方向に回転する。
リンクL4とリンクL5とは、図2において軸S5を中心として矢印C5方向に回転するジョイントJ5を介して接続されている。従って、リンクL5は、リンクL4を支点として矢印C5方向に回転する。
リンクL5とリンクL6とは、図2において軸S6を中心として矢印C6方向に回転するジョイントJ6を介して接続されている。従って、リンクL6は、リンクL5を支点として矢印C6方向に回転する。なお、図2では図示は省略したが、リンクL6に吸着パッドPが取り付けられる。
ジョイントJ1~J6は、予め定めた回転角度の範囲が可動域として各々設定されている。
ロボットRBの姿勢は、ジョイントJ1~J6の各々の回転角度によって定まる。従って、ロボットRBを動作させるための動作指令値は、ロボットRBが取るべき姿勢に対応したジョイントJ1~J6の各々の回転角度である。
図3は、本実施形態に係るマニピュレータ制御装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、マニピュレータ制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、モニタ16、光ディスク駆動装置17、及び通信インタフェース18を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、マニピュレータ制御処理を実行するマニピュレータ制御プログラムが格納されている。CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各構成を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力部15は、キーボード151、及びマウス152等のポインティングデバイスを含み、各種の入力を行うために使用される。モニタ16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。モニタ16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能してもよい。光ディスク駆動装置17は、各種の記録媒体(CD-ROM又はブルーレイディスクなど)に記憶されたデータの読み込みや、記録媒体に対するデータの書き込み等を行う。
通信インタフェース18は、ロボットRB及び画像センサS等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)、及びIEEE1394等の規格が用いられる。
次に、マニピュレータ制御装置10の機能構成について説明する。
図4は、マニピュレータ制御装置10の機能構成の例を示すブロック図である。図4に示すように、マニピュレータ制御装置10は、機能構成として、取得部30、補正部32、制御部34、及び記憶部36を有する。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶されたマニピュレータ制御プログラムを読み出し、RAM13に展開して実行することにより実現される。
本実施形態では、ワークが、吸着パッドPにより保持した際に重力により変形するワークである場合について説明する。例えば図5に示すように、吸着パッドPの目標姿勢が水平方向を向いた姿勢であり、この状態でワークWを保持した場合、ワークWは重力によって鉛直方向、すなわち重力方向である矢印G方向に撓むことにより変形する。なお、吸着パッドPが水平方向Hを向いた姿勢でワークWを保持した場合に、ワークWと水平方向Hとが成す角度を変形量θとする。
そして、ワークWが撓んだ状態で棚24の載置面24Aに載置するために吸着パッドPの吸着を解除した場合、図6に示すようにワークWが転倒し、正しい向きで載置面24Aに載置されない虞がある。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、吸着パッドPの目標姿勢を、変形量θに基づいて、吸着パッドPの向きが水平方向Hよりも上側を向くように補正する。すなわち、変形量θを補正係数として吸着パッドPの目標姿勢を補正する。これにより、ワークWを転倒させずに載置面24Aに載置することができる。
取得部30は、保持した際に重力により変形するワークWをロボットRBの吸着パッドPにより保持した際のワークWの変形量θ、すなわち補正係数と、ロボットRBの目標姿勢と、を取得する。
補正部32は、取得部30が取得した補正係数に応じて目標姿勢を補正する。
制御部34は、補正部32で補正された補正目標姿勢に基づいて、ロボットRBの動作を制御する。
記憶部36は、マニピュレータ制御プログラム及び補正係数テーブルデータ等の各種情報を記憶する。
補正係数テーブルデータは、ワークの種類と補正係数との対応関係を表すデータである。補正係数テーブルデータは、予め様々な種類のワークについて変形量θを測定した結果に基づいて作成される。
次に、マニピュレータ制御装置10の作用について説明する。
図8は、マニピュレータ制御装置10のCPU11により実行されるマニピュレータ制御処理の流れを示すフローチャートである。オペレータによりマニピュレータ制御処理の実行が指示されると、CPU11がROM12又はストレージ14からマニピュレータ制御プログラムを読み出して、RAM13に展開し実行することにより、マニピュレータ制御処理が実行される。
CPU11は、制御部34として画像センサSに撮影を指示し、画像センサSが撮影した撮影画像を取得する(ステップS100)。
CPU11は、制御部34として、撮影画像に基づいて、保持するワークWを選択し、選択したワークWを保持するロボットRBの姿勢を算出する(ステップS102)。
保持するワークWの選択基準としては、例えばワーク集合の中で最上部にあるワークWを選択する、ワーク集合の中央に存在するワークWを選択する、他のワークWと重ならないワークWを選択する等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
保持するワークWを選択した後、選択したワークWを保持するための吸着パッドPの姿勢を取得する。これは、例えばワークWの形状に応じた吸着パッドPの姿勢を予め記憶部36に記憶しておき、記憶部36から読み出せばよい。次に、取得した吸着パッドPの姿勢と、保持するワークWの位置及び姿勢と、に基づいて、実際にワークWを保持するための吸着パッドPの位置及び姿勢を算出する。最後に、逆運動学(IK:Inverse Kinematics)と呼ばれる公知の手法を用いて、算出した吸着パッドPの位置及び姿勢を実現するためのロボットRBの姿勢を算出する。
CPU11は、制御部34として、ロボットRBが退避位置に退避した退避姿勢を初期姿勢とし、ロボットRBが箱22内でワークを保持する保持姿勢を目標姿勢とする第1の経路を生成する(ステップS104)。第1の経路の生成は、公知の経路計画法を用いることができる。後述する第2の経路及び第3の経路についても同様である。
CPU11は、制御部34として、ステップS100で取得した撮影画像に基づいてワークWの種類を識別する(ステップS106)。ワークWの種類は、例えば公知のパターン認識処理等を用いて識別することができる。
CPU11は、取得部30として、ステップS106で識別したワークWの種類に対応する補正係数を取得する(ステップS108)。具体的には、記憶部36に記憶された補正係数テーブルデータを参照し、ワークWの種類に対応する補正係数を読み出す。
CPU11は、取得部30として、第2の経路における目標姿勢、すなわち、ロボットRBがワークを棚24に載置する載置姿勢を取得する(ステップS110)。
ロボットRBがワークを棚24に載置する載置姿勢については、以下のように取得できる。例えば棚24に設けられた複数の載置場所を予めティーチングしておき、ティーチングした複数の載置場所の位置情報及び複数の載置場所にワークを載置する載置順序を記憶部36に記憶しておく。そして、載置順序に従って決められた載置場所にワークを載置する場合のロボットRBの姿勢を目標姿勢とする。なお、保持するワークを選択する場合と同様に、棚24を撮影する画像センサを設け、棚24を撮影した撮影画像に基づいてワークを載置する載置場所を選択してもよい。この場合、選択した載置場所にワークを載置する場合のロボットRBの姿勢を目標姿勢とし、前述した第1の経路の目標姿勢を算出する場合と同様に算出すればよい。なお、目標姿勢が変化しない場合は、予め定めた固定の目標姿勢を用いても良い。
CPU11は、補正部32として、ステップS110で取得した目標姿勢を、ステップS108で取得した補正係数に基づいて補正する(ステップS112)。
具体的には、ロボットRBの目標姿勢及び補正係数を水平方向に対する角度で表し、補正後の目標姿勢である補正目標姿勢を表す角度をRy’、目標姿勢を表す角度をRy、補正係数θとした場合、補正部32は、以下の(1)式または(2)式に従って目標姿勢を補正する。なお、(2)式を用いて目標姿勢を補正した場合は、角度Ryと補正後の角度Ry’との関係が線形関係となる。
Ry’=Ry-cos(Ry)×θ ・・・(1)
Ry’=Ry-SIGN(Ry)×{(90-ABS(Ry))/90}×θ
・・・(2)
ここで、SIGN()は符号関数、ABS()は絶対値を表す。
なお、図9に示すように、吸着パッドPが水平方向であるX軸方向に向いている場合、目標姿勢を表す角度Ryは0度である。また、本実施形態では、X軸よりも下側を正の角度とし、X軸よりも上側を負の角度とする。例えば図10に示すように、吸着パッドPがX軸よりも下側を向いている場合は、角度Ryは正の角度となる。
上記(1)、(2)式は、吸着パッドPが水平方向、すなわちX軸方向を向いた第1の姿勢でワークWを保持した場合(Ry=0)に補正量が最大となり、且つ、吸着パッドPが鉛直方向、すなわちZ軸方向を向いた第2の姿勢でワークWを保持した場合(Ry=90)に補正量が最小となる補正式である。
CPU11は、制御部34として、ロボットRBが箱22内のワークWを保持した保持姿勢である初期姿勢から、ステップS112で補正した補正目標姿勢までの第2の経路を生成する(ステップS114)。
CPU11は、制御部34として、ロボットRBがワークを棚24に載置した載置姿勢である補正目標姿勢から退避姿勢までの第3の経路を生成する(ステップS116)。
CPU11は、制御部34として、ロボットRBの第1~3の経路に基づいてロボットRBの動作指令値を生成し、ロボットRBに送信する(ステップS118)。これにより、生成された第1~第3の経路に従ってロボットRBが移動する。すなわち、ロボットRBが、退避位置から移動して箱22の中のワークを保持し、棚24の所定位置に載置した後、退避位置に戻るように動作する。
CPU11は、制御部34として、箱22内から全てのワークWを棚24へ搬送したか否かを判定する(ステップS120)。具体的には、例えば箱22内を撮影した撮影画像を取得してパターン認識処理等の公知の画像処理を実行し、撮影画像中にワークWが存在するか否かを判定する。また、最初に箱22内に載置されていたワークWの数が予め判っている場合には、ワークWを搬送した回数が最初に箱22内に収容されていたワークWの数に達したか否かを判定してもよい。そして、全てのワークWを搬送した場合(ステップS120:YES)、本ルーチンを終了する。一方、全てのワークWを搬送していない場合(ステップS120:NO)、ステップS100へ移行し、全てのワークWを搬送するまでステップS100~S120の処理を繰り返す。
このように、本実施形態では、吸着パッドPが水平方向を向いた姿勢でワークWを保持した場合のワークWの変形量に応じてロボットRBの目標姿勢を補正する。このため、吸着パッドPに保持されたワークWが重力により変形する場合でも精度良くワークWを棚24に載置することができる。
マニピュレータ制御装置10は、上記の実施形態に限定されず、種々の改変が可能である。例えば、本実施形態では、変形量θの大小に関係なくロボットRBの目標姿勢を補正する場合について説明したが、変形量θが所定値以上の場合にロボットRBの目標姿勢を補正するようにしてもよい。この場合、所定値は、目標姿勢を補正しなくてもワークWを問題無く載置できる範囲の値に設定される。これにより、目標姿勢の無駄な補正を抑えることができる。
また、本実施形態では、画像センサSにより撮影された撮影画像に基づいてワークWの種類を識別する場合について説明したが、例えば各ワークにRFID(Radio Frequency Iidentifier)を用いたタグを貼付しておき、このタグからワークWの種類を表す識別符号を取得することでワークWの種類を識別してもよい。
また、本実施形態では、ロボットRBが垂直多関節ロボットである場合について説明したが、水平多関節ロボット(スカラーロボット)及びパラレルリンクロボット等にも本発明を適用可能である。ただし、水平多関節ロボット及びパラレルリンクロボットに本発明に適用する場合には、目標姿勢を表す角度であるRyを任意の角度に設定するには自由度が足りないため、エンドエフェクタにモータ等を取り付けてRyを任意の角度に設定することができるようにする必要がある。
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した経路計画を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、経路計画を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、マニピュレータ制御プログラムがストレージ14又はROM12に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
1 ピックアンドプレース装置
10 マニピュレータ制御装置
20 台
22 箱
24 棚
24A 載置面
30 取得部
32 補正部
34 制御部
36 記憶部
W ワーク

Claims (5)

  1. 保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得部と、
    前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正部と、
    前記補正部で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御部と、
    を備え
    前記補正部は、前記マニピュレータが水平方向を向いた第1の姿勢で前記ワークを保持した場合に補正量が最大となり、且つ、前記マニピュレータが鉛直方向を向いた第2の姿勢で前記ワークを保持した場合に前記補正量が最小となるように、前記目標姿勢を補正する
    マニピュレータ制御装置。
  2. 前記目標姿勢及び前記変形量を水平方向に対する角度で表し、前記補正目標姿勢を表す角度をRy’、前記目標姿勢を表す角度をRy、前記変形量をθとした場合、前記補正部は、以下の(1)式従って前記目標姿勢を補正する
    Ry’=Ry-cos(Ry)×θ ・・・(1
    請求項1載のマニピュレータ制御装置。
  3. 前記補正部は、前記変形量が所定値以上の場合に、前記目標姿勢を補正する
    請求項1又は請求項2記載のマニピュレータ制御装置。
  4. コンピュータが、
    保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得工程と、
    前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正工程と、
    前記補正工程で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御工程と、
    を含み、
    前記補正工程は、前記マニピュレータが水平方向を向いた第1の姿勢で前記ワークを保持した場合に補正量が最大となり、且つ、前記マニピュレータが鉛直方向を向いた第2の姿勢で前記ワークを保持した場合に前記補正量が最小となるように、前記目標姿勢を補正する
    処理を実行するマニピュレータ制御方法。
  5. コンピュータを、
    保持した際に重力により変形するワークをマニピュレータにより保持した際の前記ワークの変形量、及び前記マニピュレータの目標姿勢を取得する取得部、
    前記変形量に応じて前記目標姿勢を補正する補正部、及び、
    前記補正部で補正された補正目標姿勢に基づいて、前記マニピュレータの動作を制御する制御部、
    として機能させ
    前記補正部は、前記マニピュレータが水平方向を向いた第1の姿勢で前記ワークを保持した場合に補正量が最大となり、且つ、前記マニピュレータが鉛直方向を向いた第2の姿勢で前記ワークを保持した場合に前記補正量が最小となるように、前記目標姿勢を補正する
    マニピュレータ制御プログラム。
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